説明

テーブル

【課題】天板と脚とを分離した状態で運搬でき、しかも、現場での組立作業を簡便に行えるようにして、作業コストを低減することができるとともに、積載効率の向上を図る。
【解決手段】上部に天板を組立可能に支持する左右1対の脚3,3の下端に、ロック装置9付きのキャスタ8をそれぞれ設け、天板4に設けた操作レバー10とロック装置9とを、連係手段12をもって連係し、操作レバー10の操作により、ロック装置9をロック状態Lとアンロック状態Uとに切り換え可能としたテーブルにおいて、連係手段12を、操作レバー10から脚3に沿って下方に向かって延出する第1連係手段12Aと、各ロック装置9から脚3に沿って上方に向かって延出する第2連係手段12Bとにより形成し、第1及び第2連係手段12A,12Bの遊端部同士を、脚3に沿う位置において、分離可能に連結する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天板と脚との組立が可能であり、かつ脚の下端にロック装置付きのキャスタを備えるテーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種のテーブルには、上部に天板が支持された左右1対の脚の下端に、キャスタをそれぞれ設け、天板または脚に設けた操作手段により、各々のキャスタを、リンク機構をもってロック状態とアンロック状態とに切換え可能としたものがある(例えば特許文献1〜3参照)。
【特許文献1】特開平05−068619号公報
【特許文献2】特開2003−259918号公報
【特許文献1】特開2004−088681号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上述の従来のものにおいては、キャスタのロック手段と操作手段とを連係する連係手段が、一連のリンク機構によっているので、各機構の取付精度を高めなければならず、組立てが面倒で、作業コストが掛かるばかりでなく、工場において、天板と脚とを一体に組み立てた状態で出荷して運搬する必要があるため、積載効率が悪いという問題がある。
【0004】
本発明は、従来の技術が有する上記のような問題点に鑑み、天板と脚とを分離した状態で運搬でき、しかも、現場での組立作業を簡便に行えるようにして、作業コストを低減することができるとともに、積載効率の向上を図ることができるようにしたテーブルを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1) 上部に天板を組立可能に支持する左右1対の脚の下端に、ロック装置付きのキャスタをそれぞれ設け、前記天板に設けた操作手段と前記ロック装置とを、連係手段をもって連係し、前記操作手段の操作により、ロック装置をロック状態とアンロック状態とに切り換え可能としたテーブルにおいて、前記連係手段を、前記操作手段から脚に沿って下方に向かって延出する第1連係手段と、前記各ロック装置から脚に沿って上方に向かって延出する第2連係手段とにより形成し、前記第1及び第2連係手段の遊端部同士を、脚に沿う位置において、分離可能に連結する。
【0006】
(2) 上記(1)項において、第1及び第2連係手段を、脚内に配設する。
【0007】
(3) 上記(1)または(2)項において、左右の各脚の下端前後部にロック装置付きのキャスタを設けるとともに、脚の下端の中間部に、第2連係手段に連係された回動リンクを枢着し、この回動リンクと前後のロック装置とを、第3の連係手段をもって、前記回動リンクの回動により、前後のロック装置が互いに同期して、ロック状態とアンロック状態とに切り換えられるように連係する。
【0008】
(4) 上記(1)〜(3)項のいずれかにおいて、第1及び第2連係手段を、ボーデンケーブルと、そのワイヤのガイドチューブからの延出端部を、脚内に配設して互いに連結する。
【0009】
(5) 上記(4)項において脚を、内側面が開口する平面視内向きコ字状の外装部と、この外装部内に、上下方向に互いに離間するようにして設けられたほぼ水平の複数のリブとからなるものとし、いずれかの前記リブの内側縁部に、ガイドチューブを嵌合保持する保持溝を設ける。
【0010】
(6) 上記(1)〜(5)項のいずれかにおいて、左右に対向する脚の内側面を、上下方向に開口し、この開口より第1及び第2連係手段を脚内に出し入れできるようにするとともに、前記開口を、着脱可能の脚カバーにより閉塞する。
【0011】
(7) 上記(1)〜(6)項のいずれかにおいて、天板を、脚の上部に枢着することにより、脚の上方において水平をなす使用位置と、上方を向く折畳み位置とに回動可能とする。
【0012】
(8) 上記(1)〜(7)項のいずれかにおいて、各ロック装置を、各々のキャスタに設けた車輪の水平軸廻りの回転と、垂直軸廻りの旋回とを、共にロックしうるものとする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によると、次のような効果を奏することができる。
請求項1記載の発明によると、操作手段と第1連係手段とを、天板に取付け、ロック装置付きキャスタと第2連係手段とを、脚に取付けた状態で、天板と脚とを分離して運搬することができるとともに、天板を脚に取付けた後、第1連係手段と第2連係手段とを連結するだけで、簡単に組み立てることができる。
【0014】
請求項2記載の発明によると、第1及び第2連係手段を、脚内に配設してあるので、それらが外部に露呈することがなく、体裁がよい。
【0015】
請求項3記載の発明によると、前後1対のロック装置を、簡単な構造で、互いに同期して作動するように、第2連係手段に連係させることができる。
【0016】
請求項4記載の発明によると、第1及び第2連係手段を、ボーデンケーブルと、そのワイヤのカバーチューブからの延出端部を、脚内に配設して互いに連結してあるので、現場での組立作業を容易に行うことができる。
【0017】
請求項5記載の発明によると、脚への第1及び第2連係手段の出入れを簡単に行うことができるとともに、脚構造の簡素化と軽量化及び強度の向上を図ることができる。
【0018】
請求項6記載の発明によると、左右に対向する脚の内側面を、上下方向に開口し、この開口より第1及び第2連係手段部を脚内に出入れできるようにするとともに、前記開口を、着脱可能の脚カバーにより閉塞してあるので、ワイヤ同士の連結作業が容易に行える。
また、ワイヤやワイヤの連結部分を脚カバーにより隠蔽することができ、体裁をよくすることができる。
【0019】
請求項7記載の発明によると、天板を、脚の上部に枢着することにより、脚の上方において水平をなす使用位置と、上方を向く折畳み位置とに回動可能としてあるので、複数のテーブルを、折畳んだ状態で、狭い収容スペースに凝縮して収容することができる。換言すると、本発明は、このような折畳みテーブルにも適用することができる。
【0020】
請求項8記載の発明によると、各ロック装置において、車輪の回転をロックするのと同時に、車輪の旋回をもロックすることができ、テーブルを確実に動かないようにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。
図1〜図12は、本発明の一実施形態を示す。
図1〜図4に示すように、このテーブルは、前後方向を向く水平脚杆(1)の後部(中間部とすることもある)より脚柱(2)が立設された側面視ほぼL字状の左右1対の脚(3)(3)の上部に、天板(4)の中間部を、左右方向を向く水平軸(5)をもって枢着し、天板(4)が、図1に実線で示すように、ほぼ水平をなす使用位置と、図1に想像線で示すように、脚柱(2)と平行の上下方向を向く折り畳み位置とに回動しうるようになっている。
【0022】
天板(4)と、その後部下方に設けた後面板(6)とを、図1に実線で示す使用位置と、図1に想像線で示すように、後面板(6)が天板(4)の直下に位置するようにした折り畳み位置とに回動しうるようにするための回動機構(7)に関しては、本発明に直接関係しないので、詳細な説明は省略する。
【0023】
各脚(3)の水平脚杆(1)の下面前後部には、キャスタ(8)(8)と、各キャスタ用のロック装置(9)(9)とがそれぞれ設けられている。したがって、脚(3)(3)の下端に設けた4個のキャスタ(8)をもって、脚(3)(3)と、この脚(3)(3)によって支持された天板(4)とが支持されている。
【0024】
天板(4)の前部下面(左右方向に関しては、一側部または中央部)には、1個の
操作レバー(10)が、後記する上下方向を向く軸(11)をもって、ロック位置(L)とアンロック位置(U)とに回動可能として枢着されている。
【0025】
この操作レバー(10)は、上述した4個のロック装置(9)と、連係手段(12)をもって、操作レバー(10)のロック位置からアンロック位置への回動に連動して、全ロック装置(9)がロック解除され、また操作レバー(10)のアンロック位置からロック位置への回動に連動して、全ロック装置(9)がロックされるように互いに連係されている。
【0026】
この連係手段(12)は、図1及び図2に示すように、操作レバー(10)から左右の脚(3)の脚柱(2)内に沿って下方に向かってそれぞれ延出する第1連係手段(12A)と、各ロック装置(9)から左右の脚(3)の水平脚杆(1)内を通り、脚柱(2)内に沿って上方に向かって延出する第2連係手段(12B)と、第1及び第2連係手段(12A)(12B)の遊端部同士を、脚柱(2)に沿う位置において、分離可能に連結する連結手段(12C)を備えている。
【0027】
次に、第1及び第2連係手段(12A)(12B)の詳細について説明する。
図6及び図7に示すように、この第1連係手段(12A)は、操作レバー(10)に基端が連結された第1ワイヤ(13)と、この第1ワイヤ(13)が挿入されて案内される可撓性の第1ガイドチューブ(14)とを有するボーデンケーブルとしてある。
【0028】
操作レバー(10)は、天板(4)の下面に固着したケーシング(15)内に、軸(11)をもって枢支された巻取ドラム(16)と一体に形成され、前端に形成された操作部(10a)が、ケーシング(15)の前面に形成された窓孔(17)を通って、前方に突出している。
【0029】
左右の脚(3)から延出してきた第1ガイドチューブ(14)(14)の基端は、そこから引き出された第1ワイヤ(13)(13)が、巻取ドラム(16)に重なることなく円滑に巻きつくように、巻取ドラム(16)の外周面の接線方向を向くようにして、ケーシング(15)に止着されている。
【0030】
第1ガイドチューブ(14)の基端から引き出された第1ワイヤ(13)は、巻取ドラム(16)の外周面の一部に巻き付けられ、第1ワイヤ(13)の基端に設けられた球状のワイヤエンド(18)は、巻取ドラム(16)の外周面に設けられた嵌合孔(19)に嵌め込んで係止されている。
【0031】
ケーシング(15)における巻取ドラム(16)に近接した部分に設けた収容孔(20)には、ゴム等の弾性体(21)と、それによって巻取ドラム(16)の外周面に圧接させられるようにした上下方向を向く円柱状の押圧体(22)とが収容されている。
【0032】
巻取ドラム(16)の外周面には、操作レバー(10)を、ロック位置(L)とアンロック位置(U)としたとき、押圧体(22)が嵌合するようにした上下方向を向く浅い樋状の凹溝(23)(24)が設けられ、操作レバー(10)を、ロック位置(L)とアンロック位置(U)とにおいて、弾圧保持しうるようにしてある。
【0033】
操作レバー(10)の操作部(10a)を、図6に実線で示すロック位置(L)から、同じく想像線で示すアンロック位置(U)へ回動させると、第1ワイヤ(13)(13)が、巻取ドラム(16)の外周面に巻き付けられて、第1ガイドチューブ(14)(14)の基端から引き出される。
【0034】
第1ワイヤ(13)の先端部は、第1ガイドチューブ(14)と共に、図3及び図4に示すように、操作レバー(10)から、水平軸(5)内を通り、水平軸(5)の端部より、左右の脚(3)の脚柱(2)に沿って下方に向かって延出させられている。
【0035】
第2連係手段(12B)は、図8〜図10に示すように、各ロック装置(9)に基端が連結された第2ワイヤ(25)と、この第2ワイヤ(25)が挿入されて案内される可撓性の第2ガイドチューブ(26)とを有するボーデンケーブルとしてある。
【0036】
左右の脚(3)の水平脚杆(1)の下面における前後方向の中間部には、第2連係手段(12B)に連係された回動リンク(27)の中間部が、上下方向を向く軸(28)をもって、枢着されている。
【0037】
回動リンク(27)の一端と前方のロック装置(9)における作動杆(29)と、また回動リンク(27)の他端と後方のロック装置(9)における作動杆(29)とは、それぞれ前後方向を向く連結杆(30)(30)からなる第3連係手段(12D)により、互いに連係されており、この第3の連係手段(12D)をもって、回動リンク(27)の回動により、前後のロック装置(9)(9)が互いに同期して、ロック状態とアンロック状態とに切り換えられるようになっている。
【0038】
各連結杆(30)と回動リンク(27)の各端部との連結は、各連結杆(30)における軸(28)に近接した方の端部に固着した平面L字状の接続金具(31)の遊端部を、回動リンク(27)の各端部に、上下方向を向く軸(32)をもって連結することにより、軸(28)を中心として、両接続金具(31)が巴状の配置となるようにするのが好ましい。
【0039】
前方の連結杆(30)の後端に固着された接続金具(31)における軸(32)より後方に突出する延長部(31a)には、第2連係手段(12B)の第2ワイヤ(25)の一端が止着されている。第2ワイヤ(25)の他端における遊端部は、軸(28)より後方における水平脚杆(1)の下面に設けられた保持片(33)に一端が止着された第2ガイドチューブ(26)内に挿入され、この第2ガイドチューブ(26)と共に脚(3)における水平脚杆(1)に沿って後方に向かった後、図3及び図4に示すように、脚柱(2)内を上方に立ち上がるように延出されている。
【0040】
次に、各キャスタ(8)とそのロック装置(9)との詳細について説明する。なお、以下の説明で、前方のキャスタ(8)とそのロック装置(9)とのみについて説明し、後方のキャスタ(8)とそのロック装置(9)とについては、前方のキャスタ(8)とそのロック装置(9)と前後対称の同一構造であるので、説明を省略する。
【0041】
図11及び図12に示すように、各キャスタ(8)は、水平脚杆(1)の下端に、上下方向を向く旋回軸(34)をもって旋回自在に枢支された旋回部材(35)と、この旋回部材(35)の両側面に、水平軸(36)をもって枢支された1対の車輪(37)(37)とを備えている。
【0042】
旋回部材(35)の上面には、旋回軸(34)を中心とする内歯車状の第1被係合部(38)が設けられており、また、両車輪(37)(37)の対向面には、水平軸(36)を中心とする内歯車状の第2被係合部(39)が設けられている。
【0043】
図11〜図15に示すように、ロック装置(9)は、水平脚杆(1)の下端に取り付けられたケーシング(40)を備えている。このケーシング(40)は、上端が上端壁(40a)により閉塞された角筒状の垂直案内部(40b)と、この垂直案内部(40b)の一側面(図5に示す前部のキャスタ(8)用のロック装置(9)においては後面)に連設された角筒状の水平案内部(40c)とを備えている。
【0044】
ケーシング(40)の水平案内部(40c)には、上述の連結杆(30)に基端部が止着された角柱状の作動杆(29)が、前方のロック位置と後方のアンロック位置とに、前後方向に摺動可能として嵌合されている。
【0045】
作動杆(29)の前端部両側面には、前方に向かって上下に拡開し、上面が前上向き傾斜する傾斜面(41)をなす側面視ほぼ三角形の突部(42)(42)が設けられている。
また、作動杆(29)の両側面には、作動杆(29)がロック位置に達したとき、水平案内部(40c)の開口端部に当接して、それ以上前方に移動しないようにするためのストッパ(29a)が設けられている。
【0046】
ケーシング(40)の垂直案内部(40b)には、第1昇降体(43)における角柱状の本体(44)が、上下方向に摺動自在に嵌合されている。
【0047】
本体(44)の中間部には、作動杆(29)が貫通しうるようにした前後方向を向く貫通孔(45)が設けられており、この貫通孔(45)の両内側面上部には、作動杆(29)の左右の傾斜面(41)(41)上に摺動自在に載置されるようにした、傾斜面(41)(41)と同一傾斜角度をもって前上向き傾斜する傾斜面(46)(46)を下端に有する内向き突部(47)(47)が設けられている。
【0048】
本体(44)の下端には、旋回軸(34)を中心とするリング状とした押え部(48)と、本体(44)の直下において、内歯車状の第1被係合部(38)の一部と噛合しうるようにした1個または複数の歯からなる第1係合部(49)とが、同一高さとなるようにして、一体的に設けられている。
【0049】
ケーシング(40)における垂直案内部(40b)の上端壁(40a)と、第1昇降体(43)における本体(44)の上端面との間には、第1付勢手段である圧縮コイルばね(50)が縮設されている。
【0050】
第1昇降体(43)は、この圧縮コイルばね(50)により、常時下向きに付勢され、作動杆(29)がロック位置に位置しているときは、図11に実線で示すように、第1係合部(49)が旋回部材(35)の上面の第1被係合部(38)と噛合し、またリング状の押え部(48)が、第1被係合部(38)以外の旋回部材(35)の上面に、当接または近接するロック位置に位置するようになっている。
【0051】
この状態から、作動杆(29)が、連結杆(30)により後方に引かれて、アンロック位置へ移動させられると、作動杆(29)の傾斜面(41)と第1昇降体(43)の傾斜面(46)とからなる傾斜カム機構(51)の作用により、傾斜面(46)とともに、第1昇降体(43)が、圧縮コイルばね(50)の付勢力に抗して押し上げられ、図11に想像線で示すように、第1係合部(49)が第1被係合部(38)から上方に離れたアンロック位置となる。
【0052】
旋回部材(35)の上面における押え部(48)の直下の位置には、有底孔(52)が設けられており、この有底孔(52)内には、第2昇降体(53)における上下方向を向く昇降軸(54)が、上下方向に摺動自在に嵌合されている。
【0053】
旋回部材(35)の中間部には、有底孔(52)の中間部と直交する横孔(55)が設けられており、この横孔(55)には、昇降軸(54)の下端部より二股状に分岐して、旋回部材(35)の両側方に下向き鉤形をなして突出する、全体として下向きコ字状の二股部材(56)が、上下方向に摺動自在に嵌合されている。二股部材(56)の両側下端部には、両車輪(37)(37)の内面に設けられた内歯車状の第2被係合部(39)(39)と係脱する第2係合部(57)(57)が設けられている。
【0054】
有底孔(52)の底面と、二股部材(56)の下面中央との間には、圧縮コイルばね(50)の付勢力より付勢力が弱い、第2付勢手段である圧縮コイルばね(58)が縮設されている。
【0055】
第2昇降体(53)は、この圧縮コイルばね(56)により、常時上向きに付勢され、第1昇降体(43)が、図11に想像線で示すように、アンロック位置に位置しているときは、昇降軸(54)の上端が、旋回部材(35)の上面より上方に突出し、かつ両第2係合部(57)(57)が、両車輪(37)(37)の第2被係合部(39)(39)より上方に離れたアンロック位置に位置している。
【0056】
この状態から、第1昇降体(43)がロック位置まで下降させられると、昇降軸(54)の上端が、第1昇降体(43)の押え部(48)により押し下げられ、第2昇降体(53)は、両第2係合部(57)(57)が、両車輪(37)(37)の第2被係合部(39)(39)に噛合するロック位置となる。
【0057】
次に、脚柱(2)内における第1連係手段(12A)と第2連係手段(12B)との連結構造について詳細に説明する。
図3〜図5に示すように、水平脚杆(1)から立上る脚柱(2)は、内側面が開口(59a)する平面視内向きコ字状の外装部(59)と、この外装部(59)内に、上下方向に互いに離間するようにして設けられたほぼ水平の複数のリブ(60)とからなり、これらリブ(60)の前方の内側縁部には、保持溝(61)が形成されているとともに、開口(59a)は、着脱自在の脚カバー(62)により閉塞可能となっている。
【0058】
脚柱(2)と天板(4)とを連結するには、図4に示すように、予め天板(4)の下面に回転自在に装着しておいた水平軸(5)の筒状の端部に、連結プレート(63)の上部を嵌合固着しておき、この連結プレート(63)を間に挟んで、脚柱(2)の上部を、水平軸(5)の端部に嵌合し、脚柱(2)の外側から水平軸(5)の端部に向けて挿入したボルト(64)をもって、脚柱(2)の上部と水平軸(5)とを締結するとともに、脚柱(2)の上部内面に、連結プレート(63)の下部を固定ねじ(65)(65)をもって固着する
【0059】
水平軸(5)の端部より、連結プレート(63)を貫通して、外側方に延出する第1ガイドチューブ(14)は、脚柱(2)の上部の保持溝(61)内に嵌合する。第1ガイドチューブ(14)の先端と、脚(3)における水平脚杆(1)から脚柱(2)内を上方に立ち上がるように延出させた第2ガイドチューブ(26)の先端とには、保護筒(66)(67)がそれぞれ止着され、第1及び第2ガイドチューブ(14)(26)は、保護筒(66)(67)と共に脚柱(2)内の保持溝(61)に嵌合保持されている。
【0060】
第1及び第2ガイドチューブ(14)(26)からそれぞれ引き出された第1及び第2ワイヤ(13)(25)の先端部には、リング状とした連結金具(68)(69)がそれぞれ止着されている。これらの連結金具(68)(69)同士は、図5に示すように、ワンタッチで抜止めできる公知のプッシュリベット(70)により連結されている。
これにより、第1及び第2連係手段(12A)(12B)は、互いに連結されて、開口(59a)より、脚柱(2)内に収容されている。
【0061】
脚柱(2)内に第1連係手段(12A)と第2連係手段(12B)とを連結して収容した後の開口(59a)は、脚カバー(62)により閉塞されている。
したがって、この開口(59a)より、第1及び第2連係手段部(12A)(12B)を脚柱(2)内に出入れすることができるため、連結作業が容易に行える。
【0062】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、特許請求の範囲を逸脱しない範囲内で、次のような変形した態様で、実施することもできる。
(a) 第1及び第2連係手段(12A)(12B)同士の連結を、プッシュリベット(70)に代えて、ボルトとナットにより行う。
(b) ロック装置(9)を、各脚(3)の前後部のキャスタ(8)(8)のいずれか一方のみに設け、第2連係手段(12B)を、第3連係手段(12D)を介さずに、直接、そのロック装置(9)に連結する。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の一実施形態の使用状態における側面図である。
【図2】同じく、背面図である。
【図3】図2のIII−III線における脚カバー取外し状態の縦断側面図である。
【図4】天板と脚を斜め下方から見た分解斜視図である。
【図5】第1及び第2連係手段の連結状態を、一部切欠して示す拡大側面図である。
【図6】操作レバーとそのケーシングとの拡大平面図である。
【図7】操作レバーとそのケーシングとを斜め上方から見た斜視図である。
【図8】脚の下端部の縦断側面図である。
【図9】キャスタをロック状態としたときの脚の底面図である。
【図10】キャスタをアンロック状態としたときの脚の底面図である。
【図11】前部のキャスタ及びそのロック装置の取付部分の拡大縦断側面図である。
【図12】図11のXII−XII線断面図である。
【図13】前部のロック装置を斜め後ろから見た斜視図である。
【図14】前部のロック装置を、上下反転させて、斜め後ろから見た斜視図である。
【図15】ロック装置の内部機構の分解斜視図である。
【符号の説明】
【0064】
(1)水平脚杆
(2)脚柱
(3)脚
(4)天板
(5)水平軸
(6)後面板
(7)回動機構
(8)キャスタ
(9)ロック装置
(10)操作レバー
(10a)操作部
(10b)垂下片
(11)軸
(12)連係手段
(12A)第1連係手段
(12B)第2連係手段
(12C)連結手段
(12D)第3連係手段
(6)後面板
(7)回動機構
(8)キャスタ
(9)ロック装置
(10)操作レバー
(10a)操作部
(10b)垂下片
(11)軸
(12)連係手段
(12A)第1連係手段
(12B)第2連係手段
(12C)連結手段
(12D)第3連係手段
(13)第1ワイヤ
(14)第1ガイドチューブ
(15)ケーシング
(16)巻取ドラム
(17)窓孔
(18)ワイヤエンド
(19)嵌合孔
(20)収容孔
(21)弾性体
(22)押圧体
(24)(23)凹溝
(25)第2ワイヤ
(26)第2ガイドチューブ
(27)回動リンク
(28)軸
(29)作動杆
(30)連結杆
(31)接続金具
(31a)延長部
(32)軸
(33)保持片
(34)旋回軸
(35)旋回部材
(36)水平軸
(37)車輪
(38)第1被係合部
(39)第2被係合部
(40)ケーシング
(40a)上端壁
(40b)垂直案内部
(40c)水平案内部
(41)傾斜面(第1傾斜面)
(42)突部
(43)第1昇降体
(44)本体
(45)貫通孔
(46)傾斜面(第2傾斜面)
(47)内向き突部
(48)押え部
(49)第1係合部
(50)圧縮コイルばね(第1付勢手段)
(51)傾斜カム機構
(52)有底孔
(53)第2昇降体
(54)昇降軸
(55)横孔
(56)二股部材
(57)第2係合部
(58)圧縮コイルばね(第2付勢手段)
(59)外装部
(59a)開口
(60)リブ
(61)保持溝
(62)脚カバー
(63)連結プレート
(64)ボルト
(65)固定ねじ
(66)(67)保護筒
(68)(69)連結金具
(70)プッシュリベット
(L)ロック位置
(U)アンロック位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部に天板を組立可能に支持する左右1対の脚の下端に、ロック装置付きのキャスタをそれぞれ設け、前記天板に設けた操作手段と前記ロック装置とを、連係手段をもって連係し、前記操作手段の操作により、ロック装置をロック状態とアンロック状態とに切り換え可能としたテーブルにおいて、
前記連係手段を、前記操作手段から脚に沿って下方に向かって延出する第1連係手段と、前記各ロック装置から脚に沿って上方に向かって延出する第2連係手段とにより形成し、前記第1及び第2連係手段の遊端部同士を、脚に沿う位置において、分離可能に連結したことを特徴とするテーブル。
【請求項2】
第1及び第2連係手段を、脚内に配設したことを特徴とする請求項1記載のテーブル。
【請求項3】
左右の各脚の下端前後部にロック装置付きのキャスタを設けるとともに、脚の下端の中間部に、第2連係手段に連係された回動リンクを枢着し、この回動リンクと前後のロック装置とを、第3の連係手段をもって、前記回動リンクの回動により、前後のロック装置が互いに同期して、ロック状態とアンロック状態とに切り換えられるように連係したことを特徴とする請求項1または2記載のテーブル。
【請求項4】
第1及び第2連係手段を、ボーデンケーブルと、そのワイヤのガイドチューブからの延出端部を、脚内に配設して互いに連結したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のテーブル。
【請求項5】
脚を、内側面が開口する平面視内向きコ字状の外装部と、この外装部内に、上下方向に互いに離間するようにして設けられたほぼ水平の複数のリブとからなるものとし、いずれかの前記リブの内側縁部に、ガイドチューブを嵌合保持する保持溝を設けたことを特徴とする請求項4記載のテーブル。
【請求項6】
左右に対向する脚の内側面を、上下方向に開口し、この開口より第1及び第2連係手段を脚内に出し入れできるようにするとともに、前記開口を、着脱可能の脚カバーにより閉塞したことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のテーブル。
【請求項7】
天板を、脚の上部に枢着することにより、脚の上方において水平をなす使用位置と、上方を向く折畳み位置とに回動可能としたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のテーブル。
【請求項8】
各ロック装置を、キャスタに設けた車輪の水平軸廻りの回転と、垂直軸廻りの旋回とを、共にロックしうるものとしたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のテーブル。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate