説明

テント

【課題】カバーで開口を容易に開閉することが可能なテントを提供する。
【解決手段】テントは、開口を有するテント本体100と、開口を閉塞可能なカバー200と、テント本体100を展開状態で支持する第1支持フレーム300a、300bと、テント本体100の開口周りに配置された下向きU字状の第2支持フレーム400と、カバー200を拡張状態で維持しており且つカバー200のタブ220を介して第2支持フレーム400に回動自在に軸支された拡張フレーム500とを備えている。拡張フレーム500が回動することにより、カバー200が開口を開閉するようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は主として屋外で使用可能なテントに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のテントとしては、開口を有するテント本体と、テント本体の開口の上縁に連結され、前記開口を開閉可能なカバーと、テント本体を支持するフレームとを備えているものがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平05-171838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
カバーはフレキシブルな布地であるので、当該カバーを捲くり上げることにより、開口を開放することができる。このカバーを捲くり上げる作業が面倒であるため、カバーの開閉を困難にしていた。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みて創案されたものであって、その目的とするところは、カバーで開口を容易に開閉することが可能なテントを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のテントは、開口を有するテント本体と、前記開口を閉塞可能なカバーと、前記テント本体を展開状態で支持する第1支持フレームと、前記テント本体の開口周りに配置された下向きU字状の第2支持フレームと、前記カバーを拡張状態で維持しており且つ前記第2支持フレームに回動自在に軸支された拡張フレームとを備えている。前記拡張フレームが回動することにより、前記カバーが前記開口を開閉するようになっている。
【0007】
このような発明の態様による場合、拡張フレームがカバーを拡張状態で支持している。この拡張フレームが回動することにより、カバーが拡張状態のまま、テント本体の開口を開閉するので、カバーの開閉が容易になる。また、拡張フレームがカバーを拡張状態で支持しているため、カバーの重量が重くなるが、拡張フレームが第2支持フレームに軸支されているため、カバーの開閉を安定させることができる。
【0008】
前記カバーは、カバー本体と、前記カバー本体に設けられており且つ前記第2支持フレームに回動自在に軸支されたタブとを有する構成とすることが可能である。前記拡張フレームは、前記タブに固着された第1端部を有し、当該タブを介して前記第2フレームに回動自在に軸支されていることが好ましい。
【0009】
このような発明の態様による場合、カバーのタブが第2支持フレームに回動自在に軸支され且つ拡張フレームがタブを介して第2支持フレームに回動自在に軸支さている。すなわち、カバー及び拡張フレームの双方が第2支持フレームに回動自在に軸支されているので、カバーの開閉が更に安定し且つ容易になる。
【0010】
前記カバー本体は、一対の前記タブが設けられた第1端部と、前記第1端部の反対側の第2端部とを有する構成とすることが可能である。前記拡張フレームは、X字状に交差した第1、第2拡張ポールを更に有する構成とすることが可能である。前記第1、第2拡張ポールは、前記拡張フレームの前記第1端部と、当該第1端部の反対側の端部であり且つ前記カバー本体の第2端部に固着された第2端部とを有している。
【0011】
このような発明の態様による場合、第1、第2拡張ポールの第1端部がカバー本体の第1端部のタブに各々固着され、第1、第2拡張ポールの第2端部がカバー本体に第2端部に固着されているので、カバーの拡張状態を安定させることができる。よって、カバーの開閉が更に安定し且つ容易になる。
【0012】
前記カバーの第1端部が前記テント本体の上縁に連結されていることが好ましい。このような発明の態様による場合、前記カバーの第1端部がテント本体の開口の上縁に連結されているので、カバーの開閉が更に安定し且つ容易になる。
【0013】
前記テントは、前記第1、第2支持フレームを部分的に連結させる連結部を更に備えた構成とすることが可能である。このような発明の態様による場合、連結部が第1、第2支持フレームを連結することにより、第2支持フレームが第1支持フレームに支持される。よって、第2支持フレームが安定するので、当該第2支持フレームに軸支される拡張フレーム及びカバーの回動も安定する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1A】本発明の実施例1に係るテントの正面図である。
【図1B】前記テントの背面図である。
【図1C】前記テントの平面図である。
【図1D】前記テントの底面図である。
【図1E】前記テントの右則面図である。
【図1F】前記テントの左側面図である。
【図1G】前記テントの正面、平面及び右側面図を表した斜視図である。
【図2A】前記テントの図1A中のA-Bの交差領域の拡大図である。
【図2B】前記テントの図1A中のA-Cの交差領域の拡大図である。
【図3】前記テントのカバー開状態を示す左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施例1に係るテントについて図1A〜図3を参照しつつ説明する。
【実施例1】
【0016】
図1A〜図1Gに示すテントは、テント本体100と、カバー200と、第1支持フレーム300a、300bと、第2支持フレーム400と、拡張フレーム500と、4つの連結部600とを備えている。以下、前記テントの各構成要素について詳しく説明する。なお、テント本体100の展開状態とは、図1A〜図Gに示すように、メインシート110がトンネル状となり、フロントシート120及びバックシート130が立ち上がった状態である。
【0017】
テント本体100は、図1A〜図1Gに示すように、メインシート110と、フロントシート120と、バックシート130と、メインスリーブ141〜145と、複数のサブスリーブ150とを有している。メインシート110は、ナイロンタフタやポリエステルタフタ等のトンネル型の防水性を有する布地である。メインシート110の両下端の前側部、後側部には、図1Dに示すように、一対の係止部111、112が設けられている。メインシート110の両下端の中央部にも、一対の係止部113、114がメインシート110の長さ方向に間隔を空けて設けられている。更に、メインシート110の両下端の係止部111と係止部114の間に、一対の係止部115が設けられている。係止部111〜115は、メインシート110に連結されたベルトと、このベルトの先端に設けられたリングとを有している。
【0018】
メインスリーブ141とメインスリーブ142とは、図1Cに示すように、メインシート110の頂部の前側にX字状に配設されている。メインスリーブ143とメインスリーブ144とは、メインシート110の頂部の後側にX字状に配設されている。また、スリーブ145は、フロントシート120の頂部に設けられている。メインスリーブ141〜145は、ナイロンタフタやポリエステルタフタ等の筒状の防水性を有する布地である。メインスリーブ141の長さ方向の一端は一方側の係止部111に、他端は他方側の係止部113に向いている。メインスリーブ142の長さ方向の一端は他方側の係止部111に、他端は一方側の係止部113に向いている。メインスリーブ143の長さ方向の一端は一方側の係止部114に、他端は他方側の係止部112に向いている。メインスリーブ144の長さ方向の一端は他方側の係止部114に、他端は一方側の係止部112に向いている。
【0019】
サブスリーブ150は、図1Cに示すように、メインシート110上のメインスリーブ141、142と係止部111、113との間、メインスリーブ143、144と係止部112、114との間及びスリーブ145と係止部115との間に間隔をあけて設けられている。サブスリーブ150は、長さ寸法がメインスリーブ141〜145よりも小さいナイロンタフタやポリエステルタフタ等の筒状の布地である。
【0020】
フロントシート120及びバックシート130は、図1E及び図1Fに示すように、ナイロンタフタやポリエステルタフタ等の山型の防水性を有する布地である。フロントシート120の稜線部が、メインシート110の前側端に止着されている。バックシート130の稜線部が、メインシート110の後側端に止着されている。よって、フロントシート120及びバックシート130は、展開状態で、メインシート110に引っ張られ、立ち上がる。フロントシート120には、図3に示すように台形状の開口121が設けられている。
【0021】
第1支持フレーム300a、300bは、図1Gに示すように、テント本体100を展開状態で支持するためのフレームである。第1支持フレーム300aは、長さ方向に着脱可能に連結された複数のポールで各々構成された第1、第2支持ポール310a、320aを有している。第1支持ポール310aは、図1A及び図1Bに示すように、長さ方向の第1端部311aと、その反対側の第2端部312aを有し、第2支持ポール320aは、長さ方向の第1端部321aと、その反対側の第2端部322aとを有している。第1支持ポール310aは、テント本体100のメインスリーブ141及び当該メインスリーブ141と係止部111、113との間のサブスリーブ150に挿入されると共に、第1、第2端部311a、312aが一方側の係止部111、他方側の係止部113のリングに係止される。第2支持ポール320aは、テント本体100のメインスリーブ142及び当該メインスリーブ142と係止部111、係止部113との間のサブスリーブ150に挿入されると共に、第1、第2端部321a、322aが他方側の係止部111、一方側の係止部113のリングに係止される。この状態で、第1、第2支持ポール310a、320aがX字状に交差し、メインシート110の前側部及びフロントシート120を展開状態で支持する。
【0022】
第1支持フレーム300bは、第1、第2支持ポール310a、320aと同じ構成である第1、第2支持ポール310b、320bを有している。第1支持ポール310bは、テント本体100のメインスリーブ143及び当該メインスリーブ143と係止部112、114との間のサブスリーブ150に挿入されると共に、第1、第2端部311b、312bが一方側の係止部114、他方側の係止部112のリングに係止される。第1支持ポール320bは、テント本体100のメインスリーブ144及び当該メインスリーブ144と係止部112、114との間のサブスリーブ150に挿入されると共に、第1、第2端部321b、322bが他方側の係止部114、一方側の112のリングに係止される。この状態で、第1、第2支持ポール310b、320bが互いにX字状に交差し、メインシート110の後側部及びバックシート130を展開状態で支持する。また、第1、第2支持ポール310b、320bは第2、第1支持ポール320a、310aに交差している。この交差部が連結部600により連結されている。連結部600は連結ベルト又は紐であって、前記交差部に巻き付けられている。
【0023】
第2支持フレーム400は、図1C及び図1Fに示すように、長さ方向に着脱可能に連結された複数のポールで構成されている。第2支持フレーム400は、長さ方向の第1端部410と、その反対側の第2端部420とを有している。第2支持フレーム400は、テント本体100のメインスリーブ145及び当該メインスリーブ145と係止部115との間のサブスリーブ150に挿入されると共に、第1、第2端部410、420が係止部115のリングに係止される。これにより、第2支持フレーム400は、略下向きU字状に湾曲し、フロントシート120の周り(すなわち、フロントシート120の開口121周り)に配置される。この状態で、第2支持フレーム400はフロントシート120及びメインシート110の前側端を支持する。また、第2支持フレーム400は、第1支持フレーム300aの第1、第2支持ポール310a、320aに交差している。この交差部が連結部600により連結されている。この連結部600は連結ベルト又は紐であって、前記交差部に巻き付けられている。この状態で、第2支持フレーム400は第1支持フレーム300aに支持される。
【0024】
カバー200は、ナイロンタフタやポリエステルタフタ等の防水性を有する布地である。カバー200は、カバー本体210と、一対のタブ220と、スリーブ231、232と、一対のポケット240を有している。カバー本体210は、フロントシート120の開口121よりも若干大きい台形状である。カバー本体210は、上端部(第1端部)211と、下端部212(第2端部)と、両端部とを有している。カバー本体210の上端部211は、フロントシート120の開口121の上縁部に止着され、開口121を開閉可能に閉塞している。カバー本体210の両端部とフロントシート120の開口121の両側縁部との間には図示しない線ファスナが設けられている。この線ファスナを閉開することにより、カバー本体210の両端部とフロントシート120の開口121の両側縁部との連結及び連結の解除がなされる。
【0025】
タブ220は、図2A及び図2Bに示すように、タブ本体221と、フック222とを有している。タブ本体221はカバー本体210の上端部211の幅方向の両端に設けられた布地である。タブ本体221には貫通孔221aが開設されている。フック222は、タブ本体221の先端に連接されている。このフック222が第2支持フレーム400に係合されている。これにより、タブ220がフック222を支点に回動自在となっている。ポケット240は、カバー本体210の下端部212の幅方向の両端に設けられている。
【0026】
スリーブ231、232は、カバー本体210の外面の中心部に当該カバー本体210の対角線に沿ってX字状に設けられている。スリーブ231、232はナイロンタフタやポリエステルタフタ等の筒状の防水性を有する布地である。スリーブ231の上端は、一方側のタブ220に、下端は他方側のポケット240に向いている。スリーブ232の上端は、他方側のタブ220に、下端は一方側のポケット240に向いている。
【0027】
拡張フレーム500は、図1F及び図1Gに示すように、カバー200を拡張状態で支持するX字状のフレームである。この拡張フレーム500は、長さ方向に着脱可能に連結された複数のポールで各々構成された第1、第2拡張ポール510、520を有している。第1、第2拡張ポール510、520の長さ寸法は、カバー本体210の対角線の長さよりも若干大きい。第1拡張ポール510は、長さ方向の第1端部511と、その反対側の第2端部512を有し、第2拡張ポール520は、長さ方向の第1端部521と、その反対側の第2端部522を有している。第1、第2拡張ポール510、520の第1端部511、521には、タブ220の貫通穴221aよりも外径が大きいリング511a、521aが外嵌している。
【0028】
第1拡張ポール510は、カバー200のスリーブ232に挿入されると共に、第1端部511がカバー200の他方側のタブ220の貫通孔221aに挿入され(図2B参照)、第2端部512がカバー200の一方側のポケット240に挿入される。第2拡張ポール520は、カバー200のスリーブ231に挿入されると共に、第1端部521がカバー200の一方側のタブ220の貫通孔221aに挿入され(図2A参照)、第2端部512がカバー200の他方側のポケット240に挿入される。第1端部511、521が貫通穴221aに挿入された状態で、リング511a、521aがタブ220の貫通穴221aの周縁部に当接する。これにより、第1端部511、521がタブ220に固着される。このように第1、第2拡張ポール510、520はカバー200に取り付けられた状態でX字状に交差し、カバー200を拡張状態で支持する。なお、上述の通り第1、第2拡張ポール510、520の長さ寸法がカバー本体210の対角線の長さよりも若干大きいので、拡張状態で第1、第2拡張ポール510、520が弓なりに湾曲し、カバー本体210が外側に凸のドーム状となる。
【0029】
拡張フレーム500は、タブ220のフック222を支点として回動自在となっている。拡張フレーム500の回動に伴って、カバー本体210が回動し、フロントシート120の開口121を開閉可能となっている。
【0030】
以下、上述したテントの組み立て工程について詳しく説明する。まず、ポールが取り外された状態の第1支持フレーム300aの第1、第2支持ポール310a、320a及び第1支持フレーム300bの第1、第2支持ポール310b、320bを用意する。これと共に、テント本体100を用意する。その後、ポールを連結させ、第1、第2支持ポール310a、320a及び第1、第2支持ポール310b、320bを一本の棒状とする。その後、第1支持ポール310aをテント本体100のテント本体100のメインスリーブ141及びサブスリーブ150に挿入し、第1支持ポール310aの第1、第2端部311a、312aを一方側の係止部111、他方側の係止部113のリングに挿入し、係止させる。また、第2支持ポール320aをテント本体100のメインスリーブ142及びサブスリーブ150に挿入し、第2支持ポール320aの第1、第2端部321a、322aを他方側の係止部111、一方側の係止部113のリングに挿入し、係止させる。これにより、第1、第2支持ポール310a、320aがX字状に交差する。
【0031】
同様に、第1支持ポール310bをテント本体100のメインスリーブ143及びサブスリーブ150に挿入し、当該第1支持ポール310bの第1、第2端部311b、312bを一方側の係止部114、他方側の係止部112のリングに挿入し、係止させる。また、第1支持ポール320bをテント本体100のメインスリーブ144及びサブスリーブ150に挿入し、第1支持ポール320bの第1、第2端部321b、322bを他方側の係止部114、一方側の係止部112のリングに挿入し、係止させる。これにより、第1、第2支持ポール310b、320bが互いにX字状に交差すると共に、第1、第2支持ポール310b、320bが第2、第1支持ポール320a、310aに交差する。その後、第1、第2支持ポール310b、320bと第2、第1支持ポール320a、310aとの交差部を連結部600で連結させる。この状態で、第1支持フレーム300aの第1、第2支持ポール310a、320a及び第1支持フレーム300bの第1、第2支持ポール310b、320bがテント本体100を展開状態で支持する。
【0032】
その後、ポールが取り外された状態の第2支持フレーム400を用意する。その後、ポールを連結させ、第2支持フレーム400を一本の棒状とする。その後、第2支持フレーム400をテント本体100のメインスリーブ145及びサブスリーブ150に挿入し、第2支持フレーム400の第1、第2端部410、420を係止部115のリングに挿入し、係止させる。これにより、第2支持フレーム400は、下向きU字状に湾曲し且つ第1支持フレーム300aの第1、第2支持ポール310a、320aに交差する。その後、第2支持フレーム400と第1、第2支持ポール310a、320aとの交差部を連結部600で連結させる。これにより、第1支持フレーム300aが第2支持フレーム400を支持し、第2支持フレーム400がフロントシート120及びメインシート110の前側端を支持する。なお、第2支持フレーム400を第1支持フレーム300a、300bよりも前にテント本体100に取り付けることが可能である。
【0033】
その後、カバー200のタブ220のフック222を第2支持フレーム400に各々係止させる。
【0034】
その後、ポールが取り外された状態の拡張フレーム500の第1、第2拡張ポール510、520を用意する。その後、ポールを連結させ、第1、第2拡張ポール510、520を一本の棒状とする。その後、第1拡張ポール510をカバー200のスリーブ232に挿入し、当該第1拡張ポール510の第1端部511をカバー200の他方側のタブ220の貫通孔221aに挿入し、当該第1拡張ポール510の第2端部512をカバー200の一方側のポケット240に挿入する。これと共に、第2拡張ポール520をカバー200のスリーブ231に挿入し、当該第2拡張ポール520の第1端部521をカバー200の一方側のタブ220の貫通孔221aに挿入し、当該第2拡張ポール520の第2端部512をカバー200の他方側のポケット240に挿入する。これにより、第1、第2拡張ポール510、520がX字状に交差し且つ弓なりに湾曲し、カバー200を拡張状態で支持する。このとき、カバー200のカバー本体210が外側に凸のドーム状となる。
【0035】
以下、上述の通り組み立てられたテントのカバー200の開閉について詳しく説明すると共に、カバー200の開閉時におけるテントの各構成要素の動作について詳しく説明する。まず、上記線ファスナを開け、カバー本体210の両端部とフロントシート120の開口121の両側縁部との連結を解除する。
【0036】
その後、タブ220のフック222を支点にカバー200及び拡張フレーム500を上側に回動させる。すると、図3に示すように、テント本体100の開口121が開放される。これにより、開口121からテント本体100内に出入りが可能となる。また、カバー200の開状態を維持するため、カバー200のカバー本体210の下端部212をポール、他のテント又は車等に連結させることが可能である。
【0037】
その後、タブ220のフック222を支点にカバー200及び拡張フレーム500を下側に回動させる。すると、テント本体100の開口121がカバー200のカバー本体210により閉塞される。その後、上記線ファスナを閉じることで、カバー本体210とテント本体100とが連結される。
【0038】
以上のようなテントによる場合、拡張フレーム500がカバー200を拡張状態で支持している。この拡張フレーム500がタブ220を支点に回動することにより、カバー200のカバー本体210が拡張状態のまま、テント本体100の開口121を開閉するので、カバー200の開閉が容易になる。また、拡張フレーム500がカバー200を拡張状態で支持しているため、カバー200の重量が重くなるが、拡張フレーム500の第1、第2拡張ポール510、520の第1端部511、521がカバー200のタブ220を介して第2支持フレーム400に軸支されている。すなわち、カバー200及び拡張フレーム500の双方が第2支持フレーム400に回動自在に軸支されているので、カバー200の開閉及びカバー200の拡張状態を安定させることができる。
【0039】
しかも、第2支持フレーム400と第1支持フレーム300aの第1、第2支持ポール310a、320aと交差部が連結部600で連結されている。よって、第2支持フレーム400が第1支持フレーム300aにより支持されるので、カバー200の開閉を安定させる上でメリットがある。
【0040】
なお、上述したテントは、上記実施例1に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載範囲において任意に設計変更することが可能である。以下、詳しく述べる。
【0041】
上記実施例1では、テント本体100は、メインシート110と、フロントシート120と、バックシート130と、メインスリーブ141〜145と、複数のサブスリーブ150とを有するとした。しかし、テント本体は、開口を有し且つ第1支持フレームにより展開状態で支持され得る限り任意に設計変更することが可能である。例えば、テント本体は略ピラミッド状やビニールハウスのような建屋状とすることが可能である。
【0042】
上記実施例1では、本発明に係るテントは、第1支持フレーム300a、300bを備えているとした。しかし、本発明に係るテントは、テント本体を展開状態で支持し得る第1支持フレームを備えている限り任意に設計変更することが可能である。例えば、テント本体が上述の略ピラミッド状である場合、上記実施例1と同様の第1支持フレームの第1、第2支持ポールをテント本体のスリーブに挿入してテント本体の頂部で交差するように配置することにより、当該テント本体を第1支持フレームで支持させることが可能である。なお、第1支持フレームは第1、第2支持ポールを有するものに限定されず、テント本体を展開状態で支持し得るものである限り任意に設計変更することが可能である。
【0043】
上記実施例1では、第2支持フレーム400は、長さ方向に着脱可能に連結された複数のポールで構成された下向きU字状であって、フロントシート120の周りに配置されているとした。しかし、第2支持フレームは、テント本体の開口周りに配置された下向きU字状である限り任意に設計変更することが可能である。例えば、第1支持フレームを下向きU字状の棒又は板とし、テント本体の開口周りに配置することが可能である。また、上記実施例1では、第2支持フレーム400は、フロントシート120及びメインシート110の前側端を支持するとした。しかし、第2支持フレームは、テント本体を支持しない態様とすることが可能である。
【0044】
上記実施例1では、カバー200は、カバー本体210と、一対のタブ220と、スリーブ231、232と、一対のポケット240を有しているとした。しかし、カバーは、テント本体の開口を閉塞可能である限り任意に設計変更することが可能である。カバーの形状は、開口の形状に応じて適宜変更することが可能である。また、カバーの上端部(第1端部)はテント本体の開口の上縁部に連結されている必要はない。すなわち、カバーはテント本体と別体とすることが可能である。また、後述するように拡張フレームの第1端部が第2支持フレームに直接軸支される場合、カバーのタブは省略することが可能である。
【0045】
上記実施例1では、タブ220は、カバー本体210の上端部211の幅方向の両端に設けられたタブ本体221と、このタブ本体221の先端に連接され、第2支持フレーム400に係合されたフック222とを有するとした。しかし、タブ220は、カバー本体に設けられており且つ前記第2支持フレームに回動自在に軸支され得るものである限り任意に設計変更することが可能である。例えば、拡張フレームが後述のリング状である場合、タブは当該拡張フレームの上端部が固着され且つ第2支持フレームに軸支された構成とすることが可能である。また、タブの先端部を第2支持フレームに巻き付けて当該第2支持フレームに軸支されるように設計変更することも可能である。
【0046】
上記実施例1では、拡張フレーム500は、第1、第2拡張ポール510、520を有し、この第1、第2拡張ポール510、520の第1端部511、521がカバー200のタブ220を介して第2支持フレーム400に軸支されているとした。しかし、拡張フレームは、カバーを拡張状態で維持しており且つ前記第2支持フレームに回動自在に軸支されている限り任意に設計変更することが可能である。例えば、カバーが円形である場合、拡張フレームはカバーの外周部に取り付けられるリング状のフレームとすることが可能である。この場合、前記拡張フレームは、上端部が第2支持フレームに回動自在に軸支された構成とすることが可能である。
【0047】
上記実施例1では、第1、第2拡張ポール510、520の第1端部511、521がカバー200のタブ220の貫通穴221aに挿入された状態で固着されているとした。しかし、第1、第2拡張ポールの第1端部は、カバーのタブに固着され、当該タブを介して第2支持フレームに回動自在に軸支されている限り任意に設計変更することが可能である。例えば、第1、第2拡張ポールの第1端部がタブに設けられたポケットに挿入される態様とすることが可能である。また、第1、第2拡張ポールの第1端部をタブにピン等の固定手段により固着したり、接着剤等により接着したりすることも可能である。
【0048】
上記実施例1では、第1、第2拡張ポール510、520の第2端部512、522は、カバー200のポケット240に挿入されているとした。しかし、第1、第2拡張ポールの第2端部は、カバーの第2端部に固着される限り任意に設計変更することが可能である。例えば、第1、第2拡張ポールの第2端部をカバーの第2端部に設けられた貫通孔に挿入し、当該第1、第2拡張ポールの第2端部に外嵌したリングを前記貫通孔の周縁部に当接させることにより、第1、第2拡張ポールの第2端部をカバーの第2端部に固着させる態様とすることが可能である。また、第1、第2拡張ポールの第2端部をカバーの第2端部にピン等の固定手段により固着したり、接着剤等により接着したりすることも可能である。なお、第1、第2拡張ポールは、カバーの内面側に配置することも可能である。
【0049】
上記実施例1では、連結部600は、第1、第2支持ポール310b、320bと第2、第1支持ポール320a、310aとの交差部及び第2支持フレーム400と第1支持フレーム300aの第1、第2支持ポール310a、320aと交差部を連結させるベルト又は紐であるとした。しかし、連結部は、第1、第2支持フレームを部分的に連結させるものである限り任意に設計変更することが可能である。例えば、連結部は、第1、第2支持フレームの交差部を連結させるピン又はナット及びボルト等の固定手段とすることが可能である。また、連結部は、第1、第2支持フレームを部分的に連結する連結棒とすることが可能である。この場合、第1、第2支持フレームは部分的に交差している必要はない。
【0050】
なお、上記実施例1は、上記テントの各部を構成する素材、形状、寸法、数及び配置等はその一例を説明したものであって、同様の機能を実現し得る限り任意に設計変更することが可能である。
【符号の説明】
【0051】
100・・・・テント本体
110・・・メインシート
120・・・フロントシート
121・・開口
130・・・バックシート
141〜145・メインスリーブ
150・・・サブスリーブ
200・・・・カバー
210・・・カバー本体
220・・・タブ
231、232・スリーブ
300a・・・第1支持フレーム
310a・・第1支持ポール
311a・第1端部
312a・第2端部
320a・・第2支持ポール
321a・第1端部
322a・第2端部
300b・・・第1支持フレーム
310b・・第1支持ポール
311b・第1端部
312b・第2端部
320b・・第2支持ポール
321b・第1端部
322b・第2端部
400・・・・第2支持フレーム
410・・・第1端部
420・・・第2端部
500・・・・拡張フレーム
510・・・第1拡張ポール
511・・第1端部
512・・第2端部
520・・・第2拡張ポール
521・・第1端部
522・・第2端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有するテント本体と、
前記開口を閉塞可能なカバーと、
前記テント本体を展開状態で支持する第1支持フレームと、
前記テント本体の開口周りに配置された下向きU字状の第2支持フレームと、
前記カバーを拡張状態で維持しており且つ前記第2支持フレームに回動自在に軸支された拡張フレームとを備えており、
前記拡張フレームが回動することにより、前記カバーが前記開口を開閉するテント。
【請求項2】
請求項1記載のテントにおいて、
前記カバーは、カバー本体と、
前記カバー本体に設けられており且つ前記第2支持フレームに回動自在に軸支されたタブとを有しており、
前記拡張フレームは、前記タブに固着された第1端部を有し、当該タブを介して前記第2フレームに回動自在に軸支されているテント。
【請求項3】
請求項2記載のテントにおいて、
前記カバー本体は、一対の前記タブが設けられた第1端部と、
前記第1端部の反対側の第2端部とを有しており、
前記拡張フレームは、X字状に交差した第1、第2拡張ポールを更に有しており、
前記第1、第2拡張ポールは、前記拡張フレームの前記第1端部と、
当該第1端部の反対側の端部であり且つ前記カバー本体の第2端部に固着された第2端部とを有しているテント。
【請求項4】
請求項3記載のテントにおいて、
前記カバーの第1端部が前記テント本体の開口の上縁に連結されているテント。
【請求項5】
請求項1〜4の何れかに記載のテントにおいて、
前記第1、第2支持フレームを部分的に連結させる連結部を更に備えているテント。


【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図1F】
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【図1G】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−32638(P2013−32638A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−168882(P2011−168882)
【出願日】平成23年8月2日(2011.8.2)
【出願人】(391036404)株式会社ロゴスコーポレーション (30)
【Fターム(参考)】