説明

ディスク用情報記録再生装置

【課題】ディスク用情報記録再生装置のディスクに付着したゴミによる傷付きを防止し、再生等を行う基板の固定を確実に行うと共に、ディスクの二重挿入防止を実現する。
【解決手段】ディスク挿入口に、駆動ローラと、駆動ローラに当接する向きにばね付勢された従動ローラとを設け、両ローラ間にディスクを挟んで搬送する。スライドレバーとロックレバーと移動板とによる複数の可動ロック部材により可動基板の前後左右の少なくとも三個所に対応する部分で別個に固定する。ディスクが挿入されたら駆動ローラを従動ローラから離反させると共に、駆動ローラと共に変位するガイド板を設け、ガイド板の変位により挿入防止部材を挿入口に横切るように変位させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CDやDVDなどの光ディスクの読取りまたは書込みを行うためのディスク用情報記録再生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ディスク用情報記録再生装置として、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)などの光ディスクを対象として、情報の読み込み(再生)または情報の書き込み(録音・録画)を行うものがある。そのようなディスク用情報記録再生装置において、例えば自動車に搭載して使用するようにしたものがある(例えば特許文献1参照)。
【0003】
その場合には、家の中で使用される据え置き型とは異なる過酷な環境に対する種々の対策が必要であり、例えばディスクの表面の傷付き防止のために、ディスクを両面から挟んで搬送するための一対のローラを、軸線方向に2分割すると共に中心部寄りで内径が大きくなるテーパ形状の内周面を有するように形成して、ディスクの外周縁のみにローラが接触するようにしたものがある(例えば特許文献2)。
【0004】
また、走行中の振動に対してできるだけ安定した再生を行うべく、ターンテーブル及びピックアップを設けた基板(可動板)を筐体(シャーシ)にダンパを介して取り付けると共に、基板の左右両側にそれぞれ対をなすこれら係合板を、筐体に設けた各移動板の各係合ピン等と係合させることにより基板を上下・左右・前後に対して固定するようにしたものがある(例えば特許文献3)
【0005】
また、走行中にディスクの出し入れを行う場合のディスクの二重挿入を防止するために、ディスクが収容位置(再生位置)に移動した時にディスクを搬送する一対のローラの一方(可動ローラ)を退避位置に移動させて、その可動ローラを支持する揺動部材に設けた係合片により挿入口の開閉扉をロックするようにしたものがある(例えば特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭63−298755号公報
【特許文献2】特許第3464735号公報
【特許文献3】特許第2877562号公報
【特許文献4】実開平2−42240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献2のものでは、ディスクの中央部分ではゴミをローラにより強く押し付けて傷付けてしまうことを防止できるが、ディスクの縁部分ではローラが接触しており、その部分にゴミが付着していた場合には傷付きを防止することができないという問題がある。
【0008】
また、上記特許文献3のものでは、基板の左右両側での係合により固定するようにしており、基板に対して左右の2個所のみで固定していることになり、そのような固定では基板の固定が不安定になる虞がある。特に、薄い基板は撓み易いため、左右方向中央部分の剛性を高めるために基板を厚くしたりすると重量増となる等の問題がある。
【0009】
また、上記特許文献4のものでは、組み付け誤差等により、開閉扉の枢着軸がずれたりした場合には、ディスクの挿入による開閉扉を開く方向の力が揺動部材を押し下げる向きに作用することが考えられ、その場合にはディスクを挿入することができてしまうという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このような課題を解決して、ディスク用情報記録再生装置を車載用として適用した場合でも、ディスクに付着したゴミによる傷付きを防止し、再生等を行う基板の固定を確実に行うと共に、ディスクの二重挿入防止を実現するために、本発明に於いては、情報記録用のディスクをディスク挿入口とディスク収容位置との間で搬送する搬送手段と、前記ディスク収容位置にある前記ディスクとの間で情報の授受を行う記録再生手段と、前記ディスク挿入口を備えると共に前記搬送手段と前記記録再生手段とを内蔵する筐体とを有し、前記搬送手段が、ローラ駆動手段により駆動される駆動ローラと、前記駆動ローラとの間に前記ディスクを両面から挟み込むように設けられた従動ローラとを有し、前記従動ローラが、前記ディスクの対応する面に対して接離自在に設けられていると共に前記駆動ローラに当接する方向にばね付勢されているものとした。
【0011】
これによれば、駆動ローラと従動ローラとによりディスクを挟んで搬送し、ディスクにゴミが付着していてもローラが回転することから、ディスク表面での摩擦力は大きくならず、こすることによる傷付きが生じることがない。また、従動ローラはディスクに対して接離自在であり、ディスク表面上のゴミに対して容易に逃げる方向に変位可能であり、ごみをこすってしまうことがない。
【0012】
また、情報記録用のディスクをディスク挿入口とディスク収容位置との間で搬送する搬送手段と、前記ディスク収容位置にある前記ディスクとの間で情報の授受を行う記録再生手段と、前記ディスク挿入口を備えると共に前記搬送手段と前記記録再生手段とを内蔵する筐体とを有し、前記記録再生手段が、前記筐体に対して変位可能に支持された基板を有し、前記筐体と前記基板との間に、前記基板を前記筐体に対して前後・左右・上下に選択的に固定する選択的固定手段が設けられ、前記選択的固定手段は、前記基板に設けられた複数の係止部と、前記複数の係止部に対してそれぞれ別個に係合及び離脱可能に変位し得るように前記筐体に設けられた複数の可動ロック部材とを有し、前記複数の可動ロック部材が、前記複数の係止部の対応するものに対して前記基板の前後左右の少なくとも三個所に対応する部分で別個に固定するように配設されているものとした。
【0013】
これによれば、基板が少なくとも3方向で筐体に固定されることから、基板を回りから包み込むようにして固定することができ、確実に固定し得る。
【0014】
また、前記搬送手段が、ローラ駆動手段により駆動される駆動ローラと、前記駆動ローラとの間に前記ディスクを両面から挟み込むように設けられた従動ローラと、前記両ローラのいずれか一方を支持しかつ他方に相対的に接離し得るように前記筐体に対して揺動自在に設けられた揺動レバーと、前記挿入口から挿入された前記ディスクを前記駆動ローラと前記従動ローラとの間にガイドするように形成されかつ前記揺動レバーに一体的に設けられたガイド板とを有し、前記挿入口の近傍に、前記ディスクを挿入可能にする退避位置と前記ディスクの挿入を阻止する遮蔽位置との2位置間で前記挿入口を横切る向きに変位し得ると共に当該退避位置に向けてばね付勢されている挿入防止部材が設けられ、前記ディスクが前記ディスク収容位置に搬送されることにより、前記両ローラが相対的に離れる向きに前記揺動レバーが変位し、当該変位により前記ガイド部材が前記挿入防止部材に係合し、当該係合状態で前記ガイド部材が変位することにより前記挿入防止部材が前記遮蔽位置まで変位するようにされているものとした。
【0015】
これによれば、ディスクの挿入を防止する挿入防止部材がディスク挿入口を横切る向きに変位するように設けられており、遮蔽位置に挿入防止部材がある状態でディスクを挿入しようとした場合には、ディスク挿入方向は挿入防止部材の変位方向に交差する向きとなり、ディスクの挿入力で挿入防止部材を退避位置まで戻すことはできない。
【発明の効果】
【0016】
このように本発明によれば、ディスクに付着したゴミによる傷付きを防止し、再生等を行う基板の固定を確実に行うと共に、ディスクの二重挿入を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明が適用されたディスク駆動装置の外観全体を示す斜視図である。
【図2】ディスク駆動装置の上部カバーを外した状態の斜視図である。
【図3】上部カバーに取り付けられている主要な部品類を配置した状態の斜視図である。
【図4】図3の一部を取り除いて内部構造を示した状態の斜視図である。
【図5】シャーシに組み付けられる主要部品を示す平面図である。
【図6】(a)は駆動・従動ローラによるディスク搬送可能な状態を示す正面図であり、(b)は従動ローラの支持構造を示す(a)におけるVIb−VIb線に沿って見た要部断面図であり、(c)は駆動ローラが従動ローラから離反した状態を示す(a)に対応する図である。
【図7】ディスクが収容位置にあり再生される状態を示す斜視図である。
【図8】可動基板及びクランプ装置を上側から見た斜視図である。
【図9】可動基板及び再生装置を下側から見た斜視図である。
【図10】本発明に基づく二重挿入防止装置を示す要部斜視図である。
【図11】可動基板のロック構造を説明する要部平面図である。
【図12】(a)は第1・第2スライドレバーの待機状態を示す平面図であり、(b)は(a)の矢印XIIb−XIIb線に沿って見た断面図であり、(c)はロック部材によるシャーシに対するロック状態を示す要部平面図である。
【図13】(a)は第1スライドレバーが前側に移動した状態を示す図12(a)に対応する図であり、(b)は(a)の矢印XIIIb−XIIIb線に沿って見た断面図である。
【図14】(a)は二重挿入防止装置の挿入可能状態を示す正面図であり、(b)は挿入防止状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。図1は本発明が適用されたディスク用情報記録再生装置としてディスク駆動装置1の外観全体を示す斜視図である。
【0019】
図1に示されるように、ディスク駆動装置1は、金属板を四辺で起立方向に直角に折り曲げて上面が開放された矩形箱状のケーシングとなるシャーシ2と、シャーシ2の上面(開放面)を覆う上部カバー3とにより形成された筐体を有する。シャーシ2の前面パネル2aには、上部カバー3との間に形成されるスロット形状のディスク挿入口4が設けられている。ディスク挿入口4は、直径120mmのディスク(CDやDVD)5の挿入に対応可能な大きさに形成されている。なお、以下の説明では、ディスク挿入口4が外方に臨む方向を前側とし、上部カバー3が設けられた側を上側とし、前後・左右・上下の各方向を図の矢印で表される方向として説明するが、ディスク駆動装置1の設置方向を定めるものではない。
【0020】
次に、図1のディスク駆動装置1の上部カバー3を外した状態の斜視図である図2、上部カバー3及びシャーシ2を外し、かつ上部カバー3に取り付けられている主要な部品類を配置した状態の斜視図である図3、図3の一部を取り除いて内部構造を示した状態の斜視図である図4を参照して、ディスク駆動装置1の内部構成について説明する。
【0021】
上部カバー3の前側部分の裏面には皿状ブラケット6が取り付けられるようになっており、その皿状ブラケット6の上部カバー3側には、左右方向に回動変位するように枢支された一対の扇形部材7が設けられている。それら一対の扇形部材7には、ディスク挿入口4の左右方向に所定量離れて配置された一対のピン8がそれぞれ垂下状態に固設されている。一対の扇形部材7が互いに近付く向きにばね付勢されていると共に、扇形部材7と一体のピン8が皿状ブラケット6に一体成形されたストッパ6aにばね付勢力に抗して当接することにより、一対のピン8の待機位置が決められている。
【0022】
シャーシ2のディスク挿入口4近傍には、左右方向に延在する駆動ローラ11と、駆動ローラ11の上段側にて同じ方向に延在する従動ローラ12とが配置されている。駆動ローラ11は、その軸線方向両端部を左右一対の支持アーム13により回動自在に軸支されたローラ軸と、ローラ軸の外周面に固着されかつ軸線方向中間部分で分断された左右対称形の例えばゴム製円筒状外被とにより形成されている。なお、一対の支持アーム13は、その長手方向の中間部の枢支部13aをシャーシ2の左右の側壁により枢支されている。
【0023】
駆動ローラ11は、シャーシ2の底面に固設された電動モータ14によりギア装置を介して駆動されるようになっている。ここで、図5を併せて参照してギア装置の構成について説明する。電動モータ14の駆動軸にはウォーム15aが設けられており、ウォーム15aには大径のホイール15bが噛み合わされている。ホイール15bには小径ギア15cが同軸かつ一体的に設けられており、小径ギア15cには円筒状のギア15dが噛み合わされている。小径ギア15cとギア15dとは、はすば歯車構造に形成されている。ギア15dには同軸に平歯車形状のギア15eが同軸かつ一体的に設けられており、ギア15eにはアイドルギア15fを介してギア15gが噛み合わされている。このギア15gが駆動ローラ11の一方の軸線方向端に同軸に固設されており、このようにして、電動モータ14の駆動力がギア装置を介して駆動ローラ11に伝達されるようになっている。
【0024】
なお、支持アーム13は、駆動ローラ11が従動ローラ12に当接し得る位置と下側に所定量離間した退避位置との2位置間で変位可能になるように、上記した枢支部13aを支点として所定量揺動し得る。それにより、駆動ローラ11すなわち支持アーム13と一体のギア15gとギア15fとは、噛み合い位置と離間位置の2位置状態になる。
【0025】
また、上記した一対の扇形部材7の一方の待機位置からの回動変位開始を検知するモータ起動スイッチ16aと、ディスク5の挿入により一対のピン8がディスク5の直径まで押し拡げられたことを検知するモータ停止スイッチ16bとが、皿状ブラケット6の各所定位置に配設されている。
(ディスク搬送構造)
【0026】
ディスク5をディスク挿入口4から挿入して一対のピン8にディスク5の挿入方向の縁が当たり、さらにディスク5を挿入していくことにより一対のピン8が押し拡げられて、モータ起動スイッチ16aがオンする。それにより電動モータ14が駆動して、上記したギア装置を介して駆動ローラ11がディスク5を内部に搬送する向きに回転する。ディスク5を挿入していき、ディスク5の挿入方向端部が駆動ローラ11と従動ローラ12との間に差し込まれると、両ローラ11・12でディスク5を挟みつつ搬送することができる。
【0027】
ここで、図6(a)・(b)・(c)を参照して、従動ローラ12の支持構造について説明する。従動ローラ12も、上記した駆動ローラ11と同様に左右方向に延在しかつ左右両端部で枢支されたローラ軸12aと、ローラ軸の外周面に固着されかつ軸線方向中間部分で分断された左右対称形の例えばゴム製円筒状外被とにより形成されている。ローラ軸12aの軸線方向両端部は上記皿状ブラケット6に固設された左右一対のガイド片17により回動自在に支持されている。
【0028】
ローラ軸12aの軸線方向両端部は、図6(b)に示されるように、ガイド片17に形成された上下方向に延在するガイドスロット17aを横切り、かつガイドスロット17aにより上下方向に変位可能にガイドされていると共に、基端部を皿状ブラケット6に支持されたトーションバネ18の遊端部により下側に向けてばね付勢されている。これにより、従動ローラ12は駆動ローラ11に対して当接する方向にトーションバネ18により常時ばね付勢され、そのばね付勢力に抗して駆動ローラ11から離反する向きに変位可能である。
【0029】
このようにして駆動ローラ11と従動ローラ12とを有する搬送手段が構成されている。ディスク5の挿入前は図6(a)の状態であり、上記したように両ローラ11・12間にディスク5が挿入され、駆動ローラ11が電動モータ14により駆動された場合には、トーションバネ18のばね力により両ローラ11・12間に挟まれた状態でディスク5が搬送される。従動ローラ12はディスク5の移動に同期して回転し得ると共に、トーションバネ18のばね力に抗して従動ローラ12がディスク5の面から逃げるように変位し得るため、ディスク表面にゴミが付着していた場合でも、例えば従来例の固定ガイドと駆動ローラとの間にディスクを通すもののようにゴミをこすり付けてディスク表面を傷付けてしまうことがない。また、ディスク5に貼着されているラベルの種類によっては摩擦が生じて、ディスクの挿入・脱出に支障が生じるのに対して、ゴミ付着による摩擦の増大がないので、ディスク5の挿入・脱出に影響がない。
【0030】
ディスク5は挿入されると収容位置(再生位置)まで搬送され、図6(c)及び図7の状態になる。ディスク5が収容位置に至ると後記するように支持アーム13が駆動ローラ11の支持側を下げるように揺動し、図6(c)に示されるように従動ローラ12から離反する。図7の状態で、ディスク5は、クランプ装置により回転自在に保持された状態でモータ駆動されて回転し、公知のピックアップ等の再生装置により再生される。
(クランプ構造)
【0031】
このクランプ装置によるディスククランプ構造は公知のものと同様であって良く、そのクランプ構造は、図8に示される可動基板21に搭載されている。可動基板21の下側となる裏面には、3個所に配置された3本のピン21aがそれぞれ垂下方向に立設されている。また、図5に示されるようにシャーシ2の底面には各ピン21aに対応する位置に3つのダンパ22が配設されている。3つのダンパ22により各ピン21aが上下方向に変位自在に支持され、可動基板21は各ピン21aを介してシャーシ2に対して浮動状態に支持されるようになっている。
【0032】
可動基板21の後側部分の上方には、左右方向に長い板状のクランプアーム23が配置されている。可動基板21の後部の左右両端部には互いに同軸に対向する左右一対の枢軸21bが設けられており、クランプアーム23は、可動基板21の上面に対して起立倒伏する向きに回動するように一対の枢軸21bにより支持されている。クランプアーム23の前側端部の中央部には、円板状のクランプ板23aが回転可能に設けられている。
【0033】
可動基板21の表面側の中央部分にはクランプ板23aに対向するターンテーブル24が配置されている。ターンテーブル24は、中心部にディスク5の中心孔に所定の公差をもって突入し得る突状ボス部(図示せず)を有し、図9に示されるように、可動基板21の裏面側に配設された扁平モータ25のモータ軸に固設されている。また、可動基板21の裏面側には、ディスク5を再生するためのピックアップ26と、ピックアップ26をトラッキング方向に駆動するためのモータ27及びリニア駆動ギア装置28とが配設されている。
【0034】
クランプアーム23の左右方向一端部(図示例では右側)にはシャーシ2の底面側に曲折されたアーム片23bが形成されている。アーム片23bとシャーシ2との間にばね29が架け渡されており、そのばね29によりクランプアーム23は可動基板21側に倒伏する向きにばね付勢されており、そのばね付勢力によりターンテーブル24とクランプ板23aとの間にディスク5を所定の押圧力で挟んで保持し得る。ディスク5の搬送時には、ディスク5が移動し得るように、クランプアーム23は可動基板21に対して上記ばね付勢力に抗して離反する向きに回動し、ターンテーブル24とクランプ板23aとの間には所定の隙間ができるようにされている。
【0035】
ディスク5の再生時には、上記したようにディスク5をターンテーブル24とクランプ板23aとの間に挟んだ状態で保持し、ディスク5を回転させると共にピックアップ26によりディスク情報を読み取るが、外部からの振動の影響を回避し得るように可動基板21はシャーシ2に対して浮動状態にする。また、ディスク5を収容位置に搬送する場合にはターンテーブル24と整合させる必要があるため、可動基板21を固定しておく。
(可動基板のロック/解除構造)
【0036】
このように、ディスク5の各状態に対して各機構を好適に変位させる必要があり、その構造について以下に説明する。図5に示されるように、シャーシ2の図における右側には、前後方向にスライド可能な第1スライドレバー31と、第1スライドレバー31を上面に載置するように積層状態に設けられかつ前後方向にスライド可能な第2スライドレバー32とが配置されている。シャーシ2の前側には、左右方向にスライド可能な第1ロックレバー33が配置され、シャーシ2の後側には、左右方向にスライド可能な第2ロックレバー34が配置されている。さらに、シャーシ2の左側には、前後方向にスライド可能な移動板35が配置されている。これら各スライドレバー31・32と、各ロックレバー33・34と、移動板35とにより複数の可動ロック部材が設けられている。
【0037】
なお、第1スライドレバー31は第2スライドレバー32に対して相対的にスライドし得るようにされているが、他の各レバー32〜34および移動板35は、シャーシ2に対して上記したそれぞれのスライド方向にスライドし得るようにされており、例えばスロットとピンとの組み合わせにより所定方向にスライドするようにされていて良い。第1スライドレバー31は、第2スライドレバー32に立設された複数の係合爪により同一方向(前後方向)にスライド可能に支持されていると共に、第2スライドレバー32との間に介装された圧縮コイルばね37により第2スライドレバー32に対して相対的に後側にばね付勢されている。
【0038】
第1スライドレバー31の前側端部には前後方向に延在するラック軸部31aが形成されている。そのラック軸部31aの延長線上には、2段重ね形状の大小径ギア36a・36bの小径ギア36bが噛み合い可能に配設されている。図5では、ラック軸部31aと小径ギア36bとが噛み合っていない状態が示されているが、図の矢印Aに示される向きに第1スライドレバー31が変位することによりラック軸部31aと小径ギア36bとが噛み合う。
【0039】
大径ギア36aは、上記したホイール15bと小径ギア15cとの間に同軸に設けられた中間ギア36cと、その中間ギア36cに噛み合わされたアイドルギア群36dとを介して、電動モータ14により回転駆動されるようになっている。
【0040】
また、第1スライドレバー31の後端部分の上方には、上部カバー3から垂下する軸線回りに回動自在に枢支されるトリガレバー38が配設されている。トリガレバー38には、第1スライドレバー31の後端部に立設状態に設けられた突部31bに対して第1スライドレバー31を前側にスライドさせる向きに係合する係合片38aが形成されている。トリガレバー38の係合片38aとは相反する側の他端部38bは、挿入方向に搬送されてくるディスク5の周縁部における挿入方向端と当接するように、ディスク搬送面を横切るように形成されている。
【0041】
なお、トリガレバー38は、ばね39により係合片38aが突部31bに当接する向きに回転するようにばね付勢されている。第1スライドレバー31は、第2スライドレバー32に対して上記したように圧縮コイルばね37により後方にばね付勢されており、その圧縮コイルばね37のばね付勢力の方がばね39によるばね付勢力よりも強くされている。
【0042】
ディスク5が上記したように両ローラ11・12により収容位置に向けて搬送されてくると、その挿入方向周縁部の一部がトリガレバー38の他端部38bに図11の矢印Bにより示される向きに係合し、さらに移動するディスク5によりトリガレバー38が図11の矢印Cにより示される向きに回動し、それにより係合片38aが突部31bを押圧して、第1スライドレバー31が圧縮コイルばね37のばね付勢力に抗して前側(矢印A)へ移動する。
【0043】
第1スライドレバー31の移動によりラック軸部31aが小径ギア36bに噛み合う。第1スライドレバー31は、電動モータ14により駆動されている小径ギア36bの回転力により、トリガレバー38の押圧力によらず、前側へさらに移動する。
【0044】
第1スライドレバー31と第2スライドレバー32との間には、図12(a)・(b)に示されるように平板状のロック部材41が配置されている。ロック部材41の長手方向一端部は、第2スライドレバー32に形成された突軸32aにより回動自在に枢支されている。突軸32aは、第1スライドレバー31に設けられた所定長の前後方向スロット31dによりガイドされる。またロック部材41の長手方向他端部にはかしめにより固設された上下方向ピン42が設けられており、上下方向ピン42の上側ピン部は、第1スライドレバー31に設けられたカム溝31cによりガイドされ、上下方向ピン42の下側ピン部は、図12(c)に示されるように、シャーシ2に設けられた係脱カムスロット2bによりガイドされるようになっている。
【0045】
係脱カムスロット2bは、上側から見た平面視の図12(c)に示されるように、両スライドレバー31・32のスライド方向である前後方向部分と、その前後方向部分の後端から略直角に曲げられたストッパ部分とからなる。図12に示される両スライドレバー31・32が共に最後方端位置に位置する状態で、上下方向ピン42の下側ピン部は係脱カムスロット2bのストッパ部分に係合しており、その状態では両スライドレバー31・32の前側方向へのスライドが止められている。
【0046】
また、カム溝31cは、上記上下方向ピン42の下側ピン部が係脱カムスロット2bのストッパ部分に係合している状態の上側ピン部を受容する係止保持部分と、第1スライドレバー31の前側スライドに伴って上下方向ピン42の下側ピン部が係脱カムスロット2bの前後方向部分に移動させ、後側スライドでは下側ピン部が係脱カムスロット2bのストッパ部分に向けて移動させるようにガイドする傾斜ガイド部分とからなる。
【0047】
第2スライドレバー32の前後方向中間位置には、クランプアーム23の下降を阻止するべくアーム片23bの延出端部23cを下側から支える突起片32bが設けられている(図10参照)。第2スライドレバー32が前側に移動することにより突起片32bによるアーム片23bの延出端部23cの支持が外れ、クランプアーム23は、ばね29のばね付勢力により下側に倒伏する向きに変位して、ディスク5をターンテーブル24に対して押さえ付けるようになる。
【0048】
また、第2スライドレバー32の前側端部には、第1ロックレバー33の右側端部に設けられたピン33aをガイドするガイドスロット32cが設けられている。ガイドスロット32cは、第1ロックレバー33を、第2スライドレバー32の前側スライドに応じて左側にスライドさせかつ最左端位置に保持し得ると共に、後側スライドに応じて右側にスライドさせる傾斜ガイド部分を有するように形成されている。
【0049】
第1ロックレバー33の左側端部にはピン33bが設けられており、移動板35の前側部分には、ピン33bを相対的にガイドするガイドスロット35aが設けられている。ガイドスロット35aは、移動板35を、第1ロックレバー33の左側スライドに応じて前側にスライドさせ、第1ロックレバー33の右側スライドに応じて後側へスライドさせる傾斜ガイド部分を有するように形成されている。
【0050】
また、シャーシ2の後側に配設されている第2ロックレバー34には、第2スライドレバー32の後端部に設けられたガイドスロット32dによりガイドされるピン34aが設けられている。ガイドスロット32dは、第2ロックレバー34を、第2スライドレバー32の前側スライドに応じて右側へスライドさせ、第2スライドレバー32の後側スライドに応じて左側へスライドさせる傾斜ガイド部分を有するように形成されている。
【0051】
このようにして、各スライドレバー31・32と、各ロックレバー33・34と、移動板35とが連携してスライドするようにされている。そして、両スライドレバー31・32と移動板35とがシャーシ2の左右にてそれぞれ前後方向にスライドし、両ロックレバー33・34がシャーシ2の前後にてそれぞれ左右方向にスライドする。それらスライドにより、可動基板21の前後左右の各辺のそれぞれ適所が第2スライドレバー32と各ロックレバー33・34と移動板35とそれぞれ係合/離脱するようになっている。
【0052】
なお、第2スライドレバー32には支持アーム13の後端部に設けられたピン13bをガイドするガイドスロット32eが設けられている(図10参照)。ガイドスロット32eは、枢支部13a回りに揺動運動し得る支持アーム13の前端部(駆動ローラ11の枢支部)を第2スライドレバー32の前後移動に応じて上下方向に揺動させるためのものである。例えば図4の可動基板21のロック状態(ディスク5の未挿入)では、ガイドスロット32eは、支持アーム13の前端部を上げた状態に保持するようにピン13bを位置させる下側段部と、第2スライドレバー32の前側移動により支持アーム13の前端部を下げるようにピン13bをガイドする傾斜部分と、支持アーム13の下がった状態を保持するようにピン13bを位置させるべく上側段部とを有するように形成されている。また、他方の支持アーム13も同様に揺動運動させるべく、例えば図10に示されるように、移動板35にも対称形のガイドスロット35bが形成されている。
【0053】
次に、その可動基板21に対する係合/離脱構造について説明する。図8及び図9に示されるように、可動基板21の前側の辺となる部分には、下側に折り曲げられかつ左右方向に延在する左右一対の板状係止片43aと、それら両板状係止片43aの間にて左右方向に延在しかつ下側に階段状に折り曲げられた階段状係止片43bと、左側端部近傍にて平面視で前側に開口するU字状の溝を有するように下側に折り曲げられてから前側に延出する前向きU字状係止片43cとが設けられている。
【0054】
可動基板21の右側の辺となる部分には、後端部近傍に下側に折り曲げられてから右側に延出するL字状係止片43dが設けられている。また、可動基板21の下面には、L字状係止片43dの近傍に前側に開口するU字状壁を有する係止ブロック43eが設けられている。また、可動基板21の左側の辺となる部分には、左側面視で横向きU字状の前側に開口する溝を有するように下側に折り曲げられた横向きU字状係止片43fが設けられている。さらに、可動基板21の後側の辺となる部分には、右側端部近傍に、正面視で横向きU字状の左側に開口する溝を有するように下側に折り曲げられた横向きU字状係止片43gと、その横向きU字状係止片43gの右側にて下側に折り曲げられて前後方向に延在しかつ斜め前側延出する板状係止片43hとが設けられている。
【0055】
可動基板21のロック状態に対応する図11を参照して、図9に示される各係止片43a〜43d・43f〜43hおよび係止ブロック43eに対して係合し得るロック部材としての第2スライドレバー32と各ロックレバー33・34と移動板35とに設けられた各係合構造について説明する。
【0056】
第1ロックレバー33には、一対の板状係止片43aを前後方向に挟み込むように係合するべく右側スライド方向に開口するY字溝を有する係止爪44aと、階段状係止片43bを上側から押さえ込むように係合するべく右側スライド方向に開放された横向きL字状係止爪44bとが設けられている。移動板35には、前向きU字状係止片43cのU字溝に首部が入り込んだ状態で上側から押さえ込むように係合する拡頭係合ピン44cが設けられている。
【0057】
第2スライドレバー32の右側縁部には、L字状係止片43dをロック位置では上側から押さえ込むように係合し、前側スライドにより係合が解除されるように、中間部から立ち上がってL字状係止片43dの上側を後方に向けて横切って所定長延在する後方延出係止爪44dが設けられている。また、第2スライドレバー32の左側側縁の中間部近傍には、係止ブロック43eを下方に向けて押さえ込む形となるT字状係止爪44eが立設状態に設けられている。なお、係止ブロック43eのU字状壁は、T字状係止爪44eの左右延出部分を受容する幅で形成され、かつその受容状態の左右延出部分と係合する内向顎部を有する。したがって、係止ブロック43eのU字状壁内にT字状係止爪44eが受容された状態(ロック状態)では、係止ブロック43eの内向顎部の上面部分にT字状係止爪44eの左右延出部分が係合する。
【0058】
移動板35の後側端部には、U字状係止片43fの下側延出部と係合する係止孔を有する立設状態の孔開き係止爪44fが設けられている。また、第2ロックレバー34には、横向きU字状係止片43gを前後方向に挟み込むように係合するべく右側スライド方向に開口するY字溝を有する係止爪44gが設けられている。また、第2スライドレバー32の後端部には、板状係止片43hの前後方向に延在する部分の右側面と係合するように立設状態に設けられた縦壁状係合爪44hが設けられている。なお、板状係止片43hには、第2スライドレバー32が前側に移動して縦壁状係合爪44hとの係合状態が解除された位置から、第2スライドレバー32が後側に移動した場合に確実に縦壁状係合爪44hと係合するために斜めに延在するガイド面が形成されている。
【0059】
このようにして、可動基板21に設けられた各係止片43a〜43d・43f〜43hおよび係止ブロック43eと、第2スライドレバー32と各ロックレバー33・34と移動板35とにより、可動基板21をロックまたは解除のいずれかの状態にするための選択的固定手段が設けられている。
【0060】
上記したように、係止爪44aと板状係止片43aとの係合により可動基板21の前側部分における前後方向及び左方向ロックが、横向きL字状係止爪44bと階段状係止片43bとの係合により可動基板21の前側部分における左方向ロック及び上方向ロックが、拡頭係合ピン44cとU字状係止片43cとの係合により可動基板21の左前側部分における前方向及び左右方向ロックが、孔開き係止爪44fとU字状係止片43fとの係合により可動基板21の左側部分における前方向及び上方向ロックが、係止爪44gと横向きU字状係止片43gとの係合により可動基板21の後側部分における左方向ロックがそれぞれ行われる。このようにして、可動基板21は、ロック状態では、前後左右の各部分で前後左右かつ上下の各方向に対して固定され、挿入されるディスクの収容位置に対する位置決めを高精度化し得る。なお、可動基板21のロックにおいて、本図示例では上記したように前後左右の4個所でロックするようにしているが、前後左右の全てでロックする必要はなく、前後左右における任意の3個所の組み合わせでロックするようにしても良い。3個所だけでのロックであっても十分確実な固定状態が得られる。
【0061】
図11は可動基板21がロックされている状態に対応する各スライドレバー31・32と各ロックレバー33・34と移動板35とが示されている。上記したように、ディスク5が挿入されると、一対のピン8が左右に押し拡げられてモータ起動スイッチ16aがオンして、電動モータ14が駆動し、シャーシ2の後側の奥までディスク5が搬送されることにより、矢印Bに示されるようにディスク5の周縁部の挿入方向側がトリガレバー38の他端部38bに当接してトリガレバー38が矢印Cの向きに回動し、それによりトリガレバー38の係合片38aが第1スライドレバー31の突部31bを前側に押して、第1スライドレバー31が前側に移動する。第1スライドレバー31はトリガレバー38により所定量前側に押し出されると、ラック軸部31aが小径ギア36bと噛み合い、電動モータ14により駆動されている小径ギア36bの回転力により、第1スライドレバー31はさらに前側に移動する。
【0062】
図12(a)・(b)にそれぞれ対応する図13(a)・(b)に示されるように、第1スライドレバー31の前側移動により、ロック部材41と一体の上下方向ピン42がカム溝31cによりガイドされて右側に移動し、上下方向ピン42の下側ピン部が係脱カムスロット2bのストッパ部分から前後方向部分に移動し、第2スライドレバー32のシャーシ2との間のロック状態が解除される。その後、第1スライドレバー31のラック軸部31aは小径ギア36bに噛み合い得るようになっている。これにより、第2スライドレバー32がディスク5の挿入途中で早めに前側に移動することが防止され、ディスク5のクランプが早まってしまうような誤動作が生じることがない。
【0063】
図11に示されるように第1スライドレバー31が小径ギア36bに駆動されて前側に移動することにより、前後方向スロット31dの後端が突軸32aと係合し、第2スライドレバー32が第1スライドレバー31により押されるようにして前側に移動する。この第2スライドレバー32の前側移動により、第1ロックレバー33が左側に移動し、それにより移動板35も前側に移動し、さらに第2ロックレバー34が左側に移動する。
【0064】
第2スライドレバー32の前側移動により、後方延出係止爪44dとL字状係止片43dとの係合が解除され、かつT字状係止爪44eと係止ブロック43eとの係合が解除される。これにより、可動基板21の上方向ロックが解除される。
【0065】
第1ロックレバーの左側移動により、係止爪44aと板状係止片43aとの係合が解除されて、可動基板21の前側部分における前後方向及び左方向ロックが解除され、横向きL字状係止爪44bと階段状係止片43bとの係合が解除されて、可動基板21の前側部分における左方向ロック及び上方向ロックが解除される。
【0066】
移動板35の前側移動により、拡頭係合ピン44cとU字状係止片43cとの係合が解除されて、可動基板21の左前側部分における前方向及び左右方向ロックが解除され、かつ孔開き係止爪44fとU字状係止片43fとの係合が解除されて、可動基板21の左側部分における前方向及び上方向ロックが解除される。
【0067】
第2ロックレバー34の左側移動により、係止爪44gと横向きU字状係止片43gとの係合が解除されて、可動基板21の後側部分における左方向ロックが解除される。
(ディスクの二重挿入防止構造)
【0068】
次に、ディスク5の二重挿入防止について説明する。図14に示すように、ディスク挿入口4の装置内側には左右一対のリンク部材51が、シャーシ2の前面パネル2aに沿って左右方向に延在しかつ左右対称形に配置されている。
【0069】
両リンク部材51は、それぞれ左右方向に延在する長尺部分の中間部を枢支部材52を介して前面パネル2aにより枢支され、各枢支部材52に対して中央側端部同士が回動自在に連結され、互いに相反する側にはディスク挿入口4を下方から横切る向きに曲折された各立ち上がり片51aが設けられている。ディスク5の未挿入状態では図14(a)に示されるように、両立ち上がり片51aはディスク挿入口4の下方に位置し、ディスク5の挿入を可能にしている。
【0070】
なお、図10に示されるように、駆動ローラ11の下側には、左右一対の支持アーム13に一体的に左右端を支持された形のガイド部材としてのガイド板53が設けられている。ガイド板53の前側中央部分には前方下側に向けて曲折された舌片部53aが形成されている。
【0071】
両リンク部材51の一方(図では左側)の他方との連結部分には後側に延出する延出部51bが一体的に設けられている。延出部51bは、舌片部53aの下側に位置しており、舌片部53aすなわちガイド板53の下降変位により押し下げれるようになっている。延出部51bが押し下げられると、両リンク部材51の連結部分が下側に変位するため、各枢支部材52を介して支点として両リンク部材51が揺動し、その揺動により、各リンク部材51の互いに相反する側の各立ち上がり片51aが上側に変位して、図14(b)に示されるようにディスク挿入口4を横切る状態になる(図7参照)。これにより、ディスク5の二重挿入が防止される。
【0072】
なお、枢支部材52とリンク部材51との間には、立ち上がり片51aがディスク挿入口4の下側に位置する向きにリンク部材51をばね付勢する例えばねじりコイルばねが介装されている。したがって、ガイド板53が下降していない状態では立ち上がり片51aによるディスク挿入口4を遮ることがない。
【0073】
以上で具体的実施形態についての説明を終えるが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態でのディスクドライブ装置としては、CDやDVD、あるいはブルーレイディスク等のその他の光ディスクを対象とするものであってもよい。また、各部材の形状や配置など、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0074】
1 ディスク駆動装置
2 シャーシ
4 ディスク挿入口
11 駆動ローラ
12 従動ローラ
17 ガイド片
18 トーションバネ
21 可動基板
31 第1スライドレバー
32 第2スライドレバー
33 第1ロックレバー
34 第2ロックレバー
35 移動板
43a〜43d・43f〜43h 係止片
43e 係止ブロック
44a・44b・44d〜44h 係止爪
44c 係止ピン
51 リンク部材、51a 立ち上がり片
52 枢支部材
53 ガイド板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報記録用のディスクをディスク挿入口とディスク収容位置との間で搬送する搬送手段と、前記ディスク収容位置にある前記ディスクとの間で情報の授受を行う記録再生手段と、前記ディスク挿入口を備えると共に前記搬送手段と前記記録再生手段とを内蔵する筐体とを有し、
前記搬送手段が、ローラ駆動手段により駆動される駆動ローラと、前記駆動ローラとの間に前記ディスクを両面から挟み込むように設けられた従動ローラとを有し、
前記従動ローラが、前記ディスクの対応する面に対して接離自在に設けられていると共に前記駆動ローラに当接する方向にばね付勢されていることを特徴とするディスク用情報記録再生装置。
【請求項2】
情報記録用のディスクをディスク挿入口とディスク収容位置との間で搬送する搬送手段と、前記ディスク収容位置にある前記ディスクとの間で情報の授受を行う記録再生手段と、前記ディスク挿入口を備えると共に前記搬送手段と前記記録再生手段とを内蔵する筐体とを有し、
前記記録再生手段が、前記筐体に対して変位可能に支持された可動基板を有し、
前記筐体と前記基板との間に、前記可動基板を前記筐体に対して前後・左右・上下に選択的に固定する選択的固定手段が設けられ、
前記選択的固定手段は、前記可動基板に設けられた複数の係止部と、前記複数の係止部に対してそれぞれ別個に係合及び離脱可能に変位し得るように前記筐体に設けられた複数の可動ロック部材とを有し、
前記複数の可動ロック部材が、前記複数の係止部の対応するものに対して前記可動基板の前後左右の少なくとも三個所に対応する部分で別個に固定するように配設されていることを特徴とするディスク用情報記録再生装置。
【請求項3】
情報記録用のディスクをディスク挿入口とディスク収容位置との間で搬送する搬送手段と、前記ディスク収容位置にある前記ディスクとの間で情報の授受を行う記録再生手段と、前記ディスク挿入口を備えると共に前記搬送手段と前記記録再生手段とを内蔵する筐体とを有し、
前記搬送手段が、ローラ駆動手段により駆動される駆動ローラと、前記駆動ローラとの間に前記ディスクを両面から挟み込むように設けられた従動ローラと、前記両ローラのいずれか一方を支持しかつ他方に相対的に接離し得るように前記筐体に対して揺動自在に設けられた揺動レバーと、前記挿入口から挿入された前記ディスクを前記駆動ローラと前記従動ローラとの間にガイドするように形成されかつ前記揺動レバーに一体的に設けられたガイド板とを有し、
前記挿入口の近傍に、前記ディスクを挿入可能にする退避位置と前記ディスクの挿入を阻止する遮蔽位置との2位置間で前記挿入口を横切る向きに変位し得ると共に当該退避位置に向けてばね付勢されている挿入防止部材が設けられ、
前記ディスクが前記ディスク収容位置に搬送されることにより、前記両ローラが相対的に離れる向きに前記揺動レバーが変位し、当該変位により前記ガイド部材が前記挿入防止部材に係合し、当該係合状態で前記ガイド部材が変位することにより前記挿入防止部材が前記遮蔽位置まで変位するようにされていることを特徴とするディスク用情報記録再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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