デジタルカメラ、及びその画像ファイル管理方法とプログラム
【課題】ファイル管理情報の新たな取得に起因するファイル処理、及び他の処理の遅延を未然に防止する。
【解決手段】画像メモリ11に複数のディレクトリに分けて記憶されている画像ファイルに関する所定のファイル管理情報を、内部メモリ83にディレクトリを単位とし一括して記憶させるキャッシング処理部82と、内部メモリ83に記憶されているファイル管理情報に基づいて、画像メモリ11への画像ファイルの記録、及び記録媒体からの画像ファイルの読み出しを行うメイン処理部81とを備える。使用対象となるディレクトリに変更がなければ、画像ファイルの記録、読み出し、及び他の処理に遅延を生じさせる新たなファイル管理情報の取得が不要となる。
【解決手段】画像メモリ11に複数のディレクトリに分けて記憶されている画像ファイルに関する所定のファイル管理情報を、内部メモリ83にディレクトリを単位とし一括して記憶させるキャッシング処理部82と、内部メモリ83に記憶されているファイル管理情報に基づいて、画像メモリ11への画像ファイルの記録、及び記録媒体からの画像ファイルの読み出しを行うメイン処理部81とを備える。使用対象となるディレクトリに変更がなければ、画像ファイルの記録、読み出し、及び他の処理に遅延を生じさせる新たなファイル管理情報の取得が不要となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラにおける画像ファイルの管理技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタルカメラにおいては、撮影により取得した画像データを記録媒体に保存する際、画像データをDCF(Design rule for Camera File System)規格に対応した形式のデータファイル、すなわち画像ファイルとして記録し、管理を行っている。
【0003】
DCF規格において複数の画像ファイルは、1又は複数のディレクトリにグループ化された状態で保存される。ディレクトリとしては、例えばカメラのメーカー名が付されたものや、画像の種類や用途に応じた名称が付されたものがある。なお、画像ファイルはExif(Exchangeable Image File Format)規格に準拠したデータ構造を有するものであり、画像ファイルには画像データに付随する各種の付加情報も格納される。
【0004】
また、デジタルカメラにおける画像ファイルの管理技術としては、記録媒体内の画像ファイルに関する所定のファイル管理情報、例えばディレクトリ名やファイル名、特定の付加情報等を、カメラに内蔵されている内部メモリにキャッシュしておき、係るファイル管理情報に基づいて記録媒体にアクセスし、画像ファイルの記録、読み出し等のファイル処理を行う方法がある(例えば下記特許文献1参照。)。
【0005】
上記方法では、記録媒体へのアクセスに必要なファイル管理情報が内部メモリにキャッシュされている場合には、キャッシュされているファイル管理情報に基づいて記録媒体へアクセスし、記録媒体へのアクセスに必要なファイル管理情報が内部メモリにキャッシュされていない場合には、新たなファイル管理情報を内部メモリにキャッシュさせる。かかる方法によれば、記録媒体のアクセスに必要なファイル管理情報が内部メモリにキャッシュされている場合には前記ファイル処理を高速に行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−121506号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、内部メモリにキャッシュしたファイル管理情報に基づいてファイル処理を行う方法においては、記録媒体へのアクセスに必要なファイル管理情報が内部メモリにキャッシュされていない場合、ファイル処理に先立ち必要なファイル管理情報を記録媒体にアクセスして新たに取得しなければならない。特に近年においては、内部メモリに確保可能なデータのキャッシュ容量に比較し、記録媒体の大容量化が著しく、記録媒体に多量の画像ファイルが記録されることからキャッシュ容量が不足しがちである。
【0008】
係ることから、ファイル処理に際して必要なファイル管理情報を記録媒体から新たに取得しなければならない場合も多く、ファイル管理情報を新たに取得することによって、ファイル処理はもとより、他の処理、例えば起動直後の撮影処理等に遅れが生じる場合があるという問題があった。
【0009】
本発明は、かかる従来の課題に鑑みてなされたものであり、ファイル管理情報の新たな取得に起因するファイル処理、及び他の処理の遅延を未然に防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するため、本発明においては、複数の画像ファイルを複数のディレクトリに分けて記憶する記録媒体と、前記記録媒体に記憶されている画像ファイルに関する所定のファイル管理情報を一時的に記憶するキャッシュメモリと、前記キャッシュメモリに、前記記録媒体に記録されている複数の画像ファイルに関する所定のファイル管理情報をディレクトリを単位とし一括して記憶させる管理情報制御手段と、前記キャッシュメモリにディレクトリを単位とし一括して記憶されているファイル管理情報に基づいて前記記録媒体へアクセスし、前記記録媒体への画像ファイルの記録、及び前記記録媒体からの画像ファイルの読み出しを行うファイル処理手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ファイル管理情報の新たな取得に起因するファイル処理、及び他の処理の遅延を未然に防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係るデジタルカメラの電気的構成を示すブロック図である。
【図2】画像ファイルの記録構造を示した図である。
【図3】(a)はDCF規格におけるディレクトリ名の規定、及びディレクトリ名の一例を示した図、(b)はDCF規格におけるファイル名の規定、及びファイル名の一例を示した図である。
【図4】CPUの機能を示した機能ブロック図である。
【図5】CPUによるメイン処理部として機能することにより行われる処理を示すフローチャートである。
【図6】図5に続く撮影モードでの処理内容を示すフローチャートである。
【図7】図5に続く再生モードでの処理内容を示すフローチャートである。
【図8】ディレクトリ特定処理を示すフローチャートである。
【図9】キャッシュ要求、及び待機処理を示すフローチャートである。
【図10】CPUがキャッシング処理部として機能することにより行われる処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明に係るデジタルカメラ1の電気的構成の概略を示すブロック図である。
【0014】
デジタルカメラ1は、レンズブロック2と撮像素子3とを有している。レンズブロック2は、フォーカスレンズを含む、図示しない鏡胴内に収容された沈胴式レンズ群と、絞りと、レンズ群を駆動するレンズモータ、絞りを開閉駆動するアクチュエータを含み、レンズモータやアクチュエータが光学系駆動部4によって駆動されることにより、焦点位置や撮像素子3の受光量が調整される。
【0015】
撮像素子3は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Meta1 0xide Semiconductor)センサからなる固体撮像素子である。撮像素子3は、駆動回路5によって駆動され被写体の光学像を光電変換し、変換後の光学像に応じた電気信号つまり撮像信号をAFE(Analog Front End)6へ出力する。
【0016】
AFE6は、CDS(Correlated Double Sampling)回路や、PGA(Programmable Gain Amp)、ADC(Analog-to-Digital Converter)等によって構成される。AFE6は、撮像素子3が出力した撮像信号に所定のアナログ処理を行い、アナログ処理後の撮像信号をデジタル信号に変換した後、変換後の画像データを画像処理部7へ出力する。
【0017】
画像処理部7は、AFE6から入力した画素データを一時記録するバッファ用のメモリを含み、メモリに一時記憶した画像データに対し、撮像素子3によって撮像された画像の記録に向けた種々の画像処理を行う。画像処理部7が行う画像処理は、ガンマ補正や、ホワイトバランス調整、画素毎のR,G,Bの色成分データの生成、生成したRGBデータからYUVデータを生成するYUV変換等である。画像処理部7は、生成したYUVデータを撮影待機状態にある間においてはCPU8へ供給し、撮影時においてはCODEC(Coder & Decoder:符号器/復号器)9へ供給する。
【0018】
撮影待機状態においてCPU8へ供給されたYUVデータは表示部10へ供給され、表示部10においてライブビュー画像として表示される。表示部10は、ライブビュー画像等を表示する液晶表示器と、液晶表示器を駆動する駆動回路等から構成される。
【0019】
CODEC9は、撮影時に画像処理部7から供給された画像データ(YUVデータ)をJPEG(Joint Photographic Expert Group)方式による符号化し、また、符号化されている任意の画像データを復号する。
【0020】
撮影時にCODEC9においてJPEG方式で圧縮符号化された画像データは、CPU8によって日付情報や画像サイズ等の種々の撮影情報を付加された後、静止画データ(静止画ファイル)として画像メモリ11に記録される。画像ファイルは、後述するようにDCF規格に対応した形式である。
【0021】
画像メモリ11は、カメラ本体に着脱自在な例えばカード型の記録媒体であり、画像メモリ11に記録された静止画データは、再生時においてCPU8により適宜読み出され、CODEC9において復号された後、表示部10へ送られて静止画像として再生される。
【0022】
図2は、画像メモリ11における画像ファイルの記録構造を示した図である。図2に示したように、画像メモリ11内には、デジタルカメラ1(他のデジタルカメラでもよい。)における初期化時に作成される画像ファイル記録用のディレクトリ(ディレクトリ名:DCIM)101と、その配下に、DCFディレクトリ呼ばれる複数のディレクトリ102,102,・・・,103,104・・・とからなるツリー構造をなす複数のディレクトリが作成されている。そして、各ディレクトリ102,102,・・・,103,104・・・内に、1又は複数の画像ファイル111が記録されている。
【0023】
各ディレクトリ102,102,・・・,103,104・・・には、DCF規格で規定されたディレクトリ名がそれぞれ付与されており、また、各画像ファイル111にも、DCF規格で規定されたディレクトリ名がそれぞれ付与されている。
【0024】
図3(a)は、DCF規格におけるディレクトリ名の規定、及びディレクトリ名の一例を示した図である。ディレクトリ名は、先頭の3桁のディレクトリ番号と、ディレクトリ番号に続く5文字の自由文字とから構成される。ディレクトリ番号は「100」〜「999」の番号に制限される一方、欠番の存在は許容されている。また、自由文字には、他のディレクトリと同一又は異なる任意の文字列の使用が許容されている。
【0025】
図3(b)は、DCF規格におけるファイル名の規定、及びファイル名の一例を示した図である。ファイル名は、先頭の4文字の自由文字と、自由文字に続くファイル番号と拡張子(jpg、図2)から構成される。自由文字は、半角英数大文字のみに制限されており、同一ディレクトリ内での異なる文字列の使用が許容されている。また、ファイル番号は「0001」〜「9999」の番号に制限される一方、欠番の存在は許容されている。
【0026】
ここで、本実施形態のデジタルカメラ1においては、撮影モードとして通常の撮影モードの他にオークション用の撮影モードとWeb用の撮影モードとが設けられており、画像メモリ11内には、各撮影モードで生成した画像ファイルを記録するためのディレクトリが撮影モードに対応して個別に作成されている。そして、各々の画像ファイルは、撮影モードに応じてグループ分けされ、対応するディレクトリに記録されている。
【0027】
例えば図2に示した各ディレクトリ102,102,・・・,103,104・・・のうち、ディレクトリ名が「100ABCDE」、「102ABCDE」であるディレクトリ102,102が、通常の撮影モードで生成される画像ファイル111(図では「CIMG0001.jpg」等)が記録されるディレクトリである。つまりデジタルカメラ1においては、通常の撮影モードに対応するディレクトリとして、ファイル番号に「ABCDE」からなる所定文字列を連結したディレクトリ名を付与したディレクトリを作成するようになっている。なお、通常の撮影モードで生成される画像ファイル111に使用されるディレクトリ名の所定文字列は、一般にデジタルカメラ1のメーカー名が使用される。
【0028】
つまり、この所定文字列を含むディレクトリ名のディレクトリは、本実施形態によるデジタルカメラ1と同等の機能を有するデジタルカメラで撮影された画像ファイルを記録した記録媒体には必ず存在するが、その他のデジタルカメラで撮影された画像ファイルを記録した記録媒体には存在しない場合がある。
【0029】
また、図2に示したディレクトリ名が「100_AUCT」であるディレクトリ103は、オークション用の撮影モードに対応するディレクトリであり、そのディレクトリ名が、ファイル番号に「_AUCT」からなる所定文字列を連結したものとなっている。さらに、図2に示したディレクトリ名が「100_IWEB」であるディレクトリ104は、Web用の撮影モードに対応するディレクトリであり、そのディレクトリ名が、ファイル番号に「_IWEB」からなる所定文字列を連結したものとなっている。
【0030】
ここで、通常の撮影モードは、デジタルカメラ1において基本となる動作モードが撮影モードに設定されたとき初期状態で自動的に設定される上位の撮影モードであり、オークション用の撮影モードと、Web用の撮影モードは、基本となる動作モードが撮影モードである間に、ユーザーが必要に応じて設定可能な下位の撮影モードである。
【0031】
また、オークション用の撮影モードは、撮影時にオークションサイトへの出品の撮影に適した撮影条件が自動的に設定される撮影モードであり、Web用の撮影モードは、撮影時にインターネットのホームページに掲載するための写真の撮影に適した撮影条件が自動的に設定される撮影モードである。
【0032】
なお、図2には示さないが、同一ディレクトリ内に記録されている、互いに関連する複数の画像ファイルには同一のファイル番号を有するファイル名が付与される。互いに関連する複数の画像ファイルとは、例えばデジタルカメラ1が有する連写機能により連続撮影で記録される一連の画像ファイルや、デジタルカメラ1が有する編集機能によって、拡大、縮小、トリミング等の編集処理に伴い作成される画像ファイルと編集処理元の画像ファイルである。
【0033】
一方、図1に示したように、デジタルカメラ1においては、CPU8に、操作部12、RAM(Random Access memory)13、プログラムメモリ14が接続されている。RAM13はCPU8のワーキングメモリであり、RAM13には、CPU8がデジタルカメラ1の制御を行う際に種々のデータが記憶される。
【0034】
操作部12は、電源キーや、シャッターキー、デジタルカメラ1の基本の動作モードである撮影モードと、記録画像の表示用の再生モードとの切り替えを行うモード切替キー、通常の撮影モードの下位モードである前述した特定の撮影モードの設定を含む、種々の設定作業に使用されるMENUキー、方向キー等の図示しない複数キー等であり、操作部12における各キーはCPU8によって操作状態を随時スキャンされる。
【0035】
シャッターキーは、半押し操作と全押し操作との2段階操作が可能な所謂ハーフシャッター機能を有する構成である。シャッターキーの半押し操作は、AE(Auto Exposure)動作、及びAF(Auto Focus)動作の開始指示等に使用され、シャッターキーの全押し操作は撮影指示に使用される。
【0036】
プログラムメモリ14は、例えば記憶データが書き換え可能なEEPROM(Electric Erasable Programmable Read Only Memory)であるフラッシュメモリである。プログラムメモリ14には、CPU8にデジタルカメラ1の全体の動作を制御させるための制御プログラムや各種のデータが記憶されている。
【0037】
プログラムメモリ14に記憶されている制御プログラムには、CPU8にAE制御、AF制御、AWB(Auto white balance)制御を行わせるためのプログラムや、画像ファイルの管理を行わせるためのファイル管理プログラムが含まれる。
【0038】
CPU8は、プログラムメモリ14に記憶されている制御プログラムに従いRAM13を作業メモリとして動作することにより、デジタルカメラ1の各部を制御する。また、CPU8は、上記のファイル管理プログラムに従い図4に示したメイン処理部81、及びキャッシング処理部82として機能することによって、画像メモリ11に記憶されている画像ファイルを管理する。
【0039】
すなわち、図4はCPU8における本発明に関する機能を示した機能ブロック図である。メイン処理部81、及びキャッシング処理部82の概略を説明すると、以下の通りである。
【0040】
すなわちメイン処理部81は、デジタルカメラ1の動作全般を制御する部分であり、必要に応じてキャッシング処理部82にキャッシング処理の実行を要求する。このキャッシング処理は、画像メモリ11から複数の画像ファイルに関するファイル管理情報を取得し、本発明のキャッシュメモリとして機能する内部メモリ83に一時記憶させる処理である。
【0041】
キャッシング処理部82は、メイン処理部81の要求に応じ、メイン処理部81における他の処理と並行してキャッシング処理を実行する。このキャッシング処理では、画像メモリ11に記録されている画像ファイル111に関するファイル管理情報を取得する。そして、キャッシング処理部82は、取得したファイル管理情報を内部メモリ83に一時的に記憶(キャッシング)する。
【0042】
ここで、キャッシング処理部82が取得し、内部メモリ83に一時的に記憶するファイル管理情報は、そのときどきのファイル処理の対象となる特定のディレクトリに記録されている全ての画像ファイルに関するファイル管理情報である。
【0043】
次に、CPU8による画像ファイルの管理を中心とした処理内容を図5〜図10に従い説明する。なお、図5〜図9は、CPU8がメイン処理部81として機能することにより行われる処理であり、図10は、CPU8がキャッシング処理部82として機能することにより行われる処理である。
【0044】
なお、メイン処理部81の処理とキャッシング処理部82の処理は、非同期に並行して実行することが可能な処理であるため、同じCPU(CPU8)によって時分割で処理を行う他に、異なる複数のCPUによって別々に処理を行わせるようにしてもよい。
【0045】
図5に示したようにメイン処理部81(CPU8)は、電源投入とともに処理を開始した後、直ちに通常の撮影モードを指定して図8に示したディレクトリ特定処理を行い(ステップSA1)、さらに撮影モード用ディレクトリを指定して図9に示したキャッシュ要求、及び待機処理を行ってから(ステップSA2)、各動作モードに共通する初期化処理を行う(ステップSA3)。
【0046】
図8のディレクトリ特定処理は、処理対象とすべきディレクトリを特定する処理であって、撮影モードと再生モードとにおいて必要に応じて実行される処理である。ディレクトリ特定処理に際してメイン処理部81は、まず、指定の動作モード用ディレクトリが特定済みか否かを確認し、特定済みであれば(ステップSA101:YES)直ちにディレクトリ特定処理を終了する。
【0047】
また、指定の動作モード用ディレクトリが特定済みでなければ、ディレクトリ特定処理に際してメイン処理部81は、まず、カメラ本体に装着されている画像メモリ11内に存在する全てのディレクトリ名を取得する(ステップSA102)。
【0048】
次に、メイン処理部81は、動作モードを確認し(ステップSA103)、動作モードが撮影モードである場合においては、取得した全てのディレクトリ名の中に、所定文字列を含むディレクトリ名が存在するか否かを確認する(ステップSA104)。
【0049】
所定文字列は動作モードに対応するものであって、「ABCDE」、「_AUCT」、「_IWEB」のいずれかであり(図2参照)、ここでは動作モードとして通常の撮影モードを指定しているため、所定文字列は「ABCDE」である。
【0050】
そして、所定文字列を含むディレクトリ名が存在しない場合(ステップSA104:NO)、メイン処理部81は、所定文字列を含み、かつディレクトリ番号が、既存のディレクトリ番号の連番となるディレクトリ名を新たに生成し、撮影モード用ディレクトリとして特定した後(ステップSA105)、図5の処理に戻る。
【0051】
また、所定文字列を含むディレクトリ名が存在する場合(ステップSA104:YES)、メイン処理部81は、所定文字列を含むディレクトリ名のうち、ディレクトリ番号が最大のディレクトリを撮影モード用ディレクトリとして特定した後(ステップSA106)、図5の処理に戻る。
【0052】
なお、後述する再生モードにおいてディレクトリ特定処理を行う場合、メイン処理部81は、ステップSA102の処理で取得した全てのディレクトリ名の中でディレクトリ番号が最大のディレクトリを再生用ディレクトリとして特定する(ステップSA107)。
【0053】
また、図9のキャッシュ要求、及び待機処理は、指定された動作モード用ディレクトリに関するファイル管理情報を内部メモリ83にキャッシュする処理である。ここでの動作モード用ディレクトリは、ステップSA2の処理で指定された撮影モード用ディレクトリであって、ステップSA1(図8のディレクトリ特定処理)で特定された撮影モード用ディレクトリである。すなわちここでは既説したように所定文字列が「ABCDE」であり、かつディレクトリ番号が最大のディレクトリである。
【0054】
そして、図9に示したように、キャッシュ要求、及び待機処理に際してメイン処理部81は、まず、指定ディレクトリがキャッシュ済みか否か、つまり指定ディレクトリ内の全てのファイルのファイル管理情報が内部メモリ83に既にキャッシュされているか否かを確認する(ステップSA201)。そして、指定ディレクトリがキャッシュ済みであれば(ステップSA201:YES)、メイン処理部81は直ちに処理を終了する。
【0055】
一方、指定ディレクトリがキャッシュ済みでなければ(ステップSA201:NO)、メイン処理部81は、指定ディレクトリが現在キャッシング中(キャッシング処理部82によるキャッシング処理が実行中)であるか否かを更に確認する(ステップSA202)。そして、メイン処理部81は、指定ディレクトリがキャッシング中であれば(ステップSA202:YES)、指定ディレクトリがキャッシュ済みとなるまで待機する。
【0056】
また、指定ディレクトリがキャッシング中でなければ(ステップSA202:NO)、メイン処理部81は、キャッシング処理部82に対して指定ディレクトリに対するファイル管理情報のキャッシュを要求する(ステップSA203)。
【0057】
図10は、キャッシュ要求に応じてキャッシング処理部82(CPU8)が実行する処理を示したフローチャートである。キャッシング処理部82は、電源投入後にはメイン処理部81側の処理と並行して、新たなキャッシュ要求の有無を常に確認しており、キャッシュ要求があると(ステップSB1:YES)、指定されたディレクトリを対象として以下の処理を実行する。
【0058】
まず、キャッシング処理部82は、ファイル管理情報を取得する処理対象となる画像ファイル(以下、単にファイルともいう。)のファイル番号を「1」に初期化する(ステップSB2)。
【0059】
次に、キャッシング処理部82は、画像メモリ11にアクセスして、当該ファイル番号を含むファイル名が付与されているファイルの有無を確認し、該当するファイルがあれば(ステップSB3:YES)、ファイル管理情報を取得する(ステップSB4)。具体的なファイル管理情報は、ファイル名、ファイルデータの保存アドレス、並びにデジタルカメラ1が種々の機能による動作を実行する際に必要となるExif情報等である。
【0060】
しかる後、キャッシング処理部82は、取得したファイル管理情報を内部メモリ83にキャッシュした後(ステップSB5)、ファイル番号を1つ増加する(ステップSB6)。
【0061】
その後、キャッシング処理部82は、増加後の新たなファイル番号がDCF規格の上限である「9999」を超えていなければ(ステップSB7:NO)、ステップS3の処理へ戻り、ファイル名に新たなファイル番号を含むファイルの有無を確認した後、ファイル管理情報の取得、内部メモリ83へのキャッシング処理を繰り返す。
【0062】
以後、キャッシング処理部82は、ファイル番号が上限を超えるまで(ステップSB8:NO)、ステップSB3〜ステップSB7の処理を繰り返し、指定ディレクトリ内の全てのファイルのファイル管理情報を内部メモリ83にキャッシュし、ファイル番号が上限を超えた時点で(ステップSB7:YES)、処理を終了する。
【0063】
そして、メイン処理部81は、キャッシング処理部82によって指定ディレクトリ内の全てのファイルのファイル管理情報が内部メモリ83にキャッシュされると(ステップSA201:YES)、キャッシュ要求、及び待機処理を終了する。
【0064】
一方、ステップSA3の初期化処理が完了するとメイン処理部81は、現在設定されている動作モードを確認し(ステップSA4)、動作モードに応じた処理を実行する。なお、動作モードは、撮影モード及び再生モードと、その他のモードであり、電源投入直後の動作モードは、撮影モード、又は再生モードかのいずれかである。また、その他のモードは、例えば各種機能の詳細を設定するための設定モードである。
【0065】
そして、メイン処理部81は、動作モードが撮影モードであった場合には図6に示した処理を実行し、動作モードが再生モードであった場合には図7に示した処理を実行する。
【0066】
まず、動作モードが撮影モードであった場合について説明すると、メイン処理部81は、図6に示したように直ちにレンズブロック2が収納状態にあるか否かを確認し、起動直後のようにレンズブロック2は収納状態にあるときには(ステップSA5:YES)、レンズの繰り出し処理を開始する(ステップSA6)。
【0067】
次に、メイン処理部81は、ステップSA7,SA8の処理を経た後、レンズの繰り出しが完了するまで待機する(ステップSA9:NO)。ここで、ステップSA7,SA8の処理は、前述したステップSA1,SA2の処理と同様の処理であり、電源投入直後においては実質的にはスキップされる処理である。
【0068】
やがてレンズの繰り出しが完了すると(ステップSA9:YES)、メイン処理部81は、引き続きユーザーによる撮影指示の有無を確認する(ステップSA10)。そして、メイン処理部81は、撮影指示がなければ(ステップSA10:NO)、ステップSA15に進む。
【0069】
一方、撮影指示があるとメイン処理部81は、撮影指示に応答して撮影処理を行い、撮影画像のデータを取得する(ステップSA11)。なお、撮影処理において取得された画像データはCODEC9によりJPG形式で圧縮される。
【0070】
引き続き、メイン処理部81は、撮影モード用ディレクトリを指定して、図9に示したキャッシュ要求、及び待機処理を実行する(ステップSA12)。ここで、ステップSA12で指定する撮影モード用ディレクトリは、現在の撮影モードに対応するディレクトリであり、電源投入直後においては、既説したように通常の撮影モードに対応した所定文字列が「ABCDE」であり、かつディレクトリ番号が最大のディレクトリである。
【0071】
そして、キャッシュ要求、及び待機処理において、キャッシング処理部82により指定ディレクトリ内の全てのファイルのファイル管理情報が内部メモリ83にキャッシュされると、メイン処理部81は、内部メモリ83内のファイル管理情報に基づいて新たなファイル名、及び保存アドレスを特定する(ステップSA13)。
【0072】
なお、図6では省略したが、ステップSA13の処理に際してメイン処理部81は、指定ディレクトリ内に、ファイル名のファイル番号がDCF規格の上限である「9999」の画像ファイルが存在している場合、ディレクトリ番号が既存のディレクトリ番号の連番となるディレクトリ名を画像メモリ11内に新たに作成する。そして、メイン処理部81は、新たに作成したディレクトリに応じて新たなファイル名を特定する。
【0073】
しかる後、メイン処理部81は、ステップSA11の撮影処理に伴い生成された圧縮後の画像データを、他の付加情報とともに新たなファイル名を付与し画像ファイルとして画像メモリ11の、先に特定した保存アドレスに記録する(ステップSA14)。なお、ステップSA14の処理に際してメイン処理部81は、新たに記録した画像ファイルに関するファイル管理情報を、既存のファイル管理情報に加えて内部メモリ83にキャッシュする。
【0074】
そして、メイン処理部81はユーザーによる動作モードの変更の有無を確認し、動作モードの変更がなければ(ステップSA15:NO)、再び撮影指示の有無を確認する。一方、動作モードの変更があれば(ステップSA15:YES)、再びステップSA4の処理に進み、変更後の動作モードに応じた処理を実行する。
【0075】
ここで、以上説明したように電源投入直後の撮影モードでは、通常の撮影モードに対応したディレクトリに関するファイル管理情報の内部メモリ83へのキャッシュが、電源投入直後に自動的に開始され、起動時における初期化動作と並行して行われている。
【0076】
つまり、メイン処理部81は、電源投入時には、いずれのディレクトリに対応するファイル管理情報もキャッシュメモリに記憶されていないと判断できるので、電源投入直後のタイミングで、他の初期化動作と並行して直ちにキャッシング処理部82にキャッシング処理を開始させる。
【0077】
したがって、電源投入直後には、ファイル管理情報の更新待ちに起因したファイル処理の遅れが生じることがなく、直ちに撮影を行うことができる。つまり、起動後に撮影可能になるまでの待ち時間を短縮し、決定的瞬間を逃さずに撮影することができる。
【0078】
その後、メイン処理部81は、ユーザーによって動作モードが変更されることなく(ステップSA15:NO)、撮影指示があった場合には(ステップSA10:YES)、前述したステップSA11〜ステップSA14の処理を繰り返す。
【0079】
その際、ステップSA12の処理(図8)では、撮影モード用のディレクトリに関するファイル管理情報が既に内部メモリ83にキャッシュされているため何も行わずに、直ちにステップSA11の撮影処理で取得した圧縮後の画像データを、新たなファイル名の画像ファイルとして画像メモリ11に記録する(ステップSA14)。
【0080】
したがって、処理対象となるディレクトリのファイル管理情報がキャッシュ済みとなった後には、ユーザーにより動作モードが変更されることによって処理対象となるディレクトリが変更されない限り、ファイル管理情報の更新待ちに起因したファイル処理の遅れが生じることがなく、次の撮影処理を遅滞なく行うことができる。
【0081】
一方、撮影モードでの動作中においてユーザーにより動作モードが変更された場合(ステップSA15:YES)、メイン処理部81は、ステップSA4の処理へ戻り、まず変更後の動作モードを確認する。そして、変更後の動作モードが撮影モードであった場合には、図6の前述した処理を繰り返す。
【0082】
なお、変更後の動作モードが撮影モードである場合とは、動作モードの変更が、上位の撮影モードである通常の撮影モードから下位の撮影モードであるオークション用やWeb用の撮影モードへの変更、逆に下位の撮影モードから通常の撮影モードへの変更、さらに下位の撮影モードの種類の変更のいずれかの場合である。
【0083】
そして、変更後の動作モードが撮影モードであった場合、レンズは収納状態でないため(ステップSA5:NO)、メイン処理部81は、直ちに前述した図8のディレクトリ特定処理へ移行する(ステップSA7)。
【0084】
そして、ディレクトリ特定処理において撮影モード用ディレクトリを特定した後、メイン処理部81は、図9の既説したキャッシュ要求、及び待機処理を実行する(ステップSA8)。すなわち撮影モードが他の撮影モードに変更された場合には、ユーザーにより撮影モードが変更されたタイミングで、変更後の撮影モードに対応する撮影モード用ディレクトリ内の全てのファイルのファイル管理情報を一括して内部メモリ83にキャッシュさせる。
【0085】
なお、変更後の撮影モードに対応する撮影モード用ディレクトリは、変更後の撮影モードがオークション用の撮影モードであれば、ディレクトリ名が「100_AUCT」のディレクトリであり、変更後の撮影モードがWeb用の撮影モードであれば、ディレクトリ名が「100_IWEB」のディレクトリある。
【0086】
以後、メイン処理部81は、レンズの繰り出しは完了しているので(ステップSA9:YES)、既説したように撮影指示の有無(ステップSA10)、及び動作モードの変更の有無(ステップSA15)をそれぞれ確認し、確認結果に応じて前述した処理を行う。
【0087】
つまり、動作モードの変更に伴い処理対象となるディレクトリに変更が生じた場合には、変更後のディレクトリに対応するファイル管理情報がキャッシュメモリに記憶されていない可能性が高いと判断できるので、動作モードが変更されたタイミングで、変更後の動作モードでの実際のファイル処理に先立って、新たな動作モードで処理対象となるディレクトリに関するファイル管理情報が一括して内部メモリ83にキャッシュされる。したがって、動作モードの種類に変更があった場合であっても、最初のファイルアクセスにおけるファイル管理情報の更新待ち時間が少なく、ファイル管理情報の更新待ちに起因したファイル処理の遅れが生じることがない。
【0088】
次に、ユーザーによって動作モードが再生モードに変更された場合のメイン処理部81の処理について説明する。
【0089】
図7に示したように、メイン処理部81は、動作モードが再生モードに変更された場合、直ちに前述した図8のディレクトリ特定処理によって、再生モード用ディレクトリを特定する(ステップSA16)。つまり既説したように、画像メモリ11内の全てのディレクトリのディレクトリ名の中でディレクトリ番号が最大のディレクトリを再生用ディレクトリとして特定する(ステップSA206)。
【0090】
引き続き、メイン処理部81は、再生モード用ディレクトリを処理対象のディレクトリとして指定して、図9のキャッシュ要求、及び待機処理によって、再生モード用ディレクトリ内の全てのファイルのファイル管理情報を内部メモリ83にキャッシュする。
【0091】
つまり、動作モードが撮影モードから再生モードに変更されることに伴い処理対象となるディレクトリに変更が生じた場合であっても、変更後の動作モードでの実際のファイル処理に先立って、新たな撮影モードで処理対象となるディレクトリに関するファイル管理情報が一括して内部メモリ83にキャッシュされる。
【0092】
したがって、再生モードへの変更直後においても、最初のファイルアクセスにおけるファイル管理情報の更新待ち時間が少なく、ファイル管理情報の更新待ちに起因したファイル処理の遅れが生じることがない。
【0093】
引き続き、メイン処理部81は、前回の再生モード最後に再生された画像ファイルを再生対象として指定(ステップSA18)、その画像ファイルを画像メモリ11から読み出して再生し、表示部10に画像を表示させる(ステップSA19)。なお、最後に再生された画像ファイルに関する情報(ファイル名等)は画像メモリ11に記憶されている。
【0094】
また、メイン処理部81は、表示部10に画像を表示させている間、次の再生対象の画像の指定の有無、すなわちユーザーによる画像の送り操作や戻し操作の有無、及びユーザーによる動作モードの変更の有無を順次確認する(ステップSA23,SA24)。
【0095】
次の再生対象が指定された場合(ステップSA23:YES)、メイン処理部81は、再生モード用ディレクトリを処理対象のディレクトリとして指定して、図9のキャッシュ要求、及び待機処理によって、再生モード用ディレクトリ内の全てのファイルのファイル管理情報を内部メモリ83にキャッシュする(ステップSA20)。
【0096】
引き続き、メイン処理部81は、内部メモリ83のファイル管理情報に基づいて、次の再生対象の画像ファイルを画像メモリ11から読み込み(ステップSA21)、読み込んだ画像ファイルを再生し、表示部10に画像を表示させる(ステップSA22)。
【0097】
以後、メイン処理部81は、次の再生対象が指定される毎に(ステップSA23:YES)、ステップSA20〜ステップSA22の処理を繰り返す。
【0098】
ここで、ステップSA20の処理においては、次の再生対象が再生中の画像ファイルと同一ディレクトリに記録されている画像ファイルである場合、再生モード用ディレクトリに関するファイル管理情報は既に内部メモリ83にキャッシュされているため何も行わずに、直ちにステップSA21の処理で次の再生対象である所定の画像ファイルが読み込まれる。
【0099】
したがって、再生モードにおいては、処理対象となるディレクトリのファイル管理情報がキャッシュ済みとなった後には、次の再生対象として異なるディレクトリに記録されている画像が指定されない限り、ファイル管理情報の更新待ちに起因したファイル処理の遅れが生じることがない。
【0100】
その後、メイン処理部81は、ユーザーによって次の再生対象が指定されることなく(ステップSA23:NO)、動作モードが変更されると(ステップSA24:YES)、図5のステップSA4の処理へ戻り、前述した処理を繰り返す。
【0101】
以上説明したように本実施形態においては、画像メモリ11へのアクセスに必要な画像ファイルのファイル管理情報を、撮影モード及び再生モードにおいて、その時々に処理対象となるディレクトリを単位とし一括して内部メモリ83にキャッシュさせるようにした。
【0102】
したがって、前述したように撮影モード及び再生モードでの動作中には、ファイル管理情報をいったんキャッシュした後には、撮影モード及び再生モードの何れの動作モードにおいても、動作モードが他の動作モードに変更されない限りは、ファイル管理情報の更新待ちによるファイルアクセスの遅延を未然に防止することができる。
【0103】
また、動作モードの切り換えなどで処理対象となるディレクトリが変更された際には、動作モードが変更されて時点で、変更後の動作モードに対応するディレクトリに関するファイル管理情報を直ちに一括して内部メモリ83にキャッシュさせるようにした。
【0104】
これにより、動作モードが切り換えられることに伴い処理対象となるディレクトリが変更された場合であっても、ファイル管理情報をいったんキャッシュした後には、新たな動作モードによる動作中に動作モードが他の動作モードに変更されない限りは、ファイル管理情報の更新待ちによるファイル処理の遅延を未然に防止することができる。
【0105】
かかる効果は、動作モードの切り替えが、撮影モードから再生モードへの切り替えや、逆に再生モードから撮影モードへの切り替えや、撮影モードの種類の切り替えのいずれの場合であっても、動作モードの切り替えに伴い新たに処理対象となるディレクトリに記録されている画像ファイルの数が多いときには顕著となる。
【0106】
特に、動作モードが再生モードに切り替えられた場合や、撮影モードの種類が切り替えられた場合においては、動作モードが切り替えられた後に、直ちに撮影が行われる可能性が低く、そのため最初の撮影時においてファイル管理情報の更新待ちによって撮影処理に遅れが生ずる可能性が低い。同時に、2回目以降の撮影処理は遅滞なく行うことができる。したがって、変更後の動作モードが撮影モードである場合には、実質的には動作モードの変更後においても撮影処理を常に遅滞なく行うことができる。
【0107】
また、本実施形態においては、電源投入後の起動時には、撮影モードで使用されるディレクトリ、つまり電源を投入後に自動的に設定される通常の撮影モードで使用されるディレクトリに関するファイル管理情報のキャッシュを起動と同時に開始し、起動時における初期化動作と並行して行うようにした。これにより、前述したように起動後に撮影可能になるまでの待ち時間が短縮でき、起動直後であっても決定的瞬間を逃さずに撮影を行うことができる。
【0108】
なお、本実施形態においては、起動直後には、通常の撮影モードで使用されるディレクトリに関するファイル管理情報を起動時における初期化動作と並行して内部メモリ83に記憶するようにした。しかし、本発明の実施に際しては、初期化動作と並行してファイル管理情報を記憶するディレクトリを以下のようなディレクトリとすることもできる。
【0109】
例えば起動時には、最初にユーザーが選択された動作モードを特定し、その回数を起動直後にユーザーにより実際に使用された回数としてカウントし、それをRAM13に更新して記憶する。但し、RAM13は電源がオフ状態でも記憶内容が保持可能な構成とする。そして、起動時には、RAM13に記憶されている回数が最も多い動作モードに対応するディレクトリを対象としてファイル管理情報を起動時における初期化動作と並行して内部メモリ83に記憶するようにしてもよい。
【0110】
その場合には、ユーザーにより起動直後に多用される動作モードでの使用に際し、起動直後におけるファイル管理情報の更新待ちによるファイル処理の遅延を未然に防止することができる。
【0111】
また、本実施形態においては、内部メモリ83に単一のディレクトリに関するファイル管理情報をキャッシュするものについて説明した。しかし、内部メモリ83の記憶容量に余裕がある場合には、複数のディレクトリに関するファイル管理情報をディレクトリ毎に内部メモリ83にキャッシュする構成として、各ディレクトリに関するファイル管理情報を以下のように制御するようにしてもよい。
【0112】
例えば新たなディレクトリを対象としたファイル管理情報をキャッシュする必要が生じた場合には、新たなディレクトリのファイル管理情報を順に内部メモリ83にキャッシュする。一方、任意のファイル処理に伴い内部メモリ83に既存するディレクトリのファイル管理情報を参照する毎に、当該ディレクトリの使用回数をカウントし、それを内部メモリ83に更新して記憶する。そして、内部メモリ83に記憶可能なディレクトリ数のファイル管理情報が記憶されている状態で、新たなディレクトリを対象したファイル管理情報をキャッシュする必要が生じた場合には、使用回数つまり使用頻度が最も少ないディレクトリを対象したファイル管理情報を新たなファイル管理情報に更新する。
【0113】
上記のようにファイル管理情報を制御することにより、内部メモリ83の記憶容量に、複数のディレクトリに関するファイル管理情報を記憶するだけの余裕がある構成においては、ディレクトリを単位とするファイル管理情報をより効率的に内部メモリ83に記憶することができる。その結果、ファイル管理情報の更新待ちによるファイル処理の遅延をより確実に未然に防止することができる。
【0114】
また、本実施形態においては、動作モードが切り換えられることに伴い処理対象となるディレクトリが変更されたタイミングで、変更後の動作モードに対応するディレクトリのファイル管理情報を内部メモリ83にキャッシュするようにした。しかし、変更後の動作モードに対応するディレクトリを対象としたファイル管理情報のキャッシング処理は、本実施形態と異なるタイミングで行ってもよい。
【0115】
例えばディレクトリを対象としたファイル管理情報のキャッシング処理は、変更後の動作モードでのファイル処理(画像ファイルの記録または読み出し)の完了直後に行うようにしてもよい。つまり動作モードが切り換えられることに伴い処理対象となるディレクトリが変更され直後においては、前記キャッシュメモリ内のファイル管理情報を利用することなく画像メモリ11へ直接アクセスして処理対象の画像ファイルの記録または読み出し等を行うようにしてもよい。
【0116】
その場合、動作モードが変更された後の最初のファイル処理についても、それを直ちに行うことができる。かかる効果は、特に変更後の動作モードでのファイル処理が、新たな処理対象のディレクトリに記録されている全ての画像ファイルに関するファイル管理情報を必要としない処理であり、かつ新たな処理対象のディレクトリに記録されている画像ファイルの数が多い場合において顕著となる。
【0117】
以上、本発明のいくつかの実施形態、及びその変形例について説明したが、これらは本発明の作用効果が得られる範囲内であれば適宜変更が可能であり、変更後の実施形態も特許請求の範囲に記載された発明、及びその発明と均等の発明の範囲に含まれる。以下に、本出願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[請求項1]
複数の画像ファイルを複数のディレクトリに分けて記憶する記録媒体と、前記記録媒体に記憶されている画像ファイルに関する所定のファイル管理情報を一時的に記憶するキャッシュメモリと、前記キャッシュメモリに、前記記録媒体に記録されている複数の画像ファイルに関する所定のファイル管理情報をディレクトリを単位とし一括して記憶させる管理情報制御手段と、前記キャッシュメモリにディレクトリを単位とし一括して記憶されているファイル管理情報に基づいて前記記録媒体へアクセスし、前記記録媒体への画像ファイルの記録、及び前記記録媒体からの画像ファイルの読み出しを行うファイル処理手段とを備えたことを特徴とするデジタルカメラ。
[請求項2]
前記ファイル処理手段は、記録または読み出しの対象となる画像ファイルに対応する前記所定のファイル管理情報が前記キャッシュメモリに記憶されていない場合には、当該ファイル管理情報が前記キャッシュメモリに記憶されるまで待機するか、あるいは、前記キャッシュメモリ内のファイル管理情報を利用することなく前記記録媒体へ直接アクセスして当該画像ファイルの記録または読み出しを行い、前記管理情報制御手段は、記録または読み出しの対象となる画像ファイルに対応するファイル管理情報が前記キャッシュメモリに記憶されているか否かを判断し、記憶されていないと判断された場合には、当該画像ファイルを含むディレクトリを対象として前記所定のファイル管理情報を前記キャッシュメモリに一括して記憶させることを特徴とする請求項1記載のデジタルカメラ。
[請求項3]
前記記録媒体に対する画像ファイルの記録または読み出しを行うディレクトリがそれぞれ異なる複数の動作モードを選択的に設定する動作モード設定手段を更に備え、前記管理情報制御手段は、使用者により動作モードが変更されたタイミングで、変更後の動作モードに対応するディレクトリ記録されている複数の画像ファイルに関するファイル管理情報を前記キャッシュメモリに一括して記憶させることを特徴とする請求項2記載のデジタルカメラ。
[請求項4]
前記ファイル処理手段は、撮影モードにおいては新たに撮影された画像ファイルを前記記憶媒体の第1のディレクトリに記憶し、再生モードにおいては前記第1のディレクトリとは異なる前記記憶媒体の第2のディレクトリに記録されている画像ファイルを読み出すことを特徴とする請求項3記載のデジタルカメラ。
[請求項5]
前記管理情報制御手段は、起動時における初期化動作と並行し、前記第1のディレクトリに記録されている複数の画像ファイルに関する所定のファイル管理情報の前記キャッシュメモリへの記憶を開始することを特徴とする請求項4記載のデジタルカメラ。
[請求項6]
起動直後に使用者により実際に使用された回数を動作モード毎に記憶する回数記憶手段を備え、前記管理情報制御手段は、前記回数記憶手段に記憶されている回数が最大の動作モードに対応するディレクトリに記録されている複数の画像ファイルに関する所定のファイル管理情報の前記キャッシュメモリへの記憶を開始することを特徴とする請求項5記載のデジタルカメラ。
[請求項7]
前記記録媒体に、予め決められた特定の文字列と既存するディレクトリに使用されている最大のディレクトリ番号に連続するディレクトリ番号を連結したディレクトリ名を付与した新たなディレクトリを作成するディレクトリ作成手段を備え、前記管理情報制御手段は、撮影モード、及び起動直後には、前記記録媒体に既存する全てのディレクトリのうちで、前記特定の文字列に連結されているディレクトリ番号が最大のディレクトリ名が付与されているディレクトリを対象として前記ファイル管理情報を前記キャッシュメモリへ記憶する一方、再生モードでは、前記特定の文字列が含まれるか否かにかかわらず、前記記録媒体に既存する全てのディレクトリのうちでディレクトリ番号が最大のディレクトリ名が付与されているディレクトリを対象として前記ファイル管理情報を前記キャッシュメモリへ記憶することを特徴とする請求項1乃至6いずれか記載のデジタルカメラ。
[請求項8]
撮影モードとして、前記第1のディレクトリが対応する通常撮影モードと、当該通常撮影モードとは異なる専用撮影モードとを備え、前記管理情報制御手段は、前記通常撮影モードでは、前記第1のディレクトリを対象として前記ファイル管理情報を前記キャッシュメモリへ記憶する一方、前記専用撮影モードでは、当該専用撮影モードに対応して前記記録媒体に設けられている第3のディレクトリを対象として前記ファイル管理情報を前記キャッシュメモリへ記憶することを特徴とする請求項4乃至7いずれか記載のデジタルカメラ。
[請求項9]
前記キャッシュメモリに異なるディレクトリに関する前記ファイル管理情報を同時に記憶可能な記憶領域が確保され、前記管理情報制御手段は、新たな前記ファイル管理情報を前記キャッシュメモリに順に記憶させるとともに、前記キャッシュメモリに記憶したファイル管理情報が前記ファイル処理手段に使用された回数を個別にカウントし、前記記憶領域に空きがなくなった場合、前記ファイル処理手段に使用された回数が最も少ないファイル管理情報を前記新たなファイル管理情報に更新することを特徴とする請求項1乃至8いずれか記載のデジタルカメラ。 [請求項10]
複数の画像ファイルを複数のディレクトリに分けて記憶する記録媒体と、前記記録媒体に記憶されている画像ファイルに関する所定のファイル管理情報を一時的に記憶するキャッシュメモリとを備えたデジタルカメラにおいて、前記キャッシュメモリに、前記記録媒体に記録されている複数の画像ファイルに関する所定のファイル管理情報を、ディレクトリを単位とし一括して記憶させる工程と、前記キャッシュメモリにディレクトリを単位とし一括して記憶されているファイル管理情報に基づき前記記録媒体へアクセスし、前記記録媒体への画像ファイルの記録、及び前記記録媒体からの画像ファイルの読み出しを行う工程とを含むことを特徴とする画像ファイル管理方法。
[請求項11]
複数の画像ファイルを複数のディレクトリに分けて記憶する記録媒体と、前記記録媒体に記憶されている画像ファイルに関する所定のファイル管理情報を一時的に記憶するキャッシュメモリとを備えたデジタルカメラが有するコンピュータを、前記キャッシュメモリに、前記記録媒体に記録されている複数の画像ファイルに関する所定のファイル管理情報を、ディレクトリを単位とし一括して記憶させる管理情報制御手段と、前記キャッシュメモリにディレクトリを単位とし一括して記憶されているファイル管理情報に基づいて前記記録媒体へアクセスし、前記記録媒体への画像ファイルの記録、及び前記記録媒体からの画像ファイルの読み出しを行うファイル処理手段として機能させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0118】
1 デジタルカメラ
2 レンズブロック
3 撮像素子
8 CPU
11 画像メモリ
14 プログラムメモリ
81 メイン処理部
82 キャッシング処理部
83 内部メモリ
102 ディレクトリ
103 ディレクトリ
104 ディレクトリ
111 画像ファイル
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラにおける画像ファイルの管理技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタルカメラにおいては、撮影により取得した画像データを記録媒体に保存する際、画像データをDCF(Design rule for Camera File System)規格に対応した形式のデータファイル、すなわち画像ファイルとして記録し、管理を行っている。
【0003】
DCF規格において複数の画像ファイルは、1又は複数のディレクトリにグループ化された状態で保存される。ディレクトリとしては、例えばカメラのメーカー名が付されたものや、画像の種類や用途に応じた名称が付されたものがある。なお、画像ファイルはExif(Exchangeable Image File Format)規格に準拠したデータ構造を有するものであり、画像ファイルには画像データに付随する各種の付加情報も格納される。
【0004】
また、デジタルカメラにおける画像ファイルの管理技術としては、記録媒体内の画像ファイルに関する所定のファイル管理情報、例えばディレクトリ名やファイル名、特定の付加情報等を、カメラに内蔵されている内部メモリにキャッシュしておき、係るファイル管理情報に基づいて記録媒体にアクセスし、画像ファイルの記録、読み出し等のファイル処理を行う方法がある(例えば下記特許文献1参照。)。
【0005】
上記方法では、記録媒体へのアクセスに必要なファイル管理情報が内部メモリにキャッシュされている場合には、キャッシュされているファイル管理情報に基づいて記録媒体へアクセスし、記録媒体へのアクセスに必要なファイル管理情報が内部メモリにキャッシュされていない場合には、新たなファイル管理情報を内部メモリにキャッシュさせる。かかる方法によれば、記録媒体のアクセスに必要なファイル管理情報が内部メモリにキャッシュされている場合には前記ファイル処理を高速に行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−121506号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、内部メモリにキャッシュしたファイル管理情報に基づいてファイル処理を行う方法においては、記録媒体へのアクセスに必要なファイル管理情報が内部メモリにキャッシュされていない場合、ファイル処理に先立ち必要なファイル管理情報を記録媒体にアクセスして新たに取得しなければならない。特に近年においては、内部メモリに確保可能なデータのキャッシュ容量に比較し、記録媒体の大容量化が著しく、記録媒体に多量の画像ファイルが記録されることからキャッシュ容量が不足しがちである。
【0008】
係ることから、ファイル処理に際して必要なファイル管理情報を記録媒体から新たに取得しなければならない場合も多く、ファイル管理情報を新たに取得することによって、ファイル処理はもとより、他の処理、例えば起動直後の撮影処理等に遅れが生じる場合があるという問題があった。
【0009】
本発明は、かかる従来の課題に鑑みてなされたものであり、ファイル管理情報の新たな取得に起因するファイル処理、及び他の処理の遅延を未然に防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するため、本発明においては、複数の画像ファイルを複数のディレクトリに分けて記憶する記録媒体と、前記記録媒体に記憶されている画像ファイルに関する所定のファイル管理情報を一時的に記憶するキャッシュメモリと、前記キャッシュメモリに、前記記録媒体に記録されている複数の画像ファイルに関する所定のファイル管理情報をディレクトリを単位とし一括して記憶させる管理情報制御手段と、前記キャッシュメモリにディレクトリを単位とし一括して記憶されているファイル管理情報に基づいて前記記録媒体へアクセスし、前記記録媒体への画像ファイルの記録、及び前記記録媒体からの画像ファイルの読み出しを行うファイル処理手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ファイル管理情報の新たな取得に起因するファイル処理、及び他の処理の遅延を未然に防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係るデジタルカメラの電気的構成を示すブロック図である。
【図2】画像ファイルの記録構造を示した図である。
【図3】(a)はDCF規格におけるディレクトリ名の規定、及びディレクトリ名の一例を示した図、(b)はDCF規格におけるファイル名の規定、及びファイル名の一例を示した図である。
【図4】CPUの機能を示した機能ブロック図である。
【図5】CPUによるメイン処理部として機能することにより行われる処理を示すフローチャートである。
【図6】図5に続く撮影モードでの処理内容を示すフローチャートである。
【図7】図5に続く再生モードでの処理内容を示すフローチャートである。
【図8】ディレクトリ特定処理を示すフローチャートである。
【図9】キャッシュ要求、及び待機処理を示すフローチャートである。
【図10】CPUがキャッシング処理部として機能することにより行われる処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明に係るデジタルカメラ1の電気的構成の概略を示すブロック図である。
【0014】
デジタルカメラ1は、レンズブロック2と撮像素子3とを有している。レンズブロック2は、フォーカスレンズを含む、図示しない鏡胴内に収容された沈胴式レンズ群と、絞りと、レンズ群を駆動するレンズモータ、絞りを開閉駆動するアクチュエータを含み、レンズモータやアクチュエータが光学系駆動部4によって駆動されることにより、焦点位置や撮像素子3の受光量が調整される。
【0015】
撮像素子3は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Meta1 0xide Semiconductor)センサからなる固体撮像素子である。撮像素子3は、駆動回路5によって駆動され被写体の光学像を光電変換し、変換後の光学像に応じた電気信号つまり撮像信号をAFE(Analog Front End)6へ出力する。
【0016】
AFE6は、CDS(Correlated Double Sampling)回路や、PGA(Programmable Gain Amp)、ADC(Analog-to-Digital Converter)等によって構成される。AFE6は、撮像素子3が出力した撮像信号に所定のアナログ処理を行い、アナログ処理後の撮像信号をデジタル信号に変換した後、変換後の画像データを画像処理部7へ出力する。
【0017】
画像処理部7は、AFE6から入力した画素データを一時記録するバッファ用のメモリを含み、メモリに一時記憶した画像データに対し、撮像素子3によって撮像された画像の記録に向けた種々の画像処理を行う。画像処理部7が行う画像処理は、ガンマ補正や、ホワイトバランス調整、画素毎のR,G,Bの色成分データの生成、生成したRGBデータからYUVデータを生成するYUV変換等である。画像処理部7は、生成したYUVデータを撮影待機状態にある間においてはCPU8へ供給し、撮影時においてはCODEC(Coder & Decoder:符号器/復号器)9へ供給する。
【0018】
撮影待機状態においてCPU8へ供給されたYUVデータは表示部10へ供給され、表示部10においてライブビュー画像として表示される。表示部10は、ライブビュー画像等を表示する液晶表示器と、液晶表示器を駆動する駆動回路等から構成される。
【0019】
CODEC9は、撮影時に画像処理部7から供給された画像データ(YUVデータ)をJPEG(Joint Photographic Expert Group)方式による符号化し、また、符号化されている任意の画像データを復号する。
【0020】
撮影時にCODEC9においてJPEG方式で圧縮符号化された画像データは、CPU8によって日付情報や画像サイズ等の種々の撮影情報を付加された後、静止画データ(静止画ファイル)として画像メモリ11に記録される。画像ファイルは、後述するようにDCF規格に対応した形式である。
【0021】
画像メモリ11は、カメラ本体に着脱自在な例えばカード型の記録媒体であり、画像メモリ11に記録された静止画データは、再生時においてCPU8により適宜読み出され、CODEC9において復号された後、表示部10へ送られて静止画像として再生される。
【0022】
図2は、画像メモリ11における画像ファイルの記録構造を示した図である。図2に示したように、画像メモリ11内には、デジタルカメラ1(他のデジタルカメラでもよい。)における初期化時に作成される画像ファイル記録用のディレクトリ(ディレクトリ名:DCIM)101と、その配下に、DCFディレクトリ呼ばれる複数のディレクトリ102,102,・・・,103,104・・・とからなるツリー構造をなす複数のディレクトリが作成されている。そして、各ディレクトリ102,102,・・・,103,104・・・内に、1又は複数の画像ファイル111が記録されている。
【0023】
各ディレクトリ102,102,・・・,103,104・・・には、DCF規格で規定されたディレクトリ名がそれぞれ付与されており、また、各画像ファイル111にも、DCF規格で規定されたディレクトリ名がそれぞれ付与されている。
【0024】
図3(a)は、DCF規格におけるディレクトリ名の規定、及びディレクトリ名の一例を示した図である。ディレクトリ名は、先頭の3桁のディレクトリ番号と、ディレクトリ番号に続く5文字の自由文字とから構成される。ディレクトリ番号は「100」〜「999」の番号に制限される一方、欠番の存在は許容されている。また、自由文字には、他のディレクトリと同一又は異なる任意の文字列の使用が許容されている。
【0025】
図3(b)は、DCF規格におけるファイル名の規定、及びファイル名の一例を示した図である。ファイル名は、先頭の4文字の自由文字と、自由文字に続くファイル番号と拡張子(jpg、図2)から構成される。自由文字は、半角英数大文字のみに制限されており、同一ディレクトリ内での異なる文字列の使用が許容されている。また、ファイル番号は「0001」〜「9999」の番号に制限される一方、欠番の存在は許容されている。
【0026】
ここで、本実施形態のデジタルカメラ1においては、撮影モードとして通常の撮影モードの他にオークション用の撮影モードとWeb用の撮影モードとが設けられており、画像メモリ11内には、各撮影モードで生成した画像ファイルを記録するためのディレクトリが撮影モードに対応して個別に作成されている。そして、各々の画像ファイルは、撮影モードに応じてグループ分けされ、対応するディレクトリに記録されている。
【0027】
例えば図2に示した各ディレクトリ102,102,・・・,103,104・・・のうち、ディレクトリ名が「100ABCDE」、「102ABCDE」であるディレクトリ102,102が、通常の撮影モードで生成される画像ファイル111(図では「CIMG0001.jpg」等)が記録されるディレクトリである。つまりデジタルカメラ1においては、通常の撮影モードに対応するディレクトリとして、ファイル番号に「ABCDE」からなる所定文字列を連結したディレクトリ名を付与したディレクトリを作成するようになっている。なお、通常の撮影モードで生成される画像ファイル111に使用されるディレクトリ名の所定文字列は、一般にデジタルカメラ1のメーカー名が使用される。
【0028】
つまり、この所定文字列を含むディレクトリ名のディレクトリは、本実施形態によるデジタルカメラ1と同等の機能を有するデジタルカメラで撮影された画像ファイルを記録した記録媒体には必ず存在するが、その他のデジタルカメラで撮影された画像ファイルを記録した記録媒体には存在しない場合がある。
【0029】
また、図2に示したディレクトリ名が「100_AUCT」であるディレクトリ103は、オークション用の撮影モードに対応するディレクトリであり、そのディレクトリ名が、ファイル番号に「_AUCT」からなる所定文字列を連結したものとなっている。さらに、図2に示したディレクトリ名が「100_IWEB」であるディレクトリ104は、Web用の撮影モードに対応するディレクトリであり、そのディレクトリ名が、ファイル番号に「_IWEB」からなる所定文字列を連結したものとなっている。
【0030】
ここで、通常の撮影モードは、デジタルカメラ1において基本となる動作モードが撮影モードに設定されたとき初期状態で自動的に設定される上位の撮影モードであり、オークション用の撮影モードと、Web用の撮影モードは、基本となる動作モードが撮影モードである間に、ユーザーが必要に応じて設定可能な下位の撮影モードである。
【0031】
また、オークション用の撮影モードは、撮影時にオークションサイトへの出品の撮影に適した撮影条件が自動的に設定される撮影モードであり、Web用の撮影モードは、撮影時にインターネットのホームページに掲載するための写真の撮影に適した撮影条件が自動的に設定される撮影モードである。
【0032】
なお、図2には示さないが、同一ディレクトリ内に記録されている、互いに関連する複数の画像ファイルには同一のファイル番号を有するファイル名が付与される。互いに関連する複数の画像ファイルとは、例えばデジタルカメラ1が有する連写機能により連続撮影で記録される一連の画像ファイルや、デジタルカメラ1が有する編集機能によって、拡大、縮小、トリミング等の編集処理に伴い作成される画像ファイルと編集処理元の画像ファイルである。
【0033】
一方、図1に示したように、デジタルカメラ1においては、CPU8に、操作部12、RAM(Random Access memory)13、プログラムメモリ14が接続されている。RAM13はCPU8のワーキングメモリであり、RAM13には、CPU8がデジタルカメラ1の制御を行う際に種々のデータが記憶される。
【0034】
操作部12は、電源キーや、シャッターキー、デジタルカメラ1の基本の動作モードである撮影モードと、記録画像の表示用の再生モードとの切り替えを行うモード切替キー、通常の撮影モードの下位モードである前述した特定の撮影モードの設定を含む、種々の設定作業に使用されるMENUキー、方向キー等の図示しない複数キー等であり、操作部12における各キーはCPU8によって操作状態を随時スキャンされる。
【0035】
シャッターキーは、半押し操作と全押し操作との2段階操作が可能な所謂ハーフシャッター機能を有する構成である。シャッターキーの半押し操作は、AE(Auto Exposure)動作、及びAF(Auto Focus)動作の開始指示等に使用され、シャッターキーの全押し操作は撮影指示に使用される。
【0036】
プログラムメモリ14は、例えば記憶データが書き換え可能なEEPROM(Electric Erasable Programmable Read Only Memory)であるフラッシュメモリである。プログラムメモリ14には、CPU8にデジタルカメラ1の全体の動作を制御させるための制御プログラムや各種のデータが記憶されている。
【0037】
プログラムメモリ14に記憶されている制御プログラムには、CPU8にAE制御、AF制御、AWB(Auto white balance)制御を行わせるためのプログラムや、画像ファイルの管理を行わせるためのファイル管理プログラムが含まれる。
【0038】
CPU8は、プログラムメモリ14に記憶されている制御プログラムに従いRAM13を作業メモリとして動作することにより、デジタルカメラ1の各部を制御する。また、CPU8は、上記のファイル管理プログラムに従い図4に示したメイン処理部81、及びキャッシング処理部82として機能することによって、画像メモリ11に記憶されている画像ファイルを管理する。
【0039】
すなわち、図4はCPU8における本発明に関する機能を示した機能ブロック図である。メイン処理部81、及びキャッシング処理部82の概略を説明すると、以下の通りである。
【0040】
すなわちメイン処理部81は、デジタルカメラ1の動作全般を制御する部分であり、必要に応じてキャッシング処理部82にキャッシング処理の実行を要求する。このキャッシング処理は、画像メモリ11から複数の画像ファイルに関するファイル管理情報を取得し、本発明のキャッシュメモリとして機能する内部メモリ83に一時記憶させる処理である。
【0041】
キャッシング処理部82は、メイン処理部81の要求に応じ、メイン処理部81における他の処理と並行してキャッシング処理を実行する。このキャッシング処理では、画像メモリ11に記録されている画像ファイル111に関するファイル管理情報を取得する。そして、キャッシング処理部82は、取得したファイル管理情報を内部メモリ83に一時的に記憶(キャッシング)する。
【0042】
ここで、キャッシング処理部82が取得し、内部メモリ83に一時的に記憶するファイル管理情報は、そのときどきのファイル処理の対象となる特定のディレクトリに記録されている全ての画像ファイルに関するファイル管理情報である。
【0043】
次に、CPU8による画像ファイルの管理を中心とした処理内容を図5〜図10に従い説明する。なお、図5〜図9は、CPU8がメイン処理部81として機能することにより行われる処理であり、図10は、CPU8がキャッシング処理部82として機能することにより行われる処理である。
【0044】
なお、メイン処理部81の処理とキャッシング処理部82の処理は、非同期に並行して実行することが可能な処理であるため、同じCPU(CPU8)によって時分割で処理を行う他に、異なる複数のCPUによって別々に処理を行わせるようにしてもよい。
【0045】
図5に示したようにメイン処理部81(CPU8)は、電源投入とともに処理を開始した後、直ちに通常の撮影モードを指定して図8に示したディレクトリ特定処理を行い(ステップSA1)、さらに撮影モード用ディレクトリを指定して図9に示したキャッシュ要求、及び待機処理を行ってから(ステップSA2)、各動作モードに共通する初期化処理を行う(ステップSA3)。
【0046】
図8のディレクトリ特定処理は、処理対象とすべきディレクトリを特定する処理であって、撮影モードと再生モードとにおいて必要に応じて実行される処理である。ディレクトリ特定処理に際してメイン処理部81は、まず、指定の動作モード用ディレクトリが特定済みか否かを確認し、特定済みであれば(ステップSA101:YES)直ちにディレクトリ特定処理を終了する。
【0047】
また、指定の動作モード用ディレクトリが特定済みでなければ、ディレクトリ特定処理に際してメイン処理部81は、まず、カメラ本体に装着されている画像メモリ11内に存在する全てのディレクトリ名を取得する(ステップSA102)。
【0048】
次に、メイン処理部81は、動作モードを確認し(ステップSA103)、動作モードが撮影モードである場合においては、取得した全てのディレクトリ名の中に、所定文字列を含むディレクトリ名が存在するか否かを確認する(ステップSA104)。
【0049】
所定文字列は動作モードに対応するものであって、「ABCDE」、「_AUCT」、「_IWEB」のいずれかであり(図2参照)、ここでは動作モードとして通常の撮影モードを指定しているため、所定文字列は「ABCDE」である。
【0050】
そして、所定文字列を含むディレクトリ名が存在しない場合(ステップSA104:NO)、メイン処理部81は、所定文字列を含み、かつディレクトリ番号が、既存のディレクトリ番号の連番となるディレクトリ名を新たに生成し、撮影モード用ディレクトリとして特定した後(ステップSA105)、図5の処理に戻る。
【0051】
また、所定文字列を含むディレクトリ名が存在する場合(ステップSA104:YES)、メイン処理部81は、所定文字列を含むディレクトリ名のうち、ディレクトリ番号が最大のディレクトリを撮影モード用ディレクトリとして特定した後(ステップSA106)、図5の処理に戻る。
【0052】
なお、後述する再生モードにおいてディレクトリ特定処理を行う場合、メイン処理部81は、ステップSA102の処理で取得した全てのディレクトリ名の中でディレクトリ番号が最大のディレクトリを再生用ディレクトリとして特定する(ステップSA107)。
【0053】
また、図9のキャッシュ要求、及び待機処理は、指定された動作モード用ディレクトリに関するファイル管理情報を内部メモリ83にキャッシュする処理である。ここでの動作モード用ディレクトリは、ステップSA2の処理で指定された撮影モード用ディレクトリであって、ステップSA1(図8のディレクトリ特定処理)で特定された撮影モード用ディレクトリである。すなわちここでは既説したように所定文字列が「ABCDE」であり、かつディレクトリ番号が最大のディレクトリである。
【0054】
そして、図9に示したように、キャッシュ要求、及び待機処理に際してメイン処理部81は、まず、指定ディレクトリがキャッシュ済みか否か、つまり指定ディレクトリ内の全てのファイルのファイル管理情報が内部メモリ83に既にキャッシュされているか否かを確認する(ステップSA201)。そして、指定ディレクトリがキャッシュ済みであれば(ステップSA201:YES)、メイン処理部81は直ちに処理を終了する。
【0055】
一方、指定ディレクトリがキャッシュ済みでなければ(ステップSA201:NO)、メイン処理部81は、指定ディレクトリが現在キャッシング中(キャッシング処理部82によるキャッシング処理が実行中)であるか否かを更に確認する(ステップSA202)。そして、メイン処理部81は、指定ディレクトリがキャッシング中であれば(ステップSA202:YES)、指定ディレクトリがキャッシュ済みとなるまで待機する。
【0056】
また、指定ディレクトリがキャッシング中でなければ(ステップSA202:NO)、メイン処理部81は、キャッシング処理部82に対して指定ディレクトリに対するファイル管理情報のキャッシュを要求する(ステップSA203)。
【0057】
図10は、キャッシュ要求に応じてキャッシング処理部82(CPU8)が実行する処理を示したフローチャートである。キャッシング処理部82は、電源投入後にはメイン処理部81側の処理と並行して、新たなキャッシュ要求の有無を常に確認しており、キャッシュ要求があると(ステップSB1:YES)、指定されたディレクトリを対象として以下の処理を実行する。
【0058】
まず、キャッシング処理部82は、ファイル管理情報を取得する処理対象となる画像ファイル(以下、単にファイルともいう。)のファイル番号を「1」に初期化する(ステップSB2)。
【0059】
次に、キャッシング処理部82は、画像メモリ11にアクセスして、当該ファイル番号を含むファイル名が付与されているファイルの有無を確認し、該当するファイルがあれば(ステップSB3:YES)、ファイル管理情報を取得する(ステップSB4)。具体的なファイル管理情報は、ファイル名、ファイルデータの保存アドレス、並びにデジタルカメラ1が種々の機能による動作を実行する際に必要となるExif情報等である。
【0060】
しかる後、キャッシング処理部82は、取得したファイル管理情報を内部メモリ83にキャッシュした後(ステップSB5)、ファイル番号を1つ増加する(ステップSB6)。
【0061】
その後、キャッシング処理部82は、増加後の新たなファイル番号がDCF規格の上限である「9999」を超えていなければ(ステップSB7:NO)、ステップS3の処理へ戻り、ファイル名に新たなファイル番号を含むファイルの有無を確認した後、ファイル管理情報の取得、内部メモリ83へのキャッシング処理を繰り返す。
【0062】
以後、キャッシング処理部82は、ファイル番号が上限を超えるまで(ステップSB8:NO)、ステップSB3〜ステップSB7の処理を繰り返し、指定ディレクトリ内の全てのファイルのファイル管理情報を内部メモリ83にキャッシュし、ファイル番号が上限を超えた時点で(ステップSB7:YES)、処理を終了する。
【0063】
そして、メイン処理部81は、キャッシング処理部82によって指定ディレクトリ内の全てのファイルのファイル管理情報が内部メモリ83にキャッシュされると(ステップSA201:YES)、キャッシュ要求、及び待機処理を終了する。
【0064】
一方、ステップSA3の初期化処理が完了するとメイン処理部81は、現在設定されている動作モードを確認し(ステップSA4)、動作モードに応じた処理を実行する。なお、動作モードは、撮影モード及び再生モードと、その他のモードであり、電源投入直後の動作モードは、撮影モード、又は再生モードかのいずれかである。また、その他のモードは、例えば各種機能の詳細を設定するための設定モードである。
【0065】
そして、メイン処理部81は、動作モードが撮影モードであった場合には図6に示した処理を実行し、動作モードが再生モードであった場合には図7に示した処理を実行する。
【0066】
まず、動作モードが撮影モードであった場合について説明すると、メイン処理部81は、図6に示したように直ちにレンズブロック2が収納状態にあるか否かを確認し、起動直後のようにレンズブロック2は収納状態にあるときには(ステップSA5:YES)、レンズの繰り出し処理を開始する(ステップSA6)。
【0067】
次に、メイン処理部81は、ステップSA7,SA8の処理を経た後、レンズの繰り出しが完了するまで待機する(ステップSA9:NO)。ここで、ステップSA7,SA8の処理は、前述したステップSA1,SA2の処理と同様の処理であり、電源投入直後においては実質的にはスキップされる処理である。
【0068】
やがてレンズの繰り出しが完了すると(ステップSA9:YES)、メイン処理部81は、引き続きユーザーによる撮影指示の有無を確認する(ステップSA10)。そして、メイン処理部81は、撮影指示がなければ(ステップSA10:NO)、ステップSA15に進む。
【0069】
一方、撮影指示があるとメイン処理部81は、撮影指示に応答して撮影処理を行い、撮影画像のデータを取得する(ステップSA11)。なお、撮影処理において取得された画像データはCODEC9によりJPG形式で圧縮される。
【0070】
引き続き、メイン処理部81は、撮影モード用ディレクトリを指定して、図9に示したキャッシュ要求、及び待機処理を実行する(ステップSA12)。ここで、ステップSA12で指定する撮影モード用ディレクトリは、現在の撮影モードに対応するディレクトリであり、電源投入直後においては、既説したように通常の撮影モードに対応した所定文字列が「ABCDE」であり、かつディレクトリ番号が最大のディレクトリである。
【0071】
そして、キャッシュ要求、及び待機処理において、キャッシング処理部82により指定ディレクトリ内の全てのファイルのファイル管理情報が内部メモリ83にキャッシュされると、メイン処理部81は、内部メモリ83内のファイル管理情報に基づいて新たなファイル名、及び保存アドレスを特定する(ステップSA13)。
【0072】
なお、図6では省略したが、ステップSA13の処理に際してメイン処理部81は、指定ディレクトリ内に、ファイル名のファイル番号がDCF規格の上限である「9999」の画像ファイルが存在している場合、ディレクトリ番号が既存のディレクトリ番号の連番となるディレクトリ名を画像メモリ11内に新たに作成する。そして、メイン処理部81は、新たに作成したディレクトリに応じて新たなファイル名を特定する。
【0073】
しかる後、メイン処理部81は、ステップSA11の撮影処理に伴い生成された圧縮後の画像データを、他の付加情報とともに新たなファイル名を付与し画像ファイルとして画像メモリ11の、先に特定した保存アドレスに記録する(ステップSA14)。なお、ステップSA14の処理に際してメイン処理部81は、新たに記録した画像ファイルに関するファイル管理情報を、既存のファイル管理情報に加えて内部メモリ83にキャッシュする。
【0074】
そして、メイン処理部81はユーザーによる動作モードの変更の有無を確認し、動作モードの変更がなければ(ステップSA15:NO)、再び撮影指示の有無を確認する。一方、動作モードの変更があれば(ステップSA15:YES)、再びステップSA4の処理に進み、変更後の動作モードに応じた処理を実行する。
【0075】
ここで、以上説明したように電源投入直後の撮影モードでは、通常の撮影モードに対応したディレクトリに関するファイル管理情報の内部メモリ83へのキャッシュが、電源投入直後に自動的に開始され、起動時における初期化動作と並行して行われている。
【0076】
つまり、メイン処理部81は、電源投入時には、いずれのディレクトリに対応するファイル管理情報もキャッシュメモリに記憶されていないと判断できるので、電源投入直後のタイミングで、他の初期化動作と並行して直ちにキャッシング処理部82にキャッシング処理を開始させる。
【0077】
したがって、電源投入直後には、ファイル管理情報の更新待ちに起因したファイル処理の遅れが生じることがなく、直ちに撮影を行うことができる。つまり、起動後に撮影可能になるまでの待ち時間を短縮し、決定的瞬間を逃さずに撮影することができる。
【0078】
その後、メイン処理部81は、ユーザーによって動作モードが変更されることなく(ステップSA15:NO)、撮影指示があった場合には(ステップSA10:YES)、前述したステップSA11〜ステップSA14の処理を繰り返す。
【0079】
その際、ステップSA12の処理(図8)では、撮影モード用のディレクトリに関するファイル管理情報が既に内部メモリ83にキャッシュされているため何も行わずに、直ちにステップSA11の撮影処理で取得した圧縮後の画像データを、新たなファイル名の画像ファイルとして画像メモリ11に記録する(ステップSA14)。
【0080】
したがって、処理対象となるディレクトリのファイル管理情報がキャッシュ済みとなった後には、ユーザーにより動作モードが変更されることによって処理対象となるディレクトリが変更されない限り、ファイル管理情報の更新待ちに起因したファイル処理の遅れが生じることがなく、次の撮影処理を遅滞なく行うことができる。
【0081】
一方、撮影モードでの動作中においてユーザーにより動作モードが変更された場合(ステップSA15:YES)、メイン処理部81は、ステップSA4の処理へ戻り、まず変更後の動作モードを確認する。そして、変更後の動作モードが撮影モードであった場合には、図6の前述した処理を繰り返す。
【0082】
なお、変更後の動作モードが撮影モードである場合とは、動作モードの変更が、上位の撮影モードである通常の撮影モードから下位の撮影モードであるオークション用やWeb用の撮影モードへの変更、逆に下位の撮影モードから通常の撮影モードへの変更、さらに下位の撮影モードの種類の変更のいずれかの場合である。
【0083】
そして、変更後の動作モードが撮影モードであった場合、レンズは収納状態でないため(ステップSA5:NO)、メイン処理部81は、直ちに前述した図8のディレクトリ特定処理へ移行する(ステップSA7)。
【0084】
そして、ディレクトリ特定処理において撮影モード用ディレクトリを特定した後、メイン処理部81は、図9の既説したキャッシュ要求、及び待機処理を実行する(ステップSA8)。すなわち撮影モードが他の撮影モードに変更された場合には、ユーザーにより撮影モードが変更されたタイミングで、変更後の撮影モードに対応する撮影モード用ディレクトリ内の全てのファイルのファイル管理情報を一括して内部メモリ83にキャッシュさせる。
【0085】
なお、変更後の撮影モードに対応する撮影モード用ディレクトリは、変更後の撮影モードがオークション用の撮影モードであれば、ディレクトリ名が「100_AUCT」のディレクトリであり、変更後の撮影モードがWeb用の撮影モードであれば、ディレクトリ名が「100_IWEB」のディレクトリある。
【0086】
以後、メイン処理部81は、レンズの繰り出しは完了しているので(ステップSA9:YES)、既説したように撮影指示の有無(ステップSA10)、及び動作モードの変更の有無(ステップSA15)をそれぞれ確認し、確認結果に応じて前述した処理を行う。
【0087】
つまり、動作モードの変更に伴い処理対象となるディレクトリに変更が生じた場合には、変更後のディレクトリに対応するファイル管理情報がキャッシュメモリに記憶されていない可能性が高いと判断できるので、動作モードが変更されたタイミングで、変更後の動作モードでの実際のファイル処理に先立って、新たな動作モードで処理対象となるディレクトリに関するファイル管理情報が一括して内部メモリ83にキャッシュされる。したがって、動作モードの種類に変更があった場合であっても、最初のファイルアクセスにおけるファイル管理情報の更新待ち時間が少なく、ファイル管理情報の更新待ちに起因したファイル処理の遅れが生じることがない。
【0088】
次に、ユーザーによって動作モードが再生モードに変更された場合のメイン処理部81の処理について説明する。
【0089】
図7に示したように、メイン処理部81は、動作モードが再生モードに変更された場合、直ちに前述した図8のディレクトリ特定処理によって、再生モード用ディレクトリを特定する(ステップSA16)。つまり既説したように、画像メモリ11内の全てのディレクトリのディレクトリ名の中でディレクトリ番号が最大のディレクトリを再生用ディレクトリとして特定する(ステップSA206)。
【0090】
引き続き、メイン処理部81は、再生モード用ディレクトリを処理対象のディレクトリとして指定して、図9のキャッシュ要求、及び待機処理によって、再生モード用ディレクトリ内の全てのファイルのファイル管理情報を内部メモリ83にキャッシュする。
【0091】
つまり、動作モードが撮影モードから再生モードに変更されることに伴い処理対象となるディレクトリに変更が生じた場合であっても、変更後の動作モードでの実際のファイル処理に先立って、新たな撮影モードで処理対象となるディレクトリに関するファイル管理情報が一括して内部メモリ83にキャッシュされる。
【0092】
したがって、再生モードへの変更直後においても、最初のファイルアクセスにおけるファイル管理情報の更新待ち時間が少なく、ファイル管理情報の更新待ちに起因したファイル処理の遅れが生じることがない。
【0093】
引き続き、メイン処理部81は、前回の再生モード最後に再生された画像ファイルを再生対象として指定(ステップSA18)、その画像ファイルを画像メモリ11から読み出して再生し、表示部10に画像を表示させる(ステップSA19)。なお、最後に再生された画像ファイルに関する情報(ファイル名等)は画像メモリ11に記憶されている。
【0094】
また、メイン処理部81は、表示部10に画像を表示させている間、次の再生対象の画像の指定の有無、すなわちユーザーによる画像の送り操作や戻し操作の有無、及びユーザーによる動作モードの変更の有無を順次確認する(ステップSA23,SA24)。
【0095】
次の再生対象が指定された場合(ステップSA23:YES)、メイン処理部81は、再生モード用ディレクトリを処理対象のディレクトリとして指定して、図9のキャッシュ要求、及び待機処理によって、再生モード用ディレクトリ内の全てのファイルのファイル管理情報を内部メモリ83にキャッシュする(ステップSA20)。
【0096】
引き続き、メイン処理部81は、内部メモリ83のファイル管理情報に基づいて、次の再生対象の画像ファイルを画像メモリ11から読み込み(ステップSA21)、読み込んだ画像ファイルを再生し、表示部10に画像を表示させる(ステップSA22)。
【0097】
以後、メイン処理部81は、次の再生対象が指定される毎に(ステップSA23:YES)、ステップSA20〜ステップSA22の処理を繰り返す。
【0098】
ここで、ステップSA20の処理においては、次の再生対象が再生中の画像ファイルと同一ディレクトリに記録されている画像ファイルである場合、再生モード用ディレクトリに関するファイル管理情報は既に内部メモリ83にキャッシュされているため何も行わずに、直ちにステップSA21の処理で次の再生対象である所定の画像ファイルが読み込まれる。
【0099】
したがって、再生モードにおいては、処理対象となるディレクトリのファイル管理情報がキャッシュ済みとなった後には、次の再生対象として異なるディレクトリに記録されている画像が指定されない限り、ファイル管理情報の更新待ちに起因したファイル処理の遅れが生じることがない。
【0100】
その後、メイン処理部81は、ユーザーによって次の再生対象が指定されることなく(ステップSA23:NO)、動作モードが変更されると(ステップSA24:YES)、図5のステップSA4の処理へ戻り、前述した処理を繰り返す。
【0101】
以上説明したように本実施形態においては、画像メモリ11へのアクセスに必要な画像ファイルのファイル管理情報を、撮影モード及び再生モードにおいて、その時々に処理対象となるディレクトリを単位とし一括して内部メモリ83にキャッシュさせるようにした。
【0102】
したがって、前述したように撮影モード及び再生モードでの動作中には、ファイル管理情報をいったんキャッシュした後には、撮影モード及び再生モードの何れの動作モードにおいても、動作モードが他の動作モードに変更されない限りは、ファイル管理情報の更新待ちによるファイルアクセスの遅延を未然に防止することができる。
【0103】
また、動作モードの切り換えなどで処理対象となるディレクトリが変更された際には、動作モードが変更されて時点で、変更後の動作モードに対応するディレクトリに関するファイル管理情報を直ちに一括して内部メモリ83にキャッシュさせるようにした。
【0104】
これにより、動作モードが切り換えられることに伴い処理対象となるディレクトリが変更された場合であっても、ファイル管理情報をいったんキャッシュした後には、新たな動作モードによる動作中に動作モードが他の動作モードに変更されない限りは、ファイル管理情報の更新待ちによるファイル処理の遅延を未然に防止することができる。
【0105】
かかる効果は、動作モードの切り替えが、撮影モードから再生モードへの切り替えや、逆に再生モードから撮影モードへの切り替えや、撮影モードの種類の切り替えのいずれの場合であっても、動作モードの切り替えに伴い新たに処理対象となるディレクトリに記録されている画像ファイルの数が多いときには顕著となる。
【0106】
特に、動作モードが再生モードに切り替えられた場合や、撮影モードの種類が切り替えられた場合においては、動作モードが切り替えられた後に、直ちに撮影が行われる可能性が低く、そのため最初の撮影時においてファイル管理情報の更新待ちによって撮影処理に遅れが生ずる可能性が低い。同時に、2回目以降の撮影処理は遅滞なく行うことができる。したがって、変更後の動作モードが撮影モードである場合には、実質的には動作モードの変更後においても撮影処理を常に遅滞なく行うことができる。
【0107】
また、本実施形態においては、電源投入後の起動時には、撮影モードで使用されるディレクトリ、つまり電源を投入後に自動的に設定される通常の撮影モードで使用されるディレクトリに関するファイル管理情報のキャッシュを起動と同時に開始し、起動時における初期化動作と並行して行うようにした。これにより、前述したように起動後に撮影可能になるまでの待ち時間が短縮でき、起動直後であっても決定的瞬間を逃さずに撮影を行うことができる。
【0108】
なお、本実施形態においては、起動直後には、通常の撮影モードで使用されるディレクトリに関するファイル管理情報を起動時における初期化動作と並行して内部メモリ83に記憶するようにした。しかし、本発明の実施に際しては、初期化動作と並行してファイル管理情報を記憶するディレクトリを以下のようなディレクトリとすることもできる。
【0109】
例えば起動時には、最初にユーザーが選択された動作モードを特定し、その回数を起動直後にユーザーにより実際に使用された回数としてカウントし、それをRAM13に更新して記憶する。但し、RAM13は電源がオフ状態でも記憶内容が保持可能な構成とする。そして、起動時には、RAM13に記憶されている回数が最も多い動作モードに対応するディレクトリを対象としてファイル管理情報を起動時における初期化動作と並行して内部メモリ83に記憶するようにしてもよい。
【0110】
その場合には、ユーザーにより起動直後に多用される動作モードでの使用に際し、起動直後におけるファイル管理情報の更新待ちによるファイル処理の遅延を未然に防止することができる。
【0111】
また、本実施形態においては、内部メモリ83に単一のディレクトリに関するファイル管理情報をキャッシュするものについて説明した。しかし、内部メモリ83の記憶容量に余裕がある場合には、複数のディレクトリに関するファイル管理情報をディレクトリ毎に内部メモリ83にキャッシュする構成として、各ディレクトリに関するファイル管理情報を以下のように制御するようにしてもよい。
【0112】
例えば新たなディレクトリを対象としたファイル管理情報をキャッシュする必要が生じた場合には、新たなディレクトリのファイル管理情報を順に内部メモリ83にキャッシュする。一方、任意のファイル処理に伴い内部メモリ83に既存するディレクトリのファイル管理情報を参照する毎に、当該ディレクトリの使用回数をカウントし、それを内部メモリ83に更新して記憶する。そして、内部メモリ83に記憶可能なディレクトリ数のファイル管理情報が記憶されている状態で、新たなディレクトリを対象したファイル管理情報をキャッシュする必要が生じた場合には、使用回数つまり使用頻度が最も少ないディレクトリを対象したファイル管理情報を新たなファイル管理情報に更新する。
【0113】
上記のようにファイル管理情報を制御することにより、内部メモリ83の記憶容量に、複数のディレクトリに関するファイル管理情報を記憶するだけの余裕がある構成においては、ディレクトリを単位とするファイル管理情報をより効率的に内部メモリ83に記憶することができる。その結果、ファイル管理情報の更新待ちによるファイル処理の遅延をより確実に未然に防止することができる。
【0114】
また、本実施形態においては、動作モードが切り換えられることに伴い処理対象となるディレクトリが変更されたタイミングで、変更後の動作モードに対応するディレクトリのファイル管理情報を内部メモリ83にキャッシュするようにした。しかし、変更後の動作モードに対応するディレクトリを対象としたファイル管理情報のキャッシング処理は、本実施形態と異なるタイミングで行ってもよい。
【0115】
例えばディレクトリを対象としたファイル管理情報のキャッシング処理は、変更後の動作モードでのファイル処理(画像ファイルの記録または読み出し)の完了直後に行うようにしてもよい。つまり動作モードが切り換えられることに伴い処理対象となるディレクトリが変更され直後においては、前記キャッシュメモリ内のファイル管理情報を利用することなく画像メモリ11へ直接アクセスして処理対象の画像ファイルの記録または読み出し等を行うようにしてもよい。
【0116】
その場合、動作モードが変更された後の最初のファイル処理についても、それを直ちに行うことができる。かかる効果は、特に変更後の動作モードでのファイル処理が、新たな処理対象のディレクトリに記録されている全ての画像ファイルに関するファイル管理情報を必要としない処理であり、かつ新たな処理対象のディレクトリに記録されている画像ファイルの数が多い場合において顕著となる。
【0117】
以上、本発明のいくつかの実施形態、及びその変形例について説明したが、これらは本発明の作用効果が得られる範囲内であれば適宜変更が可能であり、変更後の実施形態も特許請求の範囲に記載された発明、及びその発明と均等の発明の範囲に含まれる。以下に、本出願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[請求項1]
複数の画像ファイルを複数のディレクトリに分けて記憶する記録媒体と、前記記録媒体に記憶されている画像ファイルに関する所定のファイル管理情報を一時的に記憶するキャッシュメモリと、前記キャッシュメモリに、前記記録媒体に記録されている複数の画像ファイルに関する所定のファイル管理情報をディレクトリを単位とし一括して記憶させる管理情報制御手段と、前記キャッシュメモリにディレクトリを単位とし一括して記憶されているファイル管理情報に基づいて前記記録媒体へアクセスし、前記記録媒体への画像ファイルの記録、及び前記記録媒体からの画像ファイルの読み出しを行うファイル処理手段とを備えたことを特徴とするデジタルカメラ。
[請求項2]
前記ファイル処理手段は、記録または読み出しの対象となる画像ファイルに対応する前記所定のファイル管理情報が前記キャッシュメモリに記憶されていない場合には、当該ファイル管理情報が前記キャッシュメモリに記憶されるまで待機するか、あるいは、前記キャッシュメモリ内のファイル管理情報を利用することなく前記記録媒体へ直接アクセスして当該画像ファイルの記録または読み出しを行い、前記管理情報制御手段は、記録または読み出しの対象となる画像ファイルに対応するファイル管理情報が前記キャッシュメモリに記憶されているか否かを判断し、記憶されていないと判断された場合には、当該画像ファイルを含むディレクトリを対象として前記所定のファイル管理情報を前記キャッシュメモリに一括して記憶させることを特徴とする請求項1記載のデジタルカメラ。
[請求項3]
前記記録媒体に対する画像ファイルの記録または読み出しを行うディレクトリがそれぞれ異なる複数の動作モードを選択的に設定する動作モード設定手段を更に備え、前記管理情報制御手段は、使用者により動作モードが変更されたタイミングで、変更後の動作モードに対応するディレクトリ記録されている複数の画像ファイルに関するファイル管理情報を前記キャッシュメモリに一括して記憶させることを特徴とする請求項2記載のデジタルカメラ。
[請求項4]
前記ファイル処理手段は、撮影モードにおいては新たに撮影された画像ファイルを前記記憶媒体の第1のディレクトリに記憶し、再生モードにおいては前記第1のディレクトリとは異なる前記記憶媒体の第2のディレクトリに記録されている画像ファイルを読み出すことを特徴とする請求項3記載のデジタルカメラ。
[請求項5]
前記管理情報制御手段は、起動時における初期化動作と並行し、前記第1のディレクトリに記録されている複数の画像ファイルに関する所定のファイル管理情報の前記キャッシュメモリへの記憶を開始することを特徴とする請求項4記載のデジタルカメラ。
[請求項6]
起動直後に使用者により実際に使用された回数を動作モード毎に記憶する回数記憶手段を備え、前記管理情報制御手段は、前記回数記憶手段に記憶されている回数が最大の動作モードに対応するディレクトリに記録されている複数の画像ファイルに関する所定のファイル管理情報の前記キャッシュメモリへの記憶を開始することを特徴とする請求項5記載のデジタルカメラ。
[請求項7]
前記記録媒体に、予め決められた特定の文字列と既存するディレクトリに使用されている最大のディレクトリ番号に連続するディレクトリ番号を連結したディレクトリ名を付与した新たなディレクトリを作成するディレクトリ作成手段を備え、前記管理情報制御手段は、撮影モード、及び起動直後には、前記記録媒体に既存する全てのディレクトリのうちで、前記特定の文字列に連結されているディレクトリ番号が最大のディレクトリ名が付与されているディレクトリを対象として前記ファイル管理情報を前記キャッシュメモリへ記憶する一方、再生モードでは、前記特定の文字列が含まれるか否かにかかわらず、前記記録媒体に既存する全てのディレクトリのうちでディレクトリ番号が最大のディレクトリ名が付与されているディレクトリを対象として前記ファイル管理情報を前記キャッシュメモリへ記憶することを特徴とする請求項1乃至6いずれか記載のデジタルカメラ。
[請求項8]
撮影モードとして、前記第1のディレクトリが対応する通常撮影モードと、当該通常撮影モードとは異なる専用撮影モードとを備え、前記管理情報制御手段は、前記通常撮影モードでは、前記第1のディレクトリを対象として前記ファイル管理情報を前記キャッシュメモリへ記憶する一方、前記専用撮影モードでは、当該専用撮影モードに対応して前記記録媒体に設けられている第3のディレクトリを対象として前記ファイル管理情報を前記キャッシュメモリへ記憶することを特徴とする請求項4乃至7いずれか記載のデジタルカメラ。
[請求項9]
前記キャッシュメモリに異なるディレクトリに関する前記ファイル管理情報を同時に記憶可能な記憶領域が確保され、前記管理情報制御手段は、新たな前記ファイル管理情報を前記キャッシュメモリに順に記憶させるとともに、前記キャッシュメモリに記憶したファイル管理情報が前記ファイル処理手段に使用された回数を個別にカウントし、前記記憶領域に空きがなくなった場合、前記ファイル処理手段に使用された回数が最も少ないファイル管理情報を前記新たなファイル管理情報に更新することを特徴とする請求項1乃至8いずれか記載のデジタルカメラ。 [請求項10]
複数の画像ファイルを複数のディレクトリに分けて記憶する記録媒体と、前記記録媒体に記憶されている画像ファイルに関する所定のファイル管理情報を一時的に記憶するキャッシュメモリとを備えたデジタルカメラにおいて、前記キャッシュメモリに、前記記録媒体に記録されている複数の画像ファイルに関する所定のファイル管理情報を、ディレクトリを単位とし一括して記憶させる工程と、前記キャッシュメモリにディレクトリを単位とし一括して記憶されているファイル管理情報に基づき前記記録媒体へアクセスし、前記記録媒体への画像ファイルの記録、及び前記記録媒体からの画像ファイルの読み出しを行う工程とを含むことを特徴とする画像ファイル管理方法。
[請求項11]
複数の画像ファイルを複数のディレクトリに分けて記憶する記録媒体と、前記記録媒体に記憶されている画像ファイルに関する所定のファイル管理情報を一時的に記憶するキャッシュメモリとを備えたデジタルカメラが有するコンピュータを、前記キャッシュメモリに、前記記録媒体に記録されている複数の画像ファイルに関する所定のファイル管理情報を、ディレクトリを単位とし一括して記憶させる管理情報制御手段と、前記キャッシュメモリにディレクトリを単位とし一括して記憶されているファイル管理情報に基づいて前記記録媒体へアクセスし、前記記録媒体への画像ファイルの記録、及び前記記録媒体からの画像ファイルの読み出しを行うファイル処理手段として機能させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0118】
1 デジタルカメラ
2 レンズブロック
3 撮像素子
8 CPU
11 画像メモリ
14 プログラムメモリ
81 メイン処理部
82 キャッシング処理部
83 内部メモリ
102 ディレクトリ
103 ディレクトリ
104 ディレクトリ
111 画像ファイル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像ファイルを複数のディレクトリに分けて記憶する記録媒体と、
前記記録媒体に記憶されている画像ファイルに関する所定のファイル管理情報を一時的に記憶するキャッシュメモリと、
前記キャッシュメモリに、前記記録媒体に記録されている複数の画像ファイルに関する所定のファイル管理情報をディレクトリを単位とし一括して記憶させる管理情報制御手段と、
前記キャッシュメモリにディレクトリを単位とし一括して記憶されているファイル管理情報に基づいて前記記録媒体へアクセスし、前記記録媒体への画像ファイルの記録、及び前記記録媒体からの画像ファイルの読み出しを行うファイル処理手段と
を備えたことを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項2】
前記ファイル処理手段は、記録または読み出しの対象となる画像ファイルに対応する前記所定のファイル管理情報が前記キャッシュメモリに記憶されていない場合には、当該ファイル管理情報が前記キャッシュメモリに記憶されるまで待機するか、あるいは、前記キャッシュメモリ内のファイル管理情報を利用することなく前記記録媒体へ直接アクセスして当該画像ファイルの記録または読み出しを行い、
前記管理情報制御手段は、記録または読み出しの対象となる画像ファイルに対応するファイル管理情報が前記キャッシュメモリに記憶されているか否かを判断し、記憶されていないと判断された場合には、当該画像ファイルを含むディレクトリを対象として前記所定のファイル管理情報を前記キャッシュメモリに一括して記憶させる
ことを特徴とする請求項1記載のデジタルカメラ。
【請求項3】
前記記録媒体に対する画像ファイルの記録または読み出しを行うディレクトリがそれぞれ異なる複数の動作モードを選択的に設定する動作モード設定手段を更に備え、
前記管理情報制御手段は、使用者により動作モードが変更されたタイミングで、変更後の動作モードに対応するディレクトリ記録されている複数の画像ファイルに関するファイル管理情報を前記キャッシュメモリに一括して記憶させる
ことを特徴とする請求項2記載のデジタルカメラ。
【請求項4】
前記ファイル処理手段は、撮影モードにおいては新たに撮影された画像ファイルを前記記憶媒体の第1のディレクトリに記憶し、再生モードにおいては前記第1のディレクトリとは異なる前記記憶媒体の第2のディレクトリに記録されている画像ファイルを読み出す ことを特徴とする請求項3記載のデジタルカメラ。
【請求項5】
前記管理情報制御手段は、起動時における初期化動作と並行し、前記第1のディレクトリに記録されている複数の画像ファイルに関する所定のファイル管理情報の前記キャッシュメモリへの記憶を開始することを特徴とする請求項4記載のデジタルカメラ。
【請求項6】
起動直後に使用者により実際に使用された回数を動作モード毎に記憶する回数記憶手段を備え、
前記管理情報制御手段は、前記回数記憶手段に記憶されている回数が最大の動作モードに対応するディレクトリに記録されている複数の画像ファイルに関する所定のファイル管理情報の前記キャッシュメモリへの記憶を開始する
ことを特徴とする請求項5記載のデジタルカメラ。
【請求項7】
前記記録媒体に、予め決められた特定の文字列と既存するディレクトリに使用されている最大のディレクトリ番号に連続するディレクトリ番号を連結したディレクトリ名を付与した新たなディレクトリを作成するディレクトリ作成手段を備え、
前記管理情報制御手段は、撮影モード、及び起動直後には、前記記録媒体に既存する全てのディレクトリのうちで、前記特定の文字列に連結されているディレクトリ番号が最大のディレクトリ名が付与されているディレクトリを対象として前記ファイル管理情報を前記キャッシュメモリへ記憶する一方、再生モードでは、前記特定の文字列が含まれるか否かにかかわらず、前記記録媒体に既存する全てのディレクトリのうちでディレクトリ番号が最大のディレクトリ名が付与されているディレクトリを対象として前記ファイル管理情報を前記キャッシュメモリへ記憶する
ことを特徴とする請求項1乃至6いずれか記載のデジタルカメラ。
【請求項8】
撮影モードとして、前記第1のディレクトリが対応する通常撮影モードと、当該通常撮影モードとは異なる専用撮影モードとを備え、
前記管理情報制御手段は、前記通常撮影モードでは、前記第1のディレクトリを対象として前記ファイル管理情報を前記キャッシュメモリへ記憶する一方、前記専用撮影モードでは、当該専用撮影モードに対応して前記記録媒体に設けられている第3のディレクトリを対象として前記ファイル管理情報を前記キャッシュメモリへ記憶する
ことを特徴とする請求項4乃至7いずれか記載のデジタルカメラ。
【請求項9】
前記キャッシュメモリに異なるディレクトリに関する前記ファイル管理情報を同時に記憶可能な記憶領域が確保され、
前記管理情報制御手段は、新たな前記ファイル管理情報を前記キャッシュメモリに順に記憶させるとともに、前記キャッシュメモリに記憶したファイル管理情報が前記ファイル処理手段に使用された回数を個別にカウントし、前記記憶領域に空きがなくなった場合、前記ファイル処理手段に使用された回数が最も少ないファイル管理情報を前記新たなファイル管理情報に更新する
ことを特徴とする請求項1乃至8いずれか記載のデジタルカメラ。
【請求項10】
複数の画像ファイルを複数のディレクトリに分けて記憶する記録媒体と、前記記録媒体に記憶されている画像ファイルに関する所定のファイル管理情報を一時的に記憶するキャッシュメモリとを備えたデジタルカメラにおいて、
前記キャッシュメモリに、前記記録媒体に記録されている複数の画像ファイルに関する所定のファイル管理情報を、ディレクトリを単位とし一括して記憶させる工程と、
前記キャッシュメモリにディレクトリを単位とし一括して記憶されているファイル管理情報に基づき前記記録媒体へアクセスし、前記記録媒体への画像ファイルの記録、及び前記記録媒体からの画像ファイルの読み出しを行う工程と
を含むことを特徴とする画像ファイル管理方法。
【請求項11】
複数の画像ファイルを複数のディレクトリに分けて記憶する記録媒体と、前記記録媒体に記憶されている画像ファイルに関する所定のファイル管理情報を一時的に記憶するキャッシュメモリとを備えたデジタルカメラが有するコンピュータを、
前記キャッシュメモリに、前記記録媒体に記録されている複数の画像ファイルに関する所定のファイル管理情報を、ディレクトリを単位とし一括して記憶させる管理情報制御手段と、
前記キャッシュメモリにディレクトリを単位とし一括して記憶されているファイル管理情報に基づいて前記記録媒体へアクセスし、前記記録媒体への画像ファイルの記録、及び前記記録媒体からの画像ファイルの読み出しを行うファイル処理手段と
して機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項1】
複数の画像ファイルを複数のディレクトリに分けて記憶する記録媒体と、
前記記録媒体に記憶されている画像ファイルに関する所定のファイル管理情報を一時的に記憶するキャッシュメモリと、
前記キャッシュメモリに、前記記録媒体に記録されている複数の画像ファイルに関する所定のファイル管理情報をディレクトリを単位とし一括して記憶させる管理情報制御手段と、
前記キャッシュメモリにディレクトリを単位とし一括して記憶されているファイル管理情報に基づいて前記記録媒体へアクセスし、前記記録媒体への画像ファイルの記録、及び前記記録媒体からの画像ファイルの読み出しを行うファイル処理手段と
を備えたことを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項2】
前記ファイル処理手段は、記録または読み出しの対象となる画像ファイルに対応する前記所定のファイル管理情報が前記キャッシュメモリに記憶されていない場合には、当該ファイル管理情報が前記キャッシュメモリに記憶されるまで待機するか、あるいは、前記キャッシュメモリ内のファイル管理情報を利用することなく前記記録媒体へ直接アクセスして当該画像ファイルの記録または読み出しを行い、
前記管理情報制御手段は、記録または読み出しの対象となる画像ファイルに対応するファイル管理情報が前記キャッシュメモリに記憶されているか否かを判断し、記憶されていないと判断された場合には、当該画像ファイルを含むディレクトリを対象として前記所定のファイル管理情報を前記キャッシュメモリに一括して記憶させる
ことを特徴とする請求項1記載のデジタルカメラ。
【請求項3】
前記記録媒体に対する画像ファイルの記録または読み出しを行うディレクトリがそれぞれ異なる複数の動作モードを選択的に設定する動作モード設定手段を更に備え、
前記管理情報制御手段は、使用者により動作モードが変更されたタイミングで、変更後の動作モードに対応するディレクトリ記録されている複数の画像ファイルに関するファイル管理情報を前記キャッシュメモリに一括して記憶させる
ことを特徴とする請求項2記載のデジタルカメラ。
【請求項4】
前記ファイル処理手段は、撮影モードにおいては新たに撮影された画像ファイルを前記記憶媒体の第1のディレクトリに記憶し、再生モードにおいては前記第1のディレクトリとは異なる前記記憶媒体の第2のディレクトリに記録されている画像ファイルを読み出す ことを特徴とする請求項3記載のデジタルカメラ。
【請求項5】
前記管理情報制御手段は、起動時における初期化動作と並行し、前記第1のディレクトリに記録されている複数の画像ファイルに関する所定のファイル管理情報の前記キャッシュメモリへの記憶を開始することを特徴とする請求項4記載のデジタルカメラ。
【請求項6】
起動直後に使用者により実際に使用された回数を動作モード毎に記憶する回数記憶手段を備え、
前記管理情報制御手段は、前記回数記憶手段に記憶されている回数が最大の動作モードに対応するディレクトリに記録されている複数の画像ファイルに関する所定のファイル管理情報の前記キャッシュメモリへの記憶を開始する
ことを特徴とする請求項5記載のデジタルカメラ。
【請求項7】
前記記録媒体に、予め決められた特定の文字列と既存するディレクトリに使用されている最大のディレクトリ番号に連続するディレクトリ番号を連結したディレクトリ名を付与した新たなディレクトリを作成するディレクトリ作成手段を備え、
前記管理情報制御手段は、撮影モード、及び起動直後には、前記記録媒体に既存する全てのディレクトリのうちで、前記特定の文字列に連結されているディレクトリ番号が最大のディレクトリ名が付与されているディレクトリを対象として前記ファイル管理情報を前記キャッシュメモリへ記憶する一方、再生モードでは、前記特定の文字列が含まれるか否かにかかわらず、前記記録媒体に既存する全てのディレクトリのうちでディレクトリ番号が最大のディレクトリ名が付与されているディレクトリを対象として前記ファイル管理情報を前記キャッシュメモリへ記憶する
ことを特徴とする請求項1乃至6いずれか記載のデジタルカメラ。
【請求項8】
撮影モードとして、前記第1のディレクトリが対応する通常撮影モードと、当該通常撮影モードとは異なる専用撮影モードとを備え、
前記管理情報制御手段は、前記通常撮影モードでは、前記第1のディレクトリを対象として前記ファイル管理情報を前記キャッシュメモリへ記憶する一方、前記専用撮影モードでは、当該専用撮影モードに対応して前記記録媒体に設けられている第3のディレクトリを対象として前記ファイル管理情報を前記キャッシュメモリへ記憶する
ことを特徴とする請求項4乃至7いずれか記載のデジタルカメラ。
【請求項9】
前記キャッシュメモリに異なるディレクトリに関する前記ファイル管理情報を同時に記憶可能な記憶領域が確保され、
前記管理情報制御手段は、新たな前記ファイル管理情報を前記キャッシュメモリに順に記憶させるとともに、前記キャッシュメモリに記憶したファイル管理情報が前記ファイル処理手段に使用された回数を個別にカウントし、前記記憶領域に空きがなくなった場合、前記ファイル処理手段に使用された回数が最も少ないファイル管理情報を前記新たなファイル管理情報に更新する
ことを特徴とする請求項1乃至8いずれか記載のデジタルカメラ。
【請求項10】
複数の画像ファイルを複数のディレクトリに分けて記憶する記録媒体と、前記記録媒体に記憶されている画像ファイルに関する所定のファイル管理情報を一時的に記憶するキャッシュメモリとを備えたデジタルカメラにおいて、
前記キャッシュメモリに、前記記録媒体に記録されている複数の画像ファイルに関する所定のファイル管理情報を、ディレクトリを単位とし一括して記憶させる工程と、
前記キャッシュメモリにディレクトリを単位とし一括して記憶されているファイル管理情報に基づき前記記録媒体へアクセスし、前記記録媒体への画像ファイルの記録、及び前記記録媒体からの画像ファイルの読み出しを行う工程と
を含むことを特徴とする画像ファイル管理方法。
【請求項11】
複数の画像ファイルを複数のディレクトリに分けて記憶する記録媒体と、前記記録媒体に記憶されている画像ファイルに関する所定のファイル管理情報を一時的に記憶するキャッシュメモリとを備えたデジタルカメラが有するコンピュータを、
前記キャッシュメモリに、前記記録媒体に記録されている複数の画像ファイルに関する所定のファイル管理情報を、ディレクトリを単位とし一括して記憶させる管理情報制御手段と、
前記キャッシュメモリにディレクトリを単位とし一括して記憶されているファイル管理情報に基づいて前記記録媒体へアクセスし、前記記録媒体への画像ファイルの記録、及び前記記録媒体からの画像ファイルの読み出しを行うファイル処理手段と
して機能させることを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2013−102329(P2013−102329A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−244449(P2011−244449)
【出願日】平成23年11月8日(2011.11.8)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月8日(2011.11.8)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
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