説明

ディスク装置

【課題】シャッタ部材を備えたディスク装置において、装置内の熱の滞留を抑制し、装置内部の温度の上昇を防止する。
【解決手段】ディスク装置は、ディスクの記録または再生動作時に挿入口23を開閉自在に塞ぐシャッタ部材86と、シャッタ部材86を開閉するシャッタ開閉機構と、本体内の温度を検出する温度検出部とを備え、温度検出部により所定の温度より高い温度が検出された場合に、シャッタ開閉機構を駆動し、シャッタ部材86を開状態にする制御部を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CD(コンパクトディスク)、DVD(デジタル・バーサタイル・ディスク)等の記録媒体ディスクの情報を再生し、または、記録媒体ディスクに情報を記録するディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、CD、DVDプレーヤ等のディスク装置では、ディスク装置の前面に形成されたディスク挿入口をシャッタ部材により閉鎖して、ディスク挿入口に他のディスクが挿入される誤挿入や異物の侵入を防止していた。(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−26546号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来のディスク装置では、上記シャッタ部材によってディスク挿入口が密閉された状態で記録再生動作が行われるため、ディスク装置内の発熱が装置内部に滞留し、装置内部が高温にさらされる可能性があった。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、シャッタ部材を備えたディスク装置において、装置内の熱の滞留を抑制し、装置内部の温度の上昇を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、ディスクの記録または再生動作時にディスク挿入口を開閉自在に塞ぐシャッタ部材と、前記シャッタ部材を開閉するシャッタ開閉機構と、本体内の温度を検出する温度検出部とを備え、前記温度検出部により所定の温度より高い温度が検出された場合に、前記シャッタ開閉機構を駆動し、前記シャッタ部材を開状態にする制御部を備えたことを特徴とするディスク装置を提供する。
この構成によれば、温度検出部により本体内の温度が所定の温度より高くなったことが検出された場合に、制御部によりシャッタ開閉機構を駆動し、シャッタ部材を開状態にしてディスク挿入口から熱を排出できる。これにより、通常時はディスク挿入口を閉じて誤挿入等を防止でき、温度が上昇した場合には熱を排出してディスク装置内の熱の滞留を抑制し、装置内部の温度の上昇を防止できる。
【0007】
また、上記構成において、前記シャッタ開閉機構は、スライドするプレートに設けられたシャッタ開閉制御カムによって駆動されても良い。
この場合、プレートをスライドさせることで、シャッタ開閉制御カムによってシャッタ開閉機構を駆動でき、簡単な構造でシャッタ開閉機構を駆動できる。
【0008】
また、前記シャッタ開閉制御カムには、前記ディスクを前記ディスク挿入口に出し入れする際に前記シャッタ開閉機構を駆動する開閉カム部が設けられ、前記温度検出部により所定の温度以上の温度が検出された場合にシャッタ開閉機構を駆動する開放カム部が、前記開閉カム部に連なって設けられても良い。
この場合、ディスクを出し入れするために設けられる開閉カム部に連なって開放カム部が設けられるため、開放カム部を設けるための他の部品が必要なく、簡単な構造でシャッタ開閉機構を駆動できる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、シャッタ部材を備えたディスク装置において、装置内の熱の滞留を抑制し、装置内部の温度の上昇を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係るディスクプレーヤの一実施の形態を示す斜視図である。
【図2】アッパーシャーシを取り外した斜視図である。
【図3】メインシャーシにドライブユニットを取り付けた左方視の斜視図である。
【図4】シャーシ前部の近傍を後方側から見た斜視図である。
【図5】カムプレートをドライブユニット側から見た側面図である。
【図6】前面パネルの近傍を後方側から見た斜視図である。
【図7】シャッタ部材の開閉を示す斜視図である。
【図8】シャッタ部材の近傍の拡大図である。
【図9】ディスクの記録再生動作中にシャッタ部材を開状態にする処理を示すフローチャートである。
【図10】変形例におけるシャッタ部材の周辺を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施の形態を、図面に基づき説明する。
図1は、本実施の形態に係るディスクプレーヤの外観を示す斜視図である。このディスクプレーヤ10(ディスク装置)は、車両に搭載されるカーナビゲーション装置等の車載機器であり、上下の高さが抑えられて薄型に構成され、CD、DVD等の例えば直径8cmや、直径12cm等の大きさの記録媒体ディスクを内部に引き込み、このディスクに記録された情報を再生し、または、ディスクに情報を記録するものである。1は本体を示し、この本体1は板金製のシャーシ3を備えている。
【0012】
シャーシ3はメインシャーシ5と、このメインシャーシ5の上方を覆うアッパーシャーシ7とを備え、その内側には、図1では図示を省略したが、ディスクをローディングするためのローディングメカニズム、ローディングされたディスクをクランプするためのクランパメカニズム、クランプされたディスクをドライブするためのドライブメカニズム等が設けられている。
本体1には、その前面を覆う板状の前面パネル8が取り付けられており、この前面パネル8には、横長のスリット状に形成された挿入口23(ディスク挿入口)が形成され、挿入口23から記録媒体としてのディスクが挿入または排出される。
また、前面パネル8は、後述するシャッタ部材86が設けられるパネル本体18と、パネル本体18の前面を覆う化粧パネル18Aとを備えている。
【0013】
図2は、アッパーシャーシ7及び前面パネル8を取り外した斜視図であり、図3は、メインシャーシ5にドライブユニット9を取り付けた左方視の斜視図である。
上記メインシャーシ5は、図2に示すように、枠状に形成され、このメインシャーシ5には、複数の防振部材80が取り付けられ、この防振部材80の上に、クランパメカやドライブメカが一体化されたドライブユニット9が載置されて、フローティング支持されている。
【0014】
ドライブユニット9は、防振部材80により支持されるフローティングシャーシ13と、ディスクの半径方向に移動しディスクの情報を読み取るピックアップ部105と、フローティングシャーシ13の後端部の両側にヒンジ15で連結され、先端17Aを閉じる方向にばね付勢されて、フローティングシャーシ13と協働してディスクを挟持するスイングプレート17と、狭持されたディスクを回転させるディスク駆動部55とを備えている。
【0015】
ピックアップ部105は、ディスクの情報記録面に向けてレーザ光を照射するレーザーダイオードと、このレーザ光の反射光を受光する受光素子と、この照射光及び反射光を集光するための対物レンズ等の光学系とを備え、読み取った情報を再生部(図示略)に出力する。この再生部は、制御部20(図4参照)の制御の下、ピックアップ部105により読み取られた信号からディスク40に記憶された情報を再生するものである。また、ピックアップ部105には、本体1内の温度を検出する温度センサ106(温度検出部)が設けられている。制御部20は、本体1内の制御基板上に設けられている。
スイングプレート17の先端17Aにはマグネット入りの回転板19が支持され、回転板19に対向するターンテーブル21が、フローティングシャーシ13に支持されている。そして、後述するように、ディスクが挿入されて、スイングプレート17が閉じると、先端17Aの回転板19とターンテーブル21とで挟持されてディスクが回転可能になる。
【0016】
メインシャーシ5の前部には、板状のシャーシ前部6が設けられ、このシャーシ前部6には前面パネル8が着脱可能に取り付けられる。前面パネル8の挿入口23(図1参照)の奥には、図2に示すように、シャーシ前部6の近傍に設けられたモータ24で駆動されるローディングローラ25が設けられている。モータ24は、制御部20によって駆動される。
ローディングローラ25は、挿入口23へのディスクの挿入が検知されると、制御部20の制御の下、モータ24により駆動されて、当該ディスクを本体1内に引き込む。このローディングローラ25は、メインシャーシ5の幅方向に延在するローラプレート27に支持されている。
【0017】
ローラプレート27は、挿入口23の後方側に設けられ、その両端が上方に屈曲されて形成された屈曲部27Aを備え、各屈曲部27Aの後端には、ローディングローラ25の駆動軸25Aが回転自在に支持されている。また、各屈曲部27Aの前端には、ヒンジピン28が設けられ、ローラプレート27は、このヒンジピン28を介してメインシャーシ5の左右の側壁に揺動自在に連結されている。すなわち、ローディングローラ25は、ローラプレート27の揺動によって上下にその高さ位置が変化し、ドライブユニット9内のディスクに接離可能に構成されている。また、ローラプレート27は、図示を省略したばねにより、ローラプレート27の前端を下げて、ローディングローラ25を持ち上げる方向に付勢されている。
【0018】
また、ローラプレート27の前端には、ローラプレート27の前部の一部を前方に延出した後、上方に屈曲させて形成された爪部60が設けられている。この爪部60は、後述するシャッタ部材86(図6参照)を揺動させる機能を有している。
【0019】
図3に示すように、ドライブユニット9の上面の左後部には支持軸30を介してトリガープレート31が揺動自在に支持されている。なお、図2ではこのトリガープレート31の図示を省略している。
トリガープレート31は、ばね31Sにより、反時計方向に付勢されており、その一端31Aには、ドライブユニット9の内方に折り曲げられた、2つの突起32,33が各々一体に形成されている。一方の突起32には、引き込まれた8cmディスクが当接可能であり、他方の突起33には、引き込まれた12cmディスクが当接可能である。
トリガープレート31の他端31Bは、ドライブユニット9の外側に延出し、ドライブユニット9の外壁に沿って下方に折り曲げられている。この他端31Bは、メインシャーシ5に配置されたトリガー35の後面35Kに当接する。そして、ディスクが本体1に引き込まれ、突起32,33のいずれかに当接し、トリガープレート31が反時計方向に回動すると、このトリガープレート31が、トリガー35を前進(矢印Xの方向)させる。このトリガー35は、トリガー35の後部に設けられたばね34により、他端31B側(矢印Yの方向)に付勢されている。
【0020】
このトリガー35の一部は、図3に示すように、メインシャーシ5の底部に沿って前方に延出し、この延出部の上面にはトリガーラックギア35Aが一体に形成されている。トリガーラックギア35Aの前方には、メインシャーシ5の側面を構成する側板5A(図2参照)に支持されたファイナルギア37が配置されている。このファイナルギア37は、通常時にトリガーラックギア35Aに噛み合わない位置に支持されており、トリガープレート31が回動して、トリガー35が前進したときにのみ、トリガーラックギア35Aに噛み合う。ファイナルギア37は、図2に示すように、複数のギアからなるギア輪列38を介して、メインシャーシ5のシャーシ前部6近傍のモータ24に連結されており、モータ24の駆動時に、トリガーラックギア35Aとファイナルギア37とが一旦噛み合うと、それ以後は、ファイナルギア37を介して伝達されるモータ24の駆動力でトリガー35が前進する。
【0021】
図4は、シャーシ前部6の近傍を後方側から見た斜視図である。ここで、図4では、記録媒体としてのディスク40を2点鎖線で示している。
ディスク40は、図中に矢印で示す挿入方向Iの方向に挿入され、ディスク40の挿入方向Iは、前面パネル8の面に対し垂直な方向である。
トリガー35には、図3及び図4に示すように、前後方向へ延びる板状のカムプレート41(プレート)が一体に連結されている。このカムプレート41は、ギア輪列38よりも内側を当該ギア輪列38と平行に延在している。
【0022】
図5は、カムプレート41をドライブユニット9側から見た側面図である。
カムプレート41は、側面視で略V字状に形成されたカム溝45(シャッタ開閉制御カム)を有するガイド部42と、後方側にかけて階段状に低くなるカム面46を有するクランパ開閉部43とを備えている。ガイド部42はカムプレート41の前部に形成され、クランパ開閉部43はガイド部42の後方に形成されている。
【0023】
ガイド部42の先端の上部には、前方側に突出した突出部44が形成され、カム溝45は、この突出部44を始点として後方側に延在している。詳細には、カム溝45は、突出部44の下面に形成されて略水平に延びるイジェクト部47Aと、イジェクト部47Aから後下がりに傾斜したロード・アンロード部47Bと、ロード・アンロード部47Bの下端から後方へ略水平に延びる記録再生部47Cと、記録再生部47Cの後端から後上がりに傾斜した開放部47D(開放カム部)とを有している。
【0024】
カム溝45は、ローディングローラ25の駆動軸25A(図4参照)に係合して配置され、カムプレート41が駆動軸25Aに対して前後にスライドすることで駆動軸25Aがカム溝45に沿って案内され、ローディングローラ25の高さ位置が変化させられる。すなわち、ローディングローラ25の高さ位置は、カム溝45によって制御され、これに伴い、ローラプレート27は、ローディングローラ25の高さ位置の変化に連動してヒンジピン28を中心に揺動する。
【0025】
クランパ開閉部43のカム面46には、図3に示すように、ドライブユニット9のスイングプレート17の前部が前方に延出されて形成されたアーム部17Bが当接している。アーム部17Bは、カムプレート41の前後への移動に伴ってカム面46に沿って上下に変位し、これに伴い、スイングプレート17が上下に揺動されて、回転板19とターンテーブル21との間の距離が変化する。すなわち、カム面46に沿ってアーム部17Bが上下に揺動されることで、ドライブユニット9によるディスク40のクランプ動作が制御されている。
【0026】
そして、ディスク40が挿入口23に挿入されると、制御部20はモータ24によってローディングローラ25を駆動してディスク40をドライブユニット9に搬送する。この段階では、駆動軸25Aはイジェクト部47Aに位置し、ローディングローラ25はディスク40の下面に接触可能な高さに位置している。ディスク40の挿入に伴い、トリガー35はトリガープレート31を介して前進させられて、モータ24が駆動するファイナルギア37に噛み合う。トリガー35がそのストロークエンドに移動してカムプレート41を押すと、カムプレート41のラックがファイナルギア37と噛み合い、カムプレート41が前進(矢印Xの方向)する。
【0027】
上記カムプレート41が前進(矢印Xの方向)すると、上記アーム部17Bが当接しているカム面46が徐々に低くなって、スイングプレート17が、ばね力で閉じる方向に下方に揺動し、さらに前進してカムプレート41が前進限界の位置に移動すると、アーム部17Bがカム面46から完全に離れ、スイングプレート17の先端の回転板19が下降し、回転板19とターンテーブル21とによるディスク40のクランプが完了する。この状態では、スイングプレート17のアーム部17Bとカム面46との係合が解除されており、ドライブユニット9が、複数の防振部材80を介して完全にフローティング支持されている。
【0028】
同時に、カムプレート41の前進に伴い、ローディングローラ25の駆動軸25Aが、カム溝45のロード・アンロード部47Bを経て記録再生部47Cまで案内されると、ローラプレート27はヒンジピン28を中心に揺動されて、ローディングローラ25が下方に変位し、ローディングローラ25が、クランプ状態にあるディスク40の下面から離れる。また、ローラプレート27上においてローディングローラ25の反対側に設けられた爪部60は、上方に変位する。この状態において、ターンテーブル21を回転させるとともに、ディスク40の半径方向にピックアップ部105を移動させることにより、ディスク40の情報が読み込まれる。
【0029】
一方、ディスク40を排出する際には、制御部20によって上記モータ24が逆回転され、ギア輪列38、ファイナルギア37及びトリガーラックギア35Aを介して、トリガー35及びカムプレート41が後退(矢印Yの方向)する。それに伴って、上記アーム部17Bが当接しているカム面46が徐々に高くなり、スイングプレート17が、ばね力に抗して押し上げられて開く方向に揺動する。さらに後退してカムプレート41が後退限界の位置に移動すると、アーム部17Bがカム面46の最も高い位置に乗り上げて、ディスク40のクランプ状態が解除され、スイングプレート17の先端の回転板19と、ターンテーブル21との間にディスク挿入用の隙間が形成される。
【0030】
同時に、カムプレート41の後退に伴い、ローディングローラ25の駆動軸25Aが、記録再生部47Cからロード・アンロード部47Bを経てイジェクト部47Aまでガイドされると、ローラプレート27はヒンジピン28を中心に揺動されて、ローディングローラ25が上方に変位し、ディスク40の下面に接触する高さまで上昇する。そして、ローディングローラ25にディスク40が接触すると、ディスク40は回転するローディングローラ25によって挿入口23から排出される。また、ヒンジピン28を挟んでローディングローラ25の反対側の前部に設けられた爪部60は、下方に変位する。
【0031】
図6は、前面パネル8の近傍を後方側から見た斜視図である。
本構成では、図6に示すように、前面パネル8の挿入口23を開閉するシャッタ開閉機構70が設けられている。シャッタ開閉機構70は、ローラプレート27の揺動動作に連動し、ドライブユニット9にディスク40がクランプされて再生動作が行われている場合に、挿入口23を閉じてディスクの二重挿入を防止するものである。
ローラプレート27の前端の爪部60は、モータ24の側方に隣接して形成されている。爪部60は、ローラプレート27から前方に延出する延出部61と、延出部61から立設されて挿入口23の中央側に延びる板部62とを有し、板部62には、略矩形の開口62Aが形成されている。この開口62Aは、ローラプレート27の揺動動作に伴って上下に変位する。
【0032】
図7は、シャッタ部材86の開閉を示す斜視図であり、図7(A)は、開状態を示し、図7(B)は閉状態を示している。図8は、シャッタ部材86の近傍の拡大図である。
シャッタ開閉機構70は、挿入口23を開閉自在に塞ぐシャッタ部材86と、このシャッタ部材86を揺動させるローラプレート27と、ローディングローラ25とを備えている。
図7及び図8に示すように、シャッタ部材86は、挿入口23の全体を閉じる長尺状のシャッタプレート68と、シャッタプレート68を支持するとともに揺動させるシャッタアーム71と、シャッタアーム71を軸支する軸72と、シャッタアーム71と同軸に軸72によって軸支されるクラッチプレート73と、シャッタアーム71とクラッチプレート73とを一体に連結するクラッチばね74と、シャッタアーム71を開方向に付勢する戻しばね75とを備えて構成されている。
【0033】
シャッタ部材86は、前面パネル8のパネル本体18の裏面側において、挿入口23を開状態とした際に、挿入口23の下方でディスク40の挿入の邪魔にならない位置にまとめて配設されている。
軸72は、パネル本体18の裏面側においてローラプレート27の爪部60の近傍に立設されている。シャッタアーム71の基部は軸72によって揺動自在に軸支され、シャッタアーム71の先端76には、シャッタプレート68を軸支する支持ピン65が設けられ、シャッタプレート68は、その長手方向の中央部を支持ピン65によって支持されて、支持ピン65を中心に回転可能に取り付けられている。
【0034】
詳細には、パネル本体18と化粧パネル18A(図1参照)との間には、シャッタプレート68が上下に移動可能な空間が形成されており、シャッタプレート68はこの空間内を移動して挿入口23を開閉する。すなわち、シャッタプレート68はパネル本体18の裏面側のシャッタアーム71に支持されて、パネル本体18の前面側に配置されている。パネル本体18の前面側の左右端には、シャッタプレート68の両端をガイドするガイド突起66がそれぞれ形成されており、シャッタプレート68はガイド突起66にガイドされて支持ピン65を中心にわずかに回転することによって略水平の状態を保って上下に移動可能である。また、パネル本体18の中央部には、支持ピン65の近傍に設けられたシャッタプレート68とシャッタアーム71との連結部を避けるように切り欠いて形成された逃げ部67が設けられている。
【0035】
また、シャッタアーム71において軸72を挟んで支持ピン65の反対側の後端には、クラッチばね74の一端74Aが取り付けられるシャッタ側突起71Aが立設されている。
クラッチプレート73は、シャッタアーム71をパネル本体18とクラッチプレート73との間に挟むようにシャッタアーム71の基部の面に重ねて配置され、シャッタアーム71及びクラッチプレート73に挿通される軸72によってシャッタアーム71と同軸に軸支されている。シャッタアーム71は軸72を支点としてクラッチプレート73に対して相対回転可能であり、ディスク40の挿入方向I(図4参照)と略垂直な面内で揺動する。
クラッチプレート73において、軸72を挟んで先端76の側の端には、円柱状の開閉用突起78が立設されている。クラッチプレート73は、この開閉用突起78が、ローラプレート27の爪部60の開口62Aに係合した状態で取り付けられる。
【0036】
また、クラッチプレート73において、軸72を挟んで開閉用突起78の反対側の端には、クラッチばね74の他端74Bが取り付けられるクラッチ側突起73Aが立設されている。
さらに、クラッチプレート73には、軸72の周囲に円形の凸部73Bが形成されており、この凸部73Bには、ねじりコイルばねにより構成されたクラッチばね74が巻き付けられるようにして取り付けられる。
【0037】
クラッチプレート73のクラッチ側突起73Aは、シャッタアーム71のシャッタ側突起71Aの上方に位置し、クラッチばね74は、他端74Bがクラッチ側突起73Aの下面に当接し、一端74Aがシャッタ側突起71Aの上面に当接して取り付けられている。すなわち、クラッチばね74は、シャッタ部材86の揺動時にシャッタアーム71とクラッチプレート73とを一体に連結し、クラッチプレート73に対し、シャッタアーム71が相対回転した場合には、クラッチばね74の撓みによる付勢力が発生する。例えば、クラッチプレート73の揺動を規制した状態でシャッタアーム71を強制的に開方向(矢印Oの方向)に揺動させた場合、クラッチばね74は、シャッタアーム71を閉方向(矢印Cの方向)に揺動させる付勢力を発生させる。
【0038】
また、パネル本体18におけるモータ24側の端部には、戻しばね75の一端が取り付けられる突起8Aが形成されており、戻しばね75の他端は、シャッタアーム71のシャッタ側突起71Aに取り付けられている。戻しばね75はコイルばねであり、シャッタ側突起71Aを引っ張ることにより、シャッタアーム71を軸72を支点として図中の反時計回転方向、すなわち、開方向(矢印Oの方向)に付勢している。
つまり、シャッタ部材86は、無負荷状態では、図7(A)に示すように、シャッタ側突起71Aが戻しばね75によって引っ張られて矢印Oの方向に揺動させられ、開状態となっている。また、クラッチプレート73は、クラッチばね74を介して力を受け、シャッタアーム71と一体に揺動する。この状態では、クラッチばね74にはほとんど力がかかっておらず、クラッチばね74は撓んでいない。
【0039】
また、パネル本体18の上部には、シャッタアーム71の先端76の上端76Aに当接する位置規制部8Bが設けられ、パネル本体18の裏面において開閉用突起78の近傍には、シャッタアーム71の上縁部に当接する位置規制突起8Cが形成されている。シャッタアーム71は、シャッタプレート68が挿入口23を塞いだ閉状態において、位置規制部8B及び位置規制突起8Cによってその上限の位置を規制されている。
パネル本体18の下部には、シャッタアーム71の先端76の下縁に当接する位置規制突起8Dが形成されており、シャッタアーム71は、シャッタプレート68が挿入口23を開いた開状態において、位置規制突起8Dによってその下限の位置を規制されている。
【0040】
また、位置規制部8Bには、シャッタ部材86の閉状態において先端76の上端76Aが嵌合する溝82が形成されている。この溝82は、シャッタアーム71のディスク40の挿入方向I(図4参照)への変位を規制する変位規制部として機能し、シャッタアーム71に対してディスク40の挿入方向Iに押す力がかかったとしても、上記挿入方向Iへのシャッタアーム71の変位を防止できる。これにより、シャッタアーム71に対しディスク40が挿入方向Iに押し付けられた場合においても、シャッタアーム71の破損を防止できる。
【0041】
ここで、図4〜図8を参照して、シャッタ開閉機構70の動作について説明する。
図4に示すように、ディスク40が挿入されていない状態では、ローディングローラ25の駆動軸25Aは、図5に示すカムプレート41のイジェクト部47Aに位置し、ローディングローラ25は上方に変位してディスク40を搬送可能な位置にあり、爪部60の開口62Aは下方に変位した位置にある。この状態では、クラッチプレート73の開閉用突起78は開口62A内に位置しているが、シャッタ部材86は開口62Aの影響を受けていない。すなわち、シャッタ部材86は、シャッタ側突起71Aが戻しばね75によって引っ張られることで、図7(A)に示すように開状態となっており、シャッタ部材86は爪部60の開口62Aに影響を受けていない。
【0042】
そして、挿入口23にディスク40が挿入され、ローディングローラ25によってディスク40がターンテーブル21まで搬送されてクランプ位置に達すると、モータ24の駆動によりカムプレート41が前進し、駆動軸25Aが、ロード・アンロード部47Bを経て記録再生部47Cまで案内される。これに伴い、ローディングローラ25が下方に変位し、ディスク40はクランプされ、爪部60の開口62Aは、図6に示すように上方に変位する。そして、開閉用突起78は、開口62Aに押し上げられて上方へ変位し、図7(B)に示すように、シャッタ部材86は、戻しばね75の引っ張り力に逆らって矢印Cの方向に揺動させられて挿入口23を塞ぎ、閉状態となる。つまり、シャッタ開閉機構70は、カム溝45によって駆動され、ディスク40のクランプ動作と連動して動作し、ディスク40がクランプされた状態では挿入口23をシャッタプレート68により閉塞し、二重挿入を防止する。
【0043】
詳細な閉動作を説明すると、図7及び図8に示すように、開閉用突起78と共にクラッチ側突起73Aが矢印C方向へ揺動し、クラッチ側突起73Aからクラッチばね74を介してシャッタ側突起71Aに力が伝わり、シャッタアーム71がクラッチプレート73と一体に矢印Cの方向へ揺動し挿入口23を閉じる。この状態では、クラッチばね74は、戻しばね75の引っ張り力を受けている分だけ撓んでおり、シャッタアーム71には、矢印Cの方向に閉じる付勢力がかかっている。
【0044】
図5に示すように、カム溝45のイジェクト部47A、ロード・アンロード部47B、及び、記録再生部47Cは、ディスク40を挿入口23に出し入れする際にシャッタ開閉機構70を駆動する開閉カム部91を構成している。
シャッタ部材86は、駆動軸25Aがロード・アンロード部47Bにガイドされて下方に変位するに伴って閉状態から開状態に移行する。詳細には、シャッタ部材86は、記録再生部47Cに至るロード・アンロード部47Bの中間部69までは全開の状態にあり、この中間部69を越えて下方に変位するとシャッタプレート68による挿入口23の閉鎖が開始され、記録再生部47Cに達すると完全な閉状態となる。すなわち、中間部69では、シャッタ部材86は全開状態にある。ここで、シャッタ部材86の全開状態とは、シャッタプレート68によって挿入口23が閉塞されていない状態を指している。
さらに、開放部47Dの上端47Eは、中間部69と同一の高さに位置しており、上端47Eに駆動軸25Aが位置する状態では、シャッタ部材86は全開状態になる。また、中間部69及び上端47Eに駆動軸25Aが位置する状態では、ローディングローラ25はディスク40の下面よりも下方に位置し、ディスク40の下面から離れている。
【0045】
また、シャッタ部材86は、クラッチプレート73と、クラッチプレート73に相対回転可能なシャッタアーム71と、クラッチばね74とを備えて構成されるクラッチ機構79を有している。クラッチ機構79はシャッタ部材86に対して、開方向(矢印Oの方向)に過大な力がかかった場合に、この力を逃がす機構である。
図6に示すように、シャッタ部材86の閉状態では、シャッタ部材86は、クラッチプレート73の開閉用突起78が爪部60の開口62Aに押し上げられて閉状態が維持されている。この状態では、挿入口23がシャッタプレート68によって塞がれているため、通常、ディスクの二重挿入を防止できる。しかしながら、挿入口23に他のディスクの先端を当てて、ディスク先端を上下動させてシャッタプレート68をこじ開けることでディスクを無理やり挿入することが考えられ、この場合、シャッタプレート68が開方向に揺動して逃げることで、シャッタ開閉機構70の破損を回避できる。
【0046】
詳細には、他のディスク等によるこじ開けにより、ディスク40の挿入方向Iと略垂直な面内において開方向(矢印Oの方向)の外力を受けた場合、図8に示すように、シャッタアーム71は、シャッタ側突起71Aを介してクラッチばね74を撓ませながら開方向に揺動する。この際、クラッチプレート73は、開閉用突起78が開口62Aによって押し上げられており、開方向(矢印Oの方向)への揺動を規制された状態にあり、シャッタアーム71は、固定されたクラッチプレート73に対して開方向に相対回転する。これにより、シャッタ部材86にかかる開方向の過大な力を、シャッタアーム71の揺動に伴うクラッチばね74の撓みによって吸収することができ、シャッタ開閉機構70の破損を回避できる。
また、開方向の外力が無くなった場合、クラッチばね74の復元力によって、シャッタ開閉機構70は、直ちに閉状態へ復帰される。
【0047】
ところで、本実施の形態のディスクプレーヤ10は、本体1の内部の温度が上昇した際にシャッタ部材86を開状態にする機能を備えている。以下、この機能について説明する。
ピックアップ部105に設けられた温度センサ106は、本体1内の温度を検出し、制御部20は、検出された本体1内の温度に基づいてモータ24を駆動し、カムプレート41を前後方向にスライドさせる。
【0048】
ディスク40がドライブユニット9によってクランプされて記録の再生動作が行われている状態では、駆動軸25Aは図5に示すカムプレート41の記録再生部47Cに位置しており、挿入口23は、上方に変位した爪部60を介して揺動させられたシャッタ部材86によって閉鎖されている。このため、本体1内は密閉された状態となり、本体1内の発熱が滞留することにより、本体1内の温度は上昇する。
【0049】
制御部20は、本体1内の温度が基準温度To(所定の温度)よりも大きいことが検出された場合には、モータ24を駆動してカムプレート41を前方向にスライドさせ、駆動軸25Aを、記録再生部47Cに一体に連なって形成された開放部47Dまでガイドすることで、シャッタ部材86を開状態にする。ここで、基準温度Toは、本体1内の温度がディスクプレーヤ10の機能に影響する温度よりも低い所定の温度に設定されている。また、基準温度Toは制御部20が内蔵するメモリ(図示略)に記憶されている。
【0050】
駆動軸25Aが開放部47Dに位置する状態では、アーム部17Bがカム面46からさらに離れてスイングプレート17の先端17Aが閉じた状態が保たれるため、ディスク40のクランプ状態を維持できる。さらに、駆動軸25Aが開放部47Dの上端47Eに位置する状態では、ローディングローラ25はその上面がディスク40の下面に当たらない高さに位置し、挿入口23は、シャッタ部材86に閉じられていない開状態にある。このため、駆動軸25Aを上端47Eまでガイドすることで、ディスク40のクランプ状態を維持してディスク40の記録再生を継続しつつ、シャッタ部材86を開状態にでき、さらに、この開状態において、ローディングローラ25がディスク40に当たらないようにすることができる。
【0051】
駆動軸25Aが記録再生部47Cに位置する状態では、ディスクプレーヤ10はフローティングモードにあり、フローティングモードでは、ドライブユニット9がフローティング支持された状態でディスク40の記録の再生動作が行われる。また、駆動軸25Aが開放部47Dに位置する状態では、ディスクプレーヤ10はシャッタ開放モードにあり、シャッタ開放モードでは、ディスク40の記録の再生が行われるとともに、挿入口23が開状態となり、挿入口23を介して換気することができ、本体1内の熱を排出できる。
【0052】
以下、記録の再生動作中にシャッタ部材86を開状態にする処理について詳細に説明する。
図9は、ディスク40の記録の再生動作中にシャッタ部材86を開状態にする処理を示すフローチャートである。
まず、制御部20は、フローティングモードによってディスク40の記録の再生動作を実行し(ステップS1)、温度センサ106が検出する本体1内の温度tが、基準温度Toを超えたか否かを判定する(ステップS2)。
制御部20は、本体1内の温度tが基準温度Toを超えていない場合は、温度tが基準温度Toを超えるまでフローティングモードを継続する(ステップS2:No)。そして、制御部20は、温度センサ106によって本体1内の温度tが基準温度Toを超えたことが検出されると(ステップS2:Yes)、シャッタ開放モードへの移行を開始し(ステップS3)、モータ24を駆動してカムプレート41を前進させる。制御部20によるシャッタ開放モードの実行中には(ステップS4)、駆動軸25Aは開放部47Dの上端47Eに位置し、ディスク40の記録再生が継続されると共に、シャッタ部材86は開状態となり、挿入口23が全開になる。これにより、挿入口23から本体1内の熱が排出され、本体1内が冷却される。
【0053】
そして、制御部20は、温度センサ106による温度の検出に基づいて、本体1内の温度tが基準温度To以下に達したか否かを判定する(ステップS5)。
制御部20は、本体1内の温度tが基準温度To以下に達していない場合(ステップS5:No)、シャッタ開放モードを継続する。制御部20は、本体1内の温度tが基準温度To以下に達した場合(ステップS5:Yes)、フローティングモードに移行し(ステップS6)、モータ24を逆回転で駆動してカムプレート41を後退させる。これにより、駆動軸25Aは記録再生部47Cまでガイドされ、ディスク40の記録再生が継続されつつ、シャッタ部材86が開状態となり、挿入口23が全閉にされ、本体1内の熱を挿入口23から排出できる。
なお、ステップS5では、制御部20は、本体1内の温度tが基準温度To以下に達した場合にフローティングモードに移行するものとして説明したが、これに限らず、基準温度Toよりも低温な第2の基準温度を設け、この第2の基準温度以下に達した場合に制御部20がフローティングモードに移行するようにしても良い。
【0054】
以上説明したように、本発明を適用した実施の形態によれば、フローティングモードによってディスク40の記録再生を行っている際に、温度センサ106により本体1内の温度tが基準温度Toより高く上昇したことが検出された場合に、シャッタ開放モードに移行する。シャッタ開放モードでは、制御部20がモータ24を駆動してカム溝45を前進させてシャッタ開閉機構70を駆動し、シャッタ部材86を開状態にして挿入口23を開放し、挿入口23から本体1内の熱を排出できる。これにより、フローティングモード時はディスク40の挿入口23を閉じて誤挿入等を防止でき、本体1内の温度tが上昇した場合には、挿入口23から熱を排出してディスクプレーヤ10内の熱の滞留を抑制し、ディスクプレーヤ10の内部の温度の上昇を防止できる。
また、シャッタ開放モード時は、ディスク40の記録の再生動作を継続できるため、記録再生動作に影響することなく、シャッタ部材86を開状態にして本体1内の熱を排出できる。さらに、シャッタ開放モード時に本体1内の温度tが基準温度To以下に達した場合には、フローティングモードに移行してシャッタ部材86が閉状態になり、熱の排出後にすみやかにシャッタ部材86が閉じられるため、熱を排出可能としつつ、誤挿入を防止できる。
【0055】
また、カムプレート41をスライドさせることで、カム溝45によって駆動軸25Aの位置を制御してシャッタ開閉機構70を駆動でき、簡単な構造でシャッタ開閉機構70を駆動できる。
さらに、ディスク40を出し入れするために設けられる開閉カム部91に連なって開放部47Dが設けられるため、開放部47Dを設けるための他の部品が必要なく、簡単な構造でシャッタ開閉機構70を駆動してシャッタ部材86を開状態とし、本体1内の熱を排出できる。
【0056】
また、上記実施の形態においては、挿入口23を閉じるシャッタ部材86は、シャッタ開閉機構70のローラプレート27に設けられた爪部60によって駆動されて開閉されるものとして説明した。本発明はこれに限定されるものではなく、シャッタ部材86は、シャッタ開閉機構70が備える別の駆動部によって開閉されても良い。この場合について、変形例として説明する。
【0057】
[変形例]
本実施形態の変形例として、パネル本体18の裏面側にシャッタ部材186を開閉するソレノイド式アクチュエータ120を設けた構成を図10に示す。図10(A)は、閉状態を示し、図10(B)は開状態を示している。この図10に示す変形例において上記実施の形態と同様の部分には、同一の符号を付して説明を省略する。
変形例の構成では、図10(A)に示すように、シャッタ部材186は、複数の通気孔167を有するメッシュ状のシャッタプレート168をシャッタアーム71に取り付けて構成されている。これにより、シャッタプレート168により挿入口23を閉じた場合においても複数の通気孔167を介して本体1内の熱を排出することができるため、シャッタ開放モードを実行する頻度を少なくすることができ、モータ24の負荷を低減できる。また、通気孔167にフィルタを設けて、シャッタプレート168に防塵機能を持たせても良い。
【0058】
この変形例では、シャッタ開閉機構70は制御部20により駆動されるソレノイド式アクチュエータ120を備え、ソレノイド式アクチュエータ120は、シャッタアーム71の先端76からクラッチプレート73とは反対側に離れた位置に配置されている。ソレノイド式アクチュエータ120は、パネル本体18の長手方向に延在する筒状に形成され、その一端には、直線状の往復運動が可能な駆動部121が設けられている。駆動部121には、柔軟な線材122の一端が取り付けられ、線材122の他端はシャッタアーム71の上縁部に取り付けられている。
【0059】
制御部20によってソレノイド式アクチュエータ120が駆動されると、シャッタアーム71は線材122によってクラッチばね74に抗して下方に引かれ、図10(B)に示すように、シャッタアーム71と共にシャッタプレート168が下方に移動して挿入口23が開かれる。ソレノイド式アクチュエータ120による引っ張りが解除されると、クラッチばね74の付勢力によって、シャッタ部材186は閉状態に戻る。
変形例では、図9におけるステップS3でシャッタ開放モードへの移行が開始されると、カムプレート41はスライドされず、制御部20がソレノイド式アクチュエータ120を駆動して、ステップS4でシャッタ部材186を開状態とし、本体1内の熱を排出する。これにより、モータ24の動作の頻度を下げることができ、モータ24の負荷を低減できる。ここで、シャッタ部材186はソレノイド式アクチュエータ120により駆動されるものとして説明したが、これに限らず、例えば、小型モータや形状記憶合金によってシャッタ部材186を駆動しても良い。
【0060】
なお、上記実施の形態は本発明を適用した一態様を示すものであって、本発明は上記実施の形態に限定されない。
上記実施の形態では、シャッタ開放モードでは、シャッタ部材86は開状態となり、挿入口23は全開になるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、駆動軸25Aを開放部47Dの上端47Eまで移動させずに途中の高さで止めて、シャッタ部材86を半開の状態にし、挿入口23にディスク40が挿入できない程度に挿入口23を半開にしても良い。この場合、シャッタ開放モード時においてもディスク40を挿入口23に挿入できないため、誤挿入を防止しつつ、本体1内の熱を排出できる。また、開放部47Dの上端47Eに駆動軸25Aが位置する状態で挿入口23が半開となるようにして、本体1内の熱を排出しても良い。
また、上記実施の形態では、ディスクプレーヤ10は、ディスク40の再生動作が行われている場合に挿入口23を閉じるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ディスクに記録を書き込み可能なディスクプレーヤにおいて、記録動作時にシャッタ開放モードを実行し、シャッタ部材を開状態にして本体内の熱を排出しても良い。また、その他のディスクプレーヤ10の細部構成についても任意に変更可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0061】
1 本体
10 ディスクプレーヤ(ディスク装置)
20 制御部
23 挿入口(ディスク挿入口)
40 ディスク
41 カムプレート(プレート)
45 カム溝(シャッタ開閉制御カム)
47D 開放部(開放カム部)
70 シャッタ開閉機構
86 シャッタ部材
91 開閉カム部
106 温度センサ(温度検出部)
To 基準温度(所定の温度)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスクの記録または再生動作時にディスク挿入口を開閉自在に塞ぐシャッタ部材と、前記シャッタ部材を開閉するシャッタ開閉機構と、本体内の温度を検出する温度検出部とを備え、
前記温度検出部により所定の温度より高い温度が検出された場合に、前記シャッタ開閉機構を駆動し、前記シャッタ部材を開状態にする制御部を備えたこと、
を特徴とするディスク装置。
【請求項2】
前記シャッタ開閉機構は、スライドするプレートに設けられたシャッタ開閉制御カムによって駆動されること、
を特徴とする請求項1記載のディスク装置。
【請求項3】
前記シャッタ開閉制御カムには、前記ディスクを前記ディスク挿入口に出し入れする際に前記シャッタ開閉機構を駆動する開閉カム部が設けられ、
前記温度検出部により所定の温度以上の温度が検出された場合にシャッタ開閉機構を駆動する開放カム部が、前記開閉カム部に連なって設けられていること、
を特徴とする請求項2記載のディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−277670(P2010−277670A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−132091(P2009−132091)
【出願日】平成21年6月1日(2009.6.1)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】