説明

ディスク装置

【課題】より一層の薄型化及び小型化を実現することができるディスク装置を提供する。
【解決手段】ディスクが再生可能位置に搬送されたときにそれぞれ移動を開始する一対のスライドカム部材16,18と、クランパを支持するクランパ支持部41bをそれぞれ有する一対のクランパリフタ23a、23bと備え、一対のクランパリフタは、一対のスライドカム部材の移動に連動して、ディスク装置の厚み方向に対して直交する水平方向において互いに反対方向に移動し、且つ互いに反対方向に移動を開始するタイミングが互いに異なるように構成され、クランパ支持部は、一対のクランパリフタの互いに反対方向への移動に伴いクランパの外周部に当接してクランパをディスク装置の厚み方向に移動させる傾斜面を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスク装置に関し、特に、挿入されたディスクをターンテーブルに対向する位置で検出してクランパにより再生可能な装着状態とするディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ディスク装置のより一層の薄型化及び小型化が求められており、薄型化及び小型化の実現のための様々な提案がなされている。この種のディスク装置としては、例えば、特許文献1(特開平11−213496号公報)、特許文献2(特開平10−92077号公報)、及び特許文献3(特開2008−226333号公報)に開示された装置がある。
【0003】
特許文献1には、一対のクランパ支持部材がターンテーブルから離れるように装置の厚み方向に回動することにより、クランパをターンテーブルから離すように構成されたディスク装置が開示されている。また、特許文献1には、クランパをターンテーブルから離すとき、クランパの一方の側を先にターンテーブルから離し、その後にクランパの他方の側をターンテーブルから持ち上げるように、一対のクランパ支持部材を、時間差を持たせて動作させることが開示されている。。
【0004】
また、特許文献2には、左右一対のクランパ支持板が互いに近づくように水平方向に移動されたとき、当該移動に伴って左右一対のクランパ支持板がターンテーブルから離れるように装置の厚み方向に回動し、クランパをターンテーブルから離すように構成されたディスク装置が開示されている。
【0005】
また、特許文献3には、一対のクランパ引離し手段の互いに対向する端部がテーパ状に形成され、当該端部がターンテーブルから離れるように装置の厚み方向に回動することにより、クランパをターンテーブルから引き離すように構成されたディスク装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−213496号公報
【特許文献2】特開平10−92077号公報
【特許文献3】特開2008−226333号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1〜3のディスク装置は、いずれも、クランパに当接してクランパをターンテーブルから離す部材が装置の厚み方向に回動するように構成されている。このため、当該部材が回動するスペースが必要であり、ディスク装置の薄型化及び小型化には限界がある。
【0008】
従って、本発明の目的は、前記問題を解決することにあって、より一層の薄型化及び小型化を実現することができるディスク装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
本発明によれば、筐体内の再生可能位置に搬送されたディスクを、クランパとターンテーブルとの間に挟み込んで再生可能なクランプ状態とするディスク装置であって、
前記ディスクが再生可能位置に搬送されたことを検出することによりこの検出に連動してそれぞれ移動を開始する一対のスライドカム部材と、
前記クランパを支持するクランパ支持部をそれぞれ有する一対のクランパリフタと、
備え、
前記一対のクランパリフタは、前記一対のスライドカム部材の移動に連動して、前記ディスク装置の厚み方向に対して直交する水平方向において互いに反対方向に移動し、且つ当該互いに反対方向に移動を開始するタイミングが互いに異なるように構成され、
前記一対のクランパリフタのそれぞれのクランパ支持部は、前記一対のクランパリフタの前記互いに反対方向への移動に伴い前記クランパの外周部に当接して前記クランパを前記ディスク装置の厚み方向に移動させる傾斜面を有する、ディスク装置を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明のディスク装置によれば、前記一対のクランパリフタが前記ディスク装置の厚み方向に対して直交する水平方向において互いに反対方向に移動するように構成されているので、前記一対のクランパリフタが回動するスペースが不要である。従って、より一層の薄型化及び小型化を実現することができる。
【0011】
ここで、前記一対のクランパリフタを前記互いに反対方向に同時に移動させた場合には、前記クランパが前記ディスクと衝突し、強い衝撃力や衝撃音が生じるおそれがある。
これに対し、本発明のディスク装置によれば、前記一対のクランパリフタが移動を開始するタイミングが互いに異なるように構成されると共に、前記クランパ支持部が前記傾斜面を有しているので、前記クランパが前記ディスクに接触するときの衝撃力及び衝撃音を和らげることができる。また、前記クランパを前記ディスクから離すときに要する負荷を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1実施形態にかかるディスク装置の本体とディスクを示す外観斜視図である。
【図2】図1のディスク装置の分解斜視図である。
【図3】メカシャーシに取り付けられる各部品の取付状態を示す上面図である。
【図4】図1のディスク装置内に大径ディスクを挿入した直後の状態を示す上面図である。
【図5】図1のディスク装置内に挿入された大径ディスクを再生可能位置へ搬送する途中の状態を示す上面図である。
【図6】図1のディスク装置内に挿入された大径ディスクが再生可能位置に搬送された状態を示す上面図である。
【図7】一対のローラアームと一対のリンクアームとの取付状態を示す上面図である。
【図8A】一対のローラアームが互い近づく方向に回転した状態を示す下面図である。
【図8B】一対のローラアームが互いに遠ざかる方向に回転した状態を示す下面図である。
【図9】アッパーベースに関連する部品の構成を示す分解斜視図である。
【図10】図9の各部品をアッパーベースに取り付けた状態を示す下面図である。
【図11】大径ディスク挿入時の、スライドカム部材に形成された係合部に対するトリガレバーのスライドカム押圧部の相対的な移動軌跡を示す上面図である。
【図12】大径ディスクがセンタリング部材の位置決め当接部に当接した状態を示す上面図である。
【図13】図12に示す状態から、トリガレバーが大径ディスクに押圧されてディスク搬送方向に対して直角方向に移動した状態を示す上面図である。
【図14】図13に示す状態から、トリガレバーが更に大径ディスクに押圧されて回動し、トリガレバーのスライドカム押圧部がスライドカム部材の第2係合部に当接した状態を示す上面図である。
【図15】大径ディスクが再生可能位置まで搬入された状態を示す上面図である。
【図16】大径ディスクの装着動作が完了した状態を示す上面図である。
【図17】小径ディスク挿入時の、スライドカム部材に形成された係合部に対するトリガレバーのスライドカム押圧部の相対的な移動軌跡を示す上面図である。
【図18】小径ディスクがセンタリング部材の位置決め当接部に当接した状態を示す上面図である。
【図19】図18に示す状態から、センタリング部材が小径ディスクに押圧され、小径ディスクがトリガレバーの当接部に当接した状態を示す上面図である。
【図20】小径ディスクが再生可能位置まで搬入された状態を示す上面図である。
【図21】小径ディスクの装着動作が完了した状態を示す上面図である。
【図22】再生可能位置に搬送された大径ディスクに対するスライドカム部材とセンタリング部材とトリガレバーの位置関係と、再生可能位置に搬送された小径ディスクに対するスライドカム部材とセンタリング部材とトリガレバーの位置関係を示す図である。
【図23】スライドカム部材の斜視図である。
【図24A】ターンテーブルが下降した状態にあるときの中間シャーシと一対のスライドカム部材との位置関係を示す斜視図である。
【図24B】ターンテーブルが下降した状態にあるときの中間シャーシと一対のスライドカム部材との位置関係を示す斜視図である。
【図25】ターンテーブルが下降した状態にあるときの一対のスライドカム部材とリンクアームとの位置関係を示す上面図である。
【図26A】ターンテーブルが上昇した状態にあるときの中間シャーシと一対のスライドカム部材との位置関係を示す斜視図である。
【図26B】ターンテーブルが上昇した状態にあるときの中間シャーシと一対のスライドカム部材との位置関係を示す斜視図である。
【図27】ターンテーブルが上昇した状態にあるときの一対のスライドカム部材とリンクアームとの位置関係を示す上面図である。
【図28】ターンテーブルが下降した状態にあるときの一対のスライドカム部材とリンクアームとクラッチプレートの位置関係を示す下面図である。
【図29】ターンテーブルが上昇した状態にあるときの一対のスライドカム部材とリンクアームとクラッチプレートの位置関係を示す下面図である。
【図30】クラッチプレートの斜視図である。
【図31】ディスク搬送動作前におけるクラッチプレートに関連する部品の位置関係を示す上面図である。
【図32】ディスク装着動作中におけるクラッチプレートに関連する部品の位置関係を示す上面図である。
【図33】ディスク装着動作完了後におけるクラッチプレートに関連する部品の位置関係を示す上面図である。
【図34】クランパとアッパーベースと一対のクランパリフタの構成を示す分解斜視図である。
【図35A】クランパが一対のクランパリフタのクランパのクランパ支持部に支持された状態を示す上面図である。
【図35B】図35Aに示す状態におけるクランパに関連する部品の断面図である。
【図36A】ディスクをクランプ状態にする前の待機状態における一対のクランパリフタと一対のスライドカム部材との係合関係を示す上面図である。
【図36B】図36Aに示す状態におけるクランパに関連する部品断面図である。
【図36C】図36Bの部分拡大断面図である。
【図37A】ディスクをクランプ状態にする途中の状態におけるクランパと一対のクランパリフタの上面図である。
【図37B】図37Aに示す状態におけるクランパと一対のクランパリフタの断面図である。
【図37C】図37Bの部分拡大断面図である。
【図38A】ディスクをクランプ状態にしたときのクランパと一対のクランパリフタの上面図である。
【図38B】図38Aに示す状態におけるクランパと一対のクランパリフタの断面図である。
【図38C】図38Bの部分拡大断面図である。
【図39】本発明の第2実施形態にかかるディスク装置のクランパと一対のクランパリフタとの位置関係を示す斜視図である。
【図40A】本発明の第2実施形態にかかるディスク装置において、ディスクをクランプ状態にする前の待機状態におけるクランパと一対のクランパリフタとの位置関係を示す上面図である。
【図40B】図40Aに示す状態におけるクランパと一対のクランパリフタの断面図である。
【図40C】図40Bの部分拡大断面図である。
【図41A】本発明の第2実施形態にかかるディスク装置において、ディスクをクランプ状態にしたときのクランパと一対のクランパリフタとの位置関係を示す上面図である。
【図41B】図41Aに示す状態におけるクランパと一対のクランパリフタの断面図である。
【図41C】図41Bの部分拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の第1態様によれば、筐体内の再生可能位置に搬送されたディスクを、クランパとターンテーブルとの間に挟み込んで再生可能なクランプ状態とするディスク装置であって、
前記ディスクが再生可能位置に搬送されたことを検出することによりこの検出に連動してそれぞれ移動を開始する一対のスライドカム部材と、
前記クランパを支持するクランパ支持部をそれぞれ有する一対のクランパリフタと、
備え、
前記一対のクランパリフタは、前記一対のスライドカム部材の移動に連動して、前記ディスク装置の厚み方向に対して直交する水平方向において互いに反対方向に移動し、且つ当該互いに反対方向に移動を開始するタイミングが互いに異なるように構成され、
前記一対のクランパリフタのそれぞれのクランパ支持部は、前記一対のクランパリフタの前記互いに反対方向への移動に伴い前記クランパの外周部に当接して前記クランパを前記ディスク装置の厚み方向に移動させる傾斜面を有する、ディスク装置を提供する。
【0014】
本発明の第2態様によれば、前記傾斜面は、前記ディスク装置の厚み方向の寸法が、前記クランパの厚み方向の寸法よりも小さくなるように形成されている、第1態様に記載のディスク装置を提供する。
【0015】
本発明の第3態様によれば、前記クランパリフタは、前記ターンテーブルの上方に配置されたシャーシに摺動可能に配置され、
前記シャーシには、前記ターンテーブルと対向する位置に前記クランパの一部が通過可能な開口部が形成され、
前記クランパリフタの前記カム軸及び前記クランパ支持部を除く部分の厚みに前記シャーシの厚みを加えた厚みが、前記クランパの厚みとほぼ等しくなるように構成されている、第1又は2態様に記載のディスク装置を提供する。
【0016】
本発明の第4態様によれば、前記シャーシは、前記開口部の周辺部に、前記クランパが前記水平方向に移動することを規制する複数の規制片を有している、第3態様に記載のディスク装置を提供する。
【0017】
本発明の第5態様によれば、前記規制片は、少なくとも一つが前記筐体の内面に当接して、前記シャーシと前記筐体の内面との間に、前記一対のクランパリフタの前記反対方向の移動を許容する一定の空間を形成する、第4態様に記載のディスク装置を提供する。
【0018】
本発明の第6態様によれば、前記一対のスライドカム部材には、前記ターンテーブルを昇降させる昇降カムと、前記一対のクランパリフタを移動させるリフタカムとが形成され、
前記一対のクランパリフタはそれぞれ、前記リフタカムに係合されるカム軸を有する、
第1〜5態様のいずれか1つに記載のディスク装置を提供する。
【0019】
本発明の第7態様によれば、前記一対のスライドカム部材の一連の移動に連動して、前記昇降カムにより前記ターンテーブルが昇降される動作と、前記リフタカムにより前記一対のクランパリフタが前記互いに反対方向に移動される動作とが行われる、第6態様に記載のディスク装置を提供する。
【0020】
本発明の記述を続ける前に、添付図面において同じ部品については同じ参照符号を付している。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0021】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態にかかるディスク装置について説明する。図1は、本第1実施形態にかかるディスク装置とディスクを示す外観斜視図である。図2は、図1のディスク装置の分解斜視図である。図3は、図1のディスク装置が備えるメカシャーシに取り付けられる各部品の取付状態を示す上面図である。ここでは、便宜上、図1の上側を本ディスク装置の上側とし、図1の下側を本ディスク装置の下側として説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、本ディスク装置は90°傾けて配置されてもよいものである。すなわち、本ディスク装置は、図1に示すように水平配置されることに限定されるものではなく、垂直配置等されてもよい。
【0022】
図1において、本ディスク装置は、装置の外郭となる筐体300を構成する上カバー1と下カバー2とを備えている。上カバー1の正面には、ディスク挿入及び排出用開口部1aが設けられている。開口部1aは、防塵カバー3により塞がれている。防塵カバー3は、フェルト等の弾性シート3aを備えている。弾性シートのほぼ中央部(開口部1aと対向する位置)には、大径ディスク100及び小径ディスク200が通過可能なスリット3bが形成されている。大径ディスク100又は小径ディスク200の先端部が防塵カバー3を弾性変形させながらスリット3b及び開口部1aを通じて筐体300内に挿入されることにより、筐体300内に配置された後述するディスク搬送機構が駆動し、大径ディスク100又は小径ディスク200が再生可能位置まで搬送される。ここで、大径ディスク100とは、例えば、規格直径12cmのディスクである。小径ディスク200とは、例えば、規格直径8cmのディスクである。以下、大径ディスクと小径ディスクとに共通する事項の説明であり、それらを特に区別する必要がないときは、それらを『ディスク』と記載する。
【0023】
筐体300の内部において開口部1aの近傍には、ディスクの上側をガイドする上ガイド4と、ディスクの下側をガイド部5aでガイドするローラベース5とが設けられている。ローラベース5は、ディスクを筐体300の内部に搬送する、ガイド及び駆動力伝達部として機能する一対のローラアーム7a,7bを回動自在に保持している(図4参照)。ローラアーム7aには、一対のゴムローラ6a,6bが回動自在に設けられている。ローラアーム7bには、一対のゴムローラ6c,6dが固定されている。ゴムローラ6aは、ローラギア6eと一体的に設けられている(図2参照)。ゴムローラ6bは、ローラギア6fと一体的に設けられている。
【0024】
また、ローラアーム7aには、ギア8a〜8cで構成されるギア列8が設けられている(図7参照)。ギア8cは、図3に示すギア10a〜10eで構成されるギア列10のうちのギア10aと噛み合っている。ギア10eは、駆動源の一例であるモータ9が備えるウォームギア9aと噛み合っている。従って、モータ9の駆動力は、ウォームギア9a及びギア列10のギア10e−10d−10c−10b及びギア10aを介してギア列8に伝達されるようになっている。また、ギア10fはギア10dの下側歯車と噛み合っているため、駆動力は同時に伝達されるようになっており、このギア10fと同軸にピニオン10gが一体的に形成されている。ピニオン10gは、後述するスライドカム部材16に設けられたラック30と噛み合い可能に構成されているが、ディスクが挿入されていない初期状態ではピニオン10gはラック30と噛み合っていない状態である。また、ギア10cは、クラッチプレート11に回動自在に軸支されており、クラッチプレート11は、上下方向(厚み方向ともいう)を回動軸として回動可能に設けられている。このクラッチプレート11の回動は、後述するように、スライドカム部材16が矢印A2方向に摺動することにより行われるようになっている。そして、クラッチプレート11の回動により、ギア10cが移動してギア10bとの噛み合いが切り離され、駆動力の伝達はギア10f及び同軸のピニオン10gにのみ伝達されるようになっている。ローラベース5、ギア列8、モータ9、及びギア列10は、筐体300内に配置されるメカシャーシ12に、必要に応じて回動自在又は摺動可能に保持されている。
【0025】
また、図2に示すように、筐体300の内部には、ディスクを載置するターンテーブル13と、光ピックアップ14を有するトラバース15とが配置されている。ターンテーブル13は、ディスクを回転させる回転力を発生させるスピンドルモータ(図示せず)と一体的に構成されている。トラバース15は、上下方向に回動可能に構成されるとともに、メカシャーシ12に一定の弾性をもってフローティング支持されている。トラバース15の回動により、再生可能位置に搬送されたディスクをターンテーブル13に装着することができる。
【0026】
また、図3に示すように、メカシャーシ12の右側には、スライドカム部材16が矢印A1又はA2方向に摺動自在に設けられている。メカシャーシ12の左側には、スライドカム部材18が矢印A1又はA2方向に摺動自在に設けられている。スライドカム部材16とスライドカム部材18とは、メカシャーシ12の下部に回動自在に軸支されたリンクアーム17(図2参照)により連結され、リンクアーム17の回動により相互に逆方向に摺動するように構成されている。また、メカシャーシ12には、トラバース15を支持する中間シャーシ19が、ピン19a,19bとにより軸支されることにより回動自在に設けられている。中間シャーシ19には、スライドカム部材16,18に形成された昇降カム16a,18a(図2参照)と係合するピン19c,19dが設けられている。スライドカム部材16,18が相互に逆方向に摺動することによって、ピン19c,19dが昇降カム16a,18aに沿って移動することで昇降し、中間シャーシ19がピン19a,19bを回動軸として回動する。
【0027】
トラバース15の前部(開口部1a側)は、中間シャーシ19の前方部分に、フローティングゴム20a,20bを介して左右それぞれ1ヶ所固定されている。トラバース15の後部は、フローティングゴム20c,20dを介してメカシャーシ12にフローティング支持されている。中間シャーシ19がピン19a,19bを回動軸として回動することにより、トラバース15がフローティングゴム20d,20c側を回動軸として回動する。このトラバース15の回動動作に伴って、ターンテーブル13が昇降する。
【0028】
ターンテーブル13の上方には、トラバース15の上部を覆うようにシャーシの一例であるアッパーベース22が配置されている。アッパーベース22のターンテーブル13と対向する位置には、開口部22aが設けられている。アッパーベース22には、開口部22aを挟んで対向する一対のクランパリフタ23a,23bが、互いに近づく又は離れる方向に摺動可能に設けられている。また、ターンテーブル13の上方には、ディスクをターンテーブル13上にクランプするためのクランパ21が設けられている。
【0029】
クランパ21は、一対のクランパリフタ23a,23bが互いに近づいて位置するとき、クランパリフタ23a,23bのそれぞれの端部に支持される。このとき、クランパ21は、ターンテーブル13上に載置されたディスクと非接触の状態にある。この状態から一対のクランパリフタ23a,23bが互いに離れる方向に移動されると、クランパ21は、開口部22aを通じてターンテーブル13に近づくように移動する。
【0030】
クランパ21には、鉄製のヨーク21aが設けられている。ターンテーブル13にディスクが載置された状態で、鉄製のヨーク21aがターンテーブル13に設けられたマグネットに磁力により引っ張られることにより、ディスクがクランパ21とターンテーブル13との間に挟み込まれる。これにより、ターンテーブル13上にディスクが装着され、再生可能なクランプ状態となる。また、このクランプ状態から、一対のクランパリフタ23a,23bが互いに近づく方向に移動されると、当該移動により一対のクランパリフタ23a,23bに押圧されたクランパ21は、磁力に抗してターンテーブル13から離れるように移動する。これにより、クランプ状態が解除される。
【0031】
アッパーベース22の下面には、ディスクが再生可能位置に向かうようにセンタリングを行うセンタリング部材24が摺動自在に設けられる。また、アッパーベース22の下面には、再生可能位置に搬送されるディスクに当接して押圧されることにより回転するトリガ部材の一例であるトリガレバー25が、回動自在に設けられている(図9及び図10参照)。また、アッパーベース22の下面には、筐体300内に挿入されたディスクをターンテーブル13とクランパ21との間で安定して保持するためのガイドレバー26が、回動自在に設けられている。アッパーベース22は、メカシャーシ12に固定されている。メカシャーシ12は、上カバー1と下カバー2との間に挟み込まれて固定されている。
【0032】
また、メカシャーシ12には、検出スイッチ27a〜27cが実装された基板27が取り付けられている(図3参照)。検出スイッチ27aは、開口部1aを通じて挿入されたディスクを検出するスイッチである。検出スイッチ27aは、図7に示すように、ローラアーム7bに設けられたディスク検出レバー29により作動される。検出スイッチ27bは、ディスクの排出時にローディング終了を検出するスイッチである。検出スイッチ27bは、ディスクの挿入及び排出時に回動するローラアーム7bの下面により作動される。検出スイッチ27cは、ディスクを再生可能位置に搬送され装着が完了したことを検出するスイッチである。検出スイッチ27cは、スライドカム部材18によって作動される。基板27は、ローラベース5に取り付けられたローラアーム7bと対向する位置に設けられている。
【0033】
また、ローラベース5には、図7、図8A、及び図8Bに示すように、リンクアーム28a,28bが回動自在に設けられている。リンクアーム28a,28bは、ローラアーム7a,7bと係合し、ローラアーム7a,7bを互いに同期して回動させるように構成されている。ローラアーム7aは、回動軸7a−1を中心として矢印A5及び矢印A7方向に回動可能に設けられている。このローラアーム7aは、ねじりコイルバネ7a−2により、矢印A7方向に付勢されている。また、ローラアーム7bは、回動軸7b−1を中心として矢印A6及び矢印A8方向に回動可能に設けられている。このローラアーム7bは、ねじりコイルバネ7b−2により、矢印A8方向に付勢されている。
【0034】
なお、本第1実施形態においては、ギア列10、ギア列8、ゴムローラ6a〜6d、ローラギア6e,6f、ローラアーム7a,7b、及びリンクアーム28a,28bにより、ディスクを再生可能位置に搬送するディスク搬送機構が構成されている。また、本第1実施形態においては、ギア10d〜10f,ピニオン10g、スライドカム部材16、リンクアーム17、スライドカム部材18、中間シャーシ19、トラバース15、フローティングゴム20a〜20d、クランパ21、アッパーベース22、及びクランパリフタ23a,23bにより、再生可能位置に搬送されたディスクを再生可能なクランプ状態にするためにターンテーブル13上に装着するディスク装着機構が構成されている。また、本第1実施形態においては、クラッチプレート11と、これを駆動するスライドカム部材16、トリガレバー25により、駆動源で発生した駆動力がディスク搬送機構又はディスク装着機構のいずれか一方のみに伝達されるように駆動力の伝達経路を切り換える伝達経路切換機構が構成されている。ここで、各々の機構の駆動に関連する共通的な構成部品として、駆動源であるモータ9やウォームギア9aがあり、ギア列10のように一部が複数の機構の駆動に供されるものもある。なお、本発明のディスク搬送機構、ディスク装着機構、及び伝達経路切換機構が前記構成に限定されるものではないことは、言うまでもない。
【0035】
次に、図3を用いて、本ディスク装置の構成を更に詳細に説明する。図3は、図2に示す全体構成の中で、上カバー1、下カバー2、ローラベース5に関連する部品、及びアッパーベース22に関連する部品を除いた各部品を、メカシャーシ12に取り付けた状態を示す上面図である。
【0036】
図3に示すように、ターンテーブル13と光ピックアップ14とは、トラバース15上においてディスク装置のほぼ中央に配置されている。トラバース15の前部及び両側部を囲むように略U字状の中間シャーシ19が配置されている。中間シャーシ19の右側には、スライドカム部材16が配置されている。中間シャーシ19の左側には、スライドカム部材18が配置されている。スライドカム部材16とスライドカム部材18とは、ディスク搬送方向と同じ前後方向(矢印A1及びA2方向)に摺動自在に配置されている。ディスクが搬送されていない初期状態では、メカシャーシ12とスライドカム部材16との間に張設されたバネ16jにより、スライドカム部材16は矢印A1方向に付勢されている。リンクアーム17を介してスライドカム部材16と接続されるスライドカム部材18は、矢印A2方向に付勢されている。中間シャーシ19の前部の両端部に設けられたピン19c,19dは、スライドカム部材16,18に形成された昇降カム16a,18a(図2参照)に摺動可能に係合している。中間シャーシ19の後部の両端部に設けられたピン19a,19bは、メカシャーシ12に形成された軸受部12a,12bに回動自在に保持されている。この構成により、中間シャーシ19は、スライドカム部材16,18が相互に逆方向に摺動することによって、ピン19a,19bを回動軸として回動し、中間シャーシ19の前部が昇降する。
【0037】
ここで、スライドカム部材16,18の相互に逆方向への摺動は、スライドカム部材16のラック30とピニオン10gとが噛み合った状態で、モータ9の駆動力がウォームギア9a、ギア10e,10d,10fを介してピニオン10gに伝達されることにより行われる。ピニオン10gは、ターンテーブル13上の再生可能位置へ搬送されるディスクに押圧されてトリガレバー25が回動し、当該トリガレバー25に押圧されてスライドカム部材16が矢印A2方向に若干摺動することによって、ラック30と噛み合う。
【0038】
すなわち、モータ9の駆動によってディスクが再生可能位置まで搬送されると、トリガレバー25の作用とモータ9の駆動力の伝達切換によって、スライドカム部材16,18が相互に逆方向に摺動する。これにより、中間シャーシ19及びトラバース15が上昇し、ターンテーブル13上にディスクが装着され、ディスクが再生可能なクランプ状態となる。
【0039】
次に、図4〜図8Bを用いて、筐体300内に挿入された大径ディスク100を再生可能位置まで搬送する大径ディスク100の搬送動作について説明する。図4〜図6は、大径ディスクの搬送状態を示す上面図である。図7は、一対のローラアーム7a,7bと一対のリンクアーム28a,28bとの取付状態を示す上面図である。図8A及び図8Bは、一対のローラアーム7a,7bが互い近づく方向又は遠ざかる方向に回動した状態を示す下面図である。
【0040】
図4は、筐体300内に大径ディスク100を挿入した直後の状態を示している。このとき、大径ディスク100は、右側の一対のゴムローラ6a,6b及び左側の一対のゴムローラ6c,6dに当接している。また、このとき、ローラアーム7bに設けられたディスク検出レバー29が大径ディスク100に押圧されて回動することにより、検出スイッチ27aが作動し、開口部1aを通じて大径ディスク100が挿入されたことを検出する。検出スイッチ27aが作動すると、モータ9が駆動を開始する。モータ9の駆動力は、ギア列10及びギア列8を介して、ゴムローラ6a,6bに伝達される。これにより、ゴムローラ6a,6bが矢印A3方向に回転し、ゴムローラ6bの回転駆動力及び摩擦力と、当該ゴムローラ6bと大径ディスク100を挟んで対向する回転しないゴムローラ6dの摩擦力とによって、大径ディスク100がゴムローラ6d(より詳細には大径ディスク100との当接点)を回動中心として矢印A4方向に回動する。この矢印A4方向の回動により、大径ディスク100は、矢印A1方向に搬送される。
【0041】
図4に示す状態から、大径ディスク100が矢印A1方向に搬送されると、当該大径ディスク100によってゴムローラ6bとゴムローラ6dとの間が押し広げられる。これにより、図8で説明したねじりコイルバネ7a−2,7b−2の付勢力に抗して、ローラアーム7aが矢印A5方向に回動し、ローラアーム7bが矢印A6方向に回動する。すなわち、一対のローラアーム7a,7bは、互いに遠ざかる方向(開く方向)に回動する。このローラアーム7a,7bの回動により、ゴムローラ6a,6cが、一旦、ディスク100の周縁部から離れる。その後、大径ディスク100が更に矢印A1方向に搬送され、ディスク100の左右最大径であるディスク100の中心部がゴムローラ6b,6d間を通り過ぎると、図8で説明したねじりコイルバネ7a−2,7b−2の付勢力により、ローラアーム7aが矢印A7方向に回動し、ローラアーム7bが矢印A8方向に回動する。すなわち、一対のローラアーム7a,7bは、互いに近づく方向(閉じる方向)に回動する。これにより、ゴムローラ6a,6cは、再び、ディスク100の周縁部と当接することとなり、図5に示す状態となる。
【0042】
図5は、ゴムローラ6a〜6dの全てが大径ディスク100と当接した状態を示している。図6は、大径ディスク100が、再生可能位置まで搬送された状態を示している。大径ディスク100は、筐体300内に挿入された直後のディスク位置100A(図4参照)から、再生可能位置であるディスク位置100C(図6参照)まで搬入される過程で、図5に示すディスク位置100Bを通過する。このディスク位置100Bは、大径ディスク100の回動力が、ゴムローラ6b,6dから伝達されるのに代えてゴムローラ6a,6cから伝達されるように切り換えられる位置である。すなわち、このディスク位置100Bからディスク位置100Cまでは、大径ディスク100は、ゴムローラ6aの回転駆動力によって、ゴムローラ6cを回動中心として矢印A4方向に回動する。このゴムローラ6cを回動中心とする矢印A4方向の回動により、大径ディスク100は、更に矢印A1方向に搬送され、大径ディスク100が図6に示すディスク位置100Cまで搬送される。この位置でディスク100の搬送動作は終了する。そして、この搬送を検出することにより、後述するディスク100のターンテーブル13上にクランプする装着動作が行われ、その装着動作が完了したことを検出スイッチ27cが検出すると、モータ9が駆動を停止する。これにより、大径ディスク100の搬送動作と装着動作が完了する。
【0043】
次に、大径ディスク100の排出動作について説明する。なお、ここでは、大径ディスク100は、図6に示すディスク位置100Cに位置し、クランプ状態を解除され、且つゴムローラ6a,6cによって挟持されているものとする。
【0044】
まず、モータ9はクランプ状態解除のため既に逆駆動されており、ゴムローラ6a,6bが大径ディスク100の搬入動作時とは逆方向に回転する。これにより、大径ディスク100がゴムローラ6cを回動中心として矢印A4方向とは逆方向に回動する。この矢印A4方向とは逆方向への回動により、大径ディスク100は、矢印A1方向とは逆方向(すなわち矢印A2方向)に搬送される。
【0045】
矢印A1方向とは逆方向の搬送により、大径ディスク100が図5に示すディスク位置100Bに達すると、大径ディスク100の回動力が、ゴムローラ6a,6cから伝達されるのに代えてゴムローラ6b,6dから伝達されるように切り換えられる。これにより、大径ディスク100は、ゴムローラ6dを回動中心として矢印A4方向とは逆方向に回動する。この矢印A4方向とは逆方向に回動により、大径ディスク100は、更に矢印A1方向とは逆方向に搬送される。この矢印A1方向とは逆方向の搬送により大径ディスク100が図4に示すディスク位置100Aまで搬送されたことを検出スイッチ27bが検出すると、モータ9が駆動を停止する。これにより、大径ディスク100の排出動作が完了する。
【0046】
なお、図4に示すディスク位置100Aまで排出された大径ディスク100は、ユーザの手指によって取り出しが可能となる。また、このとき、大径ディスク100は、ゴムローラ6a〜6dによる挟持力及び摩擦力と、防塵カバー3の弾性力及び摩擦力とにより、開口部1aから筐体300の外部へ飛び出すことなく保持される。
【0047】
次に、図9及び図10を用いて、アッパーベース22の下面に摺動又は回動可能に取り付けられたセンタリング部材24、トリガレバー25、及びガイドレバー26の構成について、更に詳細に説明する。図9は、アッパーベース22に関連する部品の構成を示す分解斜視図である。図10は、図9の各部品がアッパーベース22に取り付けられた状態を示す下面図である。
【0048】
センタリング部材24は、大径ディスク100に当接してセンタリングを行う位置決め当接部24a,24bと、小径ディスク200に当接してセンタリングを行う位置決め当接部24c,24dとを備えている。また、センタリング部材24は、トリガレバー25と係合して当該トリガレバー25を回動させるガイド部の一例であるガイドカム24eと、ディスクの厚み方向の位置を規制する複数の位置規制用ガイド24fとを備えている。ガイドカム24eは、ディスク搬送方向に対して平行に設けられた第1直線カム部24e−1及び第2直線カム部24e−3と、ディスク搬送方向に対して交差方向に設けられ、第1直線カム部24e−1と第2直線カム部24e−3とを連結する傾斜カム部24e−2とを有している。
【0049】
センタリング部材24は、ピンや爪片などの複数のスライド用ガイド24gを備えている。センタリング部材24は、スライド用ガイド24gがアッパーベース22に形成されたガイド孔22b〜22fに係合することにより、アッパーベース22の下面に沿ってディスク搬送方向に摺動可能に構成されている。また、センタリング部材24は、図10に示すように、アッパーベース22との間に張設されたねじりコイルバネ24hにより、矢印A9方向(ディスク排出方向)に付勢されている。これにより、センタリング部材24は、筐体300内に挿入されたディスクに対して矢印A9方向に付勢力を付与し、当該ディスクのセンタリングを行う。
【0050】
トリガレバー25は、再生可能位置まで搬送されるディスクと当接して回動することにより、スライドカム部材16に初期のスライドを付与するものである。スライドカム部材16は、この初期のスライドによりディスク装着機構を駆動させる。また、トリガレバー25は、ディスクと当接するディスク当接部(検出部ともいう)25aと、スライドカム部材16に係合してスライドカム部材16を矢印A2方向(図3参照)に押圧するスライドカム押圧部25bと、トリガレバー25の回動中心となる回動軸部25cとを備えている。
【0051】
トリガレバー25の回動軸部25cは、アッパーベース22に形成された長円形の軸孔22gと係合するとともに、センタリング部材24のガイドカム24eと係合している。これにより、トリガレバー25は、軸孔22gとガイドカム24eとの交点部を中心として矢印A10方向又はその逆方向に回動する。
【0052】
また、トリガレバー25は、アッパーベース22に保持された状態を維持したまま、回動することができるように、弧状凸部25dを備えている。アッパーベース22には、弧状凸部25dが配置される凹部22hと、弧状凸部25dが凹部22hから外れないように弧状凸部25dと係合する係合爪部22jとが設けられている。凹部22hの大きさは、回動軸部25cが軸孔22g内を矢印A11又はその逆方向に移動してもトリガレバー25が回動することができるように、弧状凸部25dに比べて大きく形成されている。
【0053】
また、トリガレバー25には、センタリング部材24の複数のスライド用ガイド24gの1つであるスライド用ガイド24g−1が貫通する孔25eが形成されている。この孔25eには、リンク溝25e−1が形成されている。
【0054】
ガイドレバー26は、筐体300内に挿入されたディスクを、ターンテーブル13とクランパ21との間の高さ位置で保持するためのものである。ガイドレバー26は、アッパーベース22に回動自在に軸支される回動軸26aと、ディスクの高さ位置を保持するための位置決め用ガイド26bとを備えている。
【0055】
また、ガイドレバー26は、当該ガイドレバー26自体の高さ方向の位置を安定させるため、アッパーベース22に形成された弧状孔22kに係合する係合爪片26cを備えている。また、ガイドレバー26は、ねじりコイルバネ26dにより矢印A12方向に付勢され、通常は図10に示す状態で保持されている。筐体300内に挿入されたディスクは、位置決め用ガイド26bに当接し、バネ26dの付勢力に抗してガイドレバー26を矢印A12とは逆方向に回動させながら、再生可能位置へ搬送される。
【0056】
次に、図11〜図22を用いて、ディスク搬送動作及びディスク装着動作について説明する。
【0057】
まず、図11〜図16を用いて、大径ディスク100が筐体300内に挿入されたときの各部品の動作について説明する。図11は、大径ディスク挿入時の、スライドカム部材16に形成された係合部に対するトリガレバー25のスライドカム押圧部25bの相対的な移動軌跡を示す上面図である。図12〜図16は、筐体300内に挿入された大径ディスク100が再生可能位置へ搬送されるときの、スライドカム部材16とセンタリング部材24とトリガレバー25とガイドレバー26の位置関係を示す上面図である。なお、これらの図においては、便宜上、一部を透視図で示している。
【0058】
スライドカム部材16には、図11に示すように、トリガレバー25のスライドカム押圧部25bが係合する係合部として、第1係合部16bと、第2係合部16cとが設けられている。第1係合部16bは、小径ディスク200に押圧されてトリガレバー25が回動したときに、スライドカム押圧部25bに押圧される部分である。第2係合部16cは、大径ディスク100に押圧されてトリガレバー25が回動したときに、スライドカム押圧部25bに押圧される部分である。また、スライドカム部材16には、カム部16d〜16fが設けられている。カム部16dは、第1係合部16bと第2係合部16cとを接続するように形成されている。カム部16dは、大径ディスク100が筐体300内に挿入されてトリガレバー25の回動軸部25cが移動するときに、スライドカム押圧部25bの第1係合部16bから第2係合部16cへの移動をガイドする部分である。カム部16eは、大径ディスク100が再生可能位置に搬送された後ターンテーブル13上に装着される際に、スライドカム押圧部25bを第2係合部16cから離れるように移動させる部分である。カム部16fは、センタリング部材24の位置決め当接部24a,24b等を大径ディスク100から離すための部分である。トリガレバー25のスライドカム押圧部25bは、図12〜図16に示すように各部品の位置関係が変化することにより、位置25b−1〜25b−6の軌跡を辿ることとなる。
【0059】
大径ディスク100が筐体300内に挿入されると、まず、大径ディスク100の先端部の近傍がガイドレバー26の位置決め用ガイド26bに当接して、大径ディスク100の厚み方向の高さ位置が位置決めされる。
【0060】
次いで、図4を用いて前述したように、大径ディスク100が、矢印A4方向に回動しながら矢印A1方向に搬送される。これにより、ガイドレバー26が大径ディスク100に押圧されてねじりコイルバネ24hの付勢力に抗して回動軸26aを中心に回動し、図12に示すように、大径ディスク100がセンタリング部材24の位置決め当接部24a,24bに当接する。大径ディスク100の周縁部が位置決め当接部24a,24bの両方に当接することで、大径ディスク100がセンタリングされる。すなわち、大径ディスク100の中心が、平面視においてディスク搬送方向と平行で且つターンテーブル13の中心を通る直線上に位置するように位置決めされる。
【0061】
なお、図12に示す状態では、トリガレバー25のディスク当接部25aは、大径ディスク100と当接していない初期状態にあり、スライドカム押圧部25bは、図11に示すようなスライドカム部材16の第1係合部16bに当接する位置25b−1に位置する。また、図12に示す状態では、トリガレバー25の回動軸部25cは、センタリング部材24のガイドカム24eにはガイドされていない状態にある。
【0062】
図12に示す状態から更に、大径ディスク100が矢印A1方向に搬送されると、大径ディスク100が、センタリング部材24をねじりコイルバネ24hの付勢力に抗して矢印A1方向に移動させるとともに、ガイドレバー26を矢印A12方向の付勢力に抗して回動させる。これにより、トリガレバー25の回動軸部25cが、ガイドカム24eの第1直線カム部24e−1を通過した後、傾斜カム部24e−2にガイドされる。このとき、回動軸部25cは、軸孔22g(図9,図10参照)によりディスク搬送方向の移動が規制されているので矢印A11方向に移動する。すなわち、トリガレバー25全体が矢印A11方向に(第1位置から第2位置へ)移動する。この矢印A11方向の移動により、回動軸部25cが、図13に示すように、傾斜カム部24e−2から第2直線カム部24e−3まで移動する。このとき、トリガレバー25は、弧状凸部25dが図9,10を用いて前述したアッパーベース22の凹部22hにガイドされて移動する。
【0063】
なお、図13に示す状態では、トリガレバー25のディスク当接部25aは、大径ディスク100と未だ当接していない状態にある。また、スライドカム押圧部25bは、図11に示すようなスライドカム部材16の第1係合部16bに当接する位置25b−1から外れた位置25b−2に位置する。また、スライドカム部材16は、未だ移動していない状態にある。
【0064】
図13に示す状態から更に、大径ディスク100が矢印A1方向に搬送されると、大径ディスク100がトリガレバー25のディスク当接部25aに当接してトリガレバー25を押圧する。このとき、トリガレバー25は、回動軸部25cが軸孔22g(図9,図10参照)と係合していることにより、ディスク搬送方向の移動が規制される。一方、センタリング部材24は、大径ディスク100に押圧されて矢印A1方向に移動する。これにより、傾斜カム部24e−2がトリガレバー25の回動軸部25cから離れるように移動し、図14に示すように、トリガレバー25が回動軸部25cを中心として矢印A10方向に回動する。このとき、回動軸部25cは第2直線カム部24e−3内(第2位置)に位置して矢印A11方向及びその逆方向の移動を規制され、スライドカム押圧部25bはスライドカム部材16のカム部16dによって阻害されることなく回動する。これにより、スライドカム押圧部25bは、図11に示すようなスライドカム部材16の第2係合部16cに当接する位置25b−3に移動する。
【0065】
図14に示す状態から更に、大径ディスク100が矢印A1方向に搬送されると、当該大径ディスク100に押圧されたトリガレバー25が更に矢印A10方向に回動し、スライドカム押圧部25bがスライドカム部材16の第2係合部16cを矢印A2方向に押圧する。これにより、スライドカム部材16全体が矢印A2方向に摺動して、図15に示すように、スライドカム部材16のラック30とピニオン10gとが噛み合う。これにより、大径ディスク100の搬送動作が完了し、装着動作が開始される。
【0066】
なお、図15に示す状態では、スライドカム押圧部25bは、図11に示すようなスライドカム部材16の第2係合部16cに当接する位置25b−4に位置する。また、図15に示す状態は、大径ディスク100が再生可能位置まで搬送された状態である。
【0067】
図15に示す状態でモータ9の駆動力がギア列10を介して伝達されてピニオン10gは回転しているので、噛み合ったラック30が駆動され、スライドカム部材16が更に矢印A2方向に摺動する。この摺動に伴い、スライドカム部材16にリンクアーム17を介して接続されているスライドカム部材18が、矢印A1方向に摺動する。このスライドカム部材16,18の互いに逆方向の摺動により、前述したように、大径ディスク100のターンテーブル13上への装着動作が行われる。また、スライドカム部材16の矢印A2方向への摺動により、第2係合部16cがスライドカム押圧部25bから離れ、スライドカム押圧部25bがカム部16eにガイドされて、図11に示す位置25b−5に移動する。
【0068】
スライドカム押圧部25bが位置25b−5に位置する状態から更に、スライドカム部材16が矢印A2方向に摺動されると、スライドカム押圧部25bがカム部16eから傾斜部を介してカム部16f上の図11に示す位置25b−6に移動する。このとき、トリガレバー25は、回動軸部25cを中心として若干矢印A10方向へ回動する。この回動により、トリガレバー25のリンク溝25e−1に係合しているセンタリング部材24のガイド24g−1が押圧されて、センタリング部材24が矢印A1方向へ摺動する。これにより、図16に示すように、大径ディスク100から、センタリング部材24の位置決め当接部24a,24b、位置決め用ガイド24f、トリガレバー25のディスク当接部25a、及びガイドレバー26の位置決め用ガイド26bが離れ、大径ディスク100の回転が阻害されなくなる。
以上により、大径ディスク100の装着動作が完了する。
【0069】
次に、図17〜図21を用いて、小径ディスク200が筐体300内に挿入されたときの各部品の動作について説明する。図17は、小径ディスク挿入時の、スライドカム部材16に形成した係合部に対するトリガレバー25のスライドカム押圧部25bの相対的な移動軌跡を示す上面図である。図18〜図21は、筐体300内に挿入された小径ディスク200が再生可能位置へ搬送されるときの、スライドカム部材16とセンタリング部材24とトリガレバー25とガイドレバー26の位置関係を示す上面図である。なお、これらの図においても、便宜上、一部を透視図で示している。
【0070】
スライドカム部材16には、図11を用いて説明した第1係合部16b、第2係合部16c、及びカム部16d〜16f以外に、カム部16g,16hが設けられている。カム部16gは、小径ディスク200が再生可能位置に搬送された後ターンテーブル13上に装着される際に、スライドカム押圧部25bを第1係合部16bから離れるように移動させる部分である。カム部16hは、センタリング部材24の位置決め当接部24a,24b等を小径ディスク200から離すための部分である。トリガレバー25のスライドカム押圧部25bは、図18〜図21に示すように各部品の位置関係が変化することにより、位置25b−1〜25b−7への軌跡を辿ることになる。
【0071】
小径ディスク200が筐体300内に挿入されると、まず、小径ディスク200の先端部の近傍がガイドレバー26の位置決め用ガイド26bに当接して、小径ディスク200の厚み方向の高さ位置が位置決めされる。この状態で小径ディスク200が更に再生可能位置へ搬送されると、ガイドレバー26が小径ディスク200に押圧されてねじりコイルバネ24hの付勢力に抗して回動軸26aを中心に回動し、図18に示すように、小径ディスク200がセンタリング部材24の位置決め当接部24c,24dに当接する。小径ディスク200の周縁部が位置決め当接部24c,24dに当接することで、小径ディスク200がセンタリングされる。すなわち、小径ディスク200の中心が、平面視においてディスク搬送方向と平行で且つターンテーブルの中心を通る直線上に位置するように位置決めされる。
【0072】
なお、図18に示す状態では、トリガレバー25のディスク当接部25aは、小径ディスク200と当接していない初期状態にあり、トリガレバー25のスライドカム押圧部25bは、図17に示すようなスライドカム部材16の第1係合部16bに当接する位置25b−1に位置する。また、図18に示す状態では、トリガレバー25の回動軸部25cは、センタリング部材24のガイドカム24eにはガイドされていない状態にある。
【0073】
図18に示す状態から更に、小径ディスク200が矢印A1方向に搬送されると、小径ディスク200が、センタリング部材24をねじりコイルバネ24hの付勢力に抗して矢印A1方向に移動させるとともに、ガイドレバー26を矢印A1方向に移動させる。これにより、図19に示すように、トリガレバー25の回動軸部25cがガイドカム24eの第1直線カム部24e−1内に移動するとともに、小径ディスク200がトリガレバー25のディスク当接部25aに当接する。なお、この時点では、スライドカム部材16のラック30とピニオン10gとは未だ噛み合っていない。
【0074】
図19に示す状態から更に、小径ディスク200が矢印A1方向に搬送されると、トリガレバー25が小径ディスク200に矢印A1方向に押圧される。このとき、トリガレバー25の回動軸部25cは、軸孔22g(図9,図10参照)と係合していることによりディスク搬送方向の移動が規制され、且つ第1直線カム部24e−1内(第1位置)に位置することにより矢印A11方向及びその逆方向の移動を規制される。一方、センタリング部材24は、小径ディスク200に押圧されて矢印A1方向に移動する。これにより、小径ディスク200に押圧されたトリガレバー25は、回動軸部25cを中心として矢印A10方向に回動する。このトリガレバー25の回動により、スライドカム押圧部25bがスライドカム部材16の第1係合部16bを矢印A2方向に押圧する。これにより、スライドカム部材16全体が矢印A2方向に摺動して、図20に示すように、スライドカム部材16のラック30とピニオン10gとが噛み合う。これにより、小ディスク200の搬送動作が完了し、装着動作が開始される。なお、図20に示す状態は、小径ディスク200が再生可能位置まで搬入された状態である。
【0075】
図20に示す状態でモータ9の駆動力がギア列10を介して伝達されてピニオン10gは回転しているので、噛み合ったラック30が駆動され、スライドカム部材16が更に矢印A2方向に摺動する。この摺動に伴い、スライドカム部材16にリンクアーム17を介して接続されているスライドカム部材18が、矢印A1方向に摺動する。このスライドカム部材16,18の互いに逆方向の摺動により、前述したように、小径ディスク200のターンテーブル13上への装着動作が行われる。また、スライドカム部材16の矢印A2方向への摺動により、第1係合部16bがスライドカム押圧部25bから離れ、スライドカム押圧部25bがカム部16gにガイドされて移動する。
【0076】
スライドカム押圧部25bがカム部16gに位置する状態から更に、スライドカム部材16が矢印A2方向に摺動されると、スライドカム押圧部25bがカム部16gから傾斜部を介してカム部16h上の図17に示す位置25b−7に移動する。このとき、トリガレバー25は、回動軸部25cを中心として若干矢印A10方向へ回動する。この回動により、トリガレバー25のディスク当接部25aに当接状態にあるセンタリング部材24の縁部24hが、当該ディスク当接部25aに押圧されて、センタリング部材24が矢印A1方向へ摺動する。これにより、図21に示すように、小径ディスク200から、センタリング部材24の位置決め当接部24c,24d、位置決め用ガイド24f、トリガレバー25のディスク当接部25a、及びガイドレバー26の位置決め用ガイド26bが離れ、小径ディスク200の回転が阻害されなくなる。
以上により、小径ディスク200の搬送動作が完了する。
【0077】
小径ディスク200の搬送動作においては、大径ディスク100の搬送動作と比べて、ディスクがセンタリング部材24の位置決め当接部24c,24dに当接してから再生可能位置に搬送されるまでの距離が短い。このため、トリガレバー25の回動軸部25cは、ガイドカム24eの傾斜カム部24e−2に移動することなく、第1直線カム部24e−1内のみを移動することになる。
【0078】
図22は、再生可能位置に搬送された大径ディスク100に対するスライドカム部材16とセンタリング部材24とトリガレバー25の位置関係と、再生可能位置に搬送された小径ディスク200に対するスライドカム部材16とセンタリング部材24とトリガレバー25の位置関係を示す図である。図22において、大径ディスク100の中心と小径ディスク200の中心は、ディスク搬送方向と直交し且つターンテーブル13の中心を通る直線21b上に位置している。図22から明らかなように、大径ディスク100と小径ディスク200のいずれを筐体300内に挿入した場合においても、トリガレバー25のスライドカム押圧部25bによって、スライドカム部材16を矢印A2方向に摺動させることができる。
【0079】
次に、図23〜図27を用いて、ターンテーブル13を昇降動作させる構成について、より詳細に説明する。
【0080】
図23は、スライドカム部材16の斜視図である。スライドカム部材16には、前述したように、中間シャーシ19の前部を昇降させるために、中間シャーシ19に設けられた係合ピン19cと係合する昇降カム16aが形成されている。この昇降カム16aは、低面カム部16a−1と傾斜カム部16a−2と高面カム部16a−3とで構成されている。低面カム部16a−1は、中間シャーシ19の前部を下降させた状態で保持するための部分である。傾斜カム部16a−2は、中間シャーシ19の前部を昇降させるための部分である。高面カム部16a−3は、中間シャーシ19の前部を上昇させた状態で保持するための部分である。
【0081】
また、スライドカム部材18には、図2に示すように、中間シャーシ19の係合ピン19dと係合する昇降カム18aが形成されている。この昇降カム18aは、スライドカム部材16と同様に、低面カム部と傾斜カム部と高面カム部とで構成されている。昇降カム18aの各カム部と昇降カム16aの各カム部16a−1〜16a−3とは、傾斜方向が逆方向になっている。
【0082】
従って、昇降カム16aに係合ピン19cが係合すると共に、昇降カム18aに係合ピン19dが係合した状態で、前述したようにスライドカム部材16とスライドカム部材18とが互いに逆方向に摺動することにより、中間シャーシ19の前部が昇降する。すなわち、中間シャーシ19の前部に設けられるターンテーブル13は、スライドカム部材16が矢印A2方向に摺動することによって上昇し、スライドカム部材16が矢印A1方向に摺動することによって下降する。
【0083】
図24A及び図24Bは、ターンテーブル13が下降した状態(ディスクが挿入されていない待機状態)にあるときの中間シャーシ19とスライドカム部材16,18との位置関係を示す斜視図である。図25は、ターンテーブル13が下降した状態にあるときのスライドカム部材16,18とリンクアーム17との位置関係を示す上面図である。この状態では、スライドカム部材16は、図3を用いて前述したようにバネ16jにより矢印A1方向に付勢されている。このスライドカム部材16は、リンクアーム17を介してスライドカム部材18と連結されている。リンクアーム17は、回動軸17aを中心として回動自在に設けられている。このため、スライドカム部材18は、バネ16jにより、スライドカム部材16とは逆向きの矢印A2方向に付勢されている。この状態では、ターンテーブル13が下降状態にあるため、ディスクが挿入可能となっている。
【0084】
スライドカム部材18には、図25に示すように、検出スイッチ27cと当接可能な突出部18bが形成されている。突出部18bは、ディスクが再生可能位置に搬送されて、スライドカム部材18が矢印A1方向に摺動した際、検出スイッチ27cに当接し、検出スイッチ27cを作動させるものである。
【0085】
なお、図24A,図24B、及び図25に示す状態は、前述したように、ディスクが再生可能に位置に搬送され、トリガレバー25のスライドカム押圧部25bによりスライドカム部材16が押圧されてラック30がピニオン10gに噛み合い、スライドカム部材16が矢印A2方向に摺動を開始するまで継続される。スライドカム部材16が矢印A2方向に摺動するとともに、スライドカム部材18が矢印A1方向に摺動することにより、中間シャーシ19の係合ピン19c,19dが昇降カム16a及び昇降カム18aに沿って移動する。これにより、中間シャーシ19の前部が上昇してターンテーブル13が上昇し、ディスクがターンテーブル13とクランパ21との間に挟持される。その後、前述したスライドカム部材18の突出部18bが検出スイッチ27cに当接することにより、モータ9の駆動が停止される。これにより、ディスクの装着完了状態となる。
【0086】
図26A及び図26Bは、ターンテーブル13が上昇した状態(ディスクの装着完了状態:大径ディスク100については図16参照、小径ディスク200については図21参照)にあるときの中間シャーシ19とスライドカム部材16,18との位置関係を示す斜視図である。図27は、ターンテーブル13が上昇した状態にあるときのスライドカム部材16とスライドカム部材18とリンクアーム17の位置関係を示す上面図である。なお、このとき、ラック30とピニオン10gとは、噛み合ったままである。この状態は、ディスクの排出のために、イジェクト操作によりモータ9が逆駆動され、スライドカム部材16がディスクの搬入時とは逆方向である矢印A1方向に移動するまで維持される。
【0087】
なお、スライドカム部材16には、図23に示すように、スライドカム部材16を矢印A1方向に付勢するためのバネ16jを支持する係合部16kが形成されている。また、スライドカム部材16の上面には、クランパリフタ23aを移動させるためのカム溝16mが形成されている。同様に、スライドカム部材18の上面には、図25及び図27に示すように、クランパリフタ23bを移動させるためのカム溝18cが形成されている。
【0088】
図28は、ターンテーブル13が下降した状態にあるときのスライドカム部材16,18とリンクアーム17とクラッチプレート11の位置関係を示す下面図である。図29は、ターンテーブル13が上昇した状態にあるときのスライドカム部材16,18とリンクアーム17とクラッチプレート11の位置関係を示す下面図である。これらの図に示すように、リンクアーム17の両端部には係合ピン17b,17cが形成されている。係合ピン17bはスライドカム部材16に形成された係合凹部16nに係合し、係合ピン17cはスライドカム部材18に形成された係合凹部18dに係合している。これにより、リンクアーム17は、スライドカム部材16,18を互いに連動して動作するように連結している。なお、リンクアーム17の係合ピン17b,17cは、回動軸17aを中心として円弧状に移動するのに対し、スライドカム部材16,18は、矢印A1又はA2方向に直線状に移動する。すなわち、リンクアーム17の回動に伴い、リンクアーム17の回動軸17aから係合凹部16n,18dまでの距離が変化する。このため、係合凹部16n,18dは、前記距離の変化によってリンクアーム17の回動が妨げられないように、矢印A1及びA2方向に対して直角方向に長い溝形状に形成されている。
【0089】
また、スライドカム部材16の下面には、図28及び図29に示すように、スライドカム部材16の摺動に連動してクラッチプレート11を回動させることができるようにカム16pが形成されている。このカム16pは、第1カム部16p−1と第2カム部16p−2とで構成されている。第1カム部16p−1は、スライドカム部材16の摺動方向(矢印A1又はA2方向)に対して直角方向に延在するように形成されている。第2カム部16p−2は、スライドカム部材16の摺動方向に延在し、第1カム部16p−1と連結されるように形成されている。
【0090】
図30は、クラッチプレート11を上面側から見た斜視図である。クラッチプレート11は、メカシャーシ12に形成された軸に回動自在に支持される軸受け部11aと、スライドカム部材16のカム16pに係合する係合ピン11bと、ギア10cを回動自在に支持する軸部11cと、ディスク挿入阻止部材33を昇降させるカム11dとを備えている。クラッチプレート11は、軸受け部11aがモータ9の駆動力を伝達するギア10dの回動軸と同軸上に配置され、ギア10cを軸部11cの周囲で支持した状態で回動可能に構成されている。カム11dは、下面カム部11d−1と、傾斜カム部11d−2と、上面カム部11d−3を有している。
【0091】
クラッチプレート11は、係合ピン11bがスライドカム部材16のカム16pに係合した状態でスライドカム部材16が摺動することにより回動する。すなわち、図28に示す状態からスライドカム部材16が矢印A2方向に摺動することにより、係合ピン11bが第1カム部16p−1に当接する。この状態から更に、スライドカム部材16が矢印A2方向に摺動すると、クラッチプレート11が軸受け部11aを中心として矢印A13方向に回動し、係合ピン11bが第1カム部16p−1から第2カム部16p−2に移動する。これにより、クラッチプレート11の回動が停止する。この状態から更に、スライドカム部材16が矢印A2方向に摺動すると、係合ピン11bが第2カム部16p−2にガイドされて移動する。図29は、前述したディスク装着動作が完了し、スライドカム部材16の摺動が停止した状態を示している。この状態では、係合ピン11bは第2カム部16p−2に保持され、クラッチプレート11は回動が規制されている。
【0092】
次に、図31〜図33を用いて、クラッチプレート11を回動させることによりモータ9の駆動力の伝達経路を切り換える動作、すなわちディスク搬送動作とディスク装着動作とを切り換える動作について説明する。
【0093】
図31は、ディスク搬送動作前におけるクラッチプレートに関連する部品の位置関係を示す上面図である。図31に示す状態では、モータ9の駆動力がウォームギア9a、ギア10e、ギア10d、ギア10c、及びギア10bを介して、ギア10aに伝達可能になっている。また、ギア10aは、図2及び図7を用いて前述したように、モータ9の駆動力を、ギア列8を介して、ゴムローラ6a,6bと一体的に形成されたローラギア6e,6fに伝達可能となっている。一方、この状態において、ギア10fは、ギア10dの下側歯車と噛み合って駆動力を伝達可能になっているが、ギア10fに一体的に形成されたピニオン10gは、ラック30と噛み合っていない状態にある。
【0094】
図31に示す状態でモータ9が駆動されると、モータ9の駆動力がローラギア6e,6fに伝達され、ゴムローラ6a,6bが回転する。このゴムローラ6a,6bの回転により、ディスクを再生可能位置に搬送することができる。このとき、モータ9の駆動力は、ディスク搬送力として働くことになる。また、このとき、モータ9の駆動力は、ピニオン10gにも伝達されて回転するが、ラック30とは未だ噛み合っていない状態にある。
【0095】
ディスクが再生可能位置まで矢印A1方向に搬送されると、前述したように、スライドカム部材16が矢印A2方向に摺動する。これにより、ラック30とピニオン10gとが噛み合う。このとき、ピニオン10gは、モータ9の駆動力が伝達されて回転しているので、スライドカム部材16は矢印A2方向に更に摺動されることになる。このスライドカム部材16の摺動により、クラッチプレート11は、図28及び図29を用いて前述したように、矢印A13方向に回動する。この回動によって、クラッチプレート11上に設けられたギア10cも同時に矢印A13方向に移動する。これにより、図32に示すように、メカシャーシ12上に設けられたギア10bとギア10cとの噛み合いが切り離され、ゴムローラ6a,6bの回転が停止する。
【0096】
図32は、ディスク装着動作中におけるクラッチプレートに関連する部品の位置関係を示す上面図である。このとき、モータ9の駆動力は、ウォームギア9a、ギア10e、ギア10d、及びギア10fを介してピニオン10gのみに伝達される。ラック30と噛み合うピニオン10gの回転により、スライドカム部材16が更に矢印A2方向に摺動すると、前述したように、クラッチプレート11の係合ピン11bがカム16pの第2カム部16p−2に移動し、クラッチプレート11の回動が規制される。係合ピン11bが第2カム部16p−2内に位置する状態では、スライドカム部材16の矢印A2方向への更なる移動が許容される。スライドカム部材16が図29に示す位置まで摺動すると、モータ9の駆動が停止される。この第1カム部16p−1から第2カム部16p−2によるクラッチプレート11の回動の過程で、ディスクがターンテーブル13上に装着され、図33に示すディスク装着完了状態となる。
【0097】
図33と図26と図27とは、同じディスク装着動作完了後の状態を示している。この状態では、ピニオン10gとラック30との噛み合いが保持されている。この状態は、ディスクの排出のために、モータ9が逆駆動され、ラック30にディスクの搬入時とは逆方向の駆動力が伝達されるまで維持される。なお、図33におけるクラッチプレート11の状態は、図32の状態と比較して、若干矢印A13方向に回動した状態となっている。
【0098】
次に、図34〜図38を用いて、クランパリフタ23a,23b及びそれらに関連する部品の構成について詳細に説明する。図34は、クランパ21とアッパーベース22とクランパリフタ23a,23bの構成を示す分解斜視図である。クランパリフタ23a,23bは、一対のスライドカム部材16,18の移動に連動して、ディスク装置の厚み方向に対して直交する水平方向において互いに反対方向に移動可能に構成されている。
【0099】
クランパリフタ23aの一端部には、クランパ21の外周部の一部を支持可能なクランパ支持部41aが設けられている。クランパリフタ23aの他端部には、アッパーベース22に形成されたガイド孔22mを貫通して、スライドカム部材16に形成されたカム溝(リフタカムともいう)16mと係合可能なカム軸42aが設けられている。
【0100】
また、クランパリフタ23aには、アッパーベース22に形成された突起45aと係合可能な貫通孔43aが形成されている。突起45aは、アッパーベース22の開口部22aの周辺部において上方に突出するように設けられている。また、アッパーベース22の開口部22aの周辺部には、突起45b〜突起45dが上方に突出するように設けられている。突起45bは、突起45aと開口部22aを挟んで対向する位置に設けられ、突起45cと突起45dとは、ディスク搬送方向において開口部22aを挟んで互いに対向するように設けられている。突起45a〜45dは、クランパ21が水平方向に移動しないように規制する規制片として作用する。
【0101】
また、クランパリフタ23aには、アッパーベース22に形成された突起46aと係合可能なガイド孔44aが形成されている。ガイド孔44aは、ディスク搬送方向に対して交差方向(例えば直交方向)に延在するように形成されている。突起46aは、突起45aとガイド孔22mとの間において上方に突出するよう形成されている。突起46aがガイド孔44a内を摺動することにより、クランパリフタ23aがディスク搬送方向に対して交差方向に移動するようにクランパリフタ23aの移動方向が規制される。
【0102】
クランパリフタ23bは、クランパリフタ23aと同様の構成を有している。すなわち、クランパリフタ23bの一端部には、クランパ21の外周部の一部を支持可能なクランパ支持部41bが設けられている。クランパリフタ23bの他端部には、アッパーベース22に形成されたガイド孔22nを貫通して、スライドカム部材18に形成されたカム溝(リフタカムともいう)18cと係合可能なカム軸42bが設けられている。また、クランパリフタ23bには、前述した突起45bと係合可能な貫通孔43bが形成されている。また、クランパリフタ23bには、アッパーベース22に形成された突起46bと係合可能なガイド孔44bが形成されている。ガイド孔44bは、ディスク搬送方向に対して交差方向(例えば直交方向)に延在するように形成されている。突起46bは、突起45bとガイド孔22nとの間において上方に突出するよう形成されている。突起46bがガイド孔44b内を摺動することにより、クランパリフタ23bがディスク搬送方向に対して交差方向に移動するようにクランパリフタ23bの移動方向が規制される。
【0103】
次に、クランパ21とクランパリフタ23a,23bとの関係について説明する。図35Aは、クランパ21がクランパリフタ23a,23bのクランパ支持部41a,41bに支持された状態を示す上面図であり、図35Bは、その断面図である。
【0104】
図35A及び図35Bに示すように、クランパ21は、クランパ支持部41a,41bに支持された状態では、アッパーベース22に形成された突起45a,45b,45c,45dにより、クランパ21の軸心方向に対する法線方向である水平方向の位置が規制される。ここで、アッパーベース22は、前述したようにメカシャーシ12に固定されている。メカシャーシ12は、上カバー1と下カバー2との間に挟み込まれて固定されている。すなわち、クランパ21は、アッパーベース22を介して上カバー1と下カバー2とに位置が規制されることとなる。
【0105】
また、図35Bに示すように、アッパーベース22がメカシャーシ12を介して上カバー1と下カバー2とに固定された状態において、突起45a,45b,45c,45dの少なくとも1つ(図35Bでは45d)は、上カバー1の内面に当接している。これにより、アッパーベース22の上下方向(厚み方向)の位置決めがなされている。他の突起(図35Bでは45a,45b)は、アッパーベース22の対応位置に設けられた孔1bに対向し、当該突起(図35Bの45a,45b)は上カバー1に当接しないようになっている。これにより、突起45a,45b,45c,45dの寸法誤差に対応することができ、例えば、メカシャーシ12を上カバー1と下カバー2との間に挟み込んで固定することを容易に行うことができる。なお、突起45a,45b,45c,45dのうちの複数の突起を上カバー1の内面に当接するようにしてもよい。突起45a,45b,45c,45dの少なくとも1つを上カバー1の内面に当接させることにより、上カバー1の内面とアッパーベース22の上面との間に一定の隙間(空間)を形成することができる。この隙間により、前述したクランパリフタ23a,23bの矢印A14又はA15方向への摺動を支障なく確実に行うことができる。なお、この隙間は、クランパリフタ23a,23bの厚み方向の寸法及びクランパ21の軸心方向における移動範囲に対して最小限の余裕を持つように設ければよい。これにより、装置全体としての薄型化に対応することができる。
【0106】
また、図34,図35A,及び図35Bに示すように、クランパ21を支持するアッパーベース22の開口部22aの周辺部には、アッパーベース22の主面に対して若干下方に凹んだ凹部22pが形成されている。クランパリフタ23a,23bのクランパ支持部41a,41bは、当該凹部22pに嵌り込むように形成されている。すなわち、クランパ支持部41a,41bは、厚み方向において下方に突出するよう構成されている。また、クランパ支持部41a,41bの先端縁部は、クランパ21の円周部に沿うように円弧状に形成されている。クランパ支持部41a,41bの先端縁部には、下縁を前方とするように傾斜する傾斜面41a−1,41b−1が形成されている。
【0107】
また、クランパ支持部41a,41bには、クランパ21の外周部に形成された鍔部21cを支持する面として、クランパリフタ支持部23a,23bの上面に対して下方に凹んでいる段部41a−2,41b−2が形成されている。この段部41a−2,41b−2の面上には、クランパ21の水平方向の移動を規制するクランパ規制リブ41a−3,41b−3が形成されている。クランパ支持部41a,41bの段部41a−2,41b−2及びクランパ規制リブ41a−3,41b−3の高さ方向の寸法は、クランパ21の鍔部21cの厚み方向の寸法とほぼ同一に形成されている。従って、図35Bに示すように、クランパ21がクランパ支持部41a,41bに支持された状態では、クランパ21の上面とクランパリフタ23a,23bの上面とは、ほぼ面一となっている。
【0108】
なお、図35Bに示すように、ターンテーブル13は、ディスク載置面13aと、ディスクのセンタリング部材13bと、マグネット13cと、ヨーク13dと、軸受け部13eとを備えている。ディスク載置面13aに載置されたディスクは、センタリング部材13bにより水平方向の位置決めがされる。この状態で、クランパ21のヨーク21aがマグネット13cに磁力により吸着されることにより、ディスクがターンテーブル13上に保持される。すなわち、ディスクが、プランパ21とターンテーブル13との間に挟み込まれ、再生可能なクランプ状態になる。
【0109】
また、図35Aに示すように、クランパリフタ23a,23bには、孔47a,47bが形成されている。孔47a,47bは、矢印A14,A15方向に延在するように形成されている。孔47aには、クランパ21側の縁部から矢印A15方向に延在するようにピン47a−1が突設されている。孔47bには、クランパ21側の縁部から矢印A14方向に延在するようにピン47b−1が突設されている。ピン47a−1,47b−1の周囲には、コイルバネ47a−2,47b−2が取り付けられている。また、アッパーベース22には、孔47a,47bに対応する位置に孔48a,48bが形成されている。コイルバネ47a−2は、アッパーベース22の孔48aのクランパ21と反対側の縁部に当接することにより、孔47aのクランパ21の側縁部を押圧し、クランパリフタ23aを矢印A14方向に付勢する。コイルバネ47b−2は、アッパーベース22の孔48bのクランパ21と反対側の縁部に当接することにより、孔47bのクランパ21の側縁部を押圧し、クランパリフタ23bを矢印A15方向に付勢する。すなわち、通常時において、クランパリフタ23a,23bは、図35A及び図35Bに示すように、クランパ21を段部41a−2,41b−2の面上に支持し、当該クランパ21をその軸心の上方側に位置した状態としている。
【0110】
次に、クランパリフタ23a,23bとスライドカム部材16,18との係合関係について詳細に説明する。まず、スライドカム部材16のリフタカム16m及びスライドカム部材18のリフタカム18cの構成について説明する。図36Aは、ディスクをクランプ状態にする前の待機状態におけるクランパリフタ23a,23bとスライドカム部材16,18との係合関係を示す上面図であり、図36Bは、その断面図である。図36Cは、図36Bの部分拡大断面図である。
【0111】
図36Aに示すように、スライドカム部材16のリフタカム16mは、第1平行カム部16m−1と、第1傾斜カム部16m−2と、第2平行カム部16m−3と、第2傾斜カム部16m−4と、第3平行カム部16m−5とを階段状に形成した構成を有している。第1平行カム部16m−1と第2平行カム部16m−3と第3平行カム部16m−5とは、スライドカム部材16の摺動方向(矢印A1又はA2方向)に対して平行に設けられている。第1平行カム部16m−1と第2平行カム部16m−3とは、スライドカム部材16の摺動方向に対して交差する方向に設けられた第1傾斜カム部16m−2により連結されている。第2平行カム部16m−3と第3平行カム部16m−5とは、スライドカム部材16の摺動方向に対して交差する方向に設けられた第2傾斜カム部16m−4により連結されている。
【0112】
また、スライドカム部材18のリフタカム18cは、第1平行カム部18c−1と、傾斜カム部18c−2と、第2平行カム部18c−3とを階段状に形成した構成を有している。第1平行カム部18c−1と第2平行カム部18c−3とは、スライドカム部材18の摺動方向(矢印A1又はA2方向)に対して平行に設けられている。第1平行カム部18c−1と第2平行カム部18c−3とは、スライドカム部材18の摺動方向に対して交差する方向に設けられた傾斜カム部18c−2により連結されている。
【0113】
次に、図36A〜図38Cを用いて、クランパリフタ23a,23bの動作について説明する。この動作は、前述したディスクの搬送動作の完了後に引き続き行われるディスクのターンテーブル13への装着動作に連動して行われるものである。
【0114】
図36Aは、ディスクが装置内に挿入されていない状態、又は挿入後の搬送途中の状態であって再生可能位置まで搬送されていない状態を示している。この状態においては、前述したように、クランパリフタ23aは矢印A14方向に付勢され、クランパリフタ23bは矢印A15方向に付勢されている。また、クランパリフタ23aは、クランパ支持部41aの段部41a−2でクランパ21を支持している。クランパリフタ23bは、クランパ支持部41bの段部41b−2でクランパ21を支持している。クランパ21は、クランパ支持部41aのクランパ規制リブ41a−3と、クランパ支持部41bのクランパ規制リブ41b−3とにより矢印A14及びA15方向の移動を規制されている。
【0115】
また、図36A〜図36Cに示す状態では、クランパリフタ23aのカム軸42aがリフタカム16mの第1平行カム部16m−1に係合し、クランパリフタ23bのカム軸42bがリフタカム18cの第1平行カム部18c−1に係合している。このとき、スライドカム部材16,18は、前述した図25に示す状態にある。また、ターンテーブル13は下降した状態にあり、クランパ21及びクランパリフタ23a,23bと、ターンテーブル13との間に、ディスク100を搬送可能な隙間が形成されている。図36B及び図36Cに一点鎖線で示すディスク100は、その隙間におけるディスク100の搬送位置を示している。この状態において、クランパ21は、ディスク100の搬送位置に対して平行な状態で支持され、クランパ規制リブ41a−3,41b−3により矢印A14及びA15方向の移動を規制されている。なお、クランパ21の鍔部21cがクランパ規制リブ41a−3,41b−3を乗り越えたとしても、突起45a,45b,45c,45dにより水平方向の移動を規制されるので、クランパ21の中心がターンテーブル13の中心から大きくずれることは無い。
【0116】
図36A〜図36Cに示す状態から、ディスク100が再生可能位置まで矢印A1方向に搬送されると、前述したように、ディスク100に押されたトリガレバー25が回動し、スライドカム部材16が矢印A2方向に摺動する。これにより、ラック30が回転しているピニオン10gと噛み合い、スライドカム部材16が矢印A2方向に更に摺動する。このスライドカム部材16の摺動に連動して、スライドカム部材16にリンクアーム17を介して連結されたスライドカム部材18が矢印A1方向に摺動する。このスライドカム部材16,18の摺動により、前述したように、ターンテーブル13が上昇し、図37A〜図37Cに示す状態となる。
【0117】
図37A〜図37Cに示す状態において、クランパリフタ23aのカム軸42aは、リフタカム16mの第1平行カム部16m−1から第1傾斜カム部16m−2を介して第2平行カム部16m−3に移動した状態にある。このカム軸42aの移動の過程で、クランパリフタ23aは、第1傾斜カム部16m−2によって矢印A15方向に移動する。一方、クランパリフタ23bのカム軸42bは、未だリフタカム18cの第1平行カム部18c−1と係合した状態にあり、矢印A14方向へは移動していない。このため、図37B及び図37Cに示すように、ターンテーブル13のマグネット13cの吸着力によりクランパ21のヨーク21aが吸引されるとき、クランパ21は、クランパリフタ23aのクランパ支持部41aにより支持されていた側がディスクに当接する傾斜状態となる。すなわち、クランパ21の鍔部21cのクランパリフタ23a側の周縁部が、クランパリフタ23aの矢印A15方向への摺動に伴って、段部41a−2から傾斜面41a−1に沿って下方に移動する。一方、クランパ21の鍔部21cのクランパリフタ23b側の周縁部は、クランパ支持部41bの段部41b−2に載置されたままである。
【0118】
図37A〜図37Cに示す状態から更に、スライドカム部材16が矢印A2方向に摺動すると共に、スライドカム部材18が矢印A1方向に摺動すると、クランパリフタ23aのカム軸42aが、リフタカム16mの第2平行カム部16m−3から第2傾斜カム部16m−4を介して第3平行カム部16m−5に移動する。この移動により、クランパリフタ23aが、第2傾斜カム部16m−4によって更に矢印A15方向に移動される。また、このとき、クランパリフタ23bのカム軸42bが、第1平行カム部18c−1から傾斜カム部18c−2を介して第2平行カム部18c−3に移動する。このカム軸42bの移動の過程で、クランパリフタ23bが、傾斜カム部18c−2によって矢印A14方向に移動される。このクランパリフタ23bの移動により、クランパ21の鍔部21cのクランパリフタ23b側の周縁部が、傾斜面41b−1に沿って下方に移動する。その後、前述した図27に示すようにスライドカム部材16,18の移動が完了すると、図38A〜図38Cに示す状態となる。
【0119】
図38A〜図38Cは、クランパ21をターンテーブル13上に吸着してクランプ動作が完了した状態、すなわち、ディスク100がターンテーブル13上に保持された装着完了状態を示している。この図38A〜図38Cに示す状態では、クランパリフタ23a,23bは、最も矢印A14又はA15方向へそれぞれ移動した状態にある。また、クランパ21の鍔部21cは、クランパ支持部41a,41bの段部41a−2,41b−2及び傾斜面41a−1,41b−1からそれぞれ離れた状態にある。すなわち、ターンテーブル13の回転によるクランパ21の回転に何ら支障がない状態となっている。従って、この状態で、ターンテーブル13が回転することにより、クランパ21によってクランプされたディスク100を再生することができる。
【0120】
次に、図38A〜図38Cに示すディスクのクランプ状態を解除して、ディスクを装置外へ排出する動作について説明する。
【0121】
図38A〜図38Cに示す状態において、ディスク排出の指令がなされると、前述したように、モータ9の駆動によりスライドカム部材16が矢印A1方向へ移動を開始すると共に、スライドカム部材18が矢印A2方向へ移動を開始する。
【0122】
前記スライドカム部材16,18の移動により、クランパリフタ23aのカム軸42aが、リフタカム16mの第3平行カム部16m−5から第2傾斜カム部16m−4を介して第2平行カム部16m−3へ移動する。この移動により、クランパリフタ23aが、第2傾斜カム部16m−4によって矢印A14方向に移動する。このクランパリフタ23aの移動により、クランパ21の鍔部21cのクランパリフタ23a側の周縁部が、傾斜面41a−1に沿って上方に移動し、図37A〜図37Cに示す状態になる。すなわち、クランパ21の鍔部21cのクランパリフタ23a側の周縁部が傾斜面41a−1に当接すると共に、クランパ21のクランパリフタ23a側の一部がディスクに当接した状態になる。
【0123】
また、前記スライドカム部材16,18の移動により、クランパリフタ23bのカム軸42bが、リフタカム18cの第2平行カム部18c−3から傾斜カム部18c−2を介して第1平行カム部18c−1へ移動する。この移動により、クランパリフタ23bが、傾斜カム部18c−2によって矢印A15方向に移動する。このクランパリフタ23bの移動により、クランパ21の鍔部21cのクランパリフタ23b側の周縁部が、傾斜面41b−1に沿って上方に移動し、図37A〜図37Cに示す状態になる。
【0124】
この図38に示す状態から図37に示す状態への変化により、クランパ21の鍔部21cのクランパリフタ23b側の周縁部が、クランパ支持部41bの段部41b−2に載置された状態になる。一方、クランパ21の鍔部21cのクランパリフタ23a側の周縁部は、傾斜面41a−1に当接した状態となるが、クランパ21のクランパリフタ23a側の周縁部の一部がディスク100に当接したままの状態になっている。すなわち、図38に示す状態から図37に示す状態に変化する際、クランパ21は、ターンテーブル13上に載置されたディスクに対して、クランパリフタ23b側の部分から離脱するようになっている。また、クランパ21のディスクからの離脱は、鍔部21cの周縁部を傾斜面41a−1,41b−1上で摺動させることにより行うようにしている。これにより、クランパ21をディスクから軽負荷で容易に離脱させることができる。
【0125】
図37A〜図37Cに示す状態から更に、スライドカム部材16,18が矢印A1又はA2方向に摺動すると、クランパリフタ23aのカム軸42aが、リフタカム16mの第2平行カム部16m−3から第1傾斜カム部16m−2を介して第1平行カム部16m−1へ移動する。この移動により、クランパリフタ23aは、第1傾斜カム部16m−2によって更に矢印A14方向に移動する。このクランパリフタ23aの移動により、クランパ21の鍔部21cのクランパリフタ23a側の周縁部が、傾斜面41a−1に沿って上方に移動し、図36A〜図36Cに示す状態になる。すなわち、この動作の過程で、クランパ21の鍔部21cのクランパリフタ23a側の周縁部も、ディスク100から完全に離脱する。
【0126】
図36A〜図36Cに示す状態では、前述したように、ターンテーブル13は、下降した状態にあり、クランパ21及びクランパリフタ23a,23bと、ターンテーブル13との間に、ディスクを搬送可能な隙間が形成されている。従って、ディスクの搬出動作が可能になる。
【0127】
以上、本第1実施形態のディスク装置によれば、クランパリフタ23a,23bが装置の厚み方向に対して直交する水平方向において互いに反対方向に移動するように構成されているので、クランパリフタ23a,23bが回動するスペースが不要である。従って、ディスク装置のより一層の薄型化及び小型化を実現することができる。
【0128】
また、本第1実施形態のディスク装置によれば、クランパリフタ23a,23bが移動を開始するタイミングが互いに異なるように構成されると共に、クランパ支持部41a,41bが傾斜面41a−1,41b−1を有している。これにより、クランパ21の鍔部21cのクランパリフタ23a側の部分と、クランパリフタ23b側の部分とを時間差を持って傾斜面41a−1又は傾斜面41b−1に沿って摺動させることができる。その結果、クランパ21がディスク100に接触するときの衝撃力及び衝撃音を和らげることができる。また、クランパ21をディスクから離すときに要する負荷を軽減することができる。
【0129】
なお、傾斜面41a−1,41b−1は、ディスク装置の厚み方向の寸法が、クランパ21の厚み方向の寸法よりも小さくなるように形成されることが好ましい。これにより、クランパリフタ23a,23bの厚み方向の寸法を抑えることができ、その結果、ディスク装置の薄型化及び小型化を実現することができる。
【0130】
また、クランパリフタ23a,23bのクランパ支持部41a,41b及びカム軸42a,42bを除く部分の厚みにアッパーベース22の厚みを加えた厚みが、クランパ21の厚みとほぼ等しくなるように構成されることが好ましい。これにより、クランプ動作を行うための構成を、ほぼクランパの厚みと同等に抑えることができ、その結果、ディスク装置の薄型化及び小型化を実現することできる。
【0131】
また、本第1実施形態のディスク装置によれば、アッパーベース22が、開口部22aの周辺部に、クランパ21が水平方向に移動することを規制する複数の突起45a〜45dを有している。これにより、クランパリフタ23a,23bの矢印A14又はA15方向への移動時に、クランパ21がクランパリフタ23a,23bと共に移動することを規制することができ、より確実にディスクを再生可能位置でクランプ状態にすることができる。
【0132】
また、本第1実施形態のディスク装置によれば、突起45a〜45dの少なくとも一つが、上カバー1の内面に当接して、アッパーベース22と上カバー1の内面との間に、クランパリフタ23a,23bの移動を許容する一定の空間を形成するようにしている。これにより、簡単な構成で、クランパリフタ23a,23bの矢印A14又はA15方向の移動が妨げられることを防止することができる。
【0133】
また、本第1実施形態のディスク装置によれば、スライドカム部材16,18の一連の移動に連動して、昇降カム16a,18aによりターンテーブル13が昇降される動作と、リフタカム16m,18cによりクランパリフタ23a,23bが互いに反対方向に移動される動作とが行われるようにしている。これにより、ディスク搬送動作とディスク装着動作の一連の動作を、簡単に且つ確実に行うことができる。
【0134】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態にかかるディスク装置について、図39〜図41Cを用いて説明する。図39は、本発明の第2実施形態にかかるディスク装置のクランパとクランパリフタを示す斜視図である。図40Aは、ディスクをクランプ状態にする前の待機状態におけるクランパとクランパリフタとの位置関係を示す上面図であり、図40Bは、その断面図である。図40Cは、図40Bの部分拡大断面図である。図41Aは、ディスクをクランプ状態にしたときのクランパとクランパリフタとの位置関係を示す上面図であり、図41Bは、その断面図である。図41Cは、図41Bの部分拡大断面図である。図40C及び図41Cには、クランパとクランパリフタとターンテーブルとの位置関係も示している。
【0135】
本第2実施形態のディスク装置が、前記第1実施形態のディスク装置と主として異なる点は、クランパリフタ23a,23bに代えて、クランパリフタ51a,51bを備えている点である。以下、前記第1実施形態のディスク装置と重複する事項は説明を省略し、異なる事項について述べる。
【0136】
図39に示すように、クランパリフタ51aの一端部には、クランパ21の外周部の一部を支持可能なクランパ支持部52aが設けられている。クランパリフタ51aの他端部には、アッパーベース22に形成されたガイド孔22mを貫通して、スライドカム部材16に形成されたリフタカム16mと係合可能なカム軸53aが設けられている。同様に、クランパリフタ51bの一端部には、クランパ21の外周部の一部を支持可能なクランパ支持部52bが設けられている。クランパリフタ51bの他端部には、アッパーベース22に形成されたガイド孔22nを貫通して、スライドカム部材18に形成されたリフタカム18cと係合可能なカム軸53bが設けられている。カム軸53aがリフタカム16mに係合すると共にカム軸53bがリフタカム18cと係合した状態でスライドカム部材16,18が摺動することにより、クランパリフタ51a,51bは、互いに反対方向(矢印A14又はA15方向)に移動する。
【0137】
図40A及び図41Aに示すように、クランパ支持部52aは、クランパ21の中心軸を通る矢印A14又はA15方向の直線に対して、ディスク搬送方向A1の上流側に偏って形成されている。また、クランパ支持部52bは、クランパ21の中心軸を通る矢印A14又はA15方向の直線に対して、ディスク搬送方向A1の下流側に偏って形成されている。すなわち、クランパ支持部52a,52bは、図40Aに示すように、矢印A14又はA15方向に対して一定の角度αずれた方向を中心としてクランパ21を支持するように構成されている。
【0138】
また、クランパ支持部52a,52bは、クランパ21を支持するためにクランパ21の外周部に沿うように円弧状に形成された、傾斜支持部54a,54bと補助支持部55a,55bとを備えている。
【0139】
傾斜支持部54a,54bには、クランパ21を軸心方向(上下方向)に移動させることができるように傾斜面が形成されている。当該傾斜面は、上縁円弧状部と下縁縁弧状部の曲率が、クランパ21の鍔部21cの周縁部の曲率と一致するように形成されている。また、傾斜支持部54a,54bの各傾斜面は、クランパ21を軸心方向に移動させることができるように、上縁円弧状部と下縁円弧状部の円弧の中心をずらして形成されている。すなわち、傾斜支持部54a,54bの各傾斜面は、平面視において上縁円弧状部と下縁円弧状部との幅が均等ではなく、補助支持部55a,55bに近づくに従い若干狭くなるように形成されている。また、傾斜支持部54a,54bの各傾斜面の傾斜角度は、一定ではなく、補助支持部55a,55bに近づくに従い大きくなっている。
【0140】
また、本第2実施形態においては、アッパーベース22に対してクランパ21の水平方向の位置がずれないように規制するため、前記第1実施形態の突起45a,45b,45c,45dと同様の機能及び構成を有する突起56a,56b,56c,56dがアッパーベース22に設けられている(図40A,図41A参照)。
【0141】
補助支持部55a,55bは、図40Aに示す状態から図41Aに示す状態まで、クランパリフタ51a,51bが互いに反対方向に摺動してクランパ21が下降するときに、クランパ21が水平方向に移動することを、突起56a,56b,56c,56dと共に規制するように構成されている。より具体的には、クランパ21の鍔部21bの周縁部に対向する補助支持部55a,55bの内周部が、鍔部21bの周縁部より若干大きな曲率の円弧を有するように構成されている。
【0142】
以上、本第2実施形態のディスク装置によれば、クランパ支持部52a,52bが、矢印A14又はA15方向に対して一定の角度αずれた方向を中心としてクランパ21を支持するように構成されている。このような構成によっても、クランパリフタ51a,51bが装置の厚み方向に対して直交する水平方向において互いに反対方向に移動するように構成されているので、クランパリフタ51a,51bが回動するスペースが不要である。従って、ディスク装置のより一層の薄型化及び小型化を実現することができる。
【0143】
また、本第2実施形態のディスク装置によれば、クランパリフタ51a,51bが移動を開始するタイミングが互いに異なるように構成されると共に、クランパ支持部52a,52bの傾斜支持部54a,54bが前記傾斜面を有している。これにより、クランパ21の鍔部21cのクランパリフタ51a側の部分と、クランパリフタ51b側の部分とを時間差を持って前記傾斜面に沿って摺動させることができる。その結果、クランパ21がディスクに接触するときの衝撃力及び衝撃音を和らげることができる。また、クランパ21をディスクから離すときに要する負荷を軽減することができる。
【0144】
本発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施の形態に関連して充分に記載されているが、この技術に熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0145】
本発明のディスク装置は、より一層の薄型化及び小型化を実現することができるので、特に、CDやDVD、BD等のディスク状の記録媒体を、ターンテーブルに対向する位置で検出してクランパにより再生可能な装着状態とするディスク装置に有用である。
【符号の説明】
【0146】
1 上カバー
2 下カバー
3 防塵カバー
5 ローラベース
6a〜6d ゴムローラ
6e,6f ローラギヤ
7a,7b ローラアーム
8a〜8c ギヤ
9 モータ
10a〜10f ギヤ
10g ピニオン(駆動ギア)
11 クラッチプレート
12 メカシャーシ
13 ターンテーブル
13c マグネット
15 トラバース
16,18 スライドカム部材
16a,18a 昇降カム
16m,18c カム溝(リフタカム)
17 リンクアーム
19 中間シャーシ
21 クランパ
21a ヨーク
21b 直線
21c 鍔部
22 アッパーベース(シャーシ)
23a,23b,51a,51b クランパリフタ
24 センタリング部材
24a,24b 大径ディスク位置決め当接部
24c,24d 小径ディスク位置決め当接部
25 トリガレバー
25a ディスク検出部
25b スライドカム押圧部
25c 回動軸部
26 ガイドレバー
30 ラック
41a,41b,52a,52b クランパ支持部
41a−1,41b−1 傾斜面
41a−2,41b−2 段部
42a,42b,53a,53b カム軸
43a,43b ガイド孔
44a,44b ガイド孔
45a〜45d,56a〜56d 突起(規制片)
54a,54b 傾斜支持部
55a,55b 補助支持部
100 大径ディスク
200 小径ディスク
300 筐体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体内の再生可能位置に搬送されたディスクを、クランパとターンテーブルとの間に挟み込んで再生可能なクランプ状態とするディスク装置であって、
前記ディスクが再生可能位置に搬送されたことを検出することによりこの検出に連動してそれぞれ移動を開始する一対のスライドカム部材と、
前記クランパを支持するクランパ支持部をそれぞれ有する一対のクランパリフタと、
備え、
前記一対のクランパリフタは、前記一対のスライドカム部材の移動に連動して、前記ディスク装置の厚み方向に対して直交する水平方向において互いに反対方向に移動し、且つ当該互いに反対方向に移動を開始するタイミングが互いに異なるように構成され、
前記一対のクランパリフタのそれぞれのクランパ支持部は、前記一対のクランパリフタの前記互いに反対方向への移動に伴い前記クランパの外周部に当接して前記クランパを前記ディスク装置の厚み方向に移動させる傾斜面を有する、ディスク装置。
【請求項2】
前記傾斜面は、前記ディスク装置の厚み方向の寸法が、前記クランパの厚み方向の寸法よりも小さくなるように形成されている、請求項1に記載のディスク装置。
【請求項3】
前記クランパリフタは、前記ターンテーブルの上方に配置されたシャーシに摺動可能に配置され、
前記シャーシには、前記ターンテーブルと対向する位置に前記クランパの一部が通過可能な開口部が形成され、
前記クランパリフタの前記カム軸及び前記クランパ支持部を除く部分の厚みに前記シャーシの厚みを加えた厚みが、前記クランパの厚みとほぼ等しくなるように構成されている、請求項1又は2に記載のディスク装置。
【請求項4】
前記シャーシは、前記開口部の周辺部に、前記クランパが前記水平方向に移動することを規制する複数の規制片を有している、請求項3に記載のディスク装置。
【請求項5】
前記規制片は、少なくとも一つが前記筐体の内面に当接して、前記シャーシと前記筐体の内面との間に、前記一対のクランパリフタの前記反対方向の移動を許容する一定の空間を形成する、請求項4に記載のディスク装置。
【請求項6】
前記一対のスライドカム部材には、前記ターンテーブルを昇降させる昇降カムと、前記一対のクランパリフタを移動させるリフタカムとが形成され、
前記一対のクランパリフタはそれぞれ、前記リフタカムに係合されるカム軸を有する、
請求項1〜5のいずれか1つに記載のディスク装置。
【請求項7】
前記一対のスライドカム部材の一連の移動に連動して、前記昇降カムにより前記ターンテーブルが昇降される動作と、前記リフタカムにより前記一対のクランパリフタが前記互いに反対方向に移動される動作とが行われる、請求項6に記載のディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24A】
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【図24B】
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【図25】
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【図26A】
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【図26B】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35A】
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【図35B】
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【図36A】
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【図36B】
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【図36C】
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【図37A】
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【図37B】
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【図37C】
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【図38A】
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【図38B】
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【図38C】
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【図39】
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【図40A】
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【図40B】
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【図40C】
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【図41A】
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【図41B】
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【図41C】
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【公開番号】特開2012−33252(P2012−33252A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−143267(P2011−143267)
【出願日】平成23年6月28日(2011.6.28)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】