説明

テーブルリフト装置

【課題】フロア上に設置した基台と積み荷搭載用のテーブルとの間にX字形のリフトアームを介装して、テーブルを平行に昇降させるテーブルリフト装置において、駆動源としてボールねじ機構を主体とする電動シリンダを用いた構成では、剛性が高いためテーブル昇降開始時の振動が大きい問題がある。本発明では、テーブル昇降時の振動を低減することを目的とする。
【解決手段】電動モータを駆動源とする駆動装置にボールねじ機構に代えて、動滑車機構30を用いる。動滑車機構30の索部材としての駆動チェーン33はボールねじに機構に比して剛性が低いことからその伸びによりテーブル昇降時の振動を吸収する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積み荷を搭載したテーブルを基台(ベース)に対して平行に昇降動させるテーブルリフト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般にテーブルリフト装置を称されるこの種のリフト装置は、基台とテーブルとの間に、2本のリフトアームが相互に回転可能にX字形に結合されてなる昇降アームとこの昇降アームを上下に伸縮させる駆動装置を介装したもので、従来よりこの駆動装置については油空圧式や電動式等の様々な駆動方式のものが公知になっている。
下記の特許文献1には、油圧シリンダを駆動源とする油圧式の駆動装置を備えたテーブルリフト装置について開示され、特許文献2には、電動モータを駆動源とする電動式の駆動装置を備えたテーブルリフト装置が開示されている。この電動式の駆動装置は、電動モータで回転するねじ軸とこれに噛み合うナットを有するボールねじを主体とし、ねじ軸の回転に伴うナットのねじ軸方向の移動により昇降アームを上下に伸縮させてテーブルを上下に平行移動させる構成を備えるもので、油圧式駆動装置の場合のような油洩れ等のおそれがない点で、メンテナンス性に優れている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−231197号公報
【特許文献2】特開2006−56613号公報
【特許文献3】特開2001−253689号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、電動式の駆動装置については、次のような解決すべき問題があった。第1に、駆動部に剛性の高いボールねじを用いるため、昇降開始、停止時に主としてテーブルに比較的大きな振動が発生する問題があった。
また、ボールねじを用いた駆動装置を左右に対称に一対配置した構成の場合には、その剛性が高いため、テーブル上の積み荷が偏荷重である場合にボールねじの負荷が左右でばらつき、その結果テーブルに傾きが発生する等の問題があった。
さらに、ボールねじの座屈強度を考慮してその長さには制約がある結果昇降距離を大きくすることには限界があり、またボールねじをより太くする等の対策が必要になってコストアップを招く問題があった。
本発明は、電動式の駆動装置において上記従来の問題を解消して昇降開始、停止時のテーブルの振動が少なく、テーブル上の偏荷重に対してもテーブルの傾きを抑制することができ、さらには大きなコストアップを招くことなく昇降距離を大きく設定することができるテーブルリフト装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題は下記の発明により解決される。
第1の発明は、基台と積み荷搭載用のテーブルとの間に、2本のアームを相互に回転可能にX字形に結合してなるリフトアームと、このリフトアームを上下に伸縮させてテーブルを基台に対して平行に昇降動させる駆動装置を備えたテーブルリフト装置であって、駆動装置は、電動モータを駆動源とする索部材の巻き取り、繰り出しにより作動する動滑車機構を用いてリフトアームを上下に伸縮させる構成としたテーブルリフト装置である。
第1の発明によれば、駆動装置の動滑車機構によりリフトアームが上下に伸縮されてテーブルが昇降される。動滑車機構の索部材は、従来のボールねじ機構に比して剛性が低いことからテーブル昇降開始時、停止時における当該駆動装置の振動が主として索部材により吸収され、これによりテーブルの振動を抑制することができる。
また、動滑車機構を左右一対備えた駆動装置とした場合に、ボールねじ機構に比して駆動チェーンの剛性が低いため、テーブルに搭載した積み荷が偏荷重である場合に、索部材の伸びにより左右の負荷のアンバランスが吸収され、これによりテーブルの傾きを低減することができる。
さらに、座屈強度を考慮する必要のない索部材を用いる構成であるので、当該索部材を長くすればテーブルのリフト量を大きくすることができる。また、索部材として安価なチェーンを用いることにより高価なボールねじ機構に比して、テーブルのリフト量が大きなロングストロークタイプのテーブルリフトを低コストで提供することができる。
従来、ボールねじ機構を用いた駆動装置の場合、テーブル上昇時にねじ軸に引っ張り荷重が付加される方向で当該ボールねじ機構を用いることにより、通常運転時であれば直接座屈の問題は発生しないが、装置の異常時にねじ軸に圧縮方向の軸力が付加された場合を想定してその長さ等を制限したり、ねじ軸を太くする等の対策が必要であり、この点で、ボールねじ機構には大きなコストがかかっていた。第1の発明によれば、駆動装置にボールねじ機構を用いる構成ではないので、主として高コスト等の点で従来の問題を解消することができる。
また、動滑車機構を用いることにより索部材に負荷される張力を低減することができ、これにより当該テーブルリフト装置の耐久性を高めることができる。
動滑車機構の索部材としては、チェーン、ベルト、ワイヤ、ロープ等を用いることができる。
【0006】
第2の発明は、第1の発明において、駆動装置は、電動モータを駆動源として回転する基台側のスプロケットとリフトアーム側のスプロケット間に索部材としての駆動チェーンを掛け渡して構成される動滑車機構によりリフトアームを上下に伸縮させる構成としたテーブルリフト装置である。
第2の発明によれば、索部材として安価な駆動チェーンを用いることにより、上記の作用効果に加えて、当該テーブルリフト装置の低コスト化を図ることができる。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、リフトアームは、一方のアームと他方のアーム間に介装したパワーアームを備えており、このパワーアームの回動により上下に伸縮する構成とされ、パワーアームと基台側との間に動滑車機構を介在させたテーブルリフト装置である。
第3の発明によれば、動滑車機構を備える駆動装置によって、効率よくリフトアームを伸縮させることができる。
第4の発明は、第1〜第3の何れか一つの発明において、索部材の一端側は基台側若しくはリフトアーム側に結合されており、他端側は基台側に設けた巻き取り装置に巻き取り、繰り出し可能に結合されたテーブルリフト装置である。
第4の発明によれば、索部材の他端が巻き取られて収納されるので、当該テーブルリフト装置のコンパクト化を図ることができる。また、索部材が巻き取り装置によって確実に巻き取り、繰り出されることから、当該テーブルリフト装置の作動不良等のトラブルを未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本実施形態に係るテーブルリフト装置の全体側面図である。本図は、テーブルを上昇させた状態を示している。
【図2】本実施形態に係るテーブルリフト装置の全体平面図である。
【図3】本実施形態に係るテーブルリフト装置の全体側面図である。本図は、テーブルを下降させた状態を示している。
【図4】動滑車機構の側面図である。本図は、テーブルを下降させた時点の状態を示している。
【図5】動滑車機構の側面図である。本図は、テーブルを上昇させた時点の状態を示している。
【図6】巻き取り装置の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、本発明の実施形態を図1〜図6に基づいて説明する。図1及び図2に示すように、本実施形態のテーブルリフト装置1は、フロア上に設置した基台2と、積み荷M等を搭載するためのテーブル3と、テーブル3と基台2との間に介装された左右(図2では上下)一対のリフトアーム4,4と、リフトアーム4,4を上下に伸縮させる駆動装置20を備えている。駆動装置20により左右のリフトアーム4,4が上下に伸縮してテーブル3が基台2に対して平行に昇降する。
左右のリフトアーム4,4は、それぞれアウタアーム5とインナアーム6を支軸7を介して相互に回転自在かつX字形に結合したパンタアーム式の構成を備えている。図2に示すように左右のアウタアーム5,5は結合部材12を介して相互に結合されており、左右のインナアーム6,6は結合部材13を介して相互に結合されている。このため、左右のアウタアーム5,5は一体で上下に回動し、左右のインナアーム6,6は一体で上下に回動し、その結果左右のリフトアーム4,4は一体で上下に伸縮する。
左右のアウタアーム5,5の基台側端部(図において左端部)は、共通の基台軸8を介して基台2上に上下に回動可能に支持されている。両アウタアーム5,5の回動先端部(図において右端部)には、それぞれ支軸5aを介してガイドホイール9が回転可能に支持されている。両ガイドホイール9,9はそれぞれテーブル3の下面に当接されており、リフトアーム4,4の伸縮に伴ってテーブル3の下面に沿って図示左右方向に転動される。
左右のインナアーム6,6のテーブル側端部(図において左端部)は、それぞれ支軸10を介してテーブル3の下面に上下に回動可能に支持されている。両インナアーム6,6の回動先端部(図において右端部)には、それぞれ支軸6aを介してガイドホイール11が回転可能に支持されている。両ガイドホイール11,11はそれぞれ基台2の上面に当接されており、リフトアーム4,4の伸縮に伴って基台2の上面に沿って図示左右方向に転動される。
【0009】
左右のアウタアーム5,5が一体で上方(図1において反時計回り方向)へ回動し、従って左右のインナアーム6,6が一体で下方(図1において時計回り方向)へ回動することにより、左右のリフトアーム4,4が一体で上方へ伸張する。リフトアーム4,4が上方に伸張することによりテーブル3が平行に上昇される。逆に、左右のアウタアーム5,5が一体で下方に回動し、従って左右のインナアーム6,6が一体で上方に回動することにより、左右のリフトアーム4,4が一体で下方へ縮小する。リフトアーム4,4が下方に縮小することによりテーブル3が平行に下降される。
左右のインナアーム6,6には、それぞれ共通の支軸14を介してパワーアーム15の一端側が上下に回動可能に支持されている。支軸14は、支軸7と支軸6aとの間において両インナアーム6,6間に掛け渡されている。両パワーアーム15,15の回動先端部は、結合部材16を介して相互に結合されている。この結合部材16は、その両端部に相互に同軸に設けた支軸16a,16aを介して軸回りに回転可能な状態で両パワーアーム15,15の回動先端部間に掛け渡されている。
上記支軸16a,16aは、それぞれパワーアーム15の回動先端部から側方(アウタアーム5側)へ突き出されおり、その突き出し先端にはパワーローラ17が回転自在に支持されている。両パワーローラ17,17は、それぞれアウタアーム5に設けたガイド孔5b内に進入している。ガイド孔5bは、支軸7と支軸5aとの間において、アウタアーム5の長手方向に沿って長く溝孔形状に形成されている。
パワーローラ17をガイド孔5bの基端側(支軸7側)に移動させてパワーアーム15が支軸14を中心にして上方へ回動すると、アウタアーム5が上方へ回動するとともにインナアーム6が下方へ回動して、リフトアーム4が上方へ伸張し、従ってテーブル3が上昇する。パワーローラ17がガイド孔5bの先端側(支軸5a側)に移動してパワーアーム15が支軸14を中心にして下方へ回動すると、アウタアーム5が下方へ回動するとともにインナアーム6が上方へ回動して、リフトアーム4が下方へ縮小し、従ってテーブル3が下降する。
このように、アウタアーム5とインナアーム6との間に介装したパワーアーム15の先端部(パワーローラ17)をガイド孔5bに沿って移動させ、これにより当該パワーアーム15を支軸14を中心にして上下に回動させることにより、リフトアーム4が上下に伸縮する。
【0010】
パワーアーム15は、以下説明する駆動装置20によって上下に回動する。駆動装置20は、電磁ブレーキ付きの駆動モータ21と左右一対の動滑車機構30,30を備えている。駆動モータ21は、左右のアウタアーム5,5間に掛け渡した台座ロッド22の中央に取り付けられている。台座ロッド22は、結合部材12と同じく、アウタアーム5,5の基部寄りにおいて両アウタアーム5,5間に掛け渡されている。この台座ロッド22は、その両端部に設けた相互に同軸な支軸22a,22aを介して軸回りに回転可能な状態で両アウタアーム5,5間に掛け渡されている。
駆動モータ21の回転出力は、歯車列を内装した減速機23で減速されて1本の駆動軸24に出力される。駆動軸24は、減速機23から左右両側へ延びている。この駆動軸24によって、左右の動滑車機構30,30が同じタイミングで同じ方向に動作する。左右の動滑車機構30,30は、同じ構成を備えているので、以下図2において上側の動滑車機構30に付いて説明する。動滑車機構30の詳細が図3〜図5に示されている。
動滑車機構30は、アウターアーム5側の第1滑車群31と、パワーアーム15側の第2滑車群32と、両滑車群31,32間に掛け渡された索部材としての駆動チェーン33を備えている。第1滑車群31は、3つの滑車34〜36を備えている。この3つの滑車34〜36は、台座ロッド22に取り付けたブラケット37にそれぞれ回転自在に支持されている。第2滑車群32は、2つの滑車38,39を備えている。この2つの滑車38,39は、結合部材16に取り付けたブラケット40にそれぞれ回転自在に支持されている。この第1及び第2滑車群31,32における各滑車34〜36,38,39には、駆動チェーン33に噛み合うスプロケットが用いられている。
駆動チェーン33の一端33aは、第1滑車群31側のブラケット37にチェーン固定部41を介して結合されている。一端33aが第1滑車群31側のブラケット37に結合された駆動チェーン33は、第2滑車群32の内側の第1滑車38→第1滑車群31の内側の第2滑車34→第2滑車群32の外側の第3滑車39→第1滑車群31の第4滑車35→第1滑車群31の第5滑車36の経路を経て両滑車群31,32間に掛け渡されている。この駆動チェーン33の他端33bは巻き取り装置45に結合されている。
巻き取り装置45は、基台軸8に取り付けられている。この巻き取り装置45は、駆動チェーン33の他端33bを巻き取る方向にばね付勢された巻き取りドラム45aを備えている。駆動チェーン33のたるみがこの巻き取り装置45により巻き取られる。以下、駆動チェーン33の移動方向については、この巻き取り装置45の動作を基準にして巻き取り方向、繰り出し方向と言う。
【0011】
第1滑車群31の第4滑車35は、駆動軸24に取り付けられており、駆動スプロケットとして機能する。駆動モータ21が起動すると駆動軸24が回転し、従って第4滑車35が一体で回転する。第1滑車群31の第2滑車34と第5滑車36は、それぞれ支軸34a,36aを介してブラケット37に回転自在に支持されている。また、第2滑車群32の第1滑車38と第3滑車39は、それぞれ支軸38a,39aを介してブラケット40に回転自在に支持されている。第1滑車群31の第2滑車34と第4滑車35と第5滑車36及び第2滑車群32の第1滑車38と第3滑車39のそれぞれの回転軸線は相互に平行に配置されている。第1滑車群31の第5滑車36は、駆動チェーン33を張る方向(図3において右方)にばね付勢されてアイドラとして機能するようになっている。
駆動モータ21の起動により第4滑車35が、図4中矢印で示す巻き取り方向(図において反時計回り方向)に回転すると、駆動チェーン33が図4中矢印で示す巻き取り方向に移動し、これにより第2滑車群32が第1滑車群31に接近する方向(距離Lが小さくなる方向)に移動する。第2滑車群32が駆動チェーン33によって第1滑車群31に接近する方向に引っ張られることによってパワーアーム15が支軸14を中心にして起立方向(図3において反時計回り方向)に回転する。
パワーアーム15が起立方向に回転すると、その先端部に設けたパワーローラ17が、アウタアーム5のガイド孔5b内を相対的に下る方向に変位しつつ上方へ変位することによって、アウタアーム5が基台軸8を中心にして起立方向に回動し、従ってリフトアーム4が上方へ伸張してテーブル3が平行に上昇する。なお、各動滑車機構30における4巻の駆動チェーン33に付加される引っ張り荷重は、動滑車の原理よりボールねじ式の電動シリンダを用いた構成におけるねじ軸に付加される軸荷重に比して概ね1/4程度に軽減される。
駆動モータ21が逆転すると、駆動スプロケットとしての第4滑車35が逆転して、巻き取り装置45に巻き取られた駆動チェーン33が巻き取りドラム45aのばね付勢力に抗して繰り出される。
駆動チェーン33が図5中矢印で示す繰り出し方向に繰り出されると、アウタアーム5を経てパワーローラ17に作用するテーブル3の自重等により、第2滑車群32が第1滑車群31から離間する方向(距離Lが大きくなる方向)に変位し、これによりパワーローラ17がガイド孔5bの先端側に相対変位されてパワーアーム15が倒伏方向(図1において時計回り方向)に回動し、これによりリフトアーム4が下方へ縮小されてテーブル3が平行に下降する。
図3に示すように基台2の四隅には、ストッパバー42〜42が上方へ起立する状態に設けられている。このストッパバー42〜42によってテーブル3の下降端が規制されている。
【0012】
以上のように構成した本実施形態のテーブルリフト装置1によれば、駆動装置20の動滑車機構30,30によりリフトアーム4,4が上下に伸縮されてテーブル3が昇降される。動滑車機構30の索部材には、駆動チェーン33が用いられている。このため、従来のボールねじ機構に比して剛性が低いことからテーブル昇降開始時、停止時における当該駆動装置20の振動が主としてこの駆動チェーン33,33により吸収され、これによりテーブル3の振動を抑制することができる。
また、動滑車機構30,30を左右一対備えており、また上記したようにボールねじ機構に比して駆動チェーン33,33の剛性が低いため、テーブル3上の積み荷Mが偏荷重であっても、駆動チェーン33,33の伸びにより左右の負荷のアンバランスが吸収され、これによりテーブル3の傾きを低減することができる。
さらに、索部材としての駆動チェーン33,33について、従来のボールねじ機構におけるねじ軸の座屈強度を考慮する必要がないことから、当該駆動チェーン33,33を長くすればテーブル3のリフト量を大きくすることができる。また、索部材として安価な駆動チェーン33,33を用いることにより高価なボールねじ機構に比して、テーブル3のリフト量が大きなロングストロークタイプのテーブルリフト装置1を低コストで提供することができる。
また、動滑車機構30,30を用いることにより駆動チェーン33,33に負荷される張力(引っ張り荷重)が巻数に応じて低減されるのでボールねじ式の駆動装置に比して当該動滑車式の駆動装置20の耐久性を高めることができる。
さらに、リフトアーム4,4は、それぞれアウタアーム5とインナアーム6との間に介装したパワーアーム15を備えており、このパワーアーム15の回動先端側と基台2側との間に動滑車機構30,30を配置した構成であることから、例えばアウタアームとインナアームとの間に直接駆動装置を介装した構成に比して効率よく大きなストロークでリフトアーム4,4を伸縮させることができる。
また、索部材としての駆動チェーン33の他端33bが巻き取り装置45で巻き取られて収納されるので、当該テーブルリフト装置1のコンパクト化を図ることができるとともに、索部材としての駆動チェーン33が巻き取り装置45によって確実に巻き取り、繰り出されることから、当該テーブルリフト装置1の作動不良等のトラブルを未然に防止することができる。
【0013】
以上説明した実施形態には種々変更を加えることができる。例えば、 動滑車機構の索部材としては、例示した駆動チェーン33の他に、ベルト、ワイヤ、ロープ等を用いることができる。
また、アウタアーム5,5間に掛け渡した台座ロッド22に駆動装置20を設置する構成を例示したが、基台2上に直接設置した台座ロッド22に駆動装置20を支持する構成としてもよい。
さらに、アウタアーム5とインナアーム6との間に介装したパワーアーム15の回動先端部と基台2側との間に動滑車機構30,30を介装した構成を例示したが、パワーアーム15を省略して、駆動装置をアウタアーム5とインナアーム6との間に直接介装してリフトアームを上下に伸縮させる構成としてもよい。
また、巻き取り装置45をテーブル3の下方であって基台軸8に支持する構成を例示したが、テーブル3の下方となる領域を外れた部位に配置する構成としてもよい。前者の構成であれば、巻き取り装置45を平面的に見てテーブル3からはみ出さない領域(基台2上)に配置することから当該巻き取り装置45を含めたテーブルリフト装置1の設置スペースをコンパクト化することができる一方、後者の構成であればテーブル3の下降端位置をより低く設定することが可能になる。
【符号の説明】
【0014】
1…テーブルリフト装置
2…基台
3…テーブル
4…リフトアーム
5…アウタアーム
6…インナアーム
7…支軸
8…基台軸
9…ガイドホイール(テーブル側)
10…支軸
11…ガイドホイール(基台側)
12…結合部材(アウタアーム側)
13…結合部材(インナアーム側)
14…支軸(パワーアームの回動中心)
15…パワーアーム
16…結合部材、16a…支軸
17…パワーローラ
20…駆動装置
21…駆動モータ
22…台座ロッド
23…減速機
24…駆動軸
30…動滑車機構
31…第1滑車群
32…第2滑車群
33…駆動チェーン(索部材)
34…第2滑車、34a…支軸
35…第4滑車(駆動スプロケット)
36…第5滑車(アイドラ)、36a…支軸
37…ブラケット
38…第1滑車、38a…支軸
39…第3滑車、39a…支軸
40…ブラケット
41…チェーン固定部
42…ストッパバー
45…巻き取り装置、45a…巻き取りドラム
L…台座ロッド22の回転中心と結合部材16の回転中心間の距離


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台と物品搭載用のテーブルとの間に、2本のアームを相互に回転可能にX字形に結合してなるリフトアームと、該リフトアームを上下に伸縮させて前記テーブルを前記基台に対して平行に昇降動させる駆動装置を備えたテーブルリフト装置であって、
前記駆動装置は、電動モータを駆動源とする索部材の巻き取り、繰り出しにより作動する動滑車機構を用いて前記リフトアームを上下に伸縮させる構成としたテーブルリフト装置。
【請求項2】
請求項1記載のテーブルリフト装置であって、前記駆動装置は、電動モータを駆動源として回転する前記基台側のスプロケットと前記リフトアーム側のスプロケット間に前記索部材としての駆動チェーンを掛け渡して構成される動滑車機構により前記リフトアームを上下に伸縮させる構成としたテーブルリフト装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載のテーブルリフト装置であって、前記リフトアームは、一方のアームと他方のアーム間に介装したパワーアームを備えており、該パワーアームの回動により上下に伸縮する構成とされ、該パワーアームと前記基台側との間に動滑車機構を介在させたテーブルリフト装置。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1項に記載したテーブルリフト装置であって、前記索部材の一端側は前記基台側若しくは前記リフトアーム側に結合されており、他端側は前記基台側に設けた巻き取り装置に巻き取り、繰り出し可能に結合されたテーブルリフト装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−188189(P2012−188189A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−51147(P2011−51147)
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【出願人】(000137960)株式会社メイキコウ (9)