説明

ディスク装置

【課題】可撓性ディスクを用いて記録再生を行うディスク装置において、可撓性ディスクの半径方向のDCチルトを抑制し、正確な情報の記録再生を行うことのできるディスク装置の提供。
【解決手段】情報記録可能な可撓性を有するシート状のディスク(以下、可撓性ディスクという。)1を回転させるスピンドルモータ3と、回転する可撓性ディスクのディスク面に近接配置して可撓性ディスクの面振れを抑制する安定化板10と、回転する可撓性ディスクに対し情報の記録及び再生の少なくとも一方を行う情報記録再生装置を備えたディスク装置であって、安定化板は、可撓性ディスクと安定化板の間隙における内周部と外周部とを連通する通気構造を有するディスク装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスク装置に関する。詳しくは、可撓性を有するシート状の可撓性ディスクに対して情報の記録及び再生の少なくとも一方を行うディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の情報のデジタル化に伴い、光ディスク等の高速化、大容量化に対する要求が高まっている。そして、低コストで高密度な情報の高速記録/再生が可能な光ディスクとして、可撓性を有する厚さ0.1〜0.2mm程度のシート状の光ディスクの開発が進められている。なお、以下では、光ディスクを代表例として説明するが、本発明が対象とする記録/再生装置(ディスク装置)に用いられる可撓性の記録ディスクは、相変化メモリ、光磁気メモリ、ホログラムメモリなどのディスク状の可撓性の記録ディスクの全てを対象にしており、特に可撓性の光ディスクに限定されるものではない。
【0003】
例えば、特許文献1には、可撓性を有する光ディスク(以下では、便宜上、「可撓性ディスク」と略述する。)をスピンドルに固定して、高速で回転させるスピンドルモータと、高速で回転している可撓性ディスクに空気力学的な力を作用させて面振れを抑制する安定化板と、可撓性ディスクと安定化板との相対位置を調整する位置調整手段を備えた記録/再生装置(ディスク装置)が開示されている。
【0004】
一方、光ディスクの記録密度を向上させるための技術として、SIL(Solid Immersion Lens)を用いた近接場光記録技術の研究開発が進められている。(例えば、特許文献2参照)。近接場光記録においては、ディスク表面と光ヘッド先端の距離を数十nmに保つ必要があり、高精度なヘッド位置の制御が要求される。可撓性ディスクに対する高密度光記録においては、光ヘッドとこれに対向し情報の記録/再生が行われるディスク面との相対位置の制御が重要であり、光ヘッドそのものの位置制御とともに、光ヘッドと対向するディスク面の位置制御が必要である。さらに、光ヘッドとディスク面の相対位置の制御には、ディスク面と光ヘッドの相対距離だけでなく、互いの対向角度の制御も重要である。
【0005】
可撓性ディスクは、引用文献1に開示されている発明のように、基板厚0.1〜0.2mmであり、DVD(Digital Versatile Disk)やBlu-ray Discのような比較的厚手のディスク(基板厚1.2mm)と比較して、回転中の面振れを10分の1以下に抑えることができる。回転中のディスクの面振れが小さければ、ディスク面に対向する光ヘッドの位置制御が容易になり、近接場光記録においてヘッド位置制御の高精度化が容易になるので、可撓性ディスクは近接場光記録に適した記録ディスクである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−107699号公報
【特許文献2】特開平5−189796号公報
【特許文献3】特開2009―70471号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一般に、光ディスクの面振れに対して光ヘッドを相対的に所定の位置に保つための位置制御として、光ヘッドのフォーカスサーボやトラッキングサーボが行われている。しかし、光ディスクの面振れは、光ディスク面の上下方向や左右方向の変動だけでなく、光ディスク面のチルト(傾斜)も引き起こし、高速、高精度の情報記録/再生装置(ディスク装置)においては、光ディスク面のチルトに対する対策も必要となっている。
【0008】
可撓性ディスクは、従来の光ディスクに較べて回転による面振れを抑えることができるが、高速回転時に半径方向に特有のチルトの問題がある。可撓性ディスクは、安定化板に近接させて高速回転させた場合、スピンドルモータに固定されている内周部に較べ、自由端である外周部が安定化板に引き寄せられ易く、半径方向に特有のチルトを発生させることがある。なお、通常、安定化板は可撓性ディスクの上部に水平に配置されるので、本願においては、安定化板は可撓性ディスクの上部に水平に配置されていることを前提に説明するが、安定化板と可撓性ディスクの配置構造はこれに限ったものではない。
【0009】
可撓性ディスクの半径方向のチルトは、回転に連動して時間的に変化するACチルトと、時間に関係なく安定化板と可撓性ディスクの構造等に起因して発生するDCチルトに分けて考えられる。高速回転する可撓性ディスクにおいて、所定の時刻tにおける可撓性ディスクの半径方向の全チルト量をT(t)、水平基準面(通常は、安定化板は水平に設置されているので、可撓性ディスクを臨む安定化板の表面とすればよい。)に対するDCチルトをT、時刻tにおけるACチルトをT(t)とすると全チルト量T(t)は、下記の(式1)、
T(t)=T(t)+T ・・・(式1)
で表される。
【0010】
上記(式1)において、全チルト量T(t)が大きいと光ヘッドの制御誤差信号の劣化を招いたり、特に光ヘッドにSILを使用する場合は光ヘッドと光ディスクとの衝突の原因となったりする。特許文献3によると、SILを使用する光ヘッドでは、全チルト量T(t)のチルトマージン(水平基準面に対するチルトの許容最大角度)を±0.07度程度に抑える必要があるとされている。本願発明者らの検討によると、下記のように、従来のディスク装置により駆動される可撓性ディスクの場合、半径方向のDCチルト(角度)Tだけで±0.10度前後であり、全チルト量T(t)を好ましいチルトマージン内(±0.07度内)に収めることは難しかった。
【0011】
本願発明者らの検討した具体的な従来のディスク装置100による可撓性ディスク(可撓性光ディスク)駆動時の、半径方向のDCチルトについて、図6〜8を用いて説明する。なお、可撓性ディスク装置においては、構造上、周方向のチルトは半径方向のチルトに比べ十分に小さく、また、ACチルトT(t)は、安定化板で面振れを制御することにより、半径方向のDCチルトTに較べ十分小さいので、ここでは、周方向のチルト及びACチルトT(t)は無視している。
【0012】
図6は、従来のディスク装置(光ディスク装置)に可撓性ディスク(可撓性光ディスク)をセットして、定常回転で回転させながら可撓性ディスクに安定化板を近接させて回転させているディスク装置と、安定化状態の可撓性ディスクの断面模式図である。図6において、100はディスク装置(光ディスク装置)、1は定常回転中の可撓性ディスク、2は可撓性ディスク1に対し情報を記録又は再生する光ヘッド(以下の本願発明の説明においては、光ヘッド1は、ディスク駆動部を除く情報記録再生装置を含むものとする。)、3は可撓性ディスク1を駆動するスピンドルモータ、4は可撓性ディスク1の中心部を固定し、スピンドルモータ3の駆動力を可撓性ディスク1に伝達するディスク装着部、10は可撓性ディスク1の回転による面振れを抑制する安定化板である。
【0013】
15は可撓性ディスク1と安定化板10の間隙、16は間隙15の間隔(幅)を表し、17は間隙15の間隔16のうち可撓性ディスク1のディスク装着部4への固定部分(付け根)における間隔(幅)であり、ディスク装置100の調整により安定化板10を移動させて設定される。11は安定化板10の中心部(内周部)の開口部、30は可撓性ディスク1の面振れ、40は本ディスク装置100における水平基準面を表し、水平基準面40は安定化板10の表面(安定化板10は、可撓性ディスク1と対向する面を表面、反対側の面を裏面と呼ぶ。以下、同じ。)と同じ面である。
【0014】
可撓性ディスク1は、ディスク装置100の定常稼働状態では、毎分数千回転から2万回転程度で駆動されている。安定化板10表面の可撓性ディスク1との間隙15の間隔16は、可撓性ディスク1のディスク装着部4の付け根(間隔17)において100μm程度にセットされている。間隙15の間隔17を100μm程度にすると、可撓性ディスク1は、近接する安定化板10の作用によって面振れ30が抑制され、安定して回転できる。
【0015】
可撓性ディスク1は、毎分数千回転から2万回転程度で高速回転していると、可撓性ディスク1自身の遠心力によって水平になって回転しようとする。一方で、可撓性ディスク1と安定化板10の間隙15中の空気も、可撓性ディスク1の回転に随伴する周方向への流れと遠心力による外側方向への流れが混合された空気流が発生し、この空気流の作用により間隙15の静圧が大気圧より減圧(負圧)になる。そうすると、可撓性ディスク1は、間隙15と反対側の面(光ヘッド2と対向する面)からの大気圧の作用により安定化板10側に押圧される。可撓性ディスク1は、可撓性であるので、自分自身の遠心力と間隙15の減圧による押圧力とにより安定化板10側に接近し、間隙15の間隔16が狭くなるように湾曲する。この間隔16は、図6に示すように、可撓性ディスク1のディスク装着部4に固定された部分の間隔17より狭く、外周部ほどより狭くなる傾向にある。
【0016】
図7は、図6に示すディスク装置100において、可撓性ディスク1を回転数7,000rpmで回転駆動したときの、可撓性ディスク1の回転中心からの半径方向の距離に対する、可撓性ディスク1と安定化板10の間隙15の間隔(幅)16と、間隙15中の圧力の大気圧との差圧(間隙15の静圧)をプロットしたグラフである。
【0017】
なお、このディスク装置100における安定化板10は、厚さ約10mm、外径122mm、内径35mmの中心部が開口している円盤状で、剛性のあるアルミニウム製である。また、スピンドルモータ3と固定されているディスク装着部4の外径は33mmであり、ディスク装着部4の上部は安定化板10の開口部11の下部に、1mmの間隙を有して挿入可能な状態になっている。可撓性ディスク1は、厚さ0.1mm、外径120mm、内径15mmのポリカーボネート製で、十分な可撓性がある。
【0018】
図7に示すように、可撓性ディスク1と安定化板10の間隙15の静圧の大気圧との差圧(間隙15の静圧−大気圧)の絶対値(減圧幅)は、可撓性ディスク1の内周部では小さく、外周部にいくほど減圧幅が大きくなる傾向を示している。間隙15の減圧傾向に伴って、可撓性ディスク1と安定化板10の間隙15の間隔(幅)16は、可撓性ディスク1の内周部では広く、外周部にいくほど狭くなり、可撓性ディスク1は安定化板10に接近する傾向を示している。この検討例においては、間隙15の圧力の大気圧との差圧は、可撓性ディスク1の内周部ではほぼ0Paであり、外周部に向かうに従って低下する傾向にあるが、半径48mm付近まではあまり低下せず、半径50mmを超える外周部で急激に下がり、最外周部付近で−14Paであった。
【0019】
一方、可撓性ディスク1と安定化板10の間隙15の間隔(幅)16は、内周側(中心から20mm付近)から外周側に向かって約65μmから40μmへと、20μm以上の低下をしている。すなわち、可撓性ディスク1は、高速回転中に安定化板10の効果により、面振れは抑制されているが、内周部から外周部にかけて上向き(安定化板10側へ)の傾斜を発生しており、この安定化板10側へ向かう傾斜は、時間的に変動するものではなく、静的な傾斜(半径方向DCチルト)であり、また、この傾斜は間隙15の静圧の半径方向の変化に対する減圧傾向に較べて比較的均一であった。なお、間隙15の間隔16や大気圧との差圧の定量的な変化は、可撓性ディスク1の駆動回転数や形状、材質により特定されるものと考えられる。
【0020】
図8を用いて、ディスク装置100が可撓性ディスク1の駆動中に、間隙15の間隔16が半径方向に沿って傾斜した場合における問題点について説明する。図8は、図6における回転中の可撓性ディスク1と光ヘッド2の部分拡大図である。図8においては、左側が可撓性ディスク1の内周方向、右側が外周方向としている。すでに説明したように、回転中の可撓性ディスク1は、内周側から外周側に向かって、安定化板10の方向、図8においては上に向かって傾斜している。すなわち、可撓性ディスク1は、水平基準面40(図8では、説明の便宜上、可撓性ディスク1の光ヘッド2を臨む位置における安定化板10の表面と平行な面を水平基準面40としている。)に対し、図8の符号41で示す角度θだけ傾いている。なお、この角度θは、水平基準面40と可撓性ディスク1の光ディスク2を臨む位置の局所的な角度であり、角度θを半径方向DCチルト41と称する。なお、半径方向ACチルトは、半径方向DCチルト41に較べ十分小さいので無視している。
【0021】
例えば、光ヘッド2としてSILを用いる場合、図8に示すように、通常、光ヘッド2は水平基準面40と平行に配置されるので、半径方向DCチルト41が大きいと、SIL先端の中心2aを可撓性ディスク1に対し最適な距離とした場合、SIL先端の可撓性ディスク1の内周側に対応する端部2bが可撓性ディスク1に接触する恐れがある。高速回転している可撓性ディスク1と光ヘッド2が接触すれば、情報の記録再生に誤動作が発生するだけでなく、可撓性ディスク1や光ヘッド2の破損に繋がることになる。SILのような高精度の光ヘッド2を用いて最適な記録再生を行うには、光ヘッド2の先端と可撓性ディスク1の表面とは近接させることが好ましいので、可撓性ディスク1の半径方向DCチルト41はできるだけ小さくする(可撓性ディスク1を水平基準面40と平行する)ことが望まれる。また、通常、可撓性ディスク1と光ヘッド2とは、互いに所定の方向に対向して正確な情報の記録再生を行うように設計されており、両者が互いに傾いた角度で配置されると記録再生に誤動作が発生する場合もある。特許文献3によると、SILを使用する光ヘッドでは、可撓性ディスク1の半径方向DCチルト41は、±0.07度以下に抑えることが好ましいことになる。
【0022】
本発明は、上記の問題点を解決するため、可撓性ディスクを用いて情報の記録/再生を行うディスク装置において、可撓性ディスクの半径方向のDCチルトを抑え、正確な情報の記録再生を行うディスク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明のディスク装置は、情報記録可能な可撓性を有するシート状のディスク(以下、可撓性ディスクという。)を回転させるスピンドルモータと、回転する前記可撓性ディスクのディスク面に近接配置して前記可撓性ディスクの面振れを抑制する安定化板と、前記回転する可撓性ディスクに対し情報の記録及び再生の少なくとも一方を行う情報記録再生装置を備えたディスク装置であって、前記安定化板は、前記可撓性ディスクと前記安定化板の間隙における内周部と外周部とを連通する通気構造を有することを特徴とする。
【0024】
好ましい本発明のディスク装置においては、前記通気構造は、前記安定化板の内周部の前記間隙を臨む表面又は内周部側面に設けた開口と、前記安定化板の外周部の前記間隙を臨む表面に設けた開口と、前記内周部の表面又は前記内周部側面に設けた開口と前記外周部の表面に設けた開口とを連通する連通部とを有することを特徴とする。
【0025】
好ましい本発明のディスク装置においては、前記内周部の表面又は内周部側面に設けた開口、及び前記外周部の表面に設けた開口は、それぞれ複数であることを特徴とする。
【0026】
好ましい本発明のディスク装置においては、前記内周部の表面又は内周部側面に設けた開口、及び前記外周部の表面に設けた開口の少なくとも一方は、前記安定化板の周方向360度にわたって連続していることを特徴とする。
【0027】
好ましい本発明のディスク装置においては、前記連通部の少なくとも一部は、通気性を有する部材により構成されていることを特徴とする。
【0028】
好ましい本発明のディスク装置においては、前記安定化板は、中心部近傍に開口部を有し、前記可撓性ディスクとの対向面と反対側の面から前記開口部を蓋状に覆う蓋状部材を備え、前記蓋状部材は、前記開口部の圧力を調整する圧力調整孔を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、可撓性ディスクを用いて情報の記録再生を行うディスク装置において、可撓性ディスクの半径方向のDCチルトを抑え、正確な情報の記録再生を行うディスク装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る光ディスク装置の(a)可撓性ディスク駆動中の断面図(一部省略)と、(b)前記光ディスク装置における安定化板の1/4部分の平面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る光ディスク装置により駆動された可撓性ディスク(通気構造あり)と、従来の光ディスク装置により駆動された可撓性ディスク(通気構造無し)の、半径方向の距離に対する可撓性ディスクと安定化板の間隙の間隔(幅)の変化を示すグラフである。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る光ディスク装置により駆動された可撓性ディスク(通気構造あり)と、従来の光ディスク装置により駆動された可撓性ディスク(通気構造無し)の、半径方向の距離に対する半径方向のDCチルト角の相違を示すグラフである。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る光ディスク装置の(a)可撓性ディスク駆動中の断面図(一部省略)と、(b)前記光ディスク装置における安定化板の1/4部分の平面図である。
【図5】本発明の第3の実施形態に係る光ディスク装置の(a)可撓性ディスク駆動中の断面図(一部省略)と、(b)前記光ディスク装置における安定化板の1/4部分の平面図である。
【図6】従来の光ディスク装置の可撓性ディスク駆動中の断面図である。
【図7】従来の光ディスク装置により駆動された可撓性ディスクの、半径方向の距離に対する、可撓性ディスクと安定化板の間隙の間隔(μm)の変化、及び可撓性ディスクと安定化板の間隙における大気圧との差圧(Pa)の変化を表すグラフである。
【図8】可撓性ディスクの半径方向DCチルトと光ヘッド(SIL)の干渉を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明のディスク装置を以下の実施形態によって説明する。なお、本発明の実施形態の説明においては、可撓性を有するシート状のディスク(以下、可撓性ディスクと略称する。)の代表例として可撓性を有する光ディスク(可撓性光ディスクともいう。)を対象にして光ディスク装置の説明をするが、本発明が対象とする情報の記録及び/又は再生可能なディスク装置は、可撓性ディスクとして、可撓性光ディスクだけでなく、相変化メモリ、光磁気メモリ、ホログラムメモリなどのディスク状の情報の記録及び/又は再生可能な記録ディスクとして使用できるもの全てを対象にし、特に可撓性光ディスクの光ディスク装置に限定するものではない。
【0032】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る光ディスク装置の(a)可撓性ディスク駆動中の断面図(一部省略)と、(b)前記光ディスク装置における安定化板の1/4部分の平面図である。なお、図1においては、光ディスク装置は可撓性ディスク(可撓性光ディスク)を装着して所定の回転数で回転している状態を表している。図1において、100はディスク装置(光ディスク装置)、1は可撓性ディスク、2は可撓性ディスク1に対し情報を記録又は再生する光ヘッド(情報記録再生装置を含む。以下同じ。)、3は可撓性ディスク1を駆動するスピンドルモータ、4は可撓性ディスク1の中心部をスピンドルモータ3の軸に固定し、スピンドルモータ3の回転を可撓性ディスク1に伝達するディスク装着部である。10は可撓性ディスク1の回転による面振れを抑制する安定化板、11は安定化板10の中心部の開口部である。
【0033】
15は可撓性ディスク1と安定化板10の間隙、16は間隙15の間隔(幅)を表し、17は間隙15の間隔16のうちディスク装着部4の付け根(可撓性ディスク1の装着部)における間隔(幅)であり、ディスク装置100の回転数制御時に設定された安定化板10とディスク装着部4の間隔により決定される間隔である。
【0034】
本実施形態のディスク装置100ついての以上の説明部分は、図6を用いて説明した従来のディスク装置100と同じである。しかし、本実施形態のディスク装置100においては、安定化板10の構造が従来のディスク装置100とは相違している。本実施形態のディスク装置100における安定化板10は、図1(a),(b)に示すように、可撓性ディスク1と安定化板10の間隙15における、可撓性ディスク1の内周部側と外周部側とを連通する通気構造を備えている。この通気構造は、安定化板10の内周部側面に形成した開口である内周部通気孔21と、安定化板10の間隙15側の表面の外周部側に形成した開口である外周部通気孔22と、内周部通気孔21と外周部通気孔22を連通する連通部23を備えている。内周部通気孔21、外周部通気孔22、及び両者の連通部23は、間隙15の内周部と外周部の圧力を均一に近くするものであり、それぞれ複数、周方向に均等に配置されるように備えることが好ましい。本実施形態においては、例えば、図1(b)に示すように内周部通気孔21、外周部通気孔22、及び両者の連通部23は、それぞれ安定化板10の中心から等角度(θ=12度)になるように、30個ずつ対になるように配置している。
【0035】
また、安定化板10には、開口部11の上部(可撓性ディスク1と対向する面と反対側)を蓋状に覆う蓋状部材12を備え、蓋状部材12には、安定化板10の開口部11とディスク装着部4の間の空間(単に開口部11と言うこともある。)の圧力を調整する圧力調整孔13が形成されている。
【0036】
本実施形態においては、可撓性ディスク1の材質はポリカーボネートであり、外径120mm、内径15mm、厚さ0.1mmである。安定化板10は、外径122mm、内径35mm、厚さ10mmのアルミニウム製である。可撓性ディスク1を挟んで、スピンドルモータ3の駆動力を可撓性ディスク1に伝えるディスク装着部4の直径は33mmであり、その上部が安定化板10の開口部11の下部に嵌ることができるように配置されている。
【0037】
図1に示すように、安定化板10の内周部の開口部11の上部(可撓性ディスク1と対向する側と反対側)は、蓋状部材12で開口部11を覆っている。蓋状部材12の中央部には圧力調整孔13が設けてあり、開口部11に大気中から空気が流入できるようになっている。
【0038】
安定化板10の内周部の側面には、内周部側面通気孔21が側面の周方向に等間隔で設けられており、内周部側面通気孔21は安定化板10の内部に設けたトンネル構造の連通部23を経由して、可撓性ディスク1に対向する安定化板10の外周部の表面周方向に等間隔に設けた外周部通気孔22と連通している。本実施形態においては、内周部側面通気孔21及び外周部通気孔22の直径はそれぞれ0.5mm、連通部23の断面積の直径は1.0mm、圧力調整孔13の直径は1.0mmである。内周部側面通気孔21は、安定化板10の内周部の側面に角度間隔12度で30カ所配置してある。内周部側面通気孔21と連通部23を介して対をなす外周部通気孔22は、安定化板10の表面の半径55mmの位置に等角度間隔12度で30カ所配置してある。なお、内周部側面通気孔21及び外周部通気孔22の配置、個数、直径等、並びに圧力調整孔13の配置、個数、直径等については、これに限定されるものではない。
【0039】
可撓性ディスク1と安定化板10の間隙15の間隔(幅)16は、安定化板10の上下位置(可撓性ディスク1のディスク面に垂直な方向の位置)を調整することによって可変な値である。この間隙15の間隔(幅)16は、可撓性ディスク1のディスク装着部4への付け根部分の間隔17を指標にして、安定化板10の上下動の制御によって調整できる。
【0040】
本実施形態のディスク装置100の動作について説明する。可撓性ディスク1がスピンドルモータ3によって所定回転数、例えば7,000rpmまで回転駆動され、可撓性ディスク1のディスク装着部4への付け根部分の間隙15の間隔17が所定の間隔、例えば100μmとなるように安定化板10が制御されて配置される。そうすると、可撓性ディスク1は、遠心力によりほぼ水平になりながら安定して回転する。可撓性ディスク1と安定化板10との間隙15には、可撓性ディスク1の回転に伴いディスク回転方向の空気流と、可撓性ディスク1の内側から外側方向へ空気流の二つの成分からなる空気流が発生する。この空気流により、間隙15には大気圧に対する差圧(通常、負圧)が生じる。通常は、この差圧は、間隙15における内周部と外周部では異なる。
【0041】
図6に示すような、安定化板10に通気構造のない従来のディスク装置100であれば、図7に示したように、間隙15の内周部の差圧(負圧)より外周部の差圧(負圧)が大きく(減圧幅が大きい)、大気圧より可撓性ディスク1が安定化板10側に押し付けられ、可撓性ディスク1は内周部から外周部に向けて安定化板10側に引き寄せられるように湾曲する。しかし、本実施形態のディスク装置100においては、内周部側面通気孔21と外周部通気孔22が連通部23を介して連通しているため、連通部23を介して内周部側面から間隙15の外周部に空気が流通し、間隙15の内周部と外周部の圧力差は平準化される。内周部側面から外周部への空気の流通量は、内周部側面通気孔21、外周部通気孔22、及び連通部23の形状、大きさ等を調整することにより調整できる。内周部側面から外周部への空気の流通量の調整によって、間隙15の半径方向における間隔16の変化量が制御できる。間隙15の間隔16の変化量を制御するということは、回転中の可撓性ディスク1の水平に対する変化量(半径方向DCチルト角)を制御することになる。
【0042】
内周部側面通気孔21は、安定化板10の中心部の開口部11に向いて開口しており、開口部11の上部には蓋状部材12が設置されている。蓋状部材12は、直径1mmの圧力調整孔13が一つ設けてあるだけなので、開口部11は、大気圧に対し適度に差圧を調整され、外周部通気孔22から過剰な空気が流出しないよう制御されている。すなわち、内周部側面から連通部23を介した外周部への空気の流通量は、圧力調整孔13の形状、大きさ等を調整することによっても制御でき、間隙15の間隔16の変化量(半径方向DCチルト角)が制御できる。
【0043】
図2は、本実施形態に係る安定化板10を備えたディスク装置100を用いて可撓性ディスク1を回転させた場合と、図6に示すような、通気構造のない従来型の安定化板を用いた場合の、可撓性ディスク1の半径方向位置に対する間隙15の間隔16を測定した結果をプロットしたグラフである。本実施形態に係る安定化板10を備えたディスク装置100は、従来型の通気構造のない安定化板を備えたディスク装置100に比較して、可撓性ディスク1の内周部から外周部までの間隙15の間隔16の変化が1/3程度に縮小していることが判る。
【0044】
図3は、上記の結果から可撓性ディスク1の半径方向DCチルト41を計算した結果をプロットしたグラフである(図8参照)。図3のグラフから判るように、従来型のディスク装置100(通気構造無し)における半径方向DCチルト41は、−0.02〜−0.10度の間で変化した。一方、本実施形態のディスク装置100(通気構造あり)における半径方向DCチルト41は、ほぼ±0.05度以下と水平に近い状態となり、SILなどの高性能ヘッドへの対応(±0.07度以内)に問題がないことが判った。
【0045】
本実施形態では、内周部側面通気孔21、外周部通気孔22、連通部23圧力調整孔13の位置、形状、数等を特定しているが、これらは、可撓性ディスク1の大きさ、形状、材質や回転数に応じて最適値があるので、必要に応じて適宜調整できることが好ましい。また、光ヘッド2の配置に対応する可撓性ディスク1の位置の半径方向DCチルト41を低減すべく、安定化板10の対応する位置の通気構造を適宜調整することが好ましい。なお、図1(a)では安定化板10は一体物として記載しているが、これに限られるものではない。連通孔27を境に上下2つの部分に分けて、どちらかに溝を作製して連通孔とし、その後2つの部分を接着することで安定化板としてもよい。以降の実施形態においても同様である。
【0046】
(第2の実施形態)
図4は、本発明の第2の実施形態のディスク装置100を表し、(a)は可撓性ディスク駆動中のディスク装置の断面図(一部省略)、(b)は安定化部材の部分平面図である。本実施形態のディスク装置100は、第1の実施形態のディスク装置100に類似しており、可撓性ディスク1の材質はポリカーボネートであり、外径120mm、内径15mm、厚さ0.1mmである。安定化板10は、外径122mm、内径35mm、厚さ10mmのアルミニウム製である。スピンドルモータ3の駆動力を可撓性ディスク1に伝えるディスク装着部4の直径は33mmであり、これらの構成は、第1の実施形態と変わらない。ディスク装着部4の上部が安定化板10の開口部11の下部に、1mmの間隙をもって嵌ることができるように配置されている。
【0047】
本実施形態においては、図4に示すように、安定化板10の内周部の開口部11の上部(可撓性ディスク1と対向する側と反対側)には、第1の実施形態のディスク装置100に設けたような蓋状部材12は設けられておらず、安定化板10の内周部の開口部11は空気が自由に流入でき大気圧となっている。
【0048】
さらに、本実施形態のディスク装置100においては、安定化板10の表面(可撓性ディスク1に対向する面)には、図4に示すように、内周部付近に内周部通気孔24が、外周部付近に外周部通気孔22が設けられており、両者は安定化板10の内部に設けたトンネル構造の連通部23を経由して互いに連通している。本実施形態においては、内周部通気孔24及び外周部通気孔22の直径はそれぞれ0.5mm、連通部23は断面の直径1.0mmの円筒状である。内周部通気孔24は安定化板10の表面の半径20mmの位置に周方向に等間隔に30個配置し、外周部通気孔22は安定化板10の表面の半径55mmの位置に周方向に等間隔で30個配置してある。なお、内周部通気孔24及び外周部通気孔22の直径、配置、個数についてはこれに限定されるものではない。
【0049】
可撓性ディスク1と安定化板10の間隙15の間隔(幅)16は、全体としては、安定化板10の上下位置(可撓性ディスク1のディスク面に垂直な方向の、ディスク装着部4との相対位置)を調整することによって可変な値である。この間隙15の間隔(幅)は、可撓性ディスク1のディスク装着部4への付け根部分の間隔17を指標にして、安定化板10の上下移動させることにより調整される。
【0050】
本実施形態のディスク装置100の動作について説明する。可撓性ディスク1がスピンドルモータ3によって所定回転数、例えば7,000rpmまで回転駆動され、可撓性ディスク1のディスク装着部4への付け根部分の間隔17が所定の間隔となるように、安定化板10を配置される。間隔17は100μm程度であり、回転する可撓性ディスク1と安定化板10との間に、ディスク回転方向の空気流と、内周側から外周方向へ空気流の二つの成分からなる空気流が発生する。この空気流により、間隙15の内周部と外周部に大気に対する差圧(通常、負圧)が生じる。
【0051】
この時、間隙15の内周部と外周部には差圧の相違が生じるが、内周部通気孔24と外周部通気孔22は、連通部23により連通しているため、差圧の相違を平準化する作用が働き、第1の実施形態について説明したと同じように、可撓性ディスク1の安定化板10側への湾曲が小さくなり、可撓性ディスク1の半径方向DCチルト41を±0.07度以内に抑制することができる。従って、本実施形態も第1の実施形態と同じように、可撓性ディスク1のディスク面は水平基準面40に対して平行を保って回転することができる。
【0052】
なお、本実施形態においては、内周部通気孔24が安定化板の表面の半径20mmの位置にあり、内周部通気孔24より内側に幅2.5mmの間隙15がある。この間隙は、およそ100μm程度であり、さらに、安定化板10の内周部側面の下部とディスク装着部4の上部側面とが、1mmの間隙で嵌め合わされながら回転しているので、内周部通気孔24から外周部通気孔22への過剰な空気の流入は起こり難く、第1の実施形態のような、安定化板10の開口部11に対する蓋状部材12はなくてもよい。
【0053】
(第3の実施形態)
図5は、本発明の第3の実施形態のディスク装置100であり、(a)は可撓性ディスク駆動中の断面図、(b)は安定化部材の部分平面図である。本実施形態において、可撓性ディスク1の材質はポリカーボネートであり、外径120mm、内径15mm、厚さ0.1mmである。安定化板10は、外径122mm、内径35mm、厚さ10mmのアルミニウム製である。スピンドルモータ3の駆動力を可撓性ディスク1に伝えるディスク装着部4の直径は33mmである。
【0054】
ディスク装着部4の上部は、安定化板10の開口部11の下部に、1mmの間隙をもって嵌ることができるように配置されている。安定化板10の内周部の開口部11の上部(可撓性ディスク1と対向する側と反対側)には、蓋状部材は設けられておらず、安定化板10の内周部の開口部11は空気が自由に流入でき大気圧となっている。
【0055】
可撓性ディスク1と安定化板10の間隙15は、安定化板10のディスク装着部4に対する上下位置(可撓性ディスク1のディスク面に垂直な方向の位置)を調整することによって可変な値である。この間隙15の間隔(幅)は、可撓性ディスク1のディスク装着部4への付け根部分の間隔17を指標にして調整される。これらの構成は、第2の実施形態と変わらない。
【0056】
本実施形態においては、図5に示すように、安定化板10の表面(可撓性ディスク1に対向する面)における、内周部付近に内周部通気領域26が、外周部付近に外周部通気領域25が設けられており、両者は安定化板10の内部に設けたトンネル構造の連通部27を経由して互いに連通している。内周部通気領域26は、安定化板10の表面の半径20mmの位置に、幅1mmで周方向に形成された同心円状の溝である。外周部通気領域25は、安定化板10の表面の半径55mmの位置に、幅1mmで周方向に形成された同心円状の溝である。連通部27は、安定化板10の内部に形成された厚さ4mmのドーナツ型の空洞で、内周部通気領域26と外周部通気領域25を連通させるように広がっている。安定化板10の半径20mmから55mmまでの間の断面は、図5(a)に示すように非通気性の安定化板10が連通部27を挟むサンドイッチ構造をしている。
【0057】
内周部通気領域26、外周部通気領域25、及び連通部27の少なくとも一部(本実施形態では、ほぼ全体)には、通気性の多孔質体が挿入されており、外周部通気領域25から吹き出す空気量の調整と、安定化部材10の構造の維持に寄与している。多孔質体としては、例えば、燒結金属や樹脂製の通気性多孔質体が使用できる。なお、連通部27の厚さを薄くすれば、必ずしも多孔質体を用いる必要はない。
【0058】
本実施形態のディスク装置100の動作について説明する。可撓性ディスク1がスピンドルモータ3によって所定回転数、例えば7,000rpmまで回転駆動され、可撓性ディスク1のディスク装着部4への付け根部分の間隔17が所定の間隔となるように、安定化板10が配置される。間隔17は100μm程度であり、回転する可撓性ディスク1と安定化板10との間に、ディスク回転方向の空気流と、内周側から外周方向へ空気流の二つの成分からなる空気流が発生する。この空気流により、間隙15には大気圧との差圧(通常、負圧)が生じる。
【0059】
この時、間隙15には内周部と外周部に圧力差が生じるが、内周部通気領域26と外周部通気領域25は、連通部27により連通しているため、圧力差を平準化する作用が働き、第1の実施形態と同じように、内周部と外周部の圧力差は小さくなる。内周部と外周部の圧力差は小さければ、可撓性ディスク1の内周部から外周部にかけての湾曲が小さくなり、可撓性ディスク1のディスク面を水平基準面40に対して平行を保って、半径方向DCチルト41を±0.07度以内に抑制しながら回転することができる(図8参照)。この実施形態においては、可撓性ディスク1の周方向全体に溝が形成されているので、半径方向DCチルト41が周方向にムラを生じ難く、周方向のチルトの発生が抑えられ、好適なディスク装置である。
【符号の説明】
【0060】
1 :可撓性ディスク(可撓性光ディスク)
2 :光ヘッド(情報記録再生装置)
2a :(光ヘッド先端部の)中心部
2b :(光ヘッド先端部の)端部
3 :スピンドルモータ
4 :ディスク装着部
10 :安定化板
11 :(安定化板中心部の)開口
12 :蓋状部材
13 :圧力調整孔
15 :可撓性ディスクと安定化板の間隙
16 :間隙15の間隔(幅)
17 :ディスク装着部4(可撓性ディスクの付け根)における間隙15の間隔(幅)
21 :内周部側面通気孔
22 :外周部通気孔
23 :連通部
24 :内周部通気孔
25 :外周部通気領域
26 :内周部通気領域
27 :連通部
30 :(可撓性ディスク1の)面振れ
40 :水平基準面
41 :半径方向DCチルト(角度θ)
100:ディスク装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報記録可能な可撓性を有するシート状のディスク(以下、可撓性ディスクという。)を回転させるスピンドルモータと、回転する前記可撓性ディスクのディスク面に近接配置して前記可撓性ディスクの面振れを抑制する安定化板と、前記回転する可撓性ディスクに対し情報の記録及び再生の少なくとも一方を行う情報記録再生装置を備えたディスク装置であって、
前記安定化板は、前記可撓性ディスクと前記安定化板の間隙における内周部と外周部とを連通する通気構造を有することを特徴とするディスク装置。
【請求項2】
前記通気構造は、
前記安定化板の内周部の前記間隙を臨む表面又は内周部側面に設けた開口と、
前記安定化板の外周部の前記間隙を臨む表面に設けた開口と、
前記内周部の表面又は内周部側面に設けた開口と、前記外周部の表面に設けた開口とを連通する連通部とを有することを特徴とする請求項1に記載のディスク装置。
【請求項3】
前記内周部の表面又は内周部側面に設けた開口、及び前記外周部の表面に設けた開口は、それぞれ複数であることを特徴とする請求項2に記載のディスク装置。
【請求項4】
前記内周部の表面又は内周部側面に設けた開口、及び前記外周部の表面に設けた開口の少なくとも一方は、前記安定化板の周方向360度にわたって連続していることを特徴とする請求項2に記載のディスク装置。
【請求項5】
前記連通部の少なくとも一部は、通気性を有する部材により構成されていることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載のディスク装置。
【請求項6】
前記安定化板は、中心部近傍に開口部を有し、前記可撓性ディスクとの対向面と反対側から前記開口部を蓋状に覆う蓋状部材を備え、
前記蓋状部材は、前記開口部の圧力を調整する圧力調整孔を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−20674(P2013−20674A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−153284(P2011−153284)
【出願日】平成23年7月11日(2011.7.11)
【出願人】(000004352)日本放送協会 (2,206)
【出願人】(591053926)財団法人エヌエイチケイエンジニアリングサービス (169)