説明

テーブルの連結構造

【構成】 連結体21の回動支持部22がメインテーブル1の脚4に対しその延設方向回りで回動可能に支持されている。メインテーブル1の脚4及びサブテーブル9の脚は台2及び台10(天板13と枠体14)の下側に回動可能に支持されて折り畳み可能に取り付けられている。サブテーブル9において天板13が枠体14上に着脱可能に載せられ、この枠体14の先端連結部19が連結体21の載置腕部23上に載せられる。各テーブル1,9を分離した場合にこの連結体21を回動させてメインテーブル1の台2の下側に収納することができる。
【効果】 各テーブル1,9を分離した場合に連結体21が台2から突出せず邪魔にならない。連結体21の取付けが行い易くなるとともに、連結体21の回動構造が簡単になる。各テーブル1,9を使用しない場合に嵩張らず保管や持ち運びに便利である。メインテーブル1に対するサブテーブル9の着脱が行い易くなる。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は複数のテーブルを連結して広い載置面積を確保することができるテーブル連結構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
テーブルは台とその下側に設けた脚とを有する。このテーブルを複数個並設して連結する場合、互いに隣接する両テーブルのうち一方のテーブルにある連結部に他方のテーブルを支持する。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、各テーブルを分離した場合、この連結部が台から突出すると、使用上邪魔になる。
【0004】
本考案は各テーブルを分離した場合にこの連結部が邪魔にならないテーブル連結構造を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
後記する実施例の図面に示すように、第一考案にかかるテーブルの連結構造においては、台(2,10)とその下側に設けられた脚(3,4,11)とを有するテーブル(1,9)が複数個並設されて互いに隣接する両テーブル(1,9)
のうち一方のテーブル(1)に連結体(21)が移動可能に取り付けられている。そして、その移動に伴い、この連結体(21)上に他方のテーブル(9)が支持される状態と、この連結体(21)が一方のテーブル(1)の台(2)の下側に収納される状態とを取り得る。
【0006】
第二考案において、第一考案の連結体(21)は、テーブル(1)の脚(4)
に対しその延設方向回りで回動可能に支持されている。
第三考案において、第二考案の各テーブル(1,9)の脚(3,4,11)は、台(2,10)の下側に折り畳み可能に取り付けられ、台(2,10)を支える状態と、台(2,10)の下側に折り畳まれる状態とを取り得る。
【0007】
第四考案においては、第三考案に下記の構成を付加している。テーブルはメインテーブル(1)とサブテーブル(9)とからなる。このサブテーブル(9)の台(10)は互いに分離可能な天板(13)と枠体(14)とからなり、この天板(13)は枠体(14)上に着脱可能に載せられる。サブテーブル(1)の脚(11)はこの枠体(14)の下側に折り畳み可能に取り付けられ、枠体(14)を支える状態と、枠体(14)に折り畳まれる状態とを取り得る。連結体(21)は前記メインテーブル(1)の脚(4)に対しその延設方向回りで回動可能に支持され、前記サブテーブル(9)の枠体(14)を載せる載置部(23)を有している。
【0008】
【作用】
第一考案においては、各テーブル(1,9)を分離した場合に連結体(21)
を移動させて一方のテーブル(1)の台(2)の下側に収納する。
【0009】
第二考案においては、各テーブル(1,9)を分離した場合に連結体(21)
を一方のテーブル(1)の脚(4)に対しその延設方向回りで回動させて台(2)の下側に収納する。
【0010】
第三考案においては、各テーブル(1,9)を使用しない場合にその脚(3,4,11)を台(2,10)の下側に折り畳む。
第四考案においては、各テーブル(1,9)を着脱する場合にサブテーブル(9)において天板(13)を枠体(14)に対し着脱する。
【0011】
【実施例】
以下、本考案の一実施例に係るテーブル連結構造を図面を参照して説明する。
図1(a)(b),図4及び図5(a)に示すように、メインテーブル1は台2とその下側にある4本の脚3,4とを有する。左側の前後両脚3及び右側の前後両脚4はそれぞれ横杆5により一体的に連結されている。左側の前後両脚3及び右側の前後両脚4の基端部が台2の下側にヒンジ6により左右方向へ回動可能に支持されている。このヒンジ6付近で各脚3,4の基端側と台2の下側との間に折り畳みリンク7が連結されている。このリンク7が延びるとともに左側の前後両脚3及び右側の前後両脚4が立設されて台2を支える状態と、このリンク7が縮んで左側の前後両脚3及び右側の前後両脚4が台2の下側に重合して折り畳まれる状態とを取り得る。台2の前側には把手8が取着されている。
【0012】
図1(a)(b),図4及び図5(a)に示すように、サブテーブル9は台10とその右下側にある2本の脚11とを有する。この前後両脚11は横杆12により一体的に連結されている。この台10は互いに分離可能な天板13と枠体14とからなり、この天板13は枠体14上に着脱可能に載せられる。この枠体14は前後両外枠15と右外枠16と内枠17とからなり、右外枠16付近で前後両外枠15の基端部が前後両脚11の基端部にヒンジ18により回動可能に支持されている。前後両外枠15は二股状に延設され、その先端部に連結部19が設けられている。図2(b)及び図3(b)に示すように、この先端連結部19には係止溝19aが周方向へ所定角度範囲だけ形成されている。このヒンジ18付近で前後両脚11の基端側と枠体14との間に折り畳みリンク20が連結されている。このリンク20が延びるとともに前後両脚11が立設されて枠体14を支える状態と、このリンク20が縮んで前後両脚11が枠体14に重合して折り畳まれる状態とを取り得る。
【0013】
図1(a)(b)に示す連結体21は、図2(a)(b)及び図3(a)(b)に示すように、円筒状の回動支持部22と載置腕部23(載置部)とからなる。前記メインテーブル1においてこの回動支持部22がヒンジ6付近で右側の前後両脚4に挿嵌され、連結体21が脚4の延設方向回りで回動可能に支持されている。この回動支持部22の下方で脚4に止めねじ24が螺着され、この止めねじ24上に回動支持部22が載せられて連結体21の下動が阻止される。この載置腕部23は回動支持部22から延びる腕板部25と、この腕板部25から折曲された連結板部26とからなる。この連結板部26上に切込み27が形成されて上方へ開放されている。前記サブテーブル9において枠体14の前後両外枠15の先端連結部19がこの切込み27に挿入され、その挿入状態でこの先端連結部19の係止溝19aに切込み27の内縁27aが係入される。前記腕板部25上において回動支持部22から連結板部26の折曲部26a付近まで切り欠かれてこの切欠き部25aと折曲部26aとの間に係止部25bが形成されている。サブテーブル9において枠体14上に天板13が載せられた状態で、この天板13の外枠13aが切欠き部25aに挿入されてこの外枠13aの内側に係止部25bが接する。
【0014】
さて、図1(a)に示すようにメインテーブル1にサブテーブル9を連結した状態では、メインテーブル1において折り畳みリンク7が延びるとともに左側の前後両脚3及び右側の前後両脚4が立設されて台2を支え、サブテーブル9において折り畳みリンク20が延びるとともに前後両脚11が立設されて台10の枠体14を支える。図2(a)(b)に示すように、連結体21はメインテーブル1において右側の前後両脚4の延設方向回りで回動され、サブテーブル9側へ向けて台2よりも外側へ突出する。サブテーブル9において枠体14の前後両外枠15の先端連結部19が連結体21の切込み27に挿入され、その挿入状態でこの先端連結部19の係止溝19aに切込み27の内縁27aが係入される。また、サブテーブル9において枠体14の各外枠15,16上に天板13が載せられた状態で、この天板13の外枠13aが切欠き部25aに挿入されてこの外枠13aの内側に係止部25bが接する。メインテーブル1の台2とサブテーブル9の台10の天板13とは互いに接して並設される。
【0015】
メインテーブル1及びサブテーブル9を使用しない場合には、まず、図1(b)及び図3(a)に示すように、サブテーブル9の台10において天板13を枠体14から分離する。そして、図3(b)及び図4に示すように、枠体14の前後両外枠15の先端基端部19を連結体21の載置腕部23から抜いてサブテーブル9をメインテーブル1から分離する。次に、図5(a)に示すように、メインテーブル1において、両連結体21を両脚4に対し回動させて台2の下側に収納するとともに、各脚3,4を台2の下側に折り畳む。また、サブテーブル9において、両脚11を枠体14に折り畳む。さらに、図5(b)に示すように、メインテーブル1の台2とサブテーブル9の台10(天板13及び枠体14)とを重ねて帯(図示せず)等により止め、把手8を掴んでこれを持ち運びできるようにする。
【0016】
本考案は下記(イ)〜(ニ)の特徴を有する。
(イ) 連結体21を回動させてメインテーブル1の台2の下側に収納することができるので、各テーブル1,9を分離した場合にこの連結体21が台2から突出せず邪魔にならない。なお、ここに言う「収納」とは、台2の下側に完全に退避する場合ばかりでなく、邪魔にならない限り台2の下側から若干突出する場合も含む。
【0017】
(ロ) 連結体21がメインテーブル1の脚4に対しその延設方向回りで回動可能に支持されているので、連結体21の取付けが行い易くなるとともに、連結体21の回動構造が簡単になる。
【0018】
(ハ) 各テーブル1,9の脚3,4,11が台2,10の下側に回動可能に支持されて折り畳み可能に取り付けられているので、各テーブル1,9を使用しない場合に嵩張らず保管や持ち運びに便利である。
【0019】
(ニ) サブテーブル9において天板13が枠体14上に着脱可能に載せられ、この枠体14が載置腕部23上に載せられるので、メインテーブル1に対するサブテーブル9の着脱が行い易くなる。
【0020】
前記実施例以外にも下記(イ)〜(ハ)のように構成してもよい。
(イ) 前記実施例では、各テーブル1,9の脚3,4,11がヒンジ6,18により台2,10の下側に回動可能に支持されて折り畳み可能に取り付けられている。この構成に代え、各脚3,4,11を台2,10に対しねじ等により着脱可能に取り付ける。そして、この各脚3,4,11を台2,10から分離させ、台2,10に重ねて折り畳むようにする。
【0021】
(ロ) 前記実施例では、連結体21がメインテーブル1の脚4に対しその延設方向回りで回動可能に支持されている。この構成に代え、連結体21をメインテーブル1の台2の下側に対し平行移動可能に支持し、台2の外側へ突出させる状態と、台2の下側に収納する状態とを取り得るようにする。
【0022】
(ハ) サブテーブル9をメインテーブル1に対し複数個並設する。
【0023】
【考案の効果】
第一考案にかかるテーブル連結構造によれば、各テーブル(1,9)を分離した場合に連結体(21)が台(2)から突出せず邪魔にならない。
【0024】
第二考案によれば、第一考案の効果に加え、連結体(21)の取付けが行い易くなるとともに、連結体(21)の回動構造が簡単になる。
第三考案においては、第二考案の効果に加え、各テーブル(1,9)を使用しない場合に嵩張らず保管や持ち運びに便利である。
【0025】
第四考案においては、第三考案の効果に加え、メインテーブル(1)に対するサブテーブル(9)の着脱が行い易くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)はメインテーブルに対しサブテーブルを連結した使用状態を示す斜視図であり、(b)は(a)の使用状態でサブテーブルの天板のみを分離した状態を示す斜視図である。
【図2】 (a)は図1(a)のXーX線視部分断面図であり、(b)は(a)のYーY線視部分断面図である。
【図3】 (a)は図1(b)の部分斜視図であり、(b)は(a)の状態からさらにサブテーブルの枠体をメインテーブル側の連結体から分離した状態を示す部分斜視図である。
【図4】 図1(b)の状態からさらにサブテーブルをメインテーブルから分離した状態を示す斜視図である。
【図5】 (a)は図4の状態から各テーブルの脚を折り畳むとともに連結体を収納した状態を示す概略平面図であり、(b)は(a)の状態からさらに各テーブルを重ねた状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…メインテーブル、2…台、3,4…脚、9…サブテーブル、10…台、11…脚、13…天板、14…枠体、21…連結体、23…載置腕部(載置部)。

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 台(2,10)とその下側に設けた脚(3,4,11)とを有するテーブル(1,9)を複数個並設して互いに隣接する両テーブル(1,9)のうち一方のテーブル(1)に連結体(21)を移動可能に取り付け、その移動に伴い、この連結体(21)上に他方のテーブル(9)を支持する状態と、この連結体(21)を一方のテーブル(1)の台(2)の下側に収納する状態とを取り得ることを特徴とするテーブルの連結構造。
【請求項2】 請求項1に記載の連結体(21)は、テーブル(1)の脚(4)に対しその延設方向回りで回動可能に支持されていることを特徴とするテーブルの連結構造。
【請求項3】 請求項2に記載の各テーブル(1,9)の脚(3,4,11)は、台(2,10)の下側に折り畳み可能に取り付けられ、台(2,10)を支える状態と、台(2,10)の下側に折り畳まれる状態とを取り得ることを特徴とするテーブルの連結構造。
【請求項4】 請求項3に記載のテーブル連結構造において、テーブルはメインテーブル(1)とサブテーブル(9)とからなり、このサブテーブル(9)の台(10)は互いに分離可能な天板(13)と枠体(14)とからなり、この天板(13)は枠体(14)上に着脱可能に載せられ、サブテーブル(1)の脚(11)はこの枠体(14)の下側に折り畳み可能に取り付けられ、枠体(14)を支える状態と、枠体(14)に折り畳まれる状態とを取り得るようにし、連結体(21)は前記メインテーブル(1)の脚(4)に対しその延設方向回りで回動可能に支持され、前記サブテーブル(9)の枠体(14)を載せる載置部(23)を有していることを特徴とするテーブルの連結構造。

【図4】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【登録番号】第3013633号
【登録日】平成7年(1995)5月10日
【発行日】平成7年(1995)7月18日
【考案の名称】テーブルの連結構造
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平7−82
【出願日】平成7年(1995)1月13日
【出願人】(000001454)株式会社貝印刃物開発センター (123)