説明

ディスクドライブ装置

【課題】 光学ディスクの外周部と摺接される一対のガイド部材を設けた場合に光学ディスクの搬送をスムーズに行わせる。
【解決手段】 ディスク挿脱口21から挿入される光学ディスク2の外周部を高さ方向と幅方向とに規制しながら案内する一対のガイド部材24a,24bを備え、一対のガイド部材24a,24bは、光学ディスク2の外周部と摺接されるガイド溝25a,25bを有し、このガイド溝25a,25bの内面が光学ディスク2の外周部と点接触する形状とされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学ディスクに対して情報信号の記録及び/又は再生を行うディスクドライブ装置に関し、特にディスク挿脱口から光学ディスクを直接挿入・排出することができるスロットイン型のディスクドライブ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光学ディスクとしては、従来よりCD(Compact Disk)やDVD(Digital Versatile Disk)といった光ディスク、MD(Mini Disk)等の光磁気ディスクが広く知られており、これらディスクに対応した各種のディスクドライブ装置が登場している。
【0003】
ディスクドライブ装置には、筐体に設けられた蓋や扉を開放し、そこから臨むターンテーブルにディスクを直接装着するタイプ、筐体から水平方向に出し入れされるディスクトレイにディスクを載置することで、ディスクトレイが引き込まれた際にディスクが内部のターンテーブルに自動的に装着されるタイプ、或いはこのディスクトレイに設けられたターンテーブルにディスクを直接装着するタイプ等がある。しかしながら、何れのタイプも操作者にとって、蓋や扉を開閉したり、ディスクトレイを出し入れしたり、ターンテーブルにディスクを装着する等の操作を必要とする。
【0004】
これに対して、筐体の前面に設けられたディスク挿脱口からディスクを挿入するだけでディスクが自動的にターンテーブルに装着される、いわゆるスロットイン型のディスクドライブ装置がある。このディスクドライブ装置では、ディスク挿脱口からディスクが挿入されると、互いに対向する一対のガイドローラの間にディスクを挟み込みながら、これら一対のガイドローラが互いに逆向きに回転する。これにより、ディスク挿脱口から挿入されたディスクを筐体の内部へと引き込むローディング動作と、このディスク挿脱口からディスクを筐体の外部へと排出するイジェクト動作とを行うことができる。
【0005】
ところで、このようなディスクドライブ装置が搭載される、例えばノート型パーソナルコンピュータ等の携帯可能な電子機器では、更なる小型軽量薄型化が求められており、それに伴うディスクドライブ装置の小型軽量薄型化の要求も高まっている。
【0006】
しかしながら、上述したスロットイン型のディスクドライブ装置では、一対のガイドローラの長さがディスクの直径よりも長くなることから、装置全体の幅方向の寸法が長くなる。また、一対のガイドローラの間にディスクを挟み込むことから、厚み方向の寸法も長くなる。このため、従来のスロットイン型のディスクドライブ装置では、小型化や薄型化に非常に不利であった。
【0007】
そこで、小型化や薄型化が可能なスロットイン型のディスクドライブ装置として、光学ディスクと平行な面内で互いに協働しながら回動される複数の回動アームによって、ディスク挿脱口から挿入された光学ディスクを筐体の内部へと引き込むローディング動作と、光学ディスクをディスク挿脱口から筐体の外部へと排出するイジェクト動作とを行うディスクドライブ装置が提案されている(例えば、特許文献1,2を参照。)。
【0008】
ところで、例えば特許文献2に記載されるディスクドライブ装置には、ディスク挿脱口から挿入された光学ディスクの外周部を高さ方向と幅方向とに規制しながら案内する一対のガイド体が設けられている。しかしながら、例えばDVDといった2枚のディスク基板が接着剤により貼り合わされてなるディスクの場合、このような一対のガイド体では、ディスクの外周部からはみ出した接着剤によってディスク挿脱口から挿入されたディスクを筐体の内部に引き込むローディング動作と、光学ディスクをディスク挿脱口から筐体の外部へと排出するイジェクト動作とをスムーズに行うことができなくなる場合がある。
【0009】
【特許文献1】特開平8−167209号公報
【特許文献2】特開2003−16710号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、光学ディスクの外周部と摺接される一対のガイド部材を設けた場合であっても、光学ディスクの搬送動作を適切に行うことを可能としたスロットイン型のディスクドライブ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的を達成するために、本発明に係るディスクドライブ装置は、前面に光学ディスクが挿脱されるディスク挿脱口が設けられた筐体と、ディスク挿脱口から筐体の内部に挿入された光学ディスクが装着されるディスク装着部と、このディスク装着部に装着された光学ディスクを回転駆動するディスク回転駆動機構と、このディスク回転駆動機構により回転駆動される光学ディスクに対して信号の書き込み及び/又は読み出しを行う光学ピックアップと、この光学ピックアップを光学ディスクの内外周に亘って送り動作させるピックアップ送り機構とを有し、これらがベースに一体に設けられたベースユニットと、ディスク挿脱口から挿入された光学ディスクの外周部に当接される当接部が先端部に設けられ、基端部が回動可能に支持されることによって、当該光学ディスクと平行な面内で揺動可能とされた複数の回動部材を有し、これら複数の回動部材が互いに協働しながら、筐体のディスク挿脱口から挿入された光学ディスクをディスク装着部に装着されるディスク装着位置まで引き込むローディング動作と、光学ディスクをディスク挿脱口から筐体の外部へと排出するイジェクト動作とを行うディスク搬送機構と、ディスク挿脱口から挿入される光学ディスクの外周部を高さ方向と幅方向とに規制しながら案内する一対のガイド部材とを備え、一対のガイド部材は、光学ディスクの外周部と摺接されるガイド溝を有し、このガイド溝の内面が光学ディスクの外周部と点接触する形状とされていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、本発明に係るディスクドライブ装置では、一対のガイド部材の光学ディスクの外周部と摺接されるガイド溝の内面が光学ディスクの外周部と点接触する形状とされていることから、これら一対のガイド部材によってディスク挿脱口から挿入される光学ディスクの外周部を高さ方向と幅方向とに規制しながら適切に案内することができる。したがって、このディスクドライブ装置では、筐体のディスク挿脱口から挿入された光学ディスクのローディング動作及びイジェクト動作を適切且つスムーズに行うことが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を適用したディスクドライブ装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
本発明を適用したディスクドライブ装置は、例えば図1に示すように、ノート型パーソナルコンピュータ1000の装置本体1001に搭載されたスロットイン型のディスクドライブ装置1である。このディスクドライブ装置1は、図2に示すように、例えば12.7mm程度にまで装置全体が薄型化された構造を有しており、CD(Compact Disk)やDVD(Digital Versatile Disk)といった光ディスク2に対して情報信号の記録・再生を行うことが可能となっている。
【0015】
(1)ディスクドライブ装置の構成
先ず、このディスクドライブ装置1の具体的な構成について説明する。
【0016】
(1−1)筐体の構成
このディスクドライブ装置1は、図2及び図3に示すように、装置本体1aの外筐となる筐体3を備え、この筐体3は、装置本体1aが組み付けられたボトムケース4と、この装置本体1aの上面部を覆うトップカバー5とを有している。
【0017】
トップカバー5は、図3及び図4に示すように、比較的薄い板金がボトムケース4の上部開口部を閉塞する天板部5aを形成すると共に、この天板部5aの周囲がボトムケース4の両側面及び背面に沿って僅かに折り曲げられた形状を有している。天板部5aの略中央部には、略円形状の開口部6が形成されている。この開口部6は、後述するチャッキング動作時に光ディスク2の中心孔2aに係合されるターンテーブル27aの係合突部34aを外部に臨ませるためのものであり、この開口部6の周囲は、ターンテーブル27a上に保持された光ディスク2の中心孔2aの周囲と当接されるように、筐体3の内部に向かって僅かに突出した当接突部7を形成している。
【0018】
天板部5aの前面側には、後述するディスク挿脱口21から挿入される光ディスク2を高さ方向に規制しながら案内する一対のガイド突部8a,8bが筐体3の内部に向かって膨出形成されている。これら一対のガイド突部8a,8bは、上記開口部6を通る光ディスク2の挿入方向に沿った中心線を挟んで略対称となる位置に、光ディスク2の挿入方向に円弧を描くように隆起され、且つ、光ディスク2の挿入方向と略直交する方向に亘って、外側から内側に向かって連続的に円弧が縮径するように隆起された略部分円錐形状を有している。すなわち、これら一対のガイド突部8a,8bは、円錐を軸線方向に沿って分割し、互いの頂上部を内側に向けたような形状を有しており、外側から内側に向うに従って連続的に低く且つ細くなっている。
【0019】
一対のガイド突部8a,8bは、このような形状を有することで、ディスク挿脱口21から挿入された光ディスク2の幅方向のずれを修正しながら、筐体3の内部へとスムーズに案内することができる。また、トップカバー5は、このような形状のガイド突部8a,8bを設けることで、天板部5aの剛性を高めることができる。なお、天板部5aの内側の主面には、光ディスク2との摩擦抵抗を低減するための加工が施されている。
【0020】
ボトムケース4は、図3,図5及び図6に示すように、下部筐体として全体が略扁平箱状に形成された板金からなり、その底面部は、略矩形状であり、一方の側面部には、この底面部よりも底上げされて外側へと張り出したデッキ部4aが設けられている。
【0021】
ボトムケース4の底面部には、装置本体1aの各部の駆動制御を行う駆動制御回路が構成された回路基板9が配置されている。この回路基板9は、ボトムケース4の背面側の底面部にネジ止めにより取り付けられている。回路基板9上には、上記駆動制御回路を構成するICチップ等の電子部品10や、各部の電気的な接続を図るためのコネクタ11、各部の動作を検出するための検出スイッチSW1,SW2,SW3等が配置されている。このうち、上記パーソナルコンピュータ1000の装置本体1001との電気的な接続を図る外部コネクタ12は、図7に示すように、ボトムケース4の背面に形成された開口部13から外部に臨むように回路基板9上に取り付けられている。
【0022】
また、ボトムケース4の底面部には、シャーシ14がネジ止めにより取り付けられている。このシャーシ14は、回路基板9の上方において、ボトムケース4の内部を上記デッキ部4aと略同等の高さで上下に仕切るように配置されている。また、シャーシ14は、上記外部コネクタ12の周囲を囲む囲み部15を有しており、この囲み部15は、シャーシ14をコネクタ12の外形に沿って折り曲げることにより形成されている。これにより、囲み部15は、外部コネクタ12が外部に臨むボトムケース4の開口部13から塵埃等が筐体3の内部に侵入するのを防ぐと共に、この囲み部15が外部コネクタ12を保持することによって、回路基板9に対する外部コネクタ12の取付強度が高められている。
【0023】
ここで、トップカバー4は、ボトムケース5及びシャーシ14にネジ止めによって取り付けられている。具体的に、天板部5aの外周縁部には、図3及び図4に示すように、ネジ16を貫通させる複数の第1の貫通孔17aが形成されている。また、これら第1の貫通孔17aよりも内側には、同様にネジ16を貫通させる第2の貫通孔17bが形成されている。一方、ボトムケース4の外周縁部には、図3及び図5に示すように、内側に折り曲げられた複数の第1の固定片18aが設けられており、これら第1の固定片18aには、トップカバー5の第1の貫通孔17aに対応した複数の第1のネジ孔19aが形成されている。また、シャーシ14には、上方に向かって折り曲げられ且つその先端部が第1の固定片18aと同一高さで水平に折り曲げられた第2の固定片18bが設けられている。この第2の固定片18bは、ボトムケース4の外周縁部よりも内側、且つ後述するディスク装着位置に位置決めされた光ディスク2の外周部よりも外側に配置されており、その先端部には、トップカバー5の第2の貫通孔17bに対応した第2のネジ孔19bが形成されている。
【0024】
そして、このディスクドライブ装置1では、ボトムケース4の上部開口部をトップカバー5の天板部5aが閉塞した状態で、トップケース5の第1の貫通孔17a及び第2の貫通孔17bを通してボトムケース4の第1のネジ孔19a及びシャーシ14の第2のネジ孔19bにネジ16を螺合することによって、筐体3が構成されている。これにより、筐体3は、装置本体1aの内部に塵埃等が侵入することを防止する。なお、トップカバー5の天板部5aには、上述した開口部6からの塵埃等の侵入を防ぐため、この開口部6を覆うカバーシール(図示せず。)が貼り付けられることになる。
【0025】
また、筐体3は、トップカバー5がボトムケース4の外周縁部に設けられた複数の第1の固定片18aとは別に、これら複数の第1の固定片18aよりも内側に設けられたシャーシ14の第2の固定片18bにネジ止めされることによって、筐体3の内部に挿入された光ディスク2と干渉させずに、その剛性を高めることが可能となっている。
【0026】
この筐体3の前面には、図2及び図3に示すように、略矩形平板状のフロントパネル20が取り付けられている。このフロントパネル20には、光ディスク2が水平方向に出し入れされるディスク挿脱口21が設けられている。すなわち、光ディスク2は、このディスク挿脱口21から筐体3の内部へと挿入したり、或いはこのディスク挿脱口21から筐体3の外部へと排出したりすることが可能となっている。また、フロントパネル20の前面には、光ディスク2に対するアクセス状態を点灯表示する表示部22や、光ディスク2を排出する際に押圧されるイジェクトボタン23が設けられている。
【0027】
ボトムケース4の前面側の両側面部には、ディスク挿脱口21から挿入される光ディスク2の外周部を高さ方向と幅方向とに規制しながら案内する一対のガイド部材24a,24bが設けられている。
【0028】
これら一対のガイド部材24a,24bのうち、一方のガイド部材24aは、図3,図5R>5及び図9に示すように、光ディスク2との摩擦が少ない長尺状の樹脂部材からなり、デッキ部4a上の側面部に沿って取り付けられている。また、このガイド部材24aの取付面とは反対側の側面には、光ディスク2の挿入方向に沿ったガイド溝25aが形成されている。このガイド溝25aの内面は、光ディスク2の外周部と点接触するように内側に湾曲した形状となっている。
【0029】
他方のガイド部材24bは、図3,図5及び図10に示すように、上記一方のガイド部材24aと同様に、光ディスク2との摩擦が少ない長尺状の樹脂部材からなり、デッキ部4aとは反対側の側面部に沿って取り付けられている。また、このガイド部材24bの取付面とは反対側の側面には、光ディスク2の挿入方向に沿ったガイド溝25bが形成されている。このガイド溝25bの内面は、光ディスクの外周部と点接触するように内側に湾曲した形状となっている。
【0030】
これら一対のガイド部材24a,24bは、光ディスク2の外周部と摺接されるガイド溝25a,25bの内面を光ディスク2の外周部と点接触する形状とすることで、光ディスクの外周部との接触面積を小さくし、ディスク挿脱口21から挿入された光ディスク2の外周部を高さ方向と幅方向とに規制しながら適切且つスムーズに案内することが可能となっている。
【0031】
特に、このディスクドライブ装置1では、DVDといった2枚のディスク基板が接着剤により貼り合わされてなる光ディスク2がディスク挿脱口21から挿入された場合であっても、この光ディスク2の外周部からはみ出した接着剤の影響を受けることなく、ディスク挿脱口21から挿入された光ディスク2を筐体3の内部に引き込むローディング動作と、光ディスク2をディスク挿脱口21から筐体3の外部へと排出するイジェクト動作とをスムーズに行うことが可能である。
【0032】
なお、一対のガイド部材24a,24bにおいて、上述したガイド溝25a,25bの内面形状は、光ディスク2の外周部と点接触する形状であれば、上述した内側に湾曲した形状に限らず、例えば外側に湾曲した形状や、内側に斜めに傾斜した多角形状等とすることも可能である。
【0033】
(1−2)ベースユニットの構成
装置本体1aは、図3,図5,図6及び図11に示すように、ボトムケース4の底面部にドライブ本体を構成するベースユニット26を備えている。
【0034】
このベースユニット26は、ディスク挿脱口21から筐体3の内部に挿入された光ディスク2が装着されるディスク装着部27と、このディスク装着部27に装着された光ディスク2を回転駆動するディスク回転駆動機構28と、このディスク回転駆動機構28により回転駆動される光ディスク2に対して信号の書き込み又は読み出しを行う光学ピックアップ29と、この光学ピックアップ29を光ディスク2の内外周に亘って送り動作させるピックアップ送り機構30とを有し、これらがベース31に一体に設けられた超薄型構造を有している。
【0035】
このベースユニット26は、ボトムケース4の底面部においてディスク装着部27が略々中央に位置するように、回路基板9及びシャーシ14よりも前面側に配置されている。また、このベースユニット26は、後述するベース昇降機構93によって昇降可能とされており、初期状態において、ディスク挿脱口21から筐体3の内部に挿入される光ディスク2よりも下方に位置している。
【0036】
ベース31は、板金を所定の形状に打ち抜き、その周囲を僅かに下方に折り曲げて形成されている。ベース31の主面には、後述するディスク装着部27のターンテーブル27aを上方へと臨ませる略半円状のテーブル用開口部32aと、後述する光学ピックアップ29の対物レンズ29aを上方へと臨ませる略矩形状のピックアップ用開口部32bとが連続して形成されている。なお、ベース31の上面部には、これら開口部32a,32bに対応した開口部33aが形成された化粧板33が取り付けられている。
【0037】
ディスク装着部27は、ディスク回転駆動機構28により回転駆動されるターンテーブル27aを有し、このターンテーブル27aの中心部には、光ディスク2を装着するためのチャッキング機構34が設けられている。このチャッキング機構34は、光ディスク2の中心孔2aに係合される係合突部34aと、この係合突部34aに係合された光ディスク2の中心孔2aの周囲を係止する複数の係止爪34bとを有し、光ディスク2をターンテーブル27a上に保持する。
【0038】
ディスク回転駆動機構28は、光ディスク2をターンテーブル27aと一体に回転駆動する扁平状のスピンドルモータ28aを有し、このスピンドルモータ28aは、上面部に設けられたターンテーブル27aがベース31のテーブル用開口部32aから僅かに突出するように、支持板28bを介してベース31の下面にネジ止めにより取り付けられている。
【0039】
光学ピックアップ29は、光源となる半導体レーザから出射された光ビームを対物レンズ29aにより集光させて光ディスク2の信号記録面に照射し、この光ディスク2の信号記録面で反射された戻りの光ビームを受光素子等からなる光検出器により検出する光学ブロックを有し、光ディスク2に対する信号の書き込み又は読み出しを行うようになされている。また、この光学ピックアップ29は、対物レンズ29aを当該対物レンズ29aの光軸と平行なフォーカッシング方向と当該対物レンズ29aの光軸方向と直交するトラッキング方向とに変位駆動する二軸アクチュエータを有し、上述した光検出器により検出された光ディスク2からの検出信号に基づいて、光ディスク2に対する対物レンズ29aのフォーカシング制御及びトラッキング制御を行うようになされている。
【0040】
ピックアップ送り機構30は、光学ピックアップ29が搭載されたピックアップベース35と、このピックアップベース35を光ディスク2の半径方向にスライド可能に支持する一対のガイド軸36a,36bと、これら一対のガイド軸36a,36bに支持されたピックアップベース35を光ディスク2の半径方向に変位駆動する変位駆動機構37とを有している。
【0041】
ピックアップベース35には、一対のガイド軸36a,36bのうち、一方のガイド軸36aを挿通するガイド孔が形成された一対のガイド片38a,38bと、他方のガイド軸36bを挟み込むガイド溝が形成されたガイド片39とが互いに逆向きに突出形成されている。これにより、ピックアップベース35は、一対のガイド軸36a,36bにスライド可能に支持されている。
【0042】
一対のガイド軸36a,36bは、ベース31の下面に光ディスク2の半径方向と互いに平行となるように配置されており、ベース31のピックアップ用開口部32bから対物レンズ29aが臨むピックアップベース35を光ディスク2の内外周に亘って案内する。
【0043】
変位駆動機構37は、ベース31に取り付けられた駆動モータ37aの回転駆動をギヤやラック(図示せず。)を介して直線駆動に変換し、ピックアップベース35を一対のガイド軸36a,36bに沿った方向、すなわち光ディスク2の半径方向に変位駆動させる。なお、このベースユニット26では、初期状態において、光学ピックアップ29が半径方向の外周側に位置している。
【0044】
(1−3)ディスク搬送機構の構成
装置本体1aは、図3,図5及び図6に示すように、ディスク挿脱口21から光ディスク2が挿脱されるディスク挿脱位置と、ディスク装着部27のターンテーブル27aに光ディスク2が装着されるディスク装着位置との間で光ディスク2の搬送を行うディスク搬送機構40を備えている。
【0045】
このディスク搬送機構40は、ディスク挿脱口21から筐体3の内部に挿入される光ディスク2よりも下方に位置して、当該光ディスク2と平行な面内で揺動可能とされた第1の回動アーム41、第2の回動アーム42及び第3の回動アーム43とを有している。
【0046】
第1の回動アーム41は、長尺状の平板部材からなり、ディスク装着部27のターンテーブル27aを挟んだ左右の一方側(例えば右側)に位置して、基端部がデッキ部4a上に設けられた支軸44を介して、矢印a方向及び矢印a方向に回動可能に支持されている。また、第1の回動アーム41の先端部には、ディスク挿脱口21から挿入された光ディスク2の外周部に背面側から当接される第1の当接ピン41aが上方に突出して設けられている。また、この第1の回動アーム41の中間部には、光ディスク2をディスク装着位置に位置決めする際に、第1の当接ピン41aと共に光ディスク2の外周部に背面側から当接される第1の位置決めピン41bが上方に突出して設けられている。
【0047】
また、第1の回動アーム41の基端側には、支軸45を介して中間アーム46が回動可能に取り付けられている。この中間アーム46は、略J字状の平板部材からなり、この中間アーム46の中間部には、第1の引張りコイルバネ47の一端47aが掛止されている。また、第1の引張りコイルバネ47の他端47aは、図6及び図8に示すように、デッキ部4aの側面に掛止されている。したがって、第1の回動アーム41は、第1の引張りコイルバネ47によって前面側に向かって回動する方向、すなわち矢印a方向に中間アーム46を介して付勢されている。
【0048】
第2の回動アーム42は、図3,図5及び図6に示すように、長尺状の平板部材からなり、ディスク装着部27のターンテーブル27aを挟んだ左右の他方側(例えば左側)に位置して、基端部がシャーシ14上に設けられた支軸(ネジ)48を介して、矢印b方向及び矢印b方向に回動可能に支持されている。また、第2の回動アーム42の先端部には、ディスク挿脱口21から挿入された光ディスク2の外周部に背面側から当接される第2の当接ピン42aが上方に突出して設けられている。また、この第2の回動アーム42の中間部には、光ディスク2をディスク装着位置に位置決めする際に、第2の当接ピン42aと共に光ディスク2の外周部に背面側から当接される第2の位置決めピン42bが上方に突出して設けられている。
【0049】
また、第2の回動アーム42の中間部には、第2の引張りコイルバネ49の一端49aが掛止されている。また、第2の引張りコイルバネ49の他端49bは、シャーシ14に掛止されている。したがって、第2の回動アーム42は、第2の引張りコイルバネ49によって前面側に向かって回動する方向、すなわち矢印b方向に付勢されている。また、第2の引張りコイルバネ49は、第2の回動アーム42が前面側から背面側へと回動されるのに伴って、当該第2の回動アーム42に対する付勢力の向きを、前面側に向かって回動する方向から背面側に向かって回動する方向、すなわち矢印b方向から矢印b方向に切り替える。逆に、第2の引張りコイルバネ49は、第2の回動アーム42が背面側から前面側へと回動されるのに伴って、当該第2の回動アーム42に対する付勢力の向きを、背面側に向かって回動する方向から前面側に向かって回動する方向、すなわち矢印b方向から矢印b方向に切り替える。
【0050】
これら第1の回動アーム41と第2の回動アーム42とは、ディスク装着部27のターンテーブル27aを挟んで略対称となる位置に配置されており、初期状態において、先端部が基端部よりも内側に位置し、且つ、先端部が基端部よりも前面側に位置するように、略逆ハの字状に配置されている。
【0051】
また、ディスク搬送機構40は、第1の回動アーム41と第2の回動アーム42とを互いに連動させるための連結機構として、互いに噛合された第1のギヤ50及び第2のギヤ51と、第1のギヤ50と第1の回動アーム41とを連結する第1の連結アーム52と、第2のギヤ51と第2の回動アーム42とを連結する第2の連結アーム53とを有している。
【0052】
第1のギヤ50及び第2のギヤ51は、シャーシ14上のターンテーブル27aを通る光ディスク2の挿入方向に沿った中心線を挟んで略対称となる位置に、支軸50a,51bを介して回転可能に取り付けられている。
【0053】
第1の連結アーム52は、長尺状の平板部材からなり、一端部が第1の回動アーム41に支軸54を介して回動可能に取り付けられると共に、他端部から下方に向かって突出された係合ピン55が第1のギヤ50の主面に設けられた係合孔56に係合されることによって、第1の回動アーム41と第1のギヤ50とを連結している。また、第1の連結アーム52の中間部には、ガイドスリット57が長手方向に亘って形成されている。一方、ボトムケース4の底面部には、図5に示すように、このガイドスリット57に挿通されるガイド軸59が立設されており、このガイド軸59は、先端部にネジ孔59aを有している。そして、第1の連結アーム52の中間部は、図6に示すように、ガイドスリット57にガイド軸59が挿通された状態で、このガイド軸59の先端部に設けられたネジ孔59aにネジ60が螺合されることによって、ガイド軸59がガイドスリット57内をスライドする範囲内で移動可能に支持されている。これにより、第1の連結アーム52は、第1の回動アーム41の回動に応じて第1のギヤ50を回転させる(或いは第1のギヤ50の回転に応じて第1の回動アーム41を回動させる)ことが可能となっている。
【0054】
同様に、第2の連結アーム53は、長尺状の平板部材からなり、一端部が第2の回動アーム42に支軸61を介して回動可能に取り付けられると共に、他端部から下方に向かって突出された係合ピン62が第2のギヤ51の主面に設けられた係合孔63に係合されることによって、第2の回動アーム42と第2のギヤ51とを連結している。また、第2の連結アーム53の中間部には、ガイドスリット64が長手方向に亘って形成されている。一方、ボトムケース4の底面部には、図5に示すように、このガイドスリット64に挿通されるガイド軸65が立設されており、このガイド軸65は、先端部にネジ孔65aを有している。そして、第2の連結アーム53の中間部は、図6に示すように、ガイドスリット64にガイド軸65が挿通された状態で、このガイド軸65の先端部に設けられたネジ孔65aにネジ66が螺合されることによって、ガイド軸65がガイドスリット64内をスライドする範囲内で移動可能に支持されている。これにより、第2の連結アーム53は、第2の回動アーム42の回動に応じて第2のギヤ51を回転させる(或いは第2のギヤ51の回転に応じて第2の回動アーム42を回動させる)ことが可能となっている。
【0055】
上述したように、第1のギヤ50と第2のギヤ51とは、互いに噛合されていることから、一方のギヤが一の方向に回転すると、他方のギヤが他の方向に回転することになる。すなわち、第1のギヤ50と第2のギヤ51とは、互いに連動しながら逆向きに回転することになる。したがって、第1の回動アーム41と第2の回動アーム42とは、このような連結機構によって、互いに連動しながら逆向きに揺動可能となっている。
【0056】
第3の回動アーム43は、図3,図5及び図6に示すように、長尺状の平板部材からなり、ディスク装着部27のターンテーブル27aを挟んだ左右の一方側(例えば右側)の第1の回動アーム41よりも前面側に位置して、基端部がデッキ部4a上に設けられた支軸67を介して、矢印c方向及び矢印c方向に回動可能に支持されている。また、第3の回動アーム43の先端部には、ディスク挿脱口21から挿入された光ディスク2の外周部に当接される第3の当接ピン43aが上方に突出して設けられている。
【0057】
また、第3の回動アーム43の基端側には、図6及び図8に示すように、第3の引張りコイルバネ68の一端68aが掛止されている。また、第3の引張りコイルバネ68の他端68bは、デッキ部4aの側面に掛止されている。したがって、第3の回動アーム43は、第3の引張りコイルバネ68によって背面側に向かって回動する方向、すなわち矢印c方向に付勢されている。なお、第3の回動アーム43は、初期状態において、先端部が基端部よりも内側に位置し且つ先端部が基端部よりも前面側に位置している。
【0058】
ディスク搬送機構40では、これら第1の回動アーム41、第2の回動アーム42及び第3の回動アーム43が互いに協働しながら、筐体3のディスク挿脱口21から挿入された光ディスク2をディスク装着部27に装着されるディスク装着位置まで引き込むローディング動作と、光ディスク2をディスク装着位置に位置決めするセンタリング動作と、光ディスク2をディスク挿脱口21から筐体3の外部へと排出するイジェクト動作とを行う。
【0059】
また、ディスク搬送機構40は、上述した第1の回動アーム41、第2の回動アーム42及び第3の回動アーム43による光ディスク2のローディング動作、センタリング動作及びイジェクト動作を行うため、前後方向にスライドされる第1のスライド部材である駆動レバー69と、この駆動レバー69を前後方向に変位駆動する変位駆動機構70と、駆動レバー69のスライドに連動して前後方向にスライドされる第2のスライド部材である可動板71とを有している。
【0060】
駆動レバー69は、図6,図12及び図13に示すように、全体が略直方体状に形成された樹脂部材からなり、ボトムケース4の底面部において、このボトムケース4の一方の側面部と回路基板9及びベースユニット26との間に配置されている。また、この駆動レバー69は、ディスク挿脱口21から筐体3の内部に挿入される光ディスク2よりも下方に位置しており、その上面部がデッキ部4aの底面部と略一致した高さを有している。
【0061】
この駆動レバー69には、厚み方向に貫通する前後一対のガイドスリット72a,72bが長手方向に亘って形成されている。そして、この駆動レバー69は、前方のガイドスリット72aに後述するギヤ群77の支軸が挿通されると共に、後方のガイドスリット72bにボトムケース4の底面部に設けられた上記ガイド軸59が挿通されることによって、前後方向にスライド可能に支持されている。
【0062】
この駆動レバー69の底面部には、前面側から長手方向の中途部に亘ってラックギヤ73が形成されている。一方、変位駆動機構70は、図3,図5及び図6に示すように、ボトムケース4の底面部の前面側にモータケース74に保持された駆動モータ75と、この駆動モータ75の回転軸に取り付けられたウォームギヤ76と、このウォームギヤ76と駆動レバー69のラックギヤ73との間に介在されるギヤ群77とを有し、これらギヤ群77は、それぞれボトムケース4上の支軸に軸支されている。そして、この変位駆動機構70は、駆動モータ75を一の方向に回動駆動(正転)させることによって、ウォームギヤ76、ギヤ群77及びラックギヤ73を介して駆動レバー69を背面側へと変位駆動し、駆動モータ75を他の方向に回動駆動(逆転)させることによって、ウォームギヤ76、ギヤ群77及びラックギヤ73を介して駆動レバー69を前面側へと変位駆動する。
【0063】
駆動レバー69の上面部には、図12及び図13に示すように、3つのガイド片78a,78b,78c及び1つのガイドピン79と、1つのネジ孔80とが設けられている。一方、可動板71は、図14に示すように、所定の形状に型抜きされた板金からなり、デッキ部4a上に配置されている。この可動板71には、3つのガイドスリット81a,81b,81cと、ネジ82を貫通させる1つのガイドスリット81dとが長手方向に亘って形成されている。そして、これら駆動レバー69と可動板71とは、図6に示すように、駆動レバー69の2つのガイド片78a,78bが可動板71の2つのガイドスリット81a,81bに係合され、駆動レバー69の1つのガイド片81cが可動板71の端縁部に係合され、駆動レバー69のガイドピン79が可動板71のガイドスリット81cに係合され、ネジ82が可動板71のガイドスリット81dを通して駆動レバー69のネジ孔80に螺合されることによって、光ディスク2と平行な面内において互いに係合しながら、互いに同一方向にスライド可能となっている。
【0064】
また、これら駆動レバー69と可動板71との間には、変位駆動機構70により駆動レバー69が光ディスク2の排出方向に変位駆動されるとき、ディスク挿脱口21から筐体3の外部へと排出される光ディスク2に対して、当該光ディスク2の排出方向とは逆向きに外力が加わることによって生じた駆動レバー69と可動板71との変位量の差を吸収する緩衝機構83が設けられている。
【0065】
この緩衝機構83は、緩衝部材である圧縮コイルバネ84を有しており、この圧縮コイルバネ84は、図12及び図13に示す駆動レバー69の一対のガイドスリット72a,72bの間に設けられた保持孔85に保持されている。また、この圧縮コイルバネ84の背面側の端部は、保持孔85の背面側の端部から突出した突起部85aによって保持されている。一方、この圧縮コイルバネ84の前面側の端部は、図14に示す可動板71のガイドスリット81d近傍から突出した突起部86によって保持されている。
【0066】
可動板71は、図6及び図14に示すように、第1の回動アーム41及び第2の回動アーム42を回動操作するため、中間アーム46に設けられた第1のカムピン87が係合される第1のカムスリット88と、中間アーム46に設けられた被押圧片89を背面側から押圧する押圧片90aと、第1の回動アーム41に設けられた被押圧突部41cを前面側から押圧する第2の押圧部90bと有している。
【0067】
第1のカムスリット88は、前後方向に亘って直線状に形成された第1のスリット部88aと第2のスリット部88bとを有し、背面側の端部から前方に向かって直線状に形成された第1のスリット部88aよりも、前面側の端部から後方に向かって直線状に形成された第2のスリット部88bが外側に僅かにオフセットした形状を有している。
【0068】
押圧片90aは、可動板71の端縁部から外側に向かって突出形成されており、中間アーム46の中途部から上方に向かって折り曲げ形成された被押圧片89に背面側から当接可能となっている。
【0069】
押圧部90bは、可動板71の背面側の端縁部を一部切り欠くことによって形成されており、第1の回動アーム41の中途部から下方に向かって突出された被押圧突部41cに前面側から当接可能となっている。
【0070】
また、可動板71は、第3の回動アーム43を回動操作するため、この第3の回動アーム43に設けられた第2のカムピン91が係合される第2のカムスリット92を有している。この第2のカムスリット92は、前後方向に亘って直線状に形成された第1のスリット部92aと第2のスリット部92bとを有し、背面側の端部から前方に向かって直線状に形成された第1のスリット部92aよりも、前面側の端部から後方に向かって直線状に形成された第2のスリット部92bが内側に僅かにオフセットした形状を有している。また、第2のカムスリット92は、第1のスリット部92aの背面側の端部から前方の中途部まで内側に弧を描くように形成された第3のスリット部92cと、この第3のスリット部92cの前面側の端部から第1のスリット部92aの中途部に向かって直線状に形成された第4のスリット部92cとを有し、第3のスリット部92c、第4のスリット部92d及び第1のスリット部92aの前方の中途部の間は、カムピン91が自由に移動できる開口部を形成している。
【0071】
(1−4)ベース昇降機構の構成
装置本体1aは、図3,図5及び図6に示すように、上述した駆動レバー69のスライドに連動して、ベースユニット26のベース31を昇降操作するベース昇降機構93を備えている。
【0072】
このベース昇降機構93は、ベース31を上昇させて、ディスク装着位置に位置決めされた光ディスク2をディスク装着部27のターンテーブル27aに装着するチャッキング位置と、ベース31を下降させて、ディスク装着部27のターンテーブル27aから光ディスク2を離脱するチャッキング解除位置と、ベース31をチャッキング位置とチャッキング解除位置との間に位置させて、光ディスク2に対する信号の記録又は再生を行う中間位置との間でベース31を昇降操作する。
【0073】
このベース31を昇降操作するため、上述した駆動レバー69のベース31と対向する側面には、図12及び図13に示すように、第1のカムスリット94が長手方向に亘って形成されている。この第1のカムスリット94は、ベース31を上記チャッキング解除位置に位置させるための第1の水平面部94aと、ベース31を上記チャッキング位置に位置させるための頂上面部94bと、ベース31を上記中間位置に位置させるための第2の水平面部94cとを有している。
【0074】
また、ボトムケース4の底面部には、図6及び図15に示すように、第3のスライド部材であるカムレバー95がベース31の背面側の側面に沿って配置されている。このカムレバー95は、長尺状の平板部材からなり、その主面には、前後一対のガイドスリット96a,96bと、これら一対のガイドスリット96a,96bの間に上記ガイド軸65を挿通させるガイドスリット96cとが長手方向に亘って形成されている。一方、ボトムケース4の底面部には、図5に示すように、一対のガイドスリット96a,96bに係合される一対のガイド片97a,97bが折り曲げ形成されている。これにより、カムレバー95は、ベース31の背面側の側面に沿って、駆動レバー69のスライド方向と略直交する方向にスライド可能に支持されている。
【0075】
また、図15に示すカムレバー95の駆動レバー69と交差する位置には、ガイドピン98が上方に向かって突出形成されている。一方、図12及び図13に示す駆動レバー69の底面部には、このガイドピン98が係合されるガイドスリット99が形成されている。そして、このカムレバー95は、駆動レバー69の前後方向のスライドに連動して、ガイドピン98がガイドスリット99内をスライドすることによって、駆動レバー69のスライド方向と直交する方向にスライド可能となっている。
【0076】
このカムレバー95の中間部には、図15に示すように、ベース31を昇降操作するためのカム片100が、ベース31と対向する端縁部から上方に向かって折り曲げ形成されている。このカム片100には、第2のカムスリット101が形成されており、この第2のカムスリット101は、ベース31を上記チャッキング解除位置に位置させるための第1の水平面部101aと、ベース31を上記チャッキング位置に位置させるための頂上面部101bと、ベース31を上記中間位置に位置させるための第2の水平面部101cとを有している。また、ボトムケース4の底面部には、図5に示すように、折曲げ片102がベース31の背面側の側面に沿って折り曲げ形成されており、この折曲げ片102には、ベース31を昇降させるための鉛直スリット103が形成されている。
【0077】
これに対して、ベース31は、図5及び図6及び図11に示すように、駆動レバー69と対向する側面のディスク装着部27側に位置して、駆動レバー69の第1のカムスリット94に係合されて支持される第1の支軸104と、カムレバー95と対向する側面のディスク装着部27側に位置して、カム片100の第2のカムスリット101及び折曲げ片102の鉛直スリット103に係合されて支持される第2の支軸105と、駆動レバー69と対向する側面とは反対側の側面の前面側に位置して、ボトムケース4の他方側の側面に設けられた軸孔106に回動可能に支持された第3の支軸107と、カムレバー95と対向する側面とは反対側の側面の前面側に位置して、ゴム等の弾性部材からなるインシュレータ108を介してボトムケース4の底面部にネジ109により固定された固定部110とを有している。
【0078】
したがって、このベース31は、駆動レバー69及びカムレバー95のスライドに連動して、第1の支軸104が第1のカムスリット94内をスライドすると共に、第2の支軸105が第2のカムスリット101及び鉛直スリット103内をスライドすることによって、ディスク装着部27側が前面側に対して昇降可能となっている。
【0079】
また、ボトムケース4の底面部には、図5及び図6に示すように、このベース昇降機構93がベース31を下降させたとき、ディスク装着部27のターンテーブル27a上に装着された光ディスク2をターンテーブル27aから離脱させるためのチャッキング解除手段である押上ピン111が設けられている。この押上ピン111は、ベースユニット26のディスク装着部27近傍、具体的にはディスク装着部27に最も近接したベース31の背面側に位置して、ボトムケース4の底面部から上方に向かって突出して設けられている。
【0080】
(1−5)ディスクガイド機構の構成
装置本体1aは、図3,図5及び図6に示すように、ボトムケース4の前面側にディスク挿脱口21から挿入される光ディスク2の挿入角度を規制しながら案内するディスクガイド機構112を備えている。
【0081】
このディスクガイド機構112は、ベース昇降機構93によるベース31の昇降動作に同期しながら昇降操作される挿入ガイドレバー113を有している。この挿入ガイドレバー113は、光ディスク2との摩擦が少ない長尺状の樹脂部材からなり、光ディスク2の挿入方向に挿入方向に沿って配置されると共に、基端側に設けられた支軸114がモータケース74の背面側に設けられた軸受部115に係合されて回動可能に支持されている。また、挿入ガイドレバー113の先端部には、ガイドピン116が駆動レバー69に向かって突出形成されている。一方、駆動レバー69には、図12及び図13に示すように、このガイドピン116が摺接される第1のカム部117が設けられており、この第1のカム部117は、駆動レバー69の上面部と略一致した高さを有する第1の水平面部117aと、この第1の水平面部117aよりも一段低くなされた第2の水平面部117bとを有している。
【0082】
また、挿入ガイドレバー113の基端側には、図5及び図6に示すように、モータケース74の背面に支持されたトーションバネ118の一端が取り付けられている。そして、挿入ガイドレバー113の基端側は、このトーションバネ118の弾性力によって上方に向かって付勢されている。逆に、この挿入ガイドレバー113の先端側は、下方に向かって付勢された状態となり、ガイドピン116が第1のカム部117の上面部に常に押し付けられた状態となっている。
【0083】
したがって、挿入ガイドレバー113は、駆動レバー69が前後方向にスライドされると、ガイドピン116が第1のカム部117の上面部をスライドすることによって、ディスク挿脱口21から挿入される光ディスク2の挿入角度を規制するガイド位置と、ディスク装着部27のターンテーブル27aに装着された光ディスク2の下面から離間する退避位置との間で昇降動作される。
【0084】
(1−6)シャッタ開閉機構の構成
装置本体1aは、図3,図5及び図6に示すように、ボトムケース4の前面側に、ディスク装着部27のターンテーブル27aに光ディスク2が装着された状態において、新たな光ディスク2がディスク挿脱口21から筐体3の内部に挿入されるのを防止するためのシャッタ開閉機構119を備えている。
【0085】
このシャッタ開閉機構119は、ディスクガイド機構112による挿入ガイドレバー113の昇降動作に同期しながら昇降操作されるシャッタ部材120を有している。このシャッタ部材120は、略矩形状の平板部材からなり、背面側がボトムケース4の前面に設けられた鉛直スリット121に係合されて上下方向にスライド可能に支持されている。また、このシャッタ部材120の背面側を、モータケース74の側面に回動可能に支持された回動アーム122の一端が支持している。一方、この回動アーム122の他端側には、トーションバネ118の他端が取り付けられている。そして、この回動アーム122の他端側は、トーションバネ118の弾性力によって上方に向かって付勢されている。逆に、この回動アーム122の一端側は、下方に向かって付勢された状態となり、シャッタ部材120は、下方に保持されている。
【0086】
このシャッタ開閉機構119では、上述した駆動レバー69の前後方向のスライドに連動して、挿入ガイドレバー113が昇降動作されると、モータケース74に支持されたトーションバネ118が軸回りに回転し、このトーションバネ118の付勢力の向きが逆転する。すなわち、この回動アーム122の他端側は、トーションバネ118の弾性力によって下方に向かって付勢された状態となり、逆に、この回動アーム122の一端側は、上方に向かって付勢された状態となる。これにより、シャッタ部材120は、上方に保持される。
【0087】
したがって、このシャッタ部材120は、駆動レバー69が前後方向にスライドされると、ディスクガイド機構112による挿入ガイドレバー113の昇降動作に同期しながら、ディスク挿脱口21から挿入される光ディスク2の進路を塞ぐ閉塞位置と、ディスク挿脱口21から挿入される光ディスク2の進路を開放する開放位置との間で昇降動作される。
【0088】
ところで、上述した第2の回動アーム42及びベース31上には、図3に示すように、光ディスク2の信号記録面との接触を防ぐ保護膜123が形成されている。この保護膜123は、光ディスク2との摩擦が少ない材料からなり、ディスク装着位置にある光ディスク2の外周部に対応した位置に複数設けられている。また、ベース31の前面側には、ディスク挿脱口21から挿入された光ディスク2の信号記録面との接触を防ぐ保護シート124が貼り付けられている。
【0089】
また、図6に示すように、上述した回路基板9上に配置された複数の検出スイッチSW1,SW2,SW3のうち、第1の検出スイッチSW1は、ディスク挿脱口21から挿入された光ディスク2の有無を検出し、駆動レバー69の駆動開始を指示するためのものであり、第2の連結アーム53近傍に配置されている。一方、第2の連結アーム53の中間部には、この第1の検出スイッチSW1の検出子を押圧するための押圧片125が背面側から折り曲げ形成されている。
【0090】
第1の検出スイッチSW1は、光ディスク2の挿入に伴って、第1の回動アーム41及び第2の回動アーム42が背面側に回動されると、検出子が第2の連結アーム53の押圧片125によって押圧されてオン状態となる。そして、この検出位置よりも第1の回動アーム41及び第2の回動アーム42が背面側に位置する間、すなわち光ディスク2が筐体3内にある間は、検出子が押圧片125に押圧された状態となり、第1の検出スイッチSW1のオン状態が維持される。
【0091】
第2の検出スイッチSW2及び第3の検出スイッチSW3は、駆動レバー69の位置を検出し、この駆動レバー69の駆動を制御するためのものであり、回路基板9の駆動レバー69と対向する端縁部に所定の間隔で並んで配置されている。
【0092】
このうち、第2の検出スイッチSW2は、第3の検出スイッチSW3よりも背面側に位置し、駆動レバー69が背面側にスライドし、この駆動レバー69の側面部によって検出子が押圧されると、オン状態となる。そして、この検出位置よりも駆動レバー69が背面側に位置する間は、検出子が駆動レバー69の側面部に押圧された状態となり、第2の検出スイッチSW2のオン状態が維持される。
【0093】
一方、第3の検出スイッチSW3は、第2の検出スイッチSW2よりも前面側に位置し、検出子が駆動レバー69の側面部に設けられた第2のカム部126によって上方に押し上げられると、オン状態となる。この駆動レバー69に設けられた第2のカム部126は、図12及び図13に示すように、第3の検出スイッチSW3の検出子を押し上げ、第3のスイッチSW1をオン状態とする第1の水平面部126aと、この第1の水平面部126aよりも前面側に、第3のスイッチSW3をオフ状態とするため、第1の水平面部126aよりも一段低くなされた第2の水平面部126bとを有している。なお、第3の検出スイッチSW3は、初期状態において、第1の水平面部126aによって検出子が押し上げられ、オン状態となっている。
【0094】
(2)ディスクドライブ装置の動作
次に、以上のように構成されるディスクドライブ装置1の具体的な動作について説明する。
【0095】
(2−1)初期動作
このディスクドライブ装置1では、図29に示すタイミングチャートに従って、光ディスク2が挿入される前の初期動作を行う。
【0096】
具体的には、先ず、図16に示すように、上記パーソナルコンピュータ1000の電源がオン状態となり、装置本体1001から外部コネクタ12を介して装置本体1aに対する電力の供給が開始され、第3の検出スイッチSW3のオン状態が検出されると、変位駆動機構70が駆動モータ75を逆転させながら、駆動レバー69を前面側の端部までスライドさせる。このとき、第3の検出スイッチSW3は、第2のカム部126の第1の水平面部126a上をスライドする検出子が第1の水平面部126aの背面側の傾斜面に沿って下降することによって、オン状態からオフ状態へと切り替わる。
【0097】
次に、第3の検出スイッチSW3のオフ状態が検出されると、変位駆動機構70が駆動モータ75を正転させながら、駆動レバー69を背面側へとスライドさせる。そして、オフ状態にある第3の検出スイッチSW3が再びオン状態となるとき、変位駆動機構70が駆動モータ75の駆動を停止する。
【0098】
また、装置本体1aに対する電力の供給が開始された際に、図32に示すように、第1の検出スイッチSW1及び第2の検出スイッチSW2のオン状態が検出され、なお且つ第3の検出スイッチSW3のオン状態が検出されると、ディスク装着部27に光ディスク2が装着された状態である判断し、駆動モータ75による駆動は開始せず、後述する記録再生動作の準備状態となる。
【0099】
以上のようにして、ディスクドライブ装置1の初期動作が完了する。
【0100】
(2−2)ローディング動作
このディスクドライブ装置1では、筐体3のディスク挿脱口21から光ディスク2が挿入されると、図30に示すタイミングチャートに従って、このディスク挿脱口21から筐体3の内部に挿入された光ディスク2をディスク装着位置まで引き込むローディング動作を行う。
【0101】
具体的には、先ず、図16に示す状態から、光ディスク2がディスク挿脱口21から筐体3の内部に挿入されると、一対のガイド突部8a,8bによって光ディスク2が高さ方向に規制され、一対のガイド部材24a,24bによって光ディスク2の外周部が高さ方向と幅方向とに規制されながら、光ディスク2が筐体3の内部へと案内される。
【0102】
また、ディスクガイド機構112は、図22及び図23に示すように、挿入ガイドレバー113のガイドピン116が第1のカム部117の第1の水平面部117a上に位置することによって、この挿入ガイドレバー113がディスク挿脱口21から挿入される光ディスク2の挿入角度を規制する。これにより、光ディスク2がディスク挿脱口21から筐体3の内部に挿入された際に、この光ディスク2の信号記録面がベース31上の部品等と接触し、信号記録面が傷付くのを防ぐことが可能である。
【0103】
そして、このディスク挿脱口21から挿入された光ディスク2は、第1の回動アーム41の第1の当接ピン41a及び第2の回動アーム42の第2の当接ピン42aに当接された状態となる。
【0104】
次に、この状態から更に光ディスク2がディスク挿脱口21から筐体3の内部に押し込まれると、図17に示すように、光ディスク2の外周部が第1の当接ピン41a及び第2の当接ピン42aを押圧しながら、第1の回動アーム41及び第2の回動アーム42が第1の引張りコイルバネ47及び第2の引張りコイルバネ49の付勢に抗して、互いに逆向きに背面側に向かって回動される。そして、第1の回動アーム41及び第2の回動アーム42が背面側に向かって所定量だけ回動されたとき、第2の連結アーム53の押圧片125によって第1の検出スイッチSW1の検出子が押圧される。これにより、第1の検出スイッチSW1がオン状態となり、この第1の検出スイッチSW1からの検出信号に基づいて、変位駆動機構70が駆動モータ75を正転させて、駆動レバー69の背面側へのスライドを開始する。
【0105】
一方、第3の回動アーム43は、図16に示すように、ディスク挿脱口2から筐体3の内部に光ディスク2が挿入されるのに伴って、第3の当接ピン43aが光ディスク2の外周部の背面側と当接された状態となる。そして、この状態から更に光ディスク2がディスク挿脱口21から筐体3の内部に押し込まれることによって、光ディスク2が第3の当接ピン43aを押圧しながら、第3の回動アーム43を第3の引張りコイルバネ68の付勢に抗して外側へと回動させる。このとき、第3の当接ピン43aは、光ディスク2の外周部に沿って前面側へと回り込む。すると、今度は第3の当接ピン43aが光ディスク2の外周部の前面側と当接されることによって、第3の回動アーム43が第3の引張りコイルバネ68に付勢されて背面側に向かって回動する。
【0106】
また、駆動レバー69の背面側へのスライドに連動して、可動板71が背面側へとスライドされると、第2のカムスリット92内をスライドする第2のカムピン91が第4のスリット部92dに押圧されて、第3の回動アーム43が背面側に向かって回動することになる。
【0107】
これにより、光ディスク2は、その外周部の背面側を第1の引張りコイルバネ47及び第2の引張りコイルバネ49によって付勢された第1の回動アーム41の第1の当接ピン41a及び第2の回動アーム42の第2の当接ピン42aに当接させたまま、その外周部の前面側に第3の当接ピン43aを当接させた第3の回動アーム43の背面側への回動によって、筐体3の内部へと引き込まれることになる。
【0108】
また、第2の引張りコイルバネ49は、第2の回動アーム42が前面側から背面側へと回動されるのに伴って、この第2の回動アーム42に対する付勢力の向きを、前面側に向かって回動する方向から背面側に向かって回動する方向に切り替えることによって、光ディスク2を筐体3の内部に引き込む手助けを行う。
【0109】
以上のようにして、第1の回動アーム41と第2の回動アーム42と第3の回動アーム43とは、互いに協働しながら、図18に示すディスク装着位置まで光ディスク2を引き込み、光ディスク2を筐体3の内部へと搬送させる。
【0110】
(2−3)センタリング動作
次に、このディスクドライブ装置1では、図18に示すように、背面側に向かって回動する第3の回動アーム43が第3の当接ピン43aを光ディスク2の外周部の前面側に当接させた状態で、ディスク装着位置まで搬送された光ディスク2の外周部を、ディスク装着位置に対応して位置決めされた第1の回動アーム41の第1の当接ピン41a及び第1の位置決めピン41b、並びに第2の回動アーム42の第2の当接ピン42a及び第2の位置決めピン42bに向かって押し付けることによって、この光ディスク2をディスク装着位置に位置決めするセンタリング動作を行う。
【0111】
(2−4)チャンキング動作
次に、このディスクドライブ装置1では、図24及び図25に示すように、ベース昇降機構93がベース31を上昇させることによって、ディスク装着位置に位置決めされた光ディスク2をディスク装着部27のターンテーブル27aに装着するチャッキング動作を行う。
【0112】
具体的には、駆動レバー69の背面側へのスライドに連動して、カムレバー95が左側へとスライドされると、ベース31の第1の支軸104が駆動レバー69の第1のカムスリット94内をスライドすると共に、ベース31の第2の支軸105がカム片100の第2のカムスリット101及び折曲げ片102の鉛直スリット103内をスライドする。そして、第1の支軸104が第1のカムスリット94内を第1の水平面部94aから頂上面部94bへとスライドし、第2の支軸105が第2のカムスリット101内を第1の水平面部101aから頂上面部101bへとスライドすることによって、ベース31がチャッキング位置まで上昇する。
【0113】
このとき、ディスク装着位置に位置決めされた光ディスク2の中心孔2aに係合突部34aが入り込みながら、天井部5aの当接突部7に光ディスク2の中心孔2aの周囲が押し付けられることによって、係合突部34aが光ディスク2の中心孔2aに係合されると共に、複数の係止爪34bが光ディスク2の中心孔2aの周囲を係止した状態で、光ディスク2がターンテーブル27a上に保持される。これにより、光ディスク2をディスク装着部27に装着する1回目のチャッキング動作が行われる。
【0114】
次に、このディスクドライブ装置1では、図19に示すように、駆動レバー69の背面側へのスライドに連動して、可動板71が背面側の端部までスライドされる。
【0115】
このとき、可動板71の押圧部90bが第1の回動アーム41の被押圧突部41cを前面側から押圧する。これにより、第1の回動アーム41及び第2の回動アーム42は、ディスク装着位置にある光ディスク2の外周部から第1の当接ピン41a及び第1の位置決めピン41b、並びに第2の当接ピン42a及び第2の当接ピン42bが背面側へと離間する位置まで回動する。また、中間アーム46の第1のカムピン87が可動板71の第1のカムスリット88内をスライドすることによって、第1のカムピン87の位置が第1のスリット部88aから第2のスリット部88bへと切り替わる。
【0116】
一方、第3の回動アーム43の第2のカムピン91が可動板71の第2のカムスリット92内をスライドすることによって、第2のカムピン91の位置が第1のスリット部92aから第2のスリット部92bへと切り替わる。これにより、第3の回動アーム43は、ディスク装着位置にある光ディスク2の外周部から第3の当接ピン43aが前面側へと離間する位置まで回動する。これにより、ディスク装着部27に装着された光ディスク2の外周部からは、第1の回動アーム41の第1の当接ピン41a及び第1の位置決めピン41b、第2の回動アーム42の第2の当接ピン42a及び第2の位置決めピン42b、並びに第3の回動アーム43の第3の当接ピン43aが離間した状態となる。
【0117】
また、このディスクドライブ装置1では、図26及び図27に示すように、駆動レバー69が背面側の端部までスライドされると、この駆動レバー69のスライドに連動して、カムレバー95が左側の端部までスライドされる。このとき、第1の支軸104が第1のカムスリット94内を頂上面部94bから第2の水平面部94cへとスライドし、第2の支軸105が第2のカムスリット101内を頂上面部101bから第2の水平面部101cへとスライドすることによって、ベース31が中間位置まで下降する。
【0118】
ここで、図30に示すように、第2の検出スイッチSW2は、検出子が駆動レバー69の側面部に押圧されることによって、オン状態となる。また、第3の検出スイッチSW3は、検出子が第2のカム部126の第2の水平面部126b上をスライドすることによって、オン状態からオフ状態へと切り替わる。
【0119】
このとき、ディスク回転駆動機構28のスピンドルモータ28aが光ディスク2を回転駆動し、当該光ディスク2の位相をずらす。また、変位駆動機構70が駆動モータ75を逆転させることによって、駆動レバー69を前面側へとスライドさせる。
【0120】
そして、この駆動レバー69の前面側へのスライドに連動して、カムレバー95が右側へとスライドされると、第1の支軸104が第1のカムスリット94内を第2の水平面部94cから頂上面部94bへとスライドし、第2の支軸105が第2のカムスリット101内を第2の水平面部101cから頂上面部101bへとスライドする。これにより、ベース31が再びチャッキング位置まで上昇し、光ディスク2の位相をずらした状態で、光ディスク2をディスク装着部27に装着する2回目のチャッキング動作が行われる。
【0121】
このディスクドライブ装置1では、上述した2回目のチャッキング動作が完了した後に、駆動レバー69の前面側へのスライドによって、図30に示すように、オフ状態にある第3の検出スイッチSW3がオン状態となり、オン状態にある第2の検出スイッチがオフ状態となる。
【0122】
このとき、変位駆動機構70が駆動モータ75を正転させることによって、駆動レバー69が背面側へとスライドされる。そして、このディスクドライブ装置1では、図19に示すように、駆動レバー69の背面側へのスライドに連動して、可動板71が背面側の端部までスライドされると、ディスク装着部27に装着された光ディスク2の外周部から第1の当接ピン41a及び第1の位置決めピン41b、並びに第2の当接ピン42a及び第2の当接ピン42bが背面側へと離間する位置まで第1の回動アーム41及び第2の回動アーム42が回動されると共に、この光ディスク2の外周部から第3の当接ピン43aが前面側へと離間する位置まで第3の回動アーム43が回動される。
【0123】
また、このディスクドライブ装置1では、図26及び図27に示すように、駆動レバー69が背面側の端部までスライドされることによって、カムレバー95が左側の端部までスライドされ、ベース31が再び中間位置まで下降する。
【0124】
そして、図30に示すように、オフ状態にある第2の検出スイッチSW2がオン状態となり、オン状態にある第3の検出スイッチSW3が再びオフ状態となるとき、変位駆動機構70が駆動モータ75の駆動を停止する。
【0125】
また、ディスクガイド機構112は、図26及び図27に示すように、駆動レバー69が背面側の端部に位置するとき、挿入ガイドレバー113のガイドピン116が第1のカム部117の第2の水平面部117b上に位置することによって、この挿入ガイドレバー113をディスク装着部27のターンテーブル27a上に装着された光ディスク2から離間する位置まで下降させる。これにより、ターンテーブル27a上に装着された光ディスク2を回転駆動する際に、挿入ガイドレバー113と光ディスクの信号記録面との接触を回避することができる。
【0126】
また、シャッタ開閉機構119は、この挿入ガイドレバー113の下降動作に同期しながら、シャッタ部材120をディスク挿脱口21から挿入される光ディスク2の進路を塞ぐ位置まで上昇させる。これにより、ターンテーブル27a上に光ディスク2が装着された状態において、新たな光ディスク2がディスク挿脱口21から筐体3の内部に挿入されるのを防ぐことができる。
【0127】
以上のようにして、ディスクドライブ装置1のローディング動作が完了する。
【0128】
(2−5)記録再生動作
このディスクドライブ装置1では、図19,図26及び図27に示す状態において、ディスク装着部27に装着された光ディスク2に対して情報信号の記録又は再生が行われる。具体的には、スピンドルモータ28aが光ディスク2をターンテーブル27aと一体に回転駆動すると共に、ピックアップ送り機構30によって光学ピックアップ29が外周側から内周側へ移動し、フォーカスサーボ制御とトラッキングサーボ制御がかかると、この光ディスク2のリードイン領域に記録されているTOCデータの読み出しを行う。この後、情報信号を記録する場合にあっては、読み出したTOCデータに基づいて、光ディスク2のプログラム領域内の所定のアドレスに、光学ピックアップ29が移動する。また、情報信号の再生時にあっては、指定されたデータが記録されたプログラム領域内のアドレスに、光学ピックアップ29が移動する。そして、この光学ピックアップ29が光ディスク2の所望の記録トラックに対して情報信号の書き込み又は読み出し動作を行う。
【0129】
なお、図32に示すように、記録再生動作時において、第1の検出スイッチSW1は、オン状態にあり、第2の検出スイッチSW2は、オン状態にあり、第3の検出スイッチSW3は、オフ状態にある。
【0130】
以上のようにして、ディスクドライブ装置1の記録再生動作が行われる。
【0131】
(2−6)イジェクト動作
このディスクドライブ装置1では、図31に示すタイミングチャートに従って、ディスク装着部27に装着された光ディスク2をディスク挿脱口21から筐体3の外部へと排出するイジェクト動作を行う。
【0132】
具体的には、先ず、フロントパネル20に設けられたイジェクトボタン23が押圧される、或いは上記パーソナルコンピュータ1000からディスクドライブ装置1に対してイジェクトの指令が送られると、この指令に基づいて、変位駆動機構70が駆動モータ75を逆転させながら、駆動レバー69を前面側へとスライドさせる。
【0133】
そして、この駆動レバー69の前面側へのスライドに連動して、カムレバー95が右側へとスライドされると、第1の支軸104が第1のカムスリット94内を第2の水平面部94cから頂上面部94bを経て第1の水平面部94aへとスライドし、第2の支軸105が第2のカムスリット101内を第2の水平面部101cから頂上面部101bを経て第1の水平面部101aへとスライドする。これにより、図22及び図23に示すように、ベース31がチャッキング解除位置まで下降する。
【0134】
(2−7)チャッキング解除動作
次に、このディスクドライブ装置1では、ベース31をチャッキング解除位置まで下降させることによって、ディスク装着部27のターンテーブル27aから光ディスク2を離脱するチャッキング解除動作を行う。具体的には、図28に示すように、ベース31がチャッキング解除位置まで下降すると、押上ピン111の先端部がディスク装着部27のターンテーブル27aに装着された光ディスク2の内周側の非信号記録領域に当接することによって、この光ディスク2を押し上げながら、光ディスク2をターンテーブル27a上から離脱する。
【0135】
また、ディスクガイド機構112は、図22及び図23に示すように、駆動レバー69が前面側へとスライドするのに伴って、挿入ガイドレバー113のガイドピン116が第1のカム部117の第1の水平面部117a上に位置することになる。これにより、挿入ガイドレバー113がディスク挿脱口21から挿入される光ディスク2の挿入角度を規制する位置まで上昇する。
【0136】
また、シャッタ開閉機構119は、この挿入ガイドレバー113の上昇動作に同期しながら、シャッタ部材120をディスク挿脱口21から挿入される光ディスク2の進路を開放する位置まで下降させる。
【0137】
次に、このディスクドライブ装置1では、駆動レバー69の前面側へのスライドに連動して、図18,図17及び図16に示す順序で可動板71を前面側へとスライドさせる。このとき、可動板71の押圧片90aが中間アーム46の被押圧片89を背面側から押圧する。これにより、ディスク装着位置にある光ディスク2の外周部に背面側から第1の当接ピン41a及び第2の当接ピン42aを当接させた状態で、第1の回動アーム41及び第2の回動アーム42が互いに逆向きに前面側に向かって回動される。
【0138】
また、第1の引張りコイルバネ47は、第1の回動アーム41を前面側に向かって回動する方向に付勢すると共に、第2の引張りコイルバネ49は、第2の回動アーム42が背面側から前面側へと回動されるのに伴って、この第2の回動アーム42に対する付勢力の向きを、背面側に向かって回動する方向から前面側に向かって回動する方向に切り替える。これにより、光ディスク2を筐体3の外部に排出する手助けを行う。
【0139】
一方、第3の回動アーム43は、図20に示すように、可動板71が前面側の端部までスライドされるのに伴って、第2のカムピン91が可動板71の第2のカムスリット92内を第3のスリット部92cに沿ってスライドし、前面側へと回動される。
【0140】
以上のようにして、第1の回動アーム41と第2の回動アーム42と第3の回動アーム43とは、互いに協働しながら、図20に示すディスク挿脱位置まで光ディスク2を搬送し、ディスク挿脱口21から筐体3の外部へと光ディスク2を排出する。
【0141】
ここで、図31に示すように、第2の検出スイッチSW2は、駆動レバー69の側面部による押圧が解除されることによって、オフ状態となり、第1の検出スイッチSW1は、第2の連結アーム53の押圧片125による押圧が解除されることによって、オフ状態となる。また、第3の検出スイッチSW3は、第2のカム部126の第1の水平面部126a上をスライドする検出子が第1の水平面部126aの背面側の傾斜面に沿って下降することによって、オン状態からオフ状態へと切り替わる。
【0142】
このとき、図20に示すように、駆動レバー69が前面側の端部までスライドすることによって、可動板71の押圧片90aが中間アーム46の被押圧片89を背面側から押圧する。これにより、第1の回動アーム41が最前部まで回動し、光ディスク2を確実にディスク挿脱口21から中心孔2aが筐体3の外部に臨む位置まで排出することになる。
【0143】
また、第3の検出スイッチSW3のオフ状態が検出された後は、図16に示すように、変位駆動機構70が駆動モータ75を正転させながら、駆動レバー69を背面側へとスライドさせる。そして、オフ状態にある第3の検出スイッチSW3が再びオン状態となるとき、変位駆動機構70が駆動モータ75の駆動を停止する。
【0144】
以上のようにして、ディスクドライブ装置1のイジェクト動作が行われる。
【0145】
上述したように、このディスクドライブ装置1では、互い協働される第1の回動アーム41、第2の回動アーム42及び第3の回動アーム43が、光ディスク2のローディング動作及びイジェクト動作を適切且つ安定的に行うことから、スロットイン型のディスクドライブ装置として、装置全体の更なる小型軽量薄型化に対応することが可能である。
【0146】
また、このディスクドライブ装置1では、例えば図17に示すように、正規サイズ(例えば12cm)よりも小径(例えば8cm)の光ディスク200がディスク挿脱口21から筐体3の内部に挿入された場合であっても、第2の連結アーム53の押圧片125によって第1の検出スイッチSW1の検出子が押圧される位置まで、第1の回動アーム41及び第2の回動アーム42が背面側へと回動することがない。したがって、このディスクドライブ装置1では、第1の検出スイッチSW1がオン状態となる前、すなわち駆動モータ75による駆動レバー69の駆動が開始される前に、ディスク装着部27を挟んで略対称となる位置に逆ハの字状に配置された第1の回動アーム41と第2の回動アーム42とによって、このような小径の光ディスク200をディスク挿脱口21から筐体3の外部へと強制的に排出することが可能である。
【0147】
また、このディスクドライブ装置1では、各回動アーム41,42,43の配置及びその回動方向を最適化することによって、上述した光ディスク2のセンタリング動作を適切且つ安定的に行うことが可能である。すなわち、上述した光ディスク2のセンタリング動作においては、図18に示すように、背面側に向かって回動する第3の回動アーム43が第3の当接ピン43aを光ディスク2の外周部の前面側に当接させた状態で、ディスク装着位置まで搬送された光ディスク2の外周部を、当該ディスク装着位置に対応して位置決めされた第1の回動アーム41の第1の当接ピン41a及び第1の位置決めピン41b、並びに第2の回動アーム42の第2の当接ピン42a及び第2の位置決めピン42bに向かって略均等に押し付けることになる。
【0148】
したがって、このディスクドライブ装置1では、上記特許文献2に記載されるディスクドライブ装置のように、各揺動体のディスクの外縁と当接されるピンの位置や押圧方向が不均等となることがなく、これを解消するための新たなディスク位置決め部材やディスクガイドを設ける必要がない。また、このような安定したセンタリング動作によって、その後のチャッキング動作を適切に行うことが可能である。
【0149】
また、このディスクドライブ装置1では、1回目のチャッキング動作を行った後に、光ディスク2の位相をずらし、2回目のチャッキング動作を行うことから、光ディスク2をディスク装着部27に対して確実に装着することが可能である。
【0150】
さらに、このディスクドライブ装置1では、上述した筐体3の剛性を向上させたボトムケース4に対するトップカバー5の取付構造によって、ベース31を上昇させてディスク装着部27のターンテーブル27aに光ディスク2を装着する際の動作信頼性を向上させることが可能である。
【0151】
なお、このディスクドライブ装置1では、上述したディスク回転駆動機構28のスピンドルモータ28aが光ディスク2を回転駆動し、この光ディスク2の位相をずらす上記中間位置と、光ディスク2に対する信号の記録又は再生を行う記録再生位置とが一致した構成となっているが、上記中間位置と記録再生位置とを必ずしも一致させる必要はない。すなわち、このディスクドライブ装置1では、チャッキング動作後に、ベース31を下降させて、光ディスク2の中心孔2aの周囲が天井部5aの当接突部7から離間した時点において、ディスク回転駆動機構28が光ディスク2を回転駆動し、この光ディスク2の位相をずらすことが可能となることから、上記中間位置と上記記録再生位置とを異なる位置とすることも可能である。
【0152】
また、このディスクドライブ装置1では、ベース昇降機構93によってベース31のディスク装着部27側が前面側に対して昇降動作される構成となっていることから、この光ディスク2の位相を略180゜だけずらすことによって、1回目のチャッキング動作を行うターンテーブル27aの位置と2回目のチャッキング動作を行うターンテーブル27aとの位置を反転させ、より確実なチャッキング動作を安定的に行うことが可能である。
【0153】
なお、ここでは、チャッキング動作を2回行う構成となっているが、チャッキング動作を繰り返す回数については任意である。また、このチャッキング動作を繰り返した後に、上述した光学ピックアップ29が外周側から内周側へ移動し、フォーカスサーボ制御とトラッキングサーボ制御がかからない場合には、上記イジェクト動作によって光ディスク2を強制的に排出することで、上記ディスクドライブ装置1の動作の安定化が図られている。
【0154】
また、このディスクドライブ装置1では、光ディスク2のチャンキング動作が完了するまで、光学ピックアップ29を半径方向の外周側に位置させることによって、チャッキング動作時における光学ピックアップ29と光ディスク2の信号記録面との衝突の危険性を回避することが可能である。
【0155】
また、このディスクドライブ装置1では、ベース31の昇降動作に同期して、上述した挿入ガイドレバー113がディスク挿脱口21から挿入される光ディスク2の挿入角度を規制する位置と、ディスク装着部27のターンテーブル27aに装着された光ディスク2の下面から離間する退避位置との間で昇降動作されることから、このような光ディスク2の挿入角度を規制する挿入ガイド部材をボトムケース4の底面部に設けた場合であっても、ベース31の昇降動作の範囲を狭くすることによって、装置全体を更に薄型化することが可能である。
【0156】
また、このディスクドライブ装置1では、挿入ガイドレバー113の昇降動作に同期しながら昇降操作されるシャッタ部材120を有することから、装置全体の大型化を招くことなく、光ディスク2の装着時において、誤って光ディスク2がディスク挿脱口21から筐体3の内部に挿入されるのを防ぐことが可能である。
【0157】
また、このディスクドライブ装置1では、例えば図21に示すように、変位駆動機構70により駆動レバー69が光ディスク2の排出方向に変位駆動されるとき、ディスク挿脱口21から筐体3の外部へと排出される光ディスク2に対して、当該光ディスク2の排出方向とは逆向きに外力が加わることによって生じた駆動レバー69と可動板71との変位量の差を圧縮コイルバネ84によって吸収することが可能である。
【0158】
これにより、光ディスク2のイジェクト動作の際に、このイジェクト動作とは逆向きの外力が加わることによる内部の機構や光ディスク2の損傷等の危険性を回避することが可能である。
【0159】
また、このディスクドライブ装置1では、例えば図33に示す緩衝機構83のように、駆動レバー69の保持孔85に保持された第1の圧縮コイルバネ84aと第2の圧縮コイルバネ84bとの間を可動板71に設けられた保持部127が保持する構成とすることも可能である。
【0160】
このうち、第1の緩衝部材である第1の圧縮コイルバネ84aは、その背面側の端部が可動板71によって保持され、その前面側の端部が駆動レバー69によって保持されている。一方、第2の緩衝部材である第2の圧縮コイルバネ84bは、その前面側の端部が可動板71によって保持され、その背面側の端部が駆動レバー69によって保持されている。
【0161】
これにより、ディスクドライブ装置1では、変位駆動機構70により駆動レバー69が光ディスク2の挿入方向に変位駆動されるとき、ディスク挿脱口21から筐体3の内部へと引き込まれる光ディスク2に対して、当該光学ディスク2の引込方向とは逆向きに外力が加わることによって生じた駆動レバー69と可動板71との変位量の差を第1の圧縮コイルバネ84aによって吸収する一方、変位駆動機構70により駆動レバー69が光ディスク2の排出方向に変位駆動されるとき、ディスク挿脱口21から筐体3の外部へと排出される光ディスク2に対して、当該光ディスク2の排出方向とは逆向きに外力が加わることによって生じた駆動レバー69と可動板71との変位量の差を第2の圧縮コイルバネ84bによって吸収することが可能である。
【0162】
さらに、これら第1の圧縮コイルバネ84a及び第2の圧縮コイルバネ84bは、駆動レバー69と可動板71との間に介在される1つの圧縮コイルバネであってもよく、この場合、圧縮コイルバネは、駆動レバー69の保持孔85に保持された状態で、この圧縮コイルバネ84の中間部分が可動板71に設けられた保持部127に保持された構成となる。
【0163】
この場合も、変位駆動機構70により駆動レバー69が光ディスク2の排出方向に変位駆動されるとき、ディスク挿脱口21から筐体3の外部へと排出される光ディスク2に対して、当該光ディスク2の排出方向とは逆向きに外力が加わることによって生じた駆動レバー69と可動板71との変位量の差と、変位駆動機構70により駆動レバー69が光ディスク2の挿入方向に変位駆動されるとき、ディスク挿脱口21から筐体3の内部へと引き込まれる光ディスク2に対して、当該光学ディスク2の引込方向とは逆向きに外力が加わることによって生じた駆動レバー69と可動板71との変位量の差とを、この圧縮コイルバネによって吸収することが可能である。
【産業上の利用性】
【0164】
なお、本発明は、上述したノート型パーソナルコンピュータ1000に搭載されるスロットイン型のディスクドライブ装置1に限定されるものではなく、光学ディスクに対して情報信号の記録及び/又は再生を行うディスクドライブ装置に対して広く適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0165】
【図1】本発明を適用したディスクドライブ装置が搭載されたノート型パーソナルコンピュータの外観を示す斜視図である。
【図2】ディスクドライブ装置の外観を示す斜視図である。
【図3】装置本体、トップカバー及び前面パネルの構成を示す分解斜視図である。
【図4】トップカバーを内面側から見た斜視図である。
【図5】装置本体の構成を示す分解斜視図である。
【図6】装置本体の構成を示す平面図である。
【図7】装置本体の構成を示す背面図である。
【図8】装置本体の構成を示す側面図である。
【図9】(a)は、一方のガイド部材を上方側から見た斜視図であり、(b)は、一方のガイド部材を下方側から見た斜視図であり、(c)は、X−X’断面図である。
【図10】(a)は、他方のガイド部材を上方側から見た斜視図であり、(b)は、他方のガイド部材を下方側から見た斜視図であり、(c)は、X−X’断面図である。
【図11】ベースユニットの構成を示す斜視図である。
【図12】(a)は、駆動レバーを上方側から見た斜視図であり、(b)は、駆動レバーを下方側から見た斜視図である。
【図13】(a)は、駆動レバーを上方側から見た平面図であり、(b)は、駆動レバーを下方側から見た底面図であり、(c)は、駆動レバーを一方側から見た側面図であり、(d)は、駆動レバーを他方側から見た側面図である。
【図14】(a)は、可動板の構成を示す斜視図であり、(b)は、可動板の構成を示す平面図である。
【図15】(a)は、カムレバーの構成を示す斜視図であり、(b)は、カムレバーの構成を示す平面図であり、(c)は、カムレバーの構成を示す側面図である。
【図16】ディスク挿脱機構の動作を説明するための図であり、ディスクがディスク挿脱位置まで挿入された状態を示す平面図である。
【図17】ディスク挿脱機構の動作を説明するための図であり、ディスクの搬送動作が開始された状態を示す平面図である。
【図18】ディスク挿脱機構の動作を説明するための図であり、ディスクがディスク装着位置まで搬送された状態を示す平面図である。
【図19】ディスク挿脱機構の動作を説明するための図であり、ディスクの搬送動作が終了した状態を示す平面図である。
【図20】ディスク挿脱機構の動作を説明するための図であり、ディスクがディスク挿脱位置まで排出された状態を示す平面図である。
【図21】ディスク挿脱機構の動作を説明するための図であり、イジェクト動作時にディスクが強制的に筐体内部に押し込まれた状態を示す平面図である。
【図22】ベース昇降機構、ガイド昇降機構及びシャッタ開閉機構の動作を説明するための図であり、(a)は、ベースユニットがチャッキング解除位置にある状態を示す平面図であり、(b)は、そのチャッキング解除位置におけるベースの第1の支軸と駆動レバーの第1のカムスリットとの位置関係を示す側面図であり、(c)は、そのチャッキング解除位置におけるベースの第2の支軸とカム片の第2のカムスリット及び折曲げ片の鉛直スリットとの位置関係を示す側面図である。
【図23】ベース昇降機構、ガイド昇降機構及びシャッタ開閉機構の動作を説明するための図であり、ベースユニットがチャッキング解除位置にある状態を示す断面図である。
【図24】ベース昇降機構、ガイド昇降機構及びシャッタ開閉機構の動作を説明するための図であり、(a)は、ベースユニットがチャッキング位置にある状態を示す平面図であり、(b)は、そのチャッキング位置におけるベースの第1の支軸と駆動レバーの第1のカムスリットとの位置関係を示す側面図であり、(c)は、そのチャッキング位置におけるベースの第2の支軸とカム片の第2のカムスリット及び折曲げ片の鉛直スリットとの位置関係を示す側面図である。
【図25】ベース昇降機構、ガイド昇降機構及びシャッタ開閉機構の動作を説明するための図であり、ベースユニットがチャッキング位置にある状態を示す断面図である。
【図26】ベース昇降機構、ガイド昇降機構及びシャッタ開閉機構の動作を説明するための図であり、(a)は、ベースユニットが記録再生位置にある状態を示す平面図であり、(b)は、その記録再生位置におけるベースの第1の支軸とスライドレバーの第1のカムスリットとの位置関係を示す側面図であり、(c)は、その記録再生位置におけるベースの第2の支軸とカム片の第2のカムスリット及び折曲げ片の鉛直スリットとの位置関係を示す側面図である。
【図27】ベース昇降機構、ガイド昇降機構及びシャッタ開閉機構の動作を説明するための図であり、ベースユニットが記録再生位置にある状態を示す断面図である。
【図28】ベース昇降機構、ガイド昇降機構及びシャッタ開閉機構の動作を説明するための図であり、ディスクが押上ピンと当接された状態を示す断面図である。
【図29】ディスクドライブ装置の初期動作時における第1のスイッチ、第2のスイッチ及び第3のスイッチの切替状態を示すタイミングチャートである。
【図30】ディスクドライブ装置のローディング動作時における第1のスイッチ、第2のスイッチ及び第3のスイッチの切替状態を示すタイミングチャートである。
【図31】ディスクドライブ装置のイジェクト動作時における第1のスイッチ、第2のスイッチ及び第3のスイッチの切替状態を示すタイミングチャートである。
【図32】ディスクドライブ装置の記録再生動作時における第1のスイッチ、第2のスイッチ及び第3のスイッチの切替状態を示すタイミングチャートである。
【図33】緩衝機構の変形例を示す平面図である。
【符号の説明】
【0166】
1 ディスクドライブ装置、 2 光ディスク、 3 筐体、 4 ボトムケース、 5 トップカバー、 9 回路基板、 12 コネクタ、 14 シャーシ、 24a,24b 一対のガイド部材、 26 ベースユニット、 27 ディスク装着部、 27a ターンテーブル、 28 ディスク回転駆動機構、 31 ベース、 34 チャッキング機構、 40 ディスク搬送機構、 41 第1の回動アーム、 42 第2の回動アーム、 43 第3の回動アーム、 46 中間アーム、 47 第1の引張りコイルバネ、 49 第2の引張りコイルバネ、 50 第1のギヤ、 51 第2のギヤ、 52 第1の連結アーム、 53 第2の連結アーム、 68 第3の引張りコイルバネ、 69 駆動レバー、 70 変位駆動機構、 71 可動板、 83 緩衝機構、 84 圧縮コイルバネ、 93 ベース昇降機構、 95 カムレバー、 111 押上ピン、 112 ディスクガイド機構、 113 挿入ガイドレバー、 119 シャッタ開閉機構、 120 シャッタ部材、 SW1 第1の検出スイッチ、 SW2 第2の検出スイッチ、 SW3 第3の検出スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面に光学ディスクが挿脱されるディスク挿脱口が設けられた筐体と、
上記ディスク挿脱口から上記筐体の内部に挿入された上記光学ディスクが装着されるディスク装着部と、上記ディスク装着部に装着された上記光学ディスクを回転駆動するディスク回転駆動機構と、上記ディスク回転駆動機構により回転駆動される上記光学ディスクに対して信号の書き込み及び/又は読み出しを行う光学ピックアップと、上記光学ピックアップを上記光学ディスクの内外周に亘って送り動作させるピックアップ送り機構とを有し、これらがベースに一体に設けられたベースユニットと、
上記ディスク挿脱口から挿入された上記光学ディスクの外周部に当接される当接部が先端部に設けられ、基端部が回動可能に支持されることによって、当該光学ディスクと平行な面内で揺動可能とされた複数の回動部材を有し、上記複数の回動部材が互いに協働しながら、上記筐体のディスク挿脱口から挿入された上記光学ディスクを上記ディスク装着部に装着されるディスク装着位置まで引き込むローディング動作と、上記光学ディスクを上記ディスク挿脱口から上記筐体の外部へと排出するイジェクト動作とを行うディスク搬送機構と、
上記ディスク挿脱口から挿入される上記光学ディスクの外周部を高さ方向と幅方向とに規制しながら案内する一対のガイド部材とを備え、
上記一対のガイド部材は、上記光学ディスクの外周部と摺接されるガイド溝を有し、上記ガイド溝の内面が上記光学ディスクの外周部と点接触する形状とされていることを特徴とするディスクドライブ装置。
【請求項2】
上記筐体は、上記ディスク装着部と対向する天板部の前面側に位置して、上記ディスク挿脱口から挿入される上記光学ディスクを高さ方向に規制しながら案内するガイド突部を有することを特徴とする請求項1記載のディスクドライブ装置。
【請求項3】
上記天板部は、上記光学ディスクの挿入方向に沿った中心線を挟んで略対称となる一対のガイド突部を有し、
上記一対のガイド突部は、上記光学ディスクの挿入方向に円弧を描くように隆起され、且つ、上記光学ディスクの挿入方向と略直交する方向に亘って、それぞれ外側から内側に向かって連続的に円弧が縮径するように隆起された形状を有することを特徴とする請求項2記載のディスクドライブ装置。
【請求項4】
上記ガイド突部は、上記天板部の一部が上記光学ディスクと対向する側に膨出されてなることを特徴とする請求項2記載のディスクドライブ装置。
【請求項5】
上記回動部材及び上記ベースユニットには、上記光学ディスクの信号記録面との接触を防ぐ保護材が設けられていることを特徴とする請求項1記載のディスクドライブ装置。
【請求項6】
上記保護材は、上記ディスク装着位置にある上記光学ディスクの外周部に対応した位置に設けられていることを特徴とする請求項5記載のディスクドライブ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公開番号】特開2005−85448(P2005−85448A)
【公開日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−320302(P2003−320302)
【出願日】平成15年9月11日(2003.9.11)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】