説明

ディジタル記録再生装置

【課題】映像信号、音声信号、情報信号を記録する際、記録と同時に過去に記録し信号の通常再生および特殊再生を行なうことができるディジタル記録再生装置を提供する。さらに、コマーシャル部分のカット再生、カット記録などのユーザの使い勝手を向上したディジタル記録再生装置を提供する。
【解決手段】映像信号、音声信号等の信号の記録再生を行なう記録再生装置において、第1の記録媒体と第2の記録媒体を設ける。入力信号を第1の記録媒体に記録するにあたり、一旦、第2の記録媒体に記録させ、所定時間後、第1の記録媒体に転送し、記録する。この所定時間内において、他の記録再生やコマーシャルメッセージ部分の判別などの他の信号処理を行なう。また、第1の記録媒体から信号を再生するにあたり、一旦、第2の記録媒体に記録させ、所定時間後に、出力することにより、同様に所定時間内に他の処理を行なうことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録再生時に他の信号の処理を並行して行なうことが可能である記録再生装置に関する。
【0002】
特に、映像信号、音声信号、情報信号をディジタル時間軸圧縮・伸張処理を施し、複数の記録媒体へ記録または再生を独立して同時に行うことができるディジタル記録再生装置に関する。
【背景技術】
【0003】
家庭用の記録再生装置、例えばディジタル記録再生装置(例えばディジタルVTR)においては、テープの消費量を少なくして、映像の長時間記録を可能にするため、映像信号、音声信号をディジタル化し、さらに高効率符号化によってデータ量の削減を図っている。
【0004】
例えば、現在商品化されている家庭用ディジタルVTRにおいては、映像信号の情報量を約5分の1(約25Mbps)にデータ圧縮し磁気テープへ記録している。映像信号および音声信号をディジタルに置き換えて記録することで、高画質な映像が得られる。
【0005】
以上のような、映像信号および音声信号の圧縮ディジタル情報を磁気テープや光磁気ディスクへ記録する技術は、特許文献1に開示されている。
【0006】
また、現行テレビジョン放送においてコマーシャル放送部分の判別を行い、該コマーシャル部分を早見再生する家庭用VTRが製品化されており、例えば特許文献2に開示されてあって、さらにユーザーの使い勝手を向上している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平9−160753号公報
【特許文献2】特開平5−250762公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記の様な家庭用ディジタルVTRあるいは、家庭用アナログVTR(例えばVHS−VTR、8ミリVTR)を用いて、映像信号等の実時間入力信号の記録を行いながら同時に過去に記録した信号の通常再生および特殊再生を行うには、複数の記録再生装置を備えることが必要であった。
【0009】
また、前記コマーシャル部分を早見再生する家庭用VTRでは、コマーシャル切換え点を音声モードにより判別を行っていたため、コマーシャル切換え点認識率の低下の問題さらには、コマーシャル部分をカットした再生は不可能であった。
【0010】
本発明は、上記の様な従来の問題点を解決するものであって、テープ等の記録媒体に記録再生するときに、さらに他の信号の記録再生や信号の処理等を行なうことができる記録再生装置を提供することを目的とする。
【0011】
特に、映像信号、音声信号、情報信号を記録する際、記録と同時に、過去に記録した信号の通常再生および特殊再生を行うことができるディジタル記録再生装置を提供すること、さらに、前記テレビジョン放送のコマーシャル開始点、終了点を、該ディジタル記録再生装置の再生時或いは記録時において予測することで、前記コマーシャル部分のカット再生、カット記録などのパフォーマンスを実現し、ユーザの使い勝手を向上したディジタル記録再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上記目的を実現するために、
第1の信号が入力される入力手段と、前記第1の信号を第1の記録媒体に記録し、前記第1の記録媒体から前記第1の信号を再生する第1の記録再生手段と、前記第1の記録再生手段で再生された前記第1の信号を第2の記録媒体に記録し、前記第2の記録媒体から前記第1の信号を再生する第2の記録再生手段と、前記第2の記録再生手段で再生された前記第1の信号を出力する出力手段と、信号の処理を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記第1の記録再生手段において前記第1の信号が第1の時刻から第2の時刻にかけて記録されるとき、前記第2の記録再生手段において前記第1の信号が前記第2の時刻から所定時間遅延し、かつ前記第2の時刻よりも先行した第3の時刻から記録開始されるように制御する構成とする。これにより、入力された信号を所定時間、遅延させて記録媒体に記録することができる。
【0013】
また、前記第1の時刻から前記第3の時刻の間において、第2の信号に所定の処理を施す信号処理手段を備えた構成とする。これにより、前記遅延させた時間に他の処理を行なうことができる。
【0014】
また、前記第1および/または前記第2の記録再生手段が単位時間当たりに記録あるいは再生可能な情報量は、前記入力手段に単位時間当たりに入力される第1の信号の情報量よりも大とされてなる構成とする。これにより、前記第1および/または前記第2の記録再生手段において、前記入力される信号の処理以外の処理も可能となる。
【0015】
また、前記第1の信号を所定の圧縮比で圧縮する圧縮手段、あるいは前記第1の記録再生手段に接続されて信号を蓄積するとともに所定量の信号が蓄積されたときにこれを出力するバッファ手段を備え、前記制御手段は、前記第2の記録再生手段において前記第1の信号が記録終了される時刻を第4の時刻として、前記第1の時刻から前記第2の時刻までの第1の時間に対し、前記第3の時刻から前記第4の時刻までの第2の時間を短縮するように制御する構成とする。これにより、記録の処理の時間を短縮することができる。
【0016】
また、前記制御手段は、前記第3の時刻から前記第2の時刻の間を複数の時間に分割し、分割された複数の時間毎に、前記第1または第2の記録再生手段のいずれか一方が前記第1の信号の記録または再生を行うように制御する構成とする。これにより、見かけ上、記録と再生の動作を同時に行なうことができる。
【0017】
また、前記第2の記録媒体は、テープ状をなし、前記第1の記録媒体は、ディスク状、または半導体メモリである構成とする。これにより、第2の記録媒体において大容量の記録ができ、第1の記録媒体においてはアクセス時間の短い処理ができる。
【0018】
また、所定量の信号間をアクセスするときに要するアクセス時間において、前記第1の記録再生手段は、前記第2の記録再生手段に対し、前記アクセス時間が短い構成とする。これにより、第2の記録再生手段よりも第1の記録再生手段の処理をすばやく行なうことができる。例えば、第2の記録媒体がアクセス時間の長いテープ状の記録媒体であっても、アクセス時間が短い第1の記録再生装置によりこの短所が補われ、逆に大容量の記録ができるというテープ状の記録媒体の長所を生かすことができる。
【0019】
また、前記第2の信号は、前記入力手段に入力された放送番組としての前記第1の信号であって、前記信号処理手段は、前記所定の処理として、前記放送番組の中に含まれるコマーシャル部分を判別する構成とする。これにより、前記の遅延させた時間にコマーシャル部分の判別を行なうことができる。
【0020】
また、前記入力手段に入力された前記第1の信号が圧縮された圧縮信号であるとき、前記信号処理手段は、前記圧縮信号を伸張した後、コマーシャル部分を判別する構成とする。これにより、実際の時間間隔に対応した伸張後の信号によりコマーシャル部分の判別ができる。
【0021】
前記第1の記録再生手段から再生された前記第1の信号は、圧縮信号であり、前記圧縮信号は所定時間毎に、時間情報であるタイムスタンプ信号を含んでなり、
前記信号処理手段は、前記圧縮信号を、前記タイムスタンプ信号を含むように伸張するとともに、前記タイムスタンプ信号に対応してコマーシャル部分を特定し、
前記制御手段は、前記第2の記録再生手段が圧縮された前記第1の信号を記録するとき、前記信号処理手段における前記タイムスタンプ信号に基づくコマーシャル部分の判別結果を用いて、コマーシャル部分を除外して、または、コマーシャル部分の位置情報を付加して記録するように制御する構成とする。これにより、コマーシャル部分を除外することができ、圧縮されたデータに対してコマーシャル情報を付加することができる。
【0022】
また、前記信号処理手段は、前記所定の処理として、前記第2の記録再生手段において、前記第1の信号とは別の信号を前記第2の信号として記録あるいは再生する構成とする。これにより、第1の信号を入力時においても、別の信号の処理をすることができる。
【0023】
また、前記放送番組は、映像情報および音声情報を含んでなり、前記信号処理手段は、前記映像情報および/または音声情報が所定の変化を生じる変化点を検出するとともに、前記変化点が発生する時間間隔を用いてコマーシャル部分を判別する構成とする。これにより、映像情報と音声情報の変化点の時間間隔を用いてコマーシャル部分の判別をすることができる。
【0024】
また、前記制御手段は、前記第2の記録再生手段が前記第1の信号を記録するとき、前記信号処理手段におけるコマーシャル部分の判別結果を用いて、コマーシャル部分を除外して記録するように制御する構成とする。これにより、コマーシャル部分を除外した信号を記録媒体に記録することができる。
【0025】
また、前記制御手段は、前記第2の記録再生手段が前記第1の信号を記録するとき、前記信号処理手段におけるコマーシャル部分の判別結果に関する情報を、前記第1の信号とともに前記第2の媒体に記録するように制御する構成とする。これにより、記録媒体にコマーシャル情報が記録されるので、再生時には、記録したコマーシャル情報を参照することができる。
【0026】
また、前記制御手段は、前記第2の記録再生手段が前記第1の信号を記録するとき、前記信号処理手段におけるコマーシャル部分の判別結果に関する情報を、コマーシャル情報記憶手段に記憶するように制御する構成とする。これにより、コマーシャル情報記憶手段を参照し、コマーシャル情報を得ることが可能となる。
【0027】
また、前記制御手段は、前記入力手段に入力された前記第1の信号を複数の部分に分割し、分割されたそれぞれの部分毎に制御する構成とする。これにより、前記第1の記録媒体の容量が少なくても処理が可能となる。
【0028】
また、信号を記録および再生する記録再生装置であって、第3の信号を第3の記録媒体から再生する第3の記録再生手段と、前記第3の記録再生手段で再生された前記第3の信号を第4の記録媒体に記録し、前記第4の記録媒体から前記第3の信号を再生する第4の記録再生手段と、前記第4の記録再生手段で再生された前記第3の信号を出力する出力手段と、信号の処理を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記第3の記録再生手段において前記第3の信号が第5の時刻から第6の時刻にかけて再生されるとき、前記出力手段において前記信号が前記第5の時刻から所定時間遅延し、かつ前記第6の時刻よりも先行した第7の時刻から出力開始されるように制御する構成とする。これにより、出力する時刻を再生した時刻より遅延させることができる。
【0029】
また、前記第5の時刻から前記第7の時刻の間において、第4の信号に所定の処理を施す信号処理手段を備えた構成とする。これにより、遅延させた間に他の処理を行なうことが可能となる。
【0030】
また、前記第4の記録再生手段が単位時間当たりに記録再生可能な情報量は、前記第3の記録再生手段から単位時間当たりに再生される前記第3の信号の情報量よりも大とされてなる構成とする。これにより、第4の記録媒体は記録、再生の処理が可能となる。
【0031】
また、前記制御手段は、前記第7の時刻から前記第6の時刻の間において、前記第4の記録再生手段が、前記第3の記録再生手段から再生された前記第3の信号を記録するとともに、前記第4の記録媒体から記録済の前記第4の信号を再生するように制御する構成とする。
【0032】
また、前記制御手段は、前記第7の時刻から前記第6の時刻の間を複数の時間に分割し、分割された複数の時間毎に、前記第4の記録再生手段が、前記第3の記録再生手段から再生された前記第3の信号を記録するか、または前記第4の記録媒体から記録済の前記第4の信号を再生するように制御する構成とする。これらにより、見かけ上、記録と再生の動作を同時に行なうことが可能となる。
【0033】
また、前記第3の記録媒体は、テープ状をなし、前記第4の記録媒体は、ディスク状、または半導体メモリである構成とする。これにより、第3の記録媒体において大容量の記録ができ、第4の記録媒体においてはアクセス時間の短い処理ができる。
【0034】
また、所定量の信号間をアクセスするときに要するアクセス時間において、前記第4の記録再生手段は、前記第3の記録再生手段に対し、前記アクセス時間が短い構成とする。これにより、第3の記録再生手段よりも第4の記録再生手段の処理をすばやく行なうことができる。例えば、第3の記録媒体がアクセス時間の長いテープ状の記録媒体であっても、アクセス時間が短い第4の記録再生装置によりこの短所が補われ、逆に大容量の記録ができるというテープ状の記録媒体の長所を生かすことができる。
【0035】
また、前記第3の記録再生手段から再生された前記第3の信号は放送番組であって、前記信号処理手段は、前記第3の記録再生手段から再生された前記第3の信号を前記第4の信号として受信し、前記所定の処理として、前記放送番組の中に含まれるコマーシャル部分を判別する構成とする。これにより、前記の遅延させた時間にコマーシャル部分の判別を行なうことができる。
【0036】
また、前記第3の記録再生手段から再生された前記第3の信号が圧縮された圧縮信号であるとき、前記信号処理手段は、前記圧縮信号を伸張した後、コマーシャル部分を判別する構成とする。これにより、実際の時間間隔に対応した伸張後の信号によりコマーシャル部分の判別ができる。
【0037】
また、 前記第3の記録再生手段から再生された前記第3の信号は、圧縮信号であり、前記圧縮信号は所定時間毎に、時間情報であるタイムスタンプ信号を含んでなり、
前記信号処理手段は、前記圧縮信号を、前記タイムスタンプ信号を含むように伸張するとともに、前記タイムスタンプ信号に対応してコマーシャル部分を特定し、
前記制御手段は、前記第4の記録再生手段が圧縮された前記第3の信号を再生するとき、前記信号処理手段における前記タイムスタンプ信号に基づくコマーシャル部分の判別結果を用いて、コマーシャル部分を除外して再生するように前記第4の記録再生手段を制御する構成とする。これにより、コマーシャル部分を除外することができ、圧縮されたデータに対してコマーシャル情報を付加することができる。
【0038】
また、前記放送番組は、映像情報および音声情報を含んでなり、前記信号処理手段は、前記映像情報および/または音声情報が所定の変化を生じる変化点を検出するとともに、前記変化点が発生する時間間隔を用いてコマーシャル部分を判別する構成とする。これにより、映像情報と音声情報の変化点の時間間隔を用いてコマーシャル部分の判別をすることができる。
【0039】
また、前記制御手段は、前記第4の記録再生手段が前記第3の信号を再生するとき、前記信号処理手段におけるコマーシャル部分の判別結果を用いて、コマーシャル部分を除外して再生するように前記第4の記録再生手段を制御する構成とする。これにより、コマーシャル部分を除外した信号を記録媒体に記録することができる。
【0040】
また、前記制御手段は、前記第3の記録再生手段から再生された前記第3の信号を複数の部分に分割し、分割されたそれぞれの部分毎に制御する構成とする。これにより、前記第4の記録媒体の容量が少なくても処理が可能となる。
【0041】
また、少なくとも映像信号を含む入力信号を記録再生する第5の記録媒体と第6の記録媒体を具備し、前記の記録媒体間で入出力信号の伝送が相互に可能であるディジタル記録再生装置であって、前記第5の記録媒体へ前記入力信号を記録しながら、前記第6の記録媒体から再生信号を再生する構成とする。
【0042】
また、少なくとも映像信号を含む入力信号を記録再生する第5の記録媒体と第6の記録媒体を具備し、前記の記録媒体間で入出力信号の伝送が相互に可能であるディジタル記録再生装置であって、前記第6の記録媒体の第1の記録位置へ前記入力信号を記録しながら、前記第5の記録媒体の第1の記録位置から再生した再生信号を第6の記録媒体の第2の記録位置へ記録し、前記第6の記録媒体の第1の記録位置へ記録された前記入力信号を再生して、前記第5の記録媒体の第2の記録位置に記録しながら、前記第5の記録媒体の第2の記録位置を再生する構成とする。これらにより、見かけ上、記録再生装置に記録しながら再生させることができる。
【0043】
また、前記第5の記録媒体と前記第6の記録媒体は、入出力信号速度がそれぞれ異なる構成とする。これにより、異なる入出力信号速度において、上記動作を行なう。
【0044】
また、信号を第5の記録媒体と第6の記録媒体にそれぞれ記録再生する第5の記録再生手段と第6の記録再生手段を備え、前記記録媒体間で相互に入出力信号の伝送が可能であるディジタル記録再生装置であって、前記映像信号、音声信号、情報信号を受信する受信手段と、前記映像信号および音声信号に圧縮処理を施し、圧縮データを得る圧縮データ生成手段と、前記圧縮データを元の映像信号および音声信号に伸張処理する伸張データ生成手段と、前記第5の記録媒体および第6の記録媒体に前記圧縮データを記録再生する手段と、前記第5の記録媒体および第6の記録媒体に前記圧縮データの記録再生を行う手段と、前記第5の記録媒体および前記第6の記録媒体からの再生信号と前記圧縮データ生成手段からの圧縮データとを選択切換するデータ選択手段を備え、前記第5の記録媒体へ前記圧縮データを記録しながら、前記第6の記録媒体を再生する構成とする。これにより、圧縮データの処理が可能となる。
【0045】
また、テレビジョン放送のコマーシャル開始点および終了点を予測するCM予測手段と、該CM予測結果を記憶するCM履歴記憶手段と、前記CM履歴情報に応じて前記第5の記録媒体および前記第6の記録媒体の記録個所および再生箇所を変更する第1の制御手段を備えた構成とする。これにより、コマーシャル部分を除外した再生が可能となる。
【0046】
また、同時に複数のテレビジョン放送を受信するマルチ受信手段と、前記マルチ受信手段が受信した信号をそれぞれ圧縮するマルチ圧縮データ生成手段と、前記マルチ圧縮データ生成手段より得られた、各々圧縮データを前記第5の記録媒体と前記第6の記録媒体へ記録するマルチ記録手段とを備えた構成とする。これにより、複数のテレビジョン放送を記録することが可能となる。
【0047】
また、前記圧縮データ生成手段は、前記映像信号およびまたは前記音声信号に応じて圧縮比率が適応的に変化する可変圧縮手段を備え、前記第5の記録媒体へ所定容量の記録を行った後に前記第5の記録媒体から前記第6の記録媒体へ前記圧縮データを伝送し記録する構成とする。これにより、容量を小さくして効率良くデータの処理ができる。
【0048】
また、前記第5の記録媒体へ記録する圧縮データの伝送速度と異なる圧縮データの伝送速度で前記圧縮データ生成手段から前記圧縮データが生成されたことを検出するデータの伝送速度検出手段と、該検出結果に基づいて、所定容量の前記圧縮データを前記第6の記録媒体へ記録した後、前記第2記録媒体から第5の記録媒体へ前記圧縮データを伝送し記録する構成とする。これにより、効率良く記録媒体に記録することができる。
【0049】
また、前記第5の記録媒体を再生すると同時に、該第5の記録媒体から再生された圧縮データを前記第6の記録媒体へ伝送し記録する手段と、前記第5の記録媒体から過去の映像および音声信号を再生する際において、前記第6の記録媒体から再生する構成とする。これにより、効率的に記録再生ができる。
【0050】
また、時間情報(タイムコード信号)を発生するタイムコード発生手段と、第5の記録媒体と第6の記録媒体にタイムコード信号を記録再生するタイムコード記録再生手段と、前記タイムコード信号に応じて第5の記録媒体および第6の記録媒体の再生位置を制御する手段および、前記再生タイムコード信号に応じて前記データ選択手段を切換する構成とする。これにより、時間情報の管理を行なうことが可能となる。
【0051】
また、前記受信手段により受信された映像信号、音声信号、情報信号(テレビジョン放送)を前記第5の記録媒体へ記録する手段と、前記テレビジョン放送番組の所定部分を前記第6の記録媒体へ記録する手段と、前記第6の記録媒体を再生中に、前記第5の記録媒体の再生準備を行う手段と、前記再生タイムコード信号に応じて第5の記録媒体および第6の記録媒体の再生位置を制御する手段を備え、前記タイムコード信号に応じて前記第5の記録媒体と前記第6の記録媒体からの再生信号を前記データ選択手段により切換えする構成とする。これにより、効率良く、再生位置を制御し、記録再生を行なうことができる。
【0052】
また、前記第6の記録媒体へ記録と同時に前記第6の記録媒体を任意の位置から再生する同時記録再生手段を備える構成とする。これにより、第6の記録媒体において、同時に記録再生を行なう。
【0053】
また、前記第5の記録媒体は、磁気テープまたは磁気ディスクまたは光磁気ディスクまたは相変化型光ディスクまたは半導体メモリであり、前記第6の記録媒体は、磁気テープまたは磁気ディスクまたは光磁気ディスクまたは相変化型光ディスクまたは半導体メモリである構成とする。これにより、複数種類の記録媒体を用いて上記動作を行なうことができる。
【0054】
また、前記第5の記録媒体および前記第6の記録媒体の記録容量が異なる記録媒体である構成とする。これにより、容量が異なる記録媒体において上記動作を行なう。
【0055】
また、前記圧縮データ生成手段および伸張データ生成手段は、MPEG方式に準拠する構成とする。これにより、MPEG方式でデータの圧縮、伸張処理を行なう。
【0056】
また、前記圧縮データ生成手段および伸張データ生成手段は、任意に圧縮率および伸張率を設定変更できる構成とする。これにより、より効率的なデータ処理が可能である。
【発明の効果】
【0057】
以上説明したように、本発明の記録再生装置を用いることにより、磁気テープ等の記録媒体において、記録または再生するとき、HDD等の記録媒体を用いることにより、さらに、他の処理も並行して行なうことができ、使い勝手が向上する。
【0058】
特に、ディジタル記録再生装置を用いることによって、ディジタル記録再生装置へテレビジョン信号を記録しながら、同時に記録済みの番組を再生することができる。
【0059】
さらに、本発明によれば、磁気テープの記録済み番組の頭出しを見かけ上瞬時に行うことができる。
【0060】
さらに、本発明によれば、番組を記録しながら当該記録中の記録済み部分の番組を任意の部分から再生することができる。
【0061】
また、本発明によれば、テレビジョン放送の番組の部分とその途中に挿入されるCM部分とを記録時または再生時に判別し、再生時にCM部分を除外し、番組部分のみを視聴することができる。
【0062】
また、本発明によれば、番組を録画中あるいは予約録画中、当該番組が予定終了時刻より越えて延長放送が成された時においても当該番組と放送時刻がオーバーラップする裏番組を録画あるいは予約録画することができる。
【0063】
また、本発明によれば、HDDをデータバッファとして流用し、所定容量毎にディジタルVTR装置を間欠記録することで、見かけ上ディジタルVTR装置51のデータ記録レートを変更することができ、磁気テープを有効利用することができる。
【0064】
また、本発明は、磁気テープの代わりに、磁気ディスクまたは光磁気ディスクまたは相変化型光ディスクまたは半導体メモリを用い、HDDの代わりに磁気ディスクまたは光磁気ディスクまたは相変化型光ディスクまたは半導体メモリを用いた場合においても上記同様の効果が得られる。
【0065】
また、本発明は、VTRなどの媒体上に信号を連続して記録する記録媒体の同一の記録媒体上の異なる個所に同時に複数の入力信号を記録することできる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるディジタル記録再生装置の構成を示すブロック図
【図2】HDDと磁気テープの動作状況を示す図
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるデータの転送状態を説明する図
【図4】HDDバッファ容量計算結果を示す図
【図5】本発明の第2の実施の形態におけるディジタル記録再生装置の構成を示すブロック図
【図6】CMカット動作を示す図
【図7】本発明の第5の実施の形態におけるディジタル記録再生装置の構成を示すブロック図
【図8】本発明の第5の実施の形態の変形例のデータの転送状態を説明する図
【図9】本発明の第6の実施の形態におけるディジタル記録再生装置の構成を示すブロック図
【図10】本発明の第3の実施の形態におけるディジタル記録再生装置の構成を示すブロック図
【図11】CM除外のイメージ図
【図12】CM除外のイメージ図
【図13】本発明の第3の実施の形態におけるディジタル記録再生装置の構成を示すブロック図
【図14】本発明の第2の実施の形態におけるディジタル記録再生装置の構成を示すブロック図
【図15】本発明の第3の実施の形態におけるディジタル記録再生装置の構成を示すブロック図
【図16】本発明の第3の実施の形態におけるディジタル記録再生装置の構成を示すブロック図
【図17】本発明の第2の実施の形態におけるディジタル記録再生装置の構成を示すブロック図
【図18】ディジタル信号の再生時の転送状態を説明する図
【図19】本発明の第2の実施の形態におけるディジタル記録再生装置の構成を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0067】
本発明にかかるディジタル記録再生装置の構成および映像信号、音声信号の処理について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0068】
以下の説明では、ディジタル記録再生装置の動作を説明するために、第1の記録媒体として磁気テープを、第2の記録媒体としてハードディスク(以下HDD)を例にとって説明する。なお、本発明を実施するに当たっては、第1の記録媒体が、磁気ディスクまたは光磁気ディスクまたは相変化型光ディスクまたは半導体メモリであってよく、同様に、第2の記録媒体が、磁気ディスクまたは光磁気ディスクまたは相変化型光ディスクまたは半導体メモリであってもよい。
【実施例1】
【0069】
第1図を用いて、本発明の第1の実施の形態にかかるディジタル記録再生装置の構成および信号処理を説明する。第1図は、第1の実施の形態にかかるディジタル記録再生装置の構成を示したブロック図である。
【0070】
ディジタル記録再生装置1は、アナログテレビジョン放送を受信し、受信した信号をディジタル信号に変換し、ディジタルデータを圧縮してディジタル圧縮データを出力する受信・圧縮処理部3と、ディジタル圧縮データを記録し再生する記録・再生部5と、ディジタル圧縮データを伸長してアナログ信号に戻す伸長・再生処理部7と、各処理部の間のディジタル圧縮データの転送と記録・再生部5を制御する制御部9とから構成される。
【0071】
受信・圧縮処理部3は、アナログ受信機31と、VB1デコーダ32と、映像用アナログ−ディジタル変換器(以下、映像ADCという)33と、音声用アナログ−ディジタル変換器(以下、音声ADCという)34と、ビデオデコーダ35と、データ圧縮装置36とを有している。
【0072】
記録・再生部5は、第1の記録再生手段であるディジタルVTR記録再生装置51と、第2の記録再生手段であるハードディスク記録再生装置52と、第1の記録再生装置への記録処理を実行する第1のディジタル記録処理部53と、第1の記録再生装置からの再生処理を実行する第1のディジタル再生処理部54と、第2の記録再生装置への記録処理を実行する第2のディジタル記録処理部55と、第2の記録再生装置からの再生処理を実行する第2のディジタル再生処理部56とを有している。さらに、記録・再生部5は、ディジタル信号の経路を切り替える3個のスイッチ回路57,58,59を有している。
【0073】
伸長・再生処理部7は、データ伸長装置71と、ビデオエンコーダ72と、音声用ディジタル−アナログ変換器(以下、音声DACという)73と、映像用ディジタル−アナログ変換器(以下、映像DACという)74とを有している。
【0074】
制御部9は、マイコンを用いて構成される制御器91と、表示パネル92と、操作パネル93を有して構成される。
【0075】
受信・圧縮処理部3のアナログ受信機31は、アンテナ10で受信したアナログテレビジョン放送の所望のチャンネルを選択的に受信し、アナログの映像信号およびアナログの音声信号を出力する。
【0076】
VBIデコーダ32は、映像信号の垂直帰線期間に多重されている情報信号をデコード処理する。該情報信号には、例えば、文字情報、字幕情報、ニュース情報等が含まれている。
【0077】
映像ADC33は、アナログの映像信号をディジタルの映像信号に変換する。
【0078】
音声ADC34は、アナログの音声信号をディジタルの音声信号に変換する。
【0079】
ビデオデコーダ35は、ディジタル映像信号をITU−R BT.601(国際電気通信連合無線通信センタ)準拠のディジタルデータに変換する。
【0080】
データ圧縮装置36は、例えば、ディジタル映像信号をMPEG2(Moving Picture Experts Group 2)で高効率符号化して映像ディジタル圧縮データを生成するとともに、音声ディジタル信号およびデコードした情報信号を映像ディジタル圧縮データに重畳する。
【0081】
この映像ディジタル圧縮データは、スイッチ回路57のE接点を介してディジタル記録処理部53へ、直接ディジタル記録処理部55へ、スイッチ回路59の接点EEへを介してデータ伸長装置71へ送出される。
【0082】
記録・再生部5の、第1の記録再生手段51にはディジタルVTR記録再生装置(以下、ディジタルVTR装置という)を用い、第2の記録再生手段52にはハードディスク記録再生装置(以下、HDD装置という)を用いた。
【0083】
ディジタル記録処理部53およびディジタル記録処理部55は、ほぼ同様な機能を有しており、ディジタル記録処理部53,55には、それぞれバッファ、エラー訂正符号のエンコード回路、フレーム化回路、およびチャンネル変調回路等が含まれ、映像ディジタル圧縮データに対して、エラー訂正符号のエンコード処理およびフレーム化処理ならびにチャンネル変調処理を施す。
【0084】
ディジタル記録処理部53には、データ圧縮装置36からの映像ディジタル圧縮データがスイッチ回路57のE接点を介して、ディジタル再生処理部56からの映像ディジタル圧縮データがF接点を介して入力される。
【0085】
ディジタル記録処理部53の出力信号は、ディジタルVTR装置51に供給されて磁気テープに記録される。ここで、磁気テープには、映像ディジタル圧縮データの他に、前記情報信号や制御器91内で発生されるタイムコード信号が記録される。
【0086】
同様に、ディジタル記録処理部55には、データ圧縮装置36からの映像ディジタル圧縮データが直接、ディジタル再生処理部54からの映像ディジタル圧縮データがスイッチ回路58のB接点を介して入力される。
【0087】
ディジタル記録処理部55の出力信号は、HDD装置52に供給されてハードディスクに記録される。HDDには、ディジタルVTR装置51と同様に、映像ディジタル圧縮データの他に、前記情報信号や制御器22内で発生されるタイムコード信号が記録される。
【0088】
ディジタル再生処理部54とディジタル再生処理部56は、ほぼ同様な機能を有しており、ディジタル再生処理部54,56は、チャンネル復調回路、エラー訂正符号のデコード回路、およびフレーム分解回路を有しており、再生信号に対して、チャンネル復調処理およびエラー訂正符号のデコード処理ならびにフレーム分解処理を施す。
【0089】
ディジタル再生処理部54の出力は、スイッチ回路58のA接点を介してスイッチ回路59のTape接点へ、B接点を介してディジタル記録処理部55へ出力される。
【0090】
ディジタル再生処理部56の出力は、スイッチ回路57のF接点を介してディジタル記録処理部53と、スイッチ回路59のHDD接点へ出力される。
【0091】
伸長・再生部7の、データ伸長装置71は、データ圧縮装置36またはディジタル再生処理部54もしくはディジタル再生処理部56から送られてきた映像ディジタル圧縮データを、例えばMPEG2の伸張処理によりITU−R BT.601(国際電気通信連合無線通信センタ)準拠のディジタル映像データおよびディジタル音声データに伸張処理し、ビデオエンコーダ72および音声DAC73へ送出する。
【0092】
ビデオエンコーダ72は、伸長されたディジタル映像データをディジタル映像信号に変換し、映像DAC74に送出する。
【0093】
映像DAC74は、ディジタル映像信号をアナログ映像信号に変換し、映像出力端子76に出力する。
【0094】
音声DAC73では、伸張されたディジタル音声データをアナログの音声信号に変換して音声出力端子75へ出力する。
【0095】
制御器91は、スイッチ回路57、スイッチ回路58、スイッチ回路59の切換を制御するとともに、デジタルVTR装置51およびHDD装置52の駆動系の制御を行う。さらに、この制御器91には、操作パネル93および表示パネル92が接続される。
【0096】
以下、この実施の形態にかかるディジタル記録再生装置を用いて、番組をディジタルVTR記録再生装置51で記録動作中に前回記録済みの番組をディジタルVTR記録再生装置51から同時に再生して視聴する態様である、番組記録中の別番組同時再生動作について、第2図および第3図を用いて説明する。
【0097】
第2図は、ディジタルVTR記録再生装置51に搭載した一巻の磁気テープ511において、番組を記録した記録済み番組領域511aと未記録領域(これから記録する領域)511bとの関係を示す図である。
【0098】
第3図は、この実施の形態にかかるデータの転送例を示す図である。
【0099】
ここで、アクセス時間Taは、テープ上の現在の再生位置から未記領域の先頭位置までテープを早送りするとき(記録位置づけ)に必要な最大の時間、または、現在の記録位置からテープ上の再生再開位置まで巻き戻すとき(再生位置づけ)に必要な最大の時間をいい、この例では、90秒とする。
【0100】
また、映像・音声圧縮データレートは、磁気テープの記録再生データレートよりも低いと仮定する。すなわち、受信・圧縮処理部(TV受信機)3のデータ圧縮装置36の映像・音声圧縮データレートと、伸長・再生処理部7のデータ伸長装置71の映像・音声伸長データレートをそれぞれ4Mbpsとし、磁気テープ511およびHDD装置52の記録再生データレートを12Mbpsとする。
【0101】
上記磁気テープ511の記録済み番組領域511aを再生しながら、未記録領域511bへ再生と同時に記録する動作は、大容量のHDD装置52をバッファとして見かけ上記録と再生動作の並列処理を行うものである。HDD装置52は時分割で記録と再生動作を行っている。これは、所定時間を複数の時間に分割し、記録動作、または、再生動作を分けて行なうことである。ディジタル記録処理部55およびディジタル再生処理部56に内蔵するバッファメモリを介することによって、上記記録動作と再生動作の並列処理をエミュレートしている。以下の実施の形態でもHDD装置52は同様の動作をする。HDD装置52は磁気テープに比べてアクセス速度が高速であり、バッファには十分対応可能である。
【0102】
なお、ここでは説明のためHDD装置52を例に説明するが、光ディスク、光磁気ディスク等のディスク状記録媒体あるいは半導体メモリ等のランダムアクセスに適した記録媒体であればHDD装置52装置以外の別手段を用いても良い。
【0103】
ここで、磁気テープの最大位置づけ時間、すなわち、既に記録した番組を再生しているテープの位置から番組の記録を開始する未記録領域までテープを早送りするに必要な時間または、記録位置から番組再生位置までテープを巻き戻すに必要な時間を、例えば90秒と仮定する。ここでは、説明のために、磁気テープの記録再生データレートを12Mbps、映像・音声圧縮データレートを4Mbpsとする。
【0104】
まず、磁気テープを再生するために、再生開始場所に位置付けを行う。この位置づけには最大90秒あればよい。磁気テープを位置付けしている期間は、テレビジョン受信機3からの映像・音声信号を基に生成したディジタル圧縮データ(ここでは、記録データという)をHDD装置52へ記録する。この記録は、最低4Mbpsのデータレートで行えばよい。
【0105】
次に、スイッチ回路58を接点Bへ切り替え、磁気テープを所定量(例えば3分間)再生した所定量(270Mbyte)のデータ(ここでは、再生データという)を転送してHDD装置52へ記録する。この転送を、最低12Mbpsのデータレートで行えば、3分間で転送することができる。
【0106】
このとき、前記テレビジョン受信機3からの映像・音声信号を基に生成したディジタル圧縮データをHDD装置52へ記録する動作は引き続き並行処理される。
【0107】
さらに、HDD装置52に記録された再生データを読み出し、データ伸長装置へ転送し、再生映像および音声信号を視聴可能とする。この転送は、最低4Mbpsのデータレートで行えばよい。
【0108】
磁気テープ511からHDD装置52へ所定容量(270Mbyte)の再生データの記録を終了すると、磁気テープ511は、未記録領域511bの所定位置へ位置づけを行う。
【0109】
この間も、記録データをHDD装置52へ記録する動作、および再生データをHDD装置52から読み出す動作は、引き続き並行処理される。
【0110】
次に、スイッチ回路59を接点HDD装置52に、スイッチ回路57の接点をFに切り替え、HDD装置52から磁気テープ511の記録領域511bへ記録データを転送して所定容量(270Mbyte)の複写を行う。
【0111】
上記のように高いデータレートで磁気テープに転送を行なえば短時間で転送が済み前後に多くの時間をあてることができる。
【0112】
この複写と並行して、先ほどHDD装置52に格納した再生データを出力し、再生映像および音声信号を視聴可能とするとともに、テレビジョン受信機3からの記録データをHDD装置52へ記録する動作を、引き続き並行処理する。
【0113】
これらの処理ではHDD装置52が見かけ上同時に記録再生を行なうように振る舞うが、ディジタル圧縮データの記録と再生を短い周期で繰り返せばよい。また、HDD装置52に複数のヘッドを設けてもよい。
【0114】
以上の一連の動作を繰り返すことによって、見かけ上テレビジョン信号を記録しながら、同時に記録済みの番組を再生することが本発明の実施形態のディジタル記録再生装置1台で実現できる。
【0115】
上記一連の動作を短い周期で繰り返すことにより、HDD装置の使用されるべき容量を小さくすることができる。
【0116】
第4図を用いて、HDD装置をバッファとして用いる場合の、映像・音声圧縮データレートとHDD装置52の容量の計算結果説明する。
【0117】
第4図は、映像・音声圧縮データレート(Mbps)を横軸に、HDD装置52のバッファとして必要とするHDD装置52容量(Mbyte)を縦軸に示す。上記条件下では、バッファとして必要とされるHDD装置52容量は270Mbyte程度であり、安価に実現可能であることがわかる。
【0118】
また、記録・再生部に容量の大きなシリアルアクセスの記録再生装置(VTR)と高速にアクセスできるランダムアクセス可能な記録再生装置(HDD)を備えた同じ機能ブロック構成を有するディジタル記録再生装置を用いて、見かけ上磁気テープ511の記録済み番組の頭出しを瞬時に行うように動作させることこともできる。
【0119】
この動作は、番組を記録する際に磁気テープ511とHDD装置52へ同一内容の記録を行う。このとき、HDD装置52には、前記番組の先頭から所定期間のデータのみを記録する。
【0120】
再生動作は、HDD装置52からディジタル圧縮データを再生し、上記番組の即時再生を行う。その期間、磁気テープ511は当該番組の頭出しを行う。この頭出しは、前記HDD装置52の現在の再生位置よりも所定時間後を目標として位置付けを行う。
【0121】
この位置付けを終了すると、磁気テープ511を再生状態にし、現在のHDD装置52と磁気テープ511再生のディジタル圧縮データの時間軸の同期を磁気テープ511の速度を変化させて一致させる(以下、調相動作という)。調相動作が完了すると、スイッチ回路59を接点HDDからTapeへ切り替え、ディジタル圧縮データの再生をHDD装置52から磁気テープ511に切り換える。以降は磁気テープ511からの再生を視聴する。
【0122】
上記調相動作は、HDD装置52および磁気テープ511へ記録されているタイムコードを基に、両者のタイムコードが一致するように磁気テープ511の再生位置をずらすことにより実現できる。
【0123】
さらに、この実施の形態にかかるディジタル記録再生装置と同じ機能ブロック構成を有するディジタル記録再生装置を用いて、記録中の番組の記録を継続しながら当該記録されている番組を最初から再生することもできる。
【0124】
本機能は、ユーザにとって大変必要とされている機能である。例えば、午後9:00から午後9:54までの番組を予約録画設定しておき、ユーザが午後9:20に帰宅しても上記予約録画を停止あるいは終了することなくユーザは当該番組を最初(午後9:00から)から視聴することができる機能である。この動作を第1図および第2図を用いて説明する。
【0125】
予約録画の設定は操作パネル93および表示パネル92を用いてユーザは希望する番組のチャンネルと開始時刻と終了時刻を登録する。
【0126】
設定時刻がくると、ディジタルVTR装置51は、磁気テープ511上に当該番組の映像・音声信号のディジタル圧縮データの記録を開始する。
【0127】
同時に、HDD装置52は、上記と同一のディジタル圧縮データを記録する。
【0128】
このとき、スイッチ回路57は接点E、スイッチ回路57は接点A、スイッチ回路59は接点HDDに切り替えられている。
【0129】
番組を録画期間中に当該番組を最初から視聴する場合、HDD装置52より前記ディジタル圧縮データを再生し、ディジタル圧縮データをデコード処理することで元の映像・音声信号を得る。上記HDD装置52から再生処理されている間においてもディジタルVTR装置51は、当該番組の記録を継続している。
【0130】
HDD装置52から再生される圧縮データのタイムコード値が現在ディジタルVTR装置51へ記録しているディジタル圧縮データのタイムコード以上となる場合は、スイッチ回路59を接点EEに切り替え、放送中の番組をリアルタイムで視聴する状態にする。
【0131】
したがって、ユーザは、当該番組が記録された時刻以前の番組を、過去再生、可変速再生、リトライ再生を行うことによって自由に視聴することができる。
【0132】
以上、本発明の第1の実施の形態によれば、ディジタル記録再生装置の記録媒体にテレビジョン信号を記録しながら、同時に同一の記録媒体に記録済みの番組を再生することができる。
【0133】
さらに、磁気テープ511の記録済み番組の頭出しを見かけ上瞬時に行うことができる。さらに、番組を記録しながら当該記録中の記録済み部分の番組を任意の部分から再生することができる。
【0134】
以上、本発明の第1の実施の形態によれば、ディジタル記録再生装置の記録媒体にテレビジョン信号を記録しながら、同時に同一の記録媒体に記録済み部分の番組を再生することができる。
【0135】
さらに、磁気テープ511の記録済み番組の頭出しをみかけ上瞬時に行なうことができる。さらに、番組を記録しながら当該記録中の記録済み部分の番組を任意の部分から再生することができる。
【0136】
なお、第1の実施の形態では、圧縮および伸張手段をMPEG2を例に説明したが、圧縮および伸張手段としてその他の圧縮手段を用いて構成しても良い。
【実施例2】
【0137】
次に、本発明の第2の実施形態におけるディジタル記録再生装置について説明する。
【0138】
本発明の第2の実施の形態は、テレビジョン放送の番組の部分とその途中に挿入されるコマーシャル(以下、CMという)部分とを記録時または再生時に判別し、再生時にCM部分のみを除外(見かけ上瞬時にカット、早見再生、あるいは、早送り)して、番組部分を視聴できるようにした形態である。
【0139】
まず、番組とCMとの判別方法について以下に説明する。現在、番組とCMとを判別する方式として多種多様な判別方式がある。ここでは、例として音声モードによって判別する方式と、映像信号および音声信号から判別する方式について説明する。なお、番組/CM判別手段は、これらの上記説明した手段に限定されず、他の判別手段を用いることができる。
【0140】
音声モードによる判別方式は、テレビジョン受信信号の音声信号が、2カ国語放送の信号であるか、モノラル放送の信号であるか、ステレオ放送の信号であるかによって、番組であるかCMであるかを判別する。すなわち、テレビジョン放送は、モノラル音声あるいは2カ国語放送によって番組を放送する場合が多く、CMをステレオ音声によって放送している。したがって、音声信号の音声モードがステレオである部分がCMに相当する場合が多い。しかし、最近のテレビジョン放送では、ステレオ音声による番組が増え、上記方式によるCM認識率が低下してきた。
【0141】
そこで、音声モードによる判別方式によらないで、音声信号と映像信号と時間管理手段を用いてCMを判別する手段がある。
【0142】
CMの開始および終了時には必ず100msec以上の無音部分が存在し、且つ、映像信号もCMの開始および終了時に必ずシーンチェンジのために映像信号のレベルが急激に変化する。
【0143】
したがって、音声信号が無音となる部分で且つ映像信号が急瞬なレベル変化を示す部分を、CMの開始点あるいは終了点の候補としてCM期間を判断することが考えられる。
【0144】
しかしながら、この判別方法だけでは、番組中に上記と同様な音声信号状態および映像信号状態が発生する可能性があり、判別を誤るおそれがある。
【0145】
そこで、上記のCMの開始・終了点候補による判別方式に、さらに、時間条件を付加して番組/CM判別を行うことが考えられる。すなわち、番組に挿入されるCMは、多くの場合複数のCMで構成され、その時間は所定時間(例えば15秒の倍数)で管理されている。
【0146】
したがって、上記CMの開始点あるいは終了点の候補点が所定時間(例えば15秒もしくはその整数倍)間隔で複数回連続して、または、定時間以上連続して発生したならば、その間はCMと判別することができる。
【0147】
上記方法で判別されたCM部分は以下のような再生方法によりCM部分を除外(カット、早見再生、または、早送り)して再生がなされる。
【0148】
第11図、第12図に上記CM部分の除外再生動作のイメージ図を示す。第11図は、テープ上に番組A、番組B、番組Cが、番組Aと番組Bの間にCMが4つ、番組Bと番組Cの間にCMが2つ記録されている。前記HDD装置はCM部分をジャンプ読み出しし、テープ上に記録する。再生時はテープ上には、もはやCM部分の記録はなく、番組A、番組B、番組Cが連続して再生される(第11図)。あるいは、テープ上にはCM部分も含めて記録をして、再生時には上記HDD装置でバッファリングし、上記方法で判断されたCM情報をもとに、瞬時にCM部分を除外(カット、早見再生、または、早送り)をする(第12図)ことにより、番組A、番組B、番組Cがあたかも連続して再生される。あるいはCMだけを高速再生するように動作が行われる。
【0149】
以下に上記のCM判別方法を用いたディジタル記録再生装置の例を示す。先ず、第1の例として、第5図および第6図を用いて説明する。第5図は、ディジタル記録再生装置の構成を示したブロック図であり、第1の実施の形態と同一部分は同一の符号を付け、それらの詳細な説明は省略する。第6図は、CMカット機能の構成と動作の態様を説明する図である。
【0150】
この例におけるディジタル記録再生装置1は、第1の実施の形態に示した装置に比較して、受信した放送の内容が番組かCMかを判断するCM期間判別機能を付加した点、および、記録・再生部5の2個のディジタル再生処理手段54,56を1個のディジタル再生処理手段56で共用した点、ならびに、ディジタル再生装置56への信号を選択するスイッチ回路60を設けた点で相違している。
【0151】
上記CM期間判別機能を達成するCM期間判別手段8は、CM予測手段81と、時間管理手段82と、CM履歴メモリ83とを有して構成される。
【0152】
第6図に示すように、CM予測手段81は、フィールド間シーンチェンジ検出手段811と、無音声検出器812と、CM判別部813と、CMインターバル検出器814とから構成される。
【0153】
フィールド間シーンチェンジ検出手段811は、映像信号を監視し、フィールド間の映像信号レベル(例えば輝度信号)の違いを検出し、所定値以上の映像信号レベルの変化を検出した場合はシーンチェンジと判定し、シーンチェンジ判定信号を出力する。
【0154】
無音声検出器812は、音声信号に所定期間以上の無音声期間を検出すると無音声期間検出信号を出力する。
【0155】
CM判別部813は、映像のシーンチェンジ判定信号と無音声期間検出信号のANDを検出すると、CMの開始点あるいは終了点の候補点である信号を出力する。
【0156】
CMインターバル検出器814は、CM判別部から出力されるCMの開始点あるいは終了点の候補点である信号の放送時間間隔(例えば15秒間隔)を監視し、該信号の時間間隔がCM放送時間間隔であり、複数回連続しているときに、出力信号をCMの開始点または終了点検出信号と判定する。
【0157】
CM予測手段81において、TV受信機3から出力される映像信号および音声信号、ならびに時間管理装置82から出力される時間情報を用いて、CMの開始点および終了点を予測する。
【0158】
予測したCMの開始点情報および終了点情報は、磁気テープに記録されるタイムシグナルと関連付けられてCM履歴メモリ83に記録される。
【0159】
次に、CMを見かけ上カットする番組記録動作について、第6図を用いて説明する。
【0160】
第6図において、テレビジョン受信機3から供給される映像信号および音声信号は入力端子85から入力される。説明を簡易的にするために、第6図では、入力端子を1系統で表している。
【0161】
スイッチ制御器84は、CM履歴メモリ83に記述された番組とCMとの時間的な関係、すなわち第6図の磁気テープ511に記録された記録データとテープ上の位置を示すタイムテーブルに基づいて動作する。タイムテーブルには、磁気テープ511に記録された番組とCMの時間的な関係が記載されている。
【0162】
磁気テープ511には、番組A、CM、番組B、CM、番組Cのように受信した全ての内容(記録データ)がテープの始端から順に記録される。
【0163】
一方、HDD装置53には、上記タイムテーブルに従って磁気テープ511と同様に記録データが記録される。
【0164】
HDD装置53は、CM予測手段81がCMの開始点およびCMの終了点を検出したとき、タイムテーブルに記述されたCM期間とこのCM期間の前後の所定期間(Tb)の番組の記録(以下、HDDバッファ記録という)を記録完了状態とし、他の記録を記録未完了として、引き続き記録データを記録する。
【0165】
このTb期間は、磁気テープ上のCM記録領域を高速テープ送りする期間に相当する時間が設定され、その設定時間は当該磁気テープ上のCM記録領域に応じて適応的に変化するように割り当てられる。
【0166】
タイムテーブルのHDDバッファ記録A期間とHDDバッファ記録B期間がHDD装置53へ記録完了される。
【0167】
HDD装置53は、上記記録完了状態としないHDD記録領域(記録未完了領域)を、キャッシュ領域として使用し、順次繰り返し上書き記録を行うように動作する。
【0168】
次に、見かけ上CMカットした磁気テープの再生方法について第6図を用いて説明をする。なお、第6図のタイムテーブルを今度は磁気テープと置き換えて、以下説明をする。
【0169】
まず、磁気テープ511をテープ始端に位置づけを行い番組Aを再生する。磁気テープ上のHDDバッファ記録Aに再生がかかると、スイッチ回路60の接点をPLからBFに切り替え、磁気テープ511に代わりHDD装置53からのHDDバッファ記録Aの再生信号に切り換える。
【0170】
HDD装置53は、HDDバッファ記録Aの前後Tb領域を再生し、CM記録領域を飛ばして再生を行う。HDD装置53は、アクセス速度が早くランダムアクセスが可能であることから上記動作が可能となる。
【0171】
HDD装置53がHDDバッファ記録Aの再生動作(2Tb期間を再生)行っている間、ディジタルVTR装置51は、磁気テープ511を高速送り動作して番組Bの頭出し(番組Bの頭からTa期間進んだ位置)を行い、HDD装置53からのHDDバッファ記録Aの再生動作終了を待つ。
【0172】
HDDバッファ記録Aの再生動作を終了すると、磁気テープから番組Bの再生信号に切り換えて再生動作を行う。
【0173】
このようにCM期間を除いて再生することによって、ユーザは見かけ上CMをカットした番組A,B,Cを視聴できる。
【0174】
上記再生信号の切換動作は、スイッチ回路60とスイッチ制御器84によって実行される。
【0175】
上記の再生方法では、CM部分と予測されるデータ、例えば第6図のHDDバッファ記録A部分、HDDバッファ記録B部分をHDDへ記録を行い、テープとHDDとの再生信号を切換えて出力を行う方式を説明したが、別の方式を用いて構成してもよい。例えば、HDD52から実時間速度にてデータの読み出しを行い、VTR装置51から読み出すデータ速度は、前記実時間読み出し速度より高く設定すると仮定する。前記VTR装置51から読み出されたデータは、HDD52へ一旦記録され、前記HDD52は、前記VTR装置51から先読みされたデータが、すくなくとも所定時間分逐次蓄積されている状態にある。
【0176】
前記HDD52に蓄積されたデータを順次実時間再生を行うように制御が行われ、前記CMと予測された部分は、HDD52の読み取り位置を変更することによりCMはカット再生することができる。また、前記CMと予測された部分の再生読み出し速度を高く設定することにより、CM部分を高速に再生することができる。
【0177】
上記の例では記録時に判別されたCM部分の情報が記憶されたCM履歴メモリ83を参照し、再生時にHDD装置を用いてCM部分をカットして再生する。見かけ上は全くCM部分を見ることがなかったり、また、CM部分を高速に再生することにより、番組部分を連続して見ることができるので、使い勝手が非常に良い。
【0178】
次に、上記CM判別方法を用いたディジタル記録再生装置の第2の例を説明する。上記第1の例は番組の記録時にCM履歴メモリに記録された番組とCM履歴情報をもとに、再生時に、CM部分のカット、早見再生、あるいは、早送りを行なったが、次に示す第2の例では、テレビジョン放送の番組の部分とCM部分を再生時に判別し、該再生時にCM部分をカット再生、早見再生、あるいは早送りする実施の形態について第17図、第18図および第19図を用いて以下動作の説明を行う。この例では必ずしも常にCM履歴メモリやHDD装置等の記録媒体にCM履歴情報を記憶しておく必要はない。
【0179】
第18図を用いて、第2の例のイメージを示す。CMを含んだ圧縮AVディジタル信号がVTR装置からHDD装置へ転送されバッファリングされる。この間(有効利用期間−a)、図示しない別の経路にて前記圧縮AVディジタル信号の伸張処埋が行なわれ、伸張された信号を用いてCM判別を行なう。ここで得られたCM履歴情報を、HDD装置からデータ伸張処理出力−aをするとき、または、伸張AVディジタル信号を外部に出力するときに参照することで、CMをカット、早見再生、または、早送りすることが可能となる。上記の動作を繰り返すこと(データ伸張処理出力−b)で長時間の再生にも対応できる。
【0180】
以下上記動作を行うための構成図を示し以下動作説明を行う。第17図において、第1図と同一機能ブロックについての説明は省略する。
【0181】
テープ上に記録された番組の再生において、常時HDD装置52は、テープ上のデータをバッファリングしながら記録と再生の並列動作がなされている。バッファリングにより、HDD装置52から再生されたディジタルAV信号は、ディジタル再生処理56を経由した後、スイッチ回路59へ出力される。スイッチ回路59は接点HDD側に切り替わり、データ伸張装置71により前記ディジタルAV信号は伸張処理が行われ、該伸張されたディジタルAV信号は映像・音声分離部206へ入力される。映像・音声分離部206において、ディジタル映像信号とディジタル音声信号が分離されそれぞれ、映像出力処理部210、音声出力処理部207に入力される。映像出力部210および音声出力部207により、元の映像信号と音声信号に復元処理が行われ、夫々の信号はCM予測部208へ入力される。CM予測部208および時間管理部209の動作は、第1の例と同様な処理が行われ、CM開始点およびCM終了点の予測が行われる。
【0182】
一方、データ伸張装置71から出力される伸張されたディジタルAV信号は、再度ディジタル記録処理55へ入力されてHDD装置52へディジタル記録される。
【0183】
前記伸張後のディジタルAV信号は、CM判別を行うために所定時間分、例えば少なくとも実時間60秒以上分の前記ディジタルAV信号の記録が常時行われる。
【0184】
前記映像・音声分離部206へ入力されるディジタルAV信号の読み出し速度は、同第17図203の映像・音声分離部へ入力されるディジタルAV信号よりも速く読み出しが設定されてあって、常時先読み動作を行っている。これは、再生時にCM部分を前もって予測を行うためであって、例えば少なくとも実時間において60秒以上に相当するディジタルAV信号の先読み動作がなされている。前記先読み再生動作において、CM予測部208がCM開始点およびまたはCM終了点を認識を行い、該認識信号は制御マイコン91に入力され、HDD装置52に対して前記伸張後のディジタルAV信号に対してCM部分をジャンプ再生或いは、CM部分の高速再生を行うように制御される。ディジタル再生処理56から出力された伸張後のディジタルAV信号は、映像・音声分離部203へ入力され、ディジタル映像信号とディジタル音声信号とに分離し、それぞれ映像出力処理部210、音声出力処理部207に入力される。映像出力処理部210および音声出力処理部207により、元のアナログ映像信号と音声信号に復元処理が行われ、映像出力端子76および音声出力端子75から出力される。
【0185】
第19図においては、圧縮ディジタルAV信号において、CM部分を除外して再生を行なう例を示す。再生された圧縮ディジタルAV信号はデータ伸張装置71−bによりデータ伸張される。この伸張されたデータに基づきCM予測を行なうことは上記と同様である。圧縮されたディジタルデータは1フレーム毎に時間を認識するためにタイムスタンプ信号が付加されている。この例では時間軸管理部250においてHDD装置52に記録されている圧縮ディジタルデータのタイムスタンプ信号と対応をとりつつ、圧縮ディジタルデータを伸張し、CM部分がCM予測部208により予測される。
【0186】
これにより、圧縮ディジタルデータと伸張後の時間軸を同次元に扱うことができ、タイムスタンプ信号にCM情報を対応させた情報を制御器91に送ることができる。従って、圧縮ディジタルデータが記録されているHDD装置52において、タイムスタンプ情報だけを高速に認識することで、HDD装置52にバッファリングされた圧縮データのCM部分をカットして再生するように制御することが可能となる。これは圧縮データのタイムコードを読み取ることで、CM位置を特定することが可能となる。上記の動作により再生された圧縮ディジタルデータはCM部分がカットされており、データ伸張装置71−bで伸張処理をして外部映像/音声分離部203を経由し出力される。この例ではHDD装置52においてバッファリングされるデータは圧縮ディジタルAVデータであるので、HDD装置52の負担が軽くなるという利点がある。
【0187】
上記第2の例では、再生時にCM部分の判別を行なうため、なんらCM部分の判別が行われていなかった記録媒体や、他の記録再生装置で番組を記録した記録媒体についても、CM部分をカット、早見再生、早送りすることができる利点がある。
【0188】
次に、上記CM判別方法を用いた第3の例を第14図を用いて説明する。第3の例は、上記第2の例と同様にCM履歴メモリ等のCM履歴情報だけを常に記憶させておくためのメモリを必要としないものであるが、CM部分の判別を番組記録時に行なう点で上記第2の例とは異なっている。
【0189】
以下上記動作を行うための構成図を示し動作説明を行う。第14図において、第1図と同一機能ブロックについての説明は省略する。
【0190】
記録時において、第14図の記録再生装置は、データ圧縮装置36から出力されたディジタルAV信号を、ディジタル記録処理部55を介してHDD装置52へ所定時間分のバッファリング記録を行う動作と並行し、ディジタル再生処理部56により前記HDD装置52から前記バッファリングされたディジタルAV信号の再生を行う。ディジタル再生処理部56から出力されたディジタルAV信号は、ディジタル記録処理53を介してVTR装置51にて磁気テープに記録される。
【0191】
該磁気テープに記録されているディジタルAV信号は、データ圧縮装置36から出力されているディジタルAV信号に対して、上記バッファリングする時間分の遅延関係にて記録されている。また前記バッファリング量は、制御器91により任意に設定することができ、上記遅延関係を自由に設定することができる。
【0192】
一方、CM予測部81は、前記実施例同様に、映像のシーン切換え検出および音声の無音検出、CM放送期間の時間検出を行い、CM開始点およびCM終了点予測情報を制御器91に出力する。制御器91は、VTR装置51に対して、前記CM予測情報に従い、当該CM開始点およびCM終了点のを示すインデックス信号を磁気テープに記録を行うように動作する。上記インデックス信号は、テープ長手方向に対して記録或いはテープ上所定部分に記録を行ってもよい。また、制御器91はCM開始点およびCM終了点予測情報に従いCM部分をカットしたAV信号を磁気テープに記録してもよい。また、図示しないが圧縮ディジタル信号の位置情報(タイムスタンプ信号)の処理は上記第2の例での処理と同様に時間軸管理部を設けて行っても良い。
【0193】
また、上記実施例は、磁気テープを対象に動作の説明を行ったが、ディスク状記録媒体、例えば光磁気ディスク、相変化型光ディスクなどにおいても、記録時にCM開始点、終了点予測情報を記録してもよい。
【0194】
上記の例では、記録時にCM部分の判別を行い、その結果をCM部分を削除して、記録媒体に記録する。また、CM部分の開始点および終了点を記録媒体上にマーキングする。以上により、記録再生装置にはCM履歴情報を常に記憶しておくメモリは必要とされない。また、他の記録再生装置の使用時においても本記録再生装置で判別したCM部分の情報を用いることができる利点がある。なお、上記で説明した第1の例および第2の例においても、番組記録後または、再生時に、記録媒体上にCM履歴情報を記録することも可能である。
【0195】
上記実施の形態では、CM部分のカット再生、早見再生、あるいは、早送りを例に動作説明を行ったが、CM部分以外のカット再生、早見再生、あるいは、早送りを行うことも本実施例では可能である。
【0196】
以上のように、本発明の第2の実施の形態によれば、テレビジョン放送の番組の部分とその途中に挿入されるCM部分を記録時あるいは再生時に判別を行い、CM部分の除外(カット、早見再生、あるいは、早送り)をすることができる。
【実施例3】
【0197】
上記第2の実施の形態ではアナログ放送信号受信時のCM部分をカット、早見再生、あるいは早送りする記録再生方法について説明したが、以下に説明する実施の形態ではディジタル圧縮データとして放送されてくるディジタル放送信号の受信した場合のCM部分をカット、早見再生あるいは、早送りする記録再生方法の例を説明する。上記第2の実施の形態と同一部分や同一処理の詳細な説明は省略する。
【0198】
第1の例として、記録時において、ディジタル放送信号に含まれるCM開始点およびCM終了点の予測情報をCM履歴メモリに記憶させて、再生時にCM部分をカット、或いは早見再生、或いは早送りする構成を第15図に示す。
【0199】
第15図において、第1図と同一機能ブロックの説明は省略する。
【0200】
ディジタルテレビジョン放送を受信するアンテナ200およびディジタル受信機201により、ディジタル映像信号およびディジタル音声信号および情報信号を含むディジタルAV信号の受信、選択が行われる。バッファ回路202は、前記ディジタルAV信号を所定量バッファリングを行いながら、前記ディジタルAV信号の出力を行っている。前記バッファ回路は、スイッチ回路57が接点F側に切り替わっている期間のディジタルAV信号を格納するものである。
【0201】
前記バッファ回路202から出力されたディジタルAV信号は、データ伸張装置71により伸張された後、映像/音声分離部206によりディジタル映像信号とディジタル音声信号に分離される。前記ディジタル映像信号は、映像出力処理部210により映像信号の変化点の検出を行い、該検出結果はCM予測部208に入力される。一方ディジタル音声信号は、音声出力処理部207により、所定時間の無音声部分の検出を行い、該検出結果はCM予測部208に入力される。時間管理部209は、CMの基準となる時間を計測する時間情報をCM予測部208へ入力する。CM予測部208により、CM開始点およびCM終了点の予測を行い、該CM予測情報は、CM履歴メモリ83へ記憶される。前記CM履歴メモリを用いた再生方法については、前記第2の実施の形態の第1の例と同一であるのでここでの説明は省略する。
【0202】
上記第3の実施の形態の第1の例によれば、ディジタル放送信号の場合においても、記録時においてあらかじめCM部分を予測したCM履歴メモリ83の情報に従ってCM部分のカット、早見再生或いは、早送り再生することができ、番組部分を連続してみることができるので、使い勝手が非常によい。
【0203】
次に、上記CM判別方法を用いた記録再生装置の第2の例を説明する。次に示す第2の例は、ディジタル放送を記録した記録媒体からの再生信号から、再生時においてリアルタイムにCM部分の予測を行い、CM部分のカット再生、或いは早見再生、或いは早送りする記録再生装置である。第2の実施の形態における第18図のイメージと同様であり、第10図を用いて上記動作を説明する。尚、第10図において、第1図と同一機能ブロックについての動作説明は省略する。
【0204】
第10図において、スイッチ回路59は、Tape側に切り替わっていて、VTR装置51からディジタルAV信号が再生されて、該スイッチ回路59を介してデータ伸張装置71に入力されている。データ伸張装置71から出力される伸張処理がなされたディジタルAV信号はディジタル記録処理55を介してHDD装置52へ所定期間バッファリング記録される。一方前兆処理がなされたディジタルAV信号は、前記第1の例と同様にCM予測部208によりCM部分の予測が行われ、該CM予測情報は制御器91へ入力される。制御器91は前記CM予測情報に応じて、HDD装置52内の前記バッファリングされているディジタルAV信号の再生方法を制御することにより、CM部分のカット、早見再生或いは、早送り再生することができる。また、第2の実施の形態の第2の例と同様に圧縮ディジタル信号のまま、CM部分のカット再生も可能である。
【0205】
上記第3の実施の形態の第2の例によれば、ディジタル放送信号を記録した記録媒体において、再生時にリアルタイムにてCM部分を予測することができ、CM部分のカット、早見再生或いは、早送り再生することができ、番組部分を連続してみることができるので、使い勝手が非常によい。
【0206】
次に、上記CM判別方法を用いた第3の例を第16図を用いて説明する。第3の例は、上記第2の例と同様にCM履歴メモリ等のCM履歴情報だけを常に記憶させておくためのメモリを必要としないものであるが、CM部分の判別を番組記録時に行なう点で上記第2の例とは異なっている。
【0207】
以下上記動作を行うための構成図を示し動作説明を行う。第16図において、第1図と同一機能ブロックについての説明は省略する。
【0208】
ディジタルテレビジョン放送を受信するアンテナ200およびディジタル受信機201により、ディジタル映像信号およびディジタル音声信号および情報信号を含むディジタルAV信号の受信、選択が行われる。バッファ回路202は、前記ディジタルAV信号を所定量バッファリングを行いながら、前記ディジタルAV信号の出力を行っている。前記バッファ回路は、スイッチ回路57が接点F側に切り替わっている期間のディジタルAV信号を格納するものである。
【0209】
前記バッファ回路202から出力されたディジタルAV信号は、データ伸張装置71で伸張された後、映像/音声分離部206によりディジタル映像信号とディジタル音声信号に分離される。前記ディジタル映像信号は、映像出力処理部210により映像信号の変化点の検出を行い、該検出結果はCM予測部208に入力される。一方ディジタル音声信号は、音声出力処理部207により、所定時間の無音声部分の検出を行い、該検出結果はCM予測部208に入力される。時間管理部209は、CMの基準となる時間を計測する時間情報をCM予測部208へ入力する。CM予測部208により、CM開始点およびCM終了点の予測を行い、該CM予測情報は、制御器91へ入力される。
【0210】
制御器91は、VTR装置51に対して、前記CM予測情報に従い、当該CM開始点およびCM終了点のを示すインデックス信号を磁気テープに記録をするように動作する。上記インデックス信号は、テープ長手方向に対して記録或いはテープ上所定部分に記録を行ってもよい。また前記CM予測情報に従いCM部分をカットした信号を磁気テープに記録することも可能である。
【0211】
また、上記実施例は、磁気テープを対象に動作の説明を行ったが、ディスク状記録媒体、例えば光磁気ディスク、相変化型光ディスクなどにおいても、記録時にCM開始点、終了点予測情報を記録してもよい。
【0212】
以上のように、本発明の第3の実施の形態によれば、ディジタルテレビジョン放送の番組の部分とその途中に挿入されるCM部分を記録時、或いは再生時に判別を行い、CM部分のカット、早見再生、あるいは、早送りをすることができる効果は大きい。
【0213】
以上のように本発明の第3の実施の形態ではディジタル放送受信時もCM部分を除外(カット、早見再生、または、早送り)する再生方法を行なうことができることを説明した。
【実施例4】
【0214】
上記第2および第3の実施の形態では、上記のCM判別手段は、ディジタルAV信号に圧縮する前の信号を用いるか、圧縮されたディジタルAV信号を伸張し、さらに元の映像信号および音声信号に変換してCMの判別を行う例について説明を行ったが、次の実施の形態では、伸張動作を行う前の映像圧縮データおよび音声圧縮データを用いてCM判別を行う構成を第13図を用いて以下に説明する。
【0215】
第13図において、第1図または第10図と同一機能ブロックについての動作説明は省略する。
【0216】
第13図において、220はディジタル映像変化検出部、221はディジタル無音検出部である。スイッチ回路59が接点HDD側に切り替わってあり、HDD装置52からディジタルAV信号がディジタル再生処理56を介して再生される。該再生信号は、映像・音声分離部206により、映像圧縮ディジタル信号と音声圧縮ディジタル信号に分離処理が成される。映像圧縮ディジタル信号には、映像信号を圧縮する際にシーンチェンジ情報が含まれてあって、該シーンチェンジ信号が所定値以上である場合は、当該フレームは映像変化点と判断し、CM予測部81へ前記判断結果を入力する。
【0217】
また音声圧縮ディジタル信号はディジタル無音検出部221により、無音期間を判断する。ディジタル音声では、無音時間のデータは高圧縮率で圧縮が可能であることから、実時間に対する圧縮データ量が少ない点に着目し、音声圧縮ディジタル信号を用いて無音期間の判別を行う。上記CM判別は、データ伸張装置71に入力されるディジタルAV信号より所定時刻の先読み動作を行うことは上記実施の形態同様である。
【0218】
CM開始点およびCM終了点検出に対する、前記HDD装置52のディジタルAV信号読み飛ばし点の対応関係について以下に説明する。ディジタルAV信号は所定期間毎の映像信号に対して圧縮動作が成されてあって、例えばMPEG圧縮方式においては、前記所定期間をGOPといっている。従って、圧縮されたディジタルAV信号であっても、GOPで纏まっているディジタルAVデータをとらえることにより、実時間をとらえ、前記CM開始点およびCM終了点のカット再生或いは早見再生を行うことができる。
【0219】
ディジタル再生処理56から出力されるディジタルAV信号は、映像・音声分離部203へ入力され、ディジタル映像信号とディジタル音声信号とに分離し、それぞれ映像出力処理部205、音声出力処理部204に入力される。映像出力処理部205および音声出力処理部204により、元のアナログ映像信号と音声信号に復元処理が行われ、映像出力端子76および音声出力端子75から出力される。
【0220】
以上の説明はディジタル放送信号を受信したときであり、また、再生時にCMを判別する場合の例であるが、上記第2および第3の実施の形態にあるいずれの例においても、上記のようにCM判別を映像圧縮データ、および、音声圧縮データを用いて行なうことも可能である。
【0221】
以上、第4の実施の形態によれば、再生時のディジタルAV信号を基にCM開始点およびCM終了点の判別が可能となり、ディジタルAV信号をダイレクトに読み出しスキップを行うことでリアルタイム再生においてのCMカットして再生或いはCM部分の早見再生を実現することができる効果は大きい。また、圧縮されたデータを扱うのでHDD装置等への負担が少なく済む利点もある。
【実施例5】
【0222】
次に、第7図を用いて、本発明の第5の実施の形態におけるディジタル記録再生装置1の構成および動作について説明する。第7図は、本実施の形態におけるディジタル記録再生装置の構成を示したブロック図であり、伸長・再生処理手段7の記載を省略しており、第1実施の形態と同一部分は同一の符号を付け、それらの詳細な説明は省略する。
【0223】
この実施の形態は、番組を録画中あるいは予約録画中、当該番組が予定終了時刻より越えて延長放送が成されたときにおいても、当該番組と放送時刻がオーバーラップする裏番組を録画あるいは予約録画を可能としたディジタル記録再生装置を特徴としている。
【0224】
このため、受信・圧縮処理部3のアナログ受信機31を除いて構成される、ディジタル処理部3’を複数設けるとともに、延長録画設定器94および留守録画制御器95を設けた点に構造的な特徴を有している。
【0225】
アナログ受信機31は、同時に複数のテレビジョン放送を受信することが可能であり、選択したチャンネル毎に独立した映像信号と音声信号を第1のディジタル処理部3’−1およびディジタル処理部3’−2へ供給する。
【0226】
ここで、ディジタル処理部3’は、VBIデコーダ32と映像ADC33と音声ADC34とビデオデコーダ35とデータ圧縮装置36とから構成されている。この実施の形態のディジタル記録再生装置は、該ディジタル処理部を複数(第1のディジタル処理部、第2のディジタル処理部)備えている。
【0227】
第1のディジタル処理部3’−1および第2のディジタル処理部3’−2により時間軸圧縮されたディジタル圧縮データは、スイッチ回路61へ供給されている。
【0228】
以下、この実施の形態にかかるディジタル記録再生装置の動作を説明する。ここでは、午後9:00〜9:54までの番組1を予約録画設定(予約録画設定1)し、午後10:00〜午後10:30までの番組2を予約録画設定(予約録画設定2)している状態において、急濾番組1が20分の時間延長放送がなされたケースを仮定して、その動作を説明する。
【0229】
なお、この実施の形態は、番組1が延長されるケース以外にも、番組シフト等の番組の時間変更があった場合にも対応することが可能である。
【0230】
ユーザは、操作パネル93から上記予約録画設定1および予約録画設定2を入力する。この予約情報は、制御マイコン91に供給される。
【0231】
午後9:00がくると、スイッチ回路61が接点D1に接続され、ディジタル処理部3’−1からの圧縮ディジタルデータ(番組1)をディジタル記録処理53へ供給し、ディジタルVTR装置51は記録を開始する。
【0232】
次に、番組1の延長設定について以下2つの手法を説明する。
【0233】
第1の延長設定手法は、ユーザが番組1の延長時刻を設定し、前記番組1の予約終了時刻に当該設定した時刻を加算した時刻まで上記ディジタルVTR装置51は番組1の記録を継続する手法である。
【0234】
ユーザは、予約録画設定器94から番組1の延長時間あるいは延長終了時刻を設定する。該延長時刻設定情報は、留守録画制御器95に供給され、制御器91は、ディジタルVTR装置51を該延長時刻まで記録を続けるように制御する。
【0235】
第2の延長予約手法2は、放送局側から番組1の延長時間情報あるいは延長終了時刻情報を情報信号に折り込んでディジタル記録再生装置へ告知して延長録画を実現する手法である。
【0236】
前記情報信号は、VBIデコーダ32によりデコード処理され、該情報信号中の番組1の延長時間情報あるいは延長終了時刻情報が留守録画制御器95へ供給される。制御器91は、この延長終了時刻情報に基づいてディジタルVTR装置51を延長終了時刻まで記録動作を継続するよう制御する。
【0237】
番組1の延長記録動作が実行されている状態で、番組2の開始時刻(午後10:00)が到来すると、スイッチ回路62が接点D2に接続され、ディジタル処理部3’−2からの圧縮ディジタルデータ(番組2)がディジタル記録処理手段55へ供給されて、HDD装置52への記録が開始される。
【0238】
この番組2のHDD装置52への記録は、番組1が終了するまで、あるいは、番組2が終了するまで行われる。
【0239】
上記番組1の記録が終了すると、スイッチ回路61がHDD側に接続されHDD装置52からディジタルVTR装置51へ番組2を複写する。番組2の圧縮ディジタルデータは、HDD装置52から再生され、ディジタル再生処理手段56、スイッチ回路61、ディジタル記録処理53を介してディジタルVTR装置51へデータ転送される。
【0240】
上記スイッチ回路61,62の切換えおよびディジタルVTR装置51,HDD装置52の制御は、制御器91によって制御される。
【0241】
以上の通り、この実施の形態によれば、番組を録画中あるいは予約録画中、当該番組が予定終了時刻より越えて延長放送が成された時においても当該番組と放送時刻がオーバーラップする裏番組を録画あるいは予約録画することができる。
【0242】
以下、第5の実施の形態の変形例を説明する。
【0243】
第5の実施の形態では、複数の番組の予約録画を設定したときに先の番組に延長があった場合について説明したが、この実施の形態にかかるディジタル記録再生装置を、ディジタルVTRのデータレートがデータ圧縮装置のデータレートより大きいことを用いて第1の実施の形態と類似した態様で動作させることによって、同一の記録媒体(磁気テープ)に、複数の番組を同時に記録することができる。
【0244】
以下、第8図を用いてその記録動作の態様を説明する。
【0245】
まず、記録媒体に複数の番組(番組1および番組2)の記録開始位置を設定し、第1のディジタル処理部3’−1からの番組1を、HDD装置52の第1の記録領域Aに記録し、第2のディジタル処理装置3’−2からの番組2をHDD装置52の第2の記録領域Bに記録するように設定する。
【0246】
初めに、番組1の記録位置付けを行った後、HDD装置52の第1の記録領域Aに蓄積された番組1の所定量のデータ(1−A)をディジタルVTR装置51に転送して記録する。この場合、位置付けに要する時間90秒であり記録に要する時間に転送されるデータ量を合計しても75Mbyteであるので転送時間は60秒あれば十分である。
【0247】
この間、第1の記録領域Aへ番組1のデータ(1−A以降)の蓄積を継続し、同様に、第2の記録領域Bへ番組2のデータの蓄積を継続する。
【0248】
次いで、番組2の記録位置付けを行った後、HDD装置52の第2の記録領域Bに蓄積された番組2の所定量のデータ(2−A)をディジタルVTR装置51に転送して記録する。この場合、位置付けに要する時間90秒であり記録に要する時間に転送されるデータ量を合計しても180Mbyteであるので転送時間は120秒あれば十分である。
【0249】
この間、第1の記録領域Aへ番組1のデータの蓄積を継続し、同様に、第2の記録領域Bへ番組2のデータ(2−A以降)の蓄積を継続する。
【0250】
さらに、前回記録した最後の位置に番組1の記録位置付けを行った後、HDD装置52の第1の記録領域Aに蓄積された番組1の所定量のデータ(1−B)をディジタルVTR装置51に転送して記録する。この場合、位置付けに要する時間は90秒であり記録に要する時間に転送されるデータ量を合計しても210Mbyteであるので転送時間は120秒あれば十分である。
【0251】
この間、第1の記録領域Aへ番組1のデータの蓄積を継続し、同様に、第2の記録領域Bへ番組2のデータの蓄積を継続する。
【0252】
次いで、前回記録した最後の位置に番組2の記録位置付けを行った後、HDD装置52の第2の記録領域Bに蓄積された番組2の所定量のデータ(2−B)をディジタルVTR装置51に転送して記録する。この場合、位置付けに要する時間は90秒であり記録に要する時間に転送されるデータ量を合計しても240Mbyteであるので転送時間は180秒あれば十分である。
【0253】
この間、第1の記録領域Aへ番組1のデータの蓄積を継続し、同様に、第2の記録領域Bへ番組2のデータの蓄積を継続する。
【0254】
さらに、前回記録した最後の位置に番組1の記録位置付けを行った後、HDD装置52の第1の記録領域Aに蓄積された番組1の所定量のデータ(1−C)をディジタルVTR装置51に転送して記録する。この場合、位置付けに要する時間90秒であり記録に要する時間に転送されるデータ量を合計しても270Mbyteであるので転送時間は180秒あれば十分である。
【0255】
この間、第1の記録領域Aへ番組1のデータの蓄積を継続し、同様に、第2の記録領域Bへ番組2のデータの蓄積を継続する。
【0256】
この処理を繰り返すことによって、同一の記録媒体に同時に複数の番組を記録することができる。
【実施例6】
【0257】
第9図を用いて、本発明の第6の実施の形態におけるディジタル記録再生装置について説明する。第9図は、本実施の形態におけるディジタル記録再生装置の構成を示したブロック図であり、第1実施の形態と同一部分は同一の符号を付け、それらの詳細な説明は省略する。
【0258】
第4の実施の形態におけるディジタル記録再生装置では、可変レートの圧縮データを記録する際、あるいは磁気テープへ記録する記録レート以下のデータを記録する場合において、一旦HDD装置52へ所定容量を記録し、且つ前記HDD装置52から磁気テープへ複写することを特徴とする。
【0259】
まず、可変レート圧縮データについて映像圧縮手段の代表的なMPEG圧縮方式を例に以下説明する。
【0260】
例えば、MPEG圧縮方式では、映像データをフレーム内符号化した情報(Iピクチャ)と、過去からの予測によってフレーム間符号化した情報(Pピクチャ)と、過去および未来からの予測によってフレーム間符号化した情報(Bピクチャ)の3つの画像情報から成り、Iピクチャ、Pピクチャ、Bピクチャそれぞれ所定の画像枚数から成る1単位をGOP(Group Of Picture)と呼ぶ。以上のIピクチャ、Pピクチャ、Bピクチャは、以下3つの圧縮手段を用いて生成を行う。
【0261】
(1)空間的相関関係を利用した情報圧縮
(2)時間的相関関係を利用した情報圧縮
(3)前記2つの圧縮法で符号化する際の符号出現確立の偏りを利用した情報圧縮
空間的相関関係による情報圧縮は、1枚の映像を所定の画素ブロックに分割し、該ブロック毎にDCT変換(Discrete Cosine Transform:離散コサイン変換)を行い、1枚の映像を周波数成分へ分解する情報圧縮方式であり、DCT変換後、DCT係数を所定値で除算を行い余りを丸めて量子化する。
【0262】
前記除数が大きいほど圧縮率を高くすることができるが、反面映像情報の高周波成分を削除することになり映像の品位は低くなる。
【0263】
時間的相関関係による圧縮は、映像の前後の絵柄情報はほとんどの場合非常に似ていることから、絵柄の変化分(動きベクトル)だけを情報とすることで映像伝達情報量を大幅に削減することができる圧縮方式である。
【0264】
符号の出現率の偏りによる情報圧縮は、前述のDCT係数や動きベクトルに対して出現率の高い値に短い符号長を割り当て、出現率の低い値に長い符号長をあり当てる符号体系であり、その結果平均情報量を減らすことができる。この動作を可変長符号化という。
【0265】
したがって、例えば、平均データレートが6Mbpsであり、最大が12Mbpsで最小が4Mbpsと、データレートは、映像ソースの絵柄により適応的に変化することになる。
【0266】
上記可変レートによるデータ圧縮が成された圧縮ディジタルデータの平均データレートをここで説明のために6Mbpsに、ディジタルVTR装置51の記録再生データレートを12Mbpsと仮定する。
【0267】
データ圧縮装置36は、現在の圧縮レート値を制御器91へ告知する。制御器91は、前記圧縮レート値がディジタルVTR装置51の記録再生データレート(12Mbps)以下あるいは以上であることを認識すると、ディジタルVTR装置51への記録動作を停止し、前記圧縮ディジタルデータ(6Mbps)をHDD装置52へ記録する動作を開始する。
【0268】
HDD装置52に所定容量の前記圧縮ディジタルデータを記録すると、HDD装置52は、前記圧縮ディジタルデータ(6Mbps)の記録の継続と同時に先ほどの所定容量記録した圧縮ディジタルデータの再生を開始する。
【0269】
当該再生された圧縮ディジタルデータは、ディジタル再生処理手段56、スイッチ回路63、ディジタル記録処理53を介してディジタルVTR装置51へ記録が開始される。
【0270】
前記所定容量記録した圧縮ディジタルデータの再生を終了すると、ディジタルVTR装置51の記録動作を停止する。
【0271】
スイッチ回路63は、上記間欠記録を行う場合は接点BUF側に接続し、通常記録の場合は接点TH側に切り換える。スイッチ回路63の切換制御は制御器91により行われる。
【0272】
上記第6の実施の形熊では、圧縮ディジタルデータが可変レート記録の場合について説明したが、前記ディジタルVTR記録再生レート以下あるいは以上の固定レートであってもよい。
【0273】
以上のようにHDD装置52をデータバッファとして流用し、所定容量毎にディジタルVTR装置51を間欠記録することで、見かけ上ディジタルVTR装置51のデータ記録レートを変更することができ、磁気テープを有効利用することができる。
【0274】
以上、この実施の形態の圧縮生成手段および伸張生成手段は、MPEG−1方式およびMPEG−2方式に準拠したものあるいはJPEG方式などの他の圧縮および伸張方式を用いた構成であってもよい。
【0275】
また、ディスク状記録媒体を説明のためHDDを例に説明をしたが、前記ディスク状記録媒体は、光磁気ディスク、あるいは相変化型光ディスク、あるいは半導体メモリなどの他の記録媒体であってもよい。
【0276】
本明細書においては、テレビジョン放送受信方式をアナログテレビジョン放送を中心に説明をしたが、本発明は、ディジタルテレビジョン放送を受信する場合にも当然適用することができる。
【0277】
また、HDD装置52は、VTR装置と分離したパーソナルコンピュータ等にIEEE1394バス等で接続してパーソナルコンピュータに内蔵されたものを用いてもよい。同様に、制御部についてもパーソナルコンピュータ等VTR外部の装置のものを用いることができる。
【0278】
以上の実施の形態の説明は、本発明を説明するためのものであって、請求の範囲の発明を限定し、或いは範囲を減縮する様に解すべきではない。
【0279】
また、本発明の各部の構成は、上記実施の形態に限らず、請求の範囲に記載の技術的範囲内の種々の変形が可能であることは勿論である。
【0280】
本発明の第2の記録媒体は、同時に記録と再生を行うことができる記録媒体であってよい。さらに、この同時に行われる記録と再生は、時間的に分割されて行われてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0281】
以上のように本発明は記録媒体において、記録再生する記録再生装置において、記録再生時にさらに他の処理を行なうことができ、使い勝手が向上した。特に、ディジタル信号の処理も可能である。
【符号の説明】
【0282】
1…ディジタル記録再生装置、 5…記録・再生部、7…伸長・再生処理部、 9…制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号を記録および再生する記録再生装置であって、第1の信号が入力される入力手段と、前記第1の信号を第1の記録媒体に記録し、前記第1の記録媒体から前記第1の信号を再生する第1の記録再生手段と、前記第1の記録再生手段で再生された前記第1の信号を第2の記録媒体に記録し、前記第2の記録媒体から前記第1の信号を再生する第2の記録再生手段と、前記第2の記録再生手段で再生された前記第1の信号を出力する出力手段と、信号の処理を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記第1の記録再生手段において前記第1の信号が第1の時刻から第2の時刻にかけて記録されるとき、前記第2の記録再生手段において前記第1の信号が前記第2の時刻から所定時間遅延し、かつ前記第2の時刻よりも先行した第3の時刻から記録開始されるように制御することを特徴とする記録再生装置。
【請求項2】
前記第1の時刻から前記第3の時刻の間において、第2の信号に所定の処理を施す信号処理手段を備えたことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の記録再生装置。
【請求項3】
前記第1および/または前記第2の記録再生手段が単位時間当たりに記録あるいは再生可能な情報量は、前記入力手段に単位時間当たりに入力される第1の信号の情報量よりも大とされてなることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の記録再生装置。
【請求項4】
前記第1の信号を所定の圧縮比で圧縮する圧縮手段、あるいは前記第1の記録再生手段に接続されて信号を蓄積するとともに所定量の信号が蓄積されたときにこれを出力するバッファ手段を備え、 前記制御手段は、前記第2の記録再生手段において前記第1の信号が記録終了される時刻を第4の時刻として、前記第1の時刻から前記第2の時刻までの第1の時間に対し、前記第3の時刻から前記第4の時刻までの第2の時間を短縮するように制御することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の記録再生装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記第3の時刻から前記第2の時刻の間を複数の時間に分割し、分割された複数の時間毎に、前記第1または第2の記録再生手段のいずれか一方が前記第1の信号の記録または再生を行うように制御することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の記録再生装置。
【請求項6】
前記第2の記録媒体は、テープ状をなすことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の記録再生装置。
【請求項7】
前記第1の記録媒体は、ディスク状をなすことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の記録再生装置。
【請求項8】
前記第1の記録再生装置は、半導体メモリであることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の記録再生装置。
【請求項9】
所定量の信号間をアクセスするときに要するアクセス時間において、前記第1の記録再生手段は、前記第2の記録再生手段に対し、前記アクセス時間が短いことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の記録再生装置。
【請求項10】
前記第2の信号は、前記入力手段に入力された放送番組としての前記第1の信号であって、 前記信号処理手段は、前記所定の処理として、前記放送番組の中に含まれるコマーシャル部分を判別することを特徴とする請求の範囲第2項に記載の記録再生装置。
【請求項11】
前記入力手段に入力された前記第1の信号が圧縮された圧縮信号であるとき、前記信号処理手段は、前記圧縮信号を伸張した後、コマーシャル部分を判別することを特徴とする請求の範囲第10項に記載の記録再生装置。
【請求項12】
前記第1の記録再生手段から再生された前記第1の信号は、圧縮信号であり、前記圧縮信号は所定時間毎に、時間情報であるタイムスタンプ信号を含んでなり、 前記信号処理手段は、前記圧縮信号を、前記タイムスタンプ信号を含むように伸張するとともに、前記タイムスタンプ信号に対応してコマーシャル部分を特定し、 前記制御手段は、前記第2の記録再生手段が圧縮された前記第1の信号を記録するとき、前記信号処理手段における前記タイムスタンプ信号に基づくコマーシャル部分の判別結果を用いて、コマーシャル部分を除外して、または、コマーシャル部分の位置情報を付加して記録するように制御することを特徴とする請求の範囲第11項に記載の記録再生装置。
【請求項13】
前記信号処理手段は、前記所定の処理として、前記第2の記録再生手段において、前記第1の信号とは別の信号を前記第2の信号として記録あるいは再生することを特徴とする請求の範囲第2項に記載の記録再生装置。
【請求項14】
前記放送番組は、映像情報および音声情報を含んでなり、 前記信号処理手段は、前記映像情報および/または音声情報が所定の変化を生じる変化点を検出するとともに、前記変化点が発生する時間間隔を用いてコマーシャル部分を判別することを特徴とする請求の範囲第10項に記載の記録再生装置。
【請求項15】
前記制御手段は、前記第2の記録再生手段が前記第1の信号を記録するとき、前記信号処理手段におけるコマーシャル部分の判別結果を用いて、コマーシャル部分を除外して記録するように制御することを特徴とする請求の範囲第10項に記載の記録再生装置。
【請求項16】
前記制御手段は、前記第2の記録再生手段が前記第1の信号を記録するとき、前記信号処理手段におけるコマーシャル部分の判別結果に関する情報を、前記第1の信号とともに前記第2の媒体に記録するように制御することを特徴とする請求の範囲第10項に記載の記録再生装置。
【請求項17】
前記制御手段は、前記第2の記録再生手段が前記第1の信号を記録するとき、前記信号処理手段におけるコマーシャル部分の判別結果に関する情報を、コマーシャル情報記憶手段に記憶するように制御することを特徴とする請求の範囲第10項に記載の記録再生装置。
【請求項18】
前記制御手段は、前記入力手段に入力された前記第1の信号を複数の部分に分割し、分割されたそれぞれの部分毎に制御することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の記録再生装置。
【請求項19】
信号を記録および再生する記録再生装置であって、 第3の信号を第3の記録媒体から再生する第3の記録再生手段と、 前記第3の記録再生手段で再生された前記第3の信号を第4の記録媒体に記録し、前記第4の記録媒体から前記第3の信号を再生する第4の記録再生手段と、 前記第4の記録再生手段で再生された前記第3の信号を出力する出力手段と、 信号の処理を制御する制御手段とを備え、 前記制御手段は、前記第3の記録再生手段において前記第3の信号が第5の時刻から第6の時刻にかけて再生されるとき、前記出力手段において前記信号が前記第5の時刻から所定時間遅延し、かつ前記第6の時刻よりも先行した第7の時刻から出力開始されるように制御することを特徴とする記録再生装置。
【請求項20】
前記第5の時刻から前記第7の時刻の間において、第4の信号に所定の処理を施す信号処理手段を備えたことを特徴とする請求の範囲第19項に記載の記録再生装置。
【請求項21】
前記第4の記録再生手段が単位時間当たりに記録再生可能な情報量は、前記第3の記録再生手段から単位時間当たりに再生される前記第3の信号の情報量よりも大とされてなることを特徴とする請求の範囲第19項に記載の記録再生装置。
【請求項22】
前記制御手段は、前記第7の時刻から前記第6の時刻の間において、前記第4の記録再生手段が、前記第3の記録再生手段から再生された前記第3の信号を記録するとともに、前記第4の記録媒体から記録済の前記第4の信号を再生するように制御することを特徴とする請求の範囲第19項に記載の記録再生装置。
【請求項23】
前記制御手段は、前記第7の時刻から前記第6の時刻の間を複数の時間に分割し、分割された複数の時間毎に、前記第4の記録再生手段が、前記第3の記録再生手段から再生された前記第3の信号を記録するか、または前記第4の記録媒体から記録済の前記第4の信号を再生するように制御することを特徴とする請求の範囲第22項に記載の記録再生装置。
【請求項24】
前記第3の記録媒体は、テープ状をなすことを特徴とする請求の範囲第19項に記載の記録再生装置。
【請求項25】
前記第4の記録媒体は、ディスク状をなすことを特徴とする請求の範囲第19項に記載の記録再生装置。
【請求項26】
前記第4の記録再生装置は、半導体メモリであることを特徴とする請求の範囲第19項に記載の記録再生装置。
【請求項27】
所定量の信号間をアクセスするときに要するアクセス時間において、前記第4の記録再生手段は、前記第3の記録再生手段に対し、前記アクセス時間が短いことを特徴とする請求の範囲第19項に記載の記録再生装置。
【請求項28】
前記第3の記録再生手段から再生された前記第3の信号は放送番組であって、 前記信号処理手段は、前記第3の記録再生手段から再生された前記第3の信号を前記第4の信号として受信し、前記所定の処理として、前記放送番組の中に含まれるコマーシャル部分を判別することを特徴とする請求の範囲第20項に記載の記録再生装置。
【請求項29】
前記第3の記録再生手段から再生された前記第3の信号が圧縮された圧縮信号であるとき、前記信号処理手段は、前記圧縮信号を伸張した後、コマーシャル部分を判別することを特徴とする請求の範囲第28項に記載の記録再生装置。
【請求項30】
前記第3の記録再生手段から再生された前記第3の信号は、圧縮信号であり、前記圧縮信号は所定時間毎に、時間情報であるタイムスタンプ信号を含んでなり、 前記信号処理手段は、前記圧縮信号を、前記タイムスタンプ信号を含むように伸張するとともに、前記タイムスタンプ信号に対応してコマーシャル部分を特定し、 前記制御手段は、前記第4の記録再生手段が圧縮された前記第3の信号を再生するとき、前記信号処理手段における前記タイムスタンプ信号に基づくコマーシャル部分の判別結果を用いて、コマーシャル部分を除外して再生するように前記第4の記録再生手段を制御することを特徴とする請求の範囲第29項に記載の記録再生装置。
【請求項31】
前記放送番組は、映像情報および音声情報を含んでなり、 前記信号処理手段は、前記映像情報および/または音声情報が所定の変化を生じる変化点を検出するとともに、前記変化点が発生する時間間隔を用いてコマーシャル部分を判別することを特徴とする請求の範囲第28項に記載の記録再生装置。
【請求項32】
前記制御手段は、前記第4の記録再生手段が前記第3の信号を再生するとき、前記信号処理手段におけるコマーシャル部分の判別結果を用いて、コマーシャル部分を除外して再生するように前記第4の記録再生手段を制御することを特徴とする請求の範囲第28項に記載の記録再生装置。
【請求項33】
前記制御手段は、前記第3の記録再生手段から再生された前記第3の信号を複数の部分に分割し、分割されたそれぞれの部分毎に制御することを特徴とする請求の範囲第19項に記載の記録再生装置。
【請求項34】
少なくとも映像信号を含む入力信号を記録再生する第5の記録媒体と第6の記録媒体を具備し、前記の記録媒体間で入出力信号の伝送が相互に可能であるディジタル記録再生装置であって、 前記第5の記録媒体へ前記入力信号を記録しながら、 前記第6の記録媒体から再生信号を再生する ことを特徴とするディジタル記録再生装置。
【請求項35】
少なくとも映像信号を含む入力信号を記録再生する第5の記録媒体と第6の記録媒体を具備し、前記の記録媒体間で入出力信号の伝送が相互に可能であるディジタル記録再生装置であって、 前記第6の記録媒体の第1の記録位置へ前記入力信号を記録しながら、 前記第5の記録媒体の第1の記録位置から再生した再生信号を第6の記録媒体の第2の記録位置へ記録し、 前記第6の記録媒体の第1の記録位置へ記録された前記入力信号を再生して、 前記第5の記録媒体の第2の記録位置に記録しながら、 前記第5の記録媒体の第2の記録位置を再生する ことを特徴とするディジタル記録再生装置。
【請求項36】
請求の範囲第34項または請求の範囲第35項に記載のディジタル記録再生装置において、 前記第5の記録媒体と前記第6の記録媒体は、 入出力信号速度がそれぞれ異なることを特徴とするディジタル記録再生装置。
【請求項37】
信号を第5の記録媒体と第6の記録媒体に記録再生する第5の記録再生手段と第6の記録再生手段を備え、 前記記録媒体間で入出力信号の伝送が可能であるディジタル記録再生装置であって、 映像信号、音声信号、情報信号を受信する受信手段と、 前記映像信号および音声信号に圧縮処理を施し圧縮データを得る圧縮データ生成手段と、 前記圧縮データを元の映像信号および音声信号に伸張処理する伸張データ生成手段と、 前記第5の記録媒体および第6の記録媒体に前記圧縮データを記録再生する手段と、 前記第5の記録媒体および第6の記録媒体に前記圧縮データの記録再生を行う手段と、 前記第5の記録媒体および前記第6の記録媒体からの再生信号と前記圧縮データ生成手段からの圧縮データとを選択切換するデータ選択手段とを備え、 前記第5の記録媒体へ前記圧縮データを記録しながら、前記第6の記録媒体を再生することを特徴とするディジタル記録再生装置。
【請求項38】
請求の範囲第37項に記載のディジタル記録再生装置において、テレビジョン放送のコマーシャル開始点および終了点を予測するCM予測手段と、 該CM予測結果を記憶するCM履歴記憶手段と、 前記CM履歴情報に応じて前記第5の記録媒体および前記第6の記録媒体の記録個所および再生箇所を変更する第1の制御手段と、 を備えたことを特徴とするディジタル記録再生装置。
【請求項39】
請求の範囲第37項に記載のディジタル記録再生装置において、 同時に複数のテレビジョン放送を受信するマルチ受信手段と、 前記マルチ受信手段が受信した信号をそれぞれ圧縮するマルチ圧縮データ生成手段と、 前記マルチ圧縮データ生成手段より得られた、各々圧縮データを前記第5の記録媒体と前記第6の記録媒体へ記録するマルチ記録手段と、 を備えたことを特徴とするディジタル記録再生装置。
【請求項40】
請求の範囲第37項に記載のディジタル記録再生装置において、前記圧縮データ生成手段は、 前記映像信号および/または前記音声信号に応じて圧縮比率が適応的に変化する可変圧縮手段を備え、 前記第5の記録媒体へ所定容量の記録を行った後に前記第5の記録媒体から前記第6の記録媒体へ前記圧縮データを伝送し記録することを特徴とするディジタル記録再生装置。
【請求項41】
請求の範囲第37項に記載のディジタル記録再生装置において、前記第5の記録媒体へ記録する圧縮データの伝送速度と異なる圧縮データの伝送速度で前記圧縮データ生成手段から前記圧縮データが生成されたことを検出するデータの伝送速度検出手段と、 該検出結果に基づいて、所定容量の前記圧縮データを前記第6の記録媒体へ記録した後、前記第2記録媒体から第5の記録媒体へ前記圧縮データを伝送し記録することを特徴とするディジタル記録再生装置。
【請求項42】
請求の範囲第37項に記載のディジタル記録再生装置において、 前記第5の記録媒体を再生すると同時に、 該第5の記録媒体から再生された圧縮データを前記第6の記録媒体へ伝送し記録する手段と、 前記第5の記録媒体から過去の映像および音声信号を再生する際において、 前記第6の記録媒体から再生することを特徴とするディジタル記録再生装置。
【請求項43】
請求の範囲第37項に記載のディジタル記録再生装置において、 時間情報(タイムコード信号)を発生するタイムコード発生手段と、 第5の記録媒体と第6の記録媒体にタイムコード信号を記録再生するタイムコード記録再生手段と、 前記タイムコード信号に応じて第5の記録媒体および第6の記録媒体の再生位置を制御する手段および、前記再生タイムコード信号に応じて前記データ選択手段を切換することを特徴とするディジタル記録再生装置。
【請求項44】
請求の範囲第43項に記載のディジタル記録再生装置において、 前記受信手段により受信された映像信号、音声信号、情報信号(テレビジョン放送)を前記第5の記録媒体へ記録する手段と、 前記テレビジョン放送番組の所定部分を前記第6の記録媒体へ記録する手段と、 前記第6の記録媒体を再生中に、前記第5の記録媒体の再生準備を行う手段と、 前記再生タイムコード信号に応じて第5の記録媒体および第6の記録媒体の再生位置を制御する手段とを備え、 前記タイムコード信号に応じて前記第5の記録媒体と前記第6の記録媒体からの再生信号を前記データ選択手段により切換えすることを特徴とするディジタル記録再生装置。
【請求項45】
請求の範囲第39項に記載のディジタル記録再生装置において、 前記第6の記録媒体へ記録と同時に前記第6の記録媒体を任意の位置から再生する同時記録再生手段を備えることを特徴とするディジタル記録再生装置。
【請求項46】
請求の範囲第34項、第35項または第37項に記載のディジタル記録再生装置において、 前記第5の記録媒体は、磁気テープまたは磁気ディスクまたは光磁気ディスクまたは相変化型光ディスクまたは半導体メモリであることを特徴とするディジタル記録再生装置。
【請求項47】
請求の範囲第34項、第35項または第37項に記載のディジタル記録再生装置において、 前記第6の記録媒体は、磁気テープまたは磁気ディスクまたは光磁気ディスクまたは相変化型光ディスクまたは半導体メモリであることを特徴とするディジタル記録再生装置。
【請求項48】
請求の範囲第34項、第35項または第37項に記載のディジタル記録再生装置において、 前記第5の記録媒体および前記第6の記録媒体の記録容量が異なる記録媒体であることを特徴とするディジタル記録再生装置。
【請求項49】
請求の範囲第37項に記載のディジタル記録再生装置において前記圧縮データ生成手段および伸張データ生成手段は、MPEG方式に準拠することを特徴とするディジタル記録再生装置。
【請求項50】
請求の範囲第37項に記載のディジタル記録再生装置において 前記圧縮データ生成手段および伸張データ生成手段は、任意に圧縮率および伸張率を設定変更できることを特徴とするディジタル記録再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−104216(P2012−104216A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−249256(P2011−249256)
【出願日】平成23年11月15日(2011.11.15)
【分割の表示】特願2009−1240(P2009−1240)の分割
【原出願日】平成11年4月23日(1999.4.23)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】