説明

ディスク型記録媒体の収納容器

【課題】内部に塵や埃が入り難く、かつ、コストが低廉な紙製の収納容器を提供することである。
【解決手段】ディスク型記録媒体の収納容器において、前記収納容器は、前記ディスク型記録媒体を収納する収納部を有する紙製の収納容器本体部と、前記収納容器本体部の収納部を覆う紙製の蓋体部とを具備し、前記蓋体部は、前記収納容器本体部の収納部に対向する内蓋体と、前記内蓋体からの連続で、所定の折目に沿って折り返された外蓋体とを具備し、前記外蓋体の基端側が前記収納容器本体部に連結され、該蓋体部が回動開閉できるよう構成されてなり、前記外蓋体の裏面側には第1の面ファスナが設けられてなり、前記内蓋体には前記第1の面ファスナが露出可能な開口が形成されており、前記収納容器本体部には、前記蓋体部の閉蓋時に、前記開口を介して露出する前記第1の面ファスナに掛止する第2の面ファスナが設けられてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はディスク型記録媒体の収納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
CD等のディスク型記録媒体は広範囲に使用されている。この種の記録媒体は、一般的には、硬質な透明プラスチックで構成された収納容器に収納されている。前記収納容器は、収納容器本体部と蓋体部とで構成されている。そして、収納容器本体部に設けられた軸が蓋体部の軸受部に嵌め込まれている。従って、蓋体部は回動開閉できる。尚、この種の収納容器は周知であるから、詳細な説明は省略される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−81174号公報
【特許文献2】特開2006−137469号公報
【特許文献3】特開2001−63791号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の収納容器(ディスク収納容器)は、前述の通り、その殆どが、硬質なプラスチックで構成されている。この為、コストが高い。特に、今日では、種々の分野において、資源が有限なプラスチック材料から再生可能なバイオマス材料への転換が求められている。この要望はディスク型記録媒体の収納容器にあっても例外では無い。例えば、紙製の収納容器が求められている。
【0005】
従って、本発明が解決しようとする課題は、紙製の収納容器を提供することである。特に、内部に塵や埃が入り難く、かつ、コストが低廉な紙製の収納容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の課題は、
ディスク型記録媒体の収納容器において、
前記収納容器は、
前記ディスク型記録媒体を収納する収納部を有する紙製の収納容器本体部と、
前記収納容器本体部の収納部を覆う紙製の蓋体部
とを具備し、
前記蓋体部は、
前記収納容器本体部の収納部に対向する内蓋体と、
前記内蓋体からの連続で、所定の折目に沿って折り返された外蓋体
とを具備し、
前記外蓋体の基端側が前記収納容器本体部に連結され、該蓋体部が回動開閉できるよう構成されてなり、
前記外蓋体の裏面側には、第1の面ファスナが設けられてなり、
前記内蓋体には、前記第1の面ファスナが露出可能な開口が形成されており、
前記収納容器本体部には、前記蓋体部の閉蓋時に、前記開口を介して露出する前記第1の面ファスナに掛止する第2の面ファスナが設けられてなる
ことを特徴とする収納容器によって解決される。
【0007】
好ましくは、上記収納容器であって、前記第2の面ファスナは、前記収納容器本体部に形成された凹部内に設けられてなることを特徴とする収納容器によって解決される。
【0008】
好ましくは、上記の収納容器であって、前記収納容器本体部は厚紙によって構成されてなることを特徴とする収納容器によって解決される。
【0009】
好ましくは、上記の収納容器であって、前記蓋体部は厚紙によって構成されてなることを特徴とする収納容器によって解決される。特に、前記蓋体部を構成する前記外蓋体および前記内蓋体は厚紙によって構成されてなることを特徴とする収納容器によって解決される。
【発明の効果】
【0010】
紙製の収納容器を手で持った場合、硬質プラスチック製の収納容器の場合に比べて、感触が柔らかである。従来のプラスチック製収納容器の如きのゴツゴツした違和感を感じ難い。
【0011】
しかも、紙は、一般的には、プラスチックよりもソフトである。従って、収納されている記録媒体に傷が付き難い。
【0012】
廃棄処分するにしても非常に簡単である。コストも掛からない。
【0013】
厚紙で簡単に構成でき、製造は簡単で、コストが低廉である。
【0014】
更には、内蓋体と、この内蓋体からの連続で所定の折目に沿って折り返された外蓋体とによって、蓋体部を構成させたので、閉蓋時に、収納されている記録媒体が内蓋体によって確実に覆われている。すなわち、収納容器本体部と内蓋体との間に隙間が出来難い。特に、閉蓋時には、外蓋体が内蓋体を収納容器本体部側に押圧するようになるので、収納容器本体部と内蓋体との間に隙間が出来難い。よって、塵や埃が入り難い。と言うことは、収納されている記録媒体に塵や埃が付着し難い。
【0015】
蓋体部を閉蓋ロックする面ファスナは、外蓋体の裏面側に取り付けられている。かつ、この面ファスナの取付位置に対応して、前記内蓋体には開口が形成されている。従って、閉蓋時において、面ファスナの厚さと内蓋体の厚さと略同じであれば、面ファスナが蓋体部より大きく飛び出さない。このことは、閉蓋時に収納容器本体部の上面と蓋体部(内蓋体)の下面との間に隙間が出来難いことを意味する。よって、内部に塵や埃が入り難い。と言うことは、収納されている記録媒体に塵や埃が付着し難い。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の収納容器の部品接合前段階(分解状態)での斜視図
【図2】本発明の収納容器の開蓋状態での斜視図
【図3】本発明の収納容器の閉蓋状態での斜視図
【図4】本発明の収納容器からディスクを取り出す状態での断面図
【図5】本発明の第2実施形態になる収納容器の開蓋状態での斜視図
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は収納容器である。特に、ディスク型記録媒体の収納容器である。本収納容器の構成素材は紙である。一部に紙以外の素材が使用される場合も有るが、殆どが紙で出来ている。従って、紙製の収納容器であると言うことが出来る。この点において、従来のプラスチック製収納容器とは大きく異なる。本収納容器は、紙製の収納容器本体部と、紙製の蓋体部とを具備する。前記収納容器本体部は、前記ディスク型記録媒体を収納する収納部を有する。前記蓋体部は、前記収納容器本体部の収納部を覆う。前記収納容器本体部と前記蓋体部とは連結されている。例えば、前記収納容器本体部と前記蓋体部とは、一辺に沿って、連結(接合)されている。この連結(接合)形態は、蓋体部が回動開閉できる形態である。蓋体部が回動開閉できるように蓋体部と収納容器本体部とを連結する技術は公知であるから、詳細な説明は省略される。
【0018】
前記蓋体部は、好ましくは、外蓋体と、内蓋体とを具備する。外蓋体や内蓋体は、好ましくは、厚紙で構成される。厚紙は、例えば0.5〜3mm程度の厚さである。勿論、これより厚くても良いが、厚くするメリットは少ない。厚紙は段ボール紙であっても良い。段ボール紙は、クッション性を有するから、好ましい。前記内蓋体は、閉蓋時において、前記収納容器本体部の収納部に対向する。これにより、前記収納部が覆われる。前記外蓋体と前記内蓋体とは繋がっている。前記蓋体部は、例えば一枚の紙体を所定の折目に沿って折り返すことにより得られる。従って、前記蓋体部は、低廉なコストで、かつ、簡単に得られる。
【0019】
第1の面ファスナが、前記外蓋体の裏面側に設けられている。前記第1の面ファスナの先端部を露出可能とする開口が、前記内蓋体に設けられている。閉蓋時に前記第1の面ファスナに掛止する第2の面ファスナが前記収納容器本体部に設けられている。すなわち、閉蓋時には、前記開口を介して露出した前記第1の面ファスナと、前記第2の面ファスナとが掛止する。前記第2の面ファスナは、好ましくは、前記収納容器本体部に形成された凹部内に設けられている。
【0020】
前記収納容器本体部は、好ましくは、前記記録媒体が収納される第1凹部(収納部)を具備する。前記収納容器本体部は、好ましくは、前記第1凹部の周辺部に設けられた該第1凹部よりも深い第2凹部を具備する。そして、前記第1凹部に収納されている記録媒体を取り出すに際して、前記第1凹部に収納されている記録媒体の端縁部に力を作用させた場合、該記録媒体の他端縁部が前記第2凹部に嵌まる。この結果、前記記録媒体が斜状態のものになるよう構成されている。
【0021】
前記収納容器本体部は、好ましくは、第3凹部を具備する。この第3凹部の存在によって、前記第1凹部(収納部)に収納された記録媒体の端縁部に手が掛り易くなる。この第3凹部が設けられている位置は、好ましくは、前記第2凹部に対向した位置である。かつ、前記第3凹部と前記第1凹部とは繋がって設けられている。
【0022】
本発明の収納容器は、好ましくは、前記第2凹部の一部を覆うカバー体を具備する。前記カバー体は、好ましくは、前記収納容器本体部に連結された蓋体部によって構成される。
【0023】
前記収納容器本体部は、好ましくは、第1紙体と、第2紙体と、第3紙体とを具備する。前記第1紙体は、閉蓋時において、蓋体部の蓋面に近い側に位置する紙体である。前記第3紙体は、閉蓋時において、蓋体部の蓋面から遠い側に位置する紙体である。前記第2紙体は、前記第1紙体と前記第3紙体とに挟まれた紙体である。第1紙体や第2紙体は、好ましくは、厚紙で構成される。第3紙体は厚紙で構成されても良く、フィルムのような薄紙で構成されても良い。厚紙は、例えば0.5〜3mm程度の厚さである。勿論、これより厚くても良いが、厚くするメリットは少ない。厚紙は段ボール紙であっても良い。段ボール紙は、クッション性を有するから、好ましい。前記収納容器本体部は、好ましくは、前記第1紙体−前記第2紙体−前記第3紙体(積層体)で構成される。前記第1紙体は、第1開口部(第1凹部となる第1開口部)を有する。前記第2紙体は、第2開口部(第2凹部となる第2開口部)を有する。前記第3紙体は、第2紙体の開口を閉鎖する閉鎖部を有する。更に好ましくは、第1紙体は、第3開口部(第3凹部となる第3開口部)を有する。更に好ましくは、第2紙体は、第3開口部に対応して第4開口部を有する。前記収納容器本体部は、前記所定形状に打ち抜かれた厚紙を貼り合わせると言った簡単な作業で得られる。すなわち、前記収納容器本体部は、低廉なコストで、かつ、簡単に得られる。
【0024】
前記収納容器本体部(例えば、第1紙体)と前記蓋体部(例えば、前記蓋体部の外蓋体)とが貼り合わされる。例えば、一部が重なるように貼着される。これにより、前記収納容器本体部と前記蓋体部とは連結される。従って、この作業も簡単であり、収納容器は低廉なコストで得られる。尚、前記第3紙体と前記外蓋体とを一枚の厚紙で構成することが出来る。すなわち、前記第3紙体(又は、第1紙体)と前記外蓋体とが繋がったものであっても差し支えない。例えば、前記第3紙体(又は、第1紙体)−外蓋体−内蓋体と言った如くの連続した紙体で構成されていても良い。勿論、各々の境界において、折り曲げるのを簡単にする折目が設けられている。
【0025】
以下、更に具体的に本発明の実施形態になる収納容器を説明する。
【0026】
図1〜図4は、本発明の第1実施形態になる収納容器の説明図である。図1は、部品接合(貼り合わせ)前段階(分解状態)での斜視図である。図2は、開蓋状態における収納容器の斜視図である。図3は、閉蓋状態における収納容器の斜視図である。図4は、収納容器からディスクを取り出す状態での断面図である。
【0027】
各図中、Aは収納容器本体部であり、Bは蓋体部である。
【0028】
収納容器本体部Aは、第1紙体1と第2紙体2と第3紙体3との積層体で構成されている。第1紙体1と第2紙体2と第3紙体3とは、外形が、ほぼ同一である。外形は、例えば正方形に近い長方形である。例えば、約1mm厚程度の厚紙が所定形状に打ち抜かれたものである。前記3枚の紙体が、糊、粘着剤あるいは接着剤で貼り合わされる。
【0029】
第1紙体1は、その略中央部位置に、孔(開口)4を有する(図1,2参照)。この孔(開口)4内に記録媒体Dが配置される。従って、孔(開口)4は略円形である。かつ、孔(開口)4の内径は記録媒体Dの外径よりも僅かに大きい。第1紙体1は孔(開口)5を有する。孔(開口)5は、孔(開口)4内に配置されている記録媒体Dの端縁に手を掛け易くする為のものである。従って、孔(開口)5は孔(開口)4と繋がっている(図1,2参照)。更に、孔(開口)5の位置は、孔(開口)4の中心位置を中心とした場合、後述の孔(開口)7の位置と対称な位置である。尚、孔(開口)5の形状は適宜なもので良い。第1紙体1の適宜な箇所には、前記孔(開口)4よりも小さな径の孔(開口)6が形成されている。これ等の孔(開口)4,5,6は、厚紙から第1紙体1を打ち抜く際に、同時に、形成される。第1紙体1は、その長さ(長手方向の長さ)がaである。前記長さaに直交する短手方向の長さは前記長さaより多少(例えば、2〜3cm程度)短い。
【0030】
第2紙体2は孔(開口)7を有する。この孔(開口)7の形状は格別な制約は無い。本実施形態では円弧状である(図1,2参照)。孔(開口)7の形成位置は、第1紙体1と第2紙体2とを重ね合わせた場合、第1紙体1の円形の孔(開口)4の領域に対向した位置である。特に、各々の孔(開口)の円弧状部分が重なる位置である(図1,2参照)。第2紙体2は孔(開口)8を有する。第2紙体2は孔(開口)9を有する。孔(開口)8,9の形成位置は、第1紙体1と第2紙体2とを重ね合わせた場合、孔(開口)8,9と孔(開口)5,6とが対向する位置である(図1,2参照)。これ等の孔(開口)7,8,9は、第2紙体2を厚紙から打ち抜く際に、同時に、形成される。第2紙体2は、その長さ(長手方向の長さ)がaである。
【0031】
第3紙体3は、第1紙体1の外形(第2紙体2の外形)と略同じ外形である。但し、第3紙体3には、孔(開口)が全く形成されて無い。
【0032】
上記の如きの形状に打ち抜かれた第3紙体3の上に、上記の如きの形状に打ち抜かれた第2紙体2が配置される。この第2紙体2の上に、上記の如きの形状に打ち抜かれた第1紙体1が配置される。前記3枚の紙体が貼り合わされる。これによって、図2,3,4に示される如きの収納容器本体部Aが得られる。尚、第1紙体1の円形の孔(開口)4で構成される空間に記録媒体Dが収納される。従って、前記第1凹部(第1開口部)は、第1紙体1に形成された孔(開口)4であると言うことが出来る。前記第2凹部(第2開口部)は、第2紙体2に形成された孔(開口)7であると言うことが出来る。前記第3凹部(第3開口部)は、第1紙体1に形成された孔(開口)5であると言うことが出来る。前記第4開口部は、第2紙体2に形成された孔(開口)8であると言うことが出来る。
【0033】
蓋体部Bは、例えば約1mm厚程度の厚紙が長方形状に打ち抜かれて構成されたものである。この打抜時に、折目が、所定のライン(図1中、一点鎖線)に沿って形成される。前記折目に沿って、前記厚紙が折り返される。折り返された積層体の中、下側に位置するのが内蓋体10であり、上側に位置するのが外蓋体11である。外蓋体11は、その長さ(長手方向の長さ)がa+cである。長さcの部分は、ライン(図1の一点鎖線)に沿って折り返される。内蓋体10は、その長さがbである。外蓋体11の長さaは内蓋体10の長さbよりも糊代分の長さcだけ長い。すなわち、内蓋体10を下側にして蓋体部Bが閉じられた場合、内蓋体10の先端部と、外蓋体11と第1紙体1との接合箇所との間には、多少の間隙が有る。前記打抜時に、孔(開口)6,9に対向する位置において、内蓋体10には孔(開口)12が形成される。
【0034】
上記のように構成させた蓋体部Bの外蓋体11の折返面部(図1中、一点鎖線に沿って折り返されることで形成された折返面部:長さcの領域)の下面が収納容器本体部Aの第1紙体1の上面に貼り合わされる。すなわち、蓋体部Bが回動開閉できるように蓋体部Bが収納容器本体部Aに貼り合わされる。特に、蓋体部Bの開蓋時において、外蓋体11が円弧状の孔(開口)7の一部を覆う如く貼り合わされている。勿論、蓋体部Bの開蓋時において、円弧状の孔(開口)7の残部(前記一部以外の領域)は、外蓋体11によって覆われることが無い。
【0035】
収納容器本体部Aは、面ファスナ(ベルクロテープ:マジックテープ:何れも登録商標:面テープ)13を有する。面ファスナ13は、孔(開口)6,9に対応する位置において、第3紙体3の上面に取り付けられている。面ファスナ13は、(面ファスナ13の厚さ(高さ))>{(第1紙体1の厚さ)+(第2紙体2の厚さ)}であるよう構成されている。従って、面ファスナ13は、孔(開口)6,9から露出している。すなわち、第3紙体3の上面に取り付けられた面ファスナ13の先端部(表面部)が、第1紙体1の上面より僅かに突出している。但し、この突出部分は、所謂、ファスナ部分である。従って、突出部分は、力が加われば、押し込まれるようになる。よって、閉蓋状態では、前記突出部分の最表面部は、第1紙体1の上面と殆ど同一面上に存在するようになる。
【0036】
外蓋体11は、面ファスナ(ベルクロテープ:マジックテープ:何れも登録商標:面テープ)14を有する。面ファスナ14は、内蓋体10と外蓋体11とが折り畳まれている状態において、孔(開口)12に対応して、取り付けられている。面ファスナ14は、(面ファスナ14の厚さ(高さ))>(内蓋体10の厚さ)であるよう構成されている。従って、面ファスナ14の先端部(表面部)は、閉蓋状態において、内蓋体10の下面(裏面)より僅かに突出している。但し、この突出部分は、所謂、ファスナ部分である。従って、突出部分は、力が加われば、押し込まれるようになる。よって、閉蓋状態では、この突出部分の最表面部は、内蓋体10の下面(裏面)と殆ど同一面上に存在するようになる。
【0037】
蓋体部Bを回動閉蓋した場合、面ファスナ13と面ファスナ14とが絡み合い、閉蓋ロックが行われる。
【0038】
上記実施形態になる収納容器において、記録媒体Dが孔(第1凹部:第1開口部)4内に配置されている状態であって、かつ、蓋体部Bの閉蓋状態では、記録媒体Dは、孔(開口)7の位置では、外蓋体11の下面によって規制を受ける。孔(開口)4の位置では、記録媒体Dは、第2紙体2上面と内蓋体10の下面とによって挟持される。更に、記録媒体Dは、第1紙体1の孔(開口)4の内周面によって規制を受ける。従って、記録媒体Dは、ガタツキが起き難く、保持されている。
【0039】
蓋体部Bの開蓋状態でも、記録媒体Dは、外蓋体11の下面によって挟持される如く規制を受けている。かつ、記録媒体Dは、第1紙体1の孔(開口)4の内周面によっても規制を受けている。従って、簡単には抜け落ち難い。
【0040】
しかしながら、記録媒体Dを取り外す場合には、図4に示される如く、孔(開口)5,8の箇所に指を位置させ、記録媒体Dの一端部に掛かっている指を多少持ち上げるようにしたならば、記録媒体Dの他端部が孔(開口)7内に嵌り込む。従って、記録媒体Dは簡単に斜め状態のものになる。よって、記録媒体Dの取り出しが容易に行える。
【0041】
本実施形態にあっては、プラスチック製収納容器の場合に構成されている記録媒体Dの中心孔に掛止する部材(爪)が不要である。このことは、収納容器の構造が簡単なものになる。そして、コストも低廉になる。尚、爪が無くても、上述の通り、記録媒体Dの抜け落ち防止は図られている。従来のプラスチック製収納容器の場合には、収納容器本体部に記録媒体Dの中心孔に掛止する爪が必要である。ところが、この爪の掛止を外して記録媒体Dを取り出す作業は大変である。つまり、本実施形態の収納容器の場合に比べたならば、従来のプラスチック製収納容器の場合、記録媒体Dを取り出す作業が大変である。掛止爪に掛止している状態から記録媒体Dを取り外そうとすると、場合によっては、記録媒体Dが撓むようにもなる。これが酷くなると、記録媒体Dは損傷するかとも思われてしまう。しかしながら、斯かる心配も本実施形態のものでは無い。
【0042】
記録媒体Dの取り出しが容易と言うことは、逆に、記録媒体Dの収納作業も容易と言うことである。
【0043】
上記実施形態の収納容器にあっては、蓋体部Bは、内蓋体10と、外蓋体(内蓋体10からの連続であって、所定の折目に沿って折り返された外蓋体)11とによって構成されている。従って、閉蓋時には、収納されている記録媒体Dは、内蓋体10によって確実に覆われている。すなわち、収納容器本体部A(第1紙体1)と内蓋体10との間に隙間が出来難い。特に、閉蓋時には、外蓋体11が内蓋体10を収納容器本体部A(第1紙体1)側に押圧するようになる。この為、収納容器本体部A(第1紙体1)と内蓋体10との間に隙間が出来難い。よって、塵や埃が入り難い。と言うことは、収納されている記録媒体Dに塵や埃が付着し難い。
【0044】
蓋体部Bを閉蓋ロックする面ファスナ14は、外蓋体11の裏面側に取り付けられている。かつ、この面ファスナ14の取付位置に対応して、前記内蓋体10には開口12が形成されている。従って、閉蓋時において、面ファスナ14の厚さと内蓋体10の厚さとが略同じであれば、面ファスナ14が蓋体部(内蓋体10)の下面(裏面:内面)より大きく飛び出さない。このことは、閉蓋時に収納容器本体部A(第1紙体1)の上面と蓋体部B(内蓋体10)の下面との間に隙間が出来難いことを意味する。よって、内部に塵や埃が入り難い。と言うことは、収納されている記録媒体Dに塵や埃が付着し難い。
【0045】
蓋体部Bを閉蓋ロックする面ファスナ13は、孔(開口)6,9内において、第3紙体3の上面に取り付けられている。従って、(面ファスナ13の厚さ)と{(第1紙体1の厚さ)+(第2紙体2の厚さ)}とが略同じであれば、面ファスナ13が第1紙体1の上面(表面)より大きく飛び出さない。このことは、閉蓋時に収納容器本体部A(第1紙体1)の上面と蓋体部B(内蓋体10)の下面との間に隙間が出来難いことを意味する。よって、内部に塵や埃が入り難い。と言うことは、収納されている記録媒体Dに塵や埃が付着し難い。
【0046】
上記実施形態の蓋体部Bは内蓋体10と外蓋体11とを具備している。従って、例えば外蓋体11(又は内蓋体10)のみで蓋体部Bが構成された場合に比べて、その表面積が大きい。と言うことは、ここに記載(印刷)される情報量が多くなると言うことである。例えば、記録媒体Dのコンテンツが音楽である場合、通常、歌詞が印刷されたシートがプラスチック製収納容器内に収納されている。このような場合、前記シートが無くなる恐れも高い。歌詞シートを無くすると、非常に困ることも多い。しかしながら、蓋体部Bの表面に歌詞などが印刷されておれば、紛失の問題は起きない。そして、上記の如く、内蓋体10と外蓋体11とを具備していると、その記載(印刷)情報量が多くなるから、非常に好都合である。例えば、外蓋体11の外表面には歌詞などの情報の印刷表示は不向きである。そうすると、外蓋体11には内表面(裏面)の一面しか利用できない。内蓋体10は、その表裏の2面に印刷表示しても大きな不都合は起きない。と言うことは、蓋体部Bが内蓋体10と外蓋体11とを具備している場合、3面(外蓋体11の内表面(裏面)と内蓋体10の表裏2面との合計3面)に亘って印刷表示が可能なのに対して、蓋体部Bが内蓋体10(又は外蓋体11)のみの場合には、1面にしか印刷表示できない。すなわち、上記実施形態の如くに構成させていると、表示情報が多くなっても対応が可能である。更には、蓋体部Bは紙で出来ているから、印刷も簡単である。
【0047】
図5は、本発明の第2実施形態になる収納容器の説明図である。
【0048】
本実施形態の収納容器と前記実施形態の収納容器とは、その基本的な技術思想が同じである。面ファスナ13,14の取付位置や形状が異なったり、第1紙体1の形状が少し相違するに過ぎないので、詳細な説明は省略される。本実施形態では、記録媒体Dの端縁に手を掛け易くする為の孔(開口)5の位置に面ファスナ13が設けられている。この為、前記実施形態の場合に比べて、記録媒体Dの端縁に手を掛け難い。
【符号の説明】
【0049】
A 収納容器本体部
B 蓋体部
D ディスク型記録媒体
1 第1紙体
2 第2紙体
3 第3紙体
4 円形の孔(開口)
5 円形の孔4に繋がった孔(開口)
6 孔(開口)
7 円弧状の孔(開口)
8 孔(開口)
9 孔(開口)
10 内蓋体
11 外蓋体
12 孔(開口)
13,14 面ファスナ



【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスク型記録媒体の収納容器において、
前記収納容器は、
前記ディスク型記録媒体を収納する収納部を有する紙製の収納容器本体部と、
前記収納容器本体部の収納部を覆う紙製の蓋体部
とを具備し、
前記蓋体部は、
前記収納容器本体部の収納部に対向する内蓋体と、
前記内蓋体からの連続で、所定の折目に沿って折り返された外蓋体
とを具備し、
前記外蓋体の基端側が前記収納容器本体部に連結され、該蓋体部が回動開閉できるよう構成されてなり、
前記外蓋体の裏面側には、第1の面ファスナが設けられてなり、
前記内蓋体には、前記第1の面ファスナが露出可能な開口が形成されており、
前記収納容器本体部には、前記蓋体部の閉蓋時に、前記開口を介して露出する前記第1の面ファスナに掛止する第2の面ファスナが設けられてなる
ことを特徴とする収納容器。
【請求項2】
第2の面ファスナは、収納容器本体部に形成された凹部内に設けられてなる
ことを特徴とする請求項1の収納容器。
【請求項3】
外蓋体および前記内蓋体は、厚紙によって構成されてなる
ことを特徴とする請求項1の収納容器。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−76804(P2012−76804A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−224379(P2010−224379)
【出願日】平成22年10月1日(2010.10.1)
【出願人】(510262839)コスモテック株式会社 (2)
【Fターム(参考)】