説明

ディスク装置および撮像装置

【課題】装置の小型化を達成することができるディスク装置の提供。
【解決手段】イジェクトアーム、右ガイドアーム、イジェクトサブアーム、右ガイドばねおよびイジェクトばねを備えて構成され第3イジェクトサブピンで駆動されるアーム機構と、ターテーブル321が設けられた台座310を昇降させ昇降ピン214で駆動される昇降機構と、第3イジェクトサブピンおよび昇降ピン214を操作するスライドカム240と、を備え、スライドカム240に、第3イジェクトサブピンと係合する保持制御溝245と、昇降ピン214と係合する昇降制御スリットとをそれぞれ設けた。そのため、光ディスクの挿入搬出操作と、光ディスクの着脱操作とを行うために、従来複数必要であったカムの数を1個にすることができるから、装置を小型化することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスク状の記録媒体を筐体のスリット状のディスク挿通部から内部に挿入されるディスク装置、およびこのディスク装置を備えた撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、DVD(Digital Versatile Disc)やHD―DVDなどのディスク状の記録媒体を回転駆動し、情報を適宜読み出しあるいは記録するディスク装置が広く利用されている。
そして、このディスク装置を備えたディスクカメラレコーダなどの撮像装置が利用されている。
【0003】
このディスク装置として、筐体に形成されたスロットから光ディスクを筐体内部のターンテーブルまで挿入可能とし、この光ディスクをターンテーブルまで送るアームと、ターンテーブルからスロットまで光ディスクを排出するイジェクトアームと、ターンテーブルが設けられた台座を昇降させる昇降機構とを備えた従来例がある(特許文献1)。
【0004】
この従来例では、アームの回動操作とターンテーブルの昇降操作とを2個の駆動カムが行っている。
これらの駆動カムは平面矩形状に形成されターンテーブルが取り付けられた台座の隣り合う2辺の近傍にそれぞれ配置されている。
【0005】
【特許文献1】特開2006−127680公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1で示される従来例では、アームの回動操作とターンテーブルの昇降操作とを行うために2個の駆動カムが必要であり、2個の駆動カムには、カムを駆動操作するためのモータがそれぞれ必要とされる。
【0007】
駆動カムは往復動されるため、その配置スペースが大きくなり、その上、駆動カムを駆動操作するためモータの設置にも別途スペースが必要となる。
そのため、駆動カムが複数配置されるディスク装置では、装置の小型化が十分に図れないという課題が一例として挙げられる。
例えば、携帯型の撮像装置では、ディスク装置の他に撮像部も装置内部に組み込む関係上、装置が大型化にならざるを得ないので、装置の小型化という要請が強い。
【0008】
本発明の目的は、このような実情に鑑みて、装置の小型化を達成することができるディスク装置および撮像装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、ディスク状の記録媒体が挿排可能なスリット状のディスク挿通部を有した筐体と、この筐体の内部に配置され前記記録媒体を着脱可能に保持するディスク保持部と、前記筐体のディスク挿通部から前記ディスク保持部へ前記記録媒体を挿入するとともに前記ディスク保持部から前記筐体のディスク挿通部への前記記録媒体を搬出するアーム機構と、このアーム機構に連結されるとともに往復動に伴って前記アーム機構を駆動するリンク用係合ピンと、前記ディスク保持部が設けられた台座を備え、この台座を昇降させる昇降機構と、この昇降機構に連結されるとともに往復動に伴って前記昇降機構を駆動する昇降ピンと、前記リンク用係合ピンに係合される第1のカム溝と、前記昇降ピンに係合される第2のカム溝とがそれぞれ形成され前記筐体に往復動可能に配置されたスライドカムと、を具備したことを特徴としたディスク装置である。
【0010】
請求項9に記載の発明は、レンズを有した撮像部と、この撮像部にて取得した撮像データを前記記録媒体に記録する請求項1から請求項8のいずれかに記載されたディスク装置と、を具備したことを特徴とした撮像装置である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明における一実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る一実施の形態のディスクカメラレコーダの全体の概略を模式的に示す図である。
【0012】
〔ディスクカメラレコーダの構成〕
図1において、1は、本発明の一実施の形態に係る撮像装置としてのディスクカメラレコーダであり、このディスクカメラレコーダ1は、動画情報、音声情報、画像情報などの各種情報を録画して記録媒体としての光ディスクDに記録したり、光ディスクDに記録された各種情報を再生したりする装置である。このディスクカメラレコーダ1に利用できる光ディスクDとしては、例えばCD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray Disc)などの各種ディスク状記録媒体が利用できる。
このディスクカメラレコーダ1は、図1に示すように、外部ケース11と、撮影レンズ12と、撮影窓13と、ディスク装置としてのディスク処理部20と、外部ケース11の内部に設けられる図示しない制御回路部と、図示しないコントローラ部と、図示しない小型ディスプレイと、などを備えている。
【0013】
外部ケース11は、内部空間を有する箱状に形成されている。この外部ケース11の各面には、それぞれ内部と外部とを連通する窓部が形成され、この窓部に臨んで前述した撮影レンズ12、撮影窓13、コントローラ部およびディスク処理部20が設けられている。
【0014】
撮影レンズ12は、外部ケース11の前面の窓部に臨んで設けられている。この撮影レンズ12は、外部の画像光を取り込む。ここで取り込まれた画像光は、図示しない画像変換処理部にて画像信号に変換され、外部ケース11内部の制御回路部に入力される。
【0015】
撮影窓13は、外部ケース11の背面の窓部に臨んで設けられている。この撮影窓13は、例えば光学的に撮影レンズ12に接続されており、この撮影窓13から撮影レンズ12に取り込まれる外部画像を確認することが可能となる。
【0016】
コントローラ部は、例えば外部ケース11の天面、背面、および側面に配置される複数の操作ボタンを備えている。これらの操作ボタンはそれぞれ外部ケース11内部の制御回路部に電気的に接続されており、これらの操作ボタンを操作することで所定の操作信号を制御回路部に出力する。
【0017】
小型ディスプレイは、外部ケース11のディスク処理部20が設けられた側面とは反対側面に、外部ケース11に対して回動可能に設けられている。この小型ディスプレイは、外部ケース11内部の制御回路部に電気的に接続され、情報処理部から出力される各種画像情報を表示させる。
【0018】
ディスク処理部20は、外部ケース11の一側面に設けられている。このディスク処理部20は、外部ケース11の一側面から突出するディスク設置部21を備えている。ディスク設置部21は、外部ケース11の側面から立ち上がる立上部22と、この立上部22の開口を略閉塞する状態で設けられる筐体を構成するカバー100と、を備えている。なお、ディスク処理部20の内部構成については、後述する。
【0019】
カバー100は、樹脂材料により形成された略D字板状のカバー基部101を備えている。また、カバー基部101の周縁には、略垂直に立設するカバー周縁部102が設けられている。さらに、このカバー周縁部102の上側縁側には、光ディスクDを挿通可能なスリット状のディスク挿通部としてのディスク挿通孔102Aが設けられている。
【0020】
制御回路部は、ディスクカメラレコーダ1全体の動作を制御する。
具体的には、制御回路部は、コントローラ部から入力される操作信号に基づいて、各種処理を実施する。この各種処理とは、例えば、画像変換部における撮影レンズ12から取り込まれた画像光を画像信号に変換する処理、小型ディスプレイから画像情報を出力させる処理、取り込まれた画像をディスク処理部に設置された光ディスクDに録画させる録画処理、ディスク処理部20に設置された光ディスクDから情報を読み込む処理などが挙げられる。
【0021】
(ディスク処理部の内部構成)
次に、ディスク処理部20の内部構成について説明する。
図2は、ディスクカメラレコーダを構成するディスク処理部の内部構成を示す平面図である。図3は、ディスク処理部の下側縁側を表す図である。図4は、ディスク処理部の上側縁側を表す図である。図5は、ディスク処理部の左側縁側を表す図である。図6は、ディスク処理部の右側縁側を表す図である。図7は、ディスク処理部の右側縁側を表す断面図である。図8は、ディスク処理部の平面図である。
ディスク処理部20は、図2に示すように、例えば金属板により、平面視で略D字状の板状に形成された筐体を構成するベースプレート110を備えている。
ここで、以下において、ベースプレート110における撮影レンズ12側の略直線状の側縁(図2における右側の側縁)を右側縁と、撮影窓13側の略円弧状の側縁(図2における左側の側縁)を左側縁と、撮影時に上側に位置する側縁(図2における上側の側縁)を上側縁と、下側に位置する側縁(図2における下側の側縁)を下側縁と、右側縁および左側縁を結ぶ方向を左右方向と、上側縁および下側縁を結ぶ方向を上下方向と、図2における紙面に直交する方向を前後方向と、それぞれ適宜称して説明する。
【0022】
ベースプレート110の下側縁には、図2および図3に示すように、右側縁側から左側縁側にかけて略垂直に折曲形成された第1立設部111が設けられている。この第1立設部111の右側縁側および左側縁側の先端は、ベースプレート110と反対側に略半円板状に突出する形状に形成されている。そして、この左側縁側の突出部分には、軸孔111Aが穿設されている。また、右側縁側の突出部分には、長手方向が左右方向と一致する長円形状の長軸孔111Bが穿設されている。
【0023】
また、ベースプレート110の上側縁における右側縁側には、図2および図4に示すように、第1立設部111と同一方向に折曲形成された第2立設部112が設けられている。この第2立設部112の右側縁側の先端は、ベースプレート110と反対側に略半円板状に突出する形状に形成されている。そして、この突出部分における長軸孔111Bに対向する位置には、長軸孔111Bと同一形状の長軸孔112Aが穿設されている。
さらに、ベースプレート110の上側縁近傍には、第1立設部111の左側縁側の部分に対向する状態で切り起こし形成された第3立設部113が設けられている。この第3立設部113における軸孔111Aに対向する位置には、軸孔111Aと同一形状の軸孔113Aが穿設されている。
そして、ベースプレート110の上側縁における左側縁側には、第2立設部112と同一方向に折曲形成された第4立設部114が設けられている。この第4立設部114の先端における右側縁側には、舌片状に切り起こし形成されたシャッタ案内部114Aが設けられている。
さらに、ベースプレート110の上側縁における左右方向略中央には、第4立設部114と同一方向に折曲形成された第5立設部115が設けられている。この第5立設部115の先端における左側縁側には、シャッタ案内部114Aと同一形状に形成されたシャッタ案内部115Aが設けられている。
【0024】
そして、ベースプレート110の左側縁近傍における上側縁側には、図2および図5に示すように、第1立設部111と同一方向に切り起こし形成された第6立設部116が設けられている。この第6立設部116には、軸孔116Aが穿設されている。
さらに、ベースプレート110の左右方向略中央には、図2に示すように、第6立設部116に対向する状態で切り起こし形成された第7立設部117が設けられている。この第7立設部117における軸孔116Aに対向する位置には、軸孔116Aと同一形状の図示しない軸孔が穿設されている。
また、第6立設部116の下側縁側には、図2および図3に示すように、第6立設部116と同一方向に切り起こし形成された第8立設部118が設けられている。この第8立設部118には、略半円状に切り欠き形成されたばね掛け溝118Aが設けられている。
【0025】
さらに、ベースプレート110の右側縁には、図2および図6に示すように、第1立設部111と同一方向に折曲形成された第9立設部119が設けられている。この第9立設部119の基端における上下方向略中央には、略長円形状に切り欠き形成された第1切欠部119Aが設けられている。また、第9立設部119の先端における第1切欠部119Aに対向する位置には、第1切欠部119Aと同一形状に形成された第2切欠部119Bが設けられている。さらに、第2切欠部119Bの上側縁側には、略長円形状に切り欠き形成された第3切欠部119Cが設けられている。また、第2切欠部119Bの下側縁側には、左側縁側に折曲形成されたシャーシ支持部119Dが設けられている。そして、第1切欠部119Aの上側縁側には、第1軸孔119Eが穿設されている。また、第1切欠部119Aおよび第2切欠部119Bの間には、第2軸孔119Fが穿設されている。さらに、第2軸孔119Fの下側縁側には、第3軸孔119Gが穿設されている。
【0026】
また、ベースプレート110の第8立設部118の下側縁側には、図2に示すように、2個のばね掛け孔120が離れた状態で穿設されている。
【0027】
また、ベースプレート110の左側縁側には、図2、図3、および、図5に示すように、略棒状のアンクランプピン130が立設されている。このアンクランプピン130の先端位置は、光ディスクDが後述するターンテーブル321で保持された際に光ディスクDに接触せず、かつ、この保持を解除するために光ディスクDがベースプレート110側に搬送される際に光ディスクDに接触する位置に設定されている。
そして、ベースプレート110の左側縁近傍には、図3および図4に示すように、略棒状のシャーシ支持棒131が立設されている。このシャーシ支持棒131の先端位置は、シャーシ支持部119Dの上面の位置と略等しい位置に設定されている。
【0028】
さらに、ベースプレート110の右側縁側には、図2〜図4、図7に示すように、上側縁側から下側縁側にかけて、カムガイド140が設けられている。
このカムガイド140は、長手方向が上下方向と一致する長方形板状に形成されたガイド基部141を備えている。このガイド基部141の短手方向両側縁には、ガイド基部141の面方向と直交する方向に延出するガイド側部142がそれぞれ設けられている。これらガイド基部141およびガイド側部142は、後述するスライドカム240の移動をガイドするガイド部143を略区画形成している。
また、ガイド基部141の短手方向両側縁には、ガイド側部142と反対側に突出するガイド脚部144がそれぞれ設けられている。
さらに、一方のガイド脚部144の先端には、ガイド基部141の面外方向に延出し、ベースプレート110に固定される固定部145が設けられている。
そして、ガイド基部141の上側縁側には、固定部145と反対方向に延出するスイッチ配置部146が設けられている。
【0029】
また、ベースプレート110には、図2、図4、図5に示すように、シャッタ機構160が設けられている。このシャッタ機構160は、シャッタ170と、シャッタアーム180と、を備えている。
【0030】
シャッタ170は、例えば長方形の金属板を円弧状に湾曲して形成したシャッタ本体171を備えている。
このシャッタ本体171の長手方向の一側縁には、円弧状の中心方向に向けて突出し、かつ、円弧状の周方向に並んで設けられた2個の接続部172が一体的に形成されている。さらに、これら接続部172の先端には、長方形板状の係合板173が一体的に設けられている。この係合板173は、長手方向がシャッタ本体171の長手方向と一致し、かつ、シャッタ本体171の面外方向に突出する状態で設けられている。また、係合板173には、長手方向が係合板173の長手方向と一致する状態で2個の係合孔173Aが開口形成されている。これら係合孔173Aは、係合板173の長手方向両端側にそれぞれ設けられている。
そして、シャッタ170は、シャッタ本体171の長手方向両端側がベースプレート110の第4,第5立設部114,115およびシャッタ案内部114A,115Aにそれぞれ挟まれ、かつ、係合板173がベースプレート110側に位置する状態で設けられる。
【0031】
シャッタアーム180は、例えば金属板により略長方形板状に形成された基部181を備えている。この基部181の長手方向一端側には、略垂直に折曲形成された第1立設部182が設けられている。この第1立設部182の先端側には、基部181の面内方向に向けて突出する回動軸183が設けられている。
また、基部181の長手方向他端側には、第1立設部182と同一方向に折曲形成された第2立設部184が設けられている。この第2立設部184における回動軸183に略対向する位置には、基部181の面外方向に向けて突出する回動軸185が設けられている。さらに、第2立設部184の先端には、基部181の面外方向に向けて突出するばね掛け部186が設けられている。このばね掛け部186には、ばね掛け溝186Aが設けられている。また、第2立設部184には、基部181の面方向に略沿って、回動軸185から離れる方向に延出する長方形板状の延出部187が設けられている。
さらに、基部181の第1立設部182側の側縁には、面外方向に略長方形板状に延出するシャッタ連結部188が設けられている。このシャッタ連結部188の先端には、面外方向に突出する2個の爪部189が設けられている。
【0032】
そして、シャッタアーム180は、回動軸183,185がベースプレート110の第7立設部117の図示しない軸孔、第6立設部116の軸孔116Aに係合されて、ベースプレート110に対して回動可能に設けられる。また、シャッタアーム180の爪部189は、シャッタ170の係合孔173Aに係合される。これにより、シャッタアーム180が回動して、爪部189がベースプレート110から離れる方向に移動すると、シャッタ170は、第4,第5立設部114,115およびシャッタ案内部114A,115Aにより規制されつつ、同一方向に移動する。
また、ばね掛け溝186Aおよびベースプレート110のばね掛け溝118Aには、シャッタばね190が架け渡されている。このシャッタばね190により、シャッタアーム180は、シャッタ170をベースプレート110から離す方向、つまりシャッタ170をカバー100のディスク挿通孔102Aを略閉塞するシャッタ閉状態にする方向に回動するように付勢される。なお、シャッタアーム180をベースプレート110の近傍に位置させ、シャッタ170でディスク挿通孔102Aを略閉塞しない状態をシャッタ開状態と適宜称する。
【0033】
また、ベースプレート110には、図2〜図5に示すように、昇降機構200が設けられている。この昇降機構200は、例えば長方形の金属板が略コ字状に折曲形成された第1シフトアーム210と、この第1シフトアーム210と略同一形状の第2シフトアーム220と、を備えている。
【0034】
第1シフトアーム210は、アーム基部211と、アーム上部212と、アーム下部213と、にて、略コ字状に形成されている。
アーム基部211は、長方形板状に形成され、長手方向両端側には、略コ字状の開口側に突出する状態で折曲形成された載置部211Aがそれぞれ設けられている。また、アーム基部211の長手方向略中央には、略棒状の昇降ピン214が設けられている。この昇降ピン214は、略コ字状の開口と反対側に突出する状態で設けられている。そして、アーム基部211は、ベースプレート110の右側縁近傍に配置される。
アーム上部212は、アーム基部211の長手方向一端側に略垂直に折曲形成され、先端近傍には、回動軸孔212Aが穿設されている。また、アーム上部212の基端近傍には、長手方向が前後方向と一致する長円形状の長孔212Bが穿設されている。さらに、回動軸孔212Aおよび長孔212Bの略中間位置には、連結軸孔212Cが穿設されている。そして、アーム上部212は、ベースプレート110の上側縁近傍に配置される。
アーム下部213は、アーム基部211の長手方向他端側にアーム上部212と同一方向に折曲形成されている。このアーム下部213における回動軸孔212A、長孔212B、および、連結軸孔212Cに略対向する位置には、これらとそれぞれ略同一形状の回動軸孔213A、長孔213B、および、連結軸孔213Cが穿設されている。そして、アーム下部213は、ベースプレート110の下側縁近傍に配置される。
そして、第1シフトアーム210は、回動軸孔212Aおよび第3立設部113の軸孔113Aに回動軸230が嵌挿され、回動軸孔213Aおよび第1立設部111の軸孔111Aに回動軸231が嵌挿されている。これら回動軸230および回動軸231により、第1シフトアーム210は、ベースプレート110に対して回動可能に設けられる。
【0035】
第2シフトアーム220は、ベースプレート110の左側縁近傍に配置されるアーム基部221と、上側縁近傍に配置されるアーム上部222と、下側縁近傍に配置されるアーム下部223と、にて、略コ字状に形成されている。
アーム基部221の長手方向両端側には、略コ字状の開口側に突出する状態で折曲形成された載置部221Aがそれぞれ設けられている。また、アーム基部221の長手方向略中央には、略コ字状の開口と反対側に突出する状態で、略棒状のばね掛けピン224が設けられている。さらに、アーム基部221のアーム上部222側には、ばね掛けピン224と同一方向に突出する状態で、略棒状のシャッタ制御ピン225が設けられている。
アーム上部222の先端近傍には、回動軸孔222Aが穿設されている。また、アーム上部222の長手方向略中央には、連結軸孔222Bが穿設されている。
アーム下部223における回動軸孔222Aおよび連結軸孔222Bに略対向する位置には、これらとそれぞれ略同一形状の回動軸孔223Aおよび連結軸孔223Bが穿設されている。
【0036】
そして、第2シフトアーム220は、回動軸孔222A、第1シフトアーム210の長孔212B、および、第2立設部112の長軸孔112Aに回動軸232が嵌挿され、回動軸孔223A、第1シフトアーム210の長孔213B、および、第1立設部111の長軸孔111Bに回動軸233が嵌挿されている。これら回動軸232および回動軸233により、第2シフトアーム220は、ベースプレート110に対して回動可能に設けられる。また、第2シフトアーム220のシャッタ制御ピン225は、シャッタアーム180の延出部187をベースプレート110側に押圧可能な状態に位置する。
さらに、第1,第2シフトアーム210,220の連結軸孔212C,222Bには、連結軸234が嵌挿され、連結軸孔213C,223Bには、連結軸235が嵌挿される。これら連結軸234,235による連結により、第2シフトアーム220は、第1シフトアーム210に連動して動作する。
【0037】
具体的には、第1シフトアーム210のアーム基部211がベースプレート110から離れる方向に移動すると、第2シフトアーム220のアーム基部221も同一方向に移動する。
また、第1,第2シフトアーム210,220は、アーム上部212,222、アーム下部213,223の長手方向略中央で連結軸234,235により連結されている。このため、アーム基部211,221の移動量は、略等しくなる。
さらに、長孔212B,213Bに、回動軸232,233が挿通されているので、これら長孔212B,213Bおよび回動軸232,233の接触により、アーム基部211,221の移動は、規制される。
そして、ばね掛けピン224およびばね掛け孔120には、シフトばね236が架け渡されている。このシフトばね236により、第2シフトアーム220は、ベースプレート110に近づく方向に付勢される。
【0038】
また、ベースプレート110に設けられたカムガイド140には、図2〜4、図7に示すように、スライドカム240がベースプレート110の上下方向に沿って移動可能に設けられている。
このスライドカム240は、樹脂材料により長手方向の長さがカムガイド140よりも短い長方形板状に形成され、カムガイド140のガイド部143に移動可能に係合されるカム基部241を備えている。
カム基部241の一面における左側縁側には、面方向がカム基部241の面方向と直交し、かつ、長手方向がカム基部241の長手方向と一致する略長方形板状に形成されたカム立設部242が一体的に設けられている。
【0039】
このカム立設部242には、図7に示すように、昇降機構200の昇降ピン214が係合される第2のカム溝である昇降制御スリット243が設けられている。
この昇降制御スリット243は、第1昇降スリット243Aと、第2昇降スリット243Bと、第3昇降スリット243Cと、第4昇降スリット243Dと、第5昇降スリット243Eと、を備えている。
第1昇降スリット243Aは、カム基部241の長手方向に沿った直線状に形成されている。
第2昇降スリット243Bは、第1昇降状態スリット243Aの一端に連続し、カム基部241から離れる方向に延びる円弧状に形成されている。
第3昇降スリット243Cは、第2昇降スリット243Bの一端に連続し、カム基部241から離れる方向に延びる円弧状に形成されている。
第4昇降スリット243Dは、第3昇降スリット243Cの一端に連続し、カム基部241に近づく方向に延びる円弧状に形成されている。
第5昇降スリット243Eは、第4昇降スリット243Dの一端に連続し、カム基部241の長手方向に沿った直線状に形成されている。
また、第1昇降スリット243Aは、第5昇降スリット243Eよりもカム基部241側に設けられている。さらに、第2昇降スリット243Bおよび第3昇降スリット243Cの接続部分と、第5昇降スリット243Eと、は、カム立設部242の立設方向の位置が略等しい位置に設定されている。
【0040】
また、カム立設部242の先端には、面方向がカム立設部242の面方向と直交し、かつ、長手方向がカム立設部242の長手方向と一致する略長方形板状に形成されたカム先端部244が一体的に設けられている。このカム先端部244の下側縁側の端面は、第1カムスイッチ当接部244Aとされている。
このカム先端部244のカム立設部242と反対側の面には、図2に示すように、第1のカム溝である保持制御溝245が設けられている。
この保持制御溝245は、第1保持溝245Aと、第2保持溝245Bと、第3保持溝245Cと、を備えている。
第1保持溝245Aは、カム先端部244の長手方向に沿った直線状に形成されている。
第2保持溝245Bは、第1保持溝245Aの下側縁側の端部に連続し、右側縁側に延びる直線状に形成されている。
第3保持溝245Cは、第1保持溝245Aの上側縁側の端部に連続し左側縁側に向けて延びる直線状に形成されている。
【0041】
さらに、カム基部241の一面における右側縁側には、この一面と直交する方向に突出するカム突出部246が設けられている。このカム突出部246は、上側縁側の端部がカム立設部242の上側縁側の端部よりも下側縁側に位置する状態で設けられている。そして、このカム突出部246の側面は、第2カムスイッチ当接部246Aとされている。
また、カム突出部246の一面には、カム基部241の長手方向に沿ってラック247が設けられている。
【0042】
また、ベースプレート110における右側縁側には、図2、図4、図6に示すように、カムガイド140に隣接して駆動機構250が設けられている。この駆動機構250は、モータユニット260と、伝達部280と、を備えている。
【0043】
モータユニット260は、モータ261を備えている。このモータ261の図示しないモータ軸には、図2および図6に示すように、ウォームギア262が設けられている。
また、モータ261には、ユニット取付部材263が設けられている。
ユニット取付部材263は、モータ261の図示しないモータ軸が突出する面に取り付けられるモータ対向部264を備えている。このモータ対向部264の一側縁には、モータ261から離れる方向に略垂直に折曲形成された長方形板状の取付部265が設けられている。
この取付部265には、ベースプレート110の第9立設部119の第1切欠部119A、第2切欠部119B、および、第3切欠部119Cに対応する位置に、それぞれ図示しない、第1固定孔、第2固定孔、および、第3固定孔がそれぞれ設けられている。また、取付部265のウォームギア262側には、第9立設部119の第1軸孔119Eに対応する位置に設けられたギア軸266に回転可能に軸支されたユニットギア267が設けられている。このユニットギア267は、ウォームギア262に噛合された大径ギア267Aと、この大径ギア267Aの取付部265側に設けられた小径ギア267Bと、を備えている。
そして、モータユニット260は、取付部265の第1固定孔、第2固定孔、第3固定孔、第1切欠部119A、第2切欠部119B、第3切欠部119Cに嵌挿された図示しない棒状の固定部材により、ゴムブッシュ268を介して、第9立設部119に取り付けられる。
【0044】
伝達部280は、第1伝達ギア281と、第2伝達ギア282と、第3伝達ギア283と、を備えている。
第1伝達ギア281は、ユニットギア267の小径ギア267Bに噛合された大径ギア281Aと、この大径ギア281Aの第9立設部119と反対側に設けられた小径ギア281Bと、を備えている。そして、第1伝達ギア281は、第9立設部119の第2軸孔119Fに嵌挿されたギア軸284に回転可能に軸支されている。
第2伝達ギア282は、第1伝達ギア281の小径ギア281Bに噛合された大径ギア282Aと、この大径ギア282Aの第9立設部119と反対側に設けられた小径ギア282Bと、を備えている。そして、第2伝達ギア282は、第3軸孔119Gに嵌挿されたギア軸285に回転可能に軸支されている。
第3伝達ギア283は、第2伝達ギア282の小径ギア282Bに噛合された大径ギア283Aと、この大径ギア283Aの第9立設部119と反対側に設けられスライドカム240のラック247に噛合される小径ギア283Bと、を備えている。そして、第3伝達ギア283は、ギア軸284に回転可能に軸支されている。
【0045】
昇降機構200には、図2〜図5に示すように、ディスク情報処理部300が設けられている。このディスク情報処理部300は、例えば金属板により四隅が切り欠かれた略長方形板状に形成された台座310を備えている。
この台座310の四隅には、台座310の面外方向に延出する台座取付部311がそれぞれ設けられている。これら台座取付部311の先端には、リング状のゴムブッシュ312が設けられている。そして、台座310は、台座取付部311がゴムブッシュ312を介して第1,第2シフトアーム210,220の載置部211A,221Aに載置されている。また、台座310は、台座取付部311、載置部211A,221Aに嵌挿された図示しない棒状の固定部材により、昇降機構200に取り付けられる。
【0046】
また、台座310には、長手方向の一端近傍に位置して、ディスク回転駆動手段320が配設されている。このディスク回転駆動手段320は、スピンドルモータである図示しない回転用電動モータと、この回転用電動モータの図示しない出力軸に一体的に設けられたディスク保持部としてのターンテーブル321と、を備えている。このターンテーブル321は、ベースプレート110から離れる方向に突出する突出部321Aと、この突出部321Aの周縁から径方向に延出するフランジ321Bとを備えている。突出部321Aは、光ディスクDの孔部と略同一径寸法略円柱状に形成されている。そして、突出部321Aには、光ディスクDをターンテーブル321に保持する際に、光ディスクDの孔部が係合される。また、フランジ部321Bは、光ディスクDの孔部が突出部321Aに係合された状態で、光ディスクDの孔部周縁近傍が載置される。
【0047】
また、台座310には、処理移動手段330が配設されている。この処理移動手段330は、台座310に配設された一対のガイドレール331と、例えばステッピングモータである移動用電動モータ332と、を備えている。
移動用電動モータ332には、螺旋状の係合溝333Aが外周面に設けられたリードスクリュ333が、ガイドレール331と略平行に配設されている。
【0048】
さらに、台座310には、処理移動手段330に支持された情報処理部340が配設されている。この情報処理部340は、一対のガイドレール331間に架橋する状態で保持される移動保持部341を備えている。この移動保持部341には、ガイドレール331に移動可能に係合される係合部342と、リードスクリュ333の係合溝333Aに係合する爪部343と、が設けられている。
また、移動保持部341には、光ディスクDの記録面に記録された各種情報を読み取って出力回路部へ出力する読取処理や、各種情報を記録面に記録する記録処理を実施するための光ピックアップ344が配設されている。
【0049】
また、ベースプレート110のシャーシ支持部119D、シャーシ支持棒131などには、図8に示すように、ベースプレート110と略等しい略D字板状のローディングシャーシ360が載置される状態で取り付けられている。ここで、ローディングシャーシ360に対してベースプレート110に対向する側をベース対向側(図8における紙面の奥側)と、ベースプレート110と対向しない側をベース非対向側(図8における紙面の手前側)と、それぞれ適宜称して説明する。
【0050】
ローディングシャーシ360の下側縁近傍には、ベース非対向側に突出する連結軸361が設けられている。
また、ローディングシャーシ360の上下方向略中央における若干右側縁側には、ベース対向側に突出する右ガイド軸362が設けられている。この右ガイド軸362の右側縁側には、ベース対向側に突出するイジェクトサブ軸363が設けられている。右ガイド軸362の上側縁側には、ベース非対向側に突出するイジェクト軸364が設けられている。
さらに、ローディングシャーシ360の上下方向略中央における左側縁側には、ベース対向側に突出する左ガイドサブ軸365が設けられている。この左ガイドサブ軸365の上側縁側には、ベース非対向側に突出する左ガイド軸366が設けられている。
【0051】
また、イジェクトサブ軸363の下側縁側には、連結軸361を中心とした円弧状の連結スリット371が設けられている。さらに、イジェクト軸364の上側縁側には、右ガイド軸362を中心とした円弧状の右ガイドスリット372が設けられている。
そして、イジェクトサブ軸363およびイジェクト軸364の間には、イジェクトサブ軸363を中心とした円弧状の第1イジェクトサブスリット373が設けられている。
また、イジェクトサブ軸363の右側縁側には、イジェクトサブ軸363を中心とした円弧状の第2イジェクトサブスリット374が設けられている。
【0052】
さらに、右ガイド軸362および右ガイドスリット372の間には、イジェクト軸364を中心とした円弧状の第1イジェクトスリット375が設けられている。また、右ガイドスリット372の右側縁側には、イジェクト軸364を中心とした円弧状の第2イジェクトスリット376が設けられている。そして、連結軸361の上側縁側には、イジェクト軸364を中心とした第3イジェクトスリット377が設けられている。
また、左ガイドサブ軸365および左ガイド軸366の間には、左ガイドサブ軸365を中心とした円弧状の左ガイドサブスリット378が設けられている。そして、左ガイドサブ軸365および左ガイドサブスリット378の間には、左ガイド軸366を中心とした円弧状の左ガイドスリット379が設けられている。
【0053】
また、連結軸361の左側縁側には、舌片状に切り起こし形成された第1舌片部380が設けられている。この第1舌片部380における連結軸361側には、略半円状に切り欠き形成された第1ばね掛け溝380Aが設けられている。
また、右ガイド軸362の左側縁側には、第1舌片部380と略等しい形状に形成され、下側縁側に第2ばね掛け溝381Aを有する第2舌片部381が設けられている。
そして、この左ガイドスリット379の下側縁側には、第1舌片部380と略等しい形状に形成され、左側縁側に第3ばね掛け溝382Aを有する第3舌片部382が設けられている。
【0054】
さらに、ローディングシャーシ360の右側縁側には、ベース対向側に突出する状態に切り起こし形成された6個のガイド部383が設けられている。これらガイド部383は、スライドカム240のカム先端部244の両側縁に沿って、換言すれば、スライドカム240の往復動する軌跡に沿って3個ずつ設けられ、カムガイド140とともにスライドカム240をガイドする。
また、ローディングシャーシ360の上下方向略中央における若干左側縁側には、円形状の開口部384が開口形成されている。この開口部384は、プレス成形によりベースプレート110側に若干突出する形状に形成されている。
【0055】
また、ローディングシャーシ360には、光ディスクDを挿入排出する搬送装置としてのディスク保持機構400が設けられている。このディスク保持機構400は、左ガイドアーム410と、左ガイドサブアーム420と、連結アーム430と、イジェクトアーム440と、右ガイドアーム460と、連結部材としてのイジェクトサブアーム480と、を備えている。
【0056】
左ガイドアーム410は、例えば金属板により平面視で屈曲した板状に形成され、ベース非対向側に設けられたアーム部材411を備えている。このアーム部材411は、一端側が左ガイド軸366に軸支され、この左ガイド軸366を中心に回動可能に設けられている。また、アーム部材411の他端側には、ベース対向側に突出し、左ガイドスリット379に係合する左ガイドピン412が設けられている。そして、この左ガイドピン412には、ローディングシャーシ360のベース対向側に位置する状態で、略円柱状の左ガイドローラ413が回動可能に設けられている。
この左ガイドローラ413は、左ガイドピン412の基端側に設けられた略円板状のローラ基部413A(図9参照)と、このローラ基部413Aの一面に設けられローラ基部413Aよりも直径が小さい円柱状のローラ中間部413B(図9参照)と、このローラ中間部413Bの一面に設けられ左ガイドピン412の先端側にしたがって拡径する円錐台柱状のローラ先端部413C(図9参照)と、を備えている。そして、この左ガイドローラのローラ中間部413Bには、光ディスクDの側面が当接される。すなわち、左ガイドローラ413は、軸方向の中間部に、光ディスクDの周面が係合可能に径小に形成されている。
さらに、アーム部材411の長さ方向略中央には、一端側から他端側にかけて、左ガイドアームスリット414が設けられている。この左ガイドアームスリット414は、アーム部材411が回動する際に、その一部が常に左ガイドサブスリット378と重畳する形状に形成されている。具体的には、左ガイドアームスリット414は、一端側に設けられアーム部材411と反対の屈曲状態の略円弧状に形成された第1左保持スリット414Aと、この第1左保持スリット414Aと略等しい屈曲状態の略円弧状に形成された第2左保持スリット414Bと、左ガイドピン412に近づく方向に延びる略直線状の第3左保持スリット414Cと、を備えている。
【0057】
左ガイドサブアーム420は、例えば金属板により略長方形板状に形成され、ベース非対向側に設けられたアーム部材421を備えている。このアーム部材421は、一端側が左ガイドサブ軸365に軸支され、この左ガイドサブ軸365を中心に回動可能に設けられている。また、アーム部材421は、他端側が左ガイドアーム410のアーム部材411のベース非対向側に位置する状態で設けられている。さらに、アーム部材421の他端側には、ベース対向側に突出し、左ガイドアームスリット414を介して左ガイドサブスリット378に係合する左ガイドサブピン422が設けられている。この左ガイドサブピン422および左ガイドアームスリット414の係合により、アーム部材421は、アーム部材411の回動に連動して適宜回動する。また、左ガイドサブピン422および左ガイドサブスリット378の係合により、アーム部材421の回動が規制される。
さらに、アーム部材421の一端側には、面方向外側に向けて舌片状に突出し、ばね掛け溝423Aを有する舌片部423が一体的に形成されている。そして、このばね掛け溝423Aおよびローディングシャーシ360の第3ばね掛け溝382Aには、左ガイドばね424が架け渡されている。この左ガイドばね424により、アーム部材421は、時計回りに回動するように、つまり左ガイドアーム410を反時計回りに回動するように付勢される。また、左ガイドばね424は、比較的弱い弾性力を有している。具体的には、光ディスクDが挿入されて左ガイドアーム410に光ディスクDが当接した際に、左ガイドアーム410が、光ディスクDの重みで左ガイドばね424の付勢力に抗して時計回りに回動する弾性力を有している。
【0058】
また、アーム部材421における舌片部423の右側縁側には、略長方形板状の回動伝達部425が一体的に設けられている。この回動伝達部425は、長手方向の一端側がアーム部材421に連続する状態で設けられている。また、回動伝達部425の長手方向の他端側の側面には、平面視で円弧状の第1連結ピン当接部425Aが形成されている。さらに、この第1連結ピン当接部425Aの左側縁側には、アーム部材421側に向けて略長円状に切り欠かれた連結ピン係合溝425Bが設けられている。そして、この連結ピン係合溝425Bの左側縁側には、下側縁側に向かうにしたがって左側縁側に近づく状態に傾斜する回動阻止部425Cが設けられている。
また、回動伝達部425の右側縁側には、ベース非対向側に向けて略垂直に折曲形成された左サブスイッチ当接部426が一体的に設けられている。この左サブスイッチ当接部426は、平面視で略L字状に形成されている。
【0059】
連結アーム430は、例えば金属板により平面視で屈曲した板状に形成され、ベース非対向側に設けられたアーム部材431を備えている。このアーム部材431は、屈曲した部分が連結軸361に軸支され、この連結軸361を中心に回動可能に設けられている。また、アーム部材431は、一端側が左ガイドサブアーム420の回動伝達部425のベース対向側に位置する状態で設けられている。
アーム部材431の一端側には、ベース非対向側に突出する第1連結ピン432が設けられている。この第1連結ピン432は、回動伝達部425の第1連結ピン当接部425Aに適宜当接される。また、第1連結ピン432は、回動伝達部425の連結ピン係合溝425Bに適宜係合される。この第1連結ピン432が第1連結ピン当接部425Aに当接するとアーム部材431は回動できない。しかし、第1連結ピン432は連結ピン係合溝425Bとは係合可能で、係合可能な状態でアーム部材431が回動し、第1連結ピン432が連結ピン係合溝425Bと係合するとアーム部材421は反時計回りに回動する。
さらに、アーム部材431の一端側近傍には、下側縁側に向けて舌片状に突出し、ばね掛け溝433Aを有する舌片部433が一体的に形成されている。そして、このばね掛け溝433Aおよびローディングシャーシ360の第1ばね掛け溝380Aには、連結ばね434が架け渡されている。この連結ばね434により、アーム部材431は、反時計回りに回動するように付勢される。
また、アーム部材431の他端側には、ベース対向側に突出し、連結スリット371に係合する第2連結ピン435が設けられている。この第2連結ピン435および連結スリット371の係合により、アーム部材431の回動が規制される。
【0060】
イジェクトアーム440は、例えば金属板により平面視で略コ字状の部分および円弧状の部分を有する板状に形成され、ベース非対向側に設けられたアーム部材441を備えている。
具体的には、アーム部材441は、アーム基端部442と、アーム基端側部443と、アーム先端側部444と、アーム先端部445と、を有し、略コ字状の部分および円弧状の部分を有する板状に形成されている。
アーム基端部442は、略長方形板状に形成され長手方向略中央がイジェクト軸364に軸支されている。
アーム基端側部443は、アーム基端部442に連続し長手方向がアーム基端部442の長手方向と略直交する略長方形板状に形成されている。
アーム先端側部444は、アーム基端側部443に連続しアーム基端部442と略対向する略長方形板状に形成されている。
アーム先端部445は、アーム先端側部444に連続する円弧板状に形成されている。
また、アーム部材441は、イジェクト軸364を中心に回動可能に設けられている。さらに、アーム部材441は、連結アーム430のアーム部材431のベース対向側に位置する状態で設けられている。
【0061】
アーム基端部442の長手方向一端側には、ベース対向側に向けて折曲形成され、第2イジェクトスリット376に係合するイジェクト爪部446が設けられている。また、イジェクト爪部446には、図示しないばね掛け溝が設けられている。
アーム基端部442の長手方向他端側には、ベース対向側に突出し、第1イジェクトスリット375に係合する第1イジェクトピン447が設けられている。また、アーム基端部442の長手方向他端側には、第1イジェクトピン447と同軸位置でベース非対向側に突出する第2イジェクトピン448が設けられている。
アーム基端部442およびアーム基端側部443の連結部分における左側縁側の側面には、平面視で直線状のイジェクトサブピン当接部443Aが形成されている。
また、アーム先端側部444およびアーム先端部445の連結部分における下側縁側の側面には、平面視で頂点が下側縁側に位置する三角形状の第2連結ピン当接部445Aが形成されている。この第2連結ピン当接部445Aは、アーム先端側部444側に設けられた第1当接部445A1と、アーム先端部445側に設けられた第2当接部445A2と、を備えている。そして、第2連結ピン当接部445Aには、連結アーム430の第2連結ピン435が適宜当接される。
さらに、アーム先端部445の先端側には、ベース対向側に突出し、第3イジェクトスリット377に係合する第3イジェクトピン450が設けられている。そして、この第3イジェクトピン450には、ローディングシャーシ360のベース対向側に位置する状態で、左ガイドローラ413と略同一形状に形成されたイジェクトローラ451が回動可能に設けられている。つまり、イジェクトローラ451は、それぞれ図示しない、ローラ基部、ローラ中間部、および、ローラ先端部を有している。
【0062】
右ガイドアーム460は、例えば金属板により平面視で屈曲した部分を複数有する板状に形成され、ベース非対向側に設けられたアーム部材461を備えている。
具体的には、アーム部材461は、アーム基端部462と、アーム基端側部463と、アーム先端側部464と、アーム先端部465と、を有し、屈曲した部分を複数有する板状に形成されている。
アーム基端部462は、長手方向一端側が右ガイド軸362に軸支された略長方形板状に生成されている。
アーム基端側部463は、略台形板状に形成されその短辺側がアーム基端部462に連続されている。
アーム先端側部464は、アーム基端側部463の長辺側から突出する方向に延設されている。
アーム先端部465は、アーム先端側部464からアーム先端側部464の突出方向と交差する方向に延設されている。
また、アーム部材461は、右ガイド軸362を中心に回動可能に設けられている。さらに、アーム部材461は、イジェクトアーム440のアーム部材441のベース非対向側に位置する状態で設けられている。
【0063】
アーム基端側部463およびアーム先端側部464には、アーム先端側部464の略中央、アーム基端側部463の長辺の一端側および他端側を結ぶ形状の右ガイドアームスリット466が設けられている。
具体的には、右ガイドアームスリット466は、第1右保持スリット466Aと、第2右保持スリット466Bと、第3右保持スリット466Cと、を備えている。
第1右保持スリット466Aは、アーム先端側部464の略中央からアーム基端側部463の一端側にかけて設けられている。
第2右保持スリット466Bは、アーム基端側部463の一端側から他端側にかけて設けられている。
第3右保持スリット466Cは、アーム基端側部463の他端側から短辺側にかけて設けられている。
この右ガイドアームスリット466には、第2イジェクトピン448が係合される。そして、この右ガイドアームスリット466および第2イジェクトピン448の係合により、アーム部材461は、アーム部材441の回動に連動して適宜回動する。
すなわち、第1右保持スリット466Aは、右ガイドアーム460の後述する右ガイドローラ471が挿入される光ディスクDの周縁部に当接してガイドしている状態で、イジェクトアーム440の一端部となるイジェクトローラ451側がディスク挿通孔102Aから離間する方向に回動可能に形成されている。また、第2右保持スリット466Bは、右ガイドアーム460の一端部となる右ガイドローラ471側が光ディスクDをカバー100内に送り込む状態に回動しつつ、イジェクトアーム440の一端部となるイジェクトローラ451側がディスク挿通孔102Aから離間する方向に回動可能に形成されている。
【0064】
また、アーム先端側部464には、面外方向に向けて突出し、ばね掛け溝467Aを有する舌片部467が一体的に形成されている。そして、このばね掛け溝467Aおよびローディングシャーシ360の第2ばね掛け溝381Aには、右ガイドばね468が架け渡されている。この右ガイドばね468により、アーム部材461は、反時計回りに回動するように付勢される。
また、アーム先端部465の上側縁側には、ベース非対向側に向けて略垂直に折曲形成された右スイッチ当接部469が一体的に設けられている。この右スイッチ当接部469は、平面視で略L字状に形成されている。さらに、アーム先端部465の先端側には、ベース対向側に突出し、右ガイドスリット372に係合する右ガイドピン470が設けられている。そして、この右ガイドピン470には、ローディングシャーシ360のベース対向側に位置する状態で、ローラ基部471A(図9参照)、ローラ中間部471B(図9参照)、および、ローラ先端部471C(図9参照)を有する右ガイドローラ471が回動可能に設けられている。
【0065】
イジェクトサブアーム480は、金属により平面視で略三角形の板状に形成され、ベース対向側に設けられたアーム部材481を備えている。
このアーム部材481は、略中央がイジェクトサブ軸363に軸支され、このイジェクトサブ軸363を中心に回動可能に設けられている。
【0066】
アーム部材481の第1の隅部には、ベース非対向側に向けて突出し、第1イジェクトサブスリット373に係合するとともに、イジェクトサブピン当接部443Aに適宜当接する第2イジェクトサブピン483が設けられている。さらに、アーム部材481の第2の隅部には、ベース非対向側に向けて突出し、第2イジェクトサブスリット374に係合する第2イジェクトサブピン483が設けられている。また、この第2の隅部には、第2イジェクトサブピン483と一体的に形成され、この第2イジェクトサブピン483と同軸位置でベース対向側に突出する第3イジェクトサブピン484が設けられている。この第3イジェクトサブピン484は、スライドカム240の保持制御溝245に係合するリンク用係合ピンである。この第3イジェクトサブピン484および保持制御溝245の係合により、アーム部材481は、スライドカム240の移動に連動して適宜回動する。
さらに、アーム部材481の第3の隅部には、ベース対向側に向けて折曲形成され、図示しないばね掛け溝が設けられたイジェクトサブ爪部485が設けられている。そして、イジェクトサブ爪部485およびイジェクト爪部446には、イジェクトばね486が架け渡されている。このイジェクトばね486により、アーム部材441は、時計回りに回動するように付勢される。また、イジェクトばね486は、右ガイドばね468よりも大きい弾性力を有している。
ここで、本実施の形態では、イジェクトアーム440、右ガイドアーム460、イジェクトサブアーム480、右ガイドばね468およびイジェクトばね486を備えて、アーム機構が構成されている。
【0067】
また、ベースプレート110およびローディングシャーシ360には、挿排検出部500が設けられている。この挿排検出部500は、左アーム検出スイッチ510と、右アーム検出スイッチ520と、下側カム検出スイッチ530と、中間カム検出スイッチ540と、上側カム検出スイッチ550と、を備えている。
【0068】
左アーム検出スイッチ510は、ローディングシャーシ360のベース非対向側の面における左ガイドサブアーム420の近傍に設けられている。この左アーム検出スイッチ510は、薄四角箱状のスイッチ基体511と、このスイッチ基体511の一側面に対して進退する状態で設けられた進退部材512と、を備えている。そして、進退部材512および左サブスイッチ当接部426の当接により、左ガイドサブアーム420の回動状態に伴う光ディスクDの挿排状態を検出し、その旨の信号を制御回路部へ適宜出力する。
右アーム検出スイッチ520は、ローディングシャーシ360のベース非対向側の面における右ガイドアーム460の近傍に設けられている。この右アーム検出スイッチ520は、スイッチ基体521の一側面に対して進退する進退部材522と、右スイッチ当接部469と、の当接により、右ガイドアーム460の回動状態に伴う光ディスクDの挿排状態を検出し、その旨の信号を図示しない制御回路部へ適宜出力する。
【0069】
下側カム検出スイッチ530は、ローディングシャーシ360のベース対向側の面における下側縁側かつ右側縁側に設けられている。この下側カム検出スイッチ530は、スイッチ基体531の一側面に対して進退する進退部材532と、スライドカム240の第1カムスイッチ当接部244Aと、の当接により、スライドカム240が下側縁側に全ストローク移動した旨を検知することで、光ディスクDの挿入状態からチャッキング動作を経て、記録再生状態になったことを検出し、その旨の信号を図示しない制御回路部へ適宜出力する。
中間カム検出スイッチ540は、図7に示すように、ベースプレート110に設けられたカムガイド140のスイッチ配置部146に設けられている。この中間カム検出スイッチ540は、スイッチ基体541の一側面に対して進退する進退部材542と、スライドカム240の第2カムスイッチ当接部246Aと、の当接により、スライドカム240の移動状態に伴う光ディスクDの挿排状態を検出し、その旨の信号を図示しない制御回路部へ適宜出力する。
上側カム検出スイッチ550は、スイッチ配置部146における中間カム検出スイッチ540の上側縁側に設けられている。この上側カム検出スイッチ550は、スイッチ基体551の一側面に対して進退する進退部材552と、第2カムスイッチ当接部246Aと、の当接により、スライドカム240の移動状態に伴う光ディスクDの挿排状態を検出し、その旨の信号を図示しない制御回路部へ適宜出力する。
なお、以下において、左アーム検出スイッチ510、右アーム検出スイッチ520、下側カム検出スイッチ530、上側カム検出スイッチ550の進退部材512,522,532,552がスイッチ基体511,521,531,551の中心方向に押し込まれている状態をオン状態、押し込まれていない状態をオフ状態と称して説明する。また、中間カム検出スイッチ540の進退部材542がスイッチ基体541の中心方向に押し込まれている状態をオフ状態、押し込まれていない状態をオン状態と称して説明する。
【0070】
〔ディスクカメラレコーダの動作〕
次に、ディスクカメラレコーダ1の動作について説明する。
【0071】
(光ディスクの挿入動作)
まず、ディスクカメラレコーダ1の動作として、光ディスクDの挿入動作について説明する。
図9は、挿入待機状態でのディスク処理部の上側縁側を表す図である。図10は、挿入待機状態での昇降機構の状態を表す図である。図11は、挿入初期状態でのディスク処理部の平面図である。図12は、挿入前半状態でのディスク処理部の平面図である。図13は、挿入後半状態でのディスク処理部の平面図である。図14は、センタリング状態でのディスク処理部の平面図である。図15は、センタリング状態での昇降ピンおよびスライドカムの係合状態を表す図である。図16は、クランプ開始状態での昇降ピンおよびスライドカムの係合状態を表す図である。図17は、クランプ開始状態での昇降機構の状態を表す図である。図18は、クランプ開始状態でのシャッタ機構の状態を表す図である。図19は、チャッキング状態での昇降ピンおよびスライドカムの係合状態を表す図である。図20は、チャッキング状態での昇降機構の状態を表す図である。図21は、記録再生状態でのディスク処理部の平面図である。図22は、記録再生状態での昇降ピンおよびスライドカムの係合状態を表す図である。図23は、各スイッチのオンオフ状態と光ディスクの搬送状態(光ディスクの挿入状態)との関係を示すタイミングチャートで、(A)は左アーム検出スイッチのオンオフ状態、(B)は右アーム検出スイッチのオンオフ状態、(C)は下側カム検出スイッチのオンオフ状態、(D)は中間カム検出スイッチのオンオフ状態、(E)は上側カム検出スイッチのオンオフ状態、(F)はモータの駆動状態である。
【0072】
まず、ディスク処理部20に光ディスクDが挿入されていない状態において、ディスク処理部20は、図8〜図10に示すように、光ディスクDの挿入を待機する挿入待機状態となっている。
具体的には、図8に示すように、左ガイドサブアーム420が左ガイドばね424の付勢により時計回りに付勢され、左ガイドサブピン422が第2左保持スリット414Bの円弧方向略中央に位置している。このため、左ガイドアーム410の左ガイドローラ413は、図8および図9に示すように、開口部384近傍、かつ、ディスク挿通孔102Aに対向する位置に位置している。
また、スライドカム240がベースプレート110の上側縁側に位置し、イジェクトサブアーム480の第3イジェクトサブピン484が第2保持溝245Bの先端側に位置している。このため、イジェクトサブ爪部485が最も下端縁側に位置する。したがって、イジェクトアーム440がイジェクトばね486の付勢により時計回りに付勢され、イジェクトローラ451は、図8に示すように、開口部384近傍に位置している。
さらに、イジェクトアーム440が時計回りに付勢され、右ガイドアームスリット466の第1右保持スリット466Aの先端に第2イジェクトピン448が係合している。このため、右ガイドアーム460は、右ガイドばね468の付勢力に抗して、時計回りに付勢され、かつ、反時計回りに回動不可能な位置まで回動している。したがって、右ガイドローラ471は、図8および図9に示すように、左ガイドローラ413よりもディスク挿通孔102A側、かつ、ディスク挿通孔102Aに対向する位置に位置している。
【0073】
また、スライドカム240がベースプレート110の上側縁側に位置している。このため、昇降機構200の昇降ピン214は、図7に示すように、第1昇降スリット243Aの左端側に位置している。したがって、第1,第2シフトアーム210,220は、図10に示すように、ベースプレート110に最も近接した位置に位置している。そして、第1,第2シフトアーム210,220に取り付けられたディスク情報処理部300のターンテーブル321などもベースプレート110に近接した位置に位置し、光ディスクDの挿排動作用の空間が確保される。
さらに、第2シフトアーム220が最も近接した位置に位置し、シャッタ制御ピン225および延出部187が当接している。このため、シャッタアーム180は、図5に示すように、シャッタばね190の付勢力に抗して、シャッタ170をベースプレート110近傍に位置させる状態に回動している。したがって、シャッタ機構160は、シャッタ開状態となっている。
また、図23(A),(B)に示すように、左アーム検出スイッチ510、および、右アーム検出スイッチ520は、オフ状態となっている。さらに、スライドカム240が上側縁側に位置している。このため、図23(C),(D),(E)に示すように、下側カム検出スイッチ530は、スライドカム240に当接していないオフ状態となり、中間カム検出スイッチ540は、スライドカム240に当接したオフ状態となり、上側カム検出スイッチ550は、スライドカム240に当接したオン状態となっている。
【0074】
そして、この挿入待機状態から光ディスクDがディスク挿通孔102Aを介して挿入されると、光ディスクDは、まず、左ガイドローラ413に当接し、次に、右ガイドローラ471に当接して、図11に示すような挿入初期状態となる。
具体的には、左ガイドローラ413が光ディスクDにより押されて、左ガイドアーム410が時計回りに回動する。そして、この左ガイドアーム410の回動に伴い、第1左保持スリット414Aが、その端部に向けて左ガイドサブピン422を若干移動させる。
このとき、左ガイドばね424が上述したような比較的弱い弾性力を有しているため、光ディスクDは、比較的弱い挿入力であっても、挿入初期状態まで挿入される。また、利用者が光ディスクDから手を離した場合でも、光ディスクDの重みにより、左ガイドばね424の付勢により左ガイドアーム410が反時計回りに回動することがなく、挿入初期状態が維持される。さらに、右ガイドアーム460が時計回りに付勢され、右ガイドローラ471による光ディスクDの中心方向への付勢力が働かないため、利用者が光ディスクDから手を離した場合でも、光ディスクDが外部に飛び出すことがなく、挿入初期状態が維持される。
【0075】
この後、さらに光ディスクDが挿入されると、図12に示すような挿入前半状態となる。
具体的には、左ガイドローラ413が光ディスクDにより押されて、左ガイドアーム410がさらに時計回りに回動する。そして、この左ガイドアーム410の回動に伴い、第1左保持スリット414Aが、その端部に向けて左ガイドサブピン422を移動させる。このため、左ガイドサブアーム420が左ガイドばね424に抗して、反時計回りに回動する。また、イジェクトアーム440のイジェクトローラ451に、光ディスクDが当接する。
【0076】
さらに、この挿入前半状態から光ディスクDがさらに挿入されると、図13に示すような挿入後半状態となる。
具体的には、左ガイドローラ413が光ディスクDにより押されて、左ガイドアーム410が時計回りにさらに回動する。そして、この左ガイドアーム410の回動に伴い、第1左保持スリット414Aが、第2左保持スリット414Bに向けて左ガイドサブピン422を移動させる。このため、左ガイドサブアーム420が左ガイドばね424に抗して、反時計回りに回動する。
また、左ガイドサブアーム420が反時計方向に回動し、左ガイドサブピン422が第2左保持スリット414Bに入ると、第2左保持スリット414Bは、左ガイドサブアーム420の回動支点を中心とした円弧で形成されているため、左ガイドローラ413が光ディスクDにより押されても左ガイドアーム410を時計方向に回動することはできなくなる。
【0077】
また、光ディスクDの挿入により、イジェクトアーム440は光ディスクDにより押されて、イジェクトばね486に抗して反時計回りに回動する。
また、イジェクトアーム440の回動により、イジェクトアーム440の第2イジェクトピン448が回動し、係合している右ガイドアーム460の右ガイドアームスリット466を第1右保持スリット466Aから第2右保持スリット446B方向に移動する。この動きに連動して右ガイドアーム460が回動することにより、右ガイドローラ471はイジェクトローラ451と連動して光ディスクDをガイドする状態になる。
また、イジェクトサブアーム480は、第3イジェクトサブピン484が第1保持溝245Bに係合しているので回動することはない。したがってイジェクトアーム440のイジェクトサブピン当接部443Aとイジェクトサブアーム480の第1イジェクトサブピン482とは離反しながら、反時計方向に回動することになる。離反することで、光ディスクDの挿入力が大きかったり、早く挿入されたときの破損の防止をしている。
この後、光ディスクDの最大外径となる部分(以下、最大外径部分と称す)が左ガイドローラ413および右ガイドローラ471を結ぶ仮想線(以下、基準仮想線と称す)上に略位置する状態まで光ディスクDが挿入されると、図23(A)に示すように、左アーム検出スイッチ510が左サブスイッチ当接部426と当接してオン状態となる。
【0078】
この左アーム検出スイッチ510のオフ状態からオン状態となることにより、制御回路部は、図23(F)に示すように、駆動機構250のモータ261を正転駆動させ、伝達部280を介してスライドカム240をベースプレート110の下側縁側へ移動させる。このスライドカム240の移動開始により、図23(E)に示すように、上側カム検出スイッチ550はスライドカム240との当接が解除され、オン状態からオフ状態となる。この上側カム検出スイッチ550がオン状態からオフ状態となると、制御回路部は、スライドカム240が適切に移動を開始したと認識する。
そして、スライドカム240の移動により、イジェクトサブアーム480が回動され、第1イジェクトサブピン482がイジェクトアーム440のイジェクトサブピン当接部443Aに当接してイジェクトアーム440を反時計回りに回動させる。このイジェクトアーム440の回動により、連結する右ガイドアーム460が、右ガイドばね468の付勢(引っ張り力)により右ガイドアーム460が反時計回りに回動し、第2イジェクトピン448が第2右保持スリット466Bの略中央まで移動する。この右ガイドアーム460が反時計回りに回動することにより、イジェクトアーム440、左ガイドローラ413および右ガイドローラ471により、基準仮想線を最大外径部分が通過した光ディスクDをイジェクトローラ451側に押し込んでカバー101内に送り込む。
【0079】
そして、右ガイドアーム460が反時計回りに回動し、光ディスクDおよび開口部384の中心が略一致するセンタリング状態の位置の直前まで光ディスクDが移動されると、図23(B)に示すように、右アーム検出スイッチ520は、右スイッチ当接部469と当接してオフ状態からオン状態となる。さらに、モータ261の正転駆動によりスライドカム240が下側縁側に移動すると、図23(D)に示すように、中間カム検出スイッチ540がオフ状態からオン状態となり、制御回路部は、図14および図15に示すように、光ディスクDおよび開口部384の中心が略一致するセンタリング状態の位置まで光ディスクDが適切に挿入(搬送)されたことを認識する。
この状態で、イジェクトアーム440の第1当接部445A1と、連結アーム430の第2連結ピン435とが当接する。
【0080】
また、モータ261の正転駆動によりスライドカム240が下側縁側に移動すると、昇降機構200の昇降ピン214は、スライドカム240の移動に伴い、図15に示すように、第1昇降スリット243Aおよび第2昇降スリット243Bの接続位置に位置する。このとき、昇降ピン214のベースプレート110までの距離が図7に示す状態と変わっていない。
このため、第1,第2シフトアーム210,220は、図10に示すように、ベースプレート110に最も近接した位置に位置する。
【0081】
そして、スライドカム240が所定位置まで移動すると、図16および図17に示すようなクランプ開始状態となる。
具体的には、昇降ピン214は、スライドカム240の移動に伴い、図16に示すように、第2昇降スリット243Bおよび第3昇降スリット243Cの接続位置に位置する。このとき、昇降ピン214のベースプレート110までの距離がセンタリング状態と比べて長くなる。このため、第1,第2シフトアーム210,220は、図17に示すように、センタリング状態と比べてベースプレート110から離れた位置に移動する。そして、この第1,第2シフトアーム210,220の移動に伴い、ターンテーブル321が上昇し、光ディスクDの孔部は、ターンテーブル321の突出部321Aに若干挿通される。
また、第2シフトアーム220がベースプレート110から離れる。このため、シャッタ制御ピン225および延出部187の当接が解除され、シャッタアーム180は、図18に示すように、シャッタばね190の付勢により、シャッタ170をベースプレート110から離す状態に回動する。したがって、シャッタ機構160は、シャッタ閉状態となる。
【0082】
この後、スライドカム240がさらに移動すると、図19および図20に示すようなチャッキング状態となる。
具体的には、昇降ピン214は、スライドカム240の移動に伴い、図19に示すように、第3昇降スリット243Cおよび第4昇降スリット243Dの接続位置に位置する。このとき、昇降ピン214のベースプレート110までの距離がクランプ開始状態と比べて長くなる。このため、第1,第2シフトアーム210,220は、図20に示すように、クランプ開始状態と比べてベースプレート110から離れた位置に移動する。
そして、この第1,第2シフトアーム210,220の移動に伴い、ターンテーブル321が上昇し、光ディスクDの孔部は、ターンテーブル321の突出部321Aに完全に挿通されて係合され、光ディスクDの孔部周縁近部がフランジ部321Bに載置されて
保持される。すなわち、光ディスクDは、ターンテーブル321にクランプされる。
なお、クランプ開始状態からチャッキング状態にかけて、ここでは図示しないが、イジェクトサブアーム480の第3イジェクトサブピン484は、第1保持溝245Aに沿って第2保持溝245B側から第3保持溝245C側に移動する。このため、第3イジェクトサブピン484が移動せず、ディスク保持機構400は、図14に示すように、光ディスクDを保持する状態が維持される。
【0083】
そして、スライドカム240がさらに移動すると、図21に示すように、第3イジェクトサブピン484が第3保持溝245Cの先端側に案内され、イジェクトサブアーム480が時計回りに回動する。そして、この回動により、第1イジェクトサブピン482がイジェクトアーム440のイジェクトサブピン当接部443Aを押圧し、イジェクトアーム440を反時計回りに回動させ、イジェクトローラ451を光ディスクDから離間させる。
また、イジェクトアーム440が反時計回りに回動すると、連結アーム430の第2連結ピン435がイジェクトアーム440の第1当接部445A1から第2当接部445A2となり、連結ばね434の引っ張り力に抗して連結アーム430が時計回りに回動する。この回動により、連結アーム430の第1連結ピン432が左ガイドサブアーム420の連結ピン係合溝425Bに係合して左ガイドサブアーム420を反時計回りに回動させる。この左ガイドサブアーム420の回動により、連動して左ガイドアーム410が時計回りに回動し、左ガイドローラ413を光ディスクDから離間させる。
さらに、イジェクトアーム440が反時計回りに回動すると、第2イジェクトピン448が第3右保持スリット466の先端まで移動し、この移動に伴い、右ガイドアーム460が右ガイドばね468に抗して、時計回りに回動する。そして、右ガイドローラ471を光ディスクDから離間させる。また、右アーム検出スイッチ520は、図23(B)に示すように、右スイッチ当接部469との当接が解除されて、オン状態からオフ状態となる。この右アーム検出スイッチ520のオン状態からオフ状態への切替により、制御回路部は、クランプ終了状態を認識する。
【0084】
さらに、スライドカム240がさらに移動すると、図21および図22に示すような記録再生状態となる。
具体的には、スライドカム240が移動すると、イジェクトアーム440がイジェクトローラ451を光ディスクDから離間させる状態に反時計回りに回動すると、第2当接部445A2に第2連結ピン435が当接し、連結アーム430を時計回りに回動させる。そして、この連結アーム430の回動により、第1連結ピン432が左ガイドサブアーム420の連結ピン係合溝425Bに係合する。また、第1連結ピン432および連結ピン係合溝425Bが係合すると、左ガイドサブアーム420が反時計回りに回動し、左ガイドサブピン422が第3左保持スリット414Cに案内される。この案内により、左ガイドアーム410を時計回りに回動させ、左ガイドローラ413を光ディスクDから離間させる。
これにより、光ディスクDは、左ガイドローラ413、右ガイドローラ471、イジェクトローラ451と接触していない状態となり、記録や再生が可能となる。
【0085】
また、昇降ピン214は、図22に示すように、第5昇降スリット243Eの右端に位置する。このとき、第1,第2シフトアーム210,220は、図17に示すような位置に移動する。
さらに、スライドカム240の移動により、図23(C)に示すように、下側カム検出スイッチ530がオフ状態からオン状態になり、制御回路部は、記録再生状態を認識し、モータ261の駆動を停止する。
【0086】
(光ディスクの排出動作)
次に、ディスクカメラレコーダ1の動作として、光ディスクDの排出動作について説明する。
図24は、各スイッチのオンオフ状態と光ディスクの搬送状態(光ディスクの排出状態)との関係を示すタイミングチャートで、(A)は左アーム検出スイッチのオンオフ状態、(B)は右アーム検出スイッチのオンオフ状態、(C)は下側カム検出スイッチのオンオフ状態、(D)は中間カム検出スイッチのオンオフ状態、(E)は上側カム検出スイッチのオンオフ状態、(F)はモータの駆動状態である。
【0087】
まず、ディスク処理部20の制御回路部は、記録再生状態時において、光ディスクDを排出する旨を認識すると、上述した光ディスクの挿入動作と逆の動作が実施される。すなわち、図24(F)に示すように、モータ261を挿入動作時と逆方向に回転(逆転)させ、スライドカム240を上側縁側へ移動させる。
このスライドカム240の上側縁側への移動開始により、図24(C)に示すように、下側カム検出スイッチ530がオン状態からオフ状態になり、制御回路部は、スライドカム240の適切な移動を認識する。
【0088】
スライドカム240が移動すると、昇降機構200およびディスク保持機構400は、図21、図22に示す記録再生状態から、図19、図20に示すチャッキング状態へ移行する。
この記録再生状態からチャッキング状態への移行の際、スライドカム240の移動によりイジェクトサブアーム480が反時計回りに回動する。この回動により、第1イジェクトサブピン482はイジェクトアーム440のイジェクトサブピン当接部443Aから離間する方向に移動するが、イジェクトアーム440はイジェクトばね486の引っ張り力により、第1イジェクトサブピン482およびイジェクトサブピン当接部443Aを当接させつつ時計回りに回動し、イジェクトローラ451を光ディスクDに当接させる。
また、イジェクトアーム440が時計回りに回動すると、連結アーム430の第2連結ピン435がイジェクトアーム440の第2当接部445A2から外れ、連結ばね434の引っ張り力により連結アーム430が反時計回りに回動し、第2連結ピン435が第1当接部445A1に係合する状態となる。この連結アーム430の回動により、左ガイドサブアーム420が左ガイドばね424の引っ張り力により時計回りに回動するとともに、連動して左ガイドアーム410を反時計回りに回動し、左ガイドローラ413を光ディスクDに当接させる。
さらに、イジェクトアーム440が時計回りに回動すると、連動して右ガイドアーム460が右ガイドばね468の引っ張り力により反時計回りに回動する。そして、右ガイドローラ471を光ディスクDに当接させる。この右ガイドアーム460の回動により、図24(B)に示すように、右アーム検出スイッチ520は、オフ状態からオン状態となる。このことにより、制御回路部は、クランプ終了状態となったことを認識する。
【0089】
この後、さらにスライドカム240が移動して、図16、図17に示すクランプ開始状態に移行し、図14、図15に示すセンタリング状態に順次移行する。この際、シャッタ機構160は、シャッタ閉状態からシャッタ開状態に移行する。
このとき、光ディスクDは、ターンテーブル321に載置され、かつ、ディスク保持機構400で周縁を保持されたまま、昇降機構200の下降に伴いベースプレート110に近づく方向に移動し、アンクランプピン130の先端に当接する。そして、この当接状態から、さらに昇降機構200が下降すると、光ディスクDは、アンクランプピン130により下降が制限され、ターンテーブル321から離されてアンクランプされる。この後、さらにスライドカム240が移動し、昇降機構200およびディスク保持機構400は、センタリング状態へ移行する。すなわち、図24(D)に示すように、中間カム検出スイッチ540がオン状態からオフ状態となり、制御回路部は、センタリング状態となったことを認識する。
光ディスクDは、スライドカム240の移動によりイジェクトサブアーム480が反時計回りに回動するのに同期して回動するイジェクトローラ451と、連動する右ガイドローラ471により排出移動量を制御しながら、光ディスクDを、排出方向へ移動(搬出)する。このとき、左ガイドアーム410は、左ガイドサブピン422が第2左保持スリット414Bと係合しているため、時計回りに大きく回動できない状態となっている。また、イジェクトばね486によるイジェクトローラ451が光ディスクDを排出する方向への付勢力は、右ガイドばね468による右ガイドローラ471が光ディスクDを送り込む方向への付勢力よりも大きく設定されている。
このスライドカム240の移動により、右ガイドアーム460が回動されて光ディスクDの搬出が開始されると、図24(B)に示すように、右アーム検出スイッチ520は、オン状態からオフ状態となり、図14に示すセンタリング状態および図13に示す挿入後半状態の間の状態と略等しい状態へ移行する。つまり、図13および図14の間の状態において、第1イジェクトサブピン482およびイジェクトサブピン当接部443Aが当接した状態へ移行する。
【0090】
この後、さらにスライドカム240が移動し、昇降機構200およびディスク保持機構400は、図12に示す挿入前半状態へ移行する。すなわち、図24(A)に示すように、左アーム検出スイッチ510がオン状態からオフ状態となった後に、図24(E)に示すように、上側カム検出スイッチ550は、オフ状態からオン状態となり、制御回路部は、挿入前半状態となったことを認識し、モータ261の駆動を停止する。
【0091】
排出途中では、光ディスクDが排出方向へ移動し、最大外径部分が基準仮想線近傍に位置するまでの間、右ガイドアーム460が積極的に光ディスクDを付勢しない形状に、右ガイドアームスリット466が形成されている。つまり、右ガイドアームスリット466は、イジェクトアーム440が時計回りに回動すると、第2イジェクトピン448との係合により、右ガイドアーム460を時計回りに回動させる形状に形成されている。このため、挿入後半状態から挿入前半状態では、光ディスクDは、左ガイドローラ413および右ガイドローラ471により、光ディスクDを積極的に排出できない程度の極めて軽い力により付勢され、ディスク挿通孔102Aからの飛び出しが抑制されるようにしてある。
【0092】
この後、光ディスクDが利用者により取り出されると、ディスク保持機構400は、図8などに示す挿入待機状態となる。すなわち、左ガイドアーム410が、挿入初期状態よりも反時計回りに回動して、左ガイドローラ413がディスク挿通孔102A側に移動し、挿入待機状態となる。
【0093】
〔ディスクカメラレコーダの作用効果〕
上述したように、上記実施の形態では、ディスク挿通孔102Aが形成されたカバー100の内部に、イジェクトアーム440、右ガイドアーム460、イジェクトサブアーム480、右ガイドばね468およびイジェクトばね486を備えて構成され第3イジェクトサブピン484で駆動されるアーム機構と、ターテーブル321が設けられた台座310を昇降させ昇降ピン214で駆動される昇降機構200と、第3イジェクトサブピン484および昇降ピン214を操作するスライドカム240と、をそれぞれ設けた。そして、スライドカム240に、第3イジェクトサブピン484と係合する保持制御溝245と、昇降ピン214と係合する昇降制御スリット243とをそれぞれ設けた。そのため、光ディスクDの挿入搬出操作と、光ディスクDの着脱操作とを行うために、従来複数必要であったカムの数を1個にすることができるから、装置を小型化することができる。特に、携帯型のディスクカメラレコーダの小型化を達成することができる。
【0094】
スライドカム240をガイドするガイド部383をローディングシャーシ360に設けたので、スライドカム240の正確な往復動を確保することができる。しかも、ガイド部383をローディングシャーシ360に切起して形成したから、板金をプレスなどすることで、ガイド部383の形成を容易に行うことができる。そのため、装置自体のコストダウンを図ることができる。
【0095】
ガイド部383はスライドカム240が往復動する軌跡に沿ってスライドカム240の両側にそれぞれ3個、合計6個配置されているから、長尺状のガイド部をスライドカム240の両側に1個ずつ切起して形成する場合に比べて、ローディングシャーシ360の強度を維持することができる。
【0096】
ローディングシャーシ360の昇降機構200を挟んで対向する位置にベースプレート110を配置し、このベースプレート110にスライドカム240をガイドするカムガイド140を設けた。そのため、スライドカム240の基端側をカムガイド140でガイドし、スライドカム240の先端側をガイド部383でガイドする構成となるので、スライドカム240のより正確な往復動を確保することができる。
【0097】
スライドカム240はカムガイド140に移動可能に係合されるカム基部241と、このカム基部241に設けられたカム立設部242と、このカム立設部242に設けられガイド部383に移動可能に係合されるカム先端部244とが合成樹脂などで一体に形成された構造であるため、スライドカム230を射出成形などの手段を用いて簡単に製造することができる。しかも、昇降機構200と近接した位置にあるカム立設部242に昇降制御スリット243を形成し、リンク機構に近接した位置にあるカム先端部244に保持制御溝245を形成したので、光ディスクDの挿入搬出操作と着脱操作とを無理なく実行することができる。
【0098】
歯車機構を介してモータ261に連結されラック247をカム基部241に設けたから、ラック247を昇降制御スリット243や保持制御溝245と干渉することなく長く形成することができる。そのため、スライドカム240の往復動の長さを長く確保することができる。
【0099】
アーム機構を、イジェクトアーム440と、一方向の移動により光ディスクDがディスク挿通孔102Aから搬出される方向にイジェクトアーム440を回動させるスライドカム240と、このスライドカム240とイジェクトアーム440とを連結するイジェクトサブアーム480と、このイジェクトサブアーム480とイジェクトアーム440との間に設けられイジェクトサブアーム480が静止した状態においてイジェクトアーム440を光ディスクDの排出する方向に付勢するイジェクトばね486とを備えた。そのため、光ディスクDをディスク挿入孔102Aからカバー100の内部に挿入する際やカバー100の外部に排出する際に、光ディスクDに外力が働いてイジェクトアーム440に力がかかっても、その力をイジェクトばね486が吸収することになり、イジェクトアーム440の破損を防止することができる。
【0100】
昇降機構200は、ベースプレート110にそれぞれ一端部が回動可能に取り付けられ他端部にターンテーブル321が取り付けられた第1シフトアーム210および第2シフトアーム220と、これらの第1シフトアーム210と第2シフトアーム220との中間部分に設けられ第1シフトアーム210と第2シフトアーム220とを相対的に回動自在に取り付ける連結軸234,235とを備え、第1シフトアーム210の他端部側に昇降ピン214を設けたから、ターンテーブル321の平行を維持した状態での昇降操作を簡易な構造で達成することができる。そのため、光ディスクDの着脱操作を確実に行うことができる。
【0101】
イジェクトアーム440が光ディスクDを排出する方向への回動を阻止するととともにイジェクトアーム440が光ディスクDを挿入する方向への回動を許容する第1イジェクトサブピン482をイジェクトサブアーム480に設けたから、光ディスクDを排出するために、スライドカム240および第1イジェクトサブピン482を介してイジェクトサブアーム480を回動させても、イジェクトばね486の付勢力でイジェクトアーム440が容易に回動することになるので、スライドカム240を駆動するためのモータ261の負荷を小さなものにできる。
【0102】
イジェクトアーム480に連結され光ディスクDの周縁部に当接して挿入方向に案内する右ガイドアーム460と、この右ガイドアーム460を光ディスクDの挿入方向に付勢する右ガイドばね468とを備えてリンク機構を構成した。そのため、右ガイドばね468の付勢力により光ディスクDの挿入操作を容易に行うことができる。
その上、イジェクトばね486は右ガイドばね468よりも大きい弾性力を有する構成としたので、イジェクトばね486でイジェクトアーム440を確実に光ディスクDを排出することができる。
【0103】
〔実施の形態の変形〕
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲で以下に示される変形をも含むものである。
【0104】
すなわち、前記実施の形態では、昇降機構200を、ベースプレート110にそれぞれ一端部が回動可能に取り付けられ他端部にターンテーブル321が取り付けられた第1シフトアーム210および第2シフトアーム220を備えて構成したが、本発明では、ターンテーブル321を取り付けた台座をアームに設け、このアームの基端部をベースプレート110のスライドカム240とは離隔した位置に回動自在に設け、アームの回動先端部に昇降ピンを設ける構成としてもよい。
【0105】
本発明では、スライドカム240をガイドするガイド部383を省略してもよい。仮に、ガイド部を設ける場合であっても、長尺状のガイド部をスライドカム240の両側においてローディングシャーシ360を1個ずつ切起して形成するものでもよい。
【0106】
さらに、本発明のディスク装置を、設置型の記録再生装置、記録装置、再生装置、設置型や携帯型のパーソナルコンピュータ、ナビゲーション装置など、ディスクカメラレコーダ1以外の構成に適用してもよい。
そして、ディスク挿通孔102Aを、撮影窓13側や撮影レンズ12側に位置する状態で設ける構成としてもよい。
【0107】
その他、本発明の実施の際の具体的な構造および手順は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造などに適宜変更できる。
【0108】
〔実施形態の作用効果〕
上述したように、ディスク挿通孔102Aが形成されたカバー100の内部に、イジェクトアーム440、右ガイドアーム460、イジェクトサブアーム480、右ガイドばね468およびイジェクトばね486を備えて構成され第3イジェクトサブピン484で駆動されるアーム機構と、ターンテーブル321が設けられた台座310を昇降させ昇降ピン214で駆動される昇降機構200と、第3イジェクトサブピン484および昇降ピン214を操作するスライドカム240と、をそれぞれ設け、スライドカム240に、第3イジェクトサブピン484と係合する保持制御溝245と、昇降ピン214と係合する昇降制御スリット243とをそれぞれ設けた。そのため、光ディスクDの挿入搬出操作と、光ディスクDのチャックング操作とを行うために、従来複数必要であったカムの数を1個にすることができるから、装置、例えば、ディスクカメラレコーダを小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】本発明の一実施の形態に係るディスクカメラレコーダの全体の概略を模式的に示す図である。
【図2】前記一実施の形態におけるディスクカメラレコーダを構成するディスク処理部の内部構成を示す平面図である。
【図3】前記一実施の形態におけるディスク処理部の下側縁側を表す図である。
【図4】前記一実施の形態におけるディスク処理部の上側縁側を表す図である。
【図5】前記一実施の形態におけるディスク処理部の左側縁側を表す図である。
【図6】前記一実施の形態におけるディスク処理部の右側縁側を表す図である。
【図7】前記一実施の形態におけるディスク処理部の右側縁側を表す断面図である。
【図8】前記一実施の形態におけるディスク処理部の平面図である。
【図9】前記一実施の形態における挿入待機状態でのディスク処理部の上側縁側を表す図である。
【図10】前記一実施の形態における挿入待機状態での昇降機構の状態を表す図である。
【図11】前記一実施の形態における挿入初期状態でのディスク処理部の平面図である。
【図12】前記一実施の形態における挿入前半状態でのディスク処理部の平面図である。
【図13】前記一実施の形態における挿入後半状態でのディスク処理部の平面図である。
【図14】前記一実施の形態におけるセンタリング状態でのディスク処理部の平面図である。
【図15】前記一実施の形態におけるセンタリング状態での昇降ピンおよびスライドカムの係合状態を表す図である。
【図16】前記一実施の形態におけるクランプ開始状態での昇降ピンおよびスライドカムの係合状態を表す図である。
【図17】前記一実施の形態におけるクランプ開始状態での昇降機構の状態を表す図である。
【図18】前記一実施の形態におけるクランプ開始状態でのシャッタ機構の状態を表す図である。
【図19】前記一実施の形態におけるチャッキング状態での昇降ピンおよびスライドカムの係合状態を表す図である。
【図20】前記一実施の形態におけるチャッキング状態での昇降機構の状態を表す図である。
【図21】前記一実施の形態における記録再生状態でのディスク処理部の平面図である。
【図22】前記一実施の形態における記録再生状態での昇降ピンおよびスライドカムの係合状態を表す図である。
【図23】前記一実施の形態における各スイッチのオンオフ状態と光ディスクの搬送状態(光ディスクの挿入状態)との関係を示すタイミングチャートで、(A)は左アーム検出スイッチのオンオフ状態、(B)は右アーム検出スイッチのオンオフ状態、(C)は下側カム検出スイッチのオンオフ状態、(D)は中間カム検出スイッチのオンオフ状態、(E)は上側カム検出スイッチのオンオフ状態、(F)はモータの駆動状態である。
【図24】前記一実施の形態における各スイッチのオンオフ状態と光ディスクの搬送状態(光ディスクの排出状態)との関係を示すタイミングチャートで、(A)は左アーム検出スイッチのオンオフ状態、(B)は右アーム検出スイッチのオンオフ状態、(C)は下側カム検出スイッチのオンオフ状態、(D)は中間カム検出スイッチのオンオフ状態、(E)は上側カム検出スイッチのオンオフ状態、(F)はモータの駆動状態である。
【符号の説明】
【0110】
1…撮像装置としてのディスクカメラレコーダ
12…撮影レンズ
20…ディスク装置としてのディスク処理部
100…筐体を構成するカバー
102A…ディスク挿通部としてのディスク挿通孔
110…筐体を構成するベースプレート
140…カムガイド
200…昇降機構
214…昇降ピン
234…連結軸
235…連結軸
240…スライドカム
241…カム基部
242…カム立設部
243…第2のカム溝である昇降制御スリット
244…カム先端部
245…第1のカム溝である保持制御溝
247…ラック
261…モータ
321…ディスク保持部としてのターンテーブル
360…筐体を構成するローディングシャーシ
383…ガイド部
400…搬送装置を構成するディスク保持機構
440…イジェクトアーム
448…第2イジェクトピン
460…右ガイドアーム
468…右ガイドばね
480…イジェクトサブアーム
486…イジェクトばね
484…リンク用係合ピンとしての第3イジェクトサブピン
D…記録媒体としての光ディスク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスク状の記録媒体が挿排可能なスリット状のディスク挿通部を有した筐体と、
この筐体の内部に配置され前記記録媒体を着脱可能に保持するディスク保持部と、
前記筐体のディスク挿通部から前記ディスク保持部へ前記記録媒体を挿入するとともに前記ディスク保持部から前記筐体のディスク挿通部への前記記録媒体を搬出するアーム機構と、
このアーム機構に連結されるとともに往復動に伴って前記アーム機構を駆動するリンク用係合ピンと、
前記ディスク保持部が設けられた台座を備え、この台座を昇降させる昇降機構と、
この昇降機構に連結されるとともに往復動に伴って前記昇降機構を駆動する昇降ピンと、
前記リンク用係合ピンに係合される第1のカム溝と、前記昇降ピンに係合される第2のカム溝とがそれぞれ形成され前記筐体に往復動可能に配置されたスライドカムと、
を具備したことを特徴としたディスク装置。
【請求項2】
請求項1に記載のディスク装置において、
前記筐体はシャーシを備え、このシャーシにはスライドカムをガイドするガイド部が切起して形成されている、ことを特徴としたディスク装置。
【請求項3】
請求項2に記載のディスク装置において、
前記ガイド部は前記スライドカムが往復動する軌跡に沿って前記スライドカムの両側にそれぞれ複数配置されている、ことを特徴としたディスク装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載のディスク装置において、
前記シャーシの前記昇降機構を挟んで対向する位置にベースプレートが配置され、このベースプレートには前記スライドカムをガイドするカムガイドが設けられている、ことを特徴としたディスク装置。
【請求項5】
請求項4に記載のディスク装置において、
前記スライドカムは、前記ガイド部に移動可能に係合されるカム基部と、このカム基部に一体に設けられたカム立設部と、このカム立設部に一体に設けられ前記ガイド部に移動可能に係合されるカム先端部とを有し、前記カム立設部には前記第2のカム溝が形成され、前記カム先端部には前記第1のカム溝が形成される、ことを特徴としたディスク装置。
【請求項6】
請求項5に記載のディスク装置において、
前記カム基部にはラックが設けられ、このラックは歯車機構を介してモータに連結されている、ことを特徴としたディスク装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれかに記載のディスク装置において、
前記アーム機構は、前記筐体のディスク挿通部から前記ディスク保持部への前記記録媒体の挿入を許容する方向と前記ディスク保持部から前記筐体のディスク挿通部への前記記録媒体の搬出をする方向とに回動可能なイジェクトアームと、前記スライドカムと前記イジェクトアームとを連結するとともに前記スライドカムが移動する平面内で回動可能に設けられた連結部材と、この連結部材と前記イジェクトアームとの間に設けられ前記連結部材が静止した状態において前記イジェクトアームが前記記録媒体を排出する方向に付勢するばねと、前記連結部材に設けられ前記イジェクトアームが前記記録媒体を排出する方向への回動を阻止するととともに前記イジェクトアームが前記記録媒体を挿入する方向への回動を許容する係合部とを備えた、ことを特徴としたディスク装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれかに記載のディスク装置において、
前記昇降機構は、前記筐体にそれぞれ一端部が回動可能に取り付けられ他端部に前記ディスク保持部が取り付けられた第1シフトアームおよび第2シフトアームと、これらの第1シフトアームと第2シフトアームとの中間部分に設けられ前記第1シフトアームと前記第2シフトアームとを相対的に回動自在に取り付ける連結軸とを備え、前記第1シフトアームの他端部側に前記昇降ピンが設けられている、ことを特徴としたディスク装置。
【請求項9】
レンズを有した撮像部と、この撮像部にて取得した撮像データを前記記録媒体に記録する請求項1から請求項8のいずれかに記載されたディスク装置と、を具備したことを特徴とした撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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