説明

ディスクドライブ装置及びディスク記録及び/又は再生装置

【課題】従来の薄型のディスクドライブ装置においては、回転駆動される光学ディスクと周囲の機構部品等が接触して異常音を発生したり、光学ディスクの表面が傷付けられるおそれがあった。
【解決手段】筐体11とディスク搬送機構30と回転駆動機構41と光学ピックアップ42とピックアップ移動機構43とベース部材40とベース移動機構83と姿勢調整機構90とを有している。筐体には、光学ディスク7が挿入・排出されるディスク挿脱口24を設けている。ディスク搬送機構は、ディスク排出位置とディスク装着位置との間に光学ディスクを搬送する。回転駆動機構は、ディスク装着部を有し、光学ディスクを回転させる。光学ピックアップは、情報信号の記録・再生を行う。ピックアップ移動機構は、光学ピックアップを移動させる。ベース部材は、回転駆動機構と光学ピックアップとピックアップ移動機構が搭載される。ベース移動機構は、ベース部材を姿勢変更可能に支持する。姿勢調整機構は、筐体に対するベース部材の姿勢を調整可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学ピックアップをディスク状記録媒体の半径方向に移動させて当該ディスク状記録媒体に対して情報信号の記録及び/又は再生を行うディスクドライブ装置、及びそのディスクドライブ装置を備えたパーソナルコンピュータやデジタルビデオレコーダ等のディスク記録及び/又は再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ディスク状記録媒体として、CD(Compact Disk)やDVD(Digital Versatile Disk)といった光ディスクや、MD(Mini Disk)等の光磁気ディスクが広く知られており、これら光学ディスクを用いて情報信号の記録や再生を行うための各種のディスクドライブ装置が提供されている。
【0003】
このディスクドライブ装置における光学ディスクの交換方法としては、次のような各種のタイプがある。その1は、筐体に設けた蓋や扉を上方に開放し、その開口部に臨むターンテーブルに光学ディスクを直接装着するタイプである。その2は、装置筐体の内外に亘って水平方向へ搬送されるディスクトレイに光学ディスクを載置し、そのディスクトレイが装置筐体内に引き込まれた際に光学ディスクが、装置筐体内に設けられたターンテーブルに自動的に装着されるタイプである。その3は、ディスクトレイにターンテーブルが一体的に設けられていて、そのディスクトレイが装置筐体外へ引き出された際にターンテーブルへ光学ディスクを直接装着するタイプである。
【0004】
しかしながら、上述した1〜3のタイプのいずれの場合にも、操作者において、装置筐体の蓋や扉を開閉したり、ディスクトレイを出し入れしたりする操作や、ターンテーブルに光学ディスクを装着する操作が必要であった。
【0005】
これに対して、装置筐体の前面にディスク挿脱口を設け、そのディスク挿脱口から操作者が光学ディスクを挿入するだけで、光学ディスクが自動的に装置筐体内へ引き込まれてターンテーブルに装着される、いわゆるスロットイン型のディスクドライブ装置がある。このスロットイン型ディスクドライブ装置には、次のようなタイプのものがある。その1は、ディスク挿脱口の近傍に、挿入される光学ディスクの主面又は外径を挟んで搬送する搬送ローラや支持突起が対向設置されたローラユニットを有するタイプである。その2は、薄板の揺動体を組み合わせて揺動体ユニットを形成し、その揺動体ユニットで光学ディスクを移動させてディスク装着部まで搬送するタイプである。
【0006】
これらのスロットイン型ディスクドライブ装置においては、後者の揺動体ユニットを用いたスロットイン型ディスクドライブ装置においては、揺動体ユニットが薄い板金を組み合わせた構成であるため、前者のローラユニットタイプのスロットイン型ディスクドライブ装置に比べて、ディスクドライブ装置の薄型化に適するという特徴を持っている。
【0007】
また、従来の、この種のディスクドライブ装置としては、例えば、特許文献1に記載されているようなものがある。特許文献1に記載されたディスクドライブ装置は、「前面に光学ディスクが挿脱されるディスク挿脱口が設けられた筐体と、ディスク挿脱口から筐体の内部に挿入された光学ディスクが装着されるディスク装着部と、このディスク装着部に装着された光学ディスクを回転駆動するディスク回転駆動機構と、このディスク回転駆動機構により回転駆動される光学ディスクに対して信号の書き込み及び/又は読み出しを行う光学ピックアップと、この光学ピックアップを光学ディスクの内外周に亘って送り動作させるピックアップ送り機構とを有し、これらがベースに一体に設けられたベースユニットと、ディスク挿脱口から光学ディスクが挿脱されるディスク挿脱位置と、ディスク装着部に光学ディスクが装着されるディスク装着位置との間で光学ディスクの搬送を行うディスク搬送機構とを備えている。ディスク搬送機構は、筐体のディスク装着部と対向する主面とディスク挿脱口から挿入された光学ディスクの主面との間で移動操作される複数のサポート部材を有し、複数のサポート部材は、ディスク挿脱口から挿入された光学ディスクの外周部と当接可能な当接部を有し、これら当接部により光学ディスクの外周部を挟み込みながら、光学ディスクをディスク挿脱口から筐体の外部へと排出するイジェクト動作とのうち、少なくとも1つの動作を行う」ことを特徴としている。
【0008】
このような構成を有するディスクドライブ装置によれば、「ディスク挿脱口から挿入された光学ディスクとベースとの間のクリアランスの影響を受けることなく、複数のサポート部材によって光学ディスクのローディング動作、センタリング動作、又はイジェクト動作を適切且つ安定的に行うことが可能であり、スロットイン型のディスクドライブ装置として、装置全体の更なる小型軽量薄型化が可能である。」という効果が期待される。
【0009】
更に、従来のディスクドライブ装置の他の例としては、例えば、特許文献2に記載されているようなものもある。特許文献2に記載されたディスク装置は、「ディスクを回転駆動するスピンドルモータと、そのスピンドルモータを支持するベース体と、そのベース体の両側に延在してベース体を支持し、ディスク面の方向に往復移動することによりベース体をディスク面に垂直な方向に昇降せしめる一対のスライド部材と、ディスク面の方向に揺動し、操作者によって供給されたディスクの中心をスピンドルモータの中心位置まで引き込む第1の揺動体と、ディスク面の方向に揺動し、ディスクの中心をスピンドルモータの中心位置から操作者によって取り出す位置まで排出する第2の揺動体と、を具備している。一対のスライド部材は、第1の揺動体に引き込み動作をさせる第1のスライド部材と、第2の揺動体に排出動作をさせる第2のスライド部材とからなり、スピンドルモータ、ベース体、第1のスライド部材、第2のスライド部材、第1の揺動体、及び第2の揺動体は、ディスクの片面側に配置されている」ことを特徴としている。
【0010】
このような構成を有するディスク装置によれば、「ローラを使用しないディスク搬送手段であるためディスク装置の巾を小さくすることができる」等の効果が期待される。
【特許文献1】特開2005−190645号公報
【特許文献2】特開2002−117604号公報
【0011】
ところで、一般的に、IT(Information Technology)向けディスクドライブ装置には、パーソナルコンピュータ(以下「パソコン」という。)やゲーム機器等のホスト機器の装置筐体に設けられたドライブベイに設置され、ホスト機器側から駆動電源が供給されてホスト機器と一体に用いられるものがある。このようなホスト機器のうち、例えば、ノート型パソコン等の携帯可能なホスト機器においては、更なる小型化、軽量化、薄型化が求められており、それに伴って、かかるホスト機器に搭載されるディスクドライブ装置にも小型化、軽量化、薄型化の要求が高くなっている。
【0012】
更に、情報記録及び/又は再生装置の一具体例を示すDVD録画再生機(デジタルビデオディスクレコーダ)やTV(Television)等のAV(Audio Visual)機器においても、薄型化、コンパクト化に伴い、内蔵されるディスクドライブ装置の小型化、軽量化、薄型化への要求が高まっている。
【0013】
また、ディスク状記録媒体に関しても、光学ディスクの規格や記録容量等に応じて、例えば、直径12cmの標準的な光ディスクに加え、カメラ一体型ビデオディスクレコーダ(以下「カムコーダ」という。)等に用いられる直径8cmの光ディスクといった外径の異なる各種の光学ディスクが提供されている。これらの事情により、パソコンやAV用ディスク録画再生機等に搭載されるディスクドライブ装置においては、何れのサイズの光学ディスクにも対応できることが要求されている。
【0014】
これらの要求に対して、例えば、前述した特許文献1及び2に記載されたディスクドライブ装置では、いずれの場合においても、操作者が光学ディスクをある程度まで装置筐体の奥まで挿入したところで、ディスクドライブ装置の内部機構が動き出し、光学ディスクを装置筐体の内部へと引き入れる。そして、光学ディスクをターンテーブルに装着した後、光学ピックアップを動作させて情報信号の記録や再生を行うようになっている。
【0015】
ところが、薄型のスロットイン型ディスクドライブ装置では、薄型の要請から本質的に、ターンテーブルに装着された光学ディスクの表面と、その光学ディスクの引き込み等に使用される機構を構成する部品との間に、高さ方向の隙間を十分に大きく確保することができず、これとは逆に、その隙間を一層少なく(厳しく)設定する必要があった。しかも、部品精度のバラツキによる隙間の変化量についても、厳しく押える必要があった。仮に、光学ディスクと機構部品との間の隙間がなくなると、回転駆動される光学ディスクと機構部品が高さ方向で接触することになり、異常音を発生すると共に、光学ディスクの表面に傷が付くおそれがある。
【0016】
また、薄型のスロットイン型ディスクドライブ装置は、その構造上から、薄型の実現には、部品自体の精度に頼るところが大きかった。そのため、寸法公差の限界部品同士を使用して組み立てた場合等には、ターンテーブル装着後の光学ディスクと周囲の部品との間の隙間が狭くなり過ぎて、ディスク高さと周囲部品との間に設計の目論見通りの隙間を確保することができないことがあった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
解決しようとする問題点は、従来の薄型のディスクドライブ装置においては、ターンテーブル装着後の光学ディスクの表面と、その光学ディスクの引き込み等に使用される機構を構成する部品等との間に十分に大きな隙間を確保することができず、回転駆動される光学ディスクと周囲の機構部品等が接触して異常音を発生したり、光学ディスクの表面が傷付けられるおそれがある、という点である。特に、ディスク面に対し垂直方向の振れを持つ面振れディスクに対しては隙間を確保することが一層難しく、薄型のディスクドライブにおいては、更に不利な点である。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本出願のディスクドライブ装置は、筐体とディスク搬送機構と回転駆動機構と光学ピックアップとピックアップ移動機構とベース部材とベース移動機構と姿勢調整機構とを有している。筐体には、ディスク状記録媒体が挿入及び/又は排出されるディスク挿脱口を前面に設けている。ディスク搬送機構は、筐体のディスク挿脱口の外側のディスク排出位置とディスク挿脱口の内側のディスク装着位置との間にディスク状記録媒体を搬送する。回転駆動機構は、ディスク装着位置に搬送されたディスク状記録媒体に着脱可能に装着されるディスク装着部を有し、そのディスク装着部を回転駆動することによりディスク状記録媒体を回転させる。光学ピックアップは、ディスク装着部に装着されて回転されるディスク状記録媒体に対して情報信号の記録及び/又は再生を行う。ピックアップ移動機構は、光学ピックアップをディスク状記録媒体の情報記録面に沿って移動させる。ベース部材は、回転駆動機構と光学ピックアップとピックアップ移動機構が搭載される。ベース移動機構は、ベース部材を姿勢変更可能に支持し、そのベース部材の姿勢を変更することによりディスク状記録媒体に対してディスク装着部を装着又は離脱させる。姿勢調整機構は、筐体に対するベース部材の姿勢を調整可能である。これらを設けることにより本出願のディスクドライブ装置が構成されている、ことを最も主要な特徴とする。
【0019】
また、本出願の情報記録及び/又は再生装置は、ディスクドライブ装置と外装筐体を備えて構成されている。ディスクドライブ装置は、ディスク状記録媒体が着脱可能に装着されると共に装着されたディスク状記録媒体に対して情報信号の記録及び/又は再生を行う。外装筐体には、ディスクドライブ装置が収納される。ディスクドライブ装置は、筐体とディスク搬送機構と回転駆動機構と光学ピックアップとピックアップ移動機構とベース部材とベース移動機構と姿勢調整機構とを有している。これらを設けることにより本出願の情報記録及び/又は再生装置が構成されている。
【0020】
ディスクドライブ装置の組立後、姿勢調整機構で筐体に対するベース部材の姿勢を調整することにより、ドライブユニットのディスク装着部に装着された光学ディスクの高さを最適な位置に調整することができる。
【発明の効果】
【0021】
本出願のディスクドライブ装置及び情報記録及び/又は再生装置によれば、寸法公差の限界部品同士を使用して組み立てたような場合において、ディスク装着部に装着された光学ディスクと周囲の機構部品等との高さの関係が許容される所定範囲から外れ、一面側に大きな隙間ができて他面側の隙間が狭くなってしまったときにも、組立後に、光学ディスクの高さを最適な位置に調整することができる。このような高さ調整を行うことにより、光学ディスクと周囲の部品との接触を回避することができ、光学ディスクからの異常音の発生や光学ディスクの表面が傷付けられるのを防止し、信頼性の高いディスクドライブ装置及び情報記録及び/又は再生装置を提供することができる。
【0022】
特に、規格上限の厚さを有する厚い光学ディスクや規格上限の面振れを持つ光学ディスクについては、組立時に、ディスク表面と周囲の部品との隙間を所定の範囲内の関係に確保することが困難になるが、本発明によれば、組立後の高さ調整が可能であるため、ディスク表面と周囲の部品との隙間を所定の範囲内に容易に設定することができる。しかも、本発明は、直径の異なる複数の光学ディスクに対しても適用できるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
筐体に対するベース部材の姿勢を調整可能な姿勢調整機構を設けることにより、ディスク状記録媒体と周囲の部品との接触を回避し、異常音の発生やディスク記録媒体が傷付けられるのを防止できる信頼性の高いディスクドライブ装置及び情報記録及び/又は再生装置を、簡単な構造によって実現した。
【実施例1】
【0024】
図1〜図30は、本発明の実施の形態の例を示すものである。即ち、図1は本発明の情報記録及び/又は再生装置の第1の実施の例を示す図、図2〜図4は本発明のディスクドライブ装置に係る筐体を示す図、図5〜図7は本発明のディスクドライブ装置の第1の実施の例の内部機構を示す図、図8〜図10はベース部材と回転駆動機構等を示す図、図11〜図15は光学ピックアップとフレキシブル配線板を示す図、図16及び図17はドライブユニットとフレキシブル配線板を示す図、図18〜図23は本発明の姿勢調整機構の第1の実施の例を示す図、図24〜図30は本発明の姿勢調整機構の他の実施の例を示す図である。
【0025】
まず、図1を参照して、本発明のディスクドライブ装置を用いた情報記録及び/又は再生装置の第1の実施の例を説明する。図1に示すノート型パーソナルコンピュータ(以下「ノート型パソコン」という。)1は、本発明の情報記録及び/又は再生装置の第1の実施の例を示すものであり、スロットイン型のディスクドライブ装置10が搭載されている。ノート型パソコン1は、長方形で薄い偏平の中空体からなる装置筐体2と、同じく長方形で薄い偏平の中空体からなる蓋体3を有している。装置筐体2と蓋体3は、幅方向の一側において図示しないヒンジ部によって回動自在に連結されており、図1に示すように蓋体3を開いた状態と、図示しないが、装置筐体2に蓋体3を重ね合わせた状態と、両状態間の任意の位置においてその姿勢を保持した状態との任意の姿勢を維持できるように構成されている。
【0026】
蓋体3の内面には、周囲にわずかな縁取りを残して開口部4が設けられている。蓋体3の開口部4には、蓋体3内に収納された液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ、表面電界ディスプレイ等の表示装置5の表示面が臨まれている。また、装置筐体2の上面であって蓋体3と対向する面には、多数のキーの組み合わせからなる入力操作を行うための入力操作部6が設けられている。この装置筐体2には、図示しないが制御装置が内蔵されている。更に、装置筐体2には、本発明に係るディスクドライブ装置の第1の実施の例を示すディスクドライブ装置10が収納されている。このディスクドライブ装置10は、装置筐体2の一方の側面2aに開口された開口部に前面を臨ませると共に、その前面が装置筐体2の表面と略同一面となるように取り付けられている。
【0027】
本発明に係る情報記録及び/又は再生装置としては、この実施例で示すノート型パソコン1に限定されるものではなく、デスクトップ型パーソナルコンピュータに適用できることは勿論のこと、その他にも、ディスク状記録媒体を用いて情報信号の記録又は再生を行うことができる装置、或いは記録と再生の両方を行うことができる各種の情報記録及び/又は再生装置に適用できるものである。
【0028】
このような情報記録及び/又は再生装置としては、例えば、光ディスク式記録装置、光ディスク式再生装置、光ディスク式撮像装置、光磁気ディスク式撮像装置、光磁気ディスク式記録装置、光磁気ディスク式再生装置等を挙げることができる。これらの場合において、使用されるディスク状記録媒体の大きさは、例えば、直径が12cmのものや直径が8cmのもの等のように各種の大きさのものを適用できると共に、直径が異なる複数の光学ディスクを用いることができることは勿論である。
【0029】
図1に示すディスクドライブ装置10は、例えば、厚さが12.7mm程度にまで薄型化された構造を有するスロットイン型ディスクドライブ装置である。このディスクドライブ装置10がノート型パソコン1に搭載されることにより、そのノート型パソコン1と一体となって駆動されて、CDやDVD等のディスク状記録媒体である光学ディスク7に対して情報信号の記録又は再生、或いは記録と再生の両方を行うことができる。なお、本発明に係るディスク状記録媒体としては、再生専用のCD、CD−ROM、DVD−ROM等の光ディスクは勿論のこと、1回の記録或いは何度でも記録が可能なCD−RW、DVD−R、DVD−RW等の光ディスクのように各種の光学ディスクを適用することができる。
【0030】
ディスクドライブ装置10は、装置本体の外筐となる筐体11と、この筐体11内に収納されたドライブユニット12等を備えている。図2〜図4に示すように、筐体11は、上面と正面に開口された薄い箱状のケース本体14と、このケース本体14の上面の開口部を覆うケース蓋体15とを有している。ケース本体14は、板金によって形成された容器体からなり、その底面部14aは略矩形状をなしている。このケース本体14の長手方向と交差する幅方向の一側には、底面部14aよりも底上げされて外側へと張り出したデッキ部14bが設けられている。
【0031】
ケース本体14の底面部14aには、図5〜図7に示すように、後述する各種の装置や機構等の駆動を制御する駆動制御部と、この駆動制御部の一部を覆うサブシャーシ16が配置されている。駆動制御部は、所定の配線回路が形成された回路基板17を有しており、その回路基板17には、ICチップ等の電子部品や、各部の電気的な接続を図るためのコネクタ18及び、各部の動作を検出するための検出スイッチ等が取り付けられている。このうち、コネクタ18は、ケース本体14の背面部に設けた開口部に対向されており、そのコネクタ18に対して外部から接続・離脱が可能とされている。
【0032】
この回路基板17が、ねじ止め等によってケース本体14の底面部14aに取り付けられている。そして、駆動制御部の上方において、ケース本体14の内部をデッキ部14bと略同等の高さで上下に仕切るようにサブシャーシ16が配置され、そのサブシャーシ16がねじ止め等によって底面部14aに固定されている。
【0033】
ケース蓋体15は、ケース本体14の平面形状に対応した形状を有し、比較的薄い板金によって形成されている。ケース蓋体15の、ケース本体14の前面開口部に対応する辺を除く3辺には、ケース本体14の両側面及び背面に沿って僅かに折り曲げられて形成された折曲部15aが設けられている。ケース蓋体15のケース本体14への組立時、3辺の折曲部15aがケース本体14の両側面及び背面の各上部に重ね合わされて嵌合状態になる。
【0034】
ケース蓋体15の略中央部には、略円形をなす開口部19が設けられている。更に、ケース蓋体15の外縁部には、固定ねじを貫通させる複数(本実施例では3箇所)の貫通孔21が設けられている。これらの貫通孔21に対応して、ケース本体14の対応する位置にはねじ孔を有する固定片が設けられている。これらの貫通孔21を貫通してねじ孔に螺合される固定ねじにより、ケース蓋体15がケース本体14に対して着脱可能に取り付けられて締め付け固定されている。このケース本体14とケース蓋体15からなる筐体11の前面にフロントパネル22が取り付けられ、その前面に形成された開口部23がフロントパネル22によって塞がれている。
【0035】
図20A及びBに示すように、フロントパネル22は、開口部23を含む筐体11の前面の全体を塞ぐことができる大きさを有する細長い板状の部材からなっている。このフロントパネル22の幅方向の一側には、長手方向に延在されたディスク挿脱口24が設けられている。このディスク挿脱口24の大きさ(長さ及び幅)は、使用される光学ディスク7の直径及び厚さよりも少し大きいものである。直径の異なる複数の光学ディスク7を使用することができる場合には、ディスク挿脱口24の長さは、最も大きな直径を有する光学ディスクのその直径よりも少し大きいものである。
【0036】
このディスク挿脱口24から光学ディスク7が筐体11内に挿入され、また、このディスク挿脱口24から光学ディスク7が筐体11外に排出される。更に、フロントパネル22のディスク挿脱口24の内側には、外から筐体11内に塵埃等が入るのを防止するパネルカーテン25が設けられている。パネルカーテン25は、ディスク挿脱口24の幅方向の両側に配置された可撓性を有する柔軟な一対のフィルム部材(或いはシート部材)からなっている。このパネルカーテン25は、光学ディスク7が通過していないときには、図20Aに示すように、ディスク挿脱口24の全体を覆って塵埃等の通過を阻止している。一方、光学ディスク7がディスク挿脱口24を通過するときには、図20Bに示すように、光学ディスク7が移動する側に弾性的に折り曲げられ、光学ディスク7の通過を許容するが、塵埃等の侵入を阻止している。
【0037】
更に、フロントパネル22の前面には、図1に示すように、筐体11内に挿入されている光学ディスク7を排出する際に押圧されるイジェクトボタン28が設けられている。この筐体11内に、ディスク挿脱口24の内側のディスク装着位置とディスク挿脱口24の外側のディスク排出位置との間に光学ディスク7を搬送するディスク搬送機構30が設けられている。即ち、ディスク搬送機構30は、ディスク挿脱口24から挿入された光学ディスク7を保持してディスク装着部26のあるディスク装着位置まで搬送する。また、ディスク装着部26にある光学ディスク7を保持して搬送し、ディスク挿脱口24から光学ディスク7の先部を所定量だけ突出させるようにディスク排出位置まで搬送する。
【0038】
図5〜図7に示すように、ディスク搬送機構30は、ケース蓋体15のディスク装着部26と対向する主面と、ディスク挿脱口24から挿入された光学ディスク7の主面との間で移動操作されるサポート部材として2つの回動アーム31,32を有している。第1の回動アーム31及び第2の回動アーム32は、それぞれ長尺状の板金からなり、筐体11の略中央部に配置されるディスク装着部26を挟んで左右方向の両側に配置されている。更に、第1の回動アーム31及び第2の回動アーム32は、ディスク装着部26よりも背面側に位置する基端部31a,32aにおいて、サブシャーシ16に設けた支持軸を介して回動可能に支持されている。これにより、第1の回動アーム31及び第2の回動アーム32の各先端部31b,32bがディスク装着部26よりも前面側に位置し、それぞれの先端部31b,32bがディスク挿脱口24の内側に臨んでいる。
【0039】
また、第1の回動アーム31及び第2の回動アーム32の各先端部31b,32bには、挿入された光学ディスク7の外周部に当接される前面側当接部材がそれぞれ設けられている。更に、第1の回動アーム31の基端部31aには、光学ディスク7をディスク装着位置に位置決めする際に、前面側当接部材と共に光学ディスク7の外周部に当接される背面側当接部材が設けられている。これらの当接部材は、それぞれ下方に向って突出するように設けられている。前面側当接部材及び背面側当接部材は、光学ディスク7よりも柔らかい樹脂によって形成されている。そして、光学ディスク7の滑りを防ぐ等を目的として、各当接部材は中央部の軸径を両外側の軸径よりも細くして鼓状に形成されている。
【0040】
これら第1の回動アーム31及び第2の回動アーム32は、図示しない連動機構により連動して、互いに逆方向へ回動可能に構成されている。即ち、第1の回動アーム31の先端部31bと第2の回動アーム32の先端部32bは、連動機構によって互いに接近し又は離反する方向へ揺動可能となっている。更に、第1の回動アーム31及び第2の回動アーム32の各基端部31a,32aには、図示しないが、両回動アーム31,32を互いに接近する方向へ付勢する付勢部材である捩りコイルばねが設けられている。
【0041】
また、ディスク搬送機構30は、光学ディスク7をディスク挿脱口24から筐体11内へ引き込むローディング動作を補助するための第3の回動アーム33を有している。第3の回動アーム33は、長尺状の板金からなり、第1の回動アーム31の先端部31bよりも少し前面側に配置されている。第3の回動アーム33は、その基端部33aが、ケース本体14のデッキ部14b上に設けられた支軸によって回動可能に支持されている。第3の回動アーム33の先端部33bには、ディスク挿脱口24から挿入された光学ディスク7の外周部の前面側に当接される第3の当接部材が回動可能に設けられている。第3の当接部材は、上方に向かって突出するように支持されている。
【0042】
更に、ディスク搬送機構30は、光学ディスク7をディスク挿脱口24から筐体11の外へと排出するイジェクト動作を補助するための第4の回動アーム34を有している。第4の回動アーム34は、長尺状の板金からなり、その基端部34aが、第1の回動アーム31の中間部に回動可能に支持されている。第4の回動アーム34の先端部34bには、ディスク挿脱口24から挿入された光学ディスク7の外周部の背面側に当接される第4の当接部材が回動可能に設けられている。第4の当接部材は、上方に向かって突出するように支持されている。
【0043】
第3の当接部材及び第4の当接部材は、光学ディスク7よりも柔らかい樹脂によって形成されている。そして、光学ディスク7の滑りを防ぐ等を目的として、各当接部材は中央部の軸径を両外側の軸径よりも細くして鼓状に形成されている。
【0044】
また、ディスク搬送機構30は、第1から第4までの4つの回動アーム31,32,33,34を協働させるための駆動レバー77を有している。図6及び図8に示すように、駆動レバー77は、偏平な板状の部材からなり、ケース本体14の底面部14aにおいて、前後方向へ所定範囲内で移動可能に保持されている。この駆動レバー77は、ディスク挿脱口24から筐体11の内部に挿入される光学ディスク7よりも下方に位置しており、その上面部がデッキ部14bの底面部と略一致した高さとなっている。そして、駆動レバー77は、ケース本体14の底面部14aに設けた図示しないレバー駆動機構(駆動モータとギア群等からなる。)によって前後方向へスライド駆動される。
【0045】
この駆動レバー77が前後方向へスライドすることにより、第1の回動アーム31と第2の回動アーム32が、連動機構を介して互いに逆方向に回動操作される。これと同時に、第3の回動アーム33と第4の回動アーム34が、同じく連動して回動操作される。これにより、第1の回動アーム31と第2の回動アーム32と第3の回動アーム33と第4の回動アーム34が互いに協働しながら動作して、ローディング動作とセンタリング動作とイジェクト動作が実行される。
【0046】
ローディング動作は、光学ディスク7をディスク挿脱口24から筐体11の内部へと引き込む動作である。センタリング動作は、筐体11の内部に引き込んだ光学ディスク7をディスク装着部26のディスク装着位置に位置決めする動作である。また、イジェクト動作は、操作者によるイジェクトボタン28の押圧操作に基づいて、光学ディスク7をディスク挿脱口24から筐体11の外部へと排出する動作である。
【0047】
次に、ディスク搬送機構30による光学ディスク7の搬送動作を説明する。図5は、大径ディスク7L又は小径ディスク7Sを、ディスク挿脱口24から筐体11内に挿入する状態(ディスク挿脱口24から筐体11外に排出状態も同様である。)を示している。この実施例では、ディスク挿脱口24から外径の異なる光学ディスク7(例えば、大径ディスク7Lと小径ディスク7S)が挿入された場合にも、その光学ディスク7の大きさに応じて、それぞれの外周縁を保持してディスク装着位置まで搬送できるようになっている。
【0048】
図5及び図20Bに示すように、ディスク挿脱口24から光学ディスク7が挿入されると、図示しない検出スイッチにより、所定位置において光学ディスク7が挿入されたことが検出される。これにより、ディスク搬送機構30の動作が開始され、第1〜第4の回動アーム31〜34の4本の回動アームの作動を介して、4つの当接部に保持されて光学ディスク7がディスク装着位置まで搬送される。図6は、大径ディスク7Lがディスク装着位置に搬送された状態を示している。また、図7は、小径ディスク7Sがディスク装着位置に搬送された状態を示している。これらのディスク装着位置において、後述するベース移動機構83の作動により、大径ディスク7L又は小径ディスク7Sが、ディスク装着部であるターンテーブル48にチャッキングされる。
【0049】
一方、操作者がイジェクトボタン28を押圧すると、ターンテーブル48による大径ディスク7L又は小径ディスク7Sのチャッキングが解除される。これと共に、ディスク搬送機構30の逆動作が開始され、第1〜第4の回動アーム31〜34の4本の回動アームの作動を介して、4つの当接部に保持されて光学ディスク7が、図6又は図7に示すディスク装着位置から図5に示すディスク排出位置まで搬送される。
【0050】
ドライブユニット12は、図8〜図10に示すように、ベース部材40と回転駆動機構41と光学ピックアップ42とピックアップ移動機構43等を備えて構成されている。回転駆動機構41は、ディスク装着部となるターンテーブル48を有し、ディスク搬送機構30により搬送されてきた光学ディスク7を、そのターンテーブル48に装着して所定速度で回転駆動する(例えば、線速度一定)。光学ピックアップ42は、ターンテーブル48に装着されて回転駆動される光学ディスク7に対して、その情報記録面に光ビームを照射して新たに情報を書き込み、或いは、照射した光ビームの反射光を読み込むことにより、予め情報記録面に記録されている情報を読み出す。
【0051】
また、ピックアップ移動機構43は、光学ピックアップ42を、ターンテーブル48に装着されて回転駆動される光学ディスク7の情報記録面に沿って半径方向外側へ移動させる。この半径方向外側への移動時に、光学ピックアップ42による情報信号の記録及び/又は再生操作が実行される。ベース部材40は、これら回転駆動機構41と光学ピックアップ42とピックアップ移動機構43が搭載されるものであり、筐体11内において、その筐体11に姿勢変更可能に取り付けられている。
【0052】
ベース部材40は、板金を所定の形状に打ち抜き、その周囲を僅かに下方へ折り曲げることによって形成されている。図10に示すように、ベース部材40の平面形状は、長方形の4つの角部に大きな面取り部を設けると共に、内側に大きな開口部46を設け、全体として横長の略八角形をなす枠体とされている。開口部46は、光学ピックアップ42の上部を露出させるピックアップ用開口部46aと、回転駆動機構41のターンテーブルを上方へ臨ませるテーブル用開口部46bを有している。ピックアップ用開口部46aは、光学ピックアップ42の上部全体を露出させるように大きく略矩形に形成されており、その長手方向の一側に略半円形をなすテーブル用開口部46bが配置されている。
【0053】
テーブル用開口部46bには、回転駆動機構41が配置されている。回転駆動機構41は、図10及び図20A,Bに示すように、光学ディスク7が着脱可能に装着されるターンテーブル48を有するスピンドルモータ47と、このスピンドルモータ47を固定してベース部材40に支持する支持プレート49を有している。ターンテーブル48は、スピンドルモータ47の回転部に装着されて一体的に設けられており、支持プレート49に固定された固定部47aによって回転自在に支持されている。このターンテーブル48の載置部48bが、ベース部材40のテーブル用開口部46bから僅かに上方へ突出するように、スピンドルモータ47を支持する支持プレート49がベース部材40の下面にねじ止めされて取り付けられている。
【0054】
ターンテーブル48は、光学ディスク7の中心穴7aに嵌合される円柱状の凸部からなる嵌合部48aと、光学ディスク7の中心穴7aの周縁部が載置される載置部48bを有している。嵌合部48aと載置部48bは一体に形成されており、載置部48bには、光学ディスク7との接触を和らげるリング状のクッション材52が取り付けられている。嵌合部48aには、光学ディスク7の中心穴7aに係合される複数(本実施例では3個)の係止爪53が周方向へ等間隔に配置されている。各係止爪53は、図示しないコイルばね等の弾性部材により付勢され、各先端部が嵌合部48aの外周面から半径方向外側へ突出されている。これらの係止爪53がチャッキング機構をなしており、すべての係止爪53を中心穴7aに係合することにより、光学ディスク7がターンテーブル48上に保持される。
【0055】
この回転駆動機構41に対して、光学ピックアップ42が所定の範囲内で接近及び離反可能に構成されている。光学ピックアップ42は、光ビームを出射する光源となる半導体レーザと、戻りの光ビームを受光する受光素子等からなる光検出器を有している。この光学ピックアップ42は、半導体レーザから光ビームを出射し、その光ビームを対物レンズ55により集光して光学ディスク7の情報記録面に照射すると共に、その情報記録面で反射された戻りの光ビームを光検出器で受光する。これにより、光学ディスク7に対する情報信号の書き込み又は読み出しを行うことができる。
【0056】
また、光学ピックアップ42は、対物レンズ55を光軸方向(以下「フォーカシング方向」という。)と、光学ディスク7の記録トラックと直交する方向(以下「トラッキング方向」という。)に変位駆動する2軸アクチュエータ等の対物レンズ駆動機構56を有している。この対物レンズ駆動機構56が、光検出器により検出された光学ディスク7からの検出信号に基づいて対物レンズ55をフォーカシング方向及びトラッキング方向に変位させながら、情報記録面上に対物レンズ55の焦点を合わせる。これにより、対物レンズ55の焦点を情報記録面上に合わせるフォーカスサーボや、対物レンズ55により集光される光ビームのスポットを記録トラックに追従させるトラッキングサーボ等の駆動制御が実行される。この光学ピックアップ42が、ピックアップ移動機構43を介してベース部材40に搭載され、ターンテーブル48に対して所定の範囲内で接近及び離反可能とされている。
【0057】
ピックアップ移動機構43は、ピックアップベース61と一対のガイド軸62,63と送りねじ軸64と駆動モータ65を有している。ピックアップベース61は、2軸アクチュエータや光検出器等が収納される偏平なブロック状の部材からなり、一対のガイド軸62,63によって移動可能に支持されている。一対のガイド軸62,63は、ベース部材40の下面においてターンテーブル48の一側に、互いに所定の間隔をあけて略平行となるように配置されている。そして、一対のガイド軸62,63は、ベース部材40の4箇所において、それぞれ軸受部によって両端支持されている。各軸受部は、ベース部材40に設けた軸受片と別部材の押え板からなり、押え板をねじ止めして軸受片との間で挟持することにより、一対のガイド軸62,63がベース部材40に締付固定されている。
【0058】
ピックアップベース61は、一対のガイド軸62,63の軸方向と直交する両外側に突出する第1の軸受部66と第2の軸受部67を有している。第1の軸受部66は、第1のガイド軸62が摺動可能に挿通される軸受穴を有する前側軸受部66aと後側軸受部66bからなっている。前後の軸受部66a,66bは、第1のガイド軸62の軸方向へ所定の間隔をあけて同一平面上に配置されている。この前後の軸受部66a,66b間に、送りねじ軸64のねじ溝に係合部を有するラック68が配置されている。このラック68は、固定ねじ69によってピックアップベース61にねじ止めされている。
【0059】
第2の軸受部67には、側方に開口するガイド溝が設けられている。このガイド溝に、第2のガイド軸63が摺動可能に挿通されている。この第2の軸受部67を貫通する第2のガイド軸63と、第1の軸受部66の前後の軸受部66a,66bを貫通する第1のガイド軸62によって、ピックアップベース61がスライド可能に支持されている。送りねじ軸64は、第1のガイド軸62との間に所定の間隔をあけて略平行に配置されている。送りねじ軸64は、駆動モータ65の回転軸となっており、その駆動モータ65が図示しない取付ブラケットにより、ベース部材40に固定されている。取付ブラケット69には、送りねじ軸64の先端側が回動自在に支持されている。この取付ブラケット69がベース部材40にねじ止めされており、これにより、送りねじ軸64と駆動モータ65がベース部材40に取り付けられている。
【0060】
ピックアップベース61には、図11〜図14に示すように、フレキシブル配線板111の一端が連結されている。このフレキシブル配線板111は、ベース部材40に保持されている光学ピックアップ42をディスクドライブ装置10の外部にある図示しない電源側コネクタと電気的に接続するもので、可撓性を有する柔軟性に富んだ配線部材である。フレキシブル配線板111は、ピックアップベース61に取り付けられる第1の接続部111aと、電源側コネクタに接続される第2の接続部111bを有している。第1の接続部111aと第2の接続部111bは、所定の角度をあけて二方向へ突出するように二股状に形成されており、両者が連続する基部111cは十分に大きな平面部として形成されている。
【0061】
フレキシブル配線板111には多数の配線回路を有する配線回路群113が形成されており、各配線回路が第1の接続部111aから第2の接続部111bまでそれぞれ連続されている。配線回路群113の各配線回路は、基部111cにおいて幅広とされていて、第1の接続部111a及び第2の接続部111bの各先端に向かうに伴って逐次的に幅狭に形成されている。更に、基部111cには、その一部を内側に張り出すことによって張出し部111dを設けている。張出し部111dの主な目的は、ピックアップベースが内外周へ移動する際に、フレキシブル配線板の浮きによる絡まり防止のためである。張出し部111dの内部には、配線回路を形成する材料と同一であるが、配線回路を形成するものではない捨てランド114を設けている。
【0062】
捨てランド114は、薄型スロットドライブ装置では、衝撃などの外力などによりベースユニットがケース底面側に下がったときに、まずこの捨てランドの部分に光ピックアップの第2の軸受け部67が接触するため、予め捨てランドとし、外力による被害を最小に抑えることを目的とするものである。また、捨てランド114は、基部111cにおける曲げ力に対する強度を向上させ、曲げ位置が移動する際に生ずる応力を負担して、基部111cを通る配線回路群113に応力が大きく作用するのを防止する効果もある。ディスクドライブ装置10が筐体11に組み立てられるとき、図15〜図17に示すように、フレキシブル配線板111は、基部111cにおいて180度に湾曲されると共に、光学ピックアップ42の移動によって湾曲部の位置も移動する。しかも、ディスクドライブ装置10が薄型であり、フレキシブル配線板111の略全体が筐体11の内部に収納されるため、基部111cの湾曲部における曲率半径は小さいものとなる。そのため、フレキシブル配線板111の湾曲部における内部応力が著しく大きなものとなっていた。
【0063】
更に、筐体11には、光学ディスク7が出し入れされるため、その光学ディスク7が湾曲部に衝突することがあり、その衝突時の外力によっても、湾曲部の配線回路群113には大きな内部応力が発生する。そのため、捨てランド114の無い従来のディスクドライブ装置では、光学ディスク7の衝突や湾曲部の移動等によって内部応力が極めて大きくなり、配線回路群113の各配線回路が断線したり、発火を生じる等の不具合を生じていた。しかしながら、この実施例のように、フレキシブル配線板111の基部111cに捨てランド114を設けて強度を向上させることにより、配線回路群113の断線や発火を防ぐことが可能となった。
【0064】
また、図11〜図13に示すように、フレキシブル配線板111の第1の接続部111aの先端部は二股形状となっており、これにより、端子部112aと固定部112bが所定の間隔をあけて横並びに形成されている。端子部112aの先端には、配線回路群113の各配線回路の一端を補強的に支持するピックアップ側補強板115が取り付けられ、第2の接続部111bの先端には、配線回路群113の各配線回路の他端を補強的に支持する電源側補強板116が取り付けられている。この電源側補強板116を介して配線回路群113の電源側が、図示しない電源側のコネクタに着脱可能に接続される。そして、ピックアップ側補強板115を介して配線回路群113のピックアップ側が、ピックアップベース61の上面に搭載されているコネクタ121に着脱可能に接続される。
【0065】
コネクタ121は、ピックアップベース61の、回転駆動機構41に対向する面と反対側に接続口を臨ませて取り付けられており、側方から配線回路群113のピックアップ側の各端子が接続可能となっている。このコネクタ121は、図示しないプリント配線板等を介して対物レンズ駆動機構56や光検出器等の電子機器や電気部品等と電気的に接続されている。更に、ピックアップベース61の上面には、アクチュエータカバー122とピックアップカバー123が取り付けられている。アクチュエータカバー122は、対物レンズ駆動機構56の一部を覆うもので、対物レンズ55を除いた部分を覆っている。ピックアップカバー123は、ピックアップベース61の上面の略半分を覆っており、これにより、光学ピックアップ42の光学系の光ビームが通過する光路内に外光が入り込まないようにしている。
【0066】
ピックアップカバー123には、回転駆動機構41に対向する面と反対側に突出する取付片124が設けられている。取付片124は、コネクタ121の側方に所定の間隔をあけて横並びとなるように配置されており、その高さは、コネクタ121の接続口と略同じ高さに設定されている。取付片124には、一面側に突出する円形の膨出部からなる嵌合凸部125が設けられている。ピックアップカバー123の材質としては、例えば、ステンレス鋼(SUS)や鉄板、銅板等の金属が好適であるが、エンジニアリングプラスチック等を用いることもできる。
【0067】
ピックアップカバー123上のコネクタ121と取付片124に対応してフレキシブル配線板111の第1の接続部111aの先端に、前記端子部112aと前記固定部112bが設けられている。固定部112bは、組立後における光学ピックアップ42の移動時等において、第1の接続部111aに作用する外力の全体若しくは大部分を受け持ち、端子部112aに作用する外力を軽減し、或いは外力がまったく作用しないようにすることを目的として設けたものである。この固定部112bには、取付片124の嵌合凸部125が嵌合される嵌合穴117が設けられている(図14B及びC)。嵌合穴117は、ピックアップ側補強板115が延在した方向に直交する方向に延びた長穴とされている。この嵌合穴117を長穴とすることにより、組立誤差等によって生じるコネクタ121と嵌合凸部125との間隔の誤差を吸収し、その誤差によって端子部112aに不要な応力が作用しないようにしており、コネクタに通した後の幅方向の誤差を吸収し、フレキシブル配線板全体の回転方向の位置精度を高めることができる。
【0068】
更に、第1の接続部111aの固定部112bには、接着剤からなる接着層118が所定の範囲に塗布されている。この接着層118は、取付片124の一面に固定部112bを接着することにより、取付片124に対する固定部112bの接合強度を高めることを目的とするものである。接着層118は、接着剤を塗布して形成する他、例えば、両面に接着層を設けた両面テープを貼着させて設けることもできる。この接着層118を有する固定部112bで第1の接続部111aに作用する外力の大部分を受け持つことにより、端子部112aと連続する部分には大きな応力が発生することがある。そのため、この実施例では、端子部112aと固定部112bが連続する部分に曲率半径の大きな円弧状の逃げ部119を設け、この逃げ部119により固定部112bの根元部分に大きな応力が発生するのを防止している。
【0069】
図11及び図13Aは、固定部112bを取付片124に係合すると共にピックアップ側の各接続端子をコネクタ121に接続させた状態を示しており、図12及び図13Bは、その接続・係合前の状態を示している。図15A,B、図16A,B及び図17A,Bに示すように、ディスクドライブ装置10への組立時、フレキシブル配線板111は、第1の接続部111aにおいて180度湾曲される。そして、光学ピックアップ42が、回転駆動機構41に最も近づいた位置(図15A、図16A及び図17Aに示す)と回転駆動機構41から最も離れた位置(図15B、図16B及び図17Bに示す)との間を移動することにより、その湾曲位置も移動する。
【0070】
その結果、フレキシブル配線板111の第1の接続部111aにおける応力状態が絶えず変化することになるが、第1の接続部111aが固定部112bによって取付片124に固定され、その取付片124を有するピックアップカバー123がピックアップベース61に固定されている。これにより、第1の接続部111aの湾曲部に生じる応力の全体若しくは大部分を固定部112bで負担することができ、端子部112aには湾曲部によって生じる応力がまったく作用しないか若しくは負荷される応力を小さくすることができる。そのため、端子部112aの浮き上がりを防止し、高い結合強度を確保することができ、ディスクドライブ装置10の信頼性を向上させることができる。
【0071】
この実施例によれば、光学ピックアップ42とフレキシブル配線板111をつなぐコネクタ121を対物レンズ55の側方に配置したことにより、そのコネクタ121を、光学ピックアップ42の最大厚みまで上方向に配置することができ(図14Aを参照)、光学ピックアップ42の内部空間を広く確保することができる。その結果、光学ピックアップ42の設計の自由度を高めることができる。これを逆に見ると、光学ピックアップ42の内部空間の容積を小さくすることにより、光学ピックアップ42の小型化を図ることができる。
【0072】
また、ピックアップベース61に固定されたピックアップカバー123に側方へ突出する取付片124を設け、その取付片124をコネクタ121の挿入口と略同じ高さ位置に設定すると共に、その取付片124にフレキシブル配線板111の固定部112bを連結したため、フレキシブル配線板111の結合強度を大幅に高めることができるようになった。しかも、コネクタ121自身による保持力に加えて、接着層118による接着強度が付加されたため、結合強度を一段と高めることができ、光学ピックアップ42のシーク動作や振動・衝撃等によるフレキシブル配線板111の脱落を防止することができ、信頼性の高いディスクドライブ装置を提供することができる。
【0073】
即ち、この実施例では、フレキシブル配線板111の光学ピックアップ42側となる第1の接続部111の先端を二股に形成し、一方を電気的接続が可能な端子部112aとして、他方の固定部112bに嵌合孔17と接着層118を設けると共に、固定部112bと端子部112aの間を曲率半径の大きな曲線で連続させる構成とした。そのため、光学ピックアップ42に対するフレキシブル配線板111の浮き上がりを防止して結合強度を高め、信頼性の高いディスクドライブ装置を実現することができる。
【0074】
図17A,Bに示すように、ベース部材40の上面にはベースカバー70が取り付けられている。このベースカバー70は、ベース部材40の平面形状に略対応する形状とされている。このベースカバー70には、ターンテーブル48と光学ピックアップ42の対物レンズ55を露出させるための開口部79が設けられている。開口部79は、光学ピックアップ42の移動方向に延在されており、光学ピックアップ42がターンテーブル48から最も離れた位置からターンテーブル48が露出されたテーブル用開口部まで連続する長穴として形成されている。このベースカバー70が、複数個(本実施例では6個)の固定ねじ82によってベース部材40の上面に締付固定されている。
【0075】
また、ベース部材40は、第1の面取り部45aに設けた支持軸71と、第2の面取り部45bに設けた第1のカムピン72と、第3の面取り部45cに設けた第2のカムピン73と、第4の面取り部45dの近傍に設けた支持部74を有している。支持軸71と第1のカムピン72と第2のカムピン73は、それぞれの面取り部45a,45b,45cにおいて、その面に対して略垂直に突出されている。支持部74は、ベース部材40の一部を外側へ折り曲げるようにして一体に形成されている。また、支持軸71は、ドライブユニット12を筐体11に対して回動可能に支持するための軸部であり、スピンドルモータ47から離れた位置に配置されている。
【0076】
第1のカムピン72と第2のカムピン73は、筐体11に対してドライブユニット12を上下方向へ回動動作させるためのピンである。また、支持部74は、ゴム等の弾性や粘性を有するインシュレータを介してドライブユニット12を筐体11に弾性的に支持する。そのため、支持部74には、インシュレータを保持するための係合穴74aが設けられている。この係合穴74aには側方に開口する切欠きが設けられており、側方からインシュレータの出し入れが可能とされている。
【0077】
図8に示すように、第1のカムピン72はスライドプレート75に設けたカム溝76に摺動可能に係合される。また、第2のカムピン73はスライドレバー77に設けたカム溝78に摺動可能に係合される。このドライブユニット12は、図5〜図7に示すように、筐体11のディスク挿脱口24の一側に配置されている。そして、ドライブユニット12のディスク挿脱口24側に回動中心を設定し、この回動中心を基準として奥行方向の奥側が上下方向へ回動可能に構成されている。
【0078】
即ち、ドライブユニット12は、回転駆動機構41を筐体11の略中央部に臨ませると共に、その長手方向を筐体11の対角線方向に向けて配置されている。この状態のドライブユニット12の支持軸71と対向する筐体11の側面には軸受穴が設けられており、その軸受穴に支持軸71が回動自在に嵌合されている。図8に示すように、支持軸71の軸心線の延長線と略重なる位置に、ドライブユニット12の支持部74が設けられている。支持部74には係合穴74aが設けられており、その係合穴74aにインシュレータ81が装着されている。インシュレータ81は、中央部を貫通する穴を有しており、その穴を貫通する取付ねじ82によって支持部74が、ケース本体14の底面部14aに弾性的に固定支持されている。
【0079】
このようにしてドライブユニット12が、筐体11に対して上下方向へ傾き角変更可能に取り付けられている。このドライブユニット12の姿勢(傾き角)を変更させる昇降動作を確保するため、ディスクドライブ装置10にはベース移動機構83が設けられている。ベース移動機構83は、ドライブユニット12を上下方向へ揺動させて昇降動作させることにより、そのドライブユニット12をチャッキング位置とチャッキング解除位置と中間位置(記録再生位置)に移動させる。
【0080】
即ち、ベース移動機構83でドライブユニット12を上昇させることにより、ディスク装着部26であるターンテーブル48がディスク装着位置に移動する。これにより、ディスク装着位置に位置決めされた光学ディスク7の中心穴7aにターンテーブル48の嵌合部48aが嵌合され、光学ディスク7がターンテーブル48にチャッキングされる。一方、ベース移動機構83でドライブユニット12を下降させることにより、ターンテーブル48がチャッキング解除位置に移動する。これにより、光学ディスク7の中心穴7aからターンテーブル48の嵌合部48aが離脱し、光学ディスク7のチャッキングが解除される。また、チャッキング位置とチャッキング解除位置の間の中間位置(記録再生位置)にドライブユニット12を移動させることにより、光学ピックアップ42による光学ディスク7に対する情報信号の記録又は再生を行うことができる。
【0081】
このベース移動機構83は、それぞれがスライド動作可能とされたスライドプレート75と駆動レバー77を有している。スライドプレート75は、スライド部材の一具体例を示すもので、図8及び図9に示すように、板金製の長尺状の部材からなる。スライドプレート75の長手方向の中途部には、幅方向の一側に突出する幅広部75aが設けられている。スライドプレート75の幅広部75aの他側には、90度に折り曲げることによって立ち上げられたカム片84が設けられている。カム片84は、上部が水平方向に折り曲げられたL字形状をなしており、これにより垂直面部84aと水平面部84bが形成されている。
【0082】
スライドプレート75の水平面部84bには、直径の異なる2種類の光学ディスクに対応した2種類のカム部85a,85bが設けられている。第1のカム部85aは、直径の大きな光学ディスク(以下「大径ディスク」という。例えば、直径が120mmの光学ディスク。)7Lに対応しており、大径ディスク7Lを取り扱うときに用いられる。第2のカム部85bは、直径の小さな光学ディスク(以下「小径ディスク」という。例えば、直径が80mmの光学ディスク。)7Sに対応しており、小径ディスク7Sを取り扱うときに用いられる。
【0083】
スライドプレート75の垂直面部84aには、ドライブユニット12のベース部材40に設けた第1のカムピン72が摺動可能に係合されるプレート側カム溝76が設けられている。プレート側カム溝76は、第1のカムピン72をガイドしてベース部材40を昇降させることにより、ドライブユニット12の姿勢を変化させる。このプレート側カム溝76は、図14A〜Cに示すように、第1のカムピン72を下水平部76aと頂上部76bと上水平部76cに位置させる。プレート側カム溝76の下水平部76aは、第1のカムピン72を介してドライブユニット12をチャッキング解除位置に位置させる。このとき、ドライブユニット12は、図13Bに示すように、ディスク装着位置にセットされた光学ディスク7から最も離反されており、ターンテーブル48側を下にした傾いた状態となっている。
【0084】
プレート側カム溝76の頂上部76bは、第1のカムピン72を介してドライブユニット12をチャッキング位置に位置させる。このとき、ターンテーブル48の嵌合部48aが、ディスク装着位置にセットされた光学ディスク7の中心穴7aに嵌合され、ドライブユニット12は、ターンテーブル48側を僅かに上にした傾いた状態となる。また、上水平部76cは、第1のカムピン72を介してドライブユニット12を中間位置に位置させる。このとき、ドライブユニット12は、図13Aに示すように、挿入された光学ディスク7と略平行した状態になり、この状態において光学ディスク7に対する情報信号の記録又は再生が行われる。
【0085】
このようなプレート側カム溝76が、スライドプレート75のカム片84の垂直面部84aに形成されている。プレート側カム溝76の下水平部76aは、垂直面部84aの根元部分において、長手方向へ延在するように形成されている。この下水平部76aの一端に連続する曲線部の上端に頂上部76bが設けられている。そして、頂上部76bから僅かに下がった位置に上水平部76cが設けられている。上水平部76cは、下水平部76aと略平行に延在されており、その他端は閉じられている。この上水平部76cに対応して、後述する姿勢調整機構が設けられている。
【0086】
スライドプレート75の長手方向の一端に操作ピン87が設けられている。操作ピン87は、スライドプレート75のカム片84が突出する面に突出されており、この操作ピン87が、駆動レバー77に設けた連動用カム溝86に摺動可能に係合されている。更に、スライドプレート75には、このスライドプレート75の直線的な移動を確保するために2つの長穴88,88が設けられている。各長穴88には、ケース本体14の底面部14aに固定された案内ピン89がそれぞれ摺動可能に係合されている。
【0087】
図8に示すように、駆動レバー77は、適度な厚さを有する樹脂製の長尺状の部材からなり、幅方向の一側にはレバー側カム溝78が設けられている。このレバー側カム溝78には、ドライブユニット12のベース部材40の第3の面取り部45cに設けた第2のカムピン73が摺動可能に係合されている。レバー側カム溝78は、第1のカムピン72を昇降させるプレート側カム溝76と連動して、第2のカムピン73を昇降させてベース部材40を回動し、これによりドライブユニット12の姿勢を変化させる。このレバー側カム溝78の機能がプレート側カム溝76の機能と同一であり、その形状も略同様であるため、レバー側カム溝78の形状の説明は省略する。
【0088】
この駆動レバー77の下面に、スライドプレート75の操作ピン87が係合される連動用カム溝86が設けられている。駆動レバー77は、ケース本体14の底面部14aにおいて、スライドプレート75のスライド方向と略直交する方向にスライド可能に支持されている。この駆動レバー77とスライドプレート75が、図8に示すような関係を持って、ケース本体14の底面部14aに配置されている。
【0089】
即ち、駆動レバー77が、その長手方向を光学ディスク7が出し入れされる前後方向に向けて、ベース部材40の第3の面取り部45cと対向するよう底面部14aにスライド可能に支持されている。この駆動レバー77に対してスライドプレート75が、その長手方向を光学ディスク7が出し入れされる前後方向と直交する方向に向けて、ベース部材40の第2の面取り部45bと対向するようにドライブユニット12の奥側に配置され、底面部14aにスライド可能に支持されている。
【0090】
このような構成を有するベース移動機構83は、筐体11のケース本体14の底面部14aに設けられた駆動モータやギア等の動力伝達機構を有する図示しない駆動機構によって動作される。駆動機構が作動すると、図8に示すように、まず、駆動レバー77が前後方向(光学ディスク7が挿入・排出される方向)Xにスライド動作され、この駆動レバー77の前後動作によってスライドプレート75が、前後方向Xと直交する左右方向Yにスライド動作される。即ち、駆動レバー77の前後動作によって連動用カム溝86が前後方向Xに移動し、その連動用カム溝86の形状変化に応じて操作ピン87が左右方向Yに移動する。これにより、操作ピン87の移動量に応じてスライドプレート75が、操作ピン87と同じ距離を左右方向Yに移動する。
【0091】
図20Bは、ディスクドライブ装置10のディスク挿脱口24に光学ディスク7を挿入する初期状態(又は、ディスク挿脱口24から光学ディスク7を取り出す終期状態)を示している。この状態では、ドライブユニット12の奥行方向の奥側が引き下げられ、ターンテーブル48がディスク装着位置の下方に後退して、ドライブユニット12の全体が傾いた状態にある。この状態から、駆動レバー77をスライドさせるための駆動機構を作動することにより、ドライブユニット12が、図20Bに示すディスク装着解除位置から図20Aに示すディスク装着位置に移動し、その姿勢が傾いた状態から略水平の状態に変化する。なお、筐体11のケース蓋体15におけるターンテーブル48と対応する位置には、ターンテーブル48の嵌合部48aとの干渉を避けるための逃げ穴15aが設けられている。
【0092】
図20Bに示す状態から、駆動機構が作動すると、まず、駆動レバー77が、前後方向Xの後方向X1に移動する(図8を参照)。これにより、駆動レバー77の連動用カム溝86にガイドされて操作ピン87が、左右方向Yの左方向Y1に移動する(図8を参照)。これにより、操作ピン87の移動量に応じてスライドプレート75が、操作ピン87と同じ距離を左方向Y1に移動する。このとき、駆動レバー77に設けたレバー側カム溝78とスライドプレート75に設けたプレート側カム溝76がカム機構として協働して働く。即ち、レバー側カム溝78がドライブユニット12のベース部材40に設けた第2のカムピン73を上昇させ、これと同時に、プレート側カム溝76がベース部材40に設けた第1のカムピン72を上昇させる。
【0093】
これにより、第1のカムピン72がプレート側カム溝76にガイドされて上部位置に移動し、同時に、第2のカムピン73がレバー側カム溝78にガイドされて上部位置に移動する。そして、第1のカムピン72がプレート側カム溝76の頂上部76bまで移動すると共に、第2のカムピン73がレバー側カム溝78の頂上部まで移動する。その結果、ターンテーブル48の嵌合部48aが光学ディスク7の中心穴7a内に入り込む。これにより、光学ディスク7がターンテーブル48にチャッキングされる。
【0094】
更に、駆動レバー77が後方向X1に移動すると共に、スライドプレート75が左方向Y1に移動すると、第1のカムピン72が頂上部76bから上水平部76cまで移動し、同じく第2のカムピン73が頂上部から上水平部まで移動する。これにより、第1のカムピン72と第2のカムピン73が僅かに引き下げられ、ディスクドライブ装置10が図20Aに示す状態になる。このとき、ディスクドライブ装置10が略水平状態となり、この状態において、ターンテーブル48に装着されている光学ディスク7に対して、光学ピックアップ42による情報記録面からの情報信号の読み出しが可能となり、また、その情報記録面への新たな情報信号の書き込みが可能となる。
【0095】
このディスクドライブ装置10の略水平状態から、駆動レバー77を前後方向Xの前方向X2に移動することにより、前述した動作と逆の動作が実行される。即ち、駆動レバー77の前方向X2への移動により、連動用カム溝86とこれに係合された操作ピン87の作動を介して、スライドプレート75が左右方向Yの右方向Y2に移動する。これにより、第1のカムピン72が上水平部76cから頂上部76bまで移動し、同じく第2のカムピン73が上水平部から頂上部まで移動する。そして、第1のカムピン72が頂上部76bから下水平部76aまで移動し、同じく第2のカムピン73が頂上部から下水平部まで移動することにより、ターンテーブル48から光学ディスク7が離脱される。その結果、ドライブユニット12が、上方のチャッキング位置から下方のチャッキング解除位置に移動し、ドライブユニット12の姿勢が、図20Aに示す状態から図20Bに示す状態に変化する。
【0096】
このように動作されるドライブユニット12は、情報信号の記録や再生が行われる略水平状態となる位置において、本発明のディスクドライブ装置に係る姿勢調整機構によって高さ(姿勢)を調整することができる。図9に示す姿勢調整機構90は、本発明のディスクドライブ装置に係る姿勢調整機構の第1の実施の例を示すものである。
【0097】
この第1の実施の例を示す姿勢調整機構90は、図18及び図19に示すように、スライドプレート75(スライド部材)に設けられており、調整ねじ91と操作部材92と弾性部材93を有している。調整ねじ91は、この実施の例では、止めねじ(一般に「いもねじ」と呼ばれている。)が適用されている。調整ねじ91は、スライドプレート75に設けたプレート側カム溝76の上水平部76cの近傍に配置されている。そのため、スライドプレート75には、その一部にバーリング加工を施すことによってボス部94を設けている。ボス部94の穴内には、調整ねじ91の雄ねじに対応した雌ねじが設けられており、その雌ねじに調整ねじ91が螺合されている。
【0098】
スライドプレート75のボス部94は、これに螺合された調整ねじ91の上端面が、上水平部76cに移動した際の第1のカムピン72の略真下に臨む位置に配置されている。更に、この実施例では、カム片84の垂直面部84aの折曲部に切り込み94aを設けることにより、ボス部94を垂直面部84aにできるだけ近づけて、第1のカムピン72のできるだけ根元部分に調整ねじ91の先端面が当接するようにしている。
【0099】
また、スライドプレート75のボス部94の近傍に、調整ねじ91と第1のカムピン72との間に介在される操作部材92が取り付けられている。操作部材92は、当接部92aと固定部92bと連結部92cを有しており、これらが板金製のばね材によって一体に形成されている。操作部材92の当接部92aは、一面に調整ねじ91が当接され、且つ、その一面に対向する他面に第1のカムピン72が当接される。当接部92aは、断面形状が略コ字状をなしており、互いに対向する2片のうちの第1の片95aの外面に調整ねじ91の先端面が当接され、第2の片95bの外面に第1のカムピン72の外周面が当接される。
【0100】
固定部92bは、操作部材92をスライドプレート75に固定するためのもので、その固定のために貫通穴96aが設けられている。この固定部92bに、連結部92cを介して当接部92aが弾性的に連結されている。固定部92bの貫通穴96aには、カシメピン97が挿通されている。カシメピン97の先端部は、スライドプレート75に設けたカシメ穴96bに挿通されている。このカシメピン97の先端部をカシメ止めすることにより、操作部材92がスライドプレート75に固定されている。また、連結部92cには、操作部材92の回り止めをなす回り止め片95cが設けられている。回り止め片95cは、クランク状に形成された折り曲げ片からなり、一端が第1の片95aに連続され、他端が連結部92cに掛け止められている。
【0101】
スライドプレート75に固定された操作部材92は、当接部92aの第1の片95aの外面がボス部94の上方に対向されている。このとき、当接部92aの第2の片95bの外面は、プレート側カム溝76の上水平部76cの下辺と略同一の高さに設定される。この上水平部76c内に第1のカムピン72が入り込むことにより、第1のカムピン72が第2の片95bに載置され或いは第2の片95bと接触可能な状態になる。その後、調整ねじ91をねじ込んで先端面を第1の片95aに当接させ、更にねじ込むことにより、第2の片95bが第1のカムピン72に当接される。この際、操作部材92が板ばねで形成され、特に連結部92cに大きなばね力が付与されているため、調整ねじ91の締め込み作業が容易であって、当接部92aの姿勢調整(変更)を容易に行うことができる。
【0102】
また、スライドプレート75のカム片84の垂直面部84aには、プレート側カム溝76の上水平部76cに入り込んだ第1のカムピン72を押圧して当接部92aの第1の片95aに付勢する弾性部材の一具体例を示す捩りばね93が取り付けられている。捩りばね93は、1周以上に巻回されたコイル部93aと、このコイル部93aの一端に連続された第1の弾性片93bと、コイル部93aの他端に連続された第2の弾性片93cを有している。コイル部93aは、垂直面部84aに設けられた支持軸98に適当な隙間を有して嵌合支持されている。支持軸98の軸方向の先端には、コイル部93aの脱落を防止するフランジ部98aが設けられている。
【0103】
捩りばね93の第1の弾性片93bは、垂直面部84aに設けた第1のばね受け片99aに掛け止められている。また、第2の弾性片93cはV字状に折り曲げ形成されており、その基部側が、垂直面部84aに設けた第2のばね受け片99bに掛け止められている。第2の弾性片93cの先端部は当接部92aに対向されており、第1のカムピン72が上水平部76cに入り込むことにより、第2の弾性片93cが第1のカムピン72に当接される。この第2のばね受け片99bのばね力により、第1のカムピン72が当接部92aの第2の片95b若しくは上水平部76cの底面に付勢される。その結果、第1のカムピン72が上水平部76cの所定位置に位置決めされ、これにより、ドライブユニット12が略水平状態に保持される。
【0104】
スライドプレート75の材質としては、例えば、ステンレス鋼(SUS)やスチール鋼等の金属が好適であるが、エンジニアリングプラスチックを用いることもできる。また、駆動レバー77の材質としては、例えば、PC(ポリカーボネート)等のエンジニアリングプラスチックが好適であるが、ステンレス鋼やスチール鋼等の金属を用いることもできる。
【0105】
このような構成を有する姿勢調整機構90がスライドプレート75に搭載され、そのスライドプレート75が筐体11のケース本体14に設けた底面部14aの底面にスライド可能に支持されている。この姿勢調整機構90の調整操作を底面部14aの背面からできるようにするため、図3及び図4に示すように、ケース本体14の底面部14aの第1のカムピン72と対応する位置には、調整用の操作穴101が設けられている。操作穴101は、調整ねじ91の外径よりも少し大きな円形の穴として形成されており、ドライバ等の工具の先端が挿入可能とされている。更に、ケース本体14の底面部14aにおける操作穴101の近傍には、ベース部材40の揺動側の先端部を露出させる開口窓102が設けられている。
【0106】
この姿勢調整機構90は、例えば、次のようにして使用される。この姿勢調整作業は、通常、ディスクドライブ装置10の組立完了後に行われる。薄型のスロットインタイプのディスクドライブ装置10では、本質的に、ターンテーブル48に装着された光学ディスク7のディスク表面と、ディスク搬送機構30の第1〜第4の回動アーム31〜34等の構成部品との間に、高さ方向の隙間を十分に確保することができず、その隙間は一層狭く(厳しく)する必要があった。しかも、部品精度のバラツキによる隙間の変化量も、厳しく押える必要があった。このような状況下、仮に、光学ディスク7とディスク搬送機構30の構成部品等との間の隙間がなくなると、回転中の光学ディスク7と構成部品等が接触し、異常音を発生したり、光学ディスクの表面が傷付けられるおそれがある。
【0107】
このような場合に、姿勢調整機構90を用いてディスクドライブ装置10の姿勢(傾きや高さ等)を微調整する。これにより、回転中の光学ディスク7と構成部品等の接触を回避し、異常音の発生や、光学ディスクの表面の傷付け等を防ぐことができる。特に、規格上限の厚い光学ディスクや規格上限の面振れを持つ光学ディスクについては、部品の公差や限界部品の変形等により、ディスク表面と周囲の機構部品との隙間を確保し難い関係にある。そこで、この姿勢調整機構90を用いて姿勢(高さ)調整を行うことにより、光学ディスク7の上面及び下面と周辺機器の構成部品等との隙間を所定の範囲に確保して、歩留まりの向上を図ることができる。
【0108】
この姿勢調整機構90による調整作業は、例えば、次のようにして行うことができる。ディスクドライブ装置10の組立完了後に、規格上限の厚い光学ディスクや、同じく規格上限の面振れを有する光学ディスクを、ディスク装着部であるターンテーブル48に装着し、その光学ディスクを所定回転で回転させる。このとき、光学ディスクの上面とその上方に配置された周囲部品との隙間、又は光学ディスクの下面とその下方に配置された周囲部品との間に隙間が無いときには、その周囲部品に接触しながら光学ディスクが回転駆動される。この際、光学ディスクと周囲部品が接触し、擦れ合うことによって異常音が発生する。
【0109】
この異常音を作業者が耳で聴いたときに、この調整作業を行う。そして、異常音の発生が無くなるところまで調整ねじ91を回して、ドライブユニット12の姿勢(高さ)調整を行う。また、別の方法として、例えば、スピンドルモータ47の電流波形やターンテーブル48の回転数を観察し、その変化に応じて調整作業を行うこともできる。この場合、回転中の光学ディスク7と周囲部品が接触すると、モータの駆動電流が変化したり、ターンテーブル48の回転数が変化するため、これらの変化が解消されるように調整作業を行うようにする。
【0110】
具体的な調整作業は、例えば、次のようにして行われる。ドライブユニット12を情報信号の記録又は再生が可能な位置、即ち、ベース部材40に設けた第1のカムピン72及び第2のカムピン73をプレート側カム溝76及びレバー側カム溝78の各上水平部76cにセットする(図9、図19及び図21Bに示す。)。この場合、スライドプレート75及び駆動レバー77は、それぞれの動作が終了した位置、即ち、図8に示す状態からそれぞれ逆側(スライドプレート75はY1方向、駆動レバー77はX1方向)に移動した位置にある。
【0111】
このとき、第1のカムピン72は、操作部材92の当接部92aにおける第2の片95bの上面に載置され、当接部92aの第1の片95aの下面には調整ねじ91の上端面が当接されている。そして、第1のカムピン72の上面には、捩りばね93の第2の弾性片93cが当接され、そのばね力で第1のカムピン72が当接部92a側に付勢されて、安定的に固定されている。
【0112】
そのため、調整ねじ91を左又は右へ回動することにより、その回動方向に応じて進退動作する調整ねじ91によって第1のカムピン72(第2のカムピン73の場合も同様)が昇降動作される。この際、調整ねじ91の回動操作は、筐体11の外部であるケース本体14の底面側の外から行うことができる。また、調整ねじ91は、一般的な止めねじ(通称「イモねじ」)であって、通常のねじと同様に右ねじとして形成される。そのため、調整ねじ91を時計回りに回すと、その回転量に応じて当接部92aが押し上げられる。これにより、ドライブユニット12のターンテーブル48の高さが、調整ねじ91の上昇分だけ上げられる。これに対して、調整ねじ91を反時計回りに回すことにより、その回転量に応じて当接部92aが押し上げられる。その結果、ドライブユニット12のターンテーブル48の高さが、調整ねじ91の下降昇分だけ上げられる。
【0113】
この調整ねじ91による高さ(姿勢)の調整範囲は、プレート側カム溝76の上水平部76cの溝幅であり、その溝幅によって調整量(上げ下げの量)が決定される。即ち、調整ねじ91をねじ込み方向へ回し過ぎると、図21C及び図22に示すように、第1のカムピン72が上水平部76cの上側の溝縁に当接される(上方向の高さ限界)。また、下方向の高さ限界は、当接部92aの第2の片95bの上面が、上水平部76cの下側の溝縁より下方へ離れるときである。従って、この実施例では、上水平部76cの溝幅の範囲内において、無段階に高さ調整を行うことができる。この際、操作部材92がステンレス製の板ばね材によって形成されているため、調整ねじ91の調整量に応じて当接部92aを容易に追従させることができる。
【0114】
また、図23A,Bに示すように、操作部材92の当接部92aの第2の片95bは、その主面を傾斜させて折曲部を最も高い位置に設定し、先端縁のエッジが第1のカムピン72と接触しないように構成している。これにより、比較的曲率半径の大きな滑らかな曲線を有する折曲部で第1のカムピン72を支持し、摺動による摩擦抵抗の増加を防ぐと共に、第2の片95bのエッジによって第1のカムピン72が傷付けられるのを防止することができる。
【0115】
上述したような調整作業が終了した後、図22に示すように、筐体11のケース本体14に設けた操作穴101を経て、スライドプレート75のボス部94の穴に紫外線硬化性接着剤128を塗布する。その後、紫外線硬化性接着剤128に紫外線を照射して、調整後の位置で調整ねじ91の裏面を固定する。これにより、調整ねじ91に弛みが生じないようにして、調整時の高さが変化しないようにする。このように、本実施例に係る調整作業は、ディスクドライブ装置10の製造段階における最終工程で行われ、しかも、光学ディスク7が回転駆動される位置でドライブユニット12の位置決めが行われる。そのため、ドライブユニット12の高さ調整に作業ミスを生じることがなく、高さ調整作業を簡単且つ確実に行うことができる。
【0116】
図24〜図30は、本発明に係る姿勢調整機構の他の実施例を示す。図24A,B及び図25は、本発明のディスクドライブ装置に係る姿勢調整機構の第2の実施例を示すものである。この第2の実施例として示す姿勢調整機構130は、調整ねじ91と操作部材132を有している。この第2の実施例に係る姿勢調整機構130が前述した姿勢調整機構90と異なるところは、操作部材132と、この操作部材132を支持するスライドプレート75の支持部の構成のみである。そのため、ここでは、その支持部と操作部材132のみについて説明し、同一部分には同一の符号を付して、重複した説明を省略する。
【0117】
姿勢調整機構130の操作部材132は、図25に示すような構成を有している。即ち、操作部材132は、当接部132aと固定部132bと連結部132cを有しており、これらが板金製のばね材によって一体に形成されている。操作部材132の当接部132aはコ字状に形成されていて、ピン受け部133と第1の片134aと第2の片134bを有している。ピン受け部133は、上水平部76cに移動してきた第1のカムピン72が出し入れされる凹部であり、側方に開口されている。このピン受け部133のコ字状をなす周縁には、補強用のリブ部133aが設けられている。リブ部133aの一方の端部(上端)には、外向きに湾曲された拡幅部133bが設けられており、この拡幅部133bによって第1のカムピン72の出し入れが容易に行えるようにしている。
【0118】
当接部132aの第1の片134aと第2の片134bは、それぞれの外縁において、ピン受け部133を挟んで対向するように配置されている。第1の片134aの下面には、調整ねじ91の先端面が当接される。また、第2の片134bは、外縁から内側へ所定長さ入った位置にその外縁に沿って延在するスリットを設けることにより、その中央部にばね性を持たせ弾性片として形成されている。固定部132bは、操作部材132をスライドプレート75に固定するためのもので、その固定のために貫通穴96aが設けられている。この固定部132bに、連結部132cを介して当接部132aが弾性的に連結されている。
【0119】
操作部材132の固定部92bの貫通穴96aには、カシメピン97が挿通される。このカシメピン97の先端部を、スライドプレート75のカシメ穴96bに挿通してカシメ止めすることにより、操作部材132がスライドプレート75に固定される。図24A,Bに示すように、スライドプレート75に固定された操作部材132は、当接部132aの第1の片134aがボス部94に螺合されている調整ねじ91に当接される。そして、当接部132aのピン受部133が、スライドプレート75に設けたプレート側カム溝76の上水平部76cに対向される。
【0120】
操作部材132の当接部132aに対応させて、カム片84の垂直面部84aには、第1のガイド片135aと第2のガイド片135bが設けられている。両ガイド片135a,135bは、カム片84の一部を切り出して折り曲げることによって形成されている。第1のガイド片135aは、当接部132aの一部に摺動接触して、当接部132aを垂直面部84aの主面に沿って移動させるガイドをなしており、移動時に当接部132aが倒れて折れ曲げられるのを防止している。また、第2のガイド片135bは、第1のガイド片135aと同様に当接部132aの倒れを防止すると共に、ばね性の大きな第2の片134bを第1のカムピン72側に付勢している。この第2の片134bのばね力でピン受け部133を第1のカムピン72に押圧することにより、ドライブユニット12を所定位置に固定的に支持している。
【0121】
この第2の実施例による調整作業は、前記実施例による調整作業と略同様である。即ち、調整ねじ91を左又は右へ回すことによって行われる。図24Aは、調整ねじ91が最も下げられた状態を示しており、プレート側ガイド溝76の上水平部76c内に入り込んだ第1のカムピン72は、その下面が上水平部76cの下側の溝縁に当接している。このとき、当接部132aのピン受け部133の下縁が上水平部76cの下側の溝縁と同じ高さにあり、第1の片144aの下面に調整ねじ91の上端面が当接している。この第1のカムピン72の上に、第2の片134bの付勢力によって当接部132aが押圧され、これにより、第1のカムピン72が位置決めされている。
【0122】
この状態から、調整ねじ91を時計方向に回して締め込むことにより、当接部132aを介して第1のカムピン72が押し上げられ、図24Bに示す状態となる。このような第1のカムピン72の押し上げ作業、或いは、上げすぎたときに調整ねじ91を逆側の反時計方向に回して押し下げ作業を行うことにより、ドライブユニット12の姿勢(高さ)を調整する。これにより、ドライブユニット12を、光学ディスク7が周囲の部品に当たることのない所定位置に固定的に支持することが可能となる。このように、調整ねじ91の締め込み量(上げ下げの量)を調整し、操作部材132の当接部132aの姿勢(高さ)を調整することにより、ドライブユニット12を所定位置において所定の姿勢に設定することができる。なお、当接部132aのピン受け部133の溝幅は、第1のカムピン72の直径よりも僅かに大きく設定することが好ましく、この場合には、第1のカムピン72のがたつきをできるだけ押えることができる。
【0123】
図26A,B及び図27は、本発明のディスクドライブ装置に係る姿勢調整機構の第3の実施例を示すものである。この第3の実施例として示す姿勢調整機構140は、調整ねじ91と操作部材142を有している。この第3の実施例に係る姿勢調整機構140が前述した姿勢調整機構130と異なるところは、操作部材142と、この操作部材142を支持するスライドプレート75の支持部の構成のみである。そのため、ここでは、その支持部と操作部材142のみについて説明し、同一部分には同一の符号を付して、重複した説明を省略する。
【0124】
姿勢調整機構140の操作部材142は、図27に示すような構成を有している。即ち、操作部材142は、当接部142aと固定部142bと連結部142cを有しており、これらが板金製のばね材によって一体に形成されている。操作部材142の当接部142aはコ字状に形成されていて、ピン受け部143と第1の片144aと第2の片144bとガイド片144cを有している。ピン受け部143は、上水平部76cに移動してきた第1のカムピン72が出し入れされる凹部であり、側方に開口されている。このピン受け部143の対向する2片144a,144b間の間隔は、第1のカムピン72の直径よりも少し小さく設定されている。
【0125】
このように、第1の片144aと第2の片144bの間隔を第1のカムピン72の直径よりも小さくすることにより、当接部142aに生ずるばね性によって第1のカムピン72のがたを吸収し、ドライブユニット12を所定位置に固定的に支持することができる。更に、この実施例では、第1の片144aと第2の片144bには補強用のリブを設けておらず、両片を平面部のみで形成しているため、両片144a,144bに対してばね性を容易に付与することができる。その一方、第1の片144aと第2の片144bを結ぶ連結片144cには、その一部をL字状に折り曲げることによってガイド部144dを形成しているため、連結片144cにおける強度を十分に大きく保持することができる。
【0126】
この操作部材142の当接部142aに対応させて、カム片84の垂直面部84aには、ガイド片145が設けられている。ガイド片145は、カム片84の一部を切り出して折り曲げることによって形成されている。このガイド片145は、当接部132aのガイド部144dに摺動接触して、当接部132aを垂直面部84aの主面に沿って移動させるガイドをなしており、移動時に当接部132aが倒れて折れ曲げられるのを防止している。
【0127】
この姿勢調整機構140の調整作業は、前述した実施例と同様であり、調整ねじ91を左又は右へ回すことによって行われる。即ち、図26Aは、調整ねじ91が最も下げられた状態を示しており、プレート側ガイド溝76の上水平部76c内に入り込んだ第1のカムピン72は、その下面が上水平部76cの下側の溝縁に当接している。このとき、当接部132aの第1の片144aの上面が上水平部76cの下側の溝縁と同じ高さにある。そのため、第1の片144aの上面が第1のカムピン72の下面に当接し、第1の片144aの下面に調整ねじ91の上端面が当接している。この第1のカムピン72の上に第2の片144bが押圧されており、その第2の片144bの付勢力によって第1のカムピン72が位置決めされている。
【0128】
この状態から、調整ねじ91を時計方向に回して締め込むことにより、第1の片144aを介して第1のカムピン72が押し上げられ、図26Bに示す状態となる。このような第1のカムピン72の押し上げ作業、或いは、上げすぎた時の押し下げ作業を介して、ドライブユニット12の姿勢(高さ)を調整する。これにより、ドライブユニット12を、光学ディスク7が周囲の部品に当たることのない所定位置に固定的に支持することが可能となる。
【0129】
図28A,B及び図29は、本発明のディスクドライブ装置に係る姿勢調整機構の第4の実施例を示すものである。この第4の実施例として示す姿勢調整機構150は、調整ねじ91と操作部材152を有している。この第4の実施例に係る姿勢調整機構150が前述した姿勢調整機構130,140と異なるところは、操作部材152と、この操作部材152を支持するスライドプレート75の支持部の構成のみである。そのため、ここでは、その支持部と操作部材152のみについて説明し、同一部分には同一の符号を付して、重複した説明を省略する。
【0130】
姿勢調整機構150の操作部材152は、図29に示すような構成を有している。即ち、操作部材152は、当接部152aと軸受部152bと架橋部152cを有しており、これらが板金製のばね材によって一体に形成されている。操作部材152は、全体として略扇形のような形状をなしており、その扇の要となる部分に軸受部152bが配置されている。軸受部152bは、操作部材152をスライドプレート75に回動可能に支持するためのもので、その支持のために設けた貫通穴154にカシメピン156が挿通され、カシメ止めされている。この軸受部152bを中心として、操作部材152の一側に当接部152aが配置され、他側に架橋部152cが配置されている。
【0131】
操作部材152には、プレート側カム溝76の形状と一部において重なり合う近似した形状を有する操作カム溝155が設けられている。操作カム溝155は、プレート側カム溝76の上水平部76cと略同様の形状を有する調整部155aと、この調整部155aの一端に連続すると共にプレート側カム溝76の頂上部76bと略同様の形状を有するガイド部155bを有している。この操作カム溝155には、プレート側カム溝76を貫通する第1のカムピン72が貫通され、その貫通状態で摺動可能に係合される。そのため、操作カム溝155に出入りする第1のカムピン72の移動軌跡上に重なる操作部材152の、調整部155aと反対側の辺には、強度の確保等を目的として架橋部152cが設けられている。架橋部152cは、操作部材152の主面に対してコ字状に突出した膨出部からなり、その背面側を第1のカムピン72が通過可能とされている。
【0132】
この操作部材152は、スライドプレート76のカム片84の一部をなす垂直面部84aに、カシメピン156によって回動可能に支持されている。この操作部材152の取付状態において、操作カム溝155とプレート側カム溝76は、図28A及びBに示すような関係となっている。即ち、操作カム溝155の調整部155aの溝幅は第1のカムピン72の直径と略同等の寸法を有し、略ガタの無い状態で摺動可能となっている。これに対して、プレート側カム溝76の上水平部76cの溝幅は第1のカムピン72の直径よりも少し大きく形成されている。
【0133】
図28Aは、第1のカムピン72の一側が上水平部76cの下縁に当接した状態を示しており、このとき、第1のカムピン72の他側は、操作カム溝155には略接触した状態となるが、上水平部76cの上縁との間には隙間が少しできている。図28Bは、第1のカムピン72の一側が上水平部76cの上縁に当接した状態を示しており、このとき、第1のカムピン72の他側は、操作カム溝155には略接触した状態となるが、上水平部76cの下縁との間には隙間が少しできている。
【0134】
操作部材152の当接部152aはL字状に形成されており、調整ねじ151の先端部が挿通される挿通孔153が設けられている。スライドプレート76に螺合されている調整ねじ151の先部は、当接部152aに設けた挿通孔153に回動可能に挿通されている。調整ねじ151の先部には、抜け止め用の止め輪(例えば、Eリング)157が取り付けられている。これにより、調整ねじ151が当接部152aに対して回動可能であって姿勢変更可能に連結されている。そのため、調整ねじ151を回すと、その回動方向に応じて操作部材152が、カシメピン156を回動中心として、時計方向又は反時計方向に回動される。
【0135】
この操作部材152の回動動作を確保するため、垂直面部84aにはガイド片158が設けられている。ガイド片158は、垂直面部84aの一部を切り出して折り曲げることによって形成されている。このガイド片158は、操作部材152をその主面に沿って移動させるガイドをなしており、操作部材152の一部に摺動接触して、移動時に操作部材152が倒れて折れ曲げられるのを防止している。
【0136】
この姿勢調整機構150の調整作業は、前述した実施例と同様であり、調整ねじ151を左又は右へ回すことによって行われる。即ち、図28Aは、調整ねじ151が最も下げられた状態を示しており、プレート側ガイド溝76の上水平部76c内に入り込んだ第1のカムピン72は、その下面が上水平部76cの下側の溝縁に当接している。このとき、操作カム溝155の調整部155aの下縁は、上水平部76cの下側の溝縁と同じ高さにある。この状態から、調整ねじ151を時計方向に回して締め込むことにより、操作部材152がカシメピン156を回動中心として回動され、第1のカムピン72が押し上げられて図28Bに示す状態となる。
【0137】
このような第1のカムピン72の押し上げ作業、或いは、上げすぎた時の押し下げ作業(調整ねじ151を反時計方向に回す。)を介して、ドライブユニット12の姿勢(高さ)を調整する。これにより、ドライブユニット12を、光学ディスク7が周囲の部品に当たることのない所定位置に固定的に支持することが可能となる。
【0138】
図30A,Bは、本発明のディスクドライブ装置に係る姿勢調整機構の第5の実施例を示すものである。この第5の実施例として示す姿勢調整機構160は、ドライブユニット12の姿勢(高さ)調整を有段階で行うことができるようにしたもので、固定ねじ161と操作部材162を有している。この第5の実施例に係る姿勢調整機構160が前述した姿勢調整機構130,140,150と異なるところは、操作部材162と、この操作部材162を支持するスライドプレート75の支持部の構成のみである。そのため、ここでは、その支持部と操作部材162のみについて説明し、同一部分には同一の符号を付して、重複した説明を省略する。
【0139】
姿勢調整機構160の操作部材162は、図30に示すような構成を有している。即ち、操作部材162は、当接部162aと軸受部162bを有しており、これらが板金によって一体に形成されている。操作部材162は、全体として略コ字状に形成されており、その一方の片の先端に軸受部162bが配置されている。軸受部162bは、操作部材162をスライドプレート75に回動可能に支持するもので、その支持のために設けた貫通穴にカシメピン166が挿通され、カシメ止めされている。
【0140】
操作部材162の当接部162aには、プレート側カム溝76の形状と一部において重なり合う近似した形状を有する操作カム溝165が設けられている。操作カム溝165は、プレート側カム溝76の上水平部76cと略同様の形状を有している。この操作カム溝165には、プレート側カム溝76を貫通する第1のカムピン72が貫通され、その貫通状態で摺動可能に係合される。
【0141】
この操作部材162は、スライドプレート76のカム片84の一部をなす垂直面部84aに、カシメピン166によって回動可能に支持されている。この操作部材162の取付状態において、操作カム溝165とプレート側カム溝76は、図30A及びBに示すような関係となっている。即ち、操作カム溝165の溝幅は第1のカムピン72の直径と略同等の寸法を有し、略ガタの無い状態で摺動可能となっている。これに対して、プレート側カム溝76の上水平部76cの溝幅は第1のカムピン72の直径よりも少し大きく形成されている。
【0142】
図30Aは、第1のカムピン72の一側が上水平部76cの下縁に当接した状態を示しており、このとき、第1のカムピン72の他側は、操作カム溝165には略接触した状態となるが、上水平部76cの上縁との間には隙間が少しできている。図30Bは、第1のカムピン72の一側が上水平部76cの上縁に当接した状態を示しており、このとき、第1のカムピン72の他側は、操作カム溝165には略接触した状態となるが、上水平部76cの下縁との間には隙間が少しできている。
【0143】
操作部材162の当接部162aには、固定ねじ161が選択的に挿通される複数(本実施例では3個)の挿通孔163a,163b,163cが設けられている。これらの挿通孔163a〜163cに対応してスライドプレート76のカム片84における垂直面部84aには、挿通孔163a〜163cと同じ数のねじ孔164a,164b,164cが設けられている。ねじ孔164a〜164cに対して挿通孔163a〜163cは、操作部材152の回動中心であるカシメピン166から離れるに従って徐々に変位量が大きくなるように設定されている。操作部材162は、複数の挿通孔163a〜163cから選択した1の挿通孔に固定ねじ161を螺合して締め込むことにより、その位置に固定される。従って、この実施例では、操作部材162は、3段階に固定可能となっている。
【0144】
この姿勢調整機構160による姿勢(高さ)調整は、例えば、次のようにして行うことができる。図30Aは、第1のカムピン72の一側が、上水平部76cの下縁と操作部材162の操作カム溝165の下縁に当接した状態を示している。このとき、第1のカムピン72の他側は、操作カム溝155の上縁には略接触した状態となるが、上水平部76cの上縁との間には隙間ができている。この状態において、第1の挿通孔163aに固定ねじ161のねじ軸を挿通し、その先端部を第1のねじ孔164aに螺合させて締め付けることにより、操作部材162が最下段の位置で固定される。
【0145】
図30Bは、第1のカムピン72の一側が、上水平部76cの上縁と操作部材162の操作カム溝165の上縁に当接した状態を示している。このとき、第1のカムピン72の他側は、操作カム溝155の下縁には略接触した状態となるが、上水平部76cの下縁との間には隙間ができている。この状態において、第3の挿通孔163cに固定ねじ161のねじ軸を挿通し、その先端部を第3のねじ孔164cに螺合させて締め付けることにより、操作部材162が最上段の位置で固定される。また、図示しないが、第2のねじ孔164bに第2の挿通孔163bを一致させ、その第2のねじ孔164bに固定ねじ161のねじ軸を挿通し、その先端部を第2のねじ孔164bに螺合させて締め付けることにより、操作部材162が中間段の位置で固定される。
【0146】
この第5の実施例に係る姿勢調整機構160のように、予め、スライドプレート75に複数のねじ孔を設けると共に操作部材162に複数の挿通孔を設けることにより、回動又は微動する操作部材162を固定ねじ161で複数段階に固定することができる。これにより、前記実施例と同様に、ドライブユニット12の姿勢(高さ)を調整することができる。なお、この実施例の場合には、ディスクドライブ装置10の完成後に筐体11の外から調整作業を行うことはできず、その調整作業は、組立工程中において行う必要がある。
【0147】
以上説明したように、本発明によれば、姿勢調整機構を設けたことにより、部品のバラツキによるディスク表面と周囲の部品との隙間を最適に調整することができ、信頼性の高い薄型のディスクドライブ装置、及びそのディスクドライブ装置を備えた情報記録及び/又は再生装置を提供することができる。更に、ディスクドライブ装置の生産工程の最終段階において姿勢調整作業が行われるため、歩留まりを改善することができ、組立工程等を簡単化できると共に、コストダウンを図ることができる。
【0148】
本発明は、前述しかつ図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、前記実施例では、ノート型パソコンに適用した例について説明したが、光ディスクや光磁気ディスクを用いた他の電子機器、例えば、デスクトップ型パーソナルコンピュータ、電子辞書、DVDプレーヤ、カーナビゲーションその他各種の電子機器に適用できるものである。
【0149】
更に、前記実施例においては、ドライブユニットを回動させてディスクのチャッキングとその解除を行う例について説明したが、ドライブユニットを平行移動させてディスクのチャッキングとその解除を行うように構成することができることは勿論である。更に、ディスク挿脱口から光学ディスクを出し入れする例について説明したが、他の開口部から光学ディスクを挿入又は排出するように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0150】
【図1】本発明のディスクドライブ装置を備えた情報記録及び/又は再生装置の一実施例を示す斜視図である。
【図2】本発明のディスクドライブ装置に係る筐体の一実施例を示す斜視図である。
【図3】図2に示した筐体を背面から見たもので、スライド部材が一側に移動した状態の説明図である。
【図4】図2に示した筐体を背面から見たもので、スライド部材が他側に移動した状態の説明図である。
【図5】本発明のディスクドライブ装置に大径ディスク及び小径ディスクが挿入される(排出時も同様)状態を示す説明図である。
【図6】本発明のディスクドライブ装置に大径ディスクが装着された状態を示す説明図である。
【図7】本発明のディスクドライブ装置に小径ディスクが装着された状態を示す説明図である。
【図8】本発明のディスクドライブ装置に係るドライブユニットとスライドプレートと駆動レバーの関係を説明する平面図である。
【図9】本発明のディスクドライブ装置に係るドライブユニットとスライドプレートの関係を説明する斜視図である。
【図10】図8に示すドライブユニットからベースカバーを取り除いたドライブユニットの平面図である。
【図11】本発明のディスクドライブ装置に係る光学ピックアップとフレキシブル配線板を示すもので、フレキシブル配線板とピックアップベースの結合後の状態の平面図である。
【図12】本発明のディスクドライブ装置に係る光学ピックアップとフレキシブル配線板を示すもので、フレキシブル配線板とピックアップベースの結合前の状態の平面図である。
【図13】本発明のディスクドライブ装置に係る光学ピックアップとフレキシブル配線板を示すもので、図13Aはフレキシブル配線板とピックアップベースの結合後の状態の斜視図、図13Bはフレキシブル配線板とピックアップベースの結合前の状態の斜視図である。
【図14】本発明のディスクドライブ装置に係る光学ピックアップとフレキシブル配線板の結合状態を示すもので、図14Aは正面図、図14Bは背面図、図14Cは図14Bの要部を拡大した断面図である。
【図15】本発明のディスクドライブ装置に係る光学ピックアップとフレキシブル配線板の結合状態を示すもので、図15Aはフレキシブル配線板を180度湾曲させて一側に移動した状態の説明図、図15Bはフレキシブル配線板を180度湾曲させて他側に移動した状態の説明図である。
【図16】本発明のディスクドライブ装置に係るドライブユニット(ベースカバーを取り除いた状態)の光学ピックアップとフレキシブル配線板の結合状態を示すもので、図16Aは光学ピックアップが一側に移動した状態の説明図、図16Bは光学ピックアップが他側に移動した状態の説明図である。
【図17】本発明のディスクドライブ装置に係るドライブユニット(ベースカバーを取り付けた状態)の光学ピックアップとフレキシブル配線板の結合状態を示すもので、図17Aは光学ピックアップが一側に移動した状態の説明図、図17Bは光学ピックアップが他側に移動した状態の説明図である。
【図18】本発明のディスクドライブ装置に係る姿勢調整機構の第1の実施例を分解して示す斜視図である。
【図19】図9の要部を拡大して示す説明図である。
【図20】本発明のディスクドライブ装置の第1の実施例をディスク挿脱方向(前後方向)に断面したもので、図20Aはドライブユニットがディスク装着位置に移動した状態の説明図、図20Bはドライブユニットがディスク装着解除位置に移動した状態の説明図である。
【図21】本発明のディスクドライブ装置に係る姿勢調整機構の第1の実施例を示すもので、図21Aは第1のカムピンがプレート側カム溝の上水平部に入り込む状態の説明図、図21Bは姿勢調整機構の最下段の説明図、図21Cは姿勢調整機構の最上段の説明図である。
【図22】図21Cの要部を拡大して示す説明図である。
【図23】図20Aの要部を拡大して示すもので、図23Aは姿勢調整機構の最下段の説明図、図23Bは姿勢調整機構の最上段の説明図である。
【図24】本発明のディスクドライブ装置に係る姿勢調整機構の第2の実施例を示すもので、図24Aは姿勢調整機構の最下段の説明図、図24Bは姿勢調整機構の最上段の説明図である。
【図25】図24に示す姿勢調整機構に係る操作部材の斜視図である。
【図26】本発明のディスクドライブ装置に係る姿勢調整機構の第3の実施例を示すもので、図26Aは姿勢調整機構の最下段の説明図、図26Bは姿勢調整機構の最上段の説明図である。
【図27】図26に示す姿勢調整機構に係る操作部材の斜視図である。
【図28】本発明のディスクドライブ装置に係る姿勢調整機構の第4の実施例を示すもので、図28Aは姿勢調整機構の最下段の説明図、図28Bは姿勢調整機構の最上段の説明図である。
【図29】図28に示す姿勢調整機構に係る操作部材の斜視図である。
【図30】本発明のディスクドライブ装置に係る姿勢調整機構の第5の実施例を示すもので、図30Aは姿勢調整機構の最下段の説明図、図30Bは姿勢調整機構の最上段の説明図である。
【符号の説明】
【0151】
1…ノート型パーソナルコンピュータ(情報記録及び/又は再生装置)、 2…装置筐体、 3…蓋体、 7…光学ディスク(ディスク状記録媒体)、 10…ディスクドライブ装置、 11…筐体、 12…ドライブユニット、 14…ケース本体、 14a…底面部、 15…ケース蓋体、 24…ディスク挿脱口、 26…ディスク装着部、 30…ディスク搬送機構、 31,32,33,34…回動アーム、 40…ベース部材、 41…回転駆動機構、 42…光学ピックアップ、 43…ピックアップ移動機構、 47…スピンドルモータ、 48…ターンテーブル、 55…対物レンズ、 56…対物レンズ駆動機構、 61…ピックアップベース、 72…第1のカムピン、 73…第2のカムピン、 75…スライドプレート(スライド部材)、 76…カム溝、 76c…上水平部、 77…駆動レバー、 78…カム溝、 83…ベース移動機構、 84…カム片、 84a…垂直面部、 90,130,140,150,160…姿勢調整機構、 91,151…調整ねじ、 92,132,142,152,162…操作部材、 92a,132a,142a,152a,162a…当接部、 93…捩りばね(弾性部材)、 97…カシメピン、 111…フレキシブル配線板、 121…コネクタ、 128…紫外線硬化性接着剤、 155,165…操作カム溝、 161…固定ねじ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスク状記録媒体が挿入及び/又は排出されるディスク挿脱口を前面に設けた筐体と、
前記筐体の前記ディスク挿脱口の外側のディスク排出位置と前記ディスク挿脱口の内側のディスク装着位置との間に前記ディスク状記録媒体を搬送するディスク搬送機構と、
前記ディスク装着位置に搬送された前記ディスク状記録媒体に着脱可能に装着されるディスク装着部を有し、当該ディスク装着部を回転駆動することによりディスク状記録媒体を回転させる回転駆動機構と、
前記ディスク装着部に装着されて回転される前記ディスク状記録媒体に対して情報信号の記録及び/又は再生を行う光学ピックアップと、
前記光学ピックアップを前記ディスク状記録媒体の情報記録面に沿って移動させるピックアップ移動機構と、
前記回転駆動機構と前記光学ピックアップと前記ピックアップ移動機構が搭載されたベース部材と、
前記ベース部材を姿勢変更可能に支持し、当該ベース部材の姿勢を変更することにより前記ディスク状記録媒体に対して前記ディスク装着部を装着又は離脱させるベース移動機構と、
前記筐体に対する前記ベース部材の姿勢を調整可能な姿勢調整機構と、を設けたことを特徴とするディスクドライブ装置。
【請求項2】
前記ベース移動機構は、前記筐体に対して傾き角を変更可能に支持された前記ベース部材と、前記ベース部材の自由端側において側方へ突出するように設けたカムピンと、前記筐体に移動可能に支持されると共に前記カムピンが摺動可能に係合されるカム溝を有するスライド部材と、を具え、
前記スライド部材を移動することにより前記カムピンを移動させて前記ベース部材の姿勢を変更させることを特徴とする請求項1記載のディスクドライブ装置。
【請求項3】
前記姿勢調整機構は、前記筐体に支持されたスライド部材に螺合されると共に軸方向の一端が前記ベース部材に固定されたカムピンに当接される調整ねじを有し、当該調整ねじの螺合位置を変化させることによりベース部材の姿勢を調整可能としたことを特徴とする請求項1記載のディスクドライブ装置。
【請求項4】
前記調整ねじ又は当該調整ねじに当接される操作部材に前記カムピンを付勢する弾性部材を設けたことを特徴とする請求項3記載のディスクドライブ装置。
【請求項5】
前記操作部材は、前記カムピンが一面に当接され且つ他面に前記調整ねじが当接される当接部を有し、
前記調整ねじで前記当接部を押圧することにより前記カムピンを移動させることを特徴とする請求項4記載のディスクドライブ装置。
【請求項6】
前記操作部材は、前記調整ねじが当接される当接部を有し、当該当接部には、前記カムピンが着脱可能に係合されるピン受部を設け、
前記調整ねじで前記当接部を押圧することにより前記カムピンを移動させることを特徴とする請求項4記載のディスクドライブ装置。
【請求項7】
前記操作部材は、板ばねによって形成したことを特徴とする請求項4記載のディスクドライブ装置。
【請求項8】
ディスク状記録媒体が着脱可能に装着されると共に装着された前記ディスク状記録媒体に対して情報信号の記録及び/又は再生を行うディスクドライブ装置と、
前記ディスクドライブ装置が収納される装置筐体と、を備えた情報記録及び/又は再生装置であって、
前記ディスクドライブ装置は、
ディスク状記録媒体が挿入及び/又は排出されるディスク挿脱口を前面に設けた筐体と、
前記筐体の前記ディスク挿脱口の外側のディスク排出位置と前記ディスク挿脱口の内側のディスク装着位置との間に前記ディスク状記録媒体を搬送するディスク搬送機構と、
前記ディスク装着位置に搬送された前記ディスク状記録媒体に着脱可能に装着されるディスク装着部を有し、当該ディスク装着部を回転駆動することによりディスク状記録媒体を回転させる回転駆動機構と、
前記ディスク装着部に装着されて回転される前記ディスク状記録媒体に対して情報信号の記録及び/又は再生を行う光学ピックアップと、
前記光学ピックアップを前記ディスク状記録媒体の情報記録面に沿って移動させるピックアップ移動機構と、
前記回転駆動機構と前記光学ピックアップと前記ピックアップ移動機構が搭載されたベース部材と、
前記ベース部材を姿勢変更可能に支持し、当該ベース部材の姿勢を変更することにより前記ディスク装着部に対して前記ディスク状記録媒体を装着又は離脱させるベース移動機構と、
前記筐体に対する前記ベース部材の姿勢を調整可能な姿勢調整機構と、を設けたことを特徴とする情報記録及び/又は再生装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2007−310929(P2007−310929A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−136920(P2006−136920)
【出願日】平成18年5月16日(2006.5.16)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】