説明

デジタルカメラシステム

【課題】 本体装置及び本体装置と着脱可能でかつ本体装置との間に複数のデータ通信路をもつと共に画像処理部並びに制御部をも備えたデジタルカメラ装置において、シリアル通信とDMA転送の両方を使用した場合の速度差による各々の制御をタイミングよく行う本体装置及びデジタルカメラ装置を提供する。
【解決手段】 デジタルカメラ装置にDMA転送データに制御コマンドを埋め込む手段を設け、本体装置に前記制御コマンドを解析してデータに関わる処理を実行する手段を設ける構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本体装置と当該本体装置に着脱可能なデジタルカメラ装置に関するものである。さらに詳しく言えば、本体装置と当該本体装置に着脱可能なデジタルカメラ装置におけるDMA(Direct Memory Access)インタフェースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、本体装置と着脱可能なデジタルカメラの構成においては、本体装置と撮像(レンズ含)部という構成が多く、画像処理等ができるモジュールは本体部に搭載されることがほとんどであった。このような事例では、バスインタフェースをそのまま信号線として着脱接点に引き回していることが多く、またデジタルカメラ装置の側に制御部が無く、当該デジタルカメラ装置は、本体装置の制御部によって全ての動作を制御されるため、本体装置とデジタルカメラ装置の間にアプリケーションインタフェースを用いたシリアル通信を行う必要はなかった。
【0003】
また、本体装置と当該本体装置に着脱可能で画像処理部等の制御部が搭載されたデジタルカメラ装置という構成の場合には、当該本体装置と当該デジタルカメラ装置との間のインタフェースは、比較的信号線の本数が少なく、ほとんどのデータを1本もしくは2本の信号線に載せて通信を行うもの(例えばUSB:Universal Serial Bus interface)を使っていることが多く、その場合、当該1本もしくは2本の信号線に制御データとイメージデータの両方を載せたソフトウェアインタフェースを用いており、そのためのアプリケーションインタフェースが種々提案され、標準化されている。
【0004】
特開平10-212428号公報の‘デジタルカメラ'の請求項1のように、被写体像を撮像レンズによって撮像素子上に結像し、当該撮像素子によって被写体像を電気信号に変換する撮像部と、前記撮像部より送られてくる前記電気信号を画像処理した後記録する本体部とからなるように構成し、前記撮像部が前記本体部に対して着脱自在となっているデジタルカメラを前提として、着脱部のインタフェースが画像処理部の無い撮像部と、通信回線接続部とで共用できることが提案されている。
【0005】
特開平10-174036号公報の‘撮像情報処理システム、撮像情報処理装置、デジタルカメラ、および撮像情報処理方法’の請求項1のように、編集処理時に、デジタルカメラから入力された撮像情報に対してビデオ出力対象を指定する指定情報を付加し、当該撮像情報を当該デジタルカメラに送信し、当該デジタルカメラは、受信した撮像情報に付加されたビデオ出力対象指定情報を元に、輝度、表示サイズ等の調整を実施してビデオ出力を実行するということが提案されている。
【特許文献1】特開平10-212428号公報
【特許文献2】特開平10-174036号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、本出願のように、画像処理等の制御部を持ったデジタルカメラ装置と、表示や各種アプリケーション動作の可能な本体装置との間を、3種類の異なるインタフェースによって接続する構成の場合、制御線の数が肥大してしまうという問題と、
異なる制御部間での制御情報の受け渡し及びイメージ情報の受け渡しが、別々のかつ大幅な速度差があるインタフェースを用いて行われる。そのため、撮像制御とデータ伝送制御を同時に2つ制御する場合に、速度差のある別々のインタフェースを同時に制御するための情報伝達を、一つのインタフェースで行うと間に合わない。
【0007】
という問題があった。
【0008】
本発明は、前記問題を鑑み、制御線の数を増やすことなく、異なる制御部間の速度差のある複数インタフェースにおける同時制御を簡易にし、アプリケーションインタフェースの利便性を向上させた、本体装置及びデジタルカメラ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明では、本体装置及び本体装置と着脱可能なデジタルカメラ装置は、前記本体装置とデジタルカメラ装置間に、シリアル通信、DMA転送路、ファインダーの3つの異なるデータ通信経路のインタフェースを個別に持ち、前記本体装置の制御ソフトウェアと前記デジタルカメラ装置の制御ソフトが連動して各種のアプリケーション機能の動作を行う本体装置及びデジタルカメラ装置において、前記本体装置の制御ソフトウェアを、アプリケーション部とミドルウェア部とドライバ部に分ける手段を持ち、前記本体装置の制御ソフトウェアにおけるドライバ部でのDMAドライバを介したDMA制御ミドルウェアと、前記デジタルカメラのDMA制御ソフトウェア間において、画像イメージ等のデータだけでなくコマンドをDMAデータとして送受する手段を有し、シリアル通信での制御イベントではDMA転送路を介して渡したデータの制御が速度的に困難な場合、の制御能力を向上させる。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように、本出願に係わる第一の発明によれば、本体装置及び本体装置と着脱可能なデジタルカメラ装置は、前記本体装置とデジタルカメラ装置間に、シリアル通信、DMA転送路、ファインダーの3つの異なるデータ通信経路のインタフェースを個別に持ち、前記本体装置の制御ソフトウェアと前記デジタルカメラ装置の制御ソフトウェアが連動して各種のアプリケーション機能の動作を行う本体装置及びデジタルカメラ装置において、シリアル通信では速度的に間に合わない事象をデジタルカメラ装置から本体装置にむけて送信したい場合に、DMAデータとして本体装置向けコマンドを送信することによって、本体装置とデジタルカメラ装置間のハード的な制御線を省くことができ、さらに、デジタルカメラ装置からの情報伝達として、シリアル通信だけでなく、DMAデータ上のコマンドを用いることによって、速度差のあるインタフェースにおける事象の同時伝達を可能とし、本体装置側での撮像制御と撮像データ伝送制御の同時制御を可能にする本体装置及びデジタルカメラ装置を提供することが出来るという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
次に本発明の本体装置及びデジタルカメラ装置の実施例について図面を元に詳細に説明する。
【0012】
(第一の実施例)
以下、図1〜図6に基づき、本発明による本体装置及びデジタルカメラ装置を具現化した本体装置及びデジタルカメラ装置の好適な実施例を説明する。
【0013】
図1は本発明の本体装置及びデジタルカメラ装置を具現化したハードウェアブロック図である。
【0014】
本体装置1は、一般的なコンピュータと同様の装置により構成される。すなわち、動作全体の制御を行う制御部11、読み書き可能な記憶部12、表示部13、キーボードやマウスのような操作部14、イメージ等を蓄積する媒体記憶部15、ファインダーインタフェース16、DMAインタフェース17、デジタルカメラ装置とのコマンドイベント通信路に用いるシリアルインタフェース18、それぞれのブロック間の情報の伝送を行うバス19より成る。
【0015】
デジタルカメラ装置2は、デジタルカメラの動作全体の制御を行う制御部21、読み書き可能な記憶部22、撮像部より取り込んだイメージのリサイズ、圧縮等を行う画像処理部23、外界の光を集めるレンズ、フォーカスレンズを動かすフォーカスモーター、外界の光情報を電気情報に変える素子等を備える撮像部24、及び本体装置と同様にファインダーインタフェース26、DMAインタフェース27、本体装置とのコマンドイベント通信路に用いるシリアルインタフェース28、それぞれのブロック間の情報の伝送を行うバス29より成る。
【0016】
また、デジタルカメラ装置2は、OS(Operating System)が無くほとんどのデバイスを直接制御している為、ソフトウェア構造はシンプルである。
【0017】
しかしながら、本体装置1は、デジタルカメラ装置2が接続できるだけでなく、あらゆる機器と接続し、様々なアプリケーションソフトウェアが動作することが要求されている為、OSを載せている。この場合のソフトウェア構造を図面(図2、図3)を基に詳細に説明すると、OS100の上で動作する各デバイスを制御するデバイスドライバ(ファインダドライバ103、DMAドライバ104、シリアルドライバ105)、当該デバイスドライバ等を制御しアプリケーションとのインタフェースを統一的に提供するミドルウェアライブラリ102(デジタルカメラ装置の設定及び制御に関するカメラ制御ミドルウェア1020、デジタルカメラからの画像と音声の記録・再生に関する動画制御ミドルウェア1021等)、ミドルウェアライブラリ102、ウィンドウシステムライブラリ及びOSのシステムコール等を制御して様々な動作を実現するアプリケーションシステム101(静止画撮影に関するユーザインタフェース等を提供する静止画アプリケーション1010、動画撮影に関するユーザインタフェース等を提供する動画撮影アプリケーション1011、動画再生・編集等のユーザインタフェース等を提供する動画再生アプリケーション1012等)等から構成される。
【0018】
なお、本体装置1内でのソフトウェアのほとんどは、記憶部の特に読み出し専用メモリ(ROM;図示せず)に格納されているが、電源投入後、OSが起動した後には、ソフトウェアプログラムは前記ROMから読み出し書き込みメモリ(RAM;図示せず)上にロードされて制御部10にて実行される。以下の説明において、ソフトウェアプログラムの実行に際し、前記ROMからRAMへのロード等の記述は、本願の発明の意図するところでは無いので、説明から省かせていただく。
【0019】
本第一の実施例では、様々なアプリケーションシステム101の中で、デジタルカメラ装置を使用する上で、近年搭載されるようになったアプリケーションシステム101としての動画録画アプリケーション1010の中で、特に動画録画停止動作を取り上げ、以下詳細に説明する。なお、以下では、動画録画時の動画とはMotion-JPEG録画を指している。また、音声録音は、本願特許の範囲ではないので、説明を省かせていただく。さらに、以下での説明においては、動画フレームという言葉が指しているものは、音声フレーム部分が無いイメージフレーム部分のみのフレームデータのことである。
【0020】
図4は、本体装置1とデジタルカメラ装置2間での動画録画モードでの動作のシーケンス図である。
【0021】
また、図5は、前記本体装置1とデジタルカメラ装置2間での動画録画モードの録画中動作のフロー図である。
【0022】
また、図6は、前記本体装置1とデジタルカメラ装置2間での動画録画モードの録画終了動作のフロー図である。
【0023】
本体装置1には、操作部14の一部として、ハードウェア録画ボタン(図示せず)が実装されていることとし、当該録画ボタンの押下によって、録画の開始・停止動作をする仕様であることを前提にしたアプリケーションシステムである。
【0024】
本体装置1及びデジタルカメラ装置2においての動画録画中(S1100)・(S1200)の動作は、以下の通りである。
【0025】
まず、デジタルカメラ装置2にて、撮像部24によって取り込まれた(S1201)デジタルイメージデータを画像処理部23にて、録画パラメータに沿ってリサイズ・圧縮して記憶部22に作成する(S1202)。当該デジタル圧縮イメージをxx1番目のフレームのイメージ部としてDMAインタフェース27を介して送信する準備をし(S1203)、その後、SE0xx1;動画転送指示イベントを作成して、当該SE0xx1;動画転送指示イベントをシリアルインタフェース28を介して本体装置1に送信する(S1204)。
【0026】
シリアルインタフェース18及びシリアルドライバ105を介してSE0xx1;動画転送指示イベントを受信した(S1101)本体装置1の制御部11で動作中のカメラ制御ミドルウェア1020は、動画フレーム受信コマンドをDMAドライバ104に対して発行する。
【0027】
動画フレーム受信コマンドを発行された本体装置1内のDMAドライバ104は、動画イメージ(0xx1)のDMA受信を開始する(S1102)。動画イメージ(0xx1)の受信を完了(S1103)した本体装置1内のDMAドライバ104は、動画フレーム(0xx1)DMA受信完了イベントを動画制御ミドルウェア1021に発行する。
【0028】
本体装置1内のDMAドライバ104からの動画フレーム(0xx1)DMA受信完了イベントを受信した動画制御ミドルウェア1021は、DMAバッファメモリ(図示せず)から動画イメージ(0xx1)を取り出して、jpegヘッダ等を付加し、媒体記憶部15に動画フォーマットにして追記する(S1104)。
【0029】
なお、デジタルカメラ装置2内のDMAドライバ27からのDMA転送完了を受信した制御部21で動作中の制御ソフトウェア201は、フレームレート間隔で撮像部24より取り込んだデジタルイメージデータを画像処理部23にて、録画パラメータに沿ってリサイズ・圧縮して記憶部22に作成したデジタル圧縮イメージをxx2番目のフレームのイメージ部としてDMAインタフェース27を介して送信する準備を行うと伴に、SE0xx2;動画転送指示イベントを作成して、当該SE0xx2;動画転送指示イベントをシリアルインタフェース28を介して本体装置1に送信する。
【0030】
上記シーケンスを繰り返すことによって動画録画動作が実行される。
【0031】
上記動画録画シーケンスが繰り返されている最中に、本体装置1を使用しているユーザが、録画ボタンを押下すると、録画ボタン押下を検知した操作部14により、制御部10に録画ボタン押下が通知される。
【0032】
録画ボタン押下を受け取った制御部10は、アプリケーションシステムの動作状態を調査し、動画撮影アプリケーション1011が録画中であるため、C0xx3;動画録画停止コマンドをカメラ制御ミドルウェア1020に発行する(S1110)。
【0033】
C0xx3;動画録画停止コマンドを発行された本体装置1内のカメラ制御ミドルウェア1020は、シリアルコマンドSC0xx3;動画録画停止コマンドを作成し、当該SC0xx3;動画録画停止コマンドをシリアルインタフェース105を介してデジタルカメラ装置2に送信する(S1111)。
【0034】
シリアルインタフェース28を介してSC0xx3;動画録画停止コマンドを受信したデジタルカメラ装置2の制御部21で動作中の制御ソフトウェア201は、以下の録画停止処理を実行を開始する(S1210)。撮像部24から新たなイメージ取り込みを停止し(S1211)、既に取り込み済みの動画イメージ(0xx3)の後に、取り込み終了コマンドを埋め込んだ動画イメージ(0xx4)を作成してDMA転送キューに入れた後、SE0xx5;動画録画停止応答イベントを作成し、当該SE0xx5;動画録画停止応答イベントをシリアルインタフェース28を介して本体装置1に送信する。
【0035】
シリアルインタフェース18及びシリアルドライバ105を介してSE0xx5;動画録画停止応答イベントを受信した本体装置1の制御部11で動作中のカメラ制御ミドルウェア1020は、イベント送信APIをCallして、E0xx5;動画録画停止応答イベントを動画録画アプリケーション1011に送信する。
【0036】
カメラ制御ミドルウェア1020からE0xx5;動画録画停止応答イベントを受信した本体装置1内の制御部1で動作中の応答イベント待ち状態にある(S1112)動画録画アプリケーション1011は、動画録画停止応答イベント受信フラグを立てるのみで、ミドルウェアへの停止コマンドは発行しない(S1113)。
【0037】
デジタルカメラ装置2側で撮像部24からの取り込みを停止した後の、残イメージは、デジタルカメラ装置2のS1202〜S1206と、本体装置1のS1101からS1104の動画イメージ転送・保存サイクルにより処理する。
【0038】
その後、S1103の処理後に取り込み終了コマンド入り動画イメージ(0xx4)を受信した本体装置1内のDMAドライバ104は、動画フレーム(0xx4)DMA受信完了イベント(取り込み終了コマンド付き)を動画制御ミドルウェア1021に発行する。
【0039】
本体装置1内のDMAドライバ104からの動画フレーム(0xx4)DMA受信完了イベント(取り込み終了コマンド付き)を受信した動画制御ミドルウェア1021は、当該動画フレーム(0xx4)の解析によって、デジタルカメラ装置2からの送信動作が終了したことを認識し、DMAドライバClose許可状態に移行すると伴に、媒体記憶部15に動画フォーマットにして追記している動画データのクローズ処理を行い、DMAドライバ104に対しDMA受信終了を発行する。
【0040】
本第一の実施例を実施することにより、以下のような特有の効果がある。
【0041】
・本体装置1におけるDMAドライバにて、デジタルカメラ装置2からの取り込み終了コマンドをチェックすることによって、DMA受信動作等の変更が可能となる。
【0042】
・本体装置1において、動画録画の実行権を持つ動画アプリケーションプロセスと、デジタルカメラユニットからDMA受信した動画データを媒体記憶部15に追記しているプロセスである動画制御ミドルウェアプロセスが異なっていても、DMA受信処理の不一致を起こすことなく、動画録画が可能である。
【0043】
(第二の実施例)
本発明における第二の実施例について、図面を元に詳細に説明する。
【0044】
本発明における第二の実施の形態を説明するためのハードウェアブロック図及びソフトウェアブロック図は、第一の実施例の図1及び図2図3と同様であるためここでは省略する。
【0045】
以下、図7のシーケンス図及び図8の録画中フロー図に基づき、本発明による本体装置1及びデジタルカメラ装置2を具現化した本体装置1及びデジタルカメラ装置2の好適な第二の実施例を説明する。
【0046】
本体装置1及びデジタルカメラ装置2を具現化した装置の構成は、第一の実施例と同様である。
【0047】
本実施例では、デジタルカメラ装置2で録画中の動画フレームのDMA転送に関わる本体装置1側のS1101からS1104のアルゴリズムが第一の実施例と異なるのみで、録画停止動作フロー図は、第一実施例の図6の本体装置1におけるS1110からS1118をS2110からS2118に、及びデジタルカメラ装置2におけるS1210からS1217をS2210からS2217に対応しており変わらないため、録画停止動作にかかわるフロー図は省略する。
【0048】
図7の通り、本体装置1とデジタルカメラ装置2間でのDMA転送処理をヘッダ部と本体部と2回に分けて転送を行う。
【0049】
このような処理にした場合の本体装置1及びデジタルカメラ装置2においての動画録画中(S2100)・(S2200)の動作は、以下の通りである。
【0050】
まず、デジタルカメラ装置2にて、撮像部24によって取り込まれた(S2201)デジタルイメージデータを画像処理部23にて、録画パラメータに沿ってリサイズ・圧縮して記憶部22に作成する(S2202)。当該デジタル圧縮イメージをxx1番目のフレームのイメージ部としてDMAインタフェース27を介して送信する準備(S2203)としてDMA転送ヘッダを作成する。前記DMA転送ヘッダは、本イメージ長、DMAイメージ長等の他にコマンド種別等によって構成される、ヘッダ作成後、SE0xx1;動画転送指示イベントを作成して、当該SE0xx1;動画転送指示イベントをシリアルインタフェース28を介して本体装置1に送信する(S2204)。
【0051】
シリアルインタフェース18及びシリアルドライバ105を介してSE0xx1;動画転送指示イベントを受信した(S2101)本体装置1の制御部11で動作中のカメラ制御ミドルウェア1020は、動画フレーム受信コマンドをDMAドライバ104に対して発行する。
【0052】
動画フレーム受信コマンドを発行された本体装置1内のDMAドライバ104は、まずヘッダ(0xx1h)のDMA受信を開始する(S2102)。
【0053】
ヘッダ(0xx1h)を受信した本体装置1内のDMAドライバ104は、ヘッダの解析を行い、各種DMAパラメータ設定を実行する。例えば、DMAイメージ長により、バッファ処理回数の設定等。また、前記ヘッダ解析の時にコマンド種別解析をも行い、終了コマンドかどうかの判定も行う(S2103)。
【0054】
前記ヘッダ解析において、終了コマンドでなかった場合本体装置1内のDMAドライバ104は、本体イメージ(0xx1)のDMA受信を実行する(S2104)。
【0055】
動画イメージ(0xx1)の受信を完了(S2105)した本体装置1内のDMAドライバ104は、動画フレーム(0xx1)DMA受信完了イベントを動画制御ミドルウェア1021に発行する。
【0056】
本体装置1内のDMAドライバ104からの動画フレーム(0xx1)DMA受信完了イベントを受信した動画制御ミドルウェア1021は、DMAバッファメモリ(図示せず)から動画イメージ(0xx1)を取り出して、jpegヘッダ等を付加し、媒体記憶部15に動画フォーマットにして追記する(S2106)。
【0057】
また、DMAからのDMA転送完了(S2206)を受信したデジタルカメラ装置2の制御部21で動作中の制御ソフトウェア201は、次のフレームのイメージ部としてDMAインタフェース27を介して送信する準備の処理を行う。
【0058】
上記シーケンスを繰り返すことによって実施例2における動画録画動作が実行される。
【0059】
上記動画録画シーケンスが繰り返されている最中に、本体装置1を使用しているユーザが、録画ボタンを押下すると、録画ボタン押下を検知した操作部14により、制御部10に録画ボタン押下が通知される。
【0060】
録画ボタン押下を受け取った制御部10は、アプリケーションシステムの動作状態を調査し、動画撮影アプリケーション1011が録画中であるため、C0xx3;動画録画停止コマンドをカメラ制御ミドルウェア1020に発行する(S2110)。
【0061】
C0xx3;動画録画停止コマンドを発行された本体装置1内のカメラ制御ミドルウェア1020は、シリアルコマンドSC0xx3;動画録画停止コマンドを作成し、当該SC0xx3;動画録画停止コマンドをシリアルインタフェース105を介してデジタルカメラ装置2に送信する(S2111)。
【0062】
シリアルインタフェース28を介してSC0xx3;動画録画停止コマンドを受信したデジタルカメラ装置2の制御部21で動作中の制御ソフトウェア201は、以下の録画停止処理を実行を開始する(S2210)。撮像部24から新たなイメージ取り込みを停止し(S2211)、既に取り込み済みの動画イメージ(0xx3)の後に、当該取り込み終了をDMAインタフェース27を介して送信する準備(S2203)としてDMA転送ヘッダを作成する。前記DMA転送ヘッダは、本イメージ長、DMAイメージ長等に加え取り込み終了コマンドを入れ込む。なお、本体イメージは作成しない。前記ヘッダをDMA転送キューに詰めた後、SE0xx5;動画録画停止応答イベントを作成し、当該SE0xx5;動画録画停止応答イベントをシリアルインタフェース28を介して本体装置1に送信する。
【0063】
シリアルインタフェース18及びシリアルドライバ105を介してSE0xx5;動画録画停止応答イベントを受信した本体装置1の制御部11で動作中のカメラ制御ミドルウェア1020は、イベント送信APIをCallして、E0xx5;動画録画停止応答イベントを動画録画アプリケーション1011に送信する。
【0064】
カメラ制御ミドルウェア1020からE0xx5;動画録画停止応答イベントを受信した本体装置1内の制御部1で動作中の動画録画アプリケーション1011は、動画録画停止応答イベント受信フラグを立てるのみで、ミドルウェアへの停止コマンドは発行しない(S2113)。
【0065】
デジタルカメラ装置2側で撮像部24からの取り込みを停止した後の、残イメージは、デジタルカメラ装置2のS2202〜S2206と、本体装置1のS2101からS2106の動画イメージ転送・保存サイクルにより処理する。
【0066】
その後、S2102の処理後のS2103の判定で、取り込み終了コマンド有りと判定した、本体装置1内のDMAドライバ104は、本体イメージの受信処理をキャンセルし、判定に伴う他処理を行うと伴に、ヘッダ(0xx4)DMA受信完了イベントを動画制御ミドルウェア1021に発行する(S2107)。
【0067】
本体装置1内のDMAドライバ104からのヘッダ(0xx4)DMA受信完了イベントを受信した動画制御ミドルウェア1021は、DMAドライバによる取り込み動作が終了したことを認識し、DMAドライバClose許可状態に移行すると伴に、媒体記憶部15に動画フォーマットにして追記している動画データのクローズ処理等の後処理を行う(S2116)。
【0068】
本第二の実施例を実施することにより、以下のような特有の効果がある。
【0069】
・DMA転送における処理をヘッダと本体イメージの2回に分けて転送することによって、フレームレートが小さくなった場合等において、本体イメージ取り込みを待つことなく終了コマンドをヘッダ単独でDMA送信できるので、フレームレートに因らず即終了を伝達できるという効果がある。
【0070】
・DMA転送における処理をヘッダと本体イメージの2回に分けて転送することによって、本体装置1側のDMAドライバでヘッダ解析を行うことにより、DMAパラメータ設定がドライバ内で可能となり、また、終了処理判定もドライバ内で可能となるため、上位のミドルウェアからのコマンドを減らし、ミドルウェアからみたドライバ制御処理を簡略化することができるという効果もある。
【0071】
(他の実施の形態)
なお、本発明は上記各々の実施の形態に限定されるものではなく、さらに以下のような変形が可能である。
【0072】
第一及び第二実施例において、動画録画アプリケーションにて停止動作手段としてソフトウェアボタンを押下する手段を用いてもよい。
【0073】
第一及び第二実施例において、動画録画アプリケーションにて停止動作手段として、DMA転送データに埋め込んだ制御コマンドの例を挙げているが、動画録画アプリケーションにおける停止動作に限ることなく、例えば、転送するデータの撮影部にての取り込み時の取り込みイメージパラメータ等を伝達するコマンド及びパラメータセットであってもよい。
【0074】
第一及び第二実施例において、本体装置1及びデジタルカメラ装置2におけるソフトウェアの動作形態としてRAMにロードする形態での実施例を記述しているが、当該形態によらずROM上での動作形態(XIP:eXecute In Place)をとっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の第一の実施例を示すハードウェアブロック図である。
【図2】第一の実施例におけるソフトウェアブロック図である。
【図3】第一の実施例のソフトウェアブロック図におけるアプリケーションシステム及びミドルウェアライブラリの詳細図である。
【図4】第一の実施例におけるシーケンス図である。
【図5】第一の実施例における録画中のフロー図である。
【図6】第一の実施例における録画停止のフロー図である。
【図7】第二の実施例におけるシーケンス図である。
【図8】第二の実施例における録画中のフロー図である。
【符号の説明】
【0076】
1 本体装置
11 制御部
12 記憶部
13 表示部
14 操作部
15 媒体記憶部
16 ファインダインタフェース
17 DMAインタフェース
18 シリアルインタフェース
2 デジタルカメラ装置
22 制御部
23 画像処理部
24 撮像部
26 ファインダインタフェース
27 DMAインタフェース
28 シリアルインタフェース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体装置と、前記本体装置と着脱可能なデジタルカメラ装置で構成されるデジタルカメラシステムであって、
前記本体装置とデジタルカメラ装置間に、シリアル通信、DMA転送路、ファインダーの3つの異なるデータ通信経路のインタフェースを個別に持ち、前記本体装置の制御ソフトウェアと前記デジタルカメラ装置の制御ソフトが連動して各種のアプリケーション機能の動作を行い、
前記本体装置の制御ソフトウェアを、アプリケーション部とミドルウェア部とドライバ部に分ける手段を持ち、
前記本体装置の制御ソフトウェアにおけるドライバ部でのDMAドライバを介したDMA制御ミドルウェアと、前記デジタルカメラのDMA制御ソフトウェア間において、画像イメージ等のデータだけでなくコマンドをDMAデータとして送受する手段を有する
ことを特徴とするデジタルカメラシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のデジタルカメラシステムにおいて、
前記DMAで送受するコマンドは、送受するイメージ等の転送中のデータに関連するコマンドを送受する手段を有することを特徴とするデジタルカメラシステム。
【請求項3】
本体装置と、本体装置と着脱可能なデジタルカメラ装置で構成されるデジタルカメラシステムであって、
前記本体装置とデジタルカメラ装置間に、シリアル通信、DMA転送路、ファインダーの3つの異なるデータ通信経路のインタフェースを個別に持ち、前記本体装置の制御ソフトウェアと前記デジタルカメラ装置の制御ソフトが連動して各種のアプリケーション機能の動作を行い、
前記本体装置の制御ソフトウェアを、アプリケーション部とミドルウェア部とドライバ部に分ける手段を持ち、
前記本体装置の制御ソフトウェアにおけるドライバ部でのDMAドライバを介したDMA制御ミドルウェアと、前記デジタルカメラのDMA制御ソフトウェア間において、画像イメージ等のデータを転送する場合に、転送に関わるヘッダを作成し、先行して転送する手段を有し、
前記ヘッダにコマンドを載せて、DMAデータとして送受する手段を有する
ことを特徴とするデジタルカメラシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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