説明

ディスク装置

【課題】 クランプ部材によってディスクを確実にクランプでき、ディスクを回転駆動するときなどに、ディスクとターンテーブルとの間にスリップなどが発生することを抑制できる「ディスク装置」を提供することを目的とする。
【解決手段】 回転部材82に設けられたクランプ部材201はトーションばねによってα方向へ付勢されて、ディスクDの中心穴Daの周縁部に圧接されている。回転部材82を始動するときに、通常の回転方向(β1方向)と逆向きのβ2方向へスピンドルモータを駆動し、その後に通常の回転方向へ切換える。回転部材82のβ2方向への回転により、クランプ部材201に対してクランプ力を向上させるα方向への回転力が与えられる。よって、その後のβ1方向への通常の回転の際に、クランプ部材201によるディスククランプが緩みにくい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転部材にいわゆるセルフクランプ機構が搭載されたディスク装置に係り、特に、ディスクが回転部材に設置された後にクランプ部材によってディスクの中心穴を強く保持できるディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
以下の特許文献1および特許文献2には、いわゆるセルフクランプ機構を有するディスク装置が開示されている。
【0003】
セルフクランプ機構では、スピンドルモータで回転する回転部材の中心部に、ディスクの中心穴に挿入される凸部が設けられ、この凸部内に、外周方向へ突出する複数の爪状のクランプ部材が設けられている。ディスクの中心穴が前記凸部に嵌合すると、ばね部材の付勢力によってクランプ部材が外周方向へ突出し、ディスクの中心穴の周縁部に圧接されて、回転部材にディスクがクランプされる。
【特許文献1】特開2001−35065号公報
【特許文献2】特開2006−294176号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
セルフクランプ機構を有するディスク装置では、ディスクが回転部材の上に搬入されて、クランプ部材でディスクの中心穴が保持された後に、モータが始動して回転部材が回転駆動される。よって、ディスクが回転部材からやや浮いた状態でクランプ部材で保持されるなどして、ディスクの中心穴がクランプ部材で確実に保持されていない場合であっても、そのまま、回転部材と共にディスクの回転が継続してしまう。
【0005】
この場合、ディスクの駆動中に回転部材が加速されまたは減速されるなどして回転部材に加速度が与えられると、この加速度とディスクの慣性力との関係で、クランプ部材が中心穴の周縁部を摺動しやすくなり、中心穴に対するクランプ力が緩みやすくなる。
【0006】
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、回転部材上でクランプ部材によってディスクを確実にクランプでき、ディスクを回転駆動するときに回転部材に加速度が発生したときなどに、ディスクとクランプ部材との間でスリップが発生することを抑制できるディスク装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、モータで回転駆動される回転部材と、前記回転部材にクランプされたディスクに対向するヘッドとを有するディスク装置において、
前記回転部材に、ディスクが載置されるテーブル部と、前記テーブル部に載置されたディスクの中心穴の内側で回動自在に支持されたクランプ部材と、それぞれのクランプ部材をディスクの中心穴の周縁部に圧接する方向へ回動付勢するばね部材とが設けられ、
ディスクが前記回転部材に設置されるときおよびディスクが前記回転部材から離脱させられるときに、前記クランプ部材を前記中心穴の周縁部から離れる向きに回動させるクランプ切換え部材が設けられており、
ディスクが前記回転部材に設置され、前記クランプ部材が前記中心穴の周縁部に圧接された後に、前記ばね部材から前記クランプ部材に与えられる回動付勢方向と逆回りの回動力を前記回転部材に与え、その後に回転方向を逆転させて通常の回転動作に移行するように、前記モータの回転方向が制御されることを特徴とするものである。
【0008】
好ましくは、本発明は、前記クランプ部材は、前記テーブル部に対向する部分に傾斜部を有し、ディスクの内周縁が、前記テーブル部と前記傾斜部とで挟持されるものである。
【0009】
また、本発明は、ディスクの回転を停止させるときに、通常の回転動作を行っている前記回転部材を減速させて、前記回転部材に対し、前記ばね部材から前記クランプ部材に与えられる回動付勢方向と逆回りの加速度が与えられるものである。
【0010】
本発明は、回転部材に回動自在なクランプ部材が搭載されており、クランプ部材がばね部材で回動付勢されてディスクの中心穴の周縁部に圧接させられ、ディスクがクランプされる。この場合に、回転を開始するときに、回転部材に対してクランプ部材の回動付勢方向と同じ方向への回転力が与えられると、慣性力で停止しようとするディスクによって、クランプ部材にクランプ力を緩める方向への回動力が与えられる。一方、ディスクの回転を開始するときに、回転部材に対してクランプ部材の回動付勢方向と逆回りの回動力が与えられると、慣性力で停止しようとするディスクに圧接させられているクランプ部材に対して、圧接力を強める向きの回動力が与えられる。よって、クランプ部材でディスクの中心穴の周縁部が確実に保持されていないことがあっても、始動時に、回転部材をクランプ部材の回動付勢方向と逆回りに回転させてから通常の回転動作へ移行することによって、クランプ部材のクランプ力を強めることができる。
【0011】
始動後の通常回転での回転部材の回転方向は、クランプ部材に作用する回動付勢力の向きと同じである。ただし、ディスクの回転を停止しようとするとき又は回転速度を低下させるときは、慣性力で回転を継続しようとするディスクに対し、クランプ部材に与えられる回動付勢方向と逆回りの加速度が回転部材に作用する。よって、このときもクランプ部材に対してクランプ力を増強する向きの回動力が与えられる。
【0012】
すなわち、本発明は、ディスクの回転を開始するときに、または停止後に回転を再開するときに、必ず、ばね部材からクランプ部材に与えられる回動付勢方向と逆回りの回動力を回転部材に与え、その後に回転方向を逆転させて通常の回転動作に移行することで、始動時や回転再開時にクランプ部材によるクランプ力が増強させられる。そして、さらに、ディスクの回転を終了させるとき、またはディスクの回転を一時的に停止させるときにおいても、クランプ部材にクランプ力を強くする向きの回動力が与えられる。よって、回転部材に装填されたディスクが常にクランプ部材によって強固に保持されるようになる。
【0013】
本発明は、ディスクを前記回転部材に向けて搬送する搬送部材が設けられており、ディスクが前記回転部材に設置され、前記クランプ部材が前記中心穴の周縁部に圧接された後に、前記搬送部材でディスクを挟持したまま、前記回動付勢方向と逆回りの回動力を前記回転部材に与え、その後に、前記搬送部材をディスクから離して通常の回転動作に移行することが好ましい。
【0014】
ディスクが搬送部材で挟持されている状態で、クランプ部材に与えられる回動付勢方向と逆回りの回動力を回転部材に与えることで、さらにディスクのクランプを確実にできるようになる。
【0015】
なお、前述のように、ディスクの回転を始動するときに、ディスクを挟持していない状態で、クランプ部材に対して回動付勢方向と逆回りの回動力を与えることによっても、ディスクは慣性力で停止しようとするため、クランプ部材によるクランプ力を向上させることが可能である。
【0016】
なお、ディスクを搬送部材で挟持した状態で、前記回動付勢方向と逆回りの回動力を前記回転部材に与えたときに、前記回転部材が回転しなかったら、前記クランプ部材によってディスクの中心穴が正常に保持されていると判断することも可能である。
【発明の効果】
【0017】
本発明のディスク装置は、ディスクの回転を開始するときに、回転部材に対して通常の回転方向と逆向きの回転力を一定時間与え、その後に通常の回転動作に移行することで、クランプ部材によるディスクへのクランプ力を増強できる。また、通常の回転方向での回転駆動からディスクの回転を停止するとき又は減速させるときも、クランプ部材によるディスクへのクランプ力を増強できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1は本発明の実施の形態のディスク装置の全体構造を示す分解斜視図、図2は、図1のディスク装置の主に下部筐体部分を示す平面図、図3と図4は回転部材とスピンドルモータおよびクランプ切換え手段の側面図であり、図3はディスク非クランプ状態を示し、図4はディスククランプ状態を示す。図5と図6はクランプ切換え手段の構造を動作別に示す平面図であり、図7はクランプ切換え手段の一部拡大図である。図8と図9は、第2の動力伝達部の構造を動作別に示す平面図、図10は第3の動力伝達部を示すものであり、移送ユニットの回動支点の構造を示す分解斜視図である。
【0019】
図1に示すディスク装置1は箱型の筐体2を有している。図1において、筐体2の基準方向は、図示Z1側が下側、Z2側が上側、X1側が左側、X2側が右側、Y1側が手前側、Y2側が奥側である。また、図示X1−X2方向が横方向、Y1−Y2方向が奥行き方向である。
【0020】
筐体2は下側から上側に向けて下部筐体3、中間筐体4および上部筐体5が順に重ねられて組み立てられている。下部筐体3は筐体2の底面6を有し、中間筐体4は筐体2の前面7と右側面8を有している。上部筐体5は筐体2の左側面9と後面10および天井面11を有している。
【0021】
下部筐体3の底面6の上面には第1の動力伝達部12が設けられている。第1の動力伝達部12の上にはユニット支持ベース13が支持され、ユニット支持ベース13の上に駆動ユニット14が搭載されている。中間筐体4の上部には、底面6と平行な機構ベース15が設けられ、機構ベース15の上に第2の動力伝達部16が設けられている。中間筐体4では、機構ベース15の下側で且つ前面7の内側に移送ユニット17が設けられている。移送ユニット17の図示X1側の端部と、下部筐体3の底面6との間に、第3の動力伝達部19が設けられている。
【0022】
上部筐体5では、左側面9と後面10および天井面11で囲まれた領域がディスク収納領域20となっており、ディスク収納領域20には、それぞれがディスクDを支持可能な複数の支持体21が厚み方向(図示Z1−Z2方向)に重ねられて配置されている。
【0023】
上部筐体5には支持体選択手段22が設けられており、支持体選択手段22の動作により、6枚の支持体21のいずれかが選択されて選択位置に移動させられるとともに、選択された支持体21とその下に隣接する支持体21との間隔が広げられる。
【0024】
ディスクDは、直径が12cmであり、例えばCD(コンパクト・ディスク)、CD−ROM、DVD(ディジタル・バーサタイル・ディスク)などである。
【0025】
図1に示すように、筐体2の前面7には挿入口23が開口している。挿入口23はスリット状であり、上下方向の幅寸法がディスクDの厚み寸法よりもわずかに大きく、横方向の開口幅寸法WがディスクDの直径よりもわずかに広い。
【0026】
移送ユニット17は挿入口23と同じ高さ位置にあり、挿入口23から挿入されたディスクDが、移送ユニット17によってディスク収納領域20に向けて移送される。複数枚の支持体21のうちの、選択位置に至った支持体21は、挿入口23と同じ高さ位置となり、挿入口23から挿入されたディスクDは、移送ユニット17で移送されて、選択位置にある支持体21の下面に供給されて保持される。
【0027】
下部筐体3の底面6上の3箇所には,弾性支持部材であるダンパー71,72,73が固定されている。ダンパー71,72,73は、ゴムなどの可撓性の袋体の内部に、オイルなどの液体または気体が封入されているものである。あるいは前記袋体と共に圧縮コイルスプリングが組み合わされているものである。
【0028】
ユニット支持ベース13の底面の3箇所には支持軸が下方に向けて垂直に固定されており、各支持軸はダンパー71,72,73に支持されている。ユニット支持ベース13は、各ダンパー71,72,73によって、筐体2の底面6上で弾性支持可能となっている。
【0029】
ユニット支持ベース13の後方折曲げ片13bには図示Y2方向へ突出する1本の拘束軸77が設けられており、拘束軸77が、図1に示したロック部材54のロック制御穴56内に挿入されている。ユニット支持ベース13の前方折曲げ片13aには図示Y1方向へ突出する一対の拘束軸78,78が設けられており、それぞれの拘束軸78は、図2に示す、Y1側に設けられたロック部材61のロック制御穴内に挿入されている。
【0030】
ロック制御穴56は、X1側に延びて且つ底面6に近づく拘束部56aと、この拘束部56aよりもX2側に連続して、底面6から離れた位置にある持ち上げ部56bと、この持ち上げ部56bのX2側に連続して、拘束軸77よりも十分に大きい面積で開口した逃げ部56cとが形成されている。同様に、Y1側に設けられたロック制御穴は、X1側に延び且つ底面6に近づく拘束部と、それよりもX2側に連続して底面6から離れた位置にある持ち上げ部と、さらにX2側に連続する逃げ部とが形成されている。
【0031】
ロック部材54とロック部材61がX2側に移動しているときには、拘束軸77が拘束部56aに保持され、拘束軸78,78がY1側の拘束部に保持されて、ユニット支持ベース13が筐体2の底面6に接近する位置に下降させられている。このときダンパー71,72,73が底面6に向けて押しつぶされた状態となる。ロック部材54とロック部材61がX1側に移動すると、持ち上げ部56bによって拘束軸77が持ち上げられ、Y1側の持ち上げ部によって拘束軸78,78が持ち上げられて、ユニット支持ベース13が上昇させられる。ロック部材54とロック部材61がさらにX1側に移動すると、拘束軸77が逃げ部56c内に移動し、拘束軸78,78がY1側の逃げ部内に移動して、ユニット支持ベース13の拘束が解除され、ユニット支持ベース13は、ダンパー71,72,73によって弾性支持される。
【0032】
図2に示すように、駆動ユニット14は細長い駆動ベース81を有している。ユニット支持ベース13の奥側には支持軸84が上向きに垂直に突出しており、駆動ベース81が支持軸84に支持されて、駆動ユニット14がX−Y平面に沿って回動自在となっている。
【0033】
駆動ユニット14は、図1に示す第1の動力伝達部12の機構によって回動させられる。駆動ユニット14の回動範囲は、図2において実線で示す退避位置から、破線で示す介入位置までである。駆動ユニット14は、退避位置にあるとき、支持体21に保持されているディスクDの外周縁からわずかに離れている。駆動ユニット14が介入位置へ回動すると、駆動ユニット14の回動自由端側に設けられた回転部材82が、ディスク収納領域20の内部へ移行し、回転部材82の回転中心が、選択位置に移動している支持体21に保持されたディスクDの中心穴Daと上下方向において一致する。
【0034】
図3と図4に示すように、駆動ベース81の上面にスピンドルモータMsが固定されて設けられており、スピンドルモータMsには、中心において上方へ延びる回転軸82aが回転駆動可能に設けられている。回転軸82aに回転部材82が固定されている。回転部材82は合成樹脂製であり、ディスクDの下面が設置されるテーブル部82bと、テーブル部82bの中心部において上方(Z2方向)へ突出する凸部82cとが一体に形成されている。
【0035】
凸部82cの周面には、下方(Z1方向)に向かうにしたがって直径が徐々に大きくなるテーパ面82dが形成されている。凸部82cの下端部の直径は、ディスクDの中心穴Daの内径とほぼ一致し、あるいは中心穴Daの内径よりもわずかに小さく設定されている。凸部82cの内部は空洞部であり、この凸部82cの周囲には、前記空洞部に通じる切欠き部82eが形成されている。この切欠き部82eは、回転軸82aを中心とする120度の角度間隔で3箇所に形成されている。
【0036】
回転部材82には、ディスクDをテーブル部82bの上面にクランプするためのクランプ機構200が搭載されている。このクランプ機構200は、いわゆるセルフクランプ機構である。以下、クランプ機構200の構造を説明する。
【0037】
図5と図6には、回転部材82の凸部82cの内部に設けられている3個のクランプ部材201と、回転部材82とその下のスピンドルモータMsとの間に設けられた切換え回転部203とが、テーブル部82bと凸部82cを透視した状態で図示されている。
【0038】
回転部材82の凸部82cの空洞部内には、凸部82cの内壁の上端部から下方へ垂直に延びる3本の支持軸82fが一体に設けられている。この支持軸82fは、回転軸82aを中心とする120度の角度間隔で3箇所に配置されている。3個のクランプ部材201は合成樹脂材料で形成されており、クランプ部材201の基部は、それぞれ支持軸82fに回動自在に支持されている。
【0039】
クランプ部材201の先部には、保持爪201aが一体に形成されている。図3と図5に示すように、クランプ部材201が支持軸82fを支点として反時計方向へ回動すると、切欠き部82e内において、保持爪201aは凸部82cのテーパ面82dよりも内側に退行する。この状態が、凸部82cをディスクDの中心穴Da内に挿入できる非クランプ姿勢である。図4と図6に示すように、クランプ部材201が支持軸82fを支点として時計方向へ回動すると、保持爪201aがテーパ面82dよりも外側に突出し、ディスクDの中心穴Daの周縁部が、テーブル部82bと保持爪201aとの間で挟持可能なクランプ姿勢となる。
【0040】
図5と図6に示すように、回転部材82の凸部82cの内部には、支持軸82gと平行に下向きに延びるばね支持突起82gが一体に形成されている。ばね支持突起82gは3箇所に設けられており、それぞれのばね支持突起82gに、クランプ部材を付勢するばね部材であるトーションばね202が支持されている。それぞれのクランプ部材201はトーションばね202によって常に時計方向(クランプ姿勢となる方向)へ付勢されている。
【0041】
図4に示すように、保持爪201aの下面には、回転軸82aから遠ざかるにしたがってテーブル部82bから離れる傾斜部201cが形成されている。保持爪201aがクランプ姿勢に回動すると、トーションばね202の付勢力を受けている保持爪201aの傾斜部201cと、テーブル部82bとの間で、ディスクDの中心穴の周縁部が挟持される。
【0042】
それぞれのクランプ部材201の時計方向への回動範囲は、クランプ部材201が切欠き部82eの時計方向側の内壁部に当たって制限される。ディスクDの中心穴の周縁部を挟持するクランプ姿勢のときのクランプ部材201は、前記内壁部に当たった限界位置よりもやや反時計方向へ回動した姿勢である。図6および図12には、クランプ姿勢のクランプ部材201とディスクとの当接点と、クランプ部材201の回動中心(支持軸82fの中心)とを結んだクランプ姿勢の基準線をOcで示している。回転軸82aの中心と支持軸82fの中心とを結ぶ半径基準線Orに対して、基準線Ocは、反時計方向へ回動した向きに延びている。
【0043】
図3と図4に示すように、クランプ機構200では、テーブル部82bの下に切換え回転部203が設けられている。この切換え回転部203は、回転軸82aを中心として、この回転軸82aおよびテーブル部82bとは独立して回転できるように支持されている。図5ないし図7にも示されるように、切換え回転部203の外周には周方向に連続して一定ピッチで突出形成された歯部203aが形成されている。
【0044】
図7は、3個のクランプ部材201のうちの1個を取り外した状態を示している。切換え回転部203の上面には、クランプカム203bが3箇所に形成されている。このクランプカム203bはカム溝であり、カム溝の軌跡は時計方向に向かうにしたがって回転軸82aに接近する形状である。それぞれのクランプ部材201の下面には摺動突起(図示せず)が突出形成されており、この摺動突起がクランプカム203b内に摺動自在に挿入されている。
【0045】
このクランプ機構200は、テーブル部82bに外力を作用させず、且つ切換え回転部203に外力を作用させない自由状態において、各クランプ部材201がトーションばね202の付勢力によって時計方向へ回動し、その回動力がクランプカム203bに作用して切換え回転部203がテーブル部82bに対して時計方向へ回動した状態となる。そして、各保持爪201aが凸部82cのテーパ面82dから外方へ突出したクランプ姿勢となる。逆に、回転部材82を拘束して、切換え回転部203を反時計方向へ強制的に回動させると、クランプカム203bによってクランプ部材201が反時計方向へ回動させられ、保持爪201aがテーパ面82dよりも内側に退行して非クランプ姿勢に切換えられる。
【0046】
図2,図5,図6,図7に示すように、駆動ユニット14の駆動ベース81上にはクランプ切換え手段210が設けられている。クランプ切換え手段210は、駆動ベース81上に設けられたクランプ切換え部材211と、切換え回転部203、および図3、図4に示すロック部材215とで構成されている。
【0047】
図2に示すように、クランプ切換え部材211は、板金材料で断面がL字型に折り曲げ成形されたものであり、駆動ベース81の側面81aに沿って往復移動自在に支持されている。図2に破線で示すように、駆動ベース81が介入位置のときに、図1に示す第1の動力伝達部12の駆動力によって、クランプ切換え部材211が側面81aに沿って移動させられる。
【0048】
クランプ切換え部材211には、回転部材82側に切換え部213が設けられている。この切換え部213は平板材料で形成されている。切換え部213には、複数の歯が等ピッチで突出した拘束歯部213aが形成されており、図5に示すように、この拘束歯部213aが、切換え回転部203に形成された歯部203aと噛み合うことが可能となっている。
【0049】
図3と図4に示すように、回転部材82の一部であるテーブル部82bの下面には、ロック歯部82hが一体に形成されている。このロック歯部82hには、円周方向に一定のピッチで配列する歯が突出形成されている。駆動ベース81の上面に前記ロック部材215が設けられている。ロック部材215は板ばね材料で形成されており、ロック部材215の先端にロック片215aが折り曲げ形成されている。図3に示すように、ロック部材215のロック片215aは、ロック歯部82hと噛み合うことが可能である。
【0050】
図6に示すように、クランプ切換え部材211が駆動ベース81の先端面81b側(図6の図示右側)へ移動しているときは、クランプ切換え部材211の拘束歯部213aが、切換え回転部203の歯部203aから外れている。また、図4に示すように、切換え部213の先端部がロック部材215の上に乗り上がり、切換え部213によってロック部材215が押し下げられ、ロック片215aがロック歯部82hから離れて、テーブル部82bのロックが解除された状態である。このとき、回転部材82と切換え回転部203が共に自由状態となり、クランプ部材201の保持爪201aが、トーションばね202の力で凸部82cの周囲に突出してクランプ姿勢となる。
【0051】
図6のクランプ状態から、クランプ切換え部材211が駆動ベース81の回動支点側(図6の図示左側)へ移動すると、最初の行程で、切換え部213の先端部がロック部材215から外れ、ロック部材215の弾性力によりロック片215aがロック歯部82hと嵌合して、回転部材82が回転しないようロックされる。さらにクランプ切換え部材211が図5の位置まで左方向へ移動すると、クランプ切換え部材211の拘束歯部213aが、切換え回転部203の歯部203aに嵌合し、拘束歯部213aの図示左方向への移動力によって切換え回転部203が反時計方向へ回転させられる。この切換え回転部203の回転力によってクランプ部材201が反時計方向へ回動させられ、保持爪201aが凸部82c内に退行して非クランプ姿勢となる。
【0052】
図1と図2に示すように、駆動ベース81には光ヘッド83が設けられており、光ヘッド83は互いに平行に配置された一対の案内部材(図示せず)によって案内されている。光ヘッド83の上面には対物レンズ83aが設けられている。駆動ベース81にはスレッド機構が設けられ、このスレッド機構がスレッドモータで駆動されて、光ヘッド83が、回転部材82に接近する位置(ディスクDの内周側に対向する位置)から、回転部材82から離れる方向(ディスクDの外周方向)へ向けて移動させられる。このとき、対物レンズ83aは、回転部材82にクランプされたディスクDの記録面に対向しながら半径方向に移動し、光ヘッド83内に設けられた光学装置によって、ディスクDに記録されたデータが読み取られ、またはディスクDにデータが記録される。
【0053】
図8と図9に示すように、機構ベース15の下には移送ユニット17が設けられている。図10に示すように、移送ユニット17は、図示X1−X2方向へ向けて細長く延びる金属製のユニット枠100を有している。ユニット枠100は、上面101と下面102およびX1側の側面103とX2側の側面を有し、ユニット枠100の内部は図示Y1−Y2方向に貫通している。ユニット枠100の内部には、低摩擦係数の合成樹脂で形成された摺動部材105が設けられている。摺動部材105は、ユニット枠100の上面101の内面に沿って延びる挟持部106と、X1側の側面103の内側に位置する側部案内部107と、X2側の側面の内側に位置する側部案内部とを有している。
【0054】
移送ユニット17では、ユニット枠100内にローラ軸111が設けられている。ローラ軸111は、ユニット枠100の上面101と平行に延び、その両端はX1側の側面103とX2端側の側面に回転自在に支持されている。ローラ軸111の外周には、合成ゴムや天然ゴムなどの摩擦係数の高い材料で形成された第1の移送ローラ112と第2の移送ローラ113(図示せず)が設けられている。移送ローラ112と113は、軸方向に間隔を空けて配置されている。
【0055】
ローラ軸111が挟持部106に向けてばねで付勢されて、移送ローラ112,113と挟持部106とが弾性的に圧接されている。移送ローラ112と挟持部106、および移送ローラ113と挟持部106とでディスクDが弾性的に挟持可能である。
【0056】
図1と図10に示すように、移送ユニット17の回動支点となる支点軸131は、下部筐体3の底面6において、上方へ垂直に延びるように固定されている。移送ユニット17には、図示X1側の端部にローラ軸111と直交する方向に延びる軸受部125が設けられており、軸受部125が支点軸131に回動自在に支持されている。
【0057】
図8と図9に示すように、第2の動力伝達部16では、モータの動力によって切換え部材91が(d)−(e)方向へ移動させられる。図8では切換え部材91が(d)方向へ移動しており、移動ユニット17は筐体の前面7の内側に接近する待機位置にある。図9に示すように、切換え部材91が(e)方向へ移動させられると、この切換え部材91に移動力によって、移送ユニット17が支点軸131を支点として反時計方向へ回動させられ、図9に示す移送動作位置に至る。
【0058】
図2と図10に示すように、筐体の底面6から垂直に延びる支点軸131にはウオームギヤ141が回転自在に支持され、移送ユニット17のユニット枠100の下には一体ギヤ147が回転自在に支持されている。一体ギヤ147は平歯車147aとウオームホイール147bとが一体化されたものであり、ウオームギヤ141がウオームホイール147bに噛み合っており、筐体の底面6に設けられた移送モータの回転力が、ウオームギヤ141から一体ギヤ147に伝達される。
【0059】
図10に示すように、ユニット枠101の側面103には歯車146が支持され、ローラ軸111にはピニオン歯車144が固定されている。歯車146は、ピニオン歯車144と平歯車147aの双方に噛み合っている。この動力伝達機構により、筐体の底面6に設けられた移送モータでローラ軸111を回転させることができる。
【0060】
移送ユニット17が、支持軸131を支点として図8に示す待機位置から反時計方向へ回動して図9に示す移送動作位置に至る間に、移送ローラ112,113が回転を継続し、挿入口23から挿入されたディスクDが、移送ローラ112,113の自転力と、移送ユニット17の回動力とによって、選択位置にある支持体21に向けて搬送される。
【0061】
次に、ディスク装置1のディスク搬入動作とディスククランプ動作について説明する。
図11はディスククランプ動作を示すフローチャート、図12は、クランプ部材がクランプ姿勢へ回動してディスクDの中心穴Daが保持されている状態を示す拡大平面図である。図11のフローチャートでは、各制御動作の処理ステップを符号「S」で示している。
【0062】
操作部によって、ディスクDを装填すべき支持体21を指定する操作を行うと、図2において実線で示すように駆動ユニット14が退避位置へ移動し、図8に示すように移送ユニット17が待機位置へ移動した状態で、支持体選択手段22が始動する。支持体選択手段22の動作によって、複数の支持体21がディスク収納領域内で上下動し、指定された支持体21が選択位置に移動させられて停止する。指定された支持体21は挿入口23と同じ高さに位置する。
【0063】
指定された支持体21が選択位置で停止すると、第1の動力伝達部12が駆動され、駆動ユニット14が図2において破線で示す介入位置へ回動して停止する。
【0064】
このとき、図3に示すように、ロック部材215のロック片215aがテーブル部82bの下面のロック歯部82hと嵌合して、回転部材82が回転しないようロックされ、さらにクランプ切換え部材211の拘束歯部213aによって切換え回転部203が反時計方向へ回転させられている。切換え回転部203の回転力によりクランプ部材201が反時計方向へ回動させられて、保持爪201aが凸部82c内に退行して非クランプ姿勢となっている。
【0065】
ディスクDが挿入口23から挿入されると、移送モータによってローラ軸111が回転させられ、第1の移送ローラ112と第2の移送ローラ113がディスク搬入方向へ自転する。挿入口23から挿入されたディスクDは移送ローラ112,113と挟持部106とで挟持されて、筐体2の内部に向けて搬入される。ディスクDが移送ローラ112,113で所定の距離だけ搬入されると、移送ユニット17が図8に示す待機位置から図9に示す移送動作位置に回動させられ、ディスクDが、選択位置に停止している支持体21の下面に供給される。
【0066】
搬入したディスクDを選択位置の支持体21に保持させて、そのまま筐体2の内部のディスク収納領域20に収納させることも可能であるが、支持体21の下に搬入したディスクDを、搬入直後に回転部材82にクランプさせることも可能である。
【0067】
そのときのクランプ動作は、図11に示す動作フローに基づいて行われる。
S1のディスククランプ動作では、移送ユニット17が図9に示す移送動作位置で停止し、ローラ軸111の回転も停止して、ディスクDが移送ローラ112,113と挟持部106とで挟持されて停止している。
【0068】
ディスクDが、選択位置にある支持体21の下面に供給され、移送ローラ112,113と挟持部106とで挟持されて停止している状態で、図1に示すロック部材54がX1方向へ移動させられ、Y1側に設けられたロック部材61もX1方向へ移動させられる。ロック部材54に設けられたロック制御穴56の持ち上げ部56bによって拘束軸77が持ち上げられ、ロック部材61に設けられたロック制御穴の持ち上げ部によって拘束軸78,78が持ち上げられて、ユニット支持ベース13が持ち上げられる。このとき、図2で破線で示す介入位置にある駆動ユニット14がユニット支持ベース13と一緒に持ち上げられて、回転部材82の凸部82cが、選択位置の支持体21の下面に位置するディスクDの中心穴Da内に入り込む。
【0069】
さらに、第1の動力伝達部12の動力によって、クランプ切換え部材211が図6に示すように図示右側へ移動させられて、拘束歯部213aが、切換え回転部203の歯部203aから外れ、図4に示すように、切換え部213の先端部がロック部材215の上に乗り上がって、ロック片215aがロック歯部82hから離れて、テーブル部82bのロックが解除される。その結果、回転部材82と切換え回転部203が共に自由状態となり、クランプ部材201の保持爪201aが、トーションばね202の力で凸部82cの周囲に突出してクランプ姿勢となる。
【0070】
図11のS2において、クランプ切換え部材211が図6に示す位置へ移動したことが、図示しないクランプ動作終了スイッチSWaで検知されると、制御部はディスクDのクランプ動作が完了したと判断する。
【0071】
正常なクランプ完了状態では、図12に示すように、トーションばね202の弾性力によってクランプ部材201が支持軸82fを支点として時計方向(α方向)へ回動付勢され、クランプ部材201の下面の傾斜部201cとテーブル部82bとの間で、ディスクDの中心穴Daの周縁部が挟持されている。
【0072】
再生動作やデータ記録領域のサーチ動作での通常のディスクDの回転方向は図12に示す時計方向(β1方向)である。ただし、図11に示す処理動作では、S2においてディスクDのクランプが完了したと判断したら、S3に移行し、スピンドルモータMsが通常の回転方向と逆回転方向である反時計方向(β2方向)へ駆動される。このとき、回転部材82に設けられた支持軸82fがβ2方向へ移動しようとするが、クランプ部材201の傾斜部201cと移送ユニット17で保持されているディスクDとの間に摩擦抵抗力が作用しているために、クランプ部材201には、支持軸82fを支点とする時計方向(α方向)の回動力が作用する。この回動力により、クランプ部材201の傾斜部201cがディスクDの中心穴Daの周縁部にさらに強く圧接されて、ディスクDのクランプ力が増強される。
【0073】
したがって、ディスクDがテーブル部82bから少し浮いている状態で、クランプ動作が完了していたり、または摩擦などでクランプ部材201がα方向へ完全に回動していない状態でクランプ動作が完了していたとしても、S3の逆転駆動によって、クランプ部材201の傾斜部201cとテーブル部82bとでディスクDを確実に挟持できる。
【0074】
ディスクDは移送ローラ112,113と挟持部106とで挟持されて停止しているため、ディスクDが回転部材82上に正常に装填されていれば、S3においてスピンドルモータMsをβ2方向へ回動させたときに、クランプ力が増強されて、回転部材82は回転できないはずである。そこで、図11のS4では、回転部材82が回転するか否かを判断する。この判断は、スピンドルモータMsに設けられた回転検出部から得られる回転検出パルスを監視し、またはスピンドルモータMsに通電される電流値の増加状態を監視することなどで行われる。
【0075】
S4において、スピンドルモータMsをβ2方向へ駆動したときに、回転部材82が回転したと判断したら、クランプ状態が不完全であると判断し、S5に移行してクランプ動作をやり直す。すなわち、クランプ部材201を図5に示す非クランプ姿勢に戻し、その後に図6に示すようにクランプ部材201をクランプ姿勢に戻し、さらにS3へ移行する。所定回数のクランプ動作をやり直しても、S4において回転部材82が回転したら、不良ディスクであると判断し、ディスクを挿入口23へ排出する。
【0076】
S4において、スピンドルモータMsをβ2方向へ駆動したときに、回転部材82が回転しなかった状態が、S6において所定時間継続したと判断できたら、S7においてクランプ状態が正常であると判断する。
【0077】
このとき、移送ユニット17内のローラ軸111をディスク搬入方向へ回転させながら、移送ユニット17を図8に示す待機位置へ戻し、移送ローラ112,113によるディスクDの拘束を解除する。さらに、図1に示すロック部材54と、図2に示すロック部材61をX1方向へ移動させて、ロック制御穴56の逃げ部56cに拘束軸77および78,78を導いて、ユニット支持ベース13をダンパー71,72,73による弾性支持状態とする。
【0078】
そして、S8に移行し、スピンドルモータMsの駆動方向を逆転させ、回転部材82をβ1方向へ回転させ、通常の回転動作を行う。この通常の回転動作において、光ヘッド83による読み取り動作や記録動作が行われる。
【0079】
S3において、回転部材82にβ2方向への駆動力を与えることで、クランプ部材201の傾斜部201cとテーブル部82bとでディスクDの中心穴Daの周縁部がしっかり保持されるため、その後の通常の回転動作において、ディスククランプの緩みが生じにくい。また、通常の回転動作でデータの読み取りや記録を行うとき、またはディスクを再生時などよりも高速でβ1方向へ回転させてサーチ動作などを行っているときは、回転部材82は主に等速回転であり回転部材82にβ1方向への加速度はあまり作用しない。よって、クランプ部材201にα方向と逆方向への大きな回転力が作用することがなく、ディスククランプの緩みは生じにくい。
【0080】
一方、再生動作を停止させたり、または目標のデータのサーチを完了してサーチ動作を停止させまたは減速するときは、スピンドルモータMsにブレーキが掛けられるため、回転部材82にβ2方向の加速度が生じる。このとき、所定の質量のディスクDが慣性力でβ1方向へ回転し続けようとするため、クランプ部材201に対して相対的にα方向への回動力が与えられる。この回転方向はクランプ力を増強する向きであるため、回転を停止させたり減速させるときに、ディスクのクランプ力が緩むことがなく、むしろクランプ力が増強される。
【0081】
すなわち、通常の回転方向(β1方向)を、トーションばね202からクランプ部材201に与えられる回動付勢方向(α方向)と同じ向きとし、ディスクを始動するときに、図11に示すS3において移送ユニット17でディスクを挟持したまま、回転部材82を通常の回転方向と逆向きのβ2方向へ回動させてクランプ力を増強させ、その後に回転部材82をβ1方向への通常の回転に移行することにより、ディスクを始動してからその後の減速や停止のときまで、常にクランプ部材201のクランプ力を強い状態に維持できる。
【0082】
また、ディスクDが回転部材82上にクランプされて通常の回転動作を行ってから回転を停止させて、その後に通常の回転動作を再開するときにも、回転部材82をβ2方向へ短時間だけ回転させてからβ1方向への通常の回転に移行させることが好ましい。この場合、ディスクDが移送ユニット17で保持されていなくても、回転部材82をβ2方向へ短時間だけ回転させるときに、ディスクDが慣性力で停止しようとしているために、クランプ部材201にα方向への回転力を与えて、クランプ力を増強させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の実施の形態のディスク装置の全体構造を示す分解斜視図、
【図2】図1のディスク装置の、主に下部筐体部分を示す平面図、
【図3】回転部材とスピンドルモータおよびクランプ切換え手段の側面図であり、ディスク非クランプ状態を示す図、
【図4】回転部材とスピンドルモータおよびクランプ切換え手段の側面図であり、ディスククランプ状態を示す図、
【図5】クランプ切換え手段の構造を動作別に示す平面図、
【図6】クランプ切換え手段の構造を動作別に示す平面図、
【図7】クランプ切換え手段の構造の一部拡大図、
【図8】第2の動力伝達部の構造を動作別に示す平面図、
【図9】第2の動力伝達部の構造を動作別に示す平面図、
【図10】第3の動力伝達部を示すものであり、移送ユニットの回動支点の構造を示す分解斜視図、
【図11】ディスククランプ動作を示すフローチャート、
【図12】クランプ部材をクランプ姿勢へ回動させてディスクをクランプした状態を示す拡大平面図、
【符号の説明】
【0084】
1 ディスク装置
20 ディスク収納領域
21 支持体
23 挿入口
14 駆動ユニット
17 移送ユニット
81 駆動ベース
82 回転部材
82a 回転軸
82b テーブル部
82c 凸部
82f 支持軸
112 第1の移送ローラ
113 第2の移送ローラ
200 クランプ機構
201 クランプ部材
201c 傾斜部
202 トーションばね
Ms スピンドルモータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータで回転駆動される回転部材と、前記回転部材にクランプされたディスクに対向するヘッドとを有するディスク装置において、
前記回転部材に、ディスクが載置されるテーブル部と、前記テーブル部に載置されたディスクの中心穴の内側で回動自在に支持されたクランプ部材と、それぞれのクランプ部材をディスクの中心穴の周縁部に圧接する方向へ回動付勢するばね部材とが設けられ、
ディスクが前記回転部材に設置されるときおよびディスクが前記回転部材から離脱させられるときに、前記クランプ部材を前記中心穴の周縁部から離れる向きに回動させるクランプ切換え部材が設けられており、
ディスクが前記回転部材に設置され、前記クランプ部材が前記中心穴の周縁部に圧接された後に、前記ばね部材から前記クランプ部材に与えられる回動付勢方向と逆回りの回動力を前記回転部材に与え、その後に回転方向を逆転させて通常の回転動作に移行するように、前記モータの回転方向が制御されることを特徴とするディスク装置。
【請求項2】
前記クランプ部材は、前記テーブル部に対向する部分に傾斜部を有し、ディスクの内周縁が、前記テーブル部と前記傾斜部とで挟持される請求項1記載のディスク装置。
【請求項3】
ディスクの回転を停止させるときに、通常の回転動作を行っている前記回転部材を減速させて、前記回転部材に対し、前記ばね部材から前記クランプ部材に与えられる回動付勢方向と逆回りの加速度が与えられる請求項1または2記載のディスク装置。
【請求項4】
ディスクを前記回転部材に向けて搬送する搬送部材が設けられており、ディスクが前記回転部材に設置され、前記クランプ部材が前記中心穴の周縁部に圧接された後に、前記搬送部材でディスクを挟持したまま、前記回動付勢方向と逆回りの回動力を前記回転部材に与え、その後に、前記搬送部材をディスクから離して通常の回転動作に移行する請求項1ないし3のいずれかに記載のディスク装置。
【請求項5】
前記回動付勢方向と逆回りの回動力を前記回転部材に与えたときに、前記回転部材が回転しなかったら、前記クランプ部材によってディスクの中心穴が正常に保持されていると判断する請求項4記載のディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−113770(P2010−113770A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−286251(P2008−286251)
【出願日】平成20年11月7日(2008.11.7)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】