ディスクドライブ装置及び電子機器
【課題】 ディスク状記録媒体に対するチャッキング動作の適正化を図ると共に薄型化を図る。
【解決手段】 ディスクテーブル24、スピンドルモーター23、光ピックアップ18及び該光ピックアップを支持するピックアップベース17を有しディスクテーブルの略中心軸方向へ移動可能とされたディスク駆動ユニット16と、ディスク駆動ユニットに対向して位置されたベース面部10と、カム溝13、15、15を有し所定の方向へ移動されてディスク駆動ユニットをディスクテーブルの略中心軸方向へ移動させるカムスライダー12、14とを設け、ディスク駆動ユニットにスピンドルモーター及びディスクテーブルを有しベース面部に対向して位置されるモーターユニット19を設け、ディスク駆動ユニットにカムスライダーのカム溝に摺動自在に係合されるカムピン20、21、21を設け、ベース面部とモーターユニットの互いに対向する一方の位置に吸着用マグネット25を配置し他方の位置に吸着用マグネットに吸着される磁性体22Aを配置した。
【解決手段】 ディスクテーブル24、スピンドルモーター23、光ピックアップ18及び該光ピックアップを支持するピックアップベース17を有しディスクテーブルの略中心軸方向へ移動可能とされたディスク駆動ユニット16と、ディスク駆動ユニットに対向して位置されたベース面部10と、カム溝13、15、15を有し所定の方向へ移動されてディスク駆動ユニットをディスクテーブルの略中心軸方向へ移動させるカムスライダー12、14とを設け、ディスク駆動ユニットにスピンドルモーター及びディスクテーブルを有しベース面部に対向して位置されるモーターユニット19を設け、ディスク駆動ユニットにカムスライダーのカム溝に摺動自在に係合されるカムピン20、21、21を設け、ベース面部とモーターユニットの互いに対向する一方の位置に吸着用マグネット25を配置し他方の位置に吸着用マグネットに吸着される磁性体22Aを配置した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はディスクドライブ装置及び電子機器についての技術分野に関する。詳しくは、ディスクテーブルをディスク状記録媒体から離隔する方向へ付勢する吸着用マグネットを設けてディスク状記録媒体に対するチャッキング動作の適正化等を防止する技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスク状記録媒体に対して情報信号の記録若しくは再生又はこれらの双方を行うディスクドライブ装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ディスクドライブ装置にあっては、ディスク状記録媒体がディスクテーブルの移動方向と略直交する方向において搬送されるタイプがある。
【0004】
このようなディスクドライブ装置においては、例えば、ディスク状記録媒体がディスク挿入口から挿入されると、ディスクローディング機構によってディスク状記録媒体がローディングされ、ディスク状記録媒体は中心孔がディスクテーブルのセンターリング突部の真上に位置するセンターリング位置まで搬送される。
【0005】
ディスクローディング機構は、例えば、カム溝を有し所定の方向へ移動されるカムスライダーと該カムスライダーのカム溝に摺動自在に係合されるカムピンとを備えている。カムピンはディスクテーブルや光ピックアップを有するディスク駆動ユニットに設けられている。
【0006】
このようなディスクローディング機構において、カムスライダーが移動されると、カムピンのカム溝における位置が変化されてディスク駆動ユニットがセンターリング位置にあるディスク状記録媒体の記録面に離接する方向へ移動される。
【0007】
上記したように、ディスク状記録媒体がセンターリング位置まで搬送されると、続いて、カムスライダーが移動されてディスク駆動ユニットが上昇される。ディスク駆動ユニットが上昇されていくと、ディスクテーブルのセンターリング突部の外周部に設けられた係合爪がディスク状記録媒体の内周縁に接し、該ディスク状記録媒体がディスク駆動ユニットの上昇動作に伴って持ち上げられる。
【0008】
ディスク状記録媒体は、内周部がその上方に位置するカバー体に設けられた押さえ突部に接触される。ディスク状記録媒体の内周部がカバー体の押さえ突部に接触されると、カバー体はディスク駆動ユニットの上昇動作によって弾性変形されるが、カバー体が所定の量だけ弾性変形されたところでカバー体の反力によってディスク状記録媒体の内周縁がディスクテーブルの係合爪に強く押し付けられて係合爪がディスクテーブルの中心側に撓められ、ディスク状記録媒体の中心孔にディスクテーブルのセンターリング突部が挿入される。
【0009】
ディスクテーブルのセンターリング突部がディスク状記録媒体の中心孔に挿入されると、撓められていた係合爪が弾性復帰してディスク状記録媒体の内周縁に係合し、ディスク状記録媒体がディスクテーブルに保持されて装着(チャッキング)される。
【0010】
ディスクテーブルに対するディスク状記録媒体の装着が完了すると、ディスク駆動ユニットは下方へ移動され、ディスク状記録媒体がカバー体から下方に離隔されてカバー体が弾性復帰される。
【0011】
ディスク状記録媒体は係合爪によってディスクテーブルに保持されており、スピンドルモーターによって回転されるディスクテーブルに伴って回転され、光ピックアップの駆動によりディスク状記録媒体に対する情報信号の記録又は再生が行われる。
【0012】
【特許文献1】特開2000−123516号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ところで、ディスクドライブ装置は、例えば、オーディオ機器、パーソナルコンピューター、テレビの録画用のディスクレコーダー等の各種の電子機器に組み込まれている。このようなディスクドライブ装置は、電子機器の薄型化の要求に伴って薄型化が必要とされる傾向にあり、特に、ノート型のパーソナルコンピューター等の薄型化の要求が高い電子機器に組み込まれるものにあっては、一層の薄型化の必要性が生じている。
【0014】
このような電子機器には、ディスクドライブ装置のディスクテーブルの回転軸(中心軸)方向が上下方向を向くように配置されるタイプと、ディスクドライブ装置のディスクテーブルの回転軸方向が前後方向又は左右方向を向くように配置される所謂縦置き型のタイプとがある。例えば、ノート型のパーソナルコンピューター等において、表示部の背面側にディスクドライブ装置が配置されているものがあるが、このようなパーソナルコンピューターにおいてはキーボードに対して表示部を開いた状態で、ディスクテーブルの回転軸方向が前後方向を向くため、縦置き型のタイプとなる。
【0015】
ところが、上記したディスクローディング機構におけるカムスライダーのカム溝とカムピンの間には、ディスクテーブルの回転軸と同じ方向に、カムピンのカム溝に対する円滑な摺動を確保するための一定のクリアランスが存在するため、上記した縦置き型のタイプにあっては、カムピンとカム溝とのクリアランス分、カムピンがカム溝においてディスクテーブルの回転軸方向に変位する可能性がある。
【0016】
従って、カム溝においてカムピンがディスクテーブルの回転軸方向に変位し、その分、ディスクテーブルがカバー体側に変位してしまうと、ディスク状記録媒体がディスク挿入口から挿入されセンターリング位置まで搬送されるときに、ディスク状記録媒体とディスクテーブルとの間の十分な距離を確保することができず、搬送中のディスク状記録媒体がディスクテーブルに衝突し、ディスク状記録媒体やディスクテーブルの破損や傷付きが生じたり、ディスク状記録媒体のチャッキング動作の適正化が図れなくなるおそれがある。
【0017】
一方、ディスク状記録媒体のディスクテーブルに対する衝突の防止を図るために、センターリング位置に搬送されるディスク状記録媒体とディスクテーブルの間に予め十分な距離が確保されるような設計を行うことが考えられるが、このような設計を行ってしまうと、ディスク状記録媒体とディスクテーブルの間の距離が大きくなる分、ディスクドライブ装置の薄型化を図ることができなくなってしまう。
【0018】
そこで、本発明ディスクドライブ装置及び電子機器は、上記した問題点を克服し、ディスク状記録媒体に対するチャッキング動作の適正化を図ると共に薄型化を図ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
ディスクドライブ装置は、上記した課題を解決するために、ディスク状記録媒体が装着されるディスクテーブルと該ディスクテーブルを回転させるスピンドルモーターと前記ディスクテーブルに装着された前記ディスク状記録媒体の半径方向へ移動される光ピックアップと該光ピックアップを前記ディスク状記録媒体の半径方向へ移動自在に支持するピックアップベースとを有すると共に前記ディスクテーブルの略中心軸方向へ移動可能とされたディスク駆動ユニットと、前記スピンドルモーターを挟んでディスクテーブルの反対側においてディスク駆動ユニットに対向して位置されたベース面部と、カム溝を有し所定の方向へ移動されて前記ディスク駆動ユニットを前記ディスクテーブルの略中心軸方向へ移動させるカムスライダーとを備え、前記ディスク駆動ユニットに前記スピンドルモーター及び前記ディスクテーブルを有し前記ベース面部に対向して位置されるモーターユニットを設け、前記ディスク駆動ユニットに前記カムスライダーのカム溝に摺動自在に係合されるカムピンを設け、前記ベース面部と前記モーターユニットの互いに対向する一方の位置に吸着用マグネットを配置し他方の位置に前記吸着用マグネットに吸着される磁性体を配置したものである。
【0020】
従って、磁性体が吸着用マグネットによって吸着されカムピンがカム溝における開口縁の一方の側に押し付けられる。
【0021】
上記ディスクドライブ装置において、前記スピンドルモーターの内部に配置された駆動用マグネットから外部へ漏れる漏れ磁束を発生させて前記駆動用マグネットを前記吸着用マグネットとして用い、前記ベース面部に、前記漏れ磁束によって前記駆動用マグネットに吸着される磁性体を配置することが可能である。
【0022】
吸着用マグネットとしてスピンドルモーターの内部に配置された駆動用マグネットを用いることにより、ディスク駆動ユニットをディスク状記録媒体の搬送経路から遠去かる方向へ付勢するための専用のマグネットを必要としない。
【0023】
また、上記ディスクドライブ装置において、前記ベース面部における前記モーターユニットに対向する位置に磁性体を配置し、前記モーターユニットにおける磁性体に対向する位置に吸着用マグネットを配置し、前記モーターユニットにおける吸着用マグネットが配置される部分をマグネット配置部として設け、前記マグネット配置部を磁性材料によって形成し、前記マグネット配置部にマグネット配置孔を形成し、前記吸着用マグネットを前記マグネット配置孔に挿入される挿入部と該挿入部の一端部から外方へ張り出されたフランジ部とによって構成し、前記フランジ部がマグネット配置部を挟んで前記磁性体の反対側に位置される状態で前記吸着用マグネットを前記マグネット配置部に配置することが望ましい。
【0024】
吸着用マグネットを上記のように構成してマグネット配置孔に挿入して配置することにより、吸着用マグネットがモーターユニットのマグネット配置部に磁力によって固定されると共に吸着用マグネットが磁性体側に引き寄せられる。
【0025】
電子機器は、ディスク状記録媒体に対して情報信号の記録若しくは再生又はこれらの双方を行うディスクドライブ装置を備えた電子機器であって、ディスク状記録媒体が装着されるディスクテーブルと該ディスクテーブルを回転させるスピンドルモーターと前記ディスクテーブルに装着された前記ディスク状記録媒体の半径方向へ移動される光ピックアップと該光ピックアップを前記ディスク状記録媒体の半径方向へ移動自在に支持するピックアップベースとを有すると共に前記ディスクテーブルの略中心軸方向へ移動可能とされたディスク駆動ユニットと、前記スピンドルモーターを挟んでディスクテーブルの反対側においてディスク駆動ユニットに対向して位置されたベース面部と、カム溝を有し所定の方向へ移動されて前記ディスク駆動ユニットを前記ディスクテーブルの略中心軸方向へ移動させるカムスライダーとを備え、前記ディスク駆動ユニットに前記スピンドルモーター及び前記ディスクテーブルを有し前記ベース面部に対向して位置されるモーターユニットを設け、前記ディスク駆動ユニットに前記カムスライダーのカム溝に摺動自在に係合されるカムピンを設け、前記ベース面部と前記モーターユニットの互いに対向する一方の位置に吸着用マグネットを配置し他方の位置に前記吸着用マグネットに吸着される磁性体を配置したものである。
【0026】
従って、磁性体が吸着用マグネットによって吸着されカムピンがカム溝における開口縁の一方の側に押し付けられる。
【発明の効果】
【0027】
本発明ディスクドライブ装置は、ディスク状記録媒体が装着されるディスクテーブルと該ディスクテーブルを回転させるスピンドルモーターと前記ディスクテーブルに装着された前記ディスク状記録媒体の半径方向へ移動される光ピックアップと該光ピックアップを前記ディスク状記録媒体の半径方向へ移動自在に支持するピックアップベースとを有すると共に前記ディスクテーブルの略中心軸方向へ移動可能とされたディスク駆動ユニットと、前記スピンドルモーターを挟んでディスクテーブルの反対側においてディスク駆動ユニットに対向して位置されたベース面部と、カム溝を有し所定の方向へ移動されて前記ディスク駆動ユニットを前記ディスクテーブルの略中心軸方向へ移動させるカムスライダーとを備え、前記ディスク駆動ユニットに前記スピンドルモーター及び前記ディスクテーブルを有し前記ベース面部に対向して位置されるモーターユニットを設け、前記ディスク駆動ユニットに前記カムスライダーのカム溝に摺動自在に係合されるカムピンを設け、前記ベース面部と前記モーターユニットの互いに対向する一方の位置に吸着用マグネットを配置し他方の位置に前記吸着用マグネットに吸着される磁性体を配置したことを特徴とする。
【0028】
従って、吸着用マグネットによってディスク駆動ユニットがディスク状記録媒体の搬送経路から遠去かる方向へ付勢されるため、ディスク状記録媒体とディスクテーブルの間に十分な距離が確保され、搬送中のディスク状記録媒体がディスクテーブルに衝突せずディスク状記録媒体やディスクテーブルの破損や傷付きを防止することができ、チャッキング動作の適正化を図ると共に薄型化を図ることができる。
【0029】
請求項2に記載した発明にあっては、前記スピンドルモーターの内部に配置された駆動用マグネットから外部へ漏れる漏れ磁束を発生させて前記駆動用マグネットを前記吸着用マグネットとして用い、前記ベース面部に、前記漏れ磁束によって前記駆動用マグネットに吸着される磁性体を配置したので、ディスク駆動ユニットをディスク状記録媒体の搬送経路から遠去かる方向へ付勢するための専用のマグネットを必要とせず、部品点数の削減を図ることができる。
【0030】
請求項3に記載した発明にあっては、前記ベース面部における前記モーターユニットに対向する位置に磁性体を配置し、前記モーターユニットにおける磁性体に対向する位置に吸着用マグネットを配置し、前記モーターユニットにおける吸着用マグネットが配置される部分をマグネット配置部として設け、前記マグネット配置部を磁性材料によって形成し、前記マグネット配置部にマグネット配置孔を形成し、前記吸着用マグネットを前記マグネット配置孔に挿入される挿入部と該挿入部の一端部から外方へ張り出されたフランジ部とによって構成し、前記フランジ部がマグネット配置部を挟んで前記磁性体の反対側に位置される状態で前記吸着用マグネットを前記マグネット配置部に配置するようにしたので、吸着用マグネットがモーターユニットのマグネット配置部に磁力によって固定されると共に吸着用マグネットが磁性体側に引き寄せられるため、吸着用マグネットをモーターユニットに接着等によって固定することなく吸着用マグネットのモーターユニットからの脱落を回避することができる。
【0031】
本発明電子機器は、ディスク状記録媒体に対して情報信号の記録若しくは再生又はこれらの双方を行うディスクドライブ装置を備えた電子機器であって、ディスク状記録媒体が装着されるディスクテーブルと該ディスクテーブルを回転させるスピンドルモーターと前記ディスクテーブルに装着された前記ディスク状記録媒体の半径方向へ移動される光ピックアップと該光ピックアップを前記ディスク状記録媒体の半径方向へ移動自在に支持するピックアップベースとを有すると共に前記ディスクテーブルの略中心軸方向へ移動可能とされたディスク駆動ユニットと、前記スピンドルモーターを挟んでディスクテーブルの反対側においてディスク駆動ユニットに対向して位置されたベース面部と、カム溝を有し所定の方向へ移動されて前記ディスク駆動ユニットを前記ディスクテーブルの略中心軸方向へ移動させるカムスライダーとを備え、前記ディスク駆動ユニットに前記スピンドルモーター及び前記ディスクテーブルを有し前記ベース面部に対向して位置されるモーターユニットを設け、前記ディスク駆動ユニットに前記カムスライダーのカム溝に摺動自在に係合されるカムピンを設け、前記ベース面部と前記モーターユニットの互いに対向する一方の位置に吸着用マグネットを配置し他方の位置に前記吸着用マグネットに吸着される磁性体を配置したことを特徴とする。
【0032】
従って、吸着用マグネットによってディスク駆動ユニットがディスク状記録媒体の搬送経路から遠去かる方向へ付勢されるため、ディスク状記録媒体とディスクテーブルの間に十分な距離が確保され、搬送中のディスク状記録媒体がディスクテーブルに衝突せずディスク状記録媒体やディスクテーブルの破損や傷付きを防止することができ、チャッキング動作の適正化を図ると共に薄型化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下に、本発明ディスクドライブ装置及び電子機器の最良の形態を添付図面に従って説明する。以下に示した最良の形態は、本発明電子機器をパーソナルコンピューターに適用し、本発明ディスクドライブ装置をこのパーソナルコンピューターに備えられたディスクドライブ装置に適用したものである。
【0034】
尚、本発明電子機器及びディスクドライブ装置の適用範囲は、パーソナルコンピューター及びこれに備えられたディスクドライブ装置に限られることはなく、本発明電子機器は、ディスク状記録媒体を扱う各種の電子機器、例えば、ゲーム機器、PDA(Personal Digital Assistant)等の情報端末装置、スチルカメラや電子カメラやビデオカメラ等の撮像装置、各種のディスク状記録媒体を扱う記録用の機器や音響機器等に広く適用することができ、本発明ディスクドライブ装置は、これらの各種の電子機器において扱われるディスク状記録媒体について情報信号の記録若しくは再生又はこれらの双方を行うディスクドライブ装置に広く適用することができる。
【0035】
電子機器(パーソナルコンピューター)1は、例えば、図1に示すように、装置本体2と該装置本体2に回動自在に支持されたディスプレイ装置3とを備えた所謂ノートブック型のパーソナルコンピューターであり、装置本体2に所要の操作キーが配置されたキーボード4が設けられている。尚、電子機器1は、例えば、装置本体とキーボード装置が別体で設けられた所謂デスクトップ型のパーソナルコンピューターであってもよい。
【0036】
ディスプレイ装置3にはディスクドライブ装置5が内蔵されている。
【0037】
尚、以下のディスクドライブ装置5の説明においては、説明の便宜上、後述するディスク挿入口側を右方としディスク挿入口に対するディスク状記録媒体の挿入方向を左方とし、ディスクドライブ装置5が、図1に示すように、縦置きとされた状態において、上下前後左右の向きを規定する。即ち、ディスク状記録媒体100の挿脱方向が左右方向となり、ディスク状記録媒体100の厚み方向が前後方向となる。
【0038】
ディスクドライブ装置5は扁平な略矩形状に形成され、外筐6内に所要の各部が配置されて成る(図2参照)。外筐6は右方及び前方に開口された浅い箱状を為すケース体7と該ケース体7を前方から閉塞するカバー体8とケース体7の右端に取り付けられたフロントパネル9とから成る。
【0039】
カバー体8の中央部には挿入孔8aが形成されている。
【0040】
フロントパネル9にはディスク挿入口9aが形成され、該ディスク挿入口9aはディスク状記録媒体100の形状に対応して上下に長い形状に形成されている。ディスク挿入口9aは図示しないシャッターによって開閉される。
【0041】
ケース体7は前後方向を向くベース面部10と該ベース面部10の外周縁から前方へ突出された周面部11とから成る(図3参照)。
【0042】
ケース体7の内部には第1のカムスライダー12が左右方向へ移動自在に支持されている。第1のカムスライダー12にはカム溝13が形成されている。カム溝13は、左右に延びる第1の直線部13aと、該第1の直線部13aの左端から左斜め前方へ延びる傾斜部13bと、該第1の傾斜部13bの左端に連続し左右に延びる第2の直線部13cとから成る。
【0043】
第1のカムスライダー12はケース体7の内部に配置された図示しない駆動モーターの駆動力によって左右方向へ移動される。
【0044】
ケース体7の内部には第2のカムスライダー14が上下方向へ移動自在に支持されている。第2のカムスライダー14にはカム溝15、15が上下に離隔して形成されている。カム溝15は、上下に延びる第1の直線部15aと、該第1の直線部15aの下端から下斜め前方へ延びる傾斜部15bと、該第1の傾斜部15bの下端に連続し上下に延びる第2の直線部15cとから成る。
【0045】
第1のカムスライダー12と第2のカムスライダー14は図示しない連結レバーによって連結され、駆動モーターの駆動力によって同期してそれぞれ左右方向と上下方向へ移動される。従って、第1のカムスライダー12が右方へ移動されるときには第2のカムスライダー14が上方へ同期して移動され、第1のカムスライダー14が左方へ移動されるときには第2のカムスライダー14が下方へ同期して移動される。
【0046】
ケース体7の内部には、ディスク駆動ユニット16が略前後方向へ移動可能に支持されている。
【0047】
ディスク駆動ユニット16は、図3乃至図5に示すように、ピックアップベース17と該ピックアップベース17にディスク状記録媒体100の半径方向へ移動自在に支持された光ピックアップ18とピックアップベース17に取り付けられたモーターユニット19とを有している。
【0048】
ピックアップベース17には前後に貫通された配置孔17aが形成されている。
【0049】
ピックアップベース17の外周面における右端部には、下方へ突出された被支持軸17bが設けられている。被支持軸17bはケース体7の周面部11に支持され、ディスク駆動ユニット16が略前後方向へ移動するようにケース体7に対して回動可能とされている。
【0050】
ピックアップベース17の外周面からはカムピン20、21、21が突出されている。カムピン20は上方へ向けて突出され、カムピン21、21は上下に離隔して位置され左方へ向けて突出されている。カムピン20は第1のカムスライダー12のカム溝13に摺動自在に係合され、カムピン21、21はそれぞれ第2のカムスライダー14のカム溝15、15に摺動自在に係合されている。
【0051】
モーターユニット19はモーター取付板22と該モーター取付板22上に取り付けられたスピンドルモーター23と該スピンドルモーター23のモーター軸に固定されたディスクテーブル24とを有している。モーター取付板22は磁性金属材料によって形成され、磁性体22Aとして設けられている。モーター取付板22は前後方向を向く向きでピックアップベース17の後面に取り付けられている。
【0052】
モーター取付板22がピックアップベース17の後面に取り付けられた状態においては、配置孔17aからディスクテーブル24が前方へ突出されている。
【0053】
ディスクテーブル24は中央部にセンターリング突部24aを有し、該センターリング突部24aの外周側にディスク状記録媒体100が載置されるテーブル部24bが設けられている。センターリング突部24aの前端部における外周部には、周方向に離隔して係合爪24c、24c、24cが設けられている。係合爪24c、24c、24cはセンターリング突部24aの中心に離接する方向へ弾性変形可能とされている。
【0054】
カバー体7のベース面部10の前面には、モーター取付板22に対向する部分に吸着用マグネット25が取り付けられている(図3参照)。従って、磁性体22Aとして設けられたモーター取付板22は吸着用マグネット25によって吸着され、モーター取付板22を含むディスク駆動ユニット16の全体が後方へ付勢される。
【0055】
このように吸着用マグネット25によってディスク駆動ユニット16が後方へ付勢されているため、図6及び図7に示すように、ディスク駆動ユニット16に設けられたカムピン20、21、21は、それぞれ第1のカムスライダー12と第2のカムスライダー14のカム溝13、15、15の後面に押し付けられた状態とされている。従って、第1のカムスライダー12及び第2のカムスライダー14の移動時には、カムピン20、21、21がカム溝13、15、15の後面に押し付けられた状態でカム溝13、15、15を相対的に移動される。
【0056】
上記のように構成されたディスクドライブ装置5において、ディスク状記録媒体100がフロントパネル9のディスク挿入口9aから手動により挿入されると、ディスク状記録媒体100は図示しない搬送機構に保持され該搬送機構によって中心孔100aがディスクテーブル24のセンターリング突部24aの真上に位置するセンターリング位置まで搬送されて停止される。
【0057】
このとき、上記したように、吸着用マグネット25によってディスク駆動ユニット16が後方へ付勢されているため、図8に示すように、ディスクテーブル24はディスク状記録媒体100の搬送経路に対して最も遠距離の位置に存在しディスク状記録媒体100とディスクテーブル24の先端面(前面)との間に十分な間隔(間隔H)が形成されている。従って、ディスク状記録媒体100はディスクテーブル24と衝突することなくセンターリング位置まで搬送される。
【0058】
ディスク状記録媒体100がセンターリング位置まで搬送されると、駆動モーターが起動され該駆動モーターの駆動力によって第1のカムスライダー12が右方へ移動されると共に第2のカムスライダー14が上方へ移動される。
【0059】
第1のカムスライダー12と第2のカムスライダー14が移動されると、カムピン20、21、21がそれぞれカム溝13、15、15の第1の直線部13a、15a、15aから傾斜部13b、15b、15bを経て第2の直線部13c、15c、15cまで相対的に移動され、ディスクテーブル24が略前方へ移動される方向へディスク駆動ユニット16が回動される。
【0060】
ディスクテーブル24が略前方へ移動される方向へディスク駆動ユニット16が回動されると、ディスクテーブル24のセンターリング突部24aがディスク状記録媒体100の中心孔100aに嵌合され、このとき係合爪24c、24c、24cが一旦センターリング突部24aの中心側に弾性変形された後に弾性復帰してディスク状記録媒体100の中心孔100aにおける開口縁に係合される。従って、ディスク状記録媒体100は係合爪24c、24c、24cに保持されることにより、ディスクテーブル24に装着(チャッキング)される。
【0061】
尚、センターリング突部24aのディスク状記録媒体100の中心孔100aへの嵌合は、ディスクテーブル24の略前方への移動によってディスク状記録媒体100の一部がカバー体8に押し付けられことにより行われる。
【0062】
ディスク状記録媒体100がディスクテーブル24に装着されると、駆動モーターが反転され、第1のカムスライダー12が左方へ移動されると共に第2のカムスライダー14が下方へ移動される。第1のカムスライダー12と第2のカムスライダー14が移動されると、カムピン20、21、21がそれぞれカム溝13、15、15の第2の直線部13c、15c、15cから第1の直線部13a、15a、15aへ向けて相対的に移動され、ディスクテーブル24が略後方へ移動される方向へディスク駆動ユニット16が回動される。
【0063】
カムピン20、21、21がカム溝13、15、15の所定の位置まで相対的に移動されると、駆動モーターが停止される。駆動モーターが停止されると、搬送機構によるディスク状記録媒体100の保持が解除され、ディスク状記録媒体100はスピンドルモーター77の回転によるディスクテーブル24の回転に伴って回転され、光ピックアップ18の駆動によりディスク状記録媒体100に対する情報信号の記録又は再生が行われる。
【0064】
ディスク状記録媒体100に対する情報信号の記録又は再生が終了すると、図示しないイジェクト釦に対する使用者の操作により、駆動モーターの回転が再び開始される。
【0065】
駆動モーターが回転されると、第1のカムスライダー12が左方へ移動されると共に第2のカムスライダー14が下方へ移動され、ディスク状記録媒体100が装着されたディスクテーブル24が略後方へ移動される方向へディスク駆動ユニット16が回動される。このときディスク状記録媒体100は再び搬送機構によって保持される。
【0066】
ディスク駆動ユニット16が回動されると、ディスクテーブル24の略後方への移動により搬送機構に保持されているディスク状記録媒体100の中心孔100aからディスクテーブル24のセンターリング突部24aが引き出されてディスク状記録媒体100のディスクテーブル24に対する装着が解除される。
【0067】
ディスク駆動ユニット16は、第1のカムスライダー12と第2のカムスライダー14の移動に伴ってカムピン20、21、21がそれぞれカム溝13、15、15の第1の直線部13a、15a、15aに係合されるまで回動され、ディスクテーブル24が後方の移動端に位置される。
【0068】
このとき、上記したように、磁性体22Aとして設けられたモーター取付板22は吸着用マグネット25によって吸着されているため、ディスク駆動ユニット16の全体が後方へ付勢され、カムピン20、21、21がそれぞれカム溝13、15、15の第1の直線部13a、15a、15aにおける後面に押し付けられた状態とされている。従って、ディスクテーブル24はディスク状記録媒体100の搬送経路に対して最も遠距離の位置に存在しディスク状記録媒体100とディスクテーブル24の先端面との間に十分な間隔H(図8参照)が形成されている。
【0069】
ディスク状記録媒体100は搬送機構によってセンターリング位置から右方へ向けて搬送され、一部がフロントパネル9のディスク挿入口9aから右方へ突出される。従って、使用者は、ディスク挿入口9aから突出した部分を把持してディスク状記録媒体100をディスクドライブ装置5から取り出すことができる。
【0070】
上記したように、ディスクテーブル24がディスク状記録媒体100の搬送経路に対して最も遠距離の位置に存在しているため、ディスク状記録媒体100がセンターリング位置から右方へ向けて搬送されるときにも、ディスク状記録媒体100がディスクテーブル24と衝突することがない。
【0071】
上記には、モーター取付板22を磁性体22Aとして設け、ケース体7のベース面部10における磁性体22Aに対向する位置に吸着用マグネット25を配置した例を示したが、逆に、モーター取付板22に吸着用マグネット25Aを取り付け、ベース面部10を磁性体10Aとして設ける構成とすることもできる。
【0072】
この場合には、例えば、図9に示すように、モーター取付板22の一部を吸着用マグネット25Aが配置されるマグネット配置部22aとして設け、該マグネット配置部22aにマグネット配置孔26を形成して吸着用マグネット25Aを配置することが可能である。
【0073】
吸着用マグネット25Aは、マグネット配置孔26に挿入される挿入部25aと該挿入部25aの前端部から外方へ張り出されたフランジ部25bとによって構成されている。吸着用マグネット25Aは挿入部25aがマグネット配置孔26に挿入された状態において、フランジ部25bがマグネット配置部22aの前面に接した状態で配置される。
【0074】
このように吸着用マグネット25Aを挿入部25aとフランジ部25bによって構成し挿入部25aをマグネット配置孔26に磁性体10Aの反対側から挿入することにより、吸着用マグネット25Aが磁性体10Aに引き寄せられるため、吸着用マグネット25Aをモーター取付板22に接着等によって固定することなく、吸着用マグネット25Aのモーター取付板22からの脱落を防止することができる。
【0075】
また、この場合には、モーター取付板22を磁性材料によって形成することが望ましい。モーター取付板22を磁性材料によって形成することにより、吸着用マグネット25Aがモーター取付板22に磁力によって固定され、吸着用マグネット25Aのモーター取付板22からの脱落を回避することができる。
【0076】
尚、上記には、カバー体7のベース面部10又はモーター取付板22に吸着用マグネット25又は吸着用マグネット25Aを配置してディスク駆動ユニット16を一方へ付勢する例を示したが、以下のように、スピンドルモーター23の内部に配置されている駆動用マグネットを用いてディスク駆動ユニット16を一方へ付勢することができる(図10参照)。
【0077】
スピンドルモーター23の内部には、例えば、円環状の駆動用マグネット25Bが配置され、該駆動用マグネット25Bが吸着用マグネットとして用いられる。駆動用マグネット25Bは、例えば、N極とS極が周方向に交互に隣接して形成され、ローター又はステーターとして用いられている。
【0078】
スピンドルモーター23においては、駆動用マグネット25Bからの漏れ磁束J、J、・・・が発生するようにされている。漏れ磁束J、J、・・・は、例えば、スピンドルモーター23の外筐の一部に孔を形成することにより発生する。
【0079】
カバー体7のベース面部10は磁性体10Aとして設けられている。
【0080】
上記のように、スピンドルモーター23の駆動用マグネット25Bから漏れ磁束J、J、・・・を発生させ、ベース面部10を磁性体10Aとして設けることにより、ベース面部10側にディスク駆動ユニット16が引き寄せられる。
【0081】
漏れ磁束J、J、・・・を利用してディスク駆動ユニット16を一方に付勢することにより、ディスク駆動ユニット16を付勢するための専用のマグネットを必要とせず、部品点数の削減を図ることができる。
【0082】
以上に記載した通り、ディスクドライブ装置5にあっては、吸着用マグネット25、25A又は駆動用マグネット25Bを用いてディスク駆動ユニット16をディスク状記録媒体100の搬送経路から遠去かる方向へ付勢するようにしているため、ディスク状記録媒体100とディスクテーブル24の間に十分な距離が確保され、搬送中のディスク状記録媒体100がディスクテーブル24に衝突せずディスク状記録媒体100やディスクテーブル24の破損や傷付きを防止することができ、チャッキング動作の適正化を図ると共に薄型化を図ることができる。
【0083】
尚、上記には、モーターユニット19においては、モーター取付板22を磁性体22Aとした例を示したが、モーターユニット19において磁性体とされるのはモーター取付板22に限られることはなく、モーターユニット19を構成する他の部分であってもよい。
【0084】
また、ディスク駆動ユニット16において、モーターユニット19以外の他の部分を磁性体として吸着用マグネット25に吸着される構成とすることも可能である。
【0085】
さらに、ディスク駆動ユニット16において、モーター取付板22以外の部分に吸着用マグネット25又は吸着用マグネット25Aを配置し、これに対向する部分を磁性体として設けることも可能である。
【0086】
上記には、ディスクドライブ装置の例として、ディスク状記録媒体100がディスクテーブル24に設けられた弾性変形可能な係合爪24c、24c、24cによって保持されてチャッキングされるタイプを示したが、本発明は、ディスク状記録媒体100がディスクテーブルと該ディスクテーブルに対向して位置するクランパーによって挟持されてチャッキングされるタイプにおいても適用することが可能である。
【0087】
上記した最良の形態において示した各部の具体的な形状及び構造は、何れも本発明を実施する際の具体化のほんの一例を示したものにすぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】図2乃至図10と共に本発明を実施するための最良の形態を示すものであり、本図は電子機器の斜視図である。
【図2】ディスクドライブ装置とディスク状記録媒体を示す斜視図である。
【図3】ディスクドライブ装置を一部を省略して示す概略分解斜視図である。
【図4】ディスクドライブ装置を一部を省略して示す概略斜視図である。
【図5】ディスク駆動ユニットを示す概略拡大分解斜視図である。
【図6】第1のカムスライダーの拡大側面図である。
【図7】第2のカムスライダーの拡大側面図である。
【図8】ディスク駆動ユニットがディスク状記録媒体の搬送経路から遠去かる方向へ付勢されている状態を示す概略側面図である。
【図9】モーター取付板に吸着用マグネットが配置された例を示す概念図である。
【図10】スピンドルモーターの駆動用マグネットを吸着用マグネットとして用いた例を示す概念図である。
【符号の説明】
【0089】
100…ディスク状記録媒体、1…電子機器、5…ディスクドライブ装置、10…ベース面部、12…第1のカムスライダー、13…カム溝、14…第2のカムスライダー、15…カム溝、16…ディスク駆動ユニット、17…ピックアップベース、18…光ピックアップ、19…モーターユニット、20…カムピン、21…カムピン、22A…磁性体、23…スピンドルモーター、24…ディスクテーブル、25…吸着用マグネット、10A…磁性体、25A…吸着用マグネット、25a…挿入部、25b…フランジ部、22a…マグネット配置部、26…マグネット配置孔、25B…駆動用マグネット
【技術分野】
【0001】
本発明はディスクドライブ装置及び電子機器についての技術分野に関する。詳しくは、ディスクテーブルをディスク状記録媒体から離隔する方向へ付勢する吸着用マグネットを設けてディスク状記録媒体に対するチャッキング動作の適正化等を防止する技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスク状記録媒体に対して情報信号の記録若しくは再生又はこれらの双方を行うディスクドライブ装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ディスクドライブ装置にあっては、ディスク状記録媒体がディスクテーブルの移動方向と略直交する方向において搬送されるタイプがある。
【0004】
このようなディスクドライブ装置においては、例えば、ディスク状記録媒体がディスク挿入口から挿入されると、ディスクローディング機構によってディスク状記録媒体がローディングされ、ディスク状記録媒体は中心孔がディスクテーブルのセンターリング突部の真上に位置するセンターリング位置まで搬送される。
【0005】
ディスクローディング機構は、例えば、カム溝を有し所定の方向へ移動されるカムスライダーと該カムスライダーのカム溝に摺動自在に係合されるカムピンとを備えている。カムピンはディスクテーブルや光ピックアップを有するディスク駆動ユニットに設けられている。
【0006】
このようなディスクローディング機構において、カムスライダーが移動されると、カムピンのカム溝における位置が変化されてディスク駆動ユニットがセンターリング位置にあるディスク状記録媒体の記録面に離接する方向へ移動される。
【0007】
上記したように、ディスク状記録媒体がセンターリング位置まで搬送されると、続いて、カムスライダーが移動されてディスク駆動ユニットが上昇される。ディスク駆動ユニットが上昇されていくと、ディスクテーブルのセンターリング突部の外周部に設けられた係合爪がディスク状記録媒体の内周縁に接し、該ディスク状記録媒体がディスク駆動ユニットの上昇動作に伴って持ち上げられる。
【0008】
ディスク状記録媒体は、内周部がその上方に位置するカバー体に設けられた押さえ突部に接触される。ディスク状記録媒体の内周部がカバー体の押さえ突部に接触されると、カバー体はディスク駆動ユニットの上昇動作によって弾性変形されるが、カバー体が所定の量だけ弾性変形されたところでカバー体の反力によってディスク状記録媒体の内周縁がディスクテーブルの係合爪に強く押し付けられて係合爪がディスクテーブルの中心側に撓められ、ディスク状記録媒体の中心孔にディスクテーブルのセンターリング突部が挿入される。
【0009】
ディスクテーブルのセンターリング突部がディスク状記録媒体の中心孔に挿入されると、撓められていた係合爪が弾性復帰してディスク状記録媒体の内周縁に係合し、ディスク状記録媒体がディスクテーブルに保持されて装着(チャッキング)される。
【0010】
ディスクテーブルに対するディスク状記録媒体の装着が完了すると、ディスク駆動ユニットは下方へ移動され、ディスク状記録媒体がカバー体から下方に離隔されてカバー体が弾性復帰される。
【0011】
ディスク状記録媒体は係合爪によってディスクテーブルに保持されており、スピンドルモーターによって回転されるディスクテーブルに伴って回転され、光ピックアップの駆動によりディスク状記録媒体に対する情報信号の記録又は再生が行われる。
【0012】
【特許文献1】特開2000−123516号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ところで、ディスクドライブ装置は、例えば、オーディオ機器、パーソナルコンピューター、テレビの録画用のディスクレコーダー等の各種の電子機器に組み込まれている。このようなディスクドライブ装置は、電子機器の薄型化の要求に伴って薄型化が必要とされる傾向にあり、特に、ノート型のパーソナルコンピューター等の薄型化の要求が高い電子機器に組み込まれるものにあっては、一層の薄型化の必要性が生じている。
【0014】
このような電子機器には、ディスクドライブ装置のディスクテーブルの回転軸(中心軸)方向が上下方向を向くように配置されるタイプと、ディスクドライブ装置のディスクテーブルの回転軸方向が前後方向又は左右方向を向くように配置される所謂縦置き型のタイプとがある。例えば、ノート型のパーソナルコンピューター等において、表示部の背面側にディスクドライブ装置が配置されているものがあるが、このようなパーソナルコンピューターにおいてはキーボードに対して表示部を開いた状態で、ディスクテーブルの回転軸方向が前後方向を向くため、縦置き型のタイプとなる。
【0015】
ところが、上記したディスクローディング機構におけるカムスライダーのカム溝とカムピンの間には、ディスクテーブルの回転軸と同じ方向に、カムピンのカム溝に対する円滑な摺動を確保するための一定のクリアランスが存在するため、上記した縦置き型のタイプにあっては、カムピンとカム溝とのクリアランス分、カムピンがカム溝においてディスクテーブルの回転軸方向に変位する可能性がある。
【0016】
従って、カム溝においてカムピンがディスクテーブルの回転軸方向に変位し、その分、ディスクテーブルがカバー体側に変位してしまうと、ディスク状記録媒体がディスク挿入口から挿入されセンターリング位置まで搬送されるときに、ディスク状記録媒体とディスクテーブルとの間の十分な距離を確保することができず、搬送中のディスク状記録媒体がディスクテーブルに衝突し、ディスク状記録媒体やディスクテーブルの破損や傷付きが生じたり、ディスク状記録媒体のチャッキング動作の適正化が図れなくなるおそれがある。
【0017】
一方、ディスク状記録媒体のディスクテーブルに対する衝突の防止を図るために、センターリング位置に搬送されるディスク状記録媒体とディスクテーブルの間に予め十分な距離が確保されるような設計を行うことが考えられるが、このような設計を行ってしまうと、ディスク状記録媒体とディスクテーブルの間の距離が大きくなる分、ディスクドライブ装置の薄型化を図ることができなくなってしまう。
【0018】
そこで、本発明ディスクドライブ装置及び電子機器は、上記した問題点を克服し、ディスク状記録媒体に対するチャッキング動作の適正化を図ると共に薄型化を図ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
ディスクドライブ装置は、上記した課題を解決するために、ディスク状記録媒体が装着されるディスクテーブルと該ディスクテーブルを回転させるスピンドルモーターと前記ディスクテーブルに装着された前記ディスク状記録媒体の半径方向へ移動される光ピックアップと該光ピックアップを前記ディスク状記録媒体の半径方向へ移動自在に支持するピックアップベースとを有すると共に前記ディスクテーブルの略中心軸方向へ移動可能とされたディスク駆動ユニットと、前記スピンドルモーターを挟んでディスクテーブルの反対側においてディスク駆動ユニットに対向して位置されたベース面部と、カム溝を有し所定の方向へ移動されて前記ディスク駆動ユニットを前記ディスクテーブルの略中心軸方向へ移動させるカムスライダーとを備え、前記ディスク駆動ユニットに前記スピンドルモーター及び前記ディスクテーブルを有し前記ベース面部に対向して位置されるモーターユニットを設け、前記ディスク駆動ユニットに前記カムスライダーのカム溝に摺動自在に係合されるカムピンを設け、前記ベース面部と前記モーターユニットの互いに対向する一方の位置に吸着用マグネットを配置し他方の位置に前記吸着用マグネットに吸着される磁性体を配置したものである。
【0020】
従って、磁性体が吸着用マグネットによって吸着されカムピンがカム溝における開口縁の一方の側に押し付けられる。
【0021】
上記ディスクドライブ装置において、前記スピンドルモーターの内部に配置された駆動用マグネットから外部へ漏れる漏れ磁束を発生させて前記駆動用マグネットを前記吸着用マグネットとして用い、前記ベース面部に、前記漏れ磁束によって前記駆動用マグネットに吸着される磁性体を配置することが可能である。
【0022】
吸着用マグネットとしてスピンドルモーターの内部に配置された駆動用マグネットを用いることにより、ディスク駆動ユニットをディスク状記録媒体の搬送経路から遠去かる方向へ付勢するための専用のマグネットを必要としない。
【0023】
また、上記ディスクドライブ装置において、前記ベース面部における前記モーターユニットに対向する位置に磁性体を配置し、前記モーターユニットにおける磁性体に対向する位置に吸着用マグネットを配置し、前記モーターユニットにおける吸着用マグネットが配置される部分をマグネット配置部として設け、前記マグネット配置部を磁性材料によって形成し、前記マグネット配置部にマグネット配置孔を形成し、前記吸着用マグネットを前記マグネット配置孔に挿入される挿入部と該挿入部の一端部から外方へ張り出されたフランジ部とによって構成し、前記フランジ部がマグネット配置部を挟んで前記磁性体の反対側に位置される状態で前記吸着用マグネットを前記マグネット配置部に配置することが望ましい。
【0024】
吸着用マグネットを上記のように構成してマグネット配置孔に挿入して配置することにより、吸着用マグネットがモーターユニットのマグネット配置部に磁力によって固定されると共に吸着用マグネットが磁性体側に引き寄せられる。
【0025】
電子機器は、ディスク状記録媒体に対して情報信号の記録若しくは再生又はこれらの双方を行うディスクドライブ装置を備えた電子機器であって、ディスク状記録媒体が装着されるディスクテーブルと該ディスクテーブルを回転させるスピンドルモーターと前記ディスクテーブルに装着された前記ディスク状記録媒体の半径方向へ移動される光ピックアップと該光ピックアップを前記ディスク状記録媒体の半径方向へ移動自在に支持するピックアップベースとを有すると共に前記ディスクテーブルの略中心軸方向へ移動可能とされたディスク駆動ユニットと、前記スピンドルモーターを挟んでディスクテーブルの反対側においてディスク駆動ユニットに対向して位置されたベース面部と、カム溝を有し所定の方向へ移動されて前記ディスク駆動ユニットを前記ディスクテーブルの略中心軸方向へ移動させるカムスライダーとを備え、前記ディスク駆動ユニットに前記スピンドルモーター及び前記ディスクテーブルを有し前記ベース面部に対向して位置されるモーターユニットを設け、前記ディスク駆動ユニットに前記カムスライダーのカム溝に摺動自在に係合されるカムピンを設け、前記ベース面部と前記モーターユニットの互いに対向する一方の位置に吸着用マグネットを配置し他方の位置に前記吸着用マグネットに吸着される磁性体を配置したものである。
【0026】
従って、磁性体が吸着用マグネットによって吸着されカムピンがカム溝における開口縁の一方の側に押し付けられる。
【発明の効果】
【0027】
本発明ディスクドライブ装置は、ディスク状記録媒体が装着されるディスクテーブルと該ディスクテーブルを回転させるスピンドルモーターと前記ディスクテーブルに装着された前記ディスク状記録媒体の半径方向へ移動される光ピックアップと該光ピックアップを前記ディスク状記録媒体の半径方向へ移動自在に支持するピックアップベースとを有すると共に前記ディスクテーブルの略中心軸方向へ移動可能とされたディスク駆動ユニットと、前記スピンドルモーターを挟んでディスクテーブルの反対側においてディスク駆動ユニットに対向して位置されたベース面部と、カム溝を有し所定の方向へ移動されて前記ディスク駆動ユニットを前記ディスクテーブルの略中心軸方向へ移動させるカムスライダーとを備え、前記ディスク駆動ユニットに前記スピンドルモーター及び前記ディスクテーブルを有し前記ベース面部に対向して位置されるモーターユニットを設け、前記ディスク駆動ユニットに前記カムスライダーのカム溝に摺動自在に係合されるカムピンを設け、前記ベース面部と前記モーターユニットの互いに対向する一方の位置に吸着用マグネットを配置し他方の位置に前記吸着用マグネットに吸着される磁性体を配置したことを特徴とする。
【0028】
従って、吸着用マグネットによってディスク駆動ユニットがディスク状記録媒体の搬送経路から遠去かる方向へ付勢されるため、ディスク状記録媒体とディスクテーブルの間に十分な距離が確保され、搬送中のディスク状記録媒体がディスクテーブルに衝突せずディスク状記録媒体やディスクテーブルの破損や傷付きを防止することができ、チャッキング動作の適正化を図ると共に薄型化を図ることができる。
【0029】
請求項2に記載した発明にあっては、前記スピンドルモーターの内部に配置された駆動用マグネットから外部へ漏れる漏れ磁束を発生させて前記駆動用マグネットを前記吸着用マグネットとして用い、前記ベース面部に、前記漏れ磁束によって前記駆動用マグネットに吸着される磁性体を配置したので、ディスク駆動ユニットをディスク状記録媒体の搬送経路から遠去かる方向へ付勢するための専用のマグネットを必要とせず、部品点数の削減を図ることができる。
【0030】
請求項3に記載した発明にあっては、前記ベース面部における前記モーターユニットに対向する位置に磁性体を配置し、前記モーターユニットにおける磁性体に対向する位置に吸着用マグネットを配置し、前記モーターユニットにおける吸着用マグネットが配置される部分をマグネット配置部として設け、前記マグネット配置部を磁性材料によって形成し、前記マグネット配置部にマグネット配置孔を形成し、前記吸着用マグネットを前記マグネット配置孔に挿入される挿入部と該挿入部の一端部から外方へ張り出されたフランジ部とによって構成し、前記フランジ部がマグネット配置部を挟んで前記磁性体の反対側に位置される状態で前記吸着用マグネットを前記マグネット配置部に配置するようにしたので、吸着用マグネットがモーターユニットのマグネット配置部に磁力によって固定されると共に吸着用マグネットが磁性体側に引き寄せられるため、吸着用マグネットをモーターユニットに接着等によって固定することなく吸着用マグネットのモーターユニットからの脱落を回避することができる。
【0031】
本発明電子機器は、ディスク状記録媒体に対して情報信号の記録若しくは再生又はこれらの双方を行うディスクドライブ装置を備えた電子機器であって、ディスク状記録媒体が装着されるディスクテーブルと該ディスクテーブルを回転させるスピンドルモーターと前記ディスクテーブルに装着された前記ディスク状記録媒体の半径方向へ移動される光ピックアップと該光ピックアップを前記ディスク状記録媒体の半径方向へ移動自在に支持するピックアップベースとを有すると共に前記ディスクテーブルの略中心軸方向へ移動可能とされたディスク駆動ユニットと、前記スピンドルモーターを挟んでディスクテーブルの反対側においてディスク駆動ユニットに対向して位置されたベース面部と、カム溝を有し所定の方向へ移動されて前記ディスク駆動ユニットを前記ディスクテーブルの略中心軸方向へ移動させるカムスライダーとを備え、前記ディスク駆動ユニットに前記スピンドルモーター及び前記ディスクテーブルを有し前記ベース面部に対向して位置されるモーターユニットを設け、前記ディスク駆動ユニットに前記カムスライダーのカム溝に摺動自在に係合されるカムピンを設け、前記ベース面部と前記モーターユニットの互いに対向する一方の位置に吸着用マグネットを配置し他方の位置に前記吸着用マグネットに吸着される磁性体を配置したことを特徴とする。
【0032】
従って、吸着用マグネットによってディスク駆動ユニットがディスク状記録媒体の搬送経路から遠去かる方向へ付勢されるため、ディスク状記録媒体とディスクテーブルの間に十分な距離が確保され、搬送中のディスク状記録媒体がディスクテーブルに衝突せずディスク状記録媒体やディスクテーブルの破損や傷付きを防止することができ、チャッキング動作の適正化を図ると共に薄型化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下に、本発明ディスクドライブ装置及び電子機器の最良の形態を添付図面に従って説明する。以下に示した最良の形態は、本発明電子機器をパーソナルコンピューターに適用し、本発明ディスクドライブ装置をこのパーソナルコンピューターに備えられたディスクドライブ装置に適用したものである。
【0034】
尚、本発明電子機器及びディスクドライブ装置の適用範囲は、パーソナルコンピューター及びこれに備えられたディスクドライブ装置に限られることはなく、本発明電子機器は、ディスク状記録媒体を扱う各種の電子機器、例えば、ゲーム機器、PDA(Personal Digital Assistant)等の情報端末装置、スチルカメラや電子カメラやビデオカメラ等の撮像装置、各種のディスク状記録媒体を扱う記録用の機器や音響機器等に広く適用することができ、本発明ディスクドライブ装置は、これらの各種の電子機器において扱われるディスク状記録媒体について情報信号の記録若しくは再生又はこれらの双方を行うディスクドライブ装置に広く適用することができる。
【0035】
電子機器(パーソナルコンピューター)1は、例えば、図1に示すように、装置本体2と該装置本体2に回動自在に支持されたディスプレイ装置3とを備えた所謂ノートブック型のパーソナルコンピューターであり、装置本体2に所要の操作キーが配置されたキーボード4が設けられている。尚、電子機器1は、例えば、装置本体とキーボード装置が別体で設けられた所謂デスクトップ型のパーソナルコンピューターであってもよい。
【0036】
ディスプレイ装置3にはディスクドライブ装置5が内蔵されている。
【0037】
尚、以下のディスクドライブ装置5の説明においては、説明の便宜上、後述するディスク挿入口側を右方としディスク挿入口に対するディスク状記録媒体の挿入方向を左方とし、ディスクドライブ装置5が、図1に示すように、縦置きとされた状態において、上下前後左右の向きを規定する。即ち、ディスク状記録媒体100の挿脱方向が左右方向となり、ディスク状記録媒体100の厚み方向が前後方向となる。
【0038】
ディスクドライブ装置5は扁平な略矩形状に形成され、外筐6内に所要の各部が配置されて成る(図2参照)。外筐6は右方及び前方に開口された浅い箱状を為すケース体7と該ケース体7を前方から閉塞するカバー体8とケース体7の右端に取り付けられたフロントパネル9とから成る。
【0039】
カバー体8の中央部には挿入孔8aが形成されている。
【0040】
フロントパネル9にはディスク挿入口9aが形成され、該ディスク挿入口9aはディスク状記録媒体100の形状に対応して上下に長い形状に形成されている。ディスク挿入口9aは図示しないシャッターによって開閉される。
【0041】
ケース体7は前後方向を向くベース面部10と該ベース面部10の外周縁から前方へ突出された周面部11とから成る(図3参照)。
【0042】
ケース体7の内部には第1のカムスライダー12が左右方向へ移動自在に支持されている。第1のカムスライダー12にはカム溝13が形成されている。カム溝13は、左右に延びる第1の直線部13aと、該第1の直線部13aの左端から左斜め前方へ延びる傾斜部13bと、該第1の傾斜部13bの左端に連続し左右に延びる第2の直線部13cとから成る。
【0043】
第1のカムスライダー12はケース体7の内部に配置された図示しない駆動モーターの駆動力によって左右方向へ移動される。
【0044】
ケース体7の内部には第2のカムスライダー14が上下方向へ移動自在に支持されている。第2のカムスライダー14にはカム溝15、15が上下に離隔して形成されている。カム溝15は、上下に延びる第1の直線部15aと、該第1の直線部15aの下端から下斜め前方へ延びる傾斜部15bと、該第1の傾斜部15bの下端に連続し上下に延びる第2の直線部15cとから成る。
【0045】
第1のカムスライダー12と第2のカムスライダー14は図示しない連結レバーによって連結され、駆動モーターの駆動力によって同期してそれぞれ左右方向と上下方向へ移動される。従って、第1のカムスライダー12が右方へ移動されるときには第2のカムスライダー14が上方へ同期して移動され、第1のカムスライダー14が左方へ移動されるときには第2のカムスライダー14が下方へ同期して移動される。
【0046】
ケース体7の内部には、ディスク駆動ユニット16が略前後方向へ移動可能に支持されている。
【0047】
ディスク駆動ユニット16は、図3乃至図5に示すように、ピックアップベース17と該ピックアップベース17にディスク状記録媒体100の半径方向へ移動自在に支持された光ピックアップ18とピックアップベース17に取り付けられたモーターユニット19とを有している。
【0048】
ピックアップベース17には前後に貫通された配置孔17aが形成されている。
【0049】
ピックアップベース17の外周面における右端部には、下方へ突出された被支持軸17bが設けられている。被支持軸17bはケース体7の周面部11に支持され、ディスク駆動ユニット16が略前後方向へ移動するようにケース体7に対して回動可能とされている。
【0050】
ピックアップベース17の外周面からはカムピン20、21、21が突出されている。カムピン20は上方へ向けて突出され、カムピン21、21は上下に離隔して位置され左方へ向けて突出されている。カムピン20は第1のカムスライダー12のカム溝13に摺動自在に係合され、カムピン21、21はそれぞれ第2のカムスライダー14のカム溝15、15に摺動自在に係合されている。
【0051】
モーターユニット19はモーター取付板22と該モーター取付板22上に取り付けられたスピンドルモーター23と該スピンドルモーター23のモーター軸に固定されたディスクテーブル24とを有している。モーター取付板22は磁性金属材料によって形成され、磁性体22Aとして設けられている。モーター取付板22は前後方向を向く向きでピックアップベース17の後面に取り付けられている。
【0052】
モーター取付板22がピックアップベース17の後面に取り付けられた状態においては、配置孔17aからディスクテーブル24が前方へ突出されている。
【0053】
ディスクテーブル24は中央部にセンターリング突部24aを有し、該センターリング突部24aの外周側にディスク状記録媒体100が載置されるテーブル部24bが設けられている。センターリング突部24aの前端部における外周部には、周方向に離隔して係合爪24c、24c、24cが設けられている。係合爪24c、24c、24cはセンターリング突部24aの中心に離接する方向へ弾性変形可能とされている。
【0054】
カバー体7のベース面部10の前面には、モーター取付板22に対向する部分に吸着用マグネット25が取り付けられている(図3参照)。従って、磁性体22Aとして設けられたモーター取付板22は吸着用マグネット25によって吸着され、モーター取付板22を含むディスク駆動ユニット16の全体が後方へ付勢される。
【0055】
このように吸着用マグネット25によってディスク駆動ユニット16が後方へ付勢されているため、図6及び図7に示すように、ディスク駆動ユニット16に設けられたカムピン20、21、21は、それぞれ第1のカムスライダー12と第2のカムスライダー14のカム溝13、15、15の後面に押し付けられた状態とされている。従って、第1のカムスライダー12及び第2のカムスライダー14の移動時には、カムピン20、21、21がカム溝13、15、15の後面に押し付けられた状態でカム溝13、15、15を相対的に移動される。
【0056】
上記のように構成されたディスクドライブ装置5において、ディスク状記録媒体100がフロントパネル9のディスク挿入口9aから手動により挿入されると、ディスク状記録媒体100は図示しない搬送機構に保持され該搬送機構によって中心孔100aがディスクテーブル24のセンターリング突部24aの真上に位置するセンターリング位置まで搬送されて停止される。
【0057】
このとき、上記したように、吸着用マグネット25によってディスク駆動ユニット16が後方へ付勢されているため、図8に示すように、ディスクテーブル24はディスク状記録媒体100の搬送経路に対して最も遠距離の位置に存在しディスク状記録媒体100とディスクテーブル24の先端面(前面)との間に十分な間隔(間隔H)が形成されている。従って、ディスク状記録媒体100はディスクテーブル24と衝突することなくセンターリング位置まで搬送される。
【0058】
ディスク状記録媒体100がセンターリング位置まで搬送されると、駆動モーターが起動され該駆動モーターの駆動力によって第1のカムスライダー12が右方へ移動されると共に第2のカムスライダー14が上方へ移動される。
【0059】
第1のカムスライダー12と第2のカムスライダー14が移動されると、カムピン20、21、21がそれぞれカム溝13、15、15の第1の直線部13a、15a、15aから傾斜部13b、15b、15bを経て第2の直線部13c、15c、15cまで相対的に移動され、ディスクテーブル24が略前方へ移動される方向へディスク駆動ユニット16が回動される。
【0060】
ディスクテーブル24が略前方へ移動される方向へディスク駆動ユニット16が回動されると、ディスクテーブル24のセンターリング突部24aがディスク状記録媒体100の中心孔100aに嵌合され、このとき係合爪24c、24c、24cが一旦センターリング突部24aの中心側に弾性変形された後に弾性復帰してディスク状記録媒体100の中心孔100aにおける開口縁に係合される。従って、ディスク状記録媒体100は係合爪24c、24c、24cに保持されることにより、ディスクテーブル24に装着(チャッキング)される。
【0061】
尚、センターリング突部24aのディスク状記録媒体100の中心孔100aへの嵌合は、ディスクテーブル24の略前方への移動によってディスク状記録媒体100の一部がカバー体8に押し付けられことにより行われる。
【0062】
ディスク状記録媒体100がディスクテーブル24に装着されると、駆動モーターが反転され、第1のカムスライダー12が左方へ移動されると共に第2のカムスライダー14が下方へ移動される。第1のカムスライダー12と第2のカムスライダー14が移動されると、カムピン20、21、21がそれぞれカム溝13、15、15の第2の直線部13c、15c、15cから第1の直線部13a、15a、15aへ向けて相対的に移動され、ディスクテーブル24が略後方へ移動される方向へディスク駆動ユニット16が回動される。
【0063】
カムピン20、21、21がカム溝13、15、15の所定の位置まで相対的に移動されると、駆動モーターが停止される。駆動モーターが停止されると、搬送機構によるディスク状記録媒体100の保持が解除され、ディスク状記録媒体100はスピンドルモーター77の回転によるディスクテーブル24の回転に伴って回転され、光ピックアップ18の駆動によりディスク状記録媒体100に対する情報信号の記録又は再生が行われる。
【0064】
ディスク状記録媒体100に対する情報信号の記録又は再生が終了すると、図示しないイジェクト釦に対する使用者の操作により、駆動モーターの回転が再び開始される。
【0065】
駆動モーターが回転されると、第1のカムスライダー12が左方へ移動されると共に第2のカムスライダー14が下方へ移動され、ディスク状記録媒体100が装着されたディスクテーブル24が略後方へ移動される方向へディスク駆動ユニット16が回動される。このときディスク状記録媒体100は再び搬送機構によって保持される。
【0066】
ディスク駆動ユニット16が回動されると、ディスクテーブル24の略後方への移動により搬送機構に保持されているディスク状記録媒体100の中心孔100aからディスクテーブル24のセンターリング突部24aが引き出されてディスク状記録媒体100のディスクテーブル24に対する装着が解除される。
【0067】
ディスク駆動ユニット16は、第1のカムスライダー12と第2のカムスライダー14の移動に伴ってカムピン20、21、21がそれぞれカム溝13、15、15の第1の直線部13a、15a、15aに係合されるまで回動され、ディスクテーブル24が後方の移動端に位置される。
【0068】
このとき、上記したように、磁性体22Aとして設けられたモーター取付板22は吸着用マグネット25によって吸着されているため、ディスク駆動ユニット16の全体が後方へ付勢され、カムピン20、21、21がそれぞれカム溝13、15、15の第1の直線部13a、15a、15aにおける後面に押し付けられた状態とされている。従って、ディスクテーブル24はディスク状記録媒体100の搬送経路に対して最も遠距離の位置に存在しディスク状記録媒体100とディスクテーブル24の先端面との間に十分な間隔H(図8参照)が形成されている。
【0069】
ディスク状記録媒体100は搬送機構によってセンターリング位置から右方へ向けて搬送され、一部がフロントパネル9のディスク挿入口9aから右方へ突出される。従って、使用者は、ディスク挿入口9aから突出した部分を把持してディスク状記録媒体100をディスクドライブ装置5から取り出すことができる。
【0070】
上記したように、ディスクテーブル24がディスク状記録媒体100の搬送経路に対して最も遠距離の位置に存在しているため、ディスク状記録媒体100がセンターリング位置から右方へ向けて搬送されるときにも、ディスク状記録媒体100がディスクテーブル24と衝突することがない。
【0071】
上記には、モーター取付板22を磁性体22Aとして設け、ケース体7のベース面部10における磁性体22Aに対向する位置に吸着用マグネット25を配置した例を示したが、逆に、モーター取付板22に吸着用マグネット25Aを取り付け、ベース面部10を磁性体10Aとして設ける構成とすることもできる。
【0072】
この場合には、例えば、図9に示すように、モーター取付板22の一部を吸着用マグネット25Aが配置されるマグネット配置部22aとして設け、該マグネット配置部22aにマグネット配置孔26を形成して吸着用マグネット25Aを配置することが可能である。
【0073】
吸着用マグネット25Aは、マグネット配置孔26に挿入される挿入部25aと該挿入部25aの前端部から外方へ張り出されたフランジ部25bとによって構成されている。吸着用マグネット25Aは挿入部25aがマグネット配置孔26に挿入された状態において、フランジ部25bがマグネット配置部22aの前面に接した状態で配置される。
【0074】
このように吸着用マグネット25Aを挿入部25aとフランジ部25bによって構成し挿入部25aをマグネット配置孔26に磁性体10Aの反対側から挿入することにより、吸着用マグネット25Aが磁性体10Aに引き寄せられるため、吸着用マグネット25Aをモーター取付板22に接着等によって固定することなく、吸着用マグネット25Aのモーター取付板22からの脱落を防止することができる。
【0075】
また、この場合には、モーター取付板22を磁性材料によって形成することが望ましい。モーター取付板22を磁性材料によって形成することにより、吸着用マグネット25Aがモーター取付板22に磁力によって固定され、吸着用マグネット25Aのモーター取付板22からの脱落を回避することができる。
【0076】
尚、上記には、カバー体7のベース面部10又はモーター取付板22に吸着用マグネット25又は吸着用マグネット25Aを配置してディスク駆動ユニット16を一方へ付勢する例を示したが、以下のように、スピンドルモーター23の内部に配置されている駆動用マグネットを用いてディスク駆動ユニット16を一方へ付勢することができる(図10参照)。
【0077】
スピンドルモーター23の内部には、例えば、円環状の駆動用マグネット25Bが配置され、該駆動用マグネット25Bが吸着用マグネットとして用いられる。駆動用マグネット25Bは、例えば、N極とS極が周方向に交互に隣接して形成され、ローター又はステーターとして用いられている。
【0078】
スピンドルモーター23においては、駆動用マグネット25Bからの漏れ磁束J、J、・・・が発生するようにされている。漏れ磁束J、J、・・・は、例えば、スピンドルモーター23の外筐の一部に孔を形成することにより発生する。
【0079】
カバー体7のベース面部10は磁性体10Aとして設けられている。
【0080】
上記のように、スピンドルモーター23の駆動用マグネット25Bから漏れ磁束J、J、・・・を発生させ、ベース面部10を磁性体10Aとして設けることにより、ベース面部10側にディスク駆動ユニット16が引き寄せられる。
【0081】
漏れ磁束J、J、・・・を利用してディスク駆動ユニット16を一方に付勢することにより、ディスク駆動ユニット16を付勢するための専用のマグネットを必要とせず、部品点数の削減を図ることができる。
【0082】
以上に記載した通り、ディスクドライブ装置5にあっては、吸着用マグネット25、25A又は駆動用マグネット25Bを用いてディスク駆動ユニット16をディスク状記録媒体100の搬送経路から遠去かる方向へ付勢するようにしているため、ディスク状記録媒体100とディスクテーブル24の間に十分な距離が確保され、搬送中のディスク状記録媒体100がディスクテーブル24に衝突せずディスク状記録媒体100やディスクテーブル24の破損や傷付きを防止することができ、チャッキング動作の適正化を図ると共に薄型化を図ることができる。
【0083】
尚、上記には、モーターユニット19においては、モーター取付板22を磁性体22Aとした例を示したが、モーターユニット19において磁性体とされるのはモーター取付板22に限られることはなく、モーターユニット19を構成する他の部分であってもよい。
【0084】
また、ディスク駆動ユニット16において、モーターユニット19以外の他の部分を磁性体として吸着用マグネット25に吸着される構成とすることも可能である。
【0085】
さらに、ディスク駆動ユニット16において、モーター取付板22以外の部分に吸着用マグネット25又は吸着用マグネット25Aを配置し、これに対向する部分を磁性体として設けることも可能である。
【0086】
上記には、ディスクドライブ装置の例として、ディスク状記録媒体100がディスクテーブル24に設けられた弾性変形可能な係合爪24c、24c、24cによって保持されてチャッキングされるタイプを示したが、本発明は、ディスク状記録媒体100がディスクテーブルと該ディスクテーブルに対向して位置するクランパーによって挟持されてチャッキングされるタイプにおいても適用することが可能である。
【0087】
上記した最良の形態において示した各部の具体的な形状及び構造は、何れも本発明を実施する際の具体化のほんの一例を示したものにすぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】図2乃至図10と共に本発明を実施するための最良の形態を示すものであり、本図は電子機器の斜視図である。
【図2】ディスクドライブ装置とディスク状記録媒体を示す斜視図である。
【図3】ディスクドライブ装置を一部を省略して示す概略分解斜視図である。
【図4】ディスクドライブ装置を一部を省略して示す概略斜視図である。
【図5】ディスク駆動ユニットを示す概略拡大分解斜視図である。
【図6】第1のカムスライダーの拡大側面図である。
【図7】第2のカムスライダーの拡大側面図である。
【図8】ディスク駆動ユニットがディスク状記録媒体の搬送経路から遠去かる方向へ付勢されている状態を示す概略側面図である。
【図9】モーター取付板に吸着用マグネットが配置された例を示す概念図である。
【図10】スピンドルモーターの駆動用マグネットを吸着用マグネットとして用いた例を示す概念図である。
【符号の説明】
【0089】
100…ディスク状記録媒体、1…電子機器、5…ディスクドライブ装置、10…ベース面部、12…第1のカムスライダー、13…カム溝、14…第2のカムスライダー、15…カム溝、16…ディスク駆動ユニット、17…ピックアップベース、18…光ピックアップ、19…モーターユニット、20…カムピン、21…カムピン、22A…磁性体、23…スピンドルモーター、24…ディスクテーブル、25…吸着用マグネット、10A…磁性体、25A…吸着用マグネット、25a…挿入部、25b…フランジ部、22a…マグネット配置部、26…マグネット配置孔、25B…駆動用マグネット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスク状記録媒体が装着されるディスクテーブルと該ディスクテーブルを回転させるスピンドルモーターと前記ディスクテーブルに装着された前記ディスク状記録媒体の半径方向へ移動される光ピックアップと該光ピックアップを前記ディスク状記録媒体の半径方向へ移動自在に支持するピックアップベースとを有すると共に前記ディスクテーブルの略中心軸方向へ移動可能とされたディスク駆動ユニットと、
前記スピンドルモーターを挟んでディスクテーブルの反対側においてディスク駆動ユニットに対向して位置されたベース面部と、
カム溝を有し所定の方向へ移動されて前記ディスク駆動ユニットを前記ディスクテーブルの略中心軸方向へ移動させるカムスライダーとを備え、
前記ディスク駆動ユニットに前記スピンドルモーター及び前記ディスクテーブルを有し前記ベース面部に対向して位置されるモーターユニットを設け、
前記ディスク駆動ユニットに前記カムスライダーのカム溝に摺動自在に係合されるカムピンを設け、
前記ベース面部と前記モーターユニットの互いに対向する一方の位置に吸着用マグネットを配置し他方の位置に前記吸着用マグネットに吸着される磁性体を配置した
ことを特徴とするディスクドライブ装置。
【請求項2】
前記スピンドルモーターの内部に配置された駆動用マグネットから外部へ漏れる漏れ磁束を発生させて前記駆動用マグネットを前記吸着用マグネットとして用い、
前記ベース面部に、前記漏れ磁束によって前記駆動用マグネットに吸着される磁性体を配置した
ことを特徴とする請求項1に記載のディスクドライブ装置。
【請求項3】
前記ベース面部における前記モーターユニットに対向する位置に磁性体を配置し、
前記モーターユニットにおける磁性体に対向する位置に吸着用マグネットを配置し、
前記モーターユニットにおける吸着用マグネットが配置される部分をマグネット配置部として設け、
前記マグネット配置部を磁性材料によって形成し、
前記マグネット配置部にマグネット配置孔を形成し、
前記吸着用マグネットを前記マグネット配置孔に挿入される挿入部と該挿入部の一端部から外方へ張り出されたフランジ部とによって構成し、
前記フランジ部がマグネット配置部を挟んで前記磁性体の反対側に位置される状態で前記吸着用マグネットを前記マグネット配置部に配置するようにした
ことを特徴とする請求項1に記載のディスクドライブ装置。
【請求項4】
ディスク状記録媒体に対して情報信号の記録若しくは再生又はこれらの双方を行うディスクドライブ装置を備えた電子機器であって、
ディスク状記録媒体が装着されるディスクテーブルと該ディスクテーブルを回転させるスピンドルモーターと前記ディスクテーブルに装着された前記ディスク状記録媒体の半径方向へ移動される光ピックアップと該光ピックアップを前記ディスク状記録媒体の半径方向へ移動自在に支持するピックアップベースとを有すると共に前記ディスクテーブルの略中心軸方向へ移動可能とされたディスク駆動ユニットと、
前記スピンドルモーターを挟んでディスクテーブルの反対側においてディスク駆動ユニットに対向して位置されたベース面部と、
カム溝を有し所定の方向へ移動されて前記ディスク駆動ユニットを前記ディスクテーブルの略中心軸方向へ移動させるカムスライダーとを備え、
前記ディスク駆動ユニットに前記スピンドルモーター及び前記ディスクテーブルを有し前記ベース面部に対向して位置されるモーターユニットを設け、
前記ディスク駆動ユニットに前記カムスライダーのカム溝に摺動自在に係合されるカムピンを設け、
前記ベース面部と前記モーターユニットの互いに対向する一方の位置に吸着用マグネットを配置し他方の位置に前記吸着用マグネットに吸着される磁性体を配置した
ことを特徴とする電子機器。
【請求項1】
ディスク状記録媒体が装着されるディスクテーブルと該ディスクテーブルを回転させるスピンドルモーターと前記ディスクテーブルに装着された前記ディスク状記録媒体の半径方向へ移動される光ピックアップと該光ピックアップを前記ディスク状記録媒体の半径方向へ移動自在に支持するピックアップベースとを有すると共に前記ディスクテーブルの略中心軸方向へ移動可能とされたディスク駆動ユニットと、
前記スピンドルモーターを挟んでディスクテーブルの反対側においてディスク駆動ユニットに対向して位置されたベース面部と、
カム溝を有し所定の方向へ移動されて前記ディスク駆動ユニットを前記ディスクテーブルの略中心軸方向へ移動させるカムスライダーとを備え、
前記ディスク駆動ユニットに前記スピンドルモーター及び前記ディスクテーブルを有し前記ベース面部に対向して位置されるモーターユニットを設け、
前記ディスク駆動ユニットに前記カムスライダーのカム溝に摺動自在に係合されるカムピンを設け、
前記ベース面部と前記モーターユニットの互いに対向する一方の位置に吸着用マグネットを配置し他方の位置に前記吸着用マグネットに吸着される磁性体を配置した
ことを特徴とするディスクドライブ装置。
【請求項2】
前記スピンドルモーターの内部に配置された駆動用マグネットから外部へ漏れる漏れ磁束を発生させて前記駆動用マグネットを前記吸着用マグネットとして用い、
前記ベース面部に、前記漏れ磁束によって前記駆動用マグネットに吸着される磁性体を配置した
ことを特徴とする請求項1に記載のディスクドライブ装置。
【請求項3】
前記ベース面部における前記モーターユニットに対向する位置に磁性体を配置し、
前記モーターユニットにおける磁性体に対向する位置に吸着用マグネットを配置し、
前記モーターユニットにおける吸着用マグネットが配置される部分をマグネット配置部として設け、
前記マグネット配置部を磁性材料によって形成し、
前記マグネット配置部にマグネット配置孔を形成し、
前記吸着用マグネットを前記マグネット配置孔に挿入される挿入部と該挿入部の一端部から外方へ張り出されたフランジ部とによって構成し、
前記フランジ部がマグネット配置部を挟んで前記磁性体の反対側に位置される状態で前記吸着用マグネットを前記マグネット配置部に配置するようにした
ことを特徴とする請求項1に記載のディスクドライブ装置。
【請求項4】
ディスク状記録媒体に対して情報信号の記録若しくは再生又はこれらの双方を行うディスクドライブ装置を備えた電子機器であって、
ディスク状記録媒体が装着されるディスクテーブルと該ディスクテーブルを回転させるスピンドルモーターと前記ディスクテーブルに装着された前記ディスク状記録媒体の半径方向へ移動される光ピックアップと該光ピックアップを前記ディスク状記録媒体の半径方向へ移動自在に支持するピックアップベースとを有すると共に前記ディスクテーブルの略中心軸方向へ移動可能とされたディスク駆動ユニットと、
前記スピンドルモーターを挟んでディスクテーブルの反対側においてディスク駆動ユニットに対向して位置されたベース面部と、
カム溝を有し所定の方向へ移動されて前記ディスク駆動ユニットを前記ディスクテーブルの略中心軸方向へ移動させるカムスライダーとを備え、
前記ディスク駆動ユニットに前記スピンドルモーター及び前記ディスクテーブルを有し前記ベース面部に対向して位置されるモーターユニットを設け、
前記ディスク駆動ユニットに前記カムスライダーのカム溝に摺動自在に係合されるカムピンを設け、
前記ベース面部と前記モーターユニットの互いに対向する一方の位置に吸着用マグネットを配置し他方の位置に前記吸着用マグネットに吸着される磁性体を配置した
ことを特徴とする電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2009−199664(P2009−199664A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−40108(P2008−40108)
【出願日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願人】(306025075)ソニーオプティアーク株式会社 (46)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願人】(306025075)ソニーオプティアーク株式会社 (46)
【Fターム(参考)】
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