説明

ディスク装置

【課題】 搬送完了位置に至ったディスクをターンテーブルとクランパとで保持するときに発生する音を低減し、しかもクランプ完了までの時間が長引くのを防止できる「ディスク装置」を提供することを目的とする。
【解決手段】 右側切換え部材30aがY1方向へ移動するときに、クランプ支持部材12に設けられた持ち上げ片18が、クランプ制御部32の保持部32aから傾斜カム部32bに移行し、クランプ支持部材12が反時計方向へ回動し、クランパ27によってディスクがターンテーブルに押し付けられる。持ち上げ片18が傾斜カム部32bに至る前に、検知制御部35の切換え部35cによって可動部材50が動作させられ、可動部材50によって検知スイッチの出力が切換えられる。そのタイミングで、右側切換え部材30aの移動速度が低下し、クランパ26が急激に下降するのを防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筐体に設けられた挿入口からディスクが挿入されて搬入されるディスク装置に係り、特に切換え部材の移動力によってクランパが保持解除位置から保持位置へ移動させられるディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
以下の特許文献1などに記載されている車載用のディスク装置は、筐体に開口したスリット状の挿入口からディスクが挿入されて搬入されるいわゆるスロットイン方式を採用している。
【0003】
この種のディスク装置は、筐体の内部に、スピンドルモータによって回転させられるターンテーブルが設けられており、ターンテーブルにクランパが対向している。クランパはクランパ支持部材に回転自在に支持されており、クランパ支持部材は、クランプ付勢部材によって、クランパをターンテーブルに押圧する向きに付勢されている。筐体の内部に切換え部材が設けられており、ディスクの搬送が完了するまで、切換え部材に設けられた制御カム部によって、クランパがターンテーブルから離れる向きに保持されている。
【0004】
筐体の内部に搬入されるディスクの中心部がターンテーブルの中心に一致すると、モータの動力で前記切換え部材が移動させられる。切換え部材が移動すると、制御カム部によるクランパ支持部材の保持が解除され、クランプ付勢部材の付勢力によりクランパ支持部材が回動し、ターンテーブルとクランパとの間にディスクの中心部が挟持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−003334号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この種のディスク装置は、ターンテーブルとクランパとでディスクをしっかりと保持する必要があるため、前記クランプ付勢部材によって、クランプ支持部材が比較的大きな力で付勢されている。そのため、切換え部材が移動して、制御カムによるクランパ支持部材の保持が解除されると、クランパがターンテーブルに向けて勢い良く移動し、ターンテーブルにディスクがクランプされる際に、大きなクランプ音が発生する問題がある。
【0007】
クランプ音を低減させるためには、切換え部材の移動速度を低下させればよいが、この場合に、ディスクを挿入口から挿入してからターンテーブルでディスクの保持が完了するまでの時間が長くなる。また、切換え部材に設けられた制御カム部のカムの傾斜角度をなだらかにすることによって、クランパがターンテーブルに向けて移動する速度を低下させることもできる。しかし、この場合は、切換え部材の移動ストロークを長くすることが必要になり、限られた大きさの筐体内に切換え部材の移動スペースを確保するのが難しくなる。
【0008】
本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、ディスクが挿入口から挿入されてからターンテーブルに保持されるまでの時間を極端に長くする必要がなく、また切換え部材の移動ストロークを極端に長くする必要がなく、ディスクをクランプするときに発生する音を低減できるディスク装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、ディスクを挿入する挿入口と、前記挿入口から挿入されたディスクを搬送する搬送機構と、搬送完了位置に搬送されたディスクの中心部が設置されるターンテーブルと、前記ターンテーブルにディスクを保持させるクランパと、前記クランパをディスクを保持する保持位置に向けて付勢するクランプ付勢部材とを有するディスク装置において、
前記挿入口から挿入されたディスクの移動力によって非検知位置から検知位置へ動作させられる可動部材と、前記可動部材が非検知位置から検知位置に移動するときに非検知出力状態から検知出力状態に切換えられる挿入検知部材と、ディスクが搬送完了位置に至った後に、モータによって第1の方向へ移動させられる切換え部材とが設けられ、
前記切換え部材に、前記クランパを前記ターンテーブルから離れる位置に保持し第1の方向へ移動するときにその保持を解除して前記クランパを保持位置に移動させるクランプ制御部と、前記挿入検知部材が検知出力状態に切り換えられた後に前記可動部材の姿勢を制御する検知制御部とが設けられており、
前記検知制御部に、前記可動部材を検知位置から非検知位置へ移動させて前記挿入検知部材を検知出力状態から非検知出力状態に切換える切換え部が設けられており、前記切換え部によって前記挿入検知部材が検知出力状態から非検知出力状態に切換えられたときに、前記モータの回転出力が切換えられて、前記クランプ制御部で前記クランパの保持が解除されるときの前記切換え部材の移動速度が低下させられることを特徴とするものである。
【0010】
本発明のディスク装置は、少なくともクランパの保持を解除させる区間において、切換え部材の移動速度を低下させられるため、クランパがディスクをターンテーブルに保持させるときに発生する音を低減できる。また、クランパの保持を解除するまでは切換え部材の速度を速くできるため、ディスクが挿入されてから、ターンテーブルでのディスクの保持が完了するまでの時間が長引くことがない。またクランプ制御部のカムの形状を必要以上になだらかにする必要がないので、切換え部材の移動ストロークを極端に長くする必要がない。
【0011】
また、クランプ制御部とモータの出力を切換えるための検知制御部が同じ切換え部材に設けられ、ディスクが搬送完了位置に至った後に、切換え部材が動き出すので、ディスクの搬送の遅れなどの影響を受けることがなく、ディスクの保持動作とタイミングを合わせて切換え部材の速度を設定できる。
【0012】
また、可動部材で挿入検知部材を動作させて、モータの出力を切換えているので、モータの出力を切換えるためのスイッチを別個に設ける必要がなくなる。
【0013】
本発明は、前記切換え部材が第1の方向へ移動し、前記クランプ制御部によって前記クランパの保持が解除される直前に、前記切換え部で前記可動部材が動作させられて、前記切換え部材の移動速度が低下させられるものである。
【0014】
なお、本発明は、クランプ制御部によるクランパの保持が解除されるのと同時に切換え部材の移動速度が低下してもよいし、クランプ制御部によるクランパの保持の解除が開始された直後に、切換え部材の移動速度が低下してもよい。
【0015】
本発明は、前記検知制御部に複数の切換え部が設けられ、それぞれの切換え部で前記可動部材が検知位置から非検知位置へ移動させられて、前記挿入検知部材が検知出力状態から非検知出力状態に複数回切換えられ、前記クランパの保持が解除される前に、前記切換え部材の移動速度が段階的に低下させられるものとして構成できる。
【0016】
前記構成では、クランプ制御部によるクランパの保持が解除されるときの切換え部材の移動速度を比較的大幅に低下させることが可能になり、ディスクをクランプするときに発生する音を低減する効果を高めることができる。また、切換え部材の速度を急激に低下させる必要がないため、急激な速度の変化に伴う音の発生も防止しやすくなる。
【0017】
本発明は、前記ディスクが、搬送完了位置に至ったときに動作させられるトリガー部材が設けられており、
ディスクが挿入されたときに前記モータが始動し前記搬送機構が始動してディスクが搬送され、ディスクによって前記トリガー部材が動作させられたときに、前記モータの動力が前記切換え部材の第1の方向への移動力に切換えられるものとして構成できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明のディスク装置は、少なくともクランパの保持を解除させる区間において、切換え部材の移動速度を低下させられるため、クランパによってディスクをターンテーブルに保持させるときに発生する音を低減できる。また、ディスクが挿入されてから、ターンテーブルでのディスクの保持が完了するまでの時間が長引くことがなく、切換え部材の移動ストロークを極端に長くする必要もない。
【0019】
本発明は、ディスクをターンテーブルに保持する動作の開始タイミングと合わせて切換え部材の速度を低下させることができる。また、可動部材で挿入検知部材を動作させてモータの出力を切換えているので、モータの出力を切換えるためのスイッチを別個に設ける必要がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態のディスク装置の全体構造を示す斜視図、
【図2】図1の右側面図、
【図3】切換え部材に設けられたクランプ制御部と検知制御部の詳細を示す部分側面図、
【図4】ディスクが挿入口から挿入された直後の状態を示すディスク装置の平面図、
【図5】搬送ローラで搬入されるディスクが搬送完了位置に至った状態を示すディスク装置の平面図、
【図6】挿入検知部材の切換えとモータ出力の切換えとのタイミングを示す線図、
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の実施の形態のディスク装置は、DVD(デジタルバーサタイルディスク)やCD(コンパクトディスク)などの直径が12cmのディスクDが装填可能である。
【0022】
図4および図5に示すように、ディスク装置は、金属板から形成された筐体1を有している。車載用のディスク装置の場合、筐体1の大きさは、例えば1DINサイズまたは1/2DINサイズであり、筐体1は自動車の車室内のインストルメントパネルに埋設して設置される。
【0023】
図4および図5に示すように、筐体1は、Y1側に向く前面板2と、Y2側に向く後面板3と、X1側とX2側に向く側面板4,5を有している。また、筐体1は天井板と底板を有している。前面板2には、左右方向(X1−X2方向)に向けて細長い挿入口(図示せず)が開口している。筐体1の前面板2の前方に、合成樹脂で形成された化粧ノーズが取り付けられており、この化粧ノーズの前面に各種操作部材や表示装置が設けられている。化粧ノーズにノーズ部挿入口が開口しており、このノーズ部挿入口と前面板2に形成された挿入口を経て、ディスクDが筐体1の内部に向けて挿入される。
【0024】
筐体1の内部に、図1に示す機構ユニット10が収納されている。機構ユニット10は、底部側にドライブベース11を有し、上部側にクランプ支持部材12を有している。ドライブベース11とクランプ支持部材12は共に金属板を折り曲げて形成されている。ドライブベース11には、Y2側においてX1方向とX2方向へ延びる連結軸13が設けられており、クランプ支持部材12のY2側の端部が、連結軸13に回動自在に支持されている。
【0025】
図1と図2および図4と図5に示すように、筐体1の内部には、ドライブベース11を弾性的に支持する複数のダンパー15a,15b,15cが設けられている。これらダンパー15a,15b,15cは、弾性体の袋の内部にオイルが封入されて構成されている。ダンパー15a,15b,15cは、筐体1の内面に固定されており、ドライブベース11に固定された支持軸がそれぞれのダンパー15a,15b,15cに支持されている。機構ユニット10にディスクDが装填された後は、ドライブベース11が、ダンパー15a,15b,15cに弾性支持された状態で、ディスクDが回転駆動される。
【0026】
図2に示すように、ドライブベース11のY1側には、回転駆動部20が設けられている。回転駆動部20は、ドライブベース11の上に固定されたスピンドルモータと、スピンドルモータの回転軸に固定された合成樹脂製のターンテーブル23を有している。
【0027】
図1に示すように、ドライブベース11には光ヘッド25が搭載されている。光ヘッド25は、ドライブベース11に設けられたガイド機構によって移動自在に支持されているとともに、光ヘッド25を前記ガイド機構に沿って往復移動させるスレッド機構が設けられている。光ヘッド25は、スレッド機構によって、ターンテーブル23にクランプされたディスクDの記録面に沿って、ディスクDの半径方向に向けて移動させられる。
【0028】
図1に示すように、クランプ支持部材12のY1側の端部には、合成樹脂製のクランパ27が回動自在に支持されているとともに、クランパ27の回転軸を下方(Z2方向)へ押圧する板ばね26が設けられている。
【0029】
図1と図2に示すように、ドライブベース11のY2側の端部にはX1方向へ突出する突出片12aが一体に形成され、この突出片12aに、クランプ付勢部材であるトーションコイルばね17が取り付けられている。トーションコイルばね17の一方の腕部は、ドライブベース11に掛けられ、他方の腕部がクランプ支持部材12に掛けられて、クランプ支持部材12が、連結軸13を支点として、反時計方向へ常に付勢されている。すなわち、クランプ支持部材12は、クランパ27がターンテーブル23上に向けてディスクDを押圧する保持位置へ向けて常に回動付勢されている。
【0030】
図2と図3に示すように、クランプ支持部材12のX1側の端部にはY1側へ延び出る持ち上げ片18が一体に形成されている。持ち上げ片18のY1側の先部は、突側が下向きとなるようにV字形状に折り曲げられている。この持ち上げ片18に上方(Z1方向)への力を与えると、クランプ支持部材12がトーションコイルばね17の付勢力に対抗して時計方向へ回動させられ、クランパ27がターンテーブル23から離れる。
【0031】
図1と図4などに示すように、クランプ支持部材12の左右の側方には、下方に向けて突出する一対のストッパ部材16a,16bが設けられている。ストッパ部材16a,16bは、金属製のピンであり、筐体1の内部に搬入されたディスクDが搬送完了位置に至ると、その外周縁がストッパ部材16a,16aに当たり、ディスクDはその中心がターンテーブル23の中心に一致するように位置決めされる。
【0032】
図1と図3および図4に示すように、ドライブベース11には、X1側に右側切換え部材30aが設けられ、X2側に左側切換え部材30bが設けられている。図1と図3に示すように、右側切換え部材30aには前後方向(Y1−Y2方向)に延びる案内長穴31が開口している。ドライブベース11に案内軸19が固定されている。案内長穴31と案内軸19は、ひとつの右側切換え部材30aに複数組設けられているが、図1では1組のみ図示している。案内長穴31が案内軸19を摺動することで、右側切換え部材30aがY1−Y2方向へ往復移動可能である。同様に、左側切換え部材30bも、ドライブベース11のX2側の側部において前後方向へ往復移動可能に支持されている。
【0033】
図1に示すように、ドライブベース11の左後方にモータMが設けられている。このモータMの動力によって、後に説明する搬送機構40のローラ軸42が回転させられるとともに、左側切換え部材30bが前後方向へ駆動される。機構ユニット10には、左側切換部材30bの移動力を右側切換え部材30aに伝達されるリンク機構が設けられている。左側切換え部材30bがモータMの動力によってY1−Y2方向に移動させられると、その移動力が、リンク機構を介して右側切換え部材30aに伝達され、右側切換え部材30aと左側切換え部材30bとが同期してY1−Y2方向に移動させられる。
【0034】
図1と図2および図3は、ディスクDが挿入口に挿入されていない待機状態を示している。待機状態では、右側切換え部材30aと左側切換え部材30bが、共に後方(Y2方向)へ移動させられている。
【0035】
図4と図5に示すように、機構ユニット10のY2側に、トリガー部材14が設けられている。トリガー部材14は、ドライブベース11上に回動自在に支持されているアーム14Bと、このアーム14Bに固定された検知ピン14Aとを有している。
【0036】
ディスクDが挿入口から挿入されると、モータMによってローラ軸42が回転させられ、ローラ軸42に装着された搬送ローラ41の回転力によって、ディスクDが筐体1の内部に向けて搬送される。ディスクDが図5に示す搬送完了位置まで移動すると、このディスクDの外周縁で検知ピン14Aが押されてアーム14Bが反時計方向へ回動する。このとき、アーム14Bの回動力によって動力切換機構による動力の伝達経路が切換えられ、ローラ軸42へのモータMの動力の伝達が断たれるとともに、モータMの動力が、左側切換え部材30bに伝達され、左側切換え部材30bがY1方向へ向けて移動する。そして、右側切換え部材30aと左側切換え部材30bが同期してY1方向へ移動する。
【0037】
以下では、主に右側切換え部材30aについて説明する。右側切換え部材30aと左側切換え部材30bは同じ機能を発揮するものであり、左側切換え部材30bの形状および構造は、右側切換え部材30aと同等である。
【0038】
図1と図3に示すように、右側切換え部材30aにはクランプ制御部32が設けられている。クランプ制御部32は、保持部32aと、この保持部32aと連続して後方(Y2方向)に向かうにしたがって下方(Z2方向)へ傾斜する傾斜カム部32bとを有している。トーションコイルばね17で反時計方向へ付勢されているクランプ支持部材12に設けられた持ち上げ片18は、前記クランプ制御部32に常に押圧されている。
【0039】
図1と図3は待機状態を示しており、右側切換え部材30aが後方(Y2方向)へ移動しており、クランプ制御部32の保持部32aによって持ち上げ片18がZ1方向へ持ち上げられている。よって、クランプ支持部材12が時計方向へ回動させられて、クランパ27がターンテーブル23から上方へ離れた保持解除位置に設定されている。右側切換え部材30aが第1の方向である前方(Y1方向)へ移動すると、持ち上げ片18がクランプ制御部32の傾斜カム部32bを摺動し、クランプ支持部材12がトーションコイルばね17の弾性力によって反時計方向へ回動する。クランパ27によってディスクDの中心部がターンテーブル23に押し付けられ、ディスクDがターンテーブル23にクランプされる。
【0040】
図1と図3に示すように、右側切換え部材30aにはロックカム部33が設けられている。このロックカム部33は、前後方向に延びるロック長穴33aと、ロック長穴33aのY2側に連続する大きな直径の逃げ穴部33bとを有している。
【0041】
図1と図3に示すように、待機状態において、右側切換え部材30aがY2方向へ移動していると、筐体1の左右の側面板4,5の内面に固定された拘束軸(図示せず)が、ロック長穴33a内に保持される。このとき、機構ユニット10が、筐体1の内側において動くことなく拘束され、挿入口から搬入されたディスクDが、ターンテーブル23と、ターンテーブル23から離れているクランパ27との間の隙間内に移動しやすくなる。右側切換え部材30aがY1方向へ移動すると、クランパ27が下降してディスクDの中心部がクランプされるとともに、ロック長穴33aが前記拘束軸から外れ、拘束軸が逃げ穴部33bに移動する。このとき、機構ユニット10は筐体内1で拘束されず、ダンパー15a,15b,15cによって弾性支持される。ターンテーブル23にクランプされたディスクDが回転駆動される間に、外部振動がダンパー15a,15b,15cの振動として吸収されやすくなり、機構ユニット10に直接に影響を及ぼすことが防止される。
【0042】
図1と図2に示すように、挿入口と回転駆動部との間に搬送機構40が設けられている。
【0043】
搬送機構40では、搬送ローラ41のZ1側に対向する固定案内部43が設けられている。固定案内部43は、摩擦係数の小さい合成樹脂材料で形成されて、筐体1の天井板の下面に動かないように固定されている。図2に示すように、固定案内部43は、その下面43aがY1−Y2方向へ水平に延びる案内面となっている。
【0044】
搬送ローラ41は、合成ゴムなどの摩擦係数の大きな材料で円筒状に形成されており、金属製のローラ軸42の外周に装着されている。ローラ軸42の右端部と左端部はローラブラケット44に支持されている。
【0045】
ローラブラケット44は金属板で形成されている。図1と図2に示すように、ローラブラケット44は、X1側に形成された右側支持部44aおよびこの右側支持部44aのY1側の先部から上方へ延びる右側先部44bと、X2側に形成されている左側支持部44cおよびこの左側支持部44cのY1側の先部から上方へ延びる左側先部44dとを有している。
【0046】
右側先部44bに支持穴44eが開口し、左側先部44dに支持穴44fが開口している。支持穴44eと支持穴44fは、X1−X2軸と平行な軸線上に位置している。筐体1の左右の側面板4,5のそれぞれの内面には短い一対の支持軸45,45が固定されており、支持穴44e,44fがそれぞれの支持軸45,45に支持され、ローラブラケット44は、支持軸45,45を回動支点として回動自在に支持されている。ローラブラケット44と筐体の底板との間に引っ張りコイルばね(図示せず)が掛けられており、ローラブラケット44は常に図2における反時計方向へ付勢されている。
【0047】
図2に示すように、ローラブラケット44の右側支持部44aのY2側の端部に保持穴44gが形成され、左側支持部44cのY2側の端部にも同様に保持穴44gが開口している。ローラ軸42の左右両端部は、それぞれ保持穴44g,44g内に挿入されている。図1に示す待機状態では、図示しない引っ張りコイルばねの弾性力でローラブラケット44が反時計方向へ付勢されており、この付勢力によって、ローラ軸42が固定案内部43に押し付けられている。
【0048】
図4と図5に示すように、ローラ軸42のX2側の端部にピニオン歯車48が固定され、筐体1の左側(X2側)の側面板5の内側には、図1に示すモータMからの回転動力が与えられる駆動歯車49が設けられている。図1と図2に示すディスクDの挿入待機状態では、ローラブラケット44が反時計方向へ回動しているため、ピニオン歯車48が駆動歯車49と噛み合っている。よって、前記モータMの回転力が駆動歯車49からピニオン歯車48に伝達されて、ローラ軸42を回転することが可能となっている。
【0049】
図2に示すように、ローラブラケット44には、右側支持部44aの上縁と左側支持部44cの上縁とをつなぐ対向案内部44hが設けられている。対向案内部44hの上面の案内面44iは平坦面である。図2に示す待機状態では、案内面44iが、後方(Y2方向)に向かうにしたがって上方(Z1方向)へ持ち上がるように傾斜している。
【0050】
搬送機構40と、挿入口を有する前面板2との間に、可動部材50が設けられている。可動部材50は、固定案内部43と同じ低摩擦係数の合成樹脂材料で形成されており、その下面は平滑な案内面51である。案内面51は、ローラブラケット44に設けられた対向案内部44hの案内面44iに上方から対向している。
【0051】
図1に示すように、可動部材50の先部(Y1側)には、X1方向とX2方向へ突出する短い支持軸52,52が一体に形成されている。それぞれの支持軸52,52は、筐体の両側面板に設けられた軸受部に回動自在に支持されている。可動部材50はその自重と図示しないばね部材の付勢力によって、支持軸52,52を中心として時計方向へ回動付勢されている。可動部材50の上面には、支持軸52,52よりもY1側にストッパ部53が形成されている。可動部材50は、ストッパ部53が筐体1の天井板の下面に当たったときに、それ以上は時計方向へ回動しない回動限界となる。
【0052】
図2に示す待機状態では、可動部材50の下面の案内面51と対向案内部44hの案内面44iとの対向間隔が、挿入口側で広く、搬送ローラ41に向かうにしたがって徐々に狭くなっている。
【0053】
図1に示すように、固定案内部43の前端(Y1側の端部)には、X1−X2方向のほぼ中心部分に、内部に機械的な開閉接点を有する挿入検知部材である検知スイッチS1が固定されており、検知スイッチS1のアクチュエータSaがY1方向へ突出している。図1と図3に示すように、可動部材50のY2側の端部にスイッチ押圧部54が一体に形成されている。挿入されるディスクDによって可動部材50がばね部材の付勢力に対抗して反時計方向へ回動させられて検知位置に至ると、スイッチ押圧部54によってアクチュエータSaが押され検知スイッチS1の出力が、接点の開状態であるOFF(非検知出力状態)から接点が閉状態となるON(検知出力状態)に切り替えられる。
【0054】
図1と図3に示すように、右側切換え部材30aのY1側には、ローラ制御カム部34が設けられている。ローラ制御カム部34は、上側に形成された上側案内部34aと、それよりもY2側で且つ下側に形成された下側拘束部34bと、上側案内部34aと下側拘束部34bとに連続する傾斜案内穴34cとを有している。ローラ軸42のX1側の端部は、ローラ制御カム部34に摺動自在に挿入されている。
【0055】
図1と図3に示すように、右側切換え部材30aのY1側の端部には、検知制御部35が形成されている。検知制御部35は、Y1側の持ち上げ案内部35aとY2側に延びる保持案内部35bとを有している。持ち上げ案内部35aは、後方(Y2方向)へ向かうにしたがって徐々に上向きになる傾斜面であり、保持案内部35bは、Y1−Y2方向へ延びる水平な面である。図3に示すように、保持案内部35bのY2側には、凹状の切換え部35cが3箇所に形成されている。
【0056】
可動部材50の後端部(Y2側の端部)には、X1方向とX2方向へ突出する摺動突部55,55が一体に形成されている。前記可動部材50は図3において時計方向へ付勢されているので、摺動突部55は、検知制御部35のいずれかの箇所に圧接されている。図1と図3に示す待機状態から、右側切換え部材30aがY1方向へ移動すると、可動部材50に設けられた摺動突部55が、持ち上げ案内部35aから保持案内部35bに案内される。摺動突部55が保持案内部35bで案内されているときは、可動部材50が反時計方向へ回動した検知位置に保持され、スイッチ押圧部54によってアクチュエータSaが押されて、検知スイッチS1の出力が検知出力状態を維持する。
【0057】
さらに、右側切換え部材30aがY1方向へ移動すると、摺動突部55が3箇所の切換え部35cの凹部に順番に入り込む。摺動突部55が切換え部35cの凹部に入り込むと、可動部材50が時計方向へ回動して非検知位置となり、スイッチ押圧部54がアクチュエータSaから離れて、検知スイッチS1が一時的に非検知出力状態となる。
【0058】
図6(A)に示すように、摺動突部55が切換え部35cに入り込み、検知スイッチS1が非検知状態となる度に、制御部ではモータMに与えられる電圧が低下するように切換えられる。よって、図6(C)に示すように、クランプ支持部材12の持ち上げ片18が、クランプ制御部32の保持部32aから傾斜カム部32bに移行する前に、右側切換え部材30aのY1方向への移動速度が段階的に遅くなる。
【0059】
図4に示すように、挿入口と搬送ローラ41との間に光学検知部材71が設けられている。光学検知部材71は、検知光を発する発光素子と、検知光を受光する受光素子とが上下に対向して構成されている。挿入口から挿入されたディスクDが光学検知部71を横切ると、ディスク検知状態となる。
【0060】
次に、前記ディスク装置にディスクDを挿入するときの動作を説明する。
(ディスク挿入待機状態)
図1と図2および図3に示すように、ディスクDが挿入される前のディスク挿入待機状態では、右側切換え部材30aと左側切換え部材30bの双方がY2方向へ移動している。クランプ支持部材12に形成された持ち上げ片18は、右側切換え部材30aに設けられたクランプ制御部32の保持部32aの上に乗っており、クランプ支持部材12が時計方向へ回動させられて、クランパ27がターンテーブル23から上方へ離れている。
【0061】
ローラ軸42の右端部は、右側切換え部材30aに形成されたローラ制御カム部34の上側案内部34aに案内され、引っ張りコイルばねからローラブラケット44に作用する弾性力により、搬送ローラ41が固定案内部43に向けて付勢されている。
【0062】
右側切換え部材30aのY1側の端部に形成された検知制御部35の持ち上げ案内部35aは摺動突部55から離れており、可動部材50が時計方向へ回動して下向きに傾斜して非検知位置に設定されている。可動部材50に設けられたスイッチ押圧部54はアクチュエータSaから離れており、検知スイッチS1はOFF(非検知出力状態)である。
【0063】
(搬入動作)
図6(A)は、挿入検知部材である検知スイッチS1の動作を示し、ONが検知出力状態で、OFFが非検知出力状態である。図6(B)は光学検知部材71の動作を示し、ONはディスクDを検知している状態、OFFはディスクDを検知していない状態を示している。図6(C)は、モータMの出力を示し、縦軸は回転数を示している。
【0064】
図1と図2に示す待機状態で、挿入口からディスクDがY2方向へ挿入されると、ディスクDのY2側に向く周縁部が、可動部材50の案内面51と、その下に対向する対向案内部44hの案内面44iとの間に導かれる。待機状態では、可動部材50の案内面51と対向案内部44hの案内面44iとの間隔がY2側に向かうにしたがって徐々に狭くなっている。ディスクDが、図4の(i)に示す位置まで挿入されると、ディスクDの上面によって可動部材50が持ち上げられ、可動部材50のスイッチ押圧部54によってアクチュエータSaが持ち上げられて、検知スイッチS1の出力がOFF(非検知出力状態)からON(検知出力状態)に切り替えられる。図6はそのタイミングをT1で示している。
【0065】
このときに、図示しない制御部は、挿入口からディスクDが挿入されたことを認識する。
【0066】
ディスクDが図4に示す(ii)の位置まで挿入されると、ディスクDによって光学検知部材71の検知光が遮られ、光学検知部材71がONになる。図6ではそのタイミングをT2で示している。前記制御部では、光学検知部材71がOFFからONに切換えられると、モータMが始動させられる。このとき、図示しないモータドライバーで設定されるモータ駆動電圧が高く、モータMは比較的高速で回転する。モータMの回転力は、駆動歯車49から搬送機構40のピニオン歯車48に伝達され、ローラ軸42がディスク搬入方向へ回転させられる。
【0067】
ディスクDが搬送ローラ41と固定案内部43との間に導かれると、ディスクDが搬送ローラ41と固定案内部43の下面43aとの間に挟持され、さらに、搬送ローラ41の回転力によって筐体1の内方へ向けて搬入される。
【0068】
搬送されるディスクDの中心穴Daがターンテーブル23の中心よりもややY1側の位置まで搬入されると、ディスクDのY2側の外周縁によって、トリガー部材14を構成する検知ピン14AがY2方向に押圧され、アーム14Bが反時計方向に回動させられる。同時に、ディスクDの外周縁が、一対のストッパ部材16a,16bに当たり、ディスクDはクランプ可能位置である正常な搬送完了位置に位置決めされる。
【0069】
トリガー部材14のアーム14Bが反時計方向へ回動すると、モータMから駆動歯車49への動力伝達経路が遮断され、ローラ軸42の回転が停止する。モータMの動力は左側切換え部材30bを移動させる経路に切換えられ、左側切換え部材30bがY1方向への移動を開始し、これに同期して右側切換え部材30aが第1の方向であるY1方向への移動を開始する。
【0070】
右側切換え部材30aがY1方向へ移動すると、右側切換え部材30aのY1側の端部に設けられた検知制御部35の持ち上げ案内部35aによって摺動突部55が持ち上げられ、摺動突部55が保持案内部35bに導かれる。その後に、右側切換え部材30aがY1方向へ移動する間、可動部材50の摺動突部55が保持案内部35bを摺動する。このとき、可動部材50の下面の案内面51がほぼ水平に向けられ、案内面51が搬送中のディスクDと当たりにくくなる。
【0071】
図6(A)に示すように、右側切換え部材30aがY1方向へ移動して時刻T2から時刻T3に至る間は、摺動突部55が保持案内部35bを摺動し、可動部材30が、ほぼ水平姿勢の非検知位置に保持され、検知スイッチS1がONになった状態を継続する。時刻T3以後は、摺動突部55が、図3に示す3箇所の切換え部35cの凹部に入り込む。摺動突部55が切換え部35cの凹部に入り込むと、可動部材50が一時的に時計方向へ回動して非検知状態となる。よって、図6(A)に示すように、検知スイッチS1が短い時間に3回繰り返してOFF(非検知出力状態)になる。
【0072】
制御部では、T2において検知スイッチS1がONになった後に、検知スイッチS1がOFFになる度に、モータドライバーが制御されてモータMに与えられる電圧が切換えられる。その結果、図6(C)に示すように、検知スイッチS1がONからOFFに切換わる度に、モータMの出力が段階的に低下し、右側切換え部材30aがY1方向へ移動する速度が段階的に低下させられる。
【0073】
T5の時刻で右側切換え部材30aの移動速度が3回目に低下させられるが、その直後に、図3に示す持ち上げ片18が、クランプ制御部32の保持部32aから傾斜カム部32bに移行する。その後は、傾斜カム部32bと持ち上げ片18とが摺動し、クランプ支持部材12がトーションコイルばね17の付勢力によって、連結軸13,13を支点として反時計方向へ回動させられ、クランパ27がターンテーブル23に向けて下降する。
【0074】
図6(C)に示すように時刻T5の後は、右側切換え部材30aのY1方向への移動速度が最も低下させられているため、クランプ支持部材12が反時計方向へゆっくり回動し、ディスクDの中心穴Daがターンテーブル23とクランパ27とで挟持されるときに発生する音を低減できる。
【0075】
したがって、クランプ制御部32の傾斜カム部32bの傾斜角度を急角度にすることが可能になり、その分、右側切換え部材30aの移動ストロークを短くすることが可能になる。
【0076】
なお、右側切換え部材30aの速度が低下する時刻T5は、保持部32aと傾斜カム部32bとの境界部が、持ち上げ片18に至る直前であるか、または前記境界部が持ち上げ片18に至るのと同時が好ましい。ただし、時刻T5は、傾斜カム部32bが持ち上げ片18に至った直後であってもよい。
【0077】
また、検知制御部35に切換え部35cの凹部を1箇所のみ設け、時刻T5において、右側切換え部材30aの速度を急激に低下させてもよい。ただし、図6(C)に示すように右側切換え部材30aの速度を複数回にわたって段階的に低下させると、速度を急激に低下させるときの機構の衝撃音が発生するのを防止しやすくなる。
【0078】
右側切換え部材30aがY1方向へ移動して、クランプ支持部材12が反時計方向へ回動し、ディスクDの中心穴Daがターンテーブル23にクランプされるのとほぼ同時に、ローラ軸42の右端部が、右側切換え部材30aに設けられたローラ制御カム部34の上側案内部34aから傾斜案内穴34cへ案内され、さらに下側拘束部34bで拘束される。これにより、ローラブラケット44が時計方向へ回動させられて、ローラ軸42および搬送ローラ41が下降させられる。搬送ローラ41の上に乗っているディスクDは、搬送ローラ41と共に下降し、ディスクDの中心穴Daが、ターンテーブル23とクランパ27とで保持されて、ディスクDがクランプできるようになる。
【0079】
ディスクDの中心穴Daがターンテーブル23にクランプされ、搬送ローラ41がディスクDから下側へ離れた位置に拘束された後も、右側切換え部材30aがY1方向へ移動する。図6に示す時刻T6において、右側切換え部材30aがY1方向へ終端に移動したことが図示しないリミットスイッチで検知されるとモータMが停止し、右側切換え部材30aと左側切換え部材30bのY1方向への移動が停止する。
【0080】
なお、前記切換え部35cの凹部をさらにもう1箇所設け、クランパ27でディスクDがターンテーブル23にクランプされた後に、検知スイッチS1が短時間だけOFFになり、このときに右側切換え部材30aと左側切換え部材30bのY1方向への移動速度を速めてもよい。
【0081】
また、切換え部34cの形状として、時刻T2からT3まで検知スイッチS1がONであり、時刻T3からT4までの間に検知スイッチS1がOFFになり、時刻T4からT5の間に検知スイッチS1がONに戻り、時刻T5から検知スイッチS1がOFFになるように、凹部を形成してもよい。
【0082】
その後、ターンテーブル23が回転させて、ターンテーブル23にクランプされたディスクDを回転駆動し、光ヘッドでデータの再生や記録を行うことが可能になる。
【0083】
(搬出動作)
再生や記録動作が完了したディスクDを搬出するときは、モータMが逆転し、左側切換え部材30bと右側切換え部材30aがY2方向へ移動させられる。このときの左側切換え部材30bと右側切換え部材30aの移動は、図6(C)に示す最も速い一定の速度で移動する。この間、右側切換え部材30aのクランプ制御部32に設けられた傾斜カム部32bによって持ち上げ片18が持ち上げられてクランパ27がディスクから離れる。また、ローラ制御カム部34によってローラ軸42が持ち上げられて、搬送ローラ41と固定案内部43とでディスクDを挟持される。
【0084】
左側切換え部材30bと右側切換え部材30aがY2方向の終端まで移動させられたことが図示しないリミットスイッチで検知されると、モータMの動力伝達経路が、駆動歯車49に切換えられ、ピニオン歯車48が回転し、ローラ軸42が回転して、搬送ローラ41の回転力によって、ディスクDが挿入口に向けて搬出される。
【符号の説明】
【0085】
1 筐体
2 前面板
10 機構ユニット
14 トリガー部材
16a,16b 位置決め部材
18 持ち上げ片
20 回転駆動部
23 ターンテーブル
27 クランパ
30a 左側切換え部材
30b 右側切換え部材
32 クランプ制御部
32a 保持部
32b 傾斜カム部
35 検知制御部
35a 持ち上げ部
35b 保持案内部
35c 切換え部
40 搬送機構
41 搬送ローラ
42 ローラ軸
43 固定案内部
50 可動部材
54 スイッチ押圧部
71 光学検知部材
S1 検知スイッチ(挿入検知部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスクを挿入する挿入口と、前記挿入口から挿入されたディスクを搬送する搬送機構と、搬送完了位置に搬送されたディスクの中心部が設置されるターンテーブルと、前記ターンテーブルにディスクを保持させるクランパと、前記クランパをディスクを保持する保持位置に向けて付勢するクランプ付勢部材とを有するディスク装置において、
前記挿入口から挿入されたディスクの移動力によって非検知位置から検知位置へ動作させられる可動部材と、前記可動部材が非検知位置から検知位置に移動するときに非検知出力状態から検知出力状態に切換えられる挿入検知部材と、ディスクが搬送完了位置に至った後に、モータによって第1の方向へ移動させられる切換え部材とが設けられ、
前記切換え部材に、前記クランパを前記ターンテーブルから離れる位置に保持し第1の方向へ移動するときにその保持を解除して前記クランパを保持位置に移動させるクランプ制御部と、前記挿入検知部材が検知出力状態に切り換えられた後に前記可動部材の姿勢を制御する検知制御部とが設けられており、
前記検知制御部に、前記可動部材を検知位置から非検知位置へ移動させて前記挿入検知部材を検知出力状態から非検知出力状態に切換える切換え部が設けられており、前記切換え部によって前記挿入検知部材が検知出力状態から非検知出力状態に切換えられたときに、前記モータの回転出力が切換えられて、前記クランプ制御部で前記クランパの保持が解除されるときの前記切換え部材の移動速度が低下させられることを特徴とするディスク装置。
【請求項2】
前記切換え部材が第1の方向へ移動し、前記クランプ制御部によって前記クランパの保持が解除される直前に、前記切換え部で前記可動部材が動作させられて、前記切換え部材の移動速度が低下させられる請求項1記載のディスク装置。
【請求項3】
前記検知制御部に複数の切換え部が設けられ、それぞれの切換え部で前記可動部材が検知位置から非検知位置へ移動させられて、前記挿入検知部材が検知出力状態から非検知出力状態に複数回切換えられ、前記クランパの保持が解除される前に、前記切換え部材の移動速度が段階的に低下させられる請求項1または2記載のディスク装置。
【請求項4】
前記ディスクが、搬送完了位置に至ったときに動作させられるトリガー部材が設けられており、
ディスクが挿入されたときに前記モータが始動し前記搬送機構が始動してディスクが搬送され、ディスクによって前記トリガー部材が動作させられたときに、前記モータの動力が前記切換え部材の第1の方向への移動力に切換えられる請求項1ないし3のいずれかに記載のディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−222082(P2011−222082A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−90409(P2010−90409)
【出願日】平成22年4月9日(2010.4.9)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】