説明

ディスクプレーヤ

【課題】ディスクを本体の内側で中央に案内するための機構を不要とし、装置の薄型化を実現したディスクプレーヤを提供する。
【解決手段】挿入口に挿入されたディスクを本体の内側にローディングして再生するディスクプレーヤにおいて、挿入口にほぼ中心振り分けで配置され、挿入されるディスクの外周部に当接して当該挿入口の側方に退避する一対のゲート部材59,62,63と、ディスクが挿入口のほぼ中心から側方にずれて挿入された場合に、一対のゲート部材59の側方への退避を阻止するロック手段74〜77とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載されてCD(コンパクトディスク)、DVD(デジタル・バーサタイル・ディスク)等の記録媒体ディスクの情報を再生するディスクプレーヤに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、車両に搭載されるCD、DVDプレーヤ等の従来のディスクプレーヤでは、例えば8cmディスク、12cmディスク等、大きさの異なるディスクを挿入口から吸い込んで、本体内に引き込まれた当該ディスクをターンテーブルにクランプさせチャッキングして再生している(例えば、特許文献1参照)。
本体の上記挿入口の幅方向の大きさは、少なくとも大きい方の12cmディスクを吸い込み可能な大きさになっており、この挿入口に小さい方の8cmディスクを挿入する場合には、挿入口の中央に挿入するのが困難であった。
【特許文献1】WO/2001/091119号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、8cmディスクが挿入口の片側に寄った状態で吸い込まれた場合、このディスクを本体の中央に寄せないと、ターンテーブルに正確にクランプできない。これを解消するため、従来、片側に寄った状態で吸い込まれた8cmディスクを本体の内側で中央に案内するための機構が必要になり、これにより装置が大型化し、特に装置の厚さ方向の寸法が大きくなるといった問題があった。
【0004】
そこで、本発明の目的は、上述した従来の技術が有する課題を解消し、ディスクを本体の内側で中央に案内するための機構を不要とし、これにより装置の薄型化を実現したディスクプレーヤを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、挿入口に挿入されたディスクを本体の内側にローディングして再生するディスクプレーヤにおいて、前記挿入口にほぼ中心振り分けで配置され、挿入されるディスクの外周部に当接して当該挿入口の側方に退避する一対のゲート部材と、前記ディスクが前記挿入口のほぼ中心から側方にずれて挿入された場合に、一対のゲート部材の側方への退避を阻止するロック手段とを備えたことを特徴とする。
【0006】
この場合において、挿入口に挿入されたディスクを本体の内側にローディングして再生するディスクプレーヤにおいて、前記挿入口にほぼ中心振り分けで配置され、挿入されるディスクの外周部に当接して当該挿入口の側方に退避する一対のゲート部材と、前記ディスクが前記挿入口のほぼ中心から側方にずれて、前記ゲート部材のうちの一方のゲート部材にのみ当接した状態で挿入された場合に、一対のゲート部材の側方への退避を阻止するロック手段とを備えてもよい。
【0007】
本構成では、例えば、小さい方の8cmディスクが挿入口のほぼ中心から側方にずれて挿入された場合には、一対のゲート部材の側方への退避が、ロック手段によって阻止されるため、それ以上、8cmディスクを挿入できなくなる。従って、この8cmディスクが、本体の中心からずれて挿入されることがなくなり、ディスクを本体の内側で中央に案内するための機構が不要になる。
【0008】
また、前記一対のゲート部材が、前記本体のシャーシの外面に支持部材を介して揺動自在に支持された一対のターンプレートと、このターンプレートに取り付けられ、前記挿入口に臨む一対のゲートピンとを備えてもよい。
前記一対のターンプレートの基部同士を連結プレートで連結し、この連結プレートにピンを設けると共に、このピンをシャーシに設けた縦孔に嵌合し、この縦孔の途中の両孔壁に縦孔の幅よりも拡径した円弧溝を設け、前記ディスクが、一方のゲート部材にのみ当接した状態で挿入された場合に、前記ピンが前記円弧溝に係合して一対のゲート部材の側方への退避を阻止してもよい。
【0009】
前記一対のターンプレートの基部同士を連結プレートで連結し、この連結プレートにディスクの挿入方向に延びたガイド孔を形成すると共に、このガイド孔に嵌る案内部をシャーシに設け、各ターンプレートの揺動運動に連動させて、前記連結プレートを案内部に沿ってディスク挿入方向に往復移動させてもよい。また、前記シャーシの一部を切り起こして前記案内部を一体に形成してもよい。また、前記一対のゲート部材を付勢手段により挿入口中央に向けて付勢してもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、ディスクが挿入口のほぼ中心から側方にずれて挿入された場合に、一対のゲート部材の側方への退避が、ロック手段によって阻止されるため、それ以上、ディスクを挿入できなくなる。従って、このディスクが、本体の中心からずれて挿入されることがなくなり、ディスクを本体の内側で中央に案内するための機構が不要になり、これにより装置の薄型化を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の一実施の形態を、図面に基づき説明する。
図1は、本実施の形態に係るディスクプレーヤの外観を示す斜視図である。このディスクプレーヤには、CD、DVD等の例えば直径8cmや、直径12cm等の大きさの異なる記録媒体ディスクが引き込まれて、このディスクに記録された情報が再生される。1は本体を示し、この本体1は板金製のシャーシ3を備えている。このシャーシ3はロアーシャーシ5と、このロアーシャーシ5の上方を覆うアッパーシャーシ7とを備え、その内側には、図1では図示を省略したが、ディスクをローディングするためのローディングメカニズム、それをクランプするためのクランパメカニズム、それをドライブするためのドライブメカニズム等が設けられている。
【0012】
図2は、アッパーシャーシ7を取り外した斜視図であり、図3は、ロアーシャーシ5の斜視図であり、図4は、ロアーシャーシ5にドライブユニット9を取り付けた左方視の斜視図であり、図5は、同じくロアーシャーシ5にドライブユニット9を取り付けた右方視の斜視図である。
【0013】
上記ロアーシャーシ5は、図3に示すように、枠状に形成され、このロアーシャーシ5には、ダンパ及びばねを備えた3つの防振構造体11が取り付けられ、この防振構造体11の上に、図2に示すように、クランパメカやドライブメカが一体化されたドライブユニット9が載置されて、フローティング支持されている。このドライブユニット9は、図4及び図5に示すように、ベースプレート13と、このベースプレート13の後端部の両側にヒンジ15で連結され、先端17Aを閉じる方向にばね付勢したスイングプレート17とを備えて構成されている。このスイングプレート17の先端17Aには回転板19が支持され、この回転板19に対向するマグネット入りのターンテーブル21が、ベースプレート13に支持されている。そして、後述するように、ディスクが挿入されて、スイングプレート17が閉じると、先端17Aの回転板19とマグネット入りのターンテーブル21とで挟持されてディスクが回転可能になる。
【0014】
図1に示すように、本体1の前面には横長のディスクの挿入口23が形成され、この挿入口23の奥には、図2に示すように、ロアーシャーシ5の前部のモータ24で駆動されるローディングローラ25が設けられている。
このローディングローラ25は、ディスクが検知されると、モータ24により駆動されて、当該ディスクを本体1内に引き込む。このローディングローラ25は、ローラ支持板27に支持され、このローラ支持板27の基部は、ヒンジピン28によりロアーシャーシ5に連結されている。よって、このローディングローラ25は、ローラ支持板27の揺動により、その高さ位置を変位させる。
【0015】
ドライブユニット9の上面の左後部には支持ピン30を介してトリガープレート31が揺動自在に支持されている。このトリガープレート31は、ばね31Sにより、反時計方向に付勢されており、その一端31Aには、ドライブユニット9の内方に折り曲げられた、2つの爪部32,33が各々一体に形成されている。一方の爪部32には、引き込まれた8cmディスクが当接可能であり、他方の爪部33には、引き込まれた12cmディスクが当接可能である。トリガープレート31の他端31Bは、ドライブユニット9の外側に延出し、ドライブユニット9の外壁に沿って下方に折り曲げられている。この他端31Bは、ロアーシャーシ5に配置されたトリガー35の後面35Kに当接する。そして、ディスクが本体1に引き込まれ、爪部32,33のいずれかに当接し、トリガープレート31が反時計方向に回動すると、このトリガープレート31が、トリガー35を前進(矢印Xの方向)させる。このトリガー35は、図4に示すように、ばね34により、通常時、他端31B側(矢印Yの方向)に付勢されている。
【0016】
このトリガー35の一部は、図4に示すように、ロアーシャーシ5の底部を前方に延出し、この延出部の上面にはトリガーラックギア35Aが一体に形成されている。このトリガーラックギア35Aの前方には、ロアーシャーシ5の側板5Aに支持されたファイナルギア37(図3参照)が配置されている。このファイナルギア37は、通常時にトリガーラックギア35Aに噛み合わない位置に支持されており、トリガープレート31が回動して、トリガー35が前進したときにのみ、トリガーラックギア35Aに噛み合う。ファイナルギア37は、図2に示すように、複数のギアからなるギア輪列38を介して、ロアーシャーシ5の前部の上記モータ24に連結されており、モータ24の駆動時に、トリガーラックギア35Aとファイナルギア37とが一旦噛み合うと、それ以後は、ファイナルギア37、モータ24の駆動力でトリガー35が前進する。
【0017】
このトリガー35には、図4に示すように、トリガーカム41が一体に連結されている。このトリガーカム41は、ギア輪列38の内側を当該ギア輪列38と平行に延出し、その中程の上面には前方が徐々に、階段状に高くなるカム面41Aが形成され、その先端部にはローディングローラ25の駆動軸25A(図2参照)を案内する前上がりの階段状の傾斜溝41Bが形成されている。カム面41Aには、ドライブユニット9のスイングプレート17の一部17Bが当接している。
トリガー35がファイナルギア37に噛み合い、ストロークエンドに移動した後、トリガーカム41を押し出し、トリガーカム41のラックがファイナルギア37と噛み合い、トリガーカム41が前進(矢印Xの方向)する。
【0018】
上記トリガーカム41が前進(矢印Xの方向)すると、上記一部17Bが当接しているカム面41Aが徐々に低くなって、スイングプレート17が、ばね力で閉じる方向に揺動し、さらに前進してトリガーカム41が前進限界の位置に移動すると、一部17Bがカム面41Aから完全に離れ、スイングプレート17の先端の回転板19と、ターンテーブル21とによるディスクのクランプが完了する。それと同時に、スイングプレート17の一部17Bとカム面41Aとの係合解除によって、ドライブユニット9が、3つの防振構造体11を介して完全にフローティング支持される。また、同時に、ローディングローラ25の駆動軸25Aが、傾斜溝41Bに沿って低い位置に移動し、ローラ支持板27の揺動により、ローディングローラ25が低く変位し、このローディングローラ25が、クランプ時のディスクの下面から離れる。この状態において、ターンテーブル21を回転させてディスクの再生が行われる。
【0019】
上記モータ24を逆回転させると、ギア輪列38、ファイナルギア37及びトリガーラックギア35Aを介して、トリガー35及びトリガーカム41が後退(矢印Yの方向)する。それに伴って、上記一部17Bが当接しているカム面41Aが徐々に高くなり、スイングプレート17が、ばね力に抗して押し上げられて開く方向に揺動する。さらに後退してトリガーカム41が後退限界の位置に移動すると、一部17Bがカム面41Aの最も高い位置に乗り上げて、スイングプレート17の先端の回転板19と、ターンテーブル21との間にディスク挿入用の隙間を形成する。
【0020】
それと同時に、ローディングローラ25の駆動軸25Aが、傾斜溝41Bに沿って徐々に高い位置に移動し、後退限界の位置では、ローラ支持板27の揺動により、ローディングローラ25が、ディスクの下面に接触するまで高く変位する。そして、このディスクはローディングローラ25によりイジェクトされる。
ディスクをイジェクトした後に、ローディング待機の状態となる。イジェクトもしくはローディング待機の状態では、ドライブユニット9が、図示を省略した機構によりロアーシャーシ5にロックされる。
【0021】
本実施の形態では、図1に示すように、挿入されるディスクの外周部に当接して当該挿入口23の側方に退避する一対のゲート部材59を、ディスクの挿入口23に備えて構成されている。このゲート部材59は、挿入口23に対しほぼ中心振り分けで配置された一対のターンプレート62,63を備え、これらターンプレート62,63は、図6に示すように、アッパーシャーシ7の前部外面に、各々ピン(支持部材)64,65を介して連結されている。ターンプレート62,63は、ばね60,61により、閉じる方向(矢印Aの方向)に付勢され、このターンプレート62,63には、挿入口23に臨む一対のゲートピン67,68が取り付けられている。
【0022】
また、ターンプレート62,63の基部にはスライド孔62A,63Aがあけられ、このスライド孔62A,63Aに嵌るピン71,72が、連結プレート73に各々取り付けられている。これらターンプレート62,63の基部同士は、連結プレート73で連結されている。この連結プレート73にはピン173が固定され、このピン173は、図9に示すように、アッパーシャーシ7の縦孔107に嵌り、アッパーシャーシ7の下面に臨んでいる。縦孔107の中程の両孔壁には、縦孔107の幅Wよりも拡径した円弧溝107A,107Bが形成されている。
また、図6に示すように、この連結プレート73には、ディスクの挿入方向(矢印Zの方向)に延びた一対のガイド孔74,75が形成され、このガイド孔74,75に嵌る案内部76,77は、アッパーシャーシ7の一部を切り起こして、上方に立ち上げた後、水平に曲げて形成され、この立ち上げた細い部分がガイド孔74,75に嵌る。78はアッパーシャーシ7に取り付けられたプレートであり、このプレート78はターンプレート62,63の閉じ方向のストッパとして機能する。
【0023】
ディスクが挿入口23に挿入された場合、ディスクは、上記ゲートピン67,68を側方に押し退ける。例えば、12cm径の大きいディスク100が挿入されると、図7に示すように、ディスク100の外周部100Aが、一対のゲートピン67,68を挿入口23の側方に押し退け、ターンプレート62,63が開く方向(矢印Bの方向)に回動する。この回動に伴い、ピン71,72が、スライド孔62A,63Aの中を移動し、これにより、ターンプレート62,63の揺動に連動し、連結プレート73が、案内部76,77に沿ってディスク挿入方向(矢印Zの方向)に往復移動する。
【0024】
図8は、8cm径の小さいディスク200を挿入する場合の斜視図である。この場合には、挿入口23の幅に比してディスク径が小さいため、挿入口23の一方の端に偏って挿入される恐れがある。例えば、ディスク200が一方のゲートピン67の側に偏って挿入された場合、他方のゲートピン68をほとんど押し退けずに、一方のピン67だけを押し退けた状態になる。この場合には、一方のゲートピン67の側のターンプレート62だけが開く方向(矢印Bの方向)に回動する。
【0025】
本実施の形態では、他方のターンプレート63が開かないで、一方のターンプレート62だけが開く場合、連結プレート73は、ピン72の側が回動せずに、ピン71の側だけが回動する。この場合、連結プレート73が斜めになる。
【0026】
この連結プレート73が斜めになると、図9Bを参照し、縦孔107を移動するピン173が、縦孔107の途中で傾いた方のいずれかの円弧溝107A,107Bに嵌り、連結プレート73が、それ以上、ディスク200の挿入方向(矢印Zの方向)に移動しなくなり、従って、ターンプレート62,63のそれ以上の回動が阻止されて、ディスクの挿入が阻止される。この状態は、ディスク200が他方のゲートピン68の側に偏って挿入された場合も同様である。なお、ピン173及び円弧溝107A,107Bがロック手段を構成している。
【0027】
すなわち、本実施の形態では、挿入口23の端に偏ってディスク200が挿入された場合、縦孔107を移動するピン173が、縦孔107の途中で傾いた方のいずれかの円弧溝107A,107Bに嵌り、それ以上、連結プレート73が前後方向に移動できなくなり、連結プレート73がロックされる。これによれば、いわゆる挿入口23の端に偏ったディスクの挿入が禁止される。
従って、従来のような、片側に寄った状態で吸い込まれたディスクを本体の内側で中央に案内するための機構が不要になり、その分、装置を小型化でき、特に装置の厚さ方向の寸法を小さくできる。
【0028】
図9は、アッパーシャーシ7を裏側から見た斜視図である。アッパーシャーシ7の内面には、アッパーシャーシ7の組み付け時に下方(ローディングローラ25に相対する側)に突出して、挿入口23に挿入されたディスクを下方(または上方)に案内する、2列に延びるガイドバー(案内機構)81,82が設けられる。
【0029】
これらガイドバー81,82は、挿入口23の横方向に相互に平行に延出し、各々が、挿入口23の端に向けて高さを徐々に大きくする。手前のガイドバー81は、中心に近い位置mから突部81Aの高さを徐々に大きくし、奥のガイドバー82は、それよりも端に寄った位置nから突部82Aの高さを徐々に大きくする。一対のガイドバー81,82にはローディングローラ25が対向し、このローラ25とガイドバー81,82とに挟持されて、ディスクがローディングされる。
【0030】
図10は、8cm径のディスク200を挿入した場合の断面図、図11は、同じく斜視図、図12は、12cm径のディスク100を挿入した場合の断面図、図13は、同じく斜視図である。
【0031】
図10に示すように、8cm径のディスク200を挿入した場合、挿入口23から挿入されたディスク200は、ローディングローラ25と、各ガイドバー81,82の低い突部81A,82Aとの間に挟持されて、本体1の内側の高所に位置する第1のローディング経路RK1に沿って、本体1の奥にローディングされる。第1のローディング経路RK1の終端部には、第1のディスク当接部83が位置し、ディスク200は、第1のディスク当接部83に当接して停止し、この段階でディスク200が、図11に示すように、トリガープレート31の爪部32を押動し、これをトリガーに、上述したように、ディスク200のクランプ動作が実行される。
【0032】
図12に示すように、12cm径のディスク100を挿入した場合、挿入口23から挿入されたディスク100は、ローディングローラ25と、各ガイドバー81,82の高くなった突部81A,82Aとの間に挟持されて、本体1の内側の低所に位置する第2のローディング経路RK2に沿って、本体1の奥にローディングされる。図13に示すように、12cm径のディスク100の外周(図中右奥)にはガイドバー331が当接可能に形成されている。このガイドバー331はピン310により回動自在に支持され、ばね312を介して、ピン310回りを時計方向に付勢されている。図11に示すように、ガイドバー331の自由端の下面には、奥下がりのテーパ面313が形成され、12cm径のディスク100が挿入されると、まず、このテーパ面313に沿ってディスク100の先端100Aが下方に向けられ、トリガープレート31の爪部32が交わされる。そして、ディスク100がさらに奥に進入すると、ガイドバー331が、ピン310回りを反時計方向に回動し、このガイドバー331がディスク100の外周をガイドしつつ、安定したローディングが実行される。第2のローディング経路RK2の終端部には、第2のディスク当接部84が位置しており、ディスク100は、第2のディスク当接部84に当接して停止して、この段階でディスク100が、図13に示すように、トリガープレート31の爪部33を押動し、これをトリガーにして、上述したように、ディスク100のクランプ動作が実行される。このクランプが完了すると、上記ガイドバー331の下面の突起314が、スイングプレート17側の窪み(図示せず)に嵌合し、このガイドバー331が、ディスク100の外周から離れて固定される。従って、演奏時に、ガイドバー331がディスク100に接触することがない。
【0033】
本構成では、本体1の内側に上下に分けて異なるローディング経路RK1、ローディング経路RK2を形成したため、従来のように、ローディング経路の終端部に、径の異なるディスクを保持するための複雑な機構を設ける必要がなくなり、装置の薄型化を実現することができる。また、本構成は、例えば材質等が異なるディスクをローディングするディスクプレーヤにも適用でき、この場合、ローディング経路及びガイドバー81,82の形状、材質等に応じた工夫を施せば、ディスクに傷等のつかないものが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係るディスクプレーヤの一実施の形態を示す斜視図である。
【図2】アッパーシャーシを取り外した斜視図である。
【図3】ロアーシャーシの斜視図である。
【図4】ロアーシャーシにドライブユニットを取り付けた左方視の斜視図である。
【図5】ロアーシャーシにドライブユニットを取り付けた右方視の斜視図である。
【図6】一対のゲート部材を示す斜視図である。
【図7】12cmディスクで一対のゲート部材を開いた状態を示す斜視図である。
【図8】8cmディスクで一対のゲート部材を開いた状態を示す斜視図である。
【図9】Aはアッパーシャーシを裏側から見た斜視図、Bは縦孔を示す図である。
【図10】8cmディスクを挿入した場合の断面図である。
【図11】同じく斜視図である。
【図12】12cmディスクを挿入した場合の断面図である。
【図13】同じく斜視図である。
【符号の説明】
【0035】
1 本体
3 シャーシ
5 ロアーシャーシ
7 アッパーシャーシ
23 挿入口
59 ゲート部材
62,63 ターンプレート
64,65 ピン(支持部材)
67,68 ゲートピン
73 連結プレート
74,75 ガイド孔
76,77 案内部
81,82 ガイドバー
83,85 ディスク当接部
100,200 ディスク
107A,107B 円弧溝
RK1,RK2 ローディング経路


【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿入口に挿入されたディスクを本体の内側にローディングして再生するディスクプレーヤにおいて、
前記挿入口にほぼ中心振り分けで配置され、挿入されるディスクの外周部に当接して当該挿入口の側方に退避する一対のゲート部材と、
前記ディスクが前記挿入口のほぼ中心から側方にずれて挿入された場合に、一対のゲート部材の側方への退避を阻止するロック手段とを備えた
ことを特徴とするディスクプレーヤ。
【請求項2】
挿入口に挿入されたディスクを本体の内側にローディングして再生するディスクプレーヤにおいて、
前記挿入口にほぼ中心振り分けで配置され、挿入されるディスクの外周部に当接して当該挿入口の側方に退避する一対のゲート部材と、
前記ディスクが前記挿入口のほぼ中心から側方にずれて、前記ゲート部材のうちの一方のゲート部材にのみ当接した状態で挿入された場合に、一対のゲート部材の側方への退避を阻止するロック手段とを備えた
ことを特徴とするディスクプレーヤ。
【請求項3】
前記一対のゲート部材が、前記本体のシャーシの外面に支持部材を介して揺動自在に支持された一対のターンプレートと、このターンプレートに取り付けられ、前記挿入口に臨む一対のゲートピンとを備えた
ことを特徴とする請求項1または2に記載のディスクプレーヤ。
【請求項4】
前記一対のターンプレートの基部同士を連結プレートで連結し、この連結プレートにピンを設けると共に、このピンをシャーシに設けた縦孔に嵌合し、この縦孔の途中の両孔壁に縦孔の幅よりも拡径した円弧溝を設け、
前記ディスクが、一方のゲート部材にのみ当接した状態で挿入された場合に、前記ピンが前記円弧溝に係合して一対のゲート部材の側方への退避を阻止する
ことを特徴とする請求項3に記載のディスクプレーヤ。
【請求項5】
前記一対のターンプレートの基部同士を連結プレートで連結し、この連結プレートにディスクの挿入方向に延びたガイド孔を形成すると共に、このガイド孔に嵌る案内部をシャーシに設け、各ターンプレートの揺動運動に連動させて、前記連結プレートを案内部に沿ってディスク挿入方向に往復移動させる
ことを特徴とする請求項3に記載のディスクプレーヤ。
【請求項6】
前記シャーシの一部を切り起こして前記案内部を一体に形成したことを特徴とする請求項5に記載のディスクプレーヤ。
【請求項7】
前記一対のゲート部材を付勢手段により挿入口中央に向けて付勢したことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載のディスクプレーヤ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−257704(P2007−257704A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−78359(P2006−78359)
【出願日】平成18年3月22日(2006.3.22)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】