ディスクライブラリ装置
【課題】ディスクライブラリ装置の信頼性を向上する。
【解決手段】一実施形態のディスクライブラリ装置は、カートリッジとディスクドライブとの間においてディスクを搬送するディスク搬送部を含む。ディスク搬送部は、カートリッジの複数のディクス格納溝それぞれから、ディスクの主面に沿った方向にディスクを排出するように構成された第1及び第2ディスク蹴り出し部を含む。ディスク搬送部は、カートリッジから排出されたディスクを取り込みディスクドライブに搬送するように構成された、第1及び2ディスク収容器を含む。第1及び第2ディスク収容器のそれぞれは、第1ディスク蹴り出し部が排出するディスクを取り込む第1取り込み位置及び第2ディスク蹴り出し部が排出するディスクを取り込む第2取り込み位置のそれぞれの位置につくように、第1及び第2ディスク蹴り出し部に対して相対的に移動する。
【解決手段】一実施形態のディスクライブラリ装置は、カートリッジとディスクドライブとの間においてディスクを搬送するディスク搬送部を含む。ディスク搬送部は、カートリッジの複数のディクス格納溝それぞれから、ディスクの主面に沿った方向にディスクを排出するように構成された第1及び第2ディスク蹴り出し部を含む。ディスク搬送部は、カートリッジから排出されたディスクを取り込みディスクドライブに搬送するように構成された、第1及び2ディスク収容器を含む。第1及び第2ディスク収容器のそれぞれは、第1ディスク蹴り出し部が排出するディスクを取り込む第1取り込み位置及び第2ディスク蹴り出し部が排出するディスクを取り込む第2取り込み位置のそれぞれの位置につくように、第1及び第2ディスク蹴り出し部に対して相対的に移動する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データを記憶するディスクのライブラリ装置に関し、特に、ディスクライブラリ装置においてディスクを搬送する構成に関する。
【背景技術】
【0002】
データを記憶する媒体として、光ディスク、磁気ディスク、そして光磁気ディスクなど、いくつかの種類のデータ記憶ディスクが知られている。その中で、光ディスクは、リムーバブルメディアとして広く使用されている。データを記憶する光ディスクの種類として、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)あるいはBD(Blu-ray Disc)などが知られている。
【0003】
金融業界、放送業界及び医療業界などの業界において、大量のデータを長期に保存する要求がある。この用途のデータ・ストレージ装置は、データ長期保存に高い信頼性を有する光ディスクを使用することが好ましい。光ディスクの記憶容量は技術の進歩と共に増加しているが、1枚の光ディスクが格納することができるデータ量は限られている。
【0004】
データの長期保存に適した大容量のストレージ装置として、光ディスクライブラリ装置が知られている(例えば特許文献1を参照)。光ディスクライブラリ装置は、複数枚の光ディスクを収容可能であり、実装されている光ディスクドライブにより、各光ディスクのデータ書き込み/読み出しを行う。
【0005】
光ディスクライブラリ装置は複数の光ディスクを収容するカートリッジを有しており、その収容可能数は光ディスクドライブの実装数よりも多い。光ディスクライブラリ装置は、カートリッジと光ディスクドライブとの間で光ディスクを搬送することで、収納している全ての光ディスクのアクセスを可能とする。
【0006】
光ディスクライブラリ装置には、光ディスクをカートリッジと光ディスクドライブとの間で搬送するための機構(ディスク搬送部)が実装されている。ディスク搬送部は、カートリッジから光ディスクを取り込み、それを光ディスクドライブに搬送する。また、搬送機構は、光ディスクドライブから取り込んだ光ディスクをカートリッジの収容空間(ディクス格納溝)に搬送する。以後、光ディスクライブラリ装置を単にディスクライブラリ装置と呼ぶ。同様に、光ディスクをディスクと呼び、光ディスクドライブをディスクドライブと呼ぶ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−344871号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ディスクライブラリ装置において故障が発生すると、その故障の修理又はディスクライブラリからディスクを取り出し他のディスクライブラリに組み込む作業が必要となる。これら作業の間、システムは、ディスクにアクセスすることができない。また、これら作業における、ディスクへの塵埃の付着の可能性がある。
【0009】
ディスクの取り込み、排出及び搬送を行うディスク搬送部は、機械的に動作する多くの機械部品を含む。機械部品は、電子部品と比較して故障の可能性が高く、信頼性が低い。従って、ディスクライブラリ装置において、ディスク搬送部における故障に対する信頼性の向上が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様のディスクライブラリ装置は、第1方向において一列に配列されそれぞれがディスクを収容可能な複数のディクス格納溝を含み、前記複数のディクス格納溝に収容されているディスクはディスク主面が対向するように配列される、カートリッジと、前記カートリッジから搬送されたディスクを取り込みアクセスするディスクドライブと、前記第1方向において移動し、前記ディスクドライブと前記カートリッジとの間においてディスクを搬送するように構成されたディスク搬送部とを含む。前記ディスク搬送部は、前記複数のディクス格納溝それぞれから、収容されているディスクの主面に沿った方向に当該ディスクを排出するように構成された第1ディスク蹴り出し部と、前記複数のディクス格納溝それぞれから、収容されているディスクの主面に沿った方向に当該ディスクを排出するように構成された第2ディスク蹴り出し部と、前記カートリッジから排出されたディスクを取り込み前記ディスクドライブに搬送するように構成された第1ディスク収容器と、前記カートリッジから排出されたディスクを取り込み前記ディスクドライブに搬送するように構成された第2ディスク収容器を含む。前記第1ディスク収容器は、前記第1ディスク蹴り出し部が排出するディスクを取り込む第1取り込み位置及び前記第2ディスク蹴り出し部が排出するディスクを取り込む第2取り込み位置のそれぞれの位置につくように、前記第1ディスク蹴り出し部及び前記第2ディスク蹴り出し部に対して相対的に移動するように構成されている。前記第2ディスク収容器は、前記第1取り込み位置及び前記第2取り込み位置のそれぞれの位置につくように、前記第1ディスク蹴り出し部及び前記第2ディスク蹴り出し部に対して相対的に移動するように構成されている。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一態様によると、光ディスクライブラリ装置の信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態において、光ディスクライブラリ装置の全体構成の外観を模式的に示す図である。
【図2】本発明の実施形態において、光ディスクライブラリ装置の内部構成を模式的に示す図である。
【図3】本発明の実施形態において、光ディスクライブラリ装置の内部構成を模式的に示す図である。
【図4】本発明の実施形態において、ディスク搬送部によるカートリッジのディクス格納溝からの光ディスクの取り込み動作を模式的に示す図である。
【図5A】本発明の実施形態において、ディスク搬送部の構成を模式的に示す図である。
【図5B】本発明の実施形態において、ディスク搬送部の動作を模式的に示す図である。
【図6A】本発明の実施形態において、ディスク搬送部の回転動作を模式的に示す図である。
【図6B】本発明の実施形態において、ディスク搬送部の回転動作を模式的に示す図である。
【図7A】本発明の実施形態において、ディスク搬送部の回転動作を模式的に示す図である。
【図7B】本発明の実施形態において、ディスク搬送部の回転動作を模式的に示す図である。
【図8A】本発明の実施形態において、ディスク搬送部により光ディスクを光ディスクライブラリ装置の外部に排出する動作を模式的に示す図である。
【図8B】本発明の実施形態において、ディスク搬送部により光ディスクを光ディスクライブラリ装置の外部に排出する動作を模式的に示す図である。
【図9】本発明の実施形態において、光ディスクライブラリ装置の駆動系を模式的に示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下において、本発明の実施の形態を説明するが、本発明は以下に説明する実施形態に限定されるものではない。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略及び簡略化がなされている。
【0014】
本実施形態は、ディスクライブラリ装置100において、記憶ディスク(以下においてディスクとも呼ぶ)を搬送する構成に特徴を有している。ディスクライブラリ装置は、ディスク212を収容するカートリッジ201A、201Bと、ディスクにアクセスするディスクドライブ221A、221B、そして、カートリッジとディスクドライブとの間でディスクを搬送するディスク搬送部203を含む。
【0015】
ディスク搬送部203は、カートリッジにある複数のディクス格納溝211A、211Bの一つからからディスクを排出して取り込み、そのディスクをディスクドライブに搬送する。ディスク搬送部は、ディスクドライブから取り込んだディスクをカートリッジのディクス格納溝に搬送する。
【0016】
本実施形態のディスク搬送部203は、ディスク212を収容するディスク収容器231A、231B及びディスクをカートリッジから排出するディスク蹴り出し部232を含む。ディスク蹴り出し部232は、カートリッジのスロットディクス格納溝からディスクを排出し、ディスク収容器は、ディスク蹴り出し部232により排出されたディスクを取り込み、収容する。ディスク搬送部203は、ディスク収容器にディスクを収容した状態でディスクドライブに移動し、ディスク収容器からディスクをディスクドライブに排出する。
【0017】
本実施形態のディスク搬送部203は、複数のディスク収容器及び複数のディスク蹴り出し部を含む。図5Aでは例として、ディスク蹴り出し部232A、232B、232C、232Dを示す。以下に説明する構成においては、二つのディスク収容器及び一つのカートリッジに対応する二つのディスク蹴り出し部232A、232B(または232C、232D)がディスク搬送部203に備えられている。
【0018】
ディスク収容器及びディスク蹴り出し部の一方又は双方が回転運動などで移動する、つまり、ディスク収容器はディスク蹴り出し部232に対して相対的に移動することができ、二つのディスク収容器のそれぞれが、二つのディスク蹴り出し部232のいずれがカートリッジから排出したディスも取り込み、収容することができる。これにより、ディスクライブラリ装置の信頼性が高まる。
【0019】
カートリッジからディスクを排出するディスク蹴り出し部とディスク蹴り出し部が排出したディスクを収容するディスク収容器とのペアが固定されている場合、異なるペアのディスク蹴り出し部とディスク収容器が故障すると、ディスク搬送部はカートリッジからディスクを取り出し、ディスクドライブに搬送することができない。
【0020】
上述のように、本実施形態のディスク搬送部は、ディスク収容器とディスク蹴り出し部のペアを変更することができるので、いずれのディスク収容器及びディスク蹴り出し部232のペアが故障しても、ディスク搬送部203は、他のディスク収容器及びディスク蹴り出し部232のペアによって、カートリッジからディスクを取り出し、ディスクドライブに搬送することができる。
【0021】
図1は、本実施形態における光ディスクライブラリ装置の全体構成における外観を模式的に示す図である。光ディスクライブラリ装置100は、略直方体の筺体内に各部品を収容している。図1において、筐体カバー101と前面102とが図示されている。前面102には、二つのカートリッジの前面104A、104Bが露出している。ユーザは、光ディスクライブラリ装置100に接続する図で示さないコントローラから、光ディスクライブラリ装置100を操作することができる。光ディスクライブラリ装置100は、操作のためのどのようなインターフェースを有していてもよい。
【0022】
図2は、筐体カバー101を外した光ディスクライブラリ装置100の内部構成を模式的に示す図である。光ディスクライブラリ装置100は、その筺体内に、複数の光ディスクを収容するカートリッジ201A、201B、複数の光ディスクドライブを示す221A、221B、そして、ディスク搬送部203を収容している。ディスク搬送部203は、カートリッジ201A、201Bと光ディスクドライブ221A、221Bとの間において、光ディスクを搬送する。
【0023】
図2に示すように、カートリッジ201A、201Bは、光ディスクライブラリ装置100に着脱可能である。ユーザは、前後方向においてカートリッジ201A若しくはカートリッジ201Bを筺体から取り出し、光ディスク212を交換して取り出したカートリッジを筺体に挿入する若しくは別のカートリッジを挿入することができる。
【0024】
カートリッジ201A、201Bは、筺体に固定されていてもよい。例えば、ユーザは、筐体カバー101を外して、カートリッジ201A、201Bのディクス格納溝の光ディスクを交換することができる。若しくは、後述するように、ディスク搬送部203が光ディスクを光ディスクライブラリ装置100の外部に排出し、外部から取り込む機能を有する場合、ユーザは、ディスク搬送部203を使用して光ディスク212の交換を行うことができる。
【0025】
図3は、筐体カバー101を外した光ディスクライブラリ装置100の内部構成を模式的に示す図である。図3において、一部は透過して描かれている。カートリッジ201A、201Bは、それぞれ、複数の光ディスクを収容する。光ディスクドライブ221A、221Bは、それぞれ、複数の光ディスクドライブを示す。
【0026】
図3において、X方向を前後方向、Y方向を左右方向、そしてZ方向を上下方向と呼ぶ。本例において、これら3方向は互いに垂直である。光ディスクライブラリ装置100の設置状態に依存するが、典型的には、上下方向は鉛直方向であり、前後方向及び左右方向は水平方向である。前後方向は筺体前面102と筺体背面208との間で定義され、筺体前面102から筺体背面208又は筺体背面208から筺体前面102へ向かう方向である。
【0027】
ディスク搬送部203は、前後方向の延びるスライドレール205に支持されている。光ディスク212を収容しているディスク搬送部203はスライドレール205において前後方向において移動して、カートリッジ201A、201Bと光ディスクドライブ221A、221Bとの間において、光ディスク212を搬送する。ディスク搬送部203の構成及び動作の詳細は後述するが、図5A、図5Bに示すように、ディスク搬送部203は、二つのディスク収容器231A、231B、四つのディスク蹴り出し部232A〜232D、それらを支持するディスク蹴り出し部支持部501を含む。
【0028】
光ディスクライブラリ装置100が収容する光ディスクの種類は、例えば、BD(Blu-ray Disc)である。光ディスクライブラリ装置100は、その仕様により、単一種類又は複数種類の光ディスクを収容する。また、光ディスクライブラリ装置100は、片面のみに記録面を有している光ディスク、両面に記録面を有する光ディスク、又は双方のタイプの光ディスクを収容する。
【0029】
図3に示すように、カートリッジ201Aは、前後方向(Y方向)に一列に配列された複数のスロットディクス格納溝211Aを有し、各ディクス格納溝211A内に光ディスク212を収容することができる。例えば、カートリッジ201Aは、一列に配列された数百のディクス格納溝を有する。図3においては、カートリッジ201Aの二つのディクス格納溝及びカートリッジ201Aに収容された1枚の光ディスク212が符号で指示されている。
【0030】
隣接ディクス格納溝の間には、隣接ディクス格納溝を仕切る壁が形成されている。各ディクス格納溝に一枚の光ディスクを適切に収容することができるのであれば、ディクス格納溝を画定する壁はどのような形状を有していてもよい。例えば、隣接ディクス格納溝間の仕切り壁はディクス格納溝の一面全体を覆ってもよく、仕切り壁に孔形成されており、その貫通孔により隣接ディクス格納溝が連通していてもよい。
【0031】
図3に示すように、カートリッジ201A内において、光ディスク212は、主面が対向するように配列される。光ディスク212の主面は、記録面及びその裏面それぞれ(両面記録において記録面それぞれ)であり、円板状の面のそれぞれである。図3において、光ディスク212は、カートリッジ201A内において、前後方向(Y方向)に配列されている。
【0032】
光ディスク212の主面に沿った方向は実質的にYZ平面内の方向であり、光ディスク212は、カートリッジ201A内で、主面法線方向において配列される。図3に示す光ディスク212の配列方法は一例であり、光ディスク212の主面法線方向と配列方向とが所定の角度を有していていもよい。
【0033】
もう一つのカートリッジ201Bは、カートリッジ201Aと、左右対称の同様の構成を有している。筺体内において、カートリッジ201Bは、カートリッジ201Aと左右対称の位置に配置されている。具体的には、もう一つのカートリッジ201Bは、前後方向に一列に配列された複数のディクス格納溝を211B有し、各ディクス格納溝211B内に光ディスク212を収容することができる。図3において、二つのディクス格納溝が符号211Bで例示的に指示されている。
【0034】
図3の構成例において、光ディスクドライブ221A、221Bは、それぞれ、前後方向においてカートリッジ201A、201Bと一列に配列されている。カートリッジ201A、201Bのそれぞれの後ろに、光ディスクドライブが配置されている。
【0035】
光ディスクドライブ221A、221Bに対する光ディスク212の挿入・排出方向は左右方向であり、光ディスク212は主面に沿った方向に挿入・排出される。これは、カートリッジ201A、201Bに対する光ディスク212の挿入・排出方向と同様である。光ディスクドライブ221A、221Bに挿入された光ディスクの回転軸の軸方向(主面の法線方向)は、前後方向である。
【0036】
本構成例において、ディスク収容器231A、231Bは、それぞれ、いずれのディクス格納溝211A、211B及びいずれの光ディスクドライブ221A、221Bとの間においても光ディスク212の受け渡しを行うことができる。
【0037】
図4は、ディスク搬送部203による、カートリッジ201Bからの光ディスク212の取り込み動作を模式的に示している。一部は透過して示されている。ディスク搬送部203のディスク収容器231A、231Bは、それぞれ、光ディスク212を取り込み収容し、収容している光ディスク212を排出することができる。ディスク収容器231A、231Bは、カートリッジ201Aとカートリッジ201Bとの間において前後方向において移動する。
【0038】
本構成例において、ディスク収容器231A、231Bは、それぞれ、カートリッジ201A、201Bの双方から光ディスク212を取り込み、さらに、カートリッジ201A、201Bの双方に光ディスク212を排出することができる。図4の例において、ディスク搬送部203のディスク蹴り出し部232Cが、ディクス格納溝211Bに収容されている光ディスク212を排出する。
【0039】
各ディクス格納溝211Bは、カートリッジ201Aに対向する開口401を有する。図4においては、一つのディクス格納溝211Bの開口が、符号401で指示されている。ディクス格納溝211Aも同様に、カートリッジ201Bに対向する開口を有し、その開口を通って光ディスク212がディクス格納溝211Aから排出、挿入される。
【0040】
光ディスク212は、その主面に沿った左右方向においてディクス格納溝211Bから排出される。図4の例において、光ディスク212は、筺体内中央に位置するディスク収容器211Aに向かって排出される。光ディスク212の外周端(側面)はディクス格納溝211Bの開口401から露出する。カートリッジ201Aの開口(図4において不図示)は、光ディスク212を取り込むため、ディクス格納溝211Bの開口401に対向している。
【0041】
ディスク蹴り出し部232Cは、光ディスク212を、ディスク収容器231Aに向かって押し出す。具体的には、ディスク蹴り出し部232Cが光ディスク212の外周端(リング状側面)を蹴り出し、光ディスク212が、カートリッジ201Aの開口に向かって移動する。排出された光ディスク212は、ディスク収容器231Aの収容空間内に収容される。ディスク収容器231Aに収容されている光ディスク212の向きは、ディクス格納溝211Bにおける光ディスク212の向きと同様であり、その主面の法線方向が前後方向である。
【0042】
ディスク搬送部203は、ディスク収容器231Aの向きを維持したまま後方に移動し、ディスク収容器231Aから左右方向において開口から光ディスク212を排出して、光ディスクドライブ221A又は221Bに挿入することができる。
【0043】
図5A及び図5Bは、ディスク搬送部203の構成及び動作を模式的に示す図である。ディスク搬送部203は、光ディスクを収容可能な直方体状のディスク収容器231A、231B、光ディスク212をカートリッジ201Aのディクス格納溝211A又はカートリッジ201Bのディクス格納溝211Bから排出可能な機構のディスク蹴り出し部232A〜232Dを含む。
【0044】
図5A及び図5Bに示すディスク収容器231A、231Bの位置において、ディスク収容器231Aは、ディスク蹴り出し部232A及びディスク蹴り出し部232Cにより排出された光ディスク212を取り込むことができる。一方、ディスク収容器231Bは、ディスク蹴り出し部232B及びディスク蹴り出し部232Dにより排出された光ディスク212を取り込むことができる。
【0045】
ディスク収容器231A、231B、ディスク蹴り出し部232A〜232Dは、左右方向に延びる略矩形板形状のディスク蹴り出し部支持部501に支持されている。図3に示すように、ディスク蹴り出し部支持部501はスライドレール205に支持されている。ディスク搬送部203の前後方向の移動において、ディスク蹴り出し部支持部501、ディスク収容器231A、231B、ディスク蹴り出し部232A〜232Dが、共に、前後方向に移動する。
【0046】
ディスク収容器231A、231Bは、回転軸502を介して、ディスク蹴り出し部支持部501の中央に支持されている。回転軸502の軸方向は上下方向であり、ディスク収容器231A、231Bが、回転軸502において、一方向又は双方向に回転することができる。ディスク収容器231A、231Bは、それらの間にあるディスク収容器支持部503に固定されており、ディスク収容器231A、231Bは、一緒に回転軸502において回転する。
【0047】
ディスク収容器支持部503は、例えば図5A、5Bに示す矩形板状又は矩形リング状の部品であり、ディスク収容器231A、231Bを固定し、回転軸502を中心に線対称に回転することができる。ディスク収容器支持部503の形状は、矩形板状および矩形リング状でなくてもよい。ディスク蹴り出し部支持部501に取り付けられているモータ(不図示)により回転軸502においてディスク収容器支持部503が、ディスク収容器231A、231Bと共に回転する。ディスク搬送部203は、ディスク収容器支持部503を有し無い構成でもよい。ていなくともよい。
【0048】
図5Aにおいて、ディスク収容器231Aは、開口504Aを有している。開口504Aは、ディスク蹴り出し部232Aに対向している。ディスク収容器231Aは、開口504Aが形成されている面の反対面にも開口(図6Aにおける701A)を有しており、その開口701Aはディスク蹴り出し部232Cに対向している。このように、図5Aに示す位置において、ディスク収容器231Aは、左右方向の双方に向いた開口504A、701Aを有している。
【0049】
ディスク収容器231Aは、ディスク蹴り出し部232Aによりカートリッジ201Aから排出された光ディスク212を、開口504Aを介して取り込むことができる。ディスク収容器231Aは、ディスク蹴り出し部232Cによりカートリッジ201Bから排出された光ディスク212を、開口701Aを介して取り込むことができる。
【0050】
同様に、図5Aにおいて、ディスク収容器231Bは、開口504Bを有している。開口504Bは、ディスク蹴り出し部232Bに対向している。ディスク収容器231Bは、開口504Bが形成されている面の反対面にも開口(図6Aにおける701B)を有しており、その開口701Bはディスク蹴り出し部232Dに対向している。ディスク収容器231Bの二つの開口504B、701Bの向きは、ディスク収容器231Aの二つの開口504A、701Aの向きと同じである。
【0051】
ディスク収容器231Bは、ディスク蹴り出し部232Bによりカートリッジ201Aから排出された光ディスク212を、開口504Bを介して取り込むことができる。ディスク収容器231Bは、ディスク蹴り出し部232Dによりカートリッジ201Bから排出された光ディスク212を、開口701Bを介して取り込むことができる。
【0052】
ディスク蹴り出し部支持部501の左右方向における一方の端に、ディスク蹴り出し部232A、232Bが支持されている。ディスク蹴り出し部232A、232Bは、前後方向に配列されている。ディスク蹴り出し部支持部501の左右方向における他方の端に、ディスク蹴り出し部232C、232Dが支持されている。ディスク蹴り出し部232C、232Dは、前後方向に配列されている。
【0053】
図2〜図4に示すように、カートリッジ201Aのディクス格納溝211Aは、ディスク蹴り出し部232Aとディスク収容器231Aと間又はディスク蹴り出し部232Bとディスク収容器231Bと間にある。カートリッジ201Bのディクス格納溝211Bは、ディスク蹴り出し部232Cとディスク収容器231Aと間又はディスク蹴り出し部232Dとディスク収容器231Bと間にある。
【0054】
ディスク蹴り出し部232A〜232Dは、それぞれ、前後方向に延びる回動軸において左右方向において回動し、ディクス格納溝内の光ディスク212をディスク収容器に対して押し出すことができる。図5Bは、ディスク蹴り出し部232Aが、光ディスク212を押し出す動作を模式的に示している。ディスク蹴り出し部232Aは、反対側に位置するディスク収容器231Aに向かって回動し、ディクス格納溝211A内の光ディスク212を、ディスク収容器231Aに向かって押し出す。
【0055】
ディスク蹴り出し部232Aが回動して光ディスク212を排出するとき、反対側に位置するディスク収容器231Aの開口504Aは、ディクス格納溝211Aの開口と向かい合っている。ディスク蹴り出し部232Aによりディクス格納溝211Aから排出された光ディスク212は、開口504Aからディスク収容器231Aの収容空間に入る。
【0056】
ディスク収容器231Aは、図示しないが、その内部に、光ディスク212を支持し移動する機構を有している。図示していないが、ディスク収容器231Bも同様の機構をその収容空間内に有する。この機構は、ディスク収容器231Aの二つの対向する開口504A、701A間を通してディスクの取り込み、排出を行う。
【0057】
上述のように、ディスク収容器231A、231Bは、回転軸502において回転することができる。図6Aの斜視図及び図6Bの上面図は、図5Aに示す位置(向き)から、上から見て反時計周りに90°回転した位置(向き)にあるディスク収容器231A、231Bを示している。
【0058】
ディスク収容器231A、231Bそれぞれの開口701A、702Bが前面102(前方)を向いており、反対側の開口504A、504Bは後方を向いている。図6Bに示すように、本例において、ディスク収容器231A、231Bの相対位置及び形状は回転軸502について対称であり、回転軸502は、前後方向及び左右方向において、ディスク収容器231A、231Bの中心に位置する。
【0059】
図7Aの斜視図及び図7Bの上面図は、図6A、図6Bに示す位置(向き)から、上から見て反時計周りに90°回転した位置(向き)にあるディスク収容器231A、231Bを示している。ディスク収容器231A、231Bは、図5Aに示す位置(向き)から180°回転している。ディスク収容器231A、231Bのそれぞれの位置は、図5Aに示す位置から入れ替わっている。ディスク収容器231Aは図5Aにおけるディスク収容器231Bの位置にあり、ディスク収容器231Bは図5Aにおけるディスク収容器231Aの位置にある。
【0060】
図7A、図7Bの位置において、ディスク収容器231Aは、ディスク蹴り出し部232B及びディスク蹴り出し部232Dに対向している。ディスク収容器231Bは、ディスク蹴り出し部232A及びディスク蹴り出し部232Cに対向している。さらに、開口701A及び開口701Bは、それぞれ、ディスク蹴り出し部232B及びディスク蹴り出し部232Aに対向している。
【0061】
図7A、図7Bにおいて、ディスク収容器231Aは、ディスク蹴り出し部232B及びディスク蹴り出し部232Dに対するディスク取り込み位置にあり、ディスク蹴り出し部232B又はディスク蹴り出し部232Dが排出した光ディスク212を取り込むことができる。ディスク収容器231Bは、ディスク蹴り出し部232A及びディスク蹴り出し部232Cに対するディスク取り込み位置にあり、ディスク蹴り出し部232A又はディスク蹴り出し部232Cが排出した光ディスク212を取り込むことができる。
【0062】
具体的には、ディスク収容器231Aの開口701Aは、カートリッジ201Aのディクス格納溝211Aに対向し、ディスク蹴り出し部232Bが排出した光ディスク212は、開口701Aからディスク収容器231Aに入る。ディスク収容器231Bの開口701Bは、カートリッジ201Aのディクス格納溝211Aに対向し、ディスク蹴り出し部232Aが排出した光ディスク212は、開口701Bからディスク収容器231Bに入る。
【0063】
同様に、ディスク収容器231Aの開口504Aは、カートリッジ201Bのディクス格納溝211Bに対向し、ディスク蹴り出し部232Dが排出した光ディスク212は、開口504Aからディスク収容器231Aに入る。ディスク収容器231Bの開口504Bは、カートリッジ201Bのディクス格納溝211Bに対向し、ディスク蹴り出し部232Cが排出した光ディスク212は、開口504Bからディスク収容器231Bに入る。
【0064】
上述のように、ディスク収容器231A及びディスク収容器231Bのそれぞれは、回転することによって、カートリッジ201Aのディスク蹴り出し部232Aが排出する光ディスクの取り込み位置及びカートリッジ201Aのディスク蹴り出し部232Bが排出する光ディスクの取り込み位置のいずれにも、位置することができる。
【0065】
このように、ディスク収容器231A、231Bは、カートリッジ201Aのディスク蹴り出し部232A、231Bのいずれともペアを構成することができる。ディスク収容器231A、231Bとディスク蹴り出し部232A、232Bのいずれのペアが故障しても、他のディスク収容器とディスク蹴り出し部のペアにより、カートリッジ201Aから光ディスク212を取り出すことができる。
【0066】
同様に、ディスク収容器231A及びディスク収容器231Bのそれぞれは、回転することによって、カートリッジ201Bのディスク蹴り出し部232Cが排出する光ディスクの取り込み位置及びカートリッジ201Bのディスク蹴り出し部232Dが排出する光ディスクの取り込み位置のいずれにも、位置することができる。これにより、いずれのディスク収容器とディスク蹴り出し部のペアが故障しても、他のディスク収容器とディスク蹴り出し部のペアにより、カートリッジ201Bから光ディスク212を取り出すことができる。
【0067】
本構成例は、ディスク収容器231A、231Bを回転することにより、ディスク収容器とディスク蹴り出し部のペアを変更する。これにより、ペア変更におけるディスク収容器とディスク蹴り出し部との位置合わせを正確に行うことができる。また、ペア変更動作のために必要とする空間を小さくすることができる。
【0068】
図8A、図8Bは、光ディスクライブラリ装置100の他の構成例を模式的に示している。本構成例において、光ディスクライブラリ装置100の前面102は、光ディスクを挿入、排出するための開口901A、901Bを有する。光ディスクライブラリ装置100は、開口901A、901Bを介して、光ディスク212の主面に沿って、光ディスク212を外部から取り込み、外部に排出することができる。
【0069】
これにより、カートリッジ201A、201Bを取り出す又はカバーを取り外すことなく光ディスク212の挿入及び排出を行うことができ、光ディスクライブラリ装置100内へ侵入する塵埃を低減することができる。典型的に、開口901A、901Bには、開閉扉が取り付けられている。
【0070】
ディスク搬送部203は、開口901A、901Bから挿入された光ディスク212を取り込み、開口901A、901Bから光ディスク212を外部に排出する。図8A、図8Bは、ディスク収容器231Aが、収容している光ディスク212を、開口901Aから排出する動作例を模式的に示している。
【0071】
例えば、ディスク搬送部203は、カートリッジ201Aのディクス格納溝211Aから、ディスク蹴り出し部232Aにより光ディスク212を排出し、ディスク収容器231A内に開口504Aから取り込む。その後、ディスク搬送部203は、ディスク収容器231Aを上から見て時計周りに90°回転して、開口504Aを前方に向ける。
【0072】
図8Aに示すように、ディスク収容器231Aの開口504Aを前面102(前方)に向けて、前面102に向かって移動する。開口504Aと開口901Aとの距離が所定の値となるとディスク搬送部203は停止する。ディスク搬送部203は、ディスク収容器231Aをいずれの位置で回転してもよく、停止後にディスク収容器231Aを回転してもよい。
【0073】
停止したディスク搬送部203は、ディスク収容器231Aから、開口504A及び開口901Aを介して光ディスク212を排出する。ディスク搬送部203が停止した後、ディスク収容器231A内の支持し移動する機構が光ディスク212を開口504A及び開口901Aに移動し、開口504A及び開口901Aから排出する。
【0074】
図8A、図8Bは、ディスク収容器231Aが開口504A及び開口901Aから光ディスク212を排出する動作例を示すが、逆の動作により、開口901A及び開口504Aから光ディスク212を取り込むことができる。ディスク収容器231Aは、図8A、図8Bに示す向きから180°回転することにより、開口701A及び開口901Bから光ディスク212の排出及び取り込みを行うことができる。
【0075】
同様に、ディスク収容器231Bは、図8Bに示す位置において、開口504B及び開口901Bから光ディスク212の排出及び取り込みを行うことができる。ディスク収容器231Bは、図8A、図8Bに示す向きから180°回転することにより、開口701B及び開口901Aから光ディスク212の排出及び取り込みを行うことができる。なお、開口901A、901Bの一方のみが、形成されていてもよい。また、開口は筺体の他の面、例えば、背面208に形成されていてもよい。
【0076】
図9は、光ディスクライブラリ装置100の駆動系を模式的に示すブロック図である。コントローラ951は光ディスクライブラリ装置100の動作を制御すると共に、外部ホストコンピュータと光ディスクライブラリ装置100との間のインターフェースとして機能する。
【0077】
コントローラ951はホストからコマンドを受け、そのコマンドに応じて光ディスクライブラリ装置100内部の各機構を制御する。例えば、ホストコンピュータから光ディスクへのアクセスコマンド(アクセスは書き込みと読み出しの上位概念)を受けると、ディスク搬送部を使用してコマンドが指定する光ディスクをカートリッジから取り出し、その光ディスクを光ディスクドライブに挿入する。
【0078】
コントローラ951は、さらに、選択した光ディスクドライブにコマンドを送り、指定したアドレスにおけるデータの書き込みあるいは読み出しを指示する。光ディスクドライブは、コントローラ951から受け取ったユーザデータを光ディスクの指定アドレスに書き込み、あるいは、指定アドレスからユーザデータを読み出してコントローラ951に転送する。コントローラ951は、読みだしたデータをホストコンピュータに転送する。
【0079】
コントローラ951は、光ディスクドライブとカートリッジとの間での光ディスクの搬送のため、ディスク搬送部203の動きを制御する。図9に示すように、光ディスクライブラリ装置100は、ディスク搬送部203をスライドレール205に沿って移動するモータ952、ディスク収容器231A、231Bを回転するモータ953、ディスク蹴り出し部232A〜232Dのそれぞれを回動するモータ954A〜954D、ディスク収容器231A、231Bのそれぞれのディスク移動機構を駆動するモータ955A、955Bを有している。
【0080】
ディテクタ971A〜971Dは、それぞれ、ディスク蹴り出し部232A〜232Dの故障を検出する。具体的には、ディテクタ971A〜971Dは、それぞれ、例えば、ディスク蹴り出し部支持部501の下面に取り付けられており、下向き位置から回動して光ディスク212を押し出した後の位置にあるディスク蹴り出し部232A〜232Dを検出する。ディテクタがディスク蹴り出し部を検出しない場合、コントローラ951は、そのディスク蹴り出し部が正常に回動していないと判定する。
【0081】
ディテクタ972A、972Bは、それぞれ、ディスク収容器231A、231Bの故障を検出する。例えば、ディテクタ972A、972Bは、ディスク収容器231A、231Bの収容空間内壁に取り付けられ、特定位置に移動した光ディスク212を検出する。コントローラ951は、ディテクタ972A、972Bの検出結果により、ディスク収容器231A、231Bの故障を判定する。
【0082】
コントローラ951は、各モータを制御して、ディスク搬送部203の各部品の動作を制御する。コントローラ951は、ディスク収容器231A、231Bの一方に故障が検出されると、他方のディスク収容器及びそのディスク収容器とペアを構成する二つのディスク蹴り出し部(例えば、ディスク蹴り出し部232A、232C)を使用して、光ディスク212の排出及び搬送を行う。
【0083】
コントローラ951は、ディスク蹴り出し部232A、232Bの一方に故障が検出されると、他方のディスク蹴り出し部及びそのディスク蹴り出し部とペアを構成するディスク収容器を使用して、光ディスク212のカートリッジ201Aからの排出及び搬送を行う。同様に、ディスク蹴り出し部232C、232Dの一方に故障が検出されると、コントローラ951は、他方のディスク蹴り出し部及びそのディスク蹴り出し部とペアを構成するディスク収容器を使用して、光ディスク212のカートリッジ201Bからの排出及び搬送を行う。
【0084】
ディテクタにより故障が検出されたディスク収容器とディスク蹴り出し部が異なるペアに含まれている場合、ディスク収容器とディスク蹴り出し部のペアを変更するため、ディスク収容器231A、231Bを180°回転する。これにより、正常に動作しているディスク収容器とディスク蹴り出し部のペアを構成することができる。これによりディスク搬送部203の信頼性が向上する。
【0085】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明が上記の実施形態に限定されるものではない。当業者であれば、上記の実施形態の各要素を、本発明の範囲において容易に変更、追加、変換することが可能である。本発明は、光ディスクとは異なる記憶ディスクを使用するディスクライブラリ装置に適用することができる。ディスクライブラリ装置は、記録及び再生の一方の機能のみを有するディスクドライブを使用してもよい。本発明は、いずれの用途に使用されるディスクライブラリ装置にも適用することができる。
【0086】
本発明において、構成部品の数及び材料は特に限定されない。ディスク搬送部203、カートリッジ、光ディスクドライブ221A、221Bは、図を参照して説明した構成とは異なる構成を有しても良い。一般に、ディスク配列方向は、ディスクライブラリ装置の設置環境における水平方向に略一致するが、この方向に限定されない。
【0087】
上記例において、ディスク収容器は、双方向に360°回転(回動)することができる。ディスク収容器は、一方向のみに360°回転(回動)可能な構成又は180°双方向回動可能な構成であってもよい。ディスク搬送部203は、3以上のディスク収容器を有していてもよく、一つのカートリッジに対して3以上のディスク蹴り出し部を有していてもよい。
【0088】
上記構成例は、ディスク収容器を回転してディスク蹴り出し部に対するディスク収容器のディスク取り込み位置を変更するが、ディスク搬送部203は、他の方法によりディスク蹴り出し部に対するディスク収容器の位置を変更してもよい。例えば、ディスク搬送部203は、ディスク収容器を前後方向にシフトして、ディスク収容器とディスク蹴り出し部のペアを変更してもよい。
【0089】
一つのディスク収容器が一つのディスク蹴り出し部によりカートリッジから排出されるディスクの取り込み位置にあるとき、他のディスク収容器は、他のディスク蹴り出し部により上記カートリッジから排出されるディスクの取り込み位置になくともよい。二つのディスク収容器は独立に動くことができる構成であってもよい。ディスク収容器が回転及びシフト可能である構成において、ディスクを排出・挿入するためのディスク収容器の開口は、一つのみでもよい。
【0090】
ディスク搬送部203は、固定されたディスク収容器に対してディスク蹴り出し部を動かすことで、ディスク収容器とディスク蹴り出し部のペアを変更してもよい。例えば、ディスク搬送部203は、カートリッジからディスクを排出する二つのディスク蹴り出し部(例えば、ディスク蹴り出し部232A、232B)を上下方向を軸として180°回転する又は前後方向にシフトする。ディスク搬送部203は、ディスク収容器とディスク蹴り出し部の双方を動かして、ディスク収容器とディスク蹴り出し部のペアを構成してもよい。
【0091】
ディスクライブラリ装置が有するカートリッジ201A、201Bの一方のみを有していてもよい。ディスク搬送部203がディスク収容器又はディスク蹴り出し部をシフトして、ディスク収容器とディスク蹴り出し部のペアを変更する構成において、ディスク収容器の開口は一つのみでもよい。
【0092】
ディスクドライブの挿入・排出開口は、ディクス格納溝と同一の方向を向いていなくともよい。例えば、ディスクドライブは二つのカートリッジの間に位置し、ディスクドライブの開口は前方を向いており、ディスク搬送部203は、ディクス格納溝からディスクを取り込んだディスク収容器を90°回転させて、ディスクドライブに対してディスクを排出してもよい。
【符号の説明】
【0093】
100 光ディスクライブラリ装置、101 筐体カバー、102 筺体前面、104A、104B カートリッジ前面、201A、201B カートリッジ、203 ディスク搬送部、205 スライドレール、208 筺体背面、211A、211B ディクス格納溝、212 光ディスク、221A、221B 光ディスクドライブ、231A、231B ディスク収容器、232A−232D ディスク蹴り出し部、401 ディクス格納溝の開口、501 ディスク蹴り出し部支持部、502 回転軸、503 ディスク収容器支持部、504A、504B ディスク収容器の開口、701A、701B ディスク収容器の開口、901A、901B 筺体前面の開口
【技術分野】
【0001】
本発明は、データを記憶するディスクのライブラリ装置に関し、特に、ディスクライブラリ装置においてディスクを搬送する構成に関する。
【背景技術】
【0002】
データを記憶する媒体として、光ディスク、磁気ディスク、そして光磁気ディスクなど、いくつかの種類のデータ記憶ディスクが知られている。その中で、光ディスクは、リムーバブルメディアとして広く使用されている。データを記憶する光ディスクの種類として、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)あるいはBD(Blu-ray Disc)などが知られている。
【0003】
金融業界、放送業界及び医療業界などの業界において、大量のデータを長期に保存する要求がある。この用途のデータ・ストレージ装置は、データ長期保存に高い信頼性を有する光ディスクを使用することが好ましい。光ディスクの記憶容量は技術の進歩と共に増加しているが、1枚の光ディスクが格納することができるデータ量は限られている。
【0004】
データの長期保存に適した大容量のストレージ装置として、光ディスクライブラリ装置が知られている(例えば特許文献1を参照)。光ディスクライブラリ装置は、複数枚の光ディスクを収容可能であり、実装されている光ディスクドライブにより、各光ディスクのデータ書き込み/読み出しを行う。
【0005】
光ディスクライブラリ装置は複数の光ディスクを収容するカートリッジを有しており、その収容可能数は光ディスクドライブの実装数よりも多い。光ディスクライブラリ装置は、カートリッジと光ディスクドライブとの間で光ディスクを搬送することで、収納している全ての光ディスクのアクセスを可能とする。
【0006】
光ディスクライブラリ装置には、光ディスクをカートリッジと光ディスクドライブとの間で搬送するための機構(ディスク搬送部)が実装されている。ディスク搬送部は、カートリッジから光ディスクを取り込み、それを光ディスクドライブに搬送する。また、搬送機構は、光ディスクドライブから取り込んだ光ディスクをカートリッジの収容空間(ディクス格納溝)に搬送する。以後、光ディスクライブラリ装置を単にディスクライブラリ装置と呼ぶ。同様に、光ディスクをディスクと呼び、光ディスクドライブをディスクドライブと呼ぶ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−344871号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ディスクライブラリ装置において故障が発生すると、その故障の修理又はディスクライブラリからディスクを取り出し他のディスクライブラリに組み込む作業が必要となる。これら作業の間、システムは、ディスクにアクセスすることができない。また、これら作業における、ディスクへの塵埃の付着の可能性がある。
【0009】
ディスクの取り込み、排出及び搬送を行うディスク搬送部は、機械的に動作する多くの機械部品を含む。機械部品は、電子部品と比較して故障の可能性が高く、信頼性が低い。従って、ディスクライブラリ装置において、ディスク搬送部における故障に対する信頼性の向上が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様のディスクライブラリ装置は、第1方向において一列に配列されそれぞれがディスクを収容可能な複数のディクス格納溝を含み、前記複数のディクス格納溝に収容されているディスクはディスク主面が対向するように配列される、カートリッジと、前記カートリッジから搬送されたディスクを取り込みアクセスするディスクドライブと、前記第1方向において移動し、前記ディスクドライブと前記カートリッジとの間においてディスクを搬送するように構成されたディスク搬送部とを含む。前記ディスク搬送部は、前記複数のディクス格納溝それぞれから、収容されているディスクの主面に沿った方向に当該ディスクを排出するように構成された第1ディスク蹴り出し部と、前記複数のディクス格納溝それぞれから、収容されているディスクの主面に沿った方向に当該ディスクを排出するように構成された第2ディスク蹴り出し部と、前記カートリッジから排出されたディスクを取り込み前記ディスクドライブに搬送するように構成された第1ディスク収容器と、前記カートリッジから排出されたディスクを取り込み前記ディスクドライブに搬送するように構成された第2ディスク収容器を含む。前記第1ディスク収容器は、前記第1ディスク蹴り出し部が排出するディスクを取り込む第1取り込み位置及び前記第2ディスク蹴り出し部が排出するディスクを取り込む第2取り込み位置のそれぞれの位置につくように、前記第1ディスク蹴り出し部及び前記第2ディスク蹴り出し部に対して相対的に移動するように構成されている。前記第2ディスク収容器は、前記第1取り込み位置及び前記第2取り込み位置のそれぞれの位置につくように、前記第1ディスク蹴り出し部及び前記第2ディスク蹴り出し部に対して相対的に移動するように構成されている。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一態様によると、光ディスクライブラリ装置の信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態において、光ディスクライブラリ装置の全体構成の外観を模式的に示す図である。
【図2】本発明の実施形態において、光ディスクライブラリ装置の内部構成を模式的に示す図である。
【図3】本発明の実施形態において、光ディスクライブラリ装置の内部構成を模式的に示す図である。
【図4】本発明の実施形態において、ディスク搬送部によるカートリッジのディクス格納溝からの光ディスクの取り込み動作を模式的に示す図である。
【図5A】本発明の実施形態において、ディスク搬送部の構成を模式的に示す図である。
【図5B】本発明の実施形態において、ディスク搬送部の動作を模式的に示す図である。
【図6A】本発明の実施形態において、ディスク搬送部の回転動作を模式的に示す図である。
【図6B】本発明の実施形態において、ディスク搬送部の回転動作を模式的に示す図である。
【図7A】本発明の実施形態において、ディスク搬送部の回転動作を模式的に示す図である。
【図7B】本発明の実施形態において、ディスク搬送部の回転動作を模式的に示す図である。
【図8A】本発明の実施形態において、ディスク搬送部により光ディスクを光ディスクライブラリ装置の外部に排出する動作を模式的に示す図である。
【図8B】本発明の実施形態において、ディスク搬送部により光ディスクを光ディスクライブラリ装置の外部に排出する動作を模式的に示す図である。
【図9】本発明の実施形態において、光ディスクライブラリ装置の駆動系を模式的に示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下において、本発明の実施の形態を説明するが、本発明は以下に説明する実施形態に限定されるものではない。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略及び簡略化がなされている。
【0014】
本実施形態は、ディスクライブラリ装置100において、記憶ディスク(以下においてディスクとも呼ぶ)を搬送する構成に特徴を有している。ディスクライブラリ装置は、ディスク212を収容するカートリッジ201A、201Bと、ディスクにアクセスするディスクドライブ221A、221B、そして、カートリッジとディスクドライブとの間でディスクを搬送するディスク搬送部203を含む。
【0015】
ディスク搬送部203は、カートリッジにある複数のディクス格納溝211A、211Bの一つからからディスクを排出して取り込み、そのディスクをディスクドライブに搬送する。ディスク搬送部は、ディスクドライブから取り込んだディスクをカートリッジのディクス格納溝に搬送する。
【0016】
本実施形態のディスク搬送部203は、ディスク212を収容するディスク収容器231A、231B及びディスクをカートリッジから排出するディスク蹴り出し部232を含む。ディスク蹴り出し部232は、カートリッジのスロットディクス格納溝からディスクを排出し、ディスク収容器は、ディスク蹴り出し部232により排出されたディスクを取り込み、収容する。ディスク搬送部203は、ディスク収容器にディスクを収容した状態でディスクドライブに移動し、ディスク収容器からディスクをディスクドライブに排出する。
【0017】
本実施形態のディスク搬送部203は、複数のディスク収容器及び複数のディスク蹴り出し部を含む。図5Aでは例として、ディスク蹴り出し部232A、232B、232C、232Dを示す。以下に説明する構成においては、二つのディスク収容器及び一つのカートリッジに対応する二つのディスク蹴り出し部232A、232B(または232C、232D)がディスク搬送部203に備えられている。
【0018】
ディスク収容器及びディスク蹴り出し部の一方又は双方が回転運動などで移動する、つまり、ディスク収容器はディスク蹴り出し部232に対して相対的に移動することができ、二つのディスク収容器のそれぞれが、二つのディスク蹴り出し部232のいずれがカートリッジから排出したディスも取り込み、収容することができる。これにより、ディスクライブラリ装置の信頼性が高まる。
【0019】
カートリッジからディスクを排出するディスク蹴り出し部とディスク蹴り出し部が排出したディスクを収容するディスク収容器とのペアが固定されている場合、異なるペアのディスク蹴り出し部とディスク収容器が故障すると、ディスク搬送部はカートリッジからディスクを取り出し、ディスクドライブに搬送することができない。
【0020】
上述のように、本実施形態のディスク搬送部は、ディスク収容器とディスク蹴り出し部のペアを変更することができるので、いずれのディスク収容器及びディスク蹴り出し部232のペアが故障しても、ディスク搬送部203は、他のディスク収容器及びディスク蹴り出し部232のペアによって、カートリッジからディスクを取り出し、ディスクドライブに搬送することができる。
【0021】
図1は、本実施形態における光ディスクライブラリ装置の全体構成における外観を模式的に示す図である。光ディスクライブラリ装置100は、略直方体の筺体内に各部品を収容している。図1において、筐体カバー101と前面102とが図示されている。前面102には、二つのカートリッジの前面104A、104Bが露出している。ユーザは、光ディスクライブラリ装置100に接続する図で示さないコントローラから、光ディスクライブラリ装置100を操作することができる。光ディスクライブラリ装置100は、操作のためのどのようなインターフェースを有していてもよい。
【0022】
図2は、筐体カバー101を外した光ディスクライブラリ装置100の内部構成を模式的に示す図である。光ディスクライブラリ装置100は、その筺体内に、複数の光ディスクを収容するカートリッジ201A、201B、複数の光ディスクドライブを示す221A、221B、そして、ディスク搬送部203を収容している。ディスク搬送部203は、カートリッジ201A、201Bと光ディスクドライブ221A、221Bとの間において、光ディスクを搬送する。
【0023】
図2に示すように、カートリッジ201A、201Bは、光ディスクライブラリ装置100に着脱可能である。ユーザは、前後方向においてカートリッジ201A若しくはカートリッジ201Bを筺体から取り出し、光ディスク212を交換して取り出したカートリッジを筺体に挿入する若しくは別のカートリッジを挿入することができる。
【0024】
カートリッジ201A、201Bは、筺体に固定されていてもよい。例えば、ユーザは、筐体カバー101を外して、カートリッジ201A、201Bのディクス格納溝の光ディスクを交換することができる。若しくは、後述するように、ディスク搬送部203が光ディスクを光ディスクライブラリ装置100の外部に排出し、外部から取り込む機能を有する場合、ユーザは、ディスク搬送部203を使用して光ディスク212の交換を行うことができる。
【0025】
図3は、筐体カバー101を外した光ディスクライブラリ装置100の内部構成を模式的に示す図である。図3において、一部は透過して描かれている。カートリッジ201A、201Bは、それぞれ、複数の光ディスクを収容する。光ディスクドライブ221A、221Bは、それぞれ、複数の光ディスクドライブを示す。
【0026】
図3において、X方向を前後方向、Y方向を左右方向、そしてZ方向を上下方向と呼ぶ。本例において、これら3方向は互いに垂直である。光ディスクライブラリ装置100の設置状態に依存するが、典型的には、上下方向は鉛直方向であり、前後方向及び左右方向は水平方向である。前後方向は筺体前面102と筺体背面208との間で定義され、筺体前面102から筺体背面208又は筺体背面208から筺体前面102へ向かう方向である。
【0027】
ディスク搬送部203は、前後方向の延びるスライドレール205に支持されている。光ディスク212を収容しているディスク搬送部203はスライドレール205において前後方向において移動して、カートリッジ201A、201Bと光ディスクドライブ221A、221Bとの間において、光ディスク212を搬送する。ディスク搬送部203の構成及び動作の詳細は後述するが、図5A、図5Bに示すように、ディスク搬送部203は、二つのディスク収容器231A、231B、四つのディスク蹴り出し部232A〜232D、それらを支持するディスク蹴り出し部支持部501を含む。
【0028】
光ディスクライブラリ装置100が収容する光ディスクの種類は、例えば、BD(Blu-ray Disc)である。光ディスクライブラリ装置100は、その仕様により、単一種類又は複数種類の光ディスクを収容する。また、光ディスクライブラリ装置100は、片面のみに記録面を有している光ディスク、両面に記録面を有する光ディスク、又は双方のタイプの光ディスクを収容する。
【0029】
図3に示すように、カートリッジ201Aは、前後方向(Y方向)に一列に配列された複数のスロットディクス格納溝211Aを有し、各ディクス格納溝211A内に光ディスク212を収容することができる。例えば、カートリッジ201Aは、一列に配列された数百のディクス格納溝を有する。図3においては、カートリッジ201Aの二つのディクス格納溝及びカートリッジ201Aに収容された1枚の光ディスク212が符号で指示されている。
【0030】
隣接ディクス格納溝の間には、隣接ディクス格納溝を仕切る壁が形成されている。各ディクス格納溝に一枚の光ディスクを適切に収容することができるのであれば、ディクス格納溝を画定する壁はどのような形状を有していてもよい。例えば、隣接ディクス格納溝間の仕切り壁はディクス格納溝の一面全体を覆ってもよく、仕切り壁に孔形成されており、その貫通孔により隣接ディクス格納溝が連通していてもよい。
【0031】
図3に示すように、カートリッジ201A内において、光ディスク212は、主面が対向するように配列される。光ディスク212の主面は、記録面及びその裏面それぞれ(両面記録において記録面それぞれ)であり、円板状の面のそれぞれである。図3において、光ディスク212は、カートリッジ201A内において、前後方向(Y方向)に配列されている。
【0032】
光ディスク212の主面に沿った方向は実質的にYZ平面内の方向であり、光ディスク212は、カートリッジ201A内で、主面法線方向において配列される。図3に示す光ディスク212の配列方法は一例であり、光ディスク212の主面法線方向と配列方向とが所定の角度を有していていもよい。
【0033】
もう一つのカートリッジ201Bは、カートリッジ201Aと、左右対称の同様の構成を有している。筺体内において、カートリッジ201Bは、カートリッジ201Aと左右対称の位置に配置されている。具体的には、もう一つのカートリッジ201Bは、前後方向に一列に配列された複数のディクス格納溝を211B有し、各ディクス格納溝211B内に光ディスク212を収容することができる。図3において、二つのディクス格納溝が符号211Bで例示的に指示されている。
【0034】
図3の構成例において、光ディスクドライブ221A、221Bは、それぞれ、前後方向においてカートリッジ201A、201Bと一列に配列されている。カートリッジ201A、201Bのそれぞれの後ろに、光ディスクドライブが配置されている。
【0035】
光ディスクドライブ221A、221Bに対する光ディスク212の挿入・排出方向は左右方向であり、光ディスク212は主面に沿った方向に挿入・排出される。これは、カートリッジ201A、201Bに対する光ディスク212の挿入・排出方向と同様である。光ディスクドライブ221A、221Bに挿入された光ディスクの回転軸の軸方向(主面の法線方向)は、前後方向である。
【0036】
本構成例において、ディスク収容器231A、231Bは、それぞれ、いずれのディクス格納溝211A、211B及びいずれの光ディスクドライブ221A、221Bとの間においても光ディスク212の受け渡しを行うことができる。
【0037】
図4は、ディスク搬送部203による、カートリッジ201Bからの光ディスク212の取り込み動作を模式的に示している。一部は透過して示されている。ディスク搬送部203のディスク収容器231A、231Bは、それぞれ、光ディスク212を取り込み収容し、収容している光ディスク212を排出することができる。ディスク収容器231A、231Bは、カートリッジ201Aとカートリッジ201Bとの間において前後方向において移動する。
【0038】
本構成例において、ディスク収容器231A、231Bは、それぞれ、カートリッジ201A、201Bの双方から光ディスク212を取り込み、さらに、カートリッジ201A、201Bの双方に光ディスク212を排出することができる。図4の例において、ディスク搬送部203のディスク蹴り出し部232Cが、ディクス格納溝211Bに収容されている光ディスク212を排出する。
【0039】
各ディクス格納溝211Bは、カートリッジ201Aに対向する開口401を有する。図4においては、一つのディクス格納溝211Bの開口が、符号401で指示されている。ディクス格納溝211Aも同様に、カートリッジ201Bに対向する開口を有し、その開口を通って光ディスク212がディクス格納溝211Aから排出、挿入される。
【0040】
光ディスク212は、その主面に沿った左右方向においてディクス格納溝211Bから排出される。図4の例において、光ディスク212は、筺体内中央に位置するディスク収容器211Aに向かって排出される。光ディスク212の外周端(側面)はディクス格納溝211Bの開口401から露出する。カートリッジ201Aの開口(図4において不図示)は、光ディスク212を取り込むため、ディクス格納溝211Bの開口401に対向している。
【0041】
ディスク蹴り出し部232Cは、光ディスク212を、ディスク収容器231Aに向かって押し出す。具体的には、ディスク蹴り出し部232Cが光ディスク212の外周端(リング状側面)を蹴り出し、光ディスク212が、カートリッジ201Aの開口に向かって移動する。排出された光ディスク212は、ディスク収容器231Aの収容空間内に収容される。ディスク収容器231Aに収容されている光ディスク212の向きは、ディクス格納溝211Bにおける光ディスク212の向きと同様であり、その主面の法線方向が前後方向である。
【0042】
ディスク搬送部203は、ディスク収容器231Aの向きを維持したまま後方に移動し、ディスク収容器231Aから左右方向において開口から光ディスク212を排出して、光ディスクドライブ221A又は221Bに挿入することができる。
【0043】
図5A及び図5Bは、ディスク搬送部203の構成及び動作を模式的に示す図である。ディスク搬送部203は、光ディスクを収容可能な直方体状のディスク収容器231A、231B、光ディスク212をカートリッジ201Aのディクス格納溝211A又はカートリッジ201Bのディクス格納溝211Bから排出可能な機構のディスク蹴り出し部232A〜232Dを含む。
【0044】
図5A及び図5Bに示すディスク収容器231A、231Bの位置において、ディスク収容器231Aは、ディスク蹴り出し部232A及びディスク蹴り出し部232Cにより排出された光ディスク212を取り込むことができる。一方、ディスク収容器231Bは、ディスク蹴り出し部232B及びディスク蹴り出し部232Dにより排出された光ディスク212を取り込むことができる。
【0045】
ディスク収容器231A、231B、ディスク蹴り出し部232A〜232Dは、左右方向に延びる略矩形板形状のディスク蹴り出し部支持部501に支持されている。図3に示すように、ディスク蹴り出し部支持部501はスライドレール205に支持されている。ディスク搬送部203の前後方向の移動において、ディスク蹴り出し部支持部501、ディスク収容器231A、231B、ディスク蹴り出し部232A〜232Dが、共に、前後方向に移動する。
【0046】
ディスク収容器231A、231Bは、回転軸502を介して、ディスク蹴り出し部支持部501の中央に支持されている。回転軸502の軸方向は上下方向であり、ディスク収容器231A、231Bが、回転軸502において、一方向又は双方向に回転することができる。ディスク収容器231A、231Bは、それらの間にあるディスク収容器支持部503に固定されており、ディスク収容器231A、231Bは、一緒に回転軸502において回転する。
【0047】
ディスク収容器支持部503は、例えば図5A、5Bに示す矩形板状又は矩形リング状の部品であり、ディスク収容器231A、231Bを固定し、回転軸502を中心に線対称に回転することができる。ディスク収容器支持部503の形状は、矩形板状および矩形リング状でなくてもよい。ディスク蹴り出し部支持部501に取り付けられているモータ(不図示)により回転軸502においてディスク収容器支持部503が、ディスク収容器231A、231Bと共に回転する。ディスク搬送部203は、ディスク収容器支持部503を有し無い構成でもよい。ていなくともよい。
【0048】
図5Aにおいて、ディスク収容器231Aは、開口504Aを有している。開口504Aは、ディスク蹴り出し部232Aに対向している。ディスク収容器231Aは、開口504Aが形成されている面の反対面にも開口(図6Aにおける701A)を有しており、その開口701Aはディスク蹴り出し部232Cに対向している。このように、図5Aに示す位置において、ディスク収容器231Aは、左右方向の双方に向いた開口504A、701Aを有している。
【0049】
ディスク収容器231Aは、ディスク蹴り出し部232Aによりカートリッジ201Aから排出された光ディスク212を、開口504Aを介して取り込むことができる。ディスク収容器231Aは、ディスク蹴り出し部232Cによりカートリッジ201Bから排出された光ディスク212を、開口701Aを介して取り込むことができる。
【0050】
同様に、図5Aにおいて、ディスク収容器231Bは、開口504Bを有している。開口504Bは、ディスク蹴り出し部232Bに対向している。ディスク収容器231Bは、開口504Bが形成されている面の反対面にも開口(図6Aにおける701B)を有しており、その開口701Bはディスク蹴り出し部232Dに対向している。ディスク収容器231Bの二つの開口504B、701Bの向きは、ディスク収容器231Aの二つの開口504A、701Aの向きと同じである。
【0051】
ディスク収容器231Bは、ディスク蹴り出し部232Bによりカートリッジ201Aから排出された光ディスク212を、開口504Bを介して取り込むことができる。ディスク収容器231Bは、ディスク蹴り出し部232Dによりカートリッジ201Bから排出された光ディスク212を、開口701Bを介して取り込むことができる。
【0052】
ディスク蹴り出し部支持部501の左右方向における一方の端に、ディスク蹴り出し部232A、232Bが支持されている。ディスク蹴り出し部232A、232Bは、前後方向に配列されている。ディスク蹴り出し部支持部501の左右方向における他方の端に、ディスク蹴り出し部232C、232Dが支持されている。ディスク蹴り出し部232C、232Dは、前後方向に配列されている。
【0053】
図2〜図4に示すように、カートリッジ201Aのディクス格納溝211Aは、ディスク蹴り出し部232Aとディスク収容器231Aと間又はディスク蹴り出し部232Bとディスク収容器231Bと間にある。カートリッジ201Bのディクス格納溝211Bは、ディスク蹴り出し部232Cとディスク収容器231Aと間又はディスク蹴り出し部232Dとディスク収容器231Bと間にある。
【0054】
ディスク蹴り出し部232A〜232Dは、それぞれ、前後方向に延びる回動軸において左右方向において回動し、ディクス格納溝内の光ディスク212をディスク収容器に対して押し出すことができる。図5Bは、ディスク蹴り出し部232Aが、光ディスク212を押し出す動作を模式的に示している。ディスク蹴り出し部232Aは、反対側に位置するディスク収容器231Aに向かって回動し、ディクス格納溝211A内の光ディスク212を、ディスク収容器231Aに向かって押し出す。
【0055】
ディスク蹴り出し部232Aが回動して光ディスク212を排出するとき、反対側に位置するディスク収容器231Aの開口504Aは、ディクス格納溝211Aの開口と向かい合っている。ディスク蹴り出し部232Aによりディクス格納溝211Aから排出された光ディスク212は、開口504Aからディスク収容器231Aの収容空間に入る。
【0056】
ディスク収容器231Aは、図示しないが、その内部に、光ディスク212を支持し移動する機構を有している。図示していないが、ディスク収容器231Bも同様の機構をその収容空間内に有する。この機構は、ディスク収容器231Aの二つの対向する開口504A、701A間を通してディスクの取り込み、排出を行う。
【0057】
上述のように、ディスク収容器231A、231Bは、回転軸502において回転することができる。図6Aの斜視図及び図6Bの上面図は、図5Aに示す位置(向き)から、上から見て反時計周りに90°回転した位置(向き)にあるディスク収容器231A、231Bを示している。
【0058】
ディスク収容器231A、231Bそれぞれの開口701A、702Bが前面102(前方)を向いており、反対側の開口504A、504Bは後方を向いている。図6Bに示すように、本例において、ディスク収容器231A、231Bの相対位置及び形状は回転軸502について対称であり、回転軸502は、前後方向及び左右方向において、ディスク収容器231A、231Bの中心に位置する。
【0059】
図7Aの斜視図及び図7Bの上面図は、図6A、図6Bに示す位置(向き)から、上から見て反時計周りに90°回転した位置(向き)にあるディスク収容器231A、231Bを示している。ディスク収容器231A、231Bは、図5Aに示す位置(向き)から180°回転している。ディスク収容器231A、231Bのそれぞれの位置は、図5Aに示す位置から入れ替わっている。ディスク収容器231Aは図5Aにおけるディスク収容器231Bの位置にあり、ディスク収容器231Bは図5Aにおけるディスク収容器231Aの位置にある。
【0060】
図7A、図7Bの位置において、ディスク収容器231Aは、ディスク蹴り出し部232B及びディスク蹴り出し部232Dに対向している。ディスク収容器231Bは、ディスク蹴り出し部232A及びディスク蹴り出し部232Cに対向している。さらに、開口701A及び開口701Bは、それぞれ、ディスク蹴り出し部232B及びディスク蹴り出し部232Aに対向している。
【0061】
図7A、図7Bにおいて、ディスク収容器231Aは、ディスク蹴り出し部232B及びディスク蹴り出し部232Dに対するディスク取り込み位置にあり、ディスク蹴り出し部232B又はディスク蹴り出し部232Dが排出した光ディスク212を取り込むことができる。ディスク収容器231Bは、ディスク蹴り出し部232A及びディスク蹴り出し部232Cに対するディスク取り込み位置にあり、ディスク蹴り出し部232A又はディスク蹴り出し部232Cが排出した光ディスク212を取り込むことができる。
【0062】
具体的には、ディスク収容器231Aの開口701Aは、カートリッジ201Aのディクス格納溝211Aに対向し、ディスク蹴り出し部232Bが排出した光ディスク212は、開口701Aからディスク収容器231Aに入る。ディスク収容器231Bの開口701Bは、カートリッジ201Aのディクス格納溝211Aに対向し、ディスク蹴り出し部232Aが排出した光ディスク212は、開口701Bからディスク収容器231Bに入る。
【0063】
同様に、ディスク収容器231Aの開口504Aは、カートリッジ201Bのディクス格納溝211Bに対向し、ディスク蹴り出し部232Dが排出した光ディスク212は、開口504Aからディスク収容器231Aに入る。ディスク収容器231Bの開口504Bは、カートリッジ201Bのディクス格納溝211Bに対向し、ディスク蹴り出し部232Cが排出した光ディスク212は、開口504Bからディスク収容器231Bに入る。
【0064】
上述のように、ディスク収容器231A及びディスク収容器231Bのそれぞれは、回転することによって、カートリッジ201Aのディスク蹴り出し部232Aが排出する光ディスクの取り込み位置及びカートリッジ201Aのディスク蹴り出し部232Bが排出する光ディスクの取り込み位置のいずれにも、位置することができる。
【0065】
このように、ディスク収容器231A、231Bは、カートリッジ201Aのディスク蹴り出し部232A、231Bのいずれともペアを構成することができる。ディスク収容器231A、231Bとディスク蹴り出し部232A、232Bのいずれのペアが故障しても、他のディスク収容器とディスク蹴り出し部のペアにより、カートリッジ201Aから光ディスク212を取り出すことができる。
【0066】
同様に、ディスク収容器231A及びディスク収容器231Bのそれぞれは、回転することによって、カートリッジ201Bのディスク蹴り出し部232Cが排出する光ディスクの取り込み位置及びカートリッジ201Bのディスク蹴り出し部232Dが排出する光ディスクの取り込み位置のいずれにも、位置することができる。これにより、いずれのディスク収容器とディスク蹴り出し部のペアが故障しても、他のディスク収容器とディスク蹴り出し部のペアにより、カートリッジ201Bから光ディスク212を取り出すことができる。
【0067】
本構成例は、ディスク収容器231A、231Bを回転することにより、ディスク収容器とディスク蹴り出し部のペアを変更する。これにより、ペア変更におけるディスク収容器とディスク蹴り出し部との位置合わせを正確に行うことができる。また、ペア変更動作のために必要とする空間を小さくすることができる。
【0068】
図8A、図8Bは、光ディスクライブラリ装置100の他の構成例を模式的に示している。本構成例において、光ディスクライブラリ装置100の前面102は、光ディスクを挿入、排出するための開口901A、901Bを有する。光ディスクライブラリ装置100は、開口901A、901Bを介して、光ディスク212の主面に沿って、光ディスク212を外部から取り込み、外部に排出することができる。
【0069】
これにより、カートリッジ201A、201Bを取り出す又はカバーを取り外すことなく光ディスク212の挿入及び排出を行うことができ、光ディスクライブラリ装置100内へ侵入する塵埃を低減することができる。典型的に、開口901A、901Bには、開閉扉が取り付けられている。
【0070】
ディスク搬送部203は、開口901A、901Bから挿入された光ディスク212を取り込み、開口901A、901Bから光ディスク212を外部に排出する。図8A、図8Bは、ディスク収容器231Aが、収容している光ディスク212を、開口901Aから排出する動作例を模式的に示している。
【0071】
例えば、ディスク搬送部203は、カートリッジ201Aのディクス格納溝211Aから、ディスク蹴り出し部232Aにより光ディスク212を排出し、ディスク収容器231A内に開口504Aから取り込む。その後、ディスク搬送部203は、ディスク収容器231Aを上から見て時計周りに90°回転して、開口504Aを前方に向ける。
【0072】
図8Aに示すように、ディスク収容器231Aの開口504Aを前面102(前方)に向けて、前面102に向かって移動する。開口504Aと開口901Aとの距離が所定の値となるとディスク搬送部203は停止する。ディスク搬送部203は、ディスク収容器231Aをいずれの位置で回転してもよく、停止後にディスク収容器231Aを回転してもよい。
【0073】
停止したディスク搬送部203は、ディスク収容器231Aから、開口504A及び開口901Aを介して光ディスク212を排出する。ディスク搬送部203が停止した後、ディスク収容器231A内の支持し移動する機構が光ディスク212を開口504A及び開口901Aに移動し、開口504A及び開口901Aから排出する。
【0074】
図8A、図8Bは、ディスク収容器231Aが開口504A及び開口901Aから光ディスク212を排出する動作例を示すが、逆の動作により、開口901A及び開口504Aから光ディスク212を取り込むことができる。ディスク収容器231Aは、図8A、図8Bに示す向きから180°回転することにより、開口701A及び開口901Bから光ディスク212の排出及び取り込みを行うことができる。
【0075】
同様に、ディスク収容器231Bは、図8Bに示す位置において、開口504B及び開口901Bから光ディスク212の排出及び取り込みを行うことができる。ディスク収容器231Bは、図8A、図8Bに示す向きから180°回転することにより、開口701B及び開口901Aから光ディスク212の排出及び取り込みを行うことができる。なお、開口901A、901Bの一方のみが、形成されていてもよい。また、開口は筺体の他の面、例えば、背面208に形成されていてもよい。
【0076】
図9は、光ディスクライブラリ装置100の駆動系を模式的に示すブロック図である。コントローラ951は光ディスクライブラリ装置100の動作を制御すると共に、外部ホストコンピュータと光ディスクライブラリ装置100との間のインターフェースとして機能する。
【0077】
コントローラ951はホストからコマンドを受け、そのコマンドに応じて光ディスクライブラリ装置100内部の各機構を制御する。例えば、ホストコンピュータから光ディスクへのアクセスコマンド(アクセスは書き込みと読み出しの上位概念)を受けると、ディスク搬送部を使用してコマンドが指定する光ディスクをカートリッジから取り出し、その光ディスクを光ディスクドライブに挿入する。
【0078】
コントローラ951は、さらに、選択した光ディスクドライブにコマンドを送り、指定したアドレスにおけるデータの書き込みあるいは読み出しを指示する。光ディスクドライブは、コントローラ951から受け取ったユーザデータを光ディスクの指定アドレスに書き込み、あるいは、指定アドレスからユーザデータを読み出してコントローラ951に転送する。コントローラ951は、読みだしたデータをホストコンピュータに転送する。
【0079】
コントローラ951は、光ディスクドライブとカートリッジとの間での光ディスクの搬送のため、ディスク搬送部203の動きを制御する。図9に示すように、光ディスクライブラリ装置100は、ディスク搬送部203をスライドレール205に沿って移動するモータ952、ディスク収容器231A、231Bを回転するモータ953、ディスク蹴り出し部232A〜232Dのそれぞれを回動するモータ954A〜954D、ディスク収容器231A、231Bのそれぞれのディスク移動機構を駆動するモータ955A、955Bを有している。
【0080】
ディテクタ971A〜971Dは、それぞれ、ディスク蹴り出し部232A〜232Dの故障を検出する。具体的には、ディテクタ971A〜971Dは、それぞれ、例えば、ディスク蹴り出し部支持部501の下面に取り付けられており、下向き位置から回動して光ディスク212を押し出した後の位置にあるディスク蹴り出し部232A〜232Dを検出する。ディテクタがディスク蹴り出し部を検出しない場合、コントローラ951は、そのディスク蹴り出し部が正常に回動していないと判定する。
【0081】
ディテクタ972A、972Bは、それぞれ、ディスク収容器231A、231Bの故障を検出する。例えば、ディテクタ972A、972Bは、ディスク収容器231A、231Bの収容空間内壁に取り付けられ、特定位置に移動した光ディスク212を検出する。コントローラ951は、ディテクタ972A、972Bの検出結果により、ディスク収容器231A、231Bの故障を判定する。
【0082】
コントローラ951は、各モータを制御して、ディスク搬送部203の各部品の動作を制御する。コントローラ951は、ディスク収容器231A、231Bの一方に故障が検出されると、他方のディスク収容器及びそのディスク収容器とペアを構成する二つのディスク蹴り出し部(例えば、ディスク蹴り出し部232A、232C)を使用して、光ディスク212の排出及び搬送を行う。
【0083】
コントローラ951は、ディスク蹴り出し部232A、232Bの一方に故障が検出されると、他方のディスク蹴り出し部及びそのディスク蹴り出し部とペアを構成するディスク収容器を使用して、光ディスク212のカートリッジ201Aからの排出及び搬送を行う。同様に、ディスク蹴り出し部232C、232Dの一方に故障が検出されると、コントローラ951は、他方のディスク蹴り出し部及びそのディスク蹴り出し部とペアを構成するディスク収容器を使用して、光ディスク212のカートリッジ201Bからの排出及び搬送を行う。
【0084】
ディテクタにより故障が検出されたディスク収容器とディスク蹴り出し部が異なるペアに含まれている場合、ディスク収容器とディスク蹴り出し部のペアを変更するため、ディスク収容器231A、231Bを180°回転する。これにより、正常に動作しているディスク収容器とディスク蹴り出し部のペアを構成することができる。これによりディスク搬送部203の信頼性が向上する。
【0085】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明が上記の実施形態に限定されるものではない。当業者であれば、上記の実施形態の各要素を、本発明の範囲において容易に変更、追加、変換することが可能である。本発明は、光ディスクとは異なる記憶ディスクを使用するディスクライブラリ装置に適用することができる。ディスクライブラリ装置は、記録及び再生の一方の機能のみを有するディスクドライブを使用してもよい。本発明は、いずれの用途に使用されるディスクライブラリ装置にも適用することができる。
【0086】
本発明において、構成部品の数及び材料は特に限定されない。ディスク搬送部203、カートリッジ、光ディスクドライブ221A、221Bは、図を参照して説明した構成とは異なる構成を有しても良い。一般に、ディスク配列方向は、ディスクライブラリ装置の設置環境における水平方向に略一致するが、この方向に限定されない。
【0087】
上記例において、ディスク収容器は、双方向に360°回転(回動)することができる。ディスク収容器は、一方向のみに360°回転(回動)可能な構成又は180°双方向回動可能な構成であってもよい。ディスク搬送部203は、3以上のディスク収容器を有していてもよく、一つのカートリッジに対して3以上のディスク蹴り出し部を有していてもよい。
【0088】
上記構成例は、ディスク収容器を回転してディスク蹴り出し部に対するディスク収容器のディスク取り込み位置を変更するが、ディスク搬送部203は、他の方法によりディスク蹴り出し部に対するディスク収容器の位置を変更してもよい。例えば、ディスク搬送部203は、ディスク収容器を前後方向にシフトして、ディスク収容器とディスク蹴り出し部のペアを変更してもよい。
【0089】
一つのディスク収容器が一つのディスク蹴り出し部によりカートリッジから排出されるディスクの取り込み位置にあるとき、他のディスク収容器は、他のディスク蹴り出し部により上記カートリッジから排出されるディスクの取り込み位置になくともよい。二つのディスク収容器は独立に動くことができる構成であってもよい。ディスク収容器が回転及びシフト可能である構成において、ディスクを排出・挿入するためのディスク収容器の開口は、一つのみでもよい。
【0090】
ディスク搬送部203は、固定されたディスク収容器に対してディスク蹴り出し部を動かすことで、ディスク収容器とディスク蹴り出し部のペアを変更してもよい。例えば、ディスク搬送部203は、カートリッジからディスクを排出する二つのディスク蹴り出し部(例えば、ディスク蹴り出し部232A、232B)を上下方向を軸として180°回転する又は前後方向にシフトする。ディスク搬送部203は、ディスク収容器とディスク蹴り出し部の双方を動かして、ディスク収容器とディスク蹴り出し部のペアを構成してもよい。
【0091】
ディスクライブラリ装置が有するカートリッジ201A、201Bの一方のみを有していてもよい。ディスク搬送部203がディスク収容器又はディスク蹴り出し部をシフトして、ディスク収容器とディスク蹴り出し部のペアを変更する構成において、ディスク収容器の開口は一つのみでもよい。
【0092】
ディスクドライブの挿入・排出開口は、ディクス格納溝と同一の方向を向いていなくともよい。例えば、ディスクドライブは二つのカートリッジの間に位置し、ディスクドライブの開口は前方を向いており、ディスク搬送部203は、ディクス格納溝からディスクを取り込んだディスク収容器を90°回転させて、ディスクドライブに対してディスクを排出してもよい。
【符号の説明】
【0093】
100 光ディスクライブラリ装置、101 筐体カバー、102 筺体前面、104A、104B カートリッジ前面、201A、201B カートリッジ、203 ディスク搬送部、205 スライドレール、208 筺体背面、211A、211B ディクス格納溝、212 光ディスク、221A、221B 光ディスクドライブ、231A、231B ディスク収容器、232A−232D ディスク蹴り出し部、401 ディクス格納溝の開口、501 ディスク蹴り出し部支持部、502 回転軸、503 ディスク収容器支持部、504A、504B ディスク収容器の開口、701A、701B ディスク収容器の開口、901A、901B 筺体前面の開口
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向において一列に配列されそれぞれがディスクを収容可能な複数のディクス格納溝を含み、前記複数のディクス格納溝に収容されているディスクはディスク主面が対向するように配列される、カートリッジと、
前記カートリッジから搬送されたディスクを取り込みアクセスするディスクドライブと、
前記第1方向において移動し、前記ディスクドライブと前記カートリッジとの間においてディスクを搬送するように構成されたディスク搬送部と、
を含み、
前記ディスク搬送部は、
前記複数のディクス格納溝それぞれから、収容されているディスクの主面に沿った方向に当該ディスクを排出するように構成された第1ディスク蹴り出し部と、
前記複数のディクス格納溝それぞれから、収容されているディスクの主面に沿った方向に当該ディスクを排出するように構成された第2ディスク蹴り出し部と、
前記カートリッジから排出されたディスクを取り込み前記ディスクドライブに搬送するように構成された第1ディスク収容器と、
前記カートリッジから排出されたディスクを取り込み前記ディスクドライブに搬送するように構成された第2ディスク収容器と、
を含み、
前記第1ディスク収容器は、前記第1ディスク蹴り出し部が排出するディスクを取り込む第1取り込み位置及び前記第2ディスク蹴り出し部が排出するディスクを取り込む第2取り込み位置のそれぞれの位置につくように、前記第1ディスク蹴り出し部及び前記第2ディスク蹴り出し部に対して相対的に移動するように構成され、
前記第2ディスク収容器は、前記第1取り込み位置及び前記第2取り込み位置のそれぞれの位置につくように、前記第1ディスク蹴り出し部及び前記第2ディスク蹴り出し部に対して相対的に移動するように構成されている、ディスクライブラリ装置。
【請求項2】
前記第1ディスク収容器が前記第1取り込み位置にあるときに、前記第2ディスク収容器は前記第2取り込み位置にある、請求項1に記載のディスクライブラリ装置。
【請求項3】
前記第1ディスク収容器及び前記第2ディスク収容器のそれぞれは、ディスク収容空間、及び、ディスクを挿入及び排出するための開口を前記ディスク収容空間の両側に、有し、
前記第1ディスク収容器及び前記第2ディスク収容器は、前記第1ディスク収容器の開口と前記第2ディスク収容器の開口が同一方向を向くように、互いに固定されており、
前記第1ディスク収容器及び前記第2ディスク収容器は、共に回動して位置が入れ替わることで、前記第1取り込み位置と前記第2取り込み位置とに移動するように構成されている、請求項2に記載のディスクライブラリ装置。
【請求項4】
前記ディスクライブラリは、第2カートリッジをさらに含み、
前記ディスク搬送部は、第3ディスク蹴り出し部及び第4ディスク蹴り出し部をさらに含み、
前記第2カートリッジは、前記第1方向において配列された複数のディクス格納溝を含み、
前記第2カートリッジの前記複数のディクス格納溝に収容されているディスクは、ディスク主面が対向するように配列され、
前記ディスク搬送部は、前記カートリッジと前記第2カートリッジとの間において、前記第1方向において移動するように構成され、
前記第3ディスク蹴り出し部及び前記第4ディスク蹴り出し部のそれぞれは、前記第2カートリッジの前記複数のディクス格納溝それぞれから、収容されているディスクを当該ディスクの主面に沿った方向において排出するように構成され、
前記第1ディスク収容器及び前記第2ディスク収容器のそれぞれは、前記第3ディスク蹴り出し部が排出するディスクを前記第1取り込み位置で取り込み、前記第4ディスク蹴り出し部が排出するディスクを前記第2取り込み位置で取り込むように構成されている、請求項2又は3に記載のディスクライブラリ装置。
【請求項5】
前記ディスクライブラリは、前記カートリッジ、前記ディスクドライブ及び前記ディスク搬送部を収容する筺体をさらに含み、
前記筺体は、ディスクを当該ディスクの主面に沿った方向に取り出し可能なディスク取り出し口を有し、
前記ディスク搬送部は、前記カートリッジから第1ディスクを前記第1ディスク収容器に取り込み、前記ディスク取り出し口に向かって前記第1ディスクと共に移動し及び前記第1ディスクの外周端を前記ディスク取り出し口に向けるように前記第1ディスク収容器を回動し、前記第1ディスクを前記回動した前記第1ディスク収容器から前記ディスク取り出し口を介して前記筺体外部に排出する、ように構成されている、請求項3又は4に記載のディスクライブラリ装置。
【請求項6】
前記第1ディスク蹴り出し部及び前記第2ディスク蹴り出し部は、前記第1方向に配列されており、
前記第1ディスク蹴り出し部は、排出するディスクの主面に沿った方向において回動して、前記第1位置と前記第1ディスク蹴り出し部との間のディクス格納溝から前記排出するディスクを押し出すように構成され、
前記第2ディスク蹴り出し部は、排出するディスクの主面に沿った方向において回動して、前記第2位置と前記第2ディスク蹴り出し部との間のディクス格納溝から前記排出するディスクを押し出すように構成されている、請求項1から5のいずれかに記載のディスクライブラリ装置。
【請求項1】
第1方向において一列に配列されそれぞれがディスクを収容可能な複数のディクス格納溝を含み、前記複数のディクス格納溝に収容されているディスクはディスク主面が対向するように配列される、カートリッジと、
前記カートリッジから搬送されたディスクを取り込みアクセスするディスクドライブと、
前記第1方向において移動し、前記ディスクドライブと前記カートリッジとの間においてディスクを搬送するように構成されたディスク搬送部と、
を含み、
前記ディスク搬送部は、
前記複数のディクス格納溝それぞれから、収容されているディスクの主面に沿った方向に当該ディスクを排出するように構成された第1ディスク蹴り出し部と、
前記複数のディクス格納溝それぞれから、収容されているディスクの主面に沿った方向に当該ディスクを排出するように構成された第2ディスク蹴り出し部と、
前記カートリッジから排出されたディスクを取り込み前記ディスクドライブに搬送するように構成された第1ディスク収容器と、
前記カートリッジから排出されたディスクを取り込み前記ディスクドライブに搬送するように構成された第2ディスク収容器と、
を含み、
前記第1ディスク収容器は、前記第1ディスク蹴り出し部が排出するディスクを取り込む第1取り込み位置及び前記第2ディスク蹴り出し部が排出するディスクを取り込む第2取り込み位置のそれぞれの位置につくように、前記第1ディスク蹴り出し部及び前記第2ディスク蹴り出し部に対して相対的に移動するように構成され、
前記第2ディスク収容器は、前記第1取り込み位置及び前記第2取り込み位置のそれぞれの位置につくように、前記第1ディスク蹴り出し部及び前記第2ディスク蹴り出し部に対して相対的に移動するように構成されている、ディスクライブラリ装置。
【請求項2】
前記第1ディスク収容器が前記第1取り込み位置にあるときに、前記第2ディスク収容器は前記第2取り込み位置にある、請求項1に記載のディスクライブラリ装置。
【請求項3】
前記第1ディスク収容器及び前記第2ディスク収容器のそれぞれは、ディスク収容空間、及び、ディスクを挿入及び排出するための開口を前記ディスク収容空間の両側に、有し、
前記第1ディスク収容器及び前記第2ディスク収容器は、前記第1ディスク収容器の開口と前記第2ディスク収容器の開口が同一方向を向くように、互いに固定されており、
前記第1ディスク収容器及び前記第2ディスク収容器は、共に回動して位置が入れ替わることで、前記第1取り込み位置と前記第2取り込み位置とに移動するように構成されている、請求項2に記載のディスクライブラリ装置。
【請求項4】
前記ディスクライブラリは、第2カートリッジをさらに含み、
前記ディスク搬送部は、第3ディスク蹴り出し部及び第4ディスク蹴り出し部をさらに含み、
前記第2カートリッジは、前記第1方向において配列された複数のディクス格納溝を含み、
前記第2カートリッジの前記複数のディクス格納溝に収容されているディスクは、ディスク主面が対向するように配列され、
前記ディスク搬送部は、前記カートリッジと前記第2カートリッジとの間において、前記第1方向において移動するように構成され、
前記第3ディスク蹴り出し部及び前記第4ディスク蹴り出し部のそれぞれは、前記第2カートリッジの前記複数のディクス格納溝それぞれから、収容されているディスクを当該ディスクの主面に沿った方向において排出するように構成され、
前記第1ディスク収容器及び前記第2ディスク収容器のそれぞれは、前記第3ディスク蹴り出し部が排出するディスクを前記第1取り込み位置で取り込み、前記第4ディスク蹴り出し部が排出するディスクを前記第2取り込み位置で取り込むように構成されている、請求項2又は3に記載のディスクライブラリ装置。
【請求項5】
前記ディスクライブラリは、前記カートリッジ、前記ディスクドライブ及び前記ディスク搬送部を収容する筺体をさらに含み、
前記筺体は、ディスクを当該ディスクの主面に沿った方向に取り出し可能なディスク取り出し口を有し、
前記ディスク搬送部は、前記カートリッジから第1ディスクを前記第1ディスク収容器に取り込み、前記ディスク取り出し口に向かって前記第1ディスクと共に移動し及び前記第1ディスクの外周端を前記ディスク取り出し口に向けるように前記第1ディスク収容器を回動し、前記第1ディスクを前記回動した前記第1ディスク収容器から前記ディスク取り出し口を介して前記筺体外部に排出する、ように構成されている、請求項3又は4に記載のディスクライブラリ装置。
【請求項6】
前記第1ディスク蹴り出し部及び前記第2ディスク蹴り出し部は、前記第1方向に配列されており、
前記第1ディスク蹴り出し部は、排出するディスクの主面に沿った方向において回動して、前記第1位置と前記第1ディスク蹴り出し部との間のディクス格納溝から前記排出するディスクを押し出すように構成され、
前記第2ディスク蹴り出し部は、排出するディスクの主面に沿った方向において回動して、前記第2位置と前記第2ディスク蹴り出し部との間のディクス格納溝から前記排出するディスクを押し出すように構成されている、請求項1から5のいずれかに記載のディスクライブラリ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【公開番号】特開2013−97849(P2013−97849A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−242858(P2011−242858)
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【出願人】(501009849)株式会社日立エルジーデータストレージ (646)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【出願人】(501009849)株式会社日立エルジーデータストレージ (646)
【Fターム(参考)】
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