説明

ディスク装置

【課題】 小型で薄い、スロットインタイプのディスク装置を提供する。
【解決手段】 ディスク装置1は、ディスクを載置するためのターンテーブル面を有するスピンドルモータを含むベース体100と、ターンテーブル面と実質的に平行な面内で揺動し、外部から挿入されたディスクを、ディスクの中心とスピンドルモータの中心とが一致する位置まで、ディスクを引き込む第1の揺動体250と、ターンテーブル面と実質的に平行な面内で揺動し、スピンドルモータの中心とディスクの中心とが一致する位置にあるディスクを、外部に対してその一部が露出する排出位置まで排出する第2の揺動体350と、第1の揺動体250の引き込み動作および第2の揺動体350の排出動作を行わせるために、第1の揺動体250および第2の揺動体350とそれぞれ係合しており、ターンテーブル面に平行な面内で往復移動する第1および第2のスライド部材210、310とを備える。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CD、DVD等のディスク状記録媒体に対して情報の記録および/または再生を行うディスク装置に関し、特に外部からディスクを直接挿入および排出できる、いわゆるスロットインタイプのディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の一般的なディスク装置は、ディスクをディスク装置へ挿入・排出するためのトレイを備えている。操作者は、トレイを排出させて、ディスクをトレイの上に置き、トレイを収納することによってディスクをディスク装置へ挿入する。
【0003】また、操作者がディスクを出し入れするための扉や蓋を開閉し、ターンテーブルに直接ディスクを載置する方式のディスク装置も普及している。
【0004】これに対して、より快適な操作性を操作者に提供するため、操作者がトレイの排出・収納をしたり、扉の開閉をしなくてもよい機構を備えたディスク装置が徐々に増えてきている。このような機構を備えたディスク装置としてスロットインタイプ(スロットローディング)のディスク装置が知られている。
【0005】スロットインタイプのディスク装置は、ディスクを挿入・排出するためのスロットを備え、操作者がスロットにディスクを途中まで挿入すると、ディスク装置が自動的にディスクを引き込んで、ディスクをディスク装置内のターンテーブルに装着する。また、操作者の指令に基づいて、ディスクが自動的にスロットから排出される。例えば特開平7−220353号公報には、ディスクの直径より長い搬送ローラおよび固定されたガイド体を備え、搬送ローラとガイド体との間にディスクを挟み込み、この搬送ローラを回転させることによりディスクを搬送するディスク装置が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】近年、電子機器の小型化、薄型化が求められており、これらに搭載される周辺機器としてのディスク装置も、小さく、薄い形状になるよう要望が高まっている。
【0007】しかしながら、上述のような従来のスロットインタイプのディスク装置では、ディスク直径より長い搬送ローラを必要とするため、ディスク装置の幅が大きくなってしまう。またディスク上面側に配置するガイド体は、ディスクの搬送方向を精度良く決めるため一定の厚みが必要となる。さらに、ディスクを保持するためのクランパをディスク上面側に配置しなければならない。このため、従来のスロットインタイプのディスク装置を小型化・薄型化するのは困難である。
【0008】本発明は、上記従来技術の問題を解決し、小型で薄いスロットインタイプのディスク装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のディスク装置は、ディスクを載置するためのターンテーブル面を有するスピンドルモータを含むベース体と、前記ターンテーブル面と実質的に平行な面内で揺動し、外部から挿入されたディスクを、前記ディスクの中心と前記スピンドルモータの中心とが一致する位置まで、前記ディスクを引き込む第1の揺動体と、前記ターンテーブル面と実質的に平行な面内で揺動し、前記スピンドルモータの中心とディスクの中心とが一致する位置にある前記ディスクを、前記外部に対してその一部が露出する排出位置まで排出する第2の揺動体と、前記第1の揺動体の引き込み動作および前記第2の揺動体の排出動作を行わせるために、前記第1の揺動体および前記第2の揺動体とそれぞれ係合しており、前記ターンテーブル面と実質的に平行な面内で往復移動する第1および第2のスライド部材とを備えている。前記第1および第2の揺動体ならびに前記第1および第2のスライド部材は前記ターンテーブル面よりも下方に位置しており、前記ディスクが前記ディスクの排出位置に排出されるまで、前記第2のスライド部材が前記第2の揺動体と係合し駆動しており、前記第1および第2のスライド部材のうち、少なくとも1つは、前記ベース体の側面を支持しており、前記往復移動によって前記ベース体の側面を昇降させる。
【0010】ある好ましい実施形態において、前記第1のスライド部材と前記第2のスライド部材を連結するスライド連結部材をさらに備え、前記第1のスライド部材および前記第2のスライド部材は連動して往復移動する。
【0011】ある好ましい実施形態において、前記スライド連結部材は、前記ターンテーブル面より下方に位置している。
【0012】ある好ましい実施形態において、前記ディスクが前記ターンテーブル面に載置された状態において、前記第1および第2の揺動体ならびに前記スライド連結部材は、前記ベース本体の上方にも下方にも位置していない。
【0013】ある好ましい実施形態において、前記ベース体は、前記側面に突起を有し、前記第1および第2のスライド部材のうち、少なくとも1つは、前記往復移動によって前記ベース体の側面が昇降するように、前記ベース体の側面の突起を案内するカム溝を有する。
【0014】ある好ましい実施形態において、前記第1および第2のスライド部材は、前記ベース体の対向する2面をそれぞれ支持しており、前記往復移動によって前記ベース体の側面を昇降させている。
【0015】ある好ましい実施形態において、前記スピンドルモータ近傍に設けられた突起をさらに有し、前記ベース体の側面を昇降することによって、前記ターンテーブル面の少なくとも一部は前記突起の先端より上方に位置する状態および下方に位置する状態を取り得る。
【0016】ある好ましい実施形態において、前記第1および第2のスライド部材は、前記ベース体を挟むように前記ベース体の側方に配置され、前記スライド連結部材は、前記ベース体に対して前記ディスクが挿入される側とは反対側に配置される。
【0017】ある好ましい実施形態において、前記第1および第2のスライド部材の往復移動する方向と実質的に平行な方向に、前記ディスクは前記第1および第2の揺動体によって搬送され、前記第1のまたは第2のスライド部材を外部から押すことにより、前記第2の揺動体がディスクの排出を行うことができる。
【0018】ある好ましい実施形態において、前記ベース体を収納する第1の空間と、前記第1の空間に隣接し、前記第1および第2のスライダが往復移動する方向に沿って伸びる切り欠き部と、前記第1の空間および前記切り欠き部上に設けられており、前記ディスクが回転し得るための第2の空間とを含む外装筐体を更に備えており、前記第1の揺動体は、前記切り欠き部上の前記第2の空間内において回転する。
【0019】ある好ましい実施形態において、前記スピンドルモータは、前記ディスクの中心孔と係合するハブを有し、前記外装筐体は、前記ベース体が上昇したときに、前記ハブの一部を受ける空間を形成している凸部を有している。
【0020】ある好ましい実施形態において、前記第2の揺動体を回転軸に対し両回転方向に付勢しうる反転バネを備え、前記反転バネは少なくとも前記第2の揺動体が第2のスライド部材と係合していないとき、前記ディスクを排出する方向に回転するよう前記第2の揺動体を付勢する。
【0021】ある好ましい実施形態において、ディスク装置は、前記第1および第2のスライド部材のうちの少なくとも一方を移動させるための駆動手段と、前記ベース体の近傍において、前記駆動手段を支持するために駆動手段支持体と、前記駆動手段支持体に設けられており、前記ベース体の側面の突起が前記第1および第2のスライド部材のカム溝に接するように前記ベース本体を付勢する板バネ部とを更に備える。
【0022】ある好ましい実施形態において、前記ベース体は、前記スピンドルモータと実質的に同じ高さを有する衝立形状部を備え、前記衝立形状部は、前記ディスクが前記ターンテーブル面に載置された状態において、前記ディスクの投影面積よりも外側でかつディスク挿入口の近傍に設けられている。
【0023】ある好ましい実施形態において、前記ディスクを挿入する際、前記第1および第2のスライド部材がそれぞれ、第1の方向および第1の方向と反対の第2の方向へ移動し、前記第1および第2のスライド部材の移動に連動して、前記第1の揺動体が前記ディスクを前記ディスクの中心と前記スピンドルモータの中心とが一致する位置まで、前記ディスクを引き込み、前記ベース体が上昇することによって、前記ターンテーブル面に前記ディスクが載置され、前記ディスクを排出する際、前記第1および第2のスライド部材は、前記第2および第1の方向へ移動し、前記第1および第2のスライド部材の移動に連動して、前記ベース体が下降することによって、前記ディスクが前記ターンテーブル面から解離して、前記第2の揺動体が前記ディスクを排出する。
【0024】ある好ましい実施形態において、ディスク装置は、前記ディスクが外部から挿入される際、前記ディスクが前記ベース体上の部品と接触しないよう、前記ディスクの挿入角度を規制し、案内する挿入ガイドを更に備える。
【0025】ある好ましい実施形態において、前記挿入ガイドは、前記ディスクが前記ターンテーブル面に載置された状態において前記ディスクの外周に沿う円弧状のガイド縁部を有する。
【0026】ある好ましい実施形態において、前記ディスクが外部から挿入される際、前記ディスクが前記ベース体上の部品と接触しないよう、前記第2の揺動体は、ディスクの挿入角度を規制し案内する形状を備えている。
【0027】ある好ましい実施形態において、前記ディスクを挿入する際、前記第1および第2のスライド部材がそれぞれ、第1の方向および第1の方向と反対の第2の方向へ距離Aだけ移動し、前記第1および第2のスライド部材の移動に連動して、前記第1の揺動体が前記ディスクを前記ディスクの中心と前記スピンドルモータの中心とが一致する位置まで、前記ディスクを引き込み、前記ベース体が上昇することによって、前記ターンテーブル面に前記ディスクが載置され、前記ディスクを排出する際、前記第1および第2のスライド部材は、前記第2および第1の方向へ距離A+αだけ移動し、前記第1および第2のスライド部材の移動に連動して、前記ベース体が下降することによって、前記ディスクが前記ターンテーブル面から解離して、前記第2の揺動体が前記ディスクを排出し、ディスクの排出が完了した後、前記第2の揺動体を運動させることなく、前記第1および前記第2のスライド部材が、それぞれ、前記第1の方向および第2の方向へ距離αだけ移動し、初期状態へ復帰する。
【0028】ある好ましい実施形態において、前記ディスクの正規サイズに対し、直径が約3分の2である第2のディスクが挿入されても前記第2のディスクを押し返すような位置に前記第2の揺動体が配置されている。
【0029】ある好ましい実施形態において、前記ディスクの引き込み動作完了および前記ディスクのターンテーブル面への載置完了を検出するための第1の検知手段を更に有し、前記第1の検出手段は、前記ディスクの排出完了または、前記初期状態への復帰完了のいずれかを更に検出する。
【0030】ある好ましい実施形態において、ディスク装置は、前記スライド連結部材を所定の面内において回動可能なように支持する支持外装筐体を更に備える。
【0031】ある好ましい実施形態において、前記支持外装筐体は、前記ターンテーブル面より下方に配置され、前記外装筐体に固定されている。
【0032】ある好ましい実施形態において、前記支持外装筐体は、前記第1及び第2のスライド部材の移動方向に直角な方向に伸びており、長手方向の両端において折り曲げられている。
【0033】ある好ましい実施形態において、前記ディスクに対し前記第1の揺動体と反対側で前記ディスクの搬送方向を規制するディスクガイドと、前記ディスクの外周を前記第1の揺動体と前記ディスクガイドとに向かって押し付ける第3の揺動体とを更に備え、前記ディスクのスピンドルモータへの位置決めが前記ディスクガイドと前記第1の揺動体との当接によって行われる。
【0034】ある好ましい実施形態において、前記ディスクガイドは、前記ディスクが挿入される際には、前記ディスクと当接しないように位置し、前記ディスクの引き込み動作の途中から前記ディスクに当接して前記ディスクをスピンドルモータへ位置決めし、前記ディスクが前記ターンテーブル面に載置された後、前記ディスクから離間するよう前記第2のスライド部材と連動する。
【0035】ある好ましい実施形態において、前記ディスクガイドが前記ディスクの下方になるよう前記ディスク装置が設置されても、前記ディスクを支持し、かつディスクをスピンドルモータへ位置決めし得るように前記第2のスライダ部材と連動している。
【0036】ある好ましい実施形態において、前記第3の揺動体は、前記第3の揺動体が前記ディスクの下方になるように前記ディスク装置が設置されても前記ディスクを第1の揺動体と前記ディスクガイドとに押し付けるように前記ディスクを付勢する。
【0037】ある好ましい実施形態において、前記第3の揺動体は前記スライド連結部材と連動し、前記ディスクが前記ターンテーブル面に載置された後、前記ディスクから離間する。
【0038】ある好ましい実施形態において、前記ディスクが所定の位置まで挿入されたとき、前記ディスクの挿入によって回転する前記第3の揺動体の動作を検出するディスク挿入検出器を更に備え、前記ディスク挿入検出器の検出信号に基づいて、前記第1および第2のスライド部材によるディスク引き込み動作が開始される。
【0039】ある好ましい実施形態において、前記第3の揺動体はスライド連結部材と連動し、ディスク排出動作における前記スライド連結部材の動きによって前記第3の揺動体を初期位置まで移動させる。
【0040】また、本発明のディスク装置は、ディスクを載置するためのターンテーブル面を有するスピンドルモータを含むベース体と、前記ターンテーブル面と実質的に平行な面内で揺動し、外部から挿入されたディスクを、前記ディスクの中心と前記スピンドルモータの中心とが一致する位置まで、前記ディスクを引き込む第1の揺動体と、前記ターンテーブル面と実質的に平行な面内で揺動し、前記スピンドルモータの中心とディスクの中心とが一致する位置にある前記ディスクを、前記外部に対してその一部が露出する排出位置まで排出する第2の揺動体と、前記第1の揺動体の引き込み動作および前記第2の揺動体の排出動作を行わせるために、前記第1の揺動体および前記第2の揺動体とそれぞれ係合しており、前記ターンテーブル面と実質的に平行な面内で往復移動する第1および第2のスライド部材と、前記ディスクが外部から挿入される際、前記ディスクが前記ベース体上の部品と接触しないよう、前記ディスクの挿入角度を規制し、案内する挿入ガイドとを備え、前記第1および第2の揺動体ならびに前記第1および第2のスライド部材は前記ターンテーブル面よりも下方に位置しており、前記第1および第2のスライド部材のうち、少なくとも1つは、前記ベース体の側面を支持しており、前記往復移動によって前記ベース体の側面を昇降させる。
【0041】ある好ましい実施形態において、前記挿入ガイドは、前記ディスクが前記ターンテーブル面に載置された状態において前記ディスクの外周に沿う円弧状のガイド縁部を有する。
【0042】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)以下、図面を参照しながら本発明のディスク装置の第1の実施形態を説明する。まず、図1(a)および(b)を参照してディスク装置全体の概要を説明する。図1(a)は、本実施形態のディスク装置1をディスクが搬送される面に垂直な方向から見た平面図であり、図1(b)は図1(a)のディスク装置を図中の矢印10A方向(ディスク入口の方向)からみた正面図である。本実施形態のディスク装置は、外装筐体90、ベース体100、第1の揺動体250、第2の揺動体350、第1のスライド部材210および第2のスライド部材310を備える。
【0043】外装筐体90は、ディスク装置1の外形を形成しており、六面体形状から切り欠き90fおよび切り欠き90tが削り落とされた形状を備えている。外装筐体90には、ベース体100を収納する第1の空間90aおよび第1の空間90aの上方に位置し、記録媒体であるディスク10を回転し得るように収納する第2の空間90bが含まれる。切り欠き90fは図1(b)に示すように、第2の空間90bの下方であって、第1の空間90aに隣接している。
【0044】ベース体100は、ハブ110aおよびターンテーブル面110bを有するスピンドルモータ110を含む。スピンドルモータは自己保持タイプであり、ハブ110aにディスク10の中心孔10aをはめ込み、ターンテーブル面110bにディスク10を押し付ければ、3つの保持ツメ110cによりディスクを保持することができる。また、ベース体100は、ディスク10に対し情報(信号)を記録または再生する光ヘッド120と、図示しない手段により光ヘッド120をディスク10の半径方向へ移動できるように支持する支軸121および122とを含む。
【0045】これらの構成要素はベースシャーシ130内に組み込まれる。ベースシャーシ130は、ディスク10の入口側(ディスク装置の前面側)であって、ターンテーブル面110bにディスク10が載置された時、ディスク10よりも外側において、スピンドルモータ110のハブ110aの上面と同程度の高さを有する衝立形状部130aを備えている。
【0046】第1のスライド部材210および第2のスライド部材310は、ベース体100を挟むようにベース体100の側面に隣接して設けられる。第1のスライド部材210は、図1(b)においてベース体100の右側に位置しており、ディスク装置の前後方向(ディスク搬送方向10Aまたは10Bと同じ方向)に移動可能である。ベース体100に向かい合った側面にはカム溝210aおよび210bが形成されていて、ベースシャーシ130の側面に固定されたピン132a、132bをそれぞれ支持している。第2のスライド部材310は、図1(b)においてベース体100の左側に位置しており、ディスク搬送方向10Aまたは10Bと同じ方向に移動可能である。ベース体100に向かい合った側面にはカム溝310aおよび310bが設けられていて、ベースシャーシ130の側面に固定されたピン133a、133bをそれぞれ支持している。ベース体100は、図示しないガイド手段によりディスク面に垂直な方向、即ち矢印100Aまたは100B方向に昇降するよう規制されている。
【0047】外装筐体90の天井には、スピンドルモータ110のターンテーブル面110bに対応する位置に、内部側へ突出した凸部90sが設けられている。凸部90sは、ベース体100が上昇したとき、スピンドルモータ110のハブ110aの先端が入り込む穴90hを形成している。また、外装筐体90の底には、内部側に突出したピン91が設けられている。ピン91は、スピンドルモータ110に近接しており、ターンテーブル面110bにディスク100が載置されたとき、ディスク10の内周側に設けられた非記録領域の下方に位置している。ピン91はベースシャーシ130の穴130bを貫通して外装筐体90に設けられているため、後述するようにベース体100が昇降しても、ピン91は固定したままである。ピン91の上面は、ベース体100が降下したときには、ターンテーブル面110bより高いところに位置しており、ベース体100が上昇し、ターンテーブル面110bがディスク10を保持しているときには、ターンテーブル面110bより低いところに位置している。
【0048】ディスク装置1には、第1のスライド手段210を駆動するモータなどの駆動手段281が設けられている。駆動手段281にはウオームギヤ281aが取り付けられ、ウオームギヤ281aが中間ギヤ282およびピニオンギヤ283を介して第1のスライド部材210に設けられたラック210gと噛み合っている。駆動手段281を往復回転させることにより、第1のスライド部材210を矢印10Aまたは10B方向に搬送することができる。駆動手段281としては、種々のモータを用いることができる。また、線形動作を行う圧電アクチュエータなどを用いてもよい。
【0049】駆動手段281およびピニオンギヤ283は駆動手段支持体285により支持され、外装筐体90に取り付けられている。駆動手段支持体285は、細長く突出した板バネ部285aを有し、板バネ部285aがベースシャーシ130の上方に位置して、ベースシャーシ130がディスク10に記録再生を行う位置まで持ち上げられた時、これと接触し、ベースシャーシ130を下方へ押し下げる。これにより、ピン132bの下端をカム溝210bの底面に沿わせる。
【0050】ディスク装置1は、更にスライド連結部材410を備える。スライド連結部材410は、ディスク10が挿入される側とは反対側に位置するベース体100の奥において支持点410aを中心に回動自在に外装筐体90に取り付けられている。スライド連結部材410の両端には、固定ピン412cおよび413cが設けられ、第1のスライド部材210の後端に設けられた孔210cおよび第2のスライド部材310の後端に設けられた孔310cとそれぞれ係合している。駆動手段281により第1のスライド部材210を矢印10A方向に移動させると、これと連動して、第2のスライド部材310を矢印10B方向に移動させることができる。逆に、第1のスライド部材210を矢印10B方向に移動させると、第2のスライド部材310は矢印10A方向に移動する。
【0051】第1の揺動体250は、第1のスライド部材210の上方において支持点250aを中心にディスク面と平行に回動し得るよう外装筐体90に取り付けられる。図示しない手段により第1の揺動体250は、矢印250A方向に付勢されている。第1の揺動体250は、下方に突出して第1のスライド部材210と係合するピン250sと、外装筐体90のガイド部90cと係合する折り曲げ部250hを有している。外装筐体90のガイド部90cと折り曲げ部250hとの係合によって、第1の揺動体250はディスク面と垂直な方向へは浮き上がることなく回動することができる。
【0052】第2の揺動体350は、下方に突出して第2のスライド部材310と係合するピン350sを有し、第2のスライド部材310近傍に設けられた支持点350aを中心にディスク面と平行に回動可能なように外装筐体90に取り付けられている。第2の揺動体350は、一端356aが外装筐体90に取り付けられており、反転バネの一種である捻りコイルバネ356によって、作用点350bで矢印350A方向に付勢されている。後述するように、ディスク10の挿入によって、第2の揺動体350が矢印350B方向に一定以上回転すると、捻りコイルバネ356の作用点350bにおける作用力の方向が支持点350aに対して反転するため、第2の揺動体350は矢印350B方向に付勢される。
【0053】ディスク装置1は、更にディスク位置決め部材510を備える。ディスク位置決め部材510は、その上面に固定されたピン511aおよび511bを有し、ディスク10の外縁がピン511aおよび511bと当接したとき、ディスク中心孔10aの中心がスピンドルモータ110のハブ110aの中心と一致する位置に配置されている。スライド連結部材410が矢印410A方向へ一定以上回転すると、スライド連結部材410の折り曲げ部410bがディスク位置決め部材510の上面に固定されたピン512を押し、ディスク位置決め部材510をピン511aおよびピン511bと共に矢印10A方向に移動させる。
【0054】また、回路基板810が、ベース体100の奥においてディスク位置決め部材510およびスライド連結部材410の下に設けられている。回路基板810には、外部と電気的に接続されるコネクタ811および検出スイッチ812、813が実装されている。
【0055】上述した構成要素のうち、ディスク10の外縁に接触してディスク10をガイドするピン250d、350d、511aおよび511bを除くと、スピンドルモータ110および光ヘッドを含むベース体100、第1のスライド部材210、第2のスライド部材310、第1の揺動体250、第2の揺動体350、スライド連結部材410、ディスク位置決め部材510、および回路基板810は、全てターンテーブル面110bより下方に位置している。つまり、ディスク10がディスク装置1に挿入される挿入位置10Rからディスクがターンテーブル面110bに載置される位置10Sまでのディスク10が通過する領域およびディスク10が位置する領域において、これらの構成要素はディスク10と接触しないように配置されている。
【0056】このほか、ディスク装置1には、スイッチレバー370ならびにガイド体720および730が設けられている。スイッチレバー370は、スライド部材310の上で支持点370aを中心に回動自在に外装筐体90に取り付けられており、図示しない手段により矢印370Bの方向に付勢されている。第2の揺動体350が一定角度以上に回転すると、第2の揺動体350の一端350eが、スイッチレバー370の一端370eを押すことによって、スイッチレバー370の方向へ回転する。そして、スイッチレバー370の他端に設けられたピン370uが検出スイッチ813を押す。ガイド体720および730は、それぞれ外装筐体90の前面近傍の側面において、挿入されてきたディスク10をガイドする。
【0057】次に図2〜図7を参照して、本発明のディスク装置1の動作を説明する。まずディスク10の挿入時の動作について説明する。図2(a)に示すように、ディスク10がディスク装置1に挿入される前、第1のスライド部材210は最も手前(ディスクを挿入する側)に位置し、第2のスライド部材310は最も奥に位置している。第1の揺動体250は、図2(b)に示すように矢印250A方向に付勢されたピン250sが第1のスライド部材210の上面に設けられたカム溝210sに当接して停止している。図2(d)に示すように、第2の揺動体350は、矢印350A方向に付勢され、図示しない停止手段により図2(a)に示す位置に停止している。この時、ピン350sは図2(c)に示すように第2のスライド部材310の上面に設けられたカム溝310sから離れた位置にいる。操作者によってディスク10がディスク装置1に挿入されると、ディスク10は、位置10Rにおいて第1の揺動体250の先端に設けたピン250dに当接する。
【0058】次に、操作者がさらにディスク10を奥に挿入すると、ディスク10は第1の揺動体250のピン250dおよび左右のガイド体720、730により、高さ方向と左右位置を規制されながら図3(a)に示す位置まで到達する。この動作の途中において、ディスク10は、第2の揺動体350のピン350dにも接触し、第2の揺動体350がディスク10の先端の高さを規制する。
【0059】図2(a)および図3(a)に示すように、ディスク10の外縁が第1の揺動体250のピン250dを押しながら、ディスク10が挿入されるため、第1の揺動体は図3(a)に示すように矢印250B方向に回転する。また、第1の揺動体250のピン250sは、図3(b)に示す位置までカム溝210sの中を移動する。
【0060】ディスク10がピン350dを押すことによって、第2の揺動体350も矢印350B方向に回転し、ピン350sは図3(c)に示すようにカム溝310sの入口位置まで回転する。また、図3(a)に示すように、第2の揺動体350の一端350eがスイッチレバー370の一端370eを押すため、スイッチレバー370が矢印370A方向に回転し、ピン370uが検出スイッチ813を押す。ここまでの動作において、第1のスライド部材210および第2のスライド部材310は実質的に静止した状態を保っている。
【0061】検出スイッチ813が押されると、駆動手段281が始動し、第1のスライド部材210が矢印10A方向へ移動しはじめる。これと連動して、第2のスライド部材310も矢印10B方向へ移動する。これによりディスク装置1の各部は図4(a)、(b)および(c)に示す状態へ移行する。具体的には、図4(a)および(b)に示すように、第1のスライド部材210が矢印10Aの方向に移動する。これに伴って、第1のスライド部材210のカム溝210sが移動し、第1の揺動体250のピン250sは第1のスライド部材210のカム溝210s内を側壁に沿って図4(b)に示す位置まで相対的に移動する。第1の揺動体250は支持点250aにおいて支持されているため、ピン250sの移動によって、第1の揺動体250は図4(a)に示すように矢印250Aの方向に回転する。これにより、第1の揺動体250のピン250dは、ディスク10をディスク位置決め部材510のピン511aおよびピン511bに当接するまで矢印10A方向へ引き込み、搬送する。
【0062】この時、図4(c)に示すように、第2のスライド部材310は矢印10B方向に移動するため、第2の揺動体350のピン350sは、第2のスライド部材310のカム溝310s内を側壁に沿って図4(c)に示す位置まで相対的に移動する。第2の揺動体350も支持点350aにおいて支持されているため、ピン350sの移動に伴って、第2の揺動体350は、図4(a)に示すように矢印350B方向に回転する。このとき、第2の揺動体350のピン350dは、第1の揺動体250の先端のピン250dと同期してディスク10を支持したまま矢印350B方向に移動し、ディスク10がディスク位置決め部材510のピン511aおよびピン511bに当接した後はディスク10から僅かに離れた位置まで回転する。図4(a)に示す状態において、ディスク10の中心孔10aはスピンドルモータ110のハブ110aの中心と一致している。
【0063】図3(a)、(b)および(c)から図4(a)、(b)および(c)に至るディスク10の搬送動作をディスクの引き込み動作と呼ぶ。また、この引き込み動作の途中で捻りコイルバネ356の作用力の方向が反転するため、第2の揺動体350は矢印350B方向に大きな角度で回転するにもかかわらず第2のスライド部材310にかかる負荷はわずかなものとなる。また、第1の揺動体250も矢印250Aの方向に付勢されているため、第1のスライド部材210にかかる負荷も小さい。このため、引き込み動作における駆動手段281の負荷は僅かなものとなる。さらに、図4(a)に示すように、第1の揺動体250および第2の揺動体350はベース体100の投影面積の外に位置しており、ベース体100の上方にも下方にも位置していない。このため、第1の揺動体250および第2の揺動体350がこの後のベース体100の上昇を妨げることがない。
【0064】次にベース体100の上昇とこれに伴うスピンドルモータ110によるディスク10の保持動作を説明する。ディスク10の中心10aとハブ110aの中心が一致するまで、ディスク10がディスク装置1に引き込まれた後、第1のスライド部材210および第2のスライド部材310はさらに移動を続ける。しかし、図4(b)および図4(c)に示すように、ピン250sもピン350sも、カム溝210sおよび310sの直線部分に位置しているため、第1のスライド部材210および第2のスライド部材310が移動を続けてピン250sが250s’の位置に、ピン350sが350s’の位置に来るまで、第1の揺動体250も第2の揺動体350も図4(a)に示す状態で回転を停止している。
【0065】一方、図5(a)、(b)および(c)に示すように、第1のスライド部材210および第2のスライド部材310が移動を続けることによって、ベース体100が上昇し、ディスク10をターンテーブル面110bへ載置する動作が行われる。
【0066】図5(a)に示すように、第1のスライド部材210が矢印10Aの方向に移動し上述の動作を行う間、ベース体100のベースシャーシ130の側面に設けられたピン132aおよび132bは、第1のスライド部材210の側面に設けられたカム溝210aおよび210bの水平な部分を移動していた。このため、第1のスライド部材210が矢印10Aの方向に移動しても、ベースシャーシ130は高さ方向の位置を変えることなく外装筐体90の底部に近接していた。
【0067】しかし、図4(b)に示すように、第1のスライド部材210が更に移動してピン250sが250s’の位置に移動する間、第1のスライド部材210の側面では、ピン132aおよび132bが図5(a)および(b)に示すように、カム溝210aおよび210bの傾斜部分を移動する。第1のスライド部材210の移動に伴って、ピン132aおよび132bがカム溝210aおよび210bの側面に押されながらカム溝210aおよび210bを移動するため、ベース体100が上方へ押し上げられる。
【0068】図1(a)に示すように、第2のスライド部材310の側面にもカム溝310aおよび310bが設けられ、ベースシャーシ130のピン133aおよび133bと係合している。このため、図示していないが第2のスライド部材310ならびにピン133aおよび133bも上述と同様の動作を行う。この結果、ベース体100は、その対向する一対の側面が持ち上げられ、外装筐体90の底部に対しておおよそ垂直に上昇する。
【0069】図5(b)に示すように、ベース体100が上昇するにつれて、スピンドルモータ110のハブ110aがディスク10の中心孔10aにはまりこむ。さらにスピンドルモータ110が上昇すると、ディスク10が外装筐体90の天井に設けた凸部90sとスピンドルモータ110のターンテーブル面110bとに挟まれて、スピンドルモータ110のツメ110cがディスク10をターンテーブル面110b上に保持する。この時、スピンドルモータ110のハブ110aの先端は凸部90sにより形成された穴90hに入り込む。これにより、ディスク10がターンテーブル面110bに載置される。
【0070】図5(c)に示すように、ピン132aおよび132bがカム溝210aおよび210bの端部まで移動すると、ベース体100はスピンドルモータ110により保持したディスク10と共に凸部90sから離間してやや下降する。ベース体100はこの高さにおいて保持され、ディスク10をスピンドルモータ110によって回転させ、光ヘッド120を動作させてディスク10に対して記録、再生動作を行う。
【0071】上述したように、第2のスライド部材310も第1のスライド部材210と同様に動作するため、ベース体100はピン132aおよび132bならびにピン133aおよび133bの4点において支持され、水平状態を保ったまま昇降する。
【0072】図5(b)に示すように、カム溝210bには底面の受けしか備えていないので、ベース体100が変形していた場合、4点目であるピン132bは第1のカム溝210bから浮き上がってしまう可能性がある。しかし、ベース体100が図5(c)に示す記録再生を行う位置まで上昇したときは、駆動手段支持体285から細長く突出した板バネ部285aがベースシャーシ130を下方へ押し下げ、ピン132bの下端をカム溝210bの底面に沿わせる(図1(a))。このため、ピン132bの浮きは防止され、ベース体100は水平を維持することができる。
【0073】また、図5(b)から(c)に至る第1のスライド部材210の動作により、図6(a)に示すように、第1の揺動体250のピン250sはカム溝210sにより僅かに矢印250B方向に回転させられる。このため、第1の揺動体250のピン250dはディスク10から離間する。またスライド連結部材410が矢印410A方向へ回転するため、スライド連結部材410の折り曲げ部410bがディスク位置決め部材510を矢印10A方向に押し、ピン511aおよびピン511bをディスク10から僅かに離間させる。
【0074】第2の揺動体350のピン350dは、図4R>4(a)、(b)および(c)に示す状態において、既にディスク10から離間しており、図5(c)または図6R>6(a)に示す状態において、第2の揺動体350が更に移動することはない。図5(c)または図6(a)の状態において、矢印10B方向に移動してきた第2のスライド部材310が外装筐体90内で最も手前の位置に到達し、矢印10A方向に移動してきた第1のスライド部材210が外装筐体90内で最も奥の位置に到達する。第1のスライド部材210が検出スイッチ812を押すことによって、駆動手段281は停止する。
【0075】図5(a)から図5(b)に示す状態におけるベース体100の上昇とこれに伴うスピンドルモータ110によるディスク10の保持、図5(b)から図5R>5(c)または図6(a)に示す状態におけるベース体100の下降、ディスク10を搬送し位置決めしていたピン250d、511aおよび511bのディスク10からの離間および駆動手段281の停止をあわせてディスクの保持動作と呼ぶ。なお、ベース体100が図5(c)に示す位置まで上昇しているとき、ベースシャーシ130の衝立形状部130aがディスク装置のディスク挿入口を塞ぐので、スピンドルモータ110の回転中に誤って外部からディスクを挿入されることがない。
【0076】次にディスク10をスピンドルモータ110から解除し、ディスク装置1からディスク10を排出させる動作を説明する。これらの動作は、概ねディスク10の挿入とは逆の動作で行われる。
【0077】図6(a)および図7(a)に示す状態において、操作者により排出命令が図1に示すコネクタ811を介してコンピュータから送られるか、もしくはディスク装置1に設けた図示しない排出スイッチが押されると、駆動手段281が駆動を開始し、第1のスライド部材210を矢印10B方向へ移動させ、第2のスライド部材310を矢印10A方向へ移動させる。これらの方向は挿入時と逆の方向である。第1のスライド部材210および第2のスライド部材310の移動に伴って、第1の揺動体はいったん矢印250Aの方向へ移動し、ディスク10から離間していた第1の揺動体250のピン250dがディスク10に当接する。同様にスライド連結部材410が矢印410B方向へ回転するため、ディスク位置決め部材510のピン511aおよびピン511bがディスク10に当接する。その結果、ディスク装置1は、図4(a)に示す状態となる。
【0078】この時、同時に図7(b)に示す状態まで、第1のスライド部材210が矢印10Bの方向へ移動し、カム溝210aがピン132aを押し上げ、ベース体100をディスク10が再び外装筐体90の天井に設けた凸部90sと当接するまで押し上げる。
【0079】第1のスライド部材210および第2のスライド部材310は更に移動を続け、ピン250sおよび350sが、図4(b)および図4(c)に示す位置へ移動する。この時、第1の揺動体250および第2の揺動体350は移動せず図4(a)の位置を保って静止している。一方、図7(c)および(d)に示すように、第1のスライド部材210が矢印10Bの方向へ移動するために、カム溝210aおよび210bの側面に押されながらピン132aおよび132bがカム溝210aおよび210bの傾斜部分を相対的に移動する。これに伴って、ベース体100が下降し、ディスク10が挿入される前の位置に戻る。この過程において、ベース体100はディスク10を保持したまま降下しようとするが、ディスク10の外縁はピン250dおよびピン350dに保持されているため、図7(c)に示すようにディスク10は反った状態となる。しかし、外装筐体90の底から突出したピン91の先端がスピンドルモータ110の近傍でディスク10を押すため、スピンドルモータ110のハブ110aに設けられたツメ110cがディスク10の中心孔10aの外周に押されて引っ込み、ハブ110aがディスク10中心孔10aから抜ける。その結果、図7(d)に示すように、スピンドルモータ110がディスク10を保持した状態を解除することができる。駆動手段281が始動し、ディスク10が解除されるまでの動作をディスク保持の解除動作と呼ぶ。
【0080】次にディスク10の排出動作について説明する。図3(b)および(c)に示すように、第1のスライド部材210および第2のスライド部材310がそれぞれ矢印10Bおよび10Aの方向へ移動するにつれて、第2の揺動体350のピン350sはカム溝310s内を進み、図3(c)に示す位置に達する。この時、第2の揺動体350は支持点350aを中心として、矢印350Aの方向に回転する。これにより第2の揺動体350の先端のピン350dは、ディスク10を矢印10B方向へ搬送する。
【0081】また図3(b)に示すように、第1の揺動体250のピン250sはカム溝210s内を進む。これに伴って、第1の揺動体250は支持点250aを中心として矢印250Bの方向に回転する。第1の揺動体250の先端のピン250dは、第2の揺動体350の先端のピン350dと同期してディスク10を支持したまま矢印250Bの方向に回転し、ディスク10を矢印10B方向に搬送する。
【0082】図3(a)に示す位置まで、第2の揺動体350が矢印350Aの方向へ回転すると、第2の揺動体350の一端350eとスイッチレバー370の一端370eとの接触が解け、スイッチレバー370が矢印370Bの方向へ回転する。これにより、スイッチレバー370のピン370uによる検出スイッチ813の押圧が解除される。
【0083】検出スイッチ813が解除されたことにより、駆動手段281が停止し、矢印10A方向に移動してきた第2のスライド部材310は外装筐体90内で最も奥の位置に到達して停止し、矢印10B方向に移動してきた第1のスライド部材210が外装筐体90内で最も手前の位置に到達して停止する。
【0084】また、図4(a)および(c)から図3(a)および(c)に至る排出動作の途中において、捻りコイルバネ356の作用力の方向が反転するため、図3R>3(a)に示す状態では、第2の揺動体350は矢印350A方向に付勢されている。したがって、第2のスライド部材310が停止した後も、第2の揺動体350は第1の揺動体250の矢印250Aへの付勢力に打ち勝って、ディスク10を矢印10Bの方向へ搬送する。その結果、図2(a)の10Eおよび図2(c)の状態まで第2の揺動体350は回転する。この時、第1の揺動体250は第2の揺動体350に押され、破線250’に示す位置まで後退する。このようにして、ディスク10が操作者により取り出せる位置まで排出される。この第2の揺動体350によるディスク10の排出する動作を、ディスクの排出動作と呼ぶ。
【0085】以上、詳述したように、駆動手段281により駆動される第1のスライド部材210および第2のスライド部材310の一連の移動に連動して、第1の揺動体250によるディスク10の引き込み動作、ベース体100の上昇とこれに伴うスピンドルモータ110によるディスク10の保持動作が順次行われる。また第1のスライド部材210および第2のスライド部材310の逆方向の一連の移動に連動して、ベース体100の降下とこれに伴うディスク保持の解除動作および第2の揺動体350によるディスクの排出動作が順次行われる。
【0086】また緊急時に操作者が強制的にディスク10を排出したい場合には、図示しない手段により中間ギヤ282または駆動手段281の他のギヤとの噛み合いを外す。そして、図6に示すように最も手前に来ている第2のスライド部材310の先端310fを外部から直接押すことにより、第2のスライド部材310は矢印10A方向へ移動させ、これと連動して第1のスライド部材210は矢印10B方向へ移動させる。これによって、上述したように、ディスクの排出動作を行い、ディスクを排出させることができる。
【0087】本発明のディスク装置1によれば、ディスク搬送手段としてローラを用いる必要がない。このため、ディスクが回転するように収納する空間を規定する部分のみディスクより広い幅を必要とし、その他の部分の幅はディスクよりも狭くすることができる。例えばディスクを収納する空間の下部に切り欠き部を設けた外装筐体を用いることも可能となる。
【0088】また2本の揺動体のみでディスクの搬送を行い、一対のスライド部材によって揺動体を駆動し、かつ、スピンドルモータを含むベース体を昇降させることができる。このため、装置の構造を簡単にすることができ、装置の低コスト化を図ることができる。
【0089】さらに、ターンテーブル面より下方にほとんどの構成要素を配置し、クランパを用いずにディスクを保持することができるため、薄型の装置を実現することができる。
【0090】(第2の実施の形態)以下、本発明のディスク装置の第2の実施形態を説明する。まず、図8(a)、(b)および(c)を参照して、ディスク装置2の全体の概要を説明する。図8(a)は、本実施形態のディスク装置2をディスクが搬送される面に垂直な方向から見た平面図であり、図8(b)は図8(a)のディスク装置を図中の矢印10A方向(ディスク入口の方向)からみた正面図である。図8(c)は図8(a)のディスク装置の内部を図中の矢印10A方向から見た一部断面正面図である。
【0091】図8(a)、(b)および(c)において第1の実施形態と同じ構成要素については、同一番号を付している。以下、第1の実施形態のディスク装置と異なる点を主に詳述する。
【0092】第1の実施形態同様、ディスク装置2は、外装筐体90、ベース体100、第1の揺動体250、第2の揺動体351、第1のスライド部材211および第2のスライド部材311を備える。
【0093】また、ディスク装置2は、フロントベゼル80を備えている。フロントベゼル80は、ディスク装置2の正面に取り付けられており、ディスク10を挿入するためのディスク入口80wが設けられている。このディスク入口80wには埃の侵入を防止するための布製のカーテンを設けてもよい。ディスク10は操作者によりこのディスク入口80wから矢印10A方向に挿入される。フロントベゼル80には、ディスク10を排出するための排出スイッチが設けられている。
【0094】ディスク装置2には、挿入ガイド140が設けられている。挿入ガイド140は、ベースシャーシ130上に配置されており、ターンテーブル面110bにディスク10が装着されたスピンドルモータ110に装着された状態のディスク10sの外周に沿った円弧状のガイド縁部140eを有している。挿入ガイド140はディスク入口80wからディスク10が斜めに挿入されて、ディスクの下面(情報記録面)がベース体100に接触するのを防ぐ。
【0095】ディスク装置2もベース体100の側面に設けられた第1のスライド部材211および第2のスライド部材311を備える。第1のスライド部材211および第2のスライド部材311はベース体100を挟むようにベース体100の側面に隣接して設けられる。第1のスライド部材211は、図8(a)においてベース体100の右側に位置しており、ディスク装置の前後方向(ディスク搬送方向10Aまたは10Bと同じ方向)に移動可能である。ベース体100に向かい合った側面にはカム溝211aおよび211bが形成されていて、ベースシャーシ130の側面に固定されたピン132a、132bをそれぞれ支持している。
【0096】第2のスライド部材311は、図8(a)においてベース体100の左側に位置しており、ディスク搬送方向10Aまたは10Bと同じ方向に移動可能である。ベース体100に向かい合った側面にはカム溝311aおよび311bが設けられていて、ベースシャーシ130の側面に固定されたピン133a、133bをそれぞれ支持している。ベース体100は図示しないガイド手段によりディスク面に垂直な方向、即ち矢印100Aまたは100B方向に昇降するよう規制されている。また第1のスライド部材211は、その端部211uにおいて回路基板810上に実装された初期状態検出器816を押下する。
【0097】外装筐体90には、第1のスライド部材211および第2のスライド部材311の移動方向(矢印10A、10B方向)に直角な方向に伸びており、長手方向の両端において折り曲げられた折り曲げ部742および743を有する支持外装筐体740が設けられている。折り曲げ部742および743は外装筐体90に固定されている。
【0098】また、支持外装筐体740上には、スライド連結部材410が設けられている。スライド連結部材410は、回路基板810と一定の距離を保つ高さで所定の面内において回動可能なように支持点410aにおいて支持されている。スライド連結部材410の両端に設けられたピン412cおよび413cは、第1のスライド部材211の後端に設けられた孔211cおよび第2のスライド部材311の後端に設けられた孔311cとそれぞれ係合して、第1のスライド部材211と第2のスライド部材311を連結している。このため、駆動手段281の回転により第1のスライド部材211を矢印10Aの方向に移動させると、これと同期して第2のスライド部材311は矢印10Bの方向に移動する。また。駆動手段281を逆転させると、第1のスライド部材211は矢印10Bの方向に移動し、これと同期して第2のスライド部材311は矢印10Aの方向に移動する。
【0099】更に、支持外装筐体740上には、支持点390aを中心に回動可能なように支持されたディスクガイド390が設けられている。ディスクガイド390は、ディスク10を挟んで第1の揺動体250と反対側に位置しており、第1の揺動体250と協同してディスク10の搬送方向を規制する。図示していないが、ディスクガイド390は付勢手段により、矢印390A方向に付勢されている。このため、下方に突出して設けられたピン390mが常に第2のスライド部材311のガイド面311mと接触する。第2のスライド部材311が移動すると、第2のスライド部材311の側面に沿って、ピン390mも移動するため、ピン390mの位置に応じてディスクガイド390は、支点390aを中心に回転する。
【0100】第2の揺動体351は、第2のスライド部材311近傍に設けられた支持点351aを中心にディスク面と平行な面において回動可能なように外装筐体90に取り付けられている。図8(a)に示すように、捻りコイルバネ356により作用点351bで矢印351Aの方向に付勢される場合は折り曲げ部351oがディスクガイド390と当接して停止する。また矢印351Bの方向に一定以上、第2の揺動体351が回転し、捻りコイルバネ356の作用点351bにおける作用力の方向が支持点351aに対して反転すると、第2の揺動体351は矢印351Bの方向に付勢される。この場合は、折り曲げ部351iが支持外装筐体740上のストッパ740i(図11参照)に当接して停止する。また下方に突出して第2のスライド部材311の段差部311pに押されるピン351pを有する。
【0101】図8(a)に示すように、ディスク装置2には、第1の実施形態のディスク位置決め部材510に替えて第3の揺動体540が設けられている。第3の揺動体540は、支持点540aを中心にして回動可能なように支持外装筐体740上に設けられている。図示しない付勢手段によって、第3の揺動体540は矢印540Aの方向へ付勢されており、矢印540Aの方向へ回転する力が働いている。このため、第3の揺動体540先端に設けられたピン540dは、挿入されたディスク10を第1の揺動体250上のピン250dおよびディスクガイド390上のディスクガイド面390dに押し付けて位置決めする。また下方に突出してスライド連結手段410の端部410bおよび410cに押されるピン540b、540cを有し、さらに回路基板810上に実装された引込開始検出器814を押下するピン540uも有する。
【0102】検出レバー380は、支持点380aを中心として回動可能なように外装筐体90上に設けられている。検出レバー380から突出するピン380tは第2のスライド部材311と係合しており、第2のスライド部材311の動きと同期して検出レバー380は回転する。検出レバー380の先端380uで回路基板810上に実装された装着完了検出器815を押下する。
【0103】次に、ディスク装置2の動作を説明する。まずディスク10の挿入動作について説明する。ディスク10がディスク装置2に挿入される前、ディスク装置2では、図9(a)に示すように第1のスライド部材211の端部211uが初期状態検出器816を押下した状態に位置している。第1の揺動体250は図示しない手段により矢印250A方向に付勢され、図9(b)に示すようにピン250sが第1のスライド部材211のカム溝211sの壁面に当接して停止している。
【0104】また図9(a)および(d)に示すように、第2の揺動体351は捻りコイルバネ356により作用点351bで矢印351Aの方向に付勢され、折り曲げ部351oがディスクガイド390と当接して停止している。この時、ピン351pは図9(c)に示すように第2のスライド部材311の段差部311pから離れた位置にある。
【0105】この状態で、操作者によってディスク入口80w(図8(b))から矢印10A方向に挿入されたディスク10は、図9(a)の二点鎖線10Eの位置で、第1の揺動体250の先端に設けたピン250dと、第2の揺動体351の先端に設けたピン351dに当接する。ディスク10が、ピン250dおよびピン351dに当接するまでは、ディスク10の先端の高さは、挿入ガイド140および第2の揺動体351の張り出し部351gによって規制され、ディスク10の先端が下がるようにディスク10が斜めに挿入されることを防ぐ。このため、ディスク10の下面(情報記録面)が光ヘッド120等のベース体100上の部品と接触して傷付くことがない。また挿入ガイド140は円弧状のガイド縁部140eを有するため、ディスク10とガイド縁部140eはその縁部同士でしか接触することがなく、ディスク10の下面を傷つける心配はない。
【0106】操作者がさらにディスク10を矢印10A方向に挿入すると、ディスク10は、矢印250Bの方向へ第1の揺動体250を押しのけた後、左右のガイド体720、730に規制されながら第2の揺動体351を矢印351B方向に回転させ、矢印10Aの方向へ進む。図10(a)に示すように、ディスク10がピン540dを押して第3の揺動体540を矢印540Bの方向に回転させ、ピン540uが引込開始検出器814の押下を解除する。引込開始検出器814が解除されると、駆動手段281が始動し、第1のスライド部材211が矢印10A方向へ移動する。これと連動して第2のスライド部材311も矢印10B方向への移動を開始する。図11(b)に示すように、第1のスライド部材211が矢印10A方向へ移動すると、第1の揺動体250のピン250sは移動するカム溝211sの側壁に駆動される。その結果、第1の揺動体250は、図11(a)に示す位置まで矢印250A方向に回転しディスク10をディスク装置2内へ引き込む。図10(a)、(b)、(c)および(d)から図11(a)、(b)、(c)、および(d)に至るディスク10の搬送動作をディスクの引き込み動作と呼ぶ。
【0107】図9(d)に示すように、駆動手段281が動作するまで、外側に待避していたディスクガイド390は、引き込み動作の途中から動作を始める。図11(d)に示すように、第2のスライド部材311が矢印10B方向に移動すると、そのガイド面311mに沿ってディスクガイド390のピン390mが駆動される。このため、ディスクガイド390は、図11(a)に示す位置まで矢印390Bの方向に回転しディスク10と接するようになる。このようにしてディスク10は、第3の揺動体540の矢印540A方向への付勢力により、ディスクガイド390のディスクガイド面390dおよび第1の揺動体250のピン250dの2ヶ所に押し付けられ位置決めされながら、第1の揺動体250により、図11(a)に示す位置、即ちディスク10の中心孔10aがスピンドルモータ110のハブ110aの中心と一致する位置まで引き込まれる。
【0108】またこの動作の間に、ディスク10に押されて矢印351B方向に回転した第2の揺動体351において、捻りコイルバネ356の作用点351bにおける作用力の方向が支持点351aに対して反転する。このため、第2の揺動体351は、矢印351Bの方向に付勢され、折り曲げ部351iが支持外装筐体740上のストッパ740iに当接して停止している。この状態で第2の揺動体351のピン351dはディスク10外周から離間した位置にある。
【0109】上述したように、ディスクガイド390が引き込み動作の途中まで外側に待避していることにより、ディスク10をディスク装置2に挿入すると、ディスク10はまず、右側のガイド体720にその挿入方向が規制される。このため、ディスク10は中心よりやや左側に寄せられて挿入される。ディスク10がガイド体720を通過し、ディスクが第3の揺動体540のピン540dに接触すると、駆動手段281が動作を始め、第1の揺動体250がディスク10を引き込み始める。この時、ディスクガイド390もディスク10の挿入方向を規制するよう移動するので、挿入方向がやや右よりに修正されるようディスク10がディスクガイド390に導かれる。したがって、引き込み動作中、ディスク10の中心は、図11(a)に示す矢印10Lの軌跡をたどる。
【0110】このように、ディスク装置2の幅方向のスペースを有効に使ってディスク10を搬送するため、ディスク装置2の幅を小さくすることができる。また第3の揺動体540を矢印540A方向へ付勢しているため、たとえディスク装置2が矢印10A方向を下に縦向きに設置された場合でも、ディスク10の重量に負けることのない十分な大きさの力でディスク10をディスクガイド面390dおよび第1の揺動体250のピン250dに押し付けることができる。
【0111】次に、第1のスライド部材211および第2のスライド部材311によるベース体100の昇降を説明する。ベース体100が上昇し、スピンドルモータのハブ110aにディスク10の中心孔10aが挿入され、ディスク10がターンテーブル面110bに載置される動作は、第1の実施形態において図5(a)、(b)および(c)を参照して説明した動作とまったく同じである。このスピンドルモータ110によるディスク10の保持動作の間、図11(b)に示すように、第1の揺動体250のピン250sはカム溝211sの直線部分に位置している。また、図11(c)に示すように、第2の揺動体351のピン351pは第2のスライド部材311の段差部311pから離間している。ディスク10が動かないため、第3の揺動体540は図11(a)の状態で停止している。
【0112】第1の実施形態と同様、ディスク装置2が図5(a)および(b)に示す状態をとった後、図5(b)から(c)に至る状態において、第1のスライド部材211では、図12(b)に示すように、第1の揺動体250のピン250sが矢印10Aの方向に移動するカム溝211sにより僅かに矢印250Bの方向に回動させられる。このため、図12(a)に示すように第1の揺動体250のピン250dがディスク10の外周から離間する。また図12(a)および(c)に示すように、第2のスライド部材311のガイド面311mが矢印10Bの方向に移動するため、ガイド面311mの凹凸にそってディスクガイド390のピン390mが矢印10Bの方向に移動する。このため、ディスクガイド390のディスクガイド面390dはディスク10の外周から離間する。第1のスライド部材211の移動に連動してスライド連結部材410が矢印410Aの方向へ回転するため、端部410bが第3の揺動体540のピン540bを押して第3の揺動体540を矢印540B方向に回転させる。このため、ピン540dもディスク10の外周から離間する。
【0113】図12(a)に示すように、図9(a)に示す初期状態から距離Aだけ、矢印10A方向に移動した第1のスライド部材211が外装筐体90内で最も奥の位置に到達し、矢印10Bの方向に移動してきた第2のスライド部材311は外装筐体90内で最も手前の位置に到達する。図12(d)に示すように、ピン380tが第2のスライド部材311のカム溝311tに案内されて矢印380Bの方向に回転し、装着完了検出器815を押下する。これによって、駆動手段281が停止し、第1のスライド部材211および第2のスライド部材311も停止する。
【0114】上述したように、ディスク10が挿入される際、ディスク10に当接していた第1の揺動体250のピン250d、第3の揺動体540のピン540dおよびディスクガイド390のディスクガイド面390dがディスク10から離間しているので、ディスク10はスピンドルモータ110によって回転可能な状態となっている。この状態で、ディスク装置2は、スピンドルモータ110によってディスク10を回転させ、ベース体100上の光ヘッド120によってディスク10に情報を記録したり、ディスク10から情報を再生したりすることができる。
【0115】次に、ディスク10のスピンドルモータ110からの解除動作及びディスク10の排出動作を説明する。図12(a)、(b)、(c)および(d)の状態から、ディスク10の排出命令がコネクタ811を介してコンピュータから送られるか、もしくは操作者によりフロントベゼル80に設けた排出スイッチ81(図8(b))が直接押下されると、駆動手段281が駆動を開始し、第1のスライド部材211が矢印10B方向へ移動し、第2のスライド部材311は矢印10A方向へ移動する。つまり、挿入時とは逆方向に第1のスライド部材211および第2のスライド部材311が移動を開始する。すると、図11(a)に示すようにディスク10から離間していた第1の揺動体250のピン250d、ディスクガイド390のディスクガイド面390d、および第3の揺動体540のピン540dがディスク10外周に当接してディスク10を保持する。
【0116】続いて、第1のスライド部材211および第2のスライド部材311の移動によって、ベース体100がいったん上昇したあと下降し、ディスク10がターンテーブル面110bから脱離する。このディスク10の解除動作は、図7(a)から(d)を参照して説明した第1の実施形態と同じ動作である。
【0117】次にディスク10の解除動作に続くディスク10の排出動作を説明する。図10(a)および(c)に示すように、第2の揺動体351のピン351pは矢印10Aの方向に移動する第2のスライド部材311の段差部311pにより、矢印10Aの方向に押され、第2の揺動体351は矢印351Aの方向に回転する。これにより第2の揺動体351のピン351dは、ディスク10を矢印10B方向へ押し、ディスク10はガイド体720および730により左右方向を規制されながら排出方向へと搬送される。またこの時、図10(b)に示すように、第1の揺動体250のピン250sが矢印10B方向に移動するカム溝211sに案内されることにより、第1の揺動体250は矢印250B方向に回転する。このため、ピン250dは排出されてくるディスク10から逃げるように、ディスク10の外周から離間しながら回転する。図12(a)の状態から図1010(a)に示す状態へ推移する間に、捻りコイルバネ356の作用力の方向は反転しており、図10(a)の状態では第2の揺動体351は矢印351Aの方向に付勢されている。このようにディスク10は、第2の揺動体351によって搬送される。
【0118】更に第1のスライド部材211及び第2のスライド部材311が移動すると、ディスク装置2は、図13(a)、(b)(c)および(d)の状態になる。図13(a)に示すように、矢印10Aの方向に移動してきた第2のスライド部材311は外装筐体90内の最も奥の位置に到達し、図12(a)に示す状態から矢印10B方向に距離A+αだけ移動してきた第1のスライド部材211は外装筐体90内で最も手前の位置に到達する。図13(d)に示すように、検出レバーのピン380tが第2のスライド部材311のカム溝311tに案内されて矢印380B方向に回転し、装着完了検出器815を押下する。これによって、駆動手段281は駆動回転方向を反転させ、逆方向に回転を開始する。
【0119】この時、第2の揺動体351は、図13(c)に示すように、ピン351pが第2のスライド部材311の段差部311pにより矢印10A方向に押し切られているため、図13(a)に示すように、第2の揺動体351のピン351dは中心孔10aが概ねフロントベゼル80から外に出る位置までディスク10を排出する。このように捻りコイルバネ356による付勢力だけではなく、第2のスライド部材311による駆動によって、第2の揺動体351はディスク10を確実に排出する。このため、たとえディスク装置が矢印10A方向を床面にして縦に設置された場合でも、所定の割合で、例えば、中心孔10aがディスク装置2外へ露出するまで、ディスク10を安定して排出することができる。また装着完了検出器815は、上述したようにディスク10の排出完了の検出も兼ねている。
【0120】また図13(a)に示すように、スライド連結部材410の端部410cが第3の揺動体540のピン540cを押すため、第3の揺動体540は矢印540A方向に回転する。これにより、第3の揺動体540のピン540uは引込開始検出器814を押下する。もともと第3の揺動体540は矢印540Aの方向へ付勢されているが、スライド連結部材410によって確実に引込開始検出器814を押下しているため、たとえ引込開始検出器814を押下する負荷が大きすぎたり、また部分的に第3の揺動体540がねじれて回転しにくくなっていたりしても、第3の揺動体540の初期位置への復帰と引込開始検出器814の押下を確実に行うことができる。
【0121】図13(a)に示す状態において、駆動回転方向を反転した駆動手段281により、第1のスライド部材211は矢印10Aの方向へ移動する。そして、図9(a)に示すように、第1のスライド部材211は矢印10A方向へ距離αだけ移動し、第2のスライド部材311は矢印10B方向へ移動する。これらの移動方向は、それまでとは逆である。第1のスライド部材211の端部211uが初期状態検出器816を押下すると、駆動手段281は停止する。図13(a)、(b)、(c)および(d)に示す状態から図9(a)、(b)、(c)および(d)へ示す状態へ移行する際、第2のスライド部材311の段差部311pも矢印10B方向へと移動するが、第2の揺動体351は捻りコイルバネ356の付勢力により矢印351A方向に付勢され、折り曲げ部351oがディスクガイド390と当接した位置で停止している。このため、図9(c)に示すように、ピン351pは段差部311pには追従せず、第2の揺動体351を停止位置に残したまま第2のスライド部材311だけが矢印10B方向に移動する。このように第2の揺動体351が矢印351A方向に付勢された状態でディスク10排出位置にとどまることにより、張り出し部351gが次に挿入されるディスク10の案内の役割を果たすことができる。
【0122】このように、ディスク挿入時には、駆動手段281によって、第1のスライド部材211が矢印10Aの方向への距離Aだけ移動し、第2のスライド部材311が矢印10Bの方向へ連動して移動する。これらの動作に伴って、第1の揺動体250がディスク10を挿入位置からディスク10の回転位置まで引き込む。また、ベース体100が上昇し、スピンドルモータ110のターンテーブル面110bにディスク10を載置する。
【0123】一方、ディスク10排出時には、第1のスライド部材211が矢印10Bの方向へ距離A+αだけ移動し、第2のスライド部材が矢印10A方向へ連動して移動する。この動作に伴って、ベース体100が降下し、ディスク10がターンテーブル面110bから脱離する。また、第2の揺動体351によって、ディスク10がその回転位置から排出位置まで排出される。ディスク10を排出した後、第1のスライド部材211は再び矢印10A方向へ距離αだけ移動し、第2のスライド部材311も再び矢印10B方向へ移動してそれぞれ初期位置に戻る。この時、ディスク排出方向に付勢される第2の揺動体351は、第2のスライド部材311の矢印10B方向への移動に追従せずディスク10排出位置にとどまる。
【0124】これまで述べた正規サイズ(例えば、直径12cm)のディスク10ではなく、正規サイズの約3分の2(例えば、直径8cm)までの直径の第2のディスク11が図9(a)に示すようにフロントベゼル80のディスク入口80wから操作者によって誤って挿入された場合を説明する。ディスク入口80wの左側もしくは中央から第2のディスク11が挿入された場合、たとえ第2のディスク11の全体が押し込まれたとしても第2の揺動体351は捻りコイルバネ356による作用力が反転するところまでは回転しないように構成されている。このため、手を離せば第2のディスク11は捻りコイルバネ356による第2の揺動体351の矢印351A方向への回転力により押し出される。またディスク入口80wの右端からガイド体720のガイド面720dに沿って第2のディスク11が挿入された場合でも、第2のディスク11は必ず第2の揺動体351の折り曲げ351iもしくはピン351dに外縁が当たり、第2の揺動体351を矢印351B方向に回転させるため、バネ力により排出される。このように、正規のサイズよりも小さいディスクが挿入された場合でも、ディスク装置2にそのようなディスクが入り込んで取り出せなくなるという可能性はほとんどない。
【0125】また、ディスク装置2が矢印10Aの方向に縦に設置されても、左右の側面のどの方向が下になるように縦に設置されても、ディスク10の搬送過程において、入口付近では第2の揺動体351とガイド体720、730によって支持され、また中央付近ではディスクガイド390と、第3の揺動体540および第1の揺動体250によって、搬送中のディスク10は常に支持されるため、ディスク10は安定して搬送される。
【0126】以上のように、ディスク装置2によれば、挿入ガイドと第2の揺動体の張り出し部によって挿入時のディスク傷を防止し、スライド部材で確実に安定してディスク排出を行うことができる。また、2つの状態の検出を1つの検出器で兼ねさせることにより検出器を増やさず、支持外装筐体によりディスク装置を軽量化することができる。小径ディスクが挿入された場合でも、バネ力によって排出させることが可能であり、ディスクガイドを動かすことによりディスク装置の幅を小さくすることができる。またディスクが搬送過程で常に支持されるので、ディスク装置が縦に設置された場合でも安定したディスク搬送を行い、初期状態検出も確実に行うことができる。
【0127】なお、上記第1および第2の実施形態では、ベース体は第1および第2のスライド部材によって昇降させられていた。しかし、ベース体はかならずしも第1および第2のスライド部材によって昇降させなくてもよい。例えば、第1または第2のスライド部材と連動し、ベース体の側面に設けられた突起と係合するカム溝を有する第3のスライド部材を設け、第1または第2のスライド部材と第3のスライド部材とによってベース体を昇降させてもよい。このような第3のスライド部材は、第1または第2のスライド部材に対してベース体を挟むようにベース体の側面に設けてもよいし、ベース体の隣接する2つの側面に近接して第1または第2のスライド部材と第3のスライド部材とを設けてもよい。
【0128】また、ベース体全体を昇降させて、ターンテーブル面へのディスクの載置およびターンテーブル面からのディスクの脱離を行っていたが、これらの動作は、ベース体の1つの側面を昇降させることによっても行うことができる。具体的には、ベース体の一側面を第1のスライド部材または第2のスライド部材によって昇降させ、昇降する側面に対向する側面においてベース体が回転可能なように支持する。このような構造によれば、スライド部材の移動に伴って、ターンテーブル面はベース体を支持する軸を中心として回転し、ディスクに対して傾いたり平行になったりする。このため、ディスクをターンテーブル面へディスクを載置し、ターンテーブル面からのディスクを脱離したりすることができる。
【0129】
【発明の効果】本発明によれば、ディスク搬送手段としてローラを使用しないため、ディスク装置の幅を小さくすることができる。またディスクの搬送を2本の揺動体のみによって行い、しかもスライド部材によって2本の揺動体の駆動とベース体の昇降駆動を兼ねさせているため、ディスク装置の構造を簡単にすることができ、低コストで軽量なディスク装置を実現できる。
【0130】また、ベース体の側面をスライド部材によって昇降させることにより、クランパを用いることなくディスクをターンテーブル面に載置したり、ターンテーブル面から脱離させたりすることができる。特に、スピンドルモータおよびベース体を、互いに連動する左右一対のスライド部材で両側から支持して傾くことなく昇降させる場合には、ディスクの保持動作、回転動作をより安定して行わせることができる。
【0131】また、一対のスライド部材、第1及び第2の揺動体およびスライド連結部材をベース体の投影面積の外に配置することにより、ほとんどの構成要素をターンテーブル面より下方に平面的に配置することができ、しかも自己保持型のスピンドルモータを用いることによりディスク上面からクランパを排除することができる。これによってディスク装置を薄くすることができる。
【0132】また、ベース体を装置手前側に配置することにより、回路基板および装置外部との接続コネクタを装置の奥に配置できるので、外部との接続を容易に行え、しかも回路基板の面積を小さくすることができる。また、スライド部材の移動方向をディスク搬送方向と概ね同じとすることにより、外部からスライド部材を強制的に移動させることができ、緊急時のディスク排出を容易に行うことができる。
【0133】また、ディスク装置の外装筐体に切り欠き形状を設けてさらに小型化し、この状態でも外装筐体のガイド部に第1の揺動体の一部を係合させることにより、第1の揺動体は浮き上がることなく回動することができる。また、第2の揺動体の動作に反転バネを用いることにより、第2の揺動体は大きな角度で回転するにもかかわらずこれを駆動する駆動手段に必要な駆動負荷はわずかなものとすることができる。
【0134】また、ベース体が変形していても、駆動手段支持体に設けた板バネ部がこれを矯正するので、ベース体は水平を維持でき、安定したディスクの保持、回転を行わせることができる。また、ディスクが回転している時は、ベース体の衝立形状部がディスク挿入口を塞ぐので、ディスクを誤挿入されることがない。
【0135】また、挿入ガイドと第2の揺動体の張り出し部によって、操作者によるディスク挿入時において、ディスクがベース体上の部品と衝突しないよう案内されるのでディスクが傷つかない。
【0136】また、ディスクを排出するまで第2のスライド部材が確実に第2の揺動体を押し切るため、ディスクを安定して一定量排出させることができる。また、排出後第2の揺動体を残して第2のスライド部材が一定量戻ることにより、第2の揺動体の張り出し部によるディスクの案内を可能にしている。また、ディスクの装着完了検出器と排出完了検出器を兼ねることにより、検出器を増やすことなく前記動作を可能にしている。
【0137】また、折り曲げ部を有する強固な支持外装筐体が外装筐体に取り付けられているためディスク装置の補強や軽量化に寄与している。
【0138】また、正規サイズより小さなディスクが挿入されても、必ず第2の揺動体のバネ力によって排出される。
【0139】また、ディスクガイドを位置決め位置と待避位置とに動かすことにより、ディスク搬送軌跡を最適化しディスク装置幅を小型化できる。また、ディスク搬送の過程において、常にディスクが支持される構成としたことにより、ディスク装置が縦に設置された場合でも安定してディスク搬送を行うことができる。
【0140】また、ディスク排出動作において、必ずスライド連結手段が第3の揺動体を押して初期位置に復帰させるので、初期状態検出器の第3の揺動体による押下を確実にし、誤検出を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明のディスク装置の第1の実施形態の全体構成を示す平面図であり、(b)はその正面図である。
【図2】(a)は、図1に示すディスク装置のディスク搬送動作を示す平面図であり、(b)および(c)は、第1のスライド部材および第2のスライド部材近傍をそれぞれ拡大して示す平面図である。
【図3】(a)は、図1に示すディスク装置のディスク搬送動作を示す平面図であり、(b)および(c)は、第1のスライド部材および第2のスライド部材近傍をそれぞれ拡大して示す平面図である。
【図4】(a)は、図1に示すディスク装置のディスク搬送動作を示す平面図であり、(b)および(c)は、第1のスライド部材および第2のスライド部材近傍をそれぞれ拡大して示す平面図である。
【図5】(a)から(c)は、図1のディスク装置においてベース体の昇降動作を示す部分断面図である。
【図6】(a)は、図1に示すディスク装置のディスク搬送動作を示す平面図であり、(b)および(c)は、第1のスライド部材および第2のスライド部材近傍をそれぞれ拡大して示す平面図である。
【図7】(a)から(d)は、図1のディスク装置においてベース体の昇降動作を示す部分断面図である。
【図8】(a)は、本発明のディスク装置の第2の実施形態の全体構成を示す平面図であり、(b)はその正面図であり、(c)はフロントベゼルを除いた正面図である。
【図9】(a)は、図8に示すディスク装置のディスク搬送動作を示す平面図であり、(b)は、第1のスライド部材近傍を拡大して示す平面図であり、(c)および(d)は、第2のスライド部材近傍を拡大して示す平面図である。
【図10】(a)は、図8に示すディスク装置のディスク搬送動作を示す平面図であり、(b)は、第1のスライド部材近傍を拡大して示す平面図であり、(c)および(d)は、第2のスライド部材近傍を拡大して示す平面図である。
【図11】(a)は、図8に示すディスク装置のディスク搬送動作を示す平面図であり、(b)は、第1のスライド部材近傍を拡大して示す平面図であり、(c)および(d)は、第2のスライド部材近傍を拡大して示す平面図である。
【図12】(a)は、図8に示すディスク装置のディスク搬送動作を示す平面図であり、(b)は、第1のスライド部材近傍を拡大して示す平面図であり、(c)および(d)は、第2のスライド部材近傍を拡大して示す平面図である。
【図13】(a)は、図8に示すディスク装置のディスク搬送動作を示す平面図であり、(b)は、第1のスライド部材近傍を拡大して示す平面図であり、(c)および(d)は、第2のスライド部材近傍を拡大して示す平面図である。
【符号の説明】
10 ディスク
90 外装筐体
90f,90t 切り欠き部
90c ガイド部
100 ベース体
110 スピンドルモータ
130 ベースシャーシ
130a 衝立形状部
210,211 第1のスライド部材
250 第1の揺動体
281 駆動手段
285 駆動手段支持体
285a 板バネ部
310,11 第2のスライド部材
350,351 第2の揺動体
356 捻りコイルバネ(反転バネ)
380 検出レバー
390 ディスクガイド
540 第3の揺動体
410 スライド連結部材
810 回路基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】 ディスクを載置するためのターンテーブル面を有するスピンドルモータを含むベース体と、前記ターンテーブル面と実質的に平行な面内で揺動し、外部から挿入されたディスクを、前記ディスクの中心と前記スピンドルモータの中心とが一致する位置まで、前記ディスクを引き込む第1の揺動体と、前記ターンテーブル面と実質的に平行な面内で揺動し、前記スピンドルモータの中心とディスクの中心とが一致する位置にある前記ディスクを、前記外部に対してその一部が露出する排出位置まで排出する第2の揺動体と、前記第1の揺動体の引き込み動作および前記第2の揺動体の排出動作を行わせるために、前記第1の揺動体および前記第2の揺動体とそれぞれ係合しており、前記ターンテーブル面と実質的に平行な面内で往復移動する第1および第2のスライド部材とを備え、前記第1および第2の揺動体ならびに前記第1および第2のスライド部材は前記ターンテーブル面よりも下方に位置しており、前記ディスクが前記ディスクの排出位置に排出されるまで、前記第2のスライド部材が前記第2の揺動体と係合し駆動しており、前記第1および第2のスライド部材のうち、少なくとも1つは、前記ベース体の側面を支持しており、前記往復移動によって前記ベース体の側面を昇降させるディスク装置。
【請求項2】 前記第1のスライド部材と前記第2のスライド部材を連結するスライド連結部材をさらに備え、前記第1のスライド部材および前記第2のスライド部材は連動して往復移動する請求項1に記載のディスク装置。
【請求項3】 前記スライド連結部材は、前記ターンテーブル面より下方に位置している、請求項2に記載のディスク装置。
【請求項4】 前記ディスクが前記ターンテーブル面に載置された状態において、前記第1および第2の揺動体ならびに前記スライド連結部材は、前記ベース本体の上方にも下方にも位置していない請求項3に記載のディスク装置。
【請求項5】 前記ベース体は、前記側面に突起を有し、前記第1および第2のスライド部材のうち、少なくとも1つは、前記往復移動によって前記ベース体の側面が昇降するように、前記ベース体の側面の突起を案内するカム溝を有する請求項1に記載のディスク装置。
【請求項6】 前記第1および第2のスライド部材は、前記ベース体の対向する2面をそれぞれ支持しており、前記往復移動によって前記ベース体の側面を昇降させている請求項1から5のいずれかに記載のディスク装置。
【請求項7】 前記スピンドルモータ近傍に設けられた突起を更に有し、前記ベース体の側面を昇降することによって、前記ターンテーブル面の少なくとも一部は前記突起の先端より上方に位置する状態および下方に位置する状態を取り得る請求項1に記載のディスク装置。
【請求項8】 前記第1および第2のスライド部材は、前記ベース体を挟むように前記ベース体の側方に配置され、前記スライド連結部材は、前記ベース体に対して前記ディスクが挿入される側とは反対側に配置される請求項4に記載のディスク装置。
【請求項9】 前記第1および第2のスライド部材の往復移動する方向と実質的に平行な方向に、前記ディスクは前記第1および第2の揺動体によって搬送され、前記第1のまたは第2のスライド部材を外部から押すことにより、前記第2の揺動体がディスクの排出を行うことができる請求項1に記載のディスク装置。
【請求項10】 前記ベース体を収納する第1の空間と、前記第1の空間に隣接し、前記第1および第2のスライダが往復移動する方向に沿って伸びる切り欠き部と、前記第1の空間および前記切り欠き部上に設けられており、前記ディスクが回転し得るための第2の空間とを含む外装筐体を更に備えており、前記第1の揺動体は、前記切り欠き部上の前記第2の空間内において回転する請求項1に記載のディスク装置。
【請求項11】 前記スピンドルモータは、前記ディスクの中心孔と係合するハブを有し、前記外装筐体は、前記ベース体が上昇したときに、前記ハブの一部を受ける空間を形成している凸部を有している請求項10に記載のディスク装置。
【請求項12】 前記第2の揺動体を回転軸に対し両回転方向に付勢しうる反転バネを備え、前記反転バネは少なくとも前記第2の揺動体が第2のスライド部材と係合していないとき、前記ディスクを排出する方向に回転するよう前記第2の揺動体を付勢する請求項1に記載のディスク装置。
【請求項13】 前記第1および第2のスライド部材のうちの少なくとも一方を移動させるための駆動手段と、前記ベース体の近傍において、前記駆動手段を支持するために駆動手段支持体と、前記駆動手段支持体に設けられており、前記ベース体の側面の突起が前記第1および第2のスライド部材のカム溝に接するように前記ベース本体を付勢する板バネ部とを更に備える請求項5に記載のディスク装置。
【請求項14】 前記ベース体は、前記スピンドルモータと実質的に同じ高さを有する衝立形状部を備え、前記衝立形状部は、前記ディスクが前記ターンテーブル面に載置された状態において、前記ディスクの投影面積よりも外側でかつディスク挿入口の近傍に設けられている請求項1に記載のディスク装置。
【請求項15】 前記ディスクを挿入する際、前記第1および第2のスライド部材がそれぞれ、第1の方向および第1の方向と反対の第2の方向へ移動し、前記第1および第2のスライド部材の移動に連動して、前記第1の揺動体が前記ディスクを前記ディスクの中心と前記スピンドルモータの中心とが一致する位置まで、前記ディスクを引き込み、前記ベース体が上昇することによって、前記ターンテーブル面に前記ディスクが載置され、前記ディスクを排出する際、前記第1および第2のスライド部材は、前記第2および第1の方向へ移動し、前記第1および第2のスライド部材の移動に連動して、前記ベース体が下降することによって、前記ディスクが前記ターンテーブル面から解離して、前記第2の揺動体が前記ディスクを排出する請求項1に記載のディスク装置。
【請求項16】 前記ディスクが外部から挿入される際、前記ディスクが前記ベース体上の部品と接触しないよう、前記ディスクの挿入角度を規制し、案内する挿入ガイドを更に備える請求項1に記載のディスク装置。
【請求項17】 前記挿入ガイドは、前記ディスクが前記ターンテーブル面に載置された状態において前記ディスクの外周に沿う円弧状のガイド縁部を有する請求項16に記載のディスク装置。
【請求項18】 前記ディスクが外部から挿入される際、前記ディスクが前記ベース体上の部品と接触しないよう、前記第2の揺動体は、ディスクの挿入角度を規制し、案内する形状を備えている請求項16に記載のディスク装置。
【請求項19】 前記ディスクを挿入する際、前記第1および第2のスライド部材がそれぞれ、第1の方向および第1の方向と反対の第2の方向へ距離Aだけ移動し、前記第1および第2のスライド部材の移動に連動して、前記第1の揺動体が前記ディスクを前記ディスクの中心と前記スピンドルモータの中心とが一致する位置まで、前記ディスクを引き込み、前記ベース体が上昇することによって、前記ターンテーブル面に前記ディスクが載置され、前記ディスクを排出する際、前記第1および第2のスライド部材は、前記第2および第1の方向へ距離A+αだけ移動し、前記第1および第2のスライド部材の移動に連動して、前記ベース体が下降することによって、前記ディスクが前記ターンテーブル面から解離して、前記第2の揺動体が前記ディスクを排出し、ディスクの排出が完了した後、前記第2の揺動体を運動させることなく、前記第1および前記第2のスライド部材が、それぞれ、前記第1の方向および第2の方向へ距離αだけ移動し、初期状態へ復帰する請求項1に記載のディスク装置。
【請求項20】 前記ディスクの正規サイズに対し、直径が約3分の2である第2のディスクが挿入されても前記第2のディスクを押し返すような位置に前記第2の揺動体が配置されている請求項19に記載のディスク装置。
【請求項21】 前記ディスクの引き込み動作完了および前記ディスクのターンテーブル面への載置完了を検出するための第1の検知手段を更に有し、前記第1の検出手段は、前記ディスクの排出完了または、前記初期状態への復帰完了のいずれかを更に検出する請求項20に記載のディスク装置。
【請求項22】 前記スライド連結部材を所定の面内において回動可能なように支持する支持外装筐体を更に備える請求項9に記載のディスク装置。
【請求項23】 前記支持外装筐体は、前記ターンテーブル面より下方に配置され、前記外装筐体に固定されていることを請求項22に記載のディスク装置。
【請求項24】 前記支持外装筐体は、前記第1及び第2のスライド部材の移動方向に直角な方向に伸びており、長手方向の両端において折り曲げられている請求項23に記載のディスク装置。
【請求項25】 前記ディスクに対し前記第1の揺動体と反対側で前記ディスクの搬送方向を規制するディスクガイドと、前記ディスクの外周を前記第1の揺動体と前記ディスクガイドとに向かって押し付ける第3の揺動体とを更に備え、前記ディスクのスピンドルモータへの位置決めが前記ディスクガイドと前記第1の揺動体との当接によって行われる請求項1に記載のディスク装置。
【請求項26】 前記ディスクガイドは、前記ディスクが挿入される際には、前記ディスクと当接しないように位置し、前記ディスクの引き込み動作の途中から前記ディスクに当接して前記ディスクをスピンドルモータへ位置決めし、前記ディスクが前記ターンテーブル面に載置された後、前記ディスクから離間するよう前記第2のスライド部材と連動する請求項25に記載のディスク装置。
【請求項27】 前記ディスクガイドが前記ディスクの下方になるよう前記ディスク装置が設置されても、前記ディスクを支持し、かつディスクをスピンドルモータへ位置決めし得るように前記第2のスライダ部材と連動している請求項26に記載のディスク装置。
【請求項28】 前記第3の揺動体は、前記第3の揺動体が前記ディスクの下方になるように前記ディスク装置が設置されても前記ディスクを第1の揺動体と前記ディスクガイドとに押し付けるように前記ディスクを付勢する請求項25に記載のディスク装置。
【請求項29】 前記第3の揺動体は前記スライド連結部材と連動し、前記ディスクが前記ターンテーブル面に載置された後、前記ディスクから離間する請求項25に記載のディスク装置。
【請求項30】 前記ディスクが所定の位置まで挿入されたとき、前記ディスクの挿入によって回転する前記第3の揺動体の動作を検出するディスク挿入検出器を更に備え、前記ディスク挿入検出器の検出信号に基づいて、前記第1および第2のスライド部材によるディスク引き込み動作が開始される請求項25に記載のディスク装置。
【請求項31】 前記第3の揺動体はスライド連結部材と連動し、ディスク排出動作における前記スライド連結部材の動きによって前記第3の揺動体を初期位置まで移動させる請求項30に記載のディスク装置。
【請求項32】 ディスクを載置するためのターンテーブル面を有するスピンドルモータを含むベース体と、前記ターンテーブル面と実質的に平行な面内で揺動し、外部から挿入されたディスクを、前記ディスクの中心と前記スピンドルモータの中心とが一致する位置まで、前記ディスクを引き込む第1の揺動体と、前記ターンテーブル面と実質的に平行な面内で揺動し、前記スピンドルモータの中心とディスクの中心とが一致する位置にある前記ディスクを、前記外部に対してその一部が露出する排出位置まで排出する第2の揺動体と、前記第1の揺動体の引き込み動作および前記第2の揺動体の排出動作を行わせるために、前記第1の揺動体および前記第2の揺動体とそれぞれ係合しており、前記ターンテーブル面と実質的に平行な面内で往復移動する第1および第2のスライド部材と、前記ディスクが外部から挿入される際、前記ディスクが前記ベース体上の部品と接触しないよう、前記ディスクの挿入角度を規制し、案内する挿入ガイドとを備え、前記第1および第2の揺動体ならびに前記第1および第2のスライド部材は前記ターンテーブル面よりも下方に位置しており、前記第1および第2のスライド部材のうち、少なくとも1つは、前記ベース体の側面を支持しており、前記往復移動によって前記ベース体の側面を昇降させるディスク装置。
【請求項33】 前記挿入ガイドは、前記ディスクが前記ターンテーブル面に載置された状態において前記ディスクの外周に沿う円弧状のガイド縁部を有する請求項32に記載のディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2003−16710(P2003−16710A)
【公開日】平成15年1月17日(2003.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−107536(P2002−107536)
【出願日】平成14年4月10日(2002.4.10)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】