説明

ディスク自動廃棄処理装置

【課題】 多数の対象ディスク12を自動的に順番に処理して、その記録データを自動的に破壊する。データの破壊に失敗したものも自動的に再処理する。
【解決手段】データ破壊処理を実行する対象ディスク12を積層して収納するための供給側収納部14と、処理済みのディスク16を収納する排出側収納部18と、対象ディスク12を受け入れて回転駆動するトレイ24と、当該対象ディスク12に記録されたデータの破壊処理をする処理ヘッド26を備えたドライブ28と、供給側収納部14に収納された対象ディスク12を1枚ずつ取り上げるグリッパと、グリッパを移動させる搬送部32と制御部34とを備え、対象ディスク12を供給側収納部14から搬送させドライブ28にセットしデータの破壊処理を実行させ、排出側収納部18に搬送させる処理を繰り返す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多数のCDやDVDに記録されたプログラムやデータを自動的に連続的に破壊して廃棄処理を可能にするディスク自動廃棄処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータプログラムをデータ書き込み可能なCD−RやDVD−R等のディスクに記録をする業務を行う業者は、バージョンの古くなったプログラムやデータを記録したものの廃棄処理を頻繁に行う。この目的のために、例えば、ディスクを機械的、化学的に破壊する方法等が開発されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10−214424号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
既知の従来の技術には、次のような解決すべき課題があった。
ディスクの記録データを完全に消去するには、一枚につき数分程度の時間がかかる。多数のディスクの処理が必要な場合、その作業に長時間拘束されること避けたい。これには、既存の自動搬送機構を利用することが考えられる。しかし、万一記録消去に失敗したものが混在していると重大な問題になる。従って、全自動であって、信頼性が高く、管理の容易な装置の開発が望まれる。
上記の課題を解決するために、本発明では、多数の対象ディスクを自動的に順番に処理して、その記録データを自動的に破壊する。さらに、データの破壊に失敗したものをストックして、再度データの破壊処理を自動的に実行する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
以下の構成はそれぞれ上記の課題を解決するための手段である。
〈構成1〉
データ破壊処理を実行する対象ディスクを積層して収納するための供給側収納部と、処理済みのディスクを収納する排出側収納部と、上記対象ディスクを受け入れて回転駆動する駆動機構と、当該対象ディスクに記録されたデータの破壊処理をする処理ヘッドとを備えたドライブと、上記供給側収納部に収納された上記対象ディスクを、1枚ずつ取り上げるグリッパと、上記グリッパを移動させる移動機構を有する搬送部と、上記搬送部と上記ドライブとを連携制御する制御部とを備え、この制御部は、上記搬送部と上記グリッパを制御して、上記対象ディスクを上記供給側収納部から取り上げて上記ドライブまで搬送させ、上記対象ディスクを上記ドライブにセットし、上記ドライブを制御して、上記対象ディスクに記録されたデータの破壊処理を実行させ、その後、上記搬送部と上記グリッパを制御して、上記ドライブから処理済みのディスクを上記排出側収納部に搬送させるという一連の処理を繰り返すことを特徴とするディスク自動廃棄処理装置。
【0005】
対象ディスクを供給側収納部に収納し、1枚ずつ取り上げてドライブに搬送して、データの破壊処理をしたら処理済みのディスクを排出側収納部に収納する。この処理を繰り返し自動連続運転ができるので、多数の対象ディスクのデータの破壊処理を無人で実行できる。ドライブはディスク自体を機械的に破壊したり変質させないので、再利用できる状態で排出できる。
【0006】
〈構成2〉
構成1に記載のディスク自動廃棄処理装置において、上記処理ヘッドは、上記対象ディスクに記録された情報を破壊するためのレーザ装置を備えることを特徴とするディスク自動廃棄処理装置。
【0007】
レーザ装置を用いて対象ディスクに記録された情報を破壊することができる。これには、例えば、既存のデータ書き込み装置とほぼ同一の構成で書込み制御をデータ破壊用に特化したものを利用することができる。
【0008】
〈構成3〉
構成1または2に記載のディスク自動廃棄処理装置において、上記ドライブから処理済みのディスクを上記排出側収納部に搬送するための搬送路中に、上記処理済みのディスクに上記対象ディスクと区別をするためのマークを付するマーカ装置が配置されていることを特徴とするディスク自動廃棄処理装置。
【0009】
処理済みディスクを未処理の対象ディスクと外観上簡単に区別できるように、マークを付するとよい。マークは、吹きつけやスタンプ用塗料等を使用することが好ましい。また、ラベルであって、マーカ装置が貼り付け機構を有していてもよい。
【0010】
〈構成4〉
構成1乃至3のいずれかに記載のディスク自動廃棄処理装置において、不正処理ディスクを積層して収納するリジェクト収納部を設け、上記搬送部は、上記ドライブにおいてデータの破壊処理に失敗した不正処理ディスクを、当該ドライブから上記リジェクト収納部へ搬送させることを特徴とするディスク自動廃棄処理装置。
【0011】
例えば、ドライブの読み取りヘッドにより、対象ディスクのデータ管理領域を読み取ったとき、読み取りができないならば、対象ディスクの表裏が逆転している可能性がある。このとき、対象ディスクを不正処理ディスクと判定し、ドライブから取り出して、リジェクト収納部に送る。データ破壊処理ができなかったディスクを区別し、再度データ破壊処理を実行することができる。
【0012】
〈構成5〉
構成4に記載のディスク自動廃棄処理装置において、上記不正処理ディスクを上記リジェクト収納部へ搬送するとき、上記不正処理ディスクの表裏判定処理を実行し、不正処理ディスクの表裏を正常化する表裏反転機構を備えたことを特徴とするディスク自動廃棄処理装置。
【0013】
データ破壊ができない主要な原因が表裏の逆転である。そこで、自動的に表裏反転をして正常な状態にする機構を備えることにより、連続自動運転を終了した後に、ほぼ全部の対象ディスクについて処理を終了させることができる。
【0014】
〈構成6〉
構成1乃至5のいずれかに記載のディスク自動廃棄処理装置において、上記排出側収納部は、外付け容器を装着する開口を備えることを特徴とするディスク自動廃棄処理装置。
【0015】
上記の機構により、データの破壊に失敗したものは排出側収納部に送られない。処理済みディスクは、そのまま容器等に収納して外部に搬出できる。そこで、外付け容器を装着する開口を設けて、外付け容器で処理済みディスクを受けるようにした。外付け容器が満杯になったら別のものに交換する。これにより、連続的に処理できる枚数が増加する。
【0016】
〈構成7〉
構成1乃至6のいずれかに記載のディスク自動廃棄処理装置において、上記ドライブは、データ読み取りヘッドとデータ書き込みヘッドとを備え、上記データ書き込みヘッドは上記処理ヘッドとして使用され、生ディスクへのデータ書き込み処理と、対象ディスクのデータ破壊処理のいずれか、指定された処理を選択するモード切り換え手段を備えることを特徴とするディスク自動廃棄処理装置。
【0017】
データのコピー機能を持った装置にモード切り換え手段を設けて、生ディスクへのデータ書き込み処理と、対象ディスクのデータ破壊処理の両方を実行できる装置にした。これで、スペース的にもコスト的にもユーザーに貢献する。また、生ディスクへのデータ書き込み処理も対象ディスクのデータ破壊処理も、全自動で無人運転ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を実施例毎に詳細に説明する。
【実施例1】
【0019】
図1は実施例1のディスク自動廃棄処理装置を示し、(a)はその外観斜視図、(b)は主要部のブロック図である。
図の(b)に示すように、ディスク自動廃棄処理装置10は、対象ディスク12を積層して収納する供給側収納部14と、処理済みのディスク16を排出する排出側収納部18を備えている。さらに、データ破壊処理ができなっかた不正処理ディスク20を収納するリジェクト収納部22を備えている。
【0020】
また、データ破壊処理は、上下に重なるように配置した2台のドライブ28で行う。ドライブ28は、トレイ24とターンテーブル25と処理ヘッド26を備えている。対象ディスクをトレイ24に乗せて内部に引き込み、ターンテーブル25で回転駆動する、例えば、レーザ光を照射して、ディスクの記録面に不規則なデータを書き込む。この実施例では、ドライブ28は、CD−R等のディスクに正常なデータを記録する機能を持つ。その機能をそのまま使用して、データの破壊処理をする。ディスクを自動的に取り上げて搬送するために、グリッパ30と搬送部32を備えている。制御部34は、搬送部32とドライブ28とグリッパ30とを連携制御し、装置の全ての動作を制御する。
【0021】
グリッパ30は、ディスクの中心の孔に突起を嵌め込んでディスクを取り上げる機能を持つ。このような装置は既知のもので、詳細な構造説明を省略する。搬送部32は、グリッパ30を所定の場所から所定の場所に移動させる機能を持つ。上記の制御部34は、搬送部32とグリッパ30を制御して、対象ディスク12を供給側収納部14から取り上げてドライブ28まで搬送させる。対象ディスク12をドライブ28にセットし、ドライブ28を制御して、対象ディスク12に記録されたデータの破壊処理を実行させる。その後、搬送部32とグリッパ30を制御して、ドライブ28から処理済みのディスク16を排出側収納部18に搬送させるという一連の処理を繰り返す。
【0022】
即ち、対象ディスク12を供給側収納部14に収納し、自動的に1枚ずつ取り上げてドライブ28に搬送する。この図の例では供給側収納部14は2個設けられている。グリッパ30は例えば、交互に一方の供給側収納部14から対象ディスク12を取り上げる。データの破壊処理をしたら対象ディスク12を自動的に排出側収納部18に搬送する。この処理を繰り返して自動連続運転をする。2個のドライブ28は、交互にトレイ24を開いて対象ディスク12を受け入れる。処理時間は数分程かかるので、このように複数のドライブ28を設けることで全体として処理の高速化が可能になる。このドライブ28の数は任意である。
【0023】
なお、供給側収納部14には、対象ディスク12が収納されているかどうかを検知するセンサ27が設けられている。リジェクト収納部22には、不正処理ディスク20が一杯になったかどうかを検知するセンサ29が設けられている。これらはいずれも光反射型等の既知のセンサである。センサ27とセンサ29の出力信号は制御部34に伝達される。これらにより、対象ディスク12が供給側収納部14に収納されており、リジェクト収納部22が不正処理ディスク20で一杯になっていない状態で、通常の動作をする。
【0024】
図2は、装置各部の具体的な構成説明図で、(a)は供給側収納部14やリジェクト収納部22の構成を示す斜視図、(b)はドライブ28とその駆動機構23や処理ヘッド26の斜視図である。また、(c)は搬送部32の側面図である。
図の(a)において、供給側収納部14等や図示しないリジェクト収納部22には、対象ディスク12を重ねて収容する筒状の壁が設けられ、その一部にスリット15が設けられている。(c)に示す搬送部32のグリッパ30を支えるアーム31は、このスリット15を通って下降し、供給側収納部14の一番上に重ねられた対象ディスク12を取り上げる。(b)の斜め右上に図示した一点鎖線の円は、ドライブ28の内部を示す。(b)に示すように、ドライブ28の駆動機構23は、トレイ24とターンテーブル25とから構成されている。トレイ24は対象ディスク12を乗せてドライブ28の内部に引き込む。ターンテーブル25は、対象ディスクを回転駆動する。ドライブ28の内部では、処理ヘッド26によるデータの書き込みが行なわれる。
【0025】
図2の(c)に示すように、グリッパ30は搬送部32のアーム31の先端に下向きに取り付けられている。そして、ポール33に沿って垂直方向に移動する。また、ポール33は、レール35上で、水平方向に移動する。これにより、グリッパ30は制御部34(図1)に指定された場所まで移動して、ディスクを取り上げたり移したりすることができる。もちろん、アームがスイングしたり伸縮するような機構でも構わない。なお、アーム31には、後で説明するマーカ装置38が固定されている。これは、制御部34の制御により、処理済みディスクにインク等でマークを施す機能を持つ。
【0026】
図3と図4とは、搬送部32の動作説明図で、図3は搬送部32の正面図、図4は搬送部32の側面図である。
まず、図3に示すように、グリッパ30は図の破線に示す経路に沿って移動し、黒丸印の部分で一時停止して、ディスクの取り上げ等をする。始めに、グリッパ30は、供給側収納部14Aから対象ディスク12を取り上げる。そして、破線に沿って移動し、ドライブ28Aのトレイ24に対象ディスク12を乗せる。トレイ24はこの動作の直前に右側に引き出されている。トレイ24は、対象ディスク12を受け入れると、ドライブ28Aの内部に引き込まれる。ドライブ28Aは、ディスクの破壊処理を開始する。
【0027】
次に、グリッパ30は、供給側収納部14Bから対象ディスク12を取り上げる。そして、ドライブ28Bのトレイ24に対象ディスク12を乗せる。この直前のタイミングでトレイ24は右側に引き出されている。トレイ24は、対象ディスク12を受け入れると、ドライブ28Bの内部に引き込まれる。ドライブ28Bは、ディスクの破壊処理を開始する。その後ドライブ28Aで対象ディスク12のデータ破壊処理が終了すると、トレイ24が右側に引き出される。
【0028】
グリッパ30はそのトレイ上の対象ディスク12を取り上げる。トレイ24が閉まると、グリッパ30は下降して、対象ディスク12を排出側収納部18に搬送して落下させる。こうして、処理済みのディスク16が排出側収納部18に蓄積される。その後は、再び供給側収納部14Aから新たな対象ディスク12を取り上げる。以上のように、多数の対象ディスク12のデータの破壊処理を自動的に連続的に実行できる。ドライブ28はディスク自体を機械的に破壊したり変質させないので、処理済みのディスク16を再利用できる状態で排出できる。
【実施例2】
【0029】
上記の処理ヘッド26(図2)は、例えば、対象ディスク12に記録された情報を破壊するためのレーザ装置36を備える。ディスク表面にピットと呼ばれる微小な凹みをつけてデータを記録するものでは、無秩序に多くのピットを追記する方法でデータが破壊できる。処理ヘッド26は、これ以外に、既知の任意の方法でデータの破壊処理をすればよい。
【0030】
ここで、図3の実施例では、不正処理ディスク20を積層して収納するリジェクト収納部22を設けた。データ破壊処理の直前に、ドライブ28の読み取りヘッドにより、対象ディスク12のデータ管理領域を読み取る。ここで、データの読み取りができないならば、対象ディスク12の表裏が反転している可能性がある。これでは、データ破壊処理ができない。そのとき、対象ディスク12を不正処理ディスク20と判定し、ドライブ28のトレイ24を右側に引き出す。搬送部32は、その不正処理ディスク20を、トレイ24からリジェクト収納部22へ搬送する。図示しないオペレータは、リジェクト収納部22に収納されたディスクを手に取って、データ破壊処理ができなかった原因を確認し、必要に応じて表裏を反転させ、供給側収納部14に戻す。
【実施例3】
【0031】
図5は、装置各部の変形例を示し、(a)は表裏反転機構40を示す側面図である。
データ破壊ができない主要な原因が、ディスクの表裏の取り違えである。そこで、自動的に表裏反転をする機構を設けた。表裏反転機構40は、図3の右上に示したような位置に取り付けられる。搬送部32は、不正処理ディスク20をリジェクト収納部22へ搬送する途中で、図の矢印Bのように移動して、不正処理ディスク20を表裏反転機構40に挟み込む。その後一時グリッパ30を待避させる。次に、表裏反転機構40は、図の矢印Cに示すように回転して、不正処理ディスク20の表裏反転処理を実行する。こうして、不正処理ディスク20の表裏を正常化した後に、再びグリッパ30が不正処理ディスク20を掴んで供給側収納部14に戻す。
【実施例4】
【0032】
図5において、(b)は開口44と外付け容器46を示す斜視図である。
この実施例において、排出側収納部18は、外付け容器46を装着する開口44を備える。上記の機構によれば、データの破壊に失敗したものは排出側収納部18に送られない。確実にデータを破壊したものだけが、排出側収納部18に送られる。従って、処理済みディスクは、そのまま容器等に収納して外部に搬出できる。そこで、外付け容器46で処理済みディスク16を受ける。外付け容器46が満杯になったら別のものに交換する。これにより、連続的に処理できる枚数が増加する。
【実施例5】
【0033】
図2において、搬送部32のアーム31には、マーカ装置38を取り付けた。ドライブ28から処理済みのディスク16を排出側収納部18に搬送する搬送路中で、このマーカ装置38が作動する。マーカ装置38は、処理済みのディスク16に対象ディスク12と区別をするためのマークを付する。これにより、処理済みディスクを未処理の対象ディスク12と外観上簡単に区別できる。マークは、吹きつけやスタンプ用塗料等を使用することが好ましい。また、マーカ装置38が、処理済みディスクに図示しないマークラベルを貼り付けるような機構を有していてもよい。
【実施例6】
【0034】
図5において、(c)は実施例6の装置の制御ブロック図である。
本発明の装置は、既存のデータ書き込み装置をそのまま利用することもできる。図において、制御部34は複写制御プログラム53と破壊制御プログラム54のいずれかを起動して動作するコンピュータの演算処理装置である。ディスプレイ52には、処理済みディスクの枚数等が表示される。これは装置の壁面等に取り付けられた小型液晶ディスプレイ等が適する。警告ランプ50は、データ破壊処理を実行するときに、利用者に注意を促すように点灯する。
【0035】
装置全体の構成は、これまでの実施例と同様でよい。ドライブ28は、データ読み取りヘッドとデータ書き込みヘッドとを備える。データ書き込みヘッドは、生ディスクへのデータ書き込み処理と、対象ディスク12のデータ破壊処理のいずれかに使用される。モード切り換え手段48は、指定された処理を選択する信号を制御部34に供給する。モード切り換え手段48には、機械的に回路をオンオフするスイッチを採用できる。また、ディスプレイに表示されたアイコンをマウスやタッチパネル等で操作するスイッチも採用できる。
【0036】
コンピュータプログラムをデータ書き込み可能なCDやDVDに記録する業務を行う業者は、バージョンの古くなったプログラムやデータを記録したCDやDVDの廃棄処理を頻繁に行う。また、データの破壊処理は、データの記録処理をするヘッドで行うことができる。従って、データのコピー機能を持った装置にモード切り換え手段48を設けて、生ディスクへのデータ書き込み処理と、対象ディスク12のデータ破壊処理の両方を実行できる装置にした。これで、スペース的にもコスト的にもユーザーに貢献する。また、生ディスクへのデータ書き込み処理も対象ディスク12のデータ破壊処理も、全自動で無人運転ができる。
【0037】
図6は、上記の実施例に使用される制御部の概略動作フローチャートである。
まず、図1に示す制御部34がデータ破壊制御モードで起動する。ステップS11では、供給側収納部14のセンサ27の出力を読み取る。ステップS12では、その出力により、供給側収納部14の中に対象ディスクがあるかどうかという判断をする。この判断の結果がイエスのときはステップS13の処理に移行し、ノーのときはステップS11に戻る。ステップS13では、供給側収納部14にグリッパ30を移動する。
【0038】
ステップS14では、グリッパ30が対象ディスク12を取り上げる。ステップS15では、対象ディスク12をドライブ28に搬送してセットする。ステップS16では、ドライブ28が対象ディスク12のデータ読み取り処理をする。ステップS17では、データが読み取り可能かどうかという判断をする。この判断の結果がイエスのときはステップS22の処理に移行し、ノーのときはステップS18の処理に移行する。
【0039】
ステップS18では、リジェクト収納部22のセンサ27の出力を読み取る。ステップS19では、リジェクト収納部22が満杯かどうかという判断をする。満杯の場合には処理を終了する。満杯でなければ、ステップS20でディスクの反転をする。その後ステップS21で、そのディスクをリジェクト収納部に搬送する。
【0040】
一方、正常なディスクはステップS22で、ドライブ28による破壊処理が実行される。ステップS23で、そのディスクを排出側収納部18に搬送して排出する。ステップS24では、供給側収納部14の中の全てのディスクについてデータの破壊処理が終了したかどうかという判断をする。ノーの場合にはステップS11に戻る。こうして連続運転がされる。イエスの場合には装置の動作を終了する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】実施例1のディスク自動廃棄処理装置を示し、(a)はその外観斜視図、(b)は主要部のブロック図である。
【図2】装置各部の具体的な構成説明図で、(a)は供給側収納部14やリジェクト収納部の構成を示す斜視図、(b)はドライブやその駆動機構や処理ヘッドの斜視図である。また、(c)は搬送部32の側面図である。
【図3】動作説明のための搬送部の正面図である。
【図4】動作説明のための搬送部の側面図である。
【図5】(a)は表裏反転機構40を示す側面図、(b)は予備加熱装置42を示す側面図、(c)は開口44と外付け容器46を示す斜視図、(d)は実施例7の装置の制御ブロック図である。
【図6】上記の実施例に使用される制御部の概略動作フローチャートである。
【符号の説明】
【0042】
10 ディスク自動廃棄処理装置
11 蓋
12 対象ディスク
14 供給側収納部
15 スリット
16 処理済みのディスク
18 排出側収納部
20 不正処理ディスク
22 リジェクト収納部
23 駆動機構
24 トレイ
25 ターンテーブル
26 処理ヘッド
27 センサ
28 ドライブ
29 センサ
30 グリッパ
31 アーム
32 搬送部
33 ポール
34 制御部
35 レール
36 レーザ装置
38 マーカ装置
40 表裏反転機構
42 予備加熱装置
44 開口
46 外付け容器
48 モード切り換え手段
50 警告ランプ
52 ディスプレイ
53 複写制御プログラム
54 破壊制御プログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ破壊処理を実行する対象ディスクを積層して収納するための供給側収納部と、処理済みのディスクを収納する排出側収納部と、
前記対象ディスクを受け入れて回転駆動する駆動機構と、当該対象ディスクに記録されたデータの破壊処理をする処理ヘッドとを備えたドライブと、
前記供給側収納部に収納された前記対象ディスクを、1枚ずつ取り上げるグリッパと、
前記グリッパを移動させる移動機構を有する搬送部と、
前記搬送部と前記ドライブとを連携制御する制御部とを備え、
この制御部は、前記搬送部と前記グリッパを制御して、前記対象ディスクを前記供給側収納部から取り上げて前記ドライブまで搬送させ、前記対象ディスクを前記ドライブにセットし、前記ドライブを制御して、前記対象ディスクに記録されたデータの破壊処理を実行させ、その後、前記搬送部と前記グリッパを制御して、前記ドライブから処理済みのディスクを前記排出側収納部に搬送させるという一連の処理を繰り返すことを特徴とするディスク自動廃棄処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載のディスク自動廃棄処理装置において、
前記処理ヘッドは、前記対象ディスクに記録された情報を破壊するためのレーザ装置を備えることを特徴とするディスク自動廃棄処理装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のディスク自動廃棄処理装置において、
前記ドライブから処理済みのディスクを前記排出側収納部に搬送するための搬送路中に、前記処理済みのディスクに前記対象ディスクと区別をするためのマークを付するマーカ装置が配置されていることを特徴とするディスク自動廃棄処理装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載のディスク自動廃棄処理装置において、
不正処理ディスクを積層して収納するリジェクト収納部を設け、前記搬送部は、前記ドライブにおいてデータの破壊処理に失敗した不正処理ディスクを、当該ドライブから前記リジェクト収納部へ搬送させることを特徴とするディスク自動廃棄処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載のディスク自動廃棄処理装置において、
前記不正処理ディスクを前記リジェクト収納部へ搬送するとき、前記不正処理ディスクの表裏判定処理を実行し、不正処理ディスクの表裏を正常化する表裏反転機構を備えたことを特徴とするディスク自動廃棄処理装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載のディスク自動廃棄処理装置において、
前記排出側収納部は、外付け容器を装着する開口を備えることを特徴とするディスク自動廃棄処理装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載のディスク自動廃棄処理装置において、
前記ドライブは、データ読み取りヘッドとデータ書き込みヘッドとを備え、前記データ書き込みヘッドは前記処理ヘッドとして使用され、
生ディスクへのデータ書き込み処理と、対象ディスクのデータ破壊処理のいずれか、指定された処理を選択するモード切り換え手段を備えることを特徴とするディスク自動廃棄処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−287751(P2008−287751A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−128829(P2007−128829)
【出願日】平成19年5月15日(2007.5.15)
【出願人】(503136772)株式会社ユニテックス (3)
【Fターム(参考)】