説明

テント類の折り畳みフレーム及び医療用の組立式テントの張設方法

【課題】 完成後の4角形のフレームの大きさに相当するオープンスペースがなくとも、テントを張る位置の床等にベッド等の障害物がある場合にあっても、無理なくテントを張るとこができるテント類の折り畳みフレームの提供を図る。
【解決手段】 2本のパイプ状部材11をX字状に接続したx字状部13を備えた蛇腹状伸縮部と、4本の支柱とを備える。支柱のそれぞれが、上記取付部について上取付部31、中取付部32、下取付部22の3つの取付部を有する。各上取付部31は、2個のパイプ状部材11の上位端部15を、、中取付部32は1個の下位端部16を、下取付部33は1個の下位端部16を、取り付ける。左右蛇腹状伸縮部21、22と前後蛇腹状伸縮部23、24との2段階の伸張手順により折り畳みフレームを伸張させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、テント類の折り畳みフレーム及び医療用の組立式テントに関するもである。
【背景技術】
【0002】
従来より、蛇腹状の伸縮部を有する平面視4角形のテント類の折り畳みフレームは、種々提案されている(特許文献1〜4)。
具体的には、特許文献1〜4には、下記の構成を備えたテント類の折り畳みフレームがが開示されている。この従来の折り畳みフレームにあっては、中央の交点で2本のパイプ状部材をX字状に互いに回動可能に接続したx字状部を1個以上備えた蛇腹状伸縮部と、4本の支柱とを備える。当該4本の支柱は、平面視4角形の4角に配置され、同4角形の前後左右の4辺に蛇腹状伸縮部が配置される。蛇腹状伸縮部の端部を構成する2本のパイプ状部材の上方に位置する上位端部及び下方に位置する下位端部のそれぞれが取付部を介して回動可能に支柱に取り付けられると共に、上位端部の取付部が上記の支柱に対して摺動不能であり、且つ、下位端部の取付部が上記の支柱の長手方向に沿って摺動可能に取り付けられている。そして、上記の4角形の4角に配置された支柱のそれぞれは、上記取付部について上取付部と下取付部との2つの取付部を有する。上取付部は、前後何れか一方と左右何れか一方との2つの蛇腹状伸縮部における2個の上位端部を、上記の4角形の4角に配置された支柱に摺動不能且つ回動可能に取り付けるものである。下取付部は、前後何れか一方と左右何れか一方との2つの蛇腹状伸縮部における2個の下位端部を、上記の4角形の4角に配置された支柱に摺動可能且つ回動可能に取り付けるものである。
【0003】
これら特許文献1〜4に係る折り畳みフレームにあっては、上記のように、1本の支柱には、上取付部と下取付部との2個の取付部のみが設けられており、下取付部は、前後何れか一方と左右何れか一方との2つの蛇腹状伸縮部における2個の下位端部を、上記の4角形の4角に配置された支柱に摺動可能且つ回動可能に取り付けるものであるため、上記の各蛇腹状伸縮部が収縮した折り畳み状態から、伸張状態になる際には、前後左右の全ての蛇腹状伸縮部が同時に伸張することになる。その結果、ワンタッチで4角形のフレームが完成する反面、完成後の4角形のフレームの大きさに相当するオープンスペースがなければ、円滑に伸張作業が出来ないし、また反対に収縮作業も出来ないという欠点を有するものである。
【0004】
特許文献1〜4に記載のフレームにあっては、支柱が広がる際に、前後と左右との4つの蛇腹状伸縮部が同時に広がる結果、右前の支柱を中心に考えると、右後の支柱は後方に移動し、左前の支柱は左方に移動し、さらに、左後の支柱は左後方へ斜めに移動する。即ち、完成後の4角形のフレームの対角線上の左後の支柱が移動しなければ、テントフレームの伸縮を行うことができないこととなる。
【0005】
その結果、例えば、病院の一つの医療用ベッドを内部に収納に配置した状態で、このテントの回りを囲うように密閉性を有するテントを張ることによって、ベッドを収納したテント内部と、外部との空間を区画しようとしても、4角形のフレームの対角線上の左後の支柱が移動しなければ、テントフレームの伸縮を行うことができないため、ベッド(場合によっては看者が寝ているベッド)に、支柱がぶつかってしまって、実質的にテントフレームの収縮作業を行うことができない。
【0006】
そのため、完成後の4角形のフレームの大きさに相当するオープンスペースを、ベッドの側に確保して、このオープンスペースでテントフレームを伸張させた後、ベッドを移動させるか、テントフレームを移動させて、テント内にベッドを収容することになる。ところが、病室や診療室は、必ずしも広いスペースが確保されているわけではなく、実質的にテントを張ることができないという事態も生じてしまうものである。
【0007】
【特許文献1】特許第3743754号公報
【特許文献2】特開2004−27803号公報
【特許文献3】特表2003−511593号公報
【特許文献4】特開2003−253916号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本願発明の目的は、完成後の4角形のフレームの大きさに相当するオープンスペースがなくとも、テントを張る位置の床等にベッド等の障害物がある場合にあっても、無理なくテントを張るとこができるテント類の折り畳みフレームを提供することにあり、本願発明の他の目的は、医療用ベッドの略対角線上において支柱を移動させることなく、上記医療用ベッドの四角に上記支柱を配置し得る医療用の組立式テントの張設方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願の請求項1に係る発明は、中央の交点で2本のパイプ状部材をX字状に互いに回動可能に接続したx字状部を1個以上備えた蛇腹状伸縮部と、少なくとも4本の支柱とを備え、当該4本の支柱が平面視4角形の4角に配置され、同4角形の前後左右の4辺に蛇腹状伸縮部が配置され、蛇腹状伸縮部の端部を構成する2本のパイプ状部材の上方に位置する上位端部及び下方に位置する下位端部のそれぞれが取付部を介して回動可能に支柱に取り付けられると共に、上位端部の取付部が上記の支柱に対して摺動不能であり、且つ、下位端部の取付部が上記の支柱の長手方向に沿って摺動可能に取り付けられることにより、上記の蛇腹状伸縮部が伸縮するようにしたテント類の折り畳みフレームにおいて、
上記の4角形の4角に配置された支柱のそれぞれが、上記取付部について上取付部、中取付部、下取付部の3つの取付部を有するものであり、
上取付部は、前後何れか一方と左右何れか一方との2つの蛇腹状伸縮部における2個の上位端部を、上記の4角形の4角に配置された支柱に摺動不能且つ回動可能に取り付けるものであり、
中取付部は、左又は右の蛇腹状伸縮部における1個の下位端部を、上記の4角形の4角に配置された支柱に摺動可能且つ回動可能に取り付けるものであり、
下取付部は、前又は後の蛇腹状伸縮部における1個の下位端部を、上記の4角形の4角に配置された支柱に摺動可能且つ回動可能に取り付けるものであり、
上記の各蛇腹状伸縮部が収縮した折り畳み状態から、左右の蛇腹状伸縮部を伸張させて中取付部を上昇させた後、前後の蛇腹状伸縮部を伸張させて下取付部を上昇させることにより、左右と前後との2段階の伸張手順により平面視四角形に折り畳みフレームを伸張させるようにしたことを特徴とするテント類の折り畳みフレームを提供する。
本願の請求項2に係る発明は、請求項1記載のテント類の折り畳みフレームと、これに支持されるシート状体とを備えた折り畳みテント類を提供する。
本願の請求項3に係る発明は、請求項1記載のテント類の折り畳みフレームと、これに支持されるシート状体とを備え、このシート状体が天部との周囲から降ろされた側部とを備え、シート状体を上記の折り畳みフレームに支持させた状態で、シート状体の側部の下端が接地しているものであり、
医療用ベッドを内部に配置した状態で前記の畳みフレームを伸張させることができ、
シート状体を伸張状体のフレームに支持させることにより、上記の医療用ベッドを内部に配置した部屋が外部から区画された状態となる医療用テント類を提供する。
本願の請求項4に係る発明は、請求項1記載のテント類の折り畳みフレームを、折り畳んだ状態で、医療用ベッドを近辺に配置し、
前記の左右の蛇腹状伸縮部を伸張させて中取付部を上昇させることにより、右前と左前の支柱を上記の医療用ベッドの前に配置すると共に右後と左後の支柱を上記の医療用ベッドの後に配置し、
前記前後の蛇腹状伸縮部を伸張させて下取付部を上昇させることにより、右前と左前の支柱をそれぞれ上記の医療用ベッドの右前と左前に配置すると共に、右後と左後の支柱を上記の医療用ベッドの右後と左後に配置し、
これにより、上記医療用ベッドの略対角線上において支柱を移動させることなく、上記医療用ベッドの四角に上記支柱を配置し、
この伸張状態のテント類の折り畳みフレームにテントシートを支持させることにより、医療用ベッドを内部に配置した状態で上記のテントシートが張られることを特徴とする医療用の組立式テントの張設方法を提供する。
なお、本願発明において、上下前後左右は、各部の相対的な位置関係を示すに止まり、絶対的な位置を特定するものではない。
【発明の効果】
【0010】
本願の請求項1の発明は、完成後の4角形のフレームの大きさに相当するオープンスペースがなくとも、テントを張る位置の床等にベッド等の障害物がある場合にあっても、無理なくテントを張るとこができるテント類の折り畳みフレームを提供することができたものである。
また本願の請求項2の発明は、請求項1のテント類の折り畳みフレームを用いた医療用の組立式テントを提供すことができたものであり、医療用ベッドを置いたままで、医療用ベッドの対角線上において支柱を移動させることなく組み立てることできる医療用の組立式テントを張設方法を提供することができたものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面に基づき本願発明の実施の形態を説明する。
図1は 本願の実施の形態に係るテントの斜視図である。
図2(A)は同テントフレームの折り畳み状態の平面図と側面図であり、(B)は同テントフレームの折り畳み状態から左蛇腹状伸縮部及び右蛇腹状伸縮部を伸張する過程の平面図と側面図であり、(C)は同テントフレームの左蛇腹状伸縮部及び右蛇腹状伸縮部を伸張した状態の平面図と側面図である。
図3(A)は同テントフレームの平面図であり、(B)は正面図である。
【0012】
この実施の形態に係るテントは、図1に示すように、シートとフレームとを備える。シートは平面視略長方形の天部シートs1とその4辺から垂下された側部シートs2とを備え、伸張組み立てしたフレームに支持された状態で側部シートs2の下端は接地した状態となり、これによって、外部とは区画された内部空間が形成される。
【0013】
フレームは、4本の支柱と、この4本の支柱間に支持された蛇腹状伸縮部とを備える。支柱は、平面視四角形の4角に配位される左前支柱1a、左後支柱1b、右前支柱1c及び右後支柱1dからなる。蛇腹状伸縮部は、これらの支柱間に支持されたもので、左蛇腹状伸縮部21、右蛇腹状伸縮部22、前蛇腹状伸縮部23及び後蛇腹状伸縮部24とからなる。支柱は、この例では2段に伸縮するものを用いているが、非伸縮式のもであってもよく、複数本を接続するものであってもよい。
【0014】
各蛇腹状伸縮部は、図2に示すように、2本の直線状のパイプ11をX字状に接続したx字状部13を備える。この2本のパイプ11は、中央の交点12で互いに回動可能に接続されている。左蛇腹状伸縮部21と右蛇腹状伸縮部22とは、このx字状部13を2つ接続して用いたものである。接続方法は、一つのx字状部13をなす2本のパイプ11の端部と、他の一つのx字状部13をなす2本のパイプ11の端部とを、それぞれ接続部14で回動可能に接続したものである。図3に示すように、前蛇腹状伸縮部23と後蛇腹状伸縮部24とは、それぞれ一つのx字状部13のみによって構成されている。
【0015】
ここで、パイプ11は、アルミやスチール等の金属製や合成樹脂製の中空のパイプを用いることができるが、中実の長尺部材を用いることもできる。また断面形状は円形や多角形などのものを用いることができ、これらを含めてパイプ状部材と称する。各蛇腹状伸縮部を構成するx字状部13の数は1個もしくは複数個に、適宜変更することが出来る。
【0016】
各蛇腹状伸縮部の端部を構成する2本のパイプ11のうち、上方に位置するパイプ11の端部(以下、上位端部15という)及び下方に位置する端部(以下、下位端部16という)のそれぞれは、取付部を介して回動可能に4本の支柱にそれぞれ取り付けられている。
【0017】
上記の取付部は、各支柱について上取付部31、中取付部32、下取付部33の3個が設けられている。左前支柱1aに設けられた上取付部31は、左蛇腹状伸縮部21と前蛇腹状伸縮部23の上位端部15を摺動不能且つ上下に回動可能に取り付けるものである。左後支柱1bに設けられた上取付部31は、左蛇腹状伸縮部21と後蛇腹状伸縮部24の上位端部15を摺動不能且つ上下に回動可能に取り付けるものである。右前支柱1cに設けられた上取付部31は、右蛇腹状伸縮部22と前蛇腹状伸縮部23の上位端部15を摺動不能且つ上下に回動可能に取り付けるものである。右後支柱1dに設けられた上取付部31は、右蛇腹状伸縮部22と後蛇腹状伸縮部24の上位端部15を摺動不能且つ上下に回動可能に取り付けるものである。
【0018】
左前支柱1aに設けられた中取付部32は、左蛇腹状伸縮部21の下位端部16を、支柱の長手方向にそって摺動可能且つ上下方向に回動可能に取り付けるものである。左後支柱1bに設けられた中取付部32は、左蛇腹状伸縮部21の下位端部16を、支柱の長手方向にそって摺動可能且つ上下方向に回動可能に取り付けるものである。右前支柱1cに設けられた中取付部32は、右蛇腹状伸縮部22の下位端部16を、支柱の長手方向にそって摺動可能且つ上下方向に回動可能に取り付けるものである。右後支柱1dに設けられた中取付部32は、右蛇腹状伸縮部22の下位端部16を、支柱の長手方向にそって摺動可能且つ上下方向に回動可能に取り付けるものである。
【0019】
左前支柱1aに設けられた下取付部33は、前蛇腹状伸縮部23の下位端部16を、支柱の長手方向にそって摺動可能且つ上下方向に回動可能に取り付けるものである。左後支柱1bに設けられた下取付部33は、後蛇腹状伸縮部24の下位端部16を、支柱の長手方向にそって摺動可能且つ上下方向に回動可能に取り付けるものである。右前支柱1cに設けられた下取付部33は、前蛇腹状伸縮部23の下位端部16を、支柱の長手方向にそって摺動可能且つ上下方向に回動可能に取り付けるものである。右後支柱1dに設けられた下取付部33は、後蛇腹状伸縮部24の下位端部16を、支柱の長手方向にそって摺動可能且つ上下方向に回動可能に取り付けるものである。
【0020】
これらの取付部31、32、33は、支柱とは別体のブロック状等の部材に、支柱を摺動可能に挿通する穴を上下方向に貫通して設けると共に、上位又は下位の端部15、16を回動可能に支持する軸部を設けたものであり、共通部品として製造し得る。そして、上取付部31は、支柱に対してネジや溶接等の固定手段によって固定してしまい、中取付部32及び下取付部33は、支柱に対して摺動可能として、所定の位置(各蛇腹状伸縮部が適切な長さに伸張した状態における中取付部32及び下取付部33の位置)で仮固定できるようにしておく。仮固定の方法としては、例えばピンを取付部から支柱に通すためる位置決め穴(図示せず)を設けておくものでもよく、回動できるネジで固定するものでもよく、適宜変更して実施し得る。もちろん、これらの取付部31、32、33は、共通部品とする必要はかならずしもなく、特に、上取付部31は支柱に回動のためる軸受けを直接溶接などで設けたものとして実施してもよい。
【0021】
組み立てに際しては、図2に示すように、上記の各蛇腹状伸縮部が収縮した折り畳み状態から、まず、左蛇腹状伸縮部21と右蛇腹状伸縮部22とを伸張させる。具体的には、左後支柱1b及び右後支柱1dを後方へ引っ張って、左前支柱1a及び右前支柱1cから遠ざける。これにより、左蛇腹状伸縮部21及び右蛇腹状伸縮部22が伸びると共に、各支柱の中取付部32が上昇する。上昇した中取付部32は、適宜の固定手段で固定させて蛇腹状伸縮部の伸張状態を維持させる。固定手段としては、ボルトナット、ピボット、ピン等のテントに一般的に用いられる固定手段を適宜選択して用いることができる。この例では、ピンp用いたもので、図4に示すように、支柱に設けた位置決め穴にピンpを通すことによって固定する。この位置決め穴は、上の位置決め穴p1と、下の位置決め穴p2とがそれぞれの支柱に設けられているが、中取付部32についてはp1にpを通して固定する(図4(B))。
【0022】
次に、前蛇腹状伸縮部23と後蛇腹状伸縮部24を伸張させる。具体的には左前支柱1a又は右前支柱1cを互いに遠ざかるように横方向に移動させ、左後支柱1b又は右後支柱1dをを互いに遠ざかるように横方向に移動させる。これにより、前蛇腹状伸縮部23及び後蛇腹状伸縮部24が伸張し、下取付部33が上昇するものであり、この状態で、pをp2に通して固定する(図4(C))。そして、必要に応じて、伸縮式の支柱であれば伸張用支柱10を伸張して、フレームを完成させる(図1)。
【0023】
このように、左蛇腹状伸縮部21と右蛇腹状伸縮部22は中取付部32に取り付けられ、前蛇腹状伸縮部23と後蛇腹状伸縮部24は下取付部33に取り付けられており、左右と、前後とが、別々に伸縮する事が出来るものである。従って、フレームの拡張に障害となるものを内部に配置してテントを張る場合にあっても、支柱がベッドbを対角線上に移動することなく、フレームを伸張させることができる。
【0024】
具体的には、このフレームを、折り畳んだ状態で、医療用のベッドbを内部に配置した状態で広げるには、折り畳んだフレームをベッドbの近辺(例えば、ベッドの右前)に配置する。
この状態から、左蛇腹状伸縮部21及び右蛇腹状伸縮部22を伸張させるが、その際、左後支柱1b及び右後支柱1dは、ベッドbの右側にそって後方に移動する(図3(A)の矢印イ)。
さらに次に、前蛇腹状伸縮部23及び後蛇腹状伸縮部24を伸張させるが、その際、左前支柱1a及び左後支柱1bは、ベッドbの前側及び後側に沿って移動するものであり(図3(A)の矢印ロ)、ベッドbの略対角線上において支柱を移動させることなく、ベッドbの四角に4本の支柱を配置することができる。
【0025】
他方、逆の手順によって、ベッドなどの干渉物を設置したまま、フレームのみを折り畳むことも容易になる。
【0026】
以上の要領で拡張させフレームに、シートを支持させてテントが完成する。シートは、用途に応じて適宜変更できる。祭事用のテントであれば、天部シートs1のみで実施することもできる。また、日除け用であれば、通気性の高いメッシュを用いても良い。逆に、医療用や食品工場や精密作業用などで、クリーンルームとして使用する場合には、側部シートs2の下端を接地させて、地面との隙間を生じさせないことが望ましく、シート同士の接続についても、気密性の高い構造とすることが望ましく、シートの素材や接続方法についても、ガスバリア性を考慮した設計することが望ましい。シートの支持方法は、フレームの上から被せるように設置するものでもよく、フレーム内に吊り下げるものであってもよい。
【0027】
支柱については、四角形の4角にそれぞれ1本を設けることは必須であるが、これら4角の支柱の間に中間の支柱を設けることもできる。また、蛇腹状伸縮部の間に、補助のパイプを渡すなどして、天部の補強を行うようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本願の実施の形態に係るテントの斜視図である。
【図2】(A)は同テントフレームの折り畳み状態の平面図と側面図であり、(B)は同テントフレームの折り畳み状態から左蛇腹状伸縮部及び右蛇腹状伸縮部を伸張する過程の平面図と側面図であり、(C)は同テントフレームの左蛇腹状伸縮部及び右蛇腹状伸縮部を伸張した状態の平面図と側面図である。
【図3】(A)は同テントフレームの平面図であり、(B)は正面図である。
【図4】中取付部と下取付部の固定構造を示す説明図で、(A)は固定前の状態、(B)は中取付部を固定した状態、(C)は中取付部と下取付部とを固定した状態を示す者手ある。
【符号の説明】
【0029】
s1 天部シート
s2 側部シート
1a 左前支柱
1b 左後支柱
1c 右前支柱
1d 右後支柱
11 パイプ
12 交点
13 x字状部
14 接続部
15 上位端部
16 下位端部
21 左蛇腹状伸縮部
22 右蛇腹状伸縮部
23 前蛇腹状伸縮部
24 後蛇腹状伸縮部
31 上取付部
32 中取付部
33 下取付部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央の交点で2本のパイプ状部材をX字状に互いに回動可能に接続したx字状部を1個以上備えた蛇腹状伸縮部と、少なくとも4本の支柱とを備え、当該4本の支柱が平面視4角形の4角に配置され、同4角形の前後左右の4辺に蛇腹状伸縮部が配置され、蛇腹状伸縮部の端部を構成する2本のパイプ状部材の上方に位置する上位端部及び下方に位置する下位端部のそれぞれが取付部を介して回動可能に支柱に取り付けられると共に、上位端部の取付部が上記の支柱に対して摺動不能であり、且つ、下位端部の取付部が上記の支柱の長手方向に沿って摺動可能に取り付けられることにより、上記の蛇腹状伸縮部が伸縮するようにしたテント類の折り畳みフレームにおいて、
上記の4角形の4角に配置された支柱のそれぞれが、上記取付部について上取付部、中取付部、下取付部の3つの取付部を有するものであり、
上取付部は、前後何れか一方と左右何れか一方との2つの蛇腹状伸縮部における2個の上位端部を、上記の4角形の4角に配置された支柱に摺動不能且つ回動可能に取り付けるものであり、
中取付部は、左又は右の蛇腹状伸縮部における1個の下位端部を、上記の4角形の4角に配置された支柱に摺動可能且つ回動可能に取り付けるものであり、
下取付部は、前又は後の蛇腹状伸縮部における1個の下位端部を、上記の4角形の4角に配置された支柱に摺動可能且つ回動可能に取り付けるものであり、
上記の各蛇腹状伸縮部が収縮した折り畳み状態から、左右の蛇腹状伸縮部を伸張させて中取付部を上昇させた後、前後の蛇腹状伸縮部を伸張させて下取付部を上昇させることにより、左右と前後との2段階の伸張手順により平面視四角形に折り畳みフレームを伸張させるようにしたことを特徴とするテント類の折り畳みフレーム。
【請求項2】
請求項1記載のテント類の折り畳みフレームと、これに支持されるシート状体とを備えた折り畳みテント類。
【請求項3】
請求項1記載のテント類の折り畳みフレームと、これに支持されるシート状体とを備え、このシート状体が天部との周囲から降ろされた側部とを備え、シート状体を上記の折り畳みフレームに支持させた状態で、シート状体の側部の下端が接地しているものであり、
医療用ベッドを内部に配置した状態で前記の畳みフレームを伸張させることができ、
シート状体を伸張状体のフレームに支持させることにより、上記の医療用ベッドを内部に配置した部屋が外部から区画された状態となる医療用テント類。
【請求項4】
請求項1記載のテント類の折り畳みフレームを、折り畳んだ状態で、医療用ベッドを近辺に配置し、
前記の左右の蛇腹状伸縮部を伸張させて中取付部を上昇させることにより、右前と左前の支柱を上記の医療用ベッドの前に配置すると共に右後と左後の支柱を上記の医療用ベッドの後に配置し、
前記前後の蛇腹状伸縮部を伸張させて下取付部を上昇させることにより、右前と左前の支柱をそれぞれ上記の医療用ベッドの右前と左前に配置すると共に、右後と左後の支柱を上記の医療用ベッドの右後と左後に配置し、
これにより、上記医療用ベッドの略対角線上において支柱を移動させることなく、上記医療用ベッドの四角に上記支柱を配置し、
この伸張状態のテント類の折り畳みフレームにテントシートを支持させることにより、医療用ベッドを内部に配置した状態で上記のテントシートが張られることを特徴とする医療用の組立式テントの張設方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−106530(P2010−106530A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−279243(P2008−279243)
【出願日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(391010149)株式会社越智工業所 (10)
【Fターム(参考)】