説明

デザインバーコード。

【課題】最近、各種紙媒体上で目にすることが多くなったバーコード、QRコードは、バーコードリーダーを利用することで記録されたデータに容易に直接アクセス出来て利便性はきわめて高いと言える
一方で、名刺等、面積の限られる小さな紙媒体に配置する場合はデザイン上での制約を受けずにはいられなかった。結果として対象印刷媒体のデザインの自由度は低かったと言える。
【解決手段】通常、バーコードは白地と黒もしくは濃色の2色を組み合わせたものがほとんどである。
技術仕様上は必ずしも上記2色のみの組み合わせである必要は無く、高反射率と低反射率の部分を2つに明確に区別して認識できればバーコードとしての機能は成立するので、複数色で塗り分け迷彩柄を模したデザインにしたり、画像、イラストを墨塗り部分の形でマスクして配置する等、その技術仕様の範囲内でデザイン性を持たせたことを特徴とするバーコードのデザイン手法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バーコード、QRコードのデザイン利用に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のバーコード、QRコードを紙媒体に印刷する場合、白地に黒墨もしくは濃色のコードで色分けされていた。
二進法を大原則とするデジタル技術特有のものだから、白黒はっきりつける物だと決めつけた旧来的、石頭的な解釈と、確実な読み込みのためにもっともコントラストが鮮明に確保出来るためと言う理論的な解釈のためにその組み合わせがほとんどであった。
原理的には色分けされ反射率の異なる2つの面の幅や面積、形状を認識してそれをデジタルデータに変換しているシステムだから、反射率の異なる2つの面が明確に定義されておれば、必ずしも白と黒と言う色の組み合わせでなくとも問題なくデータの判読は出来る。
同じく、通常は白地のままにされている高反射率部分も低反射率部分との対比で明確に異なる反射率が確保出来れば、必ずしも白色であることを要求されない。
さらに、 高反射率、低反射率部分はともに、同一ブロック内に複数の色が混在していても同様に認識が可能である。
また、その利便性からQRコードを各種印刷物に刷り込む機会が増えて来ているが、面積的な制約によってデザイン的には全く未消化としか言えないものであった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
近年、名刺に電話番号等を記録したQRコードを印刷する機会が多くなったが、一般的なサイズ、91×55ミリメートルの限られた名刺の面積の中に判読性を考慮した場合のサイズ約20ミリメートル四方のQRコードを配置するためにはデザイン上の制約が多かった。
名刺に限らず、バーコード、QRコードを既存ペーパーメディアに配置する場合は、デザイン的制約が不可避だった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
以上の課題を解決するために、第一発明は、バーコード、QRコードの墨塗り(低反射率)部分をブロックごとに色分け、もしくは墨塗り部分に絵柄を配置したバーコードデザインである。
また、同時に通常は白抜きに処理される高反射率部分に画像濃度を20パーセント以下程度に抑えた上記画像を配置して画像の判読性をあげてもバーコードの認識は可能である。
【0005】
又は予め配置した画像の上に透過率20パーセント程度以下の白色インクを高反射率とすることを要求される部分の形状にオーバープリントすることで同様の結果が期待出来る。この場合はより複雑な画像を配置することが可能となり、デザインの自由度が増す。
【発明の効果】
【0006】
本発明の効果により名刺、パッケージ等限られた面積の印刷物上におけるバーコードデザインの自由度が向上する。
バーコード下に配置した画像に対しモザイクをかけた様なビジュアル効果が得られる。
意外性あるデザインに起因するアイキャッチの効果と話題性からバーコード内データへのアクセス率が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
まず、バーコード下に配置する画像は全体的に均一な明度の低コントラストの画像でである事が望ましい。
そして、別途専用ソフトで生成したバーコードから分離した墨(低反射率)部分をマスクとして配置して上記配置画面を切り抜き、低反射率部分として定義する。
そして、その下に上記の低反射率部分より一回り大きな余白部分を配置するか、上記配置画像と同様のものを透明度20パーセント以下程度に加工したものを配置して高反射率部分として定義する。
【実施例1】
【0008】
図1は本発明の一実施形態である。
バーコード画像2の大きさに合わせて用意した配置画像1を、別途生成したバーコード画像2から分離生成した墨部分3をマスクとして配置画像1の上に配置、低反射率部分を生成する。
別途余白部分4を下に配置し高反射率部分として定義する。
そして、低反射率部分と高反射率部分を合わせてバーコード5を生成する。
【実施例2】
【0009】
図2は本発明のもうひとつの実施形態である。
予め配置した画像6に別途生成したバーコード画像2から抽出した低反射率部分7に相当する部分に80パーセント程度の白インク、正面に対し効率よく反射するニスをオーバープリント設定して、高反射率部分を定義することによって、画像8が生成される。
【0010】
「実施形態の効果」
この実施形態1、2によれば、バーコード面に別途映像情報を重ねることが出来、情報密度の高密度化出来るとともに、デザインの自由度が増す。
また、実施形態2によればベースとなるデザインに与える影響を最小限に抑えながらバーコードを配置することが出来る。
【0011】
「他の実施形態」
実施例2では白色インクのオーバープリントのよって高反射率部分を定義していたが、代わりに正面方向からの光を効率的に反射する様に調整された透明色のホログラムシートをブロック形状に貼付けることで高反射率部分を生成しても良い。
この場合はホログラムシートの性質次第では配置画像6に与える影響をより少なくして、バーコードを配置出来る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態を示す略図である。
【図2】請求項2による本発明の実施形態の平面図である。
【図3】本発明の概念による実施例である。
【0013】
1 配置画像。
2 バーコード画像。
3 バーコード低反射率ブロック部分。
4 バーコード高反射率部分。
5 合わせて生成されたバーコード。
6 写真等の配置画像。
7 バーコードから抽出した高反射率部分。
8 バーコードを合成された画像。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バーコード、二次元バーコード、QRコードの墨塗りに相当する部分を複数色に塗り分ける等、画像、イラスト、文字等を潜像として配置してデザインに自由度を持たせたことを特徴とするバーコードのデザイン。
【請求項2】
画像、イラスト、文字等の上に、バーコード、二次元バーコード、QRコードの白い余白に相当する部分に高反射率確保を目的とした加工を施すことにより、画像等を配置する際のデザインに自由度を持たせたことを特徴とするバーコードのデザイン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−309287(P2006−309287A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−127321(P2005−127321)
【出願日】平成17年4月26日(2005.4.26)
【出願人】(305012393)
【Fターム(参考)】