テーブルフィーダから漏れ出たバラ物の回収装置
【課題】 新たな装置を付加することなく、即ち構造簡単にして低コストで荷詰まりによるターンテーブルの回転不能を防止することができるテーブルフィーダから漏れ出たバラ物の回収装置を提供する。
【解決手段】 フレーム3に対し駆動手段24によって鉛直な旋回軸A回りに旋回されるバケットエレベータ6と、該バケットエレベータ6からバラ物5を受けて所定箇所(出口シュート27)に供給するテーブルフィーダ10と、該テーブルフィーダ10の下方に配置され、該テーブルフィーダ10から漏れ出たバラ物5を受ける荷受け部材28と、該荷受け部材28の上面に当接され、該荷受け部材28上のバラ物5を回収部29に掻き寄せるための掻き板30とを備え、荷受け部材28及び掻き板30のいずれか一方をフレーム3に取り付けると共に他方をバケットエレベータ6に取り付け、駆動手段24によるフレーム3に対するバケットエレベータ6の旋回駆動力を利用して、掻き板30と荷受け部材28とを相対的に移動させるようにした。
【解決手段】 フレーム3に対し駆動手段24によって鉛直な旋回軸A回りに旋回されるバケットエレベータ6と、該バケットエレベータ6からバラ物5を受けて所定箇所(出口シュート27)に供給するテーブルフィーダ10と、該テーブルフィーダ10の下方に配置され、該テーブルフィーダ10から漏れ出たバラ物5を受ける荷受け部材28と、該荷受け部材28の上面に当接され、該荷受け部材28上のバラ物5を回収部29に掻き寄せるための掻き板30とを備え、荷受け部材28及び掻き板30のいずれか一方をフレーム3に取り付けると共に他方をバケットエレベータ6に取り付け、駆動手段24によるフレーム3に対するバケットエレベータ6の旋回駆動力を利用して、掻き板30と荷受け部材28とを相対的に移動させるようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テーブルフィーダから漏れ出たバラ物の回収装置に関する。
【背景技術】
【0002】
石炭や鉄鉱石等のバラ物の荷役装置として、図5に示す連続アンローダ1が知られている。連続アンローダ1は、ブーム2の先端に装着されたトップフレーム3に鉛直な旋回軸A回りに旋回可能に支持され、船倉4内のバラ物5を掻き取って上方に搬送するバケットエレベータ6と、バケットエレベータ6の頂部の反転スプロケット7で反転されたバケット8から放荷されたバラ物5を受け、これをブームコンベヤ9に供給するテーブルフィーダ10xとを有する。
【0003】
テーブルフィーダ10xは、図6に示すように、バケットエレベータ6に対して上記旋回軸A回りに回転されるターンテーブル11と、ターンテーブル11の回転から切り離されてトップフレーム3側に支持されたサイドカバー12とを有する。ターンテーブル11は、バケットエレベータ6を囲むようにドーナッツ板状に形成された底板11aと、底板11aの上面の内周端から上方に延出して形成された円筒状の側壁11bとからなり、図示しない支持機構によってバケットエレベータ6のエレベータケーシング6aに上記旋回軸A回りに回転可能に支持されている。そして、底板11aの下面に設けられたギヤ13が、エレベータケーシング6aにブラケット14を介して取り付けられたモータ15のピニオン16に、噛合されている。他方、サイドカバー12は、図5に示すトップフレーム3に支持されており、ターンテーブル11の回転及びバケットエレベータ6の旋回とは切り離されている。
【0004】
エレベータケーシング6aには、反転スプロケット7で反転されたバケット8から放荷されたバラ物5が投入される入口シュート17が取り付けられている。これにより、船倉4内のバラ物5の掻取作業時にバケットエレベータ6がトップフレーム3に対して上記旋回軸A回りに旋回されると、入口シュート17及びエレベータケーシング6aが一体的に旋回し、入口シュート17の位置がターンテーブル11の周方向に変化することになる。ここで、入口シュート17は、ターンテーブル11及びサイドカバー12の上端に上記旋回軸A回りに回転可能に配置された蓋部材18に連結されているため、蓋部材18がターンテーブル11及びサイドカバー12の上端に対して摺接することで、上記位置の変化に対応できる。
【0005】
入口シュート17からターンテーブル11に導かれたバラ物5は、ターンテーブル11がエレベータケーシング6aに対して上記旋回軸A回りに回転されることで、ターンテーブル11の周方向に搬送され、図示しない出口シュートを介してブームコンベヤ9(図5参照)に移送されるようになっている。このとき、固定側であるサイドカバー12の下端部と回転側であるターンテーブル11の底板11aとの隙間には、バラ物5の漏れを防止するためのシール19が設けられているものの、漏れを零にすることは現実的には不可能であり、シール19から多少のバラ物5が漏れ出ることが避けられない。
【0006】
このため、本出願人は、シール19から漏れ出たバラ物5(落鋼・落炭等)を回収するため、図6に示すように、固定側であるサイドカバー12に、シール19から漏れ出たバラ物を受けるバラ物回収樋21を、ケース状の中間部材20を介して取り付け、この回収樋21に嵌るように配置された掻き板22を回転側であるターンテーブル11に取り付け、サイドカバー12に対するターンテーブル11の回転力を利用して掻き板22を回収樋21の周方向に移動させ、回収樋21内のバラ物5を掻き寄せて図示しないシュートに落とし込み、ブームコンベヤ9に移送するようにしたものを創案した。
【0007】
なお、テーブルフィーダとして特許文献1に記載されたものが知られている。
【0008】
【特許文献1】特許第3089839号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、ターンテーブル11の回転力を利用する場合、回収樋21の大きさが構造上制限され、掻き板22が小さくなり、シール19から漏れ出るバラ物5が増加すると、詰まりが生じ、ターンテーブル11の回転が停止するという問題が生じ得る。
【0010】
すなわち、モータ15によるターンテーブル11の最大駆動力は、ターンテーブル11上のバラ物5を周方向に移送するときの負荷に合わせて設定されているためそれ程大きくはなく、回収樋21と掻き板22とにバラ物の噛み込み等による詰まりが生じると、負荷が上記駆動力以上に大きくなって、ターンテーブル11が回転不能となる虞がある。
【0011】
一旦、詰まりによるターンテーブル11の回転停止が生じると、その復旧作業に時間が掛かり、その間、荷役を中止しなければならない。この対策として、掻き板22を回収樋21に対して周方向に移動させるための専用モータを別途用意することも考えられるが、構造の複雑化及びコストアップを招く。
【0012】
そこで、本発明の目的は、新たな装置を付加することなく、即ち構造簡単にして低コストで回収装置における荷詰まりによるターンテーブルの回転不能を防止することができるテーブルフィーダから漏れ出たバラ物の回収装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために本発明は、フレームに対し駆動手段によって鉛直な旋回軸回りに旋回されるバケットエレベータと、該バケットエレベータからバラ物を受けて所定箇所に供給するテーブルフィーダと、該テーブルフィーダの下方に配置され、該テーブルフィーダから漏れ出たバラ物を受ける荷受け部材と、該荷受け部材の上面に当接され、該荷受け部材上のバラ物を回収部に掻き寄せるための掻き板とを備え、上記荷受け部材及び掻き板のいずれか一方を上記フレームに取り付けると共に他方を上記バケットエレベータに取り付け、上記駆動手段による上記フレームに対する上記バケットエレベータの旋回駆動力を利用して、上記掻き板と上記荷受け部材とを相対的に移動させるようにしたものである。
【0014】
上記荷受け部材を上記フレームに取り付けると共に、上記掻き板を上記バケットエレベータに取り付けることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るテーブルフィーダから漏れ出たバラ物の回収装置によれば、新たな装置を付加することなく、即ち構造簡単にして低コストで回収装置における荷詰まりによるターンテーブルの回転不能を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の好適実施形態を添付図面を用いて説明する。
【0017】
本実施形態に係るテーブルフィーダから漏れ出たバラ物の回収装置は、図5に示す連続アンローダ1に備えられる。図1に示すように、トップフレーム3(請求項1のフレーム)には、バケットエレベータ6が支持機構23を介して鉛直な旋回軸A回りに旋回可能に装着されており、バケットエレベータ6とトップフレーム3との間には、バケットエレベータ6をトップフレーム3に対して旋回軸A回りに旋回させるための第1駆動手段24(請求項1の駆動手段)が設けられている。
【0018】
第1駆動手段24は、固定側であるトップフレーム3に装着され旋回軸Aと同芯的に形成された第1外歯ギヤ24aと、回転側であるバケットエレベータ6のエレベータケーシング6aにブラケット14を介して取り付けられた第1モータ24bと、第1モータ24bの回転軸に取り付けられ第1外歯ギヤ24aに噛合する第1ピニオン24cとを有する。第1モータ24bを駆動すると、第1ピニオン24cが第1外歯ギヤ24aの周方向に転動し、エレベータケーシング6aがトップフレーム3に対して旋回軸A回りに旋回することになる。
【0019】
バケットエレベータ6の上部の周囲には、バケットエレベータ6の頂部の反転スプロケット7で反転されたバケット8から放荷されたバラ物5(石炭、鉄鉱石、穀物等)を受け、これをブームコンベヤ9に供給するためのテーブルフィーダ10が配置されている。テーブルフィーダ10は、図2にも示すように、エレベータケーシング6aに図示しない支持機構を介して旋回軸A回りに回転可能に支持されたターンテーブル11と、ターンテーブル11を旋回軸A回りに回転させる第2駆動手段25と、ターンテーブル11の回転から切り離されてトップフレーム3側に支持された円筒状のサイドカバー12とを有する。
【0020】
ターンテーブル11は、バケットエレベータ6を囲むようにドーナッツ板状に形成された底板11aと、底板11aの上面の内周端から上方に延出して形成された円筒状の側壁11bとからなる。第2駆動手段25は、底板11aの下面に装着され旋回軸Aと同芯的に形成された第2外歯ギヤ25aと、エレベータケーシング6aに装着されたブラケット14に取り付けられた第2モータ25bと、第2モータ25bの回転軸に取り付けられ第2外歯ギヤ25aに噛合する第2ピニオン25cとを有する。なお、図1では、ブラケット14、14aは同一部品としているが、図2から明らかなように周方向に位相をずらしてもよい。第2モータ25bを駆動すると、第2外歯ギヤ25aがエレベータケーシング6aに対して旋回軸A回りに回転し、ターンテーブル11がエレベータケーシング6aに対して旋回軸A回りに回転することになる。
【0021】
エレベータケーシング6aには、反転スプロケット7で反転されたバケット8から放荷されたバラ物5が投入される入口シュート17が取り付けられている。船倉4内のバラ物5の掻取作業時に、第1モータ24bによってエレベータケーシング6aがトップフレーム3に対して旋回軸A回りに旋回されると、入口シュート17が一体的に旋回し、入口シュート17の位置がターンテーブル11の周方向に変化することになる。ここで、入口シュート17は、ターンテーブル11及びサイドカバー12の上端に旋回軸A回りに回転可能に配置された蓋部材18に連結されているため、蓋部材18がターンテーブル11及びサイドカバー12の上端に対して摺接することで、上記位置の変化に対応できる。
【0022】
入口シュート17に投入されたバラ物5は、ターンテーブル11の底板11aの上面に載置され、ターンテーブル11が第2モータ25bによって回転されることで周方向に搬送され、スクレーパ26によって出口シュート27(請求項1の所定箇所)に排出されるようになっている。すなわち、出口シュート27は、固定側であるトップフレーム3にターンテーブル11の回転とは切り離して設けられており、スクレーパ26は、この出口シュート27の上部ケーシング27aに装着されているため、ターンテーブル11の回転に伴ってスクレーパ26がターンテーブル11上のバラ物を出口シュート27に案内する。出口シュート27は、バラ物5をブームコンベヤ9に導く。
【0023】
なお、出口シュート27の上部カバー27aは、ターンテーブル11の底板11aと側壁11bとサイドカバー12と蓋部材18とで囲まれたドーナッツ状の空間と出口シュート27とを接続する部分を覆い、上記空間及び出口シュート27におけるバラ物5の粉塵が外部に拡散することを防止する。同様の理由により、ブームコンベヤ9の上方には、その搬送方向に沿ってカバー9aが設けられている。
【0024】
ところで、テーブルフィーダ10は、エレベータケーシング6aに対して回転される即ちトップフレーム3に対しても回転されるターンテーブル11と、トップフレーム3側に固定されたサイドカバー12とから成っているので、固定側であるサイドカバー12の下端部と回転側であるターンテーブル11の底板11aの上面との間に相対回転を許容するための所定の隙間が設定されている。そして、この隙間からバラ物5が漏れ出ることを防止するため、サイドカバー12の下端部には、その周方向に沿ってシール19が設けられている。しかし、漏れを零にすることは現実的には不可能であり、シール19から多少のバラ物5が漏れ出ることが避けられない。そこで、上記シール19から漏れ出たバラ物5を回収するため、以下に説明する回収装置が設けられている。
【0025】
この回収装置は、図1及び図3に示すように、ターンテーブル11の下方に配置され、上記シール19から漏れ出たバラ物5を受けるための荷受け部材28と、荷受け部材28の上面に当接され、荷受け部材28上のバラ物5を回収部29に掻き寄せるための掻き板30とを備えている。
【0026】
詳しくは、荷受け部材28は、バケットエレベータ6の旋回軸Aと同芯的に形成されたリング状の樋体28a(リング樋体)から成り、固定側であるトップフレーム3に柵31等を介して取り付けられている。他方、掻き板30は、上記リング樋体28aの周方向の一部に係合するように配置され、回転側であるエレベータケーシング6aにブラケット31を介して取り付けられている。これにより、エレベータケーシング6aが第1モータ24aによりトップフレーム3に対して旋回軸A回りに旋回されると、掻き板30がリング樋体28aに係合した状態でその周方向に移動され、リング樋体28a内のバラ物5が回収部29に掻き寄せられる。なお、図1では、ブラケット31、14、14aは同一部品としているが、図2及び図3から明らかなように周方向に位相をずらしてもよい。
【0027】
回収部29は、図3に示すように、リング樋体28aの周方向の一部が欠如されることで形成されており、掻き板30で掻き寄せられたバラ物5がこの回収部29から下方に落下するようになっている。回収部29の下方には、図1及び図4に示すように回収樋32が配置されている。回収樋32は、リング樋体28aの下面にブラケット33を介して径方向外方に傾斜されて装着されており、バラ物5を径方向外方且つ下方に案内してブームコンベヤ9に移すものである。
【0028】
また、図1に示すように、上記柵31の内周面には、上記シール19から漏れ出たバラ物5をリング樋体28aに案内するためにターンテーブル11の周方向に沿って形成された案内板34が、装着されている。
【0029】
本実施形態の作用を述べる。
【0030】
バケットエレベータ6の反転スプロケット7で反転されたバケット8から放荷されたバラ物5は、図1に示す入口シュート17を介してテーブルフィーダ10のターンテーブル11に移送され、ターンテーブル11が第2モータに25bよりエレベータケーシング6aに対して旋回軸A回りに回転されることで周方向に移送され、スクレーパ26によって出口シュート27に導かれ、ブームコンベヤ9に移送される。ターンテーブル11の上記回転は、バケットコンベヤ6による船倉4内のバラ物5の掻取作業中、常に行われる。
【0031】
ターンテーブル11の回転中、ターンテーブル11とサイドカバー12と隙間に設けられたシール19から漏れ出たバラ物5は、案内板34にガイドされその下方に配置されたリング樋体28aにキャッチされる。リング樋体28aにキャッチされたバラ物5は、バケットエレベータ6による船倉4内のバラ物5の掻取作業中、エレベータケーシング6aが第1モータ24bによってトップフレーム3に対して旋回軸A回りに適宜旋回されるに伴って、図3に示す掻き板30によりリング樋体28aの周方向に掻き寄せられ(押し遣られ)、回収部29から落下されて図4に示す回収樋32を介してブームコンベヤ9に移送される。
【0032】
このように、第1モータ24bによるトップフレーム3に対するエレベータケーシング6aの旋回駆動力を利用して、掻き板30をリング樋体28aの周方向に移動させてリング樋体28aにキャッチされたバラ物5をその周方向に掻き寄せているので、ターンテーブル11の回転とは全く無関係にリング樋体28a内のバラ物5を掻き寄せることができる。すなわち、ターンテーブル11を駆動する第2モータ25bには、リング樋体28aと掻き板30とがバラ物5の噛み込み等によって詰まったときの反力が伝達されることは全く無いため、ターンテーブル11が回転不能となることは無く、テーブルフィーダ10による安定した荷役作業が達成される。
【0033】
ところで、リング樋体28aと掻き板30とに詰まりが生じたとき、第1モータ24bには、エレベータケーシング6aを船倉4内のバラ物5に対する掻取抵抗に逆らって旋回させるための第1トルクに加えて、掻き板30を上記詰まりに抗してリング樋体28aに対して移動させるための第2トルクが加わる。ここで、そもそも第1トルクは船倉4内のバラ物5の種類・状況等によって大きな変動が生じ得るものであるため、第1モータ24bの駆動力は上記変動を見越した大きな余裕が設定されており、また、第2トルクは、被回転物であるテーブルフィーダ11とバケットエレベータ6とサイズを対比すれば明らかなように、第1トルクよりも遙かに小さく、上記変動の範囲内となる。
【0034】
よって、リング樋体28aと掻き板30とに詰まりが生じたとしても、第1モータ24bによりその詰まりに打ち勝って掻き板30をリング樋体28aに対して移動させることができ、安定したエレベータケーシング6aの旋回を確保できる。従って、バケットエレベータ6による安定した掻取作業が保持される。すなわち、第1モータ24bにバケットエレベータ6の旋回と掻き板の旋回とを行わせ、リング樋体28aと掻き板30とに詰まりが生じたとしても、第1モータ24bが過負荷状態となってその回転が停止することはない。この結果、新たな装置を付加することなく、即ち構造簡単にして低コストで回収装置における荷詰まりによるターンテーブル10の回転不能を防止し、その復旧作業に要する時間を無くすことができる。
【0035】
また、以上説明したように第1モータ24bには大きな余裕が設定されてるため、リング樋体28aと掻き板30との間に複数のバラ物が噛み込んで大きな負荷が生じたとしてもそれに打ち勝って掻き板30をリング樋体28aに対して旋回させることとができるので、リング樋体28aのサイズを図6に示す回収樋21よりも大きくできる。そして、リング樋体28aを大きくすると共にその取付位置を図1に示すようにトップフレーム3の作業員用通路3aの近くまで下げることで、シール19からの漏れ状況の確認及び掻き板30による掻取状況の確認が容易に行える。
【0036】
なお、船倉4内のバラ物5の掻取作業中におけるエレベータケーシング6aの旋回は、一つの船倉4について少なくとも一回転(360度)以上は成されるので、掻き板30による回収部29へのバラ物を落とし込みが確保される。
【0037】
本発明の実施形態は上記タイプに限定されることは無い。
【0038】
例えば、掻き板30は、図3に示すようにリング樋体28aの周方向の一箇所ではなく、周方向に間隔を隔てて複数箇所配置してもよい。回収部29についても同様である。また、回収樋32をブラケット33に傾斜可能に装着し、最初は回収樋32を水平としておき一つの船倉4の作業終了毎など回収樋32に或る程度のバラ物5が溜まった後に傾斜させるようにしてもよい。
【0039】
また、上記実施形態では、リング樋体28aを固定側であるトップフレーム3に取り付け、掻き板30を回転側であるエレベータフレーム6aに取り付けたが、この取付位置の関係を逆にしてもよい。この場合、トップフレーム3に対してエレベータケーシング6aが旋回軸A回りに旋回されるに伴って、リング樋体28aが掻き板30に対して旋回軸A回りに旋回することになる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の好適実施形態に係るテーブルフィーダから漏れ出たバラ物の回収装置が備えられた連続アンローダの要部側断面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】図1のIII−III線断面図である。
【図4】図1のIV−IV線断面図である。
【図5】連続アンローダを示す説明図である。
【図6】本出願人が先に開発したテーブルフィーダから漏れ出たバラ物の回収装置が備えられた連続アンローダの要部側断面図である。
【符号の説明】
【0041】
1 連続アンローダ
3 フレームとしてのトップフレーム
5 バラ物
6 バケットエレベータ
6a エレベータケーシング
10 テーブルフィーダ
11 ターンテーブル
12 サイドカバー
19 シール
24 駆動手段としての第1駆動手段
27 所定箇所としての出口シュート
28 荷受け部材
28a 荷受け部材としてのリング樋体
30 掻き板
A 旋回軸
【技術分野】
【0001】
本発明は、テーブルフィーダから漏れ出たバラ物の回収装置に関する。
【背景技術】
【0002】
石炭や鉄鉱石等のバラ物の荷役装置として、図5に示す連続アンローダ1が知られている。連続アンローダ1は、ブーム2の先端に装着されたトップフレーム3に鉛直な旋回軸A回りに旋回可能に支持され、船倉4内のバラ物5を掻き取って上方に搬送するバケットエレベータ6と、バケットエレベータ6の頂部の反転スプロケット7で反転されたバケット8から放荷されたバラ物5を受け、これをブームコンベヤ9に供給するテーブルフィーダ10xとを有する。
【0003】
テーブルフィーダ10xは、図6に示すように、バケットエレベータ6に対して上記旋回軸A回りに回転されるターンテーブル11と、ターンテーブル11の回転から切り離されてトップフレーム3側に支持されたサイドカバー12とを有する。ターンテーブル11は、バケットエレベータ6を囲むようにドーナッツ板状に形成された底板11aと、底板11aの上面の内周端から上方に延出して形成された円筒状の側壁11bとからなり、図示しない支持機構によってバケットエレベータ6のエレベータケーシング6aに上記旋回軸A回りに回転可能に支持されている。そして、底板11aの下面に設けられたギヤ13が、エレベータケーシング6aにブラケット14を介して取り付けられたモータ15のピニオン16に、噛合されている。他方、サイドカバー12は、図5に示すトップフレーム3に支持されており、ターンテーブル11の回転及びバケットエレベータ6の旋回とは切り離されている。
【0004】
エレベータケーシング6aには、反転スプロケット7で反転されたバケット8から放荷されたバラ物5が投入される入口シュート17が取り付けられている。これにより、船倉4内のバラ物5の掻取作業時にバケットエレベータ6がトップフレーム3に対して上記旋回軸A回りに旋回されると、入口シュート17及びエレベータケーシング6aが一体的に旋回し、入口シュート17の位置がターンテーブル11の周方向に変化することになる。ここで、入口シュート17は、ターンテーブル11及びサイドカバー12の上端に上記旋回軸A回りに回転可能に配置された蓋部材18に連結されているため、蓋部材18がターンテーブル11及びサイドカバー12の上端に対して摺接することで、上記位置の変化に対応できる。
【0005】
入口シュート17からターンテーブル11に導かれたバラ物5は、ターンテーブル11がエレベータケーシング6aに対して上記旋回軸A回りに回転されることで、ターンテーブル11の周方向に搬送され、図示しない出口シュートを介してブームコンベヤ9(図5参照)に移送されるようになっている。このとき、固定側であるサイドカバー12の下端部と回転側であるターンテーブル11の底板11aとの隙間には、バラ物5の漏れを防止するためのシール19が設けられているものの、漏れを零にすることは現実的には不可能であり、シール19から多少のバラ物5が漏れ出ることが避けられない。
【0006】
このため、本出願人は、シール19から漏れ出たバラ物5(落鋼・落炭等)を回収するため、図6に示すように、固定側であるサイドカバー12に、シール19から漏れ出たバラ物を受けるバラ物回収樋21を、ケース状の中間部材20を介して取り付け、この回収樋21に嵌るように配置された掻き板22を回転側であるターンテーブル11に取り付け、サイドカバー12に対するターンテーブル11の回転力を利用して掻き板22を回収樋21の周方向に移動させ、回収樋21内のバラ物5を掻き寄せて図示しないシュートに落とし込み、ブームコンベヤ9に移送するようにしたものを創案した。
【0007】
なお、テーブルフィーダとして特許文献1に記載されたものが知られている。
【0008】
【特許文献1】特許第3089839号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、ターンテーブル11の回転力を利用する場合、回収樋21の大きさが構造上制限され、掻き板22が小さくなり、シール19から漏れ出るバラ物5が増加すると、詰まりが生じ、ターンテーブル11の回転が停止するという問題が生じ得る。
【0010】
すなわち、モータ15によるターンテーブル11の最大駆動力は、ターンテーブル11上のバラ物5を周方向に移送するときの負荷に合わせて設定されているためそれ程大きくはなく、回収樋21と掻き板22とにバラ物の噛み込み等による詰まりが生じると、負荷が上記駆動力以上に大きくなって、ターンテーブル11が回転不能となる虞がある。
【0011】
一旦、詰まりによるターンテーブル11の回転停止が生じると、その復旧作業に時間が掛かり、その間、荷役を中止しなければならない。この対策として、掻き板22を回収樋21に対して周方向に移動させるための専用モータを別途用意することも考えられるが、構造の複雑化及びコストアップを招く。
【0012】
そこで、本発明の目的は、新たな装置を付加することなく、即ち構造簡単にして低コストで回収装置における荷詰まりによるターンテーブルの回転不能を防止することができるテーブルフィーダから漏れ出たバラ物の回収装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために本発明は、フレームに対し駆動手段によって鉛直な旋回軸回りに旋回されるバケットエレベータと、該バケットエレベータからバラ物を受けて所定箇所に供給するテーブルフィーダと、該テーブルフィーダの下方に配置され、該テーブルフィーダから漏れ出たバラ物を受ける荷受け部材と、該荷受け部材の上面に当接され、該荷受け部材上のバラ物を回収部に掻き寄せるための掻き板とを備え、上記荷受け部材及び掻き板のいずれか一方を上記フレームに取り付けると共に他方を上記バケットエレベータに取り付け、上記駆動手段による上記フレームに対する上記バケットエレベータの旋回駆動力を利用して、上記掻き板と上記荷受け部材とを相対的に移動させるようにしたものである。
【0014】
上記荷受け部材を上記フレームに取り付けると共に、上記掻き板を上記バケットエレベータに取り付けることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るテーブルフィーダから漏れ出たバラ物の回収装置によれば、新たな装置を付加することなく、即ち構造簡単にして低コストで回収装置における荷詰まりによるターンテーブルの回転不能を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の好適実施形態を添付図面を用いて説明する。
【0017】
本実施形態に係るテーブルフィーダから漏れ出たバラ物の回収装置は、図5に示す連続アンローダ1に備えられる。図1に示すように、トップフレーム3(請求項1のフレーム)には、バケットエレベータ6が支持機構23を介して鉛直な旋回軸A回りに旋回可能に装着されており、バケットエレベータ6とトップフレーム3との間には、バケットエレベータ6をトップフレーム3に対して旋回軸A回りに旋回させるための第1駆動手段24(請求項1の駆動手段)が設けられている。
【0018】
第1駆動手段24は、固定側であるトップフレーム3に装着され旋回軸Aと同芯的に形成された第1外歯ギヤ24aと、回転側であるバケットエレベータ6のエレベータケーシング6aにブラケット14を介して取り付けられた第1モータ24bと、第1モータ24bの回転軸に取り付けられ第1外歯ギヤ24aに噛合する第1ピニオン24cとを有する。第1モータ24bを駆動すると、第1ピニオン24cが第1外歯ギヤ24aの周方向に転動し、エレベータケーシング6aがトップフレーム3に対して旋回軸A回りに旋回することになる。
【0019】
バケットエレベータ6の上部の周囲には、バケットエレベータ6の頂部の反転スプロケット7で反転されたバケット8から放荷されたバラ物5(石炭、鉄鉱石、穀物等)を受け、これをブームコンベヤ9に供給するためのテーブルフィーダ10が配置されている。テーブルフィーダ10は、図2にも示すように、エレベータケーシング6aに図示しない支持機構を介して旋回軸A回りに回転可能に支持されたターンテーブル11と、ターンテーブル11を旋回軸A回りに回転させる第2駆動手段25と、ターンテーブル11の回転から切り離されてトップフレーム3側に支持された円筒状のサイドカバー12とを有する。
【0020】
ターンテーブル11は、バケットエレベータ6を囲むようにドーナッツ板状に形成された底板11aと、底板11aの上面の内周端から上方に延出して形成された円筒状の側壁11bとからなる。第2駆動手段25は、底板11aの下面に装着され旋回軸Aと同芯的に形成された第2外歯ギヤ25aと、エレベータケーシング6aに装着されたブラケット14に取り付けられた第2モータ25bと、第2モータ25bの回転軸に取り付けられ第2外歯ギヤ25aに噛合する第2ピニオン25cとを有する。なお、図1では、ブラケット14、14aは同一部品としているが、図2から明らかなように周方向に位相をずらしてもよい。第2モータ25bを駆動すると、第2外歯ギヤ25aがエレベータケーシング6aに対して旋回軸A回りに回転し、ターンテーブル11がエレベータケーシング6aに対して旋回軸A回りに回転することになる。
【0021】
エレベータケーシング6aには、反転スプロケット7で反転されたバケット8から放荷されたバラ物5が投入される入口シュート17が取り付けられている。船倉4内のバラ物5の掻取作業時に、第1モータ24bによってエレベータケーシング6aがトップフレーム3に対して旋回軸A回りに旋回されると、入口シュート17が一体的に旋回し、入口シュート17の位置がターンテーブル11の周方向に変化することになる。ここで、入口シュート17は、ターンテーブル11及びサイドカバー12の上端に旋回軸A回りに回転可能に配置された蓋部材18に連結されているため、蓋部材18がターンテーブル11及びサイドカバー12の上端に対して摺接することで、上記位置の変化に対応できる。
【0022】
入口シュート17に投入されたバラ物5は、ターンテーブル11の底板11aの上面に載置され、ターンテーブル11が第2モータ25bによって回転されることで周方向に搬送され、スクレーパ26によって出口シュート27(請求項1の所定箇所)に排出されるようになっている。すなわち、出口シュート27は、固定側であるトップフレーム3にターンテーブル11の回転とは切り離して設けられており、スクレーパ26は、この出口シュート27の上部ケーシング27aに装着されているため、ターンテーブル11の回転に伴ってスクレーパ26がターンテーブル11上のバラ物を出口シュート27に案内する。出口シュート27は、バラ物5をブームコンベヤ9に導く。
【0023】
なお、出口シュート27の上部カバー27aは、ターンテーブル11の底板11aと側壁11bとサイドカバー12と蓋部材18とで囲まれたドーナッツ状の空間と出口シュート27とを接続する部分を覆い、上記空間及び出口シュート27におけるバラ物5の粉塵が外部に拡散することを防止する。同様の理由により、ブームコンベヤ9の上方には、その搬送方向に沿ってカバー9aが設けられている。
【0024】
ところで、テーブルフィーダ10は、エレベータケーシング6aに対して回転される即ちトップフレーム3に対しても回転されるターンテーブル11と、トップフレーム3側に固定されたサイドカバー12とから成っているので、固定側であるサイドカバー12の下端部と回転側であるターンテーブル11の底板11aの上面との間に相対回転を許容するための所定の隙間が設定されている。そして、この隙間からバラ物5が漏れ出ることを防止するため、サイドカバー12の下端部には、その周方向に沿ってシール19が設けられている。しかし、漏れを零にすることは現実的には不可能であり、シール19から多少のバラ物5が漏れ出ることが避けられない。そこで、上記シール19から漏れ出たバラ物5を回収するため、以下に説明する回収装置が設けられている。
【0025】
この回収装置は、図1及び図3に示すように、ターンテーブル11の下方に配置され、上記シール19から漏れ出たバラ物5を受けるための荷受け部材28と、荷受け部材28の上面に当接され、荷受け部材28上のバラ物5を回収部29に掻き寄せるための掻き板30とを備えている。
【0026】
詳しくは、荷受け部材28は、バケットエレベータ6の旋回軸Aと同芯的に形成されたリング状の樋体28a(リング樋体)から成り、固定側であるトップフレーム3に柵31等を介して取り付けられている。他方、掻き板30は、上記リング樋体28aの周方向の一部に係合するように配置され、回転側であるエレベータケーシング6aにブラケット31を介して取り付けられている。これにより、エレベータケーシング6aが第1モータ24aによりトップフレーム3に対して旋回軸A回りに旋回されると、掻き板30がリング樋体28aに係合した状態でその周方向に移動され、リング樋体28a内のバラ物5が回収部29に掻き寄せられる。なお、図1では、ブラケット31、14、14aは同一部品としているが、図2及び図3から明らかなように周方向に位相をずらしてもよい。
【0027】
回収部29は、図3に示すように、リング樋体28aの周方向の一部が欠如されることで形成されており、掻き板30で掻き寄せられたバラ物5がこの回収部29から下方に落下するようになっている。回収部29の下方には、図1及び図4に示すように回収樋32が配置されている。回収樋32は、リング樋体28aの下面にブラケット33を介して径方向外方に傾斜されて装着されており、バラ物5を径方向外方且つ下方に案内してブームコンベヤ9に移すものである。
【0028】
また、図1に示すように、上記柵31の内周面には、上記シール19から漏れ出たバラ物5をリング樋体28aに案内するためにターンテーブル11の周方向に沿って形成された案内板34が、装着されている。
【0029】
本実施形態の作用を述べる。
【0030】
バケットエレベータ6の反転スプロケット7で反転されたバケット8から放荷されたバラ物5は、図1に示す入口シュート17を介してテーブルフィーダ10のターンテーブル11に移送され、ターンテーブル11が第2モータに25bよりエレベータケーシング6aに対して旋回軸A回りに回転されることで周方向に移送され、スクレーパ26によって出口シュート27に導かれ、ブームコンベヤ9に移送される。ターンテーブル11の上記回転は、バケットコンベヤ6による船倉4内のバラ物5の掻取作業中、常に行われる。
【0031】
ターンテーブル11の回転中、ターンテーブル11とサイドカバー12と隙間に設けられたシール19から漏れ出たバラ物5は、案内板34にガイドされその下方に配置されたリング樋体28aにキャッチされる。リング樋体28aにキャッチされたバラ物5は、バケットエレベータ6による船倉4内のバラ物5の掻取作業中、エレベータケーシング6aが第1モータ24bによってトップフレーム3に対して旋回軸A回りに適宜旋回されるに伴って、図3に示す掻き板30によりリング樋体28aの周方向に掻き寄せられ(押し遣られ)、回収部29から落下されて図4に示す回収樋32を介してブームコンベヤ9に移送される。
【0032】
このように、第1モータ24bによるトップフレーム3に対するエレベータケーシング6aの旋回駆動力を利用して、掻き板30をリング樋体28aの周方向に移動させてリング樋体28aにキャッチされたバラ物5をその周方向に掻き寄せているので、ターンテーブル11の回転とは全く無関係にリング樋体28a内のバラ物5を掻き寄せることができる。すなわち、ターンテーブル11を駆動する第2モータ25bには、リング樋体28aと掻き板30とがバラ物5の噛み込み等によって詰まったときの反力が伝達されることは全く無いため、ターンテーブル11が回転不能となることは無く、テーブルフィーダ10による安定した荷役作業が達成される。
【0033】
ところで、リング樋体28aと掻き板30とに詰まりが生じたとき、第1モータ24bには、エレベータケーシング6aを船倉4内のバラ物5に対する掻取抵抗に逆らって旋回させるための第1トルクに加えて、掻き板30を上記詰まりに抗してリング樋体28aに対して移動させるための第2トルクが加わる。ここで、そもそも第1トルクは船倉4内のバラ物5の種類・状況等によって大きな変動が生じ得るものであるため、第1モータ24bの駆動力は上記変動を見越した大きな余裕が設定されており、また、第2トルクは、被回転物であるテーブルフィーダ11とバケットエレベータ6とサイズを対比すれば明らかなように、第1トルクよりも遙かに小さく、上記変動の範囲内となる。
【0034】
よって、リング樋体28aと掻き板30とに詰まりが生じたとしても、第1モータ24bによりその詰まりに打ち勝って掻き板30をリング樋体28aに対して移動させることができ、安定したエレベータケーシング6aの旋回を確保できる。従って、バケットエレベータ6による安定した掻取作業が保持される。すなわち、第1モータ24bにバケットエレベータ6の旋回と掻き板の旋回とを行わせ、リング樋体28aと掻き板30とに詰まりが生じたとしても、第1モータ24bが過負荷状態となってその回転が停止することはない。この結果、新たな装置を付加することなく、即ち構造簡単にして低コストで回収装置における荷詰まりによるターンテーブル10の回転不能を防止し、その復旧作業に要する時間を無くすことができる。
【0035】
また、以上説明したように第1モータ24bには大きな余裕が設定されてるため、リング樋体28aと掻き板30との間に複数のバラ物が噛み込んで大きな負荷が生じたとしてもそれに打ち勝って掻き板30をリング樋体28aに対して旋回させることとができるので、リング樋体28aのサイズを図6に示す回収樋21よりも大きくできる。そして、リング樋体28aを大きくすると共にその取付位置を図1に示すようにトップフレーム3の作業員用通路3aの近くまで下げることで、シール19からの漏れ状況の確認及び掻き板30による掻取状況の確認が容易に行える。
【0036】
なお、船倉4内のバラ物5の掻取作業中におけるエレベータケーシング6aの旋回は、一つの船倉4について少なくとも一回転(360度)以上は成されるので、掻き板30による回収部29へのバラ物を落とし込みが確保される。
【0037】
本発明の実施形態は上記タイプに限定されることは無い。
【0038】
例えば、掻き板30は、図3に示すようにリング樋体28aの周方向の一箇所ではなく、周方向に間隔を隔てて複数箇所配置してもよい。回収部29についても同様である。また、回収樋32をブラケット33に傾斜可能に装着し、最初は回収樋32を水平としておき一つの船倉4の作業終了毎など回収樋32に或る程度のバラ物5が溜まった後に傾斜させるようにしてもよい。
【0039】
また、上記実施形態では、リング樋体28aを固定側であるトップフレーム3に取り付け、掻き板30を回転側であるエレベータフレーム6aに取り付けたが、この取付位置の関係を逆にしてもよい。この場合、トップフレーム3に対してエレベータケーシング6aが旋回軸A回りに旋回されるに伴って、リング樋体28aが掻き板30に対して旋回軸A回りに旋回することになる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の好適実施形態に係るテーブルフィーダから漏れ出たバラ物の回収装置が備えられた連続アンローダの要部側断面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】図1のIII−III線断面図である。
【図4】図1のIV−IV線断面図である。
【図5】連続アンローダを示す説明図である。
【図6】本出願人が先に開発したテーブルフィーダから漏れ出たバラ物の回収装置が備えられた連続アンローダの要部側断面図である。
【符号の説明】
【0041】
1 連続アンローダ
3 フレームとしてのトップフレーム
5 バラ物
6 バケットエレベータ
6a エレベータケーシング
10 テーブルフィーダ
11 ターンテーブル
12 サイドカバー
19 シール
24 駆動手段としての第1駆動手段
27 所定箇所としての出口シュート
28 荷受け部材
28a 荷受け部材としてのリング樋体
30 掻き板
A 旋回軸
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームに対し駆動手段によって鉛直な旋回軸回りに旋回されるバケットエレベータと、該バケットエレベータからバラ物を受けて所定箇所に供給するテーブルフィーダと、該テーブルフィーダの下方に配置され、該テーブルフィーダから漏れ出たバラ物を受ける荷受け部材と、該荷受け部材の上面に当接され、該荷受け部材上のバラ物を回収部に掻き寄せるための掻き板とを備え、
上記荷受け部材及び掻き板のいずれか一方を上記フレームに取り付けると共に他方を上記バケットエレベータに取り付け、上記駆動手段による上記フレームに対する上記バケットエレベータの旋回駆動力を利用して、上記掻き板と上記荷受け部材とを相対的に移動させるようにしたことを特徴とするテーブルフィーダから漏れ出たバラ物の回収装置。
【請求項2】
上記荷受け部材を上記フレームに取り付けると共に、上記掻き板を上記バケットエレベータに取り付けた請求項1記載のテーブルフィーダから漏れ出たバラ物の回収装置。
【請求項1】
フレームに対し駆動手段によって鉛直な旋回軸回りに旋回されるバケットエレベータと、該バケットエレベータからバラ物を受けて所定箇所に供給するテーブルフィーダと、該テーブルフィーダの下方に配置され、該テーブルフィーダから漏れ出たバラ物を受ける荷受け部材と、該荷受け部材の上面に当接され、該荷受け部材上のバラ物を回収部に掻き寄せるための掻き板とを備え、
上記荷受け部材及び掻き板のいずれか一方を上記フレームに取り付けると共に他方を上記バケットエレベータに取り付け、上記駆動手段による上記フレームに対する上記バケットエレベータの旋回駆動力を利用して、上記掻き板と上記荷受け部材とを相対的に移動させるようにしたことを特徴とするテーブルフィーダから漏れ出たバラ物の回収装置。
【請求項2】
上記荷受け部材を上記フレームに取り付けると共に、上記掻き板を上記バケットエレベータに取り付けた請求項1記載のテーブルフィーダから漏れ出たバラ物の回収装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【公開番号】特開2006−335539(P2006−335539A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−164043(P2005−164043)
【出願日】平成17年6月3日(2005.6.3)
【出願人】(000198363)石川島運搬機械株式会社 (292)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月3日(2005.6.3)
【出願人】(000198363)石川島運搬機械株式会社 (292)
【Fターム(参考)】
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