説明

ディスクドライブ装置

【課題】径の異なるディスクをそれぞれ挿入する際に、ユーザが行う特別な操作を排除できるようにする。
【解決手段】径の異なるディスクを支持することを可能とする支持パッドを有し、またディスクトレイにセットしたディスクを下方向に押下することによりディスク位置を正位置補正するディスク押下パッドや、ディスクの位置を補正された正位置に維持するための選択ピンを有することを特徴とするディスクドライブ装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
トレイ方式を採用しているディスクドライブ装置におけるディスクローディング機構の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
トレイ方式を採用した縦置型ディスクドライブ装置は、径の異なるディスクを装置内へ搬送しローディングを行うにあたり従来より以下のような課題が存在した。
【0003】
一つ目が、機構・装置の大型化が必要であるという点である。具体的には、径の異なるディスクを縦に置いてローディングする時、正位置にディスクの位置を補正させる必要がある。そのため、ディスクの位置を補正させるための機構が必要であり、装置の大型化につながるということである。二つ目が、ディスクを縦に置くことからディスクトレイ上での位置精度が悪化するという点である。具体的には、ディスクをディスクトレイに縦に置くことからディスクを端縁で支持することになるため、ディスク自体がディスクトレイ上で安定せず位置精度が悪化するということである。
【0004】
そこで上記課題を解決するために、8cm/12cmディスク用の載置面を有するトレイと、ユーザが切り替えることにより8cm/12cmの異なる径のディスクを固定支持可能なアタッチメントとから構成される特許文献1に記載のようなディスクドライブ装置の技術が提供されている。
【特許文献1】特開平8−45157
【非特許文献1】なし
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記のような機構を有するディスクドライブ装置には、以下のような課題がある。すなわち、ユーザがディスクをそれぞれ異なる所定の載置位置にセットする必要がある。また、加えて径の異なるディスクに入れ替える際にはアタッチメントを適切に操作する必要がある。以上のことから、ユーザにとって操作性に難があり、誤操作によりディスクに傷をつけてしまうことや、ディスクを割ってしまう可能性があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、以下のような本発明を提供する。本発明は、径の異なるディスクを支持することを可能とする支持パッドを有することを特徴とする。また、ディスクトレイにセットしたディスクを下方向に押下することによりディスク位置を正位置補正するディスク押下パッドや、ディスクの位置を補正された正位置に維持するための選択ピンを有することを特徴としている。具体的には、ディスクトレイと、ディスクトレイに対して縦方向にセットされるディスクの下周端縁を下方向に移動可能に支持する支持パッドと、トレイローディング動作により支持パッド上に支持される相対的に大径のディスクの上周端縁を下方に押下し、支持パッド上に支持される相対的に小径のディスクの上周端縁には触れないような下振れ動作をするディスク押下パッドと、ディスク押下パッドにより相対的に大径のディスクを介して受ける押圧力による支持パッドの下方向移動動作と、トレイローディング動作と、により筺体に対して相対的に固定されている複数の溝を選択してスライド可能であるとともに、各溝終端にてスライド停止することでディスク高さが各ディスク径に対して正位置高さとなるように支持パッドの下方向移動を規制する支持パッドに連結された選択ピンと、ディスクを収容することによって支持パッド及び押下パッドに対して縦方向に配置されるディスクが当接位置となるように構成されたディスクドライブ装置を提供する。また、合わせて前記ディスクドライブ装置にディスクポケットをトレイに有するディスクドライブ装置も提供する。
【発明の効果】
【0007】
以上のような構成をとる本発明のディスクドライブ装置によって、径の異なるディスクをそれぞれ挿入する際に、ユーザが行う特別な操作を排除することが可能となる。また、同時にユーザの誤操作によるトラブルをなくすことが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下に、図を用いて本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明はこれらの実施の形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。
【0009】
なお、実施例1は、主に請求項1、2、3について説明する。また、実施例2は主に請求項4について説明する。
【0010】
≪実施例1≫
【0011】
<実施例1:概要>
【0012】
本実施形態のディスクドライブ装置(本明細書においては、以下、ディスクドライブ装置の筐体部を省略して説明する。)は、図1のように筐体の一部である「ディスクトレイ」(0101)上にセットされる異なる径のディスクを支持し、下方向へ可動する「支持パッド」(0102)と「選択ピン」(0103)と「ディスク押下パッド」(0104)などを有することを特徴とする。「ディスク押下パッド」(0104)は、トレイローディングと連動して下振れ動作をする。「ディスク押下パッド」(0104)は下振れ動作によってディスクと接触するとディスクを押し込むという具合の動作をする。そして、「選択ピン」は、ディスクの押し込み具合に応じて、「終端溝」(0105)から、挿入されたディスクの正位置高さとなる「終端溝」(0105)の終端を選択するという具合である。その結果、図2のようにディスクトレイがローディングされた形となる。
【0013】
<実施例1:構成>
【0014】
(全般)
図1は、本実施例の縦置型ディスクドライブのアンローディング時の一例を示す側面図である。この図にあるように、本実施形態のディスクドライブ装置は、ディスクトレイと、支持パッドと、ディスク押下パッドと、終端溝と、選択ピンと、案内ピンと、案内溝とを有する。ここで案内ピンと、案内溝は必ずしも必須要件ではなく、選択可能な要件である。
【0015】
ディスクドライブ装置は、異なる径のディスクを区別してそれぞれ正位置にローディング可能な縦置型トレイ方式である。ディスクトレイはディスクを載置する。支持パッドは、ディスクトレイに対して縦方向にセットされるディスクの下周端縁を下方向に移動可能に支持する。ディスク押下パッドは、トレイローディング動作により支持パッド上に支持される相対的に大径のディスクの上周端縁を下方に押下し、支持パッド上に支持される相対的に小径のディスクの上周端縁には触れないような下振れ動作をする。複数の終端溝は、筺体に対して相対的に固定されるとともに、各ディスク径に応じてローディングされるディスクを正位置高さとなるように支持パッドを導くようになっている。選択ピンは、ディスク押下パッドにより相対的に大径のディスクを介して受ける押圧力による支持パッドの下方向移動動作と、トレイローディング動作と、により筺体に対して相対的に固定されている複数の溝を選択してスライド可能であるとともに、各溝終端にてスライド停止することでディスク高さが各ディスク径に対して正位置高さとなるように支持パッドの下方向移動を規制する支持パッドに連結されている。案内ピンは、ディスク押下パッドに連結されている。案内溝は、筺体に対して相対的に固定されるとともにトレイローディング動作により案内ピンがスライドすることによりディスク押下げパッドが下振れ動作をするように構成されている。
【0016】
(各構成の説明)
【0017】
(ディスクトレイ)
【0018】
「ディスクトレイ」はディスクを載置する。図1に示すように「ディスクトレイ」(0101)は、筐体の取り付けられている部品である。ディスクには二種類以上が想定されており、具体的には8センチディスクと12センチディスクである。したがって、「ディスクトレイ」のいわゆる受皿の面積は12センチディスクが十分に収まる大きさである。またいわゆる受皿の底面には筺体内部にディスクがローディングされた状態でディスク上の信号を読み取るヘッドのアクセスのための空間が設けられている。またディスクがローディングされる際にターンテーブルがディスクの中心部に密着できるように同じく空間が設けられている。ディスクトレイは縦置きを通常の使用態様として設計されるものであり、縦置き状態でディスクトレイの上側からディスクを手で挿入できるように構成されている。またディスクトレイはディスクの排出命令または挿入動作命令に応じて筺体から出し入れが行われ、たとえばモータ駆動されるのが好ましい。
【0019】
「ディスクトレイ」(0101)には、「支持パッド」(0102)と「選択ピン」(0103)と「ディスク押下パッド」(0104)が配置されている。「支持パッド」(0102)はのちに詳述するがディスクを支持するとともにディスクローディングの際にディスク径に応じた正位置にディスクを位置合わせするための機能を担うものである。したがって、「ディスクトレイ」(0101)の収納動作に際して、「ディスクトレイ」(0101)とともに筺体内部に移動し、または筺体内部から出てくるように「ディスクトレイ」(0101)は「支持パッド」(0102)を備える。また「選択ピン」(0103)は、のちに詳述するがディスクを正位置に位置合わせするための基準位置を物理的に取得するためのものであり、実際にはディスク径に応じた溝を選択して進むことでこの機能が実現される。つまり、選択ピンはディスクトレイの移動につれて移動するように仕組まれている。
【0020】
(支持パッド)
【0021】
「支持パッド」は、ディスクトレイに対して縦方向にセットされるディスクの下周端縁を下方向に移動可能に支持するための部品である。図1に示すように「支持パッド」(0102)は、「ディスクトレイ」(0101)に取り付けられた部品であって、「ディスクトレイ」(0101)にセットされるディスクの下周端縁を支えるように配置されている。また「支持パッド」(0102)は、「ばね」(0106)を介して上方向へ常に力を受けつつ「ディスクトレイ」(0101)と連結されている。そして、「支持パッド」(0102)は、図3A、図3Bのようにセットされたディスクを介して受ける下方向の力が「ばね」(0306)から受ける上方向の力より大きくなったとき、下方向に移動するようになっている。さらに、「支持パッド」(0302)は、「連結レバー」(0307)の片端と連結している。「連結レバー」(0307)の片端は、「支持パッド」(0302)の下方向移動と連動して下方向へ移動する。それに対して片端は上方向へ移動する。ここで「支持パッド」は、「ディスクトレイ」、「連結レバー」と直接繋がっていてもよいし、別の部品を介して繋がっていてもよい。また、図上において「支持パッド」(0302)は2個であるが、ローディング動作等に影響を与えない範囲で2個以上を備えていてもよい。さらに、「支持パッド」(0302)は、ディスク下周端と当接する箇所に樹脂やゴム等を取り付けてもよい。そして、「ばね」(0306)に変えて、ディスクトレイにセットされたディスクの重さに応じて稼働するシーソーや天秤の形状をした部品を用いる事としてもよい。
【0022】
本実施例における「支持パッド」(0302)の材質は、ある程度の強度を有し、セットされるディスクを安定して支持できる素材であれば特に問わない。例えば、金属、プラスチック等の合成樹脂、シリコンゴム等の弾性ゴムのうち硬度の高いもの、セラミックス等や木材、又はそれらの組み合わせであってもよい。
【0023】
(ディスク押下パッド)
【0024】
「ディスク押下パッド」は、トレイローディング動作により支持パッド上に支持される相対的に大径のディスクの上周端縁を下方に押下し、支持パッド上に支持される相対的に小径のディスクの上周端縁には触れないような下振れ動作をする部品である。図1に示すように「ディスク押下パッド」(0104)は「ディスクトレイ」(0101)に連結されている。また、「ディスク押下パッド」(0104)は「ディスクトレイ」(0101)に連結された個所を軸として回転動作が可能な部品である。「ディスク押下パッド」(0104)は、その片端が大径ディスクを挿入された場合にディスクの端縁と当接するように設計された長さを有している。対して片端は後述する「案内ピン」(0108)が設けられており、後述する筐体内に設けられた「案内溝」(0109)と連結している。そして、「案内ピン」(0108)は、ローディング動作と連動して「案内溝」(0109)をスライドしていくという具合に動作する。ここで、「案内溝」(0109)とは、後に詳述するが筐体内に設けられた溝であって、「案内ピン」(0108)がスライドする溝である。また、「案内溝」(0109)は「案内ピン」(0108)がスライドすることにより「ディスク押下パッド」(0104)が下振れ動作をするように設計されている。具体的には、図4A、図4Bに示すように「ディスク押下パッド」(0404)の下振れ動作は、大径のディスクが挿入された時には「ディスク押下パッド」(0404)の片端がディスクの端縁に接触し、ディスクを正位置まで押し込む。それに対して、図5A、図5Bに示すように小径のディスクが挿入された場合には、片端がディスク端縁に接触しないことからディスクを押し込まないという具合である。ここで、前述と関連して、セットしたディスクの自重に応じて、後述する「選択ピン」を後述する「終端溝」の終端まで誘導できる構造を有しているのであれば、本構成である「ディスク押下パッド」は選択要件としてもよい。
【0025】
「ディスク押下パッド」は、セットされているディスクを固定して下方向に押し付けるだけの強度を持つ素材であれば特に問わない。例えば、金属、プラスチック等の合成樹脂、シリコンゴム等の弾性ゴムのうち硬度の高いもの、セラミックス等さらには木材、又はそれらの組み合わせであってもよい。ここで、ディスク押下パッドはディスクと当接する個所に箇所に樹脂やゴム等を取り付けてもよい。
【0026】
(案内ピン)
【0027】
「案内ピン」は、ディスク押下パッドに連結された部品である。図1に示すように、「案内ピン」(0108)は、「ディスク押下パッド」(0104)の片端に取り付けられており、ローディング動作によって後述する「案内溝」(0109)をスライドする。したがって、「案内ピン」(0108)は、「案内溝」(0109)をスライドすることによって「ディスク押下パッド」(0104)の姿勢を制御している。図4A、図4B、図5A、図5Bに示すように具体的には、上記のように「案内ピン」(0408、0508)と連結されている「ディスク押下パッド」(0404、0504)は、「案内ピン」(0408、0508)のスライドによって支点(0411、0511)を軸に下振れ動作をするという具合である。ここで、「案内ピン」(0408、0508)は、「ディスク押下パッド」(0404、0504)と一体の部品であってもよいし、「ディスク押下パッド」(0404、0504)に対して後から取り付ける部品であってもよい。
【0028】
「案内ピン」は、「案内溝」をローディング動作によってスライドできるだけの強度を持つ素材であれば特に問わない。例えば、金属、プラスチック等の合成樹脂、シリコンゴム等の弾性ゴムのうち硬度の高いもの、セラミックス等さらには木材、又はそれらの組み合わせであってもよい。
【0029】
(案内溝)
【0030】
「案内溝」は、筺体に対して相対的に固定されるとともにトレイローディング動作により案内ピンがスライドすることによりディスク押下げパッドが下振れ動作をするように構成された部品である。図4A、図4B、図5A、図5Bに示すように「案内溝」(0409、0509)は、上記「案内ピン」(0408、0508)がスライドするように筐体に設けられている溝であって、その設けられた溝の形状と相対的位置によって「ディスク押下パッド」(0404、0504)の姿勢を制御している。具体的には、大径ディスクの時には「ディスク押下パッド」(0404、0504)がディスクを接触し下方向へ押し込むようになっており、また小径ディスクの時には「ディスク押下パッド」(0404、0504)がディスクに接触しないように設計されて設けられている。
【0031】
(選択ピン)
【0032】
「選択ピン」は、ディスク押下パッドにより相対的に大径のディスクを介して受ける押圧力による支持パッドの下方向移動動作と、トレイローディング動作と、により筺体に対して相対的に固定されている複数の溝を選択してスライド可能であるとともに、各溝終端にてスライド停止することでディスク高さが各ディスク径に対して正位置高さとなるように支持パッドの下方向移動を規制する支持パッドに連結された部品である。「選択ピン」は、図1に示すように「ディスクトレイ」(0101)と連結しており、連結個所を軸に回転運動が可能な部品である。また、「選択ピン」(0103)は、「連結レバー」(0107)を介してその片端を「支持パッド」(0102)と連結されている。それに対して片端は、「スライドピン」(0110)を有しており、トレイローディング動作と「支持パッド」(0102)の下方向動作に連動して筐体内に設置された「終端溝」(0105)をスライドする。そして、図4B、図5Bのように「スライドピン」(0410、0510)は、ディスクトレイにセットされたディスク径に応じて適切な「終端溝」(0405、0505)の終端へ導かれる。ここで「終端溝」(0405、0505)とは、筐体に相対的に設置されている溝であって、その終端はディスク径に応じた正位置高さとなるように設計されている。また、想定されるディスクの種類に応じて終端は設けられている。
【0033】
「選択ピン」は、「支持パッド」より受ける力によって変形せず、また「終端溝」をスライドすることが可能なだけの強度を持つ素材であれば特に問わない。例えば、金属、プラスチック等の合成樹脂、シリコンゴム等の弾性ゴムのうち硬度の高いもの、セラミックス等さらには木材、又はそれらの組み合わせであってもよい。
【0034】
(終端溝)
【0035】
「終端溝」とは、筺体に対して相対的に固定されるとともに、各ディスク径に応じてローディングされるディスクを正位置となるように支持パッドを導くための複数の溝である。図1のように「終端溝」(0105)は、筐体に対して相対的に設けられており、ローディング動作と支持パッドの下方向動作に連動して、「スライドピン」(0110)がスライドする溝である。「終端溝」(0105)は、「スライドピン」(0110)が「終端溝」(0105)の終端に導かれたとき、セットされたディスクが正位置となるように筐体に設計されている。ここで、終端溝は、その終端に段差を設けてもよい。この段差により、ターンテーブルによって保持されたディスクと当接している箇所を外すことが可能になるからである。さらに終端溝は、想定されるディスクの種類に応じて設けてもよい。たとえば、大中小3種類のディスクが想定されている場合、終端溝は各ディスクが正位置となるように3ヶ所設けられるという具合である。
【0036】
(具体例)
【0037】
以下、本実施例のディスクドライブ装置の具体例を説明する。
【0038】
(具体例1:大径ディスクを挿入した場合)
【0039】
まず、本実施例のディスクドライブ装置に大径のディスクを挿入した場合のディスクドライブ装置の動作例を以下に説明する。ここで、大径のディスクとは、例えば12cmのディスクのように「支持パッド」に支持されたディスクが「支持パッド」による押し込み動作なしに筐体に収まらないサイズのディスクのことである。
【0040】
まず、図4Aのように大径ディスクを「ディスクトレイ」(0401)にセットしてローディング動作をすると仮定する。ローディング動作が開始されると大径ディスクは「ディスクトレイ」(0401)とともに筐体内に引き込まれる。同時に、「ディスク押下パッド」(0404)は、ローディング動作とそれに連動して「案内溝」(0409)を移動する「案内ピン」(0408)の動作によってディスクトレイに固定されている「支点」(0411)を軸に下振れ動作をする。「ディスク押下パッド」(0404)の片端は、ローディング動作と「ディスク押下パッド」(0404)の下振れ動作によって、筐体に引き込まれる際にセットされたディスクの端縁と接触する。そして、接触したディスクは「ディスク押下パッド」(0404)によって図3Aのように下方向へ押し込まれる力を受ける。したがって、ディスクを支持している「支持パッド」(0302)は、下方向へ押し込む力をディスクから受けることになる。そして、図3Bのように「支持パッド」(0302)は、「ばね」(0306)を介して受けている上方向の力に対してディスクから受ける下方向の力が大きくなったとき、下方向へ移動する。
【0041】
また、「選択ピン」(0403)は、図4Aのように「支持パッド」(0402)の下方向へ移動する動作とローディング動作によって、その片端に取り付けられている「スライドピン」(0410)が「終端溝」(0405)の下端をスライドする。したがって、「選択ピン」(0403)は「スライドピン」(0410)の動きに従ってその姿勢を変えるという具合である。最後にディスクが正位置になる位置で「スライドピン」(0410)は図4Bのように「終端溝」(0405)の下側の終端に導かれるという具合になる。
【0042】
(具体例1:小径ディスクを挿入した場合)
【0043】
次に、本実施例のディスクドライブ装置に小径のディスクを挿入した場合のディスクドライブ装置の動作例を以下に説明する。ここで、小径のディスクとは、例えば8cmディスクのように、「支持パッド」に支持されたディスクがトレイローディング動作によってそのまま筐体に収まりきるサイズのディスクを指す。
【0044】
まず、図5Aのように小径ディスクを「ディスクトレイ」(0501)にセットしてローディング動作をすると仮定する。ローディング動作が開始されると小径ディスクは「ディスクトレイ」(0501)とともに筐体内に引き込まれる。同時に、「ディスク押下パッド」(0504)は、ローディング動作とそれに連動して「案内溝」(0509)を移動する「案内ピン」(0508)の動作によってディスクトレイに固定されている「支点」(0511)を軸に下振れ動作をする。ここで、「ディスク押下パッド」(0504)は、下振れ動作を行うがセットされたディスクの径は小さいことから、その片端とディスクの端縁とは接触しない。したがって、「ディスク押下パッド」(0504)は、ディスクを下方向へ押し込むという動作は行われない。つまり、ディスクの押し込み動作に連動する「支持パッド」、「選択ピン」、などの部品は、特に力を受けないということになる。そのため、「選択ピン」にある「スライドピン」(0510)は、ローディング動作によって「終端溝」(0505)の上端に沿って移動する。そして、「スライドピン」(0510)は、図5Bのように上側の終端に導かれるという具合の動作になる。
【0045】
<実施例1:効果>
【0046】
本実施例によって、ディスクドライブ装置において径の異なるディスクをセットする際に従来と比較し利便性の向上及び装置の大型化を避けることが可能となる。すなわち、可動する支持パッドを設けることにより異なる径のディスクをセットすることが可能となる。さらに、ユーザが行うアタッチメントの操作など特別な操作を排除することが可能となる。そして、ローディング動作と支持パッドの下方向動作と連動して選択ピンを適切な終端溝の終端に導くことにより、径の異なるディスクをそれぞれの正位置へセットすることが可能になる。
【0047】
≪実施例2≫
【0048】
<実施例2:概要>
【0049】
異なる径のディスクを区別してそれぞれ正位置にローディング可能な縦置型トレイ方式のディスクドライブ装置であって、ディスクを収容することによって支持パッド及び押下パッドに対して縦方向に配置されるディスクが当接位置となるように構成されたディスクポケットをトレイに有する実施例1のディスクドライブ装置である。
【0050】
<実施例2:構成>
【0051】
(全般)
図6は、本実施例の縦置型ディスクドライブ装置の構造の一例を示す側面図である。この図にあるように、本実施例は実施例1に記載されているディスクドライブ装置にディスクポケットを新たに備えたことを特徴としている。ここでは、本実施例で新たに追加された個所についてのみ以下説明する。
【0052】
(各構成の説明)
【0053】
(ディスクポケット)
【0054】
「ディスクポケット」とは、ディスクを収容することによって支持パッド及び押下パッドに対して縦方向に配置されるディスクが当接位置となるように構成された部品である。図6に示すように、「ディスクポケット」(0612)は「ディスクトレイ」(0601)に固定されている。また、「ディスクポケット」(0612)は、図7、図8のように径の異なるディスクを外れないようにする役割を持っている。さらに、「ディスクポケット」(0712、0812)は、ディスクを支持することにより、「ディスク押下パッド」(0704、0804)と当接位置になるように補正する役割も持っている。
【0055】
<実施例2:効果>
【0056】
本実施例によって、ディスクトレイにセットしたディスクがディスクトレイから外れることを防ぐことが出来る。これにより、ディスクがローディング動作によってディスクトレイから外れることを防ぐことができ、ディスクが外れることによって発生するトラブルを防ぐことができる。また、ディスクトレイにセットした大径ディスクがディスク押下パッドと当接位置になるように補正することができる。これにより、ディスクトレイにセットされたディスクとディスク押下パッドを適切に当接させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】実施例1のディスクドライブ装置におけるアンローディング時の側面図
【図2】実施例1のディスクドライブ装置におけるローディング時の側面図
【図3A】実施例1のディスクドライブ装置における支持パッドの動きの一例を示す図(支持パッド稼働前)
【図3B】実施例1のディスクドライブ装置における支持パッドの動きの一例を示す図(支持パッド稼働後)
【図4A】実施例1のディスクドライブ装置において大径ディスクをセットした際のアンローディング時及びローディング時の動作の一例を示す図(アンローディング時)
【図4B】実施例1のディスクドライブ装置において大径ディスクをセットした際のアンローディング時及びローディング時の動作の一例を示す図(ローディング時)
【図5A】実施例1のディスクドライブ装置において小径ディスクをセットした際のアンローディング時及びローディング時の動作の一例を示す図(アンローディング時)
【図5B】実施例1のディスクドライブ装置において小径ディスクをセットした際のアンローディング時及びローディング時の動作の一例を示す図(ローディング時)
【図6】実施例2のディスクドライブ装置におけるアンローディング時の側面図
【図7】実施例2のディスクドライブ装置において大径ディスクをセットした際のアンローディング時の一例を表す図
【図8】実施例2のディスクドライブ装置において小径ディスクをセットした際のアンローディング時の一例を表す図
【符号の説明】
【0058】
0101 ディスクトレイ
0102 支持パッド
0103 選択ピン
0104 ディスク押下パッド
0105 終端溝
0106 ばね
0107 連結レバー
0108 案内ピン
0109 案内溝
0110 スライドピン
0411 支点
0612 ディスクポケット


【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる径のディスクを区別してそれぞれ正位置にローディング可能な縦置型トレイ方式のディスクドライブ装置であって、ディスクトレイと、ディスクトレイにセットされるディスクの下周端縁を下方向に移動可能に支持する支持パッドと、トレイローディング動作により支持パッド上に支持されるディスクの上周端縁を下方に押下するディスク押下パッドと、 筺体に対して相対的に固定されるとともに、各ディスク径に応じてローディングされるディスクを正位置高さとなるように支持パッドを導くための複数の終端溝と、ディスク押下パッドによりディスクを介して受ける押圧力による支持パッドの下方向移動動作と、トレイローディング動作と、により前記複数の終端溝の一を選択してスライド可能であるとともに、各終端溝の終端にてスライド停止することでディスク高さが各ディスク径に対して正位置高さとなるように支持パッドの下方向移動を規制する支持パッドに連結された選択ピンと、を有するディスクドライブ装置。
【請求項2】
異なる径のディスクを区別してそれぞれ正位置にローディング可能な縦置型トレイ方式のディスクドライブ装置であって、ディスクトレイと、ディスクトレイに対して縦方向にセットされるディスクの下周端縁を下方向に移動可能に支持する支持パッドと、トレイローディング動作により支持パッド上に支持される相対的に大径のディスクの上周端縁を下方に押下し、支持パッド上に支持される相対的に小径のディスクの上周端縁には触れないような下振れ動作をするディスク押下パッドと、筺体に対して相対的に固定されるとともに、各ディスク径に応じてローディングされるディスクを正位置高さとなるように支持パッドを導くための複数の終端溝と、ディスク押下パッドにより相対的に大径のディスクを介して受ける押圧力による支持パッドの下方向移動動作と、トレイローディング動作と、により前記複数の終端溝の一を選択してスライド可能であるとともに、各終端溝の終端にてスライド停止することでディスク高さが各ディスク径に対して正位置高さとなるように支持パッドの下方向移動を規制する支持パッドに連結された選択ピンと、を有するディスクドライブ装置。
【請求項3】
ディスク押下パッドに連結された案内ピンと、筺体に対して相対的に固定されるとともにトレイローディング動作により案内ピンがスライドすることによりディスク押下パッドが下振れ動作をするように構成された案内溝と、を有する請求項1または2に記載のディスクドライブ装置。
【請求項4】
ディスクを収容することによって支持パッド及び押下パッドに対して縦方向に配置されるディスクが当接位置となるように構成されたディスクポケットをトレイに有する請求項1から3のいずれか1項に記載のディスクドライブ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−176392(P2009−176392A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−16749(P2008−16749)
【出願日】平成20年1月28日(2008.1.28)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】