説明

ディスク記録媒体処理装置

【課題】ディスクの外周縁とディスク切換機構のディスク検知レバーとの当接時の当接量を大きく設定しつつ、他の部品との干渉を防止する。
【解決手段】第2アーム4の端部の貫通孔10に、ディスク切換アーム15の第2ディスク支持部材15aが貫通される。ディスク切換アーム15は、低位置と高位置との間で第2アーム4に対して相対上下動可能でありかつ相対回動可能である。そして、第2アーム4のカム11とディスク切換アーム15のカムフォロワ15bとにより、非作動時はディスク切換アーム15は低位置に設定され、また12cmのディスクがディスク当接部15dを押圧することでディスク切換アーム15が相対回動したときは、ディスク切換アーム15は相対上動して高位置に設定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CD、DVD、ブルーレイ等の円板状のディスク記録媒体に対する記録事項の再生処理およびディスク記録媒体に対する記録事項の記録処理の少なくとも1つを行うディスク記録媒体処理装置であって、ディスク記録媒体の外周縁を支持可能にかつ互いに同期して回動可能に設けられる一対のアームを備えるディスク記録媒体処理装置の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のディスク記録媒体処理装置においては、ディスク切換機構を備えたディスク記録媒体処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このディスク切換機構は、先端に検知ピンをそれぞれ有する一対のディスク検知レバーを備えている。その場合、装置本体内に挿入される8cmのディスクと12cmのディスクの外周縁がディスク検知ピンに当接すること一対のディスク検知レバーが水平面内で回動して、挿入されるディスクをドライブ位置(ディスククランプ位置)に搬送する。このとき、ディスクのサイズに応じて一対のディスク検知レバーの回動量が異なることから、この回動量に基づいて、ディスクのサイズを検知している。そして、ディスク切換機構は、ディスクの異なるサイズに応じてディスクの位置決めピンの位置を切り換えて、異なるサイズのディスクをいずれも同一のドライブ位置にセンタリングしている。一対のディスク検知レバーは、ディスクが装置本体内に挿入されないときにはばね等の付勢手段で初期の待機位置に付勢されている。
【0003】
【特許文献1】特開2000−67496号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載のディスク記録媒体処理装置におけるディスク切換機構では、挿入されるディスクの外周縁が当接するディスク検知ピンが同一水平面内で一定の高さで回動して、ディスクを搬送するようになっている。しかしながら、ディスク検知ピンの回動領域でこのディスク検知ピンの下方には、ディスク記録媒体処理装置の他の部品が存在するために、ディスク検知ピンはその回動中にこの部品に干渉してしまうおそれがある。したがって、ディスク検知ピンを下方にあまり突出させることはできない。このため、ディスク検知ピンとディスクの外周縁との当接量(引っ掛かり量)が小さく規制されている。
【0005】
一方、ディスクの外周縁がディスク検知ピンに当接して一対のディスク検知レバーを回動開始する際に、一対のディスク検知レバーが待機位置に付勢されていることから、比較的大きな力が必要となる。しかし、前述のようにディスク検知ピンとディスクの外周縁との引っ掛かり量が小さいと、ディスクの外周縁がディスク検知ピンを安定して押圧することが難しくなるという問題が考えられる。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、ディスクの外周縁とディスク切換機構のディスク検知レバーとの当接時の当接量を大きく設定しつつ、他の部品との干渉を防止することのできるディスク記録媒体処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述の課題を解決するために、本発明のディスク記録媒体処理装置は、搬送されてくる
大径および小径のディスクによって回動される第1アームと、前記ディスクによって回動される第2アームと、前記第1および第2アームを同期回動させる同期機構とを少なくとも備えるディスク記録媒体処理装置において、前記第1および第2アームの少なくとも一つに、相対回動可能にかつ相対上下動可能に設けられるとともに、前記大径のディスクの外周縁が当接するディスク当接部を少なくとも有するディスク切換アームと、前記ディスク切換アームが相対回動することで前記ディスク切換アームを相対上下動させる上下動機構とを備え、前記ディスク切換アームが、前記大径のディスクの外周縁と前記ディスク当接部の当接量が多い低位置と前記当接量が少ない高位置とが設定されており、前記上下動機構が、前記第1および第2アームの少なくとも一つの非作動の初期位置で前記ディスク切換アームを前記低位置に設定し、前記ディスク切換アームが相対回動したとき前記ディスク切換アームを前記高位置に設定することことを特徴としている。
また、本発明のディスク記録媒体処理装置は、前記上下動機構がカム機構であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
このように構成された本発明のディスク記録媒体処理装置によれば、大径のディスクの外周縁が当接するディスク当接部を有するディスク切換アームを、第1および第2アームの少なくとも1つに相対回動可能にかつ相対上下動可能に設けている。そして、上下動機構により、第1および第2アームの少なくとも一つの非作動の初期位置でディスク切換アームを低位置に設定し、ディスク切換アームが相対回動したときディスク切換アームを高位置に設定している。これにより、大径のディスクのディスク当接部への当接時は、ディスク切換アームが低位置にあるので、大径のディスクとディスク当接部との当接量を多くできる。したがって、大径のディスクをディスク当接部に安定して当接させて押圧することができる。
【0009】
また、大径のディスクの回動によるディスクの搬送中には、ディスク切換アームが高位置にあるので、このディスク切換アームの下方でディスク切換アームの移動領域内に存在する他の部品と干渉することを防止できる。
【0010】
更に、ディスク切換アームを第2アームに対して相対的に上下動させる上下動機構としてカム機構を採用することで、ディスク切換アームの上下動機構の構造を簡単にかつコンパクトに構成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を用いて本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明に係るディスク記録媒体処理装置の実施の形態の一例を模式的にかつ部分的に示す図である。
図1に示すように、この例のディスク記録媒体処理装置1は装置本体2を備えている。この装置本体2には、一対の第1および第2アーム3,4がそれぞれディスクのドライブ
位置の近傍に配設されている。第1アーム3の一端部3aが回転軸5により回動可能に装置本体2に支持されているとともに、第2アーム4の一端部4aが回転軸6により回動可能に装置本体2に支持されている。
【0012】
第1アーム3の一端部3aには、所定数の外歯7aを有する円弧状のギア7が形成されている。また、第1アーム3の他端部3bには、円筒状の第1ディスク支持部材3cが設けられている。この第1ディスク支持部材3cには、装置本体2内に挿入されてきたディスクの外周縁が当接支持されるようになっている。
【0013】
一方、図2(a)に示すように、第2アーム4の一端部4aには、第1アーム3の外歯7aと同数の外歯8aを有する円弧状のギア8が形成されている。そして、第1アーム3
のギア7と第2アーム4のギア8とが常時噛合されている。したがって、第1アーム3と第2アーム4は同期(連動)して互いに逆方向に回動するようになっている。すなわち、2つのギア7,8により、本発明の同期機構が構成されている。
【0014】
第1アーム3はばね等の付勢手段(不図示)で常時時計回りに付勢されており、またこれに伴い第2アーム4は常時反時計回りに付勢されている。そして、ディスク記録媒体処理装置1の非作動状態では、第1アーム3は図示しないストッパ手段で図1に示す初期位置に保持され、これに伴い第2アーム4も図示しないストッパ手段で図1に示す初期位置に保持されている。
【0015】
また、第2アーム4の他端部4bには、ディスク切換アーム支持部9が形成されている。図3に示すように、このディスク切換アーム支持部9は貫通孔10が穿設されている。また、この貫通孔10の内周面には、円環状のカム11が設けられている。このカム11は、低位置部11a、高位置部11bと、これらの低位置部11aおよび高位置部11bとを連結する傾斜部11cとからなっている。
【0016】
貫通孔10を形成するディスク切換アーム支持部9において、カム11の上方の一部が切り欠かれた切欠部12が形成されている。そして、この切欠部の一端が第1ストッパ13とされている。
【0017】
図2(b)に示すように、ディスク切換アーム支持部9には、ディスク切換アーム15が相対回動可能に設けられている。図4に示すように、ディスク切換アーム15は、円筒状の第2ディスク支持部材15aが設けられている。この第2ディスク支持部材15aの上端部外周面には、円弧状のカムフォロワ15bが設けられている。このカムフォロワ15bの図4において左端は、上方に向かって円弧長が長くなるような傾斜したガイド面15b1とされている。また、ディスク切換アーム15には、第1ストッパピン15cが上
方に突設されているとともに、12cmのディスクの外周縁が当接するディスク当接部15dが設けられている。更に、ディスク切換アーム15には、第2ストッパピン15eが第2ディスク支持部材15aの近傍に位置して上方に突設されている。
【0018】
図2(b)に示すように、このディスク切換アーム15は、第2ディスク支持部材15aが円環状のカム11の内孔に回転方向および軸方向(上下方向)のいずれの方向にも相対摺動可能に上方から貫通される。また、このとき、カムフォロワ15bの外周面が貫通孔10の内周面と回転方向および上下方向のいずれの方向にも相対摺動可能となっている。更に、図示しないばね等の付勢手段で、ディスク切換アーム15は第2アーム4に対して図2(b)において反時計回りに軽く付勢されている。したがって、図2(b)および図5(a)に示すように第2アーム4の非作動時の初期位置では、ディスク切換アーム15は、第2ストッパピン15eがディスク切換アーム支持部9の第1ストッパ13に当接した位置に保持されている。そして、第1および第2アーム3,4が図1に示す初期位置
にあるときは、第1および第2ディスク支持部材3c,15aは、小径の8cmのディス
クをドライブ位置にセンタリングする位置に設定される。
【0019】
その場合、小径の8cmのディスクは第2ディスク支持部材15aのカムフォロワ15bより下部(以下、単に第2ディスク支持部材15aの下部という)に当接可能であるが、ディスク当接部15dには当接不能となっている。一方、図2(b)および図5(a)に示す第2ストッパピン15eが第1ストッパ13に当接した状態では、大径の12cmのディスクは挿入されてくると最初にディスク当接部15dに当接し、次にこのディスク当接部15dを押圧することで図5(a)に示す反時計回りβにディスク切換アーム15が第2アーム4に対して相対回動し、第2ディスク支持部材15aの下部に当接するようになっている。そして、12cmのディスクが第2ディスク支持部材15aの下部に当接
したとき、ディスク切換アーム15は相対回動を停止し図5(c)に示す位置に保持される。
【0020】
また、第2ストッパピン15eが第1ストッパ13に当接した状態では、カムフォロワ15bがカム11の低位置部11aに支持されている。したがって、この状態では、ディスク切換アーム15は低位置に設定される。このとき、カムフォロワ15bのガイド面15b1がカム11の傾斜部11cに当接しているか、あるいは若干回転方向に離間してい
る。
【0021】
一方、ディスク切換アーム15が第2アーム4に対して反時計回りβに相対回動すると、カムフォロワ15bのガイド面15b1がカム11の傾斜部11cに乗り上げるので、
ディスク切換アーム15は相対回動しながら第2アーム4に対して相対的に上動するようになる。そして、ディスク切換アーム15が図5(c)に示す位置に設定された状態では、カムフォロワ15bがカム11の高位置部11bに乗り上げかつ支持されようになっている。したがって、この状態では、ディスク切換アーム15は高位置に設定される。
【0022】
図1および図5(a)に示すように、装置本体2には第2ストッパ16が設けられている。その場合、第2ストッパピン15eが第1ストッパ13に当接した状態、つまりディスク切換アーム15が第2アーム4に対して相対回動しない非作動状態で第2アーム4およびディスク切換アーム15が一体に図5(a)において反時計回りαに回動したとき、図5(b)に示すように第1ストッパピン15cが第2ストッパ16に当接して、第2アーム4およびディスク切換アーム15のそれ以上の反時計回りαの回動が阻止されるようになっている。この第1ストッパピン15cが第2ストッパ16に当接した位置では、8cmのディスクがドライブ位置にセンタリングされた後、第2ディスク支持部材15aが8cmのディスクの外周縁から離間した状態となる。
【0023】
また、ディスク切換アーム15が図5(a)に示す状態から第2アーム4に対して反時計回りβに相対回動して、ディスク切換アーム15が図5(c)に示す位置に設定された状態では、第1ストッパピン15cが第2ストッパ16に当接不能な位置となる。これにより、ディスク切換アーム15のこの状態では、第4アーム4およびディスク切換アーム15が一体に反時計回りαに回動しても、第1ストッパピン15cは第2ストッパ16に当接しない。したがって、第4アーム2は反時計回りαに大きく回動可能となる。
【0024】
このように構成されたこの例のディスク記録媒体処理装置1においては、その非作動状態では第1および第2アーム3,4は、図1に示す初期位置に保持されている。また、デ
ィスク切換アーム15は、第2ストッパピン15eがディスク切換アーム支持部9の第1ストッパ13に当接した位置に保持されている。したがって、ディスク切換アーム15は、カムフォロワ15bがカム11の低位置部11aに支持されているので、低位置に設定されている。
【0025】
そして、この状態で、従来の公知のディスク記録媒体処理装置1と同様に、図示しないディスク挿入取出口から小径の8cmのディスクDSが装置本体2内に挿入されると、図
1に示すようにディスクDSは公知のディスク搬送手段(不図示)により左方からドライ
ブ位置の方へ搬送される。
【0026】
搬送されてきたディスクDSはその外周縁Ds1が第1および第2アーム3,4の第1デ
ィスク支持部材3cおよび第2ディスク支持部材15aの下部に当接する。その場合、小径の8cmのディスクDSの外周縁DS1はディスク当接部15dに当接しなく、直接第2
ディスク支持部材15aの下部に当接する。ディスクDSは第1および第2ディスク支持
部材3c,15aに当接した位置で停止し、ドライブ位置にセンタリングされる。このと
き、ディスク切換アーム15が低位置に設定されているため、ディスクDSの外周縁DS1
と第2ディスク支持部材15aとの引っ掛かり量が従来に比べて多くなっている。したがって、ディスクDSの外周縁DS1は第2ディスク支持部材15aに安定して当接しセンタ
リングされる。そして、図示しないクランパによってディスクDSがクランプされる。
【0027】
その後、第1アーム3は公知のアーム駆動手段17によって図1において反時計回りに若干回動される。すると、第2アーム4が図1において時計回りに回動する。このとき、ディスク切換アーム15は第2アーム4に対して相対回動しないため、その初期位置を保持して第2アーム4と一体に回動する。図5(b)に示すように、第1ストッパピン15cが第2ストッパ16に当接すると、第2アーム4およびディスク切換アーム15の回動が停止するとともに、第1アーム3の回動が停止する。これにより、第1および第2アーム3,4の第1および第2ディスク支持部材3c,15aはドライブ位置に設定されたディスクDSの外周縁DS1から若干離間保持され、この外周縁DS1に接触することはない。こ
うして、8cmのディスクDSに対する再生または記録処理が実行可能となる。8cmの
ディスクDSに対する再生または記録処理が終了すると、ディスクDSの挿入およびセンタリングと逆の動作が行われ、ディスクDSが装置本体2から排出される。その詳細な説明
は省略する。
【0028】
一方、ディスク記録媒体処理装置1の非作動状態で、図6に示すように大径の12cmのディスクDLが装置本体2内に挿入されると、同様にしてディスクDLは左方からドライブ位置の方へ搬送される。
【0029】
搬送されてきたディスクDLは、その外周縁DL1が第1アーム3の第1ディスク支持部
材3cに当接するとともに、ディスク切換アーム15のディスク当接部15dに当接する。その場合、大径の12cmのディスクDLの外周縁DL1は第2ディスク支持部材15a
には当接しない。このとき、ディスク切換アーム15が低位置に設定されているため、ディスクDLの外周縁DL1とディスク当接部15dとの引っ掛かり量が多くなっている。し
たがって、ディスクDLの外周縁DL1はディスク当接部15dに安定して当接する。
【0030】
更に、ディスクDLが右方へ搬送されると、第1アーム3が反時計回りに回動開始しか
つ第2アームが同期して時計回りに回動開始する。このとき、ディスクDLの外周縁DL1
とディスク当接部15dとの引っ掛かり量が多いことから、第1および第2アーム3,4
は確実に回動開始するようになる。また同時に、ディスクDLの外周縁DL1が第2ディス
ク支持部材15aを押圧するので、ディスク切換アーム15が第2アーム4に対して図5(a)に示す反時計回りβに相対回動開始する。同様に、ディスクDLの外周縁DL1とデ
ィスク当接部15dとの引っ掛かり量が多いことから、ディスク切換アーム15は確実に相対回動開始するようになる。
【0031】
ディスク切換アーム15が相対回動すると、カム11によりカムフォロワ15bが相対上動させられるので、ディスク切換アーム15が第2アーム4に対して相対上動する。そして、ディスクDLの外周縁DL1が第2ディスク支持部材15aの下部に当接すると、デ
ィスク切換アーム15の相対回動および相対上動が停止する。このとき、ディスク切換アーム15はカム11の高位置部11bに支持されて高位置に設定される。したがって、ディスクDLの外周縁DL1と第2ディスク支持部材15aとの引っ掛かり量が少なくなり従
来と同じ程度になるが、第1および第2アーム3,4はすでに回動開始しているので、デ
ィスクDLの外周縁DL1と第2ディスク支持部材15aとの当接は安定している。
【0032】
また、ディスクDLの外周縁DL1が第2ディスク支持部材15aの下部に当接したとき
には、図5(c)に示すように第1ストッパピン15cが第2ストッパ16に当接しない位置となっている。したがって、ディスクDLの更なる右方への搬送により、第1アーム
3は反時計回りにまた第2アーム4は時計回りに更に回動する。この第2アーム4の回動中、ディスク切換アーム15は高位置に設定されているので、このディスク切換アーム15の下方でディスク切換アーム15の移動領域内に存在する他の部品と干渉することはない。
【0033】
ディスクDLがドライブ位置に来ると、従来と同様にしてディスクDLが停止されてドライブ位置にセンタリングされる。そして、ディスクDLがクランパによってクランプされ
る。その後、第1アーム3はアーム駆動手段17によって図1において反時計回りに更に回動され、これに同期して第2アーム4が図1において時計回りに回動する。これにより、第1および第2アーム3,4の第1および第2ディスク支持部材3c,15aはドライブ位置に設定されたディスクDLの外周縁DL1から離間され、この外周縁DL1に接触するこ
とはない。そして、ロック部材18が作動して第1アーム3がこの位置に保持されるとともに、第2アーム4もこの位置に保持される。
【0034】
また、このとき、ディスク当接部15dもディスクDLの外周縁ディスクDL1から離間
するため、ディスク切換アーム15は第2アーム4に対して反時計回りに相対回動する。そして、ディスク切換アーム15は、第2ストッパピン15eがディスク切換アーム支持部9の第1ストッパ13に当接したとき、その位置に停止保持される。こうして、12cmのディスクDLに対する再生または記録処理が実行可能となる。12cmのディスクDLに対する再生または記録処理が終了すると、ディスクDLの挿入およびセンタリングと逆
の動作が行われ、ディスクDLが装置本体2から排出される。その詳細な説明は省略する

【0035】
この例のディスク記録媒体処理装置1によれば、12cmのディスクDLの外周縁DL1
を下部で支持する第2ディスク支持部材15aを有するディスク切換アーム15を、第2アーム4に相対回動することで相対上動するように設けている。そして、第2アーム4の非作動の初期位置では、ディスク切換アーム15を低位置に設定し、ディスクDLの外周
縁DL1がディスク当接部15dに当接し、ディスク切換アーム15を押圧して第2アーム4に対して相対回動することで、ディスク切換アーム15を高位置に設定する。これにより、ディスクDLのディスク当接部15dへの当接時は、ディスク切換アーム15が低位
置にあるので、ディスクDLとディスク当接部15dとの当接量(引っ掛かり量)を多く
できる。したがって、ディスクDLをディスク当接部15dに安定して当接させて押圧す
ることができる。
【0036】
また、第2ディスク4の回動によるディスクの搬送中には、ディスク切換アーム15が高位置にあるので、このディスク切換アーム15の下方でディスク切換アーム15の移動領域内に存在する他の部品と干渉することを防止できる。
【0037】
更に、ディスク切換アーム15を第2アーム4に対して相対的に上下動させる上下動機構として、カム11とカムフォロワ15bとからなるカム機構を採用しているので、ディスク切換アーム15の上下動機構の構造を簡単にかつコンパクトに構成することができる。
【0038】
なお、ディスク記録媒体処理装置は前述の例に限定されることはなく、例えば、ディスク切換アーム15は第1アーム3側に設けることもできるし、第1および第2アーム3,
4の両方に設けることもできる。要は、特許請求の範囲に記載されている事項に基づいて種々設計変更可能である。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明のディスク記録媒体処理装置は、CD、DVD、ブルーレイ等の円板状のディス
ク記録媒体に対する記録事項の再生処理およびディスク記録媒体に対する記録事項の記録処理の少なくとも1つを行うディスク記録媒体処理装置であって、ディスク記録媒体の外周縁を支持可能にかつ互いに同期して回動可能に設けられる一対のアームを備えるディスク記録媒体処理装置に好適に利用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係るディスク記録媒体処理装置の実施の形態の一例を模式的にかつ部分的に示し、8cmのディスクが挿入された場合を示す図である。
【図2】(a)は第2アームを示す斜視図、(b)はディスク切換アームが組み付けられた状態の第2アームを示す斜視図である。
【図3】図2(a)に示す第2アームの他端部を示す部分拡大斜視図である。
【図4】図2(b)に示すディスク切換アームを示す部分拡大斜視図である。
【図5】(a)は第2アームとディスク切換アームとの初期位置を示す図、(b)は8cmのディスクにおける第2アームとディスク切換アームとの作動を説明する図、(c)は12cmのディスクにおける第2アームとディスク切換アームとの作動を説明する図である。
【図6】12cmのディスクが挿入された場合を示す、図1と同様の図である。
【符号の説明】
【0041】
1…ディスク記録媒体処理装置、2…装置本体、3…第1アーム、3c…第1ディスク支持部材、4…第2アーム、7,8…ギア、11…カム、11a…低位置部、11b…高位
置部、11c…傾斜部、13…第1ストッパ、15…ディスク切換アーム、15a…第2ディスク支持部材、15b…カムフォロワ、15c第1ストッパピン、15d…ディスク当接部、15e…第2ストッパピン、16…第2ストッパ、DS…8cmのディスク、DS1…8cmのディスクの外周縁、DL…12cmのディスク、DL1…12cmのディスクの外周縁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送されてくる大径および小径のディスクによって回動される第1アームと、前記ディスクによって回動される第2アームと、前記第1および第2アームを同期回動させる同期機構とを少なくとも備えるディスク記録媒体処理装置において、
前記第1および第2アームの少なくとも一つに、相対回動可能にかつ相対上下動可能に設けられるとともに、前記大径のディスクの外周縁が当接するディスク当接部を少なくとも有するディスク切換アームと、前記ディスク切換アームが相対回動することで前記ディスク切換アームを相対上下動させる上下動機構とを備え、
前記ディスク切換アームは、前記大径のディスクの外周縁と前記ディスク当接部の当接量が多い低位置と前記当接量が少ない高位置とが設定されており、
前記上下動機構は、前記第1および第2アームの少なくとも一つの非作動の初期位置で前記ディスク切換アームを前記低位置に設定し、前記ディスク切換アームが相対回動したとき前記ディスク切換アームを前記高位置に設定することことを特徴とするディスク記録媒体処理装置。
【請求項2】
前記上下動機構はカム機構であることを特徴とする請求項1に記載のディスク記録媒体処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−135001(P2010−135001A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−309896(P2008−309896)
【出願日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【出願人】(595178014)東英工業株式会社 (14)
【Fターム(参考)】