説明

ディスク装置

【課題】ディスク装置の生産コストを低減することを目的とする。
【解決手段】ローディング駆動信号部18からの信号で搬送モータ6を駆動させるための出力端子20が、ディスク1のローディング(搬送、または排出)時以外は、遊休端子となるのを利用し、切替信号部23によるスイッチ16、19の切替えによって、サーボモニタ信号部22を、スイッチ19、出力端子20を介してサーボモニタ端子21に接続することによって、動作確認を行うことが出来るようにしたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスクを回転駆動するディスク装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種、ディスク装置の構成は、以下のようになっていた。
【0003】
すなわち、ディスクを回転駆動するディスク駆動モータと、前記ディスクへの信号書き込みと、このディスクから信号の読み取りの少なくとも一方を行う光ピックアップと、この光ピックアップのトラバース駆動、および前記ディスク駆動モータ部分への前記ディスクの搬送、または前記ディスク駆動モータ部分からのディスクの排出を行う搬送モータと、前記ディスク駆動モータ、搬送モータ、および前記光ピックアップのトラッキング駆動部、フォーカス駆動部の駆動を行うモータドライバと、このモータドライバの制御を行う制御部とを備えた構成となっていた。
【0004】
また、前記制御部には、動作確認をするために活用する外部検出ポートを設けており、ここに検査用機器を接続するようになっている(たとえば、下記特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−338141号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記従来例における課題は、生産コストが高くなるということであった。
【0007】
すなわち、前記制御部は、半導体制御素子によって構成されているのであるが、上述したように検査用の外部検出ポートを別途設けることにすると、この制御部としての価格が高価なものとなり、その結果として上述したように生産コストが高くなってしまうのであった。
【0008】
そこで、本発明は生産コストを低下させることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そしてこの目的を達成するために本発明は、ディスクを回転駆動するディスク駆動モータと、前記ディスクへの信号書き込みと、このディスクから信号の読み取りの少なくとも一方を行う光ピックアップと、この光ピックアップのトラバース駆動、および前記ディスク駆動モータ部分への前記ディスクの搬送、または前記ディスク駆動モータ部分からのディスクの排出を行う搬送モータと、前記ディスク駆動モータ、搬送モータ、および前記光ピックアップのトラッキング駆動部、フォーカス駆動部の駆動を行うモータドライバと、このモータドライバの制御を行う制御部とを備え、前記制御部は、前記フォーカス駆動部の制御を行うフォーカス駆動信号部と、前記トラッキング駆動部の制御を行うトラッキング駆動信号部と、前記ディスク駆動モータの制御を行うディスク駆動信号部と、前記搬送モータのトラバース駆動制御を行うトラバース駆動信号部と、前記搬送モータのディスク搬送、またはディスク排出制御を行うローディング駆動信号部と、前記搬送モータのトラバース駆動とディスク搬送、またはディスク排出とを切替える切替信号部と、サーボモニタ信号部とを有し、前記ローディング駆動信号部とサーボモニタ信号部の出力側は、第一のスイッチの入力側に選択的に接続される構成とし、この第一のスイッチの出力側は出力
端子に接続し、この出力端子には、サーボモニタ端子と、第二のスイッチの第一の切替入力側に接続し、前記第二のスイッチの第二の切替入力側には前記トラバース駆動信号部を接続し、前記第二のスイッチの出力側には前記搬送モータを接続し、前記第一のスイッチと第二のスイッチは、前記切替信号部からの信号によって切替える構成とし、これにより、所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0010】
以上のように本発明は、ディスクを回転駆動するディスク駆動モータと、前記ディスクへの信号書き込みと、このディスクから信号の読み取りの少なくとも一方を行う光ピックアップと、この光ピックアップのトラバース駆動、および前記ディスク駆動モータ部分への前記ディスクの搬送、または前記ディスク駆動モータ部分からのディスクの排出を行う搬送モータと、前記ディスク駆動モータ、搬送モータ、および前記光ピックアップのトラッキング駆動部、フォーカス駆動部の駆動を行うモータドライバと、このモータドライバの制御を行う制御部とを備え、前記制御部は、前記フォーカス駆動部の制御を行うフォーカス駆動信号部と、前記トラッキング駆動部の制御を行うトラッキング駆動信号部と、前記ディスク駆動モータの制御を行うディスク駆動信号部と、前記搬送モータのトラバース駆動制御を行うトラバース駆動信号部と、前記搬送モータのディスク搬送、またはディスク排出制御を行うローディング駆動信号部と、前記搬送モータのトラバース駆動とディスク搬送、またはディスク排出とを切替える切替信号部と、サーボモニタ信号部とを有し、前記ローディング駆動信号部とサーボモニタ信号部の出力側は、第一のスイッチの入力側に選択的に接続される構成とし、この第一のスイッチの出力側は出力端子に接続し、この出力端子には、サーボモニタ端子と、第二のスイッチの第一の切替入力側に接続し、前記第二のスイッチの第二の切替入力側には前記トラバース駆動信号部を接続し、前記第二のスイッチの出力側には前記搬送モータを接続し、前記第一のスイッチと第二のスイッチは、前記切替信号部からの信号によって切替える構成としたものであるので、生産コストを低下させることが出来る。
【0011】
すなわち、本発明においては、前記切替信号部による切替え前の状態では、ローディング駆動信号部は、第一のスイッチ、出力端子、第二のスイッチを介して搬送モータに接続されているものを、前記切替信号部による第一のスイッチ、第二のスイッチの切替えによって、サーボモニタ信号部を、第一のスイッチ、出力端子を介してサーボモニタ端子に接続するものである。
【0012】
つまり、ローディング駆動信号部からの信号で搬送モータを駆動させるための出力端子が、前記ディスクのローディング(搬送、または排出)時以外は、遊休端子となるのを利用し、前記切替信号部による第一のスイッチ、第二のスイッチの切替えによって、サーボモニタ信号部を、第一のスイッチ、出力端子を介してサーボモニタ端子に接続することによって、動作確認を行うことが出来るようにしたものである。
【0013】
また、第二のスイッチを介して前記トラバース駆動信号部を搬送モータに接続することで、搬送モータをトラバース駆動するようにしたものである。
【0014】
そして、このような構成とすることにより、前記制御部を半導体集積素子によって構成した場合でも、動作確認専用の出力端子を設ける必要が無く、その結果として制御部としての価格を安価なものが活用でき、それによって、生産コストを低下させることができるのである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態のブロック図
【図2】同動作説明図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態を、添付図面を用いて説明する。
【0017】
(実施の形態1)
図1は、本発明の一実施形態を示し、1はディスクで、このディスク1はディスク駆動モータ2によって回転駆動されるようになっている。
【0018】
また、前記ディスク1への信号書き込みと、このディスク1から信号の読み取りは光ピックアップ3によって行われるようになっている。
【0019】
なお、光ピックアップ3のフォーカス制御は、フォーカス駆動部4にて行われるようになっており、またトラッキング制御はトラッキング駆動部5によって行われるようになっている。
【0020】
さらに、前記光ピックアップ3のトラバース駆動、および前記ディスク駆動モータ2部分への前記ディスク1の搬送、または前記ディスク駆動モータ2部分からのディスク1の排出は搬送モータ6によって行われるようになっている。
【0021】
さらにまた、前記ディスク駆動モータ2、搬送モータ6、および前記光ピックアップ3のトラッキング駆動部5、フォーカス駆動部4の駆動はモータドライバ7によって行われるようになっている。
【0022】
また、このモータドライバ7の制御は制御部8によって行われるようになっている。
【0023】
具体的には、制御部8内のフォーカス駆動信号部9は、モータドライバ7内の増幅器10を介してフォーカス駆動部4に接続されている。
【0024】
また、制御部8内のトラッキング駆動信号部11は、モータドライバ7内の増幅器12を介してトラッキング駆動部5に接続されている。
【0025】
さらに、制御部8内のディスク駆動信号部13は、モータドライバ7内の増幅器14を介してディスク駆動モータ2に接続されている。
【0026】
また、制御部8内のトラバース駆動信号部15は、モータドライバ7内のスイッチ16の端子16b、増幅器17を介して搬送モータ6に接続されている。
【0027】
さらに、制御部8内のローディング駆動信号部18は、スイッチ19の端子19a、出力端子20、モータドライバ7内のスイッチ16の端子16a、増幅器17を介して搬送モータ6に接続されている。
【0028】
また、出力端子20には、制御部8、モータドライバ7外に設けたサーボモニタ端子21が接続されている。
【0029】
さらに、制御部8内のサーボモニタ信号部22は、スイッチ19の端子19b、出力端子20、モータドライバ7内のスイッチ16の端子16a、増幅器17を介して搬送モータ6に接続されている。
【0030】
また、ここにおいても、出力端子20には、制御部8、モータドライバ7外に設けたサーボモニタ端子21が接続されている。
【0031】
さらに、制御部8内の切替信号部23は、スイッチ19を端子19aから19bに、またスイッチ16を端子16aから16bに切替えるものである。
【0032】
以上の構成において、図2(d)のごとく、ローディング駆動信号部18から駆動信号が発せられると、スイッチ19の端子19a、出力端子20、モータドライバ7内のスイッチ16の端子16a、増幅器17を介して搬送モータ6に動作指示がなされ、その結果として、図2(b)のA、Cのごとく搬送モータ6が駆動され、ディスク1がディスク駆動モータ2部に搬送、またはディスク駆動モータ2部からディスク1が排出される。
【0033】
続いて、図2(a)のごとく、切替信号部23からの切替信号(LからH)により、スイッチ19が端子19aから19bに、またスイッチ16が端子16aから16bに切替わると、図2(c)のごとく、トラバース駆動信号部15からの信号がスイッチ16の端子16bから増幅器17に供給され、これにより図2(b)のBのごとく搬送モータ6はトラバース駆動される。
【0034】
また、サーボモニタ信号部22は、スイッチ19の端子19b、出力端子20を介してサーボモニタ端子21に接続されているので、図2(e)のサーボモニタ信号は、図2(f)から理解されるように、サーボモニタ端子21を介してモニタすることが出来る。
【0035】
図2において特徴的なのは、(d)(e)のごとく、制御部8の出力端子20は、本来、ローディング駆動信号部18からの信号をモータドライバ7に伝える時のみ、つまりディスク1のローディング(図2(d)のAの搬送、または図2(d)のCの排出)時以外は遊休端子となるので、この出力端子20を利用し、サーボモニタ端子21を介してサーボモニタ信号(動作確認)が出来るようにしたことである。
【0036】
つまり、前記制御部8は半導体集積素子によって構成されているが、本実施形態においては、動作確認専用の出力端子を設ける必要が無く、その結果として制御部8としての価格を安価なものが活用でき、それによって、生産コストを低下させることができるのである。
【産業上の利用可能性】
【0037】
以上のように本発明は、ローディング駆動信号部からの信号で搬送モータを駆動させるための出力端子が、前記ディスクのローディング(搬送、または排出)時以外は、遊休端子となるのを利用し、前記切替信号部による第一のスイッチ、第二のスイッチの切替えによって、サーボモニタ信号部を、第一のスイッチ、出力端子を介してサーボモニタ端子に接続することによって、動作確認を行うことが出来るようにしたものである。
【0038】
また、第二のスイッチを介して前記トラバース駆動信号部を搬送モータに接続することで、搬送モータをトラバース駆動するようにしたものである。
【0039】
そして、このような構成とすることにより、前記制御部を半導体集積素子によって構成した場合でも、動作確認専用の出力端子を設ける必要が無く、その結果として制御部としての価格を安価なものが活用でき、それによって、生産コストを低下させることができるのである。
【0040】
したがって、例えば、車載用のディスク装置としての活用が期待されるものとなる。
【符号の説明】
【0041】
1 ディスク
2 ディスク駆動モータ
3 光ピックアップ
4 フォーカス駆動部
5 トラッキング駆動部
6 搬送モータ
7 モータドライバ
8 制御部
9 フォーカス駆動信号部
10,12,14,17 増幅器
11 トラッキング駆動信号部
13 ディスク駆動信号部
15 トラバース駆動信号部
16,19 スイッチ
16a、16b,19a,19b 端子
18 ローディング駆動信号部
20 出力端子
21 サーボモニタ端子
22 サーボモニタ信号部
23 切替信号部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスクを回転駆動するディスク駆動モータと、前記ディスクへの信号書き込みと、このディスクから信号の読み取りの少なくとも一方を行う光ピックアップと、この光ピックアップのトラバース駆動、および前記ディスク駆動モータ部分への前記ディスクの搬送、または前記ディスク駆動モータ部分からのディスクの排出を行う搬送モータと、前記ディスク駆動モータ、搬送モータ、および前記光ピックアップのトラッキング駆動部、フォーカス駆動部の駆動を行うモータドライバと、このモータドライバの制御を行う制御部とを備え、前記制御部は、前記フォーカス駆動部の制御を行うフォーカス駆動信号部と、前記トラッキング駆動部の制御を行うトラッキング駆動信号部と、前記ディスク駆動モータの制御を行うディスク駆動信号部と、前記搬送モータのトラバース駆動制御を行うトラバース駆動信号部と、前記搬送モータのディスク搬送、またはディスク排出制御を行うローディング駆動信号部と、前記搬送モータのトラバース駆動とディスク搬送、またはディスク排出とを切替える切替信号部と、サーボモニタ信号部とを有し、前記ローディング駆動信号部とサーボモニタ信号部の出力側は、第一のスイッチの入力側に選択的に接続される構成とし、この第一のスイッチの出力側は出力端子に接続し、この出力端子には、サーボモニタ端子と、第二のスイッチの第一の切替入力側に接続し、前記第二のスイッチの第二の切替入力側には前記トラバース駆動信号部を接続し、前記第二のスイッチの出力側には前記搬送モータを接続し、前記第一のスイッチと第二のスイッチは、前記切替信号部からの信号によって切替える構成としたディスク装置。
【請求項2】
前記切替信号部による切替え前の状態では、ローディング駆動信号部は、第一のスイッチ、出力端子、第二のスイッチを介して搬送モータに接続した請求項1に記載のディスク装置。
【請求項3】
前記切替信号部による第一のスイッチ、第二のスイッチの切替えによって、サーボモニタ信号部を、第一のスイッチ、出力端子を介してサーボモニタ端子に接続すし、かつトラバース駆動信号部を、第二のスイッチを介して搬送モータに接続する構成とした請求項2に記載のディスク装置。
【請求項4】
前記制御部は、半導体集積素子によって構成した請求項1から3のいずれか一つに記載のディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−164377(P2012−164377A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−22375(P2011−22375)
【出願日】平成23年2月4日(2011.2.4)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】