説明

デカップリングデバイス及びその製造方法

【課題】外部水蒸気と酸素の浸入を防ぐデカップリングデバイスの包装構造を提供する。
【解決手段】リードフレーム110は、カソード端子部とその両端に配置され互いに対向するアノード端子部114を含む。2つのアノード端子部は、導電線を介して互いに電気接続され、コンデンサユニット120は並列に接続され、リードフレーム上に配置される。保護層PLは、コンデンサユニットのアノード部とカソード部の少なくとも1つを包む。蓋体160a,bなどからなる包装素子は、リードフレーム、コンデンサユニット、保護層を覆う。包装素子は、リードフレームの底面を露出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、デカップリングデバイス(decoupling device)、詳細には、良好な素子特性を具えたデカップリングデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
固体電解質コンデンサは、小さな寸法、大きな電気容量、優れた周波数特性のような利点を有し、CPU(Central Processing Unit)の電源回路のデカップリング(Decoupling)の役割を担うことができる。
【0003】
一般的に、高い電気容量を具えた固体電解質コンデンサを形成するために、複数のコンデンサユニットがリードフレーム上に積み重ねられる。図25は、固体電解質コンデンサの部分概略図である。図25を参照すると、固体電解質コンデンサ400中、複数のコンデンサユニット410がリードフレーム420上に積み重ねられる。各コンデンサユニット410は、カソード部412とアノード部414を具える。リードフレーム420は、カソード端子422とアノード端子424を具える。積み重ねが完了した後、複数のアノード部414は、アノードはんだジョイント(anode solder joint)430を介してアノード端子424に電気接続される。しかしながら、固体電解質コンデンサ400は、さらに続く熱処理テストを実行する必要があり、そしてこの場合、外部の水蒸気Wと熱エネルギーHは容易にアノードはんだジョイント430を酸化、絶縁或いは剥がれ落ちさせ、複数のアノード部414間の電気接続不良をまねき、電気容量が相同の割合で大幅に減少する。
【0004】
さらにまた、外部の水蒸気Wがコンデンサユニット410のカソード部412に侵入した場合、誤った電気容量と固体電解質コンデンサ400の単位時間内の発熱によるエネルギー消費(誘電正接/Dissipation Factor/DF)が増加し、固体電解質コンデンサ400の信頼性が低下する問題が発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施の形態では、内部素子を保護する保護層を具えたデカップリングデバイスを提供し、外部水蒸気と酸素がデカップリングデバイスの内部素子に損害を与えるのを防ぐことができ、それにより、デカップリングデバイスに良好な素子特性を持たせることができる。
【0006】
本発明の実施の形態は、上記のデカップリングデバイスを製造することができるデカップリングデバイスの製造方法を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施の形態のデカップリングデバイスは、リードフレーム、複数のコンデンサユニット、保護層及び包装素子を含む。リードフレームは、カソード端子部とカソード端子部の両端に配置された少なくとも二つの互いに対向するアノード端子部を含む。2つのアノード端子部は、導電線を介して互いに電気接続される。複数のコンデンサユニットは、並列接続され、リードフレーム上に配置される。各コンデンサユニットは、互いに対向するカソード部とアノード部を有する。コンデンサユニットのカソード部は、カソード端子部に電気接続される。コンデンサユニットのアノード部は、アノード端子部に電気接続される。保護層は、コンデンサユニットのアノード部とカソード部の少なくとも1つを包む。包装素子はリードフレーム、コンデンサユニット、保護層を包み、包装素子は、リードフレームの底面を露出させる。
【0008】
本発明の実施の形態では、さらにデカップリングデバイスの製造方法を提供する。先ず、カソード端子部と、カソード端子部の両端に配置された互いに対向する少なくとも二つのアノード端子部を含むリードフレームが提供される。2つのアノード端子部は、導電線を介して互いに電気接続される。次に、複数のコンデンサユニットが提供され、これらのコンデンサユニットは、並列に接続されリードフレーム上に配置される。各コンデンサユニットは、互いに対向するカソード部とアノード部を有する。コンデンサユニットのカソード部は、カソード端子部に電気接続される。コンデンサユニットのアノード部は、アノード端子部に電気接続される。その後、保護層が提供され、コンデンサユニットのアノード部とカソード部の少なくとも1つを包む。その後、リードフレーム、コンデンサユニットと保護層を覆う包装素子が提供され、包装素子は、リードフレームの底面を露出させる。
【発明の効果】
【0009】
上記開示の基づき、本発明のデカップリングデバイスは、高温高湿状態下でアノードはんだジョイントが酸化する問題を防ぎ、コンデンサユニットの導電ポリマー層と誘電層の間の空間に水蒸気が侵入することにより起こる誤った電気容量現象を防ぐため、保護層を有し、この保護層は、コンデンサユニットのアノード部とカソード部の少なくとも1つに適用される。
【0010】
添付図は、より更に理解するために含まれ、この説明と併せて、明細書の一部を構成する。図面は、説明とともに、典型的な例を例示し、本発明の原則を説明する助けとする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1A】本発明の実施の形態におけるデカップリングデバイスのリードフレームとコンデンサユニットの概略図である。
【図1B】本発明の実施の形態におけるデカップリングデバイスのリードフレームとコンデンサユニットの概略図である。
【図1C】本発明の実施の形態におけるデカップリングデバイスのリードフレームとコンデンサユニットの概略図である。
【図2A】本発明の実施の形態におけるデカップリングデバイスとその等価回路の概略図であり、コンデンサユニットが、同一平面上に配列され、リードフレーム上に配列される。
【図2B】本発明の実施の形態におけるデカップリングデバイスとその等価回路の概略図であり、コンデンサユニットが、同一平面上に配列され、リードフレーム上に配列される。
【図3】本発明の実施の形態に関する別のデカップリングデバイスの概略図である。
【図4】本発明の実施の形態のまた別のデカップリングデバイスの概略断面図であり、図4の断面は、図2AのB−B´線の方向を観察することで得ることができる。
【図5】本発明の実施の形態におけるデカップリングデバイスの略図であり、コンデンサユニットは省略される。
【図6】本発明の別の実施の形態におけるデカップリングデバイスの概略図であり、コンデンサユニットは省略されている。
【図7】本発明のさらに別の実施の形態のデカップリングデバイスの概略断面図である。
【図8】図7の底面から観察されるデカップリングデバイスの概略図である。
【図9A】図8の線C−C´に沿った概略断面図であり、コンデンサユニットは省略されている。
【図9B】図8の線D−D´に沿った概略断面図であり、コンデンサユニットは省略されている。
【図9C】図8の線E−E´に沿った概略断面図であり、コンデンサユニットは省略されている。
【図10】本発明の実施の形態に基づく、また別のデカップリングデバイスの概略図である。
【図11】本発明の実施の形態に基づく、更に別のデカップリングデバイスの概略図である。
【図12A】本発明の別の実施の形態に基づくデカップリングデバイスの概略断面図である。
【図12B】本発明の別の実施の形態に基づくデカップリングデバイスの概略断面図である。
【図13A】本発明のまた別の実施の形態に基づくデカップリングデバイスのコンデンサユニットの概略図である。
【図13B】同一平面上のコンデンサユニットをリードフレーム上に配置した概略図である。
【図13C】図13Aの線F−F´に沿った概略断面図である。
【図14】図3のデカップリングデバイスの複数のコンデンサユニットが、同一平面上に配列される方式の概略図である。
【図15A】複数のコンデンサユニットが同一平面上に配列される別の方式の概略図である。
【図15B】複数のコンデンサユニットが同一平面上に配列される別の方式の概略図である。
【図16A】本発明の実施の形態基づくマルチ端子構造を具えたまた別のデカップリングデバイスの概略図であり、デカップリングデバイスのリードフレームの概略図である。
【図16B】本発明の実施の形態基づくマルチ端子構造を具えたまた別のデカップリングデバイスの概略図であり、同一平面上の複数のコンデンサユニットをリードフレーム上に配列した概略図である。
【図16C】本発明の実施の形態基づくマルチ端子構造を具えたまた別のデカップリングデバイスの概略図であり、底面から観察したデカップリングデバイスの概略図である。
【図17A】本発明の実施の形態に基づくマルチ端子構造を具えたまた別のデカップリングデバイスの概略図であり、デカップリングデバイスのリードフレームの概略図である。
【図17B】本発明の実施の形態に基づくマルチ端子構造を具えたまた別のデカップリングデバイスの概略図であり、同一平面上の複数のコンデンサユニットをリードフレーム上で配列した概略図である。
【図17C】本発明の実施の形態に基づくマルチ端子構造を具えたまた別のデカップリングデバイスの概略図であり、底面から観察したデカップリングデバイスの概略図である。
【図18】本発明の実施の形態に基づくデカップリングデバイスと市販のデカップリングデバイスのフィルター性能の曲線比較図である。
【図19】本発明のまた別の実施の形態に基づくデカップリングデバイスの概略図である。
【図20】本発明の実施の形態に基づくデカップリングデバイスの製造方法ステップのフローチャートである。
【図21】この実施の形態に基づく保護層を具えたデカップリングデバイスと保護層を具えていないデカップリングデバイスのリーク電流(leakage currents/LCs)の曲線図である。
【図22】この実施の形態に基づく、保護層を具えたデカップリングデバイス、保護層を具えていないデカップリングデバイスの適正品、保護層を具えていないデカップリングデバイスの不良品の電気容量変化のパーセンテージの曲線図である。
【図23】この実施の形態に基づく、保護層を具えているデカップリングデバイスと保護層を具えていないデカップリングデバイスのDFsの曲線図である。
【図24】この実施の形態に基づく、保護層を具えているデカップリングデバイスと保護層を具えていないデカップリングデバイスの等価直列抵抗(equivalent series resistances /ESR)の曲線図である。
【図25】固体電解質コンデンサの部分概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本実施の形態のデカップリングデバイスは、リードフレーム、複数のコンデンサユニット、保護層及び包装素子(packaging element)を含む。リードフレームは、カソード端子部とカソード端子部の両端に位置する少なくとも二つの互いに対向するアノード端子部を含む。2つのアノード端子部は、導電線を介して互いに電気接続する。複数のコンデンサユニットは並列接続され(connected in parallel)、リードフレーム上に配置される。各コンデンサユニットは、互いに対向するカソード部とアノード部を有する。コンデンサユニットのカソード部は、カソード端子部に電気接続される。コンデンサユニットのアノード部は、アノード端子部に電気接続される。保護層は、コンデンサユニットのアノード部とカソード部の少なくとも1つを包む。包装素子はリードフレーム、コンデンサユニットと保護層を覆い、包装素子は、リードフレームの底面を露出させる。
【0013】
保護層は、互いに並列接続されるコンデンサユニットのアノード部とカソード部の少なくとも1つを保護するのに用いられ、それにより、コンデンサユニット上で外水蒸気と熱エネルギーに起因する影響を避けることができる。
【0014】
さらに、本実施の形態で開示されるデカップリングデバイスは、複数のコンデンサユニットが同一平面に配置され、互いに並列接続される方法が採用される、或いは、互いに、互い違い(staggered)に積み重なって並列に配置される方法が採用されてもよく、簡単な製造工程を有し、等価直列抵抗(ESR/Equivalent Series Resistor)を減らすことができる。
【0015】
さらにまた、コンデンサユニットは、貫通型ユニット電極よりむしろ、カソード部とアノード部を有するシートユニット電極を採用するので、製造工程が簡単である。リードフレームの少なくとも2つのアノード端子部は、互いに接続され、伝送線構造(transmission line structure)を形成し、この伝送線構造は、高周波状態で誘導子(inductor)を形成する。誘導子は、コンデンサユニットのコンデンサとともにフィルターを形成する。
【0016】
また、リードフレームは、等価直列インダクタンス(Equivalent Series Inductance/ ESL)を減らすために、マルチ端子構造を有していてもよく、近隣端子間の電流伝送距離を短くすることができる。以下、この発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
[コンデンサユニットが同じ平面に並列に配置されたデカップリングデバイス]
【0017】
図1Aから図1Cは、本実施の形態におけるデカップリングデバイスのリードフレームとコンデンサユニットの概略図である。図2Aと図2Bは、それぞれ本実施の形態におけるデカップリングデバイスとその等価回路の概略図であり、この実施形態では、複数のコンデンサユニット120が、同じ平面に位置し、互いに並列に配列され、リードフレーム110上に配置されてもよい。
【0018】
図1Aから図1C及び図2Aから図2Bを同時に参照すると、デカップリングデバイス100は、フレーム110と複数のコンデンサユニット120を含む。リードフレーム110は、カソード端子部112、カソード端子部112の両端に配置されて互いに対向する少なくとも二つのアノード端子部114aと114bを含む。2つのアノード端子部114aと114bは、導電線116を介して互いに電気接続される。コンデンサユニット120は、リードフレーム110上に配置される。各コンデンサユニット120は、互いに対向するカソード部122とアノード部124を有する。
【0019】
コンデンサユニット120は、同一平面上にN個を一グループ(Nは図2では2と等しい)とする方法で、第1コンデンサ組CU1となるように並列される。第1コンデンサユニット組CU1のコンデンサユニット120は、並列接続され、Nは2又はそれ以上である。コンデンサユニット120の数は偶数でもよい。コンデンサユニット120のカソード部122は、カソード端子部122と電気接続される。コンデンサユニット120のアノード部124は、アノード端子部114aと114bと電気接続される。
【0020】
続いて、図1Aを参照すると、カソード端子部112は、スペースSを有し、導電線116がスペースS中に配置される。スペースSがカソード端子部112を2つのサブカソード端子部112aと112bに分けることにより、導電線116が、2つのサブカソード端子部112aと112bの間のスペースS中に位置する。そのため、リードフレーム110のカソード端子部112、アノード端子部114aと114b及び導電線116が、同じ平面上に位置することができ、故に複数のコンデンサユニット120のカソード部122とアノード部124がリードフレーム110の同じ平面上に位置することができることを確保できる。その結果、互いに電気接続する複数の後続するコンデンサユニット120の歩留まりを向上することができる。
【0021】
加えて、カソード端子部112は、更にカソード端子部112の表面に位置する粗構造(rough structure)118を含んでもよい。粗構造118は、コンデンサユニット120とカソード端子部112間の接着効果を向上することができる。粗構造118は、カソード端子部112上で成形工程(molding process)を実行することにより形成される。さらにまた、デカップリングデバイス100は、更に導電線116上方に位置する絶縁層130を含んでいてもよく、絶縁層130は、カソード端子部112とアノード端子部114a及び114bが互いから電気的に絶縁されるようにすることができる。通常、絶縁層130は、絶縁接着テープをリードフレーム110の適切な位置上に付けることにより形成されることができる。
【0022】
図1B及び図1Cを参照すると、コンデンサユニット120は、シートコンデンサユニットでもよく、対向する両端それぞれに1つのカソード部122と1つのアノード部124を有していてもよい。コンデンサユニット120の内部構造は、コンデンサユニット120の切断線A−A´から見ることができ、つまり、コンデンサユニット120は、バルブ金属層120a、誘電層120b、導電ポリマー層120cとカソード導電層120dを含むことができる。誘電層120bは、バルブ金属層120a上に形成される。導電ポリマー層120cは、誘電層120b上に形成される。カソード導電層120dは、導電ポリマー層120c上に形成される。
【0023】
バルブ金属層120aの材料は、アルミニウム(aluminium)、タンタル(tantalum)、ニオブ(niobium)、酸化ニオブ(niobium oxide)、チタン(titanium)及びその組み合わせから選択されてもよい。誘電層120bは、誘電材料をバルブ金属層120a上に塗布することにより形成されてもよい。誘電層120bは、化学アノード処理により、バルブ金属層120aの表面を酸化することにより形成される金属酸化物であってもよい。
【0024】
更に、コンデンサユニット120中では、カソード部122とアノード部124の間に絶縁部126を配置して、カソード部122をアノード部124から隔絶してもよい。
【0025】
図2Aを参照すると、デカップリングデバイス100では、複数のコンデンサユニット120が、同一平面上にN個を一グループ(Nは図2では2と等しい)とする方法で、第1コンデンサ組CU1となるように配列され、コンデンサユニット120は互いに並列に接続される。第1コンデンサ組CU1中の2つのコンデンサユニット120は、互いに積み重なる替わりに、同一平面上に配列される。本発明中、“同一平面”とは、第1コンデンサ組CU1の各コンデンサユニット120が同じ層中に配列されることを意味する。
【0026】
図2Aから分かるとおり、2つのコンデンサユニット120は、図2Aの図面の上方と下方に位置し、それぞれのカソード部122は互いに隣接しており、それぞれのアノード部124は互いに離れている。カソード部122は、カソード端子部112の全領域のほとんどをカバーし、良好な電気接続効果を達成することができる。したがって、デカップリングデバイス100が採用する複数のコンデンサユニット120が同一平面上に配列され、互いに並列に接続される方法は、より簡単な製造工程を有し、等価直列抵抗(ESR/Equivalent Series Resistor)を効果的に減らすことができる。
【0027】
図2Aに示すとおり、デカップリングデバイス100は、コンデンサユニット120のアノード部124とカソード部122の少なくとも1つを包む保護層PLを有する。図2Aは、保護層PLがコンデンサユニット120のアノード部124を包むことのみを図示している。実際には、保護層PLは、アノード部とカソード部を同時に包むかもしれず、或いは保護層PLがアノード部124のみを包むかもしれない。
【0028】
保護層PLの材料は、シリコン樹脂、シリコンゴム、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリウレタン、液晶プラスチックとその組合せから選択してもよい。保護層PLは、高温高湿下でのアノードはんだジョイントが酸化する問題を防ぐことができ、アノード部124間の良好な電気接続を確保することができる。さらに、保護層PLは、コンデンサユニット120の導電ポリマー層120cと誘電層120bの間の空間に水蒸気が進入するのを防ぎ、誤った電気容量現象が発生するのを避ける。
【0029】
さらに、図2Bの等価回路図を参照すると、導電線116により形成された伝送線構造が、高周波作動状態下で、誘導子(inductor)Lを発生させ、この誘導子Lと2つのコンデンサユニット120のコンデンサCがCLC回路を形成し、つまり所謂πフィルターである。このようにして、高周波作動間の電子ノイズを効果的に除去することができる。
【0030】
図3は、本実施の形態に関する別のデカップリングデバイスの概略図である。図3を参照すると、デカップリングデバイス101は、図2Aに示されるデカップリングデバイス100と類似しており、同じ装置には同じ符号を付している。図3のデカップリングデバイスも保護層PLを有している。図3の実施の形態では、保護層PLは、コンデンサユニット120のカソード部122とアノード部124を同時に包む状況を示している。
【0031】
図3に示すとおり、複数のコンデンサユニット120は、同一平面上にN個を一グループ(Nは図3では4と等しい)とする方法で、第1コンデンサ組CU1となるように配列され、第1コンデンサ組CU1のコンデンサユニット120は、並列接続される。このようにして、同一平面上に配列する方法で、適切な数のコンデンサユニット120がリードフレーム110上に任意に配列されて、必要な容量値のデカップリングデバイスが得られる。複数のコンデンサユニット120を同一平面上に配列するのはむしろ簡単であるので、製造工程の効率を向上することができる。
【0032】
図4は本実施の形態のまた別のデカップリングデバイスの概略断面図であり、図4の断面は、図2AのB−B´線の方向を観察することで得ることができる。図4を参照すると、複数のコンデンサユニット組が存在するとき、コンデンサユニット組は、積み重ねる方法で配列される。より詳細には、デカップリングデバイス102中、コンデンサユニット120は、同一平面上にN個を一グループとする方法で、第2コンデンサ組CU2となるように配列されてもよく、第2コンデンサ組CU2のコンデンサユニット120は、並列接続され、第2コンデンサ組CU2は、第1コンデンサ組CU1の上に積み重ねられる。
【0033】
即ち、コンデンサユニット組の複数のグループは、リードフレーム110の表面の法線方向上に積み重ねられ、積み重ねられるコンデンサユニット組の数は、選択することができる。図4に示すように、コンデンサユニット組CU2からCU4は、第1コンデンサ組CU1の上方に互いに積み重ねられることができ、つまり、計4つのグループのコンデンサユニット組CU1からCU4が積み重ねられることにより、大きい電気容量を具えたデカップリングデバイス102が得られる。
【0034】
再び図4を参照すると、コンデンサユニット120は、導電性接着剤140により互いに電気接続されることができる。更に、導電性接着剤140は、サブカソード端子部112a上の粗構造118と協力し合うことができ、それにより、コンデンサユニット120とサブカソード端子部112aは、良好な接着を形成する。保護層PLは、互いに積み重なるともに電気接続されるアノード部124間の隙間を覆い、外から水蒸気や熱エネルギーがアノード部124間のアノードはんだジョイントに入るのを防ぐことができ、複数のコンデンサユニット120間に良好な電気接続特性を存在させることを確保することもできる。
【0035】
さらに、導電線116により形成される誘導子の値は、更に設計の需要に基づき管理されることができる。図5は、本発明の実施の形態におけるデカップリングデバイスの概略図であり、コンデンサユニットは省略される。図5を参照すると、このデカップリングデバイス103では、導電線116aは、連続的な曲げ構造であってもよい。この連続的な曲げ構造の導電線116aは、スタンピングやエッチングのような方法により形成されてもよい。連続的曲げ構造は、正弦波(sin wave)、矩形波(square wave)、ジグザグ波(zigzag wave)により導電線116の全長を増やす形状でもよく、それによって、導電線116aの全長と領域を調節することができ、高周波作動下の場合におけるデカップリングデバイス103のインダクタンス値を管理することができる。
【0036】
図6は、また別の実施の形態におけるデカップリングデバイスの概略図であり、コンデンサユニットは省略されている。図6を参照すると、このデカップリングデバイス104は、導電線116と直列或いは並列に接続する、インダクタンス特性を有する装置150を更に含む。このインダクタンス特性を具えた装置150は、例えばチップインダクターである。それによって、デカップリングデバイス104のインダクタンス値は、高周波作動状況下において管理されることができる。
【0037】
図7は、本発明のさらに別の実施の形態のデカップリングデバイスの概略断面図である。図7を参照すると、デカップリングデバイス105は、リードフレーム110、コンデンサユニット120と保護層PLを覆う包装素子160を有していてもよく、包装素子160は、リードフレーム110の底面を露出させる。
【0038】
図7では、保護層PLは、互いに積み重なった複数のコンデンサ120を包み、包装素子160がさらに保護層Plを包み、つまり、保護層PLは、包装素子160とこれらのコンデンサユニット120の間に位置する。保護層PLを具えたデカップリングデバイス100〜104を包むために、包装素子160がデカップリングデバイス100〜104に使用されてもよい。
【0039】
図7の実施の形態において、包装素子160は、包装層(つまり、包装樹脂を利用して形成された薄層)でもよい。包装素子160(包装層)は、これらのコンデンサユニット120とリードフレーム110を部分的に包み、包装素子160(包装層)は、サブカソード端子部112aとアノード端子部114aと114bの底面BSを露出する。コンデンサユニット120とリードフレーム110は、包装素子160(包装層)を介して装置に統合されてもよい。図7の実施の形態では、包装素子160(包装層)と保護層PLの協力を介して、デカップリングデバイス105は、保護層PLにより提供される保護役割を有することに加え、包装素子160により提供される外部の空気と水蒸気を隔絶する保護役割を更に有することができる。
【0040】
更に、包装素子160(包装層)は、これらのコンデンサユニット120全体を覆ってもよいので、保護層PLは、デカップリングデバイス105の保護を強化する必要がある位置にのみ配置されてもよく、これにより材料コストを節約することができる。
【0041】
図8は、図7の底面から観察されるデカップリングデバイスの概略図である。図9Aから図9Cは、それぞれ図8の線C−C´、線D−D´及び線E−E´に沿った概略断面図であり、図9Aから図9Cではコンデンサユニットは省略されている。
【0042】
図7、図8及び図9Aから図9Cを同時に参照すると、デカップリングデバイス105では、サブカソード端子部112aと112b及びアノード端子部114aと114bが、それぞれ更に、サブカソード端子部112aと112bの辺縁及びアノード端子部114aと114bの辺縁に位置する係合構造170を含み、係合構造170は、包装素子160(包装層)中に係り合う。
【0043】
係合構造170は、リードフレーム110が包装素子160(包装層)中により安定して取り付けられることを可能とし、それにより、包装層のリードフレーム110とコンデンサユニット120に対するラッピング効果と安定性を強化する。係合構造170は、例えば、サブカソード端子部112aと112bの辺縁及びアノード端子部114aと114bの辺縁をプレスすることによって形成される。
【0044】
さらに、図9Cに示すとおり、包装素子160(包装層)は、導電線116を完全に包むことができる。しかしながら、他の実施の形態では、包装素子160は、導電線116の一部を露出してもよい(図示せず)。包装素子160が導電線116の一部を露出する実施の形態においては、インダクタンスを管理するため、インダクタンス特性を具えた装置150が、図6に示される技術により、簡易に、露出された導電線116上に配置されることが可能である。
【0045】
図10は、本発明の実施の形態の基づく、また別のデカップリングデバイスの概略図である。図10を参照すると、デカップリングデバイス106もまた保護層PLを含み、図10のデカップリングデバイス106は、例えばコンデンサユニット120のカソード部122のみを包む。デカップリングデバイス106は、更に、サブカソード端子部112aと112b及びアノード端子部114aと114bの間で並列に接続される、少なくとも1つのセラミックコンデンサ180(図10に示す4つ)を含んでいてもよい。並列接続された追加のセラミックコンデンサ180により、デカップリングデバイス106の電気容量は、設計要求に基づき管理されることができる。
【0046】
図11は、本発明の実施の形態に基づく、更に別のデカップリングデバイスの概略図である。図11を参照すると、図11のデカップリングデバイス107は、図4中のデカップリングデバイス102と類似している。デカップリングデバイス107は、更に、コンデンサユニット120の上方でコンデンサユニット120を覆う、電磁波阻止板を含む。電磁波阻止板190を利用して、デカップリングデバイス107への外部の電磁波の電磁波干渉を隔絶することができる。電磁波阻止板190は、金属板でもよい。
【0047】
再び図11を参照すると、デカップリングデバイス107への外部の電磁波干渉を隔絶するため、電磁波阻止板190は、例えば、金属材料、導電性ポリマー材料、磁性金属酸化物、或いはナノスケール複合材料などから作られた、マスク型(反射型)、吸収型、或いはマスク型と吸収型を併せた多層型複合構造でもよい。デカップリングデバイス107の外部に位置する能動素子(図示せず)への電磁波の干渉を避けるため、電磁波阻止板190は、デカップリングデバイス107の内部電源信号伝送により生成される電磁波を遮断することもできる。図11に示すとおり、接地するために、電磁波阻止板190は、導電性接着剤140を介して、コンデンサユニット120のカソード部122により電気接続されてもよい。しかしながら、他の実施の形態では、電磁波阻止板190は、コンデンサユニット120のカソード部122により電気接続されなくてもよい。
【0048】
図12Aと図12Bは、本発明の別の2つの実施の形態に基づくデカップリングデバイスの概略断面図である。先ず、図12Aを参照すると、2つの蓋体が、複数のコンデンサユニット120を包むのに利用されてもよく、同じ装置は、同じ符号を付している。図12Aに示すように、デカップリングデバイス107aにおいて、包装素子160は、互いに対向する第1蓋体160aと第2蓋体160bを含む。第1蓋体160aと第2蓋体160bは、複数のコンデンサユニット120を包み、第1蓋体160aは、サブカソード端子部112a及びアノード端子部114aと114bの底面を露出している。二つの蓋体160aと160bにより複数のコンデンサユニット120を包む包装素子160は、簡易な製造と速やかな組み立ての利点を具えている。
【0049】
再び図12Bを参照すると、蓋体は、包装層と併せて、複数のコンデンサユニット120を包むのに利用することができる。図12Bを参照すると、デカップリングデバイス107a1中、包装素子160は、第1蓋体160aと包装層Rを含み、第1蓋体160aと包装層Rを併せて利用して複数のコンデンサユニット120を包む。包装層Rは、防水(water-resist)樹脂層又はその他の類似の材料でもよい。包装層Rは、第1蓋体160aに充填され第2蓋体160bに取って代わり、製造が容易である利点に加え、デカップリングデバイス107a1の抗水蒸気特性を大幅に向上させることができる。同様に、第1蓋体160aは、サブカソード端子部112a、アノード端子部114aと114bの底面を露出させてもよい。
【0050】
さらに、サブカソード端子部112aとアノード端子部114aと114bは、さらに、サブカソード端子部112aの辺縁とアノード端子部114aと114bの辺縁に配置された係合構造170を含み、係合構造170は、第1蓋体160a中に係り合う。その結果、係合構造170が第1蓋体160aを結合して、デカップリングデバイス107a全体の構造がより安定する。さらにまた、第1蓋体160aは、リードフレーム110の周囲に延伸部160a1を有している。コンデンサユニット120が積み重ねられた後、第2蓋体160bが、第1蓋体160a上に組み立てられる。
【0051】
図12の実施の形態では、保護層PLと包装素子160(第1蓋体160aと第2蓋体160b)を併せることにより、また第1蓋体160aと第2蓋体160bの簡単で容易な組み立てにより、包装組み立ての速度を向上することができる。図12では、保護層PLは、コンデンサユニット120のカソード部122とアノード部124を同時に包む。加えて、第1蓋体160aと第2蓋体160bにより形成される筐体中、異なるタイプの包装材料がさらに充填されてもよい。
【0052】
図13Aは、本発明のまた別の実施の形態に基づくデカップリングデバイスのコンデンサユニットの概略図である。図13Bは、同一平面上のコンデンサユニットをリードフレーム上に配置した概略図である。図13Cは、図13Aの線F−F´に沿った概略断面図である。図13Aから図13Cを併せて参照すると、このデカップリングデバイス107bは、図1Aから図1Cと図2Aのデカップリングデバイス100に類似しており、同じ装置は同じ符号を付している。
【0053】
デカップリングデバイス107bは、保護層PLを有していてもよい。図13Bと図13C中、コンデンサユニットのカソード部122を包む保護層PLを例として説明を行う。各コンデンサユニット120は、タンタルコンデンサによるコンデンサユニットであり、バルブ金属層120aはタンタル金属でできており、誘電層120bは酸化タンタルでできており、そしてカソード導電層120dはカーボンペーストと銀ペーストの混合物でできている。アノード部124は少なくとも延伸導電線を含んでおり、アノード端子部114aと電気的に接続される。
【0054】
より詳しくは、各コンデンサユニット120のアノード部124は、少なくとも1つの延伸導電線(図13Bでは2つ図示される)として形成されることができる。しかしながら、各コンデンサユニット120のアノード部124は、二つ以上の延伸導電線として形成されることができ、導電経路を短くする助けとなることができる。
【0055】
さらに、図13Cを参照すると、タンタルコンデンサがコンデンサユニットとして使用されるとき、互いに積み重ねられたアノード部124間の高さの差が発生する。従って、デカップリングデバイス107bは、互いに積み重ねられたコンデンサユニット組CU1とCU2のコンデンサユニット120のアノード部124間に位置する複数の導電スペーサSPを更に含むことができ、これにより、高さの差を補う。
【0056】
等価直列インダクタンス(ESL)を減らすために、デカップリングデバイス100から107bは、マルチ端子構造を採用し、隣接する端子間の電流伝送距離を短縮することができる。さらに、デカップリングデバイス100から107bは、コンデンサユニット120のアノード部124、カソード部122又はその両方に提供されて外部の水蒸気と酸素を防ぐことができる保護層PLを有しているので、高温高湿下でのアノードはんだジョイントが酸化する問題を防ぐことができ、コンデンサユニット120の導電ポリマー層120cと誘電層120bの間の空間に水蒸気が進入するのを防ぐことができる。
【0057】
以下、幾つかの実施の形態を例示して、ESLを効果的に減少させることができるデカップリングデバイスの構造を更に説明する。同様に図14から図17Cにおいても、デカップリングデバイスは保護層PLを有した設計でもよく、コンデンサユニットのアノード部124とカソード部122の少なくとも1つを包む。しかしながら、図面の識別が困難となることを避けるため、図14から図17C中、保護層PLについては省略する。
【0058】
図14は、図3のデカップリングデバイスの複数のコンデンサユニットが、同一平面上に配列される方式の概略図である。図15Aと図15Bは、複数のコンデンサユニットが同一平面上に配列される別の二つの方式の概略図である。先ず、図14を参照すると、コンデンサユニット120のカソード部122が、長さ方向DLにおいて互いに隣接して配置され、コンデンサユニット120のアノード部124が、幅方向DWで互いに隣接して配置される。図12より分かるとおり、電流伝送距離Pは、複数の端子間で形成される、つまり電流伝送距離Pは、アノード部124とカソード部122間に存在する。
【0059】
再び、図15Aと図15Bを参照すると、複数のコンデンサユニット120は、設定された方向(つまり、幅方向DW)で配列され、2つの隣接するコンデンサユニット120のアノード部124は、所定のスペーサ数Dで互いに互い違いに設けられ、Dは1以上とされる。
【0060】
図14を図15Aと図15Bと比較すると、図15Aと図15Bは、長い長さを有する側が幅方向DWと考えられ、短い長さを有する側が長さ方向DLと考えられるので、図15Aと図15Bは、“反転タイプ”のデカップリングデバイスを示している。
【0061】
更に詳細には、図15Aのデカップリングデバイス108a中、左から数えて一番目のコンデンサユニット120のアノード部124は下向きで、左から数えて二番目のコンデンサユニット120と三番目のコンデンサユニット120のアノード部124は上向きで、左から数えて四番目のコンデンサユニット120のアノード部124は、下向きであり、即ち、3つ目ごと(スペーサ数Dは2に等しい)のアノード部124について、アノード部124が、互いに互い違いとなるよう向き方向(上又は下)を変える。図15Aの電流伝送経路Pは、図12の電流伝送経路Pと比較して短く、比較的短い電流伝送経路Pは、ESL減少の効果を生み出すことができる。
【0062】
同様に、図15Bのデカップリングデバイス108bにおいて、左から数えて、1つごと(スペーサ数Dは1に等しい)のコンデンサユニット120のアノード部124は向き方向を変え、つまり、左から順に、コンデンサユニット120のアノード部124が、それぞれ下向き、上向き、下向き、上向きとなる。このように、図15Bのデカップリングデバイス108bは、電流伝送経路Pを短くできる他、図15Aのデカップリングデバイス108aのコンデンサユニットの一部(図15Aの中間の2つのコンデンサユニット120)間で電流伝送が存在しない状況と比較して、図15B中のデカップリングデバイス108bは、全ての隣接したコンデンサユニット120に電流伝送の役割を遂行させることができる。
【0063】
上記より分かるとおり、図15Aと図15Bの“反転タイプ”のデカップリングデバイス108bは、電流伝送経路Pを更に短くすることができ、それによりESLを更に減少させることができる。
【0064】
図16Aから図16Cは、本発明の実施の形態基づくマルチ端子構造を具えたまた別のデカップリングデバイスの概略図であり、そのうち図16Aは、デカップリングデバイスのリードフレームの概略図、図16Bは、同一平面上の複数のコンデンサユニットをリードフレーム上に配列した概略図、図16Cは、底面から観察したデカップリングデバイスの概略図である。
【0065】
デカップリングデバイス109aの構造は、図16Aから図16Cを参照することで理解できる。図16Aが示すとおり、リードフレーム110は、カソード端子部112と、カソード端子部112の両端に配置された少なくとも2つの対向するアノード端子部114aと114bを含む。2つのアノード端子部114aと114bは、導電線116を介して互いに電気接続される。カソード端子部112と2つのアノード端子部114aと114bは、8の端子構造T1からT8を形成することができ、絶縁層130が両端子構造間で利用され、カソード端子部112とアノード端子部114aと114bが互いに電気的に絶縁が可能となるようにされる。
【0066】
図16Bに示すとおり、同一平面上に位置する複数のコンデンサユニット120は、4つを一組としてコンデンサユニット組となるように配列され、それにより8の端子構造T1からT8を有するデカップリングデバイス109aを形成する。詳細には、図16Aから図16Cの実施の形態において、カソード端子部112とアノード端子部114aと114bは、8の端子構造T1からT8を含み、端子構造T1からT8は、互いに隣接するように配列され、隣接するコンデンサユニット120のアノード端子部124とカソード端子部122は、交互に配列される。
【0067】
図16Cに示すとおり、端子構造T1からT8の数は増加するので、隣接する二つの端子構造間の電流伝送経路Pは、短くすることができ、ESLを減少させることができる。
【0068】
図17Aから図17Cは、本発明の実施の形態に基づくマルチ端子構造を具えたまた別のデカップリングデバイスの概略図であり、そのうち、図17Aは、デカップリングデバイスのリードフレームの概略図、図17Bは、同一平面上の複数のコンデンサユニットをリードフレーム上で配列した概略図、図17Cは、底面から観察したデカップリングデバイスの概略図である。
【0069】
図17Aから図17Cのデカップリングデバイス109bは、図16Aから図16Cのデカップリングデバイス109aと類似しており、同じ装置は同じ符号を付す。図17Aから図17C中、リードフレーム110と複数のコンデンサユニット120を配列する方式で、10の端子構造T1からT10を形成する。端子構造T1からT10の数は、更に増加されるので、隣接する二つの端子構造間の電流伝送経路Pは、短くすることができ、ESLを更に効果的に減少させることができる。
【0070】
図18は、本発明の実施の形態に基づくデカップリングデバイスと市販のデカップリングデバイスのフィルター性能の曲線比較図である。
【0071】
本発明の実施の形態に基づくデカップリングデバイスにおいて、4つを1グループとするコンデンサユニット120を同一平面上に配列し(配列方法は、図3に示すとおり)、4層に積み重ねると、このデカップリングデバイスのESRは、100KHz時において1mΩであり、曲線210で表される。従来の貫通型でカップリングデバイスは、曲線220で表される。図18において、垂直軸は、透過信号/入射信号の比率、水平軸は、デカップリングデバイスの動作周波数である。
【0072】
図18を参照すると分かるとおり、貫通型でカップリングデバイス(曲線220)が高周波(100MHz以上)のとき、フィルター性能が明らかに悪化する(曲線220が上方向へ増加する)。しかしながら、本発明の実施の形態に基づくデカップリングデバイス(曲線210)は、高周波(100MHz)においてもまだ優れたフィルター性能(曲線210が下向きに減少する)を有し、つまり、高周波(100MHz以上)のとき、本発明の実施の形態に基づくデカップリングデバイスの比率(透過信号/入射信号)は、貫通型でパックリングデバイスと比較して低い。
[複数のコンデンサユニットが互い違いに積み重なって、並列に配列されたデカップリングデバイス]
【0073】
図19は、本発明のまた別の実施の形態に基づくデカップリングデバイスの概略図である。図19を参照すると、このデカップリングデバイス200中、複数のコンデンサユニット120は、互いに、互い違いに、積み重なって、並列に配列され、リードフレーム110上に配置される。
【0074】
図19を参照すると、所謂、相互堆積デカップリングデバイス200とは、リードフレーム110が2つのアノード端子部114aと114bを有し、サブカソード端子部112aが2つのアノード端子部114aと114bの間に位置する。シートコンデンサユニットがコンデンサユニット120として使用され、各シートコンデンサユニット120が互いに対向する1つのカソード部122と1つのアノード部124を有する。コンデンサユニット120は、リードフレーム110上に積み重ねられ、コンデンサユニット120の積み重ね方法は以下の通りである。コンデンサユニット120のカソード部122を対称の中心としてシートコンデンサユニット120を交互に積み重ね、アノード部124が左右交互となるよう配置される。さらにまた、カソード部122は、サブカソード端子部112aと電気接続され、アノード部124は、アノード端子部114aと114bと電気接続される。
【0075】
同様に、デカップリングデバイス200は、保護層PLと包装素子160を有していてもよく、高温高湿下でのアノードはんだジョイントが酸化する問題を防ぐことができ、コンデンサユニット120の導電ポリマー層と誘電層の間の空間に水蒸気が進入することにより誤った電気容量現象が発生するのを防ぐことができる。
【0076】
図7の実施の形態の包装素子160は、図7で示される包装層を採用するが、図12に示される第1蓋体160aと第2蓋体160bを採用してもよい。
[デカップリングデバイスの製造方法]
【0077】
図20は、本発明の実施の形態に基づくデカップリングデバイスの製造方法ステップのフローチャートである。図20を参照すると、デカップリングデバイス製造方法300はステップS310からS340を含む。
【0078】
本発明の実施の形態に基づくデカップリングデバイスの製造方法については、図1から図19の何れのデカップリングデバイスをも参考とすることにより理解することができる。
【0079】
先ず、ステップS310では、リードフレームが提供され、そのうちカソード端子部と、カソード端子部の両端に配置される少なくとも2つの対向するアノード端子部を含む。2つのアノード端子部は、導電線を介して互いに電気接続される。
【0080】
次に、ステップS320において、複数のコンデンサユニットが提供され、これらのコンデンサユニットは、並列に接続され、リードフレーム上に配置される。各コンデンサユニットは、互いに対向するカソード部とアノード部を具える。コンデンサユニットのカソード部は、カソード端子部と電気接続される。コンデンサユニットのアノード部は、アノード端子部と電気接続される。
【0081】
その後、ステップS330において、保護層が提供され、コンデンサユニットのアノード部とカソード部の少なくとも1つが包まれる。
【0082】
続いて、ステップS340において、包装素子が提供され、リードフレーム、コンデンサユニット、保護層が覆われ、包装素子がリードフレームの底面を露出させる。
【0083】
デカップリングデバイスの製造方法300において、何れの素子についても図1から図19で詳細に説明されているので、ここでは繰り返し説明は行わない。
【0084】
表1は、デカップリングデバイスのアノード部が高温高湿処理を行われた後の歩留まり変化を示したものであり、保護層が適用されるデカップリングデバイスと保護層が適用されないデカップリングデバイスの異なる高温、高湿環境化での製造歩留まりの値比較を示しており、そのうち+は、保護層がコンデンサユニットのアノード部のみを包むことを表し、+−は、保護層がコンデンサユニットのアノード部とカソード部の両方を包むことを表す。
【0085】
【表1】

【0086】
表1から分かるとおり、保護層がアノード部を保護したとき、アノード部が高温高湿処理をされたとしても、一定の製造歩留まりを維持することができる(例3から5の如く)。更に、例1から2と例3から5を比較すると分かるとおり、使用される材料の抗水蒸気特性もまた製造歩留まりに影響する。
【0087】
表2は、カソード部が高温高湿処理をされた後のデカップリングデバイスのカソード部の水蒸気の侵入によりおこる誤った電気容量変化を示したものである。保護層が適用されるデカップリングデバイスと保護層が適用されないデカップリングデバイスの異なる高温、高湿環境化での電気容量の値比較を示しており、そのうち+は、保護層がコンデンサユニットのアノード部のみを包むことを表し、+−は、保護層がコンデンサユニットのアノード部とカソード部の両方を包むことを表す。
【0088】
【表2】

【0089】
表2から分かるとおり、アノード部とカソード部を保護する保護層があるとき、アノード部とカソード部が高温高湿処理をされたとしても、誤った電気容量の発生を抑制することができる(例1から5の如く)。アノード部とカソード部を保護する保護層がないとき、水蒸気による誤った電気容量の発生はより高くなる(比較例の如く)。
【0090】
手短に言えば、デカップリングデバイスが包装された後、90℃で相対湿度95%の環境下で、6.3ボルトの電圧を印加してデカップリングデバイスを2から6時間テストし、その後デカップリングデバイスに真空状態で105℃の熱処理を行い、デカップリングデバイスの特性を計測するとともに、電気容量変化率を比較した。
【0091】
表1と表2の結果から分かるとおり、150℃で二時間乾燥させ、真空下に8時間放置した後に計測した電気容量値を100とすると、常温恒湿環境下で、保護層を充填したデカップリングデバイスのサンプルの電気容量変化の範囲(例1から例3)は、8%未満であり、保護層を充填していないデカップリングデバイスの電気容量変化の範囲(比較例)は、16%より大きい(誤った電気容量が存在することに起因する結果)。
【0092】
その上、例1から例3のサンプルの製造歩留まりも効果的に向上され、最高で90%以上にまで向上することができる。しかし、比較例の保護層を充填していないデカップリングデバイスの製造工程歩留まりは、47%の低さである(なぜなら、水蒸気と高温により内部素子への損害が増加するからである)。
【0093】
従って、本発明の実施の形態から分かるとおり、保護層を使用したデカップリングデバイスは、かなり優れた技術効果を達成することができ、保護層を使用しないデカップリングデバイスと比較して、本発明の実施の形態のデカップリングデバイスは、電気容量の安定性と装置製造における歩留まりを大幅に改善することができる。
【0094】
図21は、この実施の形態に基づく保護層を具えたデカップリングデバイスと保護層を具えていないデカップリングデバイスのリーク電流(leakage currents/LCs)の曲線図である。図21を参照すると、縦軸は、LCの値(μA)を示し、横軸は、老化試験(aging test)、90℃及び95%RHの恒温恒湿試験、105℃の高温で500時間の寿命試験、105℃の高温で1000時間の寿命試験などのテスト環境において、6.3ボルトの電圧を印加したデカップリングデバイスのLC示し、テスト状態は、連続的であり、左から右へ累積される。
【0095】
図21を参照すると、曲線Aは、本発明の実施の形態の保護層を具えたデカップリングデバイスのLCを示し、曲線Bは、保護層を具えていないデカップリングデバイスのLCを示しており、曲線Aを曲線Bと比較すると分かるとおり、この実施の形態の保護層を具えたデカップリングデバイスのLCは低く、テスト時間の経過が長いほど(1000時間)、本発明の実施の形態の保護層を具えたデカップリングデバイスのLCは、かなり低くなる。
【0096】
図22は、この実施の形態に基づく、保護層を具えたデカップリングデバイス、保護層を具えていないデカップリングデバイスの適正品(qualified product)、保護層を具えていないデカップリングデバイスの不良品(unqualified product)の電気容量変化のパーセンテージの曲線図である。図22を参照すると、縦軸は、電気容量変化のパーセンテージ(△Cap)の値(%)を示し、横軸は、老化試験(aging test)、90℃及び95%RHの恒温恒湿試験、105℃の高温で500時間の寿命試験、105℃の高温で1000時間の寿命試験などのテスト環境において、6.3ボルトの電圧を印加したデカップリングデバイスの電気容量変化パーセンテージを示し、テスト状態は、連続的であり、左から右へ累積される。
【0097】
図22を参照すると、曲線Aは、本発明の実施の形態の保護層を具えたデカップリングデバイスの電気容量変化のパーセンテージの曲線を示し、曲線Bは、保護層を具えていないデカップリングデバイス(適正品)の電気容量変化のパーセンテージの曲線を示しており、曲線Cは、保護層を具えていないデカップリングデバイス(不良品)の電気容量変化のパーセンテージの曲線を示している。曲線Aと、曲線B、曲線Cと比較すると分かるとおり、この実施の形態の保護層を具えたデカップリングデバイスの電気容量変化のパーセンテージ曲線変動は最も低く、曲線Cの電気容量変化のパーセンテージ曲線変動が最も大きい。さらに、保護層を具えていないデカップリングデバイス(適正品)の電気容量変化のパーセンテージの曲線も僅かに変動している。従って、これより分かるとおり、本発明の実施の形態のデカップリングデバイスは、安定した電気容量変化を具える。
【0098】
図23は、この実施の形態に基づく、保護層を具えているデカップリングデバイスと保護層を具えていないデカップリングデバイスのDFsの曲線図である。図23を参照すると、縦軸は、DFのパーセンテージ(%)を示し、横軸は、老化試験(aging test)、90℃及び95%RHの恒温恒湿試験、105℃の高温で500時間の寿命試験、105℃の高温で1000時間の寿命試験などのテスト環境において、6.3ボルトの電圧を印加したデカップリングデバイスのDFを示し、テスト状態は、連続的であり、左から右へ累積される。DFは、デカップリングデバイスが、電界作用下での単位時間における、熱生成により消費されるエネルギーである。
【0099】
図23を参照すると、曲線Aは、本発明の実施の形態の保護層を具えたデカップリングデバイスのDFを示し、曲線Bは、保護層を具えていないデカップリングデバイスのDFを示しており、曲線Aと曲線Bを比較すると分かるとおり、この実施の形態の保護層を具えたデカップリングデバイスのDFは低く、保護層を具えていないデカップリングデバイスのDFは高く、105℃の高温状況下で500時間のDFがかなり高い。
【0100】
図24は、この実施の形態に基づく、保護層を具えているデカップリングデバイスと保護層を具えていないデカップリングデバイスの等価直列抵抗(equivalent series resistances /ESR)の曲線図である。図24を参照すると、縦軸は、デカップリングデバイスが100KHzの状況下で作動している時のESRの値(mΩ)を示し、横軸は、老化試験(aging test)、90℃及び95%RHの恒温恒湿試験、105℃の高温で500時間の寿命試験、105℃の高温で1000時間の寿命試験などのテスト環境において、6.3ボルトの電圧を印加したデカップリングデバイスのESRを示し、テスト状態は、連続的であり、左から右へ累積される。
【0101】
図24を参照すると、曲線Aは、本発明の実施の形態の保護層を具えたデカップリングデバイスのESRを示し、曲線Bは、保護層を具えていないデカップリングデバイスのESRを示しており、曲線Aと曲線Bを比較すると分かるとおり、この実施の形態の保護層を具えたデカップリングデバイスのESRは低く、保護層を具えていないデカップリングデバイスのESRは高い。
【0102】
上記から分かるとおり、本発明に基づくデカップリングデバイスは、少なくとも以下のような利点がある。
【0103】
保護層は、コンデンサユニットのアノード部とカソード部の少なくとも1つを覆い、保護層は、コンデンサユニットと包装素子の間に位置するので、アノード部間のアノードはんだジョイントに外部から水蒸気と熱エネルギーが侵入することを効果的に防止することができ、更にコンデンサユニットの導電ポリマー層と誘電層の間の空間に水蒸気が侵入することを防ぐので、デカップリングデバイスは、良好な装置特性を具えることができる。
【0104】
さらに、複数のコンデンサユニットは、コンデンサユニットが同一平面上に配列される方式で、互いに並列接続される、或いは、コンデンサユニットが互いに、互い違いに、積み重ねられ、並列に配列される方式で、リードフレーム上に積み重ねられ、そのうち、コンデンサユニットが同一平面上に配列され、互いに並列接続される方式は、非常に簡単であり、ESRを効果的に減少させることができる。
【0105】
その上、デカップリングデバイスは、リードフレームとコンデンサユニットの配列方法を設計することによりマルチ端子構造を形成することができ、これにより、複数の端子間の電流伝送経路を短くすることができ、それによりESLを減少させることができる。
【0106】
さらにまた、デカップリングデバイスの2つのアノード部間に形成される伝送線構造を利用することができる。この伝送線構造は、高周波作動間における誘導子を生成することができ、誘導子とコンデンサは、等価フィルター回路を形成することができるので、それによりデカップリングデバイスに更にフィルター効果を具えさせることができる。
【0107】
以上のように、この発明を実施形態により開示したが、もとより、この発明を限定するためのものではなく、当業者であれば容易に理解できるように、この発明の技術思想の範囲内において、適当な変更ならびに修正が当然なされうるものであるから、その特許権保護の範囲は、特許請求の範囲および、それと均等な領域を基準として定めなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0108】
本発明のデカップリングデバイスは、コンデンサユニットのアノード部とカソード部の少なくとも1つに提供される保護層を有し、それにより、アノードはんだジョイントが高温高湿下で酸化される問題を防ぐことができ、コンデンサユニットの導電ポリマー層と誘電層の間の空間に水蒸気が侵入することにより起こる誤った電気容量現象を防ぐことができる。
【符号の説明】
【0109】
100、101〜107b デカップリングデバイス
108a〜108b、109a〜109b、200 デカップリングデバイス
110 リードフレーム
112 カソード端子部
112a、112b サブカソード端子部
114a、114b アノード端子部
116、116a 導電線
118 粗構造
120 コンデンサユニット
120a バルブ金属層
120b 誘電層
120c 導電ポリマー層
120d カソード導電層
122 カソード部
124 アノード部
126 絶縁部
130 絶縁層
140 導電性接着剤
150 インダクタンス特性を有する装置
160 包装素子
160a 第1蓋体
160a1 延伸部
160b 第2蓋体
170 係合構造
180 セラミックコンデンサ
190 電磁波阻止板
210〜220、AからC 曲線
300 デカップリングデバイス製造方法
400 固体電解質コンデンサ
410 コンデンサユニット
412 カソード部
414 アノード部
420 リードフレーム
422 カソード端子
424 アノード端子
430 アノードはんだジョイント
BS 底面
CU1 第1コンデンサユニット組
CU2 第2コンデンサユニット組
CU3 第3コンデンサユニット組
CU4 第4コンデンサユニット組
C コンデンサ
D スペーサ数
DL 長さ方向
DW 幅方向
H 熱エネルギー
L 誘導子
P 電流伝送経路
PL 保護層
R 包装層
S スペース
S310〜S340 ステップ
SP 導電スペーサ
T1〜T10 端子構造
W 水蒸気

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カソード端子部と、前記カソード端子部の両端に配置され互いに対向する少なくとも2つのアノード端子部を有し、2つの前記アノード端子部が導電線を介して互いに電気接続される、リードフレームと、
並列に接続されて前記リードフレーム上に配置され、それぞれが互いに対向するカソード部とアノード部を具え、前記カソード部が前記カソード端子部と電気接続され、前記アノード部が前記アノード端子部と電気接続される、複数のコンデンサユニットと、
前記コンデンサユニットの前記アノード部と前記カソード部の少なくとも1つを包むための保護層と、
前記リードフレーム、前記コンデンサユニットと前記保護層を覆い、前記リードフレームの底面を露出させる、包装素子とを
具えたデカップリングデバイス。
【請求項2】
前記保護層PLの材料が、シリコン樹脂、シリコンゴム、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリウレタン、液晶プラスチックとその組合せから選択される請求項1に記載のデカップリングデバイス。
【請求項3】
前記コンデンサユニットが同一平面上に位置し、互いに並列に配列され、前記リードフレーム上に配置される請求項1に記載のデカップリングデバイス。
【請求項4】
前記コンデンサユニットが、互いに、互い違いに、積み重ねられ、並列に配列されて、前記リードフレーム上に配置される請求項1に記載のデカップリングデバイス。
【請求項5】
更に、互いに積み重なった前記コンデンサユニットの前記アノード部間に位置する、複数の導電スペーサを含む請求項1に記載のデカップリングデバイス。
【請求項6】
前記カソード端子部が、スペースを具え、前記導電線が前記スペース中に配置される請求項1に記載のデカップリングデバイス。
【請求項7】
前記導電線が連続的な曲げ構造である請求項1に記載のデカップリングデバイス。
【請求項8】
更に、直列又は並列で前記導電線と接続するインダクタンス特性を具えた装置を含む、請求項1に記載のデカップリングデバイス。
【請求項9】
前記カソード端子部が、更に、前記カソード端子部の表面に位置する粗構造を含む、請求項1に記載のデカップリングデバイス。
【請求項10】
前記包装素子が、包装層であり、前記包装層が、前記コンデンサユニットと前記リードフレームの一部を包み、前記包装層が前記カソード端子部と前記アノード端子部の底面を露出させる、請求項1に記載のデカップリングデバイス。
【請求項11】
前記カソード端子部と前記各アノード端子部が、更に、前記カソード端子部の辺縁と前記アノード端子部の辺縁に配置されて、前記包装層と係り合う係合構造を含む、請求項10に記載のデカップリングデバイス。
【請求項12】
前記包装層が、前記導電線を完全に包む、或いは前記導電線の一部を露出する請求項10に記載のデカップリングデバイス。
【請求項13】
前記包装素子が、互いに対向する第1蓋体と第2蓋体を含み、前記第1蓋体と前記第2蓋体が、前記コンデンサユニットを包み、前記第1蓋体が、前記カソード端子部と前記アノード端子部の底面を露出する請求項1に記載のデカップリングデバイス。
【請求項14】
前記カソード端子部と、前記各アノード端子部が、更に、前記カソード端子部の辺縁と前記アノード端子部の辺縁に配置され、前記第1蓋体と係り合う、係合構造を含む、請求項13に記載のデカップリングデバイス。
【請求項15】
前記包装素子が、第1蓋体と包装層を含み、前記第1蓋体が前記カソード端子部と前記アノード端子部の底面を露出し、前記包装層が、第1蓋体中に充填され、前記第1蓋体と前記包装層が前記コンデンサユニットを包む、請求項1に記載のデカップリングデバイス。
【請求項16】
更に、前記カソード端子部と前記アノード端子部間を並列に接続する、少なくとも1つのセラミックコンデンサを含む、請求項1に記載のデカップリングデバイス。
【請求項17】
更に、前記コンデンサユニットの上方で、前記コンデンサユニットを覆う電磁波阻止板を含む請求項1に記載のデカップリングデバイス。
【請求項18】
前記電磁波阻止板が、前記コンデンサユニットに電気接続される請求項17に記載のデカップリングデバイス。
【請求項19】
各前記コンデンサユニットが、
バルブ金属層と、
前記バルブ金属層上に形成される誘電層と、
前記誘電層上に形成される導電ポリマー層と、
前記導電ポリマー層上に形成されるカソード導電層と、を含む、請求項1に記載のデカップリングデバイス。
【請求項20】
各前記コンデンサユニットが、タンタルコンデンサを具えたコンデンサユニットであり、そのうち、
前記バルブ金属層がタンタル金属でできており、前記誘電層が酸化タンタルでできており、前記カソード導電層がカーボンペーストと銀ペーストの混合物でできており、前記アノード部は、前記アノード端子部と電気接続される延伸導電線を少なくとも含む、請求項19に記載のデカップリングデバイス。
【請求項21】
バルブ金属層の材料が、アルミニウム、タンタル、ニオブ、酸化ニオブ、チタン及びその組み合わせから選択され、前記誘電層は、前記バルブ金属層の金属酸化物である、請求項19に記載のデカップリングデバイス。
【請求項22】
更に、導電線の上方に配置される絶縁層を含み、前記絶縁層は、前記カソード端子部と前記アノード端子部を互いに電気的に絶縁することを可能とする、請求項1に記載のデカップリングデバイス。
【請求項23】
前記コンデンサユニットは設定された方向で配列され、2つの隣接するコンデンサユニットの前記アノード部は、所定のスペーサ数Dで互いに互い違いに設けられ、Dは1以上とされる、請求項1に記載のデカップリングデバイス。
【請求項24】
前記カソード端子部と前記アノード端子部が、複数の端子構造を含み、前記端子構造が互いに隣接して配列され、前記隣接するコンデンサユニットの前記アノード部と前記カソード部が交互に配列される請求項1に記載のデカップリングデバイス。
【請求項25】
カソード端子部と前記カソード端子部の両端に配置された互いに対向する少なくとも2つのアノード端子部とを含むリードフレームが提供され、そのうち2つのアノード端子部が、導電線を介して互いに電気接続されることと、
複数のコンデンサユニットが提供され、前記コンデンサユニットが、並列に接続され、前記リードフレーム上に配置され、各前記コンデンサユニットが、互いに対向するカソード部とアノード部を有し、前記コンデンサユニットの前記カソード部が前記カソード端子部に電気接続され、前記コンデンサユニットの前記アノード部が前記アノード端子部に電気接続されることと、
前記コンデンサユニットの前記アノード部と前記カソード部の少なくとも1つを包むための保護層が提供されることと、
前記リードフレーム、前記コンデンサユニット、前記保護層を覆う包装素子が提供され、前記包装素子が前記リードフレームの底面を露出することと、を含むデカップリングデバイスの製造方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図17A】
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【図17B】
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【図17C】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2013−106039(P2013−106039A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−189169(P2012−189169)
【出願日】平成24年8月29日(2012.8.29)
【出願人】(390023582)財團法人工業技術研究院 (524)
【住所又は居所原語表記】195 Chung Hsing Rd.,Sec.4,Chutung,Hsin−Chu,Taiwan R.O.C