デザイン支援プログラム
【課題】パッケージ等のデザインにおいて、検討すべき課題を明確とするとともに、その定量的な評価を可能とすることでデザイン開発の方向性に客観性を持たせることのできるデザイン支援プログラムを提供する。
【解決手段】コンピュータに、複数の課題種類データを表示させ、複数の課題種類データ各々に対し数値データを付与し、複数の課題種類データ及び複数の課題種類データに付与された数値データに基づき検討種類データを表示させ、複数の検討種類データに対し検討結果データを入力させ、検討結果データに基づき、評価データを作成し表示する、デザイン支援プログラムとする。
【解決手段】コンピュータに、複数の課題種類データを表示させ、複数の課題種類データ各々に対し数値データを付与し、複数の課題種類データ及び複数の課題種類データに付与された数値データに基づき検討種類データを表示させ、複数の検討種類データに対し検討結果データを入力させ、検討結果データに基づき、評価データを作成し表示する、デザイン支援プログラムとする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デザイン支援プログラムに関し、より具体的には、パッケージデザインの支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
製品のパッケージデザインは、他社との製品を差別化するための標識としての機能を有するのみならず、消費者の購買意欲を誘起させる非常に重要な要素の一つとなっている。
【0003】
このパッケージデザインを支援する方法として、例えば下記特許文献1で示されるように、通信回線を介してアクセス可能なサーバにパッケージデザインを3D画像として記録し、上記通信回線にアクセスして3D画像を受信し、上記3D画像を表示させるパッケージデザイン支援ソフトウェアに関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−190254号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示の技術はあくまで作成されたパッケージデザインを記録するためのものであって、パッケージデザインを評価するためのものではない。パッケージデザインの評価は人間の感性に大きく起因するものであり、どのような評価を行なうのか、評価に対しどのようにデザインを改良すべきかといった指標は非常に曖昧であるといった課題がある。
【0006】
そこで、本発明は上記課題を鑑み、パッケージ等のデザインにおいて、検討すべき課題を明確とするとともに、その定量的な評価を可能とすることでデザイン開発の方向性に客観性を持たせることのできるデザイン支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するための第一の手段として、コンピュータに、複数の課題種類データを表示させ、複数の課題種類データ各々に対し数値データを付与し、複数の課題種類データ及び複数の課題種類データに付与された数値データに基づき検討種類データを表示させ、複数の検討種類データに対し検討結果データを入力させ、検討結果データに基づき、評価データを作成し表示するデザイン支援プログラムとする。
【発明の効果】
【0008】
以上本発明は、上記手段により、パッケージ等のデザインにおいて、検討すべき課題を明確とするとともに、その定量的な評価を可能とすることでデザイン開発の方向性に客観性を持たせることのできるデザイン支援プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施形態に係るパッケージデザイン支援プログラムのフローの概略を示す図である。
【図2】実施形態に係るパッケージデザイン支援プログラムの表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は多くの異なる形態による実施が可能であり、以下に示す実施形態に記載された例示に限定されるものではない。
【0011】
図1は、本実施形態に係るデザイン支援プログラム(以下「本プログラム」という。)の概略を示す図である。本図で示されるように、本プログラムは、コンピュータに、(A)複数の課題種類データを表示させ、(B)複数の課題種類データ各々に対し数値データを付与し、(C)複数の課題種類データ及び複数の課題種類データに付与された数値データに基づき検討種類データを表示させ、(D)複数の検討種類データに対し検討結果データを入力させ、(E)検討結果データに基づき、評価データを作成し表示する。
【0012】
本プログラムを使用するユーザーは、限定されるわけではないが、具体的にはパッケージデザインを開発するデザイナーが具体的に想定される。ユーザーは、顧客からパッケージデザイン開発の依頼を受けた場合、このパッケージデザインの希望についてヒアリングを行い、その要求するデザイン性能を把握し、課題を抽出、入力することで検討すべき実験などの種類(検討種類)を抽出する。そしてユーザーは、パッケージデザイン開発を行いパッケージデザインの案について上記抽出した検討種類について実験を行いデータを複数取得する。そしてこのデータを入力することで、従来のパッケージデザインとどの程度優れているのかを把握し、十分に優れており目的を達成していると考える場合はこのパッケージデザインを確定し、十分に達成していないと考えられる場合は、改めてパッケージデザイン開発を行い、同様の手順を繰り返すことで、客観的にパッケージデザインを評価することができるようになる。
【0013】
本プログラムは、限定されるわけではないが、コンピュータのハードディスクに格納され、ユーザーの実行作業(例えばダブルクリック等の処理)によって、機能するようにしておくことが簡便であり好ましい。コンピュータは、一般に、表示装置と、ハードディスクなどの記録媒体を有する情報処理装置とを有しており、情報処理装置の処理結果を表示装置に表示することができる。表示装置は、公知のものを使用することができ、例えば液晶ディスプレイ等を用いることができる。
【0014】
次に、本プログラムの処理について、具体的に説明していく。まず、本プログラムは、ユーザーに対し(A)複数の課題種類データを表示させる。表示は、表示装置に対して行わせる。
【0015】
ここで「課題種類データ」は、ユーザーが選択すべき課題の種類のデータであって、例えばユーザーがクライアントからパッケージデザインの改良等について依頼を受けた場合、クライアントからヒアリングを行い、解決すべき課題を選択又は重み付けを行う。ここで課題種類データは、クライアントが所望する改良点に対応した課題のデータであることが好ましく、例えば、 「識別性データ」、「誘目性データ」、「嗜好性データ」を含ませることは好ましい一例である。
【0016】
ここで「識別性データ」は、パッケージデザインが他製品と区別することができる程度の大きな違いを有することが必要である場合に選択する課題データをいう。ここで「他製品」とは、限定されるわけではないが、例えば他社の同種商品である場合や、自社の他の商品との区別、自社の改良前の同一商品である場合もある。
【0017】
またここで「誘目性データ」は、パッケージデザインが消費者の購買意欲を誘引することが必要である場合に選択する課題データをいう。消費者の購買意欲を誘引することによって、売上増が期待されるため、当然に課題として列挙される。この場合、他製品とは大きく異なり、目立つことが有用となる。
【0018】
またここで「嗜好性データ」とは、他社の商品に対し、消費者によりよい印象を与えているか否かを注目する場合に選択する課題データをいう。消費者によりよい印象を与えることで売上増が期待されるために列挙される課題である。
【0019】
次に、ユーザーは、上記表示された課題種類を確認し、(B)複数の課題種類データ各々に対し数値データを付与する。具体的には、ユーザーは、上記表示された複数の課題種類データ各々に対し、数値データを入力し、重み付けを行なう。例えば図2に、本実施形態に係る課題種類データへの数値データの概略図を示しておく。本図では、合計の数値を100とし、この100の値を上記「識別性データ」、「誘目性データ」及び「嗜好性データ」に振り分けて重み付けをしている場合の例を示している。なお、このうちいずれかのみが必要であると判断した場合は、必要としない課題種類データの数値データを0とすればよい。
【0020】
以上により、ユーザーは、検討すべき課題をデータとして入力することができ、新たなパッケージデザインの作成に取り掛かることができる。なおパッケージデザインの作成は、どの段階において行なってもよいが、クライアントが重要と思われる観点を抽出した後に行なうことが好ましい。
【0021】
次に、本プログラムは、表示装置に、(C)複数の課題種類データ及び複数の課題種類データに付与された数値データに基づき検討種類データを表示させる。ここで「検討種類データ」とは、選択した課題種類データに対応し、必要とされる検討事項に関するデータをいい、各課題種類データに対し少なくとも一つ以上設けられる。例えば、上記課題種類データが「識別性データ」である場合、「反応時間計測」や「正答率計測」等の実験に関するデータを表示し、上記課題種類データが「誘目性データ」である場合、「ChangeBlindness計測」等の実験に関するデータを表示し、上記課題種類データが「嗜好性データ」である場合、「(Semantic Differential)法計測(以下「SD法計測」という。)」や「Willingness To Pay計測」等の実験に関するデータを表示させる。
【0022】
そして、ユーザーは、上記表示された各検討種類データに基づき、複数の実験被験者(以下「被験者」という。)に対し各種実験を行い、必要なデータを取得する。例えば、上記「反応時間計測」では、提案すべく作成した新規のパッケージデザイン(以下「提案パッケージデザイン」という。)、改良前のパッケージデザイン、他社の製品又は他の多数の商品パッケージデザインを多数配置し、被験者にその中から提案パッケージを見つけ出してもらい、提案パッケージデザインを見つけ出すまでの時間を計測する。また、「正答率計測」では、被験者に提案パッケージデザインを表示し、一定時間感覚を置いた後、被験者に提案パッケージデザイン又は改良前のパッケージデザイン、他社の製品又は他の多数の商品パッケージデザインを見せ、その見た商品パッケージが提案パッケージデザインであるか否かについて質問を行い、その正誤を計測する。また、「ChangeBlindness課題」では、例えば、被験者に、提案パッケージを認識させる一方、これとは異なるパッケージデザインを見せ、異なる点がどこであるのか等について回答させてその正解率等を計測する。なおこの場合、異なる点は一つであっても、複数であっても良い。また「SD法計測」とは、提案パッケージを被験者に見せ、この提案パッケージに関する感想を定量的に問い合わせる手法をいい、例えば、提案パッケージについて、「好きな場合」は5、「嫌いな場合」は1、その中間は3となるよう、数値的にその指標を問い合わせ、その評価を数値的に計測する。また「Willingness To Pay計測」は、提案パッケージデザインが施された商品に対し、被験者がいくらまでなら支払ってもよいのかといった金額を入力させる計測をいい、この計測では、当該金額をデータとして取得する。
【0023】
次に、本プログラムは、(D)複数の検討種類データに対し検討結果データを入力させる。具体的には、ユーザーが、上記行なった実験において取得したデータ即ち検討結果データを入力する。これにより、定量的な結果を入力し、後述の評価に役立たせることができる。
【0024】
そして、本プログラムは、(E)検討結果データに基づき、評価データを作成し表示する。この検討の結果は評価データとして表示される。なお検討の内容としては、特に限定されるわけではないが、例えば改良前のパッケージデザインの値を記録し、提案パッケージデザインにおける当該検討結果データが優れているか否かを比較することで行なうことができる。
【0025】
以上、本実施形態により、パッケージ等のデザインにおいて、クライアントが要求する課題について明確にし、その課題においても検討すべき課題を明確とすることができ、その定量的な評価を可能とすることで従来のデザインとの比較も容易となるため、デザイン開発の方向性に客観性を持たせることのできるデザイン支援プログラムを提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明は、デザイン支援プログラムとして産業上の利用可能性がある。
【技術分野】
【0001】
本発明は、デザイン支援プログラムに関し、より具体的には、パッケージデザインの支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
製品のパッケージデザインは、他社との製品を差別化するための標識としての機能を有するのみならず、消費者の購買意欲を誘起させる非常に重要な要素の一つとなっている。
【0003】
このパッケージデザインを支援する方法として、例えば下記特許文献1で示されるように、通信回線を介してアクセス可能なサーバにパッケージデザインを3D画像として記録し、上記通信回線にアクセスして3D画像を受信し、上記3D画像を表示させるパッケージデザイン支援ソフトウェアに関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−190254号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示の技術はあくまで作成されたパッケージデザインを記録するためのものであって、パッケージデザインを評価するためのものではない。パッケージデザインの評価は人間の感性に大きく起因するものであり、どのような評価を行なうのか、評価に対しどのようにデザインを改良すべきかといった指標は非常に曖昧であるといった課題がある。
【0006】
そこで、本発明は上記課題を鑑み、パッケージ等のデザインにおいて、検討すべき課題を明確とするとともに、その定量的な評価を可能とすることでデザイン開発の方向性に客観性を持たせることのできるデザイン支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するための第一の手段として、コンピュータに、複数の課題種類データを表示させ、複数の課題種類データ各々に対し数値データを付与し、複数の課題種類データ及び複数の課題種類データに付与された数値データに基づき検討種類データを表示させ、複数の検討種類データに対し検討結果データを入力させ、検討結果データに基づき、評価データを作成し表示するデザイン支援プログラムとする。
【発明の効果】
【0008】
以上本発明は、上記手段により、パッケージ等のデザインにおいて、検討すべき課題を明確とするとともに、その定量的な評価を可能とすることでデザイン開発の方向性に客観性を持たせることのできるデザイン支援プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施形態に係るパッケージデザイン支援プログラムのフローの概略を示す図である。
【図2】実施形態に係るパッケージデザイン支援プログラムの表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は多くの異なる形態による実施が可能であり、以下に示す実施形態に記載された例示に限定されるものではない。
【0011】
図1は、本実施形態に係るデザイン支援プログラム(以下「本プログラム」という。)の概略を示す図である。本図で示されるように、本プログラムは、コンピュータに、(A)複数の課題種類データを表示させ、(B)複数の課題種類データ各々に対し数値データを付与し、(C)複数の課題種類データ及び複数の課題種類データに付与された数値データに基づき検討種類データを表示させ、(D)複数の検討種類データに対し検討結果データを入力させ、(E)検討結果データに基づき、評価データを作成し表示する。
【0012】
本プログラムを使用するユーザーは、限定されるわけではないが、具体的にはパッケージデザインを開発するデザイナーが具体的に想定される。ユーザーは、顧客からパッケージデザイン開発の依頼を受けた場合、このパッケージデザインの希望についてヒアリングを行い、その要求するデザイン性能を把握し、課題を抽出、入力することで検討すべき実験などの種類(検討種類)を抽出する。そしてユーザーは、パッケージデザイン開発を行いパッケージデザインの案について上記抽出した検討種類について実験を行いデータを複数取得する。そしてこのデータを入力することで、従来のパッケージデザインとどの程度優れているのかを把握し、十分に優れており目的を達成していると考える場合はこのパッケージデザインを確定し、十分に達成していないと考えられる場合は、改めてパッケージデザイン開発を行い、同様の手順を繰り返すことで、客観的にパッケージデザインを評価することができるようになる。
【0013】
本プログラムは、限定されるわけではないが、コンピュータのハードディスクに格納され、ユーザーの実行作業(例えばダブルクリック等の処理)によって、機能するようにしておくことが簡便であり好ましい。コンピュータは、一般に、表示装置と、ハードディスクなどの記録媒体を有する情報処理装置とを有しており、情報処理装置の処理結果を表示装置に表示することができる。表示装置は、公知のものを使用することができ、例えば液晶ディスプレイ等を用いることができる。
【0014】
次に、本プログラムの処理について、具体的に説明していく。まず、本プログラムは、ユーザーに対し(A)複数の課題種類データを表示させる。表示は、表示装置に対して行わせる。
【0015】
ここで「課題種類データ」は、ユーザーが選択すべき課題の種類のデータであって、例えばユーザーがクライアントからパッケージデザインの改良等について依頼を受けた場合、クライアントからヒアリングを行い、解決すべき課題を選択又は重み付けを行う。ここで課題種類データは、クライアントが所望する改良点に対応した課題のデータであることが好ましく、例えば、 「識別性データ」、「誘目性データ」、「嗜好性データ」を含ませることは好ましい一例である。
【0016】
ここで「識別性データ」は、パッケージデザインが他製品と区別することができる程度の大きな違いを有することが必要である場合に選択する課題データをいう。ここで「他製品」とは、限定されるわけではないが、例えば他社の同種商品である場合や、自社の他の商品との区別、自社の改良前の同一商品である場合もある。
【0017】
またここで「誘目性データ」は、パッケージデザインが消費者の購買意欲を誘引することが必要である場合に選択する課題データをいう。消費者の購買意欲を誘引することによって、売上増が期待されるため、当然に課題として列挙される。この場合、他製品とは大きく異なり、目立つことが有用となる。
【0018】
またここで「嗜好性データ」とは、他社の商品に対し、消費者によりよい印象を与えているか否かを注目する場合に選択する課題データをいう。消費者によりよい印象を与えることで売上増が期待されるために列挙される課題である。
【0019】
次に、ユーザーは、上記表示された課題種類を確認し、(B)複数の課題種類データ各々に対し数値データを付与する。具体的には、ユーザーは、上記表示された複数の課題種類データ各々に対し、数値データを入力し、重み付けを行なう。例えば図2に、本実施形態に係る課題種類データへの数値データの概略図を示しておく。本図では、合計の数値を100とし、この100の値を上記「識別性データ」、「誘目性データ」及び「嗜好性データ」に振り分けて重み付けをしている場合の例を示している。なお、このうちいずれかのみが必要であると判断した場合は、必要としない課題種類データの数値データを0とすればよい。
【0020】
以上により、ユーザーは、検討すべき課題をデータとして入力することができ、新たなパッケージデザインの作成に取り掛かることができる。なおパッケージデザインの作成は、どの段階において行なってもよいが、クライアントが重要と思われる観点を抽出した後に行なうことが好ましい。
【0021】
次に、本プログラムは、表示装置に、(C)複数の課題種類データ及び複数の課題種類データに付与された数値データに基づき検討種類データを表示させる。ここで「検討種類データ」とは、選択した課題種類データに対応し、必要とされる検討事項に関するデータをいい、各課題種類データに対し少なくとも一つ以上設けられる。例えば、上記課題種類データが「識別性データ」である場合、「反応時間計測」や「正答率計測」等の実験に関するデータを表示し、上記課題種類データが「誘目性データ」である場合、「ChangeBlindness計測」等の実験に関するデータを表示し、上記課題種類データが「嗜好性データ」である場合、「(Semantic Differential)法計測(以下「SD法計測」という。)」や「Willingness To Pay計測」等の実験に関するデータを表示させる。
【0022】
そして、ユーザーは、上記表示された各検討種類データに基づき、複数の実験被験者(以下「被験者」という。)に対し各種実験を行い、必要なデータを取得する。例えば、上記「反応時間計測」では、提案すべく作成した新規のパッケージデザイン(以下「提案パッケージデザイン」という。)、改良前のパッケージデザイン、他社の製品又は他の多数の商品パッケージデザインを多数配置し、被験者にその中から提案パッケージを見つけ出してもらい、提案パッケージデザインを見つけ出すまでの時間を計測する。また、「正答率計測」では、被験者に提案パッケージデザインを表示し、一定時間感覚を置いた後、被験者に提案パッケージデザイン又は改良前のパッケージデザイン、他社の製品又は他の多数の商品パッケージデザインを見せ、その見た商品パッケージが提案パッケージデザインであるか否かについて質問を行い、その正誤を計測する。また、「ChangeBlindness課題」では、例えば、被験者に、提案パッケージを認識させる一方、これとは異なるパッケージデザインを見せ、異なる点がどこであるのか等について回答させてその正解率等を計測する。なおこの場合、異なる点は一つであっても、複数であっても良い。また「SD法計測」とは、提案パッケージを被験者に見せ、この提案パッケージに関する感想を定量的に問い合わせる手法をいい、例えば、提案パッケージについて、「好きな場合」は5、「嫌いな場合」は1、その中間は3となるよう、数値的にその指標を問い合わせ、その評価を数値的に計測する。また「Willingness To Pay計測」は、提案パッケージデザインが施された商品に対し、被験者がいくらまでなら支払ってもよいのかといった金額を入力させる計測をいい、この計測では、当該金額をデータとして取得する。
【0023】
次に、本プログラムは、(D)複数の検討種類データに対し検討結果データを入力させる。具体的には、ユーザーが、上記行なった実験において取得したデータ即ち検討結果データを入力する。これにより、定量的な結果を入力し、後述の評価に役立たせることができる。
【0024】
そして、本プログラムは、(E)検討結果データに基づき、評価データを作成し表示する。この検討の結果は評価データとして表示される。なお検討の内容としては、特に限定されるわけではないが、例えば改良前のパッケージデザインの値を記録し、提案パッケージデザインにおける当該検討結果データが優れているか否かを比較することで行なうことができる。
【0025】
以上、本実施形態により、パッケージ等のデザインにおいて、クライアントが要求する課題について明確にし、その課題においても検討すべき課題を明確とすることができ、その定量的な評価を可能とすることで従来のデザインとの比較も容易となるため、デザイン開発の方向性に客観性を持たせることのできるデザイン支援プログラムを提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明は、デザイン支援プログラムとして産業上の利用可能性がある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
複数の課題種類データを表示させ、
前記複数の課題種類データ各々に対し数値データを付与し、
前記複数の課題種類データ及び前記複数の課題種類データに付与された数値データに基づき検討種類データを表示させ、
前記複数の検討種類データに対し検討結果データを入力させ、
前記検討結果データに基づき、評価データを作成し表示する、デザイン支援プログラム。
【請求項2】
前記課題種類データは、識別性データ、誘目性データ、及び嗜好性データを含む、請求項1記載のデザイン支援プログラム。
【請求項3】
前記検討種類データは、反応時間データ、誤等率データを含む、請求項1記載のデザイン支援プログラム。
【請求項4】
前記検討種類データは、Change Blindness課題データを含む、請求項1記載のデザイン支援プログラム。
【請求項5】
前記検討種類データは、Willingness to pay課題データを含む、請求項1記載のデザイン支援プログラム。
【請求項1】
コンピュータに、
複数の課題種類データを表示させ、
前記複数の課題種類データ各々に対し数値データを付与し、
前記複数の課題種類データ及び前記複数の課題種類データに付与された数値データに基づき検討種類データを表示させ、
前記複数の検討種類データに対し検討結果データを入力させ、
前記検討結果データに基づき、評価データを作成し表示する、デザイン支援プログラム。
【請求項2】
前記課題種類データは、識別性データ、誘目性データ、及び嗜好性データを含む、請求項1記載のデザイン支援プログラム。
【請求項3】
前記検討種類データは、反応時間データ、誤等率データを含む、請求項1記載のデザイン支援プログラム。
【請求項4】
前記検討種類データは、Change Blindness課題データを含む、請求項1記載のデザイン支援プログラム。
【請求項5】
前記検討種類データは、Willingness to pay課題データを含む、請求項1記載のデザイン支援プログラム。
【図1】
【図2】
【図2】
【公開番号】特開2012−155422(P2012−155422A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−12423(P2011−12423)
【出願日】平成23年1月24日(2011.1.24)
【出願人】(304021831)国立大学法人 千葉大学 (601)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月24日(2011.1.24)
【出願人】(304021831)国立大学法人 千葉大学 (601)
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