テーピング装置
【課題】。
【解決手段】照明装置100を構成する一対の照明装置100A、100Bの複数のLED101が収納溝4B内のチップ部品Aに光を拡散板102を介して均一に照射して、しかもチップ部品Aに付された丸の部分AAや文字・数字部分ABを形成する刻印の深さに応じて、確実に照射光によって前記刻印の端部により影ができるような傾斜した照射光となるように照射して、印字検査カメラ85が撮像した画像において、丸の部分AAや文字・数字部分ABとそれ以外の表面部分ACとのコトラストが大きくなって、丸の部分AAや文字・数字部分ABが黒色に、それ以外の表面部分ACは白色に撮像でき、チップ部品Aの有無、前記チップ部品の表裏、チップ部品Aの向きを検査することができる。
【解決手段】照明装置100を構成する一対の照明装置100A、100Bの複数のLED101が収納溝4B内のチップ部品Aに光を拡散板102を介して均一に照射して、しかもチップ部品Aに付された丸の部分AAや文字・数字部分ABを形成する刻印の深さに応じて、確実に照射光によって前記刻印の端部により影ができるような傾斜した照射光となるように照射して、印字検査カメラ85が撮像した画像において、丸の部分AAや文字・数字部分ABとそれ以外の表面部分ACとのコトラストが大きくなって、丸の部分AAや文字・数字部分ABが黒色に、それ以外の表面部分ACは白色に撮像でき、チップ部品Aの有無、前記チップ部品の表裏、チップ部品Aの向きを検査することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送り装置により送られる部品収納テープの各収納凹部内にチップ部品を吸着ノズルにより順次装填した後、カバーテープで当該収納凹部の開口部を閉塞する前にこの収納凹部内のチップ部品を認識カメラが撮像し、認識処理装置で認識処理して当該チップ部品を検査するテーピング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の部品実装装置は、例えば特許文献1などに開示されているが、カバーテープで当該収納凹部の開口部を閉塞する前に、この収納凹部内のチップ部品の表裏、このチップ部品の前記収納凹部内の向き、このチップ部品の有無などを検査している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−306457号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記チップ部品は表裏や向きがわかるように、このチップ部品に文字や図形などの標章が刻印されているが、この刻印の深さが浅いと、前記収納凹部内のチップ部品を前記認識カメラが撮像しても、その撮像画像を認識処理装置が認識処理しても前記チップ部品の表裏や向きの区別ができない場合が発生することがあった。
【0005】
そこで本発明は、チップ部品の表裏や向きがわかるように付された刻印の深さが浅くとも、確実に前記収納凹部内のチップ部品の状態を認識できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このため第1の発明は、送り装置により送られるテープ本体の各収納凹部内にチップ部品を装填保持具により順次装填した後、カバーテープで前記収納凹部の開口部を閉塞する前にこの収納凹部内に装填された前記チップ部品を認識カメラが撮像し、認識処理装置で認識処理して当該チップ部品の状態を検査するテーピング装置において、前記収納凹部内に装填された前記チップ部品の表面に向けてそれぞれ照射できるように複数の発光体が配設された一対の照明装置を、この一対の照明装置の各発光体群の照射光は向かい合う方向に照射するように前記テープ本体を挟んで対向するように配設すると共に、前記収納凹部内に装填された前記チップ部品に付された標章を形成する刻印への照射光によるこの刻印からの正反射とこの刻印以外のその他の部分への照射光によるその他の部分からの乱反射とにより前記刻印と前記その他の部分との明暗の差ができるように、前記一対の照明装置の各発光体を前記チップ部品に対して傾斜させたことを特徴とする。
【0007】
第2の発明は、第1の発明において、前記テープ本体の各収納凹部内に前記チップ部品を装填した前記装填保持具が前記一対の照明装置間を通過できるように前記一対の照明装置を配設したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、チップ部品の表裏や向きがわかるように付された刻印の深さが浅くとも、確実に前記収納凹部内のチップ部品の状態を認識できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】テーピング装置を示す平面図である。
【図2】テーピング装置の正面図である。
【図3】テーピング装置の右側面図である。
【図4】部品取出し機構を説明するための図である。
【図5】部品装填機構を説明するための図である。
【図6】第1及び第2の回転盤の停止状態の平面図である。
【図7】第1及び第2の回転盤の旋回移動中の平面図である。
【図8】搬送レールの正面図である。
【図9】搬送レールの縦断側面図である。
【図10】本テーピング装置の制御ブロック図である。
【図11】チップ部品の平面図である。
【図12】吸着装填ノズルを備えた第2の回転盤、印字検査カメラ、照明装置、チップ部品などの位置関係を示すための簡略した説明図である。
【図13】照明装置とチップ部品との関係を示す図である。
【図14】一方の照明装置の平面図である。
【図15】図14の縦断面図である。
【図16】フローチャートを示す図である。
【図17】収納溝内に装填されたチップ部品の画像を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の移載装置としてのテーピング装置の実施形態について、図面を参照しながら説明する。先ず、図1のテーピング装置の平面図、図2の同じく正面図、図3の右側面図に基づき、テーピング装置について説明する。1はテーピング装置本体で、この本体1の側壁部に立設されたピン2にキャリアテープ供給リール3が回転可能に係止され、当該テープ供給リール3に巻装されたテープ本体(キャリアテープとも称される。)4Aの先端が当該テープ本体4Aに適度なテンションを与えるためのプーリ5、送りプーリ6、7及びテープ本体4Aなどの搬送路を有する搬送レール8を介して巻取り収納リール9に固定されている。
【0011】
そして、送り装置を構成する図示しない回転駆動系による巻取り収納リール9の回転に合わせて順次テープ本体4Aが所定量搬送されて(巻取り収納リール9に巻取られて)いく間で、テープ本体4Aの収納溝(収納凹部)4B内に後述するチップ部品Aが挿入(装填)され、更に所定位置まで搬送されて収納溝4B上面の開口部をカバーテープ供給リール10から供給されるカバーテープ4Cで被覆した後、前記巻取り収納リール9に巻取られていく。尚、上述したように、所定間隔を存して収納溝4Bが設けられたテープ本体4Aと、その上面に圧着されるカバーテープ(トップテープ)4Cとで収納テープ4が形成されるが、前記テープ本体4Aはいわゆるエンボステープである。
【0012】
尚、前記送りプーリ6、7、搬送レール8及びカバーテープ供給リール10などは、取付板11に設けられている。そして、テーピング装置本体1に固定された固定板12上にはY軸駆動モータ13により駆動されてガイド14に案内されてY方向に移動するYテーブル15が設けられ、このYテーブル15上にはX軸駆動モータ16により駆動されてガイド17に案内されてX方向に移動するXテーブル18が設けられ、このXテーブル18に前記取付板11が固定されている。
【0013】
従って、X軸駆動モータ16及びY軸駆動モータ13の駆動によりXテーブル18及びYテーブル15が移動することにより、取付板11を介して前記搬送レール8及びこの搬送レール8に沿って移動するテープ本体4AなどがXY方向に移動できる。
【0014】
また、テーピング装置本体1の上にはY軸駆動モータ20によりY方向に移動可能なYテーブル21が設けられ、更に該Yテーブル21の上にはX軸駆動モータ22によりX方向に移動可能なX移動体23を介してチップ部品供給テーブル24が設けられる。該供給テーブル24上にはシートに貼付されたウエハがダイシングされて個々のダイ(以下、「チップ部品A」という)に分割された状態で且つ端子を有する面を上面とした状態で固定されており、このチップ部品Aは裏面より突き上げピン(図示せず)により突き上げられながら、後述する吸着取出ノズル26で吸着されて取出されるものである。
【0015】
前記テーピング装置本体1に固定された上取付板25にはチップ部品供給テーブル24からチップ部品Aを取出す吸着取出ノズル26が所定間隔を存して周縁部に、例えば8本配設されて駆動モータ19Aの駆動により第1のインデキシングカムユニット30を介して間欠回転する第1の回転盤27が設けられ、また上取付板25にはX軸駆動モータ88及びY軸駆動モータ89によりXY方向に移動するXYテーブル(図示せず)を介して前記収納溝4Bにチップ部品Aを装填する吸着装填ノズル28が所定間隔を存して周縁部に、例えば8本配設されて駆動モータ19Bの駆動により第2のインデキシングカムユニット31を介して間欠回転する第2の回転盤29とが設けられる。
【0016】
この第1の回転盤27と第2の回転盤29とは同期して間欠回転するものであり、2つの回転盤27、29の吸着取出ノズル26と吸着装填ノズル28とを対応させることができ、チップ部品Aを吸着取出ノズル26から吸着装填ノズル28に受け渡すことができる。また、両回転盤の回転半径を同一にすることにより、回転割出し精度(分解能)を同一にすることができる。
【0017】
次に、部品取出機構35について、図4に基づき詳述する。前記第1の回転盤27の周縁部には吸着取出ノズル26が8本配設されており、各反転装置36により各吸着取出ノズル26は上下反転可能に設けられる。即ち、反転駆動モータ37の駆動によりカップリング38を介して駆動軸39が回転すると、駆動軸39に固定された取付体40も回転し、前記取出ノズル26は上下反転される。
【0018】
また、前記取付体40に設けられたガイド41に沿ってガイド42が上下動可能であるため、このガイド42に固定されたノズル取付体43に取付けられた吸着取出ノズル26は上下動可能となるが、この吸着取出ノズル26は前記取付体40の上辺40Aとノズル取付体43の下辺43Aとの間に張架されたスプリング44により常時上方に付勢されていて、ストッパ45が前記取付体40の上辺40Aに係止されることにより上限は規制される。
【0019】
また、Z軸駆動モータ46の駆動によりガイド47により上下動可能な作動体48の作動部48Aがノズル取付体43の頭部を押圧することにより前記吸着取出ノズル26は下降することができ、例えばチップ部品供給テーブル24上のチップ部品Aを取出すことができる。
【0020】
次に、部品装填機構50について、図5に基づき詳述する。前記第2の回転盤29の周縁部には吸着装填ノズル28が8本配設されており、各回転装置51により吸着装填ノズル28を偏心した位置に備えたノズル軸体28Aが軸芯方向を中心として回転可能に設けられる。即ち、θ軸駆動モータ52の駆動軸に設けられたプーリ53と円筒体62の周囲に固定されたプーリ54との間に伝達ベルト55が張架され、円筒体62はベアリング56を介して前記第2の回転盤29に回動可能に設けられる。
【0021】
また、前記吸着装填ノズル28は、Z軸駆動モータ57の駆動によりガイド58により上下動可能な作動体59の作動部59Aがノズル取付体60の突部60Aに押圧することによりガイド61に案内されて下降することができ、吸着保持しているチップ部品Aを搬送レール8上のテープ本体4Aの収納溝4B内に装填することができる。即ち、ノズル軸体28Aは円筒体62内で上下に移動可能であり且つ円筒体62と共にθ回転可能であるので、このノズル軸体28A下部の偏心した位置に設けられた吸着装填ノズル28も上下に移動可能でθ回転可能である。
【0022】
ここで、図10に基づき、本テーピング装置の制御ブロック図について説明すると、91はテーピング装置のチップ部品Aの装填に係る動作を統括制御する制御装置としてのCPU、92はチップ部品Aの種類毎の厚さデータや、各吸着取出ノズル26毎の高さレベルデータ等を格納するRAM(ランダム・アクセス・メモリ)及び93はROM(リ−ド・オンリー・メモリ)である。そして、CPU91は前記RAM92に記憶されたデータに基づき、前記ROM93に格納されたプログラムに従い、テーピング装置のチップ部品Aの装填に係る動作を統括制御する。即ち、CPU91は、駆動回路94及びインターフェース95を介して各駆動モータの駆動を制御している。
【0023】
また、96はインターフェース95を介して前記CPU91に接続される認識処理装置で、各認識カメラにより撮像して取込まれた画像の認識処理が該認識処理装置96にて行われ、CPU91に処理結果が送出される。即ち、CPU91は、各認識カメラに撮像された画像を認識処理(位置ずれ量の算出など)するように指示を認識処理装置96に出力すると共に、認識処理結果を認識処理装置96から受取るものである。
【0024】
次に、図6及び図7に示すように、第1の回転盤27の12時に位置するステーションは、チップ部品供給テーブル24から吸着取出ノズル26がチップ部品Aを吸着して取出す吸着取出ステーションである。この吸着取出ステーションでは、第1の回転盤27の旋回移動中にチップ部品供給テーブル24上の次に取出すべきチップ部品Aを部品認識カメラ63で撮像して、当該チップ部品Aの位置を認識処理装置96で認識処理し、CPU91がこの取出すべきチップ部品Aを移動してくる吸着取出ノズル26の直下方位置に位置するよう前記Y軸駆動モータ20及びX軸駆動モータ22を駆動させてチップ部品供給テーブル24を移動させ、この吸着取出ステーションでチップ部品供給テーブル24上のチップ部品AをZ軸駆動モータ46の駆動により吸着取出ノズル26が下降して吸着して取出す。
【0025】
次に、駆動モータ19Bの駆動により第2のインデキシングカムユニット31を介して第2の回転盤29が時計方向に間欠回転すると共に駆動モータ19Aの駆動により第1のインデキシングカムユニット30を介して第1の回転盤27を反時計方向に同期間欠回転させる。この第1の回転盤27の反時計方向に1間欠回転して停止するステーションは、前記反転装置36により吸着取出ノズル26に保持されたチップ部品Aを上下反転させる反転ステーションであり、その次のステーションはこの反転されたチップ部品Aの位置を部品認識カメラ65により撮像して認識処理装置96で認識処理する認識ステーションである。
【0026】
前記吸着取出ステーションを1番目として反時計方向に回転した6番目が受渡しステーションであり、前記反転装置36により上下反転された吸着取出ノズル26のチップ部品Aを第2の回転盤29の吸着装填ノズル28に受け渡す。この第1の回転盤27の受渡しステーション、言い換えると、第2の回転盤29の受継ぎステーションでは、吸着取出ノズル26に吸着保持されたチップ部品Aを前記部品認識カメラ65が撮像して認識処理装置96が認識処理した結果によるX方向及びY方向のズレが第2の回転盤29の回転角度補正及び前記ノズル軸体28Aの回動による偏心した吸着装填ノズル28の位置補正により解消される。
【0027】
即ち、前記部品認識カメラ65の撮像に基づく認識処理装置96の認識処理結果に基づいて、CPU91が第2の回転盤29を回転させる駆動モータ19B及び前記ノズル軸体28Aを回動させるθ軸駆動モータ52を制御することにより、前記X方向及びY方向のズレを補正することができる。従って、受け渡される吸着取出ノズル26に吸着保持されたチップ部品Aと吸着装填ノズル28の位置とを極力一致させることにより、第1の回転盤27に設けられた吸着取出ノズル26に吸着保持されたチップ部品Aをこの吸着取出ノズル26から第2の回転盤29に設けられた吸着装填ノズル28に確実に受け渡すことができる。
【0028】
そして、この第2の回転盤29の受継ぎステーションで受け継いで、時計方向に第2の回転盤29が回転して装着ステーション及びリカバリ装填ステーション(受継ぎステーションを1番目として6番目と7番目)において吸着装填ノズル28が前記テープ4のテープ本体4A上方に位置するように両回転盤27、29が配設される。
【0029】
即ち、2本の吸着装填ノズル28が前記テープ4のテープ本体4A上方に位置するように第2の回転盤29を配設すると、両回転盤27、29は8分割間欠回転するので、前記装着ステーションにおける第2の回転盤29の中心と吸着装填ノズル28と結んだラインとテープ4の走行ラインとで作る角度は67.5となり、第1の回転盤27の受渡しステーションと第2の回転盤29の受継ぎステーションとは22.5度ずれて受継ぐように両回転盤27、29が配設されることとなる。
【0030】
この第2の回転盤29の受継ぎステーションの次の次のステーションは、特性検査装置81によりチップ部品の特性を検査する検査ステーションで、例えばチップ部品に流れる電流値を検査して、その電流値がRAM92に格納された所定範囲内にあるかどうかが検査させる。ここで、所定範囲内になければ、CPU91はテープ本体4Aに装填せずに、後述する専用トレイ(図示せず)内に収納するように制御する。
【0031】
この検査ステーションの次の認識ステーションには装填部品認識カメラ83が配設され、吸着装填ノズル28に吸着保持されたチップ部品Aをこの装填部品認識カメラ83で撮像して認識処理装置96により当該チップ部品Aのノズルに対する位置が認識されると共に外観検査(バンプが所定数あるか等)がなされる。この外観検査により不良チップ部品とされると、CPU91はテープ本体4Aに装填せずに、前記専用トレイ内に収納するように制御する。
【0032】
次の次のステーションは収納テープ4の収納溝4B内に吸着装填ノズル28に保持されたチップ部品を装填する装填ステーションで、前記装填部品認識カメラ83により吸着装填ノズル28に保持されたチップ部品Aが撮像される。また、この装填ステーションでは、吸着装填ノズル28に保持されたチップ部品を装填する前に装填すべき収納溝4Bの位置を把握するために、ポケット認識カメラ82が装填すべき収納溝4Bを撮像される。そして、前記装填部品認識カメラ83及びポケット認識カメラ82の撮像結果を認識処理装置96が認識処理し、認識処理された結果に基づき、θ方向(平面方向における角度)及び平面方向(XY方向)のズレについて補正した状態でチップ部品を装填する。
【0033】
即ち、CPU91がθ方向のズレについてはθ軸駆動モータ52を補正制御して円筒体62及びノズル軸体28Aを介してこの軸体28Aに偏心した位置に設けられた吸着装填ノズル28を回動させ、平面方向のズレについては前記X軸駆動モータ16及びY軸駆動モータ13を補正制御してXテーブル18及びYテーブル15を補正移動させて、取付板11を介して搬送レール8及びこの搬送レール8に沿って移動するテープ本体4AをX方向に補正移動させる。
【0034】
この場合、当該装填ステーションに移動した吸着装填ノズル28が認識ステーションにあったときに、第1の回転盤27の認識ステーションにあった吸着取出ノズル26に保持されたチップ部品Aを次の次の次の受渡しステーションで補正する第2の回転盤29の回転補正量をも加味して(当該電子部品の認識ステーションでの認識処理結果に加えて)、第2の回転盤29の装填ステーションにおいてCPU91がθ軸駆動モータ52、前記X軸駆動モータ16及びY軸駆動モータ13を補正制御するものである。
【0035】
このため、収納溝4B内の適正位置に、Z軸駆動モータ57の駆動により下降する吸着装填ノズル28によりチップ部品Aを装填することができることとなる。従って、テープ本体4A側で平面方向の補正動作を行い、吸着装填ノズル28側で角度方向(θ)の補正動作を行うから、全てを吸着装填ノズル28側で行う構造に比べて、可動部が軽量化でき、高速化及び多機能化に対応できる。
【0036】
この装填ステーションでのチップ部品Aの装填動作について、説明する。前述したように、Z軸駆動モータ57の駆動により吸着装填ノズル28が下降し、チップ部品Aをテープ本体4Aの収納溝4Bに装填するが、この装填の際、図示しない真空源に真空路を介して連通していた吸着装填ノズル28は、ソレノイドバルブの切替え動作によりその真空を開放すると共に逆にノズル28に形成した吸着孔より空気を吹き出すことにより収納溝4B底面上にチップ部品Aを落下させて、この収納溝4B内に装填する。
【0037】
更に、次のリカバリ装填ステーションには印字検査カメラ85が設けられ、第2の回転盤29の旋回移動中にこのステーションに位置する収納溝4B内に装填されたチップ部品Aを撮像し、認識処理装置96で認識処理してテープ本体4Aに装填されたチップ部品Aの有無、前記チップ部品の表裏、印字の向き(チップ部品Aの向き)を検査する。
【0038】
ここで、図11に示すように、所定の厚さを有して平面視矩形状を呈するチップ部品Aは、レーザー加工され、レーザマーキング加工により表面が溶融されて平らになると共に酸化して黒く見え(黒色)、表面の丸の部分(位置決めマーク)AAや、文字・数字部分(シリアル番号)ABは刻印され(凹部が形成されている。)、標章が付された状態となる。また、丸の部分AAや文字・数字部分AB以外の表面部分ACは研磨痕で若干荒れている状態なので、当った照明光は拡散して印字検査カメラ85に光が入射する。
【0039】
従って、図12に示すように、リカバリ装填ステーションにおいて、前記搬送レール8により搬送されるテープ本体4Aの収納溝4B内に装填されたチップ部品Aを照明装置100で照射した場合、刻印された丸部分AAや文字・数字部部分ABはそれぞれの部分以外の研磨痕があり若干荒れている表面部分ACより平ら(平滑又は鏡面)なので、斜めからの照明光は上方には反射されず、印字検査カメラ85による撮像画像は酸化で黒くなったうえに、さらに黒くなる。この結果、丸の部分AAや文字・数字部分ABとそれ以外の表面部分ACとの間で明暗の違いが出る。即ち、前記印字検査カメラ85で撮像された前記チップ部品Aの前記表面部分ACは乱反射して、乱反射した光が印字検査カメラ85に入り、画像が白色となるが、丸の部分AAや文字・数字部分ABは正反射して印字検査カメラ85に入射しないため、黒色となる。
【0040】
そして、前記テープ本体4Aの収納溝4B内に装填されたチップ部品Aの撮像画像が図17の(イ)〜(ホ)に示すような場合には、即ち図11と比べて、図17(イ)の場合は左に90度回転した状態で、図17(ロ)の場合は右に90度回転した状態で、図17(ハ)の場合は右又は左に180度回転した状態で、図17(ニ)の場合はボールADがある裏面が上面の状態で、図17(ホ)の場合はチップ部品Aが無い状態であるが、いずれの場合もチップ部品Aの収納溝4B内での向きが異常、チップ部品の表裏が異なることによる異常、チップ部品Aが無いことによる異常であると判定される。
【0041】
前記照明装置100は、前記リカバリ装填ステーションにおいて前記搬送レール8に沿って搬送されるテープ本体4Aを挟んで対向するように配設される一対の照明装置100A、100Bとから構成され、それぞれ前記搬送レール8に沿って搬送されるテープ本体4Aの収納溝4B内に装填されたチップ部品Aに向けて均一でムラの無い照射光を照射する。しかも、両照明装置100A、100B間を回転する前記第2の回転盤29に配設された吸着装填ノズル28がチップ部品Aを前記収納溝4B内に装填した後に接触することなく通過できるように、両照明装置100A、100Bは間隔を存して配設される。
【0042】
ここで、一方の照明装置100Aについて、図14及び図15に基づいて、説明する。この照明装置100Aは右側面が開口した箱状を呈し、テープ本体4Aの収納溝4B内に装填されたチップ部品Aの表面における所定位置L(例えば、中心位置)に向けてそれぞれ照射できるように、前記所定位置Lから等距離の位置に、即ち前記所定位置Lを中心とした円の一部の円周上に複数の発光体であるLED101が配設される。
【0043】
従って、一対の照明装置100A、100Bの各LED101群の照射光は向かい合う方向に照射するように、一対の照明装置100A、100Bはテープ本体4Aを挟んで対向するように配設される
しかも、前記収納溝4B内に装填されたチップ部品Aに付された丸の部分AAや文字・数字部分ABを形成する刻印とそれ以外の表面部分ACとの明暗のコントラスト(差)がはっきりするような傾斜した照射光となるように、前記複数のLED101は前記チップ部品Aの表面に対してなるべく、低く傾斜して配設されている。この場合、例えば前記刻印の深さが0.1〜0.3μmである場合には、照射光の傾斜角度は10〜15度程度となるように(図15参照)、前記複数のLED101は配設される。
【0044】
そして、この複数のLED101の照射方向の側方には平面視円弧状の拡散板102が配設され、よりチップ部品Aに照射される光が均一となるように構成される(図14参照)。また、照明装置100A、100Bとテーピング装置本体の部品装填機構等の構造物との干渉を避けるためにも、前記LED101を傾斜させて配置し、各照明装置100A、100Bの高さを極力低く抑えている。
【0045】
なお、104は同軸照明装置で、前記テープ本体4Aの前記収納溝4Bを印字検査カメラ85が撮像する際に光を照射して使用するものであるが、仮に上方から前記収納溝4B内の前記チップ部品Aに光を照射した場合、その反射光はチップ部品Aの表面状態に大きく左右されて、撮像画像において丸の部分AAや文字・数字部分ABは表面が平らで光は正反射して印字検査カメラ85に入射するために白く、それ以外の表面部分ACは研磨痕で若干荒れているので丸の部分AAや文字・数字部分ABほどではないものの同様に白色となるので、丸の部分AAや文字・数字部分ABとそれ以外の表面部分ACとのコントラストが小さいので、前述したように、前記照明装置100の前記複数のLED101による照射光は前記チップ部品Aの表面に対してなるべく、低く傾斜して配設することにより、コントラストが大きくなるものである。
【0046】
また前記リカバリ装填ステーションには、図8及び図9に示すように、テープ本体4Aを搬送するための一対の搬送レール8の一方の搬送レール8Aに上下調整可能に支持された吸引又は吹き出し通路形成部材84が設けられる。即ち、この通路形成部材84には縦方向に伸びた一対の調整孔86が開設され、この調整孔86を介してボルト87を締め付けることにより、任意の上下位置にて、即ち一対の搬送レール8に支持されたテープ本体4Aの底面とその上面が一定の間隔を存して通路形成部材84を一方の搬送レール8Aに固定することができる。
【0047】
そして、テープ本体4Aの各収納溝4Bを形成する部品載置面には開口4Dが開設されており、リカバリ装填ステーションにおける収納溝4Bの開口4Dに対応する位置の前記通路形成部材84にはL字形状に延びた連通路90が形成され、通路形成部材84の上面には開口4Dに対向して開口90Aが形成されている。
【0048】
次に、図16に示す印字検査に係るフローチャートに基づいて、印字検査及びチップ部品Aのリカバリについて説明する。先ず、前述したように、装填ステーションで、前記装填部品認識カメラ83が吸着装填ノズル28に保持されたチップ部品Aが撮像すると共にポケット認識カメラ82が前記テープ本体4Aの装填すべき収納溝4Bを撮像して、両撮像結果を認識処理装置96が認識処理する(ステップS01)。
【0049】
そして、前記認識処理装置96が認識処理した結果に基づき、θ方向(平面方向における角度)及び平面方向(XY方向)のズレについて補正した状態で、チップ部品Aを前記収納溝4B内に装填する(ステップS02)。
【0050】
次いで、CPU91は印字検査を行うように制御する(ステップS03)。即ち、リカバリ装填ステーションで第2の回転盤29の旋回移動中にこのステーションに位置する収納溝4B内に装填されたチップ部品Aを印字検査カメラ85が撮像するが、前記通路形成部材84の連通路90、開口90A及び前記収納溝4Bの部品載置面に開設された開口4Dを介して空気を吸引して部品載置面上に前記チップ部品Aを吸い付けた状態でチップ部品Aの姿勢を安定状態にして前記収納溝4B内のチップ部品Aを印字検査カメラ85が撮像する。この撮像された画像に基づき、認識処理装置96で認識処理してテープ本体4Aの収納溝4Bに装填されたチップ部品Aの有無、前記チップ部品の表裏、印字の向き(チップ部品Aの向き)を検査する。
【0051】
この場合、前記照明装置100を構成する一対の照明装置100A、100Bの複数のLED101が前記収納溝4B内のチップ部品Aに光を拡散板102を介して均一に照射して、しかもチップ部品Aに付された丸の部分AAや文字・数字部分ABを形成する刻印とそれ以外の表面部分ACとの明暗のコントラスト(差)がはっきりするような傾斜した照射光となるように照射して、前記印字検査カメラ85が撮像した画像において、丸の部分AAや文字・数字部分ABとそれ以外の表面部分ACとの明暗のコトラストが大きくなって、丸の部分AAや文字・数字部分ABが黒色に、それ以外の表面部分ACは白色に撮像でき、チップ部品Aの有無、前記チップ部品の表裏、印字の向き(チップ部品Aの向き)を検査することができる。
【0052】
次に、その検査した結果が良好か不良であるかを判定する(ステップS04)。不良である場合には、CPU91は以下のように制御する。即ち、前記吸着装填ノズル28で前記収納溝4Bの上面開口部を覆い、前記通路形成部材84の連通路90、開口90A及び前記収納溝4Bの部品載置面に開設された開口4Dを介する空気の吸引から吹き出しに変更してチップ部品Aを揺動させた後、再度前記通路形成部材84の連通路90、開口90A及び前記収納溝4Bの部品載置面に開設された開口4Dを介して空気を吸引して部品載置面上に前記チップ部品を吸い付け、前記吸着装填ノズル28のエスケープ(前記収納溝4Bの上面開口部より逃げて)後に、再度前記収納溝4B内のチップ部品Aを印字検査カメラ85が撮像して再検査する(ステップS05)。
【0053】
なお、最初の吸引動作を行っても、収納溝4B内にチップ部品Aが斜めに収納されていた場合でも、以上のようにすることにより、チップ部品Aの姿勢を修正、即ち斜めの状態から水平の状態にすることができ、2度目の検査結果が良好な場合には、最初の検査の誤認によってチップ部品を廃棄することなく、救済して利用することができることとなる。
【0054】
そして、このようにして再検査してもなお、認識処理装置96による認識結果によりCPU91が不良と判定した場合には、前記装填ステーションで装填を終えた吸着装填ノズル28がこのリカバリ装填ステーションに位置する収納溝4Bよりチップ部品Aを取出して廃棄し、またこのとき前記装填ステーションで吸着保持していたチップ部品Aを装填しようとしていた吸着装填ノズル28は装填せずに待機するように制御されて前記装填部品認識カメラ83がこの吸着保持されているチップ部品Aを撮像すると共にポケット認識カメラ82がチップ部品Aが取出されて空となったリカバリ装填すべき収納溝4Bを撮像して、両撮像結果を認識処理装置96が認識処理する(ステップS01)。
【0055】
そして、前記認識処理装置96が認識処理した結果に基づき、θ方向(平面方向における角度)及び平面方向(XY方向)のズレについて補正した状態でチップ部品Aを前記収納溝4B内に装填し(ステップS09)、ステップS04に戻る。
【0056】
なお、CPU91が前述したステップS04で印字検査が良好と判定したり、ステップS05の印字再検査で良好と判定した場合には、次に予定した生産個数に達したか否かを判定して(ステップS09)、達していないと判定した場合にはステップS01に戻り、また達したと判定した場合には印字検査が終了したかを判定する(ステップS09)。そして、印字検査が終了していないと判定した場合にはステップS04に戻るが、終了したと判定した場合には終了する。
【0057】
前述したように、部品装填機構50によるテープ本体4Aの収納溝4B内へチップ部品Aが挿入された後は、テープ圧着機構86によりテープ本体4Aとカバーテープ4Cとが圧着され、巻取り収納リール9に巻き取られることとなる。
【0058】
以上本発明の実施態様について説明したが、上述の説明に基づいて当業者にとって種々の代替例、修正又は変形が可能であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で前述の種々の代替例、修正又は変形を包含するものである。
【符号の説明】
【0059】
4A テープ本体
4B 収納溝
28 吸着装填ノズル
29 第2の回転盤
85 印字検査カメラ
100 照明装置
100A、100B 照明装置
101 LED
A チップ部品
【技術分野】
【0001】
本発明は、送り装置により送られる部品収納テープの各収納凹部内にチップ部品を吸着ノズルにより順次装填した後、カバーテープで当該収納凹部の開口部を閉塞する前にこの収納凹部内のチップ部品を認識カメラが撮像し、認識処理装置で認識処理して当該チップ部品を検査するテーピング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の部品実装装置は、例えば特許文献1などに開示されているが、カバーテープで当該収納凹部の開口部を閉塞する前に、この収納凹部内のチップ部品の表裏、このチップ部品の前記収納凹部内の向き、このチップ部品の有無などを検査している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−306457号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記チップ部品は表裏や向きがわかるように、このチップ部品に文字や図形などの標章が刻印されているが、この刻印の深さが浅いと、前記収納凹部内のチップ部品を前記認識カメラが撮像しても、その撮像画像を認識処理装置が認識処理しても前記チップ部品の表裏や向きの区別ができない場合が発生することがあった。
【0005】
そこで本発明は、チップ部品の表裏や向きがわかるように付された刻印の深さが浅くとも、確実に前記収納凹部内のチップ部品の状態を認識できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このため第1の発明は、送り装置により送られるテープ本体の各収納凹部内にチップ部品を装填保持具により順次装填した後、カバーテープで前記収納凹部の開口部を閉塞する前にこの収納凹部内に装填された前記チップ部品を認識カメラが撮像し、認識処理装置で認識処理して当該チップ部品の状態を検査するテーピング装置において、前記収納凹部内に装填された前記チップ部品の表面に向けてそれぞれ照射できるように複数の発光体が配設された一対の照明装置を、この一対の照明装置の各発光体群の照射光は向かい合う方向に照射するように前記テープ本体を挟んで対向するように配設すると共に、前記収納凹部内に装填された前記チップ部品に付された標章を形成する刻印への照射光によるこの刻印からの正反射とこの刻印以外のその他の部分への照射光によるその他の部分からの乱反射とにより前記刻印と前記その他の部分との明暗の差ができるように、前記一対の照明装置の各発光体を前記チップ部品に対して傾斜させたことを特徴とする。
【0007】
第2の発明は、第1の発明において、前記テープ本体の各収納凹部内に前記チップ部品を装填した前記装填保持具が前記一対の照明装置間を通過できるように前記一対の照明装置を配設したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、チップ部品の表裏や向きがわかるように付された刻印の深さが浅くとも、確実に前記収納凹部内のチップ部品の状態を認識できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】テーピング装置を示す平面図である。
【図2】テーピング装置の正面図である。
【図3】テーピング装置の右側面図である。
【図4】部品取出し機構を説明するための図である。
【図5】部品装填機構を説明するための図である。
【図6】第1及び第2の回転盤の停止状態の平面図である。
【図7】第1及び第2の回転盤の旋回移動中の平面図である。
【図8】搬送レールの正面図である。
【図9】搬送レールの縦断側面図である。
【図10】本テーピング装置の制御ブロック図である。
【図11】チップ部品の平面図である。
【図12】吸着装填ノズルを備えた第2の回転盤、印字検査カメラ、照明装置、チップ部品などの位置関係を示すための簡略した説明図である。
【図13】照明装置とチップ部品との関係を示す図である。
【図14】一方の照明装置の平面図である。
【図15】図14の縦断面図である。
【図16】フローチャートを示す図である。
【図17】収納溝内に装填されたチップ部品の画像を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の移載装置としてのテーピング装置の実施形態について、図面を参照しながら説明する。先ず、図1のテーピング装置の平面図、図2の同じく正面図、図3の右側面図に基づき、テーピング装置について説明する。1はテーピング装置本体で、この本体1の側壁部に立設されたピン2にキャリアテープ供給リール3が回転可能に係止され、当該テープ供給リール3に巻装されたテープ本体(キャリアテープとも称される。)4Aの先端が当該テープ本体4Aに適度なテンションを与えるためのプーリ5、送りプーリ6、7及びテープ本体4Aなどの搬送路を有する搬送レール8を介して巻取り収納リール9に固定されている。
【0011】
そして、送り装置を構成する図示しない回転駆動系による巻取り収納リール9の回転に合わせて順次テープ本体4Aが所定量搬送されて(巻取り収納リール9に巻取られて)いく間で、テープ本体4Aの収納溝(収納凹部)4B内に後述するチップ部品Aが挿入(装填)され、更に所定位置まで搬送されて収納溝4B上面の開口部をカバーテープ供給リール10から供給されるカバーテープ4Cで被覆した後、前記巻取り収納リール9に巻取られていく。尚、上述したように、所定間隔を存して収納溝4Bが設けられたテープ本体4Aと、その上面に圧着されるカバーテープ(トップテープ)4Cとで収納テープ4が形成されるが、前記テープ本体4Aはいわゆるエンボステープである。
【0012】
尚、前記送りプーリ6、7、搬送レール8及びカバーテープ供給リール10などは、取付板11に設けられている。そして、テーピング装置本体1に固定された固定板12上にはY軸駆動モータ13により駆動されてガイド14に案内されてY方向に移動するYテーブル15が設けられ、このYテーブル15上にはX軸駆動モータ16により駆動されてガイド17に案内されてX方向に移動するXテーブル18が設けられ、このXテーブル18に前記取付板11が固定されている。
【0013】
従って、X軸駆動モータ16及びY軸駆動モータ13の駆動によりXテーブル18及びYテーブル15が移動することにより、取付板11を介して前記搬送レール8及びこの搬送レール8に沿って移動するテープ本体4AなどがXY方向に移動できる。
【0014】
また、テーピング装置本体1の上にはY軸駆動モータ20によりY方向に移動可能なYテーブル21が設けられ、更に該Yテーブル21の上にはX軸駆動モータ22によりX方向に移動可能なX移動体23を介してチップ部品供給テーブル24が設けられる。該供給テーブル24上にはシートに貼付されたウエハがダイシングされて個々のダイ(以下、「チップ部品A」という)に分割された状態で且つ端子を有する面を上面とした状態で固定されており、このチップ部品Aは裏面より突き上げピン(図示せず)により突き上げられながら、後述する吸着取出ノズル26で吸着されて取出されるものである。
【0015】
前記テーピング装置本体1に固定された上取付板25にはチップ部品供給テーブル24からチップ部品Aを取出す吸着取出ノズル26が所定間隔を存して周縁部に、例えば8本配設されて駆動モータ19Aの駆動により第1のインデキシングカムユニット30を介して間欠回転する第1の回転盤27が設けられ、また上取付板25にはX軸駆動モータ88及びY軸駆動モータ89によりXY方向に移動するXYテーブル(図示せず)を介して前記収納溝4Bにチップ部品Aを装填する吸着装填ノズル28が所定間隔を存して周縁部に、例えば8本配設されて駆動モータ19Bの駆動により第2のインデキシングカムユニット31を介して間欠回転する第2の回転盤29とが設けられる。
【0016】
この第1の回転盤27と第2の回転盤29とは同期して間欠回転するものであり、2つの回転盤27、29の吸着取出ノズル26と吸着装填ノズル28とを対応させることができ、チップ部品Aを吸着取出ノズル26から吸着装填ノズル28に受け渡すことができる。また、両回転盤の回転半径を同一にすることにより、回転割出し精度(分解能)を同一にすることができる。
【0017】
次に、部品取出機構35について、図4に基づき詳述する。前記第1の回転盤27の周縁部には吸着取出ノズル26が8本配設されており、各反転装置36により各吸着取出ノズル26は上下反転可能に設けられる。即ち、反転駆動モータ37の駆動によりカップリング38を介して駆動軸39が回転すると、駆動軸39に固定された取付体40も回転し、前記取出ノズル26は上下反転される。
【0018】
また、前記取付体40に設けられたガイド41に沿ってガイド42が上下動可能であるため、このガイド42に固定されたノズル取付体43に取付けられた吸着取出ノズル26は上下動可能となるが、この吸着取出ノズル26は前記取付体40の上辺40Aとノズル取付体43の下辺43Aとの間に張架されたスプリング44により常時上方に付勢されていて、ストッパ45が前記取付体40の上辺40Aに係止されることにより上限は規制される。
【0019】
また、Z軸駆動モータ46の駆動によりガイド47により上下動可能な作動体48の作動部48Aがノズル取付体43の頭部を押圧することにより前記吸着取出ノズル26は下降することができ、例えばチップ部品供給テーブル24上のチップ部品Aを取出すことができる。
【0020】
次に、部品装填機構50について、図5に基づき詳述する。前記第2の回転盤29の周縁部には吸着装填ノズル28が8本配設されており、各回転装置51により吸着装填ノズル28を偏心した位置に備えたノズル軸体28Aが軸芯方向を中心として回転可能に設けられる。即ち、θ軸駆動モータ52の駆動軸に設けられたプーリ53と円筒体62の周囲に固定されたプーリ54との間に伝達ベルト55が張架され、円筒体62はベアリング56を介して前記第2の回転盤29に回動可能に設けられる。
【0021】
また、前記吸着装填ノズル28は、Z軸駆動モータ57の駆動によりガイド58により上下動可能な作動体59の作動部59Aがノズル取付体60の突部60Aに押圧することによりガイド61に案内されて下降することができ、吸着保持しているチップ部品Aを搬送レール8上のテープ本体4Aの収納溝4B内に装填することができる。即ち、ノズル軸体28Aは円筒体62内で上下に移動可能であり且つ円筒体62と共にθ回転可能であるので、このノズル軸体28A下部の偏心した位置に設けられた吸着装填ノズル28も上下に移動可能でθ回転可能である。
【0022】
ここで、図10に基づき、本テーピング装置の制御ブロック図について説明すると、91はテーピング装置のチップ部品Aの装填に係る動作を統括制御する制御装置としてのCPU、92はチップ部品Aの種類毎の厚さデータや、各吸着取出ノズル26毎の高さレベルデータ等を格納するRAM(ランダム・アクセス・メモリ)及び93はROM(リ−ド・オンリー・メモリ)である。そして、CPU91は前記RAM92に記憶されたデータに基づき、前記ROM93に格納されたプログラムに従い、テーピング装置のチップ部品Aの装填に係る動作を統括制御する。即ち、CPU91は、駆動回路94及びインターフェース95を介して各駆動モータの駆動を制御している。
【0023】
また、96はインターフェース95を介して前記CPU91に接続される認識処理装置で、各認識カメラにより撮像して取込まれた画像の認識処理が該認識処理装置96にて行われ、CPU91に処理結果が送出される。即ち、CPU91は、各認識カメラに撮像された画像を認識処理(位置ずれ量の算出など)するように指示を認識処理装置96に出力すると共に、認識処理結果を認識処理装置96から受取るものである。
【0024】
次に、図6及び図7に示すように、第1の回転盤27の12時に位置するステーションは、チップ部品供給テーブル24から吸着取出ノズル26がチップ部品Aを吸着して取出す吸着取出ステーションである。この吸着取出ステーションでは、第1の回転盤27の旋回移動中にチップ部品供給テーブル24上の次に取出すべきチップ部品Aを部品認識カメラ63で撮像して、当該チップ部品Aの位置を認識処理装置96で認識処理し、CPU91がこの取出すべきチップ部品Aを移動してくる吸着取出ノズル26の直下方位置に位置するよう前記Y軸駆動モータ20及びX軸駆動モータ22を駆動させてチップ部品供給テーブル24を移動させ、この吸着取出ステーションでチップ部品供給テーブル24上のチップ部品AをZ軸駆動モータ46の駆動により吸着取出ノズル26が下降して吸着して取出す。
【0025】
次に、駆動モータ19Bの駆動により第2のインデキシングカムユニット31を介して第2の回転盤29が時計方向に間欠回転すると共に駆動モータ19Aの駆動により第1のインデキシングカムユニット30を介して第1の回転盤27を反時計方向に同期間欠回転させる。この第1の回転盤27の反時計方向に1間欠回転して停止するステーションは、前記反転装置36により吸着取出ノズル26に保持されたチップ部品Aを上下反転させる反転ステーションであり、その次のステーションはこの反転されたチップ部品Aの位置を部品認識カメラ65により撮像して認識処理装置96で認識処理する認識ステーションである。
【0026】
前記吸着取出ステーションを1番目として反時計方向に回転した6番目が受渡しステーションであり、前記反転装置36により上下反転された吸着取出ノズル26のチップ部品Aを第2の回転盤29の吸着装填ノズル28に受け渡す。この第1の回転盤27の受渡しステーション、言い換えると、第2の回転盤29の受継ぎステーションでは、吸着取出ノズル26に吸着保持されたチップ部品Aを前記部品認識カメラ65が撮像して認識処理装置96が認識処理した結果によるX方向及びY方向のズレが第2の回転盤29の回転角度補正及び前記ノズル軸体28Aの回動による偏心した吸着装填ノズル28の位置補正により解消される。
【0027】
即ち、前記部品認識カメラ65の撮像に基づく認識処理装置96の認識処理結果に基づいて、CPU91が第2の回転盤29を回転させる駆動モータ19B及び前記ノズル軸体28Aを回動させるθ軸駆動モータ52を制御することにより、前記X方向及びY方向のズレを補正することができる。従って、受け渡される吸着取出ノズル26に吸着保持されたチップ部品Aと吸着装填ノズル28の位置とを極力一致させることにより、第1の回転盤27に設けられた吸着取出ノズル26に吸着保持されたチップ部品Aをこの吸着取出ノズル26から第2の回転盤29に設けられた吸着装填ノズル28に確実に受け渡すことができる。
【0028】
そして、この第2の回転盤29の受継ぎステーションで受け継いで、時計方向に第2の回転盤29が回転して装着ステーション及びリカバリ装填ステーション(受継ぎステーションを1番目として6番目と7番目)において吸着装填ノズル28が前記テープ4のテープ本体4A上方に位置するように両回転盤27、29が配設される。
【0029】
即ち、2本の吸着装填ノズル28が前記テープ4のテープ本体4A上方に位置するように第2の回転盤29を配設すると、両回転盤27、29は8分割間欠回転するので、前記装着ステーションにおける第2の回転盤29の中心と吸着装填ノズル28と結んだラインとテープ4の走行ラインとで作る角度は67.5となり、第1の回転盤27の受渡しステーションと第2の回転盤29の受継ぎステーションとは22.5度ずれて受継ぐように両回転盤27、29が配設されることとなる。
【0030】
この第2の回転盤29の受継ぎステーションの次の次のステーションは、特性検査装置81によりチップ部品の特性を検査する検査ステーションで、例えばチップ部品に流れる電流値を検査して、その電流値がRAM92に格納された所定範囲内にあるかどうかが検査させる。ここで、所定範囲内になければ、CPU91はテープ本体4Aに装填せずに、後述する専用トレイ(図示せず)内に収納するように制御する。
【0031】
この検査ステーションの次の認識ステーションには装填部品認識カメラ83が配設され、吸着装填ノズル28に吸着保持されたチップ部品Aをこの装填部品認識カメラ83で撮像して認識処理装置96により当該チップ部品Aのノズルに対する位置が認識されると共に外観検査(バンプが所定数あるか等)がなされる。この外観検査により不良チップ部品とされると、CPU91はテープ本体4Aに装填せずに、前記専用トレイ内に収納するように制御する。
【0032】
次の次のステーションは収納テープ4の収納溝4B内に吸着装填ノズル28に保持されたチップ部品を装填する装填ステーションで、前記装填部品認識カメラ83により吸着装填ノズル28に保持されたチップ部品Aが撮像される。また、この装填ステーションでは、吸着装填ノズル28に保持されたチップ部品を装填する前に装填すべき収納溝4Bの位置を把握するために、ポケット認識カメラ82が装填すべき収納溝4Bを撮像される。そして、前記装填部品認識カメラ83及びポケット認識カメラ82の撮像結果を認識処理装置96が認識処理し、認識処理された結果に基づき、θ方向(平面方向における角度)及び平面方向(XY方向)のズレについて補正した状態でチップ部品を装填する。
【0033】
即ち、CPU91がθ方向のズレについてはθ軸駆動モータ52を補正制御して円筒体62及びノズル軸体28Aを介してこの軸体28Aに偏心した位置に設けられた吸着装填ノズル28を回動させ、平面方向のズレについては前記X軸駆動モータ16及びY軸駆動モータ13を補正制御してXテーブル18及びYテーブル15を補正移動させて、取付板11を介して搬送レール8及びこの搬送レール8に沿って移動するテープ本体4AをX方向に補正移動させる。
【0034】
この場合、当該装填ステーションに移動した吸着装填ノズル28が認識ステーションにあったときに、第1の回転盤27の認識ステーションにあった吸着取出ノズル26に保持されたチップ部品Aを次の次の次の受渡しステーションで補正する第2の回転盤29の回転補正量をも加味して(当該電子部品の認識ステーションでの認識処理結果に加えて)、第2の回転盤29の装填ステーションにおいてCPU91がθ軸駆動モータ52、前記X軸駆動モータ16及びY軸駆動モータ13を補正制御するものである。
【0035】
このため、収納溝4B内の適正位置に、Z軸駆動モータ57の駆動により下降する吸着装填ノズル28によりチップ部品Aを装填することができることとなる。従って、テープ本体4A側で平面方向の補正動作を行い、吸着装填ノズル28側で角度方向(θ)の補正動作を行うから、全てを吸着装填ノズル28側で行う構造に比べて、可動部が軽量化でき、高速化及び多機能化に対応できる。
【0036】
この装填ステーションでのチップ部品Aの装填動作について、説明する。前述したように、Z軸駆動モータ57の駆動により吸着装填ノズル28が下降し、チップ部品Aをテープ本体4Aの収納溝4Bに装填するが、この装填の際、図示しない真空源に真空路を介して連通していた吸着装填ノズル28は、ソレノイドバルブの切替え動作によりその真空を開放すると共に逆にノズル28に形成した吸着孔より空気を吹き出すことにより収納溝4B底面上にチップ部品Aを落下させて、この収納溝4B内に装填する。
【0037】
更に、次のリカバリ装填ステーションには印字検査カメラ85が設けられ、第2の回転盤29の旋回移動中にこのステーションに位置する収納溝4B内に装填されたチップ部品Aを撮像し、認識処理装置96で認識処理してテープ本体4Aに装填されたチップ部品Aの有無、前記チップ部品の表裏、印字の向き(チップ部品Aの向き)を検査する。
【0038】
ここで、図11に示すように、所定の厚さを有して平面視矩形状を呈するチップ部品Aは、レーザー加工され、レーザマーキング加工により表面が溶融されて平らになると共に酸化して黒く見え(黒色)、表面の丸の部分(位置決めマーク)AAや、文字・数字部分(シリアル番号)ABは刻印され(凹部が形成されている。)、標章が付された状態となる。また、丸の部分AAや文字・数字部分AB以外の表面部分ACは研磨痕で若干荒れている状態なので、当った照明光は拡散して印字検査カメラ85に光が入射する。
【0039】
従って、図12に示すように、リカバリ装填ステーションにおいて、前記搬送レール8により搬送されるテープ本体4Aの収納溝4B内に装填されたチップ部品Aを照明装置100で照射した場合、刻印された丸部分AAや文字・数字部部分ABはそれぞれの部分以外の研磨痕があり若干荒れている表面部分ACより平ら(平滑又は鏡面)なので、斜めからの照明光は上方には反射されず、印字検査カメラ85による撮像画像は酸化で黒くなったうえに、さらに黒くなる。この結果、丸の部分AAや文字・数字部分ABとそれ以外の表面部分ACとの間で明暗の違いが出る。即ち、前記印字検査カメラ85で撮像された前記チップ部品Aの前記表面部分ACは乱反射して、乱反射した光が印字検査カメラ85に入り、画像が白色となるが、丸の部分AAや文字・数字部分ABは正反射して印字検査カメラ85に入射しないため、黒色となる。
【0040】
そして、前記テープ本体4Aの収納溝4B内に装填されたチップ部品Aの撮像画像が図17の(イ)〜(ホ)に示すような場合には、即ち図11と比べて、図17(イ)の場合は左に90度回転した状態で、図17(ロ)の場合は右に90度回転した状態で、図17(ハ)の場合は右又は左に180度回転した状態で、図17(ニ)の場合はボールADがある裏面が上面の状態で、図17(ホ)の場合はチップ部品Aが無い状態であるが、いずれの場合もチップ部品Aの収納溝4B内での向きが異常、チップ部品の表裏が異なることによる異常、チップ部品Aが無いことによる異常であると判定される。
【0041】
前記照明装置100は、前記リカバリ装填ステーションにおいて前記搬送レール8に沿って搬送されるテープ本体4Aを挟んで対向するように配設される一対の照明装置100A、100Bとから構成され、それぞれ前記搬送レール8に沿って搬送されるテープ本体4Aの収納溝4B内に装填されたチップ部品Aに向けて均一でムラの無い照射光を照射する。しかも、両照明装置100A、100B間を回転する前記第2の回転盤29に配設された吸着装填ノズル28がチップ部品Aを前記収納溝4B内に装填した後に接触することなく通過できるように、両照明装置100A、100Bは間隔を存して配設される。
【0042】
ここで、一方の照明装置100Aについて、図14及び図15に基づいて、説明する。この照明装置100Aは右側面が開口した箱状を呈し、テープ本体4Aの収納溝4B内に装填されたチップ部品Aの表面における所定位置L(例えば、中心位置)に向けてそれぞれ照射できるように、前記所定位置Lから等距離の位置に、即ち前記所定位置Lを中心とした円の一部の円周上に複数の発光体であるLED101が配設される。
【0043】
従って、一対の照明装置100A、100Bの各LED101群の照射光は向かい合う方向に照射するように、一対の照明装置100A、100Bはテープ本体4Aを挟んで対向するように配設される
しかも、前記収納溝4B内に装填されたチップ部品Aに付された丸の部分AAや文字・数字部分ABを形成する刻印とそれ以外の表面部分ACとの明暗のコントラスト(差)がはっきりするような傾斜した照射光となるように、前記複数のLED101は前記チップ部品Aの表面に対してなるべく、低く傾斜して配設されている。この場合、例えば前記刻印の深さが0.1〜0.3μmである場合には、照射光の傾斜角度は10〜15度程度となるように(図15参照)、前記複数のLED101は配設される。
【0044】
そして、この複数のLED101の照射方向の側方には平面視円弧状の拡散板102が配設され、よりチップ部品Aに照射される光が均一となるように構成される(図14参照)。また、照明装置100A、100Bとテーピング装置本体の部品装填機構等の構造物との干渉を避けるためにも、前記LED101を傾斜させて配置し、各照明装置100A、100Bの高さを極力低く抑えている。
【0045】
なお、104は同軸照明装置で、前記テープ本体4Aの前記収納溝4Bを印字検査カメラ85が撮像する際に光を照射して使用するものであるが、仮に上方から前記収納溝4B内の前記チップ部品Aに光を照射した場合、その反射光はチップ部品Aの表面状態に大きく左右されて、撮像画像において丸の部分AAや文字・数字部分ABは表面が平らで光は正反射して印字検査カメラ85に入射するために白く、それ以外の表面部分ACは研磨痕で若干荒れているので丸の部分AAや文字・数字部分ABほどではないものの同様に白色となるので、丸の部分AAや文字・数字部分ABとそれ以外の表面部分ACとのコントラストが小さいので、前述したように、前記照明装置100の前記複数のLED101による照射光は前記チップ部品Aの表面に対してなるべく、低く傾斜して配設することにより、コントラストが大きくなるものである。
【0046】
また前記リカバリ装填ステーションには、図8及び図9に示すように、テープ本体4Aを搬送するための一対の搬送レール8の一方の搬送レール8Aに上下調整可能に支持された吸引又は吹き出し通路形成部材84が設けられる。即ち、この通路形成部材84には縦方向に伸びた一対の調整孔86が開設され、この調整孔86を介してボルト87を締め付けることにより、任意の上下位置にて、即ち一対の搬送レール8に支持されたテープ本体4Aの底面とその上面が一定の間隔を存して通路形成部材84を一方の搬送レール8Aに固定することができる。
【0047】
そして、テープ本体4Aの各収納溝4Bを形成する部品載置面には開口4Dが開設されており、リカバリ装填ステーションにおける収納溝4Bの開口4Dに対応する位置の前記通路形成部材84にはL字形状に延びた連通路90が形成され、通路形成部材84の上面には開口4Dに対向して開口90Aが形成されている。
【0048】
次に、図16に示す印字検査に係るフローチャートに基づいて、印字検査及びチップ部品Aのリカバリについて説明する。先ず、前述したように、装填ステーションで、前記装填部品認識カメラ83が吸着装填ノズル28に保持されたチップ部品Aが撮像すると共にポケット認識カメラ82が前記テープ本体4Aの装填すべき収納溝4Bを撮像して、両撮像結果を認識処理装置96が認識処理する(ステップS01)。
【0049】
そして、前記認識処理装置96が認識処理した結果に基づき、θ方向(平面方向における角度)及び平面方向(XY方向)のズレについて補正した状態で、チップ部品Aを前記収納溝4B内に装填する(ステップS02)。
【0050】
次いで、CPU91は印字検査を行うように制御する(ステップS03)。即ち、リカバリ装填ステーションで第2の回転盤29の旋回移動中にこのステーションに位置する収納溝4B内に装填されたチップ部品Aを印字検査カメラ85が撮像するが、前記通路形成部材84の連通路90、開口90A及び前記収納溝4Bの部品載置面に開設された開口4Dを介して空気を吸引して部品載置面上に前記チップ部品Aを吸い付けた状態でチップ部品Aの姿勢を安定状態にして前記収納溝4B内のチップ部品Aを印字検査カメラ85が撮像する。この撮像された画像に基づき、認識処理装置96で認識処理してテープ本体4Aの収納溝4Bに装填されたチップ部品Aの有無、前記チップ部品の表裏、印字の向き(チップ部品Aの向き)を検査する。
【0051】
この場合、前記照明装置100を構成する一対の照明装置100A、100Bの複数のLED101が前記収納溝4B内のチップ部品Aに光を拡散板102を介して均一に照射して、しかもチップ部品Aに付された丸の部分AAや文字・数字部分ABを形成する刻印とそれ以外の表面部分ACとの明暗のコントラスト(差)がはっきりするような傾斜した照射光となるように照射して、前記印字検査カメラ85が撮像した画像において、丸の部分AAや文字・数字部分ABとそれ以外の表面部分ACとの明暗のコトラストが大きくなって、丸の部分AAや文字・数字部分ABが黒色に、それ以外の表面部分ACは白色に撮像でき、チップ部品Aの有無、前記チップ部品の表裏、印字の向き(チップ部品Aの向き)を検査することができる。
【0052】
次に、その検査した結果が良好か不良であるかを判定する(ステップS04)。不良である場合には、CPU91は以下のように制御する。即ち、前記吸着装填ノズル28で前記収納溝4Bの上面開口部を覆い、前記通路形成部材84の連通路90、開口90A及び前記収納溝4Bの部品載置面に開設された開口4Dを介する空気の吸引から吹き出しに変更してチップ部品Aを揺動させた後、再度前記通路形成部材84の連通路90、開口90A及び前記収納溝4Bの部品載置面に開設された開口4Dを介して空気を吸引して部品載置面上に前記チップ部品を吸い付け、前記吸着装填ノズル28のエスケープ(前記収納溝4Bの上面開口部より逃げて)後に、再度前記収納溝4B内のチップ部品Aを印字検査カメラ85が撮像して再検査する(ステップS05)。
【0053】
なお、最初の吸引動作を行っても、収納溝4B内にチップ部品Aが斜めに収納されていた場合でも、以上のようにすることにより、チップ部品Aの姿勢を修正、即ち斜めの状態から水平の状態にすることができ、2度目の検査結果が良好な場合には、最初の検査の誤認によってチップ部品を廃棄することなく、救済して利用することができることとなる。
【0054】
そして、このようにして再検査してもなお、認識処理装置96による認識結果によりCPU91が不良と判定した場合には、前記装填ステーションで装填を終えた吸着装填ノズル28がこのリカバリ装填ステーションに位置する収納溝4Bよりチップ部品Aを取出して廃棄し、またこのとき前記装填ステーションで吸着保持していたチップ部品Aを装填しようとしていた吸着装填ノズル28は装填せずに待機するように制御されて前記装填部品認識カメラ83がこの吸着保持されているチップ部品Aを撮像すると共にポケット認識カメラ82がチップ部品Aが取出されて空となったリカバリ装填すべき収納溝4Bを撮像して、両撮像結果を認識処理装置96が認識処理する(ステップS01)。
【0055】
そして、前記認識処理装置96が認識処理した結果に基づき、θ方向(平面方向における角度)及び平面方向(XY方向)のズレについて補正した状態でチップ部品Aを前記収納溝4B内に装填し(ステップS09)、ステップS04に戻る。
【0056】
なお、CPU91が前述したステップS04で印字検査が良好と判定したり、ステップS05の印字再検査で良好と判定した場合には、次に予定した生産個数に達したか否かを判定して(ステップS09)、達していないと判定した場合にはステップS01に戻り、また達したと判定した場合には印字検査が終了したかを判定する(ステップS09)。そして、印字検査が終了していないと判定した場合にはステップS04に戻るが、終了したと判定した場合には終了する。
【0057】
前述したように、部品装填機構50によるテープ本体4Aの収納溝4B内へチップ部品Aが挿入された後は、テープ圧着機構86によりテープ本体4Aとカバーテープ4Cとが圧着され、巻取り収納リール9に巻き取られることとなる。
【0058】
以上本発明の実施態様について説明したが、上述の説明に基づいて当業者にとって種々の代替例、修正又は変形が可能であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で前述の種々の代替例、修正又は変形を包含するものである。
【符号の説明】
【0059】
4A テープ本体
4B 収納溝
28 吸着装填ノズル
29 第2の回転盤
85 印字検査カメラ
100 照明装置
100A、100B 照明装置
101 LED
A チップ部品
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送り装置により送られるテープ本体の各収納凹部内にチップ部品を装填保持具により順次装填した後、カバーテープで前記収納凹部の開口部を閉塞する前にこの収納凹部内に装填された前記チップ部品を認識カメラが撮像し、認識処理装置で認識処理して当該チップ部品の状態を検査するテーピング装置において、前記収納凹部内に装填された前記チップ部品の表面に向けてそれぞれ照射できるように複数の発光体が配設された一対の照明装置を、この一対の照明装置の各発光体群の照射光は向かい合う方向に照射するように前記テープ本体を挟んで対向するように配設すると共に、前記収納凹部内に装填された前記チップ部品に付された標章を形成する刻印への照射光によるこの刻印からの正反射とこの刻印以外のその他の部分への照射光によるその他の部分からの乱反射とにより前記刻印と前記その他の部分との明暗の差ができるように、前記一対の照明装置の各発光体を前記チップ部品に対して傾斜させたことを特徴とするテーピング装置。
【請求項2】
前記テープ本体の各収納凹部内に前記チップ部品を装填した前記装填保持具が前記一対の照明装置間を通過できるように前記一対の照明装置を配設したことを特徴とする請求項1に記載のテーピング装置。
【請求項1】
送り装置により送られるテープ本体の各収納凹部内にチップ部品を装填保持具により順次装填した後、カバーテープで前記収納凹部の開口部を閉塞する前にこの収納凹部内に装填された前記チップ部品を認識カメラが撮像し、認識処理装置で認識処理して当該チップ部品の状態を検査するテーピング装置において、前記収納凹部内に装填された前記チップ部品の表面に向けてそれぞれ照射できるように複数の発光体が配設された一対の照明装置を、この一対の照明装置の各発光体群の照射光は向かい合う方向に照射するように前記テープ本体を挟んで対向するように配設すると共に、前記収納凹部内に装填された前記チップ部品に付された標章を形成する刻印への照射光によるこの刻印からの正反射とこの刻印以外のその他の部分への照射光によるその他の部分からの乱反射とにより前記刻印と前記その他の部分との明暗の差ができるように、前記一対の照明装置の各発光体を前記チップ部品に対して傾斜させたことを特徴とするテーピング装置。
【請求項2】
前記テープ本体の各収納凹部内に前記チップ部品を装填した前記装填保持具が前記一対の照明装置間を通過できるように前記一対の照明装置を配設したことを特徴とする請求項1に記載のテーピング装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−184029(P2012−184029A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−49636(P2011−49636)
【出願日】平成23年3月7日(2011.3.7)
【出願人】(300022504)株式会社日立ハイテクインスツルメンツ (607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月7日(2011.3.7)
【出願人】(300022504)株式会社日立ハイテクインスツルメンツ (607)
【Fターム(参考)】
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