説明

ディスプレイ装置

【課題】タッチパネルを含む内蔵デバイスの保守性に優れたディスプレイ装置を提供する。
【解決手段】表示器31と、表示器31のおもて面上に積層されたタッチパネル32と、タッチパネル32および表示器31を収容する筐体とを有している。筐体は、リアケース21と、リアケース21に取り外し可能に装着され、積層されたタッチパネルおよび表示器のタッチ検知領域および可視領域を露出させる開口部を備えたフロントケース22とを有している。表示器31は、リアケース21に搭載される一方、タッチパネル32は、フロントケース22に搭載される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルを備えたディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のディスプレイ装置は、例えば、POS端末装置等の電子機器の周辺装置として、あるいは、電子機器の一部品として電子機器本体に対して一体に構成されるディスプレイ部として用いられる。
【0003】
一般に、タッチパネルを備えたディスプレイ装置は、液晶パネル等の表示器と、表示器の前面に配置されるタッチパネルと、表示器およびタッチパネルを収容および支持する筐体とを有している。
【0004】
この種のディスプレイ装置は、例えば、特許文献1に開示されている。尚、特許文献1は、表示器付きの入力デバイスである教示操作盤を開示しているが、タッチパネルを備えたディスプレイ装置に相当する構成を有している。当該ディスプレイ装置は、表示領域およびタッチ領域を規定する開口部を備えた教示操作盤の筐体と、筐体の内側において、開口部上に第1のパッキング材を介して配置されたタッチパネルと、タッチパネル上に第2のパッキング材を介して配置されると共に、筐体にネジを用いて固定される表示器とを有している。換言すれば、タッチパネルおよび表示器は、共通のネジを用いた所謂共締めの状態で筐体の内側面上に固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−074554号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、タッチパネルを備えたディスプレイ装置は、長期間使用していく上で、バックライトを含めた表示器の故障の可能性の他、タッチパネルの故障の可能性がある。
【0007】
タッチパネルの保守点検あるいは修理、交換を行う際に、特許文献1に開示されたものをも含め、従来のディスプレイ装置は、筐体を開ける作業、筐体に表示器を固定しているネジを外す等の作業を経て、表示器を取り外した後でなければ、タッチパネルを取り外すことができず、装置の保守性に難があるという問題がある。
【0008】
それ故、本発明の課題は、タッチパネルを含む内蔵デバイスの保守性に優れたディスプレイ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、表示器と、前記表示器のおもて面上に積層されたタッチパネルと、前記タッチパネルおよび前記表示器を収容する筐体とを有し、前記筐体は、リアケースと、前記リアケースに取り外し可能に装着され、積層された前記タッチパネルおよび前記表示器のタッチ検知領域および可視領域を露出させる開口部を備えたフロントケースとを有し、前記表示器は、前記リアケースに搭載され、前記タッチパネルは、前記フロントケースに搭載されることを特徴とするディスプレイ装置が得られる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によるディスプレイ装置は、タッチパネルを含む内蔵デバイスの保守性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】(a)および(b)は、本発明の実施例1によるディスプレイ装置を示す斜視図である。
【図2】(a)〜(c)は、本発明の実施例1によるディスプレイ装置におけるタッチパネルの取り付け構造を説明するための図であり、サイドパネルおよび係合解除レバーを示す斜視図である。
【図3】(a)〜(d)は、本発明の実施例1によるディスプレイ装置におけるタッチパネルの取り付け構造を説明するための図であり、リアケースおよびフロントケースを示す斜視図である。
【図4】は、本発明の実施例1によるディスプレイ装置におけるタッチパネルの取り付け構造を説明するための図であり、リアケースおよびフロントケースを示す断面図である。
【図5】(a)〜(c)は、本発明の実施例1によるディスプレイ装置におけるタッチパネルの取り付け構造を説明するための図であり、リアケースおよび係合解除機構を示す斜視図である。
【図6】本発明の実施例1によるディスプレイ装置におけるタッチパネルの取り付け構造を説明するための図であり、(a)および(b)はリアケースおよびフロントケースを示す斜視図であり、(c)はタッチパネル単体を示す斜視図である。
【図7】本発明の実施例1によるディスプレイ装置におけるタッチパネルの取り付け構造を説明するための図であり、フロントケースに取り付けられたタッチパネルを示す断面図である。
【図8】(a)〜(d)は、本発明の実施例1によるディスプレイ装置におけるタッチパネルの取り付け構造を説明するための図であり、タッチパネルの取り付けに用いられるクッションテープを示す図である。
【図9】本発明の実施例2によるディスプレイ装置におけるタッチパネルの取り付け構造を説明するための図であり、フロントケースに取り付けられたタッチパネルを示す断面図である。
【図10】(a)および(b)は、本発明の実施例2によるディスプレイ装置におけるタッチパネルの取り付け構造を説明するための図であり、タッチパネルの取り付けに用いられるクッションテープを示す図である。
【図11】(a)および(b)は、本発明の実施例1によるディスプレイ装置の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明によるディスプレイ装置は、表示器と、表示器のおもて面上に積層されたタッチパネルと、タッチパネルおよび表示器を収容する筐体とを有している。筐体は、リアケースと、リアケースに取り外し可能に装着され、積層されたタッチパネルおよび表示器のタッチ検知領域および可視領域を露出させる開口部を備えたフロントケースとを有している。
【0013】
本発明においては特に、表示器がリアケースに取り出し可能に搭載される一方、タッチパネルがフロントケースに取り外し可能に搭載される。
【0014】
即ち、本発明においては、タッチパネル式のディスプレイ装置の主要な内蔵デバイスであり、長期間使用していく上で、それぞれ修理交換を要する可能性がある表示器と、タッチパネルとを、筐体を構成する別部品であるリアケースと、フロントケースとに個別に搭載する。これにより、保守点検、修理交換等を実施する場合に、タッチパネルと表示器とを個別に取り外したり、再搭載することができるように構成されている。
【0015】
したがって、本発明によるディスプレイ装置は、タッチパネルを含む内蔵デバイスの保守性に優れている。
【0016】
また、本発明においては、人が操作するためにディスプレイ装置の構成部品の中でも故障が特に発生し易いタッチパネルが、フロントケースに搭載されている。したがって、タッチパネルを搭載したフロントケースを保守部品として用意しておくことにより、タッチパネルの故障時にフロントケースごと交換し、容易に短時間でタッチパネルの故障に対応することが可能である。とりわけ、本発明においては、表示部、表示部およびタッチパネルの制御回路、ディスプレイ装置が適用される情報処理機器とのインターフェース部、電源部、ヒンジ機構ならびに後述する係合解除機構等の多くのデバイスや機構を搭載したリアケースに比べ、フロントケースは、基本的にタッチパネルのみを搭載する簡素な構成であり、保守部品として用意しておくのに好適である。
【0017】
以下、図面を参照して、本発明によるディスプレイ装置の具体的な実施例を説明する。
【実施例1】
【0018】
図1(a)および(b)を参照すると、本発明の実施例1のディスプレイ装置は、POS端末装置10の前面側のディスプレイ部20として、POS端末装置本体にヒンジ機構を介して一体に構成されている。尚、図11(a)および(b)に示されるように、本発明によるディスプレイ装置は、POS端末装置10’の前面側のディスプレイ部20Fおよび背面側のディスプレイ部20Rそれぞれとして、POS端末装置本体にヒンジ機構を介して一体に構成されるものであってもよい。
【0019】
図3(a)および(b)ならびに図7等に示されるように、本ディスプレイ部(ディスプレイ装置)20は、液晶パネル等の表示器31と、表示器31のおもて面上に積層された感圧式または静電容量式等のタッチパネル32と、タッチパネル32および表示器31を収容する例えばABSなどの樹脂等から成る筐体とを有している。筐体は、リアケース21と、リアケース21に取り外し可能に装着され、積層されたタッチパネル32および表示器31のタッチ検知領域32eおよび可視領域31eを露出させる開口部226(図7)を備えたフロントケース22とを有している。
【0020】
本ディスプレイ装置においては特に、表示器31がリアケース21に取り出し可能に搭載される一方、タッチパネル32がフロントケース22に取り外し可能に搭載される。
【0021】
まず、図2〜図6を参照して、リアケース21およびフロントケース22から成る筐体の構成について詳しく説明する。
【0022】
図2(a)等に示されたフロントケース22は、着脱のための工具を用いることなく、リアケース21に取り外し可能に固定される。
【0023】
図3(a)を参照すると、リアケース21は、その内側面の上方に上向きに形成された第1の凹部を規定する上向きの5個の第1のフック211と、内側面の下方に形成された第2の凹部を規定する上向きの6個の第2のフック212とを備えている。
【0024】
一方、図3(b)を参照すると、フロントケース22は、その内側面の上方にリアケース21の第1のフック211が規定する第1の凹部に対応して下向きに形成された5個の第1の爪221と、内側面の下方にリアケース21の第2のフック212が規定する第2の凹部に対応して形成された第2の爪222とを備えている。
【0025】
そして、フロントケース22は、その第1の爪221をリアケース21の第1のフック211(第1の凹部)に対して上方から係合させた後に、図4に示されるように第2の爪222をリアケース21の第2のフック212(第2の凹部)に対して係合させることにより、着脱のための工具を用いることなく、リアケース21に対して取り外し可能に固定される。
【0026】
さらに、図5(a)〜(c)に示されるように、リアケース21は、操作に応じてリアケース21に固定されたフロントケース22を押し出すことによって第2のフック212(第2の凹部)に対するフロントケース22の第2の爪222の係合を解除する係合解除機構215をさらに有している。
【0027】
係合解除機構215は、リアケース21の内側面にネジを用いて回動可能に取り付けられ、かつ、その一端にリアケース21の側面に露出する樹脂製の操作ツマミ215aが装着され、ユーザによる操作を受け付ける金属製の操作レバー215bと、リアケース21の内側面にネジを用いてスライド可能に取り付けられ、かつ、その一端が操作レバー215bの他端に挟角可変に結合された金属製のスライド部材215cと、リアケース21の内側面にネジを用いて回動可能に取り付けられ、かつ、その一端がスライド部材215cの他端に結合された金属製の回動部材215dと、リアケース21の内側面にネジを用いてスライド可能に取り付けられ、かつ、その一端が回動部材215dの他端に挟角可変に結合された金属製のスライド部材215eと、スライド部材215eにネジまたはカシメ等によって取り付けられた押し出し部材215fとによって構成されている。
【0028】
押し出し部材215fは、弾性を有する板金から成り、図5(c)に示されるように、フロントケース22側を臨む傾斜面部を備えている。
【0029】
他方、図5(c)に示されるように、フロントケース22は、その内側面の下方、特に、リアケース21の係合解除機構215の押し出し部材215fに対応する位置に、突起225を樹脂製のフロントケース22と一体に備えている。突起225は、押し出し部材215fに対応して傾斜面部を備えている。
【0030】
さらに、本ディスプレイ部20(ディスプレイ装置)は、筐体部品として、図2(a)に示された操作レバーの操作ツマミ215aをも含め、結合されたリアケース21とフロントケース22との側面を覆うサイドパネル23をさらに有している。サイドパネル23は、結合されたリアケース21とフロントケース22との側面に形成された凹部(図示せず)に係合する爪(図示)を備え、当該係合関係により、結合されたリアケース21とフロントケース22に取り付けられる。リアケース21の側面にはまた、図2(b)に示されるように、コイン等の状物を差し込むための凹部214が形成されている。よって、ユーザは、リアケース21の凹部214にコイン等の、保守点検等を行う者の身近にある板状物を差し込み、サイドパネル23の裏側をコイン等を用いて引き出すことにより、着脱のための特別な工具を用いることなく、サイドパネル23を取り外すことができる。サイドパネル23によって係合解除機構215の操作ツマミ215aが隠されることにより、ディスプレイ装置の保守点検等を行うべき者以外の者が不用意に筐体を分解してしまうことが防止される。尚、凹部214は、コイン等を使用せずに人の指で外せるように、人の指が入る大きさに形成されてもよい。
【0031】
さて、ディスプレイ装置の保守点検等を行うべき者(仮に、サービスエンジニアと呼ぶ)がタッチパネル32等の内蔵デバイスの保守点検や修理交換を行う場合、次のような作業がなされる。
【0032】
サービスエンジニアは、図2(a)に示されたディスプレイ部20(ディスプレイ装置)の側面に形成された凹部214(図2(b))にコイン等を差し込んでサイドパネル23を取り外し、図2(c)に示されるように係合解除機構の操作ツマミ215aが露出した状態にする。
【0033】
次いで、サービスエンジニアは、操作ツマミ215a(操作レバー)を引き倒す。これにより、図5(b)に示された係合解除機構215の各部材が連動(スライド、回動)し、押し出し部材215fは、図5(c)中の右手前方向にスライドする。押し出し部材215fのスライドにより、その斜面によってフロントケース22の内側の突起225が図5(c)中の右奥に向かって押し出され、図4に示されたリアケース21下方の第2のフック212(第2の凹部)に対するフロントケース22の第2の爪222の係合が解除される。
【0034】
下方の係合は解除されたが、依然として、リアケース21上方の図3(a)に示された第1のフック211(第1の凹部)には、フロントケース22上方の図3(b)に示された第1の爪221が係合している。このため、フロントケース22の着脱途中でフロントケース22が不用意にリアケース21から脱落することが防止される。
【0035】
サービスエンジニアは、図6(a)に示されるように、フロントケース22を少し持ち上げることにより、リアケース21上方の図3(a)に示された第1のフック211(第1の凹部)と、フロントケース22上方の図3(b)に示された第1の爪221との係合関係を解除する。
【0036】
続いて、サービスエンジニアは、フロントケース22の内側面に図6(b)に示されるごとく固定されているタッチパネル32から導出され、リアケース21内に設けられたコネクタ(図示せず)に挿入されている配線リードを抜去する。尚、タッチパネル32の配線リードは、例えばFPC(Flexible Printed Cable)状を呈し、説明の便宜上、タッチパネル32単体を示した図6(c)中にのみ、符号327を付して示している。
【0037】
以上のようにして、フロントケース22からタッチパネル32を取り外し可能な状態とされた。尚、この状態においては、リアケース21から表示器31を取り外すことも可能である。
【0038】
次に、図7および図8を参照して、タッチパネルの取り付け構造について説明する。
【0039】
図7を参照すると、本ディスプレイ装置は、フロントケース22の開口部226の周囲と、タッチパネル32のおもて面のタッチ非検知領域32dとの間に設けられる第1のクッション材411をさらに有している。
【0040】
第1のクッション材411は、そのフロントケース22側のおもて面上ならびにタッチパネル32側の裏面上それぞれに、両面テープまたは接着剤層(本例では、両面テープ412、416)を備えている。
【0041】
そして、タッチパネル32は、予め、そのおもて面上のうちのタッチ非検知領域32dに対して第1のクッション材411の裏面が両面テープ416によって貼り付けられた後に、第1のクッション材411のおもて面上の両面テープ412によってフロントケース22の開口部226の周囲のリブ227に貼り付けられる。両面テープまたは接着剤層によって貼り付けられるタッチパネル32は、着脱のための工具を用いることなく、容易に取り外し可能である。
【0042】
尚、図8(a)および(c)に示されるように、第1のクッション材411は、両面テープ412、416と共に、第1のクッションテープ41を構成している。第1のクッションテープ41は、予め、リールに巻回された長尺の状態で用意され、四角いタッチパネル32の4辺に対応した長さ毎に切り出して用いられる。
【0043】
図7を参照すると、本ディスプレイ装置は、タッチパネル32の裏面と、表示器31のおもて面のうちの不可視領域31dとの間に設けられる第2のクッション材421をさらに有している。
【0044】
第2のクッション材421は、タッチパネル32側のおもて面上に両面テープまたは接着剤層(本例では、両面テープ426)を備えている。
【0045】
そして、タッチパネル32は、予め、その裏面上のうちの、表示器31の不可視領域31dに対応する領域に対して第2のクッション材421のおもて面が両面テープ426によって貼り付けられた状態で、フロントケースに取り付けられる。第2のクッション材421は、表示器31を搭載したリアケース21に、タッチパネル32を搭載したフロントケース22を結合させたときに、表示器31とタッチパネル32との干渉を防ぐものである。
【0046】
尚、図8(b)および(d)に示されるように、第2のクッション材421は、両面テープ426と共に、第2のクッションテープ42を構成している。第2のクッションテープ42は、予め、リールに巻回された長尺の状態で用意され、四角いタッチパネル32の4辺に対応した長さ毎に切り出して用いられる。
【実施例2】
【0047】
実施例2は、タッチパネルの取り付け構造が、実施例1と異なる。このため、実施例1と同一または同様の部分については、実施例1における説明を援用することとし、詳細な説明は省略する。
【0048】
本発明の実施例2のディスプレイ装置は、実施例1と同様に、図1(a)および(b)に示されたPOS端末装置10の前面側のディスプレイ部20として、POS端末装置本体にヒンジ機構を介して一体に構成されている。尚、図11(a)および(b)に示されるように、実施例2のディスプレイ装置も、POS端末装置10’の前面側のディスプレイ部20Fおよび背面側のディスプレイ部20Rそれぞれとして、POS端末装置本体にヒンジ機構を介して一体に構成されるものであってもよい。
【0049】
図9に示されるように、実施例2のディスプレイ装置は、液晶パネル等の表示器31と、表示器31のおもて面上に積層された感圧式または静電容量式等のタッチパネル32と、タッチパネル32および表示器31を収容する例えばABSなどの樹脂等から成る筐体とを有している。筐体は、リアケースと、リアケースに実施例1で説明したごとく着脱のための工具を用いることなく取り外し可能に装着され、積層されたタッチパネル32および表示器31のタッチ検知領域32eおよび可視領域31eを露出させる開口部226を備えたフロントケース22と、結合されたリアケースおよびフロントケース22の側面にリアケースに実施例1で説明したごとく着脱のための工具を用いることなく取り外し可能に装着されるサイドパネルとを有している。
【0050】
また、実施例2のディスプレイ装置は、実施例1と同様に、リアケースに係合解除機構を有している。
【0051】
さて、本ディスプレイ装置においては、実施例1と同様に、表示器31がリアケースに取り出し可能に搭載される一方、タッチパネル32がフロントケース22に取り外し可能に搭載される。
【0052】
図9および図10を参照して、実施例2におけるタッチパネルの取り付け構造について詳しく説明する。
【0053】
図9を参照すると、本ディスプレイ装置は、フロントケース22の開口部226の周囲と、タッチパネル32のおもて面のタッチ非検知領域32dとの間に設けられる第1のクッション材431と、タッチパネル32の裏面と、表示器31のおもて面の不可視領域31dとの間に設けられる第2のクッション材432と、可撓性を有すると共に幅方向を持ち、第1のクッション材431と第2のクッション材432とを連結するフィルム433とから成るクッションテープ43をさらに有している。
【0054】
フィルム433は、その幅方向の一端側の第1のフィルム面上に、両面テープまたは接着剤層(本例では、両面テープ434)を用いて、第1のクッション材431のおもて面が貼り付けられる。これと共に、フィルム433は、その幅方向の一端側の第2のフィルム面上に、両面テープまたは接着剤層(本例では、両面テープ437)を備えている。
【0055】
フィルム433はさらに、その幅方向の他端側の第1のフィルム面上に、両面テープまたは接着剤層(本例では、両面テープ435)を用いて、第2のクッション材432の裏面が貼り付けられている。
【0056】
また、第2のクッション材432は、そのおもて面に、両面テープまたは接着剤層(本例では、両面テープ436)を備えている。
【0057】
そして、タッチパネル32は、予め、その裏面上のうちの、表示器31の不可視領域31dに対応する領域に対して第2のクッション材432のおもて面が両面テープ436によって貼り付けられ、また、タッチパネル32の端面(図9中、上端面)上にフィルム433の第1面のうちの第1のクッション材431と第2のクッション材432との間の領域が当接し、さらに、タッチパネル32のおもて面上のうちのタッチ非検知領域32dに対して、両面テープまたは接着剤層を介さずに、第1のクッション材431の裏面が当接するように、クッションテープ43が巻かれた後に、フィルム433の第2面上の両面テープ432を用いて、フロントケース22の開口部226の周囲のリブ227に貼り付けられる。両面テープまたは接着剤層によって貼り付けられるタッチパネル32は、着脱のための工具を用いることなく、容易に取り外し可能である。また、第2のクッション材432は、表示器31を搭載したリアケースに、タッチパネル32を搭載したフロントケース22を結合させたときに、表示器31とタッチパネル32との干渉を防ぐものである。
【0058】
尚、図10(a)および(b)に示されるように、第1のクッション材431、第2のクッション材432およびフィルム433は、両面テープ437、434、435、436と共に、クッションテープ43を構成している。クッションテープ43は、予め、リールに巻回された長尺の状態で用意され、四角いタッチパネル32の4辺に対応した長さ毎に切り出して用いられる。
【0059】
実施例2では、フロントケース22に対してタッチパネル32を取り外し可能に固定するためのクッションテープについて、実施例1の2種類(第1、第2のクッションテープ41、42)から1種類(クッションテープ43)に減らすことができ、予めタッチパネルに貼り付ける作業も削減される。さらに、実施例2のクッションテープ43は、実施例1の第1のクッションテープ41とは異なり、タッチパネル32のおもて面上のうちのタッチ非検知領域32dに対して、第1のクッション材431の裏面が当接するのみで、貼り付けられないようになっている。このため、タッチパネル32のおもて面上のうちのタッチ非検知領域32dにクッション材を貼り付ける作業の際に、誤ってタッチ検知領域32eにクッション材が両面テープまたは接着剤層によって固着し、タッチパネル32が誤作動を起こしたり、検知精度が低下する虞がない。
【産業上の利用可能性】
【0060】
以上、幾つかの実施例を参照して本発明を説明したが、本発明の構成や詳細については、当業者が理解し得る様々な変更を加えることができる。また、本発明には、上記各実施例の構成の一部または全部を相互に適宜組み合わせたものも含まれる。
【0061】
例えば、本発明によるタッチパネル式のディスプレイ装置は、実施例で挙げたようなPOS端末装置等の電子機器の本体と一体に構成されるものに限らず、電子機器に付随して用いられる周辺機器の形態であってもよい。
【符号の説明】
【0062】
10、10’ POS端末装置
20 ディスプレイ装置(ディスプレイ部)
21 リアケース
211 第1のフック
212 第2のフック
214 凹部
215 係合解除機構
215a 操作ツマミ
215b 操作レバー
215d 回動部材
215c、215e スライド部材
215f 押し出し部材
22 フロントケース
221 第1の爪
222 第2の爪
225 突起
226 開口部
23 サイドパネル
31 表示器
31e 可視領域
31d 不可視領域
32 タッチパネル
32e タッチ検知領域
32d タッチ非検知領域
327 配線リード
41 第1のクッションテープ
411 第1のクッション材
412、416 両面テープ
42 第2のクッションテープ
421 第2のクッション材
426 両面テープ
43 クッションテープ
431 第1のクッション材
432 第2のクッション材
433 フィルム
434、435、436、437 両面テープ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示器と、前記表示器のおもて面上に積層されたタッチパネルと、前記タッチパネルおよび前記表示器を収容する筐体とを有し、
前記筐体は、リアケースと、前記リアケースに取り外し可能に装着され、積層された前記タッチパネルおよび前記表示器のタッチ検知領域および可視領域を露出させる開口部を備えたフロントケースとを有し、
前記表示器は、前記リアケースに搭載され、
前記タッチパネルは、前記フロントケースに搭載されることを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項2】
前記フロントケースは、着脱のための工具を用いることなく、前記リアケースに取り外し可能に固定される請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項3】
前記フロントケースの前記開口部の周囲と、前記タッチパネルのおもて面のタッチ非検知領域との間に設けられる第1のクッション材をさらに有し、
前記第1のクッション材は、前記フロントケース側のおもて面上ならびに前記タッチパネル側の裏面上それぞれに、両面テープまたは接着剤層を備え、
前記タッチパネルは、予め、当該おもて面上に前記第1のクッション材の裏面が貼り付けられた後に、該第1のクッション材のおもて面上の両面テープまたは接着剤層を用いて前記フロントケースに固定される請求項1または2に記載のディスプレイ装置。
【請求項4】
前記タッチパネルの裏面と、前記表示器のおもて面の不可視領域との間に設けられる第2のクッション材をさらに有し、
前記第2のクッション材は、前記タッチパネル側のおもて面上に両面テープまたは接着剤層を備え、
前記タッチパネルは、予め、当該裏面上に前記第2のクッション材のおもて面が貼り付けられた状態で、前記フロントケースに固定される請求項3に記載のディスプレイ装置。
【請求項5】
前記フロントケースの前記開口部の周囲と、前記タッチパネルのおもて面のタッチ非検知領域との間に設けられる第1のクッション材と、
前記タッチパネルの裏面と、前記表示器のおもて面の不可視領域との間に設けられる第2のクッション材と、
可撓性を有すると共に幅方向を持ち、前記第1のクッション材と前記第2のクッション材とを連結するフィルムとから成るクッションテープをさらに有し、
前記フィルムは、前記幅方向の一端側の第1のフィルム面上に前記第1のクッション材のおもて面が貼り付けられると共に、該幅方向の一端側の第2のフィルム面上に両面テープまたは接着剤層を備え、
前記フィルムはさらに、前記幅方向の他端側の第1のフィルム面上に前記第2のクッション材の裏面が貼り付けられ、
前記第2のクッション材は、おもて面に両面テープまたは接着剤層を備え、
前記タッチパネルは、予め、当該裏面上に前記第2のクッション材のおもて面が貼り付けられ、当該端面上に前記フィルムの第1面の前記第1および前記第2のクッション材間の領域が当接し、さらに、当該おもて面上に前記第1のクッション材の裏面が当接するように前記クッションテープが巻かれた後に、該フィルムの第2面上の両面テープまたは接着剤層を用いて前記フロントケースに固定される請求項1または2に記載のディスプレイ装置。
【請求項6】
前記リアケースは、その内側面の上方に上向きに形成された第1の凹部と、内側面の下方に形成された第2の凹部とを備え、
前記フロントケースは、その内側面の上方に前記リアケースの前記第1の凹部に対応して下向きに形成された第1の爪と、内側面の下方に前記リアケースの前記第2の凹部に対応して形成された第2の爪とを備え、
前記フロントケースは、前記第1の爪を前記リアケースの前記第1の凹部に対して上方から係合させると共に、前記第2の爪を前記リアケースの前記第2の凹部に対して係合させることにより、着脱のための工具を用いることなく、前記リアケースに対して取り外し可能に固定される請求項2乃至5のいずれか一項に記載のディスプレイ装置。
【請求項7】
前記リアケースは、操作に応じて、該リアケースに固定された前記フロントケースを押し出すことによって前記第2の凹部に対する前記フロントケースの前記第2の爪の係合を解除する係合解除機構をさらに有し、
前記係合解除機構は、前記リアケースの側面に露出し、ユーザによる操作を受け付ける操作レバーを備え、
前記筐体は、前記操作レバーをも含め、結合された前記リアケースと前記フロントケースとの側面を覆うサイドパネルをさらに有し、
前記サイドパネルは、着脱のための工具を用いることなく、結合された前記リアケースと前記フロントケースとに対して取り外し可能に固定される請求項6に記載のディスプレイ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−97013(P2013−97013A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−236745(P2011−236745)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【特許番号】特許第5187787号(P5187787)
【特許公報発行日】平成25年4月24日(2013.4.24)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】