説明

ディスク装置及びディスク検出方法

【課題】ディスクの排出を検出するメカニカルスイッチから正常な出力が得られない場合でも、次の処理を継続できるようにしたディスク装置を提供する。
【解決手段】ディスク挿入口を有する筐体と、ディスクの挿入及び排出に応じてスイッチング動作しディスクの挿入及び排出を検出するスイッチ素子を含む第1のディスク検出部50と、ディスクの挿入を第1の検出部よりも先に検出し、ディスクの排出を第1の検出部よりも遅れて検出するセンサを含む第2のディスク検出部59a、59bと、第1、第2のディスク検出部の検出結果を判断して指定された動作を制御する制御部60を具備し、制御部は、ディスクの排出時にスイッチ素子が規定外の応答を示す場合は、その応答結果を判断要素として適用せず、センサの検出結果を優先してディスクの排出を判断し次の動作を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CD(Compact Disk)やDVD(Digital Versatile Disc)等のディスクの再生や記録を可能とするディスク装置に関し、特に、複数のディスクを収納可能な収納型のディスク装置及びディスク検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のディスクを収納することができるチェンジャ型ディスク装置は、ディスク挿入口から挿入されたディスクを移送ユニットによって筐体内部へローディング(搬送)し、ロードされたディスクを、ディスクの厚さ方向に積層されたトレイ内に収納するようにしている。複数のトレイの中から選択されたディスクは、駆動ユニットにより回転駆動され、光ヘッドによりディスクに記録されたデータの読取り又はディスクへの記録が行われる。
【0003】
特許文献1には、このような収納型ディスク装置について記載されている。
【0004】
また従来のディスク装置では、ディスクの挿入や排出を検出するために、メカニカルスイッチやフォトセンサ等のセンシングデバイスを設けている。しかしながら、メカニカルスイッチを駆動する部品が摩耗等により正常な動きができなくなると、実際にはディスクが排出されているにも拘わらず、未だ排出されていないと誤判断してしまい、排出動作を継続しこの状態から抜け出すことができなくなるという不具合があった。
【0005】
誤判断の要因としては、部品の摩耗のほかに、異物等の付着や部品の変形等も挙げられる。このため、メカニカルスイッチが正常に駆動されず、メカスタックに至り、正常復帰することが難しくなる。
【特許文献1】特開2007−87507号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の従来のディスク装置では、ディスクの挿入や排出を検出するメカニカルスイッチを駆動する部品が正常に動作しない場合、誤判断してしまい、排出動作を継続しメカスタックに至るという不具合があった。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑み、ディスクの挿入・排出を検出するメカニカルスイッチから正常な出力が得られない場合でも、正常動作を継続できるようにしたディスク装置及びディスク検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の本発明のディスク装置は、ディスク挿入口を有する筐体と、前記ディスク挿入口を介して挿入されたディスクを装填位置に導くとともに、前記装填位置から前記ディスク挿入口を介して排出する移送ユニットと、前記筐体内に設けられ、前記装填位置にある前記ディスクを回転駆動する駆動ユニットと、前記ディスクの挿入及び排出に応じてスイッチング動作し、前記ディスクの挿入及び排出を検出するスイッチ素子を含む第1のディスク検出部と、前記ディスクの挿入を前記第1の検出部よりも先に検出し、前記ディスクの排出を前記第1の検出部よりも遅れて検出するセンサを含む第2のディスク検出部と、前記第1、第2のディスク検出部の検出結果を判断して指定された動作を制御する制御部と、を具備し、前記制御部は、前記ディスクの排出時に前記スイッチ素子が規定外の応答を示す場合は、その応答結果を判断要素として適用せず、前記センサの検出結果を優先して前記ディスクの排出を判断することを特徴とする。
【0009】
また請求項9記載の本発明のディスク検出方法は、ディスク挿入口を介して挿入されたディスクを装填位置に導くとともに前記装填位置から前記ディスク挿入口を介して排出する移送ユニットと、前記装填位置にある前記ディスクを回転駆動する駆動ユニットとを備え、スイッチ素子によって前記ディスクの挿入及び排出を検出し、センサによって前記ディスクの挿入を前記スイッチ素子よりも先に検出し、前記ディスクの排出を前記スイッチ素子よりも遅れて検出し、前記スイッチ素子及び前記センサの検出結果を判断して指定された動作を制御し、前記ディスクの排出時に前記スイッチ素子の検出結果が規定外の応答を示す場合は、その応答結果を判断要素として適用せず、前記センサの検出結果を優先して前記ディスクの排出を判断することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明のディスク装置では、ディスクの排出時に摺動部材に連動するガイドピンが正常に初期位置に戻らない場合でも、ディスクの排出を検出して次の動作に移行することができ、メカスタックという事象を回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、この発明の収納型ディスク装置の一実施形態について図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0012】
先ず本発明の一実施形態に係る収納型ディスク装置100の構造について説明する。ディスク装置100の基本構造は、特許文献1に記載のものと同様である。
【0013】
図1、図2は収納型ディスク装置100の内部構造を示す平面図であり、主に筐体1内に構成された駆動ユニット10とディスク収納部30を示している。尚、図の右側にディスク挿入口2を有し、ディスクは、図の矢印A方からディスク装置100内に挿入され、矢印B方向に排出される。
【0014】
駆動ユニット10は、一端を支点にして図1で示す退避位置と、図2で示す介入位置との間で回動可能であり、他端にターンテーブル11を備えている。駆動ユニット10は、介入位置にあるときディスク収納部30に収納したディスクを選択してターンテーブル11に載置し、ディスクを回転駆動して再生又は記録を行う。尚、ディスク収納部30は、複数のディスクを収納するため積層型のトレイ31を有するが、詳細な構成は後述する。
【0015】
駆動ユニット10は、図1に示すように、ユニット支持ベース13に支持されている。支持ベース13の内縁13aは円弧状であり、内縁13aはディスク収納部30に支持されたディスクの外周縁から僅かに離れた位置にある。
【0016】
また駆動ユニット10は、細長い駆動ベース12を有している。ユニット支持ベース13の奥側には、支持軸14が上向きに突出しており、駆動ベース12は支持軸14に支持され、この支持軸14を支点にして駆動ユニット10は矢印C方向(図2)に回動する。駆動ユニット10は、駆動スライダ15の移動によって回動し、駆動スライダ15は、第1のモータM1(図示せず)の回転によって移動する。
【0017】
図2に示すように、駆動ユニット10が介入位置へ回動すると、ターンテーブル11が、ディスク収納部30へ移行する。この介入位置では、ターンテーブル11の回転中心がトレイ31に支持されたディスクの中心穴の下側に位置する。
【0018】
駆動ベース12の回動端には、スピンドルモータが取り付けられ、このスピンドルモータのモータ軸11aに、ターンテーブル11が固定されている。ターンテーブル11は、ディスクDの中心穴内に入り込む中心凸部11bと、この中心凸部11bから周囲に延びるフランジ部11cを有している。
【0019】
またターンテーブル11内にはクランプ機構を搭載し、このクランプ機構は、中心凸部11bから放射状に突出するクランプ爪(図示せず)を有している。クランプ爪が中心凸部11b内に退行しているときは非クランプモードである。また、クランプ爪が突出すると、ディスクDの中心穴Daの周縁部が、クランプ爪とフランジ部11cとで挟持され、ディスクDがターンテーブル11にクランプされ、クランプモードとなる。
【0020】
駆動ユニット10の駆動ベース12には、クランプ爪を動作させるクランプ切換え機構が搭載されており、駆動ユニット10が介入位置へ移動した後に、駆動スライダ15の移動によって、クランプ爪が、非クランプモードからクランプモードに切換えられる。
【0021】
さらに駆動ベース12には、ターンテーブル11に隣接して光ヘッド16を載置している。光ヘッド16の上面には対物レンズ17を有し、光ヘッド16をディスクDの径方向に移動させるスレッド機構(図示せず)を設けている。スレッド機構により、対物レンズ17はターンテーブル11にクランプされたディスクDの半径方向に移動することができる。
【0022】
また筐体1の底面上の3箇所には,ダンパー18が固定されている。即ち、支持ベース13の底面の3箇所には支持軸19が下方に向けて固定されており、各支持軸19は各ダンパー18に支持されており、支持ベース13は、各ダンパー18によって筐体1の底面上に弾性的に支持可能となっている。
【0023】
図3は、収納型ディスク装置100の内部構造を示す平面図であり、主にディスク収納部30とディスクDをディスク収納部30に移送する移送ユニット20の構成を示している。図4、図5は、ディスク収納部30へのディスクDの装填(ローディング)動作を示す平面図であり、図6はディスクDの駆動時を示す平面図である。
【0024】
移送ユニット20は、ディスク挿入口2と平行に細長く延びるユニット枠21を有し、ユニット枠21内にはローラ軸22を並行に設け、ローラ軸22の両端はユニット枠21の側面に回動自在に支持されている。
【0025】
ローラ軸22の外周には、天然ゴム等の摩擦係数の高い材料で形成した第1の移送ローラ231と第2の移送ローラ232を設けており、移送ローラ231と232は、軸方向に間隔を空けて配置している。移送ユニット20は、支点軸53を中心に、図3の待機位置と、図4で示す移送位置との間で回動(公転)する
図7は、移送ユニット20内の第1の移送ローラ231とその駆動機構を示す斜視図である。移送ローラ231は、ユニット枠21内に設けた摺動部材24に対向しており、移送ローラ231と摺動部材24(及び移送ローラ232と摺動部材24)との間でディスクDを挟持する。したがって、移送ローラ231,232の回転によってディスクDを筐体1内に搬入し、移送ローラ231,232を逆回転することで、ディスクDを筐体1内から排出することができる。
【0026】
また、ローラ軸22の一端は、ユニット枠21の側面21aに突出しており、突出したローラ軸22に歯車25を固定している。側面21aには、歯車25と噛み合うギヤ26を設けている。さらにユニット枠21の下面には、下方に突出して支持片21bを一体に形成し、この支持片21bに軸27を固定し、軸27に歯車28とウォームホイール29とを一体化したギヤを回転自在に支持している。
【0027】
また、ユニット枠21に設けた軸受部21cには、歯車51及びウォーム歯車52の支点軸53を回動自在に挿入しており、ウォームホイール29とウォーム歯車52が噛み合うようにしている。歯車51とウォーム歯車52は、第3のモータM3(図1参照)によって回転し、ウォームホイール29の回転力は歯車28とギヤ26を介して歯車25に伝達され、ローラ軸22を駆動して移送ローラ231,232を回転させる。
【0028】
図7に示すように、筐体1の底面に固定された支点軸53の下方にある歯車51は、筐体1の底面に設けた中間歯車54(図1)と噛み合っており、第3のモータM3によって駆動される。
【0029】
移送ユニット20は、図3の待機位置では、ディスク収納部30のトレイ31に支持されたディスクDの外周縁から僅かに離れている。一方、図4に示すように、移送ユニット20が支点軸53を中心に移送位置へ回動すると、移送ローラ231,232の軸芯と直交する仮想線(搬送中心線Ob)が、ディスク収納部30の方向に向く。
【0030】
移送ユニット20が、図4の移送位置にあると、移送ローラ231,232によって搬入されたディスクDは、ディスク収納部30のトレイ31に供給され、そのあと図5で示すように、移送ユニット20は待機位置に戻る。
【0031】
図5は、ディスクDがトレイ31に支持(チャッキング)された状態を示している。尚、トレイ31に供給されたディスクDは、トレイ31と保持部材46,47,48によって保持されるが、保持部材46,47,48の動作は後で詳しく説明する。また、図6はディスクDの再生時の状態を示している。ディスクDは、保持部材46,47,48によるチャッキングが解除され、ターンテーブル11に支持される。
【0032】
図8(a),(b)は、ディスク挿入口2に設けたシャッタ開閉機構を示し、筐体1の前面側から見た斜視図である。シャッタ3は例えば薄い金属板で形成し、ディスク挿入口2を覆う細長い形状をしている。シャッタ3の上端裏面には、摺動ピン4a,4bが間隔をおいて固定され、筐体1の前面1aには、上下方向へ長穴5a,5bを形成している。摺動ピン4a,4bを長穴5a,5b内に挿入することで、シャッタ3は、筐体1の前面1aに接した状態で上下に移動する。
【0033】
またシャッタ3の裏面には開閉部材6を設け、開閉部材6には、開閉カム7a,7bを形成している。開閉カム7a,7bは、シャッタ開閉部材6に設けた長穴であり、この開閉カム7a,7bに摺動ピン4a,4bを挿入している。
【0034】
開閉カム7a,7bは、階段状を成し、開閉部材6が矢印X1側に移動しているときは、図8(a)に示すように、摺動ピン4a,4bが押し下げられてシャッタ3が下降し、挿入口2を閉鎖する。また開閉部材6がX2方向に移動すると、図8(b)に示すように摺動ピン4a,4bが押し上げられ、シャッタ3は上方へ移動し、挿入口2を開放する。この状態でディスクDの出し入れが可能となる。なお、開閉部材6を移動するための機構については省略するが、ディスクDの挿入時や排出時にシャッタ3は開放し、その他の状態ではシャッタ3は閉鎖する。
【0035】
次に、ディスク収納部30の構成について説明する。ディスク収納部30は、図9に示すように、筐体8内に設けられ、扇状の複数のディスク支持体(トレイ)31を有している。筐体8は筐体1内にある。各トレイ31は、外縁部の3箇所において軸(選択軸)32a,32b,32cに支持されている。尚、8aは、筐体8の天井部である。
【0036】
図10は、選択軸32a,32b,32cの1つを拡大して示す図であり、図11は、ディスクDがトレイ31の1つに支持された状態を示す図である。尚、以下の説明においては、選択軸32a,32b,32cを総称して選択軸32と呼ぶ場合もある。
【0037】
図10で示すように、選択軸32の外周には、スパイラル状の溝33を形成している。溝33は、選択軸32の上方と下方では密ピッチ33a,33bとなっており、少なくとも5周(5ピッチ)以上の溝を形成している。また選択軸32の中間部では、溝33が疎ピッチ33cとなっており、上方の密ピッチと下方の密ピッチの間で、溝33を1ピッチ分だけ形成している。
【0038】
トレイ31は、例えば薄い金属板で形成され、上下方向に重ねて6枚設けており、それぞれ扇状を成している。図11で示すように、トレイ31には軸受34が固定されており、軸受34は、選択軸32a32b,32cの外周に挿通され、軸受34の内側には係止部(図10の支点34aで示す)が一体に突出して形成され、この係止部が各選択軸32の溝33に摺動自在に係止している。
【0039】
また6枚のトレイ31の各軸受34の係止部34aは、溝33の各ピッチに係止しており、選択軸32が、反時計方向へ回転すると、トレイ31は選択軸32に沿って1枚ずつ下向きに送られ、選択軸32が時計方向へ回転すると、トレイ31は選択軸32に沿って1枚ずつ上向きに送られ、エレベータのように上下動する。したがって、選択軸32や選択軸32を回転する駆動部は、エレベータ機構を構成する。
【0040】
こうして、各トレイ31は選択軸32の回転により上昇または下降し、選択軸32の中央部分の疎ピッチ部33cに位置するトレイ31(選択位置αにあるトレイ31)は、隣接する下方のトレイ31から大きく離れ、そのスペースに駆動ユニット10を進入させることができ、再生や記録が可能となる。
【0041】
また選択軸32a32b,32cに挿通された軸受34には、トレイ31に対向してそれぞれ保持部材46,47,48を設けている。ただし、図3及び図4〜図6では、説明を分かりやすくするため、トレイ31を透視して保持部材46,47,48を図示している。
【0042】
図3に示すように、保持部材46は、選択軸32a上の軸受34の外周に回動可能に支持され、同様に保持部材47は、選択軸32b上の軸受34の外周に、また保持部材48は、選択軸32c上の軸受34の外周にそれぞれ回動可能に支持されている。図3に示すように、各保持部材46,47,48とトレイ31との間にはそれぞれ引っ張りコイルばね49が掛けられており、保持部材46,47,48は反時計方向に付勢されている。
【0043】
保持部材46,47,48は、例えば合成樹脂材料であり、トレイ31の下面にほぼ密着した状態で、軸受34の外周に回動可能に支持されている。保持部材46,47,48は、腕部46a,47a,48aを一体に形成し、腕部46a,47a,48aの先端部に段状の保持爪46b,47b,48bを有している。
【0044】
保持爪46b,47b,48bは、トレイ31の下面との間に所定の間隔を空けて対向しており、この対向間隔は、ディスクDの厚み寸法と同じか、又は僅かに大きく、トレイ31の下面と保持爪46b,47b,48bの間にディスクDの周縁を保持することができる。こうして各保持部材46,47,48は、トレイ31との間でディスクDを保持するチャッキング機構を構成する。
【0045】
図12は、ディスクDの挿入や排出を検出する検出部の構成を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は断面図である。筐体1の前面部1aのディスク挿入口2よりも下部には、2つの横長の穴2a,2bを挿入口2と平行に設けており、この穴2a,2bの内面には、穴2aに沿って摺動する摺動部材(スライダ)57a,57bを取り付けている。
【0046】
スライダ57a,57bには、穴2a,2bに貫通するスタッド58a,58bを設けている。またスライダ57a,57bの上面には、ガイドピン9a,9bを取り付けている。ガイドピン9a,9bは互いに引き合う方向にばね(図示せず)で付勢されており、ディスクDが挿入口2から(A方向に)挿入されると、ガイドピン9a,9bは、ばねの力に抗してディスクDによって押し開かれ、スライダ57a,57bが穴2a,2bに沿って互いに離れる方向に移動する。
【0047】
またディスクDを(B方向)に排出するときも、ガイドピン9a,9bはディスクDによって一旦押し開かれ、ディスクDが排出されると、ガイドピン9a,9bは、ばねの力によって互いに引き合う方向に引っ張られ、スライダ57a,57bは元の位置にスライドする。この元の位置に復帰した状態を初期位置とする。
【0048】
図12(c)は、スライダ57aとガイドピン9aを拡大して示す正面図である。また、挿入口2の内部には、図3で示すように、ディスクDの挿入と排出(挿脱)を検出するフォトセンサ59a,59b(以下、センサと称する)を設けている。センサ59a,59bは、ガイドピン9a,9bよりも内側に配置し、センサ59a,59b間の距離は、ガイドピン9a,9b間の距離よりも短い。また筐体1の底面部には、スライダ57a,57bの摺動によってスイッチング動作するスイッチ素子SW1とSW2を設けている(以下、スイッチと称す)。
【0049】
図13は、収納型ディスク装置100の底面図であり、ディスク挿入口2よりも内側に対称的に一対のスライダ57a,57bを取り付けており、筐体1の底面には、前面部1aに近接してスイッチ取付板1bを設けている。この取付板1bには、スライダ57a,57bの摺動によってオン・オフするスイッチSW1,SW2、及びスイッチSW3,SW4を取り付けている。
【0050】
スイッチSW1,SW2は、スライダ57a,57bが初期位置にあることを検出するスイッチであり、初期位置にあるときにオンする。またスイッチSW3は、ディスクDが所定の位置まで挿入されたとき、又はディスクDのイジェクト時にディスクDが所定の位置まで排出されたことを検出するスイッチである。スイッチSW4は、ディスクDの最外周を検出するスイッチである。
【0051】
スイッチSW1,SW2、スライダ57a,57b及びガイドピン9a,9bは、ディスクDの挿入及び排出(挿脱)を検出する第1のディスク検出部を構成する。またフォトセンサ59a,59bは、ディスクDの挿入を第1の検出部よりも先に検出し、ディスクDの排出を第1の検出部よりも遅れて検出する第2のディスク検出部を構成する。
【0052】
以下、ディスク装置100の動作について説明する。
【0053】
先ずディスクDをディスク装置100に装填(ローディング)する時は、図8(b)に示すように、シャッタ3が上昇し、挿入口2が開放する。ディスクDが挿入口2から挿入されると、センサ59a,59bはディスクDによって通光が遮られ、続いてガイドピン9a,9bが互いに離れる方向に開き、スイッチSW1,SW2がオフとなって、ディスクの挿入が検出される。
【0054】
さらにガイドピン9a,9bが開いてスイッチS3がオンすると、第3のモータM3(図2参照)が始動し、待機位置にある移送ユニット20の移送ローラ231と232が搬入方向に回転し、ディスクDが移送ローラ231,232と挟持部24(図7)とで挟持されて筐体1内に搬入される。このとき保持部材46は、ディスクDのローディングを妨げないように駆動部材56によって、γ1方向へ回動している。
【0055】
ディスクDの最外周がスイッチSW4によって検出されると、第2のモータM2が再始動して、移送ユニット20は、支点軸53を中心として、図4に示す移送位置に回動する。移送位置へ回動する間も移送ローラ231,232は回転し続け、ディスクDは、移送ユニット20の回動(公転)と、移送ローラ231,232の自転により、ディスク挿入口2からディスク収納部30の保持位置へ搬入される。図5はディスクDが装填され、ディスク収納部30に保持された状態を示している。
【0056】
ディスクDの挿入時は、図3に示すように保持部材46は、γ1方向に回動しているが、ディスクDの挿入に伴って駆動部材56による駆動が外れ、ばね49に引っ張られγ2方向に回動する。尚、ディスクDの中心をD0、中心穴をDaで示す。
【0057】
また保持部材47,48もばね49によってγ4方向に回動している。従って、トレイ31に送り込まれるディスクDは、図4で示すように最初に保持部材46に当たり、ばね49の付勢力に抗して保持部材46をγ1の方向へ回動する。
【0058】
さらに移送されたディスクDは、保持部材47と、48に当たる。これにより図5に示すように、ディスクDは、トレイ31の下面と保持爪46b、47b、48bとの間に入り込み、保持部材47,48は、ばね49の付勢力に抗してγ3方向へ回動する。そして、ディスクDの外周縁が、保持部材47、48に位置決めされチャッキングされる。
【0059】
また、トレイ31にディスクDがチャッキングされたことをセンサ50によって検出する。即ち、図5で示すようにセンサ50の発光素子と受光素子の間にあった検出部48hが外れるため、検出出力がONとなる。
【0060】
ディスクDが収納された後、第2のモータM2により移送ユニット20は、移送位置から待機位置へ回動する。移送ユニット20が待機位置に復帰すると、図8(a)に示すように、シャッタ3が閉じ、挿入口2を閉鎖する。この時点でディスクDは、トレイ31の下面と、保持部材46,47,48の保持爪47b,48b,48cとの間に保持される。
【0061】
トレイ31に保持されたディスクDを駆動するときには、図6で示すように、介入位置にある駆動ユニット10に設けたターンテーブル11の中心凸部11b(図1参照)がディスクDの中心穴Daに入り込みディスクDをクランプする。このとき、保持部材47と48は駆動部材55によって、さらにγ3方向へ回動し、保持爪47b,48bがディスクDの外周縁よりも外側へ離れ、保持部材46も駆動部材56によって、さらにγ1方向へ回動し、保持爪46bがディスクDの外周縁よりも外側に離れる。
【0062】
このあと駆動ユニット10は、クランプ動作時よりも底面側へ移動し、ディスクDはトレイ31の下面から離れる。こうしてターンテーブル11にクランプされディスクDは、ターンテーブル11によって回転駆動され、光ヘッド16によってディスクDに記録された信号が読み取られ、あるいはディスクDに信号が記録される。このとき、ユニット支持ベース13がダンパー18によって弾性支持される。
【0063】
一方、再生又は記録が完了したディスクDを排出(イジェクト)するときには、スピンドルモータが停止し、ターンテーブル11の回転が停止する。また支持ベース13が持ち上げられて、ディスクDは選択位置αにあるトレイ31の下面に押し付けられる。このとき図5に示すように、保持部材46がγ2方向へ回動し、保持部材47,48がγ4方向へ回動して、ディスクDをトレイ31の下面と各保持爪46b,47b,48bとで保持する。
【0064】
そしてターンテーブル11によるディスクDのクランプが解除され、ユニット支持ベース13と駆動ユニット10が底面に向けて下降し、ディスクDは、ターンテーブル11から抜ける。
【0065】
その後、移送ユニット20が待機位置から移送位置へ移動し、移送ローラ231,232が第3のモータM3によって搬出方向へ回転する。さらに、移送ユニット20が図4から図3の待機位置へ移動することで、ディスクDは搬出方向へ向かい、移送ローラ231,232の回転により挿入口2から排出される。
【0066】
ディスクDの排出途中において、ガイドピン9a,9bはディスクDに押されて一旦互いに離れる方向に開き、そのあとディスクDが排出されるとガイドピン9a,9bは初期位置に戻る。この状態でユーザがディスクDを抜去すると、センサ59a,59bが通光しディスクDの排出を検出する。
【0067】
したがって、ガイドピン9a,9b(スライダ57a,57b)が初期位置に戻ることで、スイッチSW1,SW2がオンしてディスクDの排出が検出され、少し遅れてセンサ59a,59bによってディスクDの排出が検出される。こうしてディスクDが排出されあと、保持爪46b,47b,48bは、ばね49によって図3の状態に戻り、シャッタ3が上昇し、挿入口2を閉鎖する。
【0068】
このように収納型ディスク装置100は、ディスク挿入口2から挿入されたディスクDを移送ユニット20によって筐体1の内部へ装填(ローディング)し、ディスクの厚さ方向に積層されたトレイ31内に収納することができる。また収納されたトレイ31の中から選択したディスクDを、駆動ユニット10によって回転駆動し、光ヘッド16によってデータの読取りまたはディスクへの記録を行うことができる。
【0069】
図14は、本発明の収納型ディスク装置100の制御系のブロック図である。図14において、ディスク装置100は、マイクロコンピュータで構成された制御部60が装置の全体の動作を制御する。
【0070】
ディスクDは、スピンドルモータ61によって一定の線速度で回転され、ディスクDからの情報の読み取り、或いはディスクDへの情報の記録が光ヘッド16によって行われる。光ヘッド16は、スレッドモータ62によってディスクDの半径方向に移動する。63はサーボコントローラであり、制御部60の制御のもとに、スピンドルモータ61の回転を制御するとともに、光ヘッド16のトラッキング制御、フォーカス制御、及びスレッドモータ62の駆動を制御する。
【0071】
64はRFアンプであり、光ヘッド16によって読出した情報に対応するRF信号を増幅して次段に伝達する。又、RFアンプ64は、RF信号からフォーカス制御用の信号及びトラッキング制御用の信号を分離して、これらの制御信号をサーボコントローラ63に送る。
【0072】
65は、デジタル信号処理回路であり、RFアンプ64から出力されたRF信号をデジタル化し、デジタル化された信号の復調処理と誤り訂正処理等を行う。デジタル信号処理回路65には、SDRAM等のメモリ66が接続されており、例えばMP3による圧縮音楽データ等のファイル情報をメモリ66に読み書き自在に一時記憶する。メモリ66から読み出されたファイル情報は、デコーダ67に供給され、デコーダ66では、例えばMP3圧縮音楽データを伸長して非圧縮の通常の音楽データに変換する。
【0073】
また制御部60には、ホストインタフェース68が接続されている。ホストインタフェース68は、ホスト(図示せず)からのコマンドを、制御部60に送ったり、ディスク装置100のデータをホストに送る。
【0074】
さらに制御部60には、第1のモータM1、第2のモータM2、第3のモータM3を駆動するモータドライバ70,71,72が接続されている。また制御部60には、ディスクDのチャッキングを検出するセンサ50、及びディスクDの挿脱を検出するフォトセンサ59a,59bからの検出結果が供給され、さらにガイドピン9a,9bの開閉に応じてスイッチングするスイッチSW1,SW2及びスイッチSW3,SW4の出力が供給される。
【0075】
第1のモータM1と第2のモータM2は、それぞれモータドライバ71,72によって駆動制御され、駆動ユニット10の回動や、移送ユニット20の公転制御を行う。また選択軸32を回転制御してディスクDの選択等を行う。また、第3のモータM3は、モータドライバ73によって駆動制御され、移送ローラ231,232を回転制御する。また制御部60は、シャッタ3の開閉制御も行う。
【0076】
ところで、収納型ディスク装置100では、ディスクDの挿入や排出の判断は、挿入口2付近に設けたメカニカルなスイッチSW1,SW2や、フォトセンサ59a,59b等のセンシングデバイスを用いて行っている。特にスイッチSW1,SW2は、ディスクDの挿入と排出によって動作するガイドピン9a,9bに連動したスライダ57a,57bによってオン・オフする構造となっている。
【0077】
しかし、ディスクDが抜去されてもガイドピン9a,9bが正常に初期位置に戻らない場合がある。初期位置に戻らないと、制御部60はディスクDが未だ抜去されていないと判断するため、次の動作に遷移できず、事実上メカスタック状態に陥ってしまう。したがって、再ローディングの要求があっても、実際にはディスクが抜去されているため、ローディングすることもできずに、排出動作を継続し、この状態から抜け出すことができなくなってしまう。
【0078】
図15は、ガイドピン9a,9b(スライダ57a,57b)の動きを説明する正面図と平面図からなる説明図である。図15(a)は、ガイドピン9a,9bが正常に初期位置に戻った状態を示している。この状態では、スライダ57a,57bが初期位置に戻ったときにスイッチSW1,SW2が押されスイッチオンとなる。
【0079】
図15(b)は、ガイドピン9a,9bの内、一方のガイドピン9aが正常に初期位置に戻らない状態を示している。この状態では、スライダ57aが初期位置に戻らないため、スイッチSW1が押されずスイッチオフのままとなる。図15(c)は、他方のガイドピン9bが正常に初期位置に戻らない状態を示している。この状態では、スライダ57bが初期位置に戻らないため、スイッチSW2が押されずスイッチオフのままとなる。
【0080】
ガイドピン9a又は9bが初期位置に戻らなくなる要因としては、スタッド58a,58bと筐体1の前面部1aとの摩擦が考えられる。例えば、図12(c)に示すように、ディスクDのローディングやイジェクトを行う時、ガイドピン9a,9bに荷重が加わってスライダ57a,57bが摺動することになるが、スタッド58a,58bと前面部1aは一般的に金属で構成されているため、金属同士の摩擦により、スタッド58a,58bと接する前面部1aが磨耗する。さらにディスクDのローディングとイジェクト動作を繰り返し行った場合には、当然磨耗も大きくなり、ガイドピン9a,9bの揺動負荷が大きくなってしまう。
【0081】
ガイドピン9a,9bは、ばねによって互いに引っ張り合う方向に付勢されているが、ばねの力だけではスライダ57a,57bが初期位置に戻り切れない場合がある。ばねの力を強くすれば改善できるが、ディスクDの挿入や排出時の負荷が増え、挿入フィーリングが悪くなるため、ばね力を強くするのも限界がある。
【0082】
またスライダ57a,57b等は、挿入口2付近の部品であるため、異物等も入りやすく、摺動箇所に異物等が付着した場合も、同様に摺動負荷となってガイドピン9a,9bが初期位置に戻らない要因となる。ほかにも、スライダ57a,57bの摺動面の変形等も要因として挙げられる。
【0083】
そこで本発明では、ガイドピン9a,9bが初期位置に戻らなかった場合でも指定された次の動作に遷移して、メカスタックを回避できるようにした点に特徴がある。
【0084】
即ち、本発明では、ディスクDの排出時に、フオトセンサ59a,59bがディスクの排出(ディスク無し)を検出したタイミングで、スイッチSW1,SW2の論理値を確認し、反応のないスイッチは異常と判断して次の動作に進むようにしたものである。
【0085】
図16は、挿入口2付近におけるガイドピン9a,9bとフォトセンサ59a,59bの位置関係を示す平面図であり、ディスクDのイジェクト時の動作を示すものである。矢印Bは、ディスクDの排出方向を示している。
【0086】
また図17は、スイッチSW1,SW2と、センサ59a,59bの出力波形を示している。図17において、(a)は、ガイドピン9a,9bが正常に初期位置に戻ったときのスイッチSW1,SW2の出力波形を示し、(b)は、ガイドピン9bが正常に初期位置に戻らずスイッチSW2が規定外の応答をしたときの出力波形を示している。
【0087】
正常であれば、ディスクDをイジェクトしユーザが抜去すると、挿入口2に設けたガイドピン9a,9bが初期位置に戻り、これに連動してスライダ57a,57bが初期位置に戻るため、先ずスイッチSW1,SW2の出力が“H”から“L”に変化する。次いでディスクDがフオトセンサ59a,59bの位置を通過して、フオトセンサ59a,59bの出力が“H”から“L”に変化する。
【0088】
したがって制御部60は、図17(a)で示すように、フオトセンサ59a,59bの論理値が変化(H→L)するタイミングt1でスイッチSW1,SW2の論理値が“L”になっていればディスクDが抜去されたと判断し、指定された次の動作に移行する。
【0089】
一方、スライダ57a,57bの不具合により、例えばスライダ57bが初期位置に戻らない場合は、図17(b)で示すように、スイッチSW1の出力は“H”から“L”に変化するが、スイッチSW2の出力は“H”のままであり規定外の応答を示す。そのあと、ディスクDがフオトセンサ59a,59bの位置を通過して排出され、フオトセンサ59a,59bの出力は“H”から“L”に変化する。
【0090】
この場合、制御部60は、フオトセンサ59a,59bの論理値がHからLに変化するタイミングt1で、スイッチSW1,SW2の論理値を確認し自己診断処理を行う。即ち、正常であればタイミングt1では既にスイッチSW1,SW2の出力も“L”になっているはずだが、“H”(ディスク有り)のままのスイッチがあった場合は、そのスイッチ(ここではSW2)の出力は異常、つまりガイドピン9bが戻っていないと判断する。
【0091】
そして、以降の制御においては、異常(ガイドピンが戻らず)と判断したスイッチSW2の検出出力は判断要素として非適用とし、センサ59a,59b及び正常なスイッチSW1の検出結果を優先してディスクDの排出を判断し、次の制御に移行する。したがって、このような自己診断処理により、ガイドピン9a,9bが初期位置に戻らなかった場合でも指定された次の動作に移行することが可能となり、メカスタックを回避することができる。
尚、ローディング完了後にスイッチSW1,SW2を再検査して、ガイドピン9a,9bが正常に復帰した場合は、以降の動作にて、スイッチSW1,SW2の検出結果を従来通り判断要素として適用する。
【0092】
このように、本発明によれば、ディスクDの排出時にガイドピン9a,9bに連動するスライダ57a,57bが正常に初期位置に戻らない場合でも、正常動作を継続することができ、メカスタックという事象を回避することができる。
【0093】
尚、以上の説明では、複数のディスクを収納する収納型ディスク装置について述べたが、1枚のディスクを駆動制御するディスク装置に適用することも可能である。また特許請求の範囲を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の一実施形態に係るディスク装置の駆動ユニットとディスク収納部を示す平面図。
【図2】同実施形態に係る駆動ユニットの動きを説明する平面図。
【図3】同実施形態に係るディスク収納部と移送ユニットの構成を示す平面図。
【図4】ディスク収納部へのディスクのローディング動作を示す平面図。
【図5】ディスク収納部でのディスクのチャッキング動作を示す平面図。
【図6】ディスクの駆動時を示す平面図。
【図7】移送ユニットの移送ローラの構成を示す斜視図。
【図8】ディスク装置のシャッタの開閉動作を説明する斜視図。
【図9】ディスク収納部の全体的な構成を示す斜視図。
【図10】ディスク収納部の選択軸の構成を示す正面図。
【図11】ディスク収納部でのディスクの保持状態を示す正面図。
【図12】ディスクの挿入及び排出を検出する検出部の構成を示す斜視図、断面図及び正面図。
【図13】収納型ディスク装置の底面図。
【図14】本発明の一実施形態に係るディスク装置の制御系を示すブロック図。
【図15】ガイドピン(スライダ)の動きを説明する説明図。
【図16】ガイドピンとフォトセンサの位置関係を示す平面図。
【図17】スイッチ素子と、フォトセンサの出力波形を示す波形図。
【符号の説明】
【0095】
1…筐体
2…ディスク挿入口
3…シャッタ
9a,9b…ガイドピン
10…駆動ユニット
11…ターンテーブル
16…光ヘッド
20…移送ユニット
21…ユニット枠
231,232…移送ローラ
30…ディスク収納部
31…トレイ
32(32a,32b,32c)…選択軸
33(33a,33b,33c)…溝
34…軸受
46,47,48…保持部材
50…チャッキングのセンサ
57a,57b…スライダ(摺動部材)
58a,58b…スタッド
59a,59b…フォトセンサ
60…制御部
61…スピンドルモータ
62…スレッドモータ
63…サーボコントローラ
64…RFアンプ
M1,M2,M3…モータ
SW1,SW2…スイッチ素子
100…収納型ディスク装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスク挿入口を有する筐体と、
前記ディスク挿入口を介して挿入されたディスクを装填位置に導くとともに、前記装填位置から前記ディスク挿入口を介して排出する移送ユニットと、
前記筐体内に設けられ、前記装填位置にある前記ディスクを回転駆動する駆動ユニットと、
前記ディスクの挿入及び排出に応じてスイッチング動作し、前記ディスクの挿入及び排出を検出するスイッチ素子を含む第1のディスク検出部と、
前記ディスクの挿入を前記第1の検出部よりも先に検出し、前記ディスクの排出を前記第1の検出部よりも遅れて検出するセンサを含む第2のディスク検出部と、
前記第1、第2のディスク検出部の検出結果を判断して指定された動作を制御する制御部と、を具備し、
前記制御部は、前記ディスクの排出時に前記スイッチ素子が規定外の応答を示す場合は、その応答結果を判断要素として適用せず、前記センサの検出結果を優先して前記ディスクの排出を判断することを特徴とするディスク装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記ディスクの排出時に前記センサの検出タイミングにて前記スイッチ素子の検出結果を判断し、前記スイッチ素子が規定外の応答を示す場合は、前記センサの検出結果に基づいて前記ディスクの排出を判断することを特徴とする請求項1記載のディスク装置。
【請求項3】
前記スイッチ素子及び前記センサからの検出出力は、2値の論理値として前記制御部に供給し、前記制御部は、前記スイッチ素子及び前記センサが呈する論理値をもとに前記ディスクの排出を判断することを特徴とする請求項2記載のディスク装置。
【請求項4】
前記第1のディスク検出部は、前記ディスクの挿脱に応じて初期位置から摺動を開始する摺動部材を有し、
前記スイッチング素子は、前記摺動部材が初期位置に戻ったときにスイッチング動作して前記ディスクの排出を検出することを特徴とする請求項1記載のディスク装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記ディスクの排出後、前記摺動部材が前記初期位置に戻らない場合は、前記センサの検出結果に基づいて前記ディスクの排出を判断することを特徴とする請求項4記載のディスク装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記摺動部材が正常に初期位置に復帰した場合は、前記スイッチ素子の検出結果を判断要素として適用することを特徴とする請求項4記載のディスク装置。
【請求項7】
前記摺動部材は、前記ディスク挿入口に対して対称的に配置し前記ディスク挿入口と平行に摺動する1対のスライダを含み、
前記スライダにそれぞれガイドピンを取り付け、前記ガイドピンを前記ディスクの挿脱によって押し開き、前記ガイドピンが元の位置に戻ったときに前記スイッチ素子がスイッチング動作することを特徴とする請求項4記載のディスク装置。
【請求項8】
前記第2のディスク検出部は、前記1対のスライダよりも前記筐体の内側に配置した一対のフォトセンサを含み、
前記一対のフォトセンサ間の距離が、前記ガイドピン間の距離よりも短いことを特徴とする請求項7記載のディスク装置。
【請求項9】
ディスク挿入口を介して挿入されたディスクを装填位置に導くとともに前記装填位置から前記ディスク挿入口を介して排出する移送ユニットと、前記装填位置にある前記ディスクを回転駆動する駆動ユニットとを備え、
スイッチ素子によって前記ディスクの挿入及び排出を検出し、
センサによって前記ディスクの挿入を前記スイッチ素子よりも先に検出し、前記ディスクの排出を前記スイッチ素子よりも遅れて検出し、
前記スイッチ素子及び前記センサの検出結果を判断して指定された動作を制御し、
前記ディスクの排出時に前記スイッチ素子の検出結果が規定外の応答を示す場合は、その応答結果を判断要素として適用せず、前記センサの検出結果を優先して前記ディスクの排出を判断することを特徴とするディスク検出方法。
【請求項10】
前記ディスクの排出時に、前記センサの検出タイミングにて前記スイッチ素子の検出結果を判断し、前記スイッチ素子が規定外の応答を示す場合は、前記センサの検出結果に基づいて前記ディスクの排出を判断することを特徴とする請求項9記載のディスク検出方法。
【請求項11】
前記ディスクの挿脱に応じて初期位置から摺動を開始する摺動部材を有し、
前記スイッチング素子は、前記摺動部材が初期位置に戻ったときにスイッチング動作して前記ディスクの排出を検出することを特徴とする請求項9記載のディスク検出方法。
【請求項12】
前記ディスクの排出後、前記摺動部材が前記初期位置に戻らない場合は、前記センサの検出結果に基づいて前記ディスクの排出を判断することを特徴とする請求項11記載のディスク検出方法。
【請求項13】
前記摺動部材が正常に初期位置に復帰した場合は、前記スイッチ素子の検出結果を判断要素として適用することを特徴とする請求項12記載のディスク検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−118120(P2010−118120A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−291249(P2008−291249)
【出願日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願人】(504113008)東芝アルパイン・オートモティブテクノロジー株式会社 (110)
【Fターム(参考)】