説明

テープ引き剥がしにより取り除いた皮膚試料の皮膚プロテインの直接分析

本発明はテープ引き剥がしにより除去された皮膚の量を測定する方法を提供する。本発明を一つの視点から見ると、本発明はテープ引き剥がしにより除去された試料中のプロテインを直接分析する方法を提供し、得られたプロテイン測定と対応する皮膚コレステロール測定とを組合わせてアテロスクレローゼに罹っている危険性とアテロスクレローゼを進行させ、それと関連の、そして高コレステロール・レベルに起因する同様の疾患を進行させる危険性を探る。具体的には、本発明では、テープ引き剥がしにより除去された試料の面積にのみ依存しないでテープ引き剥がしにより除去された皮膚の量の比較計測をすることができる。加えるに、本発明の一側面では、本発明の方法では除去された皮膚の相対的な量に基づいて皮膚のコレステロールの相対レベルを比較できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
個々の章の見出しは系統付けるためのものであって記述している主題を限定するものと考えるべきものではない。
【0002】
本発明はテープの引き剥がしによって取り除いた皮膚の量を測定する方法に関する。具体的に言えば、本発明はテープの引き剥がしにより取り除かれた皮膚試料のプロテイン(タンパク質)を直接分析して取り除いた皮膚の量を示すプロテインの量の測定値を決定する方法に関する。本発明を一つの観点から見ると、テープの引き剥がしにより取り除かれた皮膚試料のプロテインを直接分析する本発明の方法では、その得られたプロテインの測定値をその皮膚のコレステロールの測定値と組み合わせてアテロスクレローゼやそれと関連した、高コレステロール・レベルに起因する同じような病気に罹っていたり、それらを進行させたりしている危険性につき個体ごとに判定することを狙いとしている。
【背景技術】
【0003】
既に述べたように、本発明を一つの観点から見ると、テープの引き剥がしにより取り除かれた皮膚試料のプロテインを直接分析して、その得られたプロテインの測定値をその皮膚のコレステロールの測定値と組み合わせてアテロスクレローゼやそれと関連した、高コレステロールレベルに起因する同じような病気に罹っていたり、それらを進行させたりしている危険性につき個体ごとに判定する方法に関する。アテロスクレローゼとそれの合併症、例えば心臓発作や心臓拍動が世界の殆ど総ての国での罹病率と死亡率の主原因であることが多くの研究で判明している。
【0004】
アテロスクレローゼの費用効果的な予防には個体がその危険にあるかを判定し、それによって医療を受けたり、生活スタイルを変えることが必要である。所要の目的は高リスクのグループに分類される個体を識別するのに最適な方法を選定することにある。
【0005】
アテロスクレローゼに罹る惧れのある個体を識別するのに広く使用されている方法は静脈を流れる血漿内の総コレステロールレベルを測定することに基づいている(心臓病予防のための血液コレステロール低下に係るコンセンサス・コンファレンスJAMA、1985、253、2080頁)。もし患者のコレステロール・レベルが240mg/dLを越えるとその患者の危険性は高いと考えられ、そしてこの閾値をさらに低い値に下げようとする動きもある。
【0006】
しかしながら、総コレステロール・レベルだけでは正確に患者の危険レベルを予測できない。血漿リポタンパク質を分析することにより予測の精度は上がる。特に、低密度リポプロテイン(LDL)と高密度リポプロテイン(HDL)のコレステロール・レベルを測定すると有利である(血清中の全体のそして高密度のリポプロテイン・コレステロールと致死率、ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル、1985、290、1239−1243頁)。
【0007】
有利であるにもかかわらず、上記の方法を使うにはある期間断食した後での採血を必要とする。加えて、その採血とは嫌なものであり、感染の危険を伴い、そして血漿、リポ蛋白そしてコレステロールの分析を必要とするが、それは複雑であり、そして費用もかかる。さらに、血漿分析が動脈壁や他の組織におけるコレステロールの蓄積経過を完全に反映するものではないことが多くの研究からわかっている。多くの場合において血漿コレステロール・レベルも完全な脂質プロフィールもアテロスクレローゼの深刻な状態に関連させることはできない。
【0008】
組織内に、そして血漿内にかなりのコレステロール・レベルが出ていると、組織のコレステロールはアテロスクレローゼの進行に主役を演ずることがわかっている。動脈壁と同じようにして皮膚を含む組織がコレステロールを蓄積することがわかり、そして動脈壁のコレステロール含有量と皮膚のコレステロール含有量との間に密接な関係があることが研究の結果確かめられた。例えば、凍結乾燥した皮膚試料からコレステロールを抽出し、伝統的な化学技法と生化学的技法とによって測定する(ニキティン ワイ.ピー.、ゴルジェンコ アイ.エイ.、ドルゴ エイ.ヴイ.、フィリモノヴァ ティ.エイ.「皮膚のコレステロール含有量、それと虚血性心臓疾患の患者と健康者の血清内の脂質係数との相関性」、心臓、1987、II、第10号、48−51頁)。有用であるけれども、大規模集団の選別に採用するには、この方法はあまりにも複雑で、苦痛も大きい。
【0009】
米国特許4,458,686は皮膚直下のもしくは皮膚表面の血液中の様々な成分の定量法を示している。この方法は、例えばポラログラフィーにより電気化学的に酸素濃度を測定することに基礎を置いている。皮膚を通って拡散しない非揮発性物質の場合には皮下に酵素を埋め込み皮膚表面において酸素変化を生じさせることが必要となる。この特許はまた、コレステロールオキシダーゼを使用してコレステロールの量を決定するのにその方法を使用することの有用性に言及している。その必要とされる複雑な計器装備と手続きは測定するのに高度の熟練者の参加を必要とし、そのため多数の人達を選別するのにその方法は有用とは言えない。
【0010】
皮膚内のコレステロール含有量を決定するとアテロスクレローゼの進行程度を測定でき、そして皮膚生検試験体の標準的な実験室分析によって皮膚内のコレステロール含有量を決定することはできる。しかしながら、皮膚試料を採取するにはかなりの苦痛があり、そして採取現場での感染の惧れがある。加えてこの方法には他にも不都合がある。厚い皮膚切片は最外層の角質層、表皮そして真皮を含めて幾つもの皮膚層を含んでいるからである。経皮層は高度に血管化しているので、皮膚生検試料は血管と血液成分を含んでいる。それらは汗腺と脂肪腺を含み、それらの中に含まれている分泌物も含んでいる。加えて、皮下脂肪が皮膚直下にあり、これも試料を汚染している。それ故、皮膚生検試料は異成分から成り、そしてそれらの分析は皮膚のコレステロール含有量の誤ったデータを与えることになる。
【0011】
米国特許5,489,510は、指示成分を有する試薬と組み合わせて特定のコレステロール結着成分を有する試薬を使って、皮膚のコレステロールに結着した指示成分の存在に相当する色の可視的な変化をつくって皮膚のコレステロールを可視的に測定する非侵襲法を説明している。その方法はそれ以前の方法の問題の多くを解決し、そしてアテロスクレローゼの惧れのある個体を識別する簡単な大規模集団の選別に必要とされる要件の多くを満足させている。そのやり方は手のひらの皮膚に直接行うのであって、迅速かつ簡単であるが、テストを行う診療所なり、医者のところにテストを受ける総ての人が行かなければならない。このことは当然ながら、大規模集団選別には向かない。
【0012】
角質層内の(コレステロールを含む)脂質のモル比は皮膚の直接の溶媒抽出により得られる試料について決定される(ノーレン エル.等、ジェイ インヴェスト 皮膚病学 72−77、112、1999)。マススペクトロメトリィと一緒に高性能液体クロマトグラフィ(HPLC)と気体液体クロマトグラフィを使用して脂質を分離分析した。その分析法は複雑であるが、さらに重要なことは腐食性で刺激的な有機溶媒系を使って人皮を抽出するのであるが、これはルーチンとしての測定では現実的ではない。
【0013】
エイ.ウイルハイムとエム.ポネックにより記述されたテープ剥離法を使って皮膚の角質層の脂質プロフィールを決定した(アーチ.デマトル.レス.、191−199,293,2001)。この研究では皮膚をテープで剥離した後、角質層からコレステロールを含む脂質を溶媒抽出した。その結果としての脂質抽出物を高性能薄層クロマトグラフィにより分離した。この方法は非常に骨が折れる。それは脂質を分離する3つの連続性溶媒系、成分を可視化する染色・炭化法そして脂質の相対量を決定する濃度測定を必要とする。この方法は多数の試料のコレステロール・レベルを簡単迅速に決定することには向いていない。
【0014】
皮膚のコレステロールを測定する簡単で、処理能力の高い分析デバイスは皮膚採取のための粘着テープデバイスとそれの新しい使用法であって、本出願人の継続中の米国特許出願US‐2005‐072112‐A1に開示しており、その内容は参照によって本文に取り込むものとする。この米国出願に開示の方法は多数の個体から採取した多数の皮膚試料に適用され、個々の個体の皮膚コレステロール・レベルを決定し、そしてアテロスクレローゼとその関連の心臓血管の疾患の危険性を検出する。この米国特許出願に開示されたテープ剥離デバイスと方法とは大量集団診断選別に適用できる簡単な、費用効果的な疾患危険性診断を可能とする。
【0015】
テープ剥離により粘着テープで採取した皮膚試料中のコレステロールの総量はテープ試料の大きさに関係する。それ故、個体間で皮膚コレステロール・レベルを比較するには同じ大きさの試料を分析し、比較しなければならない。そのためには一定面積の粘着テープ片を貼った後で除去して試料採取するようにしたテープ剥離デバイスを使用する。取り除いたテープのある部分を皮膚コレステロール分析に使用できる。例えば、様々な個体から常に一定の大きさの試料を採取するには、粘着テープが皮膚でいっぱいになるまで粘着テープを繰り返して皮膚に貼り付ける。それから一定の大きさの小さい「計量スティック」もしくは「ディスク」をそのデバイスから切り出し、一定面積の皮膚試料を分析に当てるようにする。
【0016】
皮膚でいっぱいにされた一定面積のテープを使用して個体間の皮膚コレステロール・レベルを比較することは必ずしも、同量の皮膚を比較することを保証するものではない。異なる個体から採取するときそれぞれのテープに異なる量の皮膚が沈着しているかもしれない。標準化した、もしくは正規化した量の皮膚へ皮膚コレステロールを関連付けることにより個体間の皮膚コレステロール・レベルをよりよく比較できるようになる。
【0017】
例えば、皮膚コレステロールを測定する分析のためテープを剥離するデバイスを使用する場合の一つに保険に加入する個人に対して行う場合がある。保険加入者の危険要因(例えば、年齢、喫煙習慣、血圧など)を試験するのは普通行われることであり、試験結果に基づいて保険料を決める。皮膚コレステロールはアテロスクレローゼや同様の疾患に罹っている、もしくは進行中であることに対する危険要因であるので、それの値の大きさは保険料に影響し、そして試料を適当にして結果をごまかすこともあり得る。それ故、皮膚コレステロールを分析するに足るだけの皮膚試料を採取することを確かなものとすることが必要であって、それにより皮膚の低コレステロール・レベルをつくろうと意図して「詐欺師」が故意に不正標本化するのを防ぐようにする。したがって、この場合には、きっちり足るだけの試料を採取することを確実にし、そして個体間で皮膚のコレステロール・レベルを比較して危険状態を評定するため皮膚コレステロール分析のための皮膚除去量を測定する必要がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明は、テープ剥離により除去した皮膚の量を測定する方法を提供する。本発明を一つの視点なら見れば、本発明はテープの引き剥がしにより取り除かれた皮膚試料のプロテインを直接分析してその得られたプロテインの測定値をその皮膚のコレステロールの測定値と組み合わせてアテロスクレローゼやそれと関連した、高コレステロールレベルに起因する同じような病気に罹っていたり、それらを進行させたりしている危険性につき個体ごとに判定する方法を提供する。
【0019】
さらに、本発明は除去された試料の面積にだけに依存しないで、テープ剥離によって除去された皮膚の量を比較測定することができる。加えて、本発明を一つの視点から見れば、本発明の方法は除去した皮膚の相対量に基づいて皮膚コレステロールの相対レベルを比較させることができる。
【0020】
テープ引き剥がしにより除去された皮膚試料の量を測定する方法は簡単で、費用効果的で、処理能力が高く、しかもテープ引き剥がしにより除去された皮膚試料中の皮膚コレステロールの分析(これに限るものではないが、本発明を一つの視点なら見て例示するとすれば)を含む方法とも両立することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0021】
具体的には、本発明はテープ引き剥がしにより除去した皮膚の量を測定する方法であって、
a)医療用粘着剤を少なくとも一面に被膜したバッキング部材を有するテープを用意し、
b)このテープを皮膚の選定区域に貼り付けてその選定皮膚区域にテープを固着させ、
c)その選定皮膚区域からテープを引き剥がしてその皮膚外層の角質層を表わす試料を得、この試料はテープに固着していて、露出した皮膚成分を有しており、
d)試料の所定表面域にプロテイン・ステインを付け、そして露出した皮膚成分に存在するプロテインにステインが結着するに足る時間、プロテイン・ステインを試料と接触させておき、そして
e)その露出した皮膚成分中の染め付けられたプロテインを測定して、除去した皮膚の量を示すプロテインの量の測定値を決定する
ことを特徴とする。
【0022】
プロテイン・ステインはアニオン性の酸性染料から成るグループから選択され得る。一つの本発明の実施例では、プロテイン・ステインはポンソー エス ステイン試薬である。別の実施例ではプロテイン・ステインはクーマシー・ブルーである。
【0023】
さらに、露出された皮膚成分に染め付けられたプロテインの明暗度を測定してプロテインの量の測定値を決定する。一つの実施例では、染めたプロテインを分光光度法で測定してプロテインの量の測定値を決定する。
【0024】
別の実施例ではプロテインの量の測定値が所定の閾値と比較される。測定されたプロテインの量が所定の閾値以下であると、その試料は廃棄することができる。
【0025】
さらに、本発明を別の視点で見れば、バッキング部材はポリエステルから形成することができる。
【0026】
本発明を別の観点なら見れば、医療用粘着剤は、感圧性粘着剤;アクリル系粘着剤;合成ゴムエラストマー粘着剤;シリコーン系粘着剤;もしくはスチレンーイソプレンースチレンもしくはスチレンーブタジエンースチレンのブロック・ポリマーから形成されたエラストマーを含有するものであってよいが、これは一例であって、これに限定するものではない。
【0027】
さらに、本発明では上述の方法を実施するのに使用するキットも想定している。キットはテープとプロテイン・ステインの源とを備えている。
【0028】
プロテイン・ステインはアニオン性の、酸性染料から成るグループから選択することができる。本発明の一つの実施例ではプロテイン・ステインはポンソー エス ステイン試薬である。別の実施例ではプロテイン・ステインはクーマシー・ブルーである。
【0029】
本発明をさらに別の視点で見れば、バッキング部材はポリエステルから形成することができる。
【0030】
本発明をさらに別の視点で見れば、医療用粘着剤は、感圧性粘着剤;アクリル系粘着剤;合成ゴムエラストマー粘着剤;シリコーン系粘着剤;もしくはスチレンーイソプレンースチレンもしくはスチレンーブタジエンースチレンのブロック・ポリマーから形成されたエラストマーを含有するものであるが、これらはいずれも例示であって、これらに限定すべきものではない。
【0031】
本発明をさらに別の視点で見れば、粘着剤は閉じることのできるデバイスによって担持され、この閉じることのできるデバイスは粘着剤を担持する試料採取部材と、この採取部材と係合してデバイス内に粘着剤を保持する蓋部材とを有する。蓋部材が採取部材と係合するとき粘着剤は密封される。
【0032】
少なくとも蓋部材もしくは採取部材に周囲リムを設け、そして他方の蓋部材もしくは採取部材にリムを受け入れる周囲溝を設けて粘着剤がデバイス内に密封されるようにする。さらに、蓋部材は採取部材へヒンジで接続されている。
【0033】
採取部材の少なくとも一部分は閉じることのできるデバイスから切り離せるようになってディップスティックを形成し、このディップスティックの第1の端には粘着剤はなく、そして第2の端には粘着剤がある。別の視点から見ると、採取部材の少なくとも一部分は閉じることのできるデバイスから切り離してディスクをつくり、このディスクの一面には粘着剤が塗布されている。一端に粘着剤を塗布したディップスティックを、もしくは閉じることのできるデバイスから切り離したディスクを使うことによりあらかじめ決めた固定粘着域をはっきりさせることができる。それ故、皮膚採取後ディップスティックもしくはディスクは明確な所定の粘着域へ皮膚試料をくっつけている。
【0034】
さらに別の視点で見れば、閉じることのできる採取デバイスの採取部材は、これに限定するのではなく例示として、あらかじめ切ったもしくは切れ目を付けたディップスティックもしくはディスクを有しており、固定された粘着剤の粘着域をあらかじめ決めるようにしている。
【0035】
本発明を別の視点から見ると、複数の個体からの皮膚コレステロールの相対レベルを比較する方法であって、それは
a)皮膚外層角質層を表わす試料をテープ引き剥がしにより得、そして粘着剤へ粘着した、露出した皮膚成分を分析して個体の皮膚コレステロールレベルを求めることにより各個体からの皮膚コレステロールを測定し、
b)皮膚コレステロールを測定する処から離れて採取した試料の露出した皮膚成分の所定表面区域にプロテイン・ステインを付け、そして露出した皮膚成分に存在するプロテインへステインを結着させるに足る期間、プロテイン・ステインを接触させたままとし、
c)露出した皮膚成分に染め付けしたプロテインを測定して、除去した皮膚の量を表わすプロテインの量の測定値を決定し、そして
d)プロテインの量の測定値で皮膚コレステロールの測定値を正規化する
ことを特徴としている。
【0036】
正規化は、皮膚コレステロール測定値をプロテイン測定値で割ることである。
【0037】
プロテイン・ステインはアニオン性の、酸性染料から成るグループから選択することができる。本発明の一つの実施例では、プロテイン・ステインはポンソー エス ステイン試薬である。別の実施例ではプロテイン・ステインはクーマシー・ブルーである。
【0038】
露出された皮膚成分に染め付けられたプロテインの明暗度を測定してプロテインの量の測定値を決定する。一つの実施例では染めたプロテインは分光光度法で測定されてプロテインの量の測定値を決定する。
【0039】
別の実施例ではプロテインの量の測定値が所定の閾値と比較される。測定されたプロテインの量が所定の閾値以下であるとその試料は捨てられる。
【0040】
別の視点に立つと、バッキング部材はポリエステルから形成されている。
【0041】
本発明を別の視点なら見ると、医療用粘着剤は、感圧性粘着剤;アクリル系粘着剤;合成ゴムエラストマー粘着剤;シリコーン系粘着剤;もしくはスチレンーイソプレンースチレンもしくはスチレンーブタジエンースチレンのブロック・ポリマーから形成されたエラストマーを含有するものであってよいが、これらはいずれも例示であって、これらに限定すべきではない。
【0042】
本発明のこれらの特徴を他の特徴をも含めて以下に詳述する。
【0043】
当業者であれば以下に説明する添付図面は例示を目的とするものであることを理解しよう。添付図面は本願の教示する範囲をいかなる意味においても限定するものではない。
【0044】
図1は×1回、×3回そして×10回引き剥がした試料に対して取られた、選択された反射率の値を有する特定の試料の頻出度を示すグラフである。
【0045】
図2は×1回、×3回そして×10回引き剥がした試料に対して取られた、光学的濃度(OD)570nmの値を有する特定の試料の頻出度を示すグラフである。
【0046】
図3は実例で使用した試料採取デバイスの平面図である。
【0047】
図4は図3に示した試料採取デバイスの断片図であって、試料採取デバイスの詳細を示している。
【0048】
図5は本発明の試料採取デバイスから切り取ったディップスティックの斜視図である。
【0049】
図6は実例で使用できる別の試料採取デバイスの斜視図である。
【0050】
図7は図6に示した別の実施例の本発明の試料採取部材から切り取ったディスクの斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0051】
皮膚のコレステロールを測定する簡単で、処理能力の高い分析デバイスは、本願出願人継続中の米国特許出願公報US‐2005−0272112−A1に開示されている皮膚採取のための粘着性テープデバイスである。その内容のすべてを参照により本文に取り込むものである。本発明を一つの側面から見るとその方法は複数の個体から皮膚試料を得て、それぞれの個体の皮膚コレステロール・レベルを測定し、そしてアテロスクレローゼとそれと関連の心臓血管の疾患に罹る危険率を決定できる。本願で開示しているテープ引き剥がしデバイスと方法とは大量集団診断選別に使用できる簡単な、費用効果的な疾患危険性診断の実施を実現させる。
【0052】
例えば、バッキング部材をポリエステルから形成したテープを使用する。そのテープの少なくとも一面には医療用粘着剤を被膜する。ここで使用する「医療用粘着剤」と言う用語は低アレルギー性であって、皮膚に貼り付けても安全である粘着剤を指す。そのような粘着剤は好ましくは感圧性粘着剤であって、例えばスチレンーイソプレンースチレンもしくはスチレンーブタジエンースチレンのブロック・ポリマーから形成されたエラストマーを含有する。
【0053】
多くの種類の粘着剤があるのは理解されよう。一般に、本発明で使用するのに適している粘着剤は、上に述べたように試料採取のため皮膚に粘着剤を塗布したときアレルギー反応の問題を生じないことが確かである医療用粘着剤である。皮膚試料を採取するのに本発明者が使用した幾つかのタイプの粘着剤の多くは感圧性アクリルベースの粘着剤であったが、幾つかの合成ゴムタイプのエラストマー粘着剤とシリコーンベースの粘着剤も使った。
【0054】
スチレンとブタジエンの、もしくはスチレンとイソプレンのブロック・ポリマーをベースとした合成ゴム粘着剤が本発明に適していることも本発明者は確認した。合成ゴム粘着剤の例は、スチレンとブタジエンのブロック・コポリマーに基づく合成クラトン(商標)タイプの粘着剤(ラテックス・フリー)である。そのような粘着剤は皮膚試料に対しての安定性がよくその後の分析のための試料の転移を容易とする。
【0055】
本発明の方法で使用するのに一層好ましい粘着テープは両面被膜の感圧性医療用品質のテープである。そのような品質のテープの例はプロダクト#9877として3Mにより、もしくはプロダクト#8570としてアドヘッシブ・リサーチ・インコーポレーテッドにより販売されている。
【0056】
本発明者が試験した他のテープの中のあるものを表に示す。常に守られる唯一の条件は低アレルギー性の医療用品質のテープを使用することである。

【0057】
表1に示す粘着テープ(これらは現在のところ本発明に使用するに適したテープとして例示したに過ぎない)だけではなく、当業者であれば知っているであろうこの他のテープも本発明に使用できる。
【0058】
両面被膜の感圧性テープは簡単に剥がれる保護ライナーを付けている。このライナーは、それが剥がされるまではテープがくっつかない様にして粘着剤が汚染されるのを防いでいる。ライナーは両面テープのどちら側に貼ってあってもよく、またはテープは一枚だけライナーを持っていて、その上へ巻かれていて、両面をそれによって保護する。
【0059】
剥離特性の異なるライナーを使って第一の粘着側を露出して、第二の側の粘着面を保護するようにしてもよい。異なるライナーを持つ両面被膜テープは皮膚採取に特に有利である。第一のライナーを剥離してテープを試料採取デバイスのバッキング支持にくっつけ、そして皮膚採取側を第二のライナーで覆ったままにして置く。使用するまで皮膚採取粘着域がくっついて汚染するのをこの第二のライナーが防いでいる。皮膚採取を必要とするときその第二のライナーを除去する。
【0060】
粘着テープは皮膚のどの部分にでも貼り付けられるが、最適な部分は手のひらである。手のひらは脂肪線を持っていないからである。脂肪線の分泌物はコレステロールを含んでおり、それが本発明のある利用態様、具体的に言えばコレステロールの測定の結果に影響を与える。加えて、手のひらの皮膚は採取するのに容易にアクセスできる。
【0061】
分析するのには均一な量の試料を得ることが望ましい。試料採取のため粘着テープを貼るのは皮膚にただ一回だけとするのが普通である。皮膚に追加的に粘着テープを貼り付けることによって角質層の追加分を得ることになる。続けて皮膚に粘着テープを貼りつけるごとに粘着テープに追加分の皮膚が付着することになる。もう粘着性を示さなくなる皮膚材料で飽和状態になるまでこれを繰り返す。粘着テープを飽和させるに必要とする貼付回数は使用した粘着剤によって決まるが、もっとも普通に使う粘着剤では、例えば10回以下で飽和し、限定するのではないが3回から7回で飽和する。剥がすごとに皮膚の新しい区域に貼り付けると粘着テープは速くそして十分に飽和する。それ故、一定の、そして十分な試料採取には皮膚に一つの粘着テープを10回貼って、貼る毎に皮膚の新しいところを使うようにする。
【0062】
皮膚コレステロールを測定する本発明の利用態様において粘着テープに存在するコレステロールの総量は得られる皮膚試料の大きさに関連している。さらに一定の皮膚試料の大きさを必要とするのは異なる個体間で皮膚コレステロールの相対値を比較するためである。それ故、ディップスティックをデバイスから切り取って、テープ引き剥がしによって除去されてそれにくっついた露出された皮膚成分を持っている一定の粘着区域(限定するのではなく、例示であるが矩形もしくは円形領域)を与えるようにする。これらのディップスティックにより、一定面積の皮膚の分析に基づいて異なる個体間の皮膚コレステロールのレベルは比較できるようになる。
【0063】
大きな面積のテープもしくは粘着物を有するデバイスからディップスティックを切り出す代わりに、デバイスから簡単に分離できるように、このことに限定するのではなくあくまで例示として、ディップスティックをあらかじめ切っておく、もしくはあらかじめ切り目を入れておくようにできる。上に述べたように、そのようなあらかじめ切っておく、もしくはあらかじめ切り目を入れておいたディップスティックはそれの一端に一定のあらかじめ決めたテープもしくは粘着剤の区域をハッキリさせている。採取後そのようなあらかじめ切っておく、もしくはあらかじめ切り目を入れておいたディップスティックはデバイスから容易に取り除け、そして一定の、ハッキリ決まっている区域として皮膚試料分析区域を有する。
【0064】
常に一定の大きさの皮膚試料を様々な個体から得ることは(同じ個体から繰り返して試料を得ることもある)以下のようにして行われる。第一に、前に述べたように、皮膚試料は粘着テープを繰り返して皮膚に貼ることにより採取され、終にはテープは皮膚で飽和され、そしてもはや粘着性はなくなる。粘着テープは3回から7回程度貼り付けることにより皮膚で飽和され、そして普通は10回も貼れば飽和は確実となる。次に、一定面積の皮膚試料を分析するため一定の大きさ(これは以下の実例から明らかとなる)を皮膚採取デバイスから除去し、そしてこれも以下の説明から明らかになる標準容積の分析試薬もしくは指示試薬に浸す。
【0065】
皮膚の外側角質層(角質層)はコレステロールを含んでいる脂質混合物によって包囲されているプロテイン濃縮の角質細胞から大部分成っている。構造的にはこれは「レンガとモルタル」モデルであって、角質細胞はレンガを表わし、そしてそれを包囲する脂質はモルタルを表わしている(ピー.エム.エリアス、ジェイ インヴェスト ダーマトル。1983、80、44S−9S)。角質層内のプロテインの量は異なる個体間でも比較的一定している。それ故、テープ引き剥がしにより取り除かれた皮膚試料中のプロテインは除去した皮膚の量の間接的な測定となる。プロテインを測定することにより、そしてそれ故、得られた皮膚試料の量を測定することにより、本発明の一利用態様として、皮膚コレステロール分析に足るだけの皮膚試料を除去したことを決定できる。加えて、測定された皮膚コレステロール・レベルをプロテイン値と比較してプロテインレベル単位当りのコレステロールの測定値を、そしてそれにより皮膚の単位量当りのコレステロールの測定値を得ることができる。
【0066】
テープ引き剥がしにより取り除かれた皮膚試料中のプロテインを測定する分析は、これに限定するものではなく、例示であるが一般のプロテイン・ステインとしてのクーマシー・ブルー(例えばBio Rad (商標)として市販されているプロテイン・ステイン)を使用できる。クーマシー・ブルーを使って支持材料に固定したプロテインを定量できる(エス.ファゼカス デー セント グロス等 バイオケミカ アクタ、1863,71,377−391)。クーマシー・ステインを粘着テープの皮膚区域に塗布し、そして適当な染め付け期間の経過後過剰なステインを洗い流す。染め付けられた皮膚プロテインの濃度は粘着テープの青く染め付けられた試料の彩度を測定することにより決定され、そしてこの濃度はプロテインの量に直接関係している。染め付けられた皮膚試料の相対的濃度(例えば彩度)を測定することによりテープ引き剥がしによって個体から採取した皮膚試料の相対量を比較できる。
【0067】
以下の測定を行ってテープ引き剥がしの回数が除去された皮膚の量とどのように関連しているかを示した。測定にはBio‐Radプロテイン染め付けを利用した。本発明の一つの側面においては、これらの測定を行って除去した足りない量の皮膚が皮膚コレステロール試験に影響するかどうかを見た。それ故、分析では回数を変えてテープ引き剥がしを行って除去したプロテインを測定した。具体的には、ボランティアの手のひらを一回(1)、三回(3)そして十回(10)剥がし、そしてBio‐Radプロテイン染料で染めてから彩度と610nmでの反射率とを読むことによりプロテインのレベルを決定した。これらのプロテインのレベルは皮膚除去の程度とテープ引き剥がしの有効性を測定することとなる。
【0068】
実験ではBio‐Radプロテインの決定が45人のボランティアから集めた試料についてなされた。各ボランティアは一回(1)、三回(3)そして十回(10)のテープ引き剥がしで採取した皮膚試料を提供した。
【0069】
3つの異なる試料グループ(×1、×3そして×10と表記している)について610nmでの彩度と反射率との間に十分な相関性が認められた。線形最小自乗回帰分析から×1、×3そして×10試料についてのR2値はそれぞれ0.961,0.978そして0.959であった。×1引き剥がし試料についての平均彩度の値(n=45)は11.07、sd 1.83、CV16.3%;×3引き剥がし試料についての平均彩度の値(n=44)は15.46、sd 2.32、CV17.3%;そして×10引き剥がし試料についての平均彩度の値(n=44)は23.50、sd 1.06、CV4.6%である。×1引き剥がし試料についての平均反射率の値(n=45)は55.69、sd2.95、CV5.6%;×3引き剥がし試料についての平均反射率の値(n=44)は48.07、sd3.08、CV6.4%;そして×10引き剥がし試料についての平均反射率の値(n=44)は36.19、sd1.48、CV4.1%である。グループ間では大きな差がある。
【0070】
ある反射率の値(610nm)を有する試料の頻出度についての分析が各グループについて行われ、そして図1に示された。×10引き剥がし試料の93.2%の反射率の値が<45、×3引き剥がし試料の36.4%の反射率の値が<45、そして×1引き剥がし試料の4.4%だけの反射率の値が<45であった。また、×10引き剥がし試料の77.3%の反射率の値が<40、×3引き剥がし試料の11.4%の反射率の値が<40、そして×1引き剥がし試料の2.2%だけの反射率の値が<40であった。
【0071】
足りるだけの回数の引き剥がしについて許容臨界値として<45の遮断値を使用することは10回引き剥がしで得た試料の6.8%を捨てることになる。許容臨界値として<45の遮断値は3回引き剥がしで得た試料の63.6%を捨てることになり、そして1回引き剥がしのみで得た試料の95.6%を捨てることになる。
【0072】
クーマシー・ブルー染め付け法は十分使用できるが、彩度値を読むことのできる反射スペクトロメーターを必要とする。加えて、個別の染め付け試料を個々に読まなければならず、他方皮膚コレステロール分析は多数の試料を処理するのに向いている96穴のマイクロプレートを使用できる。
【0073】
皮膚試料上のプロテインの量を容易に決定でき、そして所望するのであれば同時に多くの皮膚試料上のプロテインの量を容易に決定できる分析法も開発した。さらに、一つの試料の彩度測定の代わりにその分析では容易に利用できる分光光度計、例えば96穴読みの分光光度計を使ってプロテインを測定できる。この分析はポンソー・エス・ステイニングに基づいている(すなわち、プロテインに結合する陰イオン性の、もしくは酸性の染料の一般のクラスの中の一つ、限定するものではないが例えば塩基性アミノ酸残基)。
【0074】
ポンソー・エス・ステインはプロテインに結合し、そして組織の組織化学的染め付けに使用され、そしてそれはニトロセルローズ結合プロテインに対して可逆的な膜ステインとしても使用される(オー.サリノヴィッチとアール.シー.モンテラロ、分析生化学、1986,156,341−347)。この方法は染めたプロテインを膜上に可視化でき、そして後にステインを除去した後で結合ステインからの干渉なくプロテインをさらに特徴付けられる。この発明では後述するが、ポンソー・エス法をさらに発展させ、そしてテープ引き剥がしにより採取した皮膚試料を染めることができ、そしてその皮膚試料を洗浄した後ステインを溶出し、分光光度法で定量できることを示している。ポンソー・エスは特にケラチンをよく染め、そしてケラチンはテープ引き剥がしにより除去された皮膚の角質層の主たるプロテインである。
【0075】
10回の貼り付けで粘着テープを飽和させる(すなわち粘着力の喪失)結果にもかかわらず、結果が示していることは異なる個体は異なる量の皮膚を与えるということである。個体は僅かに異なるレベルのケラチンと他の皮膚プロテインを有しているかもしれないけれども、見られる相違はこのことに起因するものではないと発明者は考えている。例えば、異なる個体は測定したプロテイン・レベルにおいて何十という相違を示すが、本発明にしたがって採取した皮膚試料については角質細胞のプロテイン・レベルはこのように多く変化するとは思えない。相違はテープ引き剥がしによって除去される皮膚の総量が異なることに多く起因しているものと発明者は考える。このことを示唆していると言えるのは、幾つかの個体は僅か2回ないし4回の引き剥がしの後で粘着テープを飽和させているのに、他の個体は粘着テープを飽和させるのに6回ないし8回の引き剥がしを必要としたからである。このことは皮膚の異なる量が除去されていることを暗示している。
【0076】
本発明の一つの側面では、テープ引き剥がしによって行われる皮膚コレステロール測定を利用して、冠状動脈疾患とその関連の血栓障害の危険性を察知し、そしてこれは特に保険業務に利用できる。生命保険を求める個人について様々な危険因子(例えば、年齢、喫煙量、血圧など)が評定され、そして総合危険率に基づいて割増料金が決められる。皮膚コレステロールは危険因子であるので、その値は保険料に影響し、そして試料はよい結果を出すように細工することもできる。それ故、プロテイン・レベルを決定する別の利点は十分足りる試料を採取し(すなわち、あらかじめ選定した閾値以上)、そしてそれによって、「欺瞞者」が皮膚コレステロールの低レベルを創りだそうとする意図で故意に試料採取を少なめにすることを確実に思い止まらせるようにする。
【0077】
皮膚コレステロール測定に十分足るだけの皮膚試料を採取することを確実ならしめるため皮膚プロテインの最小閾値レベルを設定する。この閾値レベルは多くの皮膚試料を分析し、そしてプロテイン値の分布範囲を決定することにより設定する。一回のテープ引き剥がしにより採取される皮膚試料の分布範囲、もしくは飽和引き剥がし(すなわち、十回テープ引き剥がし)を含む複数回引き剥がしで採取される皮膚試料の分布範囲を求める。特定試料についてのプロテイン値が予め決めた個体群の制限内にあるようにその確度が決定できるよう前記の分布範囲から閾値限界を選定することができる。理想的には閾値によって、テープ引き剥がしで採取されたすべての試料を一回テープ引き剥がしで採取した試料から、そしてできれば例えば三回テープ引き剥がしで採取した試料からも完全に区別できるようにする、そのような閾値がある。実際には、分布曲線は重なっており、そしてテープ引き剥がしによる皮膚剥離における個人的なばらつきから完全な区別はできない。そうであっても、十回のテープ引き剥がし試料のあらかたを一回のテープ引き剥がしで採取される試料の大部分から容易に区別できるようにする閾値を選定することはできる。
【0078】
例えば、十回テープ引き剥がしに基づいて決めた閾値レベルを超える値を集団の98%が有すると言うのであれば、その閾値は有用である。分析した100毎の試料のうち平均して2つの試料を不十分な試料として廃棄することになるからである。しかしながら、この閾値レベルは、一回だけの引き剥がしで採取した試料の大部分が十分なプロテインを持っていないことを、そして廃棄されることを確実にはしていない。予め選定された閾値レベル以下の値を示すテープ引き剥がしは信頼できる皮膚コレステロール決定には不足の皮膚試料を持つものと考えられる。
【0079】
テープ引き剥がし回数がポンソー・エス プロテイン・ステイニングにより測定される、除去した量の皮膚とどのように関連しているかを確認するため以下の実験を行った。除去した皮膚の量がどのようにテープ引き剥がし回数につれて変化するかを見るため、引き剥がし一回(1)、三回(3)そして十回(10)やって50人のボランティア(N=50)の手のひらから皮膚試料を採取し、そしてポンソー・エス染料で染色してプロテイン・レベルを決定した。プロテイン・レベルは染めた皮膚試料から溶出した染料の光学的密度の読取値に基づいていた。
【0080】
その結果を分析してその値が正常に分布しているかどうかを決定し、そして特定のテープ引き剥がし回数を使って得られた試料の違いを判りやすくするカット・オフ値を確立できるかどうかを決定した。×1、×3そして×10引き剥がし試料を50人のボランティアから得た(その結果として完全なデータは49試料のみで得られた。)
【0081】
×1引き剥がし(N=50)の平均光学密度は13.0%の平均CVで0.078であり、×3引き剥がし(N=50)の平均光学密度は12.3%の平均CVで0.131であり、そして×10引き剥がし(N=49)の平均光学密度は12.0%の平均CVで0.263であった。
【0082】
アンダーソン‐ダーリンもしくはシャピロ‐ウイルク試験を使っての分析はそのデータの非正常分布を示した。特定の試料の光学的密度(OD)が570nmの値である頻出度についてグループ毎に分析し、図2に示した。
【0083】
この分析では、×10引き剥がし試料の98%のOD570nmは>0.1、×3引き剥がし試料の60%のOD570nmは>0.1、そして×1引き剥がし試料の18%だけのOD570nmが>0.1であることを示した。
【0084】
十分に足りる採取の判定基準としてカット・オフ値として>0.1ODを選択すると、×10引き剥がし試料の2%を廃棄することになり、×3引き剥がし試料の40%を廃棄することになり、×1引き剥がし試料の82%を廃棄することになる。
【0085】
プロテイン・レベルを使って皮膚試料の変化する結果として変化する皮膚コレステロール・レベルを正規化することもできる。例えば、小さい皮膚試料を与えても、高い皮膚コレステロール・レベルを有する個体は、低い皮膚コレステロール・レベルを有するが、大きい皮膚試料を与える個体と同じ皮膚コレステロール値を与えることがある。一定のプロテイン・レベルへ正規化することにより二つの個体が高い皮膚コレステロールと低い皮膚コレステロールをそれぞれ有するものとして区別される。正規化にはコレステロール・レベルをプロテイン・レベルで割ると言う簡単な演算が必要である。これが単位プロテイン当りのコレステロール・レベルを有効に示している。
【0086】

本発明を限定するものではない以下の例に照らして別の側面として本願が教示することを理解されたい。
【0087】
図3に示す試料採取デバイスを使用する。全体を参照数字で示しているこの試料採取デバイスはプラスチック(ポリプロピレン)から形成され、そして一体のヒンジ16により蓋部材14に接続された採取部材12を備えている。蓋部材14は周囲リム18と4本のピン20とを有し、これらの周囲リム18と4本のピン20は、採取部材12に形成された周囲溝22と4個の孔24にそれぞれロック状態で挿入される。ヒンジ16で閉じると、リム18は溝22に嵌り込み、ピン20は孔24に嵌ってデバイスの2つの半部は閉じられたままとなり、密封されごみが入って内面を汚染しないようになる。蓋部材14の外面(図3および図4には示されていない)の平坦な部分には例えばラベルやバーコードを付けて試料を特定できるようにする。採取部材12と蓋部材14にはそれぞれ指タブ26,28を設けてデバイス10を開けられるようにする。
【0088】
保護クラフト紙の剥離可能な裏打ち32を有し、プロダクト#9877で3Mによって販売されている二重被膜の、感圧性医療用テープ30を採取部材12の中央区域に貼る。剥離可能な裏打ち32は粘着テープ30よりも幅広で、テープの付いていない一側に沿う条片32’を生じる。裏打ちのこの条片32’はデバイスの縁から突き出ていて裏打ちを簡単に除去するようにするタブを形成している。使用直前に裏打ち32はこの突き出ているタブ32’を使って除去できるようにしている。そうして皮膚採取のためのテープ30の粘着面を露出する。
【0089】
採取のための手のひらの部分は清潔にし、そして乾かしておいた。粘着側を露出しているテープ30を手のひらに貼った。粘着区域の上の採取部材12の裏側に圧力をかけて皮膚にテープ30を押し付け、角質層を固着させた。デバイス10を引き剥がし、手のひらの新しい部分へまた当てて皮膚へ押し付けた。デバイスを剥がし、そして手のひらの皮膚へこのようにして当て、全部で十回当てた。
【0090】
皮膚に当てた後でデバイス10から幅約5mmのディップスティック40(図5)を以下のようにして切り出す。図4を参照する。タブ26の隣の、採取部材12の端部分を、溝22の部分に沿って切ることにより取除く。採取部材12にモールドして付けた案内線36(図4に示す)に沿って三度切って、5mmのスティックの輪郭を決める。縁からちょうど中心線を過ぎたところまで切る。採取部材12にモールドして付けた案内線38を使って採取部材12の中心を横切って三番目の切断をすることにより採取部材12から5mm幅のスティックを切離す。スティック40はテープのない第1の端部分42とテープに皮膚試料を付けた第2の端部分44とを有する。
【0091】
大きな面積のテープもしくは粘着剤を有するデバイス10からディップスティック40を切り出す代わりとして、ディップスティック40は予め切っておくか、予め切れ目を付けた案内線36と38とを持っていてデバイス10からディップスティック40を簡単に離せるようにする。切っているにせよ、切れ目をつけているにせよ、ディップスティックは第二の端部分44にテープもしくは粘着剤の一定の、予め決めた区域を決めている。それ故、採取後ディップスティック40はデバイス10から取り除かれ、そして一定の決められた区域の分析のための皮膚試料域を含んでいる。
【0092】
ディップスティック40の代わりとして、図7に示すディスク50を除去するのに使用できる切断具60を図6に示す。ディスク50はそれの一面52に採取デバイス10から粘着テープ30へ付着した皮膚試料を有する。図に示すようにデバイス10が重なった(折り畳んだ)状態にあるときに、切断具60はデバイス10からディスクを取り除ける。閉じられたデバイスは、デバイス10の採取部材12の外面62を上に向けてフィルム面(図示せず)に置かれている。デバイス10の採取部材12の外面62につけることのできる円形の凹痕64に切断具60を挿入する。それから切断具60を押し下げてプラスチックとテープ30/皮膚試料を通して切断する。この切断具60はデバイス10の蓋部材14のプラスチックを切り通すほどには押し下げない。
【0093】
デバイス10からディスク50を切り取る代わりにディスク50を(限定的な意味ではなく例示として、円形の窪みの境界で)予め切っておく、もしくは切れ目をつけてデバイス10からディスク50を容易に分離できるようにしてもよい。ディップスティックでのように、ディスクは切られているにせよ、切れ目をつけられているにせよ、テープもしくは粘着剤の固定した、予め決められた区域の面52を決めている。それ故、採取後ディスク50はデバイス10から除去され、そして一定の、ハッキリ決まった区域となっている分析のための皮膚試料区域を含んでいる。
【0094】
図5からディップスティック40を有する例の説明を続ける。96穴のマイクロウエル・プレート(図示せず)の1つの穴内のポンソール エス ステイン試薬(例えばシグマ・アルドリッヒ カナダ リミッテドが提供するプロダクトP7170)の約150μLの溶液に、分析しようとするディップスティックを入れる。このスティックは室温で約15分溶液に漬けておく。その後それを取り出して、約200μLの水洗溶液を含むマイクロウエル・プレートの新しい穴に入れる。このマイクロウエル・プレートを揺らして洗浄を行い、そして約1分後スティックを取り出して約200μLの新しい水洗溶液を含む新しい穴へ移して、再び約1分ほど揺らした。揺らして三度目の洗浄をした。この三度目の洗浄後スティックの底の洗浄液の溶液の液滴を吸取り繊維でそっと吸取って除き、清潔な平らな面に置いた。
【0095】
約150μLの0.1Nの水酸化ナトリウム溶液を含んでいる穴にスティックを入れてスティックから結合ステイン試薬を溶出した。マイクロウエルの中で約5分スティックを揺らしてからスティックを取り除いて、溶出したステインの量を550−570nmで溶液の吸収度を測定することにより決定した。
【0096】
多くの試料を一緒に処理しようとすると、ディップスティック40は標準の96穴(8×12)のマイクロプレートの穴配置にマッチした形で保持されていなければならない。これらのプレートに試薬を分け、そして分析と分析との間で試薬を持ち越すことがあってはならないように穴を洗浄できる器具は入手できる。分析の最終段階で穴の中の色つき溶液を直接読むことのできる分光光度計の入手も容易である。正確に配向し、配置して96枚までのディップスティックを保持するように特注した器具を用い、標準の96穴のマイクロプレートの穴にディップスティックを入れられるようにした。この器具を使えば分析の各段階で一纏めにして新しい穴へ96枚までのスティックを移せる。一回のスティック分析について上に述べたようにして同じ試薬を使って、同じようにして一纏めのスティックを処理する。
【0097】
上述のプロテイン測定に加えて、本発明の一つの側面では、別のディップスティックをデバイスから切って皮膚コレステロールの量を決定できる。皮膚コレステロールの量を測定するにはディップスティックをそれぞれ、96穴のマイクロウェル・プレートの穴(図示せず)の中のA‐C‐B試薬の約100μL溶液に浸す。試薬はアンハイドライドーエヌービニールピロリドン・コポリマー(C)を介してワサビダイコンペルオキシダーゼ(B)へ結合したジギトニン(A)の複合体であり、そして約1μg/mLの濃度で使用した。スティックを室温で約15分その溶液に漬けておき、その後で約200μLの洗浄溶液を含むマイクロウエル・プレートの新しい穴に移した。このマイクロウエル・プレートを揺らして洗浄し、約一分後にスティックを約200μLの新しい洗浄溶液を含む新しい穴に移して、再び約一分間揺らす。この攪拌洗浄を三度行い、その後で約100μLの基質溶液(強化ケイ‐ブルー試薬)に浸す。その後、室温で約15分間暗室内でその基質溶液でスティックをインキュベートさせる。この工程中、マイクロウェル・プレートを揺らすことができる。
【0098】
スティックのインキュベート後、スティックを取り出すことができる。約100μLの1Nの硫酸を基質溶液の入った穴に加えて更なる反応を停止させ、そしてその結果できた溶液の光学的密度を約450nmでプレート・リーディング光学光度計で読み取って皮膚試料中のコレステロールの量を測定した。
【0099】
上に述べたようにして採取デバイスからプロテイン・レベルと皮膚コレステロールの量を測定することによってコレステロール測定をそれぞれのプロテイン・レベルについて相互比較して、例えば有用な皮膚コレステロール測定となるだけの十分な皮膚試料を得たかどうかを決定できる。又は、もしくはこれに加えて、プロテイン・レベルを使って、例えば一人のコレステロール・レベルをプロテイン・レベルで割ることによるなどしてコレステロールを正規化することができる。
【0100】
様々な実施例について本願が教示するところを説明したけれども、これらの実施例に本願の教示を限定するものではない。本願の教示は様々な変更、代替、そして均等を含むことは当業者であれば理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】×1、×3そして×10の引き剥がした試料に対して取られた、選択された反射率の値を有する特定の試料の頻出度を示すグラフである。
【図2】×1、×3そして×10の引き剥がした試料に対して取られた、光学的濃度(OD)570nmの値を有する特定の試料の頻出度を示すグラフである。
【図3】実例で使用した採取デバイスの頂面図である。
【図4】図3に示した採取デバイスの断片図であって、採取デバイスの詳細を示している。
【図5】本発明の採取デバイスから切り取ったディップスティックの斜視図である。
【図6】実例で使用できる別の採取デバイスの斜視図である。
【図7】図6に示した別の実施例の本発明の採取デバイスから切り取ったディスクの斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テープ引き剥がしにより除去した皮膚の量を測定する方法であって、
a)医療用粘着剤を少なくとも一面に被膜したバッキング部材を有するテープを用意し、
b)このテープを皮膚の選定区域に貼り付けてその選定皮膚区域にテープを固着させ、
c)その選定皮膚区域からテープを引き剥がしてその皮膚外層の角質層を表わす試料を得、この試料はテープに固着していて、露出した皮膚成分を有しており、
d)試料の所定表面域にプロテイン・ステインを付け、そして露出した皮膚成分に存在するプロテインにステインが結着するに足る時間、プロテイン・ステインを試料と接触させておき、そして
e)その露出した皮膚成分中の染め付けられたプロテインを測定して、除去した皮膚の量を示すプロテインの量の測定値を決定する
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
プロテイン・ステインはアニオン性の酸性染料から成るグループから選択されている請求項1に記載の方法。
【請求項3】
プロテイン・ステインはポンソー エス ステイン試薬である請求項1に記載の方法。
【請求項4】
プロテイン・ステインはクーマシー・ブルーである請求項1に記載の方法。
【請求項5】
露出された皮膚成分に染め付けられたプロテインの明暗度を測定してプロテインの量の測定値を決定する請求項1ないし4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
染め付けられたプロテインを分光光度法で測定してプロテインの量の測定値を決定する請求項1ないし4のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
プロテインの量の測定値が所定の閾値と比較される請求項1ないし6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
測定されたプロテインの量が所定の閾値以下であるとその試料を廃棄する請求項7に記載の方法。
【請求項9】
バッキング部材がポリエステルから形成されている請求項1ないし8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
医療用粘着剤が感圧性粘着剤である請求項1ないし9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
医療用粘着剤がアクリル系粘着剤である請求項1ないし9のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
医療用粘着剤が合成ゴムエラストマー粘着剤である請求項1ないし9のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
医療用粘着剤がシリコーン系粘着剤である請求項1ないし9のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
医療用粘着剤がスチレンーイソプレンースチレンもしくはスチレンーブタジエンースチレンのブロック・ポリマーから形成されたエラストマーを含有するものである請求項1ないし9のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
複数の個体からの皮膚コレステロールの相対レベルを比較する方法において、
a)皮膚外層角質層を表わす試料をテープ引き剥がしにより得、そして粘着剤へ粘着した、露出した皮膚成分を分析して個体の皮膚コレステロールレベルを求めることにより各個体の皮膚コレステロールを測定し、
b)皮膚コレステロールを測定する処から離れて採取した試料の露出した皮膚成分の所定表面区域にプロテイン・ステインを付け、そして露出した皮膚成分に存在するプロテインへステインを結着させるに足る期間、プロテイン・ステインを接触させたままとし、
c)露出した皮膚成分に染め付けたプロテインを測定して、除去した皮膚の量を表わすプロテインの量の測定値を決定し、そして
d)プロテインの量の測定値で皮膚コレステロールの測定値を正規化する
ことを特徴とする方法。
【請求項16】
正規化は、皮膚コレステロール測定値をプロテイン測定値で割ることである請求項15に記載の方法。
【請求項17】
プロテイン・ステインはアニオン性の、酸性染料から成るグループから選択される請求項15もしくは16に記載の方法。
【請求項18】
プロテイン・ステインはポンソー エス ステイン試薬である請求項15もしくは16に記載の方法。
【請求項19】
プロテイン・ステインはクーマシー・ブルーである請求項15もしくは16に記載の方法。
【請求項20】
露出された皮膚成分中の染め付けたプロテインの明暗度を測定してプロテインの量の測定値を決定する請求項15ないし19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
染めたプロテインは分光光度法で測定されてプロテインの量の測定値を決定する請求項15ないし19のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
プロテインの量の測定値が所定の閾値と比較される請求項15ないし21のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
測定されたプロテインの量が所定の閾値以下であるとその試料を廃棄する請求項22に記載の方法。
【請求項24】
バッキング部材がポリエステルから形成されている請求項15ないし23のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
医療用粘着剤が感圧性粘着剤である請求項15ないし24のいずれかに記載の方法。
【請求項26】
医療用粘着剤がアクリル系粘着剤である請求項15ないし24のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
医療用粘着剤が合成ゴムエラストマー粘着剤である請求項15ないし24のいずれかに記載の方法。
【請求項28】
医療用粘着剤がシリコーン系粘着剤である請求項15ないし24のいずれかに記載の方法。
【請求項29】
医療用粘着剤がスチレンーイソプレンースチレンもしくはスチレンーブタジエンースチレンのブロック・ポリマーから形成されたエラストマーを含有するものである請求項15ないし24のいずれかに記載の方法。
【請求項30】
請求項1に記載の方法を実施するのに使用するキットにおいて、前記のテープと前記のプロテイン・ステインの源とを備えていることを特徴とするキット。
【請求項31】
プロテイン・ステインはアニオン性の、酸性染料から成るグループから選択される請求項30に記載のキット。
【請求項32】
プロテイン・ステインはポンソー エス ステイン試薬である請求項30に記載のキット。
【請求項33】
プロテイン・ステインはクーマシー・ブルーである請求項30に記載のキット。
【請求項34】
バッキング部材はポリエステルから形成されている請求項30ないし33のいずれかに記載のキット。
【請求項35】
医療用粘着剤が感圧性粘着剤である請求項30ないし34のいずれかに記載のキット。
【請求項36】
医療用粘着剤がアクリル系粘着剤である請求項30ないし34のいずれかに記載のキット。
【請求項37】
医療用粘着剤が合成ゴムエラストマー粘着剤である請求項30ないし34のいずれかに記載のキット。
【請求項38】
医療用粘着剤がシリコーン系粘着剤である請求項30ないし34のいずれかに記載のキット。
【請求項39】
医療用粘着剤がスチレンーイソプレンースチレンもしくはスチレンーブタジエンースチレンのブロック・ポリマーから形成されたエラストマーを含有するものである請求項30ないし34のいずれかに記載のキット。
【請求項40】
粘着剤は閉じることのできるデバイスによって支持され、この閉じることのできるデバイスは粘着剤を担持する採取部材と、この採取部材と係合してデバイス内に粘着剤を保持するようになっている蓋部材とを有する請求項30ないし39のいずれかに記載のキット。
【請求項41】
蓋部材が採取部材と係合するとき粘着剤が密封される請求項40に記載のキット。
【請求項42】
少なくとも蓋部材もしくは採取部材に周囲リムを設け、そして他方の蓋部材もしくは採取部材にリムを受け入れる周囲溝を設けて粘着剤がデバイス内に密封されるようにした請求項41に記載のキット。
【請求項43】
蓋部材は採取部材へヒンジで接続されている請求項40ないし42のいずれかに記載のキット。
【請求項44】
採取部材の少なくとも一部分は閉じることのできるデバイスから切り離せるようになってディップスティックを形成し、このディップスティックの第1の端には粘着剤はなく、そして第2の端には粘着剤がある請求項40ないし43のいずれかに記載のキット。
【請求項45】
閉じることのできるデバイスは、あらかじめ切られた、もしくはあらかじめ切り目をつけられている少なくとも一つのディップスティックをつくっていて、その少なくとも一つのディップスティックの第1の端には粘着剤はなく、そして第2の端には粘着剤がある請求項40ないし43のいずれかに記載のキット。
【請求項46】
粘着剤のついたディップスティックの第2の端は、固定され、あらかじめ決められている粘着剤の区域をつくっている請求項44もしくは45に記載のキット。
【請求項47】
採取部材の少なくとも一部分は閉じることのできるデバイスから切り離せるようになってディスクをつくり、このディスクの一面には粘着剤が塗布されている請求項40ないし43のいずれかに記載のキット。
【請求項48】
閉じることのできるデバイスはあらかじめ切られた、もしくはあらかじめ切り目をつけられている少なくとも一つのディスクをつくっていて、その少なくとも一つのディスクの一面に粘着剤を塗布している請求項40ないし43のいずれかに記載のキット。
【請求項49】
粘着剤を塗布したディスクの面は固定の、あらかじめ決められた粘着剤の区域である請求項47もしくは48に記載のキット。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2008−541100(P2008−541100A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−511524(P2008−511524)
【出願日】平成18年5月19日(2006.5.19)
【国際出願番号】PCT/CA2006/000831
【国際公開番号】WO2006/122430
【国際公開日】平成18年11月23日(2006.11.23)
【出願人】(506364097)プレエムディ インク. (3)
【Fターム(参考)】