説明

ディジタル放送システム、サーバおよびアクセス管理方法

【課題】集客効果を高め得るディジタル放送システムを提供すること。
【解決手段】実施形態によれば、モバイル通信ネットワークのサービス提供ゾーン内に設定されるエリアにコンテンツを放送するディジタル放送システムは、サーバと、コンテンツ生成部と、送信ユニットとを具備する。サーバは、エリアへの存在の証拠となるアクセス情報を生成する。コンテンツ生成部は、アクセス情報を含む放送用コンテンツを生成する。送信ユニットは、放送用コンテンツをエリアに放送する。サーバは、さらに、アクセス管理部と、受信部とを備える。アクセス管理部は、モバイル通信ネットワークを介して受信したアクセス情報に基づいて、アクセス元のモバイル端末からのアクセスを承諾または拒否する。受信部は、アクセスを承諾されたモバイル端末からモバイル通信ネットワークを介して送信されたデータを受信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、例えばIP(Internet Protocol)ネットワークを介して地域内の視聴者にディジタルコンテンツを放送するディジタル放送システムと、この種のシステムに用いることの可能なサーバおよびアクセス管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットオークションやコンテスト、アンケート、あるいはクイズやゲームなどがインターネットのサイトで提供されている。ネットワーク環境を利用することでこの種のイベントに自宅に居ながらにして参加できるので、ユーザにとっては便利である。しかしながらその反面、参加する人が一同に会していないので盛り上がりにかける点は否めない。
【0003】
本来このようなイベントは、参加する人が同じときに同じ場所に集まることで独特の高揚感が生まれ、場が盛り上がるものである。イベントを開催する関係者はこのような盛り上がりによって生まれるマネーフローの拡大を期待するものであるが、インターネット環境下においてそのような効果を求めることは難しい。
【0004】
例えばモバイル端末向け放送を用いるアプリケーションで、単純に放送するだけで広告収入を得たり、クーポン発行などによる集客効果を狙うビジネスが知られているが、期待したような効果は得られていない。これは、イベントの進行を全ての参加者に、同時に伝えることが不可能であるなどの制約による。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−75907号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
インターネットサイトで開催されるイベントは、参加者にとっては移動しなくて良いので便利な反面、大勢が一同に集まることで生まれる本来の効果を期待することが難しい。告知などのかたちではネットワークインフラの利点を利用することができるものの、実際のイベント開催においてはやはり大勢の人を同じ場所に集めたほうが盛り上がるし、ユーザにとっても楽しく、マネーフローも期待できる。同じ場所にいれば、参加者が同じ情報を一目で得られるし、放送などのかたちでも同じ情報を同時に受信できるからである。
【0007】
ところで、モバイル端末向け放送に着目すると、この種のシステムはエリアワンセグなどと称して知られており、放送を受信する機能は、いまや殆どの人が所持するモバイル端末に備わっている。エリアワンセグでは放送エリアを半径数10m〜数100m程度にまで絞り込めるので、特定の場所に人を集めたいというニーズに応えられる可能性がある。しかしながらこのような要望を実現したシステムは未だ知られていない。
【0008】
目的は、集客効果を高め得るディジタル放送システム、サーバおよびアクセス管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態によれば、モバイル通信ネットワークのサービス提供ゾーン内に設定されるエリアにコンテンツを放送するディジタル放送システムは、サーバと、コンテンツ生成部と、送信ユニットとを具備する。サーバは、エリアへの存在の証拠となるアクセス情報を生成する。コンテンツ生成部は、アクセス情報を含む放送用コンテンツを生成する。送信ユニットは、放送用コンテンツをエリアに放送する。サーバは、さらに、アクセス管理部と、受信部とを備える。アクセス管理部は、モバイル通信ネットワークを介して受信したアクセス情報に基づいて、アクセス元のモバイル端末からのアクセスを承諾または拒否する。受信部は、アクセスを承諾されたモバイル端末からモバイル通信ネットワークを介して送信されたデータを受信する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態に係わるディジタル放送システムの一例を示すシステム図。
【図2】図1に示される管理サーバ10の一例を示す機能ブロック図。
【図3】実施形態に係わるディジタル放送システムにおける処理手順を示すフローチャート。
【図4】エリア内に存在するモバイル端末に表示される画面の一例を示す図。
【図5】実施形態に係わるディジタル放送システムにおける他の処理手順を示すフローチャート。
【図6】エリア内に存在するモバイル端末に表示される画面の他の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、実施形態に係わるディジタル放送システムの一例を示すシステム図である。実施形態では犬や猫などのペット動物の品評会(ペットコンテスト)を実施するケースを想定する。この種のコンテストでは参加した動物にその毛並みや姿勢、挙動、性格などといった主に視覚的な要素に基づく点数が付けられ、得点に応じた順位が与えられる。点数は、その場に集まった愛好家の投票によって公平に与えられる。
【0012】
図1に示されるシステムは、モバイル通信ネットワークのサービス提供ゾーン内に設定されるエリアにディジタルコンテンツを放送する。モバイル通信ネットワークの一例として図1においては携帯メールインフラ100を示す。携帯メールインフラ100は基地局CSを介してゾーン(サービス提供ゾーン)を形成し、ディジタル放送システムのエリアはこのゾーン内に設定される。つまりエリア内のモバイル端末は携帯メールインフラ100に接続することが可能である。
【0013】
実施形態に係わるディジタル放送システムは、管理サーバ10、コンテンツ生成サーバ20、および送信ユニット30を備える。管理サーバ10、コンテンツ生成サーバ20、および送信ユニット30はハブ(HUB)70を介して接続され、互いに情報を授受できるようになっている。ハブ70には、例えばイベント司会者の手元に置かれるパソコン端末60などを接続しても良い。また、パソコン端末60をバックステージなどに設置して種々のデータ(スーパーインポーズ情報、文字データなど)を編集できるようにしても良い。
【0014】
コンテンツ生成サーバ20はビデオカメラ40に接続され、ビデオカメラ40で撮影された映像(音声を含む)を取得する。コンテンツ生成サーバ20は取得した映像および音声を既定の符号化方式でエンコードする。またコンテンツ生成サーバ20は、エンコードされた映像/音声を、管理サーバ10またはパソコン端末60で生成されたデータ放送用のBML(Broadcast Markup Language)と多重化する。そうして、コンテンツ生成サーバ20は、トランスポートストリーム(TS)信号、または、TS信号と同等のデータフォーマットの信号を生成する。このTS信号はハブ70を介して送信ユニット30に送られる。
【0015】
送信ユニット30はコンテンツデータを含むTS信号に対してISDB−T(Integrated Services Digital Broadcasting for Terrestrial)のワンセグ送信仕様に基づくOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex )変調を施す。送信ユニット30はさらに、この変調された信号を、使用するUHF(Ultra High Frequency)帯の周波数に変換し、エリアの広さに応じたレベルに電力増幅してアンテナ50から放送する。
【0016】
エリアの広さはイベント会場の広さに応じてその都度決めることができる。例えば数十〜数百人規模のイベントであれば半径100〜200m程度の広さを確保すれば良いであろう。なお送信ユニット30は、携帯メールインフラ100とは独立する無線送信機である。
【0017】
ハブ70は例えばネットワークプロバイダのルータ80を介して、携帯メールインフラ100に接続される。これによりディジタル放送システムは、携帯メールインフラ100の機能を利用することができる。同様にエリア内のモバイル端末は、携帯メールインフラ100を介して実施形態のディジタル放送システムにアクセスすることが可能である。ただし実施形態では、モバイル端末から本ディジタル放送システムへのアクセスに際してパスワードによる認証を実施する。これは、エリアワンセグの電波の届く範囲内に居る参加者でない者からのアクセスを禁止するためである。
【0018】
管理サーバ10はイベントを管理するもので、例えばイベント開催のためのソフトウェアがインストールされたコンピュータ端末である。上記構成は、いわゆるエリアワンセグとして知られるシステムの一形態である。実施形態ではエリアワンセグのエリアを携帯メールインフラ100のゾーン内に形成する。
【0019】
図2は、図1に示される管理サーバ10の一例を示す機能ブロック図である。管理サーバ10は、キーボードやマウスなどの入出力部11、表示部12、ハブ70に接続されるインタフェース部13を備える。さらに管理サーバ10は、記憶部14と、制御部15とを備える。
【0020】
制御部15は実施形態に係わる処理機能として、パスワード生成部15a、アクセス管理部15b、および、受信部15cを備える。
パスワード生成部15aは、エリアへの存在の証拠となるパスワード(アクセス情報)を生成する。このパスワードは記憶部14に記憶されるとともに(パスワード14a)、コンテンツ生成サーバ20に送られる。コンテンツ生成サーバ20はパスワードを例えばBML(Broadcast Markup Language)で記述することで、コンテンツデータにパスワードを含ませる。
【0021】
アクセス管理部15bは、モバイル端末から携帯メールインフラ100(モバイル通信ネットワーク)を介して受信したパスワードに基づいて、アクセス元のモバイル端末からのアクセスを承諾または拒否する。受信部15cは、アクセスを承諾されたモバイル端末から携帯メールインフラ100を介して送信されたデータを受信する。
【0022】
特に受信部15cは、受信したデータから放送用コンテンツに反映させるための情報を生成する。この種の情報としては例えば投票の結果やアンケートの結果などを統計的に集計したデータ(集計データ14b)が挙げられる。集計データ14bイベントの進行に伴って変化し、その都度記憶部14bに記憶されるとともにハブ70を介してコンテンツ生成サーバ20に送られてコンテンツの内容に反映される。次に、上記構成における作用を説明する。
【0023】
図3は、実施形態に係わるディジタル放送システムにおける処理手順を示すフローチャートである。処理が開始されると、管理サーバ10はコンテンツ生成サーバ20にパスワードを通知する(ステップS1)。このパスワードは、ユーザにあまり手間をかけないためにも4〜5桁程度の数字や文字とすれば良い。例えばイベントの趣旨に因んだ文字列にすればわかり易い。また管理サーバ10は、コンテンツ生成サーバ20にコンテンツ生成のための各種のデータを通知する(ステップS2)。
これを受けたコンテンツ生成サーバ20はパスワードを含むコンテンツデータを生成し(ステップS3)、このコンテンツデータを送信ユニット30に与える。送信ユニット30はコンテンツをエリア内に放送する(ステップS4)。
【0024】
図4は、エリア内に存在するモバイル端末に表示される画面の一例を示す図である。この画面は、ワンセグ放送による映像(動画)を表示する領域(映像領域)と、データ放送により受信されるデータコンテンツを表示する領域(データ領域)とを備える。このうち映像領域には現在エントリー中の犬の姿が映し出され、ユーザはこの画面を参照してその犬を評価する。この犬に投票したくなると、モバイル端末のユーザはパスワード入力を含むアクセス操作を行う。
【0025】
一方、データ領域にはエリアワンセグ受信波からBMLデータとして受信した各種の情報が視覚的に表示される。図4においては、映像領域に表示中の犬のプロフィール(エントリー番号、名前、犬種など)が備考などとともに文字で表示される。またデータ領域には、複数のメール送信ボタン(No.1,No.2,…)とパスワード(例えばDOGS)が表示される。このうちパスワードは管理サーバ10によるBMLの書き換えに伴い、時間の経過とともに、例えば5分おきに変更される。
【0026】
メール送信ボタンは例えばエントリー番号に対応付けて設けられ、スクロールボタンを操作すればさらに多くのボタンが表示されるようになっている。各メール送信ボタンには
投票したいエントリー番号ごとに異なる宛先アドレスが予め割り当てられる。いずれかのメール送信ボタンがクリックされると、対応する宛先アドレスが予め入力されたメール作成画面が表示され、メール本文にパスワードを入力してシステム宛に送信する。正しいパスワードを記載されたメールのみが有効として受け付けられ、投票結果に反映される。
【0027】
図3に戻り、例えば図1のモバイル端末90においてワンセグ放送が受信され(ステップS5)、そのユーザが投票のため、システムにアクセスするための操作を行ったとする(ステップS6でYes)。この操作においてユーザは、投票を示すメッセージと、その時点で画面に表示されているパスワードとをモバイル端末から入力する。そうすると、入力されたパスワードを含むアクセス要求メッセージが、モバイル端末90から携帯メールインフラ100を介して管理サーバ10に送られる(ステップS7)。なおアクセス要求メッセージにはパスワードに加え、投票データとともにユーザ識別子(ID:メールアドレスなど)を含ませても良い。
【0028】
このメッセージを受けた管理サーバ10はパスワード認証を行う(ステップS8)。すなわち入力されたパスワードがその時点で有効でなければNGとなり、管理サーバ10はアクセスを拒否し(ステップS9)、アクセス拒否応答をモバイル端末90に返送する。パスワードがその時点で有効であれば認証OKとなり、管理サーバ10はアクセス承諾応答をモバイル端末90に返送する(ステップS10)とともに、投票データを受信する(ステップS11)。この投票データは他のモバイル端末からの投票の結果とともに集計され(ステップS12)、新たなコンテンツデータを作成するためにコンテンツ生成サーバ20に送られる。
【0029】
ここまでの手順は時間の経過とともに繰り返され、その繰り返しの中で、規定時間が経過したか否かが判定される(ステップS13)。すなわちステップS13において管理サーバ10は、パスワードを変更してから(初回においては最初のパスワードを送信してから)規定の時間、例えば5分が経過したか否かを判定する。規定時間が経過していなければ処理手順はステップS1に戻る。
【0030】
規定時間が経過すれば、管理サーバ10はパスワードを変更する(ステップS14)。ここでは全くランダムな数値または文字列を乱数表から決めても良いし、または、予め決めておいた複数のパスワードをランダムに、あるいはサイクリックに切り替えるようにしても良い。つまり、同じパスワードが長期間にわたって使用されなければよい。そして、パスワードを変えたうえで処理手順はステップS1に戻り、変更されたパスワードがコンテンツ生成サーバ20に送られる。
【0031】
このような処理手順によって、有効なパスワードは例えば5分おきに変化する。これによりモバイル端末の画面に表示されるパスワードも時間の経過に合わせて変化する。従って、実施形態におけるパスワードを、エリア内に存在することの証拠として使用することができるようになる。
【0032】
つまりパスワードはエリアワンセグ放送により、狭いエリア内に限定して放送される。従ってそのエリア内に居るユーザしかパスワードを知ることができない。実施形態ではこのことを利用し、ユーザに『同じ場所に集まらないとパスワードを入手できない』という動機付けを与えることで集客を促すようにする。
【0033】
すなわち上記構成によれば、エリアワンセグ放送を受信したモバイル端末からしか管理サーバ10にアクセスできないようになるので、イベントに参加するためにはユーザは会場に足を運ばなくてはならない。これにより大勢の人を同じ会場に誘導することが可能になり、イベントそのものの臨場感や高揚感を体験する場を創り出すことができる。
【0034】
また、固定化されたパスワードを使用したままでいるとやがてはメールなどのかたちで外部(遠隔地の第三者など)にパスワードが漏れ、無用な混乱を招く虞がある。そこで実施形態では時間の経過につれパスワードを変更することでこのような事態に対処できるようにしている。
【0035】
以上説明したようにこの実施形態では、パスワードを含むローカルコンテンツをエリアワンセグで放送し、エリア内のモバイル端末しかパスワードを知りえないようにする。管理サーバ10でのパスワードによるアクセス制御により、エリア内のモバイル端末からのアクセスだけを排他的に承諾できるようにする。また、携帯メールインフラ100を利用してモバイル端末からのアップリンクによるデータ伝送を可能としている。このデータ伝送によりパスワードや投票の意思などを管理サーバ10に集約でき、オークション、コンテスト、クイズなどのイベント開催にあたって人を集めることが可能になる。これらのことから、集客効果を高め得るディジタル放送システム、サーバおよびアクセス管理方法を提供することが可能となる。
【0036】
[変形例]
図5は、実施形態に係わるディジタル放送システムにおける他の処理手順を示すフローチャートである。図3にされる手順とはステップS1、S6、S8、S9、S10、S14の処理内容において異なる。これらのステップに図5ではそれぞれS15、S16、S17、S18、S19、S20を付して説明する。
【0037】
図5において管理サーバ10は、まず、URL(Uniform Resource Locator)をコンテンツ生成サーバ20に通知する(ステップS15)。このURLはモバイル端末からアクセス可能なWebページのアドレス情報である。つまりこの変形例ではパスワードに代えてアクセス先のアドレス情報を用いて、アクセスの排他制御を実現する。
【0038】
コンテンツ生成サーバ20は、URLをボタンアイコンに埋め込む形式のBMLデータを生成する。ステップS4、S5を経てBMLデータがモバイル端末90の画面に表示されると、図6に示すように、クリッカブルなボタン(投票ボタン)が表示される。この投票ボタンにはステップS15で通知されたURLが埋め込まれており、クリックするとそのURLが管理サーバ10に返信される(ステップS7)。
【0039】
管理サーバ10は受信したURLの有効性を判断する(ステップS17)。この変形例においては、URLを受信した時点に対応付けてそのURLの有効性を判断するようにする。つまり予め複数のURLとそのURLに対応するWebページを管理サーバ10に用意しておき、いずれかのURLだけが、例えば5分おきに有効になるように予めプログラミングしておく。
【0040】
受信時点において有効でないURLを受け取ると、管理サーバ10はアクセスを拒否する旨を記載したページデータ(HTMLデータ)をモバイル端末90に返送する(ステップS18)。受信した時点においてそのURLが有効であれば、管理サーバ10はアクセスを承諾する旨を記載したページデータ(HTMLデータ)をモバイル端末90に返送する(ステップS19)。
そうして管理サーバ10は既定時間の経過を判断し(ステップS13)、規定時間が経過していれば有効なURLを切り替えたのち、ステップS15からの手順を繰り返す。
【0041】
上記構成によれば、パスワードの代わりにURLを用いることが可能になる。つまり時間的に連続する期間ごとに、複数のURLのうち一つのURLだけを有効にすることで、URLを用いたアクセスに対する排他制御を実現できる。しかもこのURLを受信できるのはエリアワンセグ放送のエリア内に存在するモバイル端末だけなので、URLを、エリア内に存在する証拠として利用することができる。従って上記構成によればパスワード入力に代えてボタンのクリック操作で済ませることができるようになり、ユーザの手間を少なくすることができる。
【0042】
なお本発明は上記実施の形態に限られるものではない。例えばエリアワンセグ放送を行うエリアを一つだけに限定せず、複数のエリアでイベントを開催することももちろん可能である。その場合は送信ユニット30を複数設ければ良い。このようにすればイベントを同時並行的に実施でき、より多くの集客を見込める。
【0043】
さらに、実施形態を適用可能なシステムは、いわゆるエリアワンセグだけに限定されるものではない。要するに実施形態のシステムは、放送形式で同時に画像、音声、データを伝送可能なシステムに対して適用することが可能である。この種のシステムとしては例えばバラセグ、あるいは束セグなどと称して検討が開始されており、実施形態のシステムはこのようなシステムに対しても適用することができる。
【0044】
このほか実施形態のシステムは、ペットコンテストに限らず、学校や塾での理解度チェックなどにも応用することができる。つまり理解度チェックのための問題をBMLでモバイル端末に送り、多肢選択方式での回答を収集するようにすれば、その集計に基づいて生徒の理解度をチェックすることが可能になる。このように実施形態のディジタル放送システムは、参加者が一堂に会している必要があり、かつ、システムとユーザとの双方向のデータ通信を要するアプリケーションに対して好適に利用できる。
【0045】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は例として提示するものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0046】
CS…基地局、100…携帯メールインフラ、10…管理サーバ10…コンテンツ生成サーバ、30…送信ユニット、40…ビデオカメラ、50…アンテナ、60…パソコン端末、70…ハブ(HUB)、80…ルータ、11…入出力部、12…表示部、13…インタフェース部、14…記憶部、14a…パスワード、14b…集計データ、15…制御部、15a…パスワード生成部、15b…アクセス管理部、15c…受信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モバイル通信ネットワークのサービス提供ゾーン内に設定されるエリアにコンテンツを放送するディジタル放送システムであって、
前記エリアへの存在の証拠となるアクセス情報を生成するサーバと、
前記アクセス情報を含む放送用コンテンツを生成するコンテンツ生成部と、
前記放送用コンテンツを前記エリアに放送する送信ユニットと、を具備し、
前記サーバは、
前記モバイル通信ネットワークを介して受信したアクセス情報に基づいて、アクセス元のモバイル端末からのアクセスを承諾または拒否するアクセス管理部と、
前記アクセスを承諾されたモバイル端末から前記モバイル通信ネットワークを介して送信されたデータを受信する受信部とを備える、ディジタル放送システム。
【請求項2】
前記サーバは、時間の経過に合わせて前記アクセス情報を変更する、請求項1に記載のディジタル放送システム。
【請求項3】
前記アクセス情報は、前記放送用コンテンツを受信したモバイル端末において視覚的に表示されるパスワードである、請求項2に記載のディジタル放送システム。
【請求項4】
前記アクセス情報は、前記放送用コンテンツを受信したモバイル端末においてクリッカブルに表示されるアイコンに埋め込まれたアドレス情報である、請求項2に記載のディジタル放送システム。
【請求項5】
前記受信部は、前記受信したデータから前記放送用コンテンツに反映させるための情報を生成する、請求項1に記載のディジタル放送システム。
【請求項6】
前記コンテンツ生成部は、ビデオカメラにより撮影された映像に基づいて前記放送用コンテンツを生成する、請求項1に記載のディジタル放送システム。
【請求項7】
モバイル通信ネットワークのサービス提供ゾーン内に設定されるエリアにコンテンツを放送するディジタル放送システムに用いられるサーバであって、
前記エリアへの存在の証拠となるアクセス情報を生成するアクセス情報生成部と、
前記アクセス情報を含み前記エリアに放送された放送用コンテンツを受信したモバイル端末から前記モバイル通信ネットワークを介して受信したアクセス情報に基づいて、アクセス元のモバイル端末からのアクセスを承諾または拒否するアクセス管理部と、
前記アクセスを承諾されたモバイル端末から前記モバイル通信ネットワークを介して送信されたデータを受信する受信部とを備える、サーバ。
【請求項8】
前記アクセス情報生成部は、時間の経過に合わせて前記アクセス情報を変更する、請求項7に記載のサーバ。
【請求項9】
前記アクセス情報は、前記放送用コンテンツを受信したモバイル端末において視覚的に表示されるパスワードである、請求項8に記載のサーバ。
【請求項10】
前記アクセス情報は、前記放送用コンテンツを受信したモバイル端末においてクリッカブルに表示されるアイコンに埋め込まれたアドレス情報である、請求項8に記載のサーバ。
【請求項11】
前記受信部は、前記受信したデータから前記放送用コンテンツに反映させるための情報を生成する、請求項7に記載のサーバ。
【請求項12】
モバイル通信ネットワークのサービス提供ゾーン内に設定されるエリアにコンテンツを放送するディジタル放送システムに用いられるサーバに適用されるアクセス管理方法であって、
前記サーバが、前記エリアへの存在の証拠となるアクセス情報を生成し、
前記エリアに存在するモバイル端末が、前記アクセス情報を含み前記エリアに放送された放送用コンテンツを受信し、
前記モバイル端末が、前記アクセス情報を前記モバイル通信ネットワークを介して前記サーバに送信し、
前記サーバが、前記モバイル端末から送信されたアクセス情報を前記モバイル通信ネットワークを介して受信し、
前記サーバが、前記受信したアクセス情報に基づいて、アクセス元のモバイル端末からのアクセスを承諾または拒否を判定し、
前記サーバが、前記アクセスを承諾されたモバイル端末から前記モバイル通信ネットワークを介して送信されたデータを受信する、アクセス管理方法。
【請求項13】
前記生成することは、時間の経過に合わせて前記アクセス情報を変更する、請求項12に記載のアクセス管理方法。
【請求項14】
前記アクセス情報は、前記放送用コンテンツを受信したモバイル端末において視覚的に表示されるパスワードである、請求項13に記載のアクセス管理方法。
【請求項15】
前記アクセス情報は、前記放送用コンテンツを受信したモバイル端末においてクリッカブルに表示されるアイコンに埋め込まれたアドレス情報である、請求項13に記載のアクセス管理方法。
【請求項16】
前記サーバは、さらに、前記受信したデータから前記放送用コンテンツに反映させるための情報を生成する、請求項12に記載のアクセス管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−102323(P2013−102323A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−244316(P2011−244316)
【出願日】平成23年11月8日(2011.11.8)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】