説明

ディスク記録再生装置及び記録再生方法

【課題】データのアドレス管理が容易となり、かつアクセス時間の短縮が可能なディスク記録再生装置及びその記録再生方法を提供する。
【解決手段】ピッカー部は光ディスクの再生機能を有し、光ディスクを格納場所からドライブに搬送する間に前記光ディスクの前記ドライブでの再生及び記録に関する調整パラメータを取得する。前記ドライブは搬送された前記光ディスクを再生する。このとき、前記ドライブは前記ピッカーが取得した前記調整パラメータに基づいて再生及び記録に必要な各種パラメータの設定を行うことにより時間の短縮が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスク記録再生装置およびその動作方法に関し、特に複数枚の光ディスクの記録再生を行う技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光ディスクを複数枚格納し、これらの光ディスクを適宜自動的に交換して大容量の記憶装置を実現するライブラリ装置が開発されている。
【0003】
特許文献1の要約には、目的として「アクセス性能を向上させたライブラリシステムを提供する。」と記載されており、構成として「ハンド部4及び搬送制御部9によって倉庫3の格納エリア6に格納された可換形の光ディスク媒体5をドライブ部2に移動し、光ディスク媒体5に記録されたデータブロックをアクセスする際、階層化コントローラ8によってライブラリシステムに記録された全データブロック及び光ディスク媒体5のアクセス頻度を管理し、光ディスクライブラリ1に記録された全データブロックからアクセス頻度の高いデータブロックをアクセス頻度順にキャッシュ7に収容可能な数だけ複写して記録すると共に、キャッシュ7に記録されたデータブロックに次いでアクセス頻度の高いデータブロックを記録している光ディスク媒体5をドライブ部2の最近傍からデータブロックのアクセス頻度の順に配置する。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−306757公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、アクセス頻度に基づくデータの振り分け、ディスクの置き換えを行うため、データのアドレス管理が煩雑になる。
【0006】
本発明は上記のような課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、データのアドレス管理が容易となり、かつアクセス時間の短縮が可能なディスク記録再生装置及びその記録再生方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するため、本発明では一例として特許請求の範囲記載の構成を用いる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、データのアドレス管理が容易となり、かつアクセス時間の短縮が可能なディスク記録再生装置及びその記録再生方法を提供するが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明の光ディスク記録再生装置の構成の一例を示した図である。
【図2】図2は、本発明の実施例による光ディスク記録再生装置のピッカー部の概観例を示した図である。
【図3】図3は、本発明の実施例による光ディスク記録再生装置のドライブの概観例を示した図である。
【図4】図4は、本発明の実施例による光ディスク記録再生装置のピッカー部とドライブの位置関係例を示した図である。
【図5】図5は、本発明の実施例1による光ディスク記録再生装置のドライブの構成の一例を示した図である。
【図6】図6は、本発明の実施例1による光ディスク記録再生装置の再生フロー例を示した図であり、再生する光ディスクが格納部に格納されており、光ディスクが格納されていないドライブで再生する場合のフロー例を示した図である。
【図7】図7は、本発明の実施例1による光ディスク記録再生装置の再生フロー例を示した図であり、再生する光ディスクが既にドライブに格納されている場合のフロー例を示した図である。
【図8】図8は、本発明の実施例1による光ディスク記録再生装置の再生フロー例を示した図であり、再生する光ディスクが格納部に格納されており、全てのドライブに光ディスクが格納されている場合のフロー例を示した図である。
【図9】図9は、本発明の実施例1による光ディスク記録再生装置の記録フロー例を示した図であり、記録する光ディスクが格納部に格納されており、光ディスクが格納されていないドライブで記録する場合のフロー例を示した図である。
【図10】図10は、本発明の実施例1による光ディスク記録再生装置の記録フロー例を示した図であり、記録する光ディスクが既にドライブに格納されている場合のフロー例を示した図である。
【図11】図11は、本発明の実施例1による光ディスク記録再生装置の記録フロー例を示した図であり、記録する光ディスクが格納部に格納されており、全てのドライブに光ディスクが格納されている場合のフロー例を示した図である。
【図12】図12は、本発明の実施例2による光ディスク記録再生装置のドライブの構成の一例を示した図である。
【図13】図13は、本発明の実施例2による媒体入れ替えのフロー例を示した図である。
【図14】図14は、本発明の実施例2による格納部整理のフロー例を示した図である。
【図15】図15は、本発明の実施例3による再生時の各スロットグループにおける調整項目の例を示した図である。
【図16】図16は、本発明の実施例3による記録時の各スロットグループにおける調整項目の例を示した図である。
【図17】図17は、本発明の実施例4による光ディスク記録再生装置の周辺接続例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
まず、実施例1を図1乃至11を用いて説明する。図1は本発明の実施形態としての光ディスク記録再生装置の構成例である。
【0011】
本発明に従う光ディスク記録再生装置1は、ネットワーク2に接続されている図示していないパソコンやサーバなどの要求元から記録または再生要求を受けて光ディスクの記録または再生を行う。光ディスク記録再生装置1はネットワーク2を介して前記要求元とのデータの受け渡しを行うインタフェース11、光ディスク記録再生装置1の各種制御を行う制御部12、各種データを記憶するメモリ部13、ピッカー部15を移動させる搬送部14、光ディスクを一時格納し搬送部14の制御により移動してドライブ16及び格納部17と光ディスクの受け渡しを行うピッカー部15、光ディスクの記録及び再生を行う複数台のドライブ16、複数枚の光ディスクを格納する格納部17を有する。格納部17は内部が仕切られており、各仕切りにより光ディスクが固定される。以下、光ディスクが固定される空間をスロットと表記する。なお、該スロットは、定常状態において格納されている光ディスクが静止している状態になるような構造であれば、前記の構造の限りではない。各スロットには、スロット内に格納されている光ディスクを排出する機構が備えられており、制御部12からの媒体排出要求コマンドを受信すると前記光ディスクを排出する。また、スロット内に光ディスクを格納する機構が備えられており、スロット内へ光ディスクが途中まで挿入されるとスロット内に光ディスクを格納するよう作動する。なお、格納部17の機構は前記の様態に限定されるものではなく、例えばトレー方式による格納や排出を行う機構でも良いし、格納部17には光ディスクの排出機構のみ備え、ピッカー部15側に格納部17へ光ディスクを格納する機構を備えても良く、様々な変形例が含まれる。
【0012】
光ディスク記録再生装置1はネットワーク2に接続されている前記要求元から記録または再生要求を受ける、としているが、記録または再生要求元はこの限りではない。例えば、光ディスク記録再生装置1と1対1で接続されるホストコンピュータでも良い。
【0013】
図2は光ディスク記録再生装置1が有するピッカー部15の概観の例である。ピッカー部15はスロット式の媒体挿入排出口を有し、該媒体挿入排出口を介して光ディスクの挿入及び排出を行い、光ディスクを一時格納する。またピッカー部15は光ディスクの再生機能を有し、一時格納した光ディスクのドライブ16での再生に関する調整パラメータを取得する。
【0014】
図3は光ディスク記録再生装置1が有するドライブ16の概観の例である。ドライブ16はドライブ1乃至Nの集合体であり、ドライブ1乃至Nはそれぞれスロット式の媒体挿入排出口を有し1枚の光ディスクの記録及び再生を行う。ドライブ1乃至Nが記録及び再生する光ディスクはピッカー部15を介して交換可能であり、前記光ディスクの交換を行うことで格納部17に格納している全ての光ディスクについて記録及び再生が可能である。
【0015】
図4は前記光ディスクの交換の際に行う、ピッカー部15とドライブ16のうちのあるドライブM(Mは1乃至Nのいずれかひとつの値)とで光ディスクの受け渡しを行う場合のピッカー部15とドライブMの位置関係例を示したものである。ピッカー部15の媒体挿入排出口とドライブMの媒体挿入排出口は互いに向かい合っており、互いの媒体挿入排出口がある面は距離dだけ隔てた位置関係としている。dの距離は、スロット式の媒体挿入排出において、一方が媒体を排出したときの媒体位置と他方が媒体を挿入されたと検知する媒体位置の位置関係に基づいて決定する。
【0016】
図5は前記ドライブ16のうちの任意の1つのドライブ(以下の説明ではドライブLと表記する。Lは1乃至Nのいずれかひとつの値)の構成例を示したものである。ドライブLは、光ディスク3を回転駆動するスピンドルモータ161と、光ピックアップ162と、光ディスク3の再生時に復号処理を行うデコード回路163と、記憶手段であるメモリ164と、記録時に符号処理を行うエンコード回路165と、制御部12のコマンドやデータの収受を行うインタフェース回路166と、ドライブL全体の制御を行うマイコン167を有する。
【0017】
光ピックアップ162は、マイコン167から光ピックアップ制御信号S02を受け、光ディスク3の径方向に移動して記録または再生する位置に移動し、レーザ光のフォーカスを前記光ピックアップ制御S02で指示された位置に合わせ、記録または再生のためにレーザ光を光ディスク3に照射する。照射されたレーザ光は光ディスク3で反射し、光ピックアップ162が有する図示していない受光部が該反射光を受光する。受光部は該反射光を電気信号S03に変換し、デコード回路163に出力する。
【0018】
スピンドルモータ161は、マイコン167からモータ制御信号S01によりモータ回転制御を受け、光ディスク3を回転させる。
【0019】
デコード回路163は光ピックアップ162が出力した前記電気信号S03を増幅するなどのアナログ信号処理、デジタル化、2値データの生成、及び復号を行って復号結果S04をメモリ164に格納する。
【0020】
マイコン167はドライブL内の各ブロックの制御を行う。マイコン167はソフトウェアで制御される。マイコン167は記録再生時には光ピックアップ162へ光ピックアップ制御信号S02を出し、光ピックアップを光ディスク3の径方向に移動させて記録または再生する位置に移動するよう制御し、レーザ光のフォーカスを合わせるよう制御し、記録または再生のためにレーザ光を光ディスク3に照射するよう制御する。また、スピンドルモータ161にモータ制御信号S01を出してモータ回転制御を行い、光ディスク3を回転させるよう制御する。またマイコン167は適宜メモリ手段164とデータの読み書きを行う。マイコン167は1つであるとは限らないし、例えば、モータ制御信号S01や光ピックアップ制御信号S02などのサーボ制御を行う回路を設け、サーボ制御処理をマイコン167から分離させても良い。
【0021】
メモリ164はSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)やフラッシュメモリなどの記憶手段であり、マイコン167での処理に関わるデータを格納する。
【0022】
インタフェース回路166はATAPIやUSB、IEEE1394などの各種インタフェース規格に準じて制御部12と通信し、コマンドやデータの収受を行い、受信時には該コマンドや該データをメモリ164に格納し、送信時には制御部12へ該データを送信する。
【0023】
エンコード手段165はメモリ164内の記録データの変調処理を行い、光ディスク3に格納する形式の2値データS05に変換する。
【0024】
また、ピッカー部15も図5に示すドライブLの構成例と同様の構成とする。ただし、ピッカー部15で再生しか行わない場合にはエンコード回路165は必ずしも有する必要はない。
【0025】
図6は本発明の実施形態としての光ディスク記録再生装置における再生時の処理フローの例である。以下、図6を用いて光ディスク記録装置1の再生処理動作について説明する。
【0026】
要求元は再生要求1101においてネットワーク2を介し再生要求コマンドデータを光ディスク記録再生装置1に送信する。該再生要求コマンドデータは再生データの先頭アドレス情報とサイズ情報を含む。該先頭アドレス情報は、再生データが記録されている光ディスク(以下、ディスクPと呼ぶ)の識別情報とは独立した論理アドレスとする。前記サイズ情報は再生データの終端アドレス情報でも良い。
【0027】
光ディスク記録再生装置1のインタフェース部11は再生要求通知1201において、前記再生要求コマンドデータを受信し、再生要求があったことを示す再生要求通知データを制御部12に送出する。該再生要求通知データは再生データの前記先頭アドレス情報と前記サイズ情報を含む。
【0028】
制御部12はディスク格納判定1301において、インタフェース部11からの前記再生要求通知データを受信し、前記先頭アドレス情報と前記サイズ情報に基づいてディスクPを特定し光ディスク選択情報を生成する。また該光ディスク選択情報に基づいて該ディスクPがドライブ1乃至Nのどのドライブか、または格納部17のうちのどのスロットに格納されているかを示す光ディスク格納情報を生成する。
【0029】
制御部12は前記光ディスク格納情報が格納部17のいずれかのスロットを示している場合、移動要求1302において、ドライブ1乃至N(図1の16)のどのドライブで前記ディスクPを再生するかを決定しドライブ選択情報を生成する。以下、該ドライブ選択情報が示すドライブをドライブPと呼ぶ。その後、制御部12は前記光ディスク格納情報を搬送部14に送信する。なお、前記ドライブ選択情報の生成の際、ドライブ1乃至Nで光ディスクが格納されていないドライブ(空きドライブ)があればその空きドライブを選択してドライブ選択情報を生成する。図6に示すフローは、空きドライブがある場合についてのフローの例である。空きドライブがなければドライブ1乃至Nのそれぞれのアクセス頻度情報に基づき、ドライブ1乃至Nの中で最もアクセス頻度がドライブを選択してドライブ選択情報を生成する。前記アクセス頻度情報はドライブを識別する情報とそのドライブへのアクセス回数を示す値が対となっている情報であり、メモリ部13に格納する。制御部12は、該アクセス回数を示す値について、対となっているドライブから光ディスクが排出されたときに初期値(アクセス回数0を示す値)にリセットする。なお前記アクセス回数は再生回数でも良いし、再生回数と記録回数の合計でも良い。
【0030】
搬送部14は移動制御1401において、制御部12から受信した前記光ディスク格納情報に基づいて前記ディスクPの格納部17における格納位置を求めて、該格納位置にピッカー部15を移動させるよう制御する。搬送部14は前記制御を終えたら移動完了通知データを制御部12へ送信する。
【0031】
制御部12は媒体排出要求1303において、搬送部14から前記移動完了通知データを受信してピッカー部15が前記格納位置まで移動したことを検知し、媒体排出要求コマンドデータを生成し、格納部17に送信する。
【0032】
格納部17は媒体排出1701において、制御部12から前記媒体排出要求コマンドデータを受信し、前記ディスクPの排出を行い、排出完了通知を制御部12へ送信する。排出された前記ディスクPは、前記移動制御1401にて移動したピッカー部15に格納される。
【0033】
制御部12は移動要求1304において、格納部17から排出完了通知を受信したら、前記ドライブ選択情報を搬送部14に送信する。
【0034】
搬送部14は移動制御1402において、制御部12から受信した前記ドライブ選択情報に基づいてピッカー部15を前記格納位置から前記ドライブPに隣接する位置に移動させるよう制御する。搬送部14は該制御が終了したら移動制御完了通知を制御部12へ送信する。
【0035】
制御部12は移動要求1304にて前記ドライブ選択情報を搬送部14に送信したら、再生調整要求1305において、再生調整要求コマンドをピッカー部15に送信する。
【0036】
ピッカー部15は再生調整1501において、制御部12から前記再生調整要求コマンドを受信し、再生するための調整を行う。調整は、例えば光ディスク判別、フォーカス引き込み、レーザパワー調整、信号振幅補正、DMA(Defect Management Area)読み込みなどを行う。光ディスク判別では、ピッカー部15に格納した前記ディスクPが記録用光ディスクか再生専用光ディスクか、記録用光ディスクであれば書き換え可能型か追記型か、記録層の層数などを判別し、光ディスク判別情報を生成する。格納部17に格納している光ディスクが全て同一種類であると制御部12が判断した場合には光ディスク判別は省略しても良い。フォーカス引き込みでは、前記ディスクPにおいて再生データが記録されている層にフォーカスが合うよう調整を行い、フォーカス位置情報を生成する。レーザパワー調整では、再生時のレーザパワーが所望の出力値となるようレーザの設定値の調整を行い、レーザパワー調整情報を生成する。信号振幅補正では、再生信号の振幅が所望の振幅となるよう図5に示すデコード回路163が有する図示していない再生信号アンプの調整を行い、信号振幅補正情報を生成する。DMA読み込みでは光ディスクの欠陥箇所情報であるDefect Management Listを前記ディスクPを再生して読み出す。再生調整が終了したら、調整結果データを生成し、制御部12に送信する。該調整結果データは、本実施例では前記光ディスク判別情報、前記フォーカス位置情報、前記レーザパワー調整情報、前記信号振幅補正情報、及び前記Defect Management Listに基づいて生成される。なお、ピッカー部15が再生調整1501を行っている間に、制御部12が搬送部14からの前記移動完了通知を受信したら、制御部12は再生調整停止コマンドをピッカー部15に送信し再生調整1501を中断させ、未調整の項目はドライブPで調整してもよい。未調整の項目を実際に再生を行うドライブPで調整することにより、調整精度を高めることができ、なおかつ、搬送を行う時間とピッカー部15で行う再生調整時間が同程度となり、搬送時間を効率的に利用できる。これは以下で述べる記録時における記録調整についても同様である。
【0037】
制御部12は媒体排出要求1306において、搬送部14からの前記移動制御完了通知およびピッカー部15からの前記調整結果データを受信したら、格納している前記ディスクPを排出するようピッカー部15に媒体排出要求コマンドを送信する。
【0038】
ピッカー部15は媒体排出1502において、制御部12から媒体排出要求コマンドを受信したら、格納している前記ディスクPを排出する。ピッカー部15は搬送部14によって前記ドライブPに隣接する位置に移動しているので、ピッカー部15が排出した前記ディスクPは、前記ドライブPに格納される。ピッカー部15は前記ディスクPを排出したら制御部12へ排出完了通知を送信する。
【0039】
制御部12は再生調整結果通知1306において、ピッカー部15から前記排出完了通知を受信したら、前記ディスクPの前記再生調整結果及び前記先頭アドレス情報と前記サイズ情報に基づいて再生パラメータデータを生成し前記ドライブPへ送信する。
【0040】
制御部12は前記再生パラメータデータを送信したら、再生要求1308において再生要求コマンドを前記ドライブPへ送信する。なお、再生要求コマンドのコマンドフォーマットに前記再生パラメータデータを含めて前記ドライブPに送信することで前記再生調整結果通知1307の処理を省略しても良い。
【0041】
前記ドライブPは再生1601において、制御部12から前記再生要求コマンドを受信したら、前記再生パラメータデータに基づいて前記ディスクPを再生する。このとき、前記ドライブPは前記再生パラメータデータに基づいて再生に必要な各種パラメータの設定を行う。前記ドライブPは再生データを制御部12に送信する。
【0042】
制御部12は再生データ転送1309において、前記再生データを受信し、インタフェース部11に前記再生データを送信する。
【0043】
インタフェース部11は再生データ転送1202において、前記再生データを受信し、要求元へ前記再生データを転送する。
【0044】
要求元は再生データ受信1102において前記再生データを受信する。再生データの受信が終わったら再生終了とする。
【0045】
なお、前記再生1601において、前記ドライブPは前記再生パラメータデータに基づいて再生に必要な各種パラメータの設定を行う、としたが、前記再生パラメータデータを参考指標として前記ドライブPにて再生調整を行っても良く、この場合には例えば前記再生パラメータデータに基づいて再生調整の処理を一部省略したり、設定値を変化させて再生に略最適な設定値を決定する際の参考指標とする。このことにより再生調整を全てドライブPで行うよりも短時間で再生調整を行うことができたり、ドライブPのみで再生調整を行うよりも適した設定値を得ることができる。
【0046】
また、ドライブ1乃至N及びピッカー部15の光ピックアップ162の個体差に基づいて最適な設定値が変わるパラメータについては、光ディスク記録再生装置1の製品出荷時にドライブ1乃至N及びピッカー部15の個体差に関する情報(以下、個体差情報)を取得し、メモリ部13に格納しておき、前記再生1601において該個体差情報に基づいて再生パラメータを補正して設定しても良い。この場合には短時間で再生調整を行うことができ、略最適な再生パラメータの設定が可能である。なお、該個体差情報を格納するメモリ部13の領域は不揮発性とする。
【0047】
図7は前記ディスクPがドライブ1乃至Nのいずれかに格納されている場合の光ディスク記録再生装置における再生時の処理フローの例である。図6と同様の動作を行う処理については同じ番号を付しており、動作の説明は省略する。
【0048】
ディスク格納判定1301において制御部12が生成した前記光ディスク格納情報がドライブ1乃至Nのいずれかを示している場合には、制御部12は再生要求1308を行う。なお、再生要求コマンドのコマンドフォーマットに前記再生パラメータデータを含めて前記再生ドライブに送信していた場合においては、前記再生パラメータデータを再生要求コマンドのコマンドフォーマットに含めるのを省略してよい。なぜなら、ディスクPが既にドライブ1乃至Nのいずれかに格納されているということは過去に少なくとも一度は再生を行っており既に再生に必要な各種パラメータの設定が行われているとみなすことができるからである。
【0049】
上記のように、図7に示した前記ディスクPがドライブ1乃至Nのいずれかに格納されている場合の光ディスク記録再生装置における再生時の処理フローは、図6で行っていた移動要求1302、移動制御1401、媒体排出要求1303、媒体排出1701、移動要求1304、移動制御1402、再生調整要求1305、再生調整1501、媒体排出要求1306、媒体排出1502、及び再生調整結果通知1307を省略できる。
【0050】
なお、光ディスク記録再生装置1の電源投入後やリセット後など再生に必要な各種パラメータの設定が別の設定値となっているとドライブPのマイコン167で動作するソフトウェアが判断した場合には、ドライブPは再生1601においてピッカー部15が再生調整1501で行っていた動作と同様の動作を行って調整結果データを生成し、各種パラメータの設定を行う。もしくはドライブPは過去に制御部12から受信していた前記再生パラメータデータのうち少なくとも前記再生調整結果に関わるデータを不揮発性メモリに格納しておき、再生1601において該再生調整結果に関わるデータに基づいて再生に必要な各種パラメータの設定を行っても良い。この場合には再生調整を行わなくても良くなり、再生のためのセットアップ時間を短縮できる。
【0051】
図8は前記ドライブ1乃至Nのいずれにも前記光ディスクが格納されており、前記ディスクPが格納部17に格納されており、前記ディスクPを再生するためには、ドライブ1乃至Nのいずれかに格納されている光ディスクとの入れ替えが必要な場合の光ディスク記録再生装置における再生時の処理フローの例である。図6と同様の動作を行う処理については同じ番号を付しており、動作の説明は省略する。
【0052】
図6が示す再生フローと図8が示す再生フローが異なる点は、ディスク格納判定1301の後に、ドライブ1乃至Nのいずれかのドライブから光ディスクを取り出して格納部17に格納するための処理である、移動要求1310、移動制御1403、媒体排出要求1311、媒体排出1602、移動要求1312、移動制御1404、媒体排出要求1313、及び媒体排出1503を追加した点である。以下、移動要求1310から媒体排出1503までの処理を説明する。
【0053】
制御部12は移動要求1310においてドライブ1乃至Nのどのドライブで前記光ディスクを再生するかを決定しドライブ選択情報を生成する。ドライブ選択情報が示すドライブをドライブPと呼ぶ。その後、制御部12は前記ドライブ選択情報を搬送部14に送信する。ドライブ選択情報の生成は前記移動要求1302の場合と同様であるので、説明を省略する。
【0054】
搬送部14は移動制御1403において、制御部12から受信した前記ドライブ選択情報に基づいて前記ドライブPの位置を求めて、該ドライブPの位置にピッカー部15を移動させるよう制御する。搬送部14は前記制御を終えたら移動完了通知データを制御部12へ送信する。
【0055】
制御部12は媒体排出要求1311において、搬送部14から前記移動完了通知データを受信してピッカー部15が前記ドライブPの位置まで移動したことを検知し、媒体排出要求コマンドデータを生成し、前記ドライブPに送信する。
【0056】
前記ドライブPは媒体排出1602において、制御部12から媒体排出要求コマンドを受信したら、格納している前記光ディスクを排出する。ピッカー部15は搬送部14によって前記ドライブPに隣接する位置に移動しているので、前記ドライブPが排出した前記光ディスクは、ピッカー部15に格納される。前記ドライブPは前記光ディスクを排出したら制御部12へ排出完了通知を送信する。
【0057】
制御部12は移動要求1312において、前記光ディスク格納情報に基づいてピッカー部15に格納している前記光ディスクを格納部17のどのスロットに格納するかを決定して交換光ディスク格納情報を生成する。その後、制御部12は前記交換光ディスク格納情報を搬送部14に送信する。なお、前記交換光ディスク格納情報の生成の際、前記光ディスク格納情報が示す格納部17のスロットに最も距離が近い空きスロットを格納するスロットと決定して前記交換光ディスク格納情報を生成する。
【0058】
搬送部14は移動制御1404において、制御部12から受信した前記交換光ディスク格納情報に基づいて前記ピッカー15に格納している光ディスクの格納部17における格納位置を求めて、該格納位置にピッカー部15を移動させるよう制御する。搬送部14は前記制御を終えたら移動完了通知データを制御部12へ送信する。
【0059】
制御部12は媒体排出要求1313において、搬送部14から前記移動完了通知データを受信してピッカー部15が前記格納位置まで移動したことを検知し、媒体排出要求コマンドデータを生成し、ピッカー部15に送信する。
【0060】
ピッカー部15は媒体排出1503において、制御部12から媒体排出要求コマンドを受信したら、格納している前記ディスクを排出する。ピッカー部15は搬送部14によって格納している前記光ディスクの格納部17における格納位置に移動しているので、ピッカー部15が排出した前記光ディスクは、前記格納部17の前記交換光ディスク格納情報が示すスロットに格納される。ピッカー部15は前記光ディスクを排出したら制御部12へ排出完了通知を送信する。
【0061】
以上の処理によりドライブP内の光ディスクと前記ディスクPとの入れ替えを行う。
【0062】
図9は本発明の実施形態としての光ディスク記録再生装置における記録時の処理フローの例である。以下、図9を用いて光ディスク記録装置の記録処理動作について説明する。
【0063】
要求元は記録要求2101においてネットワーク2を介し記録要求コマンドデータを光ディスク記録再生装置1に送信する。該記録要求コマンドデータは記録データの先頭アドレス情報、サイズ情報、及び記録データを含む。該先頭アドレス情報は、記録データを記録する光ディスク(以下、ディスクRと呼ぶ)の識別情報とは独立した論理アドレスとする。前記サイズ情報は記録データの終端アドレス情報でも良い。
【0064】
光ディスク記録再生装置1のインタフェース部11は記録要求通知2201において、前記記録要求コマンドデータを受信し、記録要求があったことを示す記録要求通知データを制御部12に送出する。該記録要求通知データは記録データの前記先頭アドレス情報と前記サイズ情報を含む。
【0065】
制御部12はディスク格納判定2301において、インタフェース部11からの前記記録要求通知データを受信し、前記先頭アドレス情報と前記サイズ情報に基づいてディスクRを特定し光ディスク選択情報を生成する。また該光ディスク選択情報に基づいて該ディスクRがドライブ1乃至Nのどのドライブか、または格納部17のうちのどのスロットに格納されているかを示す光ディスク格納情報を生成する。
【0066】
制御部12は前記光ディスク格納情報が格納部17のいずれかのスロットを示している場合、移動要求2302において、ドライブ1乃至N(図1の16)のどのドライブで前記ディスクRに記録するかを決定しドライブ選択情報を生成する。以下、該ドライブ選択情報が示すドライブをドライブRと呼ぶ。その後、制御部12は前記光ディスク格納情報を搬送部14に送信する。なお、前記ドライブ選択情報の生成の際、ドライブ1乃至Nで空きドライブがあればその空きドライブを選択してドライブ選択情報を生成する。図9に示すフローにおいては、空きドライブがある場合についてのフローの例である。空きドライブがなければドライブ1乃至Nのそれぞれに格納している光ディスクのアクセス頻度情報に基づき、ドライブ1乃至Nに格納している光ディスクの中で最もアクセス頻度が低い光ディスクが格納されているドライブを選択してドライブ選択情報を生成する。前記アクセス頻度情報はドライブを識別する情報とそのドライブへのアクセス回数を示す値が対となっている情報であり、前記メモリ部13に格納する。制御部12は、前記アクセス回数を示す値について、対となっているドライブから光ディスクが排出されたときに初期値(アクセス回数0を示す値)にリセットする。なお前記アクセス回数は記録回数でも良いし、再生回数と記録回数の合計でも良い。
【0067】
搬送部14は移動制御2401において、制御部12から受信した前記光ディスク格納情報に基づいてディスクRの格納部17における格納位置を求めて、該格納位置にピッカー部15を移動させるよう制御する。搬送部14は前記制御を終えたら移動完了通知データを制御部12へ送信する。
【0068】
制御部12は媒体排出要求2303において、搬送部14から前記移動完了通知データを受信してピッカー部15が前記格納位置まで移動したことを検知し、媒体排出要求コマンドデータを生成し、格納部17に送信する。
【0069】
格納部17は媒体排出2701において、制御部12から前記媒体排出要求コマンドデータを受信し、前記ディスクRの排出を行い、排出完了通知を制御部12へ送信する。排出された前記ディスクRは、前記移動制御2401にて移動したピッカー部15に格納される。
【0070】
制御部12は移動要求2304において、格納部17から排出完了通知を受信したら、前記ドライブ選択情報を搬送部14に送信する。
【0071】
搬送部14は移動制御2402において、制御部12から受信した前記ドライブ選択情報に基づいてピッカー部15を前記格納位置から前記ドライブRに隣接する位置に移動させるよう制御する。搬送部14は該制御が終了したら移動制御完了通知を制御部12へ送信する。
【0072】
制御部12は移動要求2304にて前記ドライブ選択情報を搬送部14に送信したら、記録調整要求2305において、記録調整要求コマンドをピッカー部15に送信する。
【0073】
ピッカー部15は記録調整2501において、制御部12から前記記録調整要求コマンドを受信し、記録するための調整を行う。調整は、例えば光ディスク判別、フォーカス引き込み、及びレーザパワー調整などを行う。光ディスク判別では、ピッカー部15に格納した前記ディスクRが記録用光ディスクか再生専用光ディスクか、記録用光ディスクであれば書き換え可能型か追記型か、記録層の層数などを判別し、光ディスク判別情報を生成する。格納部17に格納している光ディスクが全て同一種類であると制御部12が判断した場合には光ディスク判別は省略しても良い。フォーカス引き込みでは、前記ディスクRにおいて記録データを記録する層にフォーカスが合うよう調整を行い、フォーカス位置情報を生成する。レーザパワー調整では、記録データを再生したときに所望のジッタとなるようにレーザパワーを変えて試し書きを行ってレーザの設定値の調整を行い、レーザパワー調整情報を生成する。記録調整が終了したら、調整結果データを制御部12に送信する。該調整結果データは、本実施例では前記光ディスク判別情報、前記フォーカス位置情報、及び前記レーザパワー調整情報に基づいて生成される。なお、前記試し書きを行うためには、ピッカー部15は再生機能だけでなく、記録機能を有する必要がある。
【0074】
制御部12は媒体排出要求2306において、搬送部14からの前記移動制御完了通知およびピッカー部15からの調整結果データを受信したら、格納している前記ディスクRを排出するようピッカー部15に媒体排出要求コマンドを送信する。
【0075】
ピッカー部15は媒体排出2502において、制御部12から媒体排出要求コマンドを受信したら、格納している前記ディスクRを排出する。ピッカー部15は搬送部14によって前記ドライブRに隣接する位置に移動しているので、ピッカー部15が排出した前記ディスクRは、前記ドライブRに格納される。ピッカー部15は前記ディスクRを排出したら制御部12へ排出完了通知を送信する。
【0076】
制御部12は記録調整結果通知2306において、ピッカー部15から前記排出完了通知を受信したら、前記ディスクRの前記記録調整結果及び前記先頭アドレス情報と前記サイズ情報、及び前記記録データに基づいて記録パラメータデータを生成し前記ドライブRへ送信する。
【0077】
制御部12は前記記録パラメータデータを送信したら、記録要求2308において記録要求コマンドを前記ドライブRへ送信する。なお、記録要求コマンドのコマンドフォーマットに前記記録パラメータデータを含めて前記ドライブRに送信することで前記記録調整結果通知2307の処理を省略しても良い。
【0078】
前記ドライブRは記録2601において、制御部12から前記記録要求コマンドを受信したら、前記記録パラメータデータに基づいて前記ディスクRに記録データを記録する。このとき、前記ドライブRは前記記録パラメータデータに基づいて記録に必要な各種パラメータの設定を行う。記録が完了したら前記ドライブRは記録完了通知を制御部12に送信する。
【0079】
制御部12は記録完了通知2309において、前記記録完了通知を受信し、インタフェース部11に前記記録完了通知を送信する。
【0080】
インタフェース部11は記録完了通知2202において、前記記録完了通知を受信し、要求元へ前記記録完了通知を転送する。
【0081】
要求元は記録完了通知受信2102において前記記録完了通知を受信する。記録完了通知の受信が終わったら記録終了とする。
【0082】
なお、前記記録2601において、前記ドライブRは前記記録パラメータデータに基づいて記録に必要な各種パラメータの設定を行う、としたが、前記記録パラメータデータを参考指標として前記ドライブRにて記録調整を行っても良く、この場合には例えば前記記録パラメータデータに基づいて記録調整の処理を一部省略したり、設定値を変化させて記録に略最適な設定値を決定する際の参考指標とする。このことにより記録調整を全て前記ドライブRで行うよりも短時間で記録調整を行うことができたり、前記ドライブRのみで記録調整を行うよりも適した設定値を得ることができる。
【0083】
また、ドライブ1乃至N及びピッカー部15の光ピックアップ162の個体差に基づいて最適な設定値が変わるパラメータについては、光ディスク記録再生装置1の製品出荷時にドライブ1乃至N及びピッカー部15の個体差に関する情報(以下、個体差情報)を取得し、メモリ部13に格納しておき、前記記録2601において該個体差情報に基づいて記録パラメータを補正して設定しても良い。この場合には短時間で記録調整を行うことができ、略最適な記録パラメータの設定が可能である。なお、該個体差情報を格納するメモリ部13の領域は不揮発性とする。
【0084】
図10は前記ディスクRがドライブ1乃至Nのいずれかに格納されている場合の光ディスク記録再生装置における記録時の処理フローの例である。図9と同様の動作を行う処理については同じ番号を付しており、動作の説明は省略する。
【0085】
ディスク格納判定2301において制御部12が生成した前記光ディスク格納情報がドライブ1乃至Nのいずれかを示している場合には、制御部12は記録要求2308を行う。なお、記録要求コマンドのコマンドフォーマットに前記記録パラメータデータを含めて前記ドライブRに送信していた場合においては、前記記録パラメータデータを記録要求コマンドのコマンドフォーマットに含めるのを省略してよい。なぜなら、ディスクRが既にドライブ1乃至Nのいずれかに格納されているということは過去に少なくとも一度は記録を行っており既に記録に必要な各種パラメータの設定が行われているとみなすことができるからである。
【0086】
上記のように、図10に示した前記ディスクRがドライブ1乃至Nのいずれかに格納されている場合の光ディスク記録再生装置における記録時の処理フローは、図9で行っていた移動要求2302、移動制御2401、媒体排出要求2303、媒体排出2701、移動要求2304、移動制御2402、記録調整要求2305、記録調整2501、媒体排出要求2306、媒体排出2502、及び記録調整結果通知2307を省略できる。
【0087】
なお、光ディスク記録再生装置1の電源投入後やリセット後など記録に必要な各種パラメータの設定が別の設定値となっているとドライブRのマイコン167で動作するソフトウェアが判断した場合には、前記ドライブRは記録2601においてピッカー部15が記録調整2501で行っていた動作を行って調整結果データを生成し、各種パラメータの設定を行う。もしくはドライブRは制御部12から受信していた前記記録パラメータデータのうち少なくとも前記記録調整結果に関わるデータを不揮発性メモリに格納しておき、記録2601において該記録調整結果に関わるデータに基づいて記録に必要な各種パラメータの設定を行っても良い。この場合には記録調整を行わなくても良くなり、記録のためのセットアップ時間を短縮できる。
【0088】
図11は前記ドライブ1乃至Nのいずれにも前記光ディスクが格納されており、前記ディスクRが格納部17に格納されており、前記ディスクRに記録するためには、ドライブ1乃至Nのいずれかに格納されている光ディスクとの入れ替えが必要な場合の光ディスク記録再生装置における記録時の処理フローの例である。図9と同様の動作を行う処理については同じ番号を付しており、動作の説明は省略する。
【0089】
図9が示す記録フローと図11が示す記録フローが異なる点は、ディスク格納判定2301の後に、ドライブ1乃至Nのいずれかのドライブから光ディスクを取り出して格納部17に格納するための処理である、移動要求2310、移動制御2403、媒体排出要求2311、媒体排出2602、移動要求2312、移動制御2404、媒体排出要求2313、及び媒体排出2503を追加した点である。以下、移動要求2310から媒体排出2503までの処理を説明する。
【0090】
制御部12は移動要求2310においてドライブ1乃至Nのどのドライブで前記ディスクRに記録するかを決定しドライブ選択情報を生成する。その後、制御部12は前記ドライブ選択情報を搬送部14に送信する。ドライブ選択情報の生成は前記移動要求2302の場合と同様であるので、説明を省略する。
【0091】
搬送部14は移動制御2403において、制御部12から受信した前記ドライブ選択情報に基づいて前記ドライブRの位置を求めて、該ドライブRの位置にピッカー部15を移動させるよう制御する。搬送部14は前記制御を終えたら移動完了通知データを制御部12へ送信する。
【0092】
制御部12は媒体排出要求2311において、搬送部14から前記移動完了通知データを受信してピッカー部15が前記ドライブRの位置まで移動したことを検知し、媒体排出要求コマンドデータを生成し、前記ドライブRに送信する。
【0093】
前記ドライブRは媒体排出2602において、制御部12から媒体排出要求コマンドを受信したら、格納している前記光ディスクを排出する。ピッカー部15は搬送部14によって前記ドライブRに隣接する位置に移動しているので、前記ドライブRが排出した前記光ディスクは、ピッカー部15に格納される。前記ドライブRは前記光ディスクを排出したら制御部12へ排出完了通知を送信する。
【0094】
制御部12は移動要求2312において、前記光ディスク格納情報に基づいてピッカー部15に格納している前記光ディスクを格納部17のどのスロットに格納するかを決定して交換光ディスク格納情報を生成する。その後、制御部12は前記交換光ディスク格納情報を搬送部14に送信する。なお、前記交換光ディスク格納情報の生成の際、前記光ディスク格納情報が示す格納部17のスロットに最も距離が近い空きスロットを格納するスロットと決定して前記交換光ディスク格納情報を生成する。
【0095】
搬送部14は移動制御2404において、制御部12から受信した前記交換光ディスク格納情報に基づいて前記ピッカー15に格納している光ディスクの格納部17における格納位置を求めて、該格納位置にピッカー部15を移動させるよう制御する。搬送部14は前記制御を終えたら移動完了通知データを制御部12へ送信する。
【0096】
制御部12は媒体排出要求2313において、搬送部14から前記移動完了通知データを受信してピッカー部15が前記格納位置まで移動したことを検知し、媒体排出要求コマンドデータを生成し、ピッカー部15に送信する。
【0097】
ピッカー部15は媒体排出2503において、制御部12から媒体排出要求コマンドを受信したら、格納している前記光ディスクを排出する。ピッカー部15は搬送部14によって前記格納している光ディスクの格納部17における格納位置に移動しているので、ピッカー部15が排出した前記光ディスクは、前記格納部17の前記交換光ディスク格納情報が示すスロットに格納される。ピッカー部15は前記光ディスクを排出したら制御部12へ排出完了通知を送信する。
【0098】
以上の処理によりドライブ内の光ディスクと前記ディスクRとの入れ替えを行う。
【0099】
以上のように、光ディスク記録再生装置において光ディスクを格納場所からドライブに搬送する間に再生及び記録に必要な各種調整を行うことでアクセス時間の向上が可能である。また、ドライブもしくは光ディスクへのアクセス頻度に基づいて再生または記録を行うドライブの選択を行うことで光ディスク間でのデータの再配置や振り分けを必要とせずにデータの管理を行うことができ、長期保存可能な光ディスクの特長を活かすことができる。また、これにより、データのアドレス管理も容易となる。これは以下の実施例についても同様である。
【0100】
なお、本実施例におけるピッカー部15は光ディスクを1枚格納する例で示したが、複数枚格納する構成でも良い。複数枚格納する構成では、前記ドライブ内の光ディスクと前記ディスクPや前記ディスクRとの入れ替えをはじめ、光ディスク記録再生装置1内における光ディスクの移動及び格納位置替えにおいてピッカー部15の移動距離を短縮することが可能となる。これは以下の実施例についても同様である。
【0101】
なお、前記再生要求コマンドデータに含まれる前記先頭アドレス情報は前記ディスクPの識別情報とは独立した論理アドレスとしたが、前記ディスクPの識別情報と関連付けされたアドレスでも良い。この場合、ネットワーク2を介して接続されている要求元においては、記録済みデータとディスクの識別情報の対応を示すデータを管理及び参照する必要がある。これは以下の実施例についても同様である。
【0102】
また、前記記録要求コマンドデータに含まれる前記先頭アドレス情報は前記ディスクRの識別情報とは独立した論理アドレスとしたが、前記ディスクRの識別情報と関連付けされたアドレスでも良い。この場合、ネットワーク2を介して接続されている要求元においては、記録するデータとディスクの識別情報の対応を示すデータを管理及び参照する必要がある。これは以下の実施例についても同様である。
【0103】
また、前記アクセス頻度情報はドライブを識別する情報とそのドライブへのアクセス回数を示す値が対となっている情報としたが、光ディスクを識別する情報とその光ディスクへのアクセス回数を示す値が対となっている情報でも良い。この場合、制御部12は、格納部17及びドライブ16に格納されている光ディスクについてアクセス回数のカウントを行う。この場合、短期間にアクセスが集中し、その他の期間ではアクセス頻度が低い光ディスクが長期間にわたってドライブに格納されることを防ぐことができ、ドライブを有効に使用することができる。これは以下の実施例についても同様である。
【0104】
また、ピッカー部15が各種調整を行っている際、調整不能な場合や、前記DMAを読み出した結果、欠陥領域が広範であるなどの理由で各種調整中のディスクを使用しないほうが良いと制御部12が判断した場合などに、制御部12は警告情報を通知しても良い。該通知は、光ディスク記録再生装置に液晶画面などの表示部を設け、該表示部に表示しても良いし、外部接続したディスプレイ画面に出力しても良いし、ネットワーク経由で光ディスク記録再生装置の管理者やユーザに電子メールなどで通知しても良く、警告情報の通知手段はこれらに限定するものではない。これは以下の実施例についても同様である。
【0105】
また、制御部12は前記移動要求1304もしくは前記移動要求2304において前記ドライブ選択情報を搬送部14に送信したら、前記再生調整要求1305もしくは前記記録調整要求2305において前記再生調整コマンドもしくは前記記録調整コマンドをピッカー部15に送信するとしたが、ピッカー部15が移動する速度が略等速になってから前記再生調整コマンドもしくは前記記録調整コマンドをピッカー部15に送信しても良い。このことにより、実際に再生もしくは記録を行うドライブPもしくはドライブRの状態(静止状態)に近い状態で調整を行うことができるため、より精度が高い調整を行うことができる。または、ピッカー部15が加速度センサもしくは速度センサを備え、ピッカー部15が移動する速度が略等速になってから再生調整もしくは記録調整を開始しても同様の効果が得られる。なお、再生調整もしくは記録調整を終了する場合についても、ピッカー部15が略等速でなくなったことを検知したら終了するようにしても同様効果を得ることができる。
【0106】
実施例2を説明する。実施例2が実施例1と異なる点は、格納部17に格納する光ディスクがアクセス頻度情報に基づいてどのスロットに格納するか決定されている点であり、該アクセス頻度情報は光ディスクを識別する情報とその光ディスクへのアクセス回数を示す値が対となっている情報とする。
【0107】
図12は本発明の実施形態としての光ディスク記録再生装置の構成例であり、図1と同様の動作を行うものには同じ番号を付している。図12では、格納部17の各スロットがグループ分けされ、スロットグループ171乃至17MのMグループ(Mは2以上の自然数)に分けられている。前記光ディスクはアクセス頻度に基づきどの前記スロットグループに属するかが決定される。例えば、アクセス頻度が高い光ディスクから上位5枚をスロットグループ171に、その次の上位5枚をスロットグループ172に属させる、というように決定する。前記光ディスクの識別情報とその光ディスクが属するスロットグループの識別情報はスロットグループ情報として関連付けされており、メモリ部13に格納される。各スロットグループに属する光ディスクの枚数は固定しても良いし、スロットグループによって異なっても良いし、変更しても良い。また、格納される光ディスクが属するスロットグループは変更されても良い。またドライブ16に近いスロットグループほど格納している光ディスクのアクセス頻度は高くなるように前記光ディスクが属するスロットグループが決定される。また、各スロットグループ内においては、ドライブ16に近いスロットほど格納している光ディスクのアクセス頻度を高くなるように前記光ディスクが格納されるスロットを決定しても良いし、各スロットグループ内では各スロットに格納する光ディスクは任意であっても良い。後者の場合では、光ディスクのスロット間移動が少なく、処理が煩雑にならない。
【0108】
なお、各スロットグループのスロットの数とスロットグループに属する光ディスクの数は異なっても良く、例えば各スロットグループのスロットの数から1以上の値を減じた数をそのスロットグループに属する光ディスクの数としても良い。この場合には、ドライブに格納している光ディスクを排出させて記録または再生を行う光ディスクと交換を行う際に、ドライブに格納している光ディスクをスムーズに格納部17に格納することができる。この場合、各スロットグループの識別情報と、そのスロットグループに属しているスロットのうち光ディスクが格納されていないスロットの識別情報とを関連付けた空きスロット情報をメモリ部13に格納する。以下では、例として各スロットグループのスロットの数から1減じた数をそのスロットグループに属する光ディスクの数として説明する。
【0109】
実施例2における処理フローと実施例1における処理フローが異なるのは、制御部12が生成する前記交換光ディスク格納情報の生成の処理、及び格納部17内の光ディスクを整理する処理を追加した点である。
【0110】
図13は制御部12が前記交換光ディスク格納情報を生成する処理から格納部17内の光ディスクを整理する処理までの媒体入れ替えのフローの例を示したものである。以下、媒体入れ替えのフローを図13を用いて説明する。
【0111】
制御部12はスロットグループ情報更新201において、前記ドライブ選択情報が示すドライブに格納している、ディスクRと交換を行う光ディスク(以下、ディスクD)のアクセス頻度情報に基づき、前記スロットグループ171乃至17Mのどのスロットグループに属するかを決定し、スロットグループ情報を更新する。このとき、ディスクDが属するスロットグループにおいては属するスロットの数と属する光ディスクの数が等しくなる。各スロットグループのスロットの数から1減じた数をそのスロットグループに属する光ディスクの数とする例では、該スロットグループに属するディスクD以外の光ディスクのうち、最もアクセス頻度が低い光ディスクを選択し、該光ディスクが属するスロットグループを変更し、スロットグループ情報を更新する。なお前記光ディスクが属するスロットグループの変更に伴い、他のスロットグループにも変更が必要な場合には該当するスロットグループ情報を更新する。また、該スロットグループの変更に伴う光ディスクのスロット間の移動を示すスロット間移動情報を生成する。該スロット間移動情報は移動を行う光ディスク識別情報と移動元のスロットの識別情報及び移動先のスロットの識別情報が関連付けされた情報であり、後述の格納部整理204で参照する情報である。
【0112】
次に、制御部12は格納スロット決定202において、前記ディスクDが属するスロットグループの空きスロット情報をメモリ部13から読み出し、該空きスロット情報が示しているスロットの識別情報に基づいてディスクDを格納するスロットを決定する。
【0113】
制御部12はディスクDを格納するスロットを決定したら、媒体交換203においてディスクDを格納部17に格納し、再生時にはディスクPを格納部17からドライブPに、記録時にはディスクRを格納部17からドライブRに格納するよう搬送部14、ピッカー部15、ドライブ16、及び格納部17を制御する。
【0114】
再生時の媒体交換203における処理は、図8に示すフローの移動要求1310、移動制御1403、媒体排出要求1311、媒体排出1602、移動要求1312、移動制御1404、媒体排出要求1313、媒体排出1503、移動要求1302、移動制御1401、媒体排出要求1303、媒体排出1701、移動要求1304、移動制御1402、再生調整要求1305、再生調整1501、媒体排出要求1306、媒体排出1502、及び再生調整結果通知1307と同様であるので説明を省略する。ただし、移動要求1312では、ディスクDを格納するスロットは格納スロット決定202で決定したスロットを指定する。
【0115】
記録時の媒体交換203における処理は、図11に示すフローの移動要求2310、移動制御2403、媒体排出要求2311、媒体排出2602、移動要求2312、移動制御2404、媒体排出要求2313、媒体排出2503、移動要求2302、移動制御2401、媒体排出要求2303、媒体排出2701、移動要求2304、移動制御2402、記録調整要求2305、記録調整2501、媒体排出要求2306、媒体排出2502、及び記録調整結果通知2307と同様であるので説明を省略する。ただし、移動要求2312では、ディスクDを格納するスロットは格納スロット決定202で決定したスロットを指定する。
【0116】
媒体交換203の後、ドライブPでの再生またはドライブRでの記録を開始したら、制御部12は格納部整理204において格納部17の各スロットに格納している光ディスクの整理を行う。整理は、スロットグループ情報更新201にて更新したスロットグループ情報に基づき、前記光ディスクが属するスロットグループのスロットに格納するよう搬送部14、ピッカー部15、ドライブ16、及び格納部17を制御する。
【0117】
図14は制御部12が格納部整理204において格納部17内の光ディスクの整理を行う制御のフローの一例を示したものである。以下、該フローについて説明する。
【0118】
制御部12は整理判定3301において、前記スロット間移動情報に示された移動を行う光ディスク識別情報を参照し、該光ディスク識別情報が示す全ての光ディスクの移動を行ったかどうか判断する。該光ディスク識別情報が示す全ての光ディスクの移動を行ったと判断したら、整理済として格納部整理204を終了する。まだ該光ディスク識別情報が示す全ての光ディスクの移動を行っていないと判断したら整理未済として移動要求3302を行う。
【0119】
制御部12は移動要求3302において、前記スロット間移動情報に示された移動を行う光ディスク識別情報のうち1つの光ディスクについての光ディスク識別情報を選択し、該光ディスク識別情報に関連付けされた移動元のスロット(以下、スロットSRC)の識別情報を搬送部14に送信する。
【0120】
搬送部14は移動制御3401において、制御部12から受信した前記スロットSRCの識別情報に基づいてスロットSRCの位置を求めて、該スロットSRCの位置にピッカー部15を移動させるよう制御する。搬送部14は前記制御を終えたら移動完了通知データを制御部12へ送信する。
【0121】
制御部12は媒体排出要求3303において、搬送部14から前記移動完了通知データを受信してピッカー部15が前記スロットSRCの位置まで移動したことを検知し、媒体排出要求コマンドデータを生成し、格納部17に送信する。
【0122】
格納部17は媒体排出3701において、制御部12から媒体排出要求コマンドを受信したら、前記スロットSRCに格納している前記光ディスクを排出する。ピッカー部15は搬送部14によって前記スロットSRCに隣接する位置に移動しているので、前記スロットSRCが排出した前記光ディスクは、ピッカー部15に格納される。格納部17は前記光ディスクを排出したら制御部12へ排出完了通知を送信する。
【0123】
制御部12は移動要求3304において、前記光ディスク識別情報に関連付けされた移動先のスロット(以下、スロットDST)の識別情報を搬送部14に送信する。
【0124】
搬送部14は移動制御3402において、制御部12から受信した前記スロットDSTの識別情報に基づいてスロットDSTの位置を求めて、該スロットDSTの位置にピッカー部15を移動させるよう制御する。搬送部14は前記制御を終えたら移動完了通知データを制御部12へ送信する。
【0125】
制御部12は媒体排出要求3305において、搬送部14から前記移動完了通知データを受信してピッカー部15が前記スロットDSTの位置まで移動したことを検知し、媒体排出要求コマンドデータを生成し、ピッカー部15に送信する。
【0126】
ピッカー部15は媒体排出3501において、制御部12から前記媒体排出要求コマンドデータを受信したら、格納している前記光ディスクを排出する。ピッカー部15は搬送部14によって前記スロットDSTの位置に移動しているので、ピッカー部15が排出した前記光ディスクは、前記格納部17の前記スロットDSTに格納される。ピッカー部15は前記光ディスクを排出したら制御部12へ排出完了通知を送信する。
【0127】
制御部12は通知受信3306において前記排出完了通知を受信したら前記スロット間移動情報から移動を行った光ディスクに関する情報を消去する。該消去の処理はフラグ情報を用いて移動済みを示すようにして制御部12が該光ディスクの移動が終了していると判断できるようにしても良く、他の方法で該光ディスクの移動が終了していることを示しても良く、上記に限定されるものではない。
【0128】
制御部12は通知受信3306の後、再度整理判定3301に戻り、前記スロット間移動情報が示す光ディスク全てについて上記フローを繰り返す。以上の処理により、格納部の整理を行う。
【0129】
なお、格納部整理204の処理は媒体交換203の後に必ずしも行わなくても良いし、格納部整理204の処理中に要求元からの記録や再生の要求がきた場合などに該要求の処理を優先させて中断しても良い。また、前記スロット間移動情報のみ更新しておき、例えば予め設定された時間にスロット間移動情報に基づいて格納部整理204を行っても良い。これらのような場合には、格納部整理204の終了を待たずに要求元からの次の記録や再生の要求に対応して処理をすることができ、要求に対する応答時間を向上させることができる。
【0130】
以上のように、光ディスクのアクセス頻度に基づいて格納部17における格納スロットを決定することで、実施例1における効果に加え、要求元からの記録や再生の要求に対する応答時間を向上させることができる。
【0131】
実施例3を説明する。実施例3が実施例2と異なる点は、前記スロットグループに応じて前記ピッカー部15で行う各種調整の実施項目を変える点である。
【0132】
図15は再生時における前記スロットグループにおける調整項目の一例を表に示したものである。図15に示した例では、ドライブ16に最も位置が近いスロットグループ171に属する光ディスクでは光ディスク判別のみ実施してそれ以外の調整項目は実施せず、ドライブ16と前記スロットグループの位置が離れるに従い、そのスロットグループに属する光ディスクの調整項目を増やし、最もドライブ16から位置が遠いスロットグループ17Mにおいては全ての調整項目を実施する。図15で不実施とした調整項目は、ドライブ16で実施する。
【0133】
図16では記録時における前記スロットグループにおける調整項目の一例を表に示したものである。図16に示した例では、ドライブ16に最も位置が近いスロットグループ171に属する光ディスクでは光ディスク判別のみ実施してそれ以外の調整項目は実施せず、ドライブ16と前記スロットグループの位置が離れるに従い、そのスロットグループに属する光ディスクの調整項目を増やし、最もドライブ16から位置が遠いスロットグループ17Mにおいては全ての調整項目を実施する。図16で不実施とした調整項目は、ドライブ16で実施する。
【0134】
以上のように、前記スロットグループに応じて前記ピッカー部15で行う各種調整の実施項目を変え、光ディスクを格納部17からドライブ16まで搬送する時間に適した調整項目を実施することにより、各種調整の処理時間がドライブ16に光ディスクを格納するまでの時間のボトルネックにならないようにすることができる。また、ピッカー部15で実施しなかった調整項目をドライブ16で実施することにより、その処理時間だけピッカー部15を他の光ディスクの搬送や図13に示す格納部整理204などの処理を行うことができるので、実施例2における効果に加え、処理を効率的に行うことができる。
【0135】
実施例4を説明する。実施例4は、実施例1乃至3で説明した光ディスク記録再生装置1と、ライブラリ装置5がサーバ4と接続され、該サーバ4がネットワーク2に接続された構成形態の例である。前記ライブラリ装置5は、構成は光ディスク記録再生装置1と概して同様であるが、光ディスク記録再生装置1におけるピッカー部15が、光ディスクの記録再生機能を持たず、搬送する光ディスクを一時格納する機能を有する装置である。その他の構成要素はピッカー部15で光ディスクを記録または再生する機能に関連する動作を除いて光ディスク記録再生装置1と同様の機能を有する。サーバ4と光ディスク記録再生装置1、及びライブラリ装置5はEthernet(登録商標)やFibre Channelなどの通信規格で接続されるが、これらに限定するものではない。
【0136】
実施例4では、光ディスク記録再生装置1のピッカー部15で行った再生調整もしくは記録調整の結果情報をサーバ4が受信し、サーバ4は該再生調整結果もしくは該記録調整結果をライブラリ装置5に送信する。ライブラリ装置5は該再生調整結果もしくは該記録調整結果に基づいてライブラリ装置5内のドライブが再生もしくは記録に必要な各種パラメータの設定を行う。また、前記再生調整結果もしくは前記記録調整結果を参考指標としてライブラリ装置5内のドライブにて再生調整もしくは記録調整を行い、再生調整もしくは記録調整の処理の一部を省略したり、設定値を変化させて再生もしくは記録に略最適な設定値を決定する際の参考指標とする。
【0137】
以上のように、光ディスク記録再生装置1のピッカー部15で行った再生調整もしくは記録調整の結果情報をライブラリ装置5で利用すれば、複数台の光ディスク記録再生装置1をサーバ4に接続するよりも低コストで構成可能である。
【0138】
なお、本発明において、上記の実施例における光ディスクには、例えば、DVD,BD、ホログラム記録媒体などが含まれる。また、上記実施例において光ディスクを対象として説明したが、本発明は光ディスクに限られず、可換式の媒体であって再生や記録の際に個体別の調整を行う媒体であればこれに限定されない。
【0139】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0140】
1…光ディスク記録再生装置
2…ネットワーク
11…インタフェース
12…制御部
13…メモリ部
14…搬送部
15…ピッカー部
16…ドライブ
17…格納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスク媒体にデータを記録し、記録されたデータを読み出す光ディスク記録再生装置において、
前記光ディスク記録媒体を記録及び再生する光ディスク記録再生部と、
前記光ディスク媒体を格納する格納部と、
前記光ディスク記録再生部と前記格納部間の前記光ディスク媒体の搬送を行うピッカー部を有し、
前記ピッカー部は前記格納部から前記光ディスク記録再生部へ光ディスクを搬送する間に前記光ディスク媒体を記録または再生するために行う処理の全部または一部を処理することを特徴とする光ディスク記録再生装置。
【請求項2】
請求項1に記載の光ディスク記録再生装置において、
前記光ディスク記録再生装置は、複数の前記光ディスク媒体を個々に格納する、前記格納部が有する複数のスロットを前記光ディスク記録再生部からの距離に基づいて複数のスロットグループに分類し、前記光ディスク媒体へのアクセス頻度に基づいて前記光ディスク媒体の属する前記スロットグループ及び前記光ディスク媒体を格納する前記スロットを決定することを特徴とする光ディスク記録再生装置。
【請求項3】
請求項2に記載の光ディスク記録再生装置において、
前記光ディスク記録再生装置において、前記光ディスク記録再生部から最も遠い位置にあるスロットグループを除く任意の前記スロットグループに属する前記光ディスク媒体は、属する前記スロットグループより前記光ディスク記録再生部から遠い位置にあるスロットグループに属する前記光ディスク媒体のアクセス頻度以上であることを特徴とする光ディスク記録再生装置。
【請求項4】
請求項2に記載の光ディスク記録再生装置において、
前記光ディスク記録再生装置は、前記スロットグループに応じて前記ピッカー部で行う処理を異ならせることを特徴とする光ディスク記録再生装置。
【請求項5】
光ディスク媒体にデータを記録し、記録されたデータを読み出す光ディスク記録再生方法において、
前記光ディスク媒体を格納部から光ディスク記録再生部へ搬送を行う間に前記光ディスク媒体を記録または再生するために行う処理の全部または一部を処理することを特徴とする光ディスク記録再生方法。
【請求項6】
請求項5に記載の光ディスク記録再生方法において、
複数の前記光ディスク媒体を個々に格納する、前記格納部が有する複数のスロットを前記光ディスク記録再生部からの距離に基づいて複数のスロットグループに分類し、前記光ディスク媒体へのアクセス頻度に基づいて前記光ディスク媒体の属する前記スロットグループ及び前記光ディスク媒体を格納する前記スロットを決定することを特徴とする光ディスク記録再生方法。
【請求項7】
請求項6に記載の光ディスク記録再生方法において、
前記光ディスク記録再生部から最も遠い位置にあるスロットグループを除く任意の前記スロットグループに属する前記光ディスク媒体は、属する前記スロットグループより前記光ディスク記録再生部から遠い位置にあるスロットグループに属する前記光ディスク媒体のアクセス頻度以上であることを特徴とする光ディスク記録再生方法。
【請求項8】
請求項6に記載の光ディスク記録再生方法において、
前記スロットグループに応じて前記ピッカー部で行う処理を異ならせることを特徴とする光ディスク記録再生方法。
【請求項9】
光ディスクにデータを記録し、記録されたデータを再生する光ディスク記録再生装置において、
前記光ディスク記録を記録及び再生する光ディスク記録再生部と、
前記光ディスクを格納する格納部と、
前記光ディスク記録再生部と前記格納部との間で前記光ディスクの搬送を行うピッカー部を有し、
前記ピッカー部は前記光ディスクからデータを再生するためのピックアップを有することを特徴とする光ディスク記録再生装置。
【請求項10】
請求項9に記載の光ディスク記録再生装置において、
前記ピッカー部の前記ピックアップを用いて、前記格納部から前記光ディスク記録再生部へ光ディスクを搬送する間に前記光ディスクを記録または再生するために行う処理の全部または一部を処理することを特徴とする光ディスク記録再生装置。
【請求項11】
請求項10に記載の光ディスク記録再生装置において、
前記光ディスク記録再生装置は、複数の前記光ディスク媒体を個々に格納する、前記格納部が有する複数のスロットを前記光ディスク記録再生部からの距離に基づいて複数のスロットグループに分類し、前記光ディスク媒体へのアクセス頻度に基づいて前記光ディスク媒体の属する前記スロットグループ及び前記光ディスク媒体を格納する前記スロットを決定することを特徴とする光ディスク記録再生装置。
【請求項12】
請求項11に記載の光ディスク記録再生装置において、
前記光ディスク記録再生装置において、前記光ディスク記録再生部から最も遠い位置にあるスロットグループを除く任意の前記スロットグループに属する前記光ディスク媒体は、属する前記スロットグループより前記光ディスク記録再生部から遠い位置にあるスロットグループに属する前記光ディスク媒体のアクセス頻度以上であることを特徴とする光ディスク記録再生装置。
【請求項13】
請求項11に記載の光ディスク記録再生装置において、
前記光ディスク記録再生装置は、前記スロットグループに応じて前記ピッカー部で行う処理を異ならせることを特徴とする光ディスク記録再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−109791(P2013−109791A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−252205(P2011−252205)
【出願日】平成23年11月18日(2011.11.18)
【出願人】(501009849)株式会社日立エルジーデータストレージ (646)
【出願人】(509189444)日立コンシューマエレクトロニクス株式会社 (998)
【Fターム(参考)】