説明

テント

【課題】 従来、避難用として設置されたテント(簡易更衣室やトイレも含む)にあっては照明をはじめとする電力エネルギーの確保が難しく、夜間等は非常に危険な状況となってしまう点であり、そのエネルギーを確保するための発電装置はテントと一体化する事が難しくテントとは別体として用意し、搬入しなければならない煩わしさがあったという点である。
【解決手段】 幕体の一部にソーラーパネルを着脱自在とする装着部を備えていることとし、前記した装着部はソーラーパネルの四角が挿入される三角ポケットとしたこととし、前記した装着部はソーラーパネルの四角を抑え、幕体の裏面にまわされる帯体としたこととし、前記した装着部はソーラーパネルを収納する透明のプラスチック製のポケット袋としたこととし、前記した装着部はソーラーパネルを収納するネット製のポケット袋としたこととする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はテントに関し、レジャーとしてのキャンプ用のほか、災害時の避難用として公園、校庭、広場等の空地に設置されるテントに関し、加えて簡易の更衣室やトイレとして利用する事ができるテントに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、テントは目的地において、支柱やジョイントを用いて骨組を作成し、その骨組に幕体を張設することで設置され、屋外をはじめ、場合によっては体育館等の広いスペース内に独自のブースを作るため設置されることもある。そのほか、イベント等のため多くのシーンでは壁面の四方あるいは一面をなくした形態で所定スペースの確保を図ることもある。
【0003】
ここで、例えば屋外でテントを設置する場合、キャンプ等のレジャーのほか、災害時の一時的な避難用として用いられる事例も多い。その際、水道やガスと共に電気の供給はストップし、夜間等にあっては完全な闇状態となってしまい、危険であり、さらには簡易の更衣室やトイレは使用することも困難な状況となってしまう。
【0004】
確かに電気エネルギーに頼る照明はバッテリーやガソリンエンジン等によっても得る事ができるが、これは電池やガソリンの消費が多く、一定の長時間に亘っての使用には限界があったものである。
【特許文献1】出願人は本願発明について、先行する技術文献の調査を行なったが、格別に本願発明と関連し、類似すると思われる文献は発見できなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする問題点は、従来、避難用として設置されたテント(簡易更衣室やトイレも含む)にあっては照明をはじめとする電力エネルギーの確保が難しく、夜間等は非常に危険な状況となってしまう点であり、そのエネルギーを確保するための発電装置はテントと一体化する事が難しくテントとは別体として用意し、搬入しなければならない煩わしさがあったという点である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この問題点を解決するために、本発明に係るテントは幕体の一部にソーラーパネルを着脱自在とする装着部を備えていることを特徴としている。
【0007】
前記した装着部はソーラーパネルの四角が挿入される三角ポケットとしたことを特徴とし、前記した装着部はソーラーパネルの四角を抑え、幕体の裏面にまわされる帯体としたことを特徴とし、前記した装着部はソーラーパネルを収納する透明のプラスチック製のポケット袋としたことを特徴とし、前記した装着部はソーラーパネルを収納するネット製のポケット袋としたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るテントは上記のように構成されている。そのため、屋外に設置された場合に、他のエネルギーを格別に必要とせず、ソーラーパネルから電力を得る事ができ、しかも、そのソーラーパネルは不要時には取り外し、また、折り畳み時にテントと一体化して畳み込んで搬送することもできるものとなり、非常に使い勝手に優れたものとなる。このソーラーパネルによって照明をはじめ、他の電気機器の作動を得る事が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図面として示し、実施例で説明したように構成したことで実現した。
【実施例1】
【0010】
次に、本発明の好ましい実施の例を図面を参照して説明する。図1は実施されるテントを示す図、図2は同じく簡易更衣室兼トイレを示す図、図3は第一実施例を示す図、図4は第二実施例を示す図、図5は第三実施例を示す図、図6は第四実施例を示す図である。
【0011】
これらの図にあって1はテント本体を示しており、このテント本体1は天幕2や壁幕3を特に図示しないアルミニウム等の軽量金属製の支柱やジョイントにより張設し、地面に固設されることとなり、壁幕3の一部に巻き上げ式の出入口用遮蔽体4や透明もしくは半透明性の窓体5、5等が備えられている。
【0012】
また、図2として示すのは簡易更衣室兼トイレ6であり、この簡易更衣室兼トイレ6はやはり天幕2や壁幕3を図示しないアルミニウム等の軽量金属製の支柱やジョイントにより張設し、地面に固設されることとなり、壁幕3の一部にファスナー7により開閉可能としたドア体8が形成されたものとなっている。
【0013】
これらのテント本体1や簡易更衣室兼トイレ6は前記したように屋外に設置されるため、避難用とした場合、格別に電気エネルギーの供給がない。そこで、第一実施例として前記した天幕2ないしは壁幕3の一部に図3として示すような構成としてソーラーパネル9を装備することとした。この際、ソーラーパネル9は太陽光に対し、少しでも直角方向に配備される事がより効果を得られることとなるので、天幕2を利用する事が好ましい。
【0014】
この図3として示す第一実施例は天幕2もしくは壁幕3の一部に、四箇所に内方を開放した三角ポケット10、10‥を縫着等の適宜手段をもって固着している。そして、この三角ポケット10、10‥に各々ソーラーパネル9の各コーナーを嵌め付け位置決め固定した構成としてある。
【0015】
係る構成としたことによってソーラーパネル9は現場において装着、取り外しも可能となるが、この装着状態のまま天幕2あるいは壁幕3を畳み込むことも可能で、ソーラーパネル9を天幕2や壁幕3と一体化させての運搬等の取り扱いが可能となり、こうすると、一々現場での装着、取り外しの作業も不要となる。
【実施例2】
【0016】
次に、図4を参照して第二実施例を説明する。この第二実施例の場合は、天幕2もしくは壁幕3の一部に、四箇所に互いに平行するスリット11、11を形成し、そのスリット11、11‥にベルト体12を挿通し、そのベルト体12の一部を表面に露出した状態とし、そのベルト体12を天幕2もしくは壁幕3の裏面で位置決め止着した構成としてある。
【0017】
また、前記したベルト体12は長尺の一本物としても、各パートごとに用いてもあるいは二箇所に連続するものとしてもよい。そして、ソーラーパネル9の各コーナーは露出されたベルト体12に挟み込まれて位置決めされ、天幕2や壁幕3と共に畳み込まれるように使用されることも可能となる。
【実施例3】
【0018】
次に、図5を参照して第三実施例を説明する。この第三実施例の場合は天幕2もしくは壁幕3の一部に軟性プラスチック製の透明なポケット袋13を具備したものとなっている。このポケット袋13の上方は開放されており、その上方開放部分からソーラーパネル9をその自重によって収納する。ポケット袋13が透明のため、ソーラーパネル9が太陽光を受光し、発電、蓄電する作業の妨げとなることはない。
【0019】
また、前記したポケット13の上方開放部分には蓋片を設け、ソーラーパネル9の収納後に閉塞することもできる。こうすることで、前記実施例と同様に、天幕2や壁幕3と共にソーラーパネル9も畳み込み、搬送したり、収納したりすることも可能となる。
【実施例4】
【0020】
次に、図6を参照して第四実施例を説明する。この第四実施例の場合は、天幕2もしくは壁幕3の一部に軟性のネット状袋14を具備しており、このネット状袋14の上方を開放してあるもので、この上方開放部分からソーラーパネル9を自重で収納する。この場合、ネット状袋14の網目は多少太陽光をさえぎるが、このネット状袋14の成形素材を透明のものとすれば、この影響もなくなる。
【0021】
このネット状袋14の場合も上方開放部に蓋片を備え、ソーラーパネル9の収納後に閉塞することも可能で、かかる構成とすることでソーラーパネル9を収納状態としたまま、天幕2や壁幕3を畳み込み、搬送や収納をすることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本実施例に係るテントは上記のように構成されている。これはテントのサイズ規模にもよるが、天幕上に支柱を突出させ、そこに支持機構を備えて、ホルダーに取り付けたソーラーパネルを設置する構成とすることもできる。この場合は天幕と共に畳み込むことは難しくなるが、より有効に太陽光を受け、あるいは太陽を追尾させる機構も付加するとその発電、蓄電効率はさらに向上する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施されるテントを示す図である。
【図2】簡易更衣室兼トイレを示す図である。
【図3】第一実施例を示す図である。
【図4】第二実施例を示す図である。
【図5】第三実施例を示す図である。
【図6】第四実施例を示す図である。
【符号の説明】
【0024】
1 テント本体
2 天幕
3 壁幕
4 遮蔽体
5 窓体
6 簡易更衣室兼トイレ
7 ファスナー
8 ドア体
9 ソーラーパネル
10 三角ポケット
11 スリット
12 ベルト体
13 透明なポケット袋
14 ネット状袋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
幕体の一部にソーラーパネルを着脱自在とする装着部を備えていることを特徴とするテント。
【請求項2】
前記した装着部はソーラーパネルの四角が挿入される三角ポケットとしたことを特徴とする請求項1に記載のテント。
【請求項3】
前記した装着部はソーラーパネルの四角を抑え、幕体の裏面にまわされる帯体としたことを特徴とする請求項1に記載のテント。
【請求項4】
前記した装着部はソーラーパネルを収納する透明のプラスチック製のポケット袋としたことを特徴とする請求項1に記載のテント。
【請求項5】
前記した装着部はソーラーパネルを収納するネット製のポケット袋としたことを特徴とする請求項1に記載のテント。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2009−228250(P2009−228250A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−72989(P2008−72989)
【出願日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願人】(508085947)有限会社埼玉通商 (2)
【Fターム(参考)】