説明

テント用シート

【課題】敷地に組まれた足場等に所定勾配で張設されて建築中の建物の上側を覆うテントや、雨や日除けとして使用される一般テントにおいて、雨水が侵入することなく、吹き上げる風及び吹きつける風のいずれに対しても風を逃がすことができる手段を提供する。
【解決手段】勾配上側のシート帯1B,1Cの下端部が勾配下側のシート帯1C,1Dの上端部の上に重ねられて勾配方向に並列して配置されるとともに、所定の固着ライン間12Cのシート帯1Cを隣接する勾配上下側のシート帯1B,1Dに対して弛ませることにより風抜き口20BC,20CDを形成して、各シート帯1B,1C,1Dが所定間隔の勾配方向の固着ライン10で固着され、固着ライン10間の距離が30〜60cmであり且つ前記弛ませたシート帯1Cの固着ライン間12Cの寸法が固着ライン間の距離の略4/3倍であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築中の建物の上側を覆うテントや、雨や日除けのために張られる一般テント等に使用されるテント用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
建築現場において養生のために足場の上部等にテントを張設することや、雨や日除けのためにパイプ等で組んだ骨組みにテントを張設することは周知である。例えば、木造住宅を建築する際には、屋根が施工されるまで降雨により柱材等が濡れることを防いだり、日除けとして、建築中の建物を覆うテントが張設される。このようなテントは、足場や建物に適宜固定されて張設されているが、該テントが風を受けた場合、その風圧が足場等に作用するが、風が強い場合には足場や建物が倒壊するおそれもあるので、テントを外すようにしていた。
【0003】
これに対し、開口を設けて風を逃がすテント用シートが考案されている。例えば、図7に示すように、テント用シート90に風抜きの開口91を形成し、該開口91を覆うようにシート状の蓋92を配設して一辺のみ縫付けておく。これにより、テント用シート90の内側から風が吹き上げた場合には、風圧により蓋92が捲れて開口91から風が抜け、一方、降雨の際には蓋92上を雨水が流れて、開口91から雨水が浸入することがない(例えば、特許文献1,2参照)。また、図には示していないが、ファスナーにより開閉する開口を設けたテント用シートも考案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平8−120943号公報
【特許文献2】特開平8−158705号公報
【特許文献3】特開平9−277056号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
足場の上部では風が強い上に、建築中の建物や隣接する建物の影響で多様な方向に風が吹くところ、前記蓋92は、テント用シート90の内側から風が吹き上げる場合には捲り上がって開口91を開放するが、テント用シート90の外側から風が吹きつける場合には開口91を閉じた状態のままで、開口91から風が抜けないという問題がある。また、蓋92が完全に捲り上がってしまうと風が止んでも蓋92が戻らないおそれがあり、蓋92が戻るとしても、風が吹き上げている間は開口91が開放状態なので雨が降り込んでしまうという問題もある。
【0006】
一方、開口をファスナーにより開閉する構成では、雨や風の状況によってファスナーを開閉する必要があり面倒である。また、テント用シートを施工シートとして用いる場合には屋根の施工ができる程度の高さに張設して建築中の建物の上側を覆うので、ファスナーの開閉作業は困難である。
【0007】
本発明は、これらの点に鑑みてなされたものであり、敷地に組まれた足場等に所定勾配で張設されて建築中の建物の上側を覆うテントや、雨や日除けとして使用される一般テントにおいて、雨水が浸入することなく、吹き上げる風及び吹きつける風のいずれに対しても風を逃がすことができる手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、所定勾配で張設されるテント用シートであって、可撓性のシート帯が、勾配上側のシート帯の下端部が勾配下側のシート帯の上端部の上に重ねられて勾配方向に並列して配置されるとともに、所定の固着ライン間のシート帯を隣接する勾配上下側のシート帯に対して弛ませることにより風抜き口を形成して、各シート帯が所定間隔の勾配方向の固着ラインで固着され、固着ライン間の距離が30〜60cmであり且つ前記弛ませたシート帯の固着ライン間の寸法が固着ライン間の距離の略4/3倍であることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、前記テント用シートの勾配面において千鳥状に、各固着ライン間のシート帯を隣接する勾配上下側のシート帯に対して弛ませたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るテント用シートによれば、可撓性のシート帯を、勾配上側のシート帯の下端部が勾配下側のシート帯の上端部の上に重ねて勾配方向に並列して配置したので、勾配に従って流れ落ちる雨水がシート帯間から内側へ浸入することがなく、且つ、所定の固着ライン間のシート帯を隣接する勾配上下側のシート帯に対して弛ませることにより風抜き口を形成したので、吹き上げる風に対しては該シート帯と勾配下側のシート帯との間に形成された風抜き口が開口して風を逃がし、吹きつける風に対しては該シート帯と勾配上側のシート帯との間に形成された風抜き口が開口して風を逃がす。これにより、吹き上げる風及び吹きつける風のいずれに対しても風を逃がしてテント用シートに作用する風圧を軽減することができ、また、風抜き口が開口した状態でも雨水が浸入しない。
【0011】
また、固着ライン間の距離を30〜60cmと狭くしたので、シート帯の弛ませた部分の上に雨水が溜まりにくい。しかも、弛ませた部分の固着ライン間の寸法を固着ライン間の距離の略4/3倍としたので、十分な大きさの風抜き口を確保して風の抜け具合を良好とすることができる。
【0012】
また、前記テント用シートの勾配面において千鳥状に、各固着ライン間のシート帯を隣接する勾配上下側のシート帯に対して弛ませることにより、テント用シートの全面に平均して多数の風抜き口を形成することができ、前述した効果を最大に発揮できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態に係るテント用シートについて詳細に説明する。
本テント用シート1は、住宅建築において養生テントとして使用したり、雨や日除けのための一般的なテントとして使用することができるが、本実施の形態では養生テントとして使用する場合を例に説明する。図1に示すように、本テント用シート1は、敷地に組まれた足場3に所定勾配で張設されて建築中の建物の上側を覆うことにより、住宅等の建物を建築する際に、建築中の建物の柱等が雨に濡れることを防止したり、日除けとなるものである。勿論、住宅建築に限らず、屋根の葺き替えや解体作業等においても本テント用シート1を養生テントとして使用できる。足場3は、鋼管や木材等からなり、建築する建物の周囲を囲繞するように組まれるが、足場3の資材や建物との位置関係は特に限定されるものではなく、公知且つ任意の足場において本テント用シート1を使用できる。また、テント用シート1は、建物の屋根を施工する際にも使用できるように、建築する建物に対して十分に高い位置に張設されるが、このようなテント用シート1の張設位置も特に限定されるものではなく、例えば建物の建築状況に応じて張設位置を適宜変更してもよい。
【0014】
テント用シート1は、図1に示すように、複数の可撓性のシート帯1A〜1J,2が一部重ねられて勾配方向に並列されており、本テント用シート1は切妻屋根状に張設するものであるから、5つのシート帯1A〜1Eと、5つのシート帯1F〜1Jとが各勾配面を夫々形成するように構成され、棟に相当する中央部にシート帯2が設けられている。テント用シート1の棟に相当する中央部が足場3間に架設されたワイヤ4上に載せられて又はカラビナ等で吊り下げられて、ワイヤ4から各勾配面が垂れ下がるように切妻屋根状にテント用シート1が張られ、軒先に相当する縁部に適宜設けられたハト目にロープ等が挿通されて足場3や建築物に固定されている。テント用シート1はワイヤ4に対して摺動可能であり、各シート帯1A〜1Jは可撓性であるので、テント用シート1の縁部を足場3から外して一方へ折り畳むように摺動させることにより、テント用シート1で覆われていた足場3の上部を開放することができる。なお、このようなテント用シート1の張設方法は一例であって必ずしも切妻屋根状に張設する必要はなく、所定の勾配で張設するのであれば片流れ屋根や差掛け屋根のような形状に張設してもよい。また、テント用シート1の中央部にリング部材を設け、該リング部材にワイヤ4を挿通して開閉可能に張設してもよい。
【0015】
シート帯1A〜1J,2は、織布や樹脂シート等からなり、防水性を有し且つ軽量のものが好適である。本実施の形態では、約1.2m幅の10枚のシート帯1A〜1Jを5枚ずつで1つの勾配面としているが、シート帯の幅や勾配面当りのシート帯の並列数は適宜変更可能である。5枚のシート帯1A〜1Eにより構成される勾配面と、他の5枚のシート帯1F〜1Jにより構成される勾配面とは同様であるので、切妻屋根状に張設されるテント用シート1の片側の勾配面を構成する各シート帯1A〜1Eを例に説明する。
【0016】
各シート帯1A〜1Eは、図2に示すように、勾配方向に並列して、即ち長手方向が勾配方向と直交するようにして、勾配上側から勾配下側へシート帯1A,1B,1C,1D,1Eの順序で配置されており、勾配上側のシート帯1Aの下端部が勾配直下側のシート帯1Bの上端部の上に重ねられ、該シート帯1Bの下端部が更に勾配直下側のシート帯1Cの上端部の上に重ねられ、シート帯1C,1D,1Eも夫々同様に重ねられている。各シート帯1A〜1Eの重ね代は、勾配面に従って流れ落ちる雨水が重ね合わせ部分からテント用シート1の内側へ浸入せず、且つ風抜き口が開口し易いように設定し、例えば本実施の形態のような約1.2m幅の各シート帯1A〜1Eであれば約40cm程度が好適である。
【0017】
このように、各端部が夫々重ねあわされて勾配方向に並列に配置された各シート帯1A〜1Eは、図2に示すように、所定間隔、例えば約50cm間隔の勾配方向の固着ライン10で固着されることにより一体とされるが、その勾配方向の各固着ライン10の間である各固着ライン間のシート帯1A〜1Eの寸法を、隣接する勾配上下側のシート帯に対して弛ませて各固着ライン10に沿って縫合されている。詳細には、図3に示すように、シート帯1Cの固着ライン10で挟まれた固着ライン間12Cの長手方向の距離を、その勾配上側のシート帯1Bの固着ライン間12B及び勾配下側のシート帯1Dの固着ライン間12Dの長手方向の距離である約50cmより大きくして、勾配上下側のシート帯1B,1Dに対してシート帯1Cに弛み部Yを形成している。この弛み部Yにより、シート帯1Cの上端部とシート帯1Bの下端部との重ね合わせ部分、及びシート帯1Cの下端部とシート帯1Dの上端部との重ね合わせ部分に開口が形成され、該開口が夫々風抜き口20BC,20CDとなっている。
【0018】
シート帯1Cでは、各固着ライン間において間欠して、即ち、図2に示すように、固着ライン間14C,16Cにおいて、前記固着ライン間12Cと同様の弛み部Yが設けられ、その上端部及び下端部に風抜き口が夫々形成されている。その他のシート帯1A,1B,1D,1Eでも同様の弛み部Yが設けられているが、各弛み部Yは、シート帯1A〜1Eにより構成される勾配面において千鳥状に設けられている。即ち、シート帯1A及びシート帯1Eでは、シート帯1Cと同様に、固着ライン間12A,14A,16A、及び固着ライン間12E,14E,16Eに弛み部Yが設けられ、シート帯1B及びシート帯1Dでは、シート帯1A,1C,1Eでは弛み部Yが設けられない間欠部分である固着ライン間11B,13B,15B,17B、及び固着ライン間11D,13D,15D,17Dに弛み部Yが設けられている。各シート帯1A〜1Eの弛み部Yの寸法は風抜き口とする開口の大きさを考慮して設定され、固着ライン間の距離に対して約1.2〜1.5倍程度が好適である。
【0019】
固着ライン10間の距離と各シート帯1A〜1Eの弛み部Yの寸法は任意の大きさとすることができるが、本実施例では、固着ライン10間に雨水が溜まりにくくするため、図3に示すように、固着ライン10間の距離約50cmに対して、各シート帯1B〜1Dの弛み部Yの寸法をその略4/3倍である66cmとしている。より詳細に説明すると、各シート帯1B〜1Dでは、弛み部Yが形成された固着ライン10間には、弛み部Yが形成されていない固着ライン10間と比べてシート帯1A〜1E上に雨水が溜まりやすく、特に、固着ライン10間の距離と弛み部Yの寸法を大きくすると、弛み部Yが形成された固着ライン10間に溜まる雨水の量が多くなり、図4に示すように、雨水Wが流れ落ちることなく溜まったままの状態となる。そして、例えばシート帯1C上に溜まった雨水Wの量が増すに連れ、図2に示すように本来はシート帯1Dの上に重ねられるはずのシート帯1Cが、雨水Wの重みでその下端部に形成された弛み部Yがシート帯1B側へ引き寄せられ、さらにシート帯1Cが弛み、固着ライン10間の距離が狭くなって、弛み部Yがシート帯1Dの下に入り込んでしまう場合がある。この場合、シート帯1C上に溜まった雨水Wが、シート帯1Cの弛み部Yとシート帯1Dの間に生じた開口Kからテント用シート1の内側に浸入する。このような事態を防止するため、本出願人は、固着ライン10間の距離と弛み部Yの寸法を適宜変化させて、雨水Wの溜まりやすさ及び風の抜け具合がどのように変化するかについて鋭意研究した。そして、固着ライン10間の距離を小さくした方が各シート帯1A〜1E上に溜まる雨水Wの量が少なく、シート用テント1が風で揺れる等するだけで流れ落ちやすい点、及び風の抜け具合の良し悪しは風抜き口の総面積によって決まる点を考慮して、固着ライン10間の距離と弛み部Yの寸法を上記大きさに決定した。
【0020】
尚、固着ライン10間の距離は本実施例に限定されず、30cm〜60cmの範囲で雨水を溜まりにくくする効果が得られる。且つ、弛み部Yの寸法を固着ライン10間の距離の略4/3倍とすることにより、十分な大きさの風抜き口を確保して風の抜け具合を良好とすることができる。
【0021】
このように、千鳥状に固着ライン間を弛ませて各シート帯1A〜1Eが各固着ライン10に沿って縫合されており、図には詳細に示していないが、切妻屋根状に張設されるテント用シート1の他の勾配面を構成するシート帯1F〜1Jも、同様に、千鳥状に固着ライン間を弛ませて各固着ライン10に沿って縫合されており、各勾配面の最上側となるシート帯1Aとシート帯1Fとは、図2に示すように、シート帯1A,1Fの上端部にシート帯2が重ねられて各固着ライン10に沿って縫合され、1枚のテント用シート1が構成されている。なお、本実施の形態では、各シート帯1A〜1J,2を縫合することにより固着ライン10に沿って固着してるが、接着剤による接着や熱融着等の他の固着手段を用いてもよい。
【0022】
以下、固着ライン間12B,12C,12Dにおける風抜き口20BC,20CDを例に、吹き上げる風及び吹きつける風の抜け方及び雨水の流れ方について説明する。
図3に示したように、シート帯1Cの固着ライン間12Cに弛みを設けることにより、シート帯1Cの上端部とシート帯1Bの下端部との重ね合わせ部分、及びシート帯1Cの下端部とシート帯1Dの上端部との重ね合わせ部分に夫々風抜き口20BC,20CDが形成されている。テント用シート1の内側から風が吹き上げた場合には、各シート帯1B,1C,1Dが風を受けて上側へ孕もうとするが、図5に示すように、風抜き口20BCは、風圧により固着ライン間12Cのシート帯1Cの上端部が固着ライン間12Bのシート帯1Bの下端部に押し付けられるので殆ど開口しない状態となる。したがって、風抜き口20BCを風は殆ど通過しない。一方、風抜き口20CDは、風圧により固着ライン間12Cのシート帯1Cの下端部が上側へ孕み、固着ライン間12Dのシート帯1Dの上端部に対する弛み分だけ開口した状態となる。したがって、テント用シート1の内側から吹き上げる風は、風抜き口20CDを通過してテント用シート1の外側へ抜ける。
【0023】
逆に、テント用シート1の外側から風が吹きつけた場合には、各シート帯1B,1C,1Dが風を受けて下側へ孕もうとするが、図6に示すように、風抜き口20BCは、風圧により固着ライン間12Cのシート帯1Cの上端部が下側へ孕み、固着ライン間12Bのシート帯1Bの下端部に対する弛み分だけ開口した状態となる。したがって、テント用シート1の外側から吹きつける風は、風抜き口20BCを通過してテント用シート1の内側へ抜ける。一方、風抜き口20CDは、風圧により固着ライン間12Cのシート帯1Cの下端部が固着ライン間12Dのシート帯1Dの上端部に押し付けられるので殆ど開口しない状態となる。したがって、風抜き口20CDを風は殆ど通過しない。このように、テント用シート1の内側から吹き上げる風に対しては風抜き口20CDが開口して風を逃がし、外側から吹きつける風に対しては風抜き口20BCが開口して風を逃がすので、吹き上げる風及び吹きつける風のいずれに対してもテント用シート1に作用する風圧を軽減することができる。
【0024】
また、各シート帯1B,1C,1Dは、勾配上側のシート帯の下端部が勾配下側のシート帯の上端部の上に重ねられているので、勾配に従って流れ落ちる雨水が各シート帯間から内側へ浸入することがない。また、テント用シート1の内側から風が吹き上げている場合には、図5に示すように、風抜き口20BCは殆ど開口していないので雨水が風抜き口20BCから内側へ浸入することはなく、また、風抜き口20CDは開口しているが、固着ライン間12Cにおいてシート帯1Cの下端部は上側へ孕んでいるので、雨水は風抜き口20CDの両側へ流れて風抜き口20CDから内側へ浸入することもない。仮に、風抜き口20CDに雨水が流れたとしても、該雨水は勾配下側の固着ライン間12Dのシート帯1Dに受けられて、更に勾配に従って流れ落ちる。一方、テント用シート1の外側から風が吹きつけている場合には、図6に示すように、風抜き口20BCは開口しているが、該風抜き口20BCから流れ落ちた雨水は勾配下側の固着ライン間12Cのシート帯1Cに受けられて、更に勾配に従って流れ落ちるので、雨水が風抜き口20BCから内側へ浸入することはなく、また、風抜き口CDは、殆ど開口していないので雨水が風抜き口20CDから内側へ浸入することもない。このように、吹き上げる風又は吹きつける風により風抜き口20BC,20CDが開口した状態であっても、雨水がテント用シート1の内側へ浸入することはない。
【0025】
他の風抜き口についても同様なので詳細には説明しないが、テント用シート1の各勾配面において各固着ライン間に千鳥状に弛みが設けられることにより、各勾配面の全面に平均して多数の風抜き口が形成されているので、吹き上げる風又は吹きつける風のいずれに対してもテント用シート1の全面から風を逃がすことができる。
【0026】
なお、本実施の形態では、テント用シート1を住宅建築において養生テントとして使用する場合を例に説明したが、本発明に係るテント用シートの使用が養生テントに限定されるものでないことは当然である。また、本実施の形態では、風抜き口を勾配面において千鳥状に形成したが、テント用シートの使用目的に応じて風抜き口を形成する箇所や数を適宜変更できることも当然である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施の形態に係るテント用シート1を足場3に張設した状態を示す概略斜視図。
【図2】テント用シート1の一方の勾配面の構成を示す正面図。
【図3】固着ライン間12Cにおける風抜き口20BC,20CDの構成を示す斜視図。
【図4】各シート帯1B〜1D上に雨水Wが溜まった状態を示す斜視図。
【図5】吹き上げる風を受けた場合の風抜き口20BC,20CDを示す斜視図である。
【図6】吹きつける風を受けた場合の風抜き口20BC,20CDを示す斜視図である。
【図7】従来のテント用シートにおける風抜き手段の一例を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
【0028】
1 テント用シート
1A〜1J,2 シート帯
10 固着ライン
12C 固着ライン間
20BC,20CD 風抜き口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定勾配で張設されるテント用シートであって、可撓性のシート帯が、勾配上側のシート帯の下端部が勾配下側のシート帯の上端部の上に重ねられて勾配方向に並列して配置されるとともに、所定の固着ライン間のシート帯を隣接する勾配上下側のシート帯に対して弛ませることにより風抜き口を形成して、各シート帯が所定間隔の勾配方向の固着ラインで固着され、固着ライン間の距離が30〜60cmであり且つ前記弛ませたシート帯の固着ライン間の寸法が固着ライン間の距離の略4/3倍であることを特徴とするテント用シート。
【請求項2】
前記テント用シートの勾配面において千鳥状に、各固着ライン間のシート帯を隣接する勾配上下側のシート帯に対して弛ませたことを特徴とする請求項1記載のテント用シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−138469(P2007−138469A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−331544(P2005−331544)
【出願日】平成17年11月16日(2005.11.16)
【出願人】(000198787)積水ハウス株式会社 (748)
【Fターム(参考)】