説明

ディスクブレーキ装置用パッドクリップ

【課題】寸法精度の影響を少なくさせて、トルク受け部に対する保持力や密着性を安定して発揮し、パッドクリップ組み付け時の姿勢を安定化することのできるディスクブレーキ装置用パッドクリップを提供する。
【解決手段】上記課題を解決するためのパッドクリップは、サポートにの凸部70に形成された凹溝74を利用して凸部70を挟持する挟持部116を有するパッドクリップであって、挟持部116は、上部押さえ片118と下部押さえ片136、および連結片124とを有し、上部押さえ片118は、凸部70上面側に付勢し、先端を凹溝74の壁面に当接させる押さえ爪120と、バネ片122とから成り、押さえ爪120は、その基端を連結片124側に配置し、折り返し部を介して先端をバネ片122よりも下部押さえ片126側に、連結片124側へ向けて配置したことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスクブレーキ装置用パッドクリップに係り、特にサポートに形成された凸部を挟持するタイプのパッドクリップに関する。
【背景技術】
【0002】
ディスクブレーキ装置用パッドクリップは従来から知られており、サポート等のトルク受け部に凸部を形成し、これを挟持するタイプのものや、トルク受け部に凹部を形成し、この凹部に拡開保持されるタイプのものが知られている。このようにしてトルク受け部に対する保持力を得ているパッドクリップは、いずれのタイプであっても、トルク受け部からの脱落防止、トルク受け部に対する密着性の向上という点が課題とされてきていた。
【0003】
このような課題に対する1つの提案として、従来より知られている構成が、特許文献1や特許文献2に開示されているようなものである。すなわち、トルク受け部の拡開保持部、あるいは図21に示すように、トルク受け部1の上部(挟持部)1aに溝2を設け、パッドクリップ3の脚部中心付近から爪4を切り出し、この爪4をトルク受け部1に設けた溝2に引っ掛けてパッドクリップ3の抜け止めを図るというものである。
【0004】
このような構成とすることによれば、パッドクリップの脱落を防止することができることは勿論、爪の突っ張り作用により、パッドクリップをトルク受け部に押し付け、密着性を高めることも可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭59−67635号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
確かに、上記のような構成を持つパッドクリップであれば、トルク受け部に対する抜け止め効果、密着性を高めることができると考えられる。
しかし、従来のパッドクリップはいずれも、トルク受け部の凸部の挟持を、挟持部を構成する上部押さえ片全体(爪を含む)と、下部押さえ片により行っていたため、形状形成時における寸法に精度出しを必要とする箇所が多くなってしまっていた。このため、製造コストが高騰すると共に、複数箇所でのトルク受け部との接触を図ることにより、寸法精度の影響が大きくなり、パッド組み付け時の姿勢安定性が悪くなることがあった。
【0007】
そこで本発明では、上記課題を解決し、トルク受け部に対する保持力や密着性を安定して発揮し、製造コストを削減し、パッドクリップ組み付け時の姿勢を安定化することのできるディスクブレーキ装置用パッドクリップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記のような目的を達成するための本発明に係るディスクブレーキ装置用パッドクリップは、ディスクブレーキ装置のサポートに形成された凸部に凹溝を形成し、前記凹溝を利用して前記凸部を挟持する挟持部を有するパッドクリップであって、前記挟持部は、上部押さえ片と下部押さえ片、および前記上部押え片と前記下部押え片とを連結する連結片とを有し、前記上部押さえ片は、前記凸部上面側に付勢し、先端を前記凹溝の壁面に当接させる押さえ爪と、前記押さえ爪を切り出した残りの板片により構成されるバネ片とから成り、前記押さえ爪は、その基端を前記連結片側に配置し、折り返し部を介して前記先端を前記バネ片よりも前記下部押さえ片側に、前記連結片側へ向けて配置したことを特徴とするディスクブレーキ装置用パッドクリップ。
【0009】
また、上記のような特徴を有するディスクブレーキ装置用パッドクリップにおいて、前記押さえ爪は、その基端を前記連結片に配置することができる。このような構成とした場合、押さえ爪の付勢力を押さえ爪の板幅、曲げ角度等のみによって変化させることができるようになる。
【0010】
また、上記のような特徴を有するディスクブレーキ装置用パッドクリップでは、前記押さえ爪の前記折り返し部が前記バネ片を跨ぐ構成とすると良い。このような構成とした場合、バネ片と押さえ爪との間に段差が生ずることとなる。
また、上記のような特徴を有するディスクブレーキ装置用パッドクリップでは、前記押さえ爪は、前記バネ片の幅方向両端側にそれぞれ設けるようにすると良い。このような構成とすることで、挟持状態を安定させることができる。
【0011】
また、上記のような特徴を有するディスクブレーキ装置用パッドクリップでは、前記押さえ爪は、前記折り返し部を前記連結片と対向する位置に設けるようにすると良い。
【0012】
また、上記のような特徴を有するディスクブレーキ装置用パッドクリップでは、前記押さえ爪は、前記折り返し部を前記下部押さえ片と対向する位置に設けるようにすることもできる。
【0013】
さらに、上記のような特徴を有するディスクブレーキ装置用パッドクリップでは、ディスクブレーキ装置におけるロータのインナ側とアウタ側に配置される一対の前記挟持部を連結するブリッジ部を備えるようにすることもできる。
【発明の効果】
【0014】
上記のような特徴を有するディスクブレーキ装置用パッドクリップによれば、寸法制度の影響を受け辛くなり、トルク受け部に対する保持力や密着性を安定して発揮し、製造コストを削減し、パッドクリップ組み付け時の姿勢を安定化することが可能となる。また、サポートに形成された凸部に対する着脱性に優れるという特徴を持つ。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】関連する実施形態に係るパッドクリップの構成を示す斜視図である。
【図2】関連する実施形態に係るパッドクリップの上面図、正面図、側面図である。
【図3】実施形態に係るパッドクリップを取り付けるサポートの構成を示す斜視図である。
【図4】サポートにおけるトルク受け部の部分拡大図である。
【図5】トルク受け部に対してパッドクリップを装着した状態を示す図である。
【図6】関連する実施形態に係るパッドクリップの第1の応用形態を示す斜視図である。
【図7】関連する実施形態に係るパッドクリップの第2の応用形態を示す側面図である。
【図8】関連する実施形態に係るパッドクリップの第3の応用形態を示す斜視図、および側面図である。
【図9】実施形態に係るパッドクリップの構成を示す斜視図、およびトルク受け部への取り付け状態を示す図である。
【図10】実施形態に係るパッドクリップの第1の応用形態を示す斜視図である。
【図11】実施形態に係るパッドクリップの第2の応用形態のトルク受け部への取り付け状態を示す斜視図である。
【図12】実施形態に係るパッドクリップの第3の応用形態を示す斜視図である。
【図13】実施形態に係るパッドクリップの第4の応用形態を示す斜視図である。
【図14】実施形態に係るパッドクリップの第5の応用形態を示す斜視図である。
【図15】実施形態に係るパッドクリップの第6の応用形態を示す斜視図である。
【図16】実施形態に係るパッドクリップの第7の応用形態を示す斜視図である。
【図17】実施形態に係るパッドクリップの第8の応用形態を示す斜視図である。
【図18】他の実施形態に係るパッドクリップの構成を示す斜視図、およびトルク受け部への取り付け状態を示す部分拡大図である。
【図19】インナ側とアウタ側の脚部を別体とするパッドクリップの例を示す斜視図である。
【図20】インナ側とアウタ側の脚部を別体とするパッドクリップの応用例を示す斜視図である。
【図21】従来のパッドクリップとトルク受け部との関係を示す部分断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明のディスクブレーキ装置用パッドクリップの実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
まず、図3、図4を参照して、本実施形態に係るパッドクリップを取り付けるサポートについて説明する。なお、図3において、図3(A)はパッドクリップを取り付ける前の状態を示すサポートの斜視図であり、図3(B)はパッドクリップを取り付けた状態を示すサポートの斜視図である。また、図4は、サポートにおけるトルク受け部の形態を示す部分拡大図である。
【0017】
本実施形態に係るパッドクリップ10を取り付けるサポート50は、複数のトルク受け部と、当該複数のトルク受け部を連結するためのフレームとより成る。トルク受け部は、ロータの回入側(図3においては左側とする)と回出側(図3においては右側とする)、およびロータのインナ側とアウタ側にそれぞれ設けられる。インナ側トルク受け部52a,52bとアウタ側トルク受け部52c,52dとはそれぞれ、サポートブリッジ部54を介して一体化されている。また、ロータ(不図示)の回入側に設けられるインナ側トルク受け部52aとロータの回出側(図3においては右側とする)に設けられるインナ側トルク受け部52bとは、メインフレーム56により連結されており、ロータの回入側に設けられるアウタ側トルク受け部52cとロータの回出側に設けられるアウタ側トルク受け部52dとは、サブフレーム58により連結されている。
【0018】
このような構成のサポート50は、キャリパ浮動型のディスクブレーキ装置に用いられるものであり、サポートブリッジ部54には、キャリパを摺動可能に取り付けるためのスライドピンを挿入する穴60が形成されている。また、メインフレーム56には、サポートを車両等に固定するためのボルトを螺合させる雌ネジ孔62が形成されている。
【0019】
サポート50におけるトルク受け部52(インナ側トルク受け部52a,52b、アウタ側トルク受け部52c,52d)には、凸部70とトルク受け面78が形成されている。凸部70は、サポートを正面視した際の形状をほぼ矩形としており、その上面72と下面76を詳細を後述するパッドクリップ10における挟持部16a,16bによって挟持される。図3、図4に示すトルク受け部52における凸部70は、その上面72に、トルク受け部52の幅方向(サポート50を正面視した場合の厚み方向)、すなわち図示しないロータの軸方向に沿って、凹溝74が形成されている。凹溝74は、凸部70基端側に形成されており、サポート50を正面視した場合凸部70は、先端側が太くなるような形状となる。凸部70の先端側を太くすることで、挟持部16(16a,16b)によって挟持した際に、パッドクリップ10の脱落防止効果を発揮することができるようになる。
【0020】
凹溝74は、ブローチ加工やフライス加工といった機械加工で形成され、基端側上面、すなわち凹溝74の底面と先端側上面72を繋ぐ凹溝74の壁面74aが垂直に形成されている。
【0021】
トルク受け面78は、ブレーキパッド80(図5(B)参照)における耳部82(図5(B)参照)を収容し、耳部側面が当接する部位であり、上述した凸部70の下側に設けられる。
【0022】
上記のような構成のサポート50は、図3に示す例の場合、鋳造により外形形成をし、凸部70やトルク受け面78を機械加工により切削されることで完成する。このような構成とすることで、複雑な形状形成(デザイン性も含む)と、必要な寸法出しとを容易に行うことが可能となる。
【0023】
次に、図1、図2を参照して、本発明のパッドクリップに関連する実施形態について説明する。なお、図1は、実施形態に係るパッドクリップの形態を示す斜視図である。また、図2(A)はパッドクリップの上面図、図2(B)はパッドクリップの正面図、図2(C)はパッドクリップの右側面図をそれぞれ示す。本実施形態に係るパッドクリップ10は、インナ側に設けられるトルク受け部52a,52bと、アウタ側に設けられるトルク受け部52c,52dとのそれぞれに配置される2つの脚部14a,14bが、ブリッジ部12によって一体化された形態としている。構成部材としては、ステンレス板や、防錆処理を施した鉄板などであれば良く、平板状に切り出された構成部材を折り曲げ形成することによって形作られている。
【0024】
それぞれの脚部14a,14bは、脚部基端部15a,15bと、挟持部16a,16b、およびパッド保持部32a,32bから成る。脚部基端部15(15a,15b)は、ブリッジ部12と挟持部16(16a,16b)の間に位置する板片である。挟持部16は、上述したサポート50におけるトルク受け部52に形成された凸部70を挟持して、パッドクリップ10の抜け止め、密着保持を図るための部位である。具体的には、凸部70を挟持する上部押さえ片18と下部押さえ片26、および上部押さえ片18と下部押さえ片26とを連結する連結片24とを有する。
【0025】
本実施形態に係るパッドクリップ10が装着されるトルク受け部52は上述したように、凸部70の上面72に凹溝74を有する。そして、挟持部16(16a,16b)の上部押さえ片18は、凸部70の上面側、具体的には凹溝74の底面に付勢する押さえ爪20と、凸部70の上面72には接触せずに、前記押さえ爪20に凸部70を挟持するための付勢力を付与するバネ片22とより成る。ここで、本実施形態に係る押さえ爪20は、脚部基端部15を基端として、上部押え片18の一部を切り欠くことで形成されている。このような構成とすることで、限られた面積の部材から、バネ片22と押さえ爪20の双方を切り出すことが可能となるため、板取性を良好にすることができる。また、本実施形態に係るパッドクリップ10の挟持部16では、脚部14の幅方向中心部にバネ片22を配し、その両端に押さえ爪20を配設する形態を採っている。このような構成とすることにより、脚部14の両端で凸部70を挟持することとなる。このため、挟持部16に対して、ブレーキパッド80(図5(B)参照)の摺動による荷重のズレが生じた場合(脚部の幅方向中心から端部側へ荷重の中心が遷移した場合)であっても、パッドクリップ10の装着状態を安定させることが可能となる。また、押さえ爪20の大きさ(幅)によって、バネ片22の幅を変えることができるため、バネ片22の挟持力や可撓性を調整することも可能となる。
【0026】
バネ片22は押さえ爪20に、凸部70の上面72(実際には凹溝74の底面)に対する付勢力を生じさせるために、連結片24の側端部から脚部基端部15側端部にかけて、下部押さえ片26との距離が狭まるような傾斜を有する。このように形状形成されたバネ片22を拡開するように弾性変形させてトルク受け部52の凸部70へ取り付けることで、凸部70に対する挟持力が生ずることとなる。
【0027】
押さえ爪20は、脚部基端部側15から連結片24側を先端側として形成されつつ、その先端20aをバネ片22と下部押さえ片26との間に配置されることとなる。このため、押さえ爪20の先端20aは、パッドクリップ10をトルク受け部52に取り付けた際に、凸部70の上面72に形成した凹溝74の壁面74aに当接することとなる。押さえ爪20の先端20aが凹溝74の壁面74aに当接した場合には、当該押さえ爪20が楔として作用し、パッドクリップ10の抜け止めを図ることとなる。つまり押さえ爪20は、凸部70の上面72を上方向から押圧して挟持する作用と、凹溝74の壁面74aへ先端20aを当接させて抜け止めを図るといった2つの作用を奏することとなるのである。
【0028】
挟持部16の構成を上記のようにすることで、凸部70の上面72(実際には凹溝74の底面)に接触する部位は、押さえ爪20の先端20a側のみとなる。このため、凸部70を挟持する際に凸部70に接触する部位が減ることとなり、形状形成時に寸法の精度出しが必要となる箇所が減る。したがって、形状形成を簡易に行うことができる箇所が増え、製造コストを削減することができる。また、精度出しされた少ない接点で凸部70の挟持を行うことにより、パッドクリップ組み付け時の姿勢の安定化を図ることができる。
【0029】
また、パッド保持部32は、サポート50に装着されるブレーキパッド80(図5参照)における耳部82(図5参照)を保持するための部位である。パッド保持部32は、挟持部16における下部押さえ片26と、下部押さえ片26と対向して設けられるパッド保持片36、および下部押さえ片26とパッド保持片36を連結するトルク受け片34とより構成される。トルク受け片34は、上述した下部押さえ片26との成す角が鋭角の範囲内となるように形成される。このため、パッドクリップ10をサポート10におけるトルク受け部52へ取り付けた際には、トルク受け部52におけるトルク受け面78からは、離間する方向へ延設する形態を採ることとなる(例えば図5参照)。また、トルク受け片34には、図示しないロータ側側部に、パッドクリップ10がロータの軸方向へ移動することを防止する軸方向移動防止爪34aが設けられている。また、パッド保持片36は、トルク受け片34に対して、ブレーキパッド80の配置方向へほぼ直角に設けられる。このため、下部押さえ片26とパッド保持片36との間に形成される空間は、入口側が狭く、トルク受け片34に近づくほど広くなるような形態を採ることとなる。なお、トルク受け片34近傍における下部押さえ片26とパッド保持片36との間隔は、ブレーキパッド80における耳部82の幅(高さ)と一致させることが望ましい。
【0030】
このような構成とすることで、パッド保持片36は、ブレーキパッド80の耳部82下面へ付勢することとなり、ブレーキパッド80を安定して保持することが可能となる。また、ブレーキパッド80の耳部82を挿入する際に、下部押さえ片26とパッド保持片36との隙間を拡開させることで、トルク受け片34には反りが生ずることとなる。このため、トルク受け片34は、トルク受け部52との間で、バネ作用を生じさせることができ、ブレーキパッド80がトルク受け部52におけるトルク受け面78に衝突する際の衝撃を和らげることも可能となる。
【0031】
上記のような特徴を持つパッドクリップ10は、図3〜図5に示すように、脚部基端部15から押さえ爪20の先端20aへと延びる傾斜面と、下部押さえ片26とトルク受け片34との間の円弧状の折り曲げ部分を導入のきっかけとして、押さえ爪20の先端20aを凸部70の上面72に、下部押さえ片26を凸部70の下面76にそれぞれ摺動させ、パッドクリップ10の挟持部16をトルク受け部52の凸部70へと押し込むことにより取り付けられる。
【0032】
挟持部16を構成する押さえ爪20の先端20aと下部押さえ片26は、それぞれ凸部70の上面72と下面76に付勢しているため、押さえ爪20の先端20aが上面72における凹溝74へ達すると、押さえ爪20の先端20aは凹溝74の底面へ付勢することとなる。押さえ爪20の先端20aが凹溝74へ落ち込むと、押さえ爪20の先端20aは凹溝74の壁面74aに当接し、トルク受け部52の凸部70へ押し込んだパッドクリップ10がトルク受け部52から離間する方向へ戻らないように、楔としての働きを奏することとなる。
【0033】
次に、本実施形態に係るパッドクリップの応用形態について説明する。まず、第1の応用形態について、図6を参照して説明する。本形態に係るパッドクリップ10aはロータ側、すなわちパッドクリップ10のインサイド側に設けられた押さえ爪20の側面にトルク受け部52の幅方向、すなわち図示しないロータの軸方向に対するパッドクリップ10のずれを防止する軸方向移動防止爪30を備えるようにしている。
【0034】
2つの脚部14のそれぞれに設けられた2つの軸方向移動防止爪30は、パッドクリップ10のインサイド側からトルク受け部52における凸部70の側面に付勢する。このため軸方向移動防止爪30は、パッドクリップ10がロータの軸方向にずれることを防止すると共に、パッドクリップ10の抜け止め、および浮き上がりを防止する役割を担う。このような役割を担う軸方向移動防止爪30は、押さえ爪20の側面から、脚部14(14a,14b)のインサイド側へ向かって延設される板片を凸部70側(図1の場合、図中下側)へ折り曲げることで形成されている。また、軸方向移動防止爪30の先端20a側に、凸部70側面に対する付勢力を生じさせるために、軸方向移動防止爪30の折り曲げ形状は、ほぼS字型とされている。
【0035】
なお図6に示す例では軸方向移動防止爪30は、パッドクリップ10のインサイド側に設けられた押さえ爪20のみに設けるよう示しているが、バネ片22の両端に設けられた2つの押さえ爪20の双方に設けるようにしても良い。この場合、2つの押さえ爪20に設けられた双方の軸方向移動防止爪30は、それぞれ凸部70の側面に付勢することとなり、凸部70は2つの軸方向移動防止爪30により、両側面から挟持されることとなる。このため、挟持部16における押さえ爪20が凹溝74の底面から浮き上がることも防止する作用を向上させることができる。また、押さえ爪20の浮き上がりが無くなることにより、パッドクリップ10の脱落防止を効果的に実現することが可能となる。
【0036】
このように、押さえ爪20をバネ片22の両端部に配置し、当該押さえ爪20の側面に軸方向移動防止爪30を配置することで、トルク受け部52に対するパッドクリップ10の密着性を向上させることが可能となると共に、密着状態での安定性も向上させることができる。また、従来別途設けていた軸方向移動防止爪34a(図1参照)を、押さえ爪20に設けることで、1つの板片により2つの作用を発揮することが可能となり、従来別途設けていた軸方向移動防止爪34aを省略することができる。
【0037】
なお、当然に、2つの脚部14のインサイド側に設けられた押さえ爪20に備えた軸方向異動防止爪30を脚部14のアウトサイド側に設けられた押さえ爪20に備えるようにしたとしても、同様な効果を奏することができる。
【0038】
次に、図7を参照して、本実施形態に係るパッドクリップの第2の応用形態について説明する。本形態に示すパッドクリップ10bと、図1〜図5に示した基本形態に係るパッドクリップ10との違いも、押さえ爪20の形状にある。
【0039】
具体的には、図1〜図5に示した基本形態に係るパッドクリップ10の押さえ爪20は、脚部基端部15から連結片24と下部押さえ片26との中間位置へ向けて延設され、その後に連結片24側へ向けて延設されることで、先端20aが凹溝74の壁面74aに当接するように構成されている。これに対し本形態に係る押さえ爪20はまず、脚部基端部15a(15b)からその延長線上に延設され、その後に連結片24側へ折り曲げられて延設されることで、その先端20aを凸部70の凸設方向へ向け、凹溝74の壁面74aへ当接可能な構成としている。
【0040】
押さえ爪20の形態を上記のようにすることで、押さえ爪20と凹溝74の底面との接触距離を長くすることができる。このため、押さえ爪20による凸部70の上面(凹溝74の底面)の押圧を安定させることが可能となる。
【0041】
次に、図8を参照して、本実施形態に係るパッドクリップの第3の応用形態について説明する。なお、図8において、図8(A)は本応用形態に係るパッドクリップの斜視図であり、図8(B)は本応用形態に係るパッドクリップの右側面図である。本形態に示すパッドクリップ10cと、図1〜図5に示した基本形態に係るパッドクリップ10との違いは、押さえ爪の位置と数である。
【0042】
具体的には、本形態に係るパッドクリップ10cでは、押さえ爪20を1つとし、上部押え片18の中心に配置する構成を採っている。すなわち、上述した基本形態、第1、第2の応用形態とは逆に、押さえ爪20の両端にバネ片22が存在する構成となる。そして、本形態における押さえ爪20は、上述した第2の応用形態に係るパッドクリップ10bの押さえ爪20と同様な形態としている。押さえ爪20の形態を第2の応用形態に係るパッドクリップ10bと同様な形態とすることで、凸部70の上面72に形成した凹溝74の底面に対する接触面積を広く取ることができる。このため、各脚部14(14a,14b)に設ける押さえ爪20を1つとし、押さえ爪20だけを用いて凸部70の上面72(実際には凹溝74の底面)を押圧する構成とした場合であっても、凸部70の上面72の押圧、すなわち挟持部16(16a,16b)による凸部70の挟持状態を安定させることができる。
【0043】
次に、図9を参照して、本発明のディスクブレーキ装置用パッドクリップに係る実施形態について説明する。なお、図9において、図9(A)は本実施形態に係るパッドクリップの斜視図であり、図9(B)は本実施形態に係るパッドクリップをトルク受け部に取り付けた際の形態を示す側面図である。また、本実施形態に係るパッドクリップの殆どの構成は、上述した関連する実施形態に係るパッドクリップと同様である。したがって、その機能を同様とする箇所には、同一符号に100を足した符号を付して、詳細な説明は省略することとする。ここで、サポートにおけるトルク受け部に関しては、上記関連する実施形態と同様なものを使用することができるため、構成を同じとする箇所には、図3〜図5と同じ符号を付することとする。
【0044】
本実施形態に係るパッドクリップ110と、上記関連する実施形態に係るパッドクリップ10とは、押さえ爪の形成方法、および形態に違いを有する。具体的には、第1の実施形態に係るパッドクリップ10では、上部押さえ片18の一部を切り欠くことでバネ片22と押さえ爪20を形成していた。これに対し、本実施形態に係るパッドクリップ110は、脚部基端部114の一部を切り欠くことで、押さえ爪120を形成しているのである。また、関連する実施形態では、押さえ爪20を形成する際には単純に脚部基端部14を延設しているのに対し、本実施形態では、切り出した脚部基端部114の一部を上部押さえ片118の基端部後方へ引き回した後に下部押さえ片126側へ折り曲げ、その後に先端120aを連結片124側へ向け、いわゆるフック形状を形成するようにしている。
【0045】
この構成を換言すると、切り出した脚部基端部114の一部を、上部押さえ片118の基端部側延長線上へ倒し込み、その先端120aを上部押さえ片118と下部押さえ片126との間に配置することで押さえ爪120が形成される。
【0046】
なお、押さえ爪120の先端120aは、上述した第1の実施形態に係るパッドクリップ10と同様に、トルク受け部52に取り付けた際、凸部70の上面72に形成された凹溝74の壁面74aに当接する位置に配置される。また、その他の構成については、関連する実施形態に係るパッドクリップ10と同様なため、詳細な説明は省略することとする。
【0047】
このような構成のパッドクリップであっても、関連する実施形態に係るパッドクリップ10と同様な効果を得ることができる。なお、このような構成とした場合、従来爪部を有するパッドクリップは、爪部の剛性の高さから取り外しや取り付けといった組み付け性の悪さが指摘されていたが、フック形状部を持ち上げることで先端120aを凹溝74から持ち上げることができるため、パッドクリップ110をサポート50から容易に取り外すことができる。このため、関連する実施形態に係るパッドクリップと比べても、その着脱性に優れるということができる。
【0048】
次に、図10から図17を参照して、本実施形態のパッドクリップに係る応用形態について説明する。まず、図10を参照して第1の応用形態について説明する。本形態に係るパッドクリップ110aは、脚部基端部115(115a,115b)からバネ片122へかけて設けていた押さえ爪120との間の切れ込みを、図9に示した基本形態よりも深くした形態である。具体的には、切れ込みを連結片124にまで伸ばし、上部押さえ片118を2つに分割している。このような構成とすることにより、上部押さえ片118を構成するバネ片122と押さえ爪120とは完全に分離されることとなり、押さえ爪120の付勢力は押さえ爪120の板幅、曲げ角度等のみによって変化させることができるようになる。なお、切れ込み深さを上部押さえ片118の中で調整するようにした場合、バネ片122のバネ定数が調整され、これに伴って押さえ爪120の付勢力も調整されることとなる。
【0049】
次に、図11を参照して第2の応用形態について説明する。本形態に係るパッドクリップ110bは、図10に示した第1の応用形態に係るパッドクリップ110aを基礎として、バネ片122と押さえ爪120との配置形態を逆転させた形態である。また、本形態に係るパッドクリップ110bでは、バネ片122を凸部70の上面72に近付けるように挟持部116(116a,116b)のコ字状部を小さくしていることより、バネ片122と押さえ爪120との間に段差が生じる構成とされている。このように、バネ片122の形成位置を変化させた場合であっても上記第1の応用形態に係るパッドクリップと同様な効果を得ることができる。
【0050】
次に、図12を参照して第3の応用形態について説明する。本形態に係るパッドクリップ110cは、図9に示した基本形態に係るパッドクリップ110におけるバネ片122と押さえ爪120との間での上部押さえ片118を構成する板片の占有率を変化させた形態である。具体的には、本形態に係るパッドクリップ110cは、基本形態に係るパッドクリップ110に比べ、バネ片122の割合を大きくしている。このような構成とすることで、押さえ爪120の板幅が狭くなり、バネ定数が減少する。このため、パッドクリップ110cの組付性を向上させることができる。
【0051】
次に、図13を参照して第4の応用形態について説明する。本形態に係るパッドクリップ110dは基本的に、図10に示した第1の応用形態に係るパッドクリップと同様である。相違点としては、押さえ爪曲げ角度を挙げることができる。具体的には、本形態に係るパッドクリップ110dでは、押さえ爪の折り返し部分(曲げ部分)120bを挟持部116の上側へ配置してドーム状に形成し、先端側を下方、すなわち下部押さえ片126側へ向けることで、連結片124から延設されたフック状の体を成すようにしている。そして、下部押さえ片126側へ向けられた押さえ爪120の先端120aのみを連結片124側へ折り曲げることで、凹溝74の壁面74aへの引っ掛かりを図ることができるようにしている。このような形態のパッドクリップ110dであっても、上述した応用形態と同様な効果を得ることができる。
【0052】
次に、図14を参照して第5の応用形態について説明する。本形態に係るパッドクリップ110eは、基本形態に係るパッドクリップ110と比べ、押さえ爪120の数に違いを持つ。すなわち、基本形態に係るパッドクリップ110は、脚部基端部115(115a,115b)をやや幅広に切り欠いて、これを1つの押さえ爪20としている。これに対し本形態に係るパッドクリップ110cでは、脚部基端部114の両端部を幅狭に切り欠き、1つの脚部114に2つの押さえ爪120を持たせるようにしている。
【0053】
このような構成とすることにより、ブレーキパッド80の摺動により付加荷重にずれが生じた場合であっても、凸部70の挟持状態を安定させることが可能となる。
【0054】
また押さえ爪120の形態を本形態のようにした場合、予め図6に示した120の側面に軸方向防止爪(図6参照)を形成するようにしても良い。
【0055】
次に、図15を参照して第6の応用形態について説明する。本形態に係るパッドクリップ110fは、図14に示した第5の応用形態に係るパッドクリップ110eと、図10に示した第1の応用形態に係るパッドクリップ110aとの構成を組み合わせた形態である。すなわち、第5の応用形態に係るパッドクリップ110eにおける脚部基端部122と押さえ爪120との間の切れ込みの深さを深くし、上部押さえ片118を3つに分割しているのである。このような形態では、第5の応用形態に係る効果に加え、押さえ爪120自体の板幅の調整、並びにその切れ込みの深さにより、押さえ爪120の付勢力の調整が可能となる。
【0056】
次に、図16を参照して第7の応用形態について説明する。本形態に係るパッドクリップ110gは、脚部114(114a,114b)における脚部基端部122の中央を切欠いて、その切欠き片を押さえ爪120としている。このような形態であっても、上述した種々の応用形態と同様な効果を得ることができる。
【0057】
次に、図17を参照して第8の応用形態について説明する。本形態に係るパッドクリップ110hは、押さえ爪120と脚部基端部115との間の切れ込みを、挟持部116における連結片124にまで伸ばし、押さえ爪120の折り返し部120bを挟持部116の上部へ配置し、フック状に形成した押さえ爪120の先端120aが凸部70における凹溝74の壁面74aへ、凸部70の基端部側斜め上から当接するように形成している。このような形態であっても、上述した種々の応用形態と同様な効果を得ることができる。
【0058】
次に図18を参照して、本発明のディスクブレーキ装置用パッドクリップに係る他の実施形態について説明する。なお、図18において、図18(A)は本実施形態に係るパッドクリップの斜視図であり、図18(B)はパッドクリップをサポートにおけるトルク受け部に取り付けた際の部分拡大図である。また、本実施形態に係るパッドクリップの殆どの構成は、上述した関連する実施形態に係るパッドクリップと同様である。したがって、その機能を同様とする箇所には、同一符号に200を足した符号を付して、詳細な説明は省略することとする。ここで、サポートにおけるトルク受け部に関しては、関連する実施形態と同様なものを使用することができるため、構成を同じとする箇所には、図3〜図5と同じ符号を付することとする。
【0059】
本実施形態に係るパッドクリップ210と、上述した実施形態に係るパッドクリップ10,110との違いは、挟持部216(216a,216b)の構成にある。具体的には、本実施形態に係る挟持部216は、上部押さえ片218の幅方向両側端に、幅方向に延設した板片を設け、これを折り曲げ形成することで、押さえ爪220を形成しているのである。
【0060】
さらに詳細には、本実施形態に係る押さえ爪220は、上部押さえ片218の両側端部から延設された板片を、下部押さえ片226側へ折り曲げ、その先端を脚部214(214a,214b)の中心側へ折り返すことで形成している。このように形成された押さえ爪220は、パッドクリップ210を正面視した場合には、コ字状を成し、先端近傍を凸部70の上面72に形成した凹溝74の底面に押し付け可能となる。
【0061】
このような構成の押さえ爪220は、上述した実施形態に係るパッドクリップ10,110の押さえ爪20,120と異なり、パッドクリップ210をトルク受け部52に取り付けた際には、押さえ爪220の先端側面(側端220b)が、凸部70の上面72に形成した凹溝74の壁面74aに当接することとなる。このような構成とした場合であっても、押さえ爪220により、パッドクリップ210の抜け止めを図ることができる。
【0062】
なお、本実施形態に係るパッドクリップでは、押さえ爪220の先端側面であって、凹溝74の壁面74aに当接しない側に、パッドクリップ210をトルク受け部52へ取り付ける際の導入のきっかけをつくる導入部221を設けている。導入部221は、押さえ爪220の先端側面から、上部押さえ片218側へ、円弧状、または直線状に延設される板片であれば良い。
【0063】
その他の構成については、上述した実施形態に係るパッドクリップ10,110と同様である。このような構成のパッドクリップ210であっても、上述した実施形態に係るパッドクリップ10,110と同様な効果を奏することができる。
【0064】
上述した実施形態ではいずれも、2つの脚部をブリッジ部により一体に形成する旨記載し、図面も同様に示している。しかしながら、本発明に係るパッドクリップとしては、図19に示すように、インナ側トルク受け部52a,52bに配設される脚部14aと、アウタ側トルク受け部52c,52dに配設される脚部14bとを別体としたものも含まれる(図19に示すパッドクリップ10bは、関連する実施形態に係るパッドクリップ10を別体としたもの例である)。
【0065】
また、インナ側トルク受け部52a,52bに配設される脚部とアウタ側トルク受け部52c,52dに配設される脚部とを別体として構成する場合には、図20に示すような形態としても良い。なお、図20に示す形態は、そのほとんどの構成を上述した第1〜第3の構成と同様としている。よってその機能を同様とする箇所には図1の符号に対して300を足した符号を付して、その詳細な説明は省略することとする。
【0066】
図20に示す形態のパッドクリップ310は、上述した実施形態で設けていた脚部基端部を省略し、脚部基端部を構成していた箇所、および上部押さえ片全体を用いて押さえ爪320を構成するという形態である。このような形態であっても、押さえ爪320のみで凸部70の上面(実際には凹溝74底面)への付勢と、抜け止めを図ることとなるため、本発明の一部とみなすことができる。なおこの場合、挟持部316における連結片324に軸方向移動防止爪324aを設けるようにすると良い。
【符号の説明】
【0067】
10………パッドクリップ、12………ブリッジ部、14(14a,14b)………脚部、15(15a,15b)………脚部基端部、16(16a,16b)………挟持部、18………上部押さえ片、20………押さえ爪、20a………先端、22………バネ片、24………連結片、26………下部押さえ片、30………軸方向移動防止爪、32(32a,32b)………パッド保持部、34………トルク受け面、36………パッド保持片、50………サポート、52(52a〜52d)トルク受け部、54………サポートブリッジ部、56………メインフレーム、58………サブフレーム、70………凸部、72………上面、74………凹溝、74a………壁面、76………下面、78………トルク受け部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスクブレーキ装置のサポートに形成された凸部に凹溝を形成し、前記凹溝を利用して前記凸部を挟持する挟持部を有するパッドクリップであって、
前記挟持部は、上部押さえ片と下部押さえ片、および前記上部押え片と前記下部押え片とを連結する連結片とを有し、
前記上部押さえ片は、前記凸部上面側に付勢し、先端を前記凹溝の壁面に当接させる押さえ爪と、前記押さえ爪を切り出した残りの板片により構成されるバネ片とから成り、
前記押さえ爪は、その基端を前記連結片側に配置し、折り返し部を介して前記先端を前記バネ片よりも前記下部押さえ片側に、前記連結片側へ向けて配置したことを特徴とするディスクブレーキ装置用パッドクリップ。
【請求項2】
前記押さえ爪は、その基端を前記連結片に配置したことを特徴とする請求項1に記載のディスクブレーキ装置用パッドクリップ。
【請求項3】
前記押さえ爪の前記折り返し部が前記バネ片を跨ぐ構成としたことを特徴とする請求項2に記載のディスクブレーキ装置用パッドクリップ。
【請求項4】
前記押さえ爪は、前記バネ片の幅方向両端側にそれぞれ設けたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のディスクブレーキ装置用パッドクリップ。
【請求項5】
前記押さえ爪は、前記折り返し部を前記連結片と対向する位置に設けたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のディスクブレーキ装置用パッドクリップ。
【請求項6】
前記押さえ爪は、前記折り返し部を前記下部押さえ片と対向する位置に設けたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のディスクブレーキ装置用パッドクリップ。
【請求項7】
ディスクブレーキ装置におけるロータのインナ側とアウタ側に配置される一対の前記挟持部を連結するブリッジ部を備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のディスクブレーキ装置用パッドクリップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−163218(P2012−163218A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−129700(P2012−129700)
【出願日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【分割の表示】特願2008−181333(P2008−181333)の分割
【原出願日】平成20年7月11日(2008.7.11)
【出願人】(000000516)曙ブレーキ工業株式会社 (621)
【Fターム(参考)】