説明

ディスク装置およびディスク搬入方法

【課題】 ユーザの意地悪操作にかかわらず、ディスクを装置本体内部に確実に搬入することができ、ひいては信頼性を向上することができる「ディスク装置およびディスク搬入方法」を提供すること。
【解決手段】 制御手段50は、一対の案内手段26,30が、判別手段23,29,50によって判別された外径のディスクの保持位置よりも互いに相対的に離間する方向に所定の移動量だけ多く移動させられた場合には、移動機構21,22に対して前記一対の案内手段26,30を互いに相対的に近接する方向に移動させるための制御を行うように形成されていること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスク装置およびディスク搬入方法に係り、特に、外径の異なる複数の種類のディスクをディスク装置本体内部に挿入するのに好適なディスク装置およびディスク搬入方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、8cmの外径を有するシングルディスク(以下、「小径ディスク」と称する)と、12cmの外径を有するノーマルディスク(以下、「大径ディスク」と称する)との双方を再生可能とされたディスク装置が採用されている。
【0003】
このようなディスク装置においては、ディスク装置の装置本体に形成された挿入口を介して装置本体内部にディスクを挿入する際に、検出スイッチ等の判別手段を介してディスクの外径を判別するようになっていた。
【0004】
そして、判別した外径のディスクに対応する保持位置に、一対の案内手段を移動させ、これら一対の案内手段によって、ディスクの挿入方向に直交する幅方向の両縁部を保持するようになっていた。
【0005】
そして、前記一対の案内手段によってディスクの両縁部を保持した状態で、ディスクに対して駆動モータの駆動力を伝達させることによって、前記一対の案内手段の間にディスクを保持しながら挿入方向へ案内するようになっていた。
【0006】
このように、ディスクの外径に応じて一対の案内手段の対向間隔を変更可能とされた機構については、すでに本出願人によって出願された特許文献1および特許文献2に記載の発明に開示されている。
【0007】
なお、特許文献1および特許文献2においては、前記一対の案内手段は、第1および第2の保持部材と称されている。
【0008】
【特許文献1】特開2002−117609号公報
【特許文献2】特開2003−217220号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記のように構成されたディスク装置によれば、例えば、ユーザが外径8cmの小径ディスクを装置本体内部に挿入する場合には、判別手段によってディスクの外径が8cmであると判定された後、一対の案内手段が8cmのディスクに対応する保持位置に移動されてディスクの幅方向の両縁部を保持することになる。
【0010】
しかしながら、このようにディスクの外径が8cmであると判別されて案内手段が8cmのディスクに対応する保持位置に移動された場合においても、ユーザが無理に案内手段を押し広げるようにしてディスクを挿入する場合には、ディスクが案内手段から脱落してしまう場合があった。
【0011】
このような意地悪操作をともなったディスクの挿入を行うと、従来はこのようなディスクの挿入に有効に対応することができず、ディスクをディスク装置本体内部に確実に搬入することができなくなるといった問題が生じていた。
【0012】
そこで、本発明は、このような問題に鑑みなされたものであり、ユーザの意地悪操作にかかわらず、ディスクをディスク装置本体内部に確実に搬入することができ、ひいては信頼性を向上することができるディスク装置およびディスク搬入方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前述した目的を達成するため、本発明に係るディスク装置の特徴は、ディスクの挿入方向および排出方向に直交する幅方向の両縁部をそれぞれ保持しながら前記ディスクを前記挿入方向または前記排出方向へ案内する一対の案内手段と、前記一対の案内手段を、前記幅方向に沿って相対的に接離するように移動させる移動機構と、前記ディスクがディスク装置本体内部に挿入される際に前記ディスクの外径を判別する判別手段と、前記移動機構に対して前記判別手段によって判別された外径のディスクの保持位置に前記案内手段を移動させるための制御を行う制御手段とを有するディスク装置であって、前記制御手段は、前記一対の案内手段が、前記判別手段によって判別された外径のディスクの保持位置よりも互いに相対的に離間する方向に所定の移動量だけ多く移動させられた場合には、前記移動機構に対して前記一対の案内手段を互いに相対的に近接する方向に移動させるための制御を行うように形成されている点にある。
【0014】
そして、このような構成によれば、ユーザの意地悪操作によって、案内手段が判別手段によって判別された外径のディスクに対応する保持位置よりも押し広げられた場合においても、制御手段による移動機構の制御によって、案内手段をディスクの保持位置まで直ちに戻すことが可能となる。
【0015】
また、本発明に係るディスク装置の特徴は、判別手段が、ディスクの両縁部にそれぞれ直接または間接的に押圧されることによって、前記両縁部を個別に検出可能とされた一対の検出スイッチを備えた点にある。
【0016】
そして、このような構成によれば、簡易な構成によってディスクの外径を正確に判別することが可能となる。
【0017】
さらに、本発明に係るディスク装置の特徴は、判別手段が、所定の判別位置において、一対の検出スイッチのうちの一方のみが、これに対応するディスクの縁部を検出することができる場合には、当該ディスクの外径を小径であると判別し、前記一対の検出スイッチの双方が、ディスクの両縁部を検出することができる場合には、当該ディスクの外径を大径であると判別する点にある。
【0018】
そして、このような構成によれば、ディスクの外径が小径であるかまたは大径であるかをさらに簡易な構成によって判別することが可能となる。
【0019】
さらにまた、本発明に係るディスク装置の特徴は、一対の案内手段の移動位置を検出するリニアポジションセンサを有し、このリニアポジションセンサの検出結果に基づいて、制御手段が前記案内手段の移動を制御する点にある。
【0020】
そして、このような構成によれば、リニアポジションセンサによって案内手段の移動位置を高精度に検出することが可能となる。
【0021】
また、本発明に係るディスク搬入方法の特徴は、ディスク装置の装置本体内部に挿入されるディスクの外径を判別し、この判別した外径のディスクの保持位置に一対の案内手段を移動させ、これら一対の案内手段によってディスクの幅方向の両縁部を保持しながら前記ディスクを前記装置本体内部へ案内するディスク搬入方法であって、前記一対の案内手段が、前記判別した外径のディスクの保持位置よりも互いに相対的に離間する方向に所定の移動量だけ多く移動させられた場合には、前記一対の案内手段を互いに相対的に近接する方向に移動させる制御を行う点にある。
【0022】
そして、このような方法によれば、ユーザの意地悪操作によって、案内手段が判別手段によって判別された外径のディスクに対応する保持位置よりも押し広げられた場合においても、制御手段による移動機構の制御によって、案内手段をディスクの保持位置まで直ちに戻すことが可能となる。
【0023】
さらに、本発明に係るディスク搬入方法の特徴は、ディスクの両縁部にそれぞれ直接または間接的に押圧されることによって前記両縁部を個別に検出する一対の検出スイッチの検出結果に基づいて、前記ディスクの外径を判別する点にある。 そして、このような方法によれば、簡便な方法によってディスクの外径を正確に判別することが可能となる。
【0024】
さらにまた、本発明に係るディスク搬入方法の特徴は、所定の判別位置において、一対の検出スイッチのうちの一方のみが、これに対応するディスクの縁部を検出することができる場合には、当該ディスクの外径を小径と判別し、前記一対の検出スイッチの双方が、前記ディスクの両縁部を検出することができる場合には、当該ディスクの外径を大径と判別する点にある。
【0025】
そして、このような方法によれば、ディスクの外径が小径であるかまたは大径であるかをさらに簡便な方法によって判別することが可能となる。
【0026】
また、本発明に係るディスク搬入方法の特徴は、一対の案内手段の移動位置を検出するリニアポジションセンサの検出結果に基づいて、前記案内手段の移動を制御する点にある。
【0027】
そして、このような方法によれば、リニアポジションセンサによって案内手段の移動位置を高精度に検出することが可能となる。
【発明の効果】
【0028】
本発明に係るディスク装置によれば、ユーザの意地悪操作によって、案内手段が判別手段によって判別された外径のディスクに対応する保持位置よりも押し広げられた場合においても、制御手段による移動機構の制御によって、案内手段をディスクの保持位置まで直ちに戻すことができる結果、意地悪操作にかかわらずディスクを装置本体内部に確実に搬入することができ、ひいては信頼性を向上することができるディスク装置を実現することができる。
【0029】
また、本発明に係るディスク装置によれば、簡易な構成によってディスクの外径を正確に判別することができる結果、意地悪操作にかかわらずディスクをディスク装置本体内部に確実に搬入することができるディスク装置を安価に実現することができる。
【0030】
さらに、本発明に係るディスク装置によれば、ディスクの外径が小径であるかまたは大径であるかをさらに簡易な構成によって判別することができる結果、意地悪操作にかかわらずディスクを装置本体内部に確実に搬入することができるディスク装置をより安価に実現することができる。
【0031】
さらにまた、本発明に係るディスク装置によれば、リニアポジションセンサによって案内手段の移動位置を高精度に検出することができる結果、意地悪操作にさらに有効に対処することができるディスク装置を実現することができる。
【0032】
また、本発明に係るディスク搬入方法によれば、ユーザの意地悪操作によって、案内手段が判別手段によって判別された外径のディスクに対応する保持位置よりも押し広げられた場合においても、制御手段による移動機構の制御によって、案内手段をディスクの保持位置まで直ちに戻すことができる結果、意地悪操作にかかわらずディスクを装置本体内部に確実に搬入することができ、ひいては信頼性を向上することができるディスク搬入方法を実現することができる。
【0033】
さらに、本発明に係るディスク搬入方法によれば、簡便な方法によってディスクの外径を正確に判別することができる結果、意地悪操作にかかわらずディスクを装置本体内部に確実に搬入することができるディスク搬入方法を安価に実現することができる。
【0034】
さらにまた、本発明に係るディスク搬入方法によれば、ディスクの外径が小径であるかまたは大径であるかをさらに簡便な方法によって判別することができる結果、意地悪操作にかかわらずディスクを装置本体内部に確実に搬入することができるディスク搬入方法をより安価に実現することができる。
【0035】
また、本発明に係るディスク搬入方法によれば、リニアポジションセンサによって案内手段の移動位置を高精度に検出することができる結果、意地悪操作にさらに有効に対処することができるディスク搬入方法を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、本発明に係るディスク装置の実施形態について、図1乃至図7を参照して説明する。
【0037】
図1乃至図7に示す本実施形態におけるディスク装置は、外径が8cmの小径ディスクDSと、外径が12cmの大径ディスクDLとの双方を再生可能とされている。
【0038】
また、本実施形態におけるディスク装置は、その装置本体の正面に、液晶表示パネルや各種のスイッチ類を有する図示しないノーズ部を有している。
【0039】
このノーズ部には、図4に示すように、ディスクDの挿入方向(図1におけるY1方向)および排出方向(Y2方向)に直交する幅方向(X1−X2方向)に長尺とされたスリット状の挿入口4が形成されている。
【0040】
挿入口4には、開閉ドア7が、回動支軸7aを支点としてノーズ部の外側方向に開閉可能に支持されており、この開閉ドア7の開放状態において、挿入口4を通して装置本体内部へのディスクDの挿入および装置本体内部からのディスクDの排出が可能とされている。
【0041】
ディスク装置1の奥部には、大径ディスクDLを収納するためのストック部3が配設されており、このストック部3は、挿入口4を通して装置本体内部に挿入された大径ディスクDLをトレイに保持することによって、複数枚の大径ディスクDLを厚み方向に積み重ねた状態で収納するようになっている。
【0042】
図2および図3に示すように、挿入口4とストック部3との間には、ディスクDの搬入および搬出を行うディスク搬送手段5が配設されている。
【0043】
また、ディスク装置1の筐体2における底板2A上には、幅方向(図1におけるX1−X2方向)に沿ってギア歯が形成された第1ラック11が配設されている。第1ラック11は、幅方向に長尺とされた案内孔11a,11bを有しており、この案内孔11a,11bには、筐体2における底板2Aから切り起こされた折曲片2a,2bが挿通されている。したがって、第1ラック11は、案内孔11a,11bに案内された状態で、幅方向に摺動可能とされている。
【0044】
第1ラック11の図3における上部には、第1支持基台15が不動状態に配設されており、この第1支持基台15の下面には、リニアポジションセンサ(位置センサ)16が固定されている。
【0045】
リニアポジションセンサ16は、図示はしないが、幅方向に長尺な抵抗体と、この抵抗体上を幅方向に沿って摺動する摺動子とを有する直線可変抵抗器により構成されている。
【0046】
前記摺動子には、図3における下方に伸びる可動片16aが、幅方向に沿って前記摺動子と一体的に移動自在に配設されており、この可動片16aの先端は、第1ラック11に形成された係止孔11cに係合されている。
【0047】
したがって、可動片16aは、第1ラック11とともに幅方向に移動することができ、これによって、リニアポジションセンサ16が、後述の第1および第2移動部材21,22の移動位置を高精度に検出することができるようになっている。
【0048】
第1支持基台15の下面には、回転リンク17と押圧板18とがそれぞれ配設されている。
【0049】
回転リンク17は、第1乃至第3アーム17A,17B,17Cからなる3本のアーム部を有しており、第1アーム17Aには、第1ラック11に形成された案内孔11aに入り込む係止片17aが形成されている。
【0050】
また、第2アーム17Bには、係合片17bが形成されており、この係止片17bは、第1支持基台15に穿設された回動孔15aに挿入されて支持されている。これにより、回転リンク17は、回動孔15aを支点として図3に示すα1およびα2方向に回動可能とされている。
【0051】
より具体的には、回転リンク17は、第1ラック11がX1方向に移動すると、この移動にともなってα1方向に従動回転し、第1ラック11がX2方向に移動すると、この移動にともなってα2方向に従動回転するようになっている。
【0052】
回転リンク17の下面には、凸状の軸17dが突出形成されており、この軸17dは、押圧板18に形成された長孔18aに嵌入されている。
【0053】
押圧板18のY2側の先端は、第1支持基台15における折曲片15Bに形成された切欠き部15bに挿通されており、この切欠き部15bに保持されるようにして、押圧板18が、図3に示すY1−Y2方向に進出可能とされている。
【0054】
回転リンク17の第3アーム17Cの先端と、押圧板18の一方(図示Y1側)の先端との間には、コイルスプリングS1が架設されている。
【0055】
押圧板18の他方(図示Y2側)の先端には、押圧片18bが形成されており、この押圧片18bは、開閉ドア7の背面に形成された被押圧部7bに対向している(図4参照)。
【0056】
そして、押圧板18がY2方向に突出すると、押圧片18bが被押圧部7bを外部方向に押圧するため、開閉ドア7が回動支軸7aを支点にδ2方向に押し開かれて挿入口4が開放されるようになっている。一方、押圧板18がY1方向に戻されると、開閉ドア7が自重によりδ1方向に下がるため、挿入口4が閉塞されるようになっている。
【0057】
そして、第1支持基台15の上部には、略L字形状に形成された第1移動部材21が配設されており、この第1移動部材21は、本実施形態における移動機構の一部を構成するようになっている。
【0058】
第1移動部材21の下面には、図3における下方向(Z2方向)に伸びる可動ピン21a,21bと可動腕21cとが配設されており、これらの可動ピン21a,21bおよび可動腕21cは、第1支持基台15に形成されたガイド孔15c,15d,15eにそれぞれ挿通されている。
【0059】
したがって、第1移動部材21は、可動ピン21a,21bおよび可動腕21cが、ガイド孔15c,15d,15eに案内されるようにして、幅方向に移動することが可能とされている。
【0060】
第1移動部材21の下面には、幅方向に沿ってギア歯が形成された第2ラック12が配設されており、この第2ラック12は、移動機構の一部を構成するようになっている。
【0061】
第2ラック12は、面内に穿設されたガイド孔12a,12b内に第1移動部材21の下面から折り曲げ形成された折曲片21d,21eがぞれぞれ挿通されている。
【0062】
第1移動部材21におけるX2側には折曲片21Aが形成されており、この折曲片21Aには、本実施形態における案内手段の一部を構成する図3のY1−Y2方向に沿って長尺な第1案内部材26が、そのY2側の端部を介して強固に固定されている。
【0063】
また、第1移動部材21の下面であって可動腕21cの近傍位置には、本実施形態における判別手段の一部を構成する第1検出スイッチ23が配設されている。
【0064】
さらに、第1案内部材26の内側(図3におけるX1側)の面には、Y1−Y2方向に長尺とされた長溝26Aが形成されている。この長溝26Aの断面形状は、X1側の開口端側が広く、X2側が狭い略V字形状に形成されており、このように形成された長溝26Aによって、ディスクDの縁部を適正に保持することができるようになっている。
【0065】
一方、第1移動部材21のX2方向の端部には、判別手段の一部を構成する判別部材24が配設されており、この判別部材24は、軸24aを支点として図3に示すε1およびε2方向に回転自在とされている。さらに、判別部材24は、付勢部材S2によってε1方向に付勢されている。
【0066】
判別部材24には、第1案内部材26におけるY2方向の先端に向かって閉塞腕24bが曲げ形成されており、この閉塞腕24bは、判別部材24がε2方向に回動することによって長溝26Aの端部を開放し、判別部材24がε1方向に回動することによって長溝26Aの端部を塞ぐことができるようになっている。
【0067】
さらに、判別部材24の他端には、Z2方向に折り曲げられた押圧片24cが形成されており、この押圧片24cは、第1検出スイッチ23のアクチュエータ23aに対向可能とされている。
【0068】
そして、本実施形態においては、判別部材24がε2方向に回動することにより、押圧片24cがアクチュエータ23aを押圧して第1検出スイッチ23をON状態に切り換えるようになっている。一方、判別部材24がε1方向に回動することにより、押圧片24cがアクチュエータ23aを解放して第1検出スイッチ23をOFF状態に切り換えるようになっている。
【0069】
このように、第1検出スイッチ23がOFF状態からON状態に切り換えられることにより、第1案内部材26にディスクDが保持されたことを検出することができるようになっている。
【0070】
第1移動部材21の上部には、筐体2における底板2Aに固定された第2支持基台25が不動状態に配設されている。そして、この第2支持基台25の上部には、移動機構の一部を構成する第2移動部材22が配設されている。
【0071】
第2移動部材22の下面には、Z2方向に伸びる可動ピン22a,22bおよび可動腕22cが配設されており、これら可動ピン22a,22bおよび可動腕22cは、第2支持基台25に形成された対応するガイド孔25a,25b,25c内にそれぞれ挿通されている。
【0072】
したがって、第2移動部材22は、前記可動ピン22a,22bおよび可動腕22cがガイド孔25a,25b,25cにそれぞれ案内されるようにして、幅方向に沿って移動可能とされている。
【0073】
第2移動部材22の下面には、幅方向に沿ってギア歯が形成された第3ラック13が配設されており、この第3ラックは、移動機構の一部を構成するようになっている。
【0074】
第2移動部材22の上面には、ディスクDの挿入方向(Y1方向)に並ぶ第1乃至第4案内プーリ31,32,33,34からなる第2案内部材30が配設されており、この第2案内部材30は、第1保持部材26とともに案内手段を構成するようになっている。
【0075】
第1乃至第4案内プーリ31,32,33,34における上下の円盤の各対向面は、ともに中心から外側方向に肉厚が薄くなるテーパ面で形成されており、この対向面の間にディスクDの縁部を挟持することができるようになっている。
【0076】
また、図1に示すように、第1乃至第4案内プーリ31,32,33,34におけるZ2側の円盤の下面には、それぞれギヤ歯が形成されており、各ギア歯の間には、伝達ギヤ35,36,37が噛合されている。
【0077】
したがって、伝達ギヤ35,36,37を介して第1乃至第4案内プーリ31,32,33,34が連続的に連結されており、これにより、第1乃至第4案内プーリ31,32,33,34は全て同一方向に回転可能とされている。
【0078】
伝達ギヤ35には、連動ギヤ38が噛合されており、この連動ギア38を介して第1乃至第4プーリ31,32,33,34に図示しない搬送モータの駆動力を伝達することができるようになっている。
【0079】
そして、第1乃至第4案内プーリ31,32,33,34が、図1における時計方向に回転することによって、ディスクDを装置本体内部に搬入することができ、反時計方向に回転することによって、ディスクDを装置本体外部に排出することができるようになっている。
【0080】
第2案内プーリ32における回転軸32a上には、判別手段の一部を構成する第1回動アーム27が軸支されており、この第1回動アーム27は、回転軸32aを支点として、一定の範囲で図3に示すβ1−β2方向に回動自在とされている。
【0081】
第1回動アーム27の先端には、前述した第1案内プーリ31が回転自在に軸支されている。
【0082】
また、第1回動アーム27には、Z1方向に折り曲げられた押圧片27aが形成されている。
【0083】
さらに、第1回動アーム27における押圧片27aの近傍位置には、第2検出スイッチ29が配設されており、この第2検出スイッチ29は、判別手段の一部を構成するようになっている。
【0084】
そして、第1回動アーム27における押圧片27aが、第2検出スイッチ29のアクチュエータ29aを押圧することにより、第1回動アーム27がβ1方向に回動されていることを検出することができるようになっている。
【0085】
なお、第1回動アーム27は、付勢部材S3によってX2方向に付勢されており、同時に、第1案内プーリ31はβ2方向に付勢されている。
【0086】
一方、第3案内プーリ33における回転軸33a上にも、この回転軸33aを支点として、一定の範囲で回動する第2回動アーム28が軸支されており、この第2回動アーム28の先端には、第4案内プーリ34が回転自在に支持されている。
【0087】
第2回動アーム28は、付勢部材S4によってX1方向に付勢されており、同時に、第4案内プーリは図3に示すγ1方向に付勢されている。
【0088】
さて、図3に示すように、第1および第2ラック11,12のギヤ歯11A,12Aは、同一方向(図3におけるY1方向)に向けて形成され、第3ラック13のギヤ歯13Aは、これに対向する方向(図3におけるY2方向)に向けて形成されている。
【0089】
そして、第1および第2ラック11,12と第3ラック13との間には、移動機構の一部を構成する動力伝達部材40が配設されている。
【0090】
動力伝達部材40は、中央の回転体40Aの側面にギヤ歯が形成されたピニオン40aと、回転体40Aの両軸方向に伸びる小径の上部ギヤ40bおよび下部ギヤ40cとが一体的に形成されてなる。
【0091】
上部ギヤ40bには、第2ラック12のギヤ歯12Aと、第3ラック13のギヤ歯13Aとが、互いに対向する状態で噛合され、下部ギア40cには、第1ラック11のギヤ歯11Aが噛合されている。
【0092】
そして、ピニオン40aには、移動機構の一部を構成する移動モータM1が、その回転軸に設けられたギア(図示せず)を介して噛合されている。
【0093】
したがって、移動モータM1の動力を、動力伝達部材40を介して第1ラック11および第1、第2移動部材21,22に伝達することができるようになっている。
【0094】
より具体的には、例えば、移動モータM1の始動によって動力伝達部材40が図3における時計方向に回転すると、この動力伝達部材40に噛合された第1ラック11および第2ラック12は、ともにX2方向に移動し、一方、第3ラック13は、X1方向に移動するようになっている。
【0095】
逆に、動力伝達部材40が、図3における反時計方向に回転すると、第1ラック11および第2ラック12は、ともにX1方向に移動し、第3ラック13はX2方向に移動するようになっている。
【0096】
すなわち、動力伝達部材40が時計方向に回転すると、第1移動部材21と第2移動部材22とが互いに離間する方向に移動し、動力伝達部材40が反時計方向に回転すると、第1移動部材21と第2移動部材22とが互いに近接する方向に移動するようになっている。
【0097】
また、第1移動部材21と第2移動部材22とが互いに離間する方向に移動すると、これにともなって、リニアポジションセンサ16の可動片16aが、X2方向に移動するようになっている。逆に、第1移動部材21と第2移動部材22とが互いに近接する方向に移動すると、リニアポジションセンサ16の可動片16aは、X1方向に移動するようになっている。これにより、第1移動部材21および第2移動部材22におけるX1−X2方向の位置を検出することができるようになっている。
【0098】
ディスク搬送手段5とストック部3との間には、ターンテーブル、スピンドルモータ、クランパおよびピックアップ等を有するディスク駆動部6が配設されている(図2参照)。ただし、ディスク駆動部6は、図示しない移動手段によって、挿入口4とストック部3との間をY1−Y2方向に移動可能とされており、ストック部3においてディスクの交換を行うときには、挿入口4方向(Y2方向)に退避可能とされている。
【0099】
そして、本実施形態におけるディスク装置1には、判別手段の一部を構成するとともに、本実施形態における制御手段として機能するCPU等の制御部50が内蔵されている。
【0100】
制御部50は、各種の検出手段(リニアポジションセンサ16および第1,第2検出スイッチ23,29等)の出力を受けて、移動モータM1、搬送モータ、スピンドルモータなどのモータ制御や、ディスクの外径の判別、あるいはディスクの再生動作の制御などを行うようになっている。
【0101】
次に、制御部50のより具体的な構成と、この制御部50の制御に基づくディスク装置1の動作について、各動作モードごとに分けて説明する。
【0102】
(1)挿入待機状態(待機位置)における動作
装置本体に対するディスクDの挿入待機状態において、制御部50は、ノーズ部等に設けられた図示しないボタンの入力操作により、動力伝達部材40が図3における反時計方向に回転する方向に移動モータM1を回転させるための制御を完了した状態になっている。
【0103】
この制御部50による制御によって、第1移動部材21はX1方向に、第2移動部材22はX2方向に移動された状態になっている。
【0104】
すなわち、図5に示すように、左端側の第1案内部材26と右端側の第2案内部材30とが互いに最も近接し合う待機位置に移動されている。
【0105】
この待機位置においては、第1案内部材26と第2案内部材30とが、小径ディスクDSの直径よりも狭い間隔で対向するようになっている。
【0106】
また、待機位置においては、図5において点線で示すように、判別部材24がε1方向に回動され、また、回動アーム27がβ2方向に回動されており、さらに、第1および第2検出スイッチ23,29はともにOFF状態になっている。
【0107】
さらに、このとき、第1ラック11もX1方向に移動されており、これによって、回転リンク17の係止片17aが第1ラック11の案内孔11aによってX1方向に引かれ、回転リンク17がα1方向に回動されている。この回動リンク17の回動により、回転リンク17における第3アーム17Cがα1方向に回動するため、押圧板18の押圧片18bはY2方向に突出することになる。
【0108】
この結果、挿入口4の開閉ドア7が押し開かれ、ディスクDを装置本体内部に挿入することができるようになっている。
【0109】
このとき、制御部50は、図示しないドアセンサの検出結果に基づいて開閉ドア7の開放状態を確認するようになっている。
【0110】
なお、第1ラック11がX2方向に移動されている場合には、回転リンク17における第3アーム17Cがα2方向に回動するため、押圧板18の押圧片18bがY2方向に突出することはない。したがって、挿入口4の開閉ドア7は閉鎖状態にあるため、外部からディスクDの挿入が禁止されることになる。
【0111】
そして、待機位置における第1移動部材21の幅方向の位置は、リニアポジションセンサ16によって検出されるようになっている。
【0112】
(2)ディスク挿入時における動作
(挿入開始時)
図5において点線で示すように、前記待機位置において、ディスクD(小径ディスクDS又は大径ディスクDL)を挿入口4に挿入すると、ディスクDの先端の縁部が、第1プーリ31と判別部材24の閉塞腕24bとに当接するようになっている。
【0113】
そして、図5において実線で示すように、ディスクDをさらにY1方向に押し入れると、X2側においては、判別部材24がディスクDの縁部によってε2方向に回動させられるようになっている。この判別部材24の回動によって、第1案内部材26の長溝26Aの端部が開放され、長溝26A内にディスクDの縁部が保持されるようになっている。このとき、第1検出スイッチ23がON状態に切り換えられることによって、ディスクDにおける左側の縁部が検出されるようになっている。
【0114】
一方、X1側においては、第1プーリ31が、ディスクDの縁部の形状に沿って外側方向(X1方向)に押されるため、回動アーム27がβ1方向に回動するようになっている。この回動アーム27の回動によって、第2検出スイッチ29はON状態に切り換えられ、これによって、ディスクDにおける右側の縁部が検出されるようになっている。
【0115】
また、このとき、制御部50は、第1および第2検出スイッチ23,29の両スイッチのON出力により、ディスクDが第1案内部材26と第2案内部材30における第1プーリ31との間に挿入されたことを認識するようになっている。
【0116】
そして、制御部50は、第1および第2検出スイッチ23,29のON出力を検出すると、動作伝達部材40が時計方向に回転する方向に移動モータM1を回転させるための制御を行うようになっている。
【0117】
これにより、第1案内部材26と第1プーリ31を含む第2案内部材30との対向間隔が、小径ディスクDSの保持位置(図6の(I)参照)よりも広くなり、図6において(II)で示すディスクの外径の判別位置に設定されるようになっている。
【0118】
(小径ディスクの場合)
そして、挿入口4に挿入されたディスクDが小径ディスクDSである場合には、この小径ディスクDSが判別位置に至ったときに、判別部材24がε1方向に回動するか、または、第1回動アーム27がβ2方向に戻されるようになっている。
【0119】
これにより、第1検出スイッチ23および第2検出スイッチ29のいずれか一方がOFF状態に切り換えられるようになっている。換言すると、第1スイッチ23および第2検出スイッチ29のいずれか一方のみがON状態を維持するようになっている。
【0120】
なお、図6の点線は、判別部材24のみがε1方向に戻され、第1検出スイッチ23がOFF状態に切り換えられた状態を示している。
【0121】
そして、制御部50は、第1および第2検出スイッチ23,29のいずれか一方がOFF状態に切り換わったことを検出することにより、挿入されたディスクDが小径ディスクDSであることを簡単かつ正確に判別することができるようになっている。
【0122】
さらに、制御部50は、小径ディスクDSであることを判別すると、第1案内部材26と第2案内部材30とをリニアポジションセンサ16の出力を監視しながら図6において(I)で示す小径ディスクの保持位置まで戻し、移動モータM1の回転を停止させるようになっている。
【0123】
この結果、小径ディスクDSにおける左側の縁部が第1案内部材26の長溝26Aに押し付けられ、かつ、右側の縁部に第1乃至第4案内プーリ31,32,33,34の送り力が作用するため、小径ディスクDSを挿入方向(Y1方向)へ案内することができるようになっている。
【0124】
(意地悪操作がなされた場合)
小径ディスクDSは、通常の挿入を行えば、前記のように第1案内部材26と第2案内部材30との間に適正に保持された状態で挿入方向へ確実に案内されることになる。
【0125】
しかしながら、ユーザの意地悪操作によって第1案内部材26と第2案内部材30との対向間隔が無理矢理広げられるようにして小径ディスクDSが挿入される場合がある。
【0126】
本実施形態においては、このような意地悪操作がなされた場合においても、小径ディスクDSを第1および第2案内部材26,30から脱落させずに挿入方向へ確実に案内するための手段が講ぜられている。
【0127】
すなわち、制御部50は、意地悪操作によって、第1および第2案内部材26,30が判別手段によって判別された小径ディスクDSの保持位置よりも互いに離間する方向に所定の移動量だけ多く移動させられた場合に、第1および第2案内部材26,30を互いに近接する方向に移動させる方向に移動モータM1を回転させるための制御を行うようになっている。
【0128】
これにより、ユーザによる意地悪操作がなされて第1案内部材26と第2案内部材30との対向間隔が小径ディスクDSの保持位置における対向間隔よりも広げられたとしても、第1および第2案内部材26,30を小径ディスクDSの保持位置まで直ちに戻すことができるようになっている。
【0129】
さらに、制御部50は、前述したリニアポジションセンサ16の出力に基づいて第1および第2案内部材26,30の移動量を求め、この移動量が予め設定された値を超える場合に移動モータM1に対する前記制御を行うようになっている。
【0130】
このように、リニアポジションセンサ16の検出結果(出力)に基づいて第1および第2案内部材26,30の移動量を正確に取得することによって、制御部50が意地悪操作に対してより適正な対応を行うことができるようになっている。
【0131】
(大径ディスクの場合)
一方、挿入口4に挿入されたディスクDが大径ディスクDLである場合には、図5に示すように、第1案内部材26と第2案内部材30とが判別位置に至っても、判別部材24はε2方向に、第1プーリ31はβ1方向にそれぞれ回動された状態に維持されるようになっている。
【0132】
したがって、第1検出スイッチ23および第2検出スイッチ29は、ともにON状態が維持されるため、制御部50は、挿入されたディスクDが大径ディスクDLであることを簡単かつ正確に判別することができるようになっている。
【0133】
制御部50は、挿入されたディスクDが大径ディスクDLであると判別した場合には、図7に示すように、第1プーリ31と第1案内部材26とを、リニアポジションセンサ16の出力を監視しながら大径ディスクDLの保持位置まで広げるための制御を行うようになっている。
【0134】
すなわち、制御部50は、第1移動部材21をX2方向に移動させ、第2移動部材22をX1方向に移動させる方向に移動モータM1を回転させるための制御を行うようになっている。
【0135】
そして、制御部50は、第1案内部材26と第2案内部材30とが、大径ディスクDLの保持位置に達したことをリニアポジションセンサ16の出力によって検出すると、移動モータM1を停止させるようになっている。
【0136】
また、制御部50は、第1案内部材26と第2案内部材30とが、判別位置から大径ディスクの保持位置に移動中においても、搬送モータを駆動する制御を行うようになっている。
【0137】
この結果、大径ディスクDLは、第1乃至第4案内プーリ31,32,33,34と第1案内部材26との間に保持された状態で挿入方向に確実に案内されるようになっている。
【0138】
(3)ディスクの駆動動作
ディスクD(小径ディスクDSまたは大径ディスクDL)がディスク駆動部6に達すると、判別部材24がε1方向に、第1プーリ31がβ2方向に回動されるため、第1および第2検出スイッチ23,29はともにOFF状態に切り換えられるようになっている。
【0139】
その後、図示しないプレースイッチがON状態に切り換えられることによって、制御部50は、ディスクDがディスク駆動部6に達したことを検出することができるようになっている。
【0140】
ディスク駆動部6に移送されたディスクDは、ターンテーブルに載置され、かつクランパによりクランプされるようになっている。
【0141】
このとき、制御部50が、搬送モータを停止させるとともにスピンドルモータおよびピックアップを駆動させることにより、ディスクDの再生動作が行なわれるようになっている。
【0142】
次に、本発明に係るディスク搬入方法の実施形態について、図8を参照して説明する。
【0143】
本実施形態においては、まず、図8におけるステップ1(ST1)において、ノーズ部に配設されたボタンの入力操作により、移動モータM1を駆動させて第1および第2移動部材26,30をディスクDの待機位置まで移動させる。このとき、押圧板18がY2方向に突出することによって開閉ドア7が開放状態になる。また、このとき、ドアセンサは、開閉ドア7の開放確認する。
【0144】
次いで、ステップ2(ST2)においては、ユーザの操作によって、ディスクを挿入口4に挿入する。このとき、前述したように、第1および第2検出スイッチ23,29の両スイッチがON状態となり、制御部50は、両スイッチ23,29のON出力を検出することによって、ディスクDが第1案内部材26と第2案内部材30における第1プーリ31との間に挿入されたことを認識する。
【0145】
次いで、ステップ3(ST3)においては、挿入口4に挿入されたディスクが判別位置に到達すると、この判別位置において、ディスクが小径ディスクDSであるか否かを制御部50によって判別する。この判別は、第1検出スイッチ23および第2検出スイッチ29のいずれか一方のみがON状態を維持しているか否かに基づいて行われる。
【0146】
そして、ディスクが小径ディスクDSである場合にはステップ4(ST4)に進み、小径ディスクDSでない場合、すなわち大径ディスクDLである場合には、ステップ5(ST5)に進む。
【0147】
ステップ4(ST4)においては、移動モータM1の駆動により、第1および第2案内部材26,30を小径ディスクDSの保持位置へ移動させた後、ステップ6(ST6)に進む。
【0148】
一方、ステップ5(ST5)においては、移動モータM1の駆動により第1および第2案内部材26,30を大径ディスクDLの保持位置へ移動させた後、ステップ8(ST8)に進む。
【0149】
次いで、ステップ6(ST6)においては、制御部50により、第1および第2案内部材26,30が、小径ディスクDSの保持位置から意地悪操作によって所定の移動量だけ互いに離間する方向に移動されたか否かを判定する。この判定は、制御部50がリニアポジションセンサ16の出力を監視することによって行われる。
【0150】
そして、所定の移動量だけ移動された場合にはステップ7(ST7)に進み、そうでない場合にはステップ8(ST8)に進む。
【0151】
ステップ7(ST7)においては、制御部50により、移動モータM1を駆動させて第1および第2案内部材26,30を小径ディスクDSの保持位置に戻し、その後、ステップ8(ST8)に進む。
【0152】
なお、ステップ6(ST6)からステップ8(ST8)へ直に進む場合には、移動モータM1を駆動せずに付勢部材の付勢力のみによって両案内部材26,30を小径ディスクDSの保持位置に戻すことになるが、第1および第2案内部材26,30の互いに離間する方向への移動量が少ないため、小径ディスクDSが脱落することはない。
【0153】
次いで、ステップ8(ST8)においては、ドアセンサがOFF状態で、かつ、プレースイッチがON状態であるか否かを制御部50により判定し、当該条件を満足する場合にはステップ9(ST9)に進み、満足しない場合にはステップ10(ST10)に進む。
【0154】
ステップ9(ST9)においては、ディスクが確実に搬入されたものとして、駆動動作(チャッキング)へ移行する。
【0155】
一方、ステップ10(ST10)においては、ドアセンサがOFF状態で、かつ、プレースイッチがOFF状態であるか否かを制御部50により判定し、当該条件を満足する場合にはステップ1(ST1)に戻り、満足しない場合には、ステップ11(ST11)に進む。
【0156】
ステップ11(ST11)においては、エラーであると判定し、エラー処理へ移行する。
【0157】
したがって、本実施形態においては、小径ディスクDSを挿入する場合において、ユーザの意地悪操作によって、第1および第2案内部材26,30が小径ディスクDSの保持位置よりも押し広げられた場合においても、第1および第2案内部材26,30を小径ディスクDSの保持位置まで直ちに戻すことができる。
【0158】
この結果、意地悪操作にかかわらず小径ディスクDSを装置本体内部に正確に搬入することができ、ひいては信頼性を向上することができる。
【0159】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0160】
【図1】本発明に係るディスク装置の実施形態において、内部構造の外観を示す斜視図
【図2】図1の平面図
【図3】本発明に係るディスク装置の実施形態において、挿入口付近の機構を示す分解斜視図
【図4】本発明に係るディスク装置の実施形態において、開閉ドアと押圧片との関係を示す挿入口付近の断面図
【図5】本発明に係るディスク装置の実施形態において、挿入待機状態(待機位置)における案内部材とディスクとの関係を示す平面図
【図6】本発明に係るディスク装置の実施形態において、判別位置及び小径ディスクの保持位置における案内部材とディスクとの関係を示す平面図
【図7】本発明に係るディスク装置の実施形態において、大径ディスクの保持位置における案内部材とディスクとの関係を示す平面図
【図8】本発明に係るディスク搬入方法の実施形態を示すフローチャート
【符号の説明】
【0161】
21 第1移動部材
22 第2移動部材
23 第1検出スイッチ
26 第1案内部材
29 第2検出スイッチ
30 第2案内部材
40 動力伝達部材
50 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスクの挿入方向および排出方向に直交する幅方向の両縁部をそれぞれ保持しながら前記ディスクを前記挿入方向または前記排出方向へ案内する一対の案内手段と、
前記一対の案内手段を、前記幅方向に沿って相対的に接離するように移動させる移動機構と、
前記ディスクがディスク装置本体内部に挿入される際に前記ディスクの外径を判別する判別手段と、
前記移動機構に対して前記判別手段によって判別された外径のディスクの保持位置に前記案内手段を移動させるための制御を行う制御手段と
を有するディスク装置であって、
前記制御手段は、前記一対の案内手段が、前記判別手段によって判別された外径のディスクの保持位置よりも互いに相対的に離間する方向に所定の移動量だけ多く移動させられた場合には、前記移動機構に対して前記一対の案内手段を互いに相対的に近接する方向に移動させるための制御を行うように形成されている
ことを特徴とするディスク装置。
【請求項2】
前記判別手段は、前記ディスクの前記両縁部にそれぞれ直接または間接的に押圧されることによって、前記両縁部を個別に検出可能とされた一対の検出スイッチを備えたことを特徴とする請求項1に記載のディスク装置。
【請求項3】
前記判別手段は、所定の判別位置において、前記一対の検出スイッチのうちの一方のみが、これに対応する前記ディスクの縁部を検出することができる場合には、当該ディスクの外径を小径であると判別し、前記一対の検出スイッチの双方が、前記ディスクの両縁部を検出することができる場合には、当該ディスクの外径を大径であると判別することを特徴とする請求項2に記載のディスク装置。
【請求項4】
前記一対の案内手段の移動位置を検出するリニアポジションセンサを有し、このリニアポジションセンサの検出結果に基づいて、前記制御手段が前記案内手段の移動を制御することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のディスク装置。
【請求項5】
ディスク装置の装置本体内部に挿入されるディスクの外径を判別し、この判別した外径のディスクの保持位置に一対の案内手段を移動させ、これら一対の案内手段によってディスクの幅方向の両縁部を保持しながら前記ディスクを前記装置本体内部へ案内するディスク搬入方法であって、
前記一対の案内手段が、前記判別した外径のディスクの保持位置よりも互いに相対的に離間する方向に所定の移動量だけ多く移動させられた場合には、前記一対の案内手段を互いに相対的に近接する方向に移動させる制御を行う
ことを特徴とするディスク搬入方法。
【請求項6】
前記ディスクの前記両縁部にそれぞれ直接または間接的に押圧されることによって前記両縁部を個別に検出する一対の検出スイッチの検出結果に基づいて、前記ディスクの外径を判別することを特徴とする請求項5に記載のディスク搬入方法。
【請求項7】
所定の判別位置において、前記一対の検出スイッチのうちの一方のみが、これに対応する前記ディスクの縁部を検出することができる場合には、当該ディスクの外径を小径と判別し、前記一対の検出スイッチの双方が、前記ディスクの両縁部を検出することができる場合には、当該ディスクの外径を大径と判別することを特徴とする請求項6に記載のディスク搬入方法。
【請求項8】
前記一対の案内手段の移動位置を検出するリニアポジションセンサの検出結果に基づいて、前記案内手段の移動を制御することを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれか1項に記載のディスク搬入方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−12323(P2006−12323A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−189629(P2004−189629)
【出願日】平成16年6月28日(2004.6.28)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】