説明

ディスク再生装置

【課題】
ピックアップ駆動用のモータで、ディスク搬送ローラも適宜駆動するディスク再生装置において、小型化、薄型化及びコスト削減を図り、かつ確実に搬送ローラにモータの駆動力を伝達させるディスク再生装置を提供すること。
【解決手段】
フローティングシャーシ60にフローティング規制手段85を装着し、スライド板83が一方向へ移動してローラブラケット151を移動させる際前記フローティングシャーシ規制手段が規制位置へ移動して前記フローティングシャーシがスライド板を介してローラブラケットからの反力を受けて他方向へ移動するのを規制する構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピックアップ駆動用のモータで、ディスク搬送ローラやフローティングシャーシ固定手段も適宜駆動するディスク再生装置において、小型化、薄型化及び材料コスト削減を図り、かつ確実に搬送ローラにモータの駆動力を伝達させるディスク再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ピックアップの往復動と、ディスク搬送ローラの位置選択と、該ローラの回転駆動と、フローティングシャーシ固定手段によるフローティングシャーシの固定とを共通のモータで行うディスク再生装置は、種々提案されている。
【0003】
特開2006−18915号には、次のようなディスク装置が記載されている。
すなわち、上部筐体(2)及び下部筐体(3)よりなる固定シャーシ内に、ダンパー(5,7)を介して上部シャーシ(12)及び下部シャーシ(11)よりなるフローティングシャーシが弾性支持されている。下部シャーシ(11)には、光ヘッド(ピックアップ)(31)、スレッドモータ(M)、スピンドルモータ(26)及び切換えスライダー(スライド板)(15)などが取り付けられ、該スピンドルモータ(26)の軸にはターンテーブル(22)が取り付けられている。また、前記上部シャーシ(12)には、クランパ(23)、ローラアーム(ローラブラケット)(27)、ロック部材(18)などが取り付けられ、前記ローラブラケット(27)には搬送ローラ(28)が支持されている。
【0004】
そして、ディスク再生時にイジェクト操作をすると、モータ(M)の駆動力でピックアップ(31)はディスクの記録部に沿って、その内周方向へ移動する。そしてピックアップ(31)が移動終端位置に達すると、モータ(M)はスライド板(15)をディスク挿入方向へ移動させる。このスライド板(15)の移動により、クランパ(23)をディスクから離反させると共にロック部材(18)がフローティングシャーシを固定シャーシに対して固定する。また、スライド板(15)の移動によりローラブラケット(27)を回動して搬送ローラ(28)をモータ(M)に連結し、モータ(M)は、搬送ローラ(28)を回転駆動して、搬送ローラ(28)によりディスクが排出される。
【特許文献1】特開2006−18915号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特開2006−18915号に開示された構成では、搬送ローラをピックアップ駆動用のモータに連結し易くするために、搬送ローラを支持するローラブラケットも、モータ及びピックアップと共にフローティングシャーシに取り付けている。ところがローラブラケットや搬送ローラは比較的大重量の部品であるから、これらをフローティングシャーシに取付けることによってフローティング部分の重量が重くなり、重量が重くなるほどフローティング部分の振動時の振幅は大きくなってしまう。そこで、フローティング部分が振動時に回りの固定シャーシや固定シャーシ上に取付けられた部品に当たらないよう、フローティング部分の回りには、振動シロとしての間隔を十分大きく取る必要があり、装置の小型化、薄型化が困難であった。そこで、この種のディスク再生装置を、外形寸法が厳しく制限されている車載用として用いることは、設計上の困難性があった。
【0006】
そこで、搬送ローラを支持するローラブラケットを固定シャーシ側に取付けるとフローティング部分の軽量化を図ることができるが、ただ単にこのようにしただけでは、フローティングシャーシが固定シャーシに対して固定されていない状態では、フローティング側のモータと固定側の搬送ローラとの間の動力的な連結が困難となる。この場合、フローティングシャーシを固定シャーシに対して固定した後に、モータと搬送ローラとを動力的に連結しなければならないので、ディスクの搬送開始のタイミングが遅れてしまうことになる。
【0007】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、ピックアップとディスク搬送ローラとを共通のモータで適宜駆動する構成において、ディスク搬送開始のタイミングを遅らせることなく、搬送ローラを支持するローラブラケットを固定シャーシ側に移してフローティング部分の軽量化を図り、ディスク再生装置全体の小型化及び薄型化を図って車載用としても採用可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ピックアップ駆動用のモータ、ローラ位置切換部を有してこのモータに往復駆動されるスライド板及び前記モータに回転駆動される連結ギヤをフローティングシャーシに装着し、このフローティングシャーシを固定シャーシにてフローティング状態に支持し、また該フローティングシャーシをフローティングシャーシ固定手段により固定シャーシに適宜固定するものとし、前記固定シャーシに移動自在に装着したローラブラケットにて搬送ローラ及びこれと一体のローラギヤを回転自在に支持し、前記スライド板が前記モータに駆動されて一方向へ移動する際、前記ローラ位置切換部にて前記ローラブラケットを押圧し前記ローラギヤを前記連動ギヤに噛合させ、かつ搬送ローラをディスク搬送位置に位置させると共に前記フローティングシャーシ固定手段により前記フローティングシャーシを前記固定シャーシに対して固定するものとする。
また、前記フローティングシャーシにフローティング規制手段を装着し、前記フローティングシャーシ固定手段がフローティングシャーシを固定シャーシに対して固定する前に、該規制手段を前記スライド板の一方向への移動に伴い規制位置へ移動させ、フローティングシャーシがスライド板を介してローラブラケットからの反力を受けて他方向へ移動するのを前記フローティングシャーシ規制手段が前記固定シャーシに当接することにより規制するものとする。
【0009】
前記スライド板は突起部を有し、前記フローティングシャーシ規制手段は、当接部と前記スライド板が一方向に移動する際に前記突起部に摺接するカム状の摺接部とを有して前記フローティングシャーシに回動自在に装着され、前記スライド板の一方向への移動により前記突起部が前記摺接部に摺接して前記フローティングシャーシ規制手段が回動し、前記当接部が前記固定シャーシとの当接によりフローティングシャーシの固定シャーシに対する移動を規制する規制位置へ移動するようにするとよい。
【0010】
前記フローティングシャーシ規制手段は腕部を有し、前記スライド板の他方向への復帰に伴い該スライド板に該腕部を押されて回動復帰するようにするとよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ローラブラケットを固定シャーシ側に取付けたことにより、フローティングシャーシの重量を軽くすることができ、その結果、フローティングシャーシの振動シロを小さくでき、装置全体の小型化、薄型化及び材料コスト削減が達成できる。また、スライド板の移動によりフローティングシャーシ固定手段によるフローティングシャーシの固定を持たずに、ピックアップ駆動用のモータと搬送ローラとの動力的な連結が行えるので、フローティングシャーシの固定後、直ちにディスクの搬送を開始することができる。
【0012】
さらに、フローティングシャーシにフローティング規制手段を装着し、前記スライド板が一方向へ移動して前記ローラブラケットを移動させる際前記フローティングシャーシ規制手段が規制位置へ移動して前記フローティングシャーシがスライド板を介してローラブラケットからの反力を受けて他方向へ移動するのを規制するため、ローラギヤを連結ギヤに確実に噛合させることができ、モータの駆動力を確実に搬送ローラに伝達することができる。
【0013】
さらに、スライド板は突起部を有し、フローティングシャーシ規制手段は、当接部とスライド板が一方向に移動する際に突起部に摺接するカム状の摺接部とを有してフローティングシャーシに回動自在に装着され、スライド板の一方向への移動により突起部が摺接部に摺接してフローティングシャーシ規制手段が回動し、当接部が固定シャーシとの当接によりフローティングシャーシの固定シャーシに対する移動を規制する規制位置へ移動するものとすると機構を簡略化することできる。
【0014】
さらに、フローティングシャーシ規制手段は腕部を有し、スライド板の他方向への復帰に伴い該スライド板に該腕部を押されて回動復帰するものとすると、ばねなどの部材を使用せずに、フローティングシャーシ規制手段を回動復帰させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して説明する。
図1は車載用のディスク再生装置の機構部1の外観を示す斜視図である。前記ディスク再生装置の機構部1の正面には、ディスクDを挿出するディスク挿入口2が設けられている。矢印Aはディスク挿入方向を示し、その逆方向はディスク排出方向となる。そして、これらディスク挿入方向とディスク排出方向とを合わせて、ディスク挿出方向とする。
【0016】
図2は、前記ディスク再生装置の機構部1を上ユニット3と下ユニット4とに分けて示し、さらに下ユニット4の一部であるピックアップユニット5とクランプ機構6とを分けて示す分解斜視図である。
図3は前記上ユニット3を示す平面図であり、図4は前記下ユニット4からピックアップユニット5とクランプ機構6とを除いた部位を示す平面図である。また、図5はピックアップユニット5を示す平面図である。
【0017】
前記上ユニット3は、図2及び図3に示すように、上フレーム7及びディスク検知機構8で構成されている。前記下ユニット4は、図2、図4及び図5に示すように、下フレーム10と、この下フレーム10に取り付けられる3個の緩衝部材よりなるダンパ11と、搬送ローラ機構12と、ターンテーブル13やピックアップ14を含むピックアップユニット5と、クランプ機構6等で構成されている。前記上フレーム7と下フレーム10とで固定シャーシ15を構成する。
【0018】
図2及び図3の如く、金属板からなる前記上フレーム7は、ほぼ四角形をなす天板18の四辺より下方に折曲形成された側板を有し、その左右側板19,20のディスク挿出方向における前部及び後部にそれぞれ重ね合せ部21,22を設けている。
【0019】
また図2及び図4の如く、金属板からなる前記下フレーム10は、ほぼ四角形をなす底板23の四辺より上方に立上がる側板を有し、その左右側板24,25のディスク挿出方向における前部及び後部に、それぞれ重ね合せ部26,27を設けている。そして、上フレーム7と下フレーム10との合体は、互いの対応する重ね合せ部同志を重ね合わせ、それぞれの後部重ね合わせ部22,27をねじ28(図2において右方のみ記載)にて固定する(図1参照)ことにより行なっている。
【0020】
図2及び図3の如く、前記天板18には、ほぼ中央に大きく開口した開口部29を設けるとともに、この開口部29に対しディスク挿出方向に直交する方向に位置して、第一及び第二上方被係合部である一対の延出片30を下方へ延出させている。そして、前記天板18の前部には、上面側から下方に向けて押出し加工した左右方向に長い凹みを形成してその部位を装着部31としている。さらに、天板18と装着部31との間の段差部32には、適宜切欠部33を設けている。また、装着部31には、ガイド部34を形成している。
【0021】
前記ディスク検知機構8は、左右一対の水平回動自在なディスク検知部材35,36と、両検出部材35,36間に掛渡されたコイルばね37(図3に仮想線で示す)と、係止レバー38と、図示しないスイッチとで構成されている。ディスク検知機構8は、装着部31の上面に取付けられている。
【0022】
前記ディスク検知部材35,36は、ディスクが挿入されたことを検知するもので、装着部31の上面に突設された一対の支軸39にそれぞれ回動自在に装着され、前記ディスク挿入口2の近傍まで延長された各延長端には下方に延びた検知部40,41(図2参照)を有している。
【0023】
ディスク検知部材35には、図中右方へ延出した連結片42が形成されており、その先端には連結ピン43が上方へ向けて形成されている。一方、ディスク検知部材36には、図中左方へ延出した連結片44が形成されており、その先端付近には連結溝45が形成されている。そして、前記連結ピン43をこの連結溝45に係合させて、両ディスク検知部材35,36が左右対称に同期回動するようにしている。
【0024】
両ディスク検知部材35,36は、前記切欠部33の範囲内で回動自在となっており、前記コイルばね37の付勢力により装着部31の上面に形成された一対のストッパ部46のそれぞれに一部を当接させて、初期位置を維持している。また、前記検知部40,41の近傍には弾性片47,48が設けられ、これらの弾性片47,48を装着部31の上面に弾性的に常時圧接させて、検知部材35,36の振動によるラットルノイズの発生を防止するようにしている。
【0025】
前記係止レバー38は装着部31の上面に突設された支軸49に回動自在に装着され、ディスクが再生位置に挿入されたとき該ディスク検知部材35,36を回動位置に係止する。この係止レバー38には、一端に一方のディスク検知部材36に嵌合するピン50、他端にディスク搬送経路内に位置して搬送途中のディスクの外周に摺接する図示しない摺接ピンが、それぞれ形成されている。そして係止レバー38は、時計方向に極めて弱いばねで回動付勢されている。
【0026】
図2及び図4の如く、前記下フレーム10の底板23には、大きく開口した大開口部52を設け、その大開口部52周辺の底板23上面3箇所には、前記ダンパ11を固着する固定部53を設けている。また、左側板24後部付近において、底板23を上方へ向けて押出し加工にて山形形状とした押出し部54を設け、その前方位置に、左側板24の一部を装置内側へ向けて切曲げした切曲げ部55を設けている。この切曲げ部55には、被係合部である孔56が設けられている(図2参照)。さらに、図中右方には、前記孔56より手前側及び奥側位置に、右側板25より内側に向けて折曲形成された前方及び後方被係合部である一対の折曲部57,57が設けられている。
【0027】
前記3箇所の固定部53には、それぞれ前記ダンパ11の台座58を固着し、各ダンパ11の有底筒部59を前記ピックアップユニット5の一部に取付けて、ピックアップユニット5がこれらのダンパ11を介して、下フレーム10に対してフローティング状態に支持されるようにしている。また、下フレーム10の左右側板24,25のディスク挿入口2近傍には、前記搬送ローラ機構12が配置されている。
【0028】
前記ピックアップユニット5は、図2及び図5に示すように、フローティングシャーシ60と、このフローティングシャーシ60に取付けられたピックアップ駆動機構61、ローディング機構62、ディスク回転機構63とで構成されている。
【0029】
フローティングシャーシ60は金属板製で、ほぼ四角形をなす平板部65と、上方へ折り曲げた左右側板66,67と、下方へ折り曲げた前板68と、上方へ折り曲げた後板69とを有している。前記平板部65には、図5中ほぼ中央から左上方に向けて長い矩形孔70を有し、この矩形孔70の内側にピックアップ14が矩形孔70の長手方向に移動自在に配置されている。
【0030】
また、該矩形孔70の長手方向と平行にレール部71が設けられ、前記ピックアップ14の一部で、このレール部71を挟む構成となっている。この平板部65において、前記右側板67の近傍には溝72(仮想線で示す)が設けられている。さらに、この平面部65には、ディスクの挿入を規制する左右一対のストッパ片73を設けている。そして、前記矩形孔70の図中右方には第一モータ74が配置されている。
【0031】
前記ピックアップ駆動機構61は、前記ピックアップ14に挿通し前記レール部71と平行に配置される金属製の主ガイドレール75、一端に小ギヤ76を設けた合成樹脂製の送りねじ77、前記主ガイドレール75及び送りねじ77の両端をそれぞれ支持する第一支持部材78,第二支持部材79、一端をピックアップ14に固定し他端を前記送りねじ77に当接させる薄板製のピックアップ送り板80で構成されている。前記主ガイドレール75、小ギヤ76、送りねじ77、第一、第二支持部材78,79は、前記フローティングシャーシ60の平板部65の下面側に配置される。
【0032】
前記ローディング機構62は、ピックアップ14をロックするロック部材81と、前記第一モータ74の駆動力を伝達する駆動力伝達手段82と、第一モータ74の駆動力を受け、図中前後に移動するスライド板83と、ディスクを前記ターンテーブル13にチャッキングする直前を検知するトリガ部材84と、フローティングシャーシ規制手段である規制部材85とで構成されている。また、図示しないが、前記ロック部材81にはこの部材を時計方向に付勢するばねが、前記トリガ部材84には反転ばねが、それぞれ取付けられている。
そして、前記ロック部材81、駆動力伝達手段82、トリガ部材84は、平板部65の下面側に配置され、前記スライド板83、前記規制部材85は、右側板67に配置される。
【0033】
前記ロック部材81は、略中央に回動支点86を設け、一方に摺接ピン87、他方にロック部88を設けている。なお、ロック部材81は、図示しないばねによって、時計方向に回動付勢されている。
【0034】
図6はスライド板83とその周辺部品との関係を示す側面図であり、スライド板83の図中中央上部にはカム溝89を設けている。このカム溝89の下方には、前方及び後方被係合部である、上下方向の幅が狭いスリット部90,90と、上下方向幅広の逃げ部91,91とからなる一対の貫通孔92,92を設けている。スリット部90,90は前記下フレーム10の折曲片57,57と共にフローティングシャーシ固定手段Fの一部を構成するもので、図6に示すように折曲片57,57を嵌合させてフローティングシャーシ60を固定シャーシ15に対して固定する。また、スライド板83の図6における左端には、ローラ位置切換部であるカム面93を設けている。さらに、図5に示す如く、スライド板83には、図中左方に突出した被押圧部94が設けられている。さらに、前記スライド板83の後端部には、左方へ向けて突設された突起部95が設けられている。
【0035】
前記トリガ部材84は、一端側に上方へ延出する被当接部98、他端側にラック99、中間部に回動軸100を、それぞれ設けている。さらに、他端部には上方に突出するボス101も設けている。このボス101は、前記フローティングシャーシ60の溝72に挿通させている。
【0036】
前記ディスク回転機構63は、前記矩形孔70の図中最前部に取付けられた第二モータ102と、この第二モータ102に直結された前記ターンテーブル13とで構成されている。
【0037】
前記駆動力伝達手段82は、図5及び図7の如く、ギヤ群を主体とするものである。この伝達手段83は、前記第一モータ74の駆動力を、搬送ローラ機構12等又はピックアップ駆動機構61に適宜伝達する切換手段103と、第三支持部材104と、第四支持部材105とを有している。
【0038】
前記ギヤ群は、前記第一モータ74のシャフトに装着されたウォームギヤ106と、二段ギヤよりなる第一ギヤ107、第二ギヤ108及び第三ギヤ109と、三段ギヤよりなる第四ギヤ110と、ディスク挿出方向に長く両端部に第一ウォーム111,第二ウォーム112を一体形成した第五ギヤ113と、前記第四支持部材105に取付けられる、二段ギヤよりなる第六ギヤ114と、連結ギヤである第七ギヤ115とで構成されている。この第七ギヤ115は、前記スライド板83のカム面93に近い位置に配置されている。
【0039】
前記切換手段103は、仮想線で示す金属板製の切換板116と、この切換板116に取付けた前記第二ギヤ108とで構成される。前記切換板116は、図中下端部が右方に曲がった形状をなし、その先端を押圧部117とし、図中上端に円弧部118と傾斜部119とからなるカム部120を有し、中間部を前記第一ギヤ107と共通の軸121に回動自在に軸支されている。前記第二ギヤ108は前記カム部120と軸121とのほぼ中間位置に回転自在に軸支されている。そして、切換板116の回動により第二ギヤ108を、第三ギヤ109又は第四ギヤ110に適宜噛合させて、前記第一モータ74の駆動力をピックアップ駆動機構61又は搬送ローラ機構12に伝達するようにしている。
【0040】
第一ギヤ107は、前記フローティングシャーシ60の裏面側に軸支され、一段目の大ギヤをヘリカルギヤとして、このヘリカルギヤをウォームギヤ106に噛合させている。第一ギヤ107の二段目の小ギヤは第二ギヤ108の大ギヤに常時噛合させている。第四ギヤ110は、前記フローティングシャーシ60の裏面側に軸支され、中ギヤを第五ギヤ113の第一ウォーム111に噛合させている。
【0041】
第五ギヤ113は、第一ウォーム111側を前記第三支持部材104に支持され、第二ウォーム112側を第四支持部材105に回転自在に支持されている。この第三支持部材104及び第四支持部材105は前記フローティングシャーシ60の裏面側に取付けられている。第五ギヤ113の第二ウォーム112は第四支持部材105に回転自在に取付けられた第六ギヤ114の小ギヤと噛合している。この小ギヤはヘリカルギヤである。第六ギヤ114の大ギヤは同じく第四支持部材105に回転自在に取付けられた第七ギヤ115に噛合させている。また、第三ギヤ109の大ギヤはピックアップ駆動機構61の一部である前記小ギヤ76に常時噛合させている。
【0042】
図7に示すように、第二ギヤ108の小ギヤが第四ギヤ110の大ギヤに噛合していると、第一モータ74の駆動力が前記搬送ローラ機構12に伝達される。この状態から切換板116が軸121を中心に反時計方向に回動して、第二ギヤ108の大ギヤが第三ギヤ109の小ギヤと噛合すると、第一モータ74の駆動力がピックアップ駆動機構61に伝達される。
【0043】
図8は、前記規制部材85の周辺において、ディスク再生状態を示すもので、図8の如く、規制部材85は、回動支点となる軸125を下方へ向けて設けている。この規制部材85は、図中左方端には小判形状をなす当接部126を形成し、右方端にはカム状の摺接部127を形成している。前記摺接部127は距離の短い傾斜面128と距離の長い直線面129とで構成されている。また、軸125の図中上方には、横方向に長い腕部130が形成され、その先端は前記スライド板83の後端まで延出している。
【0044】
前記規制部材85は、前記フローティングシャーシ60の右側板67より折曲形成された配置部67aの孔に、前記軸125を挿入して配置されている。また、前記当接部126の図中上方には、前記下フレーム10の後板に折曲形成された被当接部10aが設けられている。
【0045】
前記クランプ機構6は、図9及び図10に示すように、クランパ131と、このクランパ131を回転支持する薄板製の支持板132と、この支持板132を取着し、上下方向に回動して(回動中心線を一点鎖線で示す)前記クランパ131を前記ターンテーブル13に対して離接させるクランパ支持体133とで構成される。
【0046】
図10の如く、クランパ131は、図中上方に軸部134と、図中下方にディスクの中心孔に嵌合する略円錐台形突部135とを有し、この略円錐台形突部135の外周にディスクの心出し用テーパ136を有している。
【0047】
クランパ131は、前記軸部134を前記支持板132の一端側にて回転自在に支持され、支持板132は、他端側をクランパ支持体133に固着され、ターンテーブル13とクランパ131とでディスクを挟持するときは、支持板132の一部でクランパ131の軸端を弾性的に押圧してターンテーブル13とクランパ131との間にディスク挟持圧を付与するようにしている。
【0048】
クランパ支持体133は、図9に示すように、左右方向に細長い板金製で、平板137の左右端に下方へ折り曲げられた側板138,139を有している。そして平板137には、略菱形状の第一及び第二上方係合部である一対の菱孔140,140を設け、各菱孔140,140には、図中左右角部にそれぞれストレート溝141,141を形成している。ストレート溝141,141は前記上フレーム7の延出片30,30と共にフローティングシャーシ固定手段Fの一部を構成するもので、図17に示すように延出片30,30を嵌合させてフローティングシャーシ60を固定シャーシ15に対して固定する。クランパ支持体133の図中奥側縁部142は、中央から左方及び右方にかけて僅かに奥側へ傾斜するように形成されている。また、右側板130の図中前端部には係合ピン143が取着されており、この係合ピン143は、前記スライド板83のカム溝89(図6参照)に嵌合する。
【0049】
前記左側板138は、図10に示すように一部を下方へ延長し、該延長部の下端部が二股形状に形成されており、図中右側を係合部である第一片144、左側を第二片145としている。第一片144は前記下フレーム10の孔56と共にフローティングシャーシ固定手段Fの一部を構成するもので、図10に示すように孔56に嵌合してフローティングシャーシ60を固定シャーシ15に対して固定する。また、左右側板138,139(図10には左側板138のみ示す)には、それぞれ軸孔146が設けられており、各軸孔146は前記フローティングシャーシ60の左右側板66,67(図5参照)にそれぞれ設けられた突部(図示せず)に係合し、クランパ支持体133は、それらの突部を中心に回動自在となっている。
【0050】
また、前記クランパ支持体133の前記フローティングシャーシ60に対する回動中心軸(両軸孔146の中心間を結ぶ線)は、前記ターンテーブル13の中心軸線より距離Kだけ奥側にあり、距離KはディスクDの中心孔径(15mm)より大きく、かつ、その2倍(30mm)以内、例えば25mm程度に設定される。さらに、前記クランパ支持体133の奥側縁部142は、中央から左方及び右方にかけて奥側へ僅かに傾斜させている。
【0051】
搬送ローラ機構12は、図4及び図11の如く、搬送ローラ150と、ローラブラケット151とで構成されている。
【0052】
搬送ローラ150は、外方端から内方端にかけて漸次小径となる一対の合成ゴム製テーパ筒体152に金属製の軸153を挿通させて構成されている。軸153の両端はテーパ筒体152の外方端から突出し、その突出する軸153の一端側には前記駆動力伝達手段82(図5参照)の一部であるローラギヤ154を、また他端側にはカラー155を、それぞれを取付けている。
【0053】
ローラブラケット151は金属板よりなるもので、左右に長い連結板156の左右端に、上方へ向けて折曲形成された左右側板157を有し、これらの左右側板157を連結板156より奥側へ延出させている。左右側板157は、各内面側の略中間部に絞り加工による凸状筒部158,158をそれぞれ有し、各凸状筒部158,158を下フレーム10(図2参照)の左右側板24,25に形成された溝159(一方のみ仮想線で示す)に嵌合させ、凸状筒部158,158を支点として、上下回動自在に装着される。また、左右側板157間の延出部で搬送ローラ150の軸153両端を回転自在に支持するようにしている。
【0054】
前記連結板156の後縁は裏面側に向けて折曲された山折縁部160となっている。この山折縁部160は、平面図上ではほぼ左右対称となるV形凹状となっているが、その傾斜角度は、ローラの軸心線に対して約1°程度の僅かなものである。また、連結板156の前縁には上方に向けて屈曲した左右一対の屈曲部161,161が設けられている。これらの屈曲部161,161は、搬送ローラ150が下方位置にあるとき、すなわち、ディスクが再生位置に挿入されているときは上方位置にあってディスク挿入口2(図1参照)を塞いで、ディスクの二重挿入を防止する。さらに図11に示すように、前記ローラブラケット151の右側板157の最奥部には、外方へ向けて略直角に曲げられた折曲片162が設けられている。なお、ローラブラケット151は図示しないばねにより、搬送ローラ150を上昇させる方向に常時付勢されている。
【0055】
また、図13に示す如く、前記フレーム10の底板23の一部に一対の誘導部165,165を設け、スライド板83がディスク排出方向へ移動した際に、スライド板83が両誘導部165,165間に挟まれるようにしている。
【0056】
次にディスク再生機の機構部1の動作について説明する。
図12はディスク再生している状態における側面図であり、前記ターンテーブル13とクランパ131とでディスクDを挟持している。この状態にあるときは、前記スライド板83は図中右方に位置しており、前記ローラブラケット151は凸状筒部158,158を中心に時計方向に回動した位置、すなわち、搬送ローラ150が非搬送位置に位置している。さらに、前記下フレーム10の折曲部57,57が前記スライド板83の逃げ部91,91に位置し、フローティングシャーシ60は、固定シャーシ15に対して、ダンパ11(図2参照)を介してフローティング状態となっている。
【0057】
ディスクが再生位置にあるときは、図13に示す如く、ロック部材81の摺接ピン87が切換板116の傾斜部119に係合し、第一モータ74の回転力が第二ギヤ108及び第三ギヤ109を介してピックアップ駆動機構61に伝達される。この状態では、第二ギヤ108が時計方向に回転するとき前記切換板116を時計方向へ回動させて第二ギヤ108を第三ギヤ109から離反させようとするが、切換板116は摺接ピン87により図13の位置に保持されている。このとき、前記規制部材85は、図8に示す位置に位置しており、該スライド板83の突起部95は規制部材85のどこにも触れていない。
【0058】
この状態からディスク排出操作を行なうと、第二ギヤ108は時計方向へ回転し、ピックアップ14はディスク内周方向に移動する。そして、ピックアップ14がディスクのデータ記録部の最内周部を超えた位置まで移動して、ピックアップ14の一部で前記ロック部材81を反時計方向に回動させる。
【0059】
すると、図7に示す如く、ロック部材81の摺接ピン87が切換板116の傾斜部119から外れ、切換板116が時計方向に回動して第二ギヤ108の小ギヤが第四ギヤ110の大ギヤと噛合する。
【0060】
第一モータ74の駆動力が各ギヤを介し第四ギヤ110に伝達されると、第四ギヤ110の回転により、トリガ部材84(図5参照)がディスク排出方向に移動する。そして、トリガ部材84の移動により、図示しない連結部材を介し前記スライド板83もディスク排出方向へ移動する。
【0061】
図14に示す如く、前記スライド板83がディスク排出方向へ移動すると、前記カム面93がローラブラケット151の折曲片162に当接する。この状態では、まだ、前記下フレーム10の折曲部57,57は前記スライド板83の逃げ部91,91に位置し、フローティングシャーシ60は、固定シャーシ15に対してフローティング状態となっている。
【0062】
前記規制部材85は、前記カム面93がローラブラケット151の折曲片162に当接する前に、前記スライド板83が移動するとすぐに、スライド板83の突起部95が前記規制部材85の摺接部127の一部である傾斜面128に当接し、該規制部材85は、前記突起部95に傾斜面128を押圧され軸125を回動支点として図中時計方向に回動する。
【0063】
さらにスライド板83がディスク排出方向へ移動すると、突起部95は傾斜面128から直線面129に摺接する。すると、規制部材85は図15の如く、回動を終了し、前記当接部126が前記被当接部10aに接近した位置、すなわちフローティングシャーシ規制位置に位置される。この状態でも、まだ、前記フローティングシャーシ60は固定シャーシ15に対してフローティング状態となっている。
【0064】
そして、規制部材85がフローティングシャーシ規制位置に位置された状態で、スライド板83がさらにディスク排出方向に移動すると、前記カム面93が折曲片162を押圧し、搬送ローラ150及びローラギヤ154を押し上げていく。このとき、前記フローティングシャーシ60は固定シャーシ15に対して未だフローティング状態にあるため、フローティングシャーシ60は、スライド板83を介して折曲片162からの反力を受けて、ディスク挿入方向へ移動するが、規制部材85の当接部126が前記下フレーム10の被当接部10aに当接することにより、その移動が規制される。
【0065】
このように、フローティングシャーシ60のディスク挿入方向への移動が規制されることにより、スライド板83は搬送ローラ150を確実に押し上げていき、搬送ローラ150がディスク搬送位置に接近するに伴い、ローラギヤ154が第七ギヤ115への噛合を開始する。そして折曲片162は、図6に示す如く、カム面93の上端から外れ、スライド板83の上面に移動し、搬送ローラ150のディスク搬送位置への到達と同持に、ローラギヤ154は、図16に示す如く、第七ギヤ115に対する噛合を完了する。
【0066】
以上のように、規制部材85がフローティングシャーシ規制位置に位置することによって、ローラギヤ154を第七ギヤ115に確実に噛合させることができる。この過程において、カム溝89に沿ってクランパ支持体133の係合ピン143が上昇し、クランパ支持体133が図中時計方向に回動してクランパ131をターンテーブル13から離反させる。
【0067】
クランパ支持体133の回動によって、図17に示す如く、クランパ支持体133の一対の菱孔140,140が、上フレーム7に設けられた一対の延出片30,30と嵌合すると共に、クランパ支持体133の第一片144も、下フレーム10の孔56に嵌合する(図10に仮想線で示す)。このとき、前記スリット部90,90に下フレーム10の折曲部57,57が嵌合しており(図16参照)フローティングシャーシ60は、固定シャーシ15に対して、固定状態となっている。
【0068】
そして、第一モータ74の駆動力は、第七ギヤ115及びローラギヤ154を介して搬送ローラ150に伝達され、この搬送ローラ150がディスクDを排出方向へ搬送する。
【0069】
このように、ローラブラケット151を固定シャーシ15に取付けたことにより、フローティングシャーシ60の重量を軽くすることができ、その結果、フローティングシャーシ60の振動シロを小さくでき、装置全体の小型化、薄型化及び材料コスト削減が達成できる。また、スライド板83の移動によりフローティングシャーシ固定手段によるフローティングシャーシ60の固定を持たずに、ピックアップ駆動用のモータ74と搬送ローラ150との動力的な連結が行えるので、フローティングシャーシ60の固定後、直ちにディスクの搬送を開始することができる。
【0070】
また、フローティングシャーシ60に規制部材85を装着し、スライド板83が一方向へ移動して前記ローラブラケット151を移動させる際前記規制部材85が規制位置へ移動して前記フローティングシャーシ60がスライド板83を介してローラブラケット151からの反力により他方向へ移動するのを規制するため、ローラギヤ154を第七ギヤ115に確実に噛合することができ、モータ74の駆動力を確実に搬送ローラ150に伝達することができる。
【0071】
さらに、スライド板83は突起部95を有し、規制部材85は、当接部126とスライド板83が一方向に移動する際に突起部95に摺接するカム状の摺接部127とを有してフローティングシャーシ60に回動自在に装着され、スライド板83の一方向への移動により突起部95が摺接部127に摺接して規制部材85が回動し、当接部126が下フレーム10の被当接部10aのとの当接によりフローティングシャーシ60の固定シャーシ15に対する移動を規制する規制位置へ移動するものとすると機構を簡略化することできる。
【0072】
また、規制部材85は腕部130を有し、スライド板83の他方向への復帰に伴い該スライド板83に該腕部130を押されて回動復帰するものとすると、ばねなどの部材を使用せずに、規制部材85を回動復帰させることができる。
【0073】
なお、本実施の形態では、前記ローラブラケット151の右側板157に折曲片162を設け、この折曲片162がスライド板83のカム面93を摺接するようにしたが、これに限るものではなく、折曲片162の代わりにピンをカシメて固定してもよい。
【0074】
次に、図18ないし図23に示す別の実施の形態について説明する。この実施の形態は、前記実施の形態がローラブラケットを固定シャーシの下フレームに取付けていたものに対し、ローラブラケットを固定シャーシの上フレームに取付けたものである。一般に、ディスク再生装置を車両のオーディオ機器取付部に取付ける場合、まず、図18に示すように、ディスク再生装置の固定シャーシ15を、専用のアタッチメントケース170に取付ける。このアタッチメントケース170は、前面部に操作釦、表示部等を有するフロントパネル171を備えている。固定シャーシ15は前記実施の形態と同様に、上フレーム7及び下フレーム10を互いに合体して構成されるが(図19参照)、本実施の形態では、下フレーム10にはディスクを挿出する側の前端部左右に固定片172,172を設け、後端中央部にも固定片173を設けている。また、アタッチメントケース170には、前記固定片172,172,173に対応する部位にそれぞれ被固定部174,174,175が設けられ、固定片172,172,173をアタッチメントケース170の被固定部174,174,175に、ねじ176を用いて固定した後、このように一体化したディスク再生装置とアタッチメントケース170を、車両のオーディオ機器取付部に装着するものとする。
【0075】
図19に示すように、下フレーム10の左右の固定片172,172は、左右側板の前端部より上方へ延出してその延出端部172aを外方へ折曲形成した逆L字状をなし、後端側固定片173は、後方側板の中央部上縁より外方へ折曲形成されている。これら各固定片172,172の各延長端部172a,172a及び後端側固定片173には、ねじ孔が設けられている。
前記上フレーム7は、前記左右の固定片172,172の近傍位置において、前端左右縁より下方へ折曲形成したブラケット取付部177を有し、これら取付部177に設けた軸孔にて前記実施の形態と同様のローラブラケット151(図11参照)の凸状筒部158(図11参照)を回転自在に支持するようにしている。
【0076】
上フレーム7には更に、下方へ折曲する左右側板の折曲角部に、それぞれ前方取付孔178及び係合凹部としての後方取付孔179が設けられている。
【0077】
一方、前記下フレーム10には上方へ折曲する左右側板の上縁に、図20に示すように、それぞれ係合凸部180、逆L字形の前方抜止め片181及び係合凸部180の僅か前方に位置する後方抜止め片182が設けられている。各前方抜止め片181は、前記左右の固定片172,172の僅か後方に位置している。左右の固定片172と前方抜止め片181との間には上方に開口するスリット183が存在し、左右側板の前端には小さな切欠き184が存在し、これらスリット183の下端及び切欠き184を結ぶ仮想の線が側板と固定片172との境界線となる。
【0078】
そこで、上フレーム7の各後方取付孔179を下フレーム10の各係合凸部180に係合させた後、上フレーム7の各前方取付孔178を下フレーム10の前方抜止め片181の内側に位置させる。
その後、図21に示すように、前方抜止め片181の先端水平部を水平方向内方へ屈曲させて各前方取付孔178の下縁上に位置させる。さらに、左右の後方抜止め片182を図22の如く内方(矢印方向)へ僅かに屈曲させて上フレーム7上面上に位置させると、後方取付孔179と係合凸部180との離脱が防止される。すなわち、左右の前方抜止め片181と前方取付孔178の下縁、並びに後方抜止め片182と上フレーム上面によって、係合凸部180と後方取付孔179との係合状態を保持する離脱防止手段が構成されている。なお、図21に示すように、このように上下フレーム7,10を合体した状態では、上フレーム7に設けたブラケット取付部177と下フレーム10の側板との間に若干の隙間175を有している。
【0079】
このように上下フレーム7,10を合体した状態では、図23に示すように、上フレーム7のブラケット取付部177は下フレーム10の左右の固定片172,172の各内側かつ近傍に位置するようになる(図23では右方のみ示す)。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】ディスク再生機を示す斜視図。
【図2】ディスク再生装置の分解斜視図。
【図3】上ユニットを示す平面図。
【図4】下ユニットからピックアップユニットとクランプ機構とを除いた状態を示す平面図。
【図5】ピックアップユニットを示す平面図。
【図6】スライド板と周辺部品との関係を示す側面図。
【図7】駆動力伝達手段を示す平面図。
【図8】規制部材を示す平面図
【図9】クランプ機構を示す平面図。
【図10】クランプ動作を示す左側面図。
【図11】搬送ローラ機構を示す斜視図。
【図12】ディスク再生状態におけるスライド板とクランパとの関係を示す側面図。
【図13】ディスク再生状態における駆動力伝達手段を示す平面図。
【図14】スライド板と周辺部品との関係を示す側面図。
【図15】フローティングシャーシ規制位置に位置した規制部材を示す平面図
【図16】スライド板と周辺部品との関係を示す側面図。
【図17】クランプ機構を示す平面図。
【図18】アタッチメントケースとディスク再生装置との取付け関係を示す分解斜視図。
【図19】上フレームと下フレームとの関係を示す取付け分解斜視図。
【図20】上フレームを下フレームに取付ける過程を示す側面図。
【図21】前方抜止め片の屈曲状態を示す平面図。
【図22】抜止め小片の屈曲状態を示す説明図。
【図23】上フレームと下フレームとの関係を一部拡大して示す斜視図。
【符号の説明】
【0081】
15 固定シャーシ
60 フローティングシャーシ
74 第一モータ
84 スライド板
85 フローティングシャーシ規制手段(規制部材)
93 ローラ位置切換部(カム面)
95 突起部
115 連結ギヤ(第七ギヤ)
126 当接部
127 摺接部
130 腕部
150 搬送ローラ
151 ローラブラケット
154 ローラギヤ
F フローティングシャーシ固定手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピックアップ駆動用のモータ(74)、ローラ位置切換部(93)を有してこのモータに往復駆動されるスライド板(84)及び前記モータに回転駆動される連結ギヤ(115)をフローティングシャーシ(60)に装着し、このフローティングシャーシを固定シャーシ(15)にてフローティング状態に支持し、また該フローティングシャーシをフローティングシャーシ固定手段(F)により固定シャーシに適宜固定するものとし、前記固定シャーシに移動自在に装着したローラブラケット(151)にて搬送ローラ(150)及びこれと一体のローラギヤ(154)を回転自在に支持し、前記スライド板が前記モータに駆動されて一方向へ移動する際、前記ローラ位置切換部にて前記ローラブラケットを押圧し前記ローラギヤを前記連動ギヤに噛合させ、かつ搬送ローラをディスク搬送位置に位置させると共に前記フローティングシャーシ固定手段により前記フローティングシャーシを前記固定シャーシに対して固定するディスク再生装置において、
前記フローティングシャーシにフローティング規制手段(85)を装着し、前記フローティングシャーシ固定手段がフローティングシャーシを固定シャーシに対して固定する前に、該規制手段を前記スライド板の一方向への移動に伴い規制位置へ移動させ、フローティングシャーシがスライド板を介してローラブラケットからの反力を受けて他方向へ移動するのを前記フローティングシャーシ規制手段が前記固定シャーシに当接することにより規制することを特徴とするディスク再生装置。
【請求項2】
前記スライド板は突起部(95)を有し、前記フローティングシャーシ規制手段は、当接部(126)と前記スライド板が一方向に移動する際に前記突起部に摺接するカム状の摺接部(127)とを有して前記フローティングシャーシに回動自在に装着され、前記スライド板の一方向への移動により前記突起部が前記摺接部に摺接して前記フローティングシャーシ規制手段が回動し、前記当接部が前記固定シャーシとの当接によりフローティングシャーシの固定シャーシに対する移動を規制する規制位置へ移動することを特徴とする請求項1に記載のディスク再生装置。
【請求項3】
前記フローティングシャーシ規制手段は腕部(130)を有し、前記スライド板の他方向への復帰に伴い該スライド板に該腕部を押されて回動復帰することを特徴とする請求項2に記載のディスク再生装置。

【図5】
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【図6】
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【図15】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2010−113790(P2010−113790A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−288287(P2008−288287)
【出願日】平成20年11月11日(2008.11.11)
【出願人】(000108786)タナシン電機株式会社 (33)
【Fターム(参考)】