説明

ディスク装置のトレー

【課題】 トレーの薄形化を阻害したり径大ディスクの記録領域を損傷したりするおそれがなく、必要部品点数の増加を伴うことなく、径小ディスクの外周部端面に対する掛り代を増大させて径小ディスクの位置ずれを防ぐ。
【解決手段】 第1及び第2の各支持部30,40が支持面31,41と立上り面32,42とを有する。径小ディスクD1に対応している第1支持部30の立上り面32の上端位置が、径大ディスクD2に対応している第2支持部40の支持面41よりも低位に位置している。第1支持部30の外周部分に樹脂で肉盛り部分60を成形することにより、その肉盛り部分60の内周面61を第1支持部30の立上り面32に面一に連続させてその立上り面32を増高させる。肉盛り部分60の頂面62を第2支持部40の支持面41よりも低位に位置させてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスク装置のトレー、特に、直径の異なる2種類のディスクを使用対象としているディスク装置において、ディスク装置が水平姿勢に対して傾斜しているとしても、クランプ機構によってトレーに受け渡された径小ディスクがその正規の受渡し位置から位置ずれすることを防ぐための対策が講じられているトレーに関する。
【背景技術】
【0002】
図3に一般的なディスク装置を概略的に斜視図で示してあり、このディスク装置の概略構成を説明する。このディスク装置は、機体フレーム10にトレー20が出入り可能に組み付けられていて、このトレー20に載架された記録媒体としてのディスクが、機体フレーム10の内部と外部との間で搬入(ローディング)又は搬出(アンローディング)されるようになっている。そして、ローディングされたディスクが、図示していないクランプ機構により挟持されてトレー20から持ち上げられ、その状態でディスクが回転して、その回転中にディスクの記録面が光ピックアップなどの作用を通じて光学的に処理されて情報の記録や再生が行われる。
【0003】
この種のディスク装置において、直径の異なる2種類のディスクを使用対象としているものでは、トレー20に第1及び第2の2つの円環状の支持部30,40が同心位置の2箇所に形成されていて、径小ディスクの外周部が第1支持部30に載架され、径大ディスクの外周部が第2支持部40に載架されるようになっている。
【0004】
図4は円盤形のディスク100を記録面側から見た平面図である。同図のように、ディスク100は、中心孔110の周囲と外周部との2箇所に非記録領域121,122を有し、それらの非記録領域121,122の間の環状領域に記録領域123が割り当てられていて、記録領域123が傷付きなどによって損傷すると、ディスク100についての記録再生性能が低下する。このため、ディスク100の外周部分の非記録領域122を利用してディスク100を図3に示したトレー20に載架するようになっている。また、直径Dの異なる2種類のディスク100において、径小ディスクでは直径Dが8cm、径大ディスクでは直径Dが12cmに規格化されている。したがって、直径Dが8cmの径小ディスクでは、その外周部分の非記録領域122が図3に示したトレー20の内側の第1支持部30に載架されて支持されるのに対し、直径Dが12cmの径大ディスクでは、その外周部分の非記録領域122が図3に示したトレー20の外側の第2支持部40に載架されて支持される。
【0005】
図5は従来例としてのトレー20の概略平面図、図6は図5のVI−VI線に沿う部分の拡大断面図である。図5又は図6のように、第1支持部30は、径小ディスクD1の外周部下面(具体的には上記した非記録領域122の形成面)が載架される支持面31と径小ディスクD1の外周部端面124に当接してその径小ディスクD1の位置ずれを阻止する円筒形の立上り面32とを有している。同様に、第2支持部40は、径大ディスクD2の外周部下面(具体的には上記した非記録領域122の形成面)が載架される支持面41と径大ディスクD2の外周部端面124に当接してその径大ディスクD2の位置ずれを阻止する円筒形の立上り面42とを有している。そして、第1及び第2の各支持部30,40のそれぞれの円筒形の立上り面32,42の直径が、それらに対応するディスク100の直径よりもやゝ長くなっていて、各支持部30,40へのディスク100の嵌脱が容易に行われるようになっている。また、径小ディスクD1に対応している第1支持部30の立上り面32の上端位置が、径大ディスクD2に対応している第2支持部40の支持面41よりも低位に位置していることにより、第2支持部40に載架された径大ディスクD2の記録領域123(図4参照)がトレー20の平坦な上面21に非接触状態に保たれてその傷付きなどによる損傷が防止されるようになっている。
【0006】
ところで、ディスク装置にあっては、既述したように、トレーに載架されてローディングされたディスクは、クランプ機構により挟持されてトレーから持ち上げられ、その状態でディスクが回転して、その回転中にディスクの記録面が光ピックアップなどの作用を通じて光学的に処理されて情報の記録や再生が行われる。また、クランプ機構によるディスクのクランプ状態が解除される動作に伴ってディスクがトレーに受け渡される。
【0007】
図7はクランプ機構50により径小ディスクD1がトレー20から持ち上げられてクランプされている状態を示した説明図、図8はクランプ機構50によるディスクのクランプ状態が解除される動作に伴って径小ディスクD1がトレー20に受け渡された状態を示した説明図である。図7又は図8によって判るように、クランプ機構50は、径小ディスクD1のローディング位置の下側で待機しているターンテーブル51と、上記ローディング位置の上側で待機しているクランパ53とを有していて、ターンテーブル51がモータ52によって回転駆動されるようになっている。このようなクランプ機構50は次のように動作する。径小ディスクD1がトレー20に載架されてローディング位置まで搬入されると、図7矢印Aのようにターンテーブル51が上動してトレー20に載架されている径小ディスクD1を受け取った後、その径小ディスクD1をクランパ53との間で挟持する。また、ターンテーブル51が下動することによってクランプ機構50による径小ディスクD1のクランプ状態が解除され、図8矢印Bに示したように、その後のターンテーブル51の下動により径小ディスクD1をターンテーブル51からトレー20に受け渡す。そして、クランプ機構50のクランプ状態が解除される動作に伴ってターンテーブル51からトレー20に受け渡された径小ディスクD1は、図4に示した非記録領域122を形成している外周部下面が第1支持部30の支持面31に載架される。このため、トレー20に受け渡された径小ディスクD1は図8のように第1支持部30に遊嵌合された状態になる。
【0008】
ここで、図6に示したように、第1支持部30の深さ、すなわち支持面31からの立上り面32の立上り高さHは、径小ディスクD1の厚さよりも短い寸法になっていて、そうすることによりトレー20の薄形化ひいてはディスク装置全体の薄形化を図っている。
【0009】
一方、直径の異なる2種類のディスクを使用対象にしているトレーの薄形化を図るための対策として、トレーに貼り付けたパッドによって径大ディスクを支持することが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0010】
特許文献1によって提案されている技術をトレーに適用した事例を図9及び図10に示してある。図9は当該事例に係るトレーの概略平面図、図10は当該事例に係るトレーの要部の拡大断面図である。図9及び図10のように、特許文献1によって提案されている技術を適用したトレー200では、径小ディスクの支持部210の外側複数箇所にパッド220が貼り付けられ、これらのパッド220に径大ディスクD2が載架されるようになる。
【特許文献1】特開2002−230939号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記したように、従来のディスク装置では、上記のように、第1支持部30の立上り面32の立上り高さHを、径小ディスクD1の厚さよりも短い寸法に定めてトレー20の薄形化ひいてはディスク装置全体の薄形化を図っていることにより、径小ディスクD1の外周部端面124に対する立上り面32の掛り幅(立上り面32の立上り高さに相当する)を十分に大きく確保することに困難があった。そのため、ディスク装置が水平姿勢に対して傾斜しているためにトレー20も傾斜しているようなときには、クランプ機構50のクランプ状態が解除される動作に伴ってターンテーブル51からトレー20に受け渡された径小ディスクD1の外周部端面124が立上り面32に引掛かることなくその立上り面32を乗り越えてしまうという事態の生じることがあった。そして、そのような事態が生じると、径小ディスクD1がトレー20の正規位置(径小ディスクD1の全体が円環状の第1支持部30に嵌合する位置)から位置ずれしてしまい、トレー20が機体フレーム10の外部に搬出(アンローディング)される動作の途中で径小ディスクD1が機体フレーム10などに引掛かって動作不良を起こしたりすることがある。
【0012】
そこで、第1支持部30の支持面31の位置を下げて立上り面32の支持面31からの立上り高さHを高くすることが有効であるけれども、そのようにすると、トレー20ひいてはディスク装置全体の薄形化が阻害されるおそれがある。
【0013】
この点に関し、特許文献1によって提案されている技術を適用して得られる図9又は図10に示したトレー200にあっては、図10に示したように、径小ディスクの支持部210の立上り面212の支持面211からの立上り高さH1がパッド220の厚さ分Tだけ増高されるために、径小ディスクを支持面211に載架したときに、径小ディスクD1の外周部端面に対する掛り代が大きくなって径小ディスクの位置ずれを防ぐことが可能になる。しかしながら、図9又は図10に示したトレー200では、パッド220が余分に必要になるために必要部品点数が増えて組立て工程が煩雑になるだけでなく、径大ディスクD2の記録領域がパッド220に接触するために、パッド220に柔軟な素材を用いたとしても、記録領域が傷付きなどの損傷を受けるおそれがある。
【0014】
本発明は、以上の状況の下でなされたものであり、トレーの薄形化を阻害したり径大ディスクの記録領域を損傷したりするおそれがないにもかかわらず、また、必要部品点数の増加を伴うことなく、径小ディスクの外周部端面に対する掛り代を増大させて径小ディスクの位置ずれを防ぐことのできるディスク装置のトレーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係るディスク装置のトレーは、直径の異なる2種類のディスクのそれぞれの外周部が載架される第1及び第2の2つの円環状の支持部を同心位置の2箇所に有し、第1及び第2の各支持部が、ディスクの外周部下面が載架される支持面とディスクの外周部端面に当接してそのディスクの位置ずれを阻止する立上り面とを有し、径小ディスクに対応している上記第1支持部の上記立上り面の上端位置が、径大ディスクに対応している上記第2支持部の支持面よりも低位に位置していて、径小ディスクを挟持して上記第1支持部から浮き上がらせているクランプ機構のクランプ状態が解除される動作に伴って、そのクランプ機構から離脱した径小ディスクの外周部下面が上記第1支持部の支持面に受け渡されるように構成されている。そして、上記第1支持部の外周部分に、当該トレーと一体に樹脂で肉盛り部分を成形することにより、その肉盛り部分の内周面を上記第1支持部の立上り面に面一に連続させてその立上り面を増高してあると共に、上記肉盛り部分の頂面を上記第2支持部の支持面よりも低位に位置させてある。
【0016】
この構成であると、径小ディスクの外周部端面に対する掛り代が、第1支持部の立上り面の立上り高さが、肉盛り部分の内周面によって増高されているために、トレーの薄形化を阻害することなく、径小ディスクの外周部端面に対する掛り代が第1支持部の立上り面だけの場合よりも増大して径小ディスクの位置ずれを防ぐことができるようになる。また、肉盛り部分の頂面が、第2支持部の支持面よりも低位に位置しているので、径大ディスクの外周部下面が第2支持部の支持面に載架されても、肉盛り部分が径大ディスクの記録領域に接触してそれを傷付けて損傷するといったおそれがない。さらに、肉盛り部分はトレーと一体に樹脂で成形されているので、必要部品点数が増大して組立て工程が煩雑になるという事態も起こらない。この作用は、上記肉盛り部分の頂面を、上記第2支持部に外周部下面が載架された径大ディスクの下面に当接しない位置に定めてあることによって奏される。
【0017】
本発明では、上記肉盛り部分が円環状に形成されていることが望ましい。このように肉盛り部分が円環状に形成されていると、第1支持部の立上り面に面一に連続する肉盛り部分の内周面も円環状になるために、トレーがどの方向に傾斜していても、第1支持部の立上り面と肉盛り部分の内周面とが径小ディスクの位置ずれを防ぐことに役立つという利点がある。この作用は、上記肉盛り部分の内周面による上記立上り面の増高幅が、上記立上り面の全周部分で同一寸法に定められていることによっていっそう確実に発揮される。
【0018】
本発明では、第1及び第2の上記各支持部が薄板状の底板部の内側と外側とに連設されていて、上記肉盛り部分がその頂面から外側へ延び出て上記底板部の上面に連続する下がり勾配の環状傾斜面を有していることが望ましい。肉盛り部分をトレーと一体に樹脂で成形すると、トレーに加わる荷重がその肉盛り部分の根元に集中して割れやすくなることが考えられるけれども、この発明のように構成しておくと、肉盛り部分の根元での荷重の集中が抑制されてトレーの底板部が割れにくくなる。したがって、底板部の薄肉化を促進してトレーの薄形化を図りやすくなる。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明によれば、トレーの薄形化を阻害したり径大ディスクの記録領域を損傷したりするおそれがないにもかかわらず、必要部品点数の増加を伴うことなく、径小ディスクの外周部端面に対する掛り代を増大させて径小ディスクの位置ずれを防ぐことが可能になるので、トレーを薄形化しても、径小ディスクがトレー上で位置ずれしてトレーの搬入出動作の円滑性が損なわれることがなくなるという効果が奏される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1は本発明の実施形態であるトレー20の概略平面図、図2は図1のII−II線に沿う部分の拡大断面図である。
【0021】
このトレー20の基本構成は、図5又は図6を参照して説明した従来例と同様である。したがって、図1又は図2のように、第1支持部30は、径小ディスクD1の外周部下面(図4に示した非記録領域122の形成面)が載架される支持面31と径小ディスクD1の外周部端面124に当接してその径小ディスクD1の位置ずれを阻止する円筒形の立上り面32とを有している。同様に、第2支持部40は、径大ディスクD2の外周部下面(図4に示した非記録領域122の形成面)が載架される支持面41と径大ディスクD2の外周部端面124に当接してその径大ディスクD2の位置ずれを阻止する円筒形の立上り面42とを有している。そして、第1及び第2の各支持部30,40のそれぞれの円筒形の立上り面32,42の直径が、それらに対応するディスク100の直径よりもやゝ長くなっていて、各支持部30,40へのディスク100の嵌脱が容易に行われるようになっている。また、径小ディスクD1に対応している第1支持部30の立上り面32の上端位置が、径大ディスクD2に対応している第2支持部40の支持面41よりも低位に位置していることにより、第2支持部40に載架された径大ディスクD2の記録領域123(図4参照)がトレー20の平坦な上面21に非接触状態に保たれてその傷付きなどによる損傷が防止されるようになっている。
【0022】
この実施形態では、第1及び第2の各支持部30,40がトレー20の薄板状の底板部22の内側と外側とに連設されていて、この底板部22の上面が上記した平坦な上面21に相当している。
【0023】
この実施形態では、上記した基本構成に追加して、第1支持部30の外周部分に、当該トレー20と一体に樹脂で円環状の肉盛り部分60を成形してある。この肉盛り部分60は、その内周面61を上記立上り面32に面一に連続させてある。また、肉盛り部分60の頂面62は円環状の平坦面であって、その頂面62を第2支持部40の支持面41よりも低位に位置させてある。言い換えると、肉盛り部分60の頂面62を、第2支持部40に外周部下面が載架された径大ディスクD2の下面に当接しない位置に定めてある。
【0024】
肉盛り部分60をこのように構成しておくと、図2に示したように、肉盛り部分60の厚さ分T1が立上り面32の立上り高さHに追加されるために、実質的には、立上り面22の全周部分でその立上り面32が肉盛り部分60の厚さ分T1だけ増高される。このため、第1支持部30に嵌合されてその支持面31に載架されている径小ディスクD1の外周部端面124に対する掛り代が、立上り面32の立上り高さHと肉盛り部分60の厚さ分T1とを合わせた寸法になるために、クランプ機構のクランプ状態が解除される動作に伴って一旦第1支持部30に嵌合された径小ディスクD1が肉盛り部分60を乗り越えて正規位置から位置ずれするという事態が起こりにくくなる。この作用は、トレー20が水平姿勢を保っているときは勿論、水平姿勢に対してどの方向に傾斜しているときでも発揮される。このため、トレー20が機体フレーム10の外部に搬出(アンローディング)される動作の途中で径小ディスクD1が機体フレーム10などに引掛かって動作不良を起こしたりすることが防止される。
【0025】
この実施形態によると、上記のようにトレー20が傾斜しているときの径小ディスクD1の正規位置からの位置ずれが防止できるだけでなく、肉盛り部分60の頂面62やトレー20の底板部22の上面21が、第2支持部40に外周部下面が載架された径大ディスクD2の下面に当接しない構成になっているので、クランプ機構によって挟持されてトレー20から持ち上げられた径大ディスクD2が回転中に面振れしても、その径大ディスクD2が肉盛り部分60の頂面62やトレー20の底板部22の上面21と擦れて性能上の不都合を生じるおそれはない。
【0026】
さらにこの実施形態では、図2のように、肉盛り部分60がその頂面62から外側へ延び出て底板部22の上面21に連続する下がり勾配の環状傾斜面63を有している。このため、肉盛り部分60を底板部22の上面21から直角に立ち上げているものに比べると、肉盛り部分60の根元での荷重の集中度合が少なくなる。そのため、肉盛り部分60の根元でトレー20の底板部22が割れるという事態が起こりにくい。併せて、肉盛り部分60が第1支持部30を補強する補強リブとしての作用も発揮するので、トレー20の肉厚を薄くしても第1支持部30に必要な強度を付与しやすくなるという利点がある。特に、この実施形態では、環状傾斜面63と底板部22の上面21との開き角度θを135度よりも大きい鈍角に定めてある。こうしておくと、環状傾斜面63と底板部22の上面21とが見かけ上ではほゞ水平に連続するようになり、底板部22の肉厚が薄くても、肉盛り部分60の根元でトレー20の底板部22が割れるという事態が起こりにくい。なお、環状傾斜面63と底板部22の上面21との開き角度θは180度に近いほど好ましいのであるけれども、あまりに180度に近付けてしまうと、底板部22を実質的に増厚することになってしまって肉盛り部分60の補強リブとしての作用を得にくくなる。
【0027】
なお、図1〜図8では説明内容を理解しやすくすることを目的として、同一又は相応する部分に同一符号を付してある。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施形態であるトレーの概略平面図である。
【図2】図1のII−II線に沿う部分の拡大断面図である。
【図3】一般的なディスク装置の概略斜視図である。
【図4】ディスクを記録面側から見た平面図である。
【図5】従来例としてのトレーの概略平面図である。
【図6】図5のVI−VI線に沿う部分の拡大断面図である。
【図7】クランプ機構により径小ディスクがクランプされている状態を示した説明図である。
【図8】径小ディスクがトレーに受け渡された状態を示した説明図である。
【図9】特許文献1で示されている技術を適用したトレーの概略平面図である。
【図10】特許文献1で示されている技術を適用したトレーの要部の拡大断面図である。
【符号の説明】
【0029】
20 トレー
22 底板部
30 第1支持部
31,41 支持面
32,42 立上り面
40 第2支持部
50 クランプ機構
60 肉盛り部分
61 肉盛り部分の内周面
62 肉盛り部分の頂面
63 環状傾斜面
100 ディスク
124 ディスクの外周部端面
D1 径小ディスク
D2 径大ディスク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直径の異なる2種類のディスクのそれぞれの外周部が載架される第1及び第2の2つの円環状の支持部を同心位置の2箇所に有し、第1及び第2の各支持部が、ディスクの外周部下面が載架される支持面とディスクの外周部端面に当接してそのディスクの位置ずれを阻止する立上り面とを有し、径小ディスクに対応している上記第1支持部の上記立上り面の上端位置が、径大ディスクに対応している上記第2支持部の支持面よりも低位に位置していて、径小ディスクを挟持して上記第1支持部から浮き上がらせているクランプ機構のクランプ状態が解除される動作に伴って、そのクランプ機構から離脱した径小ディスクの外周部下面が上記第1支持部の支持面に受け渡されるように構成されているディスク装置のトレーであって、
上記第1支持部の外周部分に、当該トレーと一体に樹脂で肉盛り部分を成形することにより、その肉盛り部分の内周面を上記第1支持部の立上り面に面一に連続させてその立上り面を増高してあると共に、上記肉盛り部分の頂面を上記第2支持部の支持面よりも低位に位置させてあることを特徴とするディスク装置のトレー。
【請求項2】
上記肉盛り部分の頂面を、上記第2支持部に外周部下面が載架された径大ディスクの下面に当接しない位置に定めてある請求項1に記載したディスク装置のトレー。
【請求項3】
上記肉盛り部分が円環状に形成されている請求項1又は請求項2に記載したディスク装置のトレー。
【請求項4】
上記肉盛り部分の内周面による上記立上り面の増高幅が、上記立上り面の全周部分で同一寸法に定められている請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載したディスク装置のトレー。
【請求項5】
第1及び第2の上記各支持部が薄板状の底板部の内側と外側とに連設されていて、上記肉盛り部分がその頂面から外側へ延び出て上記底板部の上面に連続する下がり勾配の環状傾斜面を有している請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載したディスク装置のトレー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−217893(P2009−217893A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−60692(P2008−60692)
【出願日】平成20年3月11日(2008.3.11)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】