説明

ディスク搬送装置、およびディスク装置

【課題】良好に記録媒体を搬送するディスク装置を提供する。
【解決手段】ディスク装置は、小径ディスクの搬入時に、カム制御ピン556が係合する小径用カム溝716B、および大径ディスクの搬入時に、カム制御ピン556が係合する大径用カム溝716Cを備えた第一シフトカム71と、ローディングアームとリンクプレート55を連結して、ローディングアームおよびサブローディングアームを光ディスクから最も離隔する位置に移動させる空走区間522D2を有する第二ローディング係合溝522Dが設けられるローディングスライドプレート522と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスク状の記録媒体を搬送するディスク搬送装置、およびディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光ディスクを処理するディスク装置が知られている。(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1に記載のものは、装置本体のスロットの近傍に、一端部が装置本体の左側に回動可能に設けられる第一リンクと、一端部が装置本体の右側に設けられるアームとを備えたディスク装置である。このディスク装置では、アームおよび第1リンクが、それぞれ連結部材および第2リンクを介して回動阻止用リンクに連結され、回動阻止リンクの移動により、連動可能に設けられている。また、このディスク装置は、ターンテーブルが設けられるディスク処理部を上げ下げする第1の駆動カムを備え、この第1の駆動カムには、大きな光ディスクを送るための第1のカム溝と、小さな光ディスクを送るための第2のカム溝と、これらの第1および第2のカム溝の一端部で合流される共通カム溝とを備え、連結部材から突出する突起部が係合されている。
そして、光ディスクを出し入れするスリットから光ディスクが挿入されると、挿入された光ディスクの径寸法に応じて突起部が第1カム溝または第2カム溝に移動し、アームおよび第1リンクが光ディスクの径寸法に応じた角度だけ回動する構成が採られている。
【0004】
【特許文献1】特開平2006−127680号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記特許文献1のような従来の構成では、大径ディスクを挿入した場合は、アームおよび第1リンクがディスク装置の中心から最も離れた位置まで回動するが、小径ディスクを挿入した場合では、ターンテーブルに光ディスクが保持された際に、アームおよび第1リンクが小径ディスクに接触しない程度に回動する。すなわち、第1リンクおよび第2リンクがディスク処理部の直上に移動されるため、光ディスクのクランプ動作時に、ディスク処理部と第1および第2リンクが干渉してしまうおそれがあり、光ディスクがターンテーブル上に良好に搬送できないおそれがある。したがって、この干渉を防止するために、例えばディスク処理部と第1及び第2リンクの間寸法を大きくするなどの構成が必要となる。
これに対して、第1および第2のカム溝の他端部を合流させて、小さな光ディスクを搬入した場合でも、大きな光ディスクの搬入時と同様の位置まで、アームおよび第1リンクを回動させる構成も考えられる。しかしながら、このような構成では、光ディスクを排出して第1のカム部材を初期状態に戻す動作時に、例えば大きな光ディスクが挿入されているにもかかわらず、突起部が第2のカム溝側に移動してしまったり、小さな光ディスクが挿入されているにもかかわらず、突起部が第1のカム溝側に移動してしまったりするおそれがある。
【0006】
本発明は、上記のような問題に鑑みて、良好に記録媒体を搬送するディスク搬送装置、およびディスク装置を提供することを1つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の本発明は、ディスク状の記録媒体の周縁をガイドして、前記記録媒体を出し入れする挿排口を有する筐体の内外に、前記記録媒体を搬送する搬送部材と、前記搬送部材を連結して連動させるリンク部材と、前記筐体内の所定位置に搬送された前記記録媒体を保持する保持手段と、所定方向に移動可能に設けられ、前記保持手段を、前記記録媒体を保持するチャック位置、および前記記録媒体から離隔するアンチャック位置に移動させるとともに、前記リンク部材と連結されて、前記搬送部材が前記記録媒体から接離する方向に前記リンク部材を移動させるカム部材と、を具備して、異なる径寸法の前記記録媒体を搬送可能なディスク搬送装置であって、前記カム部材は、前記搬送部材にて径寸法の小さい小径記録媒体を保持する小径保持位置から、前記小径記録媒体から前記搬送部材を離隔させる退避位置に前記リンク部材を移動させる小径リンク部と、前記搬送部材にて径寸法の大きい大径記録媒体を保持する大径保持位置から、前記大径記録媒体から前記搬送部材を離隔させる退避位置に前記リンク部材を移動させる大径リンク部と、を備え、前記搬送部材は、前記リンク部材に係合されるとともに、前記リンク部材の移動に対応して当該搬送部材を所定方向に移動させる搬送移動部と、前記搬送移動部に連続形成されるとともに、前記保持手段がチャック位置に移動された状態において、当該搬送部材を前記保持手段の移動経路上から離隔する前記退避位置に移動させる搬送離隔部と、を備えたことを特徴としたディスク搬送装置である。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のディスク搬送装置と、前記記録媒体を出し入れする挿排口を備えるとともに、内部に前記ディスク搬送装置を格納する前記筐体と、前記保持手段にて保持された前記記録媒体の情報を読み込む読み込み処理および前記記録媒体に情報を記録する記録処理のうち少なくともいずれか一方の処理を実施する情報処理部とを具備したことを特徴としたディスク装置である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明に係る一実施形態のディスク装置を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る一実施形態のディスク装置の初期状態における内部構成を示す平面図である。図2は、前記実施形態におけるディスク装置の搬入部および搬出部の構成を示す平面図である。図3は、前記実施形態におけるディスク装置の駆動部、搬出部およびクランプ部の構成を示す平面図である。図4は、前記実施形態における化粧板の正面図である。図5は、前記実施形態における駆動部の近傍を示す平面図である。図6は、前記実施形態における駆動部を構成する第一伝達ギアの構成を示す斜視図である。図7は、前記実施形態におけるサブローディングアームの断面図である。図8は、サブローディングアームの基端側から先端側を見た状態での側面図である。図9は、前記実施形態におけるディスク装置のリンクプレートの一部を示す平面図である。図10は、前記実施形態におけるディスク装置のクランプ部を構成する第一シフトカムの背面側の平面図である。図11は、前記実施形態における前記第一シフトカムを左壁側からみた側面図である。図12は、前記実施形態におけるエマージェンシー機構のエマージェンシーレバー近傍の側面図である。
【0010】
〔ディスク装置の構成〕
図1において、100は、本発明の一実施形態に係るディスク装置であり、このディスク装置100は、ディスク状の記録媒体としての光ディスク1の少なくとも一面に設けられた図示しない記録面に記録された情報を読み出す読取処理や記録面へ各種情報を記録する記録処理を実施する。このディスク装置100は、例えばノート型パーソナルコンピュータなど、比較的厚み寸法に制限がある電気機器に装着されるいわゆる薄型スロットインタイプディスク装置である。なお、本実施形態では、ノート型パーソナルコンピュータに装着される薄型のディスク装置100を例示するが、これに限らず、例えばゲーム機や、映像データの録画再生処理を実施する、いわゆるビデオ装置などに装着されてもよい。また、読取処理および記録処理のうちいずれか一方のみを実施する構成としても対象とすることができる。
【0011】
また、このディスク装置100は、光ディスク1として、直径12cmの大径記録媒体としての大径ディスク1Aと、直径8cmの小径記録媒体としての小径ディスク1Bとを収納することができる。なお、ディスク状の記録媒体としては、光ディスク1に限らず、磁気ディスク、光磁気ディスクなどのいずれのディスク状記録媒体を対象とすることができる。
【0012】
そして、ディスク装置100は、例えば金属製で内部空間を有する略箱形状のケース体を構成する筐体10を備えて構成されている。なお、この筐体10において、図1中の下側の面を正面10A、図1中の筐体10の左側壁を左壁10B、図1中の筐体10の右側壁を右壁10C、図1中の上側の面を背面10D、図1中の紙面手前側を天面側、図1中の紙面奥側を底面側と適宜称する。
【0013】
筐体10は、筐体本体部11と、図中筐体本体部11の右側に設けられるウィング部12とを備えて構成されている。これらの筐体本体部11およびウィング部12は、天面が同一平面上に形成され、底面が異なる高さ寸法に形成されている。すなわち、ウィング部12の底面は、筐体本体部11の底面よりも天面からの距離寸法が小さく形成されている。そして、筐体本体部11の右壁10C側には、筐体本体部11の底面から立ち上がり、筐体本体部11の底面およびウィング部12の底面を連結する段差壁部13が形成されている。
【0014】
筐体本体部11の背面10D側には、ベースプレート111が固定されている。このベースプレート111は、例えばアルミなどの金属により、左右方向(左壁10Bから右壁10Cに向かう方向)に長手となる略板状に形成されている。このベースプレート111は、筐体本体部11の底面に対向して、ウィング部12の底面と略同一高さ平面上に配置されている。
このベースプレート111の左右方向の両端側には、それぞれ前後方向(正面10Aから背面10Dに向かう方向)に長手となるリンク案内孔112,113が形成されている。また、ベースプレート111の左壁10Bの背面10D側には、プレートリンクピン案内孔114が前後方向に長手に設けられている。
さらに、ベースプレート111の左壁10B側には、右壁10C側の背面10D側から左壁10Bの正面10A側に向かって傾斜するガイドアーム案内溝115が設けられている。さらには、ベースプレート111のガイドアーム案内溝115の左壁10B側には、略三角形状のガイドアーム案内窓116が形成されている。
また、ベースプレート111の背面10D側の略中央部には、背面10D側から正面10A側に向かって円弧状のイジェクトアーム規制溝117が形成されている。
【0015】
ウィング部12は、右壁10C近傍、かつ正面10A近傍に、ローディングアーム付勢部12Aを備えている。このローディングアーム付勢部12Aは、正面10Aに対向するアーム当接部12Bを備え、このアーム当接部12Bは、例えばばね部材などの付勢手段により背面10D側に付勢されている。
【0016】
また、筐体10の正面10Aには、光ディスク1を挿入排出するための挿排口14が、筐体本体部11からウィング部12に亘って、図1中左右方向に延びて形成されている。さらに、筐体10の背面10Dの左壁10B側には、コネクタ部15が形成されている。このコネクタ部15は、制御回路部に電気的に接続されている。また、コネクタ部15は、例えばディスク装置100の外部のパーソナルコンピュータなどの外部機器と接続可能であり、外部機器から各種情報を送受信したり、電力が供給されるプラグが接続されたりする。
さらには、筐体10の正面10A側の段差壁部13の近傍には、挿排口14を閉塞可能な閉塞レバー16が設けられている。この閉塞レバー16は、図1に示すように、平面視で略コ字状に形成され、コ字両端部が筐体10の底面に設けられた支持部に回動可能に支持されている。そして、この閉塞レバー16は、例えば後述するディスククランプ部70のカム部材としての第一シフトカム71の移動状態に応じて回動し、光ディスク1が筐体10の内部に搬送されて、情報処理可能な演奏可能状態となった状態において、挿排口14を閉塞する状態に回動する。
【0017】
さらに、筐体10の正面10A側には、図4に示すようなケース体を構成する化粧板10A1が取り付けられている。この化粧板10A1には、挿排口14に対向して、左右方向に長手となるディスク挿通孔10A2が設けられている。また、ディスク挿通孔10A2の下方の右壁10C側には、第一エマージェンシーピン挿通孔10A3および第二エマージェンシーピン挿通孔10A4が設けられている。第一エマージェンシーピン挿通孔10A3は、後述するディスク搬送装置としての搬送手段30のディスククランプ部70の第一シフトカム71の移動経路の延長上に位置して形成されている。また、第二エマージェンシーピン挿通孔10A4は、後述する搬入部50のローディングリンク機構52のローディングリンクアーム521の近傍に位置して形成されている。
また、化粧板10A1のディスク挿通孔10A2の下方の左壁10B側には、イジェクトボタン10A5および、アクセス確認窓10A6などが設けられている。イジェクトボタン10A5は、背面10D側に押下可能に設けられ、例えば利用者の操作により押下されることで、後述の制御回路部に光ディスク1を排出する旨の操作信号を出力する。アクセス確認窓10A6には、制御回路部に接続される図示しないアクセスランプが設けられる。このアクセスランプは、例えば光ディスク1がディスク装置100の内部に挿入されて光ディスク1に所定の情報処理が実施されている状態で点灯し、アクセス確認窓10A6からアクセスランプの点灯状態を確認することで、光ディスク1の状態を確認することが可能となる。
【0018】
そして、筐体10の内部には、いわゆるトラバースメカと称される保持手段としてのディスク処理部20と、光ディスク1を搬送するディスク搬送装置としての搬送手段30と、図示しない制御回路部とが設けられている。
【0019】
ディスク処理部20は、筐体10の挿排口14近傍、すなわち、正面10Aの左壁10B側から筐体10の略中心位置に向かって長手に形成されている。このディスク処理部20は、例えば金属板にて略板状に形成され、ディスク処理部20の長手方向と略同一方向に長手となる台座部21を有している。
【0020】
この台座部21は、筐体10の略中心位置に対応する長手方向の一端側が筐体10の高さ方向に略沿って揺動可能に、弾性を有するフロートゴム21Aを介して筐体10内に配設されている。また、台座部21には、長手方向に沿って、長手状の処理開口部21Bが略中央に切欠形成されている。そして、台座部21の処理開口部21Bの一端側、すなわち筐体10の略中心位置に、ディスク回転駆動手段22が配設されている。このディスク回転駆動手段22は、図示しないスピンドルモータと、このスピンドルモータの出力軸に一体的に設けられたターンテーブル23とを備えている。スピンドルモータは、制御回路部に電気的に接続され、制御回路部から供給される電力により駆動する。ターンテーブル23は、筐体10の内部の略中心部に設けられるとともに光ディスク1を配置した状態で回転駆動する。
【0021】
また、ターンテーブル23の中心には、光ディスク1の中心に設けられる円形孔であるセンターホールを係脱可能なディスク係合部23Aが天面側に突出して形成されている。さらに、このディスク係合部23Aの周縁には、光ディスク1がディスク係合部23Aに係合された状態で天面側に突出し、光ディスク1の抜け落ちを防止する図示しない爪部材が設けられている。
【0022】
また、台座部21には、情報処理部24が配設されている。この情報処理部24は、台座部21の長手方向に略沿った中心軸を有する一対のガイドシャフト25間に架橋する状態に支持されており、図示しない移動機構により処理開口部21B内でターンテーブル23に対して近接離隔される。この情報処理部24は、図示しない光源と、この光源からの光を収束するピックアップレンズ24Aと、光ディスク1で反射された出射光を検出する図示しない光センサとを有するピックアップ機構を備えている。
【0023】
搬送手段30は、挿排口14から挿入された光ディスク1を筐体10の内部に搬入したり、搬入された光ディスク1をディスク処理部20のターンテーブル23に載置したり、筐体10の内部の光ディスク1を外部に搬出したりする。そして、この搬送手段30は、駆動部40と、搬入部50と、搬出部60と、ディスククランプ部70と、エマージェンシー動作部80と、などを備えている。
【0024】
駆動部40は、図1、図3および図5に示すように、搬送手段30の各部を駆動させる駆動力を供給する。この駆動部40は、駆動モータ41と、駆動伝達手段を構成する駆動伝達ギア群42と、を備えている。
【0025】
駆動モータ41は、筐体10の正面10Aの挿排口14近傍で、ディスク処理部20の配設によるデッドスペースとなるディスク処理部20と段差壁部13との間に配置されている。
この駆動モータ41は、制御回路部に電気的に接続され、制御回路部からの制御信号に基づき、回転軸を回転駆動させる。また、回転軸の先端には、ウォームギア411が設けられており、このウォームギア411は、駆動伝達部を構成する駆動伝達ギア群42に回転駆動力を伝達する。
【0026】
駆動伝達ギア群42は、第一伝達ギア421と、シフト駆動分岐ギア422と、ローラ駆動分岐ギア423と、駆動伝達手段を構成するカムシフトギア425と、を備えている。
【0027】
第一伝達ギア421は、図6に示すように、雄型ギア421Aと、雌型ギア421Bとを備えている。
【0028】
雄型ギア421Aは、雌型ギア421Bの底面側に配置されている。この雄型ギア421Aは、周縁に形成される第一大径伝達ギア421A1と、第一大径伝達ギア421A1と同軸上で、この第一大径伝達ギア421A1の底面側に一体的に設けられる第一底面側小径伝達ギア421A2と、を備えている。また、雄型ギア421Aの天面側には、周縁近傍にギアピン421A3が雌型ギア421Bに向かって突出している。
雌型ギア421Bは、雄型ギア421Aの天面側で、この雄型ギア421Aと同軸上に設けられている。そして、この雌型ギア421Bは、周縁に第一天面側小径伝達ギア421B1(図5および図6参照)を備えている。
また、雌型ギア421Bは、底面側の外周縁近傍に略円弧状のギアピン係合溝421B2が形成されている。さらに、このギアピン係合溝421B2において、時計回り方向端部(図5中左側の端部)には、第一ギアピン係止部421B3が設けられ、反時計回り方向端部(図5中右側の端部)には、第二ギアピン係止部421B4が設けられている。
そして、ギアピン係合溝421B2には、雄型ギア421Aのギアピン421A3が係合されている。すなわち、ギアピン421A3は、ギアピン係合溝421B2の第一および第二ギアピン係止部421B3,421B4間で移動可能に設けられている。これにより、雌型ギア421Bは、ギアピン421A3がギアピン係合溝421B2を移動可能な所定角度だけ、雄型ギア421Aに対して相対回転可能に設けられる。
【0029】
また、第一伝達ギア421の第一大径伝達ギア421A1は、ウォームギア411に噛合され、駆動モータ41の回転駆動力を、筐体10の底面に対して直交する軸を中心とした回転駆動力に変換する。また、第一底面側小径伝達ギア421A2は、シフト駆動分岐ギア422に噛合され、第一天面側小径伝達ギア421B1は、ローラ駆動分岐ギア423に噛合されている。これにより、第一伝達ギア421は、駆動モータ41からの回転駆動力をシフト駆動分岐ギア422およびローラ駆動分岐ギア423に伝達する。
【0030】
このような第一伝達ギア421では、ギアピン421A3が第一ギアピン係止部421B3に当接して係止されている状態では、雄型ギア421Aが時計回り方向に回転すると、雌型ギア421Bも駆動が伝達されて時計回り方向に回転し、後述の搬送部材を構成するローラ513が光ディスク1を搬入する搬入方向に回転される。また、駆動モータ41が駆動していない状態において、雌型ギア421Bが時計回り方向に空周り可能となるため、後述のローラ513も光ディスク1を搬入する搬入方向に空周り可能となる。
一方、ギアピン421A3が第二ギアピン係止部421B4に当接して係止されている状態では、雄型ギア421Aが反時計回り方向に回転すると、雌型ギア421Bも駆動が伝達されて反時計回り方向に回転し、後述のローラ513が光ディスク1を搬出する搬出方向に回転される。また、駆動モータ41が駆動していない状態において、雌型ギア421Bが反時計回り方向に空周り可能となるため、後述のローラ513も光ディスク1を搬出する搬出方向に空周り可能となる。
【0031】
また、第一伝達ギア421と駆動伝達ギア群42の天面側に設けられる後述するカバー部材43との間には、所定間隔の隙間寸法が設けられ、第一伝達ギア421は上下方向に移動可能に設けられている。そして、第一伝達ギア421とカバー部材43との隙間には、ギア付勢ばね421C(図12参照)が設けられ、第一伝達ギア421を底面側に付勢している。
【0032】
第一伝達ギア421の第一大径伝達ギア421A1は、ウォームギア411に噛合され、駆動モータ41の回転駆動力を、筐体10の底面に対して直交する軸を中心とした回転駆動力に変換する。また、第一底面側小径伝達ギア421A2は、シフト駆動分岐ギア422に噛合され、第一天面側小径伝達ギア421B1は、ローラ駆動分岐ギア423に噛合されている。これにより、第一伝達ギア421は、駆動モータ41からの回転駆動力をシフト駆動分岐ギア422およびローラ駆動分岐ギア423に伝達する。
【0033】
シフト駆動分岐ギア422は、径寸法が大きい大径シフト駆動分岐ギア422Aと、大径シフト駆動分岐ギア422Aと同軸上で底面側に一体的に設けられる駆動分岐ピニオン422Bとを備えている。そして、大径シフト駆動分岐ギア422Aは、第一伝達ギア421の第一底面側小径伝達ギア421A2に噛合され、駆動分岐ピニオン422Bは、カムシフトギア425に噛合している。
【0034】
ローラ駆動分岐ギア423は、第一天面側小径伝達ギア421B1、および搬入部50の後述するローディングアーム51に噛合されている。これにより、第一伝達ギア421から伝達された回転駆動力をローディングアーム51に伝達する。
【0035】
カムシフトギア425は、径寸法が大きい大径シフトギア425Aと、この大径シフトギア425Aと同軸上で天面側に一体に設けられ、径寸法が小さいピニオンギア425Bと、を備えている。ここで、大径シフトギア425Aは、第一シフトカム71の底面側、すなわち筐体本体部11と第一シフトカム71との間に設けられ、ピニオンギア425Bは、第一シフトカム71の端面に形成される後述するラック711Aの進退移動経路に設けられている。この大径シフトギア425Aは、シフト駆動分岐ギア422の駆動分岐ピニオン422Bに噛合されている。一方、ピニオンギア425Bは、ディスククランプ部70の後述する第一シフトカム71に噛合可能に設けられており、光ディスク1が挿入されていない初期状態では、ピニオンギア425Bと第一シフトカム71の後述するラック711Aとの間には、所定寸法のクリアランスが設けられている。
【0036】
そして、駆動部40の天面側には、カバー部材43が設けられている。このカバー部材43は、例えば合成樹脂などにて形成され、駆動モータ41および駆動伝達ギア群42の天面側を覆う状態に、筐体本体部11に固定されている。このカバー部材43には、左右方向(左壁10Bから右壁10Cに向かう方向)に長手状に形成される段差部431が設けられている。この段差部431は、後述するローディングアーム51に当接可能に設けられ、ローディングアーム51の一部が当接することでローディングアーム51の移動を規制する。
また、前述したように、カバー部材43と第一伝達ギア421との間には、ギア付勢ばね421Cが設けられており、第一伝達ギア421を底面側に付勢している。
【0037】
搬入部50は、図1および図2に示すように、駆動部40から供給される駆動力により駆動され、挿排口14から挿入された光ディスク1を筐体10の内部に搬入する。この搬入部50は、ローディングアーム51と、ローディングリンク機構52と、搬送部材を構成するサブローディングアーム53と、サブアームリンク機構54と、リンク部材としてのリンクプレート55と、ガイド機構56と、などを備えている。
【0038】
ローディングアーム51は、長手状に形成され、一端部がウィング部12の挿排口14近傍に回動可能に取り付けられ、他端部が筐体10の中心位置に対して進退可能となるように設けられている。このローディングアーム51は、先端部に光ディスク1を保持可能なローラ513を備えており、このローラ513の回転駆動により光ディスク1を搬送経路に沿って搬送する。
そして、ローディングアーム51は、搬送される光ディスク1の径寸法に応じて、光ディスク1を案内可能な位置まで右壁10C側に回動される。すなわち、例えば大径ディスク1Aを搬送する場合、ローディングアーム51は、右壁10Cの近傍まで回動される。一方、小径ディスク1Bを搬送する場合には、ローディングアーム51は、小径ディスク1Bを搬送可能な位置、すなわち、ターンテーブル23の回転中心から前後方向(正面10Aから背面10Dに向かう方向)に伸ばした中心線(センターライン)とローラ513までの距離が略4cmとなる位置まで回動される。また、ディスク処理部20が天面側に移動して、光ディスク1をターンテーブル23にクランプした演奏可能状態では、ローディングアーム51は右壁10C側に回動され、ローラ513が光ディスク1の周縁から離反する。
そして、このローディングアーム51は、長手状のローディングアーム本体511と、このローディングアーム本体511に設けられる駆動伝達部を構成するローラ駆動部512と、上記したローラ513と、を備えている。なお、ウォームギア411と、駆動伝達ギア群42と、ローラ駆動部512とにより、本発明の駆動伝達部が構成される。
【0039】
ローディングアーム本体511は、例えば合成樹脂製で、ローディングアーム51の長手方向に沿って長手に形成される板状部材である。このローディングアーム本体511の基端部には、軸支部511Aが設けられている。そして、ローディングアーム本体511は、ウィング部12の底面から天面側に突設される軸により軸支部511Aを中心として回転可能に軸支されることで、先端部が筐体10の内方側に向かって進退可能となる。
また、このローディングアーム本体511は、長手先端側の挿排口14側の端縁に底面側に突出するストッパ片511Cを一体的に備えている。このストッパ片511Cは、上記したカバー部材43に対向して位置し、ローディングアーム51が挿排口14に最も近接する状態(初期状態)において、カバー部材43の段差部431に当接する。すなわち、ローディングアーム51は、ストッパ片511Cと段差部431とが当接する位置から挿排口14側への回動が規制される。
このローディングアーム本体511の基端側端面には、軸支部511Aを中心とした所定径寸法の円弧状の第一歯車511Bが一体的に設けられている。
また、ローディングアーム本体511の先端部には、ローラ513を取り付ける図示しないローラ取付孔が形成されている。
さらに、ローディングアーム本体511の基端側には、底面側に突出するアームピン511Dが設けられている。このアームピン511Dは、ローディングアーム51が右壁10C側に所定角度回動した状態で、前記したローディングアーム付勢部12Aのアーム当接部12Bに当接する。そして、ローディングアーム51がさらに右壁10C側に回動すると、ローディングアーム51は、ローディングアーム付勢部12Aにより半時計回り方向に付勢される。
【0040】
ローラ駆動部512は、ローディングアーム本体511の底面部側に設けられている。このローラ駆動部512は、ローディングアーム本体511の軸支部511Aを軸支する軸を回転中心とした第一ローラ駆動ギア512Aと、第一ローラ駆動ギア512Aに噛合される第二ローラ駆動ギア512Bと、第二ローラ駆動ギア512Bに噛合される第三ローラ駆動ギア512Cと、第三ローラ駆動ギア512Cに噛合される第四ローラ駆動ギア512Dと、を備えている。そして、第一ローラ駆動ギア512Aは、駆動部40のローラ駆動分岐ギア423に噛合され、駆動部40から駆動力が伝達される。また、第四ローラ駆動ギア512Dは、ローラ513に噛合され、駆動部40から第一ないし第三ローラ駆動ギア512A,512B,512Cを介して伝達される駆動力をローラ513に伝達する。
【0041】
また、これらの第一ないし第四ローラ駆動ギア512A,512B,512C,512Dは、ローディングアーム本体511とウィング部12との隙間寸法と略同一、若しくは若干小さい厚み寸法に形成されており、ローディングアーム51の回動時に、第一ないし第四ローラ駆動ギア512A,512B,512C,512Dがウィング部12に干渉しないように設定されている。
【0042】
ローラ513は、ローディングアーム本体511の先端部のローラ取付孔に回転可能に取り付けられている。このローラ513は、ローディングアーム本体511の底面側に設けられるローラ歯車513Aと、ローディングアーム本体511の天面側に設けられるローラ本体513Bとを備えている。これらのローラ歯車513Aおよびローラ本体513Bは、ローディングアーム本体511のローラ取付孔を貫通する軸により一体的に形成されている。
【0043】
ローラ歯車513Aは、第四ローラ駆動ギア512Dに噛合され、第三ローラ駆動ギア512Cの回転駆動により回転される。
ローラ本体513Bは、ローディングアーム本体511の面に対して略直交する方向を軸とした略円筒状に形成されている。このローラ本体513Bは、軸方向の中心部の径寸法が天面側および底面側の径寸法よりも径小となる凹状部を有している。また、ローラ本体513Bの周面は、例えば合成樹脂などの弾性部材により形成されている。そして、ローラ本体513Bは、凹状部にて光ディスク1の周縁部を保持した状態で、回転駆動されることで光ディスク1を搬送経路に沿って進退させる。
【0044】
ローディングリンク機構52は、ローディングリンクアーム521と、搬送部材を構成するローディングスライドプレート522と、などを備えている。
【0045】
ローディングリンクアーム521は、ウィング部12の底面に回動可能に設けられている。このローディングリンクアーム521は、略扇状に形成され、扇の円弧に沿って、ローディングアーム本体511の第一歯車511Bに係合される第二歯車521Aが形成されている。また、ローディングリンクアーム521の第二歯車521Aの内方側、すなわち左壁10B側には、ウィング部12の底面に向かって突出するローディングリンクピン521Bが設けられている。
【0046】
また、ローディングリンクアーム521は、緊急回動片521Cを備えている。この緊急回動片521Cは、ローディングアーム51が所定量回動して、アームピン511Dがローディングアーム付勢部12Aのアーム当接部12Bに当接した状態で、化粧板10A1の第二エマージェンシーピン挿通孔10A4に対向する位置で、かつ、ローディングリンクアーム521の回動中心の右壁10C側の位置に設けられている。この緊急回動片521Cは、例えば光ディスク1を強制排出する際に、略棒状の第二エマージェンシーピンが第二エマージェンシーピン挿通孔10A4から挿通されると、この第二エマージェンシーピン930(図19参照)の先端部が当接する。そして、第二エマージェンシーピン930
をさらに背面10D側に挿通することで、緊急回動片521Cが背面10D側に押し込まれ、ローディングリンクアーム521が反時計回り方向に回動し、これに伴ってローディングアーム51が時計回り方向に回動する。
【0047】
ローディングスライドプレート522は、段差壁部13に対向して前後方向(筐体10の正面10Aから背面10Dに向かう方向)に長手に形成されている。また、ローディングスライドプレート522の正面10A側には、天面側端縁から右壁10C側に突出し、ウィング部12側の底面に対向する第一ローディングリンク係合部522Aが形成されている。
この第一ローディングリンク係合部522Aには、左右方向に長手となるローディング係合溝522Bが形成されており、このローディング係合溝522Bにローディングリンクアーム521のローディングリンクピン521Bが係合されている。そして、ローディングスライドプレート522は、ローディングアーム51の回動によりローディングリンクアーム521が回動すると、ローディングリンクピン521Bが前後方向に進退するため、このローディングリンクピン521Bの移動に応じて、前後方向にスライド移動する。
【0048】
また、ローディングスライドプレート522の背面10D側には、筐体の内方側に突出する第二ローディングリンク係合部522Cが形成されている。この第二ローディングリンク係合部522Cには、第二ローディング係合溝522Dが形成されている。この第二ローディング係合溝522Dは、左壁10B側の背面10D側から右壁10Cの正面10A側に向かう搬送移動部としてのスライド移動区間522D1と、このスライド移動区間522D1の背面10D側端部に連続するとともに、左壁10B側に向かって延出する搬送離隔部としての空走区間522D2と、を備えている。
【0049】
また、第二ローディングリンク係合部522Cには、筐体本体部11の底面側に突出するローディング案内ピンが設けられ、ベースプレート111のリンク案内孔112に係合されている。
【0050】
さらに、ローディングスライドプレート522の前後方向の略中心位置には、前後方向に伸びるローディング案内溝522Eが形成されており、ローディングスライドプレート522のスライド移動方向を案内している。
【0051】
サブローディングアーム53は、長手状に形成され、基端部が左壁10Bの正面10A側で、挿排口14近傍に回動可能に取り付けられている。これにより、サブローディングアーム53の先端部は、筐体10の中心位置に向かって進退自在となる。
このサブローディングアーム53は、図7および図8に示すように、基端部から先端部に亘って、光ディスク1の搬送面に略直交する摺動壁531と、摺動壁531の底面側に連続形成され、摺動壁531から離隔する方向に延出する底面側案内部532と、摺動壁531の天面側に連続形成されて底面側案内部532に対向する天面側案内部533と、を備えた断面略コ字状に形成されている。
摺動壁531には、サブローディングアーム53の先端部から略中央部に亘って、グリップシート531Aが例えば貼付されるなどして設けられている。このグリップシート531Aは、例えば合成樹脂などにより形成され、所定の摩擦力を有している。そして、このグリップシート531Aに光ディスク1の周縁が当接した状態で、ローラ513が回転駆動すると、光ディスク1は、ローラ513の回転方向に応じた方向にグリップシート531A上を回転し、略転がるようにして所定搬送方向に搬送される。
【0052】
また、サブローディングアーム53の底面側案内部532および天面側案内部533は、長手方向の略中央部が摺動壁531から離隔する方向に延出して幅広となる幅広部532A,533Aが形成されている。また、底面側案内部532および天面側案内部533の長手方向先端側は、幅広部532A,533Aの延出先端から摺動壁531に向かって傾斜する傾斜辺532B,533Bが形成され、図1に示すように、摺動壁531側端縁を底辺とした略三角形状に形成されている。この傾斜辺532B,533Bは、大径ディスク1Aが情報処理可能な位置に搬入され、サブローディングアーム53が最も左壁10B側に回動した演奏可能状態において、大径ディスク1Aと上下方向で重ならない形状に形成されている。
また、底面側案内部532は、延出方向先端側から摺動壁531に向かうにしたがって、底面側から天面側に向かって傾斜するテーパ状に形成されている。さらに、天面側案内部533の延出方向先端縁は、延出方向先端側から摺動壁531に向かうにしたがって、天面側から底面側に向かって傾斜するテーパ状に形成されている。これにより、挿排口14から挿入された光ディスク1をテーパ面に沿わせて摺動壁531に案内することが可能となる。
【0053】
また、サブローディングアーム53の基端部の左壁10B側には、底面側に突出するサブアームガイドピン534が形成されている。このサブアームガイドピン534は、サブローディングアーム53が左壁10B側に回動すると正面10A側に移動し、サブローディングアーム53が右壁10C側に回動すると背面10D側に移動する。
【0054】
このようなサブローディングアーム53は、ローディングアーム51と同様に、搬送される光ディスク1の径寸法に応じて光ディスク1を案内可能な位置まで左壁10B側に回動される。例えば、大径ディスク1Aを搬送する場合、サブローディングアーム53は、左壁10Bの近傍まで回動される。一方、小径ディスク1Bを搬送する場合、サブローディングアーム53は、ターンテーブル23の回転中心から前後に伸ばした中心線(センターライン)とサブローディングアーム53の先端部までの距離が約4cmとなる位置まで左壁10B側に回動される。また、演奏可能状態では、サブローディングアーム53は、左壁10B側近傍まで回動され、光ディスク1の周縁から離反する。
【0055】
サブアームリンク機構54は、サブアームスライドプレート541を備えている。
【0056】
このサブアームスライドプレート541は、左壁10Bに対向して前後方向に長手に形成されている。また、サブアームスライドプレート541の正面10A側には、底面側端縁からサブローディングアーム53の回動軸に向かって延出するサブアームリンク係合部541Aが形成されている。このサブアームリンク係合部541Aには、左右方向に長手となるサブアームリンク溝541Bが形成されており、サブアームガイドピン534が係合されている。
また、サブアームスライドプレート541の略中央位置には、右壁10C側に突出して、ベースプレート111の天面側に位置する案内片541Cが設けられている。この案内片541Cには、ベースプレート111のリンク案内孔113に係合する一対のリンクピン541Dが正面10A側および背面10D側にそれぞれ設けられ、サブアームスライドプレート541の前後方向の移動を案内している。これらのリンクピン541Dには、それぞれ合成樹脂製のリング状の摺動部材が嵌合されている。そして、サブアームスライドプレート541が前後方向に移動することにより、サブアームガイドピン534が前後方向に移動され、サブローディングアーム53が回動する。
さらに、背面10D側に配置されるリンクピン541Dと、ベースプレート111の背面側に設けられる図示しないばね掛け部とには、ばねが掛け渡されており、サブアームスライドプレート541は、背面10D側に付勢されている。
【0057】
また、サブアームスライドプレート541の背面10D側には、筐体10の内方側に突出するプレートリンク係合部541Eが形成されている。このプレートリンク係合部541Eには、底面側に突出するプレートリンクピン541Fが形成されている。このプレートリンクピン541Fは、後述するリンクプレート55に係合されている。
さらに、サブアームスライドプレート541の天面側で、リンクピン541Dの正面10A側には、天面側に突出するリバースピン541Gが形成されている。
【0058】
リンクプレート55は、筐体10の背面10D側に設けられ、左右方向に亘って長手状に形成される板状部材である。また、リンクプレート55は、ローディングアーム51およびサブローディングアーム53の動作に応じて、左右方向に移動可能に設けられており、光ディスク1が挿入されていない初期状態では、最も右壁10C側に移動した状態で配置される。そして、このリンクプレート55は、搬送リンクピンとしてのスライドリンクピン551と、スライドリンク溝552と、イジェクト規制窓553と、セレクト片554と、スライド案内溝555と、カムリンクピンとしてのカム制御ピン556と、を備えている。
【0059】
スライドリンクピン551は、リンクプレート55の右壁10C側端部近傍に、天面側に突出して設けられている。このスライドリンクピン551は、ローディングスライドプレート522の第二ローディング係合溝522Dに係合されている。そして、ローディングアーム51の回動によりローディングスライドプレート522が前後方向に移動すると、スライドリンクピン551も第二ローディング係合溝522Dに沿って移動する。これにより、リンクプレート55は、左右方向に移動する。
【0060】
スライドリンク溝552は、リンクプレート55の左壁10B側端部近傍に形成されている。
このスライドリンク溝552は、図9に示すように、左壁10B側に形成される非同期係合溝552Aと、非同期係合溝552Aから、正面10A側かつ右壁10C側に傾斜して延出する同期係合溝552Bと、を備えている。このスライドリンク溝552には、サブアームスライドプレート541のプレートリンクピン541Fが係合されている。
非同期係合溝552Aは、背面10D側に左右方向に形成される背面側規制部552A1と、背面側規制部552A1の右壁10C側端部から正面10A側に延びるローディング規制部552A2と、ローディング規制部552A2に対向して背面側規制部552A1の左壁10B側端部から正面10A側に延びる左壁側規制部552A3と、背面側規制部552A1に対向して左壁側規制部552A3の正面10A側端部から右壁10C側に延びるサブローディング規制部552A4と、を備えた略矩形状に形成されている。そして、背面側規制部552A1とサブローディング規制部552A4との隙間寸法、左壁側規制部552A3とローディング規制部552A2との隙間寸法は、それぞれプレートリンクピン541Fのピン径よりも大きい寸法に形成されている。そして、初期状態において、プレートリンクピン541Fは、非同期係合溝552Aの背面10D側で左壁10B側、すなわち背面側規制部552A1および左壁側規制部552A3の交差部位近傍に係合されている。
同期係合溝552Bは、非同期係合溝552Aのローディング規制部552A2とサブローディング規制部552A4との交差部から正面10A側でかつ右壁10C側に延びる長手状の溝である。この同期係合溝552Bは、幅寸法がプレートリンクピン541Fのピン径と略同一寸法、もしくは僅かに大きい寸法に形成されている。この同期係合溝552Bは、小径ディスク1Bがターンテーブル23にて保持可能なクランプ可能状態となる位置に搬入された状態においてプレートリンクピン541Fが係合される。なお、同期係合溝552Bにプレートリンクピン541Fが係合されるタイミングとしては、小径ディスク1Bがクランプ可能状態に搬送された状態で係合されていればよく、例えばクランプ可能状態となる前にプレートリンクピン541Fが同期係合溝552Bに係合される構成などとしてもよい。
【0061】
そして、このスライドリンク溝552は、非同期係合溝552Aにプレートリンクピン541Fが係合されている状態で、ローディングアーム51およびサブローディングアーム53が同期せず、それぞれ独立に移動可能となる。
すなわち、前記したように、初期状態において、プレートリンクピン541Fは、スライドリンク溝552の非同期係合溝552Aの背面側規制部552A1およびの左壁側規制部552A3の交差部位近傍に係合されている。
この状態から例えば小径ディスク1Bが左壁10B側から挿入された場合、小径ディスク1Bが当接したサブローディングアーム53は、反時計回り方向に回動する。この時、サブローディングアーム53の回動によりプレートリンクピン541Fが正面10A側に移動するが、リンクプレート55が変位しないため、ローディングアーム51は同期しない。小径ディスク1Bをさらに挿入すると、プレートリンクピン541Fがサブローディング規制部552A4に当接し、サブローディングアーム53の回動が規制される。なお、この時、サブローディングアーム53は、挿排口14の略中央から小径ディスク1Bを挿入した状態において、ローディングアーム51のローラ513と摺動壁531との間で小径ディスク1Bの最大径部を保持可能な位置で回動が規制されている。つまり、サブローディングアーム53は、ディスク装置100のセンターラインからサブローディングアーム53の摺動壁531の先端部までの距離寸法が小径ディスク1Bの半径寸法と略同一寸法となる位置で回動が規制される。
これにより、小径ディスク1Bは左壁10B側から右壁10C側に案内され、これに伴ってローディングアーム51が小径ディスク1Bに押されて時計回り方向に回動される。そして、小径ディスク1Bが略中央部に案内されると、ローディングアーム51の回動によりリンクプレート55も左壁10B側に移動し、プレートリンクピン541Fが同期係合溝552Bに係合される。したがって、ローディングアーム51とサブローディングアーム53とが同期して動作可能となる。
【0062】
一方、小径ディスク1Bが右壁10C側から挿入された場合、ローディングアーム51は、時計回り方向に回動する。この時、ローディングアーム51の回動によりリンクプレート55が左壁10B側に移動するが、非同期係合溝552Aの左壁側規制部552A3およびローディング規制部552A2がプレートリンクピン541Fのピン径よりも十分大きく形成されているため、プレートリンクピン541Fが押し出されず、サブローディングアーム53が同期せず回動しない。小径ディスク1Bをさらに挿入すると、リンクプレート55が移動して、プレートリンクピン541Fがローディング規制部552A2に当接し、ローディングアーム51の回動が規制される。なお、この時、ローディングアーム51は、挿排口14の略中央から小径ディスク1Bを挿入した状態において、ローラ513とサブローディングアーム53の摺動壁531との間で小径ディスク1Bの最大径部を保持可能な位置で回動が規制されている。
これにより、小径ディスク1Bは右壁10C側から左壁10B側に案内され、これに伴ってサブローディングアーム53が小径ディスク1Bに押されて反時計回り方向に回動される。そして、小径ディスク1Bが略中央部に案内されると、サブローディングアーム53の回動によりプレートリンクピン541Fが正面10A側に移動し、同期係合溝552Bに係合される。したがって、ローディングアーム51とサブローディングアーム53とが同期して動作可能となる。
また、小径ディスク1Bを挿排口14の略中央部から挿入した場合、小径ディスク1Bの周縁に押し出されてローディングアーム51およびサブローディングアーム53が回動する。したがって、プレートリンクピン541Fが正面10A側に移動するとともに、リンクプレート55も左壁10B側に移動する。したがって、プレートリンクピン541Fは、相対的にみて背面側規制部552A1および左壁側規制部552A3の交差部位から、ローディング規制部552A2およびサブローディング規制部552A4の交差部位に向かって略直線状に移動し、ローディング規制部552A2やサブローディング規制部552A4により規制されることなく、同期係合溝552Bに係合される。
【0063】
イジェクト規制窓553は、リンクプレート55の略中心に形成される窓である。このイジェクト規制窓553は、搬出部60の後述する搬送部材を構成する第一イジェクトアーム61の移動を規制する。このイジェクト規制窓553は、小径規制係合部553Aと、大径規制係合部553Bと、小径離隔係合部553Cと、大径離隔係合部553Dとを備えている。また、イジェクト規制窓553には、第一イジェクトアーム61に設けられるイジェクトピン611が挿通されている。そして、これらの小径規制係合部553A、大径規制係合部553B、小径離隔係合部553C、および大径離隔係合部553Dは、イジェクトピン611が移動してそれぞれに係脱可能となるように互いに連通されており、リンクプレート55がローディングアーム51およびサブローディングアーム53と連動して左右方向にスライド移動することで、イジェクトピン611との係脱状態が変化する。
【0064】
小径規制係合部553Aは、イジェクト規制窓553の正面10A側で、かつ左壁10B側に設けられている。この小径規制係合部553Aに、イジェクトピン611が係合された時に、小径ディスク1Bがターンテーブル23にて保持可能なクランプ可能状態となる。
【0065】
大径規制係合部553Bは、イジェクト規制窓553の背面10D側で、かつ左壁10B側に設けられている。具体的には、大径規制係合部553Bは、小径規制係合部553Aの右方から背面10D側に伸びる大径対応溝553Eの先端側に設けられている。そして、この大径規制係合部553Bに、イジェクトピン611が係合された時に、大径ディスク1Aがターンテーブル23にて保持可能なクランプ状態となる。
【0066】
小径離隔係合部553Cは、小径規制係合部553Aの右壁10C側の若干背面10D側に形成されている。この小径離隔係合部553Cに、イジェクトピン611が係合された時に、小径ディスク1Bがターンテーブル23にて保持されて情報処理部24にて情報処置可能な演奏可能状態となる。
【0067】
大径離隔係合部553Dは、大径規制係合部553Bの右壁10C側の若干背面10D側に形成されている。そして、大径離隔係合部553Dに、イジェクトピン611が係合された時に、大径ディスク1Aがターンテーブル23にて保持されて情報処理部24にて情報処置可能な演奏可能状態となる。
【0068】
セレクト片554は、リンクプレート55の背面10D側で右壁10C側に、背面10D側に向かって突出形成されている。
【0069】
スライド案内溝555は、リンクプレート55の略中央部に設けられ、左右方向に長手状に形成されている。このスライド案内溝555は、ベースプレート111から底面側に突出形成されるリンクプレート案内ピン118が設けられ、合成樹脂性のリング状摺動部材を介して係合され、リンクプレート55の左右方向の移動を案内する。
【0070】
カム制御ピン556は、リンクプレート55の正面10A側で右壁10C側に、ディスククランプ部70の第一シフトカム71に向かって突出形成されている。
【0071】
また、リンクプレート55の背面10D側の端縁には、筐体10の底面に向かって折り曲げ形成されたスイッチ片557,558が形成されている。このスイッチ片557,558は、リンクプレート55の左右移動により、筐体10の底面に配置された制御回路部に設けられる第一スイッチSW1および第二スイッチSW2のオン/オフ状態を切り換える。
【0072】
ここで、これらの第一スイッチSW1および第二スイッチSW2は、制御回路部の背面10D側で、スイッチ片557,558の左右進退移動の移動経路上に設けられている。そして、第一スイッチSW1は左壁10B側でコネクタ部15の近傍に設けられ、第二スイッチSW2は第一スイッチSW1よりも右壁10C側に配設されている。
【0073】
これらの第一スイッチSW1および第二スイッチSW2は、スイッチ本体と、スイッチ本体から背面10D側に突出するとともにスイッチ本体に対して進退自在な可動片を有している。そして、これら第一スイッチSW1および第二スイッチSW2は、可動片が突出した状態ではオフ状態であり、このオフ状態では、制御回路部から供給される基準電圧に基づいて「H(High)」レベルとして制御回路部にて検出される。一方、リンクプレート55の移動によりスイッチ片557,558が可動片に当接すると、可動片がスイッチ本体内部に移動してオン状態となり、このオン状態では、制御回路部から供給される基準電圧に基づいて「L(Low)」レベルとして制御回路部にて検出される。
【0074】
これらの第一スイッチSW1および第二スイッチSW2は、光ディスク1が挿入されていない初期状態では、いずれも可動片が背面10D側に突出したオフ状態に設定されている。そして、光ディスク1が挿入されてローディングアーム51およびサブローディングアーム53の回動とともにリンクプレート55が左壁10B側に移動すると、まず直ちに第二スイッチSW2がオン状態(Lレベル)となる。その後、さらにリンクプレート55が左側に移動すると、第一スイッチSW1がオン状態(Lレベル)になる。
【0075】
ガイド機構56は、ベースプレート111の天面側に配設され、挿排口14から挿入された光ディスク1の搬入をガイドする。このガイド機構56は、ガイドプレート561と、ガイドアーム562とを備えている。
【0076】
ガイドプレート561は、略三角形板状に形成されている。具体的には、ガイドプレートは、略左右方向に伸びる底辺と、この底辺より正面10A側に配置されて底辺に対向する頂点とを備えた略三角形状に形成されている。
このガイドプレート561の底辺の右壁10C側に位置する頂点近傍には、底面側に突出するガイド案内ピン561Aが突出形成され、ベースプレート111のガイドアーム案内溝115に係合されている。
また、ガイドプレート561の底辺の左壁10B側に位置する頂点近傍には、底面側に突出するばね掛けピン561Bが突出形成され、ベースプレート111のガイドアーム案内窓116に挿通されている。
さらに、ガイドプレート561の底辺に対向する正面10A側の頂点には、孔部が設けられ、ガイドアーム562が回動自在に連結されている。
【0077】
ガイドアーム562は、長手板状に形成されている。このガイドアーム562の長手方向の一端部には、ガイド回動軸562Aがベースプレート111側に突出形成されている。このガイド回動軸562Aは、ベースプレート111の左壁10B側に回動自在に軸支されている。
また、ガイドアーム562の一端側で、ガイド回動軸562Aよりも長手他端側となる位置には、ガイドプレート561に向かって突出するガイド連結軸562Bが設けられている。このガイド連結軸562Bは、ガイドプレート561の正面10A側の頂点に設けられる孔部に回動自在に挿通されている。
さらに、ガイドアーム562の他端側には、天面側に突出するディスクガイド部562Cが設けられている。このディスクガイド部562Cは、略円錐状のディスク受部562Dと、ディスク受部562Dの底面側に設けられるフランジ部562Eとを備えている。このディスクガイド部562Cは、フランジ部562Eにて光ディスク1の周縁をディスク受部562Dに案内し、ディスク受部562Dに光ディスク1の周縁が当接された状態で、光ディスク1の姿勢を保持して搬送を案内する。
【0078】
さらに、ガイドアーム562のガイド回動軸562Aの近傍には、戻り当接部562Gが設けられている。この戻り当接部562Gは、ガイドアーム562が最も左壁10B側に回動した状態で、リバースピン541Gの背面10D側に僅かに隙間が開くように配置されている。そして、戻り当接部562Gは、サブアームスライドプレート541が、背面10D側に移動すると、リバースピン541Gの移動に追従して背面10D側に移動し、ガイドアーム562を時計回り方向に回動させる。
【0079】
そして、ガイドプレート561のばね掛けピン561Bと、ベースプレート111の左壁10B側に設けられるばね掛け部119との間には、ガイドばね563が掛け渡されている。つまり、ガイドばね563は、ベースプレート111およびガイドプレート561を架橋し、ガイドプレート561を挿排口14に近接する方向に付勢する状態で設けられている。
【0080】
このようなガイド機構56では、ばね掛けピン561B、ガイド回動軸562A、およびガイド連結軸562Bの位置に応じて、ガイドアーム562の付勢方向が変化する。
【0081】
具体的には、ガイド連結軸562Bには、ガイドばね563によるガイドプレート561の付勢により、ばね掛けピン561Bからガイド連結軸562Bに向かう方向(ばね対応付勢方向)への力が常に発生する。また、ガイド連結軸562Bが、ばね掛けピン561Bおよびガイド回動軸562Aを結ぶ線分(基準線分)より右壁10C側に位置する状態(右側位置状態)では、ガイドアーム562の回動によるガイド連結軸562Bの移動方向(回動時移動方向)と、ばね対応付勢方向とのなす角度は、鋭角となる。このため、右側位置状態では、ガイド連結軸562Bで発生したばね対応付勢方向へ力の少なくとも一部が、回動時移動方向への力に変換され、ガイドアーム562は、時計回り方向への付勢力を受ける。
さらに、ガイドアーム562の反時計回りへの回動により、ガイド連結軸562Bが移動して右側位置状態から基準線分上に位置する状態(線分上位置状態)に近づくにしたがって、ガイドプレート561が背面10Dに移動して、ガイドばね563のばね力が大きくなり、ばね対応付勢方向への力も大きくなる。しかし、ばね対応付勢方向と、回動時移動方向とのなす角度は、鋭角から直角に近づく。このため、右側位置状態から線分上位置状態に近づくにしたがって、ガイド連結軸562Bで発生したばね対応付勢方向へ力が回動時移動方向への力に変換される割合が減少して、ガイドアーム562が受ける時計回り方向への付勢力は小さくなる。つまり、ガイドアーム562が受ける光ディスク1を排出する方向への付勢力は、光ディスク1が挿入されるにしたがって小さくなる。
【0082】
また、線分上位置状態では、ガイドプレート561が背面10Dに最も近づく位置まで移動して、ガイドばね563のばね力が最大となり、ばね対応付勢方向への力も最大となる。しかし、ばね対応付勢方向と、回動時移動方向とのなす角度は、直角になる。このため、線分上位置状態では、ばね対応付勢方向へ力が回動時移動方向への力に全く変換されずに、ガイドアーム562が受ける時計回り方向または反時計回り方向への付勢力は0になる。したがって、ガイドアーム562は、回動しない。
【0083】
さらに、ガイド連結軸562Bが基準線分より左壁10B側に位置する状態(左側位置状態)では、回動時移動方向と、ばね対応付勢方向とのなす角度は、鋭角となる。このため、左側位置状態では、ばね対応付勢方向へ力の少なくとも一部が、回動時移動方向への力に変換され、ガイドアーム562は、反時計回り方向への付勢力を受ける。
【0084】
次に搬出部60の構成を説明する。搬出部60は、図1、図2および図3に示すように、第一イジェクトアーム61と、搬送部材を構成する第二イジェクトアーム62と、を備えている。これらの第一および第二イジェクトアーム61,62は、筐体10の背面10D側で互いに交差して回動可能に設けられている。すなわち、第一イジェクトアーム61は、背面10Dの右壁10C側から正面10Aの左壁10B側に向かって長手に形成されており、第二イジェクトアーム62は、背面10Dの左壁10B側から正面10Aの右壁10C側に向かって長手に形成されている。
また、第一および第二イジェクトアーム61,62の回動中心軸61A,62Aは、背面10Dから所定寸法だけ正面10A側で、かつターンテーブル23の中心を通過するセンターラインおよび右壁10C、センターラインおよび左壁10Bとの間にそれぞれ設けられている。この構成により、回動中心軸61A,62Aを、第一シフトカム71およびコネクタ部15に干渉しない位置に取り付けることが可能であり、大径ディスク1Aの挿入時に第一および第二イジェクトアーム61,62の先端部を背面10D近傍まで回動させることが可能となる。
【0085】
そして、第一イジェクトアーム61は、前述したように、底面側に突出するイジェクトピン611を備えている。このイジェクトピン611は、第二イジェクトアーム62の略中心位置に形成されるアームリンク孔621、前述したリンクプレート55のイジェクト規制窓553、およびベースプレート111に形成されるイジェクトアーム規制溝117に係合されている。このイジェクトピン611は、イジェクトアーム規制溝117に沿って回動し、回動途中において、イジェクト規制窓553の小径規制係合部553A、大径規制係合部553B、小径離隔係合部553C、大径離隔係合部553Dに係合されて、移動が規制される。また、イジェクトピン611がアームリンク孔621に挿通されているため、第二イジェクトアーム62が第一イジェクトアーム61に連動して回動する。
【0086】
また、第一イジェクトアーム61の左壁10B側の先端部には、光ディスク1を当接可能な第一ディスク当接部612が形成されている。さらに、第一イジェクトアーム61の右壁10C側の基端部には、第一シフトカム71に向かって突出するカム押出ピン613が設けられている。このカム押出ピン613は、第一イジェクトアーム61が回動すると、回動量に応じて第一シフトカム71を正面10A側に押し出して移動させる。
【0087】
そして、第一イジェクトアーム61の回動中心軸61A近傍には、ばね係合突起614が形成されている。そして、第一イジェクトアーム61は、このばね係合突起614とベースプレート111の背面10D側に設けられる図示しないばね掛け部との間にばねが取り付けられ、常に反時計周り方向、すなわち第一ディスク当接部612が正面10A側に回動する方向に付勢されている。
【0088】
第二イジェクトアーム62には、前記したように、長手方向の略中心位置に、アームリンク孔621が形成され、イジェクトピン611が挿通されている。
また、第二イジェクトアーム62の先端部には、光ディスク1を当接可能な第二ディスク当接部622が設けられている。この第二ディスク当接部622は、第一ディスク当接部612に対して常にセンターラインに対して略対称となる位置に配置される。すなわち、第一および第二イジェクトアーム61,62が回動すると、第一ディスク当接部612および第二ディスク当接部622は、センターラインに対して常に略線対称となるように回動する。これら第一および第二イジェクトアーム61,62の第一ディスク当接部612および第二ディスク当接部622と、ローディングアーム51のローラ513およびサブローディングアーム53の摺動壁531と、ガイドアーム562のディスクガイド部562Cとにより、光ディスク1(1A,1B)の周縁が保持され、搬送される。
【0089】
次に、ディスククランプ部70の構成を説明する。ディスククランプ部70は、図1、図3、図10、および図11に示すように、第一シフトカム71と、ディスク処理部20の背面10D側に設けられる第二シフトカム72とを備えている。
【0090】
第一シフトカム71は、筐体10の段差壁部13に沿って、前後方向に長手に形成されている。この第一シフトカム71は、初期状態において、最も背面10D側に移動した状態で配置され、前記したように第一イジェクトアーム61のカム押出ピン613により正面10A側に押し出される。
具体的には、第一シフトカム71は、カム本体部711と、スライドプレート712と、セレクトアーム713と、などを備えている。
カム本体部711は、第一シフトカム71の正面10A側に配置される長手状の部材である。このカム本体部711の正面10A側で、左壁10Bに対向する側面には、ラック711Aが形成されている。このラック711Aは、カムシフトギア425のピニオンギア425Bに係合可能に設けられている。また、上述したように、初期状態において、ラック711Aとピニオンギア425Bとの間には、所定寸法のクリアランスが設けられている。そして、光ディスク1の搬入により第一シフトカム71が正面10A側に移動することでクリアランスが小さくなり、光ディスク1の搬入終端縁が挿排口14よりも背面10D側に搬入された状態で、ラック711Aとピニオンギア425Bとが係合する。
【0091】
また、カム本体部711の左壁10Bに対向する面のラック711Aの背面10D側には、図10に示すように、クランプ昇降溝714が形成されている。そして、このクランプ昇降溝714には、台座部21から右壁10C側に突設されたクランプ昇降ピン21Cが係合されており、第一シフトカム71の進退により、クランプ昇降ピン21Cが移動することで台座部21が昇降する。そして、このクランプ昇降溝714は、図11に示すように、退避部714Aと、待機部714Bと、クランプ部714Cと、演奏可能部714Dとを備えており、これらの溝が連続して形成されている。
退避部714Aは、クランプ昇降溝714の正面10A側で、筐体10の底面に最も近接した高さ位置に前後方向に延びて形成されている。
待機部714Bは、退避部714Aの背面10D側に、ディスク処理部20にて光ディスク1の情報処理が可能な高さ位置と略同一の高さに形成されている。この待機部714Bでは、光ディスク1のセンターホールとターンテーブル23との位置補正が実施されるとともに、光ディスク1のセンターホールがターンテーブル23のディスク係合部23Aに挿通され、光ディスク1がターンテーブル23に位置決めされる。
クランプ部714Cは、天面側に突出する山形状の溝である。このクランプ部714Cにクランプ昇降ピン21Cが係合されると、台座部21を天面側に移動させて、ターンテーブル23を天面に設けられる図示しないクランプ部材に当接若しくは近接させる。このとき、光ディスク1がターンテーブル23に押し付けられる。これにより、クランプ部材とターンテーブル23との間に光ディスク1が挟み込まれ、ターンテーブル23のディスク係合部23Aに光ディスク1のセンターホールが係合される。さらに、センターホールに爪部材が係合して、光ディスク1がターンテーブル23にチャッキングされる。
演奏可能部714Dは、クランプ部714Cの背面10D側に形成されている。そして、この演奏可能部714Dにクランプ昇降ピン21Cが係合されると、情報処理部24にて光ディスク1の情報が処理される演奏可能状態となる。
【0092】
また、カム本体部711の背面10D側の天面に対向する面には、凹溝状のばね設置部711Cが設けられている。
【0093】
さらに、カム本体部711の背面10D側端部には、左壁10B側に突出するスイッチ当接部711Dが設けられている。
【0094】
スライドプレート712は、図10に示すように、カム本体部711の背面10D側に前後方向に摺動可能に設けられている。そして、スライドプレート712の正面10A側には、凹溝状のばね設置部712Aが設けられ、カム本体部711のばね設置部711Cとの間で付勢ばね715が設けられている。これにより、スライドプレート712は、背面10D側に付勢されている。
【0095】
また、スライドプレート712の天面側には、カム溝716が形成されている。このカム溝716は、待機溝716Aと、小径リンク部としての小径ディスク用カム溝716Bと、大径リンク部としての大径ディスク用カム溝716Cと、を備えている。待機溝716Aは、カム溝716の正面10A側に形成され、左右方向に長手となる溝である。このカム溝716には、リンクプレート55のカム制御ピン556が挿通されている。
【0096】
小径ディスク用カム溝716Bは、待機溝716Aに連続形成され、待機溝716Aの右壁10C側から背面10D側に向かって形成される溝である。この小径ディスク用カム溝716Bは、小径アンチャック溝を構成する小径ディスク用クランプ開始部716B1と、小径アンチャック溝を構成する小径ディスク用クランプ昇降部716B2と、小径アンチャック溝を構成する小径ディスク用ホールド部716B3と、小径チャック溝としての小径ディスク用チャッキング部716B4と、を備えている。
【0097】
小径ディスク用クランプ開始部716B1は、小径ディスク1Bがターンテーブル23にて保持可能な位置に搬入された状態(クランプ可能状態)において、カム制御ピン556が係合される溝部である。この状態から、駆動部40の駆動力により第一シフトカム71が正面10A側に移動すると、カム制御ピン556がこの小径ディスク用クランプ開始部716B1から小径ディスク用クランプ昇降部716B2に移動する。また、小径ディスク用クランプ開始部716B1は、待機溝716A側の溝幅寸法がカム制御ピン556のピン径よりも大きく形成されており、小径ディスク用クランプ昇降部716B2に向かうにしたがって溝幅寸法が小さくなり、カム制御ピン556のピン径と略同一幅寸法となる略テーパ状に形成されている。
【0098】
小径ディスク用クランプ昇降部716B2は、小径ディスク用クランプ開始部716B1に連続するとともに溝幅寸法がカム制御ピン556のピン径と略同一径寸法、もしくは僅かに大きい溝幅寸法に形成されている。この小径ディスク用クランプ昇降部716B2は、小径ディスク1Bが挿入された場合において、クランプ昇降ピン21Cがクランプ昇降溝714の退避部714Aから待機部714Bの正面10A側端部に移動する区間で、カム制御ピン556が係合される溝であり、第一シフトカム71の長手方向と略同一方向に長手状に形成されている。この小径ディスク用クランプ昇降部716B2にカム制御ピン556が係合している状態では、小径ディスク1Bはターンテーブル23に保持されていない。
【0099】
小径ディスク用ホールド部716B3は、小径ディスク用クランプ昇降部716B2の背面10D側端部から背面10Dの左壁10B側に向かって延出する溝部である。この小径ディスク用ホールド部716B3は、小径ディスク1Bが挿入された場合において、クランプ昇降ピン21Cがクランプ昇降溝714の待機部714Bを移動する区間で、カム制御ピン556が係合される溝である。つまり、カム制御ピン556が小径ディスク用ホールド部716B3内を移動する間に、小径ディスク1Bのセンターホールがターンテーブル23に位置決めされ、リンクプレート55が左壁10B側に移動してローディングアーム51、サブローディングアーム53、第一および第二イジェクトアーム61,62が小径ディスク1Bの周縁から接離移動する。したがって、カム制御ピン556が小径ディスク用ホールド部716B3の背面10D側端部に位置する状態では、小径ディスク1Bがターンテーブル23に位置決めされ、各アーム51,53,61,62が小径ディスク1Bの周縁から離隔している。
【0100】
小径ディスク用チャッキング部716B4は、小径ディスク用ホールド部716B3の背面10D側端部から背面10D側に向かって延出する溝部である。この小径ディスク用チャッキング部716B4は、小径ディスク1Bが挿入された場合において、クランプ昇降ピン21Cがクランプ昇降溝714のクランプ部714Cおよび演奏可能部714Dを移動する区間で、カム制御ピン556が係合される溝である。この小径ディスク用チャッキング部716B4にカム制御ピン556が係合されている状態では、リンクプレート55が最も左壁10Bに移動された状態、すなわち、各アーム51,53,61,62が小径ディスク1Bの周縁から離隔させた状態で維持される。
【0101】
大径ディスク用カム溝716Cは、待機溝716Aに連続形成され、待機溝716Aの右壁10C側から背面10D側に向かって形成される溝である。この大径ディスク用カム溝716Cは、大径アンチャック溝を構成する大径ディスク用クランプ開始部716C1と、大径アンチャック溝を構成する大径ディスク用クランプ昇降部716C2と、大径アンチャック溝を構成する大径ディスク用ホールド部716C3と、大径チャック溝としての大径ディスク用チャッキング部716C4と、を備えている。
【0102】
大径ディスク用クランプ開始部716C1は、大径ディスク1Aがターンテーブル23にて保持可能な位置に搬入された状態(クランプ可能状態)において、カム制御ピン556が係合される溝部である。この状態から、駆動部40の駆動力により第一シフトカム71が正面10A側に移動すると、カム制御ピン556がこの大径ディスク用クランプ開始部716C1から大径ディスク用クランプ昇降部716C2に移動する。また、大径ディスク用クランプ開始部716C1は、小径ディスク用クランプ開始部716B1と同様に、待機溝716A側の溝幅寸法がカム制御ピン556のピン径よりも大きく形成されており、大径ディスク用クランプ昇降部716C2に向かうにしたがって溝幅寸法がカム制御ピン556のピン径と略同一幅寸法となるテーパ状に形成されている。
【0103】
大径ディスク用クランプ昇降部716C2は、大径ディスク用クランプ開始部716C1に連続するとともに溝幅寸法がカム制御ピン556のピン径と略同一径寸法、もしくは僅かに大きい溝幅寸法に形成されている。この大径ディスク用クランプ昇降部716C2は、大径ディスク1Aが挿入された場合において、クランプ昇降ピン21Cがクランプ昇降溝714の退避部714Aから待機部714Bの正面10A側端部に移動する区間で、カム制御ピン556が係合される溝であり、第一シフトカム71の長手方向と略同一方向に長手状に形成されている。この大径ディスク用クランプ昇降部716C2にカム制御ピン556が係合している状態では、大径ディスク1Aはターンテーブル23に保持されていない。
【0104】
大径ディスク用ホールド部716C3は、大径ディスク用クランプ昇降部716C2の背面10D側端部から背面10Dの左壁10B側に向かって延出する溝部である。この大径ディスク用ホールド部716C3は、大径ディスク1Aが挿入された場合において、クランプ昇降ピン21Cがクランプ昇降溝714の待機部714Bを移動する区間で、カム制御ピン556が係合される溝である。つまり、カム制御ピン556が大径ディスク用ホールド部716C3内を移動する間に、大径ディスク1Aのセンターホールがターンテーブル23に位置決めされ、リンクプレート55が左壁10B側に移動してローディングアーム51、サブローディングアーム53、第一および第二イジェクトアーム61,62が大径ディスク1Aの周縁から接離移動する。したがって、カム制御ピン556が大径ディスク用ホールド部716C3の背面10D側端部に位置する状態では、大径ディスク1Aがターンテーブル23に位置決めされ、各アーム51,53,61,62が大径ディスク1Aの周縁から離隔している。
【0105】
大径ディスク用チャッキング部716C4は、大径ディスク用ホールド部716C3の背面10D側端部から背面10D側に向かって延出する溝部である。この大径ディスク用チャッキング部716C4は、大径ディスク1Aが挿入された場合において、クランプ昇降ピン21Cがクランプ昇降溝714のクランプ部714Cおよび演奏可能部714Dを移動する区間で、カム制御ピン556が係合される溝である。この大径ディスク用チャッキング部716C4にカム制御ピン556が係合されている状態では、リンクプレート55が最も左壁10Bに移動された状態、すなわち、各アーム51,53,61,62が大径ディスク1Aの周縁から離隔させた状態で維持される。
【0106】
セレクトアーム713は、図10に示すように、スライドプレート712の底面側に設けられている。このセレクトアーム713は、前後方向に長手状に形成され、正面10A側の一端部が支軸713Aによりスライドプレート712に回動自在に軸支されている。この支軸713Aには図示しないトーションばねが設けられ、セレクトアーム713を反時計回り方向に付勢している。
【0107】
また、セレクトアーム713の略中央部には、天面側に向かってアーム位置規制ピン713Bが突出して設けられている。このアーム位置規制ピン713Bの左壁10B側は、リンクプレート55のセレクト片554に当接している。そして、リンクプレート55の左右方向への移動によりセレクト片554が左右方向に移動すると、セレクトアーム713はトーションばねの付勢力によりこのセレクト片554に追従して回動する。
【0108】
そして、セレクトアーム713の背面10D側端部には、左壁10B側に突出する第一押出壁部713Cが形成され、セレクトアーム713の略中央部には、右壁10C側に第二押出壁部713Dが形成されている。
これらの第一および第二押出壁部713C,713Dは、第一イジェクトアーム61のカム押出ピン613と当接可能で、第一イジェクトアーム61の回動により、カム押出ピン613により正面10A側に押し出される。
ここで、ディスク装置100内に大径ディスク1Aが挿入されると、リンクプレート55の移動量が大きくなるためセレクトアーム713の回動量も大きくなり、第二押出壁部713Dがカム押出ピン613により正面10A側に押し出される。また、ディスク装置100内に小径ディスク1Bが挿入されると、リンクプレート55の移動量が小さいため、セレクトアーム713の回動量も小さくなり、第一押出壁部713Cがカム押出ピン613により正面10A側に押し出される。
【0109】
また、第一シフトカム71の背面10D側近傍には、例えば底面に配置される制御回路部に搭載される第三スイッチSW3が配設されている。この第三スイッチSW3は、第一シフトカム71の移動状態を検出する。
【0110】
具体的には、この第三スイッチSW3は、上記第一および第二スイッチSW1,SW2と同様に、制御回路部に接続され、スイッチ本体と可動片とを備えて構成されている。そして、第三スイッチSW3は、第一シフトカム71が最も正面10A側に移動すると、スイッチ当接部711Dが当接して押し込まれ、オン状態(Lレベル)になる。
【0111】
第二シフトカム72は、第一シフトカム71の動作と連動して左右方向にスライド移動する。すなわち、第一シフトカム71が正面10A側に移動すると、第二シフトカムは左壁10B側に移動し、第一シフトカム71が背面10D側に移動すると、第二シフトカムは右壁10C側に移動する。また、第二シフトカムの正面10A側端面には、第一シフトカム71のクランプ昇降溝714と略同一形状の図示しないクランプ昇降溝が形成されている。このクランプ昇降溝には、台座部21から背面10D側に突出する図示しないクランプ昇降ピン21Cが係合されている。そして、第二シフトカムは、左右方向に移動することで第一シフトカム71と同様に、ディスク処理部20を揺動させている。
また、第二シフトカム72の左壁10B側端部には、ピン当接部721が設けられている。このピン当接部721は、第二シフトカム72が最も左壁10B側に移動した状態で、ガイド機構56のガイド案内ピン561Aを左壁10B側に押し出し、ガイドアーム562を左壁10B側に回動させる。
【0112】
エマージェンシー動作部80は、エマージェンシーレバー81を備えている。
このエマージェンシーレバー81は、駆動部40の第一伝達ギア421の近傍で、段差壁部13近傍に設けられている。このエマージェンシーレバー81は、図12に示すように、回動支持部811と、ギア移動部812と、ピン当接部813と、を備えている。
回動支持部811は、筐体10の底面に設けられ、前記した閉塞レバー16を回動可能に支持する支持部に回動可能に支持されている。
ギア移動部812は、回動支持部811から第一伝達ギア421の底面側に延出する長手状に形成され、先端部に第一伝達ギア421の底面に当接可能なギア当接部812Aが設けられている。
ピン当接部813は、段差壁部13に略沿って長手に形成されるとともに、第一シフトカム71の移動経路の延長上に配設されている。このピン当接部813の背面10D側端部が回動支持部811に連結されている。また、このピン当接部813の正面10A側には、背面10D側に向かうにしたがって底面側から天面側に傾斜する傾斜片813Aが形成されている。
【0113】
このエマージェンシーレバー81は、第一エマージェンシーピン挿通孔10A3から例えば長手状の第一エマージェンシーピン920(図19参照)が挿通されると、第一エマージェンシーピン920の先端部がピン当接部813の傾斜片813Aに当接する。そして、第一エマージェンシーピン920をさらに挿通すると、この第一エマージェンシーピン920が傾斜片813Aを底面側に押し下げるため、エマージェンシーレバー81が回動支持部811を中心に回動し、ギア移動部812が天面側に移動して第一伝達ギア421を天面側に押し上げる。
【0114】
〔ディスク装置の動作〕
次に、上記ディスク装置の動作について、図面を参照して説明する。
図13は、大径ディスクのモータ駆動開始状態におけるディスク装置の内部を示す平面図である。図14は、大径ディスクの搬入途中におけるディスク装置の内部を示す平面図である。図15は、大径ディスクのカム押出開始状態におけるディスク装置の内部を示す平面図である。図16は、大径ディスクの搬入完了状態におけるディスク装置の内部を示す平面図である。図17は、大径ディスクの搬入完了状態における第一シフトカム、リンクプレート、およびローディングスライドプレートの係合状態の概略を示す平面図である。図18は、大径ディスクの演奏可能状態時におけるディスク装置の内部を示す平面図である。図19は、エマージェンシー操作具の概略を示す平面図である。図20は、エマージェンシー動作におけるエマージェンシーレバーの側面図である。図21は、小径ディスクのモータ駆動開始状態におけるディスク装置の内部を示す平面図である。図22は、小径ディスクのカム押出開始状態におけるディスク装置の内部を示す平面図である。図23は、小径ディスクの搬入完了状態におけるディスク装置の内部を示す平面図である。図24は、小径ディスクの搬入完了状態における第一シフトカム、リンクプレート、およびローディングスライドプレートの係合状態の概略を示す平面図である。図25は、小径ディスクの演奏可能状態時におけるディスク装置の内部を示す平面図である。図26は、小径ディスクを左壁側から挿入した場合における小径ディスクの搬送経路を模式的に示す図である。図27は、小径ディスクを右壁側から挿入した場合における小径ディスクの搬送経路を模式的に示す図である。
【0115】
(大径ディスクの搬入動作)
先ず、ディスク装置100に大径ディスク1Aを挿入した場合の搬入動作を説明する。
【0116】
図1に示すように、初期状態のディスク装置100の挿排口14から大径ディスク1Aを挿入すると、この大径ディスク1Aの周縁部がローディングアーム51のローラ513およびサブローディングアーム53の先端側の摺動壁531に当接する。この時、大径ディスク1Aは、サブローディングアーム53の底面側案内部532および天面側案内部533に案内されて、サブローディングアーム53の摺動壁531の先端側に当接する。また、例えば大径ディスク1Aを左壁10B寄りから挿入した場合などでは、大径ディスク1Aの周縁がサブローディングアーム53の基端側(回転軸側)に当接するが、摺動壁531の基端側にはグリップシート531Aが設けられていないため、大径ディスク1Aの周縁がこの摺動壁531上を滑るようにして挿入され、大径ディスク1Aの挿入に伴って、大径ディスク1Aの周縁と摺動壁531との当接位置がサブローディングアーム53の先端側に移動すると、グリップシート531Aに当接する。
大径ディスク1Aをさらに背面10D側に挿入すると、大径ディスク1Aの周縁に当接したローラ513が押し込まれて、ローディングアーム51が右壁10C側に回動する。ローディングアーム51の回動により、リンクプレート55が連動して左壁10B側に移動する。サブローディングアーム53もローディングアーム51と同様に左壁10B側に回動する。
【0117】
また、初期状態では、第一伝達ギア421は、雄型ギア421Aに設けられるギアピン421A3が雌型ギア421Bのギアピン係合溝421B2内の第一ギアピン係止部421B3に当接し、雌型ギア421Bが時計回り方向に空周り可能となっている。したがって、大径ディスク1Aの挿入により、ローラ513が搬入方向に空周りする。そして、大径ディスク1Aが所定量挿入され、雌型ギア421Bが空周りして、ギアピン係合溝421B2内の第二ギアピン係止部421B4がギアピン421A3に当接すると、ローラ513が搬入方向に空周り不可能となる。
【0118】
また、ローディングアーム51が僅かに回動すると、リンクプレート55も左壁10B側に移動し、これに伴ってスイッチ片558も左壁10B側に移動し、第二スイッチSW2の可動片が押し込まれ、第二スイッチSW2がオン状態となる。この第二スイッチSW2がオン状態になることにより、制御回路部は、光ディスク1が挿排口14から挿入されたことを認識する。
【0119】
この後、さらに大径ディスク1Aを挿入すると、ローディングアーム51がさらに右壁10C側に回動し、リンクプレート55も左壁10B側に移動する。そして、図13に示すように、大径ディスク1Aのセンターホールの搬入方向における内周縁端部が挿排口14上に略位置する状態で、リンクプレート55のスイッチ片557が第一スイッチSW1の可動片を押し込み、第一スイッチSW1がオン状態になる。そして、制御回路部は、第一スイッチSW1がオン状態になったことを認識すると、駆動モータ41を駆動させる(モータ駆動開始状態)。
この駆動モータ41の駆動により第一伝達ギア421の雄型ギア421Aが時計回り方向に回転し、ギアピン421A3がギアピン係合溝421B2内を移動して、再び第一ギアピン係止部421B3に当接する。これにより、駆動モータ41の駆動力が雄型ギア421Aから雌型ギア421Bに伝達可能となり、駆動伝達ギア群42からローディングアーム51のローラ513に伝達して、ローラ513が大径ディスク1Aを搬入する方向、すなわち時計回り方向に回転駆動する。
この時、大径ディスク1Aの周縁がサブローディングアーム53のグリップシート531Aに当接していると、ローラ513の駆動力により大径ディスク1Aが回転されてグリップシート531A上を略転動してディスク装置100の内部に引き込まれる。
また、このモータ駆動開始状態では、ローディングアーム51は、アームピン511Dがローディングアーム付勢部12Aのアーム当接部12Bに当接する状態まで回動される。
【0120】
この後、ローラ513の案内により大径ディスク1Aがさらにディスク装置100内部に搬入されると、大径ディスク1Aの搬入方向の先端縁がガイドアーム562のディスクガイド部562Cに当接する。具体的には、大径ディスク1Aの搬入先端縁がフランジ部562Eに当接し、ディスク受部562Dに案内され、ディスク受部562Dにて保持される。
この状態では、ガイドアーム562のガイド連結軸562Bが右側位置状態のため、ガイドアーム562は、時計回り方向の付勢力を受ける。
【0121】
そして、さらに大径ディスク1Aが背面10D側に搬入されると、大径ディスク1Aの周縁が第一および第二イジェクトアーム61,62に当接する。この状態からさらに大径ディスク1Aがディスク装置100内部に搬入されると、ローディングアーム51の回動に連動してリンクプレート55がさらに左壁10B側に移動する。
また、第一イジェクトアーム61のイジェクトピン611は、リンクプレート55のイジェクト規制窓の大径対応溝553Eに移動する。
【0122】
この後、さらに大径ディスク1Aをディスク装置100の内部に搬入すると、ローディングアーム51のローラ513とサブローディングアーム53の摺動壁531とにより、大径ディスク1Aの最大径部を挟み込む状態となる(最大径挟持状態)。この状態からさらに大径ディスク1Aが背面10D側に搬入されると、ローディングアーム51は、ローディングアーム付勢部12Aの付勢力により、反時計回りに回動し、ローラ513と大径ディスク1Aとの当接状態が維持され、大径ディスク1Aがさらに背面10D側に送られる。
また、この最大径挟持状態近傍において、図14に示すように、ガイドアーム562のディスクガイド部562Cが大径ディスク1Aの周縁部に押されて、左壁10B側に回動すると、ガイドアーム562のガイド連結軸562Bが、線分上位置状態となる。すなわち、ガイドアーム562は、時計回り方向または反時計回り方向の付勢力を受けない状態となる。
【0123】
さらに、大径ディスク1Aの搬入により、ローディングアーム51が回動し、リンクプレート55も左壁10B側に移動する。したがって、リンクプレート55のセレクト片554も左壁10B側に移動する。また、セレクトアーム713のアーム位置規制ピン713Bがセレクト片554側に付勢されているため、このセレクト片554の移動に伴ってアーム位置規制ピン713Bも左壁10B側に移動する。これにより、セレクトアーム713が反時計回り方向に回動し、第二押出壁部713Dが第一イジェクトアーム61のカム押出ピン613の移動経路上に移動する。
そして、さらに大径ディスク1Aが搬入されて、第一イジェクトアーム61が回動すると、図15に示すように、第一イジェクトアーム61のカム押出ピン613がセレクトアーム713の第二押出壁部713Dに当接し、セレクトアーム713を正面10A側に押し出す。(カム押出開始状態)。
また、リンクプレート55の移動により、カム制御ピン556がスライドプレート712のカム溝716内の大径ディスク用クランプ開始部716C1に移動する。
【0124】
また、最大径挟持状態からカム押出開始状態に至るまでに、ガイドアーム562は、ディスクガイド部562Cが大径ディスク1Aの周縁部に押されて、左壁10B側にさらに回動する。これにより、ガイドアーム562のガイド連結軸562Bが左側位置状態になるため、ガイドアーム562は、反時計回り方向に付勢力を受ける。
【0125】
そして、大径ディスク1Aがさらに背面10D側に搬入されると、第一シフトカム71は第一イジェクトアーム61のカム押出ピン613によりさらに正面10A側に移動される。そして、大径ディスク1Aが完全にディスク装置100の内部に搬入された状態、すなわち大径ディスク1Aの搬入終端縁部が挿排口14よりも背面10D側に搬入された状態で、第一シフトカム71のラック711Aがカムシフトギア425のピニオンギア425Bに係合される(カム駆動伝達状態)。
【0126】
この後、さらに大径ディスク1Aが背面10D側に搬入され、大径ディスク1Aのセンターホールがターンテーブル23の上方に移動すると、図16に示すように、搬入完了状態となる。この状態では、イジェクトピン611が大径規制係合部553Bに係合され、第一イジェクトアーム61および第二イジェクトアーム62の移動が規制される。また、この状態では、大径ディスク1Aは、ローディングアーム51のローラ513、サブローディングアーム53の摺動壁531、第一イジェクトアーム61の第一ディスク当接部612、および第二イジェクトアーム62の第二ディスク当接部622に保持されている。
【0127】
また、第一シフトカム71が駆動モータ41の駆動力により正面10A側に移動すると、クランプ動作が開始される。
クランプ動作は、第一シフトカム71の移動により、台座部21のクランプ昇降ピン21Cが、第一シフトカム71のクランプ昇降溝714内を移動することで実施される。具体的には、第一シフトカム71の移動開始時から搬入完了状態までは、クランプ昇降ピン21Cは、退避部714Aに配置されており、台座部21は退避部714Aの高さ位置に対応して筐体10の底面側に位置している。
【0128】
この状態からさらに第一シフトカム71が正面10A側に移動すると、クランプ昇降ピン21Cが待機部714Bに移動する。これにより、台座部21は、待機部714Bに対応する高さ位置で一旦昇降が停止され、大径ディスク1Aのセンターホールにターンテーブル23のディスク係合部23Aが挿通されて大径ディスク1Aが位置決めされるとともに、大径ディスク1Aの位置補正が実施される。
【0129】
また、クランプ昇降ピン21Cが退避部714Aから待機部714Bに移動するまでに、カム制御ピン556は、大径ディスク用クランプ昇降部716C2内を背面10D側に移動する。
そして、クランプ昇降ピン21Cが待機部714Bの背面10D側に移動する間に、カム制御ピン556は、大径ディスク用ホールド部716C3内を背面10D側に移動する。これにより、リンクプレート55が左壁10B側に移動する。そして、クランプ昇降ピン21Cが待機部714Bおよびクランプ部714Cの連結位置まで移動すると、カム制御ピン556は、図17に示すように、大径ディスク用ホールド部716C3および大径ディスク用チャッキング部716C4との連結位置まで移動する。この時、スライドリンクピン551が、第二ローディング係合溝522Dのスライド移動区間522D1のもっとも背面10D側に移動し、さらに、空走区間522D2を左壁10B側に移動する。これにより、ローディングスライドプレート522が正面10A側に移動し、ローディングアーム51が最も右壁10C側に回動した状態となる。よって、ローディングアーム51のローラ513が大径ディスク1Aの周縁から離隔する。さらに、プレートリンクピン541Fが同期係合溝552Bに沿って正面10A側に移動するため、サブローディングアーム53も左壁10B側に回動し、摺動壁531が大径ディスク1Aの周縁から離隔する。さらには、第一イジェクトアーム61のイジェクトピン611が大径離隔係合部553Dに移動し、第一および第二イジェクトアーム61,62が大径ディスク1Aの周縁から離隔する。
この時、大径ディスク1Aは、ターンテーブル23に位置決めされているため、ディスク装置100内で脱離することがない。
【0130】
さらに、第一シフトカム71が正面10A側に移動すると、クランプ昇降ピン21Cがクランプ部714Cに移動する。これにより、台座部21が天面側に移動し、ターンテーブル23と天面に設けられるクランプ部材との間に大径ディスク1Aを挟みこみ、ディスク係合部23Aに大径ディスク1Aのセンターホールを係合させ、クランプ動作が完了する。この後、クランプ昇降ピン21Cが演奏可能部714Dに移動すると、図18に示すように、台座部21が情報処理部24にて大径ディスク1Aの情報を処理可能な高さ位置に移動する。
この時、カム制御ピン556は、大径ディスク用チャッキング部716C4に係合されているため、リンクプレート55も最も左壁10B側に移動した状態で維持され、各アーム51,53,61,62が大径ディスク1Aから離隔した状態が維持される。
【0131】
この後、第一シフトカム71がさらに正面10A側に移動すると、第三スイッチSW3の可動片と第一シフトカム71のスイッチ当接部711Dとが当接し、第三スイッチSW3がオン状態となる。これにより、制御回路部は、大径ディスク1Aのクランプが完了し、演奏可能状態となったことを認識し、駆動モータ41を停止させる。
【0132】
そして、制御回路部は、ディスク処理部20の情報処理部24の駆動を制御し、大径ディスク1Aの情報を処理、すなわち、大径ディスク1Aへの情報を書込む書込処理や、大径ディスク1Aに記録された情報を読み込む読込処理を実施する。
また、制御回路部は、ターンテーブル23の回転トルクを検出することにより、挿入された光ディスク1が大径ディスク1Aであることを認識する。
【0133】
(大径ディスクの搬出動作)
次に、大径ディスク1Aの搬出動作について説明する。
ディスク装置100の制御回路部は、例えば図示しないイジェクトボタンが押されるなどして、大径ディスク1Aを搬出する旨の入力信号を認識すると、光ディスク1の情報処理動作を停止し、大径ディスク1Aを筐体10の外部に搬出させる動作を実施する。
【0134】
この搬出させる動作としては、制御回路部は、まずスピンドルモータに逆電流を流通させてターンテーブル23の回転を停止させる。
その後、駆動部40の駆動モータ41を駆動させて第一シフトカム71を背面10D側に移動させる。
また、この駆動モータ41の駆動開始時において、第一伝達ギア421は、雄型ギア421Aに設けられるギアピン421A3が雌型ギア421Bのギアピン係合溝421B2内の第一ギアピン係止部421B3に当接している。この状態から駆動モータ41を駆動させて雄型ギア421Aを反時計回り方向に回転させると、ギアピン421A3はギアピン係合溝421B2に沿って反時計回り方向に移動し、第二ギアピン係止部421B4に当接する。この状態で、雌型ギア421Bは雄型ギア421Aから駆動力が伝達される状態となり、駆動モータ41の駆動力により反時計回り方向に回転駆動する。
さらに、第一シフトカム71の背面10D側への移動により、カム制御ピン556が大径ディスク用カム溝716Cを正面10A側に移動する。そして、カム制御ピン556が大径ディスク用ホールド昇降部716C3に沿って正面10A側に移動すると、リンクプレート55も右壁10C側に移動する。したがって、リンクプレート55に連動してローディングアーム51、サブローディングアーム53、第一および第二イジェクトアーム61,62が回動し、大径ディスク1Aがローラ513、摺動壁531、第一および第二ディスク当接部612,622により保持される。
【0135】
この状態で、さらに第一シフトカム71が背面10D側に移動すると、台座部21が底面側に移動するため、図示しないイジェクトピンによりターンテーブル23から大径ディスク1Aが脱離する。
【0136】
この後、ローディングアーム51のローラ513の駆動および第一および第二イジェクトアーム61,62の付勢力により、大径ディスク1Aは正面10A側に搬出される。
そして、大径ディスク1Aが図13に示すように、モータ駆動開始状態と略同一位置まで搬出されると、リンクプレート55のスイッチ片557が第一スイッチSW1から離隔する。
この状態で、制御回路部は、駆動モータ41を所定時間反転駆動させた後、駆動を停止させる。すなわち、駆動モータ41の反転駆動により、雄型ギア421Aが時計回り方向に回転し、ギアピン421A3もギアピン係合溝421B2に沿って時計回り方向に移動する。そして、ギアピン421A3が第一ギアピン係止部421B3に当接すると、第一伝達ギア421が初期状態となる。ここで、駆動モータ41を反転駆動させる所定時間としては、少なくともギアピン421A3がギアピン係合溝421B2内の第二ギアピン係止部421B4から第一ギアピン係止部421B3に移動可能な時間であればよい。
この状態において、大径ディスク1Aは、センターホールの背面10D側端縁が挿排口14から排出された状態となる。
【0137】
また、ローディングアーム51およびサブローディングアーム53の回動に連動して、サブアームスライドプレート541も背面10D側に移動する。これにより、リバースピン541Gの背面10D側がガイドアーム562の戻り当接部562Gに当接し背面10D側に移動することによって、ガイドアーム562が時計回り方向に回動する。そして、ガイド連結軸562Bが右側位置状態となると、ガイドアーム562は時計回り方向に付勢力を受ける。
【0138】
そして、例えば手動により大径ディスク1Aが引き抜かれると、サブアームスライドプレート541が背面10D側に付勢されているため、ローディングアーム51も反時計回りに付勢されて回動する。そして、ローディングアーム51は、ストッパ片511Cがカバー部材43の段差部431に当接すると、回動が停止して、初期状態に戻る。また、ガイドアーム562も初期状態に戻る。
【0139】
(大径ディスク演奏状態におけるエマージェンシー動作)
次に、ディスク装置100の内部に大径ディスク1Aが挿入されて演奏可能状態となっている場合における、大径ディスク1Aの緊急強制排出動作(エマージェンシー動作)について説明する。
【0140】
ディスク装置100内のターンテーブル23に大径ディスク1Aが保持され、制御回路部の制御により高速回転している状態において、例えばディスク装置100の駆動を緊急停止させて、大径ディスク1Aを強制排出させる必要が生じる場合、例えば図19に示すようなエマージェンシー操作具900を用いて、ディスク装置100にエマージェンシー動作を実施させる。
【0141】
ここで、エマージェンシー操作具900は、図19に示すように、ハンドル部910と、第一エマージェンシーピン920と、第二エマージェンシーピン930と、を備えている。
ハンドル部910は、利用者が手で持つことが可能なグリップ部911を備えている。また、ハンドル部910の一端面には、上記した第一エマージェンシーピン920および第二エマージェンシーピン930が略平行に突出形成されている。
第一エマージェンシーピン920は、化粧板10A1の第一エマージェンシーピン挿通孔10A3に挿通して、第一シフトカム71の正面10A側端部に当接可能に設けられている。また、この第一エマージェンシーピン920は、第一エマージェンシーピン挿通孔10A3から挿入した際に、先端部にて第一シフトカム71を最も背面10D側に位置する状態に押し出し可能な長さ寸法に形成されている。
第二エマージェンシーピン930は、化粧板10A1の第二エマージェンシーピン挿通孔10A4に挿通して、緊急回動片521Cに当接可能に設けられている。この第二エマージェンシーピン930の長さ寸法は、少なくともローディングアーム51のローラ513およびサブローディングアーム53の摺動壁531の間で小径ディスク1Bの最大径部が挿通可能な状態に、緊急回動片521Cを押し出してローディングアーム51を回動させる寸法に形成されている。
なお、第一エマージェンシーピン920および第二エマージェンシーピン930の挿入位置の誤操作を防止するために、これら第一および第二エマージェンシーピン920,930が異なる径寸法に形成されているものであってもよい。また、第一および第二エマージェンシーピン挿通孔10A3,10A4の孔形状がそれぞれ異なっており、第一および第二エマージェンシーピン920,930の断面形状がそれぞれ第一および第二エマージェンシーピン挿通孔10A3,10A4の孔形状に対応して異形に形成されていてもよい。
さらには、本実施の形態では、上記のようなエマージェンシー操作具900を用いるが、それぞれ別体の第一および第二エマージェンシーピン920,930を用いてもよい。特に大径ディスク1Aのエマージェンシー動作においては、第一エマージェンシーピン920のみを挿入するだけで、エマージェンシー動作を実施することができる。
【0142】
大径ディスク1Aのエマージェンシー動作では、上記のようなエマージェンシー操作具900を用いて、第一エマージェンシーピン920を第一エマージェンシーピン挿通孔10A3に挿通する。
これにより、第一エマージェンシーピン920の先端部が、エマージェンシーレバー81のピン当接部813に当接して、図20に示すように、ピン当接部813を底面側に押し下げる。これにより、エマージェンシーレバー81が回動支持部811を中心として回動し、ギア移動部812が天面側に移動して第一伝達ギア421を天面側に押し上げる。これにより、第一伝達ギア421の第一大径伝達ギア421A1がウォームギア411から離隔する。したがって、駆動伝達ギア群42の各ギアが駆動モータ41によりロックされていない状態となり、僅かな力で容易に回転可能な回転フリー状態となる。
【0143】
この状態からさらに第一エマージェンシーピン920を挿入すると、第一エマージェンシーピン920の先端部が第一シフトカム71の正面10A側端部を押し込み、第一シフトカム71が背面10D側に移動する。
【0144】
この時、第一シフトカム71の移動により、第三スイッチSW3がオフ状態となる。制御回路部は、第三スイッチSW3がオフ状態となったことを認識すると、スピンドルモータに逆電流を流してターンテーブル23の回転を強制停止させる。
【0145】
この後、第一エマージェンシーピン920の挿入により、さらに第一シフトカム71が背面10D側に移動すると、クランプ昇降ピン21Cがクランプ昇降溝714の演奏可能部714Dから退避部714Aに移動し、図示しないイジェクトピンにより大径ディスク1Aがターンテーブル23から脱離する。また、ローディングアーム51、サブローディングアーム53、第一および第二イジェクトアーム61,62が回動して、大径ディスク1Aの周縁が保持される。
【0146】
そして、第一シフトカム71が最も背面10D側に移動されると、付勢ばね715により第一イジェクトアーム61が押し出されて回動し、大径ディスク1Aが挿排口14から排出される。
【0147】
また、第一エマージェンシーピン920を引き抜くと、ギア付勢ばね421Cにより、第一伝達ギア421が底面側に付勢されて、再び第一大径伝達ギア421A1とウォームギア411が係合される。また、エマージェンシーレバー81も回動して、初期状態に戻る。
【0148】
(小径ディスクの搬入動作)
次に、ディスク装置100に小径ディスク1Bを挿入した場合の搬入動作を説明する。
【0149】
(挿排口の略中央から小径ディスクを挿入した場合における搬入動作)
小径ディスク1Bの搬入動作では、小径ディスク1Bの挿入位置により異なる搬送経路でディスク装置100内に搬入される。
【0150】
図1に示すように、初期状態のディスク装置100の挿排口14の略中央部から小径ディスク1Bを挿入すると、小径ディスク1Bのセンターホールの搬入方向における内周縁端部が挿排口14上に略位置する状態で、この小径ディスク1Bの周縁部がサブローディングアーム53の底面側案内部532および天面側案内部533に案内されて、サブローディングアーム53の摺動壁531の先端側に当接する。また、ローディングアーム51のローラ513に当接する。
小径ディスク1Bをさらに背面10D側に挿入すると、小径ディスク1Bの周縁がローディングアーム51およびサブローディングアーム53の双方に当接して押し込まれるため、当該両アームがそれぞれ右壁10C側および左壁10B側に回動する。
【0151】
また、大径ディスク1Aの搬入動作と同様に、初期状態では、第一伝達ギア421は、雄型ギア421Aに設けられるギアピン421A3が雌型ギア421Bのギアピン係合溝421B2内の第一ギアピン係止部421B3に当接し、雌型ギア421Bが時計回り方向に空周り可能となっている。したがって、小径ディスク1Bの挿入により、ローラ513が搬入方向に空周りする。そして、小径ディスク1Bが所定量挿入され、雌型ギア421Bが空周りして、ギアピン係合溝421B2内の第二ギアピン係止部421B4がギアピン421A3に当接すると、ローラ513が搬入方向に空周り不可能となる。
【0152】
また、ローディングアーム51が僅かに回動すると、リンクプレート55も左壁10B側に移動し、これに伴ってスイッチ片558も左壁10B側に移動し、第二スイッチSW2の可動片が押し込まれ、第二スイッチSW2がオン状態となる。この第二スイッチSW2がオン状態になることにより、制御回路部は、光ディスク1が挿排口14から挿入されたことを認識する。
【0153】
この後、さらに小径ディスク1Bを挿入すると、ローディングアーム51がさらに右壁10C側に回動し、リンクプレート55も左壁10B側に移動する。そして、図21に示すように、リンクプレート55のスイッチ片557が第一スイッチSW1の可動片を押し込み、第一スイッチSW1がオン状態になると、制御回路部は、駆動モータ41を駆動させる(モータ駆動開始状態)。
この駆動モータ41の駆動により第一伝達ギア421の雄型ギア421Aが時計回り方向に回転し、ギアピン421A3がギアピン係合溝421B2内を移動して、再び第一ギアピン係止部421B3に当接する。これにより、駆動モータ41の駆動力が雄型ギア421Aから雌型ギア421Bに伝達可能となり、駆動伝達ギア群42からローディングアーム51のローラ513に伝達して、ローラ513が小径ディスク1Bを搬入する方向、すなわち時計回り方向に回転駆動する。
また、このモータ駆動開始状態では、大径ディスク1Aの搬入動作時と同様に、ローディングアーム51は、アームピン511Dがローディングアーム付勢部12Aのアーム当接部12Bに当接する状態まで回動される。
【0154】
この後、ローラ513の案内により小径ディスク1Bがさらにディスク装置100内部に搬入されると、小径ディスク1Bの搬入方向先端縁がガイドアーム562のディスクガイド部562Cに当接する。具体的には、小径ディスク1Bの搬入先端縁がフランジ部562Eに当接し、ディスク受部562Dに案内され、ディスク受部562Dにて保持される。
この状態では、ガイドアーム562のガイド連結軸562Bが右側位置状態のため、ガイドアーム562は、時計回り方向の付勢力を受ける。
【0155】
そして、さらに小径ディスク1Bが背面10D側に搬入されると、小径ディスク1Bの周縁が第一および第二イジェクトアーム61,62に当接する。この状態からさらに小径ディスク1Bがディスク装置100内部に搬入されると、ローディングアーム51の回動に連動してリンクプレート55がさらに左壁10B側に移動する。
このリンクプレート55の移動によりセレクト片554も左壁10B側に移動し、セレクトアーム713のアーム位置規制ピン713Bがセレクト片554に追従して左壁10B側に移動する。この時、小径ディスク1Bの搬入時では、大径ディスク1Aの搬入動作時に比べてローディングアーム51の回動量も小さく、セレクトアーム713の回動量も小さくなる。このため、小径ディスク1Bの周縁部により押し出されて回動した第一イジェクトアーム61のカム押出ピン613は、図22に示すように、セレクトアーム713の第一押出壁部713Cに当接する(カム押出開始状態)。また、リンクプレート55の移動により、カム制御ピン556がスライドプレート712のカム溝716内の小径ディスク用クランプ開始部716B1まで移動する。
【0156】
この後、さらに、第一イジェクトアーム61の回動により、カム押出ピン613は、セレクトアーム713の第一押出壁部713Cを正面10A側に押し出す。
この時、駆動伝達ギア群42のカムシフトギア425は、時計回り方向に回転駆動しているため、ロックアーム426も摩擦力により時計回り方向に付勢され、ロックピン426Dがロック係合溝711Bの長手係合部711B1に係合している状態、すなわちカムロック解除状態となっている。また、リンクプレート55のカム制御ピン556が、小径ディスク用カム溝716Bに移動可能な位置に位置している。
このため、第一シフトカム71は、カム押出ピン613により押し出されると、正面10A側に移動する。
【0157】
そして、小径ディスク1Bがさらに背面10D側に搬入されると、第一シフトカム71は第一イジェクトアーム61のカム押出ピン613によりさらに正面10A側に移動される。そして、小径ディスク1Bが完全にディスク装置100の内部に搬入された状態、すなわち小径ディスク1Bの搬入終端縁部が挿排口14よりも背面10D側に搬入された状態で、第一シフトカム71のラック711Aがカムシフトギア425のピニオンギア425Bに係合される(カム駆動伝達状態)。
【0158】
この後、さらに小径ディスク1Bが背面10D側に搬入され、小径ディスク1Bのセンターホールがターンテーブル23の上方に移動すると、図23に示すように、搬入完了状態となる。この状態では、イジェクトピン611が小径規制係合部553Aに係合され、第一イジェクトアーム61および第二イジェクトアーム62の移動が規制される。この状態では、小径ディスク1Bは、ローディングアーム51のローラ513、サブローディングアーム53の摺動壁531、第一イジェクトアーム61の第一ディスク当接部612、および第二イジェクトアーム62の第二ディスク当接部622に保持されている。
この状態では、ガイドアーム562は、ディスクガイド部562Cが小径ディスク1Bの周縁部に押されて、左壁10B側に回動し、ガイドアーム562のガイド連結軸562Bが、線分上位置状態となる。すなわち、ガイドアーム562は、時計回り方向または反時計回り方向の付勢力を受けない状態となる。
【0159】
また、第一シフトカム71が駆動モータ41の駆動力により正面10A側に移動すると、クランプ動作が開始される。
クランプ動作は、第一シフトカム71の移動により、台座部21のクランプ昇降ピン21Cが、第一シフトカム71のクランプ昇降溝714内を移動することで実施される。具体的には、第一シフトカム71の移動開始時から搬入完了状態までは、クランプ昇降ピン21Cは、退避部714Aに配置されており、台座部21は退避部714Aの高さ位置に対応して筐体10の底面側に位置している。
【0160】
この状態からさらに第一シフトカム71が正面10A側に移動すると、クランプ昇降ピン21Cが待機部714Bに移動する。これにより、台座部21は、待機部714Bに対応する高さ位置で一旦昇降が停止され、小径ディスク1Bのセンターホールにターンテーブル23のディスク係合部23Aが挿通されて小径ディスク1Bが位置決めされるとともに、小径ディスク1Bの位置補正が実施される。
【0161】
また、クランプ昇降ピン21Cが退避部714Aから待機部714Bに移動するまでに、カム制御ピン556は、小径ディスク用クランプ昇降部716B2内を背面10D側に移動する。
そして、クランプ昇降ピン21Cが待機部714Bを背面10D側に移動する間に、カム制御ピン556は、小径ディスク用ホールド部716B3内を背面10D側に移動する。これにより、リンクプレート55が左壁10B側に移動する。そして、クランプ昇降ピン21Cが待機部714Bおよびクランプ部714Cの連結位置まで移動すると、カム制御ピン556は、図24に示すように、小径ディスク用ホールド部716B3および小径ディスク用チャッキング部716B4との連結位置まで移動する。この時、スライドリンクピン551が、第二ローディング係合溝522Dのスライド移動区間522D1の最も背面10D側に移動する。これにより、ローディングスライドプレート522が正面10A側に移動し、大径ディスク1Aの搬入時と同様に、ローディングアーム51が最も右壁10C側に回動した状態となる。よって、ローディングアーム51のローラ513が小径ディスク1Bの周縁から離隔する。さらに、リンクプレート55の左壁10B側への移動により、プレートリンクピン541Fが同期係合溝552Bに沿って正面10A側に移動するため、サブローディングアーム53も左壁10B側に回動し、小径ディスク1Bの周縁から離隔する。さらには、第一イジェクトアーム61のイジェクトピン611が小径離隔係合部553Cに移動し、第一および第二イジェクトアーム61,62が小径ディスク1Bの周縁から離隔する。
この時、小径ディスク1Bは、ターンテーブル23に位置決めされているため、ディスク装置100内で脱離することがない。
【0162】
さらに、第一シフトカム71が正面10A側に移動すると、クランプ昇降ピン21Cがクランプ部714Cに移動する。これにより、台座部21が天面側に移動し、ターンテーブル23と天面に設けられるクランプ部材との間に小径ディスク1Bを挟みこみ、ディスク係合部23Aに小径ディスク1Bのセンターホールを係合させ、クランプ動作が完了する。この後、クランプ昇降ピン21Cが演奏可能部714Dに移動すると、図25に示すように、台座部21が情報処理部24にて小径ディスク1Bの情報を処理可能な高さ位置に移動する。
この時、カム制御ピン556は、小径ディスク用チャッキング部716B4に係合される。これにより、各アーム51,53,61,62が小径ディスク1Bから離隔した状態に維持される。また、ローディングアーム51が大径ディスク1Aの搬入動作時と略同一位置まで回動されるため、ディスク処理部20の揺動動作に影響を与えない。
【0163】
そして、第一シフトカム71に連動して第二シフトカム72も左壁10B側に移動する。これにより、第二シフトカム72のピン当接部721がガイドプレート561のガイド案内ピン561Aを左壁10B側に移動させる。これにより、ガイドアーム562のガイド連結軸562Bが左側位置状態になるため、ガイドアーム562は、反時計回り方向に付勢力を受ける。
【0164】
この後、第一シフトカム71がさらに正面10A側に移動すると、第三スイッチSW3の可動片と第一シフトカム71のスイッチ当接部711Dとが当接してオン状態となる。これにより、制御回路部は、小径ディスク1Bのクランプが完了し、演奏可能状態となったことを認識し、駆動モータ41を停止させる。
【0165】
そして、制御回路部は、ディスク処理部20の情報処理部24の駆動を制御し、小径ディスク1Bの情報を処理、すなわち、小径ディスク1Bへの情報を書込む書込処理や、小径ディスク1Bに記録された情報を読み込む読込処理を実施する。
また、制御回路部は、ターンテーブル23の回転トルクを検出することにより、挿入された光ディスク1が小径ディスク1Bであることを認識する。
【0166】
(挿排口の左壁側から小径ディスクを挿入した場合における搬入動作)
小径ディスク1Bが左壁10B側から挿入された場合、図26に示すような搬送経路により、小径ディスク1Bがディスク装置100内に搬入される。
すなわち、小径ディスク1Bの周縁部がサブローディングアーム53の底面側案内部532および天面側案内部533に案内されて、サブローディングアーム53の摺動壁531に当接する。
【0167】
そして、さらに小径ディスク1Bを左壁10B側から背面10D側に挿入すると、サブローディングアーム53が左壁10B側に回動する。
この時、サブローディングアーム53と連動して、サブアームスライドプレート541が前面側に移動する。これにより、サブアームスライドプレート541のプレートリンクピン541Fがスライドリンク溝552の非同期係合溝552A内を正面10A側に移動するが、リンクプレート55が左右方向に移動しないためローディングアーム51は同期せず、回動しない。そして、プレートリンクピン541Fがサブローディング規制部552A4に当接すると、プレートリンクピン541Fの正面10A側への移動が規制されるため、サブローディングアーム53の回動も規制される。この状態では、小径ディスク1Bは完全にディスク装置100の内部に挿入されておらず、すなわち一部が挿排口14の外部に突出して、操作者によりつまみ出せる状態となっている。
【0168】
この状態で、さらに小径ディスク1Bを挿入すると、サブローディングアーム53の回動が規制されているため、小径ディスク1Bは、摺動壁531に沿ってディスク装置100のセンターラインに向かって右壁10C側に移動する。この時、小径ディスク1Bの周縁がサブローディングアーム53の基端側に当接している状態では、小径ディスク1Bとグリップシート531Aとが当接していないため、摩擦力が小さく、小径ディスク1Bの挿入が容易になる。
【0169】
そして、小径ディスク1Bの周縁がローラ513に当接され、さらに背面10D側に押し込まれると、ローディングアーム51も右壁10C側に回動される。
この時、挿排口14の略中央部から小径ディスク1Bを挿入した場合と同様に、ローラ513が搬入方向に空周りし、小径ディスク1Bの挿入感が向上する。
【0170】
この後、ローディングアーム51の回動によりリンクプレート55が左壁10B側に移動すると、第一スイッチSW1がオン状態となり、駆動モータ41が駆動され、ローラ513が搬入方向に回転駆動される。これにより、小径ディスク1Bは、サブローディングアーム53のグリップシート531A上を転動して背面10D側に搬入される。
そして、さらにリンクプレート55が左壁10B側に移動すると、プレートリンクピン541Fもローディング規制部552A2とサブローディング規制部552A4との交差部に移動し、同期係合溝552Bに係合される。これにより、リンクプレート55の左壁10B側への移動により、ローディングアーム51とサブローディングアーム53とが同期して回動可能となる。
この後、駆動モータ41の駆動力により、小径ディスク1Bがさらに背面10D側に移動されると、前記した挿排口14から小径ディスク1Bを挿入した場合における動作を実施し、すなわち、第一シフトカム71を正面10A側に押し出して、小径ディスク1Bをクランプする動作を実施する。
【0171】
(挿排口の右壁側から小径ディスクを挿入した場合における搬入動作)
小径ディスク1Bが右壁10C側から挿入された場合、図27に示すような搬送経路により、小径ディスク1Bがディスク装置100内に搬入される。
すなわち、小径ディスク1Bの周縁部がローディングアーム51のローラ513に当接する。
【0172】
そして、さらに小径ディスク1Bを右壁10C側から背面10D側に挿入すると、ローディングアーム51が右壁10C側に回動する。この時、挿排口14の略中央部から小径ディスク1Bを挿入した場合と同様に、ローラ513が搬入方向に空周りし、小径ディスク1Bの挿入感が向上する。
また、この時、ローディングアーム51と連動して、リンクプレート55が左壁10B側に移動する。これにより、サブアームスライドプレート541のプレートリンクピン541Fがスライドリンク溝552の非同期係合溝552A内の右壁10C側に移動するが、サブアームスライドプレート541が前後方向に移動しないためサブローディングアーム53は同期せず、回動しない。そして、プレートリンクピン541Fがローディング規制部552A2に当接すると、リンクプレート55の左壁10B側への移動が規制されるため、ローディングアーム51の回動も規制される。この状態では、小径ディスク1Bは完全にディスク装置100の内部に挿入されておらず、すなわち一部が挿排口14の外部に突出して、操作者によりつまみ出せる状態となっている。
【0173】
さらに、リンクプレート55の移動により、第一スイッチSW1がオン状態となると、駆動モータ41が駆動され、ローラ513が搬入方向に回転駆動される。
この状態で、さらに小径ディスク1Bを挿入すると、ローディングアーム51の回動が規制されているため、小径ディスク1Bは、ディスク装置100のセンターラインに向かって左壁10B側に移動する。
そして、小径ディスク1Bの周縁がサブローディングアーム53に当接され、さらに小径ディスク1Bが背面10D側に押し込まれると、サブローディングアーム53も左壁10B側に回動される。
【0174】
この後、サブローディングアーム53の回動によりプレートリンクピン541Fが正面10A側、つまりローディング規制部552A2とサブローディング規制部552A4との交差部に移動し、同期係合溝552Bに係合される。これにより、リンクプレート55の左壁10B側への移動により、ローディングアーム51とサブローディングアーム53とが同期して回動可能となる。
この後、駆動モータ41の駆動力により、小径ディスク1Bがさらに背面10D側に移動されると、前記した挿排口14から小径ディスク1Bを挿入した場合における動作と同様の動作を実施し、すなわち、第一シフトカム71を正面10A側に押し出して、小径ディスク1Bをクランプする動作を実施する。
【0175】
(小径ディスクの搬出動作)
次に、小径ディスク1Bの搬出動作について説明する。
ディスク装置100の制御回路部は、例えば図示しないイジェクトボタンが押されるなどして、小径ディスク1Bを搬出する旨の入力信号を認識すると、光ディスク1の情報処理動作を停止し、小径ディスク1Bを筐体10の外部に搬出させる動作を実施する。
【0176】
この搬出させる動作としては、制御回路部は、まずスピンドルモータに逆電流を流通させてターンテーブル23の回転を停止させる。
その後、駆動部40の駆動モータ41を駆動させて第一シフトカム71を背面10D側に移動させる。
また、この駆動モータ41の駆動開始時おいて、第一伝達ギア421は、雄型ギア421Aに設けられるギアピン421A3が雌型ギア421Bのギアピン係合溝421B2内の第一ギアピン係止部421B3に当接している。この状態から駆動モータ41を駆動させて雄型ギア421Aを反時計回り方向に回転させると、ギアピン421A3はギアピン係合溝421B2に沿って反時計回り方向に移動し、第二ギアピン係止部421B4に当接する。この状態で、雌型ギア421Bは雄型ギア421Aから駆動力が伝達される状態となり、駆動モータ41の駆動力により反時計回り方向に回転駆動する。
さらに、第一シフトカム71の背面10D側への移動により、カム制御ピン556が小径ディスク用カム溝716Bを正面10A側に移動する。そして、カム制御ピン556が小径ディスク用ホールド部716B3に沿って正面10A側に移動すると、リンクプレート55が右壁10C側に移動する。したがって、リンクプレート55に連動してローディングアーム51、サブローディングアーム53、第一および第二イジェクトアーム61,62が回動し、小径ディスク1Bがローラ513、摺動壁531、第一および第二ディスク当接部612,622により保持される。
【0177】
この状態で、さらに第一シフトカム71が背面10D側に移動すると、台座部21が底面側に移動するため、図示しないイジェクトピンによりターンテーブル23から小径ディスク1Bが脱離する。
【0178】
この後、ローディングアーム51のローラ513の駆動および第一および第二イジェクトアーム61,62の付勢力により、小径ディスク1Bは正面10A側に搬出される。
そして、小径ディスク1Bが図21に示すように、モータ駆動開始状態と略同一位置まで搬出されると、リンクプレート55のスイッチ片557が第一スイッチSW1から離隔する。この状態から、さらに小径ディスク1Bを排出すると、リンクプレート55がさらに右壁10C側に移動するため、スイッチ片558が第二スイッチSW2から離隔し、オフ状態となる。
【0179】
そして、制御回路部は、この第二スイッチSW2がオフ状態となったことを検出すると、小径ディスク1Bが排出されたことを認識するとともに、所定時間の間、駆動モータ41を駆動させる、いわゆるディレイ駆動を実施する。このディレイ駆動により小径ディスク1Bはさらに正面10A側に排出される。この時、サブアームスライドプレート541が背面10D側に付勢されているため、ローディングアーム51は、ローラ513が小径ディスク1Bの周縁に当接した状態で小径ディスク1Bに追従して回動する。そして、ローディングアーム51のストッパ片511Cがカバー部材43の段差部431に当接すると、ローディングアーム51の移動が規制される。この状態において、小径ディスク1Bは、センターホールの背面10D側端縁が挿排口14から排出された状態となる。
そして、制御回路部は、ディレイ駆動の実施から所定時間の後、駆動モータ41を所定時間反転駆動させた後、駆動を停止させる。すなわち、駆動モータ41の反転駆動により、雄型ギア421Aが時計回り方向に回転し、ギアピン421A3もギアピン係合溝421B2に沿って時計回り方向に移動する。そして、ギアピン421A3が第一ギアピン係止部421B3に当接すると、第一伝達ギア421が初期状態となる。ここで、駆動モータ41を反転駆動させる所定時間としては、少なくともギアピン421A3がギアピン係合溝B2内の第二ギアピン係止部421B4から第一ギアピン係止部421B3に移動可能な時間であればよい。
【0180】
また、ローディングアーム51およびサブローディングアーム53の回動に連動して、サブアームスライドプレート541も背面10D側に移動する。これにより、リバースピン541Gの背面10D側がガイドアーム562の戻り当接部562Gに当接し背面10D側に移動することによって、ガイドアーム562のガイド連結軸562Bが右側位置状態となる。これにより、ガイドアーム562は、時計回り方向に付勢力を受け、初期状態まで回動する。
【0181】
(小径ディスク演奏状態におけるエマージェンシー動作)
次に、ディスク装置100の内部に小径ディスク1Bが挿入されて演奏可能状態となっている場合における、小径ディスク1Bの緊急強制排出動作(エマージェンシー動作)について説明する。
【0182】
ディスク装置100内のターンテーブル23に小径ディスク1Bが保持され、制御回路部の制御により高速回転している状態において、例えばディスク装置100の駆動を緊急停止させて、小径ディスク1Bを強制排出させる必要が生じる場合、例えば大径ディスク1Aのエマージェンシー動作において使用されるものと同様のエマージェンシー操作具900を用いて、ディスク装置100にエマージェンシー動作を実施させる。
【0183】
具体的には、小径ディスク1Bのエマージェンシー動作では、前記した大径ディスク1Aのエマージェンシー動作にて用いたエマージェンシー操作具900を使用し、第一エマージェンシーピン920を第一エマージェンシーピン挿通孔10A3に挿通する。
これにより、第一エマージェンシーピン920の先端部が、エマージェンシーレバー81のピン当接部813に当接して、このピン当接部813を底面側に押し下げる。これにより、図20に示すように、エマージェンシーレバー81が回動支持部811を中心として回動し、ギア移動部812が天面側に移動して第一伝達ギア421を天面側に押し上げる。これにより、第一伝達ギア421の第一大径伝達ギア421A1がウォームギア411から離隔する。したがって、駆動伝達ギア群42の各ギアが駆動モータ41によりロックされていない状態となり、僅かな力で容易に回転可能な回転フリー状態となる。
【0184】
この状態からさらに第一エマージェンシーピン920を挿入すると、第一エマージェンシーピン920の先端部が第一シフトカム71の正面10A側端部を押し込み、第一シフトカム71が背面10D側に移動する。
【0185】
この時、第一シフトカム71の移動により、第三スイッチSW3がオフ状態となる。制御回路部は、第三スイッチSW3がオフ状態となったことを認識すると、スピンドルモータに逆電流を流してターンテーブル23の回転を強制停止させる。
【0186】
この後、第一エマージェンシーピン920の挿入により、さらに第一シフトカム71が背面10D側に移動すると、クランプ昇降ピン21Cがクランプ昇降溝714の演奏可能部714Dから退避部714Aに移動し、図示しないイジェクトピンにより小径ディスク1Bがターンテーブル23から脱離する。また、ローディングアーム51、サブローディングアーム53、第一および第二イジェクトアーム61,62が回動して、小径ディスク1Bの周縁が保持される。
【0187】
そして、第一シフトカム71が最も背面10D側に移動されると、付勢ばね715により第一イジェクトアーム61が押し出されて回動し、小径ディスク1Bが正面10A側に移動される。
【0188】
また、エマージェンシー操作具900を挿通すると、第一エマージェンシーピン920が所定量挿入され、小径ディスク1Bが各アーム51,53,61,62にて保持されると同時に、第二エマージェンシーピン930が第二エマージェンシーピン挿通孔10A4からディスク装置100の内部に挿入される。
これにより、第二エマージェンシーピン930の先端部が、緊急回動片521Cに当接し、ローディングリンクアーム521を反時計回り方向に回転させる。これにより、ローディングアーム51が時計回り方向、すなわち左壁10B側に回動する。
ここで、第二エマージェンシーピン930は、上述したように、少なくともローディングアーム51のローラ513およびサブローディングアーム53の摺動壁531の間で小径ディスク1Bの最大径部が挿通可能な状態に、緊急回動片521Cを押し出してローディングアーム51を回動させる寸法に形成されている。したがって、第二エマージェンシーピン930を押し込むことにより、ローディングアーム51のローラ513およびサブローディングアーム53の摺動壁531との間を小径ディスク1Bが挿通可能となり、第一および第二イジェクトアーム61,62およびガイドアーム562の付勢力により小径ディスク1Bが挿排口14から外部に排出される。
【0189】
そして、第一エマージェンシーピン920および第二エマージェンシーピン930を引き抜くと、ギア付勢ばね421Cにより、第一伝達ギア421が底面側に付勢されて、再び第一大径伝達ギア421A1とウォームギア411が係合される。また、エマージェンシーレバー81も回動して、初期状態に戻る。
【0190】
〔ディスク装置の作用効果〕
上述したように、上記実施の形態のディスク装置100では、第一シフトカム71に、小径用カム溝716Bと、大径用カム溝716Cとがそれぞれ略並行して独立して設けられている。
そして、小径ディスク1Bの搬入時には、カム制御ピン556が小径用カム溝716Bに沿って移動して、リンクプレート55が小径ディスク1Bに対応して、ローディングアーム51、サブローディングアーム53、第一および第二イジェクトアーム61,62が小径ディスク1Bを保持する状態から、これらのアーム51,53,61,62が小径ディスク1Bの周縁から離隔する状態に移動させる。また、大径ディスク1Aの搬入時には、カム制御ピン556が大径用カム溝716Cに沿って移動して、リンクプレート55が大径ディスク1Aに対応して、各アーム51,53,61,62が大径ディスク1Aを保持する状態から、各アーム51,53,61,62が大径ディスク1Aの周縁から離隔する状態に移動させる。
また、ローディングアーム51とリンクプレートを連結するローディングスライドプレート522は、スライド移動区間522D1および空走区間522D2を有する第二ローディング係合溝522Dを備え、この第二ローディング係合溝522Dにリンクプレート55のスライドリンクピン551が係合している。
このため、ディスク装置100では、第一シフトカム71の移動時に、挿入された光ディスク1の径寸法に応じて、カム制御ピン556を小径用カム溝716Bおよび大径用カム溝716Cのいずれか一方に沿って移動させることができる。したがって、例えば小径ディスク1Bが挿入された場合に、カム制御ピン556が大径用カム溝716C側に係合されて、光ディスク1が脱離したり、大径ディスク1Aが挿入された場合に、カム制御ピン556が小径用カム溝716B側に係合されて、メカロックを起こしたりする不都合を回避でき、良好に光ディスク1を搬送することができる。
また、カム制御ピン556が小径用カム溝716Bに係合した場合でも、大径用カム溝716Cに係合した場合でも、第一シフトカム71が正面10A側に移動されると、リンクプレート55のスライドリンクピン551が第二ローディング係合溝522Dの空走区間522D2まで移動し、ローディングアーム51が最も右壁10C側に近接する位置まで回動する。これにより、ローディングアーム51をリンクされるサブローディングアーム53も最も左壁10B側に近接する位置まで回動する。したがって、ローディングアーム51およびサブローディングアーム53がディスク処理部20の上下方向への移動経路上から離隔し、ディスク処理部20が第一シフトカム71の移動により上下方向に移動したとしても、これらローディングアーム51およびサブローディングアーム53に干渉しない。したがって、良好に光ディスク1をターンテーブル23上に移動させ、このターンテーブル23に係合させて保持させることができる。また、ローディングアーム51およびサブローディングアーム53を平面方向に退避させてディスク装置20との干渉を防止する構成であるため、厚み方向の増大を防止することができ、ディスク装置100の薄型化を促進できる。
【0191】
また、空走区間522D2が左右方向に長手に、小径用カム溝716Bおよび大径用カム溝716Cの間寸法以上の寸法で形成されている。このため、リンクプレート55は、カム制御ピン556が小径ディスク用チャッキング部716B4に係合された状態でも、カム制御ピン556が大径ディスク用チャッキング部716C4に係合された状態でも、スライドリンクピン551がこの空走区間552D2に係合されることにより、略同一位置にローディングアーム51を回動させることができる。したがって、小径ディスク1Bが挿入された場合でも、容易にローディングアーム51およびサブローディングアーム53をディスク処理部20の移送経路上から離隔する位置に退避させることができる。
〔実施形態の変形〕
なお、本発明は、上述した一実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲で以下に示される変形をも含むものである。
【0192】
すなわち、上記実施の形態では、ディスク装置100は、ノート型パーソナルコンピュータなどに搭載可能な薄型ディスク装置を例示したが、これに限定されず、例えばデスクトップ型パーソナルコンピュータなどに搭載される比較的大型のディスク装置にも適用することができる。
【0193】
その他、本発明の実施の際の具体的な構造および手順は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造などに適宜変更できる。
【0194】
〔実施の形態の効果〕
上述したように、上記実施の形態のディスク装置100では、第一シフトカム71に、小径用カム溝716Bと、大径用カム溝716Cとがそれぞれ略並行して独立して設けられている。そして、小径ディスク1Bの搬入時には、カム制御ピン556が小径用カム溝716Bに沿って移動して、リンクプレート55が小径ディスク1Bに対応して、各アーム51,61,62が小径ディスク1Bを保持する状態から、アーム51,53,61,62が小径ディスク1Bの周縁から離隔する状態に移動させる。また、大径ディスク1Aの搬入時には、カム制御ピン556が大径用カム溝716Cに沿って移動して、リンクプレート55が大径ディスク1Aに対応して、各アーム51,53,61,62が大径ディスク1Aを保持する状態から、各アーム51,53,61,62が大径ディスク1Aの周縁から離隔する状態に移動させる。さらに、ローディングアーム51とリンクプレートを連結するローディングスライドプレート522は、スライド移動区間522D1および空走区間522D2を有する第二ローディング係合溝522Dを備え、この第二ローディング係合溝522Dにリンクプレート55のスライドリンクピン551が係合している。
このため、ディスク装置100では、第一シフトカム71の移動時に、挿入された光ディスク1の径寸法に応じて、カム制御ピン556を小径用カム溝716Bおよび大径用カム溝716Cのいずれか一方に沿って移動させることができ、良好に光ディスク1を搬送することができる。
また、第一シフトカム71が正面10A側に移動されると、リンクプレート55のスライドリンクピン551が第二ローディング係合溝522Dの空走区間522D2まで移動し、ローディングアーム51およびサブローディングアーム53が最も右壁10C側に近接する位置まで回動する。したがって、ローディングアーム51およびサブローディングアーム53がディスク処理部20の移動経路上から離隔し、ディスク処理部20が第一シフトカム71の移動により上下方向に移動したとしても、これらローディングアーム51およびサブローディングアーム53に干渉せず、良好に光ディスク1を搬送させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0195】
【図1】本発明に係る一実施形態のディスク装置の初期状態における内部構成を示す平面図である。
【図2】前記実施形態におけるディスク装置の搬入部および搬出部の構成を示す平面図である。
【図3】前記実施形態におけるディスク装置の駆動部、搬出部およびクランプ部の構成を示す平面図である。
【図4】前記実施形態における化粧板の正面図である。
【図5】前記実施形態における駆動部の近傍を示す平面図である。
【図6】前記実施形態における駆動部を構成する第一伝達ギアの構成を示す斜視図である。
【図7】前記実施形態におけるサブローディングアームの断面図である。
【図8】前記実施形態におけるサブローディングアームの基端側から先端側を見た状態での側面図である。
【図9】前記実施形態におけるディスク装置のリンクプレートの一部を示す平面図である。
【図10】前記実施形態におけるディスク装置のクランプ部を構成する第一シフトカムの背面側の平面図である。
【図11】前記実施形態における前記第一シフトカムを左壁側からみた側面図である。
【図12】前記実施形態におけるエマージェンシー機構のエマージェンシーレバー近傍の側面図である。
【図13】大径ディスクのモータ駆動開始状態におけるディスク装置の内部を示す平面図である。
【図14】大径ディスクの搬入途中におけるディスク装置の内部を示す平面図である。
【図15】大径ディスクのカム押出開始状態におけるディスク装置の内部を示す平面図である。
【図16】大径ディスクの搬入完了状態におけるディスク装置の内部を示す平面図である。
【図17】大径ディスクの搬入完了状態における第一シフトカム、リンクプレート、およびローディングスライドプレートの係合状態の概略を示す平面図である。
【図18】大径ディスクの演奏可能状態時におけるディスク装置の内部を示す平面図である。
【図19】エマージェンシー操作具の概略を示す平面図である。
【図20】エマージェンシー動作におけるエマージェンシーレバーの側面図である。
【図21】小径ディスクのモータ駆動開始状態におけるディスク装置の内部を示す平面図である。
【図22】小径ディスクのカム押出開始状態におけるディスク装置の内部を示す平面図である。
【図23】小径ディスクの搬入完了状態におけるディスク装置の内部を示す平面図である。
【図24】小径ディスクの搬入完了状態における第一シフトカム、リンクプレート、およびローディングスライドプレートの係合状態の概略を示す平面図である。
【図25】小径ディスクの演奏可能状態時におけるディスク装置の内部を示す平面図である。
【図26】小径ディスクを左壁側から挿入した場合における小径ディスクの搬送経路を模式的に示す図である。
【図27】小径ディスクを右壁側から挿入した場合における小径ディスクの搬送経路を模式的に示す図である。
【符号の説明】
【0196】
1 …記録媒体としての光ディスク
1A …大径記録媒体としての大径ディスク
1B …小径記録媒体としての小径ディスク
10 …筐体
14 …挿排口
20 …保持手段としてのディスク処理部
24 …情報処理部
30 …ディスク搬送装置としての搬送手段
51 …搬送部材を構成するローディングアーム
53 …搬送部材を構成するサブローディングアーム
55 …リンク部材としてのリンクプレート
61 …搬送部材を構成する第一イジェクトアーム
62 …搬送部材を構成する第二イジェクトアーム
71 …カム部材としての第一シフトカム
100 …ディスク装置
522 …搬送部材を構成するローディングスライドプレート
522D1…搬送移動部としてのスライド移動区間
522D2…搬送離隔部としての空走区間
551 …搬送リンクピンとしてのスライドリンクピン
556 …カムリンクピンとしてのカム制御ピン
716B…小径リンク部としての小径用カム溝
716B1…小径アンチャック溝を構成する小径ディスク用クランプ開始部
716B2…小径アンチャック溝を構成する小径ディスク用クランプ昇降部
716B3…小径アンチャック溝を構成する小径ディスク用ホールド部
716B4…小径チャック溝としての小径ディスク用チャッキング部
716C…大径リンク部としての大径用カム溝
716C1…大径アンチャック溝を構成する大径ディスク用クランプ開始部
716C2…大径アンチャック溝を構成する大径ディスク用クランプ昇降部
716C3…大径アンチャック溝を構成する大径ディスク用ホールド部
716C4…大径チャック溝としての大径ディスク用チャッキング部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスク状の記録媒体の周縁をガイドして、前記記録媒体を出し入れする挿排口を有する筐体の内外に、前記記録媒体を搬送する搬送部材と、
前記搬送部材を連結して連動させるリンク部材と、
前記筐体内の所定位置に搬送された前記記録媒体を保持する保持手段と、
所定方向に移動可能に設けられ、前記保持手段を、前記記録媒体を保持するチャック位置、および前記記録媒体から離隔するアンチャック位置に移動させるとともに、前記リンク部材と連結されて、前記搬送部材が前記記録媒体から接離する方向に前記リンク部材を移動させるカム部材と、
を具備して、異なる径寸法の前記記録媒体を搬送可能なディスク搬送装置であって、
前記カム部材は、
前記搬送部材にて径寸法の小さい小径記録媒体を保持する小径保持位置から、前記小径記録媒体から前記搬送部材を離隔させる退避位置に前記リンク部材を移動させる小径リンク部と、
前記搬送部材にて径寸法の大きい大径記録媒体を保持する大径保持位置から、前記大径記録媒体から前記搬送部材を離隔させる退避位置に前記リンク部材を移動させる大径リンク部と、
を備え、
前記搬送部材は、前記リンク部材に係合されるとともに、前記リンク部材の移動に対応して当該搬送部材を所定方向に移動させる搬送移動部と、前記搬送移動部に連続形成されるとともに、前記保持手段がチャック位置に移動された状態において、当該搬送部材を前記保持手段の移動経路上から離隔する前記退避位置に移動させる搬送離隔部と、を備えた
ことを特徴としたディスク搬送装置。
【請求項2】
請求項1に記載のディスク搬送装置であって、
前記リンク部材は、前記カム部材の移動方向と交差する方向に移動可能に設けられるとともに、前記カム部材に向かって突出するカムリンクピンと、前記搬送部材に向かって突出して、前記搬送移動部および前記搬送離隔部のうちいずれか一方に係合される搬送リンクピンと、を備え、
前記小径リンク部および前記大径リンク部は、前記カム部材の移動方向に略平行して設けられるとともに、前記保持手段が前記アンチャック位置から前記チャック位置に移動される状態で、前記カムリンクピンが係合する小径アンチャック溝および大径アンチャック溝と、これらの小径アンチャック溝および大径アンチャック溝のそれぞれに連続して形成されて、前記保持手段が前記チャック位置に移動した際に前記カムリンクピンが係合する小径チャック溝および大径チャック溝と、を備え、
前記搬送離隔部は、前記リンク部材の移動方向に沿って長手状に形成されるとともに、少なくとも前記小径チャック溝および前記大径チャック溝の間寸法以上の寸法に形成された
ことを特徴としたディスク搬送装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のディスク搬送装置であって、
前記搬送部材は、前記保持手段が前記小径記録媒体を保持して前記チャック位置に移動された状態、および前記保持手段が前記大径記録媒体を保持して前記チャック位置に移動された状態において、略同一の退避位置に移動される
ことを特徴としたディスク搬送装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のディスク搬送装置と、
前記記録媒体を出し入れする挿排口を備えるとともに、内部に前記ディスク搬送装置を格納する前記筐体と、
前記保持手段にて保持された前記記録媒体の情報を読み込む読み込み処理および前記記録媒体に情報を記録する記録処理のうち少なくともいずれか一方の処理を実施する情報処理部をと、
を具備したことを特徴としたディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2008−140512(P2008−140512A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−327602(P2006−327602)
【出願日】平成18年12月4日(2006.12.4)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】