説明

ディスパージョン形成剤としての金属有機シリケートポリマーの使用

【課題】水相中での疎水性化合物または有機相中での疎有機性化合物のディスパージョンを提供する
【解決手段】本発明は、ディスパージョン形成剤としての金属有機シリケートポリマーの使用に関する。
本発明で使用される金属有機シリケートポリマーは、以下の式IおよびII
式I :RSiAl(OH)
式II:RSi16(OH)
のうちの1つを有する。
本発明は、特に、水中での疎水性化合物、および有機溶媒中での疎有機性化合物のディスパージョンの分野で用途がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水中で疎水性材料のディスパージョンまたは有機溶媒中で疎有機性(organophobic)材料のディスパージョンを形成するための作用物質としての金属有機シリケートポリマーの使用に関する。
【0002】
本発明は、より詳細には、カーボンナノチューブの水性ディスパージョンおよびベンゾトリアゾールの水性ディスパージョンに関し、およびUV放射からの保護用の組成物の生成のためのベンゾトリアゾールの水性ディスパージョンの使用にも関する。
【背景技術】
【0003】
水相中で疎水性化合物の粒子を分散させること、または有機相中で親水性もしくは疎有機性化合物の粒子を分散させることは非常に困難である。
【0004】
多くの有機化合物は不水溶性である。
【0005】
これは、ベンゾトリアゾールのグループ、およびより詳細には2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールの化合物に当てはまる。
【0006】
ところで、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールは、同時に再生しながら、UV線によって放射されたフォトンを消費する。したがってこれは、UV照射によって消費されないので、様々な成分および支持体をUV放射から保護することに関して、非常に興味のある分子である。
【0007】
しかし、この分子は水分散性ではないので、単純にかつ保護される成分に対して無害な様式で適用することができない。
【0008】
一方で、カーボンナノチューブは、水中に分散させることが困難な疎水性化合物を代表する無機材料である。
【0009】
一般に、水中でカーボンナノチューブのディスパージョンを得るために、カーボンナノチューブの表面でOH基が生成され、次いでこれらのOH基が酸化される結果、カルボン酸基が形成され、最後に、これらは塩に変換される。そのとき、このナノチューブは、水−「分散性」である。
【0010】
しかし、これには多くの化学反応が必要とされる。
【0011】
さらに、金属有機シリケート、金属フィロシリケート粘土、金属有機シリケートポリマーまたはポリシルセスキオキサン塩と同等に呼ばれる化合物のグループが知られている。
【0012】
例えば、特許出願US7132165B2には、アミド界面活性剤または構造化剤(structuring agent)からの、この種類の化合物の製造が記載されている。これらの化合物は、高温および水熱安定性を有する層状シリカに基づくメソポーラス化合物であるとして記載されている。
【0013】
これらの化合物は、「Template Synthesis and Characterization of Layered Al− and Mg−Silsesquioxanes」、J.Phys.Chem.B、1997、101、531〜539頁において、L.Ukrainczykらによっても記載されている。
【0014】
これらの化合物を調製するための方法は、この文献に記載されている。シルセスキオキサン化合物は、AlClまたはMgClとn−ドデシル、n−オクチル、n−ペンチル、3−メタクリルオキシプロピル、イソブチルもしくはフェニル官能基を有するトリアルコキシシランの混合物を含有する、アルコール溶液に水性塩基を添加することにより、周囲温度で沈殿によって調製された。
【0015】
これらの化合物は、吸収剤材料、環境障壁、ポリマー充填剤、触媒担体または化学センサーとして使用可能であると記載されている。
【0016】
「Hybrid lamellar nanocomposites based on organically functionalized magnesium phyllosilicate clays with interlayer reactivity」、J.Mater.Chem.、1998、8(8)、1927〜1932頁において、Nicola T.Whiltonらも、MgCl・6HOのエタノール溶液へのオルガノトリアルコキシシランの添加および水酸化ナトリウム溶液での沈殿によってそのような化合物を調製することを記載している。
【0017】
しかし、この文献では、これらの化合物についての用途は記載または示唆されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】US7132165B2
【非特許文献】
【0019】
【非特許文献1】L.Ukrainczykら、「Template Synthesis and Characterization of Layered Al− and Mg−Silsesquioxanes」、J.Phys.Chem.B 1997、101、531〜539頁
【非特許文献2】Nicola T.Whiltonら、「Hybrid lamellar nanocomposites based on organically functionalized magnesium phyllosilicate clays with interlayer reactivity」、J.Mater.Chem.、1998、8(8)、1927〜1932頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明は、水相中での疎水性化合物または有機相中での疎有機性化合物のディスパージョンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
この効果のために、本発明は、水中で疎水性材料のディスパージョンまたは有機溶媒中で疎有機性材料のディスパージョンを形成するための作用物質としての、以下の式IおよびII:
式I :RSiAl(OH)
式II:RSi16(OH)
(式中、
− 各Rは、他と独立して、置換または非置換の、直鎖または分岐のアルキル基、置換または非置換の、直鎖または分岐のアルケニル基、置換または非置換のアリール基、置換または非置換のベンジル基、置換または非置換のビニル基、置換または非置換の多環芳香族基、および置換または非置換のアリル基からなる群から選択される基であり、
− x≧2であり
− y≧2であり、
− 式Iにおいて、Si/Alのモル比は、1.8と1.3の間(両端を含む)であり、
− 式IIにおいて、Mは、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、およびストロンチウム、ならびにその2種以上の混合物からなる群から選択され、Si/Mのモル比は、1.8と1.3の間(両端を含む)である)
のうちの1つを有する、少なくとも1種の金属有機シリケートポリマーの粒子を使用することを提案する。
【0022】
好ましくは、式IおよびIIにおいて、各Rは、他と独立して、置換または非置換のメチル基、置換または非置換のエチル基、置換または非置換のn−プロピル基、置換または非置換のベンジル基および置換または非置換のビニル基から選択される。
【0023】
式IおよびIIにおいて、Rが置換されている場合、これは、アミノ基、ハロゲン原子、エーテル基、エステル基、ヒドロキシル基、アクリレート基、エポキシ基、アルキル基、アルキルアクリレート基、アミノアルキル基、クロロアルキル基、カルボキシリック(carboxylic)基、スルホニック(sulfonic)基およびホスホニック(phosphonic)基によって形成される群から選択される、少なくとも1個の置換基で置換されている。
【0024】
好ましい一実施形態では、本発明は、疎水性材料の粒子の水性ディスパージョンであって、
− 少なくとも1種の疎水性材料の粒子と、
− 以下の式IおよびII:
式I :RSiAl(OH)
式II:RSi16(OH)
(式中、
− 各Rは、他と独立して、置換または非置換の、直鎖または分岐のアルキル基、置換または非置換の、直鎖または分岐のアルケニル基、置換または非置換のアリール基、置換または非置換のベンジル基、置換または非置換のビニル基、置換または非置換の多環芳香族基、および置換または非置換のアリル基からなる群から選択される基であり、
− x≧2であり
− y≧4であり、
− 式Iにおいて、Si/Alのモル比は、1.8と1.3の間(両端を含む)であり、
− 式IIにおいて、Mは、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、およびストロンチウム、ならびにその2種以上の混合物からなる群から選択され、Si/Mのモル比は、1.8と1.3の間(両端を含む)である)
のうちの1つを有する、少なくとも1種の金属有機シリケートポリマーの粒子と
を含む水性ディスパージョンを提供する。
【0025】
この第1の好ましい実施形態では、式IおよびIIにおいて、各Rは、他と独立して、置換または非置換のメチル基、置換または非置換のエチル基、置換または非置換のn−プロピル基、置換または非置換のベンジル基および置換または非置換のビニル基から選択されることが好ましい。
【0026】
やはりこの第1の好ましい実施形態では、Rが置換されている場合、これは、アミノ基、ハロゲン原子、エーテル基、エステル基、ヒドロキシル基、アクリレート基、エポキシ基、アルキル基、アルキルアクリレート基、アミノアルキル基、クロロアルキル基、スルホニック(sulfonic)基、カルボキシリック(carboxylic)基およびホスホニック(phosphonic)基によって形成される基で置換されていることが好ましい。
【0027】
第1の好ましい実施形態の第1の変形では、この疎水性材料の粒子はカーボンナノチューブである。
【0028】
この変形では、金属有機シリケートポリマーは、Mがマグネシウムであり、R基のうちの4個が(CHNH(CH基であり、R基のうちの4個がC基である式IIを有することが好ましい。
【0029】
やはりこの第1の変形では、別の好ましい金属有機シリケートポリマーは、MがMgであり、R基のうちの4個が3−アミノプロピル基であり、R基のうちの4個がフェニル基である式IIを有する。
【0030】
しかし、さらに別の好ましい金属有機シリケートポリマーは、MがMgであり、R基のうちの4個が3−アミノプロピル基であり、R基のうちの4個がビニル基である式IIを有する。
【0031】
やはりこの変形では、カーボンナノチューブの質量/金属有機シリケートポリマーの質量の比は、0.5超または0.5に等しい。
【0032】
より好ましくは、カーボンナノチューブの質量/金属有機シリケートポリマーの質量の比は0.8に等しい。
【0033】
本発明の第1の好ましい実施形態の第2の変形では、疎水性材料は2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールであり、これは水性ディスパージョン中で得られる。
【0034】
この場合、金属有機シリケートポリマーは、Mが亜鉛であり、R基のうちの4個が(CHNH(CH基であり、R基のうちの4個がC基である式IIを有することが好ましい。
【0035】
本発明は、UV放射から保護するための組成物の生成のための、本発明の第2の変形による水性ディスパージョンの使用も提供する。
【0036】
以下に続く説明的な記述を読めば、本発明がより明瞭に理解され、本発明の他の特徴および利点がより明瞭に明らかとなるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明で使用される金属有機シリケートポリマーは、以下の式IおよびII:
式I :RSiAl(OH)
式II:RSi16(OH)
(式中、
− 各Rは、他と独立して、置換または非置換の、直鎖または分岐のアルキル基、置換または非置換の、直鎖または分岐のアルケニル基、置換または非置換のアリール基、置換または非置換のベンジル基、置換または非置換の多環芳香族基、置換または非置換のビニル基、および置換または非置換のアリル基からなる群から選択される基であり、
− x≧2であり
− y≧4であり、
− 式Iにおいて、Si/Alのモル比は、1.8と1.3の間(両端を含む)であり、
− 式IIにおいて、Mは、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、およびストロンチウム、ならびにその2種以上の混合物からなる群から選択され、Si/Mのモル比は、1.8と1.3の間(両端を含む)である)
のうちの1つを有する。
【0038】
上記式Iまたは式IIを有する金属有機シリケートポリマーの粒子は、10nmと100nmの間の粒度を有する。
【0039】
本発明で使用される金属有機シリケートポリマーは、有機基を含む、アルミノシリケート化合物または金属シリケート化合物である。
【0040】
これらは吸湿性化合物である。したがってこれらは、変動する数の水分子を含有し、これは、式IおよびIIにおいて、ヒドロキシル基の数が可変であることを意味する。しかし、これらの式の化学量論組成に忠実であるために、ヒドロキシル基の数は、式I中で少なくとも2であり、式II中で少なくとも4である。
【0041】
その有機シリケートの特徴に加えて、本発明で使用される式Iのポリマーは、約1.8と1.3の間(両端を含む)のSi/Alのモル比によって特徴付けられ、本発明で使用される式IIのポリマーは、1.8と1.3の間(両端を含む)のSi/Mのモル比によって特徴付けられる。
【0042】
これらは、1つまたは複数のマグネシウム、亜鉛、カルシウム、ストロンチウムまたはアルミニウムの塩、および式RSi(OR4−x(xは、1と2の間(両端を含む)であり、Rは加水分解性基である)のシランカップリング剤とアルコール性アルカリ溶液との混合物の処理を含む、制御された共加水分解法によって形成される。
【0043】
ある特定の実施形態では、シランカップリング剤のR官能基には、アミノ基などの塩基性基が含まれ、その場合アルコール性アルカリ溶液を加える必要はないが、塩基の所望の化学量論的当量が存在するために、少量の塩基が必要である場合がある。金属(マグネシウム、亜鉛、カルシウム、ストロンチウムおよびアルミニウムのうちの1つまたは複数)/ケイ素のモル比は、1と0.5の間(両端を含む)で維持されることが好ましく、アルカリ/金属のモル比は、1と0.5の間(両端を含む)で維持されることが好ましい。
【0044】
0.5Mと5Mの間(両端を含む)、好ましくは約3Mの濃度を有する、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、または水酸化リチウム、ジエチルアミンまたはトリエチルアミンのアルコール溶液が使用されることが好ましい。
【0045】
好ましくは、シランカップリング剤のアルコキシ基(OR)は、プロポキシ、エトキシまたはメトキシ基である。
【0046】
シランカップリング剤中に存在する各R基に関しては、これは、他と独立して、置換または非置換の、直鎖または分岐鎖のアルキル基、置換または非置換の、直鎖または分岐のアルケニル基、置換または非置換のアリール基、置換または非置換のベンジル基、置換または非置換のビニル基、置換または非置換の多環芳香族基、および置換または非置換のアリル基によって形成される群から選択される。
【0047】
最も好ましくは、各Rは、他と独立して、それぞれ直鎖もしくは分岐であり、置換もしくは非置換のアルキル基もしくはアルケニル基、または置換もしくは非置換のベンジル基または置換もしくは非置換のビニル基である。
【0048】
最も好ましくは、各Rは、他と独立して、CからC18、より好ましくはCからCのアルキルもしくはアルケニル基、またはベンジル基またはビニル基であり、すべてのこれらの基は、置換されているか、または非置換である。
【0049】
最も好ましくは、各Rは、他と独立して、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、ビニル基またはベンジル基であり、これらの基のそれぞれは、置換されているか、または非置換であることが可能である。
【0050】
R基、特に直鎖または分岐のアルキルまたはアルケニル基の適切な置換基は、所望の親水性または疎水性の性質に影響を及ぼすのに適切な任意の置換基とすることができる。
【0051】
例えば、各R基は、ジアミノおよびトリアミノ置換基を含めたアミノ基などの塩基性基、ハロゲン原子、例えば、1つまたは複数のフッ素、塩素、臭素もしくはヨウ素原子などであるが、好ましくは塩素原子、エーテル基、エステル基、ヒドロキシル基、メタクリレート基などのアクリレート基、または追加の修飾を可能にする任意の他の脱離基もしくは任意の他の反応性基、例えば、エポキシ基、もしくは必要に応じて置換されているアリール基などで置換することができる。
【0052】
最も好ましくは、R基の置換基は、アルキル基、アルキルアクリレート基、アミノアルキル基、クロロアルキル基、スルホニック(sulfonic)基、カルボキシリック(carboxylic)基またはホスホニック(phosphonic)基、特に、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、プロピルメタクリレート基、3−クロロプロピル基または3−アミノプロピル基である。
【0053】
したがって、金属有機シリケートポリマーの粒子は、有機溶媒中の親水性材料のディスパージョンを得ることを可能にするように官能化することができる。
【0054】
しかし、金属有機シリケートポリマーの粒子は、疎水性材料の粒子の水性ディスパージョンを得ることを可能にするように設計することもできる。
【0055】
このために、上記で定義した式Iまたは式IIを有する、少なくとも1種の金属有機シリケートポリマーの粒子が、疎水性材料の粒子に加えられることになる。
【0056】
これらの金属有機シリケートポリマーの粒子によって、カーボンナノチューブを上述した金属有機シリケートポリマーと混合することにより、カーボンナノチューブの水性ディスパージョンを得ることが可能であり、これにより、疎水性材料の粒子を分散させることが可能になる。
【0057】
第1の好ましい実施形態では、カーボンナノチューブの水性ディスパージョンは、カーボンナノチューブと、Mがマグネシウムであり、R基のうちの4個が(CHNH(CH基であり、R基のうちの4個がC基である式IIを有する金属有機シリケートポリマーの粒子とを含む。
【0058】
第2の好ましい実施形態では、本発明は、カーボンナノチューブと、MがMgであり、4個のR基が3−アミノプロピル基であり、4個のR基がフェニル基である式IIの有機シリケートポリマー化合物の粒子とを含む、カーボンナノチューブの水性ディスパージョンを提供する。
【0059】
第3の好ましい実施形態では、本発明は、金属有機シリケートポリマーが、MがMgであり、R基のうちの4個が3−アミノプロピル基であり、R基のうちの4個がビニル基である式IIを有する水性ディスパージョンを提供する。
【0060】
これらの3つの好ましい実施形態では、少なくとも1時間、カーボンナノチューブの水性ディスパージョンの安定化を得るために、ナノチューブの質量/金属有機シリケートポリマーの質量の比は、0.5超または0.5に等しいことが好ましい。
【0061】
少なくとも3時間安定である、カーボンナノチューブの水性ディスパージョンを得るために、カーボンナノチューブの質量/金属有機シリケートポリマー粒子の質量の比は0.8である。
【0062】
第2の変形では、本発明は、ベンゾトリアゾール化合物、およびより詳細には2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールの水性ディスパージョンを提供する。
【0063】
この変形では、金属有機シリケートポリマーの粒子は、Mが亜鉛であり、R基のうちの4個が(CHNH(CH基であり、R基のうちの4個がC基である式IIの金属有機シリケートポリマーの粒子であることが好ましい。
【0064】
得られるこの水性ディスパージョンは、特に薄膜として適用される場合、UV放射からの保護用の組成物の生成のために、特に使用することができる。
【0065】
実際には、UV放射により、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールが芳香族であることを可能にする水素結合が切断され、これは、この分子がUVフォトンを吸収することを意味する。
【0066】
時間とともに、新規な水素結合が形成されるので、これは、この分子がUVフォトンの再生可能な(regeneratable)「吸収体」であることを意味する。
【0067】
しかし、これはUV遮蔽体として作用するが、この分子は酸化に非常に敏感である。
【0068】
現在、本発明による金属有機シリケートポリマーの添加により、この分子を水中に分散させることが可能になるだけでなく、酸化から保護もされることが注目されている。
【0069】
本発明をより明瞭に理解するために、いくつかの実施形態を、純粋に例示的で限定しない実施例によってこれから説明する。
【実施例1】
【0070】
MがMgであり、4個のR基が3−アミノプロピル基であり、4個のR基がフェニル基である式IIの金属有機シリケートポリマーの粒子の合成
0.0191molのMgCl・6HOを200gのエタノール中に可溶化し、次いで20gのEtOH中の(3−アミノプロピル)トリエトキシシランとフェニルトリエトキシシランの等モル混合物(0.00955/0.00955)を急速に加える。この溶液は急速に不透明になる。次いで20gのEtOH中の0.0095molのNaOHを加える。この反応媒体を周囲温度で24時間攪拌する。濾過後、白色沈殿物を200gのエタノールで洗浄する。得られた白色粉末を周囲温度で2日間乾燥させる。マグネシウムに関して計算される収率は49%である。ICP−AES(誘導結合プラズマ原子発光分光測定)によって測定されるMg/Siのモル比は0.7である。X線回折により、生成物はわずかに結晶性であることが示される。得られた金属有機シリケートポリマーは、完全に水分散性であり、これは透析によって、またはナノ濾過および/もしくは限外濾過によって洗浄することができる。光子相関分光法によって測定される粒度は、20nmと50nmの間である。粒度測定は、5g/lと30g/lの間のポリマー濃度で実施する。この濃度範囲で粒度の増加は認められない。
【実施例2】
【0071】
MがMgであり、R基のうちの4個が3−アミノプロピル基であり、R基のうちの4個がビニル基である式IIの金属有機シリケートポリマーの粒子の合成
0.0191molのMgCl・6HOを200gのエタノール中に可溶化し、次いで20gのEtOH中の(3−アミノプロピル)トリエトキシシランとビニルトリメトキシシランの等モル混合物(0.00955/0.00955)を急速に加える。この溶液は急速に不透明になる。次いで20gのEtOH中の0.0095molのNaOHを加える。この反応媒体を周囲温度で24時間攪拌する。濾過後、白色沈殿物を200gのエタノールで洗浄する。得られた白色粉末を周囲温度で2日間乾燥させる。マグネシウムに関して計算される収率は48%である。ICP−AES(誘導結合プラズマ原子発光分光測定)によって測定されるMg/Siのモル比は0.65である。X線回折により、生成物は弱い結晶性であることが示される。得られた金属有機シリケートポリマーは、完全に水分散性であり、これは透析によって、またはナノ濾過および/もしくは限外濾過によって洗浄することができる。光子相関分光法によって測定される粒度は、20nmと50nmの間である。粒度測定は、5g/lと30g/lの間の金属有機シリケートポリマー濃度で実施する。この濃度範囲で粒度の増加は認められない。
【0072】
以下に続く実施例では、疎水性化合物、特にカーボンナノチューブおよび2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールの水性ディスパージョンを得るための、本発明による金属有機シリケートポリマーの粒子の有効性を評価した。
【実施例3】
【0073】
MがMgであり、4個のR基が3−アミノプロピル基であり、4個のR基がCH(CH17基である、金属有機シリケートポリマーの粒子の合成
9.75gのMgCl・6HOを160mlのEtOH中に可溶化し、次いで20mlのEtOH中の等モル混合物(0.03molのCH(CH17Si(OEt)+0.03molのNH(CHSi(OEt))を周囲温度で攪拌しながら加える。この溶液はわずかに濁る。次いで20mlのEtOH中の0.03molのKOHを加える(KOHは、NaOHまたはLiOHまたはトリメチルアミン有機塩基と差し替えることができるが、無機塩基が好ましい)。白色沈殿物が形成する。この反応媒体を周囲温度で12時間攪拌したままにし、次いでブフナー漏斗を通して濾過する。得られた白色粉末を150mlのEtOHで洗浄し、次いで周囲温度で2日間乾燥させる。マグネシウムに関して計算される収率は47%である。ICP−AES(誘導結合プラズマ原子発光分光測定)によって測定されるMg/Siのモル比は0.7である。X線回折により、生成物はわずかに結晶性であることが示される。得られた金属有機シリケートポリマーは、完全に水分散性であり、これは透析によって、またはナノ濾過および/もしくは限外濾過によって洗浄することができる。光子相関分光法によって測定される粒度は、水中で20nmと60nmの間である。粒度測定は、5g/lと20g/lの間の金属有機シリケートポリマー濃度で実施する。この濃度範囲で粒度の増加は認められない。
【実施例4】
【0074】
カーボンナノチューブの水性ディスパージョン
使用するカーボンナノチューブは、Arkema社より提供される。
【0075】
評価プロトコルを以下に示す。既知量のナノチューブを、金属有機シリケートポリマーを含有する、または含有しない浸透圧処理した水と混合し、容器を、W.A.Bachofen.AGによって製造されたTurbula(登録商標)オービタルミキサー(Schatzシステム)で、周囲温度で攪拌する。続いてこの容器を1時間放置し、続いて上澄み媒体による可視光の透過を、1mmの光路を有する石英セル中で測定する。0%の透過は、何も通過せず、したがってカーボンナノチューブは懸濁液中にあることを意味する。
【0076】
いくつかの試料を調製する。
【0077】
試料4A:2mlの浸透圧処理した水を用いた50mgのArkemaカーボンナノチューブ。
【0078】
試料4B:NaCl(30g/l)を含有する、2mlの溶液中の50mgのArkemaカーボンナノチューブ。
【0079】
試料4C:実施例3で得られた金属有機シリケートポリマーの、2mlの水性コロイドゾル(20g/l)中の50mgのArkemaカーボンナノチューブ。
【0080】
試料4D:実施例1で得られた金属有機シリケートポリマーの、2mlの水性コロイドゾル(30g/l)中の50mgのArkemaカーボンナノチューブ。
【0081】
試料4E:実施例2で得られた金属有機シリケートポリマーの、2mlの水性コロイドゾル(30g/l)中の50mgのArkemaカーボンナノチューブ。
【0082】
研究したすべての反応媒体は、カーボンナノチューブと接触させる前は、可視光に対して完全に透明であり、したがってその透過は100%である。
【0083】
カーボンナノチューブと接触させた後に得られた光透過の結果を以下の表1に示す。
【0084】
【表1】

濃厚塩溶液中(実施例4B)でも、カーボンナノチューブの懸濁液は安定でなく、これは結局沈殿することになる。一方、金属有機シリケートポリマーの存在により、懸濁液を安定化することが可能になり、光を通過させない黒インクを形成する。1時間後、本発明による金属有機シリケートポリマーを含有するディスパージョンまたはサスペンジョンは、依然として安定である。
【0085】
3時間後、金属有機シリケートポリマーが不飽和有機基を有するディスパージョンまたはサスペンジョンは、依然として安定化されている。
【0086】
カーボンナノチューブ/金属有機シリケートポリマーの質量比は、0.8であることが好ましい。
【0087】
この比は0.5超であることも好ましいが、これは、0.5未満の場合、見た目では、カーボンナノチューブを分散させることがより困難であると思われるためである。
【実施例5】
【0088】
MがZnであり、R基のうちの4個が(CHNH(CH基であり、R基のうちの4個がベンジル(C)基である式IIの金属有機シリケートポリマーの粒子の合成
1.2molのZnCl・6HOを2900gのエタノール中に可溶化し、312gの(3−アミノプロピル)トリエトキシシランを急速に加える。白色沈殿物が急速に形成する。この反応媒体を周囲温度で24時間攪拌する。濾過後、白色沈殿物を2000gのエタノールで洗浄する。得られた白色粉末を周囲温度で2日間乾燥させる。亜鉛に関して計算される収率は48%である。ICP−AES(誘導結合プラズマ原子発光分光測定)によって測定されるZn/Siのモル比は0.57である。X線回折により、生成物はわずかに結晶性であることが示される。得られた金属有機シリケートポリマー化合物は、完全に水分散性であり、これは透析によって、またはナノ濾過および/もしくは限外濾過によって洗浄することができる。光子相関分光法によって測定される粒度は、20nmと30nmの間である。粒度測定は、5g/lと35g/lの間の金属有機シリケートポリマー濃度で実施する。この濃度範囲で粒度の増加は認められない。
【実施例6】
【0089】
2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールの水性ディスパージョン
実施例5で得られた金属有機シリケートポリマーの、25mlの水性コロイドゾル(10g/l)を周囲温度で攪拌し、次いで200mgの2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールを加える。この混合物は、水中で完全に不溶性である。コロイドゾル中での分散は非常に遅く、分散は、ビーカーをUVランプ(365nmに中心がある4W)で上から照射すると加速される。
【0090】
このディスパージョンは、数分で澄んだ透明になる。この照射がない場合、分散は非常に遅く、またはそれどころか不可能である。UV照射により、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール上で、平面性を付与する水素結合が切断され、したがって電子が非局在化し、同様にUV範囲でのその光吸収が生じ、後者は解重合し、金属有機シリケートポリマーによって急速に吸着される。
【0091】
得られたディスパージョンは経時的に安定である。
【実施例7】
【0092】
UV放射からの保護用の組成物の生成のための、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールの水性ディスパージョンの使用
2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールは、UVフォトンを吸収する化合物であり、したがってUV放射から保護するための優れた作用物質である。本発明による金属有機シリケートポリマーの使用によって、この化合物は、薄層の作製用の水性ディスパージョン中で使用することができる。しかし、これは酸化に敏感である。この実施例の目的は、金属有機シリケートポリマーを含む、この化合物の水性ディスパージョンが、酸化に対して安定化され、したがってこのディスパージョンが、UV放射からの保護用の組成物の生成のために使用することができることを示すことである。
【0093】
2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールの、酸化に対する安定化を測定するために、以下の組成物の薄層を作製する。
【0094】
− 組成物10A:上記で得られた5mlの2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールのディスパージョンを、4モル当量の3−グリシドプロピルトリメトキシシラン+1モル当量のテトラエチルオルトシリケート+5mlのHOの0.1Mアルコール混合物で作製されたゾル−ゲル調合物中に導入する。
【0095】
このように、0.1Mアルコール混合物のゾル−ゲル調合物の5mlのHOを、この実施例で得られた5mlの2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールのディスパージョンで置換した。
【0096】
− 組成物10B:この実施例で得られた0.5mlの2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールのディスパージョンを、0.1Mアルコール混合物のゾル−ゲル調合物中に導入する。
【0097】
この場合、このゾル−ゲル調合物の5mlのHOのうちの10%のみが、この実施例で得られた2−(2’ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールの水性ディスパージョンで置換されている。
【0098】
組成物10C:比較のために、ポリビニルアルコール(4%)、THF(25ml)および水(10ml)中に希釈された、本発明による金属有機シリケートポリマーを用いて安定化されていない、100mgの2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールを含む組成物を調製する。
【0099】
これらの組成物をスライドガラス上に堆積させ、乾燥させる。
【0100】
その後に、それぞれ10A、10Bおよび10Cと表される、3つの薄層が得られる。
【0101】
得られたすべての層は、完全に透明で均質である。
【0102】
得られたすべての層は、280から380nmの領域中のUV放射を遮蔽する。このUV範囲で吸収される割合は、存在する2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールの量に直接比例する。
【0103】
これらの透明薄層の透過率を、
− その作製直後、
− 換気フード(extractor hood)(10m/h)下、暗所下で48時間後、
− 空気中、UV照射(365nmに中心がある4W)下で24時間後、および
− アルゴン下、UV放射(365nmに中心がある4W)下で24時間後
に測定する。
【0104】
得られた結果を以下の表2に報告する。
【0105】
【表2】

これらの結果によって、本発明の金属有機シリケートポリマーにより、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールが酸化に対して安定化されることが確認される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水中で疎水性材料のディスパージョンまたは有機溶媒中で疎有機性材料のディスパージョンを形成するための作用物質としての、以下の式IおよびII:
式I :RSiAl(OH)
式II:RSi16(OH)
(式中、
− 各Rは、他と独立して、置換または非置換の、直鎖または分岐のアルキル基、置換または非置換の、直鎖または分岐のアルケニル基、置換または非置換のアリール基、置換または非置換のベンジル基、置換または非置換のビニル基、置換または非置換の多環芳香族基、および置換または非置換のアリル基からなる群から選択される基であり、
− x≧2であり
− y≧4であり、
− 式Iにおいて、Si/Alのモル比は、1.8と1.3の間(両端を含む)であり、
− 式IIにおいて、Mは、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、およびストロンチウム、ならびにその2種以上の混合物からなる群から選択され、Si/Mのモル比は、1.8と1.3の間(両端を含む)である)
のうちの1つを有する、少なくとも1種の金属有機シリケートポリマーの粒子の使用。
【請求項2】
式IおよびIIにおいて、各Rが、他と独立して、置換または非置換のメチル基、置換または非置換のエチル基、置換または非置換のn−プロピル基、置換または非置換のベンジル基および置換または非置換のビニル基から選択される、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
式IおよびIIにおいて、Rが置換されている場合、アミノ基、ハロゲン原子、エーテル基、エステル基、ヒドロキシル基、アクリレート基、エポキシ基、アルキル基、アルキルアクリレート基、アミノアルキル基、クロロアルキル基、カルボキシリック(carboxylic)基、ホスホニック(phosphonic)基およびスルホニック(sulfonic)基によって形成される群から選択される、少なくとも1個の置換基で置換されている、請求項1または2に記載の使用。
【請求項4】
疎水性材料の粒子の水性ディスパージョンであって、
− 少なくとも1種の疎水性材料の粒子と、
− 以下の式IおよびII:
式I :RSiAl(OH)
式II:RSi16(OH)
(式中、
− 各Rは、他と独立して、置換または非置換の、直鎖または分岐のアルキル基、置換または非置換の、直鎖または分岐のアルケニル基、置換または非置換のアリール基、置換または非置換のベンジル基、置換または非置換のビニル基、置換または非置換の多環芳香族基、および置換または非置換のアリル基からなる群から選択される基であり、
− 式Iにおいて、Si/Alのモル比は、1.8と1.3の間(両端を含む)であり、
− 式IIにおいて、Mは、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、およびストロンチウム、ならびにその2種以上の混合物からなる群から選択され、Si/Mのモル比は、1.8と1.3の間(両端を含む)である)
のうちの1つを有する、少なくとも1種の金属有機シリケートポリマーの粒子と
を含む水性ディスパージョン。
【請求項5】
式IおよびIIにおいて、各Rが、他と独立して、置換または非置換のメチル基、置換または非置換のエチル基、置換または非置換のn−プロピル基、置換または非置換のベンジル基および置換または非置換のビニル基から選択される、請求項4に記載のディスパージョン。
【請求項6】
式IおよびIIにおいて、Rが置換されている場合、アミノ基、ハロゲン原子、エーテル基、エステル基、ヒドロキシル基、アクリレート基、エポキシ基、アルキル基、アルキルアクリレート基、アミノアルキル基、クロロアルキル基、カルボキシリック(carboxylic)基、スルホニック(sulfonic)基およびホスホニック(phosphonic)基によって形成される群から選択される、少なくとも1個の置換基で置換されている、請求項4または5に記載のディスパージョン。
【請求項7】
疎水性材料の粒子がカーボンナノチューブである、請求項4から6のいずれか一項に記載のディスパージョン。
【請求項8】
金属有機シリケートポリマーが、Mがマグネシウムであり、4個のR基が(CHNH(CH基であり、4個のR基がC基である式IIを有する、請求項7に記載のディスパージョン。
【請求項9】
金属有機シリケートポリマーが、MがMgであり、4個のR基が3−アミノプロピル基であり、4個のR基がフェニル基である式IIを有する、請求項7に記載のディスパージョン。
【請求項10】
金属有機シリケートポリマーが、MがMgであり、R基のうちの4個が3−アミノプロピル基であり、R基のうちの4個がビニル基である式IIを有する、請求項7に記載のディスパージョン。
【請求項11】
カーボンナノチューブの質量/金属有機シリケートポリマーの質量の比が、0.5超または0.5に等しい、請求項7から9のいずれか一項に記載のディスパージョン。
【請求項12】
カーボンナノチューブの質量/金属有機シリケートポリマーの質量の比が0.8に等しい、請求項7から10のいずれか一項に記載のディスパージョン。
【請求項13】
疎水性材料が2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールである、請求項4から6のいずれか一項に記載の水性ディスパージョン。
【請求項14】
金属有機シリケートポリマーが、Mが亜鉛であり、4個のR基が(CHNH(CH基であり、4個のR基がC基である式IIを有する、請求項13に記載の水性ディスパージョン。
【請求項15】
UV放射からの保護用の組成物の生成のための、請求項13または請求項14に記載の水性ディスパージョンの使用。

【公開番号】特開2009−149881(P2009−149881A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−309301(P2008−309301)
【出願日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【出願人】(508358737)
【氏名又は名称原語表記】COMMISSARIAT A L’ENERGIE ATOMIQUE
【住所又は居所原語表記】25 rue Leblanc, Batiment Le Ponant D, 75015 Paris, France
【Fターム(参考)】