ディスク出し入れ機構及びディスク搬送装置
【課題】ディスクカートリッジに対して薄型ディスクを高い位置精度で出し入れすることができるディスク出し入れ機構を提供する。
【解決手段】 各吸着機構は、Z軸に平行な昇降軸110、吸盤保持部材120、3つの吸盤130、駆動モータ、アジャスタ160などを有している。積層体昇降機構は、Z軸に平行な昇降軸210、該昇降軸210の+Z側端部に取り付けられたアジャスタ220、昇降軸210を昇降させるための駆動モータ、羽根240などを有している。アジャスタ220は、アジャスタ160と嵌合される形状を有している。そこで、アジャスタ160とアジャスタ220とが勘合して両者の根元まで噛み合うことにより、薄型ディスク及びスペーサの中心位置を所定の位置に維持したまま、吸着機構と積層体昇降機構との間での受け渡しを行うことができる。
【解決手段】 各吸着機構は、Z軸に平行な昇降軸110、吸盤保持部材120、3つの吸盤130、駆動モータ、アジャスタ160などを有している。積層体昇降機構は、Z軸に平行な昇降軸210、該昇降軸210の+Z側端部に取り付けられたアジャスタ220、昇降軸210を昇降させるための駆動モータ、羽根240などを有している。アジャスタ220は、アジャスタ160と嵌合される形状を有している。そこで、アジャスタ160とアジャスタ220とが勘合して両者の根元まで噛み合うことにより、薄型ディスク及びスペーサの中心位置を所定の位置に維持したまま、吸着機構と積層体昇降機構との間での受け渡しを行うことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスク出し入れ機構及びディスク搬送装置に係り、更に詳しくは、ディスクカートリッジに対して薄型ディスクを出し入れするディスク出し入れ機構、及び該ディスク出し入れ機構を備えるディスク搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータで扱われる情報量の大容量化に伴い、情報を蓄える記憶装置の更なる大容量化が望まれている。記憶装置としては、主にハードディスク、光ディスク等のディスク状の記憶媒体、及び磁気テープ等のテープ状の記憶媒体があげられる。
【0003】
ディスク状の記憶媒体は、テープ状の記憶媒体に比べて記録領域の総面積が狭い。このため、記録密度が同じ場合には、ディスクカートリッジ1個あたりの記録容量を、テープカートリッジ1個あたりの記録容量よりも大きくするのは難しい。
【0004】
これを解決する手段として、厚さが0.1〜0.3mm程度の光ディスク(以下、「薄型光ディスク」ともいう)を用い、1個のディスクカートリッジに多数の薄型光ディスクを収納し、大容量化を図ることが考案された。
【0005】
例えば、特許文献1には、複数枚の薄型の情報記録媒体と、1枚以上の仕切り板とを積層した状態で非固定的に収容し、各仕切り板の端部には、その収容位置に対応した固有のタブが形成されており、該タブにアクセスすることにより、それぞれの収容位置の仕切り板にアクセスすることが可能である情報記録媒体用カートリッジが開示されている。
【0006】
また、特許文献2には、シート状の光ディスクを多数枚収納したカートリッジから光ディスクを取り出しデータを記録又は再生するための光ディスク記録再生装置、及び複数台配置したこの光ディスク記録再生装置にカートリッジを運搬し光ディスクを取り出して記録再生するように構成したディスクオートチェンジャが開示されている。
【0007】
また、特許文献3には、複数枚の光ディスクに情報の記録、又は再生を行う記録再生装置において、複数枚の光ディスクを積層しコンパクトに収納した積層型トレイ、及び積層したトレイから光ディスクを複数の記録再生装置へ展開し搬送する機構装置が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、CD(compact disc)やDVD(digital versatile disc)などの従来の光ディスク(以下では、便宜上「従来ディスク」と略述する)をドライブ装置からディスクカートリッジに戻す場合を考える。
【0009】
従来ディスクをドライブ装置のトレイ(ドライブトレイ)から取り出すときには、ドライブトレイの壁面にテーパがついているため、従来ディスクはドライブトレイの所定位置に載置された状態となり、従来ディスクをドライブトレイから取り出す際の位置ずれは、非常に小さかった。
【0010】
そして、従来ディスクをディスクカートリッジのトレイ(ディスクトレイ)に載置するときには、ディスクトレイの壁面にもテーパがついているため、従来ディスクをディスクトレイ上から落下させると、従来光ディスクはテーパによって案内され、自重でディスクトレイの所定位置におさまることができた。
【0011】
次に、薄型光ディスクをドライブ装置からディスクカートリッジに戻す場合を考える。
【0012】
薄型光ディスクをドライブトレイから取り出すときには、ドライブトレイの壁面にテーパがついていても、従来ディスクに比べて軽いため、薄型光ディスクは、ドライブトレイの所定位置からずれて載置された状態となり、そのずれた状態でドライブトレイから取り出されることがあった。すなわち、薄型光ディスクは、中心がずれた状態で搬送されることがあった。
【0013】
そして、薄型光ディスクをディスクトレイに載置するときには、ディスクトレイの壁面にテーパがついていても、従来ディスクに比べて軽いため、薄型光ディスクは、中心がずれた状態で搬送されると、自重ではディスクトレイの所定位置におさまることができなかった。すなわち、薄型光ディスクがディスクトレイにうまく載置されず、ディスクトレイをディスクカートリッジ内に収容することができないことがあった。
【0014】
本発明は、かかる事情の下になされたもので、その第1の目的は、ディスクカートリッジに対して薄型ディスクを高い位置精度で出し入れすることができるディスク出し入れ機構を提供することにある。
【0015】
また、本発明の第2の目的は、薄型ディスクを高い位置精度で搬送することができるディスク搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、第1の観点からすると、ディスクカートリッジに対して薄型ディスクを出し入れするディスク出し入れ機構であって、前記ディスクカートリッジは、前記ディスクカートリッジに対して引き出し及び収納が可能で、中心部に開口を有し、薄型ディスクが載置されるディスクトレイを有し、前記ディスクトレイが引き出されたときに、該ディスクトレイの開口の下側に位置し、該開口を貫通して上下方向に移動可能で、薄型ディスクの中心孔に先端の一部が挿入される昇降軸を有する昇降機構と;薄型ディスクを保持する保持部材と、該保持部材を支持し前記昇降軸に平行な支持軸とを有し、前記保持部材が前記ディスクトレイの上側に位置したときに、前記支持軸の中心軸と前記昇降軸の中心軸とが一致するディスク保持機構と;を備えるディスク出し入れ機構である。
【0017】
これによれば、ディスクカートリッジに対して薄型ディスクを高い位置精度で出し入れすることができる。
【0018】
本発明は、第2の観点からすると、ディスクカートリッジとドライブ装置との間で薄型ディスクを搬送するディスク搬送装置であって、本発明のディスク出し入れ機構と;該ディスク出し入れ機構におけるディスク保持機構の支持軸を前記ディスクカートリッジと前記ドライブユニットとの間で水平方向に移動させるアーム機構と;を備えるディスク搬送装置である。
【0019】
これによれば、薄型ディスクを高い位置精度で搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態に係る薄型ディスク記録再生装置の概略構成を説明するための図である。
【図2】図1におけるディスクカートリッジを説明するための図である。
【図3】図2におけるディスクトレイを説明するための図である。
【図4】積層体を説明するための図である。
【図5】薄型光ディスクを説明するための図である。
【図6】スペーサを説明するための図である。
【図7】吸着機構を水平方向に移動させるためのアームと公転搬送モータとの関係を説明するための図である。
【図8】吸着機構を説明するための図(その1)である。
【図9】吸着機構を説明するための図(その2)である。
【図10】吸着機構の吸盤を説明するための図である。
【図11】図11(A)及び図11(B)は、それぞれ積層体昇降機構を説明するための図(その1)である。
【図12】積層体昇降機構を説明するための図(その2)である。
【図13】積層体昇降機構を説明するための図(その3)である。
【図14】吸着機構のアジャスタと積層体昇降機構のアジャスタとの関係を説明するための図である。
【図15】吸着機構のアジャスタと積層体昇降機構のアジャスタとが嵌合されている状態を説明するための図である。
【図16】図15の一部を拡大した図である。
【図17】図17(A)及び図17(B)は、それぞれ積層体昇降機構及び吸着機構の動作を説明するための図(その1)である。
【図18】図18(A)及び図18(B)は、それぞれ積層体昇降機構及び吸着機構の動作を説明するための図(その2)である。
【図19】図19(A)及び図19(B)は、それぞれ積層体昇降機構及び吸着機構の動作を説明するための図(その3)である。
【図20】図20(A)及び図20(B)は、それぞれ積層体昇降機構及び吸着機構の動作を説明するための図(その4)である。
【図21】図21(A)及び図21(B)は、それぞれ積層体昇降機構及び吸着機構の動作を説明するための図(その5)である。
【図22】図22(A)及び図22(B)は、それぞれ積層体昇降機構及び吸着機構の動作を説明するための図(その6)である。
【図23】図23(A)及び図23(B)は、それぞれ積層体昇降機構及び吸着機構の動作を説明するための図(その7)である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態を図1〜図23(B)に基づいて説明する。図1には、一実施形態に係る薄型ディスク記録再生装置10が示されている。ここでは、薄型ディスク記録再生装置10が設置されている床面に直交する方向をZ軸方向とし、床面に平行な面内で互いに直交する2つの方向をX軸方向とY軸方向とする。
【0022】
この薄型ディスク記録再生装置10は、4個の吸着機構100、積層体昇降機構200、積層体ストッカ300、スペーサストッカ400、公転搬送モータ500、ディスクカートリッジ700、10台のドライブ装置800、ディスクトレイ駆動機構(図示省略)及び制御装置(図示省略)などを備えている。
【0023】
上記制御装置は、CPU、該CPUにて解読可能なコードで記述されたプログラム及び該プログラムを実行する際に用いられる各種データが格納されているROM、作業用のメモリであるRAM、上位装置(例えば、パソコン)との通信を制御する通信インターフェースなどを有している。
【0024】
ディスクカートリッジ700は、一例として図2に示されるように、10段のディスクトレイ710を有している。
【0025】
各ディスクトレイは、ディスクカートリッジ700の筐体内に収容可能であるとともに、該筐体から引き出すことが可能である。ここでは、ディスクカートリッジ700は、各ディスクトレイ710が、+X方向に引き出されるように設置されているものとする。
【0026】
また、各ディスクトレイ710は、一例として図3に示されるように、+X側の端部から中心部に延びる切り欠き部を有している。
【0027】
そして、各ディスクトレイには、一例として図4に示されるように、複数枚の薄型光ディスク21が間にスペーサ22を挟んで積層されている積層体20が収納されている。ここでは、この積層体20は、10枚の薄型光ディスク21を含んでいる。
【0028】
薄型光ディスク21は、一例として図5に示されるように、外径L11の円板状であり、中心部に直径L12の開口(中心孔)を有している。ここでは、一例として、L11=120mm、L12=15mmとしている。
【0029】
この薄型光ディスク21は、厚さが約0.2mmのプラスチックフィルムに記録膜を形成したものである。なお、薄型光ディスク21の厚さは、これに限定されるものではない。例えば、薄型光ディスク21の厚さが、0.1mm〜0.3mmであっても良い。
【0030】
スペーサ22は、一例として図6に示されるように、外径L21の円板状であり、中心部に直径L22の開口(中心孔)を有している。ここでは、一例として、L21=123mm、L22=15mmとしている。また、スペーサ22の厚さは、薄型光ディスク21の厚さとほぼ同じである。
【0031】
積層体20では、複数の薄型光ディスク21及び複数のスペーサ22は、平面視、それらの中心孔が一致するように積層されている。そこで、以下では、薄型光ディスク21とスペーサ22が積層されているときの中心孔を、積層体20の中心孔ともいう。
【0032】
図1に戻り、積層体ストッカ300は、積層体20を一時的に保管するための板状部材であり、表面はZ軸に直交している。
【0033】
この積層体ストッカ300は、Z軸方向の移動(昇降)が可能であり、ディスクカートリッジ700から引き出されたディスクトレイ710の直下に位置している。
【0034】
また、積層体ストッカ300は、積層体20が載置されたときに、中心が該積層体20の中心と略一致する開口を有している。
【0035】
スペーサストッカ400は、スペーサを一時的に保管するための板状部材であり、表面はZ軸に直交している。
【0036】
このスペーサストッカ400は、Z軸方向の移動(昇降)が可能であり、積層体ストッカ300の−Y側に配置されている。なお、積層体ストッカ300とスペーサストッカ400は、一体化されていても良い。
【0037】
10台のドライブ装置800は、5台ずつ重ねられユニット化されている。そして、第1のドライブユニットをドライブユニットDU1、第2のドライブユニットをドライブユニットDU2とする。
【0038】
ここでは、ドライブユニットDU1は、ディスクカートリッジ700の+X側に配置されている。ドライブユニットDU2は、ドライブユニットDU1の−Y側に配置されている。そして、各ドライブ装置800は、ドライブトレイ810が−X方向に引き出されるように配置されている。
【0039】
公転搬送モータ500は、図7に示されるように、Z軸に平行な回転軸510を有している。そして、該回転軸510には、十字形状の4本のアーム520を有する板部材がXY面に平行に取り付けられている。
【0040】
4つの吸着機構100は、上記4本のアーム520の各端部にそれぞれ取り付けられている。そこで、公転搬送モータ500が回転すると、4つの吸着機構100もXY面内で回転する。
【0041】
4本のアーム520のZ軸方向に関する位置は、ドライブトレイのZ軸方向に関する位置に応じて調整することができる。ここでは、4本のアーム520のZ軸方向に関する位置は、5段階で調整することができるようになっている。そして、4本のアーム520のZ軸方向に関する位置は、積層体ストッカ300及びスペーサストッカ400のZ軸方向に関する位置と連動している。
【0042】
各吸着機構100は、図8〜図10に示されるように、Z軸に平行な昇降軸110、該昇降軸110の−Z側端部に取り付けられたブロック状の吸盤保持部材120、該吸盤保持部材120の−Z側の面に−Z方向を向いて保持されている3つの吸盤130、前記昇降軸110をZ軸方向に移動(昇降)させるための駆動モータ140、該駆動モータ140の回転力を前記昇降軸110に伝達する伝達系150、吸盤保持部材120の−Z側の面の中央部に−Z方向を向いて保持されているアジャスタ160などを有している。
【0043】
また、各アーム520の−Z側の面には、各吸盤と真空ポンプ(図示省略)とを連結するための真空配管、及び該真空配管の途中に設けられ、上記制御装置によって開閉される電磁弁が取り付けられている。
【0044】
そこで、電磁弁を開とすることによって、各吸盤で薄型光ディスク21及びスペーサ22を真空吸着することができる。また、電磁弁を閉とすることによって、各吸盤に大気が導入され、吸着を解除することができる。
【0045】
積層体昇降機構200は、積層体ストッカ300の−Z側に配置され、図11(A)〜図13に示されるように、Z軸に平行な昇降軸210、該昇降軸210の+Z側端部に取り付けられたアジャスタ220、前記昇降軸210をZ軸方向に移動(昇降)させるための駆動モータ230、アジャスタ220の−Z側に配置された羽根240などを有している。
【0046】
昇降軸210の軸中心は、積層体ストッカ300の開口の中心及び引き出されたディスクトレイ710の中心と略一致している。
【0047】
また、アジャスタ220は、吸着機構100のアジャスタ160と嵌合される形状を有している(図14参照)。すなわち、アジャスタ220は、アジャスタ160の突起部が挿入される切り欠き部を有している。
【0048】
また、アジャスタ220の先端部は、テーパ状になっている。
【0049】
そして、アジャスタ220の最大外径は、積層体20の中心孔に挿入されたときに、積層体20の水平方向の位置が規定されるような大きさに設定されている。
【0050】
アジャスタ220とアジャスタ160とが嵌合した状態が図15に示されている。なお、図15の一部を拡大した図が図16に示されている。
【0051】
引き出されたディスクトレイ710に積層体20が載置されているときに昇降軸210が上昇すると、アジャスタ220及び羽根240は、積層体ストッカ300の開口及びディスクトレイ710の切り欠き部を通過して上昇する。そして、アジャスタ220は、積層体20の中心孔に挿入され、羽根240で積層体20を支持する。そこで、さらに昇降軸210が上昇すると、積層体20はディスクトレイ710の底面から持ち上げられることとなる。
【0052】
この場合、吸着機構100は、薄型ディスク21及びスペーサ22を水平方向に関して位置ずれなく吸着することができる。
【0053】
次に、詳細な搬送手順について説明する。
A.全てのドライブ装置800を用いて、薄型光ディスク21に対して、記録あるいは再生を行う場合。
【0054】
(A1)ディスクカートリッジ700からディスクトレイ710を引き出す(図17(A)及び図17(B)参照)。
(A2)アジャスタ220及び羽根240を上昇させ、積層体20をディスクトレイ710から離間させる(図18(A)及び図18(B)参照)。ここでは、アジャスタ220の先端部にテーパがあるため、積層体20の中心孔のエッジを傷めることなく調芯することができる。また、積層体20は、羽根240上に載置され、その中心孔にアジャスタ220が挿入されているので、水平方向の位置ずれは生じない。
(A3)ディスクトレイ710をディスクカートリッジ700に収納する(図19(A)及び図19(B)参照)。
(A4)アジャスタ220及び羽根240を少し下降させ、積層体20を積層体ストッカ300の上に載置する(図20(A)及び図20(B)参照)。なお、積層体20の中心孔にアジャスタ220が挿入され、羽根240上に積層体20が載置された状態は、維持されている。
(A5)ドライブトレイ810を開く。
(A6)いずれかの吸着機構100を積層体ストッカ300の+Z側に移動させる(図21(A)及び図21(B)参照)。
(A7)吸盤保持部材120を下降させ、アジャスタ160とアジャスタ220とを嵌合させる(図22(A)及び図22(B)参照)。
(A8)3つの吸盤130で積層体20の最上面にある薄型光ディスク21を吸着する。
(A9)吸盤保持部材120を上昇させ、吸着した薄型光ディスク21を積層体20から分離する(図23(A)及び図23(B)参照)。これにより、積層体20の最上面は、スペーサ22となる。
(A10)薄型光ディスク21を吸着した吸着機構100をドライブトレイ810の直上に移動させる。
(A11)薄型光ディスク21が吸着している吸盤保持部材120を下降させ、吸着を解除する。これにより、薄型光ディスク21はドライブトレイ810上に載置される。
(A12)吸盤保持部材120を上昇させる。
(A13)ドライブトレイ810をドライブ装置800の筐体内に収容する。
(A14)いずれかの吸着機構100を積層体ストッカ300の+Z側に移動させる。
(A15)吸盤保持部材120を下降させ、アジャスタ160とアジャスタ220とを嵌合させる。
(A16)3つの吸盤130で積層体20の最上面にあるスペーサ22を吸着する。
(A17)吸盤保持部材120を上昇させ、吸着したスペーサ22を積層体20から分離する。これにより、積層体20の最上面は、薄型光ディスク21となる。
(A18)スペーサ22を吸着した吸着機構100をスペーサストッカ400の直上に移動させる。
(A19)スペーサ22が吸着している吸盤保持部材120を下降させ、吸着を解除する。これにより、スペーサ22はスペーサストッカ400上に載置される。
(A20)吸盤保持部材120を上昇させる。
(A21)次のドライブトレイ810のZ軸方向に関する位置に応じて、各アームのZ軸方向に関する位置を調整する。
【0055】
以降、全てのドライブ装置800のドライブトレイ810に薄型光ディスク21がセットされるように、上記(A1)〜(A21)の処理を繰り返し行う。
【0056】
そして、薄型光ディスク21に対して、記録あるいは再生を行う。
【0057】
B.記録あるいは再生が終了し、全ての薄型光ディスク21をディスクカートリッジ700に戻す場合。
【0058】
(B1)最も+Z側にあるドライブトレイ810のZ軸方向に関する位置に応じて、各アームのZ軸方向に関する位置を調整する。ここでは、各アームのZ軸方向に関する位置を最上段とする。
(B2)ドライブトレイ810を開く。
(B3)いずれかの吸着機構100を該ドライブトレイ810の+Z側に移動させる。
(B4)吸盤保持部材120を下降させ、アジャスタ160をドライブトレイ810上の薄型光ディスク21の中心孔に嵌合させる。
(B5)3つの吸盤130でドライブトレイ810上の薄型光ディスク21を吸着する。
(B6)吸盤保持部材120を上昇させ、吸着した薄型光ディスク21をドライブトレイ810から分離する。
(B7)該ドライブトレイ810をドライブ装置800の筐体内に収容する。
(B8)薄型光ディスク21を吸着した吸着機構100を積層体ストッカ300の直上に移動させる。
(B9)薄型光ディスク21が吸着している吸盤保持部材120を下降させ、アジャスタ160とアジャスタ220とを嵌合させる。
(B10)薄型光ディスク21が吸着している吸盤130の吸着を解除する。これにより、薄型光ディスク21は羽根240上に載置される。このとき、薄型光ディスク21の外周近傍は、積層体ストッカ300の上に載置されている。
(B11)吸盤保持部材120を上昇させる。
(B12)いずれかの吸着機構100をスペーサストッカ400の直上に移動させる。
(B13)吸盤保持部材120を下降させ、アジャスタ160をスペーサストッカ400上のスペーサ22の中心孔に嵌合させる。
(B14)3つの吸盤130でスペーサストッカ400上のスペーサ22を吸着する。
(B15)吸盤保持部材120を上昇させ、吸着したスペーサ22をスペーサストッカ400から分離する。
(B16)スペーサ22を吸着した吸着機構100を積層体ストッカ300の直上に移動させる。
(B17)スペーサ22が吸着している吸盤保持部材120を下降させ、アジャスタ160とアジャスタ220とを嵌合させる。
(B18)スペーサ22が吸着している吸盤130の吸着を解除する。これにより、スペーサ22は羽根240上の薄型光ディスクの上に載置される。
(B19)吸盤保持部材120を上昇させる。
(B20)次のドライブトレイ810のZ軸方向に関する位置に応じて、各吸着機構100のZ軸方向に関する位置を調整する。
【0059】
以降、全てのドライブトレイ810上の薄型光ディスク21、及びスペーサストッカ400上の全てのスペーサ22が羽根240上に載置されるように、上記(B1)〜(B20)の処理を繰り返し行う。
【0060】
(B21)ディスクカートリッジ700からディスクトレイ710を引き出す。
(B22)アジャスタ220を下降させ、積層体20をディスクトレイ710上に載置する。積層体20は正確にディスクトレイ710に戻ることができる。
(B23)ディスクトレイ710をディスクカートリッジ700に収納する。
【0061】
上記動作は、プログラム化され前記制御装置のROMに格納されている。すなわち、上記動作は、前記制御装置からの指示によって実行される。
【0062】
ここでは、薄型光ディスク21及びスペーサ22は、いずれも移動中は必ず中心孔にアジャスタ160が貫通し、芯出しされた状態で搬送が行われる。これによって、ディスクトレイ710からの取り出し、積み戻しの際に、薄型光ディスク21及びスペーサ22の位置ずれを回避することができる。そして、円滑にディスクカートリッジ700にディスクトレイ710を収納することができる。
【0063】
なお、上記(B4)及び(B13)の動作時、仮に薄型光ディスク21及びスペーサ22が本来の位置からずれた位置にあったとしても、アジャスタ160の先端にテーパが存在するので、そのずれは十分に吸収され、自動調芯され、中心位置の精度が保たれる。
【0064】
ここでは、アジャスタ160とアジャスタ220とが勘合して両者の根元まで噛み合うことにより、薄型ディスク21及びスペーサ22の中心位置を所定の位置に維持したまま、吸着機構100と積層体昇降機構200との間での受け渡しを行うことができる。
【0065】
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る薄型ディスク記録再生装置10では、4つの吸着機構100と積層体昇降機構200とによって本発明のディスク出し入れ機構が構成されている。
【0066】
そして、4つの吸着機構100と積層体昇降機構200と積層体ストッカ300とスペーサストッカ400と公転搬送モータ500とによって本発明のディスク搬送装置が構成されている。
【0067】
以上説明したように、本実施形態に係る薄型ディスク記録再生装置10によると、ディスクカートリッジ700、10台のドライブ装置800、4個の吸着機構100、積層体昇降機構200、積層体ストッカ300、スペーサストッカ400、及び公転搬送モータ500などを備えている。
【0068】
ディスクカートリッジ700には、間にスペーサ22を介して複数の薄型光ディスク21が収納されている。
【0069】
積層体ストッカ300には、積層体20が載置され、一時的に保管される。スペーサストッカ400には、スペーサ22が載置され、一時的に保管される。
【0070】
積層体昇降機構200は、積層体ストッカ300の−Z側に配置され、Z軸に平行な昇降軸210、該昇降軸210の+Z側端部に取り付けられたアジャスタ220、前記昇降軸210をZ軸方向に移動(昇降)させるための駆動モータ230、アジャスタ220の−Z側に配置された羽根240などを有している。
【0071】
4個の吸着機構100は、互いに直交する4本のアーム520の一方の端部近傍にそれぞれ取り付けられ、該アームの他端は公転搬送モータ500の回転軸510に固定されている。
【0072】
各吸着機構100は、Z軸に平行な昇降軸110、該昇降軸110の−Z側端部に取り付けられたブロック状の吸盤保持部材120、該吸盤保持部材120の−Z側の面に−Z方向を向いて保持されている3つの吸盤130、前記昇降軸110をZ軸方向に移動(昇降)させるための駆動モータ140、該駆動モータ140の回転力を前記昇降軸110に伝達する伝達系150、吸盤保持部材120の−Z側の面の中央部に−Z方向を向いて保持されているアジャスタ160などを有している。
【0073】
これにより、ディスクトレイ710に載置されている積層体20を、水平方向の位置を維持したままでディスクトレイ710から取り出すことができる。そして、吸着機構100は、水平方向の位置を維持したままで積層体20から薄型光ディスク21及びスペーサ22を吸着、保持することができる。
【0074】
また、吸着機構100は、ドライブトレイ810に載置されている薄型光ディスク21、スペーサストッカ400に載置されているスペーサ22を、水平方向の位置を維持したままで吸着、保持することができる。
【0075】
そこで、正確な調芯による位置精度を保持したまま、薄型光ディスク21及びスペーサ22の搬送、載置が可能である。
【0076】
従って、ディスクカートリッジ700に対して薄型ディスク21を高い位置精度で出し入れすることができる。そして、ディスクカートリッジ700とドライブ装置800との間で、薄型ディスク21を高い位置精度で搬送することができる。
【0077】
なお、上記実施形態では、各ドライブ装置が、薄型光ディスク21に対して記録及び再生を行うことができるドライブ装置の場合について説明したが、これに限定されるものではなく、各ドライブ装置が、薄型光ディスク21に対して記録及び再生の少なくとも一方を行うことができるドライブ装置であれば良い。
【0078】
また、上記実施形態では、各吸着機構が3つの吸盤を有する場合について説明したが、3つに限定されるものではない。そして、薄型光ディスクを吸着する吸盤とスペーサを吸着する吸盤とを異ならせても良い。
【0079】
例えば、各吸着機構が、吸盤保持部材120の中心からの距離が第1の距離で、薄型光ディスクを吸着する3つの吸盤と、吸盤保持部材120の中心からの距離が第2の距離で、スペーサを吸着する3つの吸盤とを有しても良い。
【0080】
また、上記実施形態では、各吸着機構が吸盤130を用いて薄型光ディスク21及びスペーサ22を吸着する場合について説明したが、これに限定されるものではない。薄型光ディスク21及びスペーサ22の吸着保持、吸着解除が可能であれば良い。
【0081】
また、上記実施形態では、積層体20が10枚の薄型光ディスク21を含んでいる場合について説明したが、これに限定されるものではない。
【0082】
また、上記実施形態では、ディスクカートリッジ700が10段のディスクトレイ710を有する場合について説明したが、これに限定されるものではない。
【0083】
また、上記実施形態では、各ドライブユニットが5台のドライブ装置からなる場合について説明したが、これに限定されるものではない。
【0084】
また、上記実施形態では、薄型ディスクが薄型光ディスクの場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、薄型ディスクが薄型磁気ディスクであっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0085】
以上説明したように、本発明のディスク出し入れ機構によれば、ディスクカートリッジに対して薄型ディスクを高い位置精度で出し入れするのに適している。また、本発明のディスク搬送装置によれば、薄型ディスクを高い位置精度で搬送するのに適している。
【符号の説明】
【0086】
10…薄型ディスク記録再生装置、20…積層体、21…薄型光ディスク(薄型ディスク)、22…スペーサ、100…吸着機構(ディスク出し入れ機構の一部)、110…昇降軸、120…吸盤保持部材、130…吸盤、140…駆動モータ、150…伝達系、160…アジャスタ、200…積層体昇降機構(ディスク出し入れ機構の一部)、210…昇降軸、220…アジャスタ、230…駆動モータ、300…積層体ストッカ(ディスク搬送装置の一部)、400…スペーサストッカ(ディスク搬送装置の一部)、500…公転搬送モータ(ディスク搬送装置の一部)、510…回転軸、520…アーム、700…ディスクカートリッジ、710…ディスクトレイ、800…ドライブ装置、810…ドライブトレイ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0087】
【特許文献1】特開2007−12201号公報
【特許文献2】特開2007−287242号公報
【特許文献3】特開2009−238258号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスク出し入れ機構及びディスク搬送装置に係り、更に詳しくは、ディスクカートリッジに対して薄型ディスクを出し入れするディスク出し入れ機構、及び該ディスク出し入れ機構を備えるディスク搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータで扱われる情報量の大容量化に伴い、情報を蓄える記憶装置の更なる大容量化が望まれている。記憶装置としては、主にハードディスク、光ディスク等のディスク状の記憶媒体、及び磁気テープ等のテープ状の記憶媒体があげられる。
【0003】
ディスク状の記憶媒体は、テープ状の記憶媒体に比べて記録領域の総面積が狭い。このため、記録密度が同じ場合には、ディスクカートリッジ1個あたりの記録容量を、テープカートリッジ1個あたりの記録容量よりも大きくするのは難しい。
【0004】
これを解決する手段として、厚さが0.1〜0.3mm程度の光ディスク(以下、「薄型光ディスク」ともいう)を用い、1個のディスクカートリッジに多数の薄型光ディスクを収納し、大容量化を図ることが考案された。
【0005】
例えば、特許文献1には、複数枚の薄型の情報記録媒体と、1枚以上の仕切り板とを積層した状態で非固定的に収容し、各仕切り板の端部には、その収容位置に対応した固有のタブが形成されており、該タブにアクセスすることにより、それぞれの収容位置の仕切り板にアクセスすることが可能である情報記録媒体用カートリッジが開示されている。
【0006】
また、特許文献2には、シート状の光ディスクを多数枚収納したカートリッジから光ディスクを取り出しデータを記録又は再生するための光ディスク記録再生装置、及び複数台配置したこの光ディスク記録再生装置にカートリッジを運搬し光ディスクを取り出して記録再生するように構成したディスクオートチェンジャが開示されている。
【0007】
また、特許文献3には、複数枚の光ディスクに情報の記録、又は再生を行う記録再生装置において、複数枚の光ディスクを積層しコンパクトに収納した積層型トレイ、及び積層したトレイから光ディスクを複数の記録再生装置へ展開し搬送する機構装置が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、CD(compact disc)やDVD(digital versatile disc)などの従来の光ディスク(以下では、便宜上「従来ディスク」と略述する)をドライブ装置からディスクカートリッジに戻す場合を考える。
【0009】
従来ディスクをドライブ装置のトレイ(ドライブトレイ)から取り出すときには、ドライブトレイの壁面にテーパがついているため、従来ディスクはドライブトレイの所定位置に載置された状態となり、従来ディスクをドライブトレイから取り出す際の位置ずれは、非常に小さかった。
【0010】
そして、従来ディスクをディスクカートリッジのトレイ(ディスクトレイ)に載置するときには、ディスクトレイの壁面にもテーパがついているため、従来ディスクをディスクトレイ上から落下させると、従来光ディスクはテーパによって案内され、自重でディスクトレイの所定位置におさまることができた。
【0011】
次に、薄型光ディスクをドライブ装置からディスクカートリッジに戻す場合を考える。
【0012】
薄型光ディスクをドライブトレイから取り出すときには、ドライブトレイの壁面にテーパがついていても、従来ディスクに比べて軽いため、薄型光ディスクは、ドライブトレイの所定位置からずれて載置された状態となり、そのずれた状態でドライブトレイから取り出されることがあった。すなわち、薄型光ディスクは、中心がずれた状態で搬送されることがあった。
【0013】
そして、薄型光ディスクをディスクトレイに載置するときには、ディスクトレイの壁面にテーパがついていても、従来ディスクに比べて軽いため、薄型光ディスクは、中心がずれた状態で搬送されると、自重ではディスクトレイの所定位置におさまることができなかった。すなわち、薄型光ディスクがディスクトレイにうまく載置されず、ディスクトレイをディスクカートリッジ内に収容することができないことがあった。
【0014】
本発明は、かかる事情の下になされたもので、その第1の目的は、ディスクカートリッジに対して薄型ディスクを高い位置精度で出し入れすることができるディスク出し入れ機構を提供することにある。
【0015】
また、本発明の第2の目的は、薄型ディスクを高い位置精度で搬送することができるディスク搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、第1の観点からすると、ディスクカートリッジに対して薄型ディスクを出し入れするディスク出し入れ機構であって、前記ディスクカートリッジは、前記ディスクカートリッジに対して引き出し及び収納が可能で、中心部に開口を有し、薄型ディスクが載置されるディスクトレイを有し、前記ディスクトレイが引き出されたときに、該ディスクトレイの開口の下側に位置し、該開口を貫通して上下方向に移動可能で、薄型ディスクの中心孔に先端の一部が挿入される昇降軸を有する昇降機構と;薄型ディスクを保持する保持部材と、該保持部材を支持し前記昇降軸に平行な支持軸とを有し、前記保持部材が前記ディスクトレイの上側に位置したときに、前記支持軸の中心軸と前記昇降軸の中心軸とが一致するディスク保持機構と;を備えるディスク出し入れ機構である。
【0017】
これによれば、ディスクカートリッジに対して薄型ディスクを高い位置精度で出し入れすることができる。
【0018】
本発明は、第2の観点からすると、ディスクカートリッジとドライブ装置との間で薄型ディスクを搬送するディスク搬送装置であって、本発明のディスク出し入れ機構と;該ディスク出し入れ機構におけるディスク保持機構の支持軸を前記ディスクカートリッジと前記ドライブユニットとの間で水平方向に移動させるアーム機構と;を備えるディスク搬送装置である。
【0019】
これによれば、薄型ディスクを高い位置精度で搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態に係る薄型ディスク記録再生装置の概略構成を説明するための図である。
【図2】図1におけるディスクカートリッジを説明するための図である。
【図3】図2におけるディスクトレイを説明するための図である。
【図4】積層体を説明するための図である。
【図5】薄型光ディスクを説明するための図である。
【図6】スペーサを説明するための図である。
【図7】吸着機構を水平方向に移動させるためのアームと公転搬送モータとの関係を説明するための図である。
【図8】吸着機構を説明するための図(その1)である。
【図9】吸着機構を説明するための図(その2)である。
【図10】吸着機構の吸盤を説明するための図である。
【図11】図11(A)及び図11(B)は、それぞれ積層体昇降機構を説明するための図(その1)である。
【図12】積層体昇降機構を説明するための図(その2)である。
【図13】積層体昇降機構を説明するための図(その3)である。
【図14】吸着機構のアジャスタと積層体昇降機構のアジャスタとの関係を説明するための図である。
【図15】吸着機構のアジャスタと積層体昇降機構のアジャスタとが嵌合されている状態を説明するための図である。
【図16】図15の一部を拡大した図である。
【図17】図17(A)及び図17(B)は、それぞれ積層体昇降機構及び吸着機構の動作を説明するための図(その1)である。
【図18】図18(A)及び図18(B)は、それぞれ積層体昇降機構及び吸着機構の動作を説明するための図(その2)である。
【図19】図19(A)及び図19(B)は、それぞれ積層体昇降機構及び吸着機構の動作を説明するための図(その3)である。
【図20】図20(A)及び図20(B)は、それぞれ積層体昇降機構及び吸着機構の動作を説明するための図(その4)である。
【図21】図21(A)及び図21(B)は、それぞれ積層体昇降機構及び吸着機構の動作を説明するための図(その5)である。
【図22】図22(A)及び図22(B)は、それぞれ積層体昇降機構及び吸着機構の動作を説明するための図(その6)である。
【図23】図23(A)及び図23(B)は、それぞれ積層体昇降機構及び吸着機構の動作を説明するための図(その7)である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態を図1〜図23(B)に基づいて説明する。図1には、一実施形態に係る薄型ディスク記録再生装置10が示されている。ここでは、薄型ディスク記録再生装置10が設置されている床面に直交する方向をZ軸方向とし、床面に平行な面内で互いに直交する2つの方向をX軸方向とY軸方向とする。
【0022】
この薄型ディスク記録再生装置10は、4個の吸着機構100、積層体昇降機構200、積層体ストッカ300、スペーサストッカ400、公転搬送モータ500、ディスクカートリッジ700、10台のドライブ装置800、ディスクトレイ駆動機構(図示省略)及び制御装置(図示省略)などを備えている。
【0023】
上記制御装置は、CPU、該CPUにて解読可能なコードで記述されたプログラム及び該プログラムを実行する際に用いられる各種データが格納されているROM、作業用のメモリであるRAM、上位装置(例えば、パソコン)との通信を制御する通信インターフェースなどを有している。
【0024】
ディスクカートリッジ700は、一例として図2に示されるように、10段のディスクトレイ710を有している。
【0025】
各ディスクトレイは、ディスクカートリッジ700の筐体内に収容可能であるとともに、該筐体から引き出すことが可能である。ここでは、ディスクカートリッジ700は、各ディスクトレイ710が、+X方向に引き出されるように設置されているものとする。
【0026】
また、各ディスクトレイ710は、一例として図3に示されるように、+X側の端部から中心部に延びる切り欠き部を有している。
【0027】
そして、各ディスクトレイには、一例として図4に示されるように、複数枚の薄型光ディスク21が間にスペーサ22を挟んで積層されている積層体20が収納されている。ここでは、この積層体20は、10枚の薄型光ディスク21を含んでいる。
【0028】
薄型光ディスク21は、一例として図5に示されるように、外径L11の円板状であり、中心部に直径L12の開口(中心孔)を有している。ここでは、一例として、L11=120mm、L12=15mmとしている。
【0029】
この薄型光ディスク21は、厚さが約0.2mmのプラスチックフィルムに記録膜を形成したものである。なお、薄型光ディスク21の厚さは、これに限定されるものではない。例えば、薄型光ディスク21の厚さが、0.1mm〜0.3mmであっても良い。
【0030】
スペーサ22は、一例として図6に示されるように、外径L21の円板状であり、中心部に直径L22の開口(中心孔)を有している。ここでは、一例として、L21=123mm、L22=15mmとしている。また、スペーサ22の厚さは、薄型光ディスク21の厚さとほぼ同じである。
【0031】
積層体20では、複数の薄型光ディスク21及び複数のスペーサ22は、平面視、それらの中心孔が一致するように積層されている。そこで、以下では、薄型光ディスク21とスペーサ22が積層されているときの中心孔を、積層体20の中心孔ともいう。
【0032】
図1に戻り、積層体ストッカ300は、積層体20を一時的に保管するための板状部材であり、表面はZ軸に直交している。
【0033】
この積層体ストッカ300は、Z軸方向の移動(昇降)が可能であり、ディスクカートリッジ700から引き出されたディスクトレイ710の直下に位置している。
【0034】
また、積層体ストッカ300は、積層体20が載置されたときに、中心が該積層体20の中心と略一致する開口を有している。
【0035】
スペーサストッカ400は、スペーサを一時的に保管するための板状部材であり、表面はZ軸に直交している。
【0036】
このスペーサストッカ400は、Z軸方向の移動(昇降)が可能であり、積層体ストッカ300の−Y側に配置されている。なお、積層体ストッカ300とスペーサストッカ400は、一体化されていても良い。
【0037】
10台のドライブ装置800は、5台ずつ重ねられユニット化されている。そして、第1のドライブユニットをドライブユニットDU1、第2のドライブユニットをドライブユニットDU2とする。
【0038】
ここでは、ドライブユニットDU1は、ディスクカートリッジ700の+X側に配置されている。ドライブユニットDU2は、ドライブユニットDU1の−Y側に配置されている。そして、各ドライブ装置800は、ドライブトレイ810が−X方向に引き出されるように配置されている。
【0039】
公転搬送モータ500は、図7に示されるように、Z軸に平行な回転軸510を有している。そして、該回転軸510には、十字形状の4本のアーム520を有する板部材がXY面に平行に取り付けられている。
【0040】
4つの吸着機構100は、上記4本のアーム520の各端部にそれぞれ取り付けられている。そこで、公転搬送モータ500が回転すると、4つの吸着機構100もXY面内で回転する。
【0041】
4本のアーム520のZ軸方向に関する位置は、ドライブトレイのZ軸方向に関する位置に応じて調整することができる。ここでは、4本のアーム520のZ軸方向に関する位置は、5段階で調整することができるようになっている。そして、4本のアーム520のZ軸方向に関する位置は、積層体ストッカ300及びスペーサストッカ400のZ軸方向に関する位置と連動している。
【0042】
各吸着機構100は、図8〜図10に示されるように、Z軸に平行な昇降軸110、該昇降軸110の−Z側端部に取り付けられたブロック状の吸盤保持部材120、該吸盤保持部材120の−Z側の面に−Z方向を向いて保持されている3つの吸盤130、前記昇降軸110をZ軸方向に移動(昇降)させるための駆動モータ140、該駆動モータ140の回転力を前記昇降軸110に伝達する伝達系150、吸盤保持部材120の−Z側の面の中央部に−Z方向を向いて保持されているアジャスタ160などを有している。
【0043】
また、各アーム520の−Z側の面には、各吸盤と真空ポンプ(図示省略)とを連結するための真空配管、及び該真空配管の途中に設けられ、上記制御装置によって開閉される電磁弁が取り付けられている。
【0044】
そこで、電磁弁を開とすることによって、各吸盤で薄型光ディスク21及びスペーサ22を真空吸着することができる。また、電磁弁を閉とすることによって、各吸盤に大気が導入され、吸着を解除することができる。
【0045】
積層体昇降機構200は、積層体ストッカ300の−Z側に配置され、図11(A)〜図13に示されるように、Z軸に平行な昇降軸210、該昇降軸210の+Z側端部に取り付けられたアジャスタ220、前記昇降軸210をZ軸方向に移動(昇降)させるための駆動モータ230、アジャスタ220の−Z側に配置された羽根240などを有している。
【0046】
昇降軸210の軸中心は、積層体ストッカ300の開口の中心及び引き出されたディスクトレイ710の中心と略一致している。
【0047】
また、アジャスタ220は、吸着機構100のアジャスタ160と嵌合される形状を有している(図14参照)。すなわち、アジャスタ220は、アジャスタ160の突起部が挿入される切り欠き部を有している。
【0048】
また、アジャスタ220の先端部は、テーパ状になっている。
【0049】
そして、アジャスタ220の最大外径は、積層体20の中心孔に挿入されたときに、積層体20の水平方向の位置が規定されるような大きさに設定されている。
【0050】
アジャスタ220とアジャスタ160とが嵌合した状態が図15に示されている。なお、図15の一部を拡大した図が図16に示されている。
【0051】
引き出されたディスクトレイ710に積層体20が載置されているときに昇降軸210が上昇すると、アジャスタ220及び羽根240は、積層体ストッカ300の開口及びディスクトレイ710の切り欠き部を通過して上昇する。そして、アジャスタ220は、積層体20の中心孔に挿入され、羽根240で積層体20を支持する。そこで、さらに昇降軸210が上昇すると、積層体20はディスクトレイ710の底面から持ち上げられることとなる。
【0052】
この場合、吸着機構100は、薄型ディスク21及びスペーサ22を水平方向に関して位置ずれなく吸着することができる。
【0053】
次に、詳細な搬送手順について説明する。
A.全てのドライブ装置800を用いて、薄型光ディスク21に対して、記録あるいは再生を行う場合。
【0054】
(A1)ディスクカートリッジ700からディスクトレイ710を引き出す(図17(A)及び図17(B)参照)。
(A2)アジャスタ220及び羽根240を上昇させ、積層体20をディスクトレイ710から離間させる(図18(A)及び図18(B)参照)。ここでは、アジャスタ220の先端部にテーパがあるため、積層体20の中心孔のエッジを傷めることなく調芯することができる。また、積層体20は、羽根240上に載置され、その中心孔にアジャスタ220が挿入されているので、水平方向の位置ずれは生じない。
(A3)ディスクトレイ710をディスクカートリッジ700に収納する(図19(A)及び図19(B)参照)。
(A4)アジャスタ220及び羽根240を少し下降させ、積層体20を積層体ストッカ300の上に載置する(図20(A)及び図20(B)参照)。なお、積層体20の中心孔にアジャスタ220が挿入され、羽根240上に積層体20が載置された状態は、維持されている。
(A5)ドライブトレイ810を開く。
(A6)いずれかの吸着機構100を積層体ストッカ300の+Z側に移動させる(図21(A)及び図21(B)参照)。
(A7)吸盤保持部材120を下降させ、アジャスタ160とアジャスタ220とを嵌合させる(図22(A)及び図22(B)参照)。
(A8)3つの吸盤130で積層体20の最上面にある薄型光ディスク21を吸着する。
(A9)吸盤保持部材120を上昇させ、吸着した薄型光ディスク21を積層体20から分離する(図23(A)及び図23(B)参照)。これにより、積層体20の最上面は、スペーサ22となる。
(A10)薄型光ディスク21を吸着した吸着機構100をドライブトレイ810の直上に移動させる。
(A11)薄型光ディスク21が吸着している吸盤保持部材120を下降させ、吸着を解除する。これにより、薄型光ディスク21はドライブトレイ810上に載置される。
(A12)吸盤保持部材120を上昇させる。
(A13)ドライブトレイ810をドライブ装置800の筐体内に収容する。
(A14)いずれかの吸着機構100を積層体ストッカ300の+Z側に移動させる。
(A15)吸盤保持部材120を下降させ、アジャスタ160とアジャスタ220とを嵌合させる。
(A16)3つの吸盤130で積層体20の最上面にあるスペーサ22を吸着する。
(A17)吸盤保持部材120を上昇させ、吸着したスペーサ22を積層体20から分離する。これにより、積層体20の最上面は、薄型光ディスク21となる。
(A18)スペーサ22を吸着した吸着機構100をスペーサストッカ400の直上に移動させる。
(A19)スペーサ22が吸着している吸盤保持部材120を下降させ、吸着を解除する。これにより、スペーサ22はスペーサストッカ400上に載置される。
(A20)吸盤保持部材120を上昇させる。
(A21)次のドライブトレイ810のZ軸方向に関する位置に応じて、各アームのZ軸方向に関する位置を調整する。
【0055】
以降、全てのドライブ装置800のドライブトレイ810に薄型光ディスク21がセットされるように、上記(A1)〜(A21)の処理を繰り返し行う。
【0056】
そして、薄型光ディスク21に対して、記録あるいは再生を行う。
【0057】
B.記録あるいは再生が終了し、全ての薄型光ディスク21をディスクカートリッジ700に戻す場合。
【0058】
(B1)最も+Z側にあるドライブトレイ810のZ軸方向に関する位置に応じて、各アームのZ軸方向に関する位置を調整する。ここでは、各アームのZ軸方向に関する位置を最上段とする。
(B2)ドライブトレイ810を開く。
(B3)いずれかの吸着機構100を該ドライブトレイ810の+Z側に移動させる。
(B4)吸盤保持部材120を下降させ、アジャスタ160をドライブトレイ810上の薄型光ディスク21の中心孔に嵌合させる。
(B5)3つの吸盤130でドライブトレイ810上の薄型光ディスク21を吸着する。
(B6)吸盤保持部材120を上昇させ、吸着した薄型光ディスク21をドライブトレイ810から分離する。
(B7)該ドライブトレイ810をドライブ装置800の筐体内に収容する。
(B8)薄型光ディスク21を吸着した吸着機構100を積層体ストッカ300の直上に移動させる。
(B9)薄型光ディスク21が吸着している吸盤保持部材120を下降させ、アジャスタ160とアジャスタ220とを嵌合させる。
(B10)薄型光ディスク21が吸着している吸盤130の吸着を解除する。これにより、薄型光ディスク21は羽根240上に載置される。このとき、薄型光ディスク21の外周近傍は、積層体ストッカ300の上に載置されている。
(B11)吸盤保持部材120を上昇させる。
(B12)いずれかの吸着機構100をスペーサストッカ400の直上に移動させる。
(B13)吸盤保持部材120を下降させ、アジャスタ160をスペーサストッカ400上のスペーサ22の中心孔に嵌合させる。
(B14)3つの吸盤130でスペーサストッカ400上のスペーサ22を吸着する。
(B15)吸盤保持部材120を上昇させ、吸着したスペーサ22をスペーサストッカ400から分離する。
(B16)スペーサ22を吸着した吸着機構100を積層体ストッカ300の直上に移動させる。
(B17)スペーサ22が吸着している吸盤保持部材120を下降させ、アジャスタ160とアジャスタ220とを嵌合させる。
(B18)スペーサ22が吸着している吸盤130の吸着を解除する。これにより、スペーサ22は羽根240上の薄型光ディスクの上に載置される。
(B19)吸盤保持部材120を上昇させる。
(B20)次のドライブトレイ810のZ軸方向に関する位置に応じて、各吸着機構100のZ軸方向に関する位置を調整する。
【0059】
以降、全てのドライブトレイ810上の薄型光ディスク21、及びスペーサストッカ400上の全てのスペーサ22が羽根240上に載置されるように、上記(B1)〜(B20)の処理を繰り返し行う。
【0060】
(B21)ディスクカートリッジ700からディスクトレイ710を引き出す。
(B22)アジャスタ220を下降させ、積層体20をディスクトレイ710上に載置する。積層体20は正確にディスクトレイ710に戻ることができる。
(B23)ディスクトレイ710をディスクカートリッジ700に収納する。
【0061】
上記動作は、プログラム化され前記制御装置のROMに格納されている。すなわち、上記動作は、前記制御装置からの指示によって実行される。
【0062】
ここでは、薄型光ディスク21及びスペーサ22は、いずれも移動中は必ず中心孔にアジャスタ160が貫通し、芯出しされた状態で搬送が行われる。これによって、ディスクトレイ710からの取り出し、積み戻しの際に、薄型光ディスク21及びスペーサ22の位置ずれを回避することができる。そして、円滑にディスクカートリッジ700にディスクトレイ710を収納することができる。
【0063】
なお、上記(B4)及び(B13)の動作時、仮に薄型光ディスク21及びスペーサ22が本来の位置からずれた位置にあったとしても、アジャスタ160の先端にテーパが存在するので、そのずれは十分に吸収され、自動調芯され、中心位置の精度が保たれる。
【0064】
ここでは、アジャスタ160とアジャスタ220とが勘合して両者の根元まで噛み合うことにより、薄型ディスク21及びスペーサ22の中心位置を所定の位置に維持したまま、吸着機構100と積層体昇降機構200との間での受け渡しを行うことができる。
【0065】
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る薄型ディスク記録再生装置10では、4つの吸着機構100と積層体昇降機構200とによって本発明のディスク出し入れ機構が構成されている。
【0066】
そして、4つの吸着機構100と積層体昇降機構200と積層体ストッカ300とスペーサストッカ400と公転搬送モータ500とによって本発明のディスク搬送装置が構成されている。
【0067】
以上説明したように、本実施形態に係る薄型ディスク記録再生装置10によると、ディスクカートリッジ700、10台のドライブ装置800、4個の吸着機構100、積層体昇降機構200、積層体ストッカ300、スペーサストッカ400、及び公転搬送モータ500などを備えている。
【0068】
ディスクカートリッジ700には、間にスペーサ22を介して複数の薄型光ディスク21が収納されている。
【0069】
積層体ストッカ300には、積層体20が載置され、一時的に保管される。スペーサストッカ400には、スペーサ22が載置され、一時的に保管される。
【0070】
積層体昇降機構200は、積層体ストッカ300の−Z側に配置され、Z軸に平行な昇降軸210、該昇降軸210の+Z側端部に取り付けられたアジャスタ220、前記昇降軸210をZ軸方向に移動(昇降)させるための駆動モータ230、アジャスタ220の−Z側に配置された羽根240などを有している。
【0071】
4個の吸着機構100は、互いに直交する4本のアーム520の一方の端部近傍にそれぞれ取り付けられ、該アームの他端は公転搬送モータ500の回転軸510に固定されている。
【0072】
各吸着機構100は、Z軸に平行な昇降軸110、該昇降軸110の−Z側端部に取り付けられたブロック状の吸盤保持部材120、該吸盤保持部材120の−Z側の面に−Z方向を向いて保持されている3つの吸盤130、前記昇降軸110をZ軸方向に移動(昇降)させるための駆動モータ140、該駆動モータ140の回転力を前記昇降軸110に伝達する伝達系150、吸盤保持部材120の−Z側の面の中央部に−Z方向を向いて保持されているアジャスタ160などを有している。
【0073】
これにより、ディスクトレイ710に載置されている積層体20を、水平方向の位置を維持したままでディスクトレイ710から取り出すことができる。そして、吸着機構100は、水平方向の位置を維持したままで積層体20から薄型光ディスク21及びスペーサ22を吸着、保持することができる。
【0074】
また、吸着機構100は、ドライブトレイ810に載置されている薄型光ディスク21、スペーサストッカ400に載置されているスペーサ22を、水平方向の位置を維持したままで吸着、保持することができる。
【0075】
そこで、正確な調芯による位置精度を保持したまま、薄型光ディスク21及びスペーサ22の搬送、載置が可能である。
【0076】
従って、ディスクカートリッジ700に対して薄型ディスク21を高い位置精度で出し入れすることができる。そして、ディスクカートリッジ700とドライブ装置800との間で、薄型ディスク21を高い位置精度で搬送することができる。
【0077】
なお、上記実施形態では、各ドライブ装置が、薄型光ディスク21に対して記録及び再生を行うことができるドライブ装置の場合について説明したが、これに限定されるものではなく、各ドライブ装置が、薄型光ディスク21に対して記録及び再生の少なくとも一方を行うことができるドライブ装置であれば良い。
【0078】
また、上記実施形態では、各吸着機構が3つの吸盤を有する場合について説明したが、3つに限定されるものではない。そして、薄型光ディスクを吸着する吸盤とスペーサを吸着する吸盤とを異ならせても良い。
【0079】
例えば、各吸着機構が、吸盤保持部材120の中心からの距離が第1の距離で、薄型光ディスクを吸着する3つの吸盤と、吸盤保持部材120の中心からの距離が第2の距離で、スペーサを吸着する3つの吸盤とを有しても良い。
【0080】
また、上記実施形態では、各吸着機構が吸盤130を用いて薄型光ディスク21及びスペーサ22を吸着する場合について説明したが、これに限定されるものではない。薄型光ディスク21及びスペーサ22の吸着保持、吸着解除が可能であれば良い。
【0081】
また、上記実施形態では、積層体20が10枚の薄型光ディスク21を含んでいる場合について説明したが、これに限定されるものではない。
【0082】
また、上記実施形態では、ディスクカートリッジ700が10段のディスクトレイ710を有する場合について説明したが、これに限定されるものではない。
【0083】
また、上記実施形態では、各ドライブユニットが5台のドライブ装置からなる場合について説明したが、これに限定されるものではない。
【0084】
また、上記実施形態では、薄型ディスクが薄型光ディスクの場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、薄型ディスクが薄型磁気ディスクであっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0085】
以上説明したように、本発明のディスク出し入れ機構によれば、ディスクカートリッジに対して薄型ディスクを高い位置精度で出し入れするのに適している。また、本発明のディスク搬送装置によれば、薄型ディスクを高い位置精度で搬送するのに適している。
【符号の説明】
【0086】
10…薄型ディスク記録再生装置、20…積層体、21…薄型光ディスク(薄型ディスク)、22…スペーサ、100…吸着機構(ディスク出し入れ機構の一部)、110…昇降軸、120…吸盤保持部材、130…吸盤、140…駆動モータ、150…伝達系、160…アジャスタ、200…積層体昇降機構(ディスク出し入れ機構の一部)、210…昇降軸、220…アジャスタ、230…駆動モータ、300…積層体ストッカ(ディスク搬送装置の一部)、400…スペーサストッカ(ディスク搬送装置の一部)、500…公転搬送モータ(ディスク搬送装置の一部)、510…回転軸、520…アーム、700…ディスクカートリッジ、710…ディスクトレイ、800…ドライブ装置、810…ドライブトレイ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0087】
【特許文献1】特開2007−12201号公報
【特許文献2】特開2007−287242号公報
【特許文献3】特開2009−238258号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスクカートリッジに対して薄型ディスクを出し入れするディスク出し入れ機構であって、
前記ディスクカートリッジは、前記ディスクカートリッジに対して引き出し及び収納が可能で、中心部に開口を有し、薄型ディスクが載置されるディスクトレイを有し、
前記ディスクトレイが引き出されたときに、該ディスクトレイの開口の下側に位置し、該開口を貫通して上下方向に移動可能で、薄型ディスクの中心孔に先端の一部が挿入される昇降軸を有する昇降機構と;
薄型ディスクを保持する保持部材と、該保持部材を支持し前記昇降軸に平行な支持軸とを有し、前記保持部材が前記ディスクトレイの上側に位置したときに、前記支持軸の中心軸と前記昇降軸の中心軸とが一致するディスク保持機構と;を備えるディスク出し入れ機構。
【請求項2】
前記昇降軸の先端部分と前記支持軸の先端部分は、互いに嵌合可能な形状を有することを特徴とする請求項1に記載のディスク出し入れ機構。
【請求項3】
前記支持軸の先端部分は突起部を有し、前記昇降軸の先端部分は、該突起部が嵌合される切り欠き部を有することを特徴とする請求項2に記載のディスク出し入れ機構。
【請求項4】
前記支持軸の先端部分、及び前記昇降軸の先端部分は、いずれもテーパを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のディスク出し入れ機構。
【請求項5】
前記支持軸は、外形の大きさが薄型ディスクの中心孔よりわずかに小さい先端部と、該先端部の下方に設けられ、外接円の直径が薄型ディスクの中心孔の直径よりも大きい張り出し部とを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のディスク出し入れ機構。
【請求項6】
前記ディスクトレイには、複数枚の薄型ディスクが積層して収容されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のディスク出し入れ機構。
【請求項7】
ディスクカートリッジとドライブ装置との間で薄型ディスクを搬送するディスク搬送装置であって、
請求項1〜6のいずれか一項に記載のディスク出し入れ機構と;
該ディスク出し入れ機構におけるディスク保持機構の支持軸を前記ディスクカートリッジと前記ドライブユニットとの間で水平方向に移動させるアーム機構と;を備えるディスク搬送装置。
【請求項1】
ディスクカートリッジに対して薄型ディスクを出し入れするディスク出し入れ機構であって、
前記ディスクカートリッジは、前記ディスクカートリッジに対して引き出し及び収納が可能で、中心部に開口を有し、薄型ディスクが載置されるディスクトレイを有し、
前記ディスクトレイが引き出されたときに、該ディスクトレイの開口の下側に位置し、該開口を貫通して上下方向に移動可能で、薄型ディスクの中心孔に先端の一部が挿入される昇降軸を有する昇降機構と;
薄型ディスクを保持する保持部材と、該保持部材を支持し前記昇降軸に平行な支持軸とを有し、前記保持部材が前記ディスクトレイの上側に位置したときに、前記支持軸の中心軸と前記昇降軸の中心軸とが一致するディスク保持機構と;を備えるディスク出し入れ機構。
【請求項2】
前記昇降軸の先端部分と前記支持軸の先端部分は、互いに嵌合可能な形状を有することを特徴とする請求項1に記載のディスク出し入れ機構。
【請求項3】
前記支持軸の先端部分は突起部を有し、前記昇降軸の先端部分は、該突起部が嵌合される切り欠き部を有することを特徴とする請求項2に記載のディスク出し入れ機構。
【請求項4】
前記支持軸の先端部分、及び前記昇降軸の先端部分は、いずれもテーパを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のディスク出し入れ機構。
【請求項5】
前記支持軸は、外形の大きさが薄型ディスクの中心孔よりわずかに小さい先端部と、該先端部の下方に設けられ、外接円の直径が薄型ディスクの中心孔の直径よりも大きい張り出し部とを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のディスク出し入れ機構。
【請求項6】
前記ディスクトレイには、複数枚の薄型ディスクが積層して収容されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のディスク出し入れ機構。
【請求項7】
ディスクカートリッジとドライブ装置との間で薄型ディスクを搬送するディスク搬送装置であって、
請求項1〜6のいずれか一項に記載のディスク出し入れ機構と;
該ディスク出し入れ機構におけるディスク保持機構の支持軸を前記ディスクカートリッジと前記ドライブユニットとの間で水平方向に移動させるアーム機構と;を備えるディスク搬送装置。
【図4】
【図5】
【図6】
【図11】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図1】
【図2】
【図3】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図5】
【図6】
【図11】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図1】
【図2】
【図3】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2011−243237(P2011−243237A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−111608(P2010−111608)
【出願日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(000004352)日本放送協会 (2,206)
【出願人】(591053926)財団法人エヌエイチケイエンジニアリングサービス (169)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【出願人】(503391577)長太郎エンジニアリング株式会社 (16)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(000004352)日本放送協会 (2,206)
【出願人】(591053926)財団法人エヌエイチケイエンジニアリングサービス (169)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【出願人】(503391577)長太郎エンジニアリング株式会社 (16)
【Fターム(参考)】
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