説明

ディスプレイ用ハンガー

【課題】履物にディスプレイ用ハンガーを確実に組み付け用意し、店頭における陳列を円滑に、しかも、整然となし得るようにする。
【解決手段】ベースプレート10と共に履物Bの差し入れ空間Kを構成するように起伏可能に備えられた補助プレート20を備え、補助プレート20に並び備えられている差込片30を履き込み口から受け入れるようにして一組の履物Bをベースプレート10と補助プレート20との間の差し入れ空間Kに爪先側Bcを上にして差し入れてベースプレート10と補助プレート20で支承し、支承された履物Bの甲被Bb相互を連結するプラスチック製連結ピンDの挿通される孔41を備えた連結用片40が差込片に設けてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、スリッパやサンダル等の履物に前もってディスプレイ用ハンガーを組み付けて店頭における陳列を容易にするものであって、当該履物とディスプレイ用ハンガーとの組み付け状態を確実に維持し得るようにしたディスプレイ用ハンガーの提供に関する。
【背景技術】
【0002】
スリッパやサンダル等の履物の販売店に向けた出荷に際して当該履物にディスプレイ用ハンガーをセットした状態で出荷することが試みられている。
【0003】
このような履物にディスプレイ用ハンガーをセットしてなされる出荷は、販売店における履物の陳列を円滑かつ短時間になし得る利点を販売者にもたらすとともに販売店に当該組み付けのための作業スペースを設ける不具合をもたらさない特長を有している。
【0004】
しかしながら、履物にセットされるディスプレイ用ハンガーは、当該履物における履き込み口からディスプレイ用ハンガーにおける差込片を当該履物内に差し入れただけの状態で出荷されており、この差込片の差し入れられた履物が当該差込片から抜け出してディスプレイ用ハンガーと分離した状態になりやすく、店頭における履物の陳列に際して、その円滑性を阻害する場合があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明が解決しようとする主たる問題点は、販売店における履物の陳列におけるディスプレイ用ハンガーに対するセットや、セットの崩れた当該ディスプレイ用ハンガーを履物にセットし直す等の煩雑さをなくし、手際よく短時間で、かつ整然と履物を陳列し得るようにしたディスプレイ用ハンガーを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を解決するために、この発明は、引っ掛け部を備え当該引っ掛け部を引っ掛け手段に引っ掛けて吊り下げ状態で用いられるベースプレートと、上部側で該ベースプレートに連続するように備えられている一対の縦向きプレート部及び該各縦向きプレート部を連続するように備えられる横向プレート部を備えて前記ベースプレートと共に履物の差し入れ空間を構成し得るように起伏可能に備えられた補助プレートとを有し、
前記補助プレートの横向プレート部には、この横向プレート部から上方に向けて突き出すように対をなす差込片が並び設けてあり、
前記ベースプレートに底裏面を接し且つ履き込み口からそれぞれ前記差込片を受け入れるようにした一組の履物を前記ベースプレートと斜めに起立される前記補助プレートとの間の差し入れ空間に爪先側を上にして差し入れ、且つ、該ベースプレートと該補助プレートにおける横向プレート部とで支承し得るようにしてあると共に、
前記対をなす差込片の互いに向き合う縁部の少なくとも一方には、前記横向プレート部と前記ベースプレートとに支承された一組の履物の互いに隣り合う甲被相互を連結するプラスチック製連結ピンの挿通される孔を備えた連結用片が設けてあることを特徴とするディスプレイ用ハンガーとしてある。
【0007】
このように構成されるディスプレイ用ハンガーにあっては、当該ディスプレイ用ハンガーにセットされた履物は、このディスプレイ用ハンガーの差込片に備えられている連結用片の孔を通るプラスチック製連結ピンによって該連結用片と前記一組の履物とを連結することができ、このディスプレイ用ハンガーにセットされた履物は当該セット状態を効果的に維持することができる。
【0008】
ついで、前記構成に係るディスプレイ用ハンガーにおいて、前記補助プレートと共に履物の差し入れ空間を構成する前記ベースプレートの横方向におけるほぼ中央部に傾き防止片が起伏可能に備えられていることを特徴とするディスプレイ用ハンガーにあっては、この差し入れ空間に差し入れられた一組の履物の爪先側が互いに近づく向きに移動したり傾いたりする不具合を防ぐことができる。
【0009】
また、前記構成に係るディスプレイ用ハンガーにおいて、前記縦向きプレート部における互いに向き合っている縁部に横ずれ防止片が起伏可能に備えられていることを特徴とするディスプレイ用ハンガーにあっては、前記差し入れ空間に差し入れられている一組の履物が側方に移動したり傾いたりする不具合を防ぐことができる。
【0010】
また、前記構成に係るディスプレイ用ハンガーにおいて、前記横向プレート部が、前記縦向きプレート部及び各差込片との連続部で前記ベースプレート側に向けて折り曲げ得るようにしてあることを特徴とするディスプレイ用ハンガーにあっては、前記差し入れ空間に差し入れられている一組の履物における甲被の縁を面によって受け得るようになすことができる。
【発明の効果】
【0011】
この発明にかかるディスプレイ用ハンガーによれば、出荷時に左右対をなす履物にセットしたディスプレイ用ハンガーは当該セット状態を効果的に維持して販売店において円滑かつ容易に陳列をすることができ、販売店において格別の作業スペースを必要とすることなく整然と履物の陳列をなすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、この発明を実施するための最良の形態に係るディスプレイ用ハンガーAについて説明する。
【0013】
ここで図1〜図5は当該発明を実施するための最良の形態に係るディスプレイ用ハンガーAの一実施例を示しており、図1は当該ディスプレイ用ハンガーAを構成する板紙100に対する打ち抜き状態を上方から見て示している。図2は、図1にかかる板紙100を折り曲げ且つ要部を接着して構成されたディスプレイ用ハンガーAであって、履物Bを差し込み用い得るように当該履物Bを仮想線によって示している。図3は、当該ディスプレイ用ハンガーAを用いて履物Bを陳列している状態を斜め上方から見て示している。図4では、この履物Bを陳列している状態を要部を破断して側方から見て示している。図5は、この図4の状態にある履物Bの陳列状態を当該図4におけるX−X向きで断面して示している。
【0014】
ついで図6〜図10は当該発明を実施するための最良の形態に係るディスプレイ用ハンガーAの他の実施例を示しており、図6は当該ディスプレイ用ハンガーAを構成する板紙100に対する打ち抜き状態を上方から見て示している。図7は、図6にかかる板紙100を折り曲げ且つ要部を接着して構成されたディスプレイ用ハンガーAであって、履物Bを差し込み用い得るように当該履物Bを仮想線によって示している。図8は、当該ディスプレイ用ハンガーAを用いて履物Bを陳列している状態を斜め上方から見て示している。図9では、この履物Bを陳列している状態を要部を破断して側方から見て示している。図10は、この図9の状態にある履物Bの陳列状態を当該図9におけるY−Y向きで断面して示している。
【0015】
この発明を実施するための最良の形態に係るディスプレイ用ハンガーAは、
引っ掛け部50を備え当該引っ掛け部50を引っ掛け手段Cに引っ掛けて吊り下げ状態で用いられるベースプレート10と、上部側で該ベースプレート10に連続するように備えられている一対の縦向きプレート部21及び該各縦向きプレート部21を連続するように備えられる横向プレート部22を備えて前記ベースプレート10と共に履物Bの差し入れ空間Kを構成し得るように起伏可能に備えられた補助プレート20とを有し、
前記補助プレート20の横向プレート部22には、この横向プレート部22から上方に向けて突き出すように対をなす差込片30が並び設けてあり、
前記ベースプレート10に履物底Baの底裏面Baを接し且つ履き込み口Beからそれぞれ前記差込片30を受け入れるようにした一組の履物Bを前記ベースプレート10と斜めに起立される前記補助プレート20との間の差し入れ空間Kに爪先側Bcを上にして差し入れ、且つ、該ベースプレート10と該補助プレート20における横向プレート部22とで支承し得るようにしてあると共に、
前記対をなす差込片30の互いに向き合う縁部の少なくとも一方には、前記横向プレート部22と前記ベースプレート10とに支承された一組の履物Bの互いに隣り合う甲被Bb相互を連結するプラスチック製連結ピンDの挿通される孔41を備えた連結用片40が設けてあることを特徴とするディスプレイ用ハンガーAとしてある。
【0016】
なお、前記ディスプレイ用ハンガーAは、紙製、合成紙製、プラスチック製、金属製等いかなる素材によって構成してあっても、また、打ち抜き、切断、金型射出成形等いかなる方法によって構成してあってもよい。
【0017】
また、前記構成を備えて一組の履物Bを確実に支承し得るものであれば、いかなる構成のものであってもよく、例えば、当該ディスプレイ用ハンガーAを一枚のプレートによって構成してあっても、また任意数の複数プレートを用いて構成するようにしてあってもよい。
【0018】
ここでディスプレイ用ハンガーAを用いて陳列され得る履物Bは、前記差込片30を履き込み口Beから受け入れて前記補助プレート20とベースプレート10との間に差し入れ支承され得るものであれば、いかなる履物Bであってもよく、例えば、スリッパやサンダル等の各種の履物Bのディスプレイ手段として用いることができる。
【0019】
また、ここで各履物Bの甲被Bbと連結用片40とを連結するプラスチック製連結ピンDは、当該連結用片40に備えられている孔41から対をなす履物Bの各甲被Bbを貫通して当該各甲被Bbと連結用片40とを連結し得るものであれば、いかなる形態のものであってもよい。
【0020】
かかるプラスチック製連結ピンDは、対をなして販売される履物B相互を連結状態に維持するために用いられる各種の市販されているプラスチック製連結ピンDを用いることができる。
【0021】
かかるプラスチック製連結ピンDは、例えば、ナイロンやポリプロピレン等の合成樹脂を用いてプラスチック成形によって提供される各種の連結ピン、例えば、可撓性を備えた線状部分の両端に当該線状部分に対して直交するようにロッド状部を一体に備えた連結ピンや、可撓性を備えた線状部分の一端側に板状部や塊状部を備えるとともに他方端部に当該線状部分に直交するロッド状部を備えたものなど、いかなる形態からなるものであってもよい。
【0022】
このように構成されるディスプレイ用ハンガーAにあっては、当該ディスプレイ用ハンガーAにセットされた履物Bは、このディスプレイ用ハンガーAの差込片30に備えられている連結用片40の孔41を通るプラスチック製連結ピンDによって該連結用片40と前記一組の履物Bとを連結するようにしてあり、このディスプレイ用ハンガーAにセットされた履物Bは当該セット状態を効果的に維持し得るようにしてある。
【0023】
ついで、前記構成に係るディスプレイ用ハンガーAにおいて、前記補助プレート20と共に履物Bの差し入れ空間Kを構成する前記ベースプレート10の横方向のほぼ中央部に傾き防止片70が起伏可能に備えられていることを特徴とするディスプレイ用ハンガーAにあっては、この差し入れ空間Kに差し入れられた一組の履物Bの爪先側Bcが互いに近づく向きに移動したり傾いたりする不具合を防ぐことができる。
【0024】
また、前記構成に係るディスプレイ用ハンガーAにおいて、前記縦向きプレート部21における互いに向き合っている縁部に横ずれ防止片60が起伏可能に備えられていることを特徴とするディスプレイ用ハンガーAにあっては、前記差し入れ空間Kに差し入れられている一組の履物Bが側方に移動したり傾いたりする不具合を防ぐことができる。
【0025】
また、前記構成に係るディスプレイ用ハンガーAにおいて、前記横向プレート部22が、前記縦向きプレート部21及び各差込片30との連続部で前記ベースプレート10側に向けて折り曲げ得るようにしてあることを特徴とするディスプレイ用ハンガーAにあっては、前記差し入れ空間Kに差し入れられている一組の履物Bにおける甲被Bbの縁を面によって受けうるようになすことができる。
【0026】
(実施例1)
図1〜図5に示される当該発明を実施するための最良の形態に係るディスプレイ用ハンガーAは、引っ掛け部50を備え当該引っ掛け部50を引っ掛け手段Cに引っ掛けて吊り下げ状態で用いられるベースプレート10と、上部側で該ベースプレート10に連続するように備えられている一対の縦向きプレート部21及び該各縦向きプレート部21を連続するように備えられる横向プレート部22を備えて前記ベースプレート10と共に履物Bの差し入れ空間Kを構成し得るように起伏可能に備えられた補助プレート20とを有しており、しかも、前記補助プレート20の横向プレート部22には、この横向プレート部22から上方に向けて突き出すように対をなす差込片30が並び設けてある。
そして、前記ベースプレート10に履物底Baの底裏面Baを接し且つ履き込み口Beからそれぞれ前記差込片30を受け入れるようにした一組の履物Bを前記ベースプレート10と斜めに起立される前記補助プレート20との間の差し入れ空間Kに爪先側Bcを上にして差し入れ、且つ、該ベースプレート10と該補助プレート20における横向プレート部22とで支承し得るようにしてあり、しかも、前記対をなす差込片30の互いに向き合う縁部の少なくとも一方には、前記横向プレート部22と前記ベースプレート10とに支承された一組の履物Bの互いに隣り合う甲被Bb相互を連結するプラスチック製連結ピンDの挿通される孔41を備えた連結用片40を設けてある。
【0027】
なお、この実施例にあっては、スリッパB’を当該履物Bの典型的な一例として当該ディスプレイ用ハンガーAを用いて陳列する事例を示している。
【0028】
この図1〜図5に示されるディスプレイ用ハンガーAは、比較的厚手の一枚の板紙100を型抜きすることによって構成してある。
【0029】
ここで用いられる板紙100は、この板紙100によって構成されるベースプレート10や補助プレート20や差込片30等が、当該板紙100によって構成されるディスプレイ用ハンガーAにスリッパB’を装着した際に、当該スリッパB’を所定形態に支承し得る強度を備えたものとして用意される。
【0030】
この実施例に係るディスプレイ用ハンガーAは、長方形状をなす板紙100の所要位置に施される打ち抜きと当該打ち抜き処理の施された板紙100に対する所要の折り曲げと所要重ね合わせ位置における接着処理等によって構成するようにしてある。
【0031】
ここでディスプレイ用ハンガーAを構成する板紙100は、長手側のほぼ中央で当該板紙100を二分するように構成してあり、この板紙100を二つ折りにして重ね合わせ状にする折り線111を当該板紙100の長手側におけるほぼ中央であって当該板紙100における幅側間をわたるように設けてあり、この折り線111を挟んで線対象の態様に引っ掛け部50を構成する打ち抜き部を設け、この引っ掛け部50を備える折り線111側を上にして用いるようにしてある。
【0032】
このように折り線111によって二分された当該板紙100を該折り線111において折りつけることにことによって、ディスプレイ用ハンガーAにおける表側をなす表側板紙部101と、当該ディスプレイ用ハンガーAにおける裏側をなす裏側板紙部102としてあり、この表側板紙部101のほぼ中程から下側部分を起伏可能な補助プレート20として構成し得るようにしてあると共に、当該表側板紙部101と裏側板紙部102とを、その上部側で接着してベースプレート10を構成するようにしてある。
【0033】
かかる表側板紙部101に備えられる補助プレート20は、この表側板紙部101における前記折り線111に向き合っている縁部、すなわち、当該表側板紙部101における下縁部を、その全幅にわたって長方形状の横向プレート部22とし、しかも、この横向プレート部22の両端部から連続するように該表側板紙部101における両側縁部を当該表側板紙部101における中程にまで到る長方形状の縦向きプレート部21とし、しかも、この横向プレート部22から上方に向けて突き出すように一対の差込片30を、当該各差込片30間及び前記縦向きプレート部21との間にスリッパB’の装着に適する空間を生ずるように並び備えており、さらに、この並び設けられて一対の差込片30における互いに向きあっている縁部の一方から他方に向けて突き出すように連結用片40を折り線113で折り曲げ可能に備えており、また、各縦向きプレート部21の互いに向き合う縁部の下部側から互いに近づく向きに突き出される横ずれ防止片60を折り線114で折り曲げ可能に備えた補助プレート20を当該表側板紙部101の打ち抜きによって構成してある。そして、この打ち抜きによって縦向きプレート部21の上端部の折り線112で折り曲げ得るように起伏可能に備えられた補助プレート20と当該補助プレート20とされていない板紙100部分の構成するベースプレート10との間に、当該補助プレート20の起伏によってスリッパB’の差し入れ空間Kを構成し得るようにしてある。
【0034】
この実施例にかかるディスプレイ用ハンガーAにあっては、表側板紙部101の下縁部に沿って備えられる長方形状の横向プレート部22の上側打ち抜き縁22aと、この横向プレート部22の両端部に連続するように該表側板紙部101の両側縁部に沿って備えられる長方形状の縦向きプレート部21の内側の打ち抜き縁21aと、当該縦向きプレート部21の上端位置よりやや下方の位置で当該縦向きプレート部21間にわたるように備えられる打ち抜き縁11aとによって長方形状に区分される内側に、前記対をなす差込片30と連結用片40および各横ずれ防止片60並びに傾き防止片70とを残すように打ち抜いた打ち抜き部120を備えた構成とし、前記縦向きプレート部21の上端部の折り線112に沿って補助プレート20を起伏させた際にベースプレート10との間にスリッパB’の差し入れ空間Kを構成するようにしてある。
【0035】
なお、この実施例に係るディスプレイ用ハンガーAにあっては、前記横向プレート部22から突き出し状態に備えられる差込片30が、スリッパB’の履き込み口Beから都合よく差し入れ得る形状、例えば、先端側を半円状とした差込片30とし、その先端が前記縦向きプレート部21間にわたって備えられる打ち抜き縁11aに接する構成としてあり、また、一方の差込片30には横向プレート部22に連続する縁部から他方の差込片30に先端部を接するように先端側で幅狭となる連結用片40を折り線113を介して折り曲げ可能に設けてある。
【0036】
また、前記縦向きプレート部21における互いに向き合った側の縁部の前記横向プレート部22に近接した縁部位置から折り線114を介して側方に突き出すように横ずれ防止片60が折り曲げ可能に設けてあり、この横ずれ防止片60の先端部を受け入れる欠損部を備えるように前記差込片30を打ち抜き構成してある。
【0037】
また、打ち抜きによってベースプレート10と区分されている縦向きプレート部21における上端には折り線112が設けてあり、この折り線112によって補助プレート20が当該ベースプレート10に対して起伏可能とされており、この左右の折り線112,112を結ぶ線分よりも上方にある表側板紙部101と裏側板紙部102とを互いに接着した接着部130としてある。
【0038】
そして、この裏側板紙部102に接着されていないベースプレート10をなす表側板紙部101である下向き片11のほぼ中央部に当該下向き片11と区分されて前記表側板紙部101と裏側板紙部102の接着部130から折り線116を介して突き出すように傾き防止片70が起伏可能に設けてある。
【0039】
このように構成されるディスプレイ用ハンガーAは、前記補助プレート20を適宜起立させるようにしながら、当該補助プレート20とベースプレート10との間に対をなすスリッパB’を差し入れ、且つ前記各差込片30をそれぞれのスリッパB’の履き込み口Beから差し入れるに際して、この差込片30に備えられている連結用片40を一方のスリッパB’の甲被Bbの内側に沿うように折り曲げ位置づけ、しかも、各縦向きプレート部21に備えられている各横ずれ防止片60を当該ディスプレイ用ハンガーAに備えられたスリッパB’の甲被Bbの外側の面に接し得るように折り曲げ位置づけ、さらに、当該ディスプレイ用ハンガーAに装着される一組のスリッパB’における爪先側Bcの側面に前記傾き防止片70を接し得るように起立位置づけるように、差込片30、縦向きプレート部21、下向き片11、連結用片40、横ずれ防止片60、傾き防止片70等を所定の形状、寸法を備え、しかも、所定の間隔を離したものとして構成してある。
【0040】
かかる板紙100に備えられる引っ掛け部50は前記折り線111と直交するように当該折り線111を含んで構成される縦溝部51と、この縦溝部51に連通する横溝部52を該縦溝部51に直交し、しかも前記折り線11に平行をなすように備えており、前記縦溝部51と反対側にある当該横溝部52端が前記折り線111側に屈曲した引っ掛け凹部53としてあり、この引っ掛け凹部53が当該板紙100における幅側の中央に位置するように設けてある。
【0041】
このように板紙100を打ち抜き、且つ折り曲げ、接着して構成されるディスプレイ用ハンガーAに対して、当該ディスプレイ用ハンガーAを構成する補助プレート20を起立させるようにして対をなすスリッパB’の履き込み口Beから差込片30をそれぞれ受け入れるようにして当該スリッパB’をディスプレイ用ハンガーAに組み付けた際に、このスリッパB’における甲被Bbの縁が前記横向プレート部22に支えられ且つ当該スリッパB’の底裏面Baが前記ベースプレート10に支えられると共に、当該スリッパB’の横方向に向けた移動や傾きなどが前記差込片30、横ずれ防止片60、縦向きプレート部21、傾き防止片70及び連結用片40等の相互的な働きによって防止し得るようにしてある。
【0042】
特に、この図示例にあっては、底裏面Baをベースプレート10に接した状態で差込片30を履き込み口Beから受け入れるようにして爪先側Bcを上に向けて当該ディスプレイ用ハンガーAに備えられるスリッパB’は、このスリッパB’における甲被Bbを前記差込片30と各縦向きプレート部21との間の隙間に差し入れ状態とされ、しかも、互いに向き合っている甲被Bbが並んだ状態で当該各差込片30間に収まるように構成してある。
【0043】
かかるスリッパB’のディスプレイに用いられる典型的なディスプレイ用ハンガーAは、前記差込片30を受け入れて当該ディスプレイ用ハンガーAに備えられるスリッパB’の甲被Bbが当該差込片30と各縦向きプレート部21との間、及び当該差込片30と前記傾き防止片70との間、及び当該各差込片30,30間とに都合よく入れ込み得るようにしてあり、この甲被Bbの傾き防止に用いられる傾き防止片70は、差込片30を受け入れて当該ディスプレイ用ハンガーAに備えられるスリッパB’における爪先側Bc間が大きく離れるような場合に起立状態にして用いられると共に、互いの爪先側Bcが近接するような場合にあっては、これを倒して当該スリッパB’に接しないようにする。
【0044】
かかる構成よりなるディスプレイ用ハンガーAを構成する連結用片40にプラスチック製連結ピンDの挿通用孔41が設けてある。また、必要に応じて縦向きプレート部21に備えられている横ずれ防止片60にプラスチック製連結ピンDの挿通孔61を設けてある。この図示例にあっては、当該プラスチック製連結ピンDの挿通位置を考慮して連結用片40に備えられる孔41を複数個設けるようにしてある。
【0045】
かかる連結用片40を備えた当該ディスプレイ用ハンガーAにあっては、前記差込片30をそれぞれの履き込み口Beから受け入れるようにして当該ディスプレイ用ハンガーAに組み付けられた一組のスリッパB’における互いに隣り合っている甲被Bb、Bbと当該連結用片40とを貫通するようにプラスチック製連結ピンDを挿通することができ、このプラスチック製連結ピンDによる連結用片40と各甲被Bbとの連結によって、ディスプレイ用ハンガーAに組み付けたスリッパB’が当該ディスプレイ用ハンガーAの差込片30から抜け出す不具合をなくすことができる。
【0046】
かかるディスプレイ用ハンガーAを構成する連結用片40と各スリッパB’の甲被Bbとを連結するプラスチック製連結ピンDは、この連結用片40に備えられている孔41に挿通され、しかも、各甲被Bbを貫通するように挿通されて当該連結用片40と各甲被Bbとを連結し得るものであればいかなる形態からなるものであってもよく、この実施例にあっては、対をなす各甲被Bbと当該連結用片40とを相互に連結し得る長さを備えた強靱で、しかも、可撓性を備えた線状部Daと、この線状部Daの一端側に当該線状部Daに直交するように備えられているやや太いロッド状部Dbと、当該線状部Daの他端側に備えられている該線状部Daに直交する向きに長い板状部Dcとを一体に備えた構成としてあり、例えば、プラスチック成形等によって提供される当該プラスチック製連結ピンDを公知の手法で当該連結用片40の孔41から前記対をなす各甲被Bbを貫通するように挿通して前記ロッド状部Dbと板状部Dcとをそれぞれ挿通孔の周縁部に引っ掛け、当該連結用片40と各甲被Bbとを連結状態にする。
【0047】
また、かかる連結用片40を用いたプラスチック製連結ピンDによる連結と共に、前記縦向きプレート部21に備えられている各横ずれ防止片60に備えられている孔61を用いて、この孔61を通してプラスチック製連結ピンDを該横ずれ防止片60に隣り合っているスリッパB’の甲被Bbに挿通して、当該スリッパB’を該横ずれ防止片60に連結するようにしてもよい。
【0048】
また、前記補助プレート20を構成する横向プレート部22を、各縦向きプレート部21、各差込片30との間に備えられている折り線115によって前記ベースプレート10側に所定角度で折り曲げることによって、スリッパB’の甲被Bbの縁を支える当該横向プレート部22を面状の支え部とし、この横向プレート部22の支持に伴って甲被縁に生じ易い溝状痕の発生を防ぐことができる。
【0049】
このように対をなすスリッパB’の各履き込み口Beから差込片30を受け入れるようにしてディスプレイ用ハンガーAにスリッパB’を組み付けると共に連結用片40の孔41からプラスチック製連結ピンDを各スリッパB’の甲被Bbに挿通連結して当該ディスプレイ用ハンガーAからスリッパB’が抜け落ちないようにした状態で出荷、陳列に供することによって、逐一店頭におけるスリッパB’の姿勢の手直しが不要とされ、手際よく、しかも、整然とした状態で店頭等において引っ掛け手段Cに引っ掛け陳列することができる。
【0050】
(実施例2)
ついで、図6〜図10に示される当該発明を実施するための最良の形態に係るディスプレイ用ハンガーAは、引っ掛け部を備え当該引っ掛け部50を引っ掛け手段Cに引っ掛けて吊り下げ状態で用いられるベースプレート10と、上部側で該ベースプレート10に連続するように備えられている一対の縦向きプレート部21及び該各縦向きプレート部21を連続するように備えられる横向プレート部22を備えて前記ベースプレート10と共に履物Bの差し入れ空間Kを構成し得るように起伏可能に備えられた補助プレート20とを有しており、しかも、前記補助プレート20の横向プレート部22には、この横向プレート部22から上方に向けて突き出すように対をなす差込片30が並び設けてある。
そして、前記ベースプレート10に底裏面Baを接し且つ履き込み口Beからそれぞれ前記差込片30を受け入れるようにした一組の履物Bを前記ベースプレート10と斜めに起立される前記補助プレート20との間の差し入れ空間Kに爪先側Bcを上にして差し入れ、且つ、該ベースプレート10と該補助プレート20における横向プレート部22とで支承し得るようにしてあり、しかも、前記対をなす差込片30の互いに向き合う縁部の少なくとも一方には、前記横向プレート部22と前記ベースプレート10とに支承された一組の履物Bの互いに隣り合う甲被Bb相互を連結するプラスチック製連結ピンDの挿通される孔41を備えた連結用片40を設けてある。
【0051】
この図6〜図10に示されるディスプレイ用ハンガーAは、各種の履物B、例えば、外縫いタイプのスリッパB’のディスプレイ等に都合よく対応しうるように前記縦向きプレート部21の上部側が漸次幅狭となるように当該縦向きプレート部21の内側の打ち抜き縁21aを外側縁に向けて湾曲した状態とし、差込片30と当該縦向きプレート部21との間に構成される甲被Bbの差し入れ間隙からはみ出すスリッパB’の外縫い部分Bdを、この縦向きプレート部21における湾曲に伴って広げられる打ち抜き部120内に納め入れ得るようにしてあり、また、当該外縫い部分Bdが相互に重なりあわないように各差込片30間を比較的広く構成してあり、しかも、この比較的広く備えられた打ち抜き部120におけるスリッパB’の横ずれを防止し得るように当該各差込片30間のほぼ中央に当該各差込片30との間でスリッパB’の甲被Bbを受け入れる横ずれ防止片80を設けるようにした以外の構成を前記実施例1におけるディスプレイ用ハンガーAと実質的に同一の構成としてあり、同様にして用いられる。
【0052】
従って、前記実施例1のディスプレイ用ハンガーAと同一または実質的に同一の構成部分には同一の番号を付してその説明を省略する。
【0053】
なお、前記補助プレート20を構成する横向プレート部22のほぼ中央部に備えられる当該横ずれ防止片80は当該横向プレート部22から上方に向けて半円状に突き出す構成としてあり、前記連結用片40を当該横ずれ防止片80を避けるように打ち抜き設けるようにしてある。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】典型的なディスプレイ用ハンガーAを構成する板紙の展開図
【図2】同ディスプレイ用ハンガーAを組み立てた状態の斜視図
【図3】同ディスプレイ用ハンガーAに履物Bを備え付けた状態で陳列している状態を一部破断して示す斜視図
【図4】同状態を要部を断面して示した側面図
【図5】図4におけるX−X矢視断面図
【図6】典型的な他のディスプレイ用ハンガーAを構成する板紙の展開図
【図7】同ディスプレイ用ハンガーAを組み立てた状態の斜視図
【図8】同ディスプレイ用ハンガーAに履物Bを備え付けた状態で陳列している状態を一部破断して示す斜視図
【図9】同状態を要部を断面して示した側面図
【図10】図9におけるY−Y矢視断面図
【符号の説明】
【0055】
A ディスプレイ用ハンガー
B 履物
C 引っ掛け手段
D プラスチック製連結ピン
K 差し入れ空間
10 ベースプレート
20 補助プレート
21 縦向きプレート
22 横向プレート
30 差込片
40 連結用片
41 孔
50 引っ掛け部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
引っ掛け部を備え当該引っ掛け部を引っ掛け手段に引っ掛けて吊り下げ状態で用いられるベースプレートと、上部側で該ベースプレートに連続するように備えられている一対の縦向きプレート部及び該各縦向きプレート部を連続するように備えられる横向プレート部を備えて前記ベースプレートと共に履物の差し入れ空間を構成し得るように起伏可能に備えられた補助プレートとを有し、
前記補助プレートの横向プレート部には、この横向プレート部から上方に向けて突き出すように対をなす差込片が並び設けてあり、
前記ベースプレートに底裏面を接し且つ履き込み口からそれぞれ前記差込片を受け入れるようにした一組の履物を前記ベースプレートと斜めに起立される前記補助プレートとの間の差し入れ空間に爪先側を上にして差し入れ、且つ、該ベースプレートと該補助プレートにおける横向プレート部とで支承し得るようにしてあると共に、
前記対をなす差込片の互いに向き合う縁部の少なくとも一方には、前記横向プレート部と前記ベースプレートとに支承された一組の履物の互いに隣り合う甲被相互を連結するプラスチック製連結ピンの挿通される孔を備えた連結用片が設けてあることを特徴とするディスプレイ用ハンガー。
【請求項2】
前記補助プレートと共に履物の差し入れ空間を構成する前記ベースプレートの横方向におけるほぼ中央部に傾き防止片が起伏可能に備えられていることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ用ハンガー。
【請求項3】
前記縦向きプレート部における互いに向き合っている縁部に横ずれ防止片が起伏可能に備えられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のディスプレイ用ハンガー。
【請求項4】
前記横向プレート部が、前記縦向きプレート部及び各差込片との連続部で前記ベースプレート側に向けて折り曲げ得るようにしてあることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3に記載のディスプレイ用ハンガー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−122422(P2006−122422A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−315753(P2004−315753)
【出願日】平成16年10月29日(2004.10.29)
【出願人】(000111155)ニッポンスリッパ株式会社 (3)