説明

ディスク装置

【課題】 係合溝部から外れた係合突起を自動的に正規位置に復帰させる。
【解決手段】 光ピックアップ30の初期位置復帰動作に連動して復動を開始するスライダ60と、スライダ60の復動開始動作に連動して初期移動するディスクトレイ20と、係合溝部25に係合する係合突起65と、係合溝部25に連続するガイド溝部26と、ディスクトレイの入出動作駆動機構21とを備える。ガイド溝部26の一部に開口28を形成する。係合突起65が係合溝部25から外れたときのディスクトレイ20の初期移動により、入出動作駆動機構21のラック23がピニオン22に噛み合い、光ピックアップ30の初期位置復帰動作に連動してスライダ60が復動開始動作を行う。ディスクトレイ20の退出動作とスライダ60の復動とを併行させて係合突起65を開口28からガイド溝部26に導入させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスク装置、特に、記録媒体としてのディスクを出し入れするためのディスクトレイがシャーシに進入しているときに、そのディスクトレイに備わっている係合溝部の溝壁に係合突起が係合してこのディスクトレイのシャーシからの退出動作を阻止するように構成されているディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスク装置の一例であるディスクプレーヤでは、光ピックアップやターンテーブルを備えるドライブシャーシの昇降動作を通じて、ディスクをディスクトレイからターンテーブルに受け取らせたりターンテーブルからディスクトレイに受け渡したりすること、ドライブシャーシの昇降動作をスライダの往復移動を通じて行わせること、などが従来より行われている。
【0003】
図6はこの種のディスク装置の基本構成を示した説明図であり、同図を参照してディスク装置の基本構成やその作用などを次に説明する。
【0004】
図6において、10はローダーシャーシと通称されている樹脂成形体でなるシャーシであり、このシャーシ10に対して一点鎖線で示したディスクトレイ20が入出動作可能に組み付けられている。そして、枠フレームとしての上記シャーシ10へのディスク(不図示)の給排をディスクトレイ20の入出動作(進入退出動作)によって行うことができるようになっている。
【0005】
シャーシ10には、光ピックアップ30や回転テーブル40が組み付けられたドライブシャーシとしての可動シャーシ50が取り付けられていて、この可動シャーシ50が図中一点鎖線で示した支点50aを中心としてシャーシ10に対する揺動運動により昇降可能になっている。また、シャーシ10には、カムスライダとしてのスライダ60が当該シャーシ10の幅方向X1,X2に往復移動可能に取り付けられていて、このスライダ60と可動シャーシ50とがカム機構61により連結されて可動シャーシ50の昇降動作がスライダ60の往復移動に連動されている。具体的には、スライダ60が矢印X1のように往動するとカム機構61の作用により可動シャーシ50が支点50aを中心にして上昇する。この逆に、スライダ60が矢印X2のように復動するとカム機構61の作用により可動シャーシ50が支点50aを中心にして下降する。そして、可動シャーシ50が上昇すると、ターンテーブル40がディスクトレイ20によって搬入されているディスクを受け取り、図示していないクランパと共働してそのディスクをクランプする。これに対し、可動シャーシ50が下降すると、ディスクのクランプ状態が解除されてディスクがターンテーブル40からディスクトレイ20に受け渡されてディスクトレイ20によるディスクの排出に備えられる。
【0006】
光ピックアップ30の動作モード時の走行は、光ピックアップ30に設けられているラック31にピニオン32の回転が伝達されることにより行われるのに対し、スライダ60の矢印X1,X2方向の往復移動は、シャーシ10に装備されているピニオン63とスライダ60に装備されたラック64との組み合わせでなる往復動駆動機構62の動作を介して行われるようになっている。そして、図6のディスク装置では、図示のように、ピニオン63とラック64との噛合いが解除されてラック63がピニオン64に間隔を隔てて対峙する位置をスライダ60の往動限位置として定め、スライダ60がそのような往動限位置に押し切られて到達しているときに可動シャーシ50が上昇してディスクに対する上記クランプ状態が維持されるように上記カム機構のカム溝の形状を定めてある。
【0007】
他方、図3のディスク装置では、シャーシ10に装備されたピニオン22とディスクトレイ20に装備されたラック23との組み合わせでなるディスクトレイ20の入出動作駆動機構21が備わっている。この入出動作駆動機構21において、ピニオン22には上記したピニオン63が一体に樹脂成形されていて、両方のピニオン22,63が単一のモータで一体回転を行うように構成されている。そして、ピニオン22にディスクトレイ20の裏面に具備されたラック23を対応させてある。
【0008】
以下では、入出動作駆動機構21のピニオン22及びラック23をそれぞれ第1ピニオン22及び第2ラック23と称し、上記した往復動駆動機構62のピニオン63及びラック64をそれぞれ第1ピニオン63及び第2ラック64と称することによって、それぞれの駆動機構21,62のピニオン22,63及びラック23,64を区別することとする。
【0009】
さらに、ディスクトレイ20には、シャーシ10の幅方向X1,X2に延びる係合溝部25と、ディスクトレイ20の入出動作方向(上記幅方向X1,X2に直交する方向)に延びるガイド溝部26とが設けられていて、ガイド溝部26には係合溝部25に連続する傾斜部27が含まれている。これに対し、上記スライダ60には係合突起65が設けられていて、その係合突起65が上記した係合溝部25又はガイド溝部26の長手方向に摺動自在に常時係合されている。
【0010】
図3のディスク装置において、光ピックアップ30の動作モード時には、入出動作駆動機構21の第11ック23に第1ピニオン22の回転が伝達されることのないように第1ラック23を第1ピニオン22に間隔を隔てて対峙させるようにしている。そして、ディスクトレイ20によってディスクを排出するときには、ディスクトレイ20を退出させるのに先立ち、スライダ60をその往動限位置を始点として矢印X2方向に復動させ、そのようなスライダ60の復動開始動作を通じて上記係合突起65をガイド溝部26の傾斜部27に導いてディスクトレイ20を少し退出させることにより、入出動作駆動機構21の第1ラック23を第1ピニオン22に噛み合わせるようにしている。
【0011】
ここで、このディスク装置では、上記のようにスライダ60の係合突起65をガイド溝部26の傾斜部27に導いてスライダ60の復動開始動作を行わせるために、図7に示したカム機構70を設けてある。このカム機構70は、スライダ60に設けられている傾斜したカム溝71と、光ピックアップ30(図6参照)から延び出た突出片72に設けられたカムピン73とを備えている。そして、ディスクトレイ20を退出させるモード(退出モード)が選択されると、その選択動作に伴って光ピックアップ30が動作モードから非動作モードに切り換えられて図6に矢印Y1で示したように初期位置に復帰する動作を行う。こうして光ピックアップ30が初期位置に復帰する動作を行うと、それに伴って図7に示したカムピン73が光ピックアップ30と同一方向(Y1)に移動してカム溝71に入り、そのカム溝71を図6に示した矢印X2方向に押してスライダ60の復動開始動作を行わせる。
【0012】
したがって、光ピックアップ30が動作モードから非動作モードに切り換えられて初期位置に復帰する動作と、スライダ60の復動開始動作と、スライダ60の復動開始動作に追従するディスクトレイ20の退出方向への初期移動動作とが一連の動作として連動して行われる。しかも、第1ピニオン22と第2ピニオン63とが単一のモータで一体回転する構成を採用しているので、ディスクトレイ20が初期移動するときには、その初期移動に連動してスライダ60が復動開始動作を続行する。
【0013】
そして、スライダ60が第2ラック64に噛み合っている第2ピニオン63によってその復動限位置まで押し切られると、第2ピニオン63から第2ラック64が離れて係合突起65がガイド溝部26の傾斜部27から出る。そのため、ディスクトレイ20の第1ラック23に噛み合っている第2ピニオン22の回転によってディスクトレイ20が退出動作を続行し、その退出動作中には、係合突起65がガイド溝部26を長手方向に摺動する。
【0014】
図6に示したディスク装置において、ガイド溝部26は、ディスクトレイ20の進入動作時に係合突起65を係合溝部25に導入する作用を果たす。また、係合溝部25に導入された係合突起65は、その係合溝部25の溝壁25aに係合してディスクトレイ20のシャーシ10からの退出動作を阻止する作用を果たす。
【0015】
一方、従来より、衝撃が作用したときなどにディスクトレイが不慮に飛び出してしまうことを防止する対策を講じたディスク装置が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。そして、この特許文献1には、ディスクトレイに設けられたガイドレールによって案内されるガイドピンが、そのガイドレールから離脱するのを防止する離脱防止手段を設けることが記載されている。
【特許文献1】特開2003−317357号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
図6を参照して説明した基本構成を備えるディスク装置では、ディスクトレイ20がシャーシ10に対して進入しているという状態が保たれている停止モードのときに、何らかの原因で強い衝撃がディスクトレイ20に加えられると、係合突起65と係合溝部25との係合が外れてしまうという事態の起こることがある。
【0017】
このような事態が起こると、係合溝部25が係合突起65の前側(ディスクトレイ20の退出方向前側)に変位してしまうために、ディスクトレイ20が退出方向に初期移動した状態になる。この状態では、スライダ60の往復動駆動機構62の第2ピニオン63とラック64とが離れているために、再生モードやディスク退出モード、さらにはディスク進入モードなどが選択されたときにスライダ60が正常に動作しなくなり、場合によってはディスクトレイ20やスライダ60などの機構部品がロック状態になってしまってディスクトレイ20を退出させることができなくなってしまうという事態が起こり得る。そして、ディスクトレイ20を退出させることができなくなると、ユーザにとっては対処が不可能になってしまう。
【0018】
そこで、本発明は、係合突起と係合溝部との係合が外れてしまった場合であっても、ディスクトレイの退出動作させることを可能にし、しかも、ディスクトレイを退出動作させることを通じて係合突起がガイド溝部に自然に嵌まり込むような対策を講じることによって、それ以降の動作が正常に行われるようになるディスク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明に係るディスク装置は、図6や図7を参照して背詰めした基本構成を備えている。すなわち、本発明に係るディスク装置は、枠フレームを形成しているシャーシに当該シャーシの幅方向往復移動可能に取り付けられ、光ピックアップが動作モードから非動作モードに切り換えられて初期位置に復帰する動作に連動して往動限位置を始点とする復動を開始するスライダと、上記シャーシに入出動作可能に組み付けられて上記スライダの復動開始動作に連動して退出方向に初期移動されるディスクトレイと、上記スライダに設けられて、上記ディスクトレイが上記シャーシに進入しているときにこのディスクトレイに備わっている上記幅方向に延びる係合溝部の溝壁に係合してこのディスクトレイの上記シャーシからの退出動作を阻止する係合突起と、上記ディスクトレイに設けられて上記係合溝部に連続しかつ当該ディスクトレイの進入動作時に上記係合突起を上記係合溝部に導入するガイド溝部と、上記シャーシに装備された第1ピニオンと上記ディスクトレイに装備された第1ラックとの組み合わせでなるディスクトレイの入出動作駆動機構と、を備えている。
【0020】
加えて、上記入出動作駆動機構は、ディスクトレイがシャーシに対して進入しているときに第1ラックが第1ピニオンから離れ、かつ、ディスクトレイの上記初期移動によって第1ラックが第1ピニオンに噛み合うようになっている。
【0021】
本発明では、上記した基本構成に対して次の対策を講じてある。すなわち、上記ガイド溝部にその溝壁の一部を欠除してなる開口が形成され、上記係合突起が上記係合溝部から外れることによって行われるディスクトレイの上記初期移動により上記入出動作駆動機構の第1ラックが第1ピニオンに噛み合うように構成されていると共に、光ピックアップが初期位置に復帰する動作に連動して上記スライダが往動限位置を始点とする復動を開始する動作を通じて、上記係合突起が上記開口から上記ガイド溝部に導入されるように構成してある。
【0022】
この構成を採用すると、係合突起が係合溝部から外れているときに、第1ピニオンを回転させると、その回転が第1ラックに伝達されてディスクトレイがシャーシから退出する。したがって、ディスクトレイをシャーシから退出させることができる。また、光ピックアップが初期位置に復帰する動作に連動してスライダが往動限位置を始点とする復動を開始する動作を通じて、係合突起が開口からガイド溝部に導入されるために、それ以降の動作は正常に行われるようになり、係合突起が係合溝部から外れたままになるという状況が修復される。
【0023】
本発明では、上記スライダの往復移動が、上記第1ピニオンと共に一体回転する第2ピニオンと上記スライダに装備された第2ラックとの組み合わせでなる往復動駆動機構の動作を介して行われるようになっていて、上記スライダが往動限に位置しているときに第2ピニオンから離れている第2ラックが、そのスライダの復動開始動作を通じて第2ピニオンに噛み合い、光ピックアップが初期位置に復帰する動作に連動して上記スライダが復動開始動作を行うことを通じて、上記係合突起が上記開口から上記ガイド溝部に導入されるときに、第2ラックが第2ピニオンにより蹴られてその第2ピニオンから離れると共に、上記スライダが復動限位置に達するように構成してある、という構成を採用することが可能である。
【発明の効果】
【0024】
以上のように、本発明に係るディスク装置では、係合溝部から係合突起が外れた場合であっても、その後にディスクトレイを退出させることが可能になるだけでなく、ディスクトレイを退出させることによって係合突起がガイド溝部に嵌まり込んで、その後の動作が正常に行われるようになり、係合突起が係合溝部から外れたままになるという状況が修復される。したがって、仮に係合溝部が係合突起が外れていても、ユーザにとっては、ディスクトレイの退出モードを選択するだけで正常な状態に修復することができるという利便性がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
図1は本発明の実施形態に係るディスク装置の要部の概略平面図、図2は係合溝部から係合突起が外れた状態を示した図1のディスク装置の要部の概略平面図、図3はディスクトレイの退出モードを選択したときの動作を示した概略平面図、図4は係合突起がガイド溝部に嵌まり込む動作を示した概略平面図、図5はディスクトレイの退出動作を示した概略平面図である。
【0026】
この実施形態のディスク装置において、その基本構成やその作用などは、図6を参照して説明したところと同様である。
【0027】
すなわち、図1のように、スライダ60が往動限位置に達しているときには、係合突起65が係合溝部25に嵌まり込んでその溝壁25aに係合していることにより、ディスクトレイ20のシャーシ10(図6参照、以下同じ)からの退出が阻止されている。また、このときには、往復動駆動機構62の第2ラック64が第2ピニオン63から離れている。さらに、ディスクトレイ20はシャーシ10に進入していて、入出動作駆動機構21の第1ラック23が第1ピニオン22から離れている。なお、この状態では、光ピックアップ30(図6参照、以下同じ)がその初期位置の手前で停止している。
【0028】
図1の状態が保たれているときに、強い衝撃がディスクトレイ20などに加わると、図2のように係合突起65が係合溝部25から外れることがある。このように係合突起65が係合溝部25から外れたときには、ディスクトレイ20が退出方向B1に符号Aで示した幅だけ移動して係合溝部25の溝壁25aが係合突起65を乗り越えている。この実施形態では、係合突起65が係合溝部25から外れたときにディスクトレイ20が退出方向に移動する幅Aを、入出動作駆動機構21の第1ラック23が第1ピニオン22に噛み合う幅、すなわち上記した初期移動を行う幅に定めてある。
【0029】
図2の状態から、たとえばユーザが、ディスクトレイ20を退出させるための動作、すなわちディスクトレイ20の退出モードを選択すると、その選択によって光ピックアップ30が初期位置に復帰する動作を行い、その動作によって図3の矢印bのようにカム機構70のカムピン73がカム溝71に嵌まり込んでカム溝71を押すので、スライダ60が往動限位置を始点とする復動を開始する。このときのスライダ60の復動開始動作により往復動駆動機構62の第2ピニオン63に第2ラック64が噛み合う。このため、光ピックアップ30が初期位置に復帰する動作に連動して図3矢印aのようにスライダ60の復動開始動作が行われる。したがって、ディスクトレイ20の退出動作とスライダ60の復動開始動作が併行される。
【0030】
ここで、図1〜図5のように、ガイド溝部26には、その溝壁26aの一部を欠除してなる開口28が開設されている。そして、上記のように、ディスクトレイ20の退出動作とスライダ60の復動開始動作が併行されることによって、図4矢印cのように係合突起65が移動してその係合突起65が開口28からガイド溝部26に導入されるようになっている。
【0031】
こうして係合突起65がガイド溝部26に導入されると、それ以降の動作は、図5のように係合突起65がガイド溝部26に正常に嵌まり込んだ状態で行われるため、係合突起65が係合溝部26から外れたままになるという状況が修復されたことになる。また、係合突起65がガイド溝部26に導入されたときには、第2ラック64が第2ピニオン63により蹴られてその第2ピニオン63から離れ、スライダ60が復動限位置に達する。
【0032】
この実施形態において、その他の構成や動作は図6や図7を参照して説明したところと同様である。
【0033】
この実施形態では、ガイド溝部26の溝壁26aの一部を所定箇所で欠除して開口28を形成するだけの構成によって、係合溝部25から外れた係合突起65を、ディスクトレイ20を退出させるのに伴ってガイド溝部26に導入するという構成を採用しているので、別途部品を追加せずに係合溝部25から外れた係合突起65の正規位置への修復が自動的に行われるようになっている。そのため、ディスク装置の組立てラインで量産性が阻害されることになるという事態を生じる余地がない。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施形態に係るディスク装置の要部の概略平面図である。
【図2】係合溝部から係合突起が外れた状態を示した図1のディスク装置の要部の概略平面図である。
【図3】ディスクトレイの退出モードを選択したときの動作を示した概略平面図である。
【図4】係合突起がガイド溝部に嵌まり込む動作を示した概略平面図である。
【図5】ディスクトレイの退出動作を示した概略平面図である。
【図6】ディスク装置の基本構成を示した説明図である。
【図7】カム機構の説明図である。
【符号の説明】
【0035】
10 シャーシ
20 ディスクトレイ
21 入出動作駆動機構
22 第1ピニオン
23 第1ラック
25 係合溝部
25a 係合溝部の溝壁
26 ガイド溝部
26a ガイド溝部の溝壁
28 開口
30 光ピックアップ
60 スライダ
62 往復動駆動機構
63 第2ピニオン
64 第2ラック
65 係合突起
X1,X2 シャーシの幅方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠フレームを形成しているシャーシに当該シャーシの幅方向往復移動可能に取り付けられ、光ピックアップが動作モードから非動作モードに切り換えられて初期位置に復帰する動作に連動して往動限位置を始点とする復動を開始するスライダと、
上記シャーシに入出動作可能に組み付けられて上記スライダの復動開始動作に連動して退出方向に初期移動されるディスクトレイと、
上記スライダに設けられて、上記ディスクトレイが上記シャーシに進入しているときにこのディスクトレイに備わっている上記幅方向に延びる係合溝部の溝壁に係合してこのディスクトレイの上記シャーシからの退出動作を阻止する係合突起と、
上記ディスクトレイに設けられて上記係合溝部に連続しかつ当該ディスクトレイの進入動作時に上記係合突起を上記係合溝部に導入するガイド溝部と、
上記シャーシに装備された第1ピニオンと上記ディスクトレイに装備された第1ラックとの組み合わせでなるディスクトレイの入出動作駆動機構と、を備え、
上記入出動作駆動機構は、ディスクトレイがシャーシに対して進入しているときに第1ラックが第1ピニオンから離れ、かつ、ディスクトレイの上記初期移動によって第1ラックが第1ピニオンに噛み合うようになっているディスク装置において、
上記ガイド溝部にその溝壁の一部を欠除してなる開口が形成され、上記係合突起が上記係合溝部から外れることによって行われるディスクトレイの上記初期移動により上記入出動作駆動機構の第1ラックが第1ピニオンに噛み合うように構成されていると共に、光ピックアップが初期位置に復帰する動作に連動して上記スライダが往動限位置を始点とする復動を開始する動作を通じて、上記係合突起が上記開口から上記ガイド溝部に導入されるように構成してあることを特徴とするディスク装置。
【請求項2】
上記スライダの往復移動が、上記第1ピニオンと共に一体回転する第2ピニオンと上記スライダに装備された第2ラックとの組み合わせでなる往復動駆動機構の動作を介して行われるようになっていて、
上記スライダが往動限に位置しているときに第2ピニオンから離れている第2ラックが、そのスライダの復動開始動作を通じて第2ピニオンに噛み合い、
光ピックアップが初期位置に復帰する動作に連動して上記スライダが復動開始動作を行うことを通じて、上記係合突起が上記開口から上記ガイド溝部に導入されるときに、第2ラックが第2ピニオンにより蹴られてその第2ピニオンから離れると共に、上記スライダが復動限位置に達するように構成してある請求項1に記載したディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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