ディスプレイカートン
【課題】個装された商品を収容し、接着剤、接着テープなどを使用せず簡単に組み立てられるディスプレイカートンを提供することにある。
【解決手段】少なくとも、前面板と、底面板と、後面板とが、折り曲げ線を介して順次連接されてなるディスプレイカートンにおいて、前面板と後面板とを相対向して折り曲げ、商品保持台紙が形成され、前面板と後面板のそれぞれの中間位置に開口部が形成され、
前面板と後面板の何れか一方の開口部の上部に、該開口部の幅より幅が広い係止部が形成され、該係止部を対向する開口部に挿入して係止することを特徴とするディスプレイカートン。
【解決手段】少なくとも、前面板と、底面板と、後面板とが、折り曲げ線を介して順次連接されてなるディスプレイカートンにおいて、前面板と後面板とを相対向して折り曲げ、商品保持台紙が形成され、前面板と後面板のそれぞれの中間位置に開口部が形成され、
前面板と後面板の何れか一方の開口部の上部に、該開口部の幅より幅が広い係止部が形成され、該係止部を対向する開口部に挿入して係止することを特徴とするディスプレイカートン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、スナック菓子、他の食品類、化粧品、雑貨類などの個装した商品を収容するカートンで、店頭陳列にて販促効果の高めるディスプレイカートンに関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、コンビニエンスストア、ドラッグストアなどでは、スナック菓子、化粧品、などの個装商品を、販売促進するために、ディスプレイカートンに収容して店頭に陳列されていることが多い。例えばカートンにデザイン効果をもたせ、かつ収容された商品を取り出し易くしたディスプレイカートンが使用されている。
【０００３】
これらに用いられるディスプレイカートンは、消費者の目に止まり易くするために立体的な構造が一般的である。
【０００４】
また従来のディスプレイカートンは、予め作成されたブランクを組み立てるときに、接着剤や接着テープを使用して組み立てる場合が多い。
【０００５】
例えば、覗き窓付の正面部、裏面部、側面部、底面蓋部および糊代部を備えた一枚のシートの各部を折り曲げて、糊代部を接着させ、三角形に組み立てたディスプレイカートンの提案がある（特許文献１）。
【０００６】
しかし糊代部を設けているために、組み立てながら商品を収容する必要があり、手間が掛かる。また商品を収容したディスプレイカートンを物流することから、物流費が掛かる問題がある。また販売店で陳列するときに、組み立てながら商品を収容させる方法でも効率が悪い。そこで接着剤、接着テープなどを使用せず簡単に組み立てられるディスプレイカートンが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００７】
【特許文献１】実開平２−１０２１２号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
個装された商品を収容し、接着剤、接着テープなどを使用せず簡単に組み立てられるディスプレイカートンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
上記の課題を解決するために、発明者らは鋭意検討を行い、本発明を完成した。
【００１０】
本発明の請求項１に係る発明は、少なくとも、前面板と、底面板と、後面板とが、折り曲げ線を介して順次連接されてなるディスプレイカートンにおいて、
前面板と後面板とを相対向して折り曲げ、商品保持台紙が形成され、
前面板と後面板のそれぞれの中間位置に開口部が形成され、
前面板と後面板の何れか一方の開口部の上部に、該開口部の幅より幅が広い係止部が形成され、
該係止部を対向する開口部に挿入して係止することを特徴とするディスプレイカートンである。
【００１１】
本発明の請求項２に係る発明は、前記係止部が形成された開口部の下部が、一方の開口部の幅より狭幅に形成されていることを特徴とする請求項１記載のディスプレイカートンである。
【００１２】
本発明の請求項３に係る発明は、前記折り曲げ線に、コの字状の切れ線を複数形成されていることを特徴とする請求項１または２記載のディスプレイカートンである。
【００１３】
本発明の請求項４に係る発明は、前記前面板もしくは前記後面板の開口部下端部から、折り曲げ線を介して天面板と側面板が順次連接され、該側面板の端部に前記コの字状の切れ線に差込可能な突起を備える台座部を有していることを特徴とする請求項３に記載のディスプレイカートンである。
【００１４】
本発明の請求項５に係る発明は、前記前面板と前記後面板の上部中央に、相対向して孔が形成されていることを特徴とする請求項１〜４の何れか１項に記載のディスプレイカートンである。
【発明の効果】
【００１５】
本発明の請求項１によれば、少なくとも、前面板と、底面板と、後面板とが、折り曲げ線を介して順次連接されてなるディスプレイカートンにおいて、
前面板と後面板とを相対向して折り曲げ、商品保持台紙が形成され、
前面板と後面板のそれぞれの中間位置に開口部が形成され、
前面板と後面板の何れか一方の開口部の上部に、該開口部の幅より幅が広い係止部が形成され、
該係止部を対向する開口部に挿入して係止することを特徴とする。底面板を底とし、前面板と後面板とを相対向して折り曲げ、商品保持台紙が形成されることにより、商品を保持できるようになる。前面板と後面板には、それぞれの中間位置に商品を見ることができる開口部が形成されている。
【００１６】
また前面板と後面板の何れか一方の開口部の上部に、該開口部の幅より広い係止部を形成している。該係止部を対向する開口部に挿入して係止することで商品を収容可能なカートンにすることができる。また係止部が形成された開口部の上部の幅と、対向する開口部の幅を同等にすることで容易に係止部を係止することができる。
【００１７】
本発明の請求項２によれば、係止部が形成された開口部の下部が、一方の開口部の幅より狭幅に形成されていることを特徴とする。係止部が形成された開口部の下部を一方の開口部の幅より狭幅に形成することにより、収容される商品の保持を一層高めることができる。即ち、収容された商品は、開口部下の前面板、後面板と、係止部と、狭幅の開口部の両脇の四点で固定することができるためである。
【００１８】
商品を収容する際には、狭幅の開口部が形成されていない一方の開口部から商品を収容することができる。開口部の幅は商品の幅と同等がよい。商品の幅が狭いと商品がカートンから出てしまう。また広いと収容し難くカートンを破損する場合がある。
【００１９】
本発明の請求項３によれば、折り曲げ線に、コの字状の切れ線を複数形成されていることを特徴とする。コの字状の切れ線を複数形成することで、折り曲げ線を折り曲げるとコの字状の切れ線が外側に張り出し自立する脚となり、三角形状のディスプレイカートンができる。店頭の陳列棚に載置することができる。
【００２０】
本発明の請求項４によれば、前記前面板もしくは前記後面板の開口部下端部から、折り曲げ線を介して天面板と側面板が順次連接され、該側面板の端部に前記コの字状の切れ線
に差込可能な突起を備える台座部を有していることを特徴とする。台座部は、緩衝機能を有しており、ディスプレイカートンが落下した際に、商品を落下の衝撃から保護する役割を有している。
【００２１】
本発明の請求項５によれば、前面板と後面板の上部中央に、相対向して孔が形成されていることを特徴とする。該孔は、吊下げ用のフックに挿入するための孔である。本発明のディスプレイカートンを店頭で陳列する際に、吊下げ用のフックに挿入し吊下げて陳列できる。陳列効果を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【００２２】
【図１】本発明のディスプレイカートンのブランクの一例を示す説明図である。
【図２】図１に示したブランクを組み立てたディスプレイカートンの一例を示す斜視図である。
【図３】図２に示したディスプレイカートンに商品が収容された状態の一例を示す斜視図である。
【図４】本発明のディスプレイカートンがフックに吊下げられた状態の一例を示す説明図である。
【図５】本発明のディスプレイカートンのブランク（台座部を有する）の一例を示す説明図である。
【図６】図５に示したブランクを組み立てたディスプレイカートンの一例を示す斜視図である。
【図７】図６に示したディスプレイカートンに商品が収容された状態の一例を示す斜視図である。
【図８】図７に示したディスプレイカートンがフックに吊下げられた状態の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【００２３】
以下本発明を実施するための形態につき説明する。
【００２４】
図１は、本発明のディスプレイカートンのブランク２０の一例を示す説明図である。前面板１と、底面板２と、後面板３と、からなるディスプレイカートンにおいて、前面板１と、底面板２と、後面板３とは、折り曲げ線４を介して順次連接されている。前面板１と後面板３の中間位置には、それぞれ開口部６、６´が形成されている。また後面板３の開口部６´の下部には、狭幅の開口部７が形成されている。
【００２５】
また後面板３の開口部６´の上部に、該開口部の幅より幅が広い係止部５が形成されている。該係止部は、相対向する前面板１の開口部６の上部に挿入し係止される。また二本の折り曲げ線４には、コの字状の切れ線８が複数形成されている。該コの字状の切れ線は、折り曲げたときに、外側に張り出し自立する脚９となるのである。該脚を形成することで、ディスプレイカートンを安定して自立させることができる。また前面板１と後面板３のそれぞれの上部には、相対向して吊下げ用の孔１０が形成されている。これはディスプレイカートンを吊下げて陳列できるようにしたものである。自立して陳列、吊下げて陳列どちらでも対応可能にしたものである。
【００２６】
図２は、図１に示したブランクを組み立てたディスプレイカートン３０の一例を示す斜視図である。折り曲げ線４に沿って折り曲げ、係止部５を相対向する前面板１の開口部６の上部に挿入して係止し、三角形のディスプレイカートン３０を形成したものである。三角形の自立したディスプレイカートンになる。
【００２７】
図３は、図２に示したディスプレイカートンに商品１２が収容された状態の一例を示す
斜視図である。商品１２は、前面板１の開口部６より、前面板１、底面板２、後面板３とからなる三角状の空間に収容される。商品１２は、開口部６下の前面板、開口部６´下の後面板と、係止部５と、狭幅の開口部７の両脇の四点で固定することができる。よって強い保持効果を有する。
【００２８】
本発明のディスプレイカートンは、三角形したカートンであるために自立性を有している。陳列棚に陳列して販売することができる。また前面板並びに後面板の中央には、開口部を有するために商品が直に見えるために販売効果が高めることができる。また商品の形状により、ディスプレイカートンを形成する前面板、底面板、後面板、並びに係止部、開口部の形状やサイズを適宜決めて設定すればよい。
【００２９】
図４は、本発明のディスプレイカートンがフックに吊下げられた状態の一例を示す説明図である。商品が収容されたディスプレイカートンが吊下げられ、陳列された状態を示している。商品を安定して保持し、店頭での陳列効果を高めることができる。
【００３０】
図５は、本発明のディスプレイカートンのブランク（台座部を有する）の一例を示す説明図である。前面板１と、底面板２と、後面板３とは、折り曲げ線４を介して順次連接されている。前面板１と後面板３の中間位置には、それぞれ開口部６、６´が形成されている。また後面板３の開口部６´の下部には、折り曲げ線１７を介して天面板１３と側面板１４が順次連接され、該側面板１４の端部に前記コの字状の切れ線８に差込可能な突起１５を備えている。
【００３１】
図６は、図５に示したブランクを組み立てたディスプレイカートンの一例を示す斜視図である。この天面板１３と側面板１４を折り曲げ線１７に沿って折り曲げることにより台座部１６が形成される。台座部１６が形成された後は、開口部６´より狭幅の開口部７が形成される。商品１２は、台座部１６に載置される。
【００３２】
図７は、図６に示したディスプレイカートンに商品が収容された状態の一例を示す斜視図である。天面板１３に載置され、開口部６下の前面板、開口部６´下の後面板、係止部５、狭幅の開口部７の両脇の四点でされている。開口部から商品が見やすく販売効果が大きいディスプレイカートンである。
【００３３】
図８は、図７に示したディスプレイカートンがフックに吊下げられた状態の一例を示す説明図である。ディスプレイカートンが落下しても、台座部１６が緩衝材となり商品を落下の衝撃から保護することができる。
【００３４】
更に本発明を詳しく説明する。
【００３５】
本発明に用いる紙としては、商品を保護するために、保形性、内容物保護性が必要である。例えば、コートボール、コートガード、コートマニラ、アイボリー、カップ原紙などの板紙が使用できる。また段ボールも使用できる。
【００３６】
また商品によって、紙に強度が要求される場合は、熱可塑性樹脂を積層することにより強度を向上させることができる。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂が好ましい。また耐水性、耐湿性、耐油性などが要求される場合は、適宜紙を選定すればよい。また要求性能を有する薬剤を用いて塗布して作成してもかまわない。
【００３７】
紙に印刷することにより、絵柄、文字情報を付加させることができる。商品のデザイン効果を上げることができる。
【００３８】
印刷方式は、一般的に用いられているグラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷などが可能である。
【００３９】
印刷された紙をシート状にカットして、ブランクを形成する。前面板、底面板、後面板、係止部、開口部など設計した図面から、該図面に合わせて、折り曲げ線、コの字状の切れ線、孔、抜きなどを加工し、外形抜きしてブランクを形成することができる。
【００４０】
ブランクの折り曲げ線は、一般的に公知の罫線を入れる方法で可能である。また折り曲げがし易いように、切れ線を部分的に含んだリード罫線を用いてもよい。
【００４１】
またコの字状の切れ線および孔は、金属刃を用いて一般的に公知の方法で形成することができる。
【００４２】
本発明のディスプレイカートンには、個装された商品を収容することができる。例えば化粧品類、食品類、雑貨類などを挙げることができる。
【００４３】
本発明のディスプレイカートンは、一枚のブランクから組み立てることができる。接着剤、接着テープを使用せず簡単に組み立てることができる。前面板、後面板に形成した開口部により、収容された商品が見やすく、かつ手に取り易いカートンである。
【符号の説明】
【００４４】
１ 前面板
２ 底面板
３ 後面板
４ 折り曲げ線
５ 係止部
６ 開口部（前面板）
６´ 開口部（後面板）
７ 狭幅の開口部
８ コの字状の切れ線
９ 脚
１０ 吊下げ用の孔
１１ 吊下げ用フック
１２ 商品
１３ 天面板
１４ 側面板
１５ 突起
１６ 台座部
１７ 折り曲げ線
２０ ブランク
２１ ブランク（台座部を有する）
３０ 本発明のディスプレイカートン
【技術分野】
【０００１】
本発明は、スナック菓子、他の食品類、化粧品、雑貨類などの個装した商品を収容するカートンで、店頭陳列にて販促効果の高めるディスプレイカートンに関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、コンビニエンスストア、ドラッグストアなどでは、スナック菓子、化粧品、などの個装商品を、販売促進するために、ディスプレイカートンに収容して店頭に陳列されていることが多い。例えばカートンにデザイン効果をもたせ、かつ収容された商品を取り出し易くしたディスプレイカートンが使用されている。
【０００３】
これらに用いられるディスプレイカートンは、消費者の目に止まり易くするために立体的な構造が一般的である。
【０００４】
また従来のディスプレイカートンは、予め作成されたブランクを組み立てるときに、接着剤や接着テープを使用して組み立てる場合が多い。
【０００５】
例えば、覗き窓付の正面部、裏面部、側面部、底面蓋部および糊代部を備えた一枚のシートの各部を折り曲げて、糊代部を接着させ、三角形に組み立てたディスプレイカートンの提案がある（特許文献１）。
【０００６】
しかし糊代部を設けているために、組み立てながら商品を収容する必要があり、手間が掛かる。また商品を収容したディスプレイカートンを物流することから、物流費が掛かる問題がある。また販売店で陳列するときに、組み立てながら商品を収容させる方法でも効率が悪い。そこで接着剤、接着テープなどを使用せず簡単に組み立てられるディスプレイカートンが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００７】
【特許文献１】実開平２−１０２１２号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
個装された商品を収容し、接着剤、接着テープなどを使用せず簡単に組み立てられるディスプレイカートンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
上記の課題を解決するために、発明者らは鋭意検討を行い、本発明を完成した。
【００１０】
本発明の請求項１に係る発明は、少なくとも、前面板と、底面板と、後面板とが、折り曲げ線を介して順次連接されてなるディスプレイカートンにおいて、
前面板と後面板とを相対向して折り曲げ、商品保持台紙が形成され、
前面板と後面板のそれぞれの中間位置に開口部が形成され、
前面板と後面板の何れか一方の開口部の上部に、該開口部の幅より幅が広い係止部が形成され、
該係止部を対向する開口部に挿入して係止することを特徴とするディスプレイカートンである。
【００１１】
本発明の請求項２に係る発明は、前記係止部が形成された開口部の下部が、一方の開口部の幅より狭幅に形成されていることを特徴とする請求項１記載のディスプレイカートンである。
【００１２】
本発明の請求項３に係る発明は、前記折り曲げ線に、コの字状の切れ線を複数形成されていることを特徴とする請求項１または２記載のディスプレイカートンである。
【００１３】
本発明の請求項４に係る発明は、前記前面板もしくは前記後面板の開口部下端部から、折り曲げ線を介して天面板と側面板が順次連接され、該側面板の端部に前記コの字状の切れ線に差込可能な突起を備える台座部を有していることを特徴とする請求項３に記載のディスプレイカートンである。
【００１４】
本発明の請求項５に係る発明は、前記前面板と前記後面板の上部中央に、相対向して孔が形成されていることを特徴とする請求項１〜４の何れか１項に記載のディスプレイカートンである。
【発明の効果】
【００１５】
本発明の請求項１によれば、少なくとも、前面板と、底面板と、後面板とが、折り曲げ線を介して順次連接されてなるディスプレイカートンにおいて、
前面板と後面板とを相対向して折り曲げ、商品保持台紙が形成され、
前面板と後面板のそれぞれの中間位置に開口部が形成され、
前面板と後面板の何れか一方の開口部の上部に、該開口部の幅より幅が広い係止部が形成され、
該係止部を対向する開口部に挿入して係止することを特徴とする。底面板を底とし、前面板と後面板とを相対向して折り曲げ、商品保持台紙が形成されることにより、商品を保持できるようになる。前面板と後面板には、それぞれの中間位置に商品を見ることができる開口部が形成されている。
【００１６】
また前面板と後面板の何れか一方の開口部の上部に、該開口部の幅より広い係止部を形成している。該係止部を対向する開口部に挿入して係止することで商品を収容可能なカートンにすることができる。また係止部が形成された開口部の上部の幅と、対向する開口部の幅を同等にすることで容易に係止部を係止することができる。
【００１７】
本発明の請求項２によれば、係止部が形成された開口部の下部が、一方の開口部の幅より狭幅に形成されていることを特徴とする。係止部が形成された開口部の下部を一方の開口部の幅より狭幅に形成することにより、収容される商品の保持を一層高めることができる。即ち、収容された商品は、開口部下の前面板、後面板と、係止部と、狭幅の開口部の両脇の四点で固定することができるためである。
【００１８】
商品を収容する際には、狭幅の開口部が形成されていない一方の開口部から商品を収容することができる。開口部の幅は商品の幅と同等がよい。商品の幅が狭いと商品がカートンから出てしまう。また広いと収容し難くカートンを破損する場合がある。
【００１９】
本発明の請求項３によれば、折り曲げ線に、コの字状の切れ線を複数形成されていることを特徴とする。コの字状の切れ線を複数形成することで、折り曲げ線を折り曲げるとコの字状の切れ線が外側に張り出し自立する脚となり、三角形状のディスプレイカートンができる。店頭の陳列棚に載置することができる。
【００２０】
本発明の請求項４によれば、前記前面板もしくは前記後面板の開口部下端部から、折り曲げ線を介して天面板と側面板が順次連接され、該側面板の端部に前記コの字状の切れ線
に差込可能な突起を備える台座部を有していることを特徴とする。台座部は、緩衝機能を有しており、ディスプレイカートンが落下した際に、商品を落下の衝撃から保護する役割を有している。
【００２１】
本発明の請求項５によれば、前面板と後面板の上部中央に、相対向して孔が形成されていることを特徴とする。該孔は、吊下げ用のフックに挿入するための孔である。本発明のディスプレイカートンを店頭で陳列する際に、吊下げ用のフックに挿入し吊下げて陳列できる。陳列効果を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【００２２】
【図１】本発明のディスプレイカートンのブランクの一例を示す説明図である。
【図２】図１に示したブランクを組み立てたディスプレイカートンの一例を示す斜視図である。
【図３】図２に示したディスプレイカートンに商品が収容された状態の一例を示す斜視図である。
【図４】本発明のディスプレイカートンがフックに吊下げられた状態の一例を示す説明図である。
【図５】本発明のディスプレイカートンのブランク（台座部を有する）の一例を示す説明図である。
【図６】図５に示したブランクを組み立てたディスプレイカートンの一例を示す斜視図である。
【図７】図６に示したディスプレイカートンに商品が収容された状態の一例を示す斜視図である。
【図８】図７に示したディスプレイカートンがフックに吊下げられた状態の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【００２３】
以下本発明を実施するための形態につき説明する。
【００２４】
図１は、本発明のディスプレイカートンのブランク２０の一例を示す説明図である。前面板１と、底面板２と、後面板３と、からなるディスプレイカートンにおいて、前面板１と、底面板２と、後面板３とは、折り曲げ線４を介して順次連接されている。前面板１と後面板３の中間位置には、それぞれ開口部６、６´が形成されている。また後面板３の開口部６´の下部には、狭幅の開口部７が形成されている。
【００２５】
また後面板３の開口部６´の上部に、該開口部の幅より幅が広い係止部５が形成されている。該係止部は、相対向する前面板１の開口部６の上部に挿入し係止される。また二本の折り曲げ線４には、コの字状の切れ線８が複数形成されている。該コの字状の切れ線は、折り曲げたときに、外側に張り出し自立する脚９となるのである。該脚を形成することで、ディスプレイカートンを安定して自立させることができる。また前面板１と後面板３のそれぞれの上部には、相対向して吊下げ用の孔１０が形成されている。これはディスプレイカートンを吊下げて陳列できるようにしたものである。自立して陳列、吊下げて陳列どちらでも対応可能にしたものである。
【００２６】
図２は、図１に示したブランクを組み立てたディスプレイカートン３０の一例を示す斜視図である。折り曲げ線４に沿って折り曲げ、係止部５を相対向する前面板１の開口部６の上部に挿入して係止し、三角形のディスプレイカートン３０を形成したものである。三角形の自立したディスプレイカートンになる。
【００２７】
図３は、図２に示したディスプレイカートンに商品１２が収容された状態の一例を示す
斜視図である。商品１２は、前面板１の開口部６より、前面板１、底面板２、後面板３とからなる三角状の空間に収容される。商品１２は、開口部６下の前面板、開口部６´下の後面板と、係止部５と、狭幅の開口部７の両脇の四点で固定することができる。よって強い保持効果を有する。
【００２８】
本発明のディスプレイカートンは、三角形したカートンであるために自立性を有している。陳列棚に陳列して販売することができる。また前面板並びに後面板の中央には、開口部を有するために商品が直に見えるために販売効果が高めることができる。また商品の形状により、ディスプレイカートンを形成する前面板、底面板、後面板、並びに係止部、開口部の形状やサイズを適宜決めて設定すればよい。
【００２９】
図４は、本発明のディスプレイカートンがフックに吊下げられた状態の一例を示す説明図である。商品が収容されたディスプレイカートンが吊下げられ、陳列された状態を示している。商品を安定して保持し、店頭での陳列効果を高めることができる。
【００３０】
図５は、本発明のディスプレイカートンのブランク（台座部を有する）の一例を示す説明図である。前面板１と、底面板２と、後面板３とは、折り曲げ線４を介して順次連接されている。前面板１と後面板３の中間位置には、それぞれ開口部６、６´が形成されている。また後面板３の開口部６´の下部には、折り曲げ線１７を介して天面板１３と側面板１４が順次連接され、該側面板１４の端部に前記コの字状の切れ線８に差込可能な突起１５を備えている。
【００３１】
図６は、図５に示したブランクを組み立てたディスプレイカートンの一例を示す斜視図である。この天面板１３と側面板１４を折り曲げ線１７に沿って折り曲げることにより台座部１６が形成される。台座部１６が形成された後は、開口部６´より狭幅の開口部７が形成される。商品１２は、台座部１６に載置される。
【００３２】
図７は、図６に示したディスプレイカートンに商品が収容された状態の一例を示す斜視図である。天面板１３に載置され、開口部６下の前面板、開口部６´下の後面板、係止部５、狭幅の開口部７の両脇の四点でされている。開口部から商品が見やすく販売効果が大きいディスプレイカートンである。
【００３３】
図８は、図７に示したディスプレイカートンがフックに吊下げられた状態の一例を示す説明図である。ディスプレイカートンが落下しても、台座部１６が緩衝材となり商品を落下の衝撃から保護することができる。
【００３４】
更に本発明を詳しく説明する。
【００３５】
本発明に用いる紙としては、商品を保護するために、保形性、内容物保護性が必要である。例えば、コートボール、コートガード、コートマニラ、アイボリー、カップ原紙などの板紙が使用できる。また段ボールも使用できる。
【００３６】
また商品によって、紙に強度が要求される場合は、熱可塑性樹脂を積層することにより強度を向上させることができる。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂が好ましい。また耐水性、耐湿性、耐油性などが要求される場合は、適宜紙を選定すればよい。また要求性能を有する薬剤を用いて塗布して作成してもかまわない。
【００３７】
紙に印刷することにより、絵柄、文字情報を付加させることができる。商品のデザイン効果を上げることができる。
【００３８】
印刷方式は、一般的に用いられているグラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷などが可能である。
【００３９】
印刷された紙をシート状にカットして、ブランクを形成する。前面板、底面板、後面板、係止部、開口部など設計した図面から、該図面に合わせて、折り曲げ線、コの字状の切れ線、孔、抜きなどを加工し、外形抜きしてブランクを形成することができる。
【００４０】
ブランクの折り曲げ線は、一般的に公知の罫線を入れる方法で可能である。また折り曲げがし易いように、切れ線を部分的に含んだリード罫線を用いてもよい。
【００４１】
またコの字状の切れ線および孔は、金属刃を用いて一般的に公知の方法で形成することができる。
【００４２】
本発明のディスプレイカートンには、個装された商品を収容することができる。例えば化粧品類、食品類、雑貨類などを挙げることができる。
【００４３】
本発明のディスプレイカートンは、一枚のブランクから組み立てることができる。接着剤、接着テープを使用せず簡単に組み立てることができる。前面板、後面板に形成した開口部により、収容された商品が見やすく、かつ手に取り易いカートンである。
【符号の説明】
【００４４】
１ 前面板
２ 底面板
３ 後面板
４ 折り曲げ線
５ 係止部
６ 開口部（前面板）
６´ 開口部（後面板）
７ 狭幅の開口部
８ コの字状の切れ線
９ 脚
１０ 吊下げ用の孔
１１ 吊下げ用フック
１２ 商品
１３ 天面板
１４ 側面板
１５ 突起
１６ 台座部
１７ 折り曲げ線
２０ ブランク
２１ ブランク（台座部を有する）
３０ 本発明のディスプレイカートン
【特許請求の範囲】
【請求項１】
少なくとも、前面板と、底面板と、後面板とが、折り曲げ線を介して順次連接されてなるディスプレイカートンにおいて、
前面板と後面板とを相対向して折り曲げ、商品保持台紙が形成され、
前面板と後面板のそれぞれの中間位置に開口部が形成され、
前面板と後面板の何れか一方の開口部の上部に、該開口部の幅より幅が広い係止部が形成され、
該係止部を対向する開口部に挿入して係止することを特徴とするディスプレイカートン。
【請求項２】
前記係止部が形成された開口部の下部が、一方の開口部の幅より狭幅に形成されていることを特徴とする請求項１記載のディスプレイカートン。
【請求項３】
前記折り曲げ線に、コの字状の切れ線を複数形成されていることを特徴とする請求項１または２記載のディスプレイカートン。
【請求項４】
前記前面板もしくは前記後面板の開口部下端部から、折り曲げ線を介して天面板と側面板が順次連接され、該側面板の端部に前記コの字状の切れ線に差込可能な突起を備える台座部を有していることを特徴とする請求項３に記載のディスプレイカートン。
【請求項５】
前記前面板と前記後面板の上部中央に、相対向して孔が形成されていることを特徴とする請求項１〜４の何れか１項に記載のディスプレイカートン。
【請求項１】
少なくとも、前面板と、底面板と、後面板とが、折り曲げ線を介して順次連接されてなるディスプレイカートンにおいて、
前面板と後面板とを相対向して折り曲げ、商品保持台紙が形成され、
前面板と後面板のそれぞれの中間位置に開口部が形成され、
前面板と後面板の何れか一方の開口部の上部に、該開口部の幅より幅が広い係止部が形成され、
該係止部を対向する開口部に挿入して係止することを特徴とするディスプレイカートン。
【請求項２】
前記係止部が形成された開口部の下部が、一方の開口部の幅より狭幅に形成されていることを特徴とする請求項１記載のディスプレイカートン。
【請求項３】
前記折り曲げ線に、コの字状の切れ線を複数形成されていることを特徴とする請求項１または２記載のディスプレイカートン。
【請求項４】
前記前面板もしくは前記後面板の開口部下端部から、折り曲げ線を介して天面板と側面板が順次連接され、該側面板の端部に前記コの字状の切れ線に差込可能な突起を備える台座部を有していることを特徴とする請求項３に記載のディスプレイカートン。
【請求項５】
前記前面板と前記後面板の上部中央に、相対向して孔が形成されていることを特徴とする請求項１〜４の何れか１項に記載のディスプレイカートン。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【公開番号】特開２０１２−２１０９７６（Ｐ２０１２−２１０９７６Ａ）
【公開日】平成２４年１１月１日（２０１２．１１．１）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−１６９９３０（Ｐ２０１１−１６９９３０）
【出願日】平成２３年８月３日（２０１１．８．３）
【出願人】（０００００３１９３）凸版印刷株式会社 (10,630)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年１１月１日（２０１２．１１．１）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年８月３日（２０１１．８．３）
【出願人】（０００００３１９３）凸版印刷株式会社 (10,630)
【Ｆターム（参考）】
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