説明

ディスク再生装置及びデータ管理方法

【課題】ローカルストレージの空き容量の不足を防止することが可能な「ディスク再生装置及びデータ管理方法」を提供すること。
【解決手段】映画及び映画関連情報を記憶しているディスクから信号を読み取り、読み取った信号をデコードして再生するディスク再生装置は、記憶手段と、インターネットに接続して外部から情報を受信する通信手段と、通信手段を介して映画の予告編及び予告編の映画関連情報を取得し、この予告編の映画関連情報を用いて作成した映画予告編タイトルリスト及び予告編を記憶手段に格納する制御手段とを有する。制御手段は、ディスクが再生されたとき、再生中のコンテンツの映画関連情報を取得し、取得した映画関連情報と映画予告編タイトルリストの映画関連情報とを比較し、コンテンツが予告編に対応する映画であると判定したとき、予告編を記憶手段から消去し、映画予告編タイトルリストを更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、BD-ROM(Blu-ray Disc Read Only Memory)等の記録媒体に記録されている映像コンテンツを再生するディスク再生装置及びデータ管理方法に関し、特に、ローカルストレージの空き容量の確保を可能とするディスク再生装置及びデータ管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高精細画像データを記録再生するメディアとしてBlu-ray Disc(登録商標)が使用されてきており、特許文献1には、Blu-ray Disc(登録商標)を再生する再生装置が記載されている。
【0003】
Blu-ray Disc Read Only Memory (BD-ROM)に記録されるアプリケーションとしては、HDMVタイトルとBD−Jタイトルの2つのタイプが存在している。タイトルとは、ディスクコンテンツの再生単位であり、タイトルに関連したビデオやオーディオなどのストリームファイルが再生されることによってディスクが再生される。HDMVタイトルは、従来のDVDを拡張させたものであり、BD−JタイトルはJava(登録商標)のプログラムで構成されている。BD−Jタイトルでは、コンテンツプロバイダーが自由にコンテンツを作成することができる。
【0004】
BD−Jタイトルを再生する再生装置では、ディスクを再生するだけではなく、インターネットに接続して外部からデータを取得することも可能となっている。特許文献1には、BD−JモードにおいてJava(登録商標)アプリケーションから与えられたURLを基に、ネットワークを通じてコンテンツをダウンロードし、BD−ROMに記録されたコンテンツと同様に再生させることが記載されている。
【0005】
また、取得したデータの管理について、特許文献2には、コンテンツプロバイダーからダウンロードしてローカルストレージ内に保存したデータファイルに対して特定のファイルを削除する旨の命令を受信したとき、ファイルに含まれたタイトルに関連したファイルのみの削除や、削除を希望するファイルのみを削除することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2005/045840号
【特許文献2】特表2008−522342号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、Blu-ray Disc(登録商標)を再生するディスク再生装置をBD−Jモードで使用すると外部からデータを取得することができ、取得したデータはローカルストレージに保存される。
【0008】
外部からのデータとして、例えば、映画の予告編がある。映画の予告編のデータ量は大きいもので、数百MBになるものも存在する。従って、映画の予告編のように大容量のデータを複数保存すると、ローカルストレージの容量オーバーとなってしまい、所望のデータを保存できなくなることがある。
【0009】
これに対処するために、通常は、ユーザがローカルストレージに保存したデータのうち、不要なデータを選択して消去している。
【0010】
しかし、不要なデータを選択して消去する操作はユーザにとって面倒であるだけでなく、常にローカルストレージの空き容量に注意を払う必要があり利便性が低下する。
【0011】
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑みなされたものであり、ローカルストレージの空き容量の不足を防止することが可能なディスク再生装置及びデータ管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した従来技術の課題を解決するため、本発明の基本形態によれば、映画及び当該映画の映画関連情報を記憶しているディスクから信号を読み取り、読み取った信号をデコードして再生するディスク再生装置であって、記憶手段と、インターネットに接続して外部から情報を受信する通信手段と、前記通信手段を介して映画の予告編及び該予告編の映画関連情報を取得し、前記予告編の映画関連情報を用いて作成した映画予告編タイトルリスト及び前記予告編を作成し前記記憶手段に格納する制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記ディスクが再生されたとき、再生中のコンテンツの映画関連情報を取得し、当該映画関連情報と前記記憶手段に格納された前記映画予告編タイトルリストの映画関連情報とを比較し、前記コンテンツが前記予告編に対応する映画であると判定したとき、前記予告編を前記記憶手段から消去し、前記映画予告編タイトルリストを更新することを特徴とするディスク再生装置が提供される。
【0013】
この形態に係るディスク再生装置において、前記映画関連情報には、映画内容情報項目として、映画タイトル、映画の監督及び出演者、が含まれ、映画提供情報項目として、上映予定日、リリース日、レンタル開始日、映画配給会社の識別情報が含まれているようにしてもよく、前記制御手段は、前記再生中のコンテンツの映画タイトルに一致するデータを前記映画予告編タイトルリストから検出し、当該再生中のコンテンツの他の映画関連情報の各項目の内容が当該映画予告編タイトルリストの前記各項目の内容と一致するとき、前記コンテンツが前記予告編に対応する映画であると判定するようにしてもよく、さらに、ユーザの指示を入力する操作手段を備え、前記制御手段は、前記操作手段を介して前記ディスクの再生指示を受信したとき、又は、前記再生指示を受信して所定の時間が経過したとき、前記ディスクが再生されたと判断するようにしてもよい。
【0014】
また、本発明の他の形態によれば、インターネットを介して映画の予告編及び該予告編の映画関連情報を取得するステップと、前記予告編を記憶手段に格納するステップと、前記予告編の映画関連情報を用いて映画予告編タイトルリストを作成するステップと、前記映画予告編タイトルリストを記憶手段に格納するステップと、ディスクの再生を検出するステップと、再生中のディスクの映画関連情報を取得するステップと、当該映画関連情報と前記映画予告編タイトルリストとを比較するステップと、前記コンテンツが前記予告編に対応する映画であると判定したとき、前記予告編を前記記憶手段から消去するステップと、前記映画予告編タイトルリストを更新するステップと、を有することを特徴とするデータ管理方法が提供される。
【0015】
この形態に係るデータ管理方法において、前記映画関連情報には、映画内容情報項目として、映画タイトル、映画の監督及び出演者、が含まれ、映画提供情報項目として、上映予定日、リリース日、レンタル開始日、映画配給会社の識別情報が含まれているようにしてもよく、前記映画関連情報と前記映画予告編タイトルリストとを比較するステップは、前記再生中のコンテンツの映画タイトルに一致するデータを前記映画予告編タイトルリストから検出するステップと、前記再生中のコンテンツの他の映画関連情報の各項目を抽出するステップと、抽出した他の映画タイトル情報の各項目の内容が前記映画予告編タイトルリストの前記各項目の内容と一致するか否かを判定するステップと、を含むようにしてもよく、前記ディスクの再生を検出するステップは、操作手段を介して前記ディスクの再生指示を受信したことを検出するステップであるようにしてもよく、前記ディスクの再生を検出するステップは、操作手段を介して前記ディスクの再生指示を受信して所定の時間が経過したことを検出するステップであるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明のディスク再生装置及びデータ管理方法によれば、映画の予告編及び映画関連情報を用いて作成した映画予告編タイトルリストが記憶手段(ローカルストレージ)に保存されている状態で、再生されたディスクの映画関連情報と映画予告編タイトルリストとを比較して、ディスクのコンテンツが予告編に対応する映画であると判定したとき、その映画の予告編をローカルストレージから消去し、映画予告編タイトルリストを更新するようにしている。
【0017】
これにより、ローカルストレージから不要な大きなサイズのデータを自動的に消去することができ、ローカルストレージの空き容量を確保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係るディスク再生装置の構成を示すブロック図である。
【図2】Blu-ray Discに記録される各種コンテンツのディレクトリ構成を示した図である。
【図3】ディスクに記録されるBDフォーマットに従って記録されたコンテンツの構成例を示す図である。
【図4】映画予告編タイトルリストの一例を示す図である。
【図5】ローカルストレージ内に保存された映画予告編消去処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照して説明する。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態に係るディスク再生装置100のブロック構成図を示している。
【0021】
本実施形態に係るディスク再生装置100は、基本的には、ディスク1の情報を読み取って出力する記録情報読取装置2と、操作部3と、読み取った情報及び操作部3からの指示を基に出力情報を生成する出力情報生成部4と、映像出力部5及び音声出力部6で構成されている。
【0022】
出力情報生成部4は、復号・信号処理部11、Java仮想マシン12aを含むMPU12、AVデコーダ13、RAM14、MPU12に接続されるRAM15、MPU12に接続されるROM16、映像処理部17及び音声処理部18で構成されている。
【0023】
記録情報読取装置2では、モータによって一定の線速度で回転されるディスク1にレーザービームを照射してディスク1から反射される反射光量に該当する記録された信号をピックアップし、RFアンプにより増幅して出力情報生成部4の復号・信号処理部11に出力する。なお、ディスク1はBlu−ray Disc(登録商標)を対象としている。
【0024】
復号・信号処理部11では、記録情報読取装置2から再生信号を受信し、再生信号のノイズや歪み等の除去処理を施して、信号をデジタル化し、記録データを再生する。また、ディスク1(BD−ROM)に保存されているトランスポートストリームの多重分離を行い、ビデオフレームとオーディオフレームを抽出してRAM14に一時格納する。
【0025】
AVデコーダ13は、復号・信号処理部11で再生されたデータから映像信号及び音声信号をデコードし、映像信号を映像処理部17に供給し、音声信号を音声処理部18に供給する。映像処理部17又は音声処理部18ではそれぞれ供給されるデータ信号に対してがD/A変換や増幅処理を施し、映像出力部5又は音声出力部6に供給する。
【0026】
具体的には、AVデコーダ13のうちのビデオデコーダは、復号・信号処理部11で再生されRAM14に格納されたビデオフレームを伸長し、伸長したピクチャをRAM14に一時格納する。映像処理部17は一画面分の領域を持ったメモリを備え、RAM14に一時格納されたピクチャをそのメモリに格納する。また、AVデコーダ13のうちのオーディオデコーダは、RAM14に格納されたオーディオフレームを伸長し、伸長したオーディオデータをRAM14に一時格納する。音声処理部18はRAM14に一時格納されたオーディオデータを入力し、音声出力部6に供給する。
【0027】
操作部3は、ディスク再生装置100のフロントパネルに設けられ、ユーザが行う入力操作を受け付ける。また、リモコンも操作部3として機能する。例えば、ディスクの再生を開始させるプレイキーや再生中のディスクを停止させるストップキーの押下等のユーザ操作(UO(User Operation)と呼ぶ)を検出し、その信号を受け付け、MPU12に出力する。
【0028】
MPU(制御部)12は、ROM16に記録されたプログラムに従って所定の動作を行う。例えば、通信部19を介してネットワークに接続し、映画の配給会社のサーバーから映画の予告編を受信して記憶部20に格納したり、その映画に関連する情報(メタデータ)を基に映画予告編タイトルリストを作成して記憶部20に格納したりする。また、ディスクの再生を検出して、ディスクのコンテンツが予告編に対応する映画か否かを判定したりする。
【0029】
Java仮想マシン12aは、Javaアプリの実行部であり、Javaコンテンツの再生を行う。
【0030】
映像出力部5はディスプレイ装置であり、液晶パネル等で構成され、映像処理部17で処理された映像信号を入力して表示する。音声出力部6はスピーカーであり、音声処理部18で処理された音声信号に従って音声出力する。
【0031】
通信部19は、インターネットとの接続を可能とし、映画の配給会社などのサーバーから所望のデータを取得する。
【0032】
記憶部(ローカルストレージ)20は、例えば、ディスク再生装置100に内蔵されるハードディスクまたはディスク再生装置100に接続可能な外部記憶装置(SDカードやUSBメモリ)で構成され、webサイトからダウンロードされたコンテンツ等、BD−ROM以外の記録媒体から供給されたコンテンツが格納される。
【0033】
次に、ディスク再生装置100で再生するBlu−ray Discに記録されるコンテンツについて図2及び図3を参照しながら説明する。
【0034】
図2は、Blu−ray Disc(BD−ROM)に記録される各種コンテンツのディレクトリ構成を示している。コンテンツはBDフォーマット(Blu−ray Disc用の規定フォーマット)に従って記録される。
【0035】
BD−ROMは、内周から外周に向けて螺旋状に記憶領域を持ち、内周のリード・インと外周のリード・アウトの間に論理データを記録できる論理アドレス空間を有している。論理アドレス空間には、論理データをファイル・ディレクトリ構造を使って読み出すことを可能とするファイルシステムや映像データなどのアプリケーションデータが記録されている。
【0036】
BD−ROMのファイル・ディレクトリ構造は、ROOTディレクトリの下に、BDMVディレクトリが置かれ、BDMVディレクトリには、使用者とのインタラクティビティを保障するための一般ファイル情報として、インデックスファイル(index)とオブジェクトファイル(MovieObject及びBD−JObject)を含んでいる。
【0037】
BDMVディレクトリの下には、ディスク内に記録されたデータに対する情報と、これを再生する方法などに対する情報とを有するディレクトリを含んでいる。これらのディレクトリは、プレイリストディレクトリ(PLAYLIST)、クリップ情報ディレクトリ(CLIPINF)、ストリームディレクトリ(STREAM)、BD−Jオブジェクトディレクトリ(BDJO)である。
【0038】
BD−Jオブジェクトディレクトリ(BDJO)には、BD−Jタイトルを再生するためのBD−Jオブジェクトファイルが含まれている。
【0039】
ストリームディレクトリ(STREAM)には、ディスク内に特定フォーマットで記録されたストリームファイルが含まれている。ストリームのうち、ビデオ/オーディオ/グラフィック情報がすべてマルチプレクスされたストリームをAVストリームといい、少なくとも一つのAVストリームファイルでタイトルを構成している。
【0040】
クリップ情報ディレクトリ(CLIPINF)には、ストリームファイルと1対1対応するクリップ情報ファイルが含まれている。ストリームファイルとストリームファイルに1対1対応するクリップ情報ファイルをまとめて、クリップと呼ぶ。
【0041】
プレイリストディレクトリ(PLAYLIST)には、複数のプレイリストファイルが含まれている。各プレイリストファイルは、一つ以上のプレイアイテムと一つ以上のサブプレイアイテムを含んでいる。各プレイアイテムとサブプレイアイテムは、特定クリップの再生間隔を指定する。プレイアイテムとサブプレイアイテムは、再生を希望する特定クリップの情報、例えば、再生開始時間と再生終了時間に関する情報を有している。
【0042】
BDフォーマットではディスク上にタイトルと呼ばれる単位を記録する。タイトルとは、ディスクコンテンツの状態遷移において1つの状態にあたる再生単位であり、各タイトルは特定のオブジェクトとリンクされている。オブジェクト内のコマンド又はプログラムによってディスク内に記録されているタイトルに関連したストリームが再生される。タイトルにはHDMVタイトルとBD−Jタイトルがあり、両者はBDフォーマットにて定義されるインデックステーブルに記載される。
【0043】
HDMVタイトルは、MPEG2圧縮方式による映像情報及びインタラクティブ情報が記録されたタイトルであり、BD−Jタイトルは、Java(登録商標)プログラムにより実行される映像情報及びインタラクティブ情報が記録されたタイトルである。
【0044】
図3は、ディスクに記録されるコンテンツの構成例及び動作例を説明する図である。コンテンツは、インデックス、ムービーオブジェクト、プレイリスト、クリップの階層構成を有している。
【0045】
再生されるタイトルを示すインデックスが指定されると、各タイトルに関連付けられた再生プログラム(ムービーオブジェクト)が指定され、指定されたムービーオブジェクトに備えられたコマンドやプログラム情報に従ってコンテンツの再生順等を規定したプレイリストが選択される。
【0046】
プレイリストには、再生対象データ情報としてのプレイアイテムが含まれており、プレイアイテムによって規定されるタイトルを再生する少なくとも一つのクリップが再生される。このクリップ情報によって、コンテンツ実データとしてのAVストリームあるいはコマンドが選択的に読み出されて、AVストリームの再生、コマンドの実行処理が行われる。
【0047】
HDMVタイトルを指定した再生では、HDMVタイトルに関連付けられたムービーオブジェクトが読み出され、そのムービーオブジェクトによって特定のプレイリストに従ったコンテンツ再生が実行される。
【0048】
BD−Jタイトルを指定した再生でも、BD−Jタイトルに関連付けられたBD−Jオブジェクトが読み出され、そのBD−Jオブジェクトによって指定されるJavaアプリケーションが読み出され、Javaアプリケーションによって指定されるプレイリストに従ってコンテンツ再生が実行される。
【0049】
BD−Jタイトルを再生するBD−Jモードでは、webサイトからコンテンツをダウンロードして、取得したデータをBD−ROMと同様に再生することができる。例えば、映画の配給会社のサイトから映画の予告編等のデータを取得してローカルストレージに保存し、予告編を視聴することができる。
【0050】
ただし、ローカルストレージの容量には限界があり、大容量の映画の予告編を多数保存すると、必要な情報をローカルストレージに保存することができなくなってしまう。また、ローカルストレージの容量は、1Gバイト以上であることが推奨されている。
【0051】
そのため、本実施形態では、ローカルストレージに保存された映画の予告編のうち、ユーザにとって不要なデータを選択して消去するようにしている。
【0052】
本実施形態では、図1のように構成されたディスク再生装置100において、制御部(MPU)12は、通信部19を介してwebサイトから映画の予告編をダウンロードしたことを検出すると、映画の予告編に含まれる映画タイトルや出演者等の映画関連情報(メタデータ)を抽出して映画予告編タイトルリストを作成し、予告編のデータともに映画予告編タイトルリストをローカルストレージ(記憶部)20に保存する。
【0053】
図4は、映画予告編タイトルリストの一例を示した図である。図4に示すように、映画予告編タイトルリストには、リストの各項目を形成する映画内容情報として、映画タイトル、監督・出演者が含まれている。また、映画提供情報として、映画上映日、ディスクのリリース日、レンタル開始日、映画の予告編を提供している取得元のアドレス情報や映画の予告編が提供された日(アップデート日)が含まれている。映画予告編タイトルリストの各データは、予告編のデータと関連付けられている。
【0054】
また、制御部(MPU)12は、ディスクがローディングされてコンテンツの再生が指定されると、再生コンテンツの映画関連情報(メタデータ)を取得してRAM15に一時保存する。
【0055】
この映画関連情報と、映画予告編タイトルリストに登録された映画関連情報とを比較して、再生コンテンツと同一の映画の予告編が存在するとき、その予告編データをローカルストレージ20から消去する処理を行う。
【0056】
以下に、ディスク再生装置100の制御部12が行う、ローカルストレージ20に保存した映画の予告編の消去処理について図5のフローチャートを参照しながら説明する。
【0057】
図5のステップS11からステップS14では、映画の予告編を取得してそのデータをローカルストレージ20に保存する処理を行う。
【0058】
まず、図5のステップS11において、映画の予告編を取得し、ローカルストレージ20に保存する。映画の予告編は、通信部19を介してインターネットに接続し、映画の配給会社のサーバーから取得する。また、ディスクに映画の予告編が記録されているときは、ディスクから取得するようにしてもよい。
【0059】
次のステップS12において、ステップS11で取得した映画の予告編に映画関連情報が含まれているか否かを判定する。映画関連情報が含まれているときは、ステップS13に移行し、含まれていないときはステップS15に移行する。なお、映画関連情報には、映画のタイトルやリリース日、その映画の監督や出演者の情報が含まれる。
【0060】
次のステップS13において、映画関連情報を基に、図4に示すような映画予告編タイトルリストを作成する。
【0061】
次のステップS14では、ステップS13において作成した映画予告編タイトルリストをローカルストレージ20に保存する。
【0062】
次のステップS15からステップS18では、ディスクが再生された場合にディスクの内容に対応する映画の予告編をローカルストレージ20から消去する処理を行う。
【0063】
ステップS15において、ディスクが再生されたか否かを判定する。操作部3を介してディスクの再生指示を受信したときに、ディスクが再生されたと判定する。また、操作部3を介してディスクの再生指示を受信した後、所定の時間が経過したときに、ディスクが再生されたと判定するようにしてもよい。これらの条件は予めユーザが設定できるようにしてもよい。
【0064】
ディスクが再生されるまで待機し、ディスクが再生されたときはステップS16に移行する。
【0065】
次のステップS16において、再生したディスクのコンテンツが映画であり、その映画の予告編がローカルストレージ20に保存されているか否かを判定する。この判定では、再生したディスクから、映画タイトル、リリース日、出演者情報や、コンテンツプロバイダーの情報(メタデータ)を取得して、RAM14に一時格納する。これらの情報と映画予告編タイトルリストとを比較して、ディスクの内容に対応する映画の予告編を検出する。
【0066】
ディスクコンテンツである映画の予告編が保存されているか否かの判定は、基本的にディスクから取得した映画タイトルと、ローカルストレージ20に保存した映画予告編タイトルリストの項目(映画タイトル)とが一致しているか否かによって判断する。
【0067】
しかし、同じ映画タイトルであっても内容が異なる場合もありうるので、他のメタデータも利用して、映画の予告編が保存されているか否かを判断する。判断に用いられる他のメタデータとしては、その映画の監督や出演者、ディスクのリリース日、その映画の配給会社(プロバイダ)のアドレス等の識別情報がある。これらのメタデータを利用することにより、ディスクコンテンツである映画の予告編を確実に検出できるようにしている。
【0068】
例えば、ディスクから取得したメタデータが、映画タイトル、リリース日、監督・出演者であり、映画タイトルが“MOVIE2”、リリース日が“2009年12月”、監督・出演者が“監督:S.H.,出演者:K.N.”であったとする。図4に示す映画予告編タイトルリストが登録されているとき、映画タイトルを比較の対象項目とすると、映画予告編タイトルリストから2つのデータ(図4の2行目と3行目)が該当し、映画タイトルだけではいずれのデータが対応するか判定できない。そこで、リリース日を比較の対象項目に加えると、図4のリストの3行目のデータが該当し、データを特定することができる。さらに、映画タイトルもリリース日も同一のデータが存在するときには、他のメタデータ(監督・出演者)を利用して、ディスクコンテンツと同一の映画の予告編がローカルストレージ20に存在するか否かを判定する。
【0069】
再生した映画の予告編がローカルストレージ20に保存されていると判定したときはステップS17に移行し、保存されていないと判定したときは本処理は終了する。
【0070】
次のステップS17において、当該映画の予告編をローカルストレージ20から消去する。
【0071】
次のステップS18において、映画予告編タイトルリストを更新する。ステップS17において消去した映画の予告編に対応するデータを映画予告編タイトルリストから削除して映画予告編タイトルリストの更新を行う。
【0072】
なお、ステップS11からステップS14の映画予告編をローカルストレージ20に保存する処理は、映画配給会社のサーバー等から予告編を取得する毎に行う。
【0073】
また、ステップS15においてディスクが再生されたか否かを判定しているが、ディスクがローディングされただけで再生されなかった場合であって、そのディスクのコンテンツである映画の予告編がローカルストレージ20に存在するとき、予告編を消去するか否かを問い合わせるようにしてもよい。
【0074】
以上、説明したように、本実施形態のディスク再生装置100及びデータ管理方法によれば、映画の予告編及び映画関連情報を用いて作成した映画予告編タイトルリストが記憶手段(ローカルストレージ)に保存されている状態で、再生されたディスクの映画関連情報と映画予告編タイトルリストとを比較して、ディスクのコンテンツが予告編に対応する映画であると判定したとき、その映画の予告編をローカルストレージから消去し、映画予告編タイトルリストを更新するようにしている。
【0075】
これにより、ローカルストレージから不要な大きなサイズのデータを自動的に消去することができ、ローカルストレージの空き容量を確保することが可能となる。
【0076】
なお、本実施形態では、ディスクが再生されたときにディスクのコンテンツに対応する映画の予告編をローカルストレージ20から消去したが、これに限らず、例えばディスク再生装置100に接続可能な外部記憶装置(SDカードやUSBメモリ)に記録されたコンテンツとローカルストレージ20に記憶された映画予告編タイトルリストとを比較してコンテンツに対応する予告編が存在するか否かを判定するようにしてもよい。対応する予告編がローカルストレージに存在する場合も、予告編は不要であるため、ローカルストレージから消去し、映画予告編タイトルリストを更新する。
【符号の説明】
【0077】
1…ディスク、
2…記録情報読取装置、
3…操作部、
4…出力情報生成部、
5…映像出力部、
6…音声出力部、
11…復号・信号処理部、
12…MPU、
12a…Java仮想マシン、
13…AVデコーダ、
14、15…RAM、
16…ROM、
17…映像処理部、
18…音声処理部、
19…通信部、
20…記憶部、
100…ディスク再生装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映画及び当該映画の映画関連情報を記憶しているディスクから信号を読み取り、読み取った信号をデコードして再生するディスク再生装置であって、
記憶手段と、
インターネットに接続して外部から情報を受信する通信手段と、
前記通信手段を介して映画の予告編及び該予告編の映画関連情報を取得し、前記予告編の映画関連情報を用いて作成した映画予告編タイトルリスト及び前記予告編を作成し前記記憶手段に格納する制御手段と、
を有し、
前記制御手段は、前記ディスクが再生されたとき、再生中のコンテンツの映画関連情報を取得し、当該映画関連情報と前記記憶手段に格納された前記映画予告編タイトルリストの映画関連情報とを比較し、前記コンテンツが前記予告編に対応する映画であると判定したとき、前記予告編を前記記憶手段から消去し、前記映画予告編タイトルリストを更新することを特徴とするディスク再生装置。
【請求項2】
前記映画関連情報には、映画内容情報項目として、映画タイトル、映画の監督及び出演者、が含まれ、映画提供情報項目として、上映予定日、リリース日、レンタル開始日、映画配給会社の識別情報が含まれていることを特徴とする請求項1に記載のディスク再生装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記再生中のコンテンツの映画タイトルに一致するデータを前記映画予告編タイトルリストから検出し、当該再生中のコンテンツの他の映画関連情報の各項目の内容が当該映画予告編タイトルリストの前記各項目の内容と一致するとき、前記コンテンツが前記予告編に対応する映画であると判定することを特徴とする請求項2に記載のディスク再生装置。
【請求項4】
さらに、ユーザの指示を入力する操作手段を備え、
前記制御手段は、前記操作手段を介して前記ディスクの再生指示を受信したとき、又は、前記再生指示を受信して所定の時間が経過したとき、前記ディスクが再生されたと判断することを特徴とする請求項3に記載のディスク再生装置。
【請求項5】
さらに、外部記憶装置との接続端子を備え、
前記制御手段は前記外部記憶装置内に格納されているコンテンツが前記予告編に対応する映画であると判定したとき、前記予告編を前記記憶手段から消去し、前記映画予告編タイトルリストを更新することを特徴とする請求項1に記載のディスク再生装置。
【請求項6】
インターネットを介して映画の予告編及び該予告編の映画関連情報を取得するステップと、
前記予告編を記憶手段に格納するステップと、
前記予告編の映画関連情報を用いて映画予告編タイトルリストを作成するステップと、
前記映画予告編タイトルリストを記憶手段に格納するステップと、
ディスクの再生を検出するステップと、
再生中のディスクの映画関連情報を取得するステップと、
当該映画関連情報と前記映画予告編タイトルリストとを比較するステップと、
前記コンテンツが前記予告編に対応する映画であると判定したとき、前記予告編を前記記憶手段から消去するステップと、
前記映画予告編タイトルリストを更新するステップと、
を有することを特徴とするデータ管理方法。
【請求項7】
前記映画関連情報には、映画内容情報項目として、映画タイトル、映画の監督及び出演者、が含まれ、映画提供情報項目として、上映予定日、リリース日、レンタル開始日、映画配給会社の識別情報が含まれていることを特徴とする請求項6に記載のデータ管理方法。
【請求項8】
前記映画関連情報と前記映画予告編タイトルリストとを比較するステップは、
前記再生中のコンテンツの映画タイトルに一致するデータを前記映画予告編タイトルリストから検出するステップと、
前記再生中のコンテンツの他の映画関連情報の各項目を抽出するステップと、
抽出した他の映画タイトル情報の各項目の内容が前記映画予告編タイトルリストの前記各項目の内容と一致するか否かを判定するステップと、
を含むことを特徴とする請求項7に記載のデータ管理方法。
【請求項9】
前記ディスクの再生を検出するステップは、操作手段を介して前記ディスクの再生指示を受信したことを検出するステップであることを特徴とする請求項8に記載のデータ管理方法。
【請求項10】
前記ディスクの再生を検出するステップは、操作手段を介して前記ディスクの再生指示を受信して所定の時間が経過したことを検出するステップであることを特徴とする請求項8に記載のデータ管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−33233(P2012−33233A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−172441(P2010−172441)
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】