説明

ディスク装置

【課題】誤挿入によるディスクの破損、損傷を防ぐことができるディスク装置を提供する。
【解決手段】筐体には、ディスクを挿脱する挿脱口が開設されており、筐体の内部にはディスクを回転させるディスク回転駆動部が備えられている。シャッタ機構6に含まれるシャッタ板は、シフタ連結レバー5の回転により筐体の挿脱口を開放又は閉鎖する。スイッチシフタ7は、シフタ連結レバー5の動作に基づいて、ディスク回転駆動部へのディスクの装着完了を検出するローディング完了スイッチ8を作動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャッタを有するスロットイン方式のディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スロットイン方式のディスク装置には、ディスクが挿脱口(スロット)からディスク装置内部に挿入された状態にある場合、さらにディスクがディスク装置に挿入されることを防止するため、挿脱口を閉鎖するシャッタが備えられている。例えば、特許文献1には、ディスク装置へのディスクの誤挿入を防止するシャッタを備えた誤挿入防止装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−249771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のスロットイン方式のディスク装置では、シャッタの動作機構に突発的な不具合が生じた場合、ディスクの誤挿入を防止するはずのシャッタが開いた状態のままで、ディスクの回転が始まるときがある。かかる状態で、新たなディスクがディスク装置に誤挿入された場合、ディスクの破損、損傷を招くおそれがある。
【0005】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、誤挿入によるディスクの破損、損傷を防ぐことができるディスク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るディスク装置は、ディスクを挿脱する挿脱口が開設された筐体と、該筐体の内部に設けられたディスク回転駆動部とを備え、該ディスク回転駆動部に対してディスクを装着又は離脱させるディスク装置において、前記挿脱口を開閉するシャッタと、該シャッタの開閉を駆動するシャッタ駆動部材と、該シャッタ駆動部材の動作に基づいて、前記ディスク回転駆動部へのディスクの装着完了を検出する検出手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
本発明に係るディスク装置は、前記検出手段は、前記シャッタ駆動部材の動作に連動する連動部材と、前記シャッタ駆動部材が前記シャッタを閉鎖する方向に所定位置まで動作する場合、前記連動部材の動作により前記ディスク回転駆動部へのディスクの装着完了を検出する検出部とを有することを特徴とする。
【0008】
本発明に係るディスク装置は、前記シャッタが挿脱口を閉じた状態で、前記シャッタの開放を規制する開放規制部材を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明に係るディスク装置は、前記開放規制部材は、前記シャッタ駆動部材に設けられていることを特徴とする。
【0010】
本発明に係るディスク装置は、前記シャッタ駆動部材は平板状をなし、前記ディスクの挿脱方向と略同一方向であって、該シャッタ駆動部材の面方向に位置する前記ディスク回転駆動部及びシャッタの間に配設されており、前記開放規制部材は、前記シャッタ駆動部材から前記シャッタと対向する側に延設されていることを特徴とする。
【0011】
本発明に係るディスク装置は、前記開放規制部材は、自由端部が平板状をなし、前記シャッタは、開放方向側に前記自由端部と当接可能な平面部を有することを特徴とする。
【0012】
本発明にあっては、シャッタは、ディスクを挿脱する挿脱口を開閉する。シャッタ駆動部材は、シャッタの開閉を駆動する。検出手段は、シャッタ駆動部材の動作に基づいて、筐体の内部に設けられたディスク回転駆動部へのディスクの装着完了を検出する。
【0013】
本発明にあっては、検出手段は、連動部材と検出部とを有している。連動部材は、シャッタ駆動部材の動作に連動する。検出部は、シャッタ駆動部材がシャッタを閉鎖する方向に所定位置まで動作する場合、連動部材の動作によりディスク回転駆動部へのディスクの装着完了を検出する。
【0014】
本発明にあっては、開放規制部材は、シャッタが挿脱口を閉じた状態で、シャッタの開放を規制する。
【0015】
本発明にあっては、開放規制部材は、シャッタの開閉を駆動するシャッタ駆動部材に設けられている。
【0016】
本発明にあっては、シャッタ駆動部材は平板状であり、ディスクの挿脱方向と略同一方向であって、シャッタ駆動部材の面方向に位置するディスク回転駆動部及びシャッタの間に配設されている。開放規制部材は、シャッタ駆動部材からシャッタと対向する側に延設されている。
【0017】
本発明にあっては、開放規制部材の自由端部は平板状である。シャッタは、開放方向に開放規制部材の自由端部と当接可能な平面部を有する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、誤挿入によるディスクの破損、損傷を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施の形態1に係るディスク装置の構成例を示す説明図である。
【図2】実施の形態1に係るシフタ動作機構の構成例を示すブロック図である。
【図3】実施の形態1に係るシフタ動作機構を示す平面図である。
【図4】実施の形態1に係るシフタ動作機構を示す平面図である。
【図5】ギアの要部を示す平面図である。
【図6】シフタ連結レバーの要部を示す平面図である。
【図7】実施の形態1に係るシャッタ機構の斜視図である。
【図8】シャッタ機構の側断面を示す説明図である。
【図9】実施の形態2に係るシフタ動作機構を示す平面図である。
【図10】実施の形態2に係るシフタ動作機構を示す平面図である。
【図11】実施の形態2に係るシャッタ機構の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明をその実施の形態に係る図面に基づき具体的に説明する。
実施の形態1
図1は、実施の形態1に係るディスク装置1の構成例を示す説明図である。図1の矢印は、ディスク装置1に対してディスクを挿入する方向(以下、挿入方向と呼ぶ)、及びディスク装置1からディスクを排出する方向(以下、排出方向と呼ぶ)を示している。
【0021】
実施の形態1に係るディスク装置1は、スロットイン方式のディスク装置1であり、筐体11、制御部12、ディスク回転駆動部13、光ピックアップ14及びシフタ動作機構15を含んで構成される。
以下では、プレーヤ、レコーダ、パーソナルコンピュータ等に搭載されている横置き型のディスク装置1を一例として説明する。しかし、ディスク装置1は横置き型に限られるものではなく、縦置き型であってもよい。
【0022】
ディスク装置1の各構成部を包含する筐体11は、略直方体の形状をなし、ディスクの排出方向側を正面とする。筐体11の正面は、長手方向が横方向の矩形状である。筐体11の正面には、その長手方向と略平行にスリット状の挿脱口11aが開設されている。挿脱口11aの長手方向の長さはディスクの直径と略同一であり、挿脱口11aの幅はディスクの厚さと略同一である。挿脱口11aからディスクの一部を差し込むことにより、ディスクのディスク装置1内部への挿入が開始される。
【0023】
制御部12は、ディスク装置1の各構成部を制御する。例えば、上記のディスクの挿入開始は、制御部12の制御の下、行われる。
ディスク回転駆動部13は、ディスクを挟持するクランパ、ターンテーブル、ディスクを回転させるスピンドルモータ等を含んで構成される。挿脱口11aに差し込まれたディスクは、図示しない搬送機構によりディスク回転駆動部13へ搬送される。制御部12は、ディスクがディスク回転駆動部13への装着を完了したと判断した場合、スピンドルモータを駆動させ、ディスクを回転させる。
【0024】
光ピックアップ14は、制御部12の制御によりディスクの記録又は再生をするためのレーザ光を発生する。また、光ピックアップ14は、ディスクからの反射光を受光する。光ピックアップ14は、受光した反射光を電気信号に光電変換し、制御部12へ出力する。
【0025】
図2は、実施の形態1に係るシフタ動作機構15の構成例を示すブロック図である。
シフタ動作機構15は、ディスクの誤挿入を防止するシャッタ機構6及びディスクのディスク回転駆動部13への装着完了を検出するローディング完了スイッチ8の動作を担う構成部である。シフタ動作機構15は、モータ2、ギア3、シフタ4、シフタ連結レバー(シャッタ駆動部材)5、シャッタ機構6、スイッチシフタ(連動部材)7及びローディング完了スイッチ(検出部)8を含んで構成される。
【0026】
モータ2は、シャッタ機構6の動作及びローディング完了スイッチ8の入切に必要な駆動力を、ギア3を介してシフタ4に伝達する。制御部12は、挿脱口11aからディスクの一部が挿入され、ディスクがディスク装置1内部の所定の位置に達したと判断した場合、モータ2に回転を開始させる。
シフタ4の動作はシフタ連結レバー5に伝達され、シフタ連結レバー5を動作させる。シフタ連結レバー5の動作はスイッチシフタ7に伝達され、スイッチシフタ7を動作させる。シフタ連結レバー5の動作はシャッタ機構6にも伝達され、シャッタ機構6を動作させる。スイッチシフタ7の動作はローディング完了スイッチ8に伝達され、ローディング完了スイッチ8を押圧又は解放する。ローディング完了スイッチ8が押圧された場合、ローディング完了スイッチ8は制御部12へ所定の信号を送信する。ローディング完了スイッチ8から所定の信号を受信した制御部12は、ディスク回転駆動部13にディスクの回転を開始させる。
【0027】
図3及び図4は、実施の形態1に係るシフタ動作機構15を示す平面図である。図3は、シャッタ機構6が挿脱口11aを開いている状態を示している。図4は、シャッタ機構6が挿脱口11aを閉じている状態を示している。図3及び図4の白抜及び黒い太矢印は、各構成部の動作方向を示している。白抜矢印C1、黒い太矢印C3はシャッタ機構6が挿脱口11aを閉じる場合の各構成部材の動作方向を、白抜矢印O1、黒い太矢印O3はシャッタ機構6が挿脱口11aを開く場合の各構成部材の動作方向を示している。白抜矢印C1の方向は挿入方向と略同一であり、白抜矢印O1の方向は排出方向と略同一である。シフタ動作機構15は、図示しないベースシャーシの上に形成されている。
【0028】
モータ2は、排出方向側から見て、ディスク装置1の右端部であって、挿入及び排出方向の中央近傍に配置されている。モータ2は、モータ本体2aとウォームギア2bとを備えている。ウォームギア2bは、モータ本体2aにより回転され、ウォームホイールを有するギア3と噛合し、ギア3にモータ2の駆動力を伝達する。
【0029】
ギア3は、第1ギア31、第2ギア32及び第3ギア33を含んで構成される。第1ギア31は、排出方向側から見てウォームギア2bの左側に隣接する。第1ギア31、第2ギア32及び第3ギア33は、この順に排出方向側から見て左側へずれつつ排出方向へ配列する。第1ギア31、第2ギア32及び第3ギア33は、図示しないベースシャーシから突設された軸により回転自在に支持されている。
【0030】
図5は、ギア3の要部を示す平面図である。図5には、ギア3近傍のモータ2及びシフタ4の一部も示している。第1ギア31は、同軸のギア31aとウォームホイール31bとを含んで形成されている。ギア31a及びウォームホイール31bの径は略同一であり、ギア31aはウォームホイール31bの上側に配置する。ウォームホイール31bは、モータ2のウォームギア2bと噛合し、ギア31aは第2ギア32と噛合する。
第3ギア33は、同軸の径の大きなギア33aと径の小さなギア33bとを含んで形成されている。ギア33aは、ギア33bの上側に配置する。第1ギア31のギア31aと噛合する第2ギア32は、第3ギア33のギア33aとも噛合している。そのため、ウォームギア2bの略水平方向の回転は、ウォームホイール31bにより略鉛直方向に変換され、第3ギア33まで伝達される。
【0031】
シフタ4は、挿入及び排出方向を長手方向とする平面視矩形状の部材であり、排出方向側から見てモータ2及びギア3の左側に近接して設置されている。第3ギア33のギア33bと対向するシフタ4の側面には、ラック歯4aが形成されている。ラック歯4aは、ギア33bと噛合しており、シフタ4はギア33bの回転により挿入及び排出方向に並進移動をする。シフタ4は、ディスクが挿入される場合は方向C1へ、ディスクが排出される場合は方向O1へ移動する。
【0032】
シフタ連結レバー5は、シフタ4とスイッチシフタ7とを連結するレバーであり、シフタ4とスイッチシフタ7との間に配設されている。シフタ連結レバー5は、シフタ4の動作をスイッチシフタ7へ伝達する部材であり、ディスク装置1に挿入されたディスクの面と平行な平板状部材である。シフタ連結レバー5は、略鉛直な支軸Pにより図示しないベースシャーシに対して回転自在に軸支されている。
【0033】
図6は、シフタ連結レバー5の要部を示す平面図である。白抜矢印C2はシャッタ機構6が挿脱口11aを閉じる場合のシフタ連結レバー5の動作方向を、白抜矢印O2はシャッタ機構6が挿脱口11aを開く場合のシフタ連結レバー5の動作方向を示している。シフタ連結レバー5は、レバー51、52、シャッタアーム53、サブレバー54及びシャッタストッパ(開放規制部材)55を含んで構成される。
【0034】
レバー51は、平面視略矩形のレバーであり、ベースシャーシに突設された支軸Pから略水平に延設されている。レバー51の自由端部付近の下面には、ピン51aが下方へ向かって突設されている。
レバー52は、平面視では1本の指状形状をなし、支軸Pとピン51aとを結ぶ線分に対し4時方向へ向けて、レバー51の中央付近から延設されている。レバー52の自由端部は、シフタ4の下面であって、かつシフタ4の排出方向側端部に達している。レバー52の自由端部付近には孔52aが開設されている。レバー52は、孔52aを挿通する軸によりシフタ4の排出方向側端部下面に軸支されている。
【0035】
シフタ4が方向C1、O1へ移動する場合、シフタ4の排出方向側端部下面に軸支されたシフタ連結レバー5は、支軸Pを中心に夫々方向C2、O2へ回転する。C2は平面視反時計回りの方向、O2は平面視時計回りの方向である。
【0036】
シャッタアーム53は、シフタ連結レバー5の一部であり、ピン51aから支軸Pへ向かう直線方向側に向けて、略水平に延設されている。シャッタアーム53の自由端部は、先端に向かって細くなる平面視略舌状の形状をなし、略水平な平板状をなす。レバー51に対するシャッタアーム53の付け根は、レバー51の上面よりもレバー51の肉厚程度高い位置へ屈曲している。シャッタアーム53は、この高い位置へ屈曲した付け根の先端から略水平に延設されている。シャッタアーム53は、支軸Pを中心に回転することにより、シャッタ機構6を動作させる。
【0037】
サブレバー54は、支軸Pとピン51aとを結ぶ線分に対し8時方向へ向けて、レバー51の中央付近から延設され、さらにシャッタアーム53の延びる方向と略平行な方向に屈曲するように延設されている。
シャッタストッパ55は、サブレバー54からシャッタアーム53の延びる方向と略平行かつ略水平に延設されている。シャッタストッパ55の自由端部は、平面視略U字形の形状をなし、略水平な平板状の部材からなる。サブレバー54に対するシャッタストッパ55の付け根は、レバー51の下面よりもレバー51の肉厚程度低い位置へ屈曲している。シャッタストッパ55は、この低い位置へ屈曲した付け根の先端から略水平に延設されている。シャッタストッパ55の自由端部の位置は、シャッタアーム53の自由端部よりも支軸Pから近い位置にある。
【0038】
なお、シャッタアーム53及びシャッタストッパ55の形状は、夫々上記の形状に限られず、平面視略矩形、平面視略円形、平面視略三角形等でもよい。
また、シャッタストッパ55は、シャッタアーム53から延設されてもよい。
さらに、シャッタアーム53及びシャッタストッパ55は、付け根から側面視斜め方向に延設されていてもよい。すなわち、シフタ4の動作に伴い回転するレバー51から突設されるシャッタアーム53の先端位置がレバー51の水平面より高く、シャッタストッパ55の先端位置がレバー51の水平面より低い位置であればよい。
【0039】
図7は、実施の形態1に係るシャッタ機構6の斜視図である。図8は、シャッタ機構6の側断面を示す説明図である。図7A及び図8Aは、シャッタ機構6が挿脱口11aを開いた状態を示している。図7B及び図8Bは、シャッタ機構6が挿脱口11aを閉じた状態を示している。図7の白抜矢印C2はシャッタ機構6が挿脱口11aを閉じる場合のシャッタアーム53及びシャッタストッパ55の動作方向を、図7の白抜矢印O2はシャッタ機構6が挿脱口11aを開く場合のシャッタアーム53及びシャッタストッパ55の動作方向を示している。
【0040】
シャッタ機構6は、挿脱口11aとシフタ連結レバー5との間であって、排出方向側から見てディスク装置1の略中央に配設されている。シャッタ機構6は、シャッタ板(シャッタ)61、ストッパ当接部(平面部)61a、軸部62、シャッタ支持台63、シャッタ支持板64及びばね65を含んで構成される。
【0041】
シャッタ板61は、略矩形の板状部材であり、その長手方向はディスクの挿入及び排出方向と略直角かつ略水平な方向である。シャッタ板61が横倒した状態にある場合、シャッタ板61は挿脱口11aを開いている。シャッタ板61が起立した状態にある場合、シャッタ板61は挿脱口11aを閉じている。
【0042】
ストッパ当接部61aは、シャッタ板61の長手方向と略同一の長手方向を有する略矩形の板状部材であり、シャッタ板61より小さい。ストッパ当接部61aは、排出方向側から見て起立した状態のシャッタ板61の左下端部から、シャッタ板61に対して略直角かつ排出方向へ、略水平な状態で突設されている。
軸部62は、起立した状態のシャッタ板61下端の両側縁から、夫々シャッタ板61の略長手方向へ突設されている。
【0043】
シャッタ支持台63は、図示しないベースシャーシの上にねじ止めされたブロック状の部材であり、排出方向側から見てシャッタ板61の左側に隣接して設けられている。
シャッタ支持板64は、ベースシャーシの一部を上方へ切り起こして、排出方向側から見てL字状に折曲することにより形成された平板状部材である。シャッタ支持板64は、排出方向側から見てシャッタ板61の右側に隣接して設けられている。
【0044】
シャッタ板61は、軸部62がシャッタ支持台63及びシャッタ支持板64の間で略水平に軸支されることにより、シャッタ支持台63及びシャッタ支持板64に支持されている。シャッタ板61は、軸部62を中心に回転して横倒及び起立することにより、挿脱口11aの開閉状態を実現する。
【0045】
排出方向側から見て、シャッタ板61から突出する右側の軸部62には、ばね65が設けられている。ばね65は、例えば軸部62に嵌め込まれたねじりコイルばねであり、シャッタ板61を排出方向に横倒した状態から起立した状態へ付勢している。
【0046】
図7B及び図8Bには、図示しないベースシャーシの上にねじ止めされたホルダ20の一部が示されている。ホルダ20は、シフタ動作機構15をベースシャーシとの間で保持するフレーム部材である。起立した状態のシャッタ板61の挿入方向側の面と対向する部分のホルダ20には、シャッタ板61の上端部まで延びた突出部20aが形成されている。
【0047】
シャッタ板61が起立した状態にある場合、シャッタ板61の挿入方向側の面の上端部はホルダ20の突出部20aに当接する。突出部20aに当接したシャッタ板61は、突出部20aにより挿入方向への回転が規制される。そのため、シャッタ板61が起立した状態から横倒可能な方向は、排出方向である。
【0048】
図3及び図4に示すように、スイッチシフタ7は、挿入及び排出方向に対して略直角かつ略水平方向に伸びたブロック状部材であり、排出方向側から見てシフタ4の左側、シフタ連結レバー5から見て挿入方向側に隣接して設けられている。スイッチシフタ7の上面であって、かつ排出方向側から見てスイッチシフタ7の右端部には、ガイド溝7aが形成されている。ガイド溝7aは平面視略矩形をなし、その長手方向はスイッチシフタ7の長手方向と略同一である。
シフタ連結レバー5の下面から下方へ突設されたピン51aは、ガイド溝7aに遊嵌され、ガイド溝7aの側面を摺動するように構成されている。スイッチシフタ7は、ピン51aによりシフタ連結レバー5と遊着されている。スイッチシフタ7は、方向C2、O2へのシフタ連結レバー5の回転に連動して、ガイド溝7aの側面に当接するピン51aにより夫々方向C3、O3に押進される。方向C3、O3は、方向C1、O1に対して略直角である。
排出方向側から見て、スイッチシフタ7の排出方向側の左側面の一部には、ピン溝7bがスイッチシフタ7の長手方向に沿って形成されている。そのため、排出方向側のスイッチシフタ7側面には、挿入及び排出方向の段差が生じている。
【0049】
排出方向側から見て、ベースシャーシの左端かつ排出方向側端の角部には、基板が設けられている。この基板の上には、ローディング完了スイッチ8が実装されている。
ローディング完了スイッチ8は、直方体状のマイクロスイッチであり、スイッチシフタ7の排出方向側の側面と近接して対向する位置に配設されている。スイッチシフタ7と対向する、ローディング完了スイッチ8の挿入方向側の部分には、挿入方向へ向かってスイッチピン8aが突設されている。スイッチピン8aの先端は、円筒を周方向に四等分割した形状に形成されており、排出方向側から見てその右側面は円筒の側面に該当し、湾曲している。
【0050】
シャッタ板61が挿脱口11aを開いた状態にある場合、スイッチピン8aはスイッチシフタ7のピン溝7bに遊嵌されている。シャッタ板61が挿脱口11aを閉じた状態にある場合、スイッチピン8aはスイッチシフタ7の側面により押圧されている。シフタ連結レバー5が回転可能な方向C2の端位置近くの所定位置まで方向C2へ向かって回転した場合、排出方向側から見てスイッチシフタ7のピン溝7bの右側面がスイッチピン8aを押圧するように、ピン溝7b及びローディング完了スイッチ8は位置決めされている。
【0051】
なお、ローディング完了スイッチ8をトグルスイッチにより構成し、排出方向側から見てスイッチシフタ7のピン溝7bの右側面位置に弾性体の爪を設けてもよい。すなわち、スイッチシフタ7の移動によりこの爪がトグルスイッチのレバーを運動させて、ローディング完了スイッチ8のオン、オフを実現してもよい。
あるいは、スイッチシフタ7の排出方向側の側面にラック歯を設けると共に、ローディング完了スイッチ8の位置に当該ラック歯と噛合するギア及びこのギアの回転量を検出する回転検出素子を配設する。すなわち、回転検出素子がローディング開始から完了までのスイッチシフタ7の移動量を検出した場合、回転検出素子が制御部12へローディング完了の信号を出力してもよい。
また、スイッチシフタ7の排出方向側の側面に色素を塗り、排出方向側から見てスイッチシフタ7のピン溝7bの右側面位置を境にして、当該側面を黒色部分と白色部分とに色分けしておく。また、ローディング完了スイッチ8の位置に光源と光センサとを配設する。すなわち、スイッチシフタ7の排出方向側の側面に対する光源の反射光を光センサに受光させ、光センサが当該側面の色変化を検出した場合、光センサが制御部12へローディング完了の信号を出力してもよい。
【0052】
次に、実施の形態1に係るディスク装置1のシフタ動作機構15の動作について説明する。
ユーザがディスクの一部を挿脱口11aからディスク装置1に挿入する場合、所定の位置までディスクが挿入されたことを検出する搬入開始スイッチが、ディスク装置1には備えられている。シャッタ板61が挿脱口11aを開いた状態にあり、搬入開始スイッチがディスクの挿入を検出した場合、搬入開始スイッチは制御部12へ所定の信号を送信する。搬入開始スイッチから所定の信号を受信した制御部12は、モータ2に回転を開始させる。回転によるモータ2の駆動力はギア3を介してシフタ4に伝達され、シフタ4は方向C1へ移動を開始する。方向C1へのシフタ4の移動は、シフタ連結レバー5を方向C2へ回転させる。シフタ連結レバー5の方向C2への回転は、スイッチシフタ7を方向C3へ移動させる。
【0053】
図7A及び図8Aに示すように、シャッタ板61が横倒して挿脱口11aが開かれた状態にある場合、シャッタ板61がばね65の付勢力により起立した状態に戻らないように、シャッタアーム53はシャッタ板61の上面と当接し、シャッタ板61を上方から係止している。
【0054】
シフタ連結レバー5が方向C2へ回転する場合、シフタ連結レバー5に設けられたシャッタアーム53も方向C2へ回転する。シャッタアーム53の方向C2への回転が継続する場合、シャッタアーム53はシャッタ機構6の軸部62よりも挿入方向側へ移動していく。図7B及び図8Bに示すように、シャッタ板61は、シャッタアーム53がシャッタ板61から離反した場合、ばね65の付勢力により軸部62を中心に挿入方向へ回転して起立し、挿脱口11aを閉じる。また、シャッタ板61が起立した場合、シャッタ板61の上端部はホルダ20の突出部20aと当接する。そのため、シャッタ板61は挿入方向へのそれ以上の回転が規制される。シャッタ板61が起立した状態にある場合、仮にユーザが新たなディスクを挿脱口11aからディスク装置1内部に挿入しようとしても、挿脱口11aを閉じているシャッタ板61が新たなディスクの挿入を規制しているため、新たなディスクはディスク装置1内部に挿入されない。
【0055】
シフタ連結レバー5が方向C2へ回転する場合、シフタ連結レバー5に設けられたシャッタストッパ55も方向C2へ回転する。
シャッタ板61が横倒した状態から起立した状態へ回転し、挿脱口11aが閉じられる状態になる直前に、シャッタストッパ55はストッパ当接部61aの直下に移動してくる。シャッタ板61が起立した状態になり、シャッタストッパ55が方向C2への回転可能な限界位置に達した場合、シャッタストッパ55の上面とストッパ当接部61aの下面とが当接する。そのため、シャッタ板61は、ストッパ当接部61aを介してシャッタストッパ55に係止されるので、排出方向に回転することができなくなる。
【0056】
なお、シャッタストッパ55の自由端部先端を爪のような形状にし、当該爪により、排出方向側から見て起立した状態のシャッタ板61の左側端部を係止して、シャッタ板61の排出方向への回転を規制する形態であってもよい。
【0057】
シャッタ板61が起立して挿脱口11aを閉じている場合、シャッタ板61はばね65により挿入方向へ付勢されている。しかし、このばねの付勢力はさほど強いものではなく、シャッタ板61がストッパ当接部61aを介してシャッタストッパ55に係止されていない場合、シャッタ板61は指の押圧力程度の力で容易に排出方向に回転する。
ディスク回転駆動部13に装着され、回転を開始したディスクは、突発的に破損する場合がある。この破損したディスクの破片が飛び散る初速度は時速数十kmを超える。そのため、シフタ連結レバー5がシャッタストッパ55を有していない場合、ディスクの破片がシャッタ板61を排出方向に押し倒してディスク装置1外部へ飛び出す危険がある。しかし、実施の形態1に係るシャッタ機構6によれば、シャッタ板61が挿脱口11aを閉じている場合、シャッタストッパ55が排出方向へのシャッタ板61の回転を規制するため、上記の危険はない。
【0058】
スイッチシフタ7には、シフタ連結レバー5の回転を介して、シフタ4から動作が伝達される。シフタ4が方向C1へ移動する場合、スイッチシフタ7は方向C3へ移動する。スイッチシフタ7が方向C3へ移動する場合、排出方向側から見てスイッチシフタ7のピン溝7bの右側面は、ピン溝7bに遊嵌されているスイッチピン8aの先端部の湾曲した側面を排出方向へ押圧する。これにより、スイッチピン8aは排出方向へ押圧され、ローディング完了スイッチ8はオン状態になる。オン状態になったローディング完了スイッチ8は、ディスク回転駆動部13へのディスクの装着完了を示す信号を制御部12に送信する。ローディング完了スイッチ8からディスク回転駆動部13へのディスクの装着完了を示す信号を受け付けた制御部12は、ディスク回転駆動部13にディスクの回転を開始させる。制御部12は、光ピックアップ14を制御して、ディスクに対して情報の記録又は再生を行う。
【0059】
ユーザが、ディスク装置1を搭載した電子機器の操作部又はリモートコントローラ等を介して、制御部12にディスクの排出を指示した場合、制御部12はディスク回転駆動部13にディスクの回転を停止させ、モータ2に上記とは逆の回転を開始させる。この逆回転によるモータ2の駆動力はギア3を介してシフタ4に伝達され、シフタ4は方向O1へ移動を開始する。方向O1へのシフタ4の移動は、シフタ連結レバー5を方向O2へ回転させる。シフタ連結レバー5の方向O2への回転は、スイッチシフタ7を方向O3へ移動させる。
【0060】
スイッチシフタ7が方向O3へ移動する場合、ローディング完了スイッチ8のスイッチピン8aは方向O3へ移動するスイッチシフタ7のピン溝7bに遊嵌される。これにより、スイッチピン8aは押圧された状態から解放された状態に変わり、ローディング完了スイッチ8はオフ状態になる。
【0061】
シフタ連結レバー5が方向O2へ回転する場合、シフタ連結レバー5に設けられたシャッタアーム53及びシャッタストッパ55も方向O2へ回転する。シャッタアーム53の方向O2への回転が継続する場合、シャッタアーム53の先端は起立した状態のシャッタ板61に挿入方向側から当接する。また、シャッタストッパ55の方向O2への回転が継続する場合、シャッタストッパ55はストッパ当接部61aの直下から方向O2へ回転し、ストッパ当接部61aから離反する。シャッタストッパ55により排出方向への回転が規制されていたシャッタ板61は、シャッタストッパ55による係止から解放され、排出方向への回転が可能になる。
【0062】
シャッタアーム53の方向O2への回転がさらに継続する場合、シャッタアーム53はシャッタ板61を排出方向に押圧する。シャッタアーム53から押圧されたシャッタ板61は、ばね65の付勢力に抗して軸部62を中心に排出方向に回転する。シャッタ板61がシャッタアーム53の押圧により排出方向に回転して、略水平に横倒した状態になり、挿脱口11aが開かれた場合、シフタ4は方向O1の所定の位置まで移動している。このシフタ4が方向O1の所定の位置へ達したことを検出する排出完了スイッチが、ディスク装置1には備えられている。挿脱口11aがシャッタ板61により開かれた状態にあり、排出完了スイッチがシフタ4の所定の位置への移動を検出した場合、排出完了スイッチは制御部12へ所定の信号を送信する。排出完了スイッチから所定の信号を受信した制御部12は、モータ2の逆回転を停止させる。
【0063】
モータ2の停止により、シフタ4、シフタ連結レバー5及びスイッチシフタ7の動作は停止する。このとき、図7A及び図8Aに示すように、シャッタアーム53はシャッタ板61がばね65の付勢力により起立した状態に戻らないように、シャッタ板61の上面と当接し、シャッタ板61を上方から係止している。
【0064】
従来のディスク装置では、モータの駆動力をシャッタアームに伝達する系列と、モータの駆動力をスイッチシフタに伝達する系列とは、別系列になっている。そのため、仮にモータの駆動力をシャッタアームに伝達する系列に突発的な不具合が生じた場合、挿脱口は閉じられず、開いた状態のままになるが、スイッチシフタは正常に動作してローディング完了スイッチをオン状態にする。かかる場合、挿脱口が開いた状態のまま、ディスクが回転し始めるため、回転中のディスクが破損等したとき、ディスクの破片が高速度でディスク装置外部へ放出される危険がある。また、挿脱口が開いたまま、ディスクが回転している状態で、ユーザが新たなディスクを誤挿入した場合、高速回転するディスクと新たに挿入されたディスクとが接触し、たいへん危険な状況になる。
【0065】
しかしながら、実施の形態1に係るディスク装置1によれば、モータ2からの駆動力はギア2、シフタ4、シフタ連結レバー5、スイッチシフタ7の順に、一つの系列で伝達される。そのため、モータ2の駆動力を伝達する部材に不具合が生じた場合、モータ2の駆動力の伝達はその部材で止まり、モータ2の駆動力がスイッチシフタ7まで伝達されることはない。
例えばシフタ連結レバー5とスイッチシフタ7とを結合するピン51aが破損した場合、モータ2の駆動力はスイッチシフタ7には伝達されない。かかる場合、ディスクが挿脱口11aからディスク装置1内部に挿入されたとき、シフタ連結レバー5に設けられたシャッタアーム53の回転により挿脱口11aは閉じた状態になる。しかし、スイッチシフタ7は動作しないため、ローディング完了スイッチ8はオフ状態のままであり、ディスクの回転が開始されることはない。したがって、実施の形態1に係るディスク装置1によれば、誤挿入によるディスクの破損、損傷を防ぐことができる。
【0066】
実施の形態1に係るディスク装置1によれば、シャッタ板61が挿脱口11aを閉じている場合、シャッタ板61はホルダ20の突出部20aに当接する。そのため、シャッタ板61は挿入方向にそれ以上回転することはない。ディスクがディスク回転駆動部13に装着された状態で、ユーザがさらにディスクをディスク装置1に挿入しようとしても、挿脱口11aはシャッタ板61により閉じられていると共に、挿入方向へのシャッタ板61の回転は規制されている。したがって、シャッタ板61はディスクの誤挿入を防ぐことができる。
【0067】
実施の形態1に係るディスク装置1によれば、シャッタ板61が起立して挿脱口11aを閉じる場合、シャッタストッパ55がシャッタ板61から突設されたストッパ当接部61aに当接し、シャッタ板61の排出方向への回転が規制される。そのため、回転中のディスクが突発的に破損した場合であっても、高速度で飛散するディスクの破片はシャッタ板61によって止められ、ディスク装置1外部に飛び出す可能性はない。したがって、ディスク装置1を使用するユーザの安全性は担保される。
【0068】
実施の形態1に係るディスク装置1によれば、シャッタ板61を横倒又は起立させるシャッタアーム53と、シャッタ板61の排出方向への回転を規制するシャッタストッパ55とは、別々の部材ではなく、共にシフタ連結レバー5に設けられている。そのため、ディスク装置1に係る機構の複雑化及び部品数の増大を抑制することができる。
また、シャッタアーム53及びシャッタストッパ55はシフタ連結レバー5に設けられているので、シャッタアーム53及びシャッタストッパ55の回転は、夫々シフタ連結レバー5の回転に連動する。すなわち、シャッタアーム53及びシャッタストッパ55へのモータ2の駆動力は、別系列の動作伝達機構を介して伝達されるのではない。そのため、ディスク装置1は、例えばディスクの排出時にちぐはぐな動作を回避することができる。ちぐはぐな動作とは、シャッタアーム53が正常に動作してシャッタ板61を排出方向へ回転しようとするが、シャッタストッパ55に不具合が生じてシャッタストッパ55がシャッタ板61の排出方向への回転を規制したままになる動作である。あるいは、ちぐはぐな動作とは、シャッタアーム53に不具合が生じてシャッタ板61は起立したままにもかかわらず、シャッタストッパ55は正常に動作してストッパ当接部61aから離反してしまう動作である。
【0069】
実施の形態1に係るディスク装置1では、シャッタ板61は回転して挿脱口11aを開閉するものであった。しかし、シャッタ板61は、回転して挿脱口11aを開閉するものに限られず、排出方向側から見て上下又は左右にスライド移動することにより挿脱口11aを開閉するものでもよい。そのためには、シフタ連結レバー5の回転動作を、シャッタ板61のスライド移動に変換する部材をディスク装置1に備えればよい。
【0070】
実施の形態2
実施の形態2は、実施の形態1におけるシャッタアーム53にシャッタストッパ55の機能を持たせ、シャッタストッパ55にシャッタアーム53の機能を持たせる形態に関する。
【0071】
図9及び図10は、実施の形態2に係るシフタ動作機構15を示す平面図である。図9は、シャッタ機構6が挿脱口11aを開いている状態を示している。図10は、シャッタ機構6が挿脱口11aを閉じている状態を示している。図9及び図10の白抜及び黒い太矢印は、各構成部の動作方向を示している。白抜矢印C1、黒い太矢印C3はシャッタ機構6が挿脱口11aを閉じる場合の各構成部材の動作方向を、白抜矢印O1、黒い太矢印O3はシャッタ機構6が挿脱口11aを開く場合の各構成部材の動作方向を示している。白抜矢印O1の方向は挿入方向と略同一であり、黒い太矢印C1の方向は排出方向と略同一である。
なお、白抜矢印C1、黒い太矢印C3、白抜矢印O1、黒い太矢印O3は、夫々図3及び図4の白抜矢印C1、黒い太矢印C3、白抜矢印O1、黒い太矢印O3とは逆向きである。従って、図6におけるシフタ連結レバー5の回転方向を示す白抜矢印C2、O2も、実施の形態2では逆向きになる。
【0072】
図11は、実施の形態2に係るシャッタ機構6の斜視図である。図11Aはシャッタ機構6が挿脱口11aを開いた状態を、図11Bはシャッタ機構6が挿脱口11aを閉じた状態を示している。白抜矢印C2はシャッタ機構6が挿脱口11aを閉じる場合のシャッタアーム53及びシャッタストッパ55の動作方向を、白抜矢印O2はシャッタ機構6が挿脱口11aを開く場合のシャッタアーム53及びシャッタストッパ55の動作方向を示している。
【0073】
シャッタアーム53は、シフタ連結レバー5の一部であり、サブレバー54から略水平に延設されている。サブレバー54に対するシャッタアーム53の付け根は、レバー51の上面よりもレバー51の肉厚程度高い位置へ屈曲している。シャッタアーム53は、この高い位置へ屈曲した付け根の先端から略水平に延設されている。シャッタアーム53は、支軸Pを中心に回転することにより、シャッタ機構6を動作させる。
【0074】
シャッタストッパ55は、ピン51aから支軸Pへ向かう直線方向側に向けて、略水平に延設されている。レバー51に対するシャッタストッパ55の付け根は、レバー51の下面よりもレバー51の肉厚程度低い位置へ屈曲している。シャッタストッパ55は、この低い位置へ屈曲した付け根の先端から略水平に延設されている。シャッタストッパ55の自由端部の位置は、シャッタアーム53の自由端部よりも支軸Pから遠い位置にある。
【0075】
シャッタ機構6のストッパ当接部61aは、シャッタ板61の長手方向と略同一の長手方向を有する略矩形の板状部材であり、シャッタ板61より小さい。ストッパ当接部61aは、排出方向側から見て起立した状態のシャッタ板61の下端部中央から、シャッタ板61に対して略直角かつ排出方向へ、略水平な状態で突設されている。
【0076】
図9及び図10に示すように、スイッチシフタ7の上面であって、かつ排出方向側から見てスイッチシフタ7の右端部には、ガイド溝7aが形成されている。ガイド溝7aは平面視略矩形をなし、その長手方向はスイッチシフタ7の長手方向と略同一である。
シフタ連結レバー5の下面から下方へ突設されたピン51aは、ガイド溝7aに遊嵌され、ガイド溝7aの側面を摺動するように構成されている。スイッチシフタ7は、ピン51aによりシフタ連結レバー5と遊着されている。スイッチシフタ7は、方向C2、O2へのシフタ連結レバー5の回転に連動して、ピン51aにより夫々方向C3、O3に押進される。方向C3、O3は、方向C1、O1に対して略直角である。
【0077】
排出方向側から見て、スイッチシフタ7の排出方向側の左側面の一部には、ピン溝7b、7cが形成されている。ピン溝7bは、排出方向側から見て略矩形をなし、スイッチシフタ7の長手方向に沿って形成されている。ピン溝7cは、排出方向側から見て略正方形をなす。ピン溝7cの大きさはローディング完了スイッチ8のスイッチピン8aの先端部と略同一であり、スイッチピン8aはピン溝7cに嵌入可能である。排出方向側のスイッチシフタ7側面には、ピン溝7b、7cのために挿入及び排出方向の段差が生じている。
【0078】
ローディング完了スイッチ8は、略直方体状のマイクロスイッチであり、スイッチシフタ7の排出方向側の側面と近接して対向する位置に配設されている。スイッチシフタ7と対向する、ローディング完了スイッチ8の挿入方向側の部分には、挿入方向へ向かってスイッチピン8aが突設されている。スイッチピン8aの先端部は丸みを帯びた側面を有し、先端に向かって細くなる形状に形成されている。
【0079】
シャッタ板61が挿脱口11aを開いた状態にある場合、スイッチピン8aはスイッチシフタ7のピン溝7cに嵌入している。シャッタ板61が挿脱口11aを閉じた状態にある場合、スイッチピン8aはスイッチシフタ7のピン溝7bに遊嵌されている。シフタ連結レバー5が回転可能な方向C2の端位置近くの所定位置まで方向C2へ向かって回転した場合、スイッチピン8aがピン溝7bに遊嵌されるように、ピン溝7b及びローディング完了スイッチ8は位置決めされている。
【0080】
次に、実施の形態2に係るディスク装置1のシフタ動作機構15の動作について説明する。
ユーザがディスクの一部を挿脱口11aからディスク装置1に挿入する場合、所定の位置までディスクが挿入されたことを検出する搬入開始スイッチが、ディスク装置1には備えられている。シャッタ板61が挿脱口11aを開いた状態にあり、搬入開始スイッチがディスクの挿入を検出した場合、搬入開始スイッチは制御部12へ所定の信号を送信する。搬入開始スイッチから所定の信号を受信した制御部12は、モータ2に回転を開始させる。回転によるモータ2の駆動力はギア3及びシフタ4を介してシフタ連結レバー5を方向C2へ回転させる。シフタ連結レバー5の方向C2への回転は、スイッチシフタ7を方向C3へ移動させる。
【0081】
図11Aに示すように、シャッタ板61が横倒して挿脱口11aが開かれた状態にある場合、シャッタ板61がばね65の付勢力により起立した状態に戻らないように、シャッタアーム53はシャッタ板61の上面と当接し、シャッタ板61を上方から係止している。
【0082】
シフタ連結レバー5が方向C2へ回転する場合、シフタ連結レバー5に設けられたシャッタアーム53も方向C2へ回転する。シャッタアーム53の方向C2への回転が継続する場合、シャッタアーム53はシャッタ機構6の軸部62よりも挿入方向側へ移動していく。図11Bに示すように、シャッタ板61は、シャッタアーム53がシャッタ板61から離反した場合、ばね65の付勢力により軸部62を中心に挿入方向へ回転して起立し、挿脱口11aを閉じる。
【0083】
シフタ連結レバー5が方向C2へ回転する場合、シフタ連結レバー5に設けられたシャッタストッパ55も方向C2へ回転する。
シャッタ板61が横倒した状態から起立した状態へ回転し、挿脱口11aが閉じられる状態になる直前に、シャッタストッパ55はストッパ当接部61aの直下に移動してくる。シャッタ板61が起立した状態になり、シャッタストッパ55が方向C2への回転可能な限界位置に達した場合、シャッタストッパ55の上面とストッパ当接部61aの下面とが当接する。そのため、シャッタ板61は、ストッパ当接部61aを介してシャッタストッパ55に係止されるので、排出方向に回転することができなくなる。
【0084】
スイッチシフタ7には、シフタ連結レバー5から動作が伝達される。シフタ連結レバー5が方向C2へ回転する場合、スイッチシフタ7は方向C3へ移動する。スイッチシフタ7が方向C3へ移動する場合、排出方向側から見てスイッチシフタ7のピン溝7cの左側面は、ピン溝7cに嵌入しているスイッチピン8aの先端部の湾曲した側面を排出方向へ押圧する。スイッチピン8aが押圧されたローディング完了スイッチ8は、いったんオフ状態になる。方向C3へのスイッチシフタ7の移動が継続し、スイッチピン8aがスイッチシフタ7のピン溝7bに遊嵌された場合、スイッチピン8aは押圧状態から開放状態になる。これにより、ローディング完了スイッチ8は再びオン状態になる。オン状態になったローディング完了スイッチ8は、ディスク回転駆動部13へのディスクの装着完了を示す信号を制御部12に送信する。ローディング完了スイッチ8からディスク回転駆動部13へのディスクの装着完了を示す信号を受け付けた制御部12は、ディスク回転駆動部13にディスクの回転を開始させる。制御部12は、光ピックアップ14を制御して、ディスクに対して情報の記録又は再生を行う。
【0085】
ユーザが、ディスク装置1を搭載した電子機器の操作部又はリモートコントローラ等を介して、制御部12にディスクの排出を指示した場合、制御部12はディスク回転駆動部13にディスクの回転を停止させ、モータ2に上記とは逆の回転を開始させる。この逆回転によるモータ2の駆動力はギア3及びシフタ4を介して、シフタ連結レバー5及びスイッチシフタ7に伝達される。シフタ連結レバー5の方向O2への回転は、スイッチシフタ7を方向O3へ移動させる。
【0086】
シフタ連結レバー5が方向O2へ回転する場合、シフタ連結レバー5に設けられたシャッタアーム53及びシャッタストッパ55も方向O2へ回転する。シャッタストッパ55の方向O2への回転が継続する場合、シャッタストッパ55はストッパ当接部61aの直下から方向O2へ回転し、ストッパ当接部61aから離反する。シャッタストッパ55により排出方向への回転が規制されていたシャッタ板61は、シャッタストッパ55による係止から解放され、排出方向への回転が可能になる。
シャッタストッパ55がストッパ当接部61aから離反する場合、方向O2へ回転を継続するシャッタアーム53の先端は起立した状態のシャッタ板61に挿入方向側から当接する。
【0087】
シャッタアーム53の方向O2への回転がさらに継続する場合、シャッタアーム53はシャッタ板61を排出方向に押圧する。シャッタアーム53から押圧されたシャッタ板61は、ばね65の付勢力に抗して軸部62を中心に排出方向に回転する。シャッタ板61は、シャッタアーム53の押圧によりさらに排出方向に回転して、略水平に横倒した状態になる。
【0088】
スイッチシフタ7が方向O3へ移動する場合、排出方向側から見てピン溝7bの右側面は、ピン溝7bに遊嵌されているスイッチピン8aの先端部の湾曲した側面を排出方向へ押圧する。これにより、ローディング完了スイッチ8はいったんオフ状態になる。シフタ連結レバーの方向O2への回転が継続し、挿脱口11aが開かれた場合、スイッチシフタ7は、ピン溝7cがスイッチピン8aと対向する位置まで移動する。スイッチピン8aがピン溝7cに嵌入し、押圧状態から開放状態になる場合、ローディング完了スイッチ8はオン状態になり、制御部12へ所定の信号を送信する。ローディング完了スイッチ8から所定の信号を受信した制御部12は、モータ2の逆回転を停止させる。
【0089】
モータ2の停止により、シフタ4、シフタ連結レバー5及びスイッチシフタ7の動作は停止する。このとき、図11Aに示すように、シャッタアーム53はシャッタ板61がばね65の付勢力により起立した状態に戻らないように、シャッタ板61の上面と当接し、シャッタ板61を上方から係止している。
【0090】
実施の形態2は以上の如き構成にしてあり、その他の構成及び作用は実施の形態1と同様であるので、対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0091】
実施の形態1又は2は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその精神又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0092】
1 ディスク装置
11 筐体
11a 挿脱口
13 ディスク回転駆動部
15 シフタ動作機構
2 モータ
3 ギア
4 シフタ
5 シフタ連結レバー
51、52 レバー
51a ピン
53 シャッタアーム
54 サブレバー
55 シャッタストッパ
6 シャッタ機構
61 シャッタ板
61a ストッパ当接部
62 軸部
63 シャッタ支持台
64 シャッタ支持板
65 ばね
7 スイッチシフタ
7a ガイド溝
7b、7c ピン溝
8 ローディング完了スイッチ
8a スイッチピン
20 ホルダ
20a 突出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスクを挿脱する挿脱口が開設された筐体と、
該筐体の内部に設けられたディスク回転駆動部と
を備え、
該ディスク回転駆動部に対してディスクを装着又は離脱させるディスク装置において、
前記挿脱口を開閉するシャッタと、
該シャッタの開閉を駆動するシャッタ駆動部材と、
該シャッタ駆動部材の動作に基づいて、前記ディスク回転駆動部へのディスクの装着完了を検出する検出手段と
を備える
ことを特徴とするディスク装置。
【請求項2】
前記検出手段は、
前記シャッタ駆動部材の動作に連動する連動部材と、
前記シャッタ駆動部材が前記シャッタを閉鎖する方向に所定位置まで動作する場合、前記連動部材の動作により前記ディスク回転駆動部へのディスクの装着完了を検出する検出部と
を有する
ことを特徴とする請求項1に記載のディスク装置。
【請求項3】
前記シャッタが挿脱口を閉じた状態で、前記シャッタの開放を規制する開放規制部材
を備える
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のディスク装置。
【請求項4】
前記開放規制部材は、前記シャッタ駆動部材に設けられている
ことを特徴とする請求項3に記載のディスク装置。
【請求項5】
前記シャッタ駆動部材は平板状をなし、前記ディスクの挿脱方向と略同一方向であって、該シャッタ駆動部材の面方向に位置する前記ディスク回転駆動部及びシャッタの間に配設されており、
前記開放規制部材は、前記シャッタ駆動部材から前記シャッタと対向する側に延設されている
ことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のディスク装置。
【請求項6】
前記開放規制部材は、自由端部が平板状をなし、
前記シャッタは、開放方向側に前記自由端部と当接可能な平面部を有する
ことを特徴とする請求項3から請求項5までのいずれか一項に記載のディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−108332(P2011−108332A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−263278(P2009−263278)
【出願日】平成21年11月18日(2009.11.18)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】